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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01F 12/22 20060101AFI20220712BHJP
【FI】
A01F12/22 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020194473
(22)【出願日】2020-11-24
(65)【公開番号】P2022083179
(43)【公開日】2022-06-03
【審査請求日】2021-02-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】澤村 亮
(72)【発明者】
【氏名】中井 正司
(72)【発明者】
【氏名】二神 伸
(72)【発明者】
【氏名】渡部 寛樹
(72)【発明者】
【氏名】張 棟
(72)【発明者】
【氏名】森重 定樹
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-183726(JP,A)
【文献】実開平06-041431(JP,U)
【文献】特開2009-291077(JP,A)
【文献】特開平10-313658(JP,A)
【文献】実開平06-005420(JP,U)
【文献】実開平05-053434(JP,U)
【文献】実開平04-055239(JP,U)
【文献】中国実用新案第203851515(CN,U)
【文献】実開昭58-164445(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 12/18 - 12/28
A01F 12/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(2)の上方の一側に脱穀装置(3)を設け、他側にグレンタンク(5)を設けたコンバインにおいて、脱穀装置(3)は、前側上部には上方を扱胴カバー(7)で包囲するように扱胴(10)を軸装した扱室(11)を設け、扱胴(10)の主として下方側は扱網(12)により包囲し、扱網(12)の下方に、扱胴(10)の軸心方向に送風する唐箕(13)と、扱胴(10)の軸心方向に揺動する揺動選別棚(14)とを設けて構成し、扱胴(10)は、少なくとも、前後方向の棒形状に形成されている扱歯支持部材(20)に扱歯(21)を長さ方向に複数並設し、扱歯支持部材(20)を回転方向に複数並設して構成し、前後に複数並設された扱歯(21)のうち、扱胴(10)の始端側所定部分の複数の始端側扱歯(32)は、始端側扱歯(32)の先端軌跡位置が、負荷が掛かると、始端側扱歯(32)よりも後側の扱胴(10)の本体部(27)の扱歯(21)の先端移動軌跡線よりも扱胴(10)の径方向での内側に移動するように構成し、始端側扱歯(32)群は、始端側扱歯(32)を取付けた前側支持部材(33)を、前後板(25)と最前側位置の中間板(26)とのそれぞれに形成した半径方向に長い移動孔(34)に移動自在に取付け、前側支持部材(33)には前側支持部材(33)を常時外側に付勢するバネ(35)を取付けて構成したコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記始端側扱歯(32)は、扱歯(21)を前側支持部材(33)に対し扱胴(10)の径方向に移動自在に取付け、各扱歯(21)をバネ(35)により夫々常時外側に位置するように付勢させる構成としたコンバイン。
【請求項3】
請求項1において、前記始端側扱歯(32)は、始端側扱歯(32)を取付けた前側支持部材(33)に対し扱胴(10)の回転方向に起伏自在に取付け、バネ(35)により常時外側に位置するように付勢させる構成としたコンバイン。
【請求項4】
請求項1~請求項3において、前記始端側扱歯(32)は、扱胴(10)の全長の前から1/3までの部分に設けたコンバイン。
【請求項5】
請求項1~請求項3において、前記始端側扱歯(32)は、扱胴(10)の本体部(27)の始端部から3本の扱歯(21)を有する部分としたコンバイン。
【請求項6】
請求項1~請求項3において、前記始端側扱歯(32)は、扱胴(10)の本体部(27)の始端部より前後中央位置までの部分としたコンバイン。
【請求項7】
請求項1~請求項6において、前記扱網(12)は、扱網(12)の始端部と扱胴(10)のコーン部(30)の後端とが側面視において重なっている構成としたコンバイン。
【請求項8】
請求項1~請求項6において、前記扱網(12)は、扱網(12)の始端部をコーン部(30)の後端部よりも前側に位置させて側面視において重なっている構成としたコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脱穀装置を、軸装した扱胴の周囲を扱網により包囲して扱室を形成した
構成は、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-12003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例では、終始同径の扱胴の周囲を扱網により包囲して扱室を形成しているため、扱室内に刈取装置から穀稈が大量に供給されると、扱室の始端部で詰まりが発生するという課題がある。
本願は、扱胴の構成を工夫し、脱穀負荷の少ないコンバインを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、走行装置2の上方の一側に脱穀装置3を設け、他側にグレンタンク5を設けたコンバインにおいて、脱穀装置3は、前側上部には上方を扱胴カバー7で包囲するように扱胴10を軸装した扱室11を設け、扱胴10の主として下方側は扱網12により包囲し、扱網12の下方に、扱胴10の軸心方向に送風する唐箕13と、扱胴10の軸心方向に揺動する揺動選別棚14とを設けて構成し、扱胴10は、少なくとも、前後方向の棒形状に形成されている扱歯支持部材20に扱歯21を長さ方向に複数並設し、扱歯支持部材20を回転方向に複数並設して構成し、前後に複数並設された扱歯21のうち、扱胴10の始端側所定部分の複数の始端側扱歯32は、始端側扱歯32の先端軌跡位置が、負荷が掛かると、始端側扱歯32よりも後側の扱胴10の本体部27の扱歯21の先端移動軌跡線よりも扱胴10の径方向での内側に移動するように構成し、始端側扱歯32群は、始端側扱歯32を取付けた前側支持部材33を、前後板25と最前側位置の中間板26とのそれぞれに形成した半径方向に長い移動孔34に移動自在に取付け、前側支持部材33には前側支持部材33を常時外側に付勢するバネ35を取付けて構成したコンバインとしたものである。
請求項の発明は、前記始端側扱歯32は、扱歯21を前側支持部材33に対し扱胴10の径方向に移動自在に取付け、各扱歯21をバネ35により夫々常時外側に位置するように付勢させる構成としたコンバインとしたものである。
請求項の発明は、前記始端側扱歯32は、始端側扱歯32を取付けた前側支持部材33に対し扱胴10の回転方向に起伏自在に取付け、バネ35により常時外側に位置するように付勢させる構成としたコンバインとしたものである。
請求項の発明は、前記始端側扱歯32は、扱胴10の全長の前から1/3までの部分に設けたコンバインとしたものである。
請求項の発明は、前記始端側扱歯32は、扱胴10の本体部27の始端部から3本の扱歯21を有する部分としたコンバインとしたものである。
請求項の発明は、前記始端側扱歯32は、扱胴10の本体部27の始端部より前後中央位置までの部分としたコンバインとしたものである。
請求項の発明は、前記扱網12は、扱網12の始端部と扱胴10のコーン部30の後端とが側面視において重なっている構成としたコンバインとしたものである。
請求項の発明は、前記扱網12は、扱網12の始端部をコーン部30の後端部よりも前側に位置させて側面視において重なっている構成としたコンバインとしたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、前後に複数並設された扱歯21のうち、扱胴10の始端側所定部分の前後方向の複数の始端側扱歯32は、始端側扱歯32の先端軌跡位置が、負荷が掛かると、始端側扱歯32よりも後側の扱胴10の本体部27の扱歯21の先端移動軌跡線よりも内側に退避するように構成しているので、扱室11内の負荷が増加すると、扱歯21は退避し、負荷が減少すると元の位置に復帰させることができ、これにより、扱室11の入口の負荷を軽減させ、作業能率の向上させられ、負荷が下がることにより始端側扱歯32の耐久性を向上させられることができ、始端側扱歯32群は、始端側扱歯32を取付けた前側支持部材33を、前後板25と最前側位置の中間板26とのそれぞれに形成した半径方向に長い移動孔34に移動自在に取付け、前側支持部材33には前側支持部材33を常時外側に付勢するバネ35を取付けているので、バネ35の弾力により外側位置にて回転していた始端側扱歯32に負荷が掛かると、バネ35の弾力に抗して内側に退避することができ、これにより、扱室11の入口の負荷を軽減させ、作業能率の向上させられ、負荷が下がることにより始端側扱歯32の耐久性を向上させられることができる。
請求項の発明では、扱歯21を前側支持部材33に対し扱胴10の径方向に移動自在に取付け、各扱歯21をバネ35により夫々常時外側に位置するように付勢させる構成としているので、始端側扱歯32の各扱歯21をバネ35で個別に付勢することができ、負荷に対して始端側扱歯32の出入りを適正に制御することができ、脱穀状態を最適にすることができる。
請求項の発明では、始端側扱歯32は、始端側扱歯32を取付けた前側支持部材33に対し扱胴10の回転方向に起伏自在に取付け、バネ35により常時外側に位置するように付勢させているので、起立状態で回転する始端側扱歯32の扱歯21は負荷が掛かると倒伏し、扱室11の入口の負荷を軽減し、作業能率の向上させられ、負荷が下がることにより始端側扱歯32の耐久性を向上させられる。
請求項の発明では、始端側扱歯32は、扱胴10の全長の前から1/3までの部分に設けているので、扱室11の始端部の負荷の軽減と扱室11の始端部以降における脱穀効率との両立を図ることができる。
請求項の発明では、始端側扱歯32は扱胴10の本体部27の始端部から3本の扱歯21を有する部分としているので、扱室11内の前側部分の負荷が高いとき、前側部分の負荷を始端側扱歯32を内側に退避させることにより軽減させることができる。
請求項の発明では、始端側扱歯32は、扱胴10の本体部27の始端部より前後中央位置までの部分としているので、扱室11内の負荷が高いとき、前側より中央位置までの部分の負荷を始端側扱歯32を内側に退避させて軽減させることができる。
請求項の発明では、扱網12は、扱網12の始端部と扱胴10のコーン部30の後端とが側面視において重なっているので、脱粒が促進され、コーン部30の後端での詰り発生を防止できる。
請求項の発明では、扱網12は、扱網12の始端部をコーン部30の後端部よりも前側に位置させて側面視において重なっているので、コーン部30で脱粒が促進され、この脱粒した穀粒を扱網12の始端部が受け止め、脱穀効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】コンバインの側面図。
図2】脱穀装置の側面図。
図3】扱胴の側面図。
図4】扱胴の始端部分の側面図。
図5】扱胴の前板部分の一部正面図。
図6】扱胴の前板部分の正面図。
図7】扱胴の他の実施形態の側面図。
図8】扱胴の他の実施形態の側面図。
図9】扱胴の他の実施形態の側面図。
図10】扱胴の他の実施形態の一部正面図。
図11】扱胴の他の実施形態の一部側面図および一部拡大図。
図12】(A)扱胴の他の実施形態の側面図。 (B)扱胴の他の実施形態の側面図。 (C)扱胴の他の実施形態の側面図。
図13】扱胴の他の実施形態の側面図。
図14】扱胴の他の実施形態の側面図。
図15】扱胴の他の実施形態の側面図。
図16】扱胴の他の実施形態の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図面により説明すると、1は機体フレーム、2は機体フレーム1の下部に設けた走行装置、3は機体フレーム1上に設けた脱穀装置、4は刈取装置、5はグレンタンク、6はグレンタンク5の前方の一側に設けた操縦部、6Aは脱穀装置3に穀稈を搬送する搬送エレベーターである(図1)。
なお、理解を容易にするため、前後・左右・上下等の方向を便宜的に使用して説明するが、これらによって、本発明の構成が限定されるものではない。
脱穀装置3は、前側上部には上方を扱胴カバー7で包囲するように扱胴10を軸装した扱室11を設け、扱胴10の主として下方側は扱網12により包囲して構成している(図2)。扱網12の下方の始端側(前側)には唐箕13を設け、前記扱室11の下方には前記唐箕13の送風により穀粒と異物とを風選し得る風選室を形成し、風選室内には、唐箕13の送風方向(前後方向)に往復揺動する揺動選別棚14を設ける(図2)。
【0009】
揺動選別棚14の下方所定位置には一番コンベア15を設け、一番コンベア15の後側には二番コンベア16を設ける。一番コンベア15の終端には、図示は省略するが、揚穀装置の下部を接続し、揚穀装置の上部はグレンタンク(図示省略)の供給口に接続する。
しかして、扱胴10は、少なくとも、前後方向の棒形状に形成されている扱歯支持部材20に扱歯21を長さ方向に複数並設し(図3)、この扱歯支持部材20を扱胴軸22の回転方向に複数並設し(図6)、回転方向に複数並設した扱歯支持部材20の内側に所定空間23を設けた構成とし、空間23内にも被処理物を入れることにより、扱室11内の空間容積を拡大し、脱穀効率を向上させたものである。
そして、扱歯21を複数設けた扱歯支持部材20の内側に回転ドラム24を設け、扱胴10の剛性を確保している。
【0010】
なお、扱歯支持部材20の内側に回転ドラム24は、前後板25および前後板25と平行の複数の中間板26により連結固定し、扱胴10の剛性を確保している。
扱胴10は、先端部分に円錐形状のコーン部30を設け、前記扱歯21は棒状で扱胴10の軸心方向に対した直交して設け、前後に複数並設された扱歯21のうち、扱胴10の始端側所定部分の複数の始端側扱歯32は、始端側扱歯32の先端軌跡位置を、始端側扱歯32に負荷が掛かると通常の先端移動軌跡線より内側に退避させ、負荷が減少すると元の通常の先端軌跡線位置に復帰させる構成とする(図4)。
そのため、扱室11の入口の負荷を軽減し、作業能率の向上させられ、負荷が下がることにより始端側扱歯32の耐久性を向上させられる。
31はコーン部30のスクリュー螺旋である。
【0011】
始端側扱歯32群の移動構成は任意であるが、一例を示すと、始端側扱歯32を取付けた前側支持部材33を、前後板25と最前側位置の中間板26とのそれぞれに形成した半径方向に長い移動孔34に移動自在に取付け、前側支持部材33には前側支持部材33を常時外側に付勢するバネ35を取付ける(図4、5)。
そのため、通常始端側扱歯32のバネ35の弾力により外側位置にて回転し、始端側扱歯32に負荷が掛かると、バネ35の弾力に抗して内側に退避する。
前側支持部材33には扱胴10の径方向の取付軸36の上部を固定し、取付軸36の下部は前板25と中間板26に設けたステー37に上下のみ自在に取付け、前側支持部材33とステー37の間の取付軸36にバネ35を取付ける(図4)。
38は抜け止めピンである。
この場合、始端側扱歯32は、扱胴10の全長の前から1/3までの部分に設け、始端側扱歯32の扱歯21に負荷が掛かると退避する構成とする。
そのため、扱室11内に被処理物が供給直後に詰まるのを有効に防止することができる。
【0012】
また、扱胴10の本体部27の始端部から3本の扱歯21を有する部分を始端側扱歯32としてもよい。
そのため、穀稈量が多い圃場での作業等において、特に、扱室11の始端側での負荷が大きくなるときに有効であり、これにより、主たる扱胴10の剛性を確保との両立が図れ、合理的構成となる。
また、始端側扱歯32は、扱胴10の本体部27の始端部より半分まで(図15参照)の部分に設け、始端側扱歯32の扱歯21に負荷が掛かると退避する構成としてもよい。
そのため、扱室11内に被処理物が供給直後に詰まるのを有効に防止することができる。
また、コーン部30の後端と扱網12の始端部とが側面視において重なっている構成としてもよい。
【0013】
そのため、脱粒が促進され、コーン部30後端での詰りが防止できる。
また、扱網12の始端部をコーン部30の後端部よりも前側に位置させて側面視において重なっている構成としててもよい(図12C参照)。
図7は、始端側扱歯32の移動構成の他の実施形態を示し、始端側扱歯32の扱歯21を取付けた前側支持部材33を、本体部27の扱歯支持部材20に対し扱胴10の径方向に移動自在に取付け、バネ35により常時外側に位置するように付勢させる構成とする。
そのため、始端側扱歯32の各扱歯21をバネ35で付勢するので、負荷に対して始端側扱歯32の出入りを適正に制御することができ、脱穀状態を最適にすることができる。
この場合、径方向に移動自在の始端側扱歯32は、扱胴10の全長の前から1/3までの部分に設け、始端側扱歯32の扱歯21に負荷が掛かると退避する構成とする。
そのため、扱室11内に被処理物が供給直後に詰まるのを有効に防止することができる。
【0014】
また、扱胴10の本体部27の始端部から3本の扱歯21を有する部分を始端側扱歯32としてもよい。
また、径方向に移動自在の始端側扱歯32は、扱胴10の本体部27の始端部より半分までの部分に設け、始端側扱歯32の扱歯21に負荷が掛かると退避する構成としてもよい。
そのため、扱室11内に被処理物が供給直後に詰まるのを有効に防止することができる。
また、コーン部30の後端と扱網12の始端部とが側面視において重なっている構成としている。
また、扱網12の始端部をコーン部30の後端部よりも前側に位置させて側面視において重なっている構成としててもよい。
【0015】
図8は、始端側扱歯32の移動構成の他の実施形態を示し、始端側扱歯32を取付けた前側支持部材33に対し扱胴10の径方向に出入り自在に取付け、バネ35により常時外側に位置するように付勢させる構成とする。
そのため、始端側扱歯32をバネ35で突出状態に付勢するので、突出状態で回転する始端側扱歯32の扱歯21は負荷が掛かると径方向の内側(扱胴10の軸心)に向かって引っ込み、扱室11の入口の負荷を軽減し、作業能率の向上させられ、負荷が下がることにより始端側扱歯32の耐久性を向上させられる。
この場合、バネ35で突出状態に付勢した始端側扱歯32は、扱胴10の全長の前から1/3までの部分に設け、始端側扱歯32の扱歯21に負荷が掛かると退避する構成とする。
【0016】
そのため、扱室11内に被処理物が供給直後に詰まるのを有効に防止することができる。
また、扱胴10の本体部27の始端部から3本の扱歯21を有する部分をバネ35で突出状態に付勢した始端側扱歯32としてもよい。
また、バネ35で突出状態に付勢した始端側扱歯32は、扱胴10の本体部27の始端部より半分までの部分に設け、始端側扱歯32の扱歯21に負荷が掛かると退避する構成とする。
そのため、扱室11内に被処理物が供給直後に詰まるのを有効に防止することができる。
また、コーン部30の後端と扱網12の始端部とが側面視において重なっている構成としている。
また、扱網12の始端部をコーン部30の後端部よりも前側に位置させて側面視において重なっている構成としてもよい。
【0017】
図9は、始端側扱歯32の移動構成の他の実施形態を示し、前側支持部材33に対して始端側扱歯32を扱胴10の回転方向に起伏自在に取付け、バネ35により常時外側に位置するように付勢させる構成とする。
そのため、始端側扱歯32をバネ35で起立状態に付勢するので、起立状態で回転する始端側扱歯32の扱歯21は負荷が掛かると倒伏し、扱室11の入口の負荷を軽減し、作業能率の向上させられ、負荷が下がることにより始端側扱歯32の耐久性を向上させられる。
具体的には、前側支持部材33を、起伏回動する始端側扱歯32に対する固定側となる前板25と中間板26等に設けた取付部材46側、および/または、本体部27の扱歯支持部材20に対して、回転のみ自在に設け、前側支持部材33にバネ35のコイル部を挿通し、バネ35の一端を始端側扱歯32の内の一部の扱歯21に係止し、バネ35の他端を任意の固定部(取付部材46)に係止し、始端側扱歯32をバネ35で起立状態に常時付勢し、かつ、任意のストッパー機構により起立状態で回動停止させる。
【0018】
そのため、始端側扱歯32に負荷が掛かると、バネ35の弾力に抗して前側支持部材33を本体部27の扱歯支持部材20に対して回転させて、始端側扱歯32を倒伏させる。

図10は、始端側扱歯32の移動構成の他の実施形態を示し、始端側扱歯32を取付けた前側支持部材33に対し扱胴10の回転方向に起伏自在に取付ける。
そのため、始端側扱歯32の扱歯21に負荷が掛かると倒伏し、扱室11の入口の負荷を軽減し、作業能率の向上させられ、負荷が下がることにより始端側扱歯32の耐久性を向上させられる。
図10の始端側扱歯32の各扱歯21は長さ方向の所定位置にてピン21Aにより回動自在に取付け、始端側扱歯32に負荷が掛かると、ピン21A中心に回動して倒伏させる。
なお、図示は省略するが、始端側扱歯32の内の一部の扱歯21にバネ35の一端を係止し、バネ35の他端を任意の固定部に係止し、始端側扱歯32をバネ35で起立状態に常時付勢し、かつ、任意のストッパー機構により起立状態で回動停止させる。
【0019】
図11は、始端側扱歯32の移動構成の他の実施形態を示し、始端側扱歯32を取付けた前側支持部材33に対し扱胴10の回転方向に起伏自在に取付け、始端側扱歯32は手動で傾けることが可能な構成としている。
そのため、始端側扱歯32を、起立状態で回転させ、脱穀装置3に負荷が掛かると倒伏させ、扱室11の入口の負荷を軽減し、作業能率の向上させられ、負荷を下げることにより始端側扱歯32の耐久性を向上させられる。
この場合、始端側扱歯32の起伏構成は、任意であるが、例えば、図11のように、前側支持部材33を回転部材40を介して本体部27の扱歯支持部材20に取付ける。
【0020】
回転部材40は、前側支持部材33に固定状態の筒部41の外周にギア42を設け、ギア42に、所定の固定部に回転のみ自在に設けたボルト軸43に固定のギア44を噛み合わせ、ボルト軸43によりギア44が回転すると回転部材40(ギア42)を介して前側支持部材33を軸周りに回転させて始端側扱歯32を倒伏させる構成としている。
そのため、扱室11の入口の負荷が作物条件によって上昇することがあるが、この場合、手動で始端側扱歯32の扱歯21を倒伏させて、扱室11の入口の負荷を軽減させられる。
この場合、始端側扱歯32は、扱胴10の全長の前から1/3までの部分に設け、始端側扱歯32の扱歯21に負荷が掛かると退避する構成とする。
そのため、扱室11内に被処理物が供給直後に詰まるのを有効に防止することができる。
【0021】
また、扱胴10の本体部27の始端部から3本の扱歯21を有する部分を始端側扱歯32としてもよい。
また、始端側扱歯32は、扱胴10の本体部27の始端部より半分までの部分に設け、始端側扱歯32の扱歯21に負荷が掛かると退避する構成とする。
そのため、扱室11内に被処理物が供給直後に詰まるのを有効に防止することができる。
また、コーン部30の後端と扱網12の始端部とが側面視において重なっている構成としている。
また、扱網12の始端部をコーン部30の後端部よりも前側に位置させて側面視において重なっている構成としててもよい。
この場合、始端側扱歯32は、扱胴10の全長の前から1/3までの部分に設け、始端側扱歯32の扱歯21に負荷が掛かると退避する構成とする。
【0022】
そのため、扱室11内に被処理物が供給直後に詰まるのを有効に防止することができる。
また、扱胴10の本体部27の始端部から3本の扱歯21を有する部分を始端側扱歯32としてもよい。
また、始端側扱歯32は、扱胴10の本体部27の始端部より半分までの部分に設け、始端側扱歯32に負荷が掛かると退避する構成とする。
そのため、扱室11内に被処理物が供給直後に詰まるのを有効に防止することができる。
また、コーン部30の後端と扱網12の始端部とが側面視において重なっている構成としている。
また、扱網12の始端部をコーン部30の後端部よりも前側に位置させて側面視において重なっている構成としててもよい。
【0023】
また、始端側扱歯32の移動構成を、扱室11の入口側の始端側扱歯32に掛かる負荷が大きい場合、ボルト43を締めこむことで始端側扱歯32を傾斜させて空間を空け、負荷を減少させる構成としている。
そのため、扱室11の入口の負荷が作物条件によって上昇した場合、ネジを締めこむことにより、扱歯21を傾斜させて空間を空け、負荷を減少させる。
図12Aは、扱胴10の他の実施形態を示し、扱胴10の本体部27の始端部から前側1/3の部分を始端側扱歯32とし、始端側扱歯32は扱歯21を取付けた前側支持部材33を、本体部27の扱歯支持部材20に対して内側に位置させて継いで固定し、扱胴10の始端側の扱室11の空間を広く形成する構成とする。
そのため、扱室11内に被処理物が供給直後に詰まるのを有効に防止することができ、扱室11の入口の負荷を軽減し、作業能率の向上出来る。また、負荷が下がることで扱歯21を含めた扱胴10の耐久時間を伸ばすことが出来る。
【0024】
この場合、コーン部30の後端と扱網12の始端部とが側面視において重なっている構成としている。
また、扱網12の始端部をコーン部30の後端部よりも前側に位置させて側面視において重なっている構成としててもよい。
また、扱胴10の本体部27の始端部から3本の扱歯21を有する部分を始端側扱歯32としてもよく、始端側扱歯32を、扱胴10の本体部27の始端部より半分までの部分に設け、始端側扱歯32の扱歯21に負荷が掛かると退避する構成としてもよい。
図12Bは、扱胴10の他の実施形態を示し、扱胴10の本体部27の始端部から前側1/3の部分を始端側扱歯32とし、始端側扱歯32は扱歯21を取付けた前側支持部材33を、本体部27の扱歯支持部材20に対して内側に位置させ、前側支持部材33の後部と扱歯支持部材20の前端部とは上下で重ね合せて溶接固定する。
【0025】
そのため、扱胴10の剛性を確保しつつ、扱室11の始端部の室内空間を広く形成することができる。
この場合、コーン部30の後端と扱網12の始端部とが側面視において重なっている構成としている。
また、扱網12の始端部をコーン部30の後端部よりも前側に位置させて側面視において重なっている構成としててもよい。
また、扱胴10の本体部27の始端部から3本の扱歯21を有する部分を始端側扱歯32としてもよく、始端側扱歯32を、扱胴10の本体部27の始端部より半分までの部分に設け、始端側扱歯32の扱歯21に負荷が掛かると退避する構成としてもよい。
【0026】
図12Cは、扱胴10の他の実施形態を示し、扱胴10の本体部27の始端部から前側3本の部分を始端側扱歯32とし、始端側扱歯32は扱歯21を取付けた前側支持部材33を、本体部27の扱歯支持部材20に対して内側に位置させ、前側支持部材33の後部と扱歯支持部材20の前端部とは上下で重ね合せて溶接固定する。
そのため、扱胴10の剛性を確保しつつ、扱室11の始端部の室内空間を広く形成することができる。
この場合、コーン部30の後端と扱網12の始端部とが側面視において重なっている構成としている。
また、扱網12の始端部をコーン部30の後端部よりも前側に位置させて側面視において重なっている構成としててもよい。
【0027】
また、扱胴10の本体部27の始端部から3本の扱歯21を有する部分を始端側扱歯32としてもよく、始端側扱歯32を、扱胴10の本体部27の始端部より半分までの部分に設け、始端側扱歯32の扱歯21に負荷が掛かると退避する構成としてもよい。
図13は、扱胴10の他の実施形態を示し、扱胴10の本体部27の始端部から前側1/3の部分を始端側扱歯32とし、始端側扱歯32は扱歯21を取付けた前側支持部材33を、本体部27の扱歯支持部材20に対して内側に位置させ、前側支持部材33と扱歯支持部材20とは一体状で、前側支持部材33と扱歯支持部材20との間に斜めの屈曲部50を設けて形成することにより、扱室11の始端側の空間を広く形成する構成としている。
そのため、扱胴10の剛性を確保しつつ、前側支持部材33を簡単に形成することができ、これにより、扱室11の始端部の室内空間を広く形成することができる。
【0028】
この場合、コーン部30の後端と扱網12の始端部とが側面視において重なっている構成としている。
また、扱網12の始端部をコーン部30の後端部よりも前側に位置させて側面視において重なっている構成としてもよい。
また、扱胴10の本体部27の始端部から3本の扱歯21を有する部分を始端側扱歯32としてもよく、始端側扱歯32を、扱胴10の本体部27の始端部より半分までの部分に設け、始端側扱歯32の扱歯21に負荷が掛かると退避する構成としてもよい。
図14は、扱胴10の他の実施形態を示し、扱胴10の本体部27の始端部から前側1/3の部分を始端側扱歯32とし、始端側扱歯32は扱歯21を取付けた前側支持部材33を、その始端部を本体部27の扱歯支持部材20に対して内側に位置させ、前側支持部材33を後部に至るに従い外側に位置するように傾斜させ、扱歯支持部材20と一体状に連結させた構成としている。
【0029】
そのため、扱胴10の剛性を確保しつつ、前側支持部材33を簡単に形成することができ、これにより、扱室11の始端部の室内空間を広く形成することができる。
この場合、コーン部30の後端と扱網12の始端部とが側面視において重なっている構成としている。
また、扱胴10の本体部27の始端部から3本の扱歯21を有する部分を始端側扱歯32としてもよく、始端側扱歯32を、扱胴10の本体部27の始端部より半分までの部分に設け、始端側扱歯32の扱歯21に負荷が掛かると退避する構成としてもよい。
【0030】
図15は、扱胴10の他の実施形態を示し、扱胴10の始端部から扱胴10の前後中央位置までの扱歯21を有する部分を前半側扱歯32Aとし、中央位置より後半の扱歯21を有する部分を後半側扱歯27Aとし、前半側扱歯32Aは扱歯21を取付けた前側支持部材33を、本体部27の扱歯支持部材20に対して内側に位置させて溶接固定し、扱胴10の始端側の扱室11の空間を広く形成する構成とし、扱網12の始端部をコーン部30の後端部よりも前側に位置させて側面視において重なっている構成としている。
そのため、扱胴10の剛性を確保しつつ、前半側扱歯32Aと前側支持部材33を簡単に形成することができ、これにより、扱室11の始端部の室内空間を広く形成することができる。
【0031】
この場合、前側支持部材33の後端部と扱歯支持部材20の前端部との連結部分(連設部分)は、図12の上下重ねての熔接や、図13の屈曲部を設ける構成や、図14の斜めにする構成等の任意の構成で連結すればよい。
図16は、扱胴10の他の実施形態を示し、扱歯支持部材20は円周方向に六角形の頂点に位置するように配置し、扱歯支持部材20のうち半数の扱歯支持部材20は扱歯21を細かく配置した密型扱歯支持部材20(図16C、D)とし、他の半数の扱歯支持部材20は密型扱歯支持部材20に比しまばらな疎型扱歯支持部材20とし(図16A、B)、かつ、密型扱歯支持部材20と疎型扱歯支持部材20とを円周方向に交互に配置し、さらに、図16Aの疎型扱歯支持部材20のみの、扱胴10の始端側所定部分の複数の始端側扱歯32の前側支持部材33を、本体部27の扱歯支持部材20に対して内側に位置させてコーン部30の径より小さくなるように、溶接固定し、扱胴10の始端側の扱室11の空間を広く形成する構成としている。
【0032】
そのため、扱胴10の剛性を確保しつつ、扱室11の始端部の室内空間を広く形成することができる。
この場合、前側支持部材33の後端部と扱歯支持部材20の前端部との連結部分(連設部分)は、図12Bの上下に重ねての熔接や、図13の屈曲部を設ける構成や、図14のコーン部30を斜めにする構成等の任意の構成で連結すればよい。
また、始端側扱歯32の構成は任意であり、扱胴10の本体部27の始端部から3本の扱歯21を有する部分としてもよく、また、扱胴10の本体部27の始端部より半分(中間部分)までの部分としてもよい。
そして、図16Aの始端側扱歯32を粗型配置した場合、回転方向の次の扱歯支持部材20の扱歯21の配置は密型の図16Dの直線状の密型の扱歯支持部材20にする。
【0033】
図16Cでは、扱胴10の他の実施形態を示し、密型扱歯支持部材20のみ、扱胴10の始端側所定部分の複数の始端側扱歯32の前側支持部材33を、本体部27の扱歯支持部材20に対して内側に位置させてコーン部30の径より小さくなるように、溶接固定し、扱胴10の始端側の扱室11の空間を広く形成する構成としている。
そのため、扱胴10の剛性を確保しつつ、扱室11の始端部の室内空間を広く形成することができる。
この場合、前側支持部材33の後端部と扱歯支持部材20の前端部との連結部分(連設部分)は、図12Bの上下に重ねての熔接や、図13の屈曲部を設ける構成や、図14のコーン部30を斜めにする構成等の任意の構成で連結すればよい。
【0034】
また、始端側扱歯32の構成は任意であり、扱胴10の本体部27の始端部から3本の扱歯21を有する部分としてもよく、また、扱胴10の本体部27の始端部より半分(中間部分)までの部分としてもよい。
そして、図16Cの始端側扱歯32を密型配置した場合、回転方向の次の扱歯支持部材20の扱歯21の配置は粗型の図16Bの直線状の粗型の扱歯支持部材20にする。
なお、前記した各実施形態は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの実施例は夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0035】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置、5…グレンタンク、6…操縦部、6A…搬送エレベーター、10…扱胴、11…扱室、12…扱網、20…扱歯支持部材、21…扱歯、22…扱胴軸、23…空間、24…回転ドラム、25…前後板、26…中間板、27…本体部、30…コーン部、32…始端側扱歯、33…前側支持部材、34…移動孔、32…バネ、36…取付軸、37…ステー、38…抜け止めピン、40…取付部、41…ボルト、42…ギア、43…ボルト軸、44…ギア、50…屈曲部。
図1
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