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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01D 69/00 20060101AFI20220712BHJP
【FI】
A01D69/00 302C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018162188
(22)【出願日】2018-08-30
(65)【公開番号】P2020031598
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】奥村 和哉
(72)【発明者】
【氏名】五島 一実
(72)【発明者】
【氏名】土居原 純二
(72)【発明者】
【氏名】釘宮 啓
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼秀範
(72)【発明者】
【氏名】松澤 宏樹
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-211517(JP,A)
【文献】特開2011-188756(JP,A)
【文献】特開2000-087772(JP,A)
【文献】特開2010-207159(JP,A)
【文献】特開2005-237337(JP,A)
【文献】特開2012-044954(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0141436(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 67/00 - 69/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀クラッチを接続した状態で、走行変速レバーの増速操作に関連してエンジン回転速度を自動的に増速させ、走行変速レバーの減速操作に関連してエンジン回転速度を自動的に減速させるエンジン回転速度制御装置を備えたコンバインにおいて、
脱穀負荷を検出する脱穀負荷検出手段を設け、この脱穀負荷検出手段によって脱穀負荷が最大負荷状態またはこの近傍の負荷状態にあることが検出された状態では、前記走行変速レバーを減速側に操作してもエンジン回転速度の減速が牽制され
前記脱穀負荷検出手段によって脱穀負荷が最大負荷状態またはこの近傍の負荷状態にあることが検出された状態では、前記走行変速レバーを減速側に操作してもエンジン回転速度が定格回転速度に保持され、
前記定格回転速度の保持は、脱穀負荷が設定範囲内に低下した状態で前記走行変速レバーが中立位置に操作された場合に解除される構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記脱穀負荷検出手段によって検出された脱穀負荷を表示する脱穀負荷表示手段を設けた請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記定格回転速度の保持は、脱穀負荷が設定範囲内に低下した場合に解除される構成とした請求項に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の農業機械において、変速操作具の変速操作にアクセルの開度を連動させ、変速操作具を増速側に操作して走行速度が増速するほどエンジン回転速度を増速させ、走行負荷に対応したエンジン出力を得る技術が知られている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-049328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来の技術をコンバインに適用した場合、刈取作業中に、例えば刈取装置に多量の穀稈が導入されることによる脱穀負荷の増加に対応するために、走行速度を減速させた場合、これに連動してエンジン回転速度も減速することとなり、エンジンから変速装置を介さずに連動される脱穀装置に備えた唐箕の風力や揺動選別棚の揺動速度が低下し、選別不良を来す問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、脱穀負荷が増加した状態ではエンジン回転速度の低下を牽制し、選別不良の発生を防止して脱穀選別作業を円滑に維持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は次の技術的手段を講じる。
【0007】
すなわち、請求項1に記載の発明は、脱穀クラッチを接続した状態で、走行変速レバーの増速操作に関連してエンジン回転速度を自動的に増速させ、走行変速レバーの減速操作に関連してエンジン回転速度を自動的に減速させるエンジン回転速度制御装置を備えたコンバインにおいて、脱穀負荷を検出する脱穀負荷検出手段を設け、この脱穀負荷検出手段によって脱穀負荷が最大負荷状態またはこの近傍の負荷状態にあることが検出された状態では、前記走行変速レバーを減速側に操作してもエンジン回転速度の減速が牽制され、前記脱穀負荷検出手段によって脱穀負荷が最大負荷状態またはこの近傍の負荷状態にあることが検出された状態では、前記走行変速レバーを減速側に操作してもエンジン回転速度が定格回転速度に保持され、前記定格回転速度の保持は、脱穀負荷が設定範囲内に低下した状態で前記走行変速レバーが中立位置に操作された場合に解除される構成としたことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記脱穀負荷検出手段によって検出された脱穀負荷を表示する脱穀負荷表示手段を設けた請求項1記載のコンバインとしたものである。
【0009】
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記定格回転速度の保持は、脱穀負荷が設定範囲内に低下した場合に解除される構成とした請求項1に記載のコンバインとしたものである。
【0011】
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、脱穀負荷検出手段によって脱穀負荷が最大負荷状態またはこの近傍の負荷状態にあることが検出された状態では、走行変速レバーを減速側に操作してもエンジン回転速度の減速が牽制されるので、エンジンから連動される脱穀装置の唐箕や揺動選別棚の駆動速度が低下せず、唐箕風量や揺動選別棚の揺動速度を維持して適切な選別状態が維持され、選別不良の発生を防止することができる。
また、脱穀負荷検出手段によって脱穀負荷が最大負荷状態またはこの近傍の負荷状態にあることが検出された状態では、走行変速レバーを減速側に操作してもエンジン回転速度が定格回転速度に保持されるので、脱穀処理能力を高く維持することができる。
また、定格回転速度の保持は、脱穀負荷が設定範囲内に低下した状態で前記走行変速レバーが中立位置に操作された場合に解除されるので、走行変速レバーの後進操作に応じてスムーズな後進走行を行わせることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加えて、操縦者が脱穀負荷表示手段を視認することで脱穀負荷を認知することができると共に、走行変速レバーの減速操作に拘らずにエンジン回転速度が低下しない原因を認識することができる。
【0014】
【0015】
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明の効果に加えて、定格回転速度の保持は、脱穀負荷が設定範囲内に低下した場合に解除されるので、走行変速レバーの減速操作に応じてエンジン回転速度が低下し、走行速度をスムーズに減速させることができる。
【0016】
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】コンバインの右側面図である。
図2】コンバインの平面図である。
図3】コンバインの操縦部の平面図である。
図4】脱穀負荷表示部(脱穀負荷表示手段)を含む操作パネルの説明図である。
図5】脱穀負荷検出手段(層厚センサ)の説明用側面図である。
図6】エンジン回転速度制御装置のブロック回路図である。
図7】負荷モニタに表示される負荷レベルの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1図2に示すように、コンバインは、走行装置1を備えた機体フレーム2の左側に脱穀装置3を搭載し、機体フレーム2の右側前部に操縦部4を設け、この操縦部4の後側にグレンタンク5を搭載し、機体フレーム2の前側に刈取装置6を昇降自在に設けて構成している。
走行装置1は、走行ミッション7から駆動される左右の駆動スプロケット8と、機体フレーム2を支持する左右の転輪フレーム9に軸支された多数の転輪10にわたって、左右の無端状のクローラ11を巻き掛けて構成されている。走行ミッション7は、操縦部4に設けた走行変速レバー(後述する)によって変速される油圧式無段変速(図示省略)から変速駆動力が入力され、左右のサイドクラッチを介して左右の駆動スプロケット8を駆動する。操縦部4に設けた操向レバー12を旋回方向に傾倒操作すると、この側のサイドクラッチが遮断されて一方の駆動スプロケット8の駆動が停止し、旋回が行われる。
油圧式無段変速装置には、操縦部4の下部に搭載したエンジンEの駆動力が入力される。
【0019】
脱穀装置3は、上部の扱室13と下部の選別室14から構成され、上部の扱室13には扱胴(図示省略)が回転自在に内装され、この扱室13における扱胴の後方に排塵ファンが内装される。選別室14には揺動選別棚42(図5参照)が前後揺動自在に内装され、この揺動選別棚42の下方に、前側から順に、唐箕、一番移送螺旋、二番移送螺旋が配置される。
【0020】
この脱穀装置3には、エンジンEの駆動力がベルトテンション式の脱穀クラッチ(図示省略)を介して入力される。
操縦部4は、エンジンEを覆うエンジンカバーの上部に操縦席Sを設け、この操縦席Sの前方に操向レバー12等を備えた操作パネルPを有し、操縦席Sの左側に、上記の油圧式無段変速装置を機械的連動機構を介して変速操作する走行変速レバーLと、脱穀装置3へエンジンEの駆動力を伝達する脱穀クラッチ(図示省略)を接続および遮断操作する脱穀クラッチレバーDCと、後述する刈取装置6へエンジンEの駆動力を伝達する刈取クラッチ(図示省略)を接続および遮断操作する刈取クラッチレバーKCと、エンジンE側への燃料供給量を手動調節してエンジン回転速度を変速調節するスロットルレバー69を備えた側部操作パネルSLを有している。また、この操縦部4は、キャビンによって覆われる構成としてもよい。
【0021】
グレンタンク5は、底部に前後方向の底部移送螺旋を備えた箱型に形成され、機体内側の側壁の上部に、脱穀装置3から選別後の穀粒を揚穀する1番揚穀筒18の状端部が連通されている。このグレンタンク5の後側には、上述の底部移送螺旋から穀粒を引き継いで外部へ排出する排出オーガ19の揚穀部20が立設されている。底部移送螺旋の後端部と揚穀部20に内装された揚穀螺旋の下部はギヤ連動されており、エンジンEの駆動力が、排出クラッチ(図示省略)を介して底部移送螺旋の前端部から入力される構成としている。
【0022】
刈取装置6は、前端部に備えた分草杆(図示省略)と、分草稈の後側に斜設されたラグ式の引起装置23と、引起装置23の下部後方に配置されたバリカン式の刈刃24と、刈取後の穀稈を脱穀装置3側へ向けて搬送する搬送チェン(図示省略)等を備え、機体フレーム2の前部に立設した懸架台の上部に上下回動自在に軸支されている。上述の操向レバー12の前後傾倒操作によって伸縮する油圧シリンダ(図示省略)を設け、この油圧シリンダの伸縮作動によって刈取装置6が昇降する構成としている。
【0023】
図1~3に示すように、操縦部4は、エンジンEを内装するエンジンカバー50の上部に操縦席Sを支持し、エンジンカバー50の前側下部には操縦者が搭乗するステップ51を設け、このステップ51の前端部にフロント操作ポスト52を立設し、ステップ51の前部上側に駐車ブレーキペダル53を配置して構成する。
【0024】
上述の操作パネルPはフロント操作ポスト52の上端部に装着し、この操作パネルPの後側にはハンドル54を設ける。
【0025】
図3に示すように、操作パネルPにおける右側端部に上述の操向レバー12が立設され、操作パネルPの左右方向中央部にモニタ55が配置される。KYはエンジンEを始動するキースイッチである。
【0026】
図4に示すように、このモニタ55には、脱穀負荷を表示する脱穀負荷表示部(脱穀負荷表示手段)55Aと、作業走行速度を表示する走行速度表示部55Bと、扱ぎ深さ調整位置を表示する扱ぎ深さ表示部55Cと、走行灯及び作業灯の点灯状態を表示する灯火状態表示部55Dと、グレンタンク5内の穀粒堆積高さを表示する穀粒貯留量表示部55Eと、燃料貯留量を表示する燃料貯留量表示部55Fと、液晶パネルからなるメッセージ表示部55Gを配置する。
(脱穀負荷検出手段)
図5に示すように、揺動選別棚42の前後方向中央部には、この揺動選別棚42に備えた選別シーブ上の被選別物の層厚を検出するフロート式の層厚センサ56を設ける。
【0027】
この層厚センサ56は、自由端部側にフロート56Aを備えたセンサアーム56Bと、フロート56Aが被処理物によって押し上げられることで上下回動するセンサアーム56Bの回動角度を検出するポテンショメータ56Cから構成される。
【0028】
すなわち、揺動選別棚42上の被選別物の層厚が大きいほど、脱穀装置3に供給される穀稈量が多く、脱穀負荷が増加すると判定する構成である。
【0029】
また、穀稈が湿っている場合には脱穀負荷が大きくなり、被選別物が揺動選別棚42から漏下しにくくなるため、揺動選別棚42上の被選別物の層厚が厚くなる。
(エンジン回転速度制御装置)
しかして、エンジン回転速度制御装置57は、コントローラ58に対して、その入力側に、エンジン回転速度制御を有効状態と無効状態に切換える制御入り切りスイッチ59と、層厚センサ56のポテンショメータ56Cと、走行速度を検出する走行速度センサ60と、走行変速レバーLの前後回動角度を検出する変速操作ポテンショメータ61と、刈取クラッチの接続/遮断状態を検出する刈取クラッチ接続状態センサ62と、脱穀クラッチの接続/遮断状態を検出する脱穀クラッチ接続状態センサ63と、エンジンEの出力回転速度を検出するエンジン出力回転速度センサ64と、スロットルレバー69の操作角度を検出するスロットルレバーポテンショメータ70を接続する。
【0030】
また、コントローラ58に対して、その出力側には、脱穀負荷表示部(負荷モニタ)を形成する発光部を正方形とした8つの発光ダイオード65を点灯制御する点灯制御部66と、エンジンEへの燃料供給量を制御して出力回転速度を変速させるガバナ制御部67と、メッセージ表示部55Gに短文を表示するメッセージ表示制御部68を接続する。
(エンジン回転速度制御)
エンジンEを始動し、スロットルレバー69を増速操作してエンジンEの出力回転速度を定格回転(この実施例の場合は2800rpm)に設定し、刈取クラッチと脱穀クラッチを接続し、走行変速レバーLを前進側に変速操作して刈取脱穀作業を開始する。
【0031】
制御入り切りスイッチ59を有効側に切り換えた状態で、走行変速レバーLを前進側に増速操作すると、この走行変速レバーLの操作角度が変速操作ポテンショメータ61によって検出され、コントローラ58からガバナ制御部67へ出力がなされてエンジンE側への燃料供給量が増加し、エンジンEの出力回転速度が増速される。なお、走行変速レバーLの前進側の操作角度とエンジンEの出力回転速度は比例関係に設定されている。
【0032】
刈取装置6で刈り取った穀稈は、脱穀装置3の扱室13へ供給されて脱穀され、脱粒した穀粒や枝梗粒や藁屑は、選別室14に備えた揺動選別棚42上へ漏下し、被選別物の層が形成される。
【0033】
刈り取った穀稈が多量に供給された場合や、刈取対象の穀稈が濡れている場合には、揺動選別棚42から下方への被選別物の漏下が遅れ、揺動選別棚42上の被選別物の層厚が大きくなる。これによって、層厚センサ56のフロート56Aが押し上げられ、ポテンショメータ56Cの検出値によって被選別物の層厚が検出される。
【0034】
このようにして検出された被選別物の層厚が、コントローラ58に予め設定された最大層厚またはこれに近い層厚となった状態(後述する図7の負荷モニタの層厚レベル7~9)では、走行変速レバーLを減速側へ操作しても、ガバナ制御部67によるエンジンE側への単位時間当たりの燃料供給量が固定され、エンジン回転速度は減速しない(減速が牽制される)。
【0035】
すなわち、層厚センサ56によって検出される被選別物の層厚から脱穀負荷を判定し、この脱穀負荷が最大負荷状態またはこの近傍の負荷状態にあることが検出された状態では、走行変速レバーLを減速側に操作してもエンジン回転速度の減速が牽制され、定格回転速度に保持される構成としている。または、エンジン回転速度の減速を牽制し、脱穀負荷が最大負荷状態になるときのエンジン回転速度を保持する構成としてもよい。
【0036】
また、層厚センサ56によって検出される層厚が、コントローラ58に予め設定された範囲内(後述する図7の負荷モニタ表示の層厚レベル6以下)まで低下した場合には、上述のエンジン回転速度の減速牽制が解除され、走行変速レバーLの減速装置位置に応じたエンジン出力回転速度に変速制御される。
【0037】
なお、走行変速レバーLを中立位置(走行停止位置)に操作した場合、上述のエンジン回転速度の減速牽制が解除されるように構成してもよい。
【0038】
但し、エンジン回転速度が定格回転速度に達していない回転速度で保持されていた場合は、走行変速レバーLを中立位置から前進側または後進側へ操作すると、エンジン回転速度が定格回転速度まで自動的に増速されるように構成する。
【0039】
また、コントローラ58の入力側に、機体フレーム2に対する刈取装置6の高さを検出するポジションセンサ71を接続し、刈取装置6が機体フレーム2に対して設定高さ以上に上昇したことが検出された場合に、刈取クラッチと扱室の側部に備えたフィードチェンのクラッチが自動的に遮断されると共に、エンジン回転速度が定格回転速度に保持される構成としてもよい。但し、刈取装置6が機体フレーム2に対して設定高さ以上に上昇したことが検出されている状態でも、脱穀負荷が最大負荷にある場合には、エンジン回転速度を定格回転速度に保持する制御はキャンセルされる。この後、脱穀負荷が最大負荷から適正負荷に低下した場合には、エンジン回転速度を定格回転速度に保持する制御は有効状態に復帰する。
(負荷モニタの表示制御)
なお、図7に示すように、層厚センサ56による検出結果は、層厚レベル0から9までの10段階に設定しており、検出結果に応じてコントローラ58から点灯制御部66へ出力がなされ、脱穀負荷表示部55Aの8つの発光ダイオード65が順次点灯する構成である。
【0040】
また、脱穀クラッチを遮断している状態では、脱穀負荷表示部55Aにエンジン負荷を表示する構成としてもよく、脱穀負荷表示部55Aに表示されている負荷状態が、エンジン負荷か脱穀負荷か区別できるように、脱穀負荷表示部55Aの左右一側にインジケータ72を設けてもよい。コントローラ58の出力側にインジケータ72とブザー73を接続し、脱穀負荷が最大となった場合には、ブザー73を鳴動させると共にインジケータ72を5回点滅させる、この後、メッセージ表示部55Gに「走行変速レバーを減速側へ操作してください」等の短文を表示する。または、モニタ55の全面を液晶画面とし、この画面上に割り込み表示させてもよい。このブザー73はフロント操作ポスト52の前壁側に内蔵されるが、脱穀装置3側に設けてもよく、フロント操作ポスト52側と脱穀装置3側の両方に設けてもよい。この2つのブザー73は同時に鳴動させてもよい。ブザー73を繰り返し鳴動させる場合には、鳴動100msec、鳴動停止250msecのパターンと、鳴動100msec、鳴動停止150msecのパターンとを設定する。この2つのパターンは、走行距離または経過時間によって自動的に選択されるように構成してもよい。ブザー73の鳴動は、警笛スイッチを押すことで解除されるように構成する。
【0041】
また、上述の短文の割り込み表示の条件として、走行速度センサ60によって検出される走行速度が0.2m/s以上であることを加えてもよい。さらに、刈取装置6に備え刈取対象穀稈を検出する穀稈センサ74をコントローラ58の入力側に接続し、この穀稈センサ74が穀稈を検出していることを上述の短文の割り込み条件に加えてもよい。また、駐車ブレーキペダル53が踏み込まれている状態では、走行速度による条件を無効としてもよい。
【0042】
また、脱穀負荷とエンジン負荷のうちのいずれか大きい方を脱穀負荷表示部55Aに表示する構成としてもよい。
【0043】
なお、層厚センサ56に調整不良を生じている場合には、脱穀負荷表示部55Aの8つの発光ダイオードを同時に点滅させてもよい。
【符号の説明】
【0044】
55A 脱穀負荷表示部(脱穀負荷表示手段)
57 エンジン回転速度制御装置
L 走行変速レバー
E エンジン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7