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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】測定器
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0531 20210101AFI20220712BHJP
【FI】
A61B5/0531
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021501993
(86)(22)【出願日】2020-02-18
(86)【国際出願番号】 JP2020006148
(87)【国際公開番号】W WO2020171029
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-05-31
(31)【優先権主張番号】P 2019027512
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 純
(72)【発明者】
【氏名】高橋 智紀
(72)【発明者】
【氏名】倉持 美惠
(72)【発明者】
【氏名】富樫 浩明
(72)【発明者】
【氏名】田中 堅志
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/125222(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/024228(WO,A1)
【文献】特開2003-169788(JP,A)
【文献】特開2018-186880(JP,A)
【文献】特開2018-191717(JP,A)
【文献】特開平10-272112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/0531
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向を備える測定器であって、
把持部と、
前記長手方向に対して垂直方向に測定面が露出するセンサを含む測定部と、前記測定部を前記把持部に接続する接続部とを有するプローブ部と、
記接続部に設けられ、前記センサからの電気信号に応じた発振信号を出力する発振回路が構成され、主面が前記測定面と平行に配置される回路基板と、
を備えた、測定器。
【請求項2】
前記プローブ部は平板状である、請求項1に記載の測定器。
【請求項3】
前記プローブ部は、樹脂によって構成された外装を有しており、
前記回路基板は前記プローブ部の前記外装を構成する前記樹脂よりも硬い、請求項1又は請求項2に記載の測定器。
【請求項4】
前記回路基板は、前記プローブ部の前記接続部において、前記プローブ部の先端側に設けられる、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の測定器。
【請求項5】
前記接続部は伸縮可能である、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の測定器。
【請求項6】
前記プローブ部は、前記接続部に迂回部を備える、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の測定器。
【請求項7】
前記プローブ部は、前記把持部に対して揺動可能に支持され、
前記把持部には、揺動方向に前記プローブ部を付勢する付勢部材を備えた、
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の測定器。
【請求項8】
前記センサは、静電容量式のセンサであり、
前記発振回路は、一対の配線を介して前記センサに接続され、
前記一対の配線は互いに平行かつ離して配設されている、
請求項1~請求項のいずれか一項に記載の測定器。
【請求項9】
前記把持部には、前記プローブ部の揺動によりオンオフするスイッチ部が設けられている、請求項1~請求項の何れか一項に記載の測定器。
【請求項10】
前記スイッチ部は前記把持部に設けられた主回路基板に設けられている、請求項に記載の測定器。
【請求項11】
前記プローブ部が揺動して前記スイッチ部から離れることにより前記スイッチ部はオン動作する、請求項10に記載の測定器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、測定器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、測定者が手で保持して対象物を測定する測定器として例えば口腔内水分測定器がある(例えば、特許文献1参照)。この口腔内水分測定器は、プローブの先端に静電容量式のセンサを有し、対象物となる舌粘膜等の被測定面に対して平行にセンサの測定面を押し当て、対象物の水分量を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2004/028359号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、対象物となる被測定者では、舌が出しにくかったりする場合がある。このため、このような被測定者に対して、上記の測定器では、プローブの先端を口腔内に挿入し難かったり、口腔内でセンサの測定面を舌に対して平行に押し当てることが難しかったりする場合がある。プローブを薄くすると、押圧のためにプローブに加わる応力によって、プローブが変形して測定結果の値にばらつきが生じる虞がある。
【0005】
本開示の目的は、開口幅が小さく口腔内への測定器の挿入が困難な被測定者の口腔内における測定を可能とし、プローブ部における応力が緩和され、プローブ部を口腔粘膜に正確に押し当てることができ、高精度に、かつ、高い信頼性を有する測定器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様である測定器は、把持部と、先端の第1面に測定面が露出するセンサを含む測定部と、前記測定部を前記把持部に接続する接続部とを有するプローブ部と、前記把持部又は前記接続部に設けられ、前記センサからの電気信号に応じた発振信号を出力する発振回路が構成された回路基板と、を備えている。
【0007】
この構成によれば、開口幅が小さく口腔内への測定器の挿入が困難な被測定者の口腔内における測定を可能とし、プローブ部における応力が緩和され、プローブ部を口腔粘膜に正確に押し当てることができ、高精度に、かつ、高い信頼性を有する測定器を提供できる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、プローブ部における応力を緩和した測定器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態の測定器を示す概略側面図。
図2】一実施形態の測定器を示す測定器の概略平面図。
図3】センサ部をセンサ面から視た拡大平面図。
図4】変更例の測定器を示す概略側面図。
図5】変更例の測定器を示す概略側面図。
図6】変更例の測定器を示す概略側面図。
図7】変更例の測定器を示す概略側面図。
図8】変更例の測定器を示す概略側面図。
図9】変更例の測定器を示す概略側面図。
図10】変更例の測定器を示す概略側面図。
図11】変更例の測定器を示す概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態を説明する。
【0011】
図1及び図2に示すように、測定器1は、本体10と、本体10に取り付けられるカバー60とを有している。この測定器1は、測定対象として例えば口腔内の水分量を測定する口腔内水分測定器である。
【0012】
本体10は、本体10の長手方向の一端部領域の把持部11と、本体10の長手方向の他端部領域のプローブ部12とを有している。
【0013】
把持部11は、略直方体状に形成され、上面11a、下面11b、側面11c,11d、端面11e,11fを有している。把持部11の上面11aには、測定結果等を表示する表示部21が設けられている。
【0014】
プローブ部12は、把持部11の一方の端面11eから突出している。本実施形態において、プローブ部12は、直方体の板状である。プローブ部12は、先端の測定部31と、測定部31を把持部11に接続する接続部32とを有している。
【0015】
測定部31は、直方体の板状である。測定部31は、第1面としての測定面31aと、測定面31aと反対側を向く背面31bとを備えている。
【0016】
図3に示すように、測定部31にはセンサ40が設けられている。このセンサ40は、平板状である。センサ40は、平面状の測定面40aを有している。センサ40は、例えば静電容量式のセンサである。図2に示すように、センサ40の測定面40aは、測定部31の測定面31aと面一である。また、図3に示すように、センサ40の測定面40aは、測定部31の測定面31aから露出している。
【0017】
センサ40の測定面40aには、一対の電極41a,41bが設けられている。一対の電極41a,41bは、例えば櫛歯状に形成されている。一対の電極41a,41bは、コンデンサの電極として機能する。つまり、測定面40aと対向する測定対象及びその表面の液体は、一対の電極41a,41bに対する誘電体として機能する。一対の電極41a,41bの容量値は、測定対象及びその表面の水分量に応じた値となる。
【0018】
接続部32は、直方体の板状である。本実施形態において、接続部32の厚さは測定部31の厚さと同一であり、接続部32の幅は測定部31の幅と同一である。
【0019】
本実施形態において、プローブ部12は、把持部11に設けられた図示しない軸により揺動可能に支持されている。図1に示すように、接続部32の端部32aは把持部11に内挿され、その端部32aが図示しない軸により把持部11に連結されている。
【0020】
接続部32には、回路基板51が設けられている。回路基板51は、一対の配線52a,52bにより、図3に示すセンサ40の電極41a,41bに接続されている。一対の配線52a,52bは、平行であり、かつ離れて配設されていることが好ましい。これにより、一対の配線52a,52bの間における寄生容量が生じ難い。本実施形態において、配線52a,52bは、プローブ部12の幅方向の両端部に沿って配設されている。
【0021】
回路基板51は、発振回路51aを構成する部材が搭載された発振回路基板である。発振回路51aは、例えばCR発振回路であり、センサ40からの電気信号に応じた発振信号を出力する。具体的には、発振回路51aは、センサ40の一対の電極41a,41b間の容量値に応じた周波数の発振信号を出力する。発振回路51aは、ハーネス53を介して、把持部11に設けられた主回路基板22に接続されている。ハーネス53は、複数の配線からなる。例えば、ハーネス53は、把持部11から発振回路51aに動作電圧を供給する電源配線、発振回路51aの発振信号を主回路基板22に伝達する信号配線、等を含む。
【0022】
主回路基板22は、測定器1を制御する制御回路を構成するCPU等の部材が搭載された制御回路基板である。制御回路は、発振回路51aの出力信号のパルス数により、測定対象の水分量を検出する。そして、制御回路は、検出した水分量を表示部21に表示する。
【0023】
把持部11には、プローブ部12の接続部32を付勢する付勢部材23が設けられている。付勢部材23は、例えば、バネやゴム等の弾性部材である。付勢部材23は、把持部11に揺動可能に支持されたプローブ部12の接続部32を、プローブ部12の揺動方向の一方に向けて付勢する。付勢方向としては、例えば、図1に示すように、プローブ部12の先端12aを、その測定部31の測定面31aの側に揺動する方向である。
【0024】
把持部11には、プローブ部12の揺動によりオンオフ操作されるスイッチ部24が設けられている。スイッチ部24は、プローブ部12が付勢部材23の付勢力に抗して揺動するときにオンするように構成されている。例えば、制御回路は、このスイッチ部24のオン動作に基づいて、水分量の検出処理を開始する。
【0025】
本実施形態において、プローブ部12は、樹脂からなり、測定部31と接続部32は一体に形成されている。
【0026】
カバー60は、平袋状のカバー部材61と、そのカバー部材61に取着された支持部材62とを備えている。カバー部材61及び支持部材62は、透明若しくは半透明の樹脂からなる。カバー60は、カバー部材61がプローブ部12の先端の測定部31を覆うように取着される。カバー部材61は、プローブ部12の先端、特に測定部31のセンサ40が被測定部に直接触れないようにする。
【0027】
(作用)
次に、上記の測定器1の作用を説明する。
【0028】
測定器1は、把持部11とプローブ部12とを備えている。プローブ部12は、先端の測定部31と、測定部31を把持部11に接続する接続部32とを備えている。測定部31には、センサ40が設けられ、センサ40の測定面40aは、測定部31の測定面31aに露出している。
【0029】
プローブ部12は全体として平板状である。プローブ部12の先端の測定部31には、センサ40が設けられ、そのセンサ40に接続された回路基板はプローブ部12の接続部32に配設されている。従って、測定部31を薄くなるため、開口幅が小さく口腔内への測定器の購入が困難な被測定者の口腔内に、プローブ部12の先端である測定部31を容易に挿入できる。このため、測定対象物の表面に対してセンサ40の測定面40aの全体が密着するため、測定結果のばらつきが抑制される。また、舌を出し難い測定者や、口が開き難い測定対象者に対して、口の中にプローブ部12の先端の測定部31を容易に挿入して口腔内の水分量を測定できる。
【0030】
測定者は測定器1の把持部11を把持し、センサ40の測定面40aを、測定対象物の表面、例えば被測定者の舌の表面に密着させる。測定者は、プローブ部12の先端の測定部31を所定の押圧力にて舌に対して押圧することで、センサ40の測定面40aを舌の表面に密着させることができる。これにより、測定対象物の表面に対してセンサ40の測定面40aの全体が密着するため、測定結果のばらつきが抑制される。
【0031】
測定部31を測定対象物に押圧するとき、樹脂からなり板状のプローブ部12は、押圧力により撓みやすい。本実施形態では、プローブ部12の接続部32に回路基板51が内設されている。回路基板51は、プローブ部12の外装を構成する樹脂よりも硬いため、プローブ部12に加わる応力を緩和する。
【0032】
回路基板51は、プローブ部12の接続部32において、測定部31のセンサ40に隣り合って配設されることが好ましい。プローブ部12において、先端に向かうほど応力が増す。このため、回路基板51をプローブ部12の先端側に設けることで、応力を緩和できる。
【0033】
また、本実施形態の測定器1は、把持部11にプローブ部12が揺動可能に支持されその把持部11にプローブ部12を付勢する付勢部材23を有している。測定において測定部31が測定対象に当接した場合、プローブ部12において、把持部11の側の端部に応力が加わる。付勢部材23は、この把持部11の側のプローブ部12の端部における応力を緩和する。
【0034】
以上記述したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
【0035】
(1)測定器1は、把持部11と、プローブ部12とを有している。プローブ部12は、先端の測定面31aに測定面40aが露出するセンサ40を含む測定部31と、測定部31を把持部11に接続する接続部32とを有している。接続部32には回路基板51が設けられている。回路基板51は、発振回路51aを構成する部材が搭載された発振回路基板である。発振回路51aは、センサ40からの電気信号に応じた発振信号を出力する。測定部31を測定対象物に押圧するとき、樹脂からなり板状のプローブ部12は、押圧力により撓みやすい。接続部32に設けられた回路基板51は、プローブ部12の外装を構成する樹脂よりも硬い。したがって、開口幅が小さく口腔内への測定器の挿入が困難な被測定者の口腔内における測定を可能とし、プローブ部12に加わる応力が緩和され、プローブ部12を口腔粘膜に正確に押し当てることができ、高精度に、かつ高い信頼性を有する測定器1を提供できる。
【0036】
(2)測定部31が薄くなるため、プローブ部12の先端である測定部31を口腔内に容易に挿入できる。このため、測定対象物の表面に対してセンサ40の測定面40aの全体が密着するため、測定結果のばらつきを抑制できる。
【0037】
(3)プローブ部12は、把持部11に対して揺動可能に支持され、把持部11には、揺動方向にプローブ部12を付勢する付勢部材23が設けられている。測定において測定部31が測定対象に当接した場合、プローブ部12において、把持部11の側の端部に応力が加わる。付勢部材23により、把持部11の側のプローブ部12の端部における応力を緩和できる。
【0038】
(4)センサ40は、静電容量式のセンサである。回路基板51に構成される発振回路51aは、一対の配線52a,52bを介してセンサ40に接続されている。一対の配線52a,52bは互いに平行かつ離して配設されている。これにより、一対の配線52a,52bの間における寄生容量が生じ難い。このため、センサ40の電極41a,41bの間の静電容量が配線52a,52bの影響を受け難いため、安定して測定できる。
【0039】
(5)把持部11には、プローブ部12の揺動によりオンオフ操作されるスイッチ部24が設けられている。スイッチ部24は、プローブ部12が付勢部材23の付勢力に抗して揺動するときにオンするように構成されている。このスイッチ部24のオン動作に基づいて、水分量の検出処理を開始できる。
【0040】
(変更例)
尚、上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
【0041】
図4に示すように、回路基板51の長さを適宜変更してもよい。回路基板51を長くすることにより、プローブ部12における応力をより緩和できる。
【0042】
図5に示すように、回路基板51は、把持部11に設けられてもよい。また、回路基板51は、図6に示すように、主回路基板22と一体的に設けられてもよい。
【0043】
図7に示すように、スイッチ部24は、把持部11に設けられた主回路基板22に設けられてもよい。スイッチ部24は主回路基板22と一体的に構成されてよい。例えば、スイッチ部24は主回路基板22に直接に、電気的に、機械的に接続されてよい。付勢部材23はプローブ部12と(例えば接続部32と)一体的に構成されてよい。例えば、付勢部材23はプローブ部12の接続部32に直接に機械的に支持されてよい。
【0044】
スイッチ部24を主回路基板22に設けることによって、スイッチ部24と主回路基板22とを電気的に接続するワイヤを省略できる、および/または、スイッチ部24を主回路基板22によって支持することができる等、測定器1の電気構成および/または機械構成のシンプル化に有利であり、ひいては測定器1の信頼性の向上に有利である。
【0045】
プローブ部12が揺動していないとき、例えば、測定部31が測定対象物に押圧されていないときに、プローブ部12(例えば接続部32)と一体の付勢部材23の付勢力によってスイッチ部24はオフ動作してよい。プローブ部12が揺動してスイッチ部24から離れることによりスイッチ部24はオン動作してよい。この構成によれば、プローブ部12に過度な荷重が加わった際に、プローブ部12からスイッチ部24にまたは主回路基板22に過度な荷重が伝達されることを回避でき、スイッチ部24のまたは主回路基板22の破損の防止に有利である。
【0046】
図8図11に示すように、プローブ部の構成を適宜変更してもよい。なお、図8図11では、上述のカバー60が省略されている。
【0047】
図8に示す測定器101のプローブ部12は、接続部32に対して測定部31が傾動可能に構成されている。この測定器101のプローブ部12では、測定部31が傾くことで、測定部31の測定面31a、及びセンサ40の測定面40aを測定対象の表面に密着させることができる。例えば、下顎の前歯との干渉を低減して舌の表面に測定面40aを密着できる。また、例えば第2臼歯付近の口蓋粘膜に測定面40aを密着できる。
【0048】
図9に示す測定器111のプローブ部12は、接続部32に対して測定部31を、測定面31aに垂直な方向に平行移動可能に構成されている。この測定器111のプローブ部12では、測定部31を平行移動させることで、測定部31の測定面31a、及びセンサ40の測定面40aを測定対象の表面に密着させることができる。図8に示す測定器101と同様に、例えば、下顎の前歯との干渉を低減して舌の表面に測定面40aを密着できる。また、例えば第2臼歯付近の口蓋粘膜に測定面40aを密着できる。
【0049】
図10に示す測定器121のプローブ部12は、接続部32が伸縮可能に構成されている。この測定器121のプローブ部12では、接続部を伸ばすことで、測定対象に対して把持部11を離した状態で、その測定対象の表面に測定部31を密着させることができる。例えば、感染症のある患者の舌や頬の奥の粘膜を測定する際などに有効である。
【0050】
図11に示す測定器131のプローブ部12は、接続部32に迂回部132を有している。迂回部132は、下側に開口したU字状である。この迂回部132により、例えば下顎の前歯との干渉を防止し、測定部31の測定面31a、及びセンサ40の測定面40aを測定対象の表面に密着させることができる。なお、迂回部132を有する接続部32は、緩やかに湾曲している形状であってもよい。
【0051】
・上記実施形態は、口腔内において水分量を測定する測定器について説明したが、口腔外において水分量を測定するようにしてもよい。また、カバー60も必須ではなく、センサ40を直接、測定対象物に押し当てて水分量を測定してもよい。
【0052】
・上記実施形態は、水分量を測定する測定器としたが、その他を測定する測定器としてもよい。例えば、pH測定器や口腔細菌測定器等の測定器としてもよい。また、血流や血中酸素を測定する測定器としてもよい。また、複数種類の測定値を測定する測定器としてもよい。その際、上記実施形態の静電容量式のセンサを測定対象に対応するセンサとすることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0053】
1…測定器、11…把持部、12…プローブ部、31…測定部、31a…測定面、32…接続部、40…センサ、40a…測定面、51…回路基板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11