(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、共通処理実行方法および共通処理実行プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/62 20130101AFI20220712BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20220712BHJP
【FI】
G06F21/62
G06F21/31
(21)【出願番号】P 2018194356
(22)【出願日】2018-10-15
【審査請求日】2021-08-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】加來 信弥
【審査官】松崎 孝大
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-5587(JP,A)
【文献】特開2009-205318(JP,A)
【文献】特開2011-235564(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0188910(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/62
G06F 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のグループのいずれかに対応して登録された1以上の通常ユーザーのいずれかが決定される場合に、決定された前記通常ユーザーに対応する前記グループに関連付けられたデータに予め定められた共通処理を実行する処理実行手段と、
複数の前記グループのうち第1グループに対応して登録された前記通常ユーザーである第1通常ユーザーおよび複数の前記グループのうち第2グループに対応して登録された前記通常ユーザーである第2通常ユーザーと関連付けて統合ユーザーを登録する統合登録手段と、
前記統合ユーザーが認証される場合に前記第1通常ユーザーおよび前記第2通常ユーザーいずれかに対応する前記グループに関連付けられたデータに前記共通処理を実行する実行制御手段と、を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記通常ユーザーに対応する前記グループに関連付けられたデータに前記共通処理が実行されることに応じて前記共通処理が実行されたデータに前記共通処理を実行したことを示す履歴を前記通常ユーザーと関連付けた履歴情報を生成する履歴生成手段を、さらに備えた請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記履歴生成手段は、前記統合ユーザーが認証される場合に前記共通処理が実行されたデータに前記共通処理を実行したことを示す履歴を前記統合ユーザーと関連付けた履歴情報を生成する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の前記グループそれぞれに対応して1以上のユーザーを前記通常ユーザーとして登録する場合、前記グループに関連付けられたデータにアクセスするレベルが異なる複数の権限レベルのいずれかを前記通常ユーザーに関連付けて登録する通常ユーザー登録手段を、さらに備え、
前記統合登録手段は、前記第1通常ユーザーの前記権限レベルと前記第2通常ユーザーの前記権限レベルとが同一の場合に、前記統合ユーザーを登録する、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記統合ユーザーが認証される場合、前記第1通常ユーザーに対応する前記グループに関連付けられたデータと前記第2通常ユーザーに対応する前記グループに関連付けられたデータとを選択可能に表示する表示制御手段を、さらに備えた請求項1~4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記実行制御手段は、選択可能に表示されたデータのいずれかが前記統合ユーザーにより指示されることに応じて、指示されたデータを前記共通処理が実行される対象に特定する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記実行制御手段は、選択可能に表示されたデータの複数が前記統合ユーザーにより指定される場合、前記統合ユーザーにより指定された複数のデータのうちから1つを順に選択し、選択されたデータを前記共通処理が実行される対象に特定する、請求項5または6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記処理実行手段は、前記通常ユーザーが認証される場合に前記通常ユーザーを決定し、
前記実行制御手段は、前記統合ユーザーが認証される場合は、前記第1通常ユーザーまたは前記第2通常ユーザーが認証されていなくても前記第1通常ユーザーまたは前記第2通常ユーザーに対応する前記グループに関連付けられたデータに前記共通処理を実行する、請求項1~7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記実行制御手段は、前記共通処理を実行する場合は前記処理実行手段に前記共通処理を実行させる、請求項1~7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記実行制御手段は、前記通常ユーザーを識別するためのユーザー識別情報を含む指令を前記処理実行手段に出力し、
前記処理実行手段は、前記実行制御手段から前記指令が入力されない場合は前記通常ユーザーが認証されることに応じて前記通常ユーザーを決定し、前記実行制御手段から前記指令が入力される場合は前記指令に含まれるユーザー識別情報で特定される前記通常ユーザーが認証されていなくても前記通常ユーザーを決定する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記実行制御手段は、前記共通処理を実行させるデータを識別するためのデータ識別情報をさらに含む前記指令を前記処理実行手段に出力し、
前記処理実行手段は、前記実行制御手段から前記指令が入力される場合は前記指令で特定されるデータに前記共通処理を実行する、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
複数のグループのいずれかに対応して登録された1以上の通常ユーザーのいずれかが決定される場合に、決定された前記通常ユーザーに対応する前記グループに関連付けられたデータに予め定められた共通処理を実行する処理実行ステップと、
複数の前記グループのうち第1グループに対応して登録された前記通常ユーザーである第1通常ユーザーおよび複数の前記グループのうち第2グループに対応して登録された前記通常ユーザーである第2通常ユーザーと関連付けて統合ユーザーを登録する統合登録ステップと、
前記統合ユーザーが認証される場合に前記第1通常ユーザーおよび前記第2通常ユーザーいずれかに対応する前記グループに関連付けられたデータに前記共通処理を実行する実行制御ステップと、を情報処理装置に実行させる共通処理実行方法。
【請求項13】
複数のグループのいずれかに対応して登録された1以上の通常ユーザーのいずれかが決定される場合に、決定された前記通常ユーザーに対応する前記グループに関連付けられたデータに予め定められた共通処理を実行する処理実行ステップと、
複数の前記グループのうち第1グループに対応して登録された前記通常ユーザーである第1通常ユーザーおよび複数の前記グループのうち第2グループに対応して登録された前記通常ユーザーである第2通常ユーザーと関連付けて統合ユーザーを登録する統合登録ステップと、
前記統合ユーザーが認証される場合に前記第1通常ユーザーおよび前記第2通常ユーザーいずれかに対応する前記グループに関連付けられたデータに前記共通処理を実行する実行制御ステップと、をコンピューターに実行させる共通処理実行プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置、共通処理実行方法および共通処理実行プログラムに関し、特に、ユーザーを認証して所定の処理を実行する情報処理装置、その情報処理装置で実行される共通処理実行方法およびその共通処理実行方法をコンピューターに実行させる共通処理実行プログラムに関する。
【0002】
サーバーが提供するサービスを利用する場合、サーバー側で利用者を特定するためにユーザーのアカウントを用いた認証処理がサーバーにより実行される。この種のサービスの複数の提供を受けるためには、複数のアカウントそれぞれを用いてそのアカウントが登録されたサーバーによって認証される必要がある。
【0003】
特開2008-040644号公報には、複数の情報処理装置が接続され、第1の情報処理装置から第2の情報処理装置へのログイン処理を行うサーバーにおいて、ログイン要求のアカウントと、前記情報処理装置を用いるユーザーに固有のユーザー固有情報とを登録した認証テーブルと、前記ユーザーごとに、ログインが可能な情報処理装置を登録したデータテーブルと、前記第1の情報処理装置からのログイン要求に対応して前記第1の情報処理装置から受信したアカウントとユーザー固有情報と、前記認証テーブルに登録されたアカウントとユーザー固有情報との対応関係に応じて、前記ユーザーによるログイン要求を認証する認証処理部と、前記ログイン要求の認証に応じて、前記データテーブルを参照してログイン要求の認証を受けたユーザーがログイン可能な前記第2の情報処理装置を含む複数の情報処理装置を判別し、判別された複数の情報処理装置のそれぞれに対してログイン要求を送信するログイン要求送信部と、を備えたことを特徴とするサーバーが記載されている。
【0004】
しかしながら、特開2008-040644号公報に記載の技術は、ユーザーは、複数の情報処理装置がそれぞれ提供するサービスの提供を受けるために、複数の情報処理装置を区別しなければならず、操作が煩雑になるといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的の1つは、複数のユーザーそれぞれに関連するデータに共通処理を実行させる操作を簡略にした情報処理装置を提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、複数のユーザーそれぞれに関連するデータに共通処理を実行させる操作を簡略にした共通処理実行方法を提供することである。
【0008】
この発明のさらに他の目的は、複数のユーザーそれぞれに関連するデータに共通処理を実行させる操作を簡略にした共通処理実行プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のある局面に従えば、情報処理装置は、複数のグループのいずれかに対応して登録された1以上の通常ユーザーのいずれかが決定される場合に、決定された通常ユーザーに対応するグループに関連付けられたデータに予め定められた共通処理を実行する処理実行手段と、複数のグループのうち第1グループに対応して登録された通常ユーザーである第1通常ユーザーおよび複数のグループのうち第2グループに対応して登録された通常ユーザーである第2通常ユーザーと関連付けて統合ユーザーを登録する統合登録手段と、統合ユーザーが認証される場合に第1通常ユーザーおよび第2通常ユーザーいずれかに対応するグループに関連付けられたデータに共通処理を実行する実行制御手段と、を備える。
【0010】
この局面に従えば、第1グループに対応して登録された通常ユーザーである第1通常ユーザーおよび複数のグループのうち第2グループに対応して登録された通常ユーザーである第2通常ユーザーと関連付けて統合ユーザーが登録され、通常ユーザーが決定される場合に通常ユーザーに対応するグループに関連付けられたデータに共通処理が実行され、統合ユーザーが認証される場合に第1通常ユーザーおよび第2通常ユーザーいずれかに対応するグループに関連付けられたデータに共通処理が実行される。このため、統合ユーザーは複数の通常ユーザーそれぞれに関連するデータに共通処理を実行させることができる。その結果、複数のユーザーそれぞれに関連するデータに共通処理を実行させる操作を簡略にした情報処理装置を提供することができる。
【0011】
好ましくは、通常ユーザーに対応するグループに関連付けられたデータに共通処理が実行されることに応じて共通処理が実行されたデータに共通処理を実行したことを示す履歴を通常ユーザーと関連付けた履歴情報を生成する履歴生成手段を、さらに備える。
【0012】
この局面に従えば、統合ユーザーが認証される場合に、共通処理が実行されたデータを第1通常ユーザーまたは第2通常ユーザーと関連付けた履歴情報が生成される。このため、統合ユーザーによる操作の履歴を通常ユーザーによる操作の履歴とすることができる。
【0013】
好ましくは、履歴生成手段は、統合ユーザーが認証される場合に共通処理が実行されたデータに共通処理を実行したことを示す履歴を統合ユーザーと関連付けた履歴情報を生成する。
【0014】
この局面に従えば、統合ユーザーが認証される場合に、共通処理が実行されたデータを統合ユーザーと関連付けた履歴情報が生成される。このため、統合ユーザーによる操作と通常ユーザーによる操作とを区別した履歴情報を生成することができる。
【0015】
好ましくは、複数のグループそれぞれに対応して1以上のユーザーを通常ユーザーとして登録する場合、グループに関連付けられたデータにアクセスするレベルが異なる複数の権限レベルのいずれかを通常ユーザーに関連付けて登録する通常ユーザー登録手段を、さらに備え、統合登録手段は、第1通常ユーザーの権限レベルと第2通常ユーザーの権限レベルとが同一の場合に、統合ユーザーを登録する。
【0016】
この局面に従えば、統合ユーザーの権限レベルを第1通常ユーザーおよび第2通常ユーザーの権限レベルと同一にすることができるので、統合ユーザーによるデータへのアクセスを制限することができるとともに、アクセス制御を容易にすることができる。
【0017】
好ましくは、統合ユーザーが認証される場合、第1通常ユーザーに対応するグループに関連付けられたデータと第2通常ユーザーに対応するグループに関連付けられたデータとを選択可能に表示する表示制御手段を、さらに備える。
【0018】
この局面に従えば、統合ユーザーが認証される場合、第1通常ユーザーに関連付けられたデータと第2通常ユーザーに関連付けられたデータとが選択可能に表示されるので、第1通常ユーザーに関連付けられたデータと第2通常ユーザーに関連付けられたデータとを同一の画面で選択することができる。
【0019】
好ましくは、実行制御手段は、選択可能に表示されたデータのいずれかが統合ユーザーにより指示されることに応じて、指示されたデータを共通処理が実行される対象に特定する。
【0020】
この局面に従えば、統合ユーザーにより指示されたデータに共通処理が実行されるので、統合ユーザーによる共通処理の対象となるデータの選択する操作を容易にすることができる。
【0021】
好ましくは、実行制御手段は、選択可能に表示されたデータの複数が統合ユーザーにより指定される場合、統合ユーザーにより指定された複数のデータのうちから1つを順に選択し、選択されたデータを共通処理が実行される対象に特定する。
【0022】
この局面に従えば、統合ユーザーにより指定された複数のデータに順に共通処理が実行されるので、複数のデータに共通処理を実行させる操作を容易にすることができる。
【0023】
好ましくは、処理実行手段は、通常ユーザーが認証される場合に、通常ユーザーを決定し、実行制御手段は、統合ユーザーが認証される場合は、第1通常ユーザーまたは第2通常ユーザーが認証されていなくても第1通常ユーザーまたは第2通常ユーザーに対応するグループに関連付けられたデータに共通処理を実行する。
【0024】
この局面に従えば、統合ユーザーが認証される場合は、第1通常ユーザーまたは第2通常ユーザーが認証されていなくても第1通常ユーザーまたは第2通常ユーザーに関連付けられたデータに共通処理が実行される。このため、第1通常ユーザーまたは第2通常ユーザーを認証する処理を省略してレスポンスタイムを短くすることができる。
【0025】
好ましくは、実行制御手段は、共通処理を実行する場合は処理実行手段に共通処理を実行させる。
【0026】
この局面に従えば、処理実行手段に共通処理を実行させるので処理実行手段と同じ処理を実行しないようにできる。
【0027】
好ましくは、実行制御手段は、通常ユーザーを識別するためのユーザー識別情報を含む指令を処理実行手段に出力し、処理実行手段は、実行制御手段から指令が入力されない場合は通常ユーザーが認証されることに応じて通常ユーザーを決定し、実行制御手段から指令が入力される場合は指令に含まれるユーザー識別情報で特定される通常ユーザーが認証されていなくても通常ユーザーを決定する。
【0028】
この局面に従えば、第1通常ユーザーまたは第2通常ユーザーを認証する処理を省略してレスポンスタイムを短くすることができる。
【0029】
好ましくは、実行制御手段は、共通処理を実行させるデータを識別するためのデータ識別情報をさらに含む指令を処理実行手段に出力し、処理実行手段は、実行制御手段から指令が入力される場合は指令で特定されるデータに共通処理を実行する。
【0030】
この局面に従えば、共通処理が実行されるデータが実行制御手段で特定されるので、処理実行手段の負荷を低減することができる。
【0031】
この発明の他の局面によれば共通処理実行方法は、複数のグループのいずれかに対応して登録された1以上の通常ユーザーのいずれかが決定される場合に、決定された通常ユーザーに対応するグループに関連付けられたデータに予め定められた共通処理を実行する処理実行ステップと、複数のグループのうち第1グループに対応して登録された通常ユーザーである第1通常ユーザーおよび複数のグループのうち第2グループに対応して登録された通常ユーザーである第2通常ユーザーと関連付けて統合ユーザーを登録する統合登録ステップと、統合ユーザーが認証される場合に第1通常ユーザーおよび第2通常ユーザーいずれかに対応するグループに関連付けられたデータに共通処理を実行する実行制御ステップと、を情報処理装置に実行させる。
【0032】
この局面に従えば、複数のユーザーそれぞれに関連するデータに共通処理を実行させる操作を簡略にした共通処理実行方法を提供することができる。
【0033】
この発明の他の局面によれば共通処理実行プログラムは、複数のグループのいずれかに対応して登録された1以上の通常ユーザーのいずれかが決定される場合に、決定された通常ユーザーに対応するグループに関連付けられたデータに予め定められた共通処理を実行する処理実行ステップと、複数のグループのうち第1グループに対応して登録された通常ユーザーである第1通常ユーザーおよび複数のグループのうち第2グループに対応して登録された通常ユーザーである第2通常ユーザーと関連付けて統合ユーザーを登録する統合登録ステップと、統合ユーザーが認証される場合に第1通常ユーザーおよび第2通常ユーザーいずれかに対応するグループに関連付けられたデータに共通処理を実行する実行制御ステップと、をコンピューターに実行させる。
【0034】
この局面に従えば、複数のユーザーそれぞれに関連するデータに共通処理を実行させる操作を簡略にした共通処理実行プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の実施の形態の1つにおける情報処理システムの全体概要の一例を示す図である。
【
図2】本実施の形態におけるサーバーのハードウェア構成の概要の一例を示すブロック図である。
【
図3】サーバーが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。
【
図4】通常ユーザーテーブルの一例を示す図である。
【
図5】統合ユーザーテーブルの一例を示す図である。
【
図10】データ処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】通常ユーザー処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】データ取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】統合ユーザー処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図14】変形例における統合ユーザー処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0037】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける情報処理システムの全体概要の一例を示す図である。
図1を参照して、情報処理システム1は、情報処理装置として機能するサーバー200と、画像処理装置として機能するMFP(Multi Function Peripheral)100,100A,100Bと、パーソナルコンピューター(以下「PC」という)250,300,300A,300Bと、を含む。MFP100,100A,100BおよびPC300,300A,300Bは、ローカルエリアネットワーク(LAN)3と接続される。LAN3にゲートウェイ装置(G/W)7が接続されており、ゲートウェイ装置7はインターネット5に接続される。サーバー200およびPC250は、インターネット5に接続されている。サーバー200およびPC250は、インターネット5を介して互いに通信可能である。さらに、MFP100,100A,100BおよびPC300,300A,300Bそれぞれは、ゲートウェイ装置7を介して、サーバー200と通信可能である。
【0038】
MFP100,100A,100Bそれぞれは、一般的な画像処理装置であり、原稿を光学的に読み取って画像データを出力するスキャン機能、データを送受信するデータ送受信機能を少なくとも有する。MFP100,100A,100Bそれぞれは、サーバー200からサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムがインストールされている。また、PC250,300,300A,300Bは、一般的なコンピューターである。したがって、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0039】
本実施の形態において、MFP100およびPC300が店舗10にそれぞれ配置され、MFP100AおよびPC300Aが店舗10Aにそれぞれ配置され、MFP100BおよびPC300Bが店舗10Bにそれぞれ配置されている。
【0040】
本実施の形態における情報処理システム1においては、店舗10,10A,10Bそれぞれにおいて、予め定められた様式の用紙である定型用紙が用いられる。定型用紙は、例えば、伝票またはアンケート用紙である。MFP100,100A,100Bそれぞれにおいて、手書きで情報が記載された定型用紙を読み取って得られる画像データをサーバー200に送信する処理を定めたアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0041】
サーバー200は、予め定められたサービスを提供するために、MFP100,100A,100Bそれぞれから受信される画像データを処理対象としてサービス処理を実行する。サーバー200が実行するサービス処理は、ここでは、画像データを文字認識することにより画像データを文字情報に変換する文字認識処理と、文字認識処理の結果を検証する作業時に実行される検証処理と、を含む。検証処理を、ここでは特に共通処理という。検証作業は、作業者が、画像データの画像と画像データから変換された文字情報とを比較して、文字情報が正しいか否かを判断し、誤っている場合には文字情報を正しい値に修正する作業である。検証処理は、画像データの画像と、画像データから変換された文字情報とを比較するための画面を生成および表示する処理と、作業者により修正された文字情報を画像データに関連付けて記憶する処理である。なお、本実施の形態においては、共通処理を検証処理とする場合を例に説明するが、共通処理を検証処理に限定するものではなく、他の処理でもよい。
【0042】
PC300,300A,300Bは、店舗10、店舗10Aおよび店舗10Bそれぞれで検証作業を担当する通常ユーザーにより用いられる。PC250は、店舗10、店舗10Aおよび店舗10Bそれぞれから検証作業の依頼を受けた統合ユーザーにより用いられる。
【0043】
サーバー200は、店舗10、店舗10Aおよび店舗10Bそれぞれに関連するデータが漏洩しないように、MFP100,100A,100Bそれぞれから受信される画像データを、店舗10、店舗10Aおよび店舗10B別に管理する。具体的には、サーバー200は、MFP100から受信される画像データ、MFP100Aから受信される画像データおよびMFP100Bから受信される画像データへのアクセスを、店舗10、店舗10Aおよび店舗10Bそれぞれに割り当てられたユーザーアカウントを用いて制限する。
【0044】
サーバー200は、店舗10、店舗10Aおよび店舗10Bごとに、共通処理が実行された後のデータに基づいて予め定められた処理を実行してもよい。予め定められた処理は、例えば、店舗10で用いる定型用紙が伝票の場合に伝票に記載された情報を集計する処理である。
【0045】
図2は、本実施の形態におけるサーバーのハードウェア構成の概要の一例を示すブロック図である。
図2を参照して、サーバー200は、サーバー200の全体を制御するためのCPU201と、CPU201が実行するためのプログラムを記憶するROM202と、CPU201の作業領域として使用されるRAM203と、データを不揮発的に記憶するHDD204と、CPU201をインターネット5に接続する通信部205と、情報を表示する表示部206と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部207と、外部記憶装置208と、を含む。
【0046】
外部記憶装置208は、CD-ROM209が装着される。CPU201は、外部記憶装置208を介してCD-ROM209にアクセス可能である。CPU201は、外部記憶装置208に装着されたCD-ROM209に記録されたプログラムをRAM203にロードして実行する。なお、CPU201が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD-ROM209に限られず、光ディスク、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリであってもよい。
【0047】
また、CPU201が実行するプログラムは、CD-ROM209に記録されたプログラムに限られず、HDD204に記憶されたプログラムをRAM203にロードして実行するようにしてもよい。この場合、インターネット5に接続された他のコンピューターが、サーバー200のHDD204に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、サーバー200が、インターネット5に接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD204に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0048】
なお、CPU201が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD-ROM209に限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリであってもよい。
【0049】
図3は、サーバーが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。
図3に示す機能は、サーバー200が備えるCPU201が、ROM202、HDD204またはCD-ROM209に記憶されたデータ処理プログラムを実行することにより、CPU201により実現される機能である。
図3を参照して、サーバー200が備えるCPU201は、通常ユーザー登録部51と、処理実行部53と、統合登録部55と、実行制御部57と、を含む。
【0050】
サーバー200が備えるHDD204は店舗10に割り当てられた記憶領域としてのフォルダと、店舗10Aに割り当てられたフォルダと、店舗10Bに割り当てられたフォルダとを有する。上述したように、サーバー200には、MFP100,100A,100Bそれぞれから画像データが送信される。サーバー200は、MFP100,100A,100Bのいずれかから画像データが受信されることに応じて、その画像データに文字認識処理を実行して文字情報に変換し、画像データに文字情報とその画像データの状態を示す状態情報と関連付けてHDD204に記憶する。状態情報は、検証処理が完了しているか否かを示す。ここでは、状態情報は、検証処理が完了していないことを示す未処理状態と、検証処理が完了していることを示す処理済状態と、を含む。具体的には、サーバー200は、MFP100から画像データが受信される場合、その画像データを、文字情報および未処理状態の状態情報と関連付けてHDD204の店舗10に割り当てられたフォルダに格納する。サーバー200は、MFP100Aから画像データが受信される場合、その画像データを文字情報および未処理状態の状態情報と関連付けてHDD204の店舗10Aに割り当てられたフォルダに格納する。サーバー200は、MFP100Bから画像データが受信される場合、その画像データを文字情報および未処理状態の状態情報と関連付けてHDD204の店舗10Bに割り当てられたフォルダに格納する。
【0051】
通常ユーザー登録部51は、複数のグループそれぞれに対応して1以上のユーザーを通常ユーザーとして登録する。ここでは、複数のグループは、店舗10のグループ、店舗10Aのグループおよび店舗10Bのグループを含む。通常ユーザー登録部51は、グループに関連付けられたデータにアクセスするレベルが異なる複数の権限レベルのいずれかを通常ユーザーに関連付けて登録する。複数の権限レベルは、例えば、画像データを、変更および削除できる権限レベル、変更できるが削除できない権限レベル、変更も削除もできない権限レベルを含む。具体的には、通常ユーザー登録部51は、通常ユーザーを識別するためのユーザーアカウントと、認証情報としてのパスワードと、グループを識別するためのグループ識別情報と、権限レベルとを含む通常ユーザーレコードを通常ユーザーテーブルに追加することにより、通常ユーザーを登録する。ここでは、通常ユーザー登録部51が、店舗10に対応する通常ユーザーとして第1ユーザーを、店舗10Aに対応する通常ユーザーとして第2ユーザーを、店舗10に対応する通常ユーザーとして第3ユーザーを登録する場合を例に説明する。第1ユーザー、第2ユーザーおよび第3ユーザーは、分類されるグループが異なるが権限レベルが同じである。
【0052】
処理実行部53は、第1認証部61と、対象データ特定部63と、一覧表示部65と、第1単独指示受付部67と、第1連続指示受付部69と、共通処理実行部71と、履歴情報生成部77と、結果出力部73と、指令受付部75と、を含む。
【0053】
第1認証部61は、サーバー200を使用する通常ユーザーを認証する。例えば、店舗10に設置されたPC300を操作する第1ユーザーがサーバー200にアクセスし、第1ユーザーに割り当てられたユーザーアカウントとパスワードとをサーバー200に入力する場合、第1認証部61は、PC300から入力されるユーザーアカウントとパスワードとを用いて認証処理を実行する。PC300から入力されるユーザーアカウントを含む通常ユーザーレコードが通常ユーザーテーブルに存在し、その通常ユーザーレコードのパスワードとPC300から入力されるパスワードとが一致すれば、ユーザーアカウントで特定される第1ユーザーを認証する。第1認証部61は、第1ユーザーを通常ユーザーとして認証することに応じて、対象データ特定部63に特定指令を出力する。特定指令は、認証された通常ユーザーのユーザーアカウントを含む。なお、認証処理は、サーバー200とは別の認証サーバーで実行するようにしてもよい。この場合、認証サーバーは、通常ユーザー登録部51の機能を有するようにしてもよい。第1認証部61は、認証サーバーにユーザーアカウントとパスワードとを送信して認証処理を依頼する。
【0054】
対象データ特定部63は、特定指令が入力されることに応じて、特定指令に含まれるユーザーアカウントで特定される通常ユーザーに対応するグループに関連するデータを対象データとして特定する。HDD204には、店舗10、店舗10Aおよび店舗10Bそれぞれに割り当てられた記憶領域に画像データが記憶されている。例えば、通常ユーザーとして第1ユーザーが認証される場合、対象データ特定部63は、HDD204が有する複数のフォルダのうちで第1ユーザーに対応する店舗10のグループに割り当てられたフォルダを特定し、そのフォルダに記憶されている画像データのすべてを対象データに特定する。なお、状態情報が未検証状態の画像データのすべてを対象データに特定してもよい。
【0055】
一覧表示部65は、対象データ特定部63により特定された1以上の対象データを選択可能に表示する一覧画面を生成し、一覧画面を第1ユーザーが操作するPC300に表示させるためにPC300に送信する。一覧画面は、対象データである画像データを識別するためのデータ識別情報とその画像データに関連付けられた状態情報とを並べて表示する画面である。データ識別情報は、例えば、対象データである画像データのファイル名、または/およびその画像データの画像を所定サイズに縮小したサムネイル画像である。一覧表示部65は、対象データの状態情報が更新される場合、一覧画面を再表示する。
【0056】
第1単独指示受付部67は、第1単独指示を受け付ける。第1単独指示受付部67は、通常ユーザーが一覧画面に含まれる1以上の対象データのデータ識別情報のうちから1つを選択する場合に第1単独指示を受け付ける。ここでは、第1ユーザーが操作するPC300から第1単独指示を示す情報が受信される場合を例に説明する。第1単独指示を示す情報は、第1ユーザーにより選択されたデータ識別情報を含む。第1単独指示受付部67は、第1単独指示を受け付けることに応じて、第1単独指示に含まれるデータ識別情報と第1認証部61により認証された第1ユーザーのユーザーアカウントとを含む実行指令を共通処理実行部71に出力する。
【0057】
第1連続指示受付部69は、第1連続指示を受け付ける。第1連続指示受付部69は、通常ユーザーが一覧画面に含まれる複数の対象データのデータ識別情報のうちから複数を選択する場合に第1連続指示を受け付ける。ここでは、第1ユーザーが操作するPC300から第1連続指示を示す情報が受信される場合を例に説明する。第1連続指示を示す情報は、第1ユーザーにより選択された複数のデータ識別情報を含む。第1連続指示受付部69は、第1連続指示を受け付けることに応じて、第1連続指示に含まれる複数のデータ識別情報ごとに、そのデータ識別情報と第1認証部61により認証された第1ユーザーのユーザーアカウントとを含む実行指令を共通処理実行部71に出力する。
【0058】
共通処理実行部71は、実行指令が入力されることに応じて、実行指令に含まれるデータ識別情報で特定される対象データに対して予め定められた共通処理を実行する。本例においては、共通処理実行部71が実行する共通処理は検証処理である。共通処理実行部71は、対象データである画像データの画像と画像データに関連付けられた文字情報とを比較するための確認画面を生成し、通常ユーザーである第1ユーザーが操作するPC300に確認画面を表示させる。また、共通処理実行部71は、第1ユーザーが操作するPC300に確認画面を表示させた後に、第1ユーザーにより修正された文字情報で対象データに関連付けられた文字情報を更新するとともに、検証済であることを示す状態情報で対象データに関連付けられた状態情報を更新する。共通処理実行部71は、共通処理が終了すると、生成指示を履歴情報生成部77に出力する。生成指示は、共通処理の対象となった対象データのデータ識別情報と実行指令に含まれる第1ユーザーのユーザーアカウントとを含む。
【0059】
履歴情報生成部77は、共通処理実行部71から生成指示が入力されることに応じて、データに共通処理を実行したことを示す履歴と共通処理の実行を指示した通常ユーザーのユーザー識別情報とを含む履歴情報を生成し、データに関連付けて記憶する。具体的には、履歴情報生成部77は、生成指示に含まれるデータ識別情報およびユーザーアカウントを含む履歴情報を生成し、HDD204に記憶する。
【0060】
統合登録部55は、統合ユーザーを登録する。具体的には、統合登録部55は、複数のグループにそれぞれ対応して通常ユーザー登録部51により登録された複数の通常ユーザーの2以上と関連付けられた統合ユーザーを登録する。統合ユーザーに関連付けられる複数の通常ユーザーは、権限レベルが同じである。ここでは、統合登録部55は、第1ユーザー、第2ユーザーおよび第3ユーザーと関連付けた統合ユーザーを登録する場合を例に説明する。具体的には、統合登録部55は、統合ユーザーを識別するためのユーザーアカウントと、認証情報としてのパスワードと、第1ユーザー、第2ユーザーおよび第3ユーザーそれぞれのユーザーアカウントとを含む統合ユーザーレコードを統合ユーザーテーブルに追加することにより、統合ユーザーを登録する。以下、統合ユーザーを、第4ユーザーとする場合を例に説明する。第4ユーザーは、第1ユーザー、第2ユーザーおよび第3ユーザーと異なってもよいし、第1ユーザー、第2ユーザーおよび第3ユーザーのいずれかと同じであってもよい。
【0061】
実行制御部57は、第2認証部81と、通常ユーザー特定部83と、対象データ取得部85と、統合一覧表示部87と、第2単独指示受付部91と、第2連続指示受付部93と、指令部95と、結果入力部89と、を含む。
【0062】
第2認証部81は、サーバー200を使用する統合ユーザーを認証する。例えば、第4ユーザーがPC250を操作してサーバー200にアクセスし、第4ユーザーに割り当てられた統合ユーザーのユーザーアカウントとパスワードとをサーバー200に入力する場合を例に説明する。第2認証部81は、PC250から入力される第4ユーザーのユーザーアカウントとパスワードとを用いて認証処理を実行する。PC250から入力されるユーザーアカウントを含む統合ユーザーレコードが統合ユーザーテーブルに存在し、その統合ユーザーレコードのパスワードとPC250から入力されるパスワードとが一致すれば、ユーザーアカウントで特定される第4ユーザーを統合ユーザーとして認証する。なお、認証処理は、サーバー200とは別の認証サーバーで実行するようにしてもよい。この場合、認証サーバーは、統合登録部55の機能を有するようにしてもよい。第2認証部81は、認証サーバーにユーザーアカウントとパスワードとを送信して認証処理を依頼する。
【0063】
通常ユーザー特定部83は、統合ユーザーに関連付けられた複数の通常ユーザーを特定する。具体的には、通常ユーザー特定部83は、統合ユーザーである第4ユーザーのユーザーアカウントを含む統合ユーザーレコードに基づいて、第4ユーザーに関連付けられた複数の通常ユーザーを特定する。ここでは、第1ユーザーと、第2ユーザーと、第3ユーザーとが特定される。
【0064】
対象データ取得部85は、通常ユーザー特定部83により複数の通常ユーザーが特定される場合、複数の通常ユーザーごとに、その通常ユーザーに対応するグループに関連するデータを対象データとして取得する。具体的には、対象データ取得部85は、処理実行部53の対象データ特定部63に通常ユーザーのユーザーアカウントを含む特定指令を出力し、対象データ特定部63に通常ユーザーに対応するグループに関連する対象データを特定させる。本例においては、対象データ取得部85は、第1ユーザーのユーザーアカウントを含む特定指令、第2ユーザーのユーザーアカウントを含む特定指令、第3ユーザーのユーザーアカウントを含む特定指令を、順に対象データ特定部63に出力する。このため、対象データ取得部85は、第1ユーザーに対応する店舗10のグループに関連する対象データのデータ識別情報と、第2ユーザーに対応する店舗10Aのグループに関連する対象データのデータ識別情報と、第3通常ユーザーに対応する店舗10Aのグループに関連する対象データのデータ識別情報と、を取得する。
【0065】
統合一覧表示部87は、対象データ取得部85により取得された複数の対象データを選択可能に表示する統合一覧画面を生成し、統合一覧画面をPC250に表示させるためにPC250に送信する。統合一覧画面は、対象データ取得部85により取得された複数の対象データそれぞれを識別するためのデータ識別情報とその対象データの状態情報とを並べて表示する画面である。統合一覧表示部87は、対象データの状態情報が更新される場合、統合一覧画面を再表示する。
【0066】
第2単独指示受付部91は、第2単独指示を受け付ける。第2単独指示受付部91は、統合ユーザーが統合一覧画面に含まれる複数の対象データのデータ識別情報のうちから1つを選択する場合に第2単独指示を受け付ける。ここでは、第4ユーザーが操作するPC250から第2単独指示を示す情報が受信される場合を例に説明する。第2単独指示を示す情報は、第4ユーザーにより選択されたデータ識別情報を含む。
【0067】
第2連続指示受付部93は、第2連続指示を受け付ける。第2連続指示受付部93は、統合ユーザーが統合一覧画面に含まれる複数の対象データのデータ識別情報のうちから複数を選択する場合に第2連続指示を受け付ける。ここでは、第4ユーザーが操作するPC250から第2連続指示を示す情報が受信される場合を例に説明する。第2連続指示を示す情報は、第4ユーザーにより選択された複数のデータ識別情報を含む。
【0068】
指令部95は、第2単独指示受付部91により第2単独指示が受け付けられる場合に、第1単独指示に含まれるデータ識別情報と通常ユーザーのユーザー識別情報とを含む実行指令を処理実行部53に出力する。具体的には、指令部95は、第2単独指示で示されるデータ識別情報に基づいて、そのデータ識別情報で識別される画像データに関連付けられたグループを特定し、そのグループに対応付けられた通常ユーザーを特定する。指令部95が特定する通常ユーザーは、統合ユーザーに関連付けられた複数の通常ユーザーのいずれかである。
【0069】
指令部95は、第2連続指示に含まれる複数のデータ識別情報ごとに、そのデータ識別情報と、そのデータ識別情報のデータに関連するグループに対応する通常ユーザーのユーザーアカウントとを含む実行指令を共通処理実行部71に出力する。具体的には、指令部95は、第2連続指示に含まれる複数のデータ識別情報ごとに、そのデータ識別情報で識別される画像データに関連付けられたグループを特定し、そのグループに対応付けられた通常ユーザーを特定する。指令部95が特定する通常ユーザーは、統合ユーザーに関連付けられた複数の通常ユーザーのいずれかである。
【0070】
処理実行部53の指令受付部75は、指令部95が出力する実行指令が入力されることに応じて、共通処理実行部71にその実行指令を出力する。共通処理実行部71は、指令受付部75から実行指令が入力されることに応じて、実行指令に含まれるデータ識別情報で特定されるデータに対して予め定められた共通処理を実行する。結果出力部73は、共通処理実行部71が指令受付部75から入力される実行指令に従って共通処理を実行した結果を、実行制御部57に出力する。
【0071】
結果入力部89は、結果出力部73から共通処理を実行した結果が入力されることに応じて、統合一覧表示部87に更新指示を出力する。統合一覧表示部87は、更新指示が入力されることに応じて、統合一覧画面を更新する。具体的には、共通処理が実行された対象データに関連付けられた状態情報を更新する。
【0072】
図4は、通常ユーザーテーブルの一例を示す図である。
図4を参照して、通常ユーザーテーブルは、複数の通常ユーザーにそれぞれ対応する複数の通常ユーザーレコードを含む。通常ユーザーレコードは、ユーザーアカウントの項目と、パスワードの項目と、グループの項目と、権限の項目とを含む。ユーザーアカウントの項目は、通常ユーザーのユーザーアカウントが設定される。ここでは、第1ユーザーのユーザーアカウントを「user2」、第2ユーザーのユーザーアカウントを「user5」、第3ユーザーのユーザーアカウントを「user8」としている。パスワードの項目は、認証情報としてのパスワードが設定される。グループの項目は、通常ユーザーに対応するグループを識別するためのグループ識別情報が設定される。ここでは、店舗10のグループ識別情報を「A」、店舗10Aのグループ識別情報を「B」、店舗10Aのグループ識別情報を「B」としている。権限の項目は、通常ユーザーに割り当てられた権限レベルが設定される。権限レベル「管理者」はデータを変更および削除できる権限レベルを示し、権限レベル「作業者」はデータを変更できるが削除できない権限レベルを示し、権限レベル「ゲスト」はデータを変更も削除もできない権限レベルを示す。
【0073】
このため、第1ユーザーの通常ユーザーレコードは、ユーザーアカウントが「user2」で、グループ識別情報「A」の店舗10に関連付けられ、権限レベルが「作業者」であることを示す。第2ユーザーの通常ユーザーレコードは、ユーザーアカウントが「user5」で、グループ識別情報「B」の店舗10Aに関連付けられ、権限レベルが「作業者」であることを示す。第3ユーザーの通常ユーザーレコードは、ユーザーアカウントが「user8」で、グループ識別情報「C」の店舗10Bに関連付けられ、権限レベルが「作業者」であることを示す。
【0074】
図5は、統合ユーザーテーブルの一例を示す図である。統合ユーザーテーブルは、統合ユーザーごとに1つの統合ユーザーレコードを含む。統合ユーザーレコードは、ユーザーアカウントの項目と、パスワードの項目と、通常ユーザー1の項目と、通常ユーザー2の項目と、通常ユーザー3の項目と、を含む。
【0075】
ユーザーアカウントの項目は、統合ユーザーのユーザーアカウントが設定される。パスワードの項目は、認証情報としてのパスワードが設定される。通常ユーザー1の項目、通常ユーザー2の項目および通常ユーザー3の項目それぞれには、
図4に示した通常ユーザーテーブルに登録された複数の通常ユーザーのいずれかのユーザーアカウントが設定される。
【0076】
ここでは、第4ユーザーのユーザーアカウントを「superuser1」としている。ユーザーアカウントの項目に「superuser1」が設定された統合ユーザーレコードは、通常ユーザー1の項目に「user2」が設定され、通常ユーザー2の項目に「user5」が設定され、通常ユーザー3の項目に「user8」が設定されている。このため、ユーザーアカウント「user2」の通常ユーザーである第1ユーザーと、ユーザーアカウント「user5」の通常ユーザーである第2ユーザーと、ユーザーアカウント「user8」の通常ユーザーである第3ユーザーとが、ユーザーアカウント「superuser1」の統合ユーザーである第4ユーザーと関連付けられる。また、ユーザーアカウントの項目に「superuser2」が設定された統合ユーザーレコードは、通常ユーザー1の項目に「user2」が設定され、通常ユーザー2の項目に「user5」が設定されている。このため、ユーザーアカウント「user2」の通常ユーザーである第1ユーザーと、ユーザーアカウント「user5」の通常ユーザーである第2ユーザーとが、ユーザーアカウント「superuser2」の統合ユーザーと関連付けられる。また、ユーザーアカウントの項目に「superuser3」が設定された統合ユーザーレコードは、通常ユーザー1の項目に「user5」が設定され、通常ユーザー2の項目に「user8」が設定されている。このため、ユーザーアカウント「user5」の通常ユーザーである第2ユーザーと、ユーザーアカウント「user8」の通常ユーザーである第3ユーザーとが、ユーザーアカウント「superuser3」の統合ユーザーと関連付けられる。
【0077】
なお、ここでは、項目数が固定の統合ユーザーレコードを例に示したが、統合ユーザーレコードの項目数を可変としてもよい。具体的には、統合ユーザーレコードが、ユーザーアカウントの項目と、パスワードの項目と、2以上の通常ユーザーのユーザーアカウントが設定される項目と、を含んでもよい。
【0078】
図6は、一覧画面の一例を示す図である。
図6は、第1ユーザーが通常ユーザーとして認証される場合に表示される一覧画面を示す。
図6を参照して、一覧画面310は、第1ユーザーに対応するグループに関連付けられた画像データのファイル名として、「aaa.tif」、「bbb.tif」、「ccc.tif」、「ddd.tif」、「eee.tif」を含む。ファイル名の右に、日付、ユーザー名、処理状況が表示される。処理状況は、ファイル名の画像データの状態情報が表される。日付は、状態情報が未検証の画像データに対してはその画像データが記憶された日時を示し、状態情報が検証済の画像データに対してはその画像データに対する検証作業が実行された日時を示す。ユーザー名は、状態情報が未検証の画像データに対しては例えば伝票をスキャンする作業をしたユーザーのユーザーアカウントを示し、状態情報が検証済の画像データに対してはその画像データに対する検証作業をしたユーザーのユーザーアカウントを示す。
【0079】
ファイル名の左に、そのファイル名の画像データを選択するためのチェックボックス311~315が配置される。ここでは、ファイル名が「ccc.tif」の画像データが選択された状態を示している。この状態で、ユーザーが「編集」の文字が表されたボタン303を指示する場合、第1単独指示を入力することができる。
【0080】
第1通常ユーザーが、チェックボックス301を指示する場合、チェックボックス311~315のすべてが指示される。したがって、第1ユーザーがチェックボックス301を指示した後に、ボタン303を指示する場合、第1連続指示を入力することができる。
【0081】
図7は、検証画面の一例を示す第1の図である。
図7は、第1単独指示が入力される場合に表示される検証画面を示している。
図7を参照して、検証画面320は、領域330と、画像データが表示される領域340と、文字情報が表示される領域350と、を含む。領域330は、画像データのファイル名と、保存ボタン323と切換ボタン325と、を含む。保存ボタン323は、修正後の文字情報の保存を指示する操作を受け付けるボタンである。切換ボタン325は、一覧画面への切り換えを指示する操作を受け付けるボタンである。
【0082】
領域340には、ファイル名「ccc.tif」の画像データの画像が表示される。領域350は、文字情報を編集するための編集領域351~354を含む。編集領域351~354それぞれは、画像データの画像の一部に対応し、その一部分を表示する領域と、その部分を文字認識して得られる文字情報を表示する領域とを含む。例えば、編集領域351は、画像データの画像中でIDが表された部分351Cに対応し、部分351Cを表示する領域351Aと、部分351Cを文字認識して得られる文字情報を表示する領域351Bと、を含む。領域351Bに表示される文字情報はテキストデータなので、ユーザーが編集可能である。
【0083】
図8は、統合一覧画面の一例を示す図である。
図8は、第4ユーザーが統合ユーザーとして認証される場合に表示される統合一覧画面を示す。
図8を参照して、統合一覧画面360は、ファイル名が「aaa.tif」、「bbb.tif」、「ccc.tif」、「ddd.tif」、「eee.tif」、「fff.tif」、「ggg.tif」、「hhh.tif」、「iii.tif」の9つの画像データを選択可能に表示する。
図6に示した一覧画面と異なる点は、ファイル名が「fff.tif」、「ggg.tif」、「hhh.tif」、「iii.tif」の4つの画像データが選択可能に表示される点である。
【0084】
「aaa.tif」、「bbb.tif」、「ccc.tif」、「ddd.tif」、「eee.tif」の5つの画像データがユーザーアカウント「user2」の第1ユーザーに対応するグループに関連付けられていることが示される。また、ファイル名が「fff.tif」、「ggg.tif」の2つの画像データがユーザーアカウント「user5」の第2ユーザーに対応するグループに関連付けられていることが示され、「hhh.tif」、「iii.tif」の2つの画像データがユーザーアカウント「user8」の第3ユーザーに対応するグループに関連付けられることが示される。
【0085】
図8においては、チェックボックス361が指示され、チェックボックス371~379のすべてが指示された状態であることを示している。
【0086】
図9は、検証画面の一例を示す第2の図である。
図9は、第2連続指示が入力される場合に表示される検証画面を示している。
図9を参照して、検証画面320は、
図7に示した検証画面320にボタン381および残件数表示領域383が追加される。ボタン381は、第2連続指示で選択された複数の画像データのうち、処理の対象となる対象データを次の順番の画像データへの切り換えを指示する操作を受け付けるボタンである。残件数表示領域383は、第2連続指示で選択された複数の画像データのうち、検証処理が終了していない画像データの数が表示される。なお、保存ボタン323を指示する操作を受け付ける場合に、ボタン381が指示される操作を受け付けた場合と同様の処理が実行されるようにしてもよい。
【0087】
図10は、データ処理の流れの一例を示すフローチャートである。データ処理は、サーバー200が備えるCPU201が、データ処理プログラムを実行することにより、そのCPU201により実行される処理である。
図10を参照して、サーバー200が備えるCPU201は、外部の装置からのアクセスに応じてログイン画面を表示させる(ステップS01)。本例においては、CPU201は、PC250,300,300A,300Bのいずれかからのログイン要求に応答して、アクセスしてきた装置にログイン画面を送信し、表示させる。
【0088】
次のステップS02においては、CPU201は、ユーザー認証に成功したか否かを判断する。ユーザー認証に成功したならば処理をステップS03に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。本例においては、ログイン画面を送信した装置からユーザーアカウントおよびパスワードが受信されることに応じて、通常ユーザーテーブルまたは統合ユーザーテーブルを参照して、認証処理を実行する。
【0089】
ステップS03においては、認証されたユーザーが統合ユーザーか否かを判断する。CPU201は、統合ユーザーならば処理をステップS04に進めるが、そうでなく通常ユーザーならば処理をステップS05に進める。ステップS04においては、統合ユーザー処理を実行し、処理をステップS06に進める。ステップS05においては、通常ユーザー処理を実行し、処理を終了する。
【0090】
図11は、通常ユーザー処理の流れの一例を示すフローチャートである。通常ユーザー処理は、
図10のステップS05において実行される処理である。ここでは、データ処理においてPC300を操作する第1ユーザーが通常ユーザーとして認証された場合を例に説明する。
図11を参照して、CPU201は、通常ユーザーのグループを決定する(ステップS11)。本例においては、CPU201は、第1ユーザーに対応する店舗10のグループを特定する。そして、データ取得処理を実行する(ステップS12)。データ取得処理の詳細は後述するが、グループに関連する1以上の対象データそれぞれのデータ識別情報を含むグループ情報を生成する処理である。
【0091】
次のステップS13においては、CPU201は、一覧画面を生成し、PC300に表示させ、処理をステップS14に進める。一覧画面は、グループ情報に含まれる1以上のデータ識別情報を選択可能に表示する画面である。また、一覧画面は、1以上のデータ識別情報それぞれに対応して、そのデータ識別情報で特定されるデータに関連付けられた状態情報を配置した画面である。
【0092】
ステップS14においては、CPU201は、第1単独指示を受け付けたか否かを判断する。第1単独指示を受け付けたならば処理をステップS15に進めるが、そうでなければ処理をステップS20に進める。第1ユーザーにより、一覧画面に含まれる1以上のデータ識別情報のいずれか1つが指示される場合に、第1単独指示を受け付ける。次のステップS15においては、CPU201は、第1ユーザーにより指示されたデータ識別情報で特定される対象データを処理対象に決定し、処理をステップS16に進める。ステップS16においては、処理対象に決定された対象データに対して共通処理を実行し、処理をステップS17に進める。本例において、共通処理は、処理対象の対象データの画像と、対象データから変換された文字情報とを比較するための画面を生成および表示する処理と、ユーザーにより修正された文字情報を対象データに関連付けて記憶する処理である。
【0093】
ステップS17においては、通常ユーザーの履歴情報を生成し、記憶する。対象データのデータ識別情報と、第1ユーザーのユーザーアカウントとを含む履歴情報を生成し、HDD204に記憶する。履歴情報は、HDD204の第1ユーザーに対応する店舗10のグループに割り当てられたフォルダに記憶される。
【0094】
次のステップS18においては、CPU201は、一覧画面を更新し、更新後の一覧画面をPC300に表示させ、処理をステップS19に進める。共通処理が実行されることにより、処理対象の対象データに関連付けられた状態情報が変更されているため、状態情報を更新した一覧画面がPC300に表示される。
【0095】
ステップS20においては、CPU201は、第1連続指示を受け付けたか否かを判断する。第1連続指示を受け付けたならば処理をステップS21に進めるが、そうでなければ処理をステップS19に進める。第1ユーザーにより、一覧画面に含まれる複数のデータ識別情報のうち複数が指示される場合に、第1連続指示を受け付ける。次のステップS21においては、第1ユーザーにより指示された複数のデータ識別情報で特定されるデータを特定し、処理をステップS22に進める。次のステップS22においては、特定された複数のデータのうちから1つを処理対象の対象データに選択する。次のステップS23においては、処理対象に選択された対象データに対して共通処理を実行し、処理をステップS24に進める。
【0096】
ステップS24においては、CPU201は、通常ユーザーの履歴情報を生成し、記憶する。対象データのデータ識別情報と、通常ユーザーである第1ユーザーのユーザーアカウントとを含む履歴情報を生成し、HDD204に記憶する。次のステップS25においては、一覧画面を更新し、更新後の一覧画面をPC300に表示させ、処理をステップS26に進める。ステップS26においては、通常ユーザーにより選択された複数のデータのうちで、ステップS26において処理対象に選択されていないデータが存在するか否かを判断する。未選択のデータが存在するならば処理をステップS22に戻すが、存在しなければ処理をステップS19に進める。
【0097】
ステップS19においては、第1ユーザーがログアウトしたか否かを判断する。第1ユーザーがログアウトしたならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS13に戻す。
【0098】
図12は、データ取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。データ取得処理が実行される前の段階で、グループが決定されている。
図12を参照して、CPU201は、グループに関連するデータを決定する。ここでは、店舗10のグループが決定されているので、HDD204の店舗10に割り当てられた記憶領域であるフォルダに格納されている1以上の画像データを、店舗10に関連するデータに決定する。次のステップS32においては、グループ情報を生成し、処理を通常ユーザー処理に戻す。グループ情報は、ステップS31において決定された1以上の画像データそれぞれのデータ識別情報を含む。
【0099】
図13は、統合ユーザー処理の流れの一例を示すフローチャートである。統合ユーザー処理は、
図10のステップS04において実行される処理である。統合ユーザー処理が実行される前の段階で、統合ユーザーが決定されている。ここでは、第4ユーザーがPC250を操作し、統合ユーザーとして認証されている場合を例に説明する。
図13を参照して、統合ユーザー処理が、
図11に示した通常ユーザー処理と異なる点は、ステップS41~ステップS45が追加された点、ステップS13、ステップS18およびステップS25がステップS13A、ステップS18AおよびステップS25Aにそれぞれ変更された点である。その他の処理は
図11に示した処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
【0100】
CPU201は、統合ユーザーと関連付けられた複数の通常ユーザーを決定し(ステップS41)、処理をステップS42に進める。統合ユーザーテーブルを参照して、統合ユーザーと関連付けられた複数の通常ユーザーを決定する。ここでは、第4ユーザーに関連付けられた第1ユーザー、第2ユーザーおよび第3ユーザーが決定される。
【0101】
ステップS42においては、複数の通常ユーザーのうちから1つを選択し、処理をステップS11に進める。ステップS43においては、ステップS12においてデータ取得処理が実行された後に、統合ユーザーに関連付けられた複数の通常ユーザーのうちに、ステップS42において処理対象に選択されていない通常ユーザーが存在するか否かを判断する。未選択の通常ユーザーが存在するならば処理をステップS42に戻すが、存在しなければ処理をステップS13Aに進める。
【0102】
ステップS13Aにおいては、統合一覧画面を生成し、PC250に表示させ、処理をステップS14に進める。統合一覧画面は、複数の通常ユーザーごとにステップS12が実行されて取得される複数のデータ識別情報を選択可能に表示する画面である。また、統合一覧画面は、複数のデータ識別情報それぞれに対応して、そのデータ識別情報で特定されるデータに関連付けられた状態情報を配置した画面である。
【0103】
ステップS16において共通処理が実行された後に、処理がステップS44に進む。ステップS44においては、通常ユーザーを特定し、処理をステップS17に進める。ステップS41において決定された複数の通常ユーザーであって、ステップS15において処理対象に決定された対象データに関連付けられたグループに対応する通常ユーザーを特定する。共通処理の対象となった対象データが格納されているフォルダに関連付けられたグループに対応する通常ユーザーを特定する。例えば、処理対象のデータがHDD204の店舗10のグループに割り当てられたフォルダに格納されている場合は第1ユーザーを特定する。ステップS17においては、ステップS44において特定された通常ユーザーのユーザー識別情報と含む履歴情報を生成し、記憶する。次のステップS18Aにおいては、CPU201は、統合一覧画面を更新し、更新後の統合一覧画面をPC250に表示させ、処理をステップS19に進める。共通処理が実行されることにより、処理対象の対象データに関連付けられた状態情報が変更されているため、状態情報を更新した統合一覧画面がPC250に表示される。
【0104】
ステップS23において共通処理が実行された後に、処理がステップS45に進む。ステップS45においては、通常ユーザーを特定し、処理をステップS24に進める。ステップS41において決定された複数の通常ユーザーであって、ステップS22において処理対象に選択された対象データに関連付けられたグループに対応する通常ユーザーを特定する。共通処理の対象となった対象データが格納されているフォルダに関連付けられたグループに対応する通常ユーザーを特定する。例えば、処理対象のデータがHDD204の店舗10Aのグループに割り当てられたフォルダに格納されている場合は第2ユーザーを特定する。ステップS24においては、ステップS44において特定された通常ユーザーのユーザーアカウントを含む履歴情報を生成し、記憶する。次のステップS25Aにおいては、CPU201は、統合一覧画面を更新し、更新後の統合一覧画面をPC250に表示させ、処理をステップS19に進める。
【0105】
<変形例>
上述した実施の形態においては、サーバー200は、統合ユーザーを認証して、対象データに共通処理を実行する場合、統合ユーザーに関連する通常ユーザーであって、その対象データが関連するグループに関連する通常ユーザーのユーザーアカウントを含む履歴情報を生成し、記憶する。変形例におけるサーバー200は、統合ユーザーを認証して、対象データに共通処理を実行する場合、統合ユーザーのユーザーアカウントを含む履歴情報を生成し、記憶する。
【0106】
図14は、変形例における統合ユーザー処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14を参照して、
図13に示したフローチャートと異なる点は、ステップS44、ステップS45が削除された点、ステップS17およびステップS24がステップS17BおよびステップS24Bにそれぞれ変更された点である。その他の処理は
図13に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0107】
ステップS16において共通処理が実行された後に、処理がステップS17Bに進む。ステップS17Bにおいては、統合ユーザーのユーザーアカウントを含む履歴情報を生成および記憶し、処理をステップS18に進める。ステップS23において共通処理が実行された後に、処理がステップS24Bに進む。ステップS24Bにおいては、統合ユーザーのユーザーアカウントを含む履歴情報を生成および記憶し、処理をステップS25に進める。
【0108】
以上説明したように、本実施の形態におけるサーバー200は、情報処理装置として機能し、通常ユーザーである第1ユーザーが認証される場合に、第1ユーザーに対応する店舗10のグループに関連付けられた画像データに共通処理を実行する。また、サーバー200は、店舗10のグループに対応して登録された第1ユーザー、店舗10Aのグループに対応して登録された第2ユーザーおよび店舗10Bのグループに対応して登録された第3ユーザーと関連付けた第4ユーザーが統合ユーザーとして認証される場合に第1ユーザー、第2ユーザーおよび第3ユーザーのいずれかに対応するグループに関連付けられた画像データに共通処理を実行する。このため、統合ユーザーである第4ユーザーは第1ユーザー、第2ユーザーおよび第3ユーザーそれぞれに関連する画像データに共通処理を実行させることができる。したがって、店舗10、店舗10A、店舗10Bそれぞれに関連する画像データのアクセスが制限されている場合であっても、店舗10、店舗10A、店舗10Bそれぞれに関連する画像データに共通処理を実行させる操作を簡略にすることができる。
【0109】
また、サーバー200は、第4ユーザーが統合ユーザーとして認証される場合に、共通処理が実行された画像データを第1ユーザー、第2ユーザーまたは第3ユーザーと関連付けた履歴情報が生成される。このため、統合ユーザーによる操作の履歴を通常ユーザーによる操作の履歴とすることができる。
【0110】
また、変形例におけるサーバー200は、第4ユーザーが統合ユーザーとして認証される場合に共通処理が実行された画像データに共通処理を実行したことを示す履歴を統合ユーザーである第4ユーザーと関連付けた履歴情報を生成する。このため、第4ユーザーによる操作と第1ユーザー、第2ユーザーおよび第3ユーザーのいずれかによる操作とを区別した履歴情報を生成することができる。
【0111】
また、サーバー200は、統合ユーザーである第4ユーザーに関連付けられた第1ユーザー、第2ユーザーおよび第3ユーザーの権限レベルが同じなので、統合ユーザーである第4ユーザーによるデータへのアクセスを制限することができるとともに、アクセス制御を容易にすることができる。
【0112】
また、サーバー200は、第4ユーザーが統合ユーザーとして認証される場合、第1ユーザーに対応するグループに関連付けられた画像データ、第2ユーザーに対応するグループに関連付けられた画像データおよび第3ユーザーに対応するグループに関連付けられた画像データを選択可能な統合一覧画面を表示するので、統合ユーザーである第4ユーザーは、第1ユーザー、第2ユーザーおよび第3ユーザーそれぞれに関連付けられた画像データを1つの統合一覧画面で選択することができる。
【0113】
また、サーバー200は、統合ユーザーである第4ユーザーにより指示された画像データに共通処理を実行するので、第4ユーザーによる共通処理の対象となるデータの選択する操作を容易にすることができる。
【0114】
また、サーバー200は、統合ユーザーである第4ユーザーにより指定された複数の画像データに順に共通処理を実行するので、複数の画像データに共通処理を実行させる操作を容易にすることができる。
【0115】
また、サーバー200は、第4ユーザーが統合ユーザーとして認証される場合は、第1ユーザー、第2ユーザーおよび第3ユーザーが認証されていなくても第1ユーザー、第2ユーザーおよび第3ユーザーのいずれかに関連付けられたデータに共通処理を実行する。このため、第1ユーザー、第2ユーザーおよび第3ユーザーを認証する処理を省略してレスポンスタイムを短くすることができる。
【0116】
サーバー200は、統合ユーザーにより入力される指示に従って共通処理を実行する場合、通常ユーザーにより入力される指示に従って共通処理を実行する処理を定めたプログラムを実行する。このため、新たなプログラムを開発する必要がない。この場合であっても、サーバー200は、通常ユーザーにより入力される指示に従って共通処理を実行するためのプログラムを実行するタスクは、統合ユーザーが認証されている場合には、第1ユーザー、第2ユーザーおよび第3ユーザーを認証することなく共通処理を実行する。このため、このため、第1ユーザー、第2ユーザーおよび第3ユーザーを認証する処理を省略してレスポンスタイムを短くすることができる。
【0117】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0118】
1 情報処理システム、5 インターネット、7 ゲートウェイ装置、100,100A,100B MFP、200 サーバー、250,300,300A,300B PC、10,10A,10B 店舗、201 CPU、202 ROM、203 RAM、204 HDD、205 通信部、206 表示部、207 操作部、208 外部記憶装置、209 CD-ROM、51 通常ユーザー登録部、53 処理実行部、55 統合登録部、57 実行制御部、63 対象データ特定部、65 一覧表示部、71 共通処理実行部、73 結果出力部、75 指令受付部、77 履歴情報生成部、83 通常ユーザー特定部、85 対象データ取得部、87 統合一覧表示部、89 結果入力部、95 指令部。