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特許7103113画像処理装置、アプリケーション内包ライブラリの処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】画像処理装置、アプリケーション内包ライブラリの処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20220712BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220712BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20220712BHJP
   G06F 21/57 20130101ALI20220712BHJP
   G06F 8/61 20180101ALI20220712BHJP
【FI】
B41J29/38 501
H04N1/00 E
H04N1/00 127B
B41J29/42 F
G06F21/57
G06F8/61
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018179147
(22)【出願日】2018-09-25
(65)【公開番号】P2020049700
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-08-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】松永 貴久
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-138747(JP,A)
【文献】特開2001-154831(JP,A)
【文献】特開2016-081281(JP,A)
【文献】特開2018-077690(JP,A)
【文献】特開2004-164075(JP,A)
【文献】特開2007-206965(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0192766(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
H04N 1/00
B41J 29/42
G06F 21/57
G06F 8/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションで使用され使用条件を満足している1個または複数個の第1のライブラリを保存する保存手段と、
アプリケーションをインストール可能なインストール手段と、
前記インストール手段により第2のライブラリを内包するアプリケーションがインストールされるときまたはインストールされた後に、アプリケーションに内包された前記第2のライブラリを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記第2のライブラリと同一の第1のライブラリが、前記保存手段に保存されているかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段により、抽出された第2のライブラリと同一の第1のライブラリが前記保存手段に保存されていると判断された場合、前記第2のライブラリの使用を禁止するとともに、前記第2のライブラリを内包するアプリケーションに対しては前記第1のライブラリを使用させる制御手段と、
を備え
前記判断手段により、前記インストール手段による第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストール中に、第2のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第1のライブラリが保存されていると判断された場合、前記制御手段は、前記インストール手段による前記第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストールを中断して、前記第2のライブラリが使用条件を満足しているかどうかを確認するための確認画面を表示手段に表示し、前記使用条件を満足していることの確認が得られた場合にのみ、中断したアプリケーションのインストールを許可することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
アプリケーションで使用され使用条件を満足している1個または複数個の第1のライブラリを保存する保存手段と、
アプリケーションをインストール可能なインストール手段と、
前記インストール手段により第2のライブラリを内包するアプリケーションがインストールされるときまたはインストールされた後に、アプリケーションに内包された前記第2のライブラリを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記第2のライブラリと同一の第1のライブラリが、前記保存手段に保存されているかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段により、抽出された第2のライブラリと同一の第1のライブラリが前記保存手段に保存されていると判断された場合、前記第2のライブラリの使用を禁止するとともに、前記第2のライブラリを内包するアプリケーションに対しては前記第1のライブラリを使用させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2のライブラリの使用を禁止したときは、第2のライブラリの使用を禁止したことを表示手段に表示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記判断手段により、前記インストール手段による第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストール中に、第2のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第1のライブラリが保存されていると判断された場合、前記制御手段は、前記インストール手段による前記第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストールを中止する請求項に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記判断手段により、前記インストール手段による第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストール後に、第2のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第1のライブラリが保存されていると判断された場合、前記制御手段は、前記第2のライブラリを前記保存手段から削除する請求項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記判断手段により、前記インストール手段による第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストール中に、第2のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第1のライブラリが保存されていると判断された場合、前記制御手段は、前記インストール手段による前記第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストールを中断して、前記第2のライブラリが使用条件を満足しているかどうかを確認するための確認画面を表示手段に表示し、前記使用条件を満足していることの確認が得られた場合にのみ、中断したアプリケーションのインストールを許可する請求項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記使用条件には第1のライブラリの提供元との使用許諾条件が含まれる請求項1~のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記制御手段による第2のライブラリの使用の禁止には第2のライブラリの削除が含まれる請求項1~のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
アプリケーションで使用され使用条件を満足している1個または複数個の第1のライブラリを保存する保存手段を備えた画像処理装置が、
第2のライブラリを内包するアプリケーションをインストールするインストールステップと、
前記インストールステップにより第2のライブラリを内包するアプリケーションがインストールされるときまたはインストールされた後に、アプリケーションに内包された前記第2のライブラリを抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出された前記第2のライブラリと同一の第1のライブラリが、前記保存手段に保存されているかどうかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより、抽出された第2のライブラリと同一の第1のライブラリが前記保存手段に保存されていると判断された場合、前記第2のライブラリの使用を禁止するとともに、前記第2のライブラリを内包するアプリケーションに対しては前記第1のライブラリを使用させる制御ステップと、
を実行し、
前記判断ステップにより、前記インストールステップによる第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストール中に、第2のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第1のライブラリが保存されていると判断された場合、前記制御ステップでは、前記インストールステップによる前記第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストールを中断して、前記第2のライブラリが使用条件を満足しているかどうかを確認するための確認画面を表示手段に表示し、前記使用条件を満足していることの確認が得られた場合にのみ、中断したアプリケーションのインストールを許可することを特徴とするアプリケーション内包ライブラリの処理方法。
【請求項9】
アプリケーションで使用され使用条件を満足している1個または複数個の第1のライブラリを保存する保存手段を備えた画像処理装置が、
第2のライブラリを内包するアプリケーションをインストールするインストールステップと、
前記インストールステップにより第2のライブラリを内包するアプリケーションがインストールされるときまたはインストールされた後に、アプリケーションに内包された前記第2のライブラリを抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出された前記第2のライブラリと同一の第1のライブラリが、前記保存手段に保存されているかどうかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより、抽出された第2のライブラリと同一の第1のライブラリが前記保存手段に保存されていると判断された場合、前記第2のライブラリの使用を禁止するとともに、前記第2のライブラリを内包するアプリケーションに対しては前記第1のライブラリを使用させる制御ステップと、
を実行し、
前記制御ステップでは、前記第2のライブラリの使用を禁止したときは、第2のライブラリの使用を禁止したことを表示手段に表示することを特徴とするアプリケーション内包ライブラリの処理方法。
【請求項10】
アプリケーションで使用され使用条件を満足している1個または複数個の第1のライブラリを保存する保存手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、
第2のライブラリを内包するアプリケーションをインストールするインストールステップと、
前記インストールステップにより第2のライブラリを内包するアプリケーションがインストールされるときまたはインストールされた後に、アプリケーションに内包された前記第2のライブラリを抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出された前記第2のライブラリと同一の第1のライブラリが、前記保存手段に保存されているかどうかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより、抽出された第2のライブラリと同一の第1のライブラリが前記保存手段に保存されていると判断された場合、前記第2のライブラリの使用を禁止するとともに、前記第2のライブラリを内包するアプリケーションに対しては前記第1のライブラリを使用させる制御ステップと、
を実行させ、
前記判断ステップにより、前記インストールステップによる第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストール中に、第2のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第1のライブラリが保存されていると判断された場合、前記制御ステップでは、前記インストールステップによる前記第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストールを中断して、前記第2のライブラリが使用条件を満足しているかどうかを確認するための確認画面を表示手段に表示し、前記使用条件を満足していることの確認が得られた場合にのみ、中断したアプリケーションのインストールを許可する処理を実行させるためのプログラム。
【請求項11】
アプリケーションで使用され使用条件を満足している1個または複数個の第1のライブラリを保存する保存手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、
第2のライブラリを内包するアプリケーションをインストールするインストールステップと、
前記インストールステップにより第2のライブラリを内包するアプリケーションがインストールされるときまたはインストールされた後に、アプリケーションに内包された前記第2のライブラリを抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出された前記第2のライブラリと同一の第1のライブラリが、前記保存手段に保存されているかどうかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより、抽出された第2のライブラリと同一の第1のライブラリが前記保存手段に保存されていると判断された場合、前記第2のライブラリの使用を禁止するとともに、前記第2のライブラリを内包するアプリケーションに対しては前記第1のライブラリを使用させる制御ステップと、
を実行させ、
前記制御ステップでは、前記第2のライブラリの使用を禁止したときは、第2のライブラリの使用を禁止したことを表示手段に表示する処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像処理装置、同装置で実行されるアプリケーション内包ライブラリの処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の画像処理装置では、アプリケーションの開発等に際して、1個又は複数個のアプリケーションで使用される、プログラムであるライブラリを記憶部に保存しておき、アプリケーションの使用時には、保存されているライブラリを呼び出して使用することが行われている。
【0003】
このようなライブラリには、例えばライブラリの提供元の使用許諾(いわゆるライセンス)が必要であるというように、使用条件が課されていて使用条件を満足しなければ使用できないものが存在する。
【0004】
一方、画像処理装置に新たにインストールされるアプリケーションの中には、ライブラリを内包しているものもある。
【0005】
しかし、ライブラリを内包するアプリケーションをインストールする場合、既に画像処理装置内に保存されているライブラリとの関係で、次のような問題が発生する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-280274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
即ち、図9に示すように、既に画像処理装置400内に保存されているライブラリA410が例えば提供元の使用許諾が必要であるという使用条件を契約等により満足し、画像処理装置400上で使用する権利を有している場合、サーバー440等から新たにインストールされるアプリケーションB420に内包されているライブラリ430が、既に保存されているライブラリA410と同じであっても、アプリケーションB420に内包されているライブラリ430については使用権利が与えられておらず、インストールされた時点で使用条件を満足しているとは限らない。
【0008】
その結果、ライブラリA410の提供元と画像処理装置400の開発側との間で無用のトラブルを生じる恐れがあるという問題があった。
【0009】
なお、特許文献1には、イベントの発生を検出した際に旧版プログラムを起動する構成とされた情報処理装置において、旧版プログラムを最新版プログラムに変更する作業や旧版プログラムに戻す作業を、より簡単に実施可能とする技術が開示されている。具体的には、最新バージョンのインストールの度にレジストリに管理情報を登録し、対象プログラムの実行時に最新のバージョンのものを指定したり、復旧時には旧バージョンのものを指定する、という構成である。
【0010】
しかし、特許文献1に記載の技術では、たとえ旧バージョンのものが使用条件を満足していたとしても、最新のバージョンのものが使用条件を満足しているとは限らないことから、特許文献1によっても、ライブラリを内包するアプリケーションのインストール時の前述した問題を解決することはできなかった。
【0011】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、使用条件を満足しているライブラリが既に保存されている状態で、同じライブラリを内包する新たなアプリケーションがインストールされるときのトラブル等の発生の恐れを解消できる画像処理装置、アプリケーション内包ライブラリの処理方法及びプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は以下の手段によって達成される。
(1)アプリケーションで使用され使用条件を満足している1個または複数個の第1のライブラリを保存する保存手段と、アプリケーションをインストール可能なインストール手段と、前記インストール手段により第2のライブラリを内包するアプリケーションがインストールされるときまたはインストールされた後に、アプリケーションに内包された前記第2のライブラリを抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された前記第2のライブラリと同一の第1のライブラリが、前記保存手段に保存されているかどうかを判断する判断手段と、前記判断手段により、抽出された第2のライブラリと同一の第1のライブラリが前記保存手段に保存されていると判断された場合、前記第2のライブラリの使用を禁止するとともに、前記第2のライブラリを内包するアプリケーションに対しては前記第1のライブラリを使用させる制御手段と、を備え、前記判断手段により、前記インストール手段による第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストール中に、第2のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第1のライブラリが保存されていると判断された場合、前記制御手段は、前記インストール手段による前記第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストールを中断して、前記第2のライブラリが使用条件を満足しているかどうかを確認するための確認画面を表示手段に表示し、前記使用条件を満足していることの確認が得られた場合にのみ、中断したアプリケーションのインストールを許可することを特徴とする画像処理装置。
(2)アプリケーションで使用され使用条件を満足している1個または複数個の第1のライブラリを保存する保存手段と、アプリケーションをインストール可能なインストール手段と、前記インストール手段により第2のライブラリを内包するアプリケーションがインストールされるときまたはインストールされた後に、アプリケーションに内包された前記第2のライブラリを抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された前記第2のライブラリと同一の第1のライブラリが、前記保存手段に保存されているかどうかを判断する判断手段と、前記判断手段により、抽出された第2のライブラリと同一の第1のライブラリが前記保存手段に保存されていると判断された場合、前記第2のライブラリの使用を禁止するとともに、前記第2のライブラリを内包するアプリケーションに対しては前記第1のライブラリを使用させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第2のライブラリの使用を禁止したときは、第2のライブラリの使用を禁止したことを表示手段に表示することを特徴とする画像処理装置。
(3)前記判断手段により、前記インストール手段による第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストール中に、第2のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第1のライブラリが保存されていると判断された場合、前記制御手段は、前記インストール手段による前記第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストールを中止する前項2に記載の画像処理装置。
(4)前記判断手段により、前記インストール手段による第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストール後に、第2のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第1のライブラリが保存されていると判断された場合、前記制御手段は、前記第2のライブラリを前記保存手段から削除する前項2に記載の画像処理装置。
(5)前記判断手段により、前記インストール手段による第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストール中に、第2のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第1のライブラリが保存されていると判断された場合、前記制御手段は、前記インストール手段による前記第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストールを中断して、前記第2のライブラリが使用条件を満足しているかどうかを確認するための確認画面を表示手段に表示し、前記使用条件を満足していることの確認が得られた場合にのみ、中断したアプリケーションのインストールを許可する前項2に記載の画像処理装置。
(6)前記使用条件には第1のライブラリの提供元との使用許諾条件が含まれる前項1~5のいずれかに記載の画像処理装置。
(7)前記制御手段による第2のライブラリの使用の禁止には第2のライブラリの削除が含まれる前項1~6のいずれかに記載の画像処理装置。
(8)アプリケーションで使用され使用条件を満足している1個または複数個の第1のライブラリを保存する保存手段を備えた画像処理装置が、第2のライブラリを内包するアプリケーションをインストールするインストールステップと、前記インストールステップにより第2のライブラリを内包するアプリケーションがインストールされるときまたはインストールされた後に、アプリケーションに内包された前記第2のライブラリを抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにより抽出された前記第2のライブラリと同一の第1のライブラリが、前記保存手段に保存されているかどうかを判断する判断ステップと、前記判断ステップにより、抽出された第2のライブラリと同一の第1のライブラリが前記保存手段に保存されていると判断された場合、前記第2のライブラリの使用を禁止するとともに、前記第2のライブラリを内包するアプリケーションに対しては前記第1のライブラリを使用させる制御ステップと、を実行し、前記判断ステップにより、前記インストールステップによる第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストール中に、第2のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第1のライブラリが保存されていると判断された場合、前記制御ステップでは、前記インストールステップによる前記第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストールを中断して、前記第2のライブラリが使用条件を満足しているかどうかを確認するための確認画面を表示手段に表示し、前記使用条件を満足していることの確認が得られた場合にのみ、中断したアプリケーションのインストールを許可することを特徴とするアプリケーション内包ライブラリの処理方法。
(9)アプリケーションで使用され使用条件を満足している1個または複数個の第1のライブラリを保存する保存手段を備えた画像処理装置が、第2のライブラリを内包するアプリケーションをインストールするインストールステップと、前記インストールステップにより第2のライブラリを内包するアプリケーションがインストールされるときまたはインストールされた後に、アプリケーションに内包された前記第2のライブラリを抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにより抽出された前記第2のライブラリと同一の第1のライブラリが、前記保存手段に保存されているかどうかを判断する判断ステップと、前記判断ステップにより、抽出された第2のライブラリと同一の第1のライブラリが前記保存手段に保存されていると判断された場合、前記第2のライブラリの使用を禁止するとともに、前記第2のライブラリを内包するアプリケーションに対しては前記第1のライブラリを使用させる制御ステップと、を実行し、前記制御ステップでは、前記第2のライブラリの使用を禁止したときは、第2のライブラリの使用を禁止したことを表示手段に表示することを特徴とするアプリケーション内包ライブラリの処理方法。
(10)アプリケーションで使用され使用条件を満足している1個または複数個の第1のライブラリを保存する保存手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、第2のライブラリを内包するアプリケーションをインストールするインストールステップと、前記インストールステップにより第2のライブラリを内包するアプリケーションがインストールされるときまたはインストールされた後に、アプリケーションに内包された前記第2のライブラリを抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにより抽出された前記第2のライブラリと同一の第1のライブラリが、前記保存手段に保存されているかどうかを判断する判断ステップと、前記判断ステップにより、抽出された第2のライブラリと同一の第1のライブラリが前記保存手段に保存されていると判断された場合、前記第2のライブラリの使用を禁止するとともに、前記第2のライブラリを内包するアプリケーションに対しては前記第1のライブラリを使用させる制御ステップと、を実行させ、前記判断ステップにより、前記インストールステップによる第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストール中に、第2のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第1のライブラリが保存されていると判断された場合、前記制御ステップでは、前記インストールステップによる前記第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストールを中断して、前記第2のライブラリが使用条件を満足しているかどうかを確認するための確認画面を表示手段に表示し、前記使用条件を満足していることの確認が得られた場合にのみ、中断したアプリケーションのインストールを許可する処理を実行させるためのプログラム。
(11)アプリケーションで使用され使用条件を満足している1個または複数個の第1のライブラリを保存する保存手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、第2のライブラリを内包するアプリケーションをインストールするインストールステップと、前記インストールステップにより第2のライブラリを内包するアプリケーションがインストールされるときまたはインストールされた後に、アプリケーションに内包された前記第2のライブラリを抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにより抽出された前記第2のライブラリと同一の第1のライブラリが、前記保存手段に保存されているかどうかを判断する判断ステップと、前記判断ステップにより、抽出された第2のライブラリと同一の第1のライブラリが前記保存手段に保存されていると判断された場合、前記第2のライブラリの使用を禁止するとともに、前記第2のライブラリを内包するアプリケーションに対しては前記第1のライブラリを使用させる制御ステップと、を実行させ、前記制御ステップでは、前記第2のライブラリの使用を禁止したときは、第2のライブラリの使用を禁止したことを表示手段に表示する処理を実行させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0013】
前項(1)に記載の発明によれば、インストール手段により第2のライブラリを内包するアプリケーションがインストールされるときまたはインストールされた後に、アプリケーションに内包された第2のライブラリが抽出され、この抽出された第2のライブラリと同一の第1のライブラリが、保存手段に保存されているかどうかが判断される。そして、抽出された第2のライブラリと同一の第1のライブラリが保存手段に保存されていると判断された場合、第2のライブラリの使用が禁止され、第2のライブラリを内包するアプリケーションに対して第1のライブラリを使用させるから、使用条件を満足している第1の
ライブラリと同じであっても使用条件を満足していない第2のライブラリを使用することはできなくなる。このため、使用条件を満足しているライブラリが既に保存されている状態で、同じライブラリを内包する新たなアプリケーションがインストールされるときのトラブル等の発生の恐れを解消できる画像処理装置となる。
また、第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストール中に、第2のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第1のライブラリが保存されていると判断された場合、インストール手段による第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストールが中断されて、第2のライブラリが使用条件を満足しているかどうかを確認するための確認画面が表示手段に表示され、使用条件を満足していることの確認が得られた場合にのみ、中断したインストールが許可されるから、使用条件を満足していない第2のライブラリが保存され使用されるのを防止できる。
【0014】
前項()に記載の発明によれば、第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストール中に、第2のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第1のライブラリが保存されていると判断された場合、インストール手段による第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストールは中止されるから、使用条件を満足する第1のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第2のライブラリが使用されるのを防止できる。
【0015】
前項()に記載の発明によれば、第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストール後に、第2のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第1のライブラリが保存されていると判断された場合、第2のライブラリは保存手段から削除されるから、使用条件を満足する第1のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第2のライブラリが使用されるのを防止できる。
【0016】
前項()に記載の発明によれば、第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストール中に、第2のライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なる第1のライブラリが保存されていると判断された場合、インストール手段による第2のライブラリを内包するアプリケーションのインストールが中断されて、第2のライブラリが使用条件を満足しているかどうかを確認するための確認画面が表示手段に表示され、使用条件を満足していることの確認が得られた場合にのみ、中断したインストールが許可されるから、使用条件を満足していない第2のライブラリが保存され使用されるのを防止できる。
【0017】
前項()に記載の発明によれば、使用条件には第1のライブラリの提供元との使用許諾条件が含まれるから、第1のライブラリと同じであるが提供元から使用許諾条件を得ていない第2のライブラリが使用され、第1のライブラリの提供元と無用のトラブルが発生するのを防止できる。
【0018】
前項()に記載の発明によれば、第2のライブラリを削除することにより第2のライブラリの使用を禁止できる。
【0019】
前項()に記載の発明によれば、第2のライブラリの使用が禁止されたときは、そのことが表示手段に表示されるから、画像処理装置の開発者等は第2のライブラリの使用が禁止されたことを認識できる。
【0020】
前項(8)に記載の発明によれば、使用条件を満足している第1のライブラリと同じであっても使用条件を満足していない第2のライブラリを使用することはなくなるから、使用条件を満足しているライブラリが既に保存されている状態で、同じライブラリを内包する新たなアプリケーションがインストールされるときのトラブル等の発生の恐れを解消できる。
【0021】
前項(10)に記載の発明によれば、第2のライブラリを内包するアプリケーションをインストールされるときまたはインストールされた後に、アプリケーションに内包された第2のライブラリを抽出し、この抽出した第2のライブラリと同一の第1のライブラリが、保存手段に保存されているかどうかを判断し、第2のライブラリと同一の第1のライブラリが保存手段に保存されていると判断した場合、第2のライブラリの使用を禁止し、第2のライブラリを内包するアプリケーションに対して第1のライブラリを使用させる処理を、第1のライブラリを保存する保存手段を備えた画像処理装置のコンピュータに実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】この発明の一実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図2図1に示した画像処理装置にアプリケーションがインストールされるときの画像処理装置の動作を説明するための図である。
図3】(A)(B)は同じくアプリケーションがインストールされるときの画像処理装置の動作を説明するための図である。
図4】インストールするアプリケーションに内包されるライブラリの使用を禁止したことを表示する画面の表示例を示す図である。
図5】インストールするアプリケーションに内包されるライブラリと名称は同じであるがバージョンが異なるライブラリが保存されていると判断された場合、内包されているライブラリが使用条件を満足しているかどうかを確認するための確認画面の表示例を示す図である。
図6】ライセンス規約が存在するフリーライセンスのライブラリの使用条件を満足するための一形態を説明するための図である。
図7】ライブラリを記憶装置へ保存するまでの手順を示すフローチャートである。
図8】アプリケーションがインストールされるときの画像処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図9】従来技術の課題を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理装置としての画像形成装置1の構成を示すブロック図である。この実施形態では、画像形成装置1として、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、スキャン機能等を備えた多機能デジタル複合機であるMFP(Multifunction Peripheral)が用いられている。以下、画像形成装置をMFPともいう。
【0025】
図1に示すように、MFP1は、制御部100、記憶装置110、画像読取装置120、操作パネル130、画像出力装置140、プリンタコントローラ150及びネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)160、無線通信インターフェース(無線通信I/F)170、認証部180等を備え、互いにシステムバス175を介して接続されている。
【0026】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、S-RAM(Static Random Access Memory)103、NV-RAM(Non Volatile RAM)104及び時計IC105等を備えている。
【0027】
CPU101は、ROM102等に保存されている動作プログラムを実行することにより、MFP1の全体を統括的に制御する。例えばコピー機能、プリンタ機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等を実行可能に制御したり、ユーザーによる操作パネル135の操作入力を受け付けて、指示されたジョブの動作条件の設定値を設定する処理を行う。更にこの実施形態では、アプリケーションをインストールしたり、ライブラリを内包するアプリケーションがインストールされるときまたはインストールされた後に、アプリケーションに内包されたライブラリを抽出するとともに、抽出したライブラリと同一のライブラリが、記憶装置110に保存されているかどうかを判断したり、判断結果に応じた処理を行ったりするが、詳細は後述する。
【0028】
ROM102は、CPU101が実行するプログラムやその他のデータを格納する。
【0029】
S-RAM103は、CPU101がプログラムを実行する際の作業領域となるものであり、プログラムやプログラムを実行する際のデータ等を一時的に保存する。
【0030】
NV-RAM104は、バッテリでバックアップされた不揮発メモリであり、画像形成に係わる各種の設定等を記憶するものである。
【0031】
時計IC105は、時刻を計時すると共に、内部タイマーとして機能し処理時間の計測等を行う。
【0032】
記憶装置110(保存手段に相当する)は、ハードディスク等からなり、1個または複数個のアプリケーション、1個または複数個のライブラリその他各種データ等を保存する。
【0033】
画像読取装置120は、スキャナ等を備え、プラテンガラス上にセットされた原稿を走査することによって読み取り、読み取った原稿を画像データに変換する。
【0034】
操作パネル130は、操作手段として、ユーザーがMFP1へジョブ等の指示や各種設定を行う際に用いられるものであり、リセットキー131、スタートキー132、ストップキー133、表示部134及びタッチパネル135等を備えている。
【0035】
リセットキー131は、設定をリセットする際に使用されるものであり、スタートキー132はスキャン等の開始操作に使用されるものであり、ストップキー133は動作を中断する場合等に押下されるものである。
【0036】
表示部134は、例えば液晶表示装置からなりメッセージや各種の操作画面等を表示するものであり、タッチパネル135は表示部134の画面上に形成され、ユーザーのタッチ操作を検出する。
【0037】
画像出力装置140は、画像読取装置120で読み取られた原稿の画像データや、端末装置3から送信されたプリントデータから生成された複写画像を用紙上に印字し印刷物として出力するものである。
【0038】
プリンタコントローラ150は、ネットワークインターフェース160によって受信されたプリントデータから複写画像を生成するものである。
【0039】
ネットワークI/F160は、ネットワーク4を介してデータの送受信を行う通信手段として機能し、無線通信I/F170は近距離無線通信により外部装置と通信を行うためのインターフェースである。
【0040】
認証部180はログインするユーザーの認証用情報を取得し、この認証用情報を予め固定記憶装置110等に保存されている照合用の情報と比較照合して認証を行うものである。なお、ユーザーの認証用情報と照合用の情報との比較照合は、外部の認証サーバーにより行い、認証部180が認証サーバーから認証結果を受信することにより認証が行われても良い。
【0041】
次に、図1に示したMFP1の動作を説明する。
【0042】
図2に示すように、MFP1の保存領域(保存手段)である記憶装置110には、1個又は複数個のアプリケーションで使用されるプログラムであるライブラリA(第1のライブラリに相当)200が保存されている。このライブラリA200は、ライブラリA200の提供元(開発元)とMFP1の開発側との間で事前に使用許諾に関する合意が得られている、つまり使用条件が満足されたものであり、MFP1の開発側は制約無くライブラリA200の使用が可能となっている。なお、記憶装置110に保存されているライブラリは1個でなく複数個であっても良い。
【0043】
次に、ライブラリA200が保存されている状態で、図3(A)に示すように、ライブラリA200と同じライブラリ210(第2のライブラリに相当する)を内包する新たなアプリケーションB300が、MFP1にインストールされる場合を考える。
【0044】
MFP1は、サーバー2やユーザーの端末装置等からアプリケーションB300のインストールを開始すると(丸数字1)、アプリケーションB300をS-RAM103上に展開して内包されているライブラリ(以下、内包ライブラリともいう)210を抽出し、内包ライブラリ210と同一のライブラリAが、記憶装置110に既に保存されているかどうかを、RAM103上でチェックし判断する(丸数字2)。
【0045】
アプリケーションB300の内包ライブラリ210が既に保存されているライブラリAの一部として含まれている場合も同一と判断される。また、この実施形態では、限定はされないが、ライブラリが同一かどうかは内包ライブラリ210の名称及びバージョンが、保存されているライブラリA200の名称及びバージョン、あるいはライブラリA200に含まれているライブラリの名称及びバージョンと同一かどうかにより判断され、名称及びバージョンが同一であれば同一と判断される。
【0046】
内包ライブラリ210と同一のライブラリA200が記憶装置110に既に保存されていると判断された場合、内包ライブラリ210の使用を禁止する。この実施形態では、使用禁止の一例として内包ライブラリ210をアプリケーションB300から削除した上で、アプリケーションB300をインストールする(丸数字3)。
【0047】
従って、図3(B)に示すように、既にライブラリA200が保存されているMFP1の記憶装置110には、内包ライブラリ210は削除された状態で、アプリケーションB300のみがインストールされ保存される。
【0048】
アプリケーションB300のインストール後、アプリケーションB300によるライブラリAの使用時には、MFP1のCPU101は、記憶装置110に保存されているライブラリA200を呼び出して使用させる。
【0049】
このように、この実施形態では、ライブラリ210を内包するアプリケーションB300がインストールされるときに、アプリケーションB300に内包されたライブラリ210が抽出され、この抽出された内包ライブラリ210と同一のライブラリA200が、記憶装置110に既に保存されているかどうかが判断される。そして、抽出された内包ライブラリ210と同一のライブラリA200が記憶装置110に保存されていると判断された場合、内包ライブラリ210は削除された状態でアプリケーションB300がインストールされる。また、アプリケーションB300に対してライブラリA200を使用させるから、使用条件について提供元と合意しているライブラリA200と同じであっても使用条件について合意していない内包ライブラリ210を使用することはできなくなる。このため、使用条件を満足しているライブラリA200が既に保存されている状態で、同じライブラリ210を内包する新たなアプリケーションB300がインストールされるときのトラブル等の発生の恐れを解消できる。
【0050】
なお、上記の実施形態では、アプリケーションB300のインストールのときに内包ライブラリ210を抽出し、内包ライブラリ210と同一のライブラリA200が、記憶装置110に既に保存されているかどうかを判断した。しかし、アプリケーションB300がインストールされた後、換言すればアプリケーションB300と内包ライブラリ210が記憶装置110に保存された後に、内包ライブラリ210を抽出し、内包ライブラリ210と同一のライブラリA200が、記憶装置110に既に保存されているかどうかを判断し、同一のライブラリA200が既に保存されていると判断された場合に、内包ライブラリ210を削除しても良い。
【0051】
また、内包ライブラリ210を削除するのではなく、そのままインストールして記憶装置110に保存した状態とするが、内包ライブラリ210の使用を禁止する構成としても良い。
【0052】
また、内包ライブラリ210の使用を禁止(削除を含む)した場合は、MFP1は図4に示すように、内包ライブラリ210の使用を禁止したことを示すメッセージを、表示部134に表示しても良い。これによって、MFP1の開発者等は内包ライブラリ210の使用が禁止されたことを認識できる。図4で「OK」ボタンを押すと表示が消去される。
【0053】
また、アプリケーションB300のインストール中に、内包ライブラリ210と名称は同じであるがバージョンが異なるライブラリA200が保存されていると判断された場合、内包ライブラリ210の記憶装置110への保存を中止する構成としても良い。あるいは、アプリケーションB300のインストール後に、内包ライブラリ210と名称は同じであるがバージョンが異なるライブラリA200が保存されていると判断された場合は、内包ライブラリ210を記憶装置110から削除する構成としても良い。このような構成により、使用条件を満足するライブラリA200と名称は同じであるがバージョンが異なる内包ライブラリ210が使用されるのを防止でき、無用のトラブルが発生するのを防止することができる。
【0054】
また、アプリケーションB300のインストール中に、内包ライブラリ210と名称は同じであるがバージョンが異なるライブラリA200が保存されていると判断された場合、アプリケーションB300のインストールを中断し、内包ライブラリ210が使用条件を満足しているかどうかを確認するための確認画面を表示部132に表示し、使用条件を満足していることの確認が得られた場合にのみ、中断したアプリケーションB300のインストールを許可するようにしても良い。これにより、使用条件を満足していない内包ライブラリ210が保存され使用されるのを防止できる。
【0055】
確認画面は、例えば図5に示すように、「アプリケーションBの提供元アドレスを入力してアクセスし、使用条件を満足しているか確認して下さい。」のメッセージと共に、アプリケーションB300の提供元の連絡先アドレスの入力フォーム134aを有する画面をポップアップ表示等することにより行われる。入力フォーム134aにアプリケーションB300の提供元の連絡先アドレスを入力し、「実行」ボタンを押すことで、アプリケーションB300の提供元にアクセスし、使用に問題の無いことを確認する。必要であれば使用許諾を得ることにより使用条件を満足する。
【0056】
使用に問題の無いことの確認後、MFP1は、中断したアプリケーションB300のインストールを許可することで、インストールが再開され、アプリケーションB300及び内包ライブラリ210が記憶装置110に保存される。使用に問題の無いことの確認が得られなかった場合は、インストールを中止すれば良い。
【0057】
ところで、ライブラリA200がフリーライセンスのライブラリであっても、ライセンス規約が存在することがあり、この場合は同様に使用前に使用条件を満足しておくことが必要となる場合がある。フリーライブラリライセンスの使用条件の一例を説明すると、
1.ライブラリの再配布は、著作権表示、ここに列挙された条件、及び免責条項を保持すること、
2.このソフトウェアの機能に言及するまたは使用する全ての宣伝物には「この製品は、・・・によって開発されたソフトウェアが含まれています。」という謝辞を表示すること。
【0058】
つまり、ライブラリ200の使用時には、例えば図6に示すように、ドキュメントへ「著作権明示」及び「ライブラリ開発元への謝辞」を記載し、あるいは製品サイト上へ「著作権明示」及び「ライブラリ開発元への謝辞」を記載するという条件を満足することで、ライブラリA200をMFP1の記憶装置110に保存し、あるいはアプリケーションB300の内包ライブラリ210としてライブラリを使用することができる。
【0059】
図7は、ライブラリA200を記憶装置110へ保存するまでの手順を示すフローチャートである。
【0060】
ステップS01で、MFP1内での使用が想定されるライブラリA200を選定したのち、ステップS02で、選定したライブラリA200(対象ライブラリ)のライセンスを含む使用条件を満足させる。
【0061】
次いでステップS03で、使用条件を満足させたライブラリA200をMFP1の記憶装置110に格納する。
【0062】
図8は、ライブラリ210を内包するアプリケーションB300がインストールされるときのMFP1の動作を説明するためのフローチャートである。このフローチャートに示される動作は、MFP1のCPU101がROM102等の記録媒体に格納された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0063】
ステップS11ではアプリケーションB300のインストールを開始し、ステップS12で、アプリケーションB300内のライブラリ保持状態、換言すれば内包ライブラリ210が存在しているかどうかを確認する。
【0064】
次いでステップS13で内包ライブラリ210の有無を判断する。内包ライブラリ210が存在しなければ(ステップS13でNO)、ステップS27で、アプリケーションB300のインストールを継続し完了する。内包ライブラリ210が存在すれば(ステップS13でYES)、ステップS14で内包ライブラリ210を抽出した後、ステップS15で、MFP1の記憶装置110に、抽出した内包ライブラリ210と名称が同じでバージョンも同じライブラリA200が存在するかどうかを判断する。
【0065】
抽出した内包ライブラリ210と名称が同じでバージョンも同じライブラリA200が存在する場合(ステップS15でYES)、ステップS16で、記憶装置110内の該当ライブラリA200は使用条件のあるライブラリかどうかを調べ、使用条件のあるライブラリでなければ(ステップS16でNO)、ステップS19で、内包ライブラリ210を有するアプリケーションB300をそのままインストールする。使用条件のあるライブラリであれば(ステップS16でYES)、ステップS17で内包ライブラリ210を削除する。
【0066】
ステップS18では削除したことを表示部132に表示したのち、ステップS19で、内包ライブラリ210を削除したアプリケーションB300のインストールを継続し、インストールを完了する。この場合、インストールしたアプリケーションB300の使用時には、削除した内包ライブラリ210と同じ記憶装置110内のライブラリA200を使用させる。
【0067】
ステップS15で、MFP1の記憶装置110に、抽出した内包ライブラリ210と名称が同じでバージョンも同じライブラリが存在しない場合(ステップS16でNO)、ステップS20で、内包ライブラリ210と名称が同じであるがバージョンが相違するライブラリが存在するかどうかを判断する。
【0068】
存在する場合(ステップS20でYES)、ステップS21で、そのライブラリは使用条件のあるライブラリかどうかを調べ、使用条件のあるライブラリでなければ(ステップS21でNO)、ステップS19に進み、内包ライブラリ210を有するアプリケーションB300をそのままインストールする。
【0069】
使用条件のあるライブラリであれば(ステップS21でYES)、ステップS22で、アプリケーションB300のインストールを中断した後、ステップS23に進み、内包ライブラリ210が使用条件を満足しているかどうかを確認するための確認画面を表示部132に表示したのち、ステップS24で確認が得られたかどうかを判断する。確認が得られなかった場合は(ステップS24でNO)、ステップS25でインストールは中止する。確認が得られた場合(ステップS24でYES)、ステップS19に進み、内包ライブラリ210を有するアプリケーションB300をそのままインストールする。なお、ステップS21で使用条件のあるライブラリであると判断された場合(ステップS21でYES)、インストールを中止したり、内包ライブラリ210を削除してアプリケーションB300をインストールしても良い。
【0070】
ステップS20で、内包ライブラリ210と名称が同じであるがバージョンが相違するライブラリが存在しなかった場合(ステップS21でNO)、ステップS25で、アプリケーションB300のインストールを中止する。ただし、内包ライブラリ210の使用条件を満足させた状態としたのち、アプリケーションB300をインストールしても良い。
【符号の説明】
【0071】
1 MFP
100 制御部
101 CPU
102 ROM
110 記憶装置(保存手段)
134 表示部
200 画像処理装置側のライブラリ
210 アプリケーションに内包されているライブラリ
300 インストールされるアプリケーション
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9