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特許7103157引張試験機のコーンチャック装置、コーン装着用治具、およびコーン取出し用治具
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  • 特許-引張試験機のコーンチャック装置、コーン装着用治具、およびコーン取出し用治具 図1
  • 特許-引張試験機のコーンチャック装置、コーン装着用治具、およびコーン取出し用治具 図2
  • 特許-引張試験機のコーンチャック装置、コーン装着用治具、およびコーン取出し用治具 図3
  • 特許-引張試験機のコーンチャック装置、コーン装着用治具、およびコーン取出し用治具 図4
  • 特許-引張試験機のコーンチャック装置、コーン装着用治具、およびコーン取出し用治具 図5
  • 特許-引張試験機のコーンチャック装置、コーン装着用治具、およびコーン取出し用治具 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】引張試験機のコーンチャック装置、コーン装着用治具、およびコーン取出し用治具
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/04 20060101AFI20220712BHJP
   G01N 3/08 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
G01N3/04 B
G01N3/04 P
G01N3/08
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018201719
(22)【出願日】2018-10-26
(65)【公開番号】P2020067412
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-02-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 俊介
【審査官】西浦 昌哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-257289(JP,A)
【文献】登録実用新案第3205400(JP,U)
【文献】特開2017-161468(JP,A)
【文献】米国特許第05193397(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/00- 3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験片のコーン部をつかみ歯の開閉によりチャックする引張試験機のコーンチャック装置において、
前記つかみ歯の下端に、ガイドが設けられ、
前記つかみ歯が開いた状態で、前記ガイドと前記つかみ歯との間に、前記コーン部を載せる厚みの均一な平板状のプレートを有する治具の前記プレートの先端部を挿入可能な挿入部を備えた、
ことを特徴とする引張試験機のコーンチャック装置。
【請求項2】
前記つかみ歯は、上下一対に配置され、
上のつかみ歯の下端に、前記挿入部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の引張試験機のコーンチャック装置。
【請求項3】
つかみ歯の開閉によりチャックされる試験片のコーン部を載せるプレートと、
開いた状態の前記つかみ歯の下端の挿入部に挿入可能な先端部と、
を備えたことを特徴とするコーン装着用治具。
【請求項4】
ハンドルを備えることを特徴とする請求項3に記載のコーン装着用治具。
【請求項5】
先端部は前記プレートの前部から前記プレートと平行に延びることを特徴とする請求項3または4に記載のコーン装着用治具。
【請求項6】
前記プレートの中央部に外側に張り出すストッパ面を備えることを特徴とする請求項3または4に記載のコーン装着用治具
【請求項7】
つかみ歯の開閉によりチャックされる試験片のコーン部を載せるプレートと、
閉じた状態の前記つかみ歯の下端の挿入部に挿入可能な先端部と、
を備えたことを特徴とするコーン取出し用治具。
【請求項8】
ハンドルを備えることを特徴とする請求項7に記載のコーン取出し用治具。
【請求項9】
前記治具の先端部は前記プレートの前部から前記プレートと平行に延びることを特徴とする請求項7または8に記載のコーン取出し用治具。
【請求項10】
前記プレートの中央部に外側に張り出すストッパ面を備えることを特徴とする請求項7から9の何れか一項に記載のコーン取出し用治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、つかみ歯を開閉させることにより、試験片のコーン部をチャックする引張試験機のコーンチャック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、引張試験機においては、試験片を把持して荷重を加えるために、各種のつかみ具が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
チャックフレーム内には、負荷軸に沿って入口側から奥方向に徐々に広がる空間部が、その内部にはくさび体がそれぞれ形成されている。空間部にはくさび体に接して一対のくさび状つかみ歯が収容されている。
【0003】
ワイヤーロープの引張試験や破断試験では、ワイヤーロープの端部を金属にてコーンの形状に固め、そのコーン部を上記空間部に挿入し、該コーン部をつかみ歯により掴んで試験が実施される。そして、ワイヤーロープの様な試験片を試験機に設置する際には、コーン部を手で保持しながら、つかみ歯の位置を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-139411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、試験片のコーン部を手で保持しながら、つかみ歯の位置を調節する作業は、手間がかかる。また、試験片セットは上部か、下部の何れかから行う必要があり、つかみ歯の位置が前方より目視しにくく、手間が必要となる。
【0006】
本発明は、試験片のコーン部をつかみ歯に把持させる際の手間を低減する引張試験機のコーンチャック装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本構成のコーンチャック装置は、試験片のコーン部をつかみ歯の開閉によりチャックする引張試験機のコーンチャック装置において、前記つかみ歯の下端に、ガイドが設けられ、前記つかみ歯が開いた状態で、前記ガイドと前記つかみ歯との間に、前記コーン部を載せる厚みの均一な平板状のプレートを有する治具の前記プレートの先端部を挿入可能な挿入部を備えた、ことを特徴とする。
【0008】
上記構成において、前記つかみ歯は、上下一対に配置され、上のつかみ歯の下端に、前記挿入部を備えたことを特徴とする。
【0009】
本構成のコーン装着用治具は、つかみ歯の開閉によりチャックされる試験片のコーン部を載せるプレートと、開いた状態の前記つかみ歯の下端の挿入部に挿入可能な先端部と、を備えたことを特徴とする。
上記構成において、ハンドルを備えることを特徴とする。
上記構成において、先端部は前記プレートの前部から前記プレートと平行に延びることを特徴とする。
上記構成において、前記プレートの中央部に外側に張り出すストッパ面を備えることを特徴とする。
【0010】
本構成のコーン取出し用治具は、つかみ歯の開閉によりチャックされる試験片のコーン部を載せるプレートと、開いた状態の前記つかみ歯の下端の挿入部に挿入可能な先端部と、を備えたことを特徴とする。
上記構成において、ハンドルを備えることを特徴とする。
【0011】
上記構成において、前記治具の先端部は前記プレートの前部から前記プレートと平行に延びることを特徴とする。
上記構成において、前記プレートの中央部に外側に張り出すストッパ面を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記構成によれば、治具により、試験片のコーン部をつかみ歯間に保持し、つかみ歯の位置を調節ができ、試験片の取付け時の手間が低減される。
上記構成において、治具は、上のつかみ歯の下端に差し込まれるので、ワイヤーロープなどの一部を把持しても自立しない試験片の取付けおよび、取りだしを容易に行える。
上記構成において、治具は、ハンドルを備えるので、コーン装着用治具またはコーン取出し用治具にハンドルを介して、力をかけやすくなる。そして、手動により試験片の取りつけおよび取出しを容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】引張試験装置の全体構成を示す正面図である。
図2】つかみ歯が開いた状態を示す正面図である。
図3】試験片装着用の治具を示す斜視図である。
図4】つかみ歯が閉じた状態を示す正面図である。
図5】ガイドによる治具の位置決め状態を示す平面一部断面図である。
図6】試験片取り外し用の治具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、コーンチャック装置を備える引張試験装置の構成を、図面を参照しながら説明する。図1は実施形態による引張試験装置の全体構成を示す正面図である。引張試験装置1は、両端をホワイトメタルまたは亜鉛などで円錐形に固めた適当な長さのワイヤーロープ(試験片)等を、引張り、そのときの荷重を測定、記録する装置である。なお、本引張試験装置1は破断試験などに利用できるものである。
【0015】
引張試験装置1は、引張試験機である試験機本体2と、試験機本体2を駆動制御し、試験による測定値を記録する制御装置3により構成される。
試験機本体2は、テーブル4の上方にコーンチャック装置を構成する下つかみ具6aおよび上つかみ具6bを備える。制御装置3は、表示部3aおよび操作部3bを備える。
【0016】
下つかみ具6aは、試験機本体2の下部のテーブル4より突出した一対のねじ棒4aに両端をそれぞれ支持されている。ねじ棒4aは、テーブル4の上面の角部に、対角位置に立設されている。ねじ棒4aは、テーブル4内の図示しないアクチュエーターにより回転駆動され、下つかみ具6aを昇降する。
上つかみ具6bは、試験機本体2の下部のテーブル4より突出した一対のピラー4bに両端をそれぞれ固定されている。一対のピラー4bはテーブル4の上面において、ねじ棒4aの配置位置と異なる対角位置に立設されている。
ピラー4bにはテーブル4内の図示しない油圧昇降機構が接続され、この油圧昇降機構は上つかみ具6bを油圧により昇降する。
【0017】
下つかみ具6aには一対のつかみ歯7aが備えられており、下つかみ具6aにはつかみ歯7aの開閉を指示する操作部65が設けられている。操作部65による指示を受けて、図示しない油圧開閉機構が動作し、つかみ歯7aが開閉される。同様に、上つかみ具6bにも一対のつかみ歯7bが備えており、上つかみ具6bにはつかみ歯7bの開閉を指示する操作部66が設けられている。そして、操作部66による指示を受けて、油圧開閉機構が動作し、つかみ歯7bが開閉される。
【0018】
次に、本実施形態による上つかみ具6bについて、図2を用いて詳しく説明する。図2は、上つかみ具6bのつかみ歯7bの構成を示す正面図である。
【0019】
上つかみ具6bは、チャックフレーム61を備える。チャックフレーム61の内部は、下端側に向かうにつれ左右の幅が狭くなる空間を形成する形状となっており、この空間を形成するチャックフレーム61の左右内側面に、下端側に向かうにつれて左右の間隔が狭くなるように、くさび体62が取り付けられている。
【0020】
つかみ歯7bの外側部には、くさび体62の内側面がそれぞれ当接しており、つかみ歯7bがくさび体62に沿って摺動自在に設けられている。
つかみ歯7bの内側面には、破線で示すように、チャック面7eが形成されている。
つかみ歯7bの上部には、左右方向に延びるレール63が接続しており、つかみ歯7bがレール63に沿って、左右方向に摺動自在に設けられている。
そして、レール63の上部には、上下方向に延びるアーム64の下端が接続しており、アーム64の上部は、図示しないアクチュエーターに接続されている。そして、アクチュエーターにより、アーム64とともにレール63をチャックフレーム61に対して昇降可能としている。
【0021】
アーム64に接続するアクチュエーターは、操作部66により操作されるものであり、操作部66によりつかみ歯7bの開閉が操作される。
アーム64を介して、図2に示すように、レール63を上げると、つかみ歯7bはくさび体62に沿って斜め上方に移動し、つかみ歯7b間が広がる。これにより、つかみ歯7bが開いた状態となる。そして、レール63を下げると、図4に示すように、つかみ歯7bはくさび体62に沿って斜め下方に移動し、つかみ歯7b間が狭くなる。これにより、つかみ歯7bが閉じた状態となる。
【0022】
つかみ歯7bの下端には、ガイド71が設けられている。ガイド71は、正面視でL字状に構成され、上部71aをつかみ歯7bの下面に固定しており、下部の先端71bを左右内側に向けて配置される。これにより、つかみ歯7bとガイド71とにより、前方および左右内側に開口する開口71c(挿入部)が形成される。開口71cは、後述するコーン装着用の治具8および、コーン取出し用の治具10を挿入可能としている。
【0023】
次に、コーン装着用治具について説明する。
治具8は、図3に示すように、水平で厚みの均一なプレート81と、プレート81の上下面に接続するハンドル82により構成されている。そして、プレート81は前方に向けて、左右の幅が狭くなる形状となっている。
プレート81は前部に前方へ平行に延びた2本の先端部81cと、前後中央部に左右方向(外側)に張り出したストッパ面81aを備える。
【0024】
そして、先端部81cの間に切り欠き部83が形成されている。切り欠き部83は、前部が左右方向の幅d1が均一で、後部が前部の幅d1を直径とする半円状の形状となっている。切り欠き部83には、試験片9のロープ部9a(図4参照。)が挿入される。切り欠き部83の最前部は面取りされ、前方に向けて左右方向に広がる形状となっている。これにより、試験片9を切り欠き部83内に導入しやすくなっている。プレート81の後部上面には、逆U字形状の上ハンドル82aが取り付けられ、プレート81の後部の下面には下方に延出される下ハンドル82bが設けられている。
【0025】
次に、コーン取出し用治具について説明する。
取り外し用の治具10は、図6に示すように、取付け用の治具8とほぼ同一の形状である。治具10の先端部101cの左右方向の幅は、取付け用の治具8よりも狭く、治具10の前部に形成される切り欠き部103の左右方向の幅d2は、取付け用の治具8の切り欠き部83の幅d1よりも広くなっている。また、切り欠き部103の後部は、上方に向けて広がった形状となっている。
【0026】
その他の構成において、取り外し用の治具10は、取付け用の治具8と同様であり、水平で厚みの均一なプレート101と、プレート101の上下面に接続するハンドル102とにより構成されている。
プレート101は前部に前方に延びた2本の先端部101cと、前後中央部に左右方向に張り出したストッパ101aを備える。
そして、先端部101cの間に切り欠き部103が形成されている。切り欠き部103は、前部が左右方向の幅が均一で、後部が前部の幅を直径とする半円状の形状となっている。切り欠き部103には、試験片9のロープ部9aが挿入され、切り欠き部103の最前部に面取りがあり、前方に向けて左右方向に広がる形状となっている。これにより、試験片9を切り欠き部103内に導入しやすくなっている。
【0027】
次に、試験片9の装着、試験、取り出しの手順について説明する。
試験片9は、図2に示すように、ロープ部9aと、両端のコーン部9b(上端のコーン部9bのみ図示。)と、により構成される。
【0028】
試験片9を試験機本体2に取り付ける場合、下つかみ具6aと上つかみ具6bとの間の距離を試験片の長さに合わせて調節し、下つかみ具6aのつかみ歯7aおよび、上つかみ具6bのつかみ歯7bを開く。
そして、治具8の切り欠き83にロープ部9aを挿入し、コーン部9bをプレート81上に載置した状態で、図2に示すように、試験片9のコーン部9bを治具8とともに上つかみ具6bに取り付ける。
【0029】
一対のつかみ歯7bの下端には、それぞれガイド71が設けられており、開いた状態のつかみ歯7bのガイド71とつかみ歯7bとの間の開口71cに、プレート81の先端部81cを挿入する。これにより、プレート81の先端部81cがガイド71の先端71bの上面に載置される。
試験片9のコーン部9bの下端9cは、プレート81の先端部81cの上面に当接し、試験片9の荷重がガイド71により受け止められる。
このため、試験片9をつかみ歯7bの間に保持することができ、試験片9を保持する操作者の手間が低減される。
プレート81にハンドル82を設けることにより、プレート81の前部に試験片9を載置しても、ハンドル82を把持して、治具8の姿勢を保ちながら、つかみ歯7bに装着することができる。
【0030】
この状態で、上つかみ具6bの操作部66の操作により、図4に示すように、一対のつかみ歯7bを閉じて、試験片9のコーン部9bをつかみ具6bにより保持する。
この後、ガイド71とつかみ歯7bとの間の開口71cから、治具8を引き抜く。
そして、下つかみ具6aのつかみ歯7aの間に、図示を省略した試験片9の下端のコーン部を配置し、下つかみ具6aの操作部65により、つかみ歯7aを閉じて、試験片のコーン部をつかみ具6aにより保持する。
この際、ガイド71はつかみ歯7bの下端に固定されているので、つかみ歯7bが移動しても、治具8とつかみ歯7bとの上下方向の位置が変化しない。
これにより、コーン部9bの下端9cをつかみ歯7bの下端位置にあわせて、つかみ歯7bにより挟持できる。
【0031】
そして、下つかみ具6aに対して上つかみ具6bを上昇させて、試験片9に荷重をかけて、かかった荷重を測定する。
このとき、試験片9のコーン部9bは、一対のつかみ歯7bのチャック面7eの間に強固に保持されている。
また、ガイド71には、図5に示すように、ガイド71に対して治具8の位置決めを行うための形状を内側に形成している。ガイド71は、左右外側に延び、前後方向と直交するストッパ面71dを有している。
【0032】
このため、治具8を前方に向けてガイド71に挿入すると、治具8のストッパ面81aとガイド71のストッパ面71dとが当接し、治具8に保持される試験片9がつかみ歯7bにおいて前後方向で位置決めされる。
また、ガイド71の内側と、治具8とのクリアランスを大きく取った場合においても、試験片9をつかみ歯7bに対して高い精度で位置決めできる。
【0033】
試験が行われた後には、図4に示すように、つかみ歯7bが閉じた状態で、ガイド71の開口71cに治具10を挿入する。試験によりコーン部9bの下端が変形した場合においても、治具19の切り欠き部103の幅は大きくなっており、切り欠き部103内にロープ部9aもしくはコーン部9bの下端を挿入できる。
この状態で、上つかみ具6の操作部66を操作し、つかみ歯7bを開く。これにより、つかみ歯7bによるコーン部9bの保持は解除されて、コーン部9bがプレート101上に載置される。
この状態で、治具10をガイド71より引き抜くと、治具10とともに試験片9が取り出される。
【0034】
以上説明したように、本実施形態では、コーン部9bを載せた状態で、開いた状態のつかみ歯7bの下端の開口71cに、差し込まれる治具(コーン装着用治具。)8と、閉じた状態のつかみ歯7bの下端の開口71cに、差し込まれる治具(コーン装着用治具。)10と、を備える。
これにより、つかみ歯7bに対して、治具8により位置決めしながら、試験片9の装着を行うことができ、試験片9の装着精度を向上させるとともに、装着時の手間を低減できる。また、試験片9の取出し時においても、治具10のよりつかみ歯7bが開いた状態でも試験片9が保持されるので、取出しの際の手間が軽減される。
【0035】
上記構成において、つかみ歯7a、7bは、上下一対に配置され、装着用の治具8および取出し用の治具10は、上のつかみ歯7bの下端の開口71cに差し込まれる。
これにより、試験片9の上端を保持して、つかみ歯7bにより試験片9の荷重を受け止めるので、試験片9の装着時の手間が低減される。
【0036】
上記構成において、コーン装着用の治具8および取出し用の治具10は、それぞれハンドル82とハンドル102を備えるので、治具8および治具10に力をかけやすく、試験片9の装着および取出しの際に、治具8および治具10の姿勢を維持しやすい。このため、ガイド71への装着および取り外しを容易に行える。
【符号の説明】
【0037】
1 引張試験装置
2 試験機本体
6a 下つかみ具
6b 上つかみ具
7a、7b つかみ歯
8 コーン装着用治具
9 試験片
9b コーン部
10 コーン取出し用治具
61 チャックフレーム
62 くさび体
71 ガイド
71c 開口(挿入部)
81、101 プレート
81c、101c 先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6