(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】画像形成装置及び操作方法
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20220712BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20220712BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220712BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20220712BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20220712BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20220712BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
G03G21/00 380
G03G21/00 386
B41J29/42 F
B41J29/38
B41J29/00 T
G06F3/01 510
G06F3/16 650
G06F3/16 620
G06F3/16 610
G06F3/16 660
H04N1/00 350
(21)【出願番号】P 2018162276
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 亮佑
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-282200(JP,A)
【文献】特開2004-064250(JP,A)
【文献】特開2007-241227(JP,A)
【文献】特開2017-124574(JP,A)
【文献】国際公開第2015/162638(WO,A1)
【文献】特開2006-071926(JP,A)
【文献】特開2013-179379(JP,A)
【文献】特開2011-043894(JP,A)
【文献】特開2017-215639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
B41J 29/42
B41J 29/38
B41J 29/00
G06F 3/01
G06F 3/16
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置において、
ユーザーに対して各種情報を表示する表示部を有する操作パネルと、
前記ユーザーの音声による操作入力を受け付けるとともに、前記ユーザーの操作を促す音声案内を出力する音声入出力部と、
自装置の近傍にいるユーザーが前記自装置を操作しようとしていることを検知する操作予知部と、
前記操作予知部により検知されたユーザーに対して前記操作パネルによるパネル表示を非表示にした状態で前記音声入出力部により出力された音声案内により音声操作を促した後の前記ユーザーの反応に基づいて、前記ユーザーに適したユーザーインターフェースに切り替える操作制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記操作制御部は、前記音声操作を促した後、前記音声入出力部により前記音声操作を受け付けることなく、省電力モードに移行・復帰させるための省電力キーが押下された場合、前記音声入出力部による前記音声操作の受け付け及び前記音声案内の出力を含む全ての音入出力機能を停止させるとともに、前記操作パネルによるパネル表示を開始させて前記ユーザーによるパネル操作を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記操作制御部は、前記音声操作を促した後、前記音声入出力部により前記音声操作を受け付けた場合、前記音声入出力部による前記音声操作の受け付け及び前記音声案内の出力を継続させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
原稿の画像を読み取る画像読取部を備え、
前記操作制御部は、前記受け付けた音声操作が前記画像読取部による画像読み取りが必要な操作であった場合、前記画像読取部への前記原稿のセットを促す指示を前記表示部に表示させ、前記原稿のセットを検知した場合は、前記音声案内の出力を継続させ、前記原稿のセットを検知しなかった場合は、前記音声案内を視覚障がい者向けの音声案内に切り替えることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記操作制御部は、前記音声操作を促した後、前記音声入出力部により前記音声操作を受け付けることなく、前記ユーザーによる前記操作パネルのタッチ操作を検知した場合、前記操作パネルによるパネル表示を開始させて前記ユーザーによるパネル操作を受け付けることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記操作制御部は、前記操作パネルによるパネル表示を開始させて前記ユーザーによるパネル操作を受け付けるとともに前記音声案内の出力を継続させ、前記音声案内の途中で前記ユーザーによるパネル操作を検知した場合は、前記音声入出力部による前記音声操作の受け付け及び前記音声案内の出力を停止させ、前記音声案内の終了後に前記ユーザーによるパネル操作を検知した場合は、前記音声入出力部による前記音声操作の受け付け及び前記音声案内の出力を継続させることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記操作制御部は、前記音声操作を促した後、一定時間ユーザーによる操作を検知しなかった場合、前記ユーザーによるパネル操作への切り替えを問う表示を前記表示部に表示させ、前記パネル操作へと切り替える所定の操作を検知した場合は、前記音声入出力部による前記音声操作の受け付けを停止させるとともに、前記操作パネルによるパネル表示を開始させて前記ユーザーによるパネル操作を受け付け、前記パネル操作へと切り替える所定の操作を検知しなかった場合は、再度、前記音声入出力部により前記音声操作を促す音声案内を出力させることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記操作制御部は、前記パネル操作へと切り替える所定の操作を検知した場合は、前記音声入出力部による前記音声操作の受け付けを停止させ、前記操作パネルによるパネル表示を開始させて前記ユーザーによるパネル操作を受け付けるとともに前記音声案内の出力を継続させ、前記音声案内の途中で前記ユーザーによるパネル操作を検知した場合は、前記音声入出力部による前記音声案内の出力を停止させ、前記音声案内の終了後に前記ユーザーによるパネル操作を検知した場合は、前記音声入出力部による前記音声案内の出力を継続させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記操作制御部は、前記操作予知部により検知されたユーザーが前記自装置から一定距離離れたことを検知した場合、前記音声入出力部による前記音声操作を促す音声案内の出力及び前記音声操作の受け付けを停止させることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
用紙に画像を形成する画像形成部と、ユーザーに対して各種情報を表示する表示部を有する操作パネルと、前記ユーザーの音声による操作入力を受け付けるとともに、前記ユーザーの操作を促す音声案内を出力する音声入出力部と、を備える画像形成装置の操作方法であって、
自装置の近傍にいるユーザーが前記自装置を操作しようとしていることを検知する操作予知ステップと、
前記操作予知ステップで検知されたユーザーに対して前記操作パネルによるパネル表示を非表示にした状態で前記音声入出力部により出力された音声案内により音声操作を促した後の前記ユーザーの反応に基づいて、前記ユーザーに適したユーザーインターフェースに切り替える操作制御ステップと、
を含む操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、音声操作の普及により、視覚障がい者にとっても、画像形成装置を含むデバイスの操作が容易となってきている。一方で、聴覚障がい者にとっては、音声操作は困難であり、従来のパネル操作の方が操作しやすい。また、健常者であっても、音声操作を好むユーザーとパネル操作を好むユーザーがいるため、ユーザーごとに適したユーザーインターフェースを提供する必要がある。
【0003】
そこで、操作パネルの画像形成装置前面側に視覚障がい者でも分かりやすい音声ガイダンスモードを起動するモード切替キーを設けるようにし、音声ガイダンスモードが起動された場合に、キー操作に応じてキーの読み上げを行う構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、操作者により設定されているPCの各設定や操作者の入力操作の特徴に応じて、操作者が視覚障がい者であるか晴眼者であるかを判定し、操作画面を操作者が利用しやすい操作画面へと切り替える構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、視覚障がい者に対し操作を誘導するハンドセットと、視覚障がい者に対しハンドセットを取り上げるよう誘導する音声ガイダンスを送出する第1のスピーカーと、視覚障がい者に対しハンドセットの設置位置を知らせる報知音を送出する第2のスピーカーと、を設けるようにし、顧客が挿入したカードから視覚障がい者であることを判別する構成が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
ところで、画像形成装置のような複数のユーザーが共用する装置においては、健常者、障がい者を問わず共用することとなる。一般に、画像形成装置本体のユーザーインターフェースを用いてコピー機能やスキャン機能を使用する際、ユーザーごとに健常者であるか障がい者であるかを判別するには、画像形成装置へのユーザー登録時に予め障がい情報などを登録しておくようにし、ユーザー認証を行うことで判別するようにしている。
【0007】
例えば、上記特許文献1記載の技術は、健常者と視覚障がい者との判別手段として、個人認証(コード入力による認証手段、カードリーダーによる認証手段、音声認識による認証手段、指紋認識による認証手段等)を採用している。また、上記特許文献2記載の技術は、健常者と視覚障がい者との判別手段として、操作デバイス(マウス、キーボード)の違い(視覚障がい者はキーボードを使用)、PC設定やインストールアプリから判断する方法を採用している。また、上記特許文献3記載の技術は、健常者と視覚障がい者との判別手段として、カード認証を採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2005-257973号公報
【文献】特開2009-129313号公報
【文献】特開2015-230663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1記載の技術は、予め障がい情報などを画像形成装置に登録しておく必要があるが、パブリックユーザー(例えば出張時に一時的に利用するユーザーやコンビニの画像形成装置を使用するユーザー等)として使用する際には、画像形成装置に情報が登録されていないため、ユーザーの障がいを判別することができない。
また、上記特許文献2記載の操作デバイスの違いから判断する方法では、視覚障がい以外の障がいを判別することができない。また、PC設定やインストールアプリから判断する方法では、予めPC設定やアプリのインストールを行っておく必要があるが、パブリックユーザーとして使用する際には、画像形成装置に設定やアプリのインストールがされていないため、ユーザーの障がいを判別することができない。
また、上記特許文献3記載の技術は、カード認証により顧客が視覚障がい者であることを判別する技術であるため、予め認証用情報を画像形成装置に登録しておく必要があるが、パブリックユーザーとして使用する際には、画像形成装置に認証用情報が登録されていないため、ユーザーの障がいを判別することができない。
【0010】
本発明は、複数のユーザーが共用する装置において、ユーザー認証が使用できないケースであっても、ユーザーの利便性を確保することが可能な画像形成装置及び操作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
用紙に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置において、
ユーザーに対して各種情報を表示する表示部を有する操作パネルと、
前記ユーザーの音声による操作入力を受け付けるとともに、前記ユーザーの操作を促す音声案内を出力する音声入出力部と、
自装置の近傍にいるユーザーが前記自装置を操作しようとしていることを検知する操作予知部と、
前記操作予知部により検知されたユーザーに対して前記操作パネルによるパネル表示を非表示にした状態で前記音声入出力部により出力された音声案内により音声操作を促した後の前記ユーザーの反応に基づいて、前記ユーザーに適したユーザーインターフェースに切り替える操作制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記操作制御部は、前記音声操作を促した後、前記音声入出力部により前記音声操作を受け付けることなく、省電力モードに移行・復帰させるための省電力キーが押下された場合、前記音声入出力部による前記音声操作の受け付け及び前記音声案内の出力を含む全ての音入出力機能を停止させるとともに、前記操作パネルによるパネル表示を開始させて前記ユーザーによるパネル操作を受け付けることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記操作制御部は、前記音声操作を促した後、前記音声入出力部により前記音声操作を受け付けた場合、前記音声入出力部による前記音声操作の受け付け及び前記音声案内の出力を継続させることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
原稿の画像を読み取る画像読取部を備え、
前記操作制御部は、前記受け付けた音声操作が前記画像読取部による画像読み取りが必要な操作であった場合、前記画像読取部への前記原稿のセットを促す指示を前記表示部に表示させ、前記原稿のセットを検知した場合は、前記音声案内の出力を継続させ、前記原稿のセットを検知しなかった場合は、前記音声案内を視覚障がい者向けの音声案内に切り替えることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記操作制御部は、前記音声操作を促した後、前記音声入出力部により前記音声操作を受け付けることなく、前記ユーザーによる前記操作パネルのタッチ操作を検知した場合、前記操作パネルによるパネル表示を開始させて前記ユーザーによるパネル操作を受け付けることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、
前記操作制御部は、前記操作パネルによるパネル表示を開始させて前記ユーザーによるパネル操作を受け付けるとともに前記音声案内の出力を継続させ、前記音声案内の途中で前記ユーザーによるパネル操作を検知した場合は、前記音声入出力部による前記音声操作の受け付け及び前記音声案内の出力を停止させ、前記音声案内の終了後に前記ユーザーによるパネル操作を検知した場合は、前記音声入出力部による前記音声操作の受け付け及び前記音声案内の出力を継続させることを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項1~6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記操作制御部は、前記音声操作を促した後、一定時間ユーザーによる操作を検知しなかった場合、前記ユーザーによるパネル操作への切り替えを問う表示を前記表示部に表示させ、前記パネル操作へと切り替える所定の操作を検知した場合は、前記音声入出力部による前記音声操作の受け付けを停止させるとともに、前記操作パネルによるパネル表示を開始させて前記ユーザーによるパネル操作を受け付け、前記パネル操作へと切り替える所定の操作を検知しなかった場合は、再度、前記音声入出力部により前記音声操作を促す音声案内を出力させることを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、
前記操作制御部は、前記パネル操作へと切り替える所定の操作を検知した場合は、前記音声入出力部による前記音声操作の受け付けを停止させ、前記操作パネルによるパネル表示を開始させて前記ユーザーによるパネル操作を受け付けるとともに前記音声案内の出力を継続させ、前記音声案内の途中で前記ユーザーによるパネル操作を検知した場合は、前記音声入出力部による前記音声案内の出力を停止させ、前記音声案内の終了後に前記ユーザーによるパネル操作を検知した場合は、前記音声入出力部による前記音声案内の出力を継続させることを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項1~8のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記操作制御部は、前記操作予知部により検知されたユーザーが前記自装置から一定距離離れたことを検知した場合、前記音声入出力部による前記音声操作を促す音声案内の出力及び前記音声操作の受け付けを停止させることを特徴とする。
【0020】
請求項10に記載の発明は、
用紙に画像を形成する画像形成部と、ユーザーに対して各種情報を表示する表示部を有する操作パネルと、前記ユーザーの音声による操作入力を受け付けるとともに、前記ユーザーの操作を促す音声案内を出力する音声入出力部と、を備える画像形成装置の操作方法であって、
自装置の近傍にいるユーザーが前記自装置を操作しようとしていることを検知する操作予知ステップと、
前記操作予知ステップで検知されたユーザーに対して前記操作パネルによるパネル表示を非表示にした状態で前記音声入出力部により出力された音声案内により音声操作を促した後の前記ユーザーの反応に基づいて、前記ユーザーに適したユーザーインターフェースに切り替える操作制御ステップと、
を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数のユーザーが共用する装置において、ユーザー認証が使用できないケースであっても、ユーザーの利便性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る画像形成装置の制御構造を示す機能ブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートを示す図である。
【
図4】本実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートを示す図である。
【
図5】待機状態における操作パネルの様子の一例を示す図である。
【
図6】音声操作部による音声案内が開始された様子の一例を示す図である。
【
図7】音声操作部による全ての音入出力が停止されるとともに、操作パネルによるパネル表示が開始された様子の一例を示す図である。
【
図8】ユーザーによる音声操作(BOX送信操作)が行われた様子の一例を示す図である。
【
図9】ユーザーによる音声操作(コピー操作)が行われた様子の一例を示す図である。
【
図10】ユーザーによる音声操作(BOX送信操作)に対する音声案内が行われた様子の一例を示す図である。
【
図11】音声案内を行いながら、操作パネルに原稿セットを促す指示を表示させた様子の一例を示す図である。
【
図12】ユーザーによる原稿セットに対する音声案内が行われた様子の一例を示す図である。
【
図13】視覚障がい者に対して原稿セットを促す旨の音声案内が行われた様子の一例を示す図である。
【
図14】操作パネルによるパネル表示が開始されるとともに、音声操作を受け付ける旨を含む音声案内が継続して行われた様子の一例を示す図である。
【
図15】次の操作を促す旨の音声案内が継続して行われた様子の一例を示す図である。
【
図16】音声案内がOFFにされた様子の一例を示す図である。
【
図17】操作パネルにパネル操作希望者向けのパネルタッチ指示を表示させた様子の一例を示す図である。
【
図18】再度音声操作を促す音声案内が実行された様子の一例を示す図である。
【
図19】画像形成装置からユーザーが離れたときの様子の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
[1.構成の説明]
本実施形態に係る画像形成装置1は、例えば、プリンター機能、スキャナー機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有する複合機である。画像形成装置1は、原稿から画像を読み取って得られた画像データ又は外部装置から受信した画像データに基づいて、用紙上に画像を形成する。
【0025】
画像形成装置1は、
図1及び
図2に示すように、制御部10と、記憶部20と、画像読取部30と、画像形成部40と、プリンターコントローラー50と、操作パネル60と、音声操作部70と、ネットワークI/F80と、無線I/F90と、近距離無線I/F100と、カメラ110と、を備えて構成されている。画像形成装置1の各部は、バス2を介して接続されている。
【0026】
制御部10は、CPU11、制御プログラムが格納されたROM12、作業用のS-RAM(Static Random Access Memory)13、画像形成に関わる各種の設定を記憶するバッテリーバックアップされたNV-RAM(不揮発性メモリー)14、時計IC15を備えて構成されている。CPU11は、ROM12に記憶されている制御プログラムやNV-RAM14に記憶されている画像形成に関わる各種の設定をS-RAM13に展開し、S-RAM13に展開した各種プログラムとの協働により、画像形成装置1の動作を統括的に制御する。
【0027】
記憶部20は、例えば、ハードディスク装置である。記憶部20は、各種プログラムや各種設定データ、ジョブデータ等を制御部10から読み書き可能に記憶する。
【0028】
画像読取部30は、自動原稿搬送部31、スキャナー部32を備えて構成され、原稿の画像の読み取りを行う。
自動原稿搬送部31は、原稿を載置する載置トレイ、原稿を搬送する機構及び搬送ローラー等を備えて構成され、原稿を所定の搬送路に搬送する。
スキャナー部32は、光源や反射鏡等の光学系を備えて構成され、所定の搬送路を搬送された原稿又はプラテンガラスに載置された原稿に光源を照射し、反射光を受光する。また、スキャナー部32は、受光した反射光を電気信号に変換して制御部10に出力する。
【0029】
画像形成部40は、画像読取部30から受け取った電気信号又は外部装置からネットワークN経由で受け取った印刷ジョブに基づいて、給紙トレイT1や大容量給紙トレイT2から供給された用紙上に画像を形成し、印刷物を作成する。画像形成部40は、帯電された感光体に形成される静電潜像が現像されてトナー像となり、中間転写ベルト上で各色のトナー像が重ね合わされてから用紙に転写される、いわゆる電子写真方式の画像形成部である。
【0030】
プリンターコントローラー50は、ネットワークN上の外部装置からPDL(Page Description Language)データを受信し、当該PDLデータをラスタライズ処理してビットマップ形式の画像データを生成する。プリンターコントローラー50は、C(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)の色ごとに画像データを生成し、制御部10に出力する。
【0031】
操作パネル60は、ユーザーに対して各種情報を表示する表示部61と、ユーザーによる操作入力を受け付ける操作部62と、を備えて構成されている。
表示部61は、カラー液晶ディスプレイなどで構成され、制御部10から入力される表示制御信号に従って、操作画面等(各種設定画面、各種ボタン、各機能の動作状況等)を表示する。
操作部62は、表示部61の画面上に設けられるタッチパネルと、表示部61の画面周囲に配置される各種ハードキーと、を備えて構成されている。操作部62は、画面上に表示されたボタンが手指やタッチペン等で押下された場合、押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置に対応付けられた操作信号を制御部10に出力する。なお、タッチパネルは感圧式に限らず、例えば静電式や光式等であってもよい。また、操作部62は、ハードキーが押下された場合、押下されたキーに対応付けられた操作信号を制御部10に出力する。ユーザーは、操作部62を操作して、画質設定、倍率設定、応用設定、出力設定及び用紙設定等の画像形成に関する設定、用紙搬送指示、並びに装置の停止操作などを行うことができる。
【0032】
音声操作部(音声入出力部)70は、マイク、ADコンバーター等の音声入力部と、DAコンバーター、アンプ、スピーカー等の音声出力部と、を備えて構成されている。音声操作部70は、音声入力時にマイクからユーザーの音声による操作入力を受け付け、音声入力信号をデジタルの音声入力情報に変換して制御部10に出力する。また、音声操作部70は、音声出力時に音声出力信号をアナログの音声出力信号に変換してスピーカーから音声出力(例えば、ユーザーの音声操作を促す音声案内を出力)する。
【0033】
ネットワークI/F80は、通信用IC及び通信コネクタなどを有する通信インターフェイスであり、制御部10の制御の下、所定の通信プロトコルを用いてネットワークNに接続されている外部装置と各種情報の送受信を行う。
【0034】
無線I/F90は、アンテナ、復調回路、信号処理回路等により構成され、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信方式により、ネットワークNに接続されている外部装置との間で無線通信を行う。
【0035】
近距離無線I/F100は、アンテナ、復調回路、信号処理回路等により構成され、Bluetooth(登録商標)やIrDA(登録商標)等の無線通信方式により、画像形成装置1を操作するユーザーが所持する携帯端末との間で無線通信を行う。
【0036】
カメラ110は、ユーザー操作に従って被写体を撮像し、画像データを生成する。カメラ110により生成された画像データは、近距離無線I/F100により取得された情報(例えばユーザーが所持する携帯端末の識別情報等)と合わせて、画像形成装置1近傍のユーザーが画像形成装置1を操作しようとしているか否かを判別するのに利用される。
【0037】
[2.動作の説明]
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の動作について、
図3及び
図4のフローチャートを参照して説明する。本実施形態において、画像形成装置1は、音声操作部70による音声案内を行うとともにユーザーによる音声操作を受け付ける音声操作モードと、操作パネル60によるパネル表示を行うとともにユーザーによるパネル操作を受け付けるパネル操作モードと、を有している。画像形成装置1は、待機状態(省電力状態)において、
図5に示すように、操作パネル60(表示部61)によるパネル表示を行わない(非表示にする)ようにしている。
【0038】
まず、制御部10は、自装置(画像形成装置1)の近傍に自装置を操作しようとしているユーザーがいるか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、制御部10は、カメラ110により生成された画像データ及び近距離無線I/F100により取得された情報(例えばユーザーが所持する携帯端末の識別情報等)に基づいて、自装置近傍にユーザーがいるか否か及び自装置を向いて立っているか否かを判別し、自装置近傍にユーザーがいて、かつ、自装置を向いて立っている場合に、自装置の近傍に自装置を操作しようとしているユーザーがいると判定する。すなわち、制御部10は、本発明の操作予知部として機能する。
制御部10は、自装置の近傍に自装置を操作しようとしているユーザーがいると判定した場合(ステップS101:YES)、次のステップS102へと移行する。
一方、制御部10は、自装置の近傍に自装置を操作しようとしているユーザーがいると判定した場合(ステップS101:NO)、自装置の近傍に自装置を操作しようとしているユーザーがいると判定するまでステップS101の処理を繰り返す。
【0039】
次に、制御部10は、自装置を操作しようとしているユーザーに対して、音声操作を促す音声案内(音声ガイダンス)を開始する(ステップS102)。例えば、制御部10は、
図6に示すように、自装置を操作しようとしているユーザーU1に対して、「この装置では音声による操作が可能です。実行したい操作をお話しください。」といった音声案内を、音声操作部70の音声出力部を介して音声出力させる。これにより、音声操作モードが開始される。以降、ユーザーの反応に基づいて、ユーザーに適したユーザーインターフェース(モード)に切り替える制御が行われる。すなわち、制御部10は、本発明の操作制御部として機能する。
【0040】
次に、制御部10は、ユーザーにより電源キー(省電力モードに移行・復帰させるための省電力キー)が押下されたか否かを判定する(ステップS103)。
制御部10は、ユーザーにより電源キーが押下されたと判定した場合(ステップS103:YES)、次のステップS104へと移行する。
一方、制御部10は、ユーザーにより電源キーが押下されていないと判定した場合(ステップS103:NO)、ステップS105へと移行する。
【0041】
ステップS104において、制御部10は、
図7に示すように、音声操作部70による音声操作の受け付け及び音声案内の出力を含む全ての音入出力機能を停止させるとともに、操作パネル60によるパネル表示を開始させる。すなわち、制御部10は、パネル表示を行っていない状態で音声案内を開始した(ステップS102)後、電源キーが押下された(ステップS103:YES)ことから、操作者であるユーザーU1が、音声案内が聞こえておらず、非表示の操作パネル60を見て画像形成装置1がスリープ状態に入っていると考える聴覚障がい者であると判別し、音声操作モードからパネル操作モードへと切り替える。その後、制御部10は、ステップS121へと移行する。なお、本実施形態では、「音声案内中」又は「音声案内終了から一定時間内」の電源キーの押下では、スリープ状態に入らないものとする。
【0042】
ステップS105において、制御部10は、音声操作部70の音声入力部を介して、ユーザーU1による音声操作を検知したか否かを判定する。
図8には、ユーザーU1により「BOXにあるデータを送信したい」旨の音声操作が行われている様子の一例が示されている。
制御部10は、ユーザーによる音声操作を検知したと判定した場合(ステップS105:YES)、次のステップS106へと移行する。なお、音声操作を行う可能性のあるユーザーは、健常者、視覚障がい者、操作パネル60に触れることが困難な四肢不自由者である。
一方、制御部10は、ユーザーによる音声操作を検知していないと判定した場合(ステップS105:NO)、ステップS112へと移行する。
【0043】
ステップS106において、制御部10は、ユーザーによる音声操作が、画像読取部30(スキャナー部32)による画像読み取り(スキャン)が必要な操作(例えばコピー操作)であるか否かを判定する。
図9には、ユーザーU1により「コピーしたい」旨の音声操作が行われている様子の一例が示されている。
制御部10は、スキャナー部32によるスキャンが必要な操作であると判定した場合(ステップS106:YES)、ステップS108へと移行する。
一方、制御部10は、スキャナー部32によるスキャンが必要な操作でないと判定した場合(ステップS106:NO)、操作者が音声操作を所望するユーザーであると判別し、音声操作モードを継続する(ステップS107)。例えば、ユーザーU1による音声操作が、スキャンが必要でない操作である「BOX送信操作」である場合、
図10に示すように、「承知しました。それでは、BOX送信操作を開始します。」といった音声案内を、音声操作部70の音声出力部を介して音声出力させて、音声操作モードを継続する。その後、制御部10は、ステップS121へと移行する。
【0044】
ステップS108において、制御部10は、音声案内を行いながら、操作パネル60(表示部61)に画像読取部30(自動原稿搬送部31)への原稿セットを促す指示を表示させる。例えば、
図11には、音声操作部70により「承知しました。それでは、コピー操作を開始します。」といった音声案内を行いながら、操作パネル60により「あらかじめ原稿をセットしてください。」といったパネル表示を行っている様子の一例が示されている。
【0045】
次に、制御部10は、原稿セットを検知したか否かを判定する(ステップS109)。具体的には、制御部10は、ステップS108で操作パネル60に原稿セットを促す指示を表示させた後、一定時間内に原稿セットを検知した場合に、原稿セットを検知したと判定する。なお、原稿セットを行う可能性のあるユーザーは、健常者、四肢不自由者である。また、原稿セットを行わない可能性のあるユーザーは、操作パネル60によるパネル表示を見ることができない視覚障がい者である。
制御部10は、画像読取部30への原稿セットを検知したと判定した場合(ステップS109:YES)、次のステップS110へと移行する。
一方、制御部10は、画像読取部30への原稿セットを検知していないと判定した場合(ステップS109:NO)、ステップS111へと移行する。
【0046】
ステップS110において、制御部10は、操作者が音声操作を所望するユーザーであると判別し、音声操作モードを継続する。例えば、
図12に示すように、「原稿セットを検知しました。コピーの設定をお願いします。」といった音声案内を、音声操作部70の音声出力部を介して音声出力させて、音声操作モードを継続する。その後、制御部10は、ステップS121へと移行する。
【0047】
ステップS111において、制御部10は、操作者が操作パネル60によるパネル表示を見ることができない視覚障がい者であると判別し、より詳細な音声操作/音声案内を行う視覚障がい者向け音声操作モードに切り替える。例えば、
図13に示すように、「まずは0時の方向XXXcmの位置に原稿を置いてください。」といった音声案内を、音声操作部70の音声出力部を介して音声出力させて、視覚障がい者向け音声操作モードに切り替える。その後、制御部10は、ステップS121へと移行する。
【0048】
ステップS112において、制御部10は、ユーザーによる操作パネル60のタッチ操作を検知したか否かを判定する。ここで、音声操作が行われることなく操作パネル60のタッチ操作が行われる理由としては、例えば、健常者の場合、「音声操作は恥ずかしい/タッチ操作したいから画面タッチしてみよう」、「どんな機能があるのかわからないので画面で確認してみよう」といった理由が考えられる。また、聴覚障がい者の場合、「何も表示されていないけど、タッチすれば動作する?」といった理由が考えられる。また、言語障がい者の場合、「音声操作できないけど、タッチすれば動作する?」といった理由が考えられる。
制御部10は、ユーザーによる操作パネル60のタッチ操作を検知したと判定した場合(ステップS112:YES)、次のステップS113へと移行する。
一方、ユーザーによる操作パネル60のタッチ操作を検知していないと判定した場合(ステップS112:NO)、ステップS117へと移行する。
【0049】
ステップS113において、制御部10は、操作者がパネル操作を所望するユーザーであると判別し、操作パネル60によるパネル表示を開始させるとともに、音声案内をそのまま継続させる。例えば、
図14に示すように、操作パネル60によるパネル表示を開始させるとともに、「表示機能より実行したい機能を選択ください。音声による操作も受け付けております。」といった音声操作を受け付ける旨を含む音声案内を、音声操作部70の音声出力部を介して音声出力させて、音声案内をそのまま継続させる。すなわち、ステップS113において、制御部10は、パネル操作モードを開始するとともに、音声操作モードを継続する。
【0050】
次に、制御部10は、音声案内が終了するタイミングでパネル操作(タッチ操作、キー操作等)を検知したか否かを判定する(ステップS114)。すなわち、制御部10は、ユーザーが音声案内を最後まで聞いた後にパネル操作を行ったか否かを判定する。なお、音声案内が終了した後でパネル操作を行う可能性のあるユーザーは、健常者、言語障がい者である。また、音声案内が終了する前にパネル操作を行う可能性のあるユーザーは、健常者、音声案内が聞こえない聴覚障がい者、言語障がい者である。
制御部10は、音声案内が終了するタイミングでパネル操作を検知した(すなわち、音声案内を最後まで実行した後にパネル操作を検知した)と判定した場合(ステップS114:YES)、操作者が音声操作(音声案内)を所望するユーザーであると判別し、次のステップS115へと移行する。
一方、制御部10は、音声案内が終了するタイミングでパネル操作を検知していない(すなわち、音声案内を最後まで実行する前にパネル操作を検知した)と判定した場合(ステップS114:NO)、音声案内が煩わしいと感じるユーザー又は音声案内が聞こえない聴覚障がい者であると判別し、ステップS116へと移行する。
【0051】
ステップS115において、制御部10は、音声案内を聞いていると判断し、音声操作モード(音声操作/音声案内)を継続する。例えば、
図15に示すように、「次の操作は○○です。」といった音声案内を、音声操作部70の音声出力部を介して音声出力させて、音声操作モードを継続する。その後、制御部10は、ステップS121へと移行する。
【0052】
ステップS116において、制御部10は、
図16に示すように、音声案内は不要であると判断し、音声操作モード(音声操作/音声案内)を停止する。具体的には、制御部10は、音声案内をOFFにするとともに、音声操作の受付を終了する。その後、制御部10は、ステップS121へと移行する。
【0053】
ステップS117において、制御部10は、ユーザーによる操作(音声操作、操作パネル60のタッチ操作等)を検知することなく、一定時間が経過したか否かを判定する。ここで、一定時間とは、ユーザーがいずれかの操作を行うのに十分な時間のことであり、例えば5~10秒である。また、ユーザーによる操作を検知することなく、一定時間が経過する理由としては、例えば、健常者の場合、「どういう設定にしよう」、「音声操作は恥ずかしい/タッチ操作したいけどどうすればいい?」といった理由が考えられる。また、聴覚障がい者の場合、「何も表示されていないけど、どうすればいい?」といった理由が考えられる。また、視覚障がい者/肢体不自由者の場合、「どういう設定にしよう」といった理由が考えられる。また、言語障がい者の場合、「音声操作できないけどどうしよう?」といった理由が考えられる。
制御部10は、一定時間が経過したと判定した場合(ステップS117:YES)、上記したように「操作内容検討中である」、「操作方法が分からない」、「音声操作したくないなど」の様々な理由が考えられることから、ユーザーを細分化するために、次のステップS118へと移行する。
一方、制御部10は、一定時間が経過していないと判定した場合(ステップS117:NO)、ステップS121へと移行する。
【0054】
ステップS118において、制御部10は、操作パネル60に、パネル操作の希望者にタッチ操作を行わせるための指示(パネル操作への切り替えを問う表示)を表示させる。例えば、
図17には、操作パネル60により「画面での操作を希望の方は画面をタッチしてください。」といったパネル表示を行っている様子の一例が示されている。なお、このとき、視覚障がい者を判別する必要があるため、音声案内は行わないようにする。
【0055】
次に、制御部10は、ユーザーによる操作パネル60のタッチ操作(パネル操作へと切り替える所定の操作)を検知したか否かを判定する(ステップS119)。
制御部10は、ユーザーによる操作パネル60のタッチ操作を検知したと判定した場合(ステップS119:YES)、操作者がパネル操作を所望するユーザーであると判別し、ステップS113へと移行し、音声操作の受け付けを停止させるとともに、再度ステップS113以降の処理を繰り返す。
一方、ユーザーによる操作パネル60のタッチ操作を検知していないと判定した場合(ステップS119:NO)、パネル操作ができないユーザー又はまだ操作内容を検討中のユーザーであると判別し、次のステップS120へと移行する。
【0056】
ステップS120において、制御部10は、再度、音声操作を促す音声案内を実行する。例えば、制御部10は、
図18に示すように、ユーザーU1に対して、「実行したい操作が決まりましたら、お話しください。」といった音声案内を、音声操作部70の音声出力部を介して音声出力させる。その後、制御部10は、ステップS121へと移行する。
【0057】
ステップS121において、制御部10は、ユーザーが自装置(画像形成装置1)から一定距離離れたことを検知したか否かを判定する。
制御部10は、ユーザーが自装置から一定距離離れたことを検知したと判定した場合(ステップS121:YES)、操作終了と判別し、処理(音声操作/音声案内)を終了する。例えば、
図19には、画像形成装置1からユーザーU1が離れたときの様子の一例が示されており、音声操作の受付及び音声操作を促す音声案内が停止されている様子が示されている。
一方、制御部10は、ユーザーが自装置から一定距離離れたことを検知していないと判定した場合(ステップS121:NO)、ステップS103へと移行し、再度ステップS103以降の処理を繰り返す。
【0058】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1は、ユーザーに対して各種情報を表示する表示部61を有する操作パネル60と、ユーザーの音声による操作入力を受け付けるとともに、ユーザーの操作を促す音声案内を出力する音声入出力部(音声操作部70)と、自装置の近傍にいるユーザーが自装置を操作しようとしていることを検知する操作予知部(制御部10)と、操作予知部により検知されたユーザーに対して操作パネル60によるパネル表示を非表示にした状態で音声入出力部により出力された音声案内により音声操作を促した後のユーザーの反応に基づいて、ユーザーに適したユーザーインターフェースに切り替える操作制御部(制御部10)と、を備える。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、複数のユーザーが共用する装置において、ユーザー認証が使用できないケースであっても、ユーザーごとに適したユーザーインターフェースに切り替えることができるので、ユーザーの利便性を確保することができる。
【0059】
また、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、操作制御部は、音声操作を促した後、音声入出力部により音声操作を受け付けることなく、省電力モードに移行・復帰させるための省電力キーが押下された場合、音声入出力部による音声操作の受け付け及び音声案内の出力を含む全ての音入出力機能を停止させるとともに、操作パネル60によるパネル表示を開始させてユーザーによるパネル操作を受け付ける。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、聴覚障がい者を判別することができるので、聴覚障がい者の利便性を早いタイミングで確保することができる。
【0060】
また、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、操作制御部は、音声操作を促した後、音声入出力部により音声操作を受け付けた場合、音声入出力部による音声操作の受け付け及び音声案内の出力を継続させる。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、音声操作を所望するユーザーを判別することができるので、音声操作を所望するユーザーの利便性を早いタイミングで確保することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、原稿の画像を読み取る画像読取部30を備え、操作制御部は、受け付けた音声操作が画像読取部30による画像読み取りが必要な操作であった場合、画像読取部30への原稿のセットを促す指示を表示部61に表示させ、原稿のセットを検知した場合は、音声案内の出力を継続させ、原稿のセットを検知しなかった場合は、音声案内を視覚障がい者向けの音声案内に切り替える。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、音声操作を所望するユーザー及び視覚障がい者を判別することができるので、ユーザーの状況(ユーザーの希望や障がいの程度)に応じてユーザーに適したインターフェースを提供することができる。
【0062】
また、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、操作制御部は、音声操作を促した後、音声入出力部により音声操作を受け付けることなく、ユーザーによる操作パネル60のタッチ操作を検知した場合、操作パネル60によるパネル表示を開始させてユーザーによるパネル操作を受け付ける。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、パネル操作を所望するユーザーを判別することができるので、パネル操作を所望するユーザーの利便性を確保することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、操作制御部は、操作パネル60によるパネル表示を開始させてユーザーによるパネル操作を受け付けるとともに音声案内の出力を継続させ、音声案内の途中でユーザーによるパネル操作を検知した場合は、音声入出力部による音声操作の受け付け及び音声案内の出力を停止させ、音声案内の終了後にユーザーによるパネル操作を検知した場合は、音声入出力部による音声操作の受け付け及び音声案内の出力を継続させる。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、音声操作(音声案内)を所望するユーザーと、音声案内が煩わしいと感じるユーザー又は音声案内が聞こえない聴覚障がい者と、を判別することができるので、ユーザーの状況(ユーザーの希望や障がいの程度)に応じてユーザーに適したインターフェースを提供することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、操作制御部は、音声操作を促した後、一定時間ユーザーによる操作を検知しなかった場合、ユーザーによるパネル操作への切り替えを問う表示を表示部61に表示させ、パネル操作へと切り替える所定の操作を検知した場合は、音声入出力部による音声操作の受け付けを停止させるとともに、操作パネル60によるパネル表示を開始させてユーザーによるパネル操作を受け付け、パネル操作へと切り替える所定の操作を検知しなかった場合は、再度、音声入出力部により音声操作を促す音声案内を出力させる。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、パネル操作を所望するユーザーと、パネル操作ができないユーザー又はまだ操作内容を検討中のユーザーと、を判別することができるので、ユーザーの状況(ユーザーの希望や障がいの程度)に応じてユーザーに適したインターフェースを提供することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、操作制御部は、パネル操作へと切り替える所定の操作を検知した場合は、音声入出力部による音声操作の受け付けを停止させ、操作パネル60によるパネル表示を開始させてユーザーによるパネル操作を受け付けるとともに音声案内の出力を継続させ、音声案内の途中でユーザーによるパネル操作を検知した場合は、音声入出力部による音声案内の出力を停止させ、音声案内の終了後にユーザーによるパネル操作を検知した場合は、音声入出力部による音声案内の出力を継続させる。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、音声操作(音声案内)を所望するユーザーと、音声案内が煩わしいと感じるユーザー又は音声案内が聞こえない聴覚障がい者と、を判別することができるので、ユーザーの状況(ユーザーの希望や障がいの程度)に応じてユーザーに適したインターフェースを提供することができる。
【0066】
また、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、操作制御部は、操作予知部により検知されたユーザーが自装置から一定距離離れたことを検知した場合、音声入出力部による音声操作を促す音声案内の出力及び音声操作の受け付けを停止させる。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、ユーザーの操作終了を判別することができるので、装置の無駄な動作を抑制することが可能となり、消費電力を低減させることができる。
【0067】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0068】
例えば、上記実施形態では、自装置近傍にユーザーがいて、かつ、自装置を向いて立っている場合に、自装置の近傍に自装置を操作しようとしているユーザーがいると判定するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、自装置から所定範囲内にユーザーがいる場合には、無条件にユーザーがいると判定するようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、ユーザーが自装置から離れたことを検知した場合に、操作終了と判別し、処理(音声操作/音声案内)を終了するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザーが自装置から離れたことを検知し、かつ、その検知から所定時間が経過した場合に、操作終了と判別し、処理を終了するようにしてもよい。
【0070】
その他、画像形成装置を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、 本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 画像形成装置
2 バス
10 制御部(操作予知部、操作制御部)
11 CPU
12 ROM
13 S-RAM
14 NV-RAM
15 時計IC
20 記憶部
30 画像読取部
31 自動原稿搬送部
32 スキャナー部
40 画像形成部
50 プリンターコントローラー
60 操作パネル
61 表示部
62 操作部
70 音声操作部(音声入出力部)
80 ネットワークI/F
90 無線I/F
100 近距離無線I/F
110 カメラ
N ネットワーク