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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】発電機及び発電方法
(51)【国際特許分類】
   H02N 11/00 20060101AFI20220712BHJP
【FI】
H02N11/00 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018142371
(22)【出願日】2018-07-30
(65)【公開番号】P2020022222
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】友野 孝夫
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-185698(JP,A)
【文献】特表2011-509647(JP,A)
【文献】特開2010-098925(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0054386(US,A1)
【文献】特開2013-117183(JP,A)
【文献】特開2012-186870(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0071869(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0156725(US,A1)
【文献】米国特許第04275309(US,A)
【文献】米国特許第04016725(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0212570(US,A1)
【文献】特開2014-214646(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 11/00
H02N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱を発している熱源の表面である熱源表面に取り付けられて使用される発電機であって、
上記熱源表面に取り付けられて上記熱源表面からの熱が伝達される底面部と、
上記底面部に一方の開口を向け且つ上記熱源表面から離れる方向に延在し先端側が外気に開放された筒状の中空部を有する煙突部と、
上記中空部の上記底面部側に外気を誘導する空気誘導路と、
上記空気誘導路又は上記煙突部に配置されて上記空気誘導路又は上記中空部を流れる空気で回転駆動される回転形静電モータと、
を備えることを特徴とする発電機。
【請求項2】
上記熱源表面は、人を含む動物の皮膚面であることを特徴とする請求項1に記載した発電機。
【請求項3】
上記底面部は熱伝導性材料から構成され、
上記煙突部の上記中空部を形成する内壁面は断熱材料から構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した発電機。
【請求項4】
上記空気誘導路の開口断面は、上記中空部の開口断面よりも小さく、
上記回転形静電モータは、上記空気誘導路に配置されていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載した発電機。
【請求項5】
上記回転形静電モータは、回転軸と上記回転軸から放射状に延びた複数の羽部とを有し、上記各羽部がモータの回転に伴い上記空気誘導路内を通過可能に配置され、且つ上記回転軸が、上記空気誘導路よりも上記熱源表面から離れた位置に配置されることを特徴とする請求項4に記載した発電機。
【請求項6】
熱を発している熱源の表面である熱源表面の温度と外気温との温度差による煙突効果で空気移動通路内を空気が流れ、上記空気移動通路に設けられた回転形静電モータを、上記空気移動通路を流れる空気によって回転駆動して発電し、
上記熱源表面は、人を含む動物の皮膚面である、
ことを特徴とする発電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型の発電機に関する技術である。特に、本発明は、POWER MEMS技術を適用して製造できたり、装着可能なほど小型で且つ簡易な構成の発電機の提供に好適な技術である。
【背景技術】
【0002】
人体に装着可能な小型の発電機としては、例えば特許文献1に記載の発電機がある。特許文献1に記載の発電機は、外部振動による機械的振動によって発生する励振を利用して発電を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-97661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、振動式発電機の場合、発電機を貼り付けた対象物の振動発生状況によって発電が不安定になるおそれがある。例えば、振動式の発電機を人体に貼り付けた場合、人が動かなければ発電しないおそれがある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、簡易な機構でより安定して電力を発生可能な小型の発電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
課題を解決するために、本発明の一態様は、熱を発している熱源の表面である熱源表面に取り付けられて使用される発電機であって、上記熱源表面からの熱が伝達される底面部と、上記底面部に一方の開口を向け且つ上記熱源表面から離れる方向に延在し先端側が外気に開放された筒状の中空部を有する煙突部と、上記中空部の上記底面側に外気を誘導する空気誘導路と、上記空気誘導路又は上記煙突部に配置されて上記空気誘導路又は上記中空部を流れる空気で回転駆動される回転形静電モータと、を備えることを要旨とする。
この発明の一態様では、熱源表面の温度と外気温度との温度差で生じる煙突効果で流通する空気の流速で回転形静電モータが回転駆動されることで、温度差を有する限り連続して発電することが可能となる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、熱源表面での振動が不安定であっても、小型且つ簡易な機構でより安定して電力を発生可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に基づく実施形態に係る発電機を説明する模式図であり、(a)は正面断面を、(b)は側面図を、(c)は上面図をそれぞれ表す。
図2】本発明に基づく実施形態に係る回転形静電モータの回転を説明する軸方向からみた図である。
図3】本発明に基づく実施形態に係る回転形静電モータを説明する軸直方向からみた図である。
図4】本発明に基づく実施形態に係る回転形静電モータの回路例を示す図である。
図5】回転形静電モータの出力を平滑化する回路例を示す図である。
図6】発電機がバッテリを有する場合の回路例を示す図である。
図7】煙突部に切欠きを設けた変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
ここで、図に示す構成は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに限定されるものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0009】
(構成)
本実施形態の発電機は、平面視での面積が、例えば矩形形状に換算して100mm×100mmの大きさ以内で、高さが例えば100mm以下からなる小型の発電機である。
発電機1は、図1に示すように、煙突部11,12と、空気誘導路14と、回転形静電モータ13とを備える。
煙突部11,12は、熱源表面から離れる方向に延在し先端側が開口した筒状の中空部15を有する。
空気誘導路14は、熱源表面側で中空部に連通する貫通穴からなる。
回転形静電モータ13は、空気誘導路又は煙突部に配置されて空気誘導路及び煙突部を流れる空気で回転駆動される。
【0010】
本実施形態では、熱を発している熱源の表面である熱源表面が、体内の熱を熱源とする人体の皮膚表面(皮膚面)である場合を例にして説明する。本実施形態の発電機1を、貼り付けなどで取り付ける対象としての熱源表面は、人体の皮膚面である必要はない。例えば、取り付ける熱源表面は、犬などの動物の皮膚面であっても良いし、熱風や温水などの熱源が流れる配管表面であっても良い。また、取り付ける熱源表面は、モバイル機器のバッテリなどの電子部品の表面など、熱を発生する部品の表面や,その部品を覆う筐体の表面であってもよい。
【0011】
また、熱源表面への発電機の取付け方法は特に限定されないが、その取付け方法は、例えば粘着材による貼り付け、吸着による貼り付けなどで行えば良い。
ここで、貼り付け面が下側を向いている場合には、煙突部が貼り付け側から下方に向けて突出した状態となるが、以下の説明では、図1(a)のように、対象への貼り付け側を下側(下面側)となっている状態を想定して説明する。
【0012】
更に具体的に、図面を参照して本実施形態の発電機1について説明する。
本実施形態の発電機1は、図1に示すように、下面が皮膚面に固定される底面部10を有する。底面部10の下面は皮膚面Sに密着、若しくは底面部10の下面と皮膚面Sとの間に外気が流入しない状態となっていることが好ましい。
煙突部11,12は、底面部10から上方に立設している。煙突部に形成されている中空部15は、軸を上下に向けた貫通穴であり、下端開口部を底面部10に向け且つ底面部10から離れる方向(上方)に軸を向けて延在し、上端開口部11aが外気に開放されている。煙突部は、肉厚に形成された底面部10側の基部12と、基部12から上方に立ち上がっている煙突部本体11とを備える。
【0013】
空気誘導路14は、底面部10に沿って設けられ、基部12を横方向に貫通する貫通穴から構成されている。その空気誘導路14は、一端が中空部15の下部に連通し、他端14aが外気に開放されている。空気誘導路14は、回転形静電モータ13が取付け可能であれば、短くても良い。空気誘導路14の他端14aは、中空部15の上端開口部11aよりも皮膚面S側に位置する。空気誘導路14の他端14aは、できるだけ皮膚面Sに近く配置されることが好ましい。
本実施形態の空気誘導路14は、その下面が底面部10の上面で構成されて、底面部10に沿って延在する。
【0014】
本実施形態では、空気誘導路14を2本形成されている。空気誘導路14は1本でも良いし3本以上でも良い。
本実施形態では、空気誘導路14の開口断面が、中空部15の開口断面よりも狭く設定されている。
例えば中空部15の開口断面は、図1(a)のように、長方形形状であり、その寸法が例えば0.5mm×2.0mmの大きさとなっている。また空気誘導路14の開口断面は、図1(b)に示すように、長方形形状であり、その寸法が例えば0.2mm×1.0mmとなっている。ただし、中空部15の開口断面の形状に特に限定はない。
【0015】
また、煙突部(中空部15)の高さは、例えば6mm以上100mm以下の範囲である。煙突部(中空部15)の高さは、より好ましくは10mm以上50mm以下である。10mm以上であれば、より確実にメディカルセンサに電力を安定して供給することが可能となる。また余り高すぎると、設置時に発電機1の安定性に悪影響が出る可能性があるため、100mm以下が好ましく、より好ましくは50mm以下である。安定性の観点からは、煙突部(中空部15)の高さは、底面部10の面積を正方形形状に換算した際における正方形の一辺の長さ以下とすることが好ましい。
【0016】
なお、図1では、中空部15が垂直に延在する場合が図示されているが、中空部15が斜めに延在するように形成されていても良い。中空部15は、皮膚面Sから離れる方向に延びていればよい。すなわち、筒状の中空部は、直線状に延びている必要はなく、例えば先端側が側方に延びて側方で開口するような構成でも構わない。
底面部10は、熱伝導性材料から構成されることが好ましい。底面部10を熱伝導性材料で構成することで、より確実に、底面部10の上面側の温度を、より短時間で体温に近づけることができる。熱伝導性材料は、例えば金属から構成される。金属としては、例えば、銅(370)、アルミニウム合金(200)、鋼材(53)、鉛(35)、ステンレス鋼(15)が例示できる。なお、材料の後に記載したカッコ内の数字は、その材料の熱伝導率を示す。すなわち、熱伝導性材料の熱伝導率は、15以上、好ましくは200以上が好ましい。もっとも、底面部10が熱伝導性材料以外の材料から構成されていても良い。
【0017】
また煙突部の中空部15を形成する内壁面が断熱材料から構成されることが好ましい。本実施形態では煙突部全体を断熱材料で構成する。断熱材料としては、アクリルガラス(0.2),PVC(0.17)、ポリウレタン(0.3)、シリコン(0.35)、プチルゴム(0.24)が例示できる。なお、材料の後に記載したカッコ内の数字は、その材料の熱伝導率を示す。すなわち、断熱材料の熱伝導率は、0.35以下、好ましくは0.2以下が好ましい。もっとも、煙突部が断熱材料以外の材料から構成されていても良い。
【0018】
また、各空気誘導路14の途中に回転形静電モータ13が設けられている。図2中、符号12aは、羽部13Bを回転可能状態で収容する空洞部である。
回転形静電モータ13は、回転駆動することで発電可能な公知の静電モータ13の構成を採用すればよい。本実施形態の回転形静電モータ13は、図2~4に示すように、回転軸13Aと、回転軸13Aに放射状に取り付けられた複数の羽部13B(ローター)と、ステータ13Cとを備える。
回転軸13Aは、図2図3に示すように、回転軸の両端部が、基部12に軸回転可能に支持される。回転軸13Aは、図2に示すように、空気誘導路14よりも上方位置で当該空気誘導路14の延在方向に交差する方向に軸を向けて配置されている。本実施形態では、回転軸13Aは空気誘導路14に直交する方向に配置される場合が例示されている。
【0019】
ここで、同一の風量で複数の羽部13B(ローター)がより回転しやすくするためには、回転軸13Aの端部と、その端部を支持する基部12との接触面積が少ない方が好ましい。例えば、図3(b)のように、回転軸13Aの両端部(基部12に支持される部分)の少なくとも一方の端部を円錐状や円錐台形状などとして、回転軸13Aにおける基部12に支持される面をテーパ面とすることで、回転軸13Aの端部と基部12との接触面積を小さくして摩擦係数を減少させる。
その回転軸13Aに複数の羽部13B(図2では4枚)が固定されている。回転軸13Aの設置高さは、図2に示すように、下部に位置する羽部13Bの一部が空気誘導路14内に位置するように設定する。
【0020】
図1中、符号16は、回転形静電モータ13のリード線(出力端子)で、このリード線16を、不図示のECGやEMGなど、身体に装着したメディカルセンサ等の受動装置に電気的に接続して、受動装置に対し電力の供給を行う。
なお、回転形静電モータ13の出力を平滑化する場合には、例えば図5に示すような回路を組み込む。
また、発電機1がバッテリを有していても良い。この場合、図6に示すような回路構成でバッテリ17を回転形静電モータ13に接続して、バッテリ17から電力を出力可能な構成する。
【0021】
また、皮膚面Sに発電機1を取り付けた際に、冬場など、人がきつめの衣類を着ていること等で、テンションの掛かった衣類で煙突部の上端開口部11aを閉塞してしまう可能性がある。これに対する対策として、煙突部本体11の上部に中空部15から横方向に抜ける開口を形成しておくと良い。図7では、煙突部本体11の上端部に切欠き11bを形成して、煙突部側方に、中空部15内の空気が外気に開放される開口を形成した例を図示している。煙突上部側面に開口用の穴を設けても良い。
【0022】
(作用その他)
本実施形態では、熱を発している熱源の表面である皮膚面S(熱源表面)の温度と外気温との温度差による煙突効果で、空気誘導路14及び中空部15からなる空気移動通路内を空気が流れる。そして、空気誘導路14に設けられた回転形静電モータ13を、上記空気移動通路を流れる空気によって回転駆動して発電する。ここで、体温が外気温よりも高ければ、空気誘導路14から吸い込まれた空気が、煙突効果によって中空部15内を下から上に向けて移動するように流れる。一方、体温が外気温よりも低ければ、空気は中空部15内を上から下に向けて移動して空気誘導路14を介して外部に流れる。
体温と外気温に温度差があれば、取り付けた人が動かなくても煙突効果で連続して空気の流れが形成されて、発電機1は、連続して発電することができる。
【0023】
ここで、外気の気圧、温度、空気密度を、To、Po、ρoとし、煙突部下部の気圧、温度、空気密度を、Ti、Pi、ρiとする。また煙突部の高さをh、重力加速度をgとする。
すると、下記式のように表すことができる。
Po =g・ρo・h
Pi =g・ρi・h
ΔP =Po-Pi =g(ρo-ρi)h
=g・ρo・h・(|Ti-To|/Ti)
一方、ΔP・Vo =(1/2)・mo・v と記載でき、
ρo =mo/Voと置き換えれば、
=√(2gh・(|Ti-To|/Ti)) ・・・(1)
と表すことができる。
(1)式から、体温と外気温に温度差がある場合には、連続して空気が流れることが分かる。
【0024】
本実施形態では、空気誘導路14に回転形静電モータ13を設けているが、煙突部に回転形静電モータ13を設けても良い。例えば、煙突部の先端部側を側方に延在させて、その側方に延びる煙突部分に回転形静電モータ13を設ける。
ただし、空気誘導路14に回転形静電モータ13を設けた方が好ましい。すなわち、形成した空気誘導路14の本数分だけ回転形静電モータ13を設けることができる。また、断面開口が小さい空気誘導路14の方が、相対的に流速が大きいことから、回転形静電モータ13の出力が大きくなる。更に、より皮膚面S側に回転形静電モータ13を配置した方が、発電機1の重心が低くなって、発電機1をより安定して皮膚面Sに取り付けられるようになる。
【0025】
また、底面部10を熱伝導性材料で構成し、煙突部の中空部15を形成する内壁面を断熱材料で構成することが好ましい。この場合、底面部10を熱伝導性材料で構成することで、中空部15の下部温度を迅速に皮膚面Sの温度により近づけられ、また、中空部15を形成する内壁面を断熱材料で構成することで、中空部15の高さ方向途中部が外気温になりにくくなる。この結果、より確実に煙突効果を奏するようになる。
また、駆動されるモータとして、静電モータ13を使用することで、逆起電力が生じることがないため、流速が小さくてもモータが回転しやすくなる。すなわち、煙突効果による流速が小さい場合でもモータが回転駆動しやすくなる。
また、静電モータ13の回転軸13Aが上下に向くように静電モータ13を配置しても良いが、モータの羽部13B(ローター)を縦回転させるように静電モータ13を配置した方が、相対的に、流速が小さくてもモータが回転しやすくなるため好ましい。
【0026】
以上のように、本実施形態の発電機1によれば、皮膚面Sなどの熱源表面での振動が不安定であっても、小型且つ簡易な機構で、より安定して電力を発生可能となる。
ここで、発明者が確認したところ、静電モータ13を配置した空気誘導路14での流速が0.01m/s以上1.00m/s以下の範囲で、好適に静電モータ13で発電ができた。もっとも、空気誘導路14での流速が0.01m/s未満でも静電モータ13での発電が可能と思われる。また、空気誘導路14での流速が1.m/sを越えても静電モータ13での発電は可能である。
【0027】
また、使用環境にもよるが、人体の皮膚に発電機1を貼り付けて空気誘導路14での流速を確認したところ、少なくとも0.02m/s以上0.40m/s以下の流速が確保され、発電機1が連続して発電することを確認した。
また、皮膚温より温かい面に発電機1を貼り付けたところ、空気誘導路14での流速が0.6m/sと速くなり、より安定して発電していることも確認した。
【符号の説明】
【0028】
1 発電機
10 底面部
11 煙突部本体
11a 上端開口部
11b 切欠き
12 基部
13 回転形静電モータ
13A 回転軸
13B 羽部
13C ステータ
14 空気誘導路
14a 他端
15 中空部
S 皮膚面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7