(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】喫煙材を加熱するための装置とともに使用するための物品
(51)【国際特許分類】
A24F 40/20 20200101AFI20220712BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20220712BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20220712BHJP
【FI】
A24F40/20
A24F40/465
A24D1/20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020201220
(22)【出願日】2020-12-03
(62)【分割の表示】P 2018567858の分割
【原出願日】2017-06-27
【審査請求日】2020-12-21
(32)【優先日】2016-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ニコルソン, ゲイリー
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-506594(JP,A)
【文献】特開平05-115272(JP,A)
【文献】特開2007-267749(JP,A)
【文献】国際公開第2015/177263(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/177044(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A24D 1/00- 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙材を含む物品と、
前記喫煙材を含む固体媒体に分散された気体を含む発泡体と、
前記喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように前記喫煙材を加熱するための装置であり、前記物品の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域を備え
、変動磁場の侵入によって前記喫煙材を加熱するように構成された装置と
を備えたシステム。
【請求項2】
前記装置が、前記喫煙材を燃焼させることなく前記喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように前記喫煙材を加熱するためのものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記発泡体が開放セル発泡体である、請求項1~
2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記発泡体が前記物品の一端から前記物品の反対側の端部まで延在する、請求項1~
3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記発泡体の第1の部分が第1の密度を有し、前記発泡体の第2の部分が第2の密度を有し、前記第2の密度が前記第1の密度より高い、請求項1~
4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
細長い物品であって、前記発泡体の前記第1の部分及び前記第2の部分が、前記物品の長さに沿った異なる位置に配置された、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記固体媒体は、熱伝導性がある、請求項1~
6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記固体媒体が、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材を含む、請求項1~
7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記加熱材が、前記装置によって加熱されるときに前記喫煙材と熱接触している、請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
加熱材は、本体が前記物品の一端から前記物品の反対側の端部まで延在する形態である、請求項
8又は
9に記載のシステム。
【請求項11】
前記加熱材が、導電性材料、磁性材料、及び磁性導電性材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含む、請求項
8~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記加熱材が金属又は金属合金を含む、請求項
8~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記加熱材が、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ以上の材料を含む、請求項
8~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記加熱材は、網目の形態であるか、展伸金属を備えるか、又は不均一で平面状でない形状を有する、請求項
8~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記加熱材の本体は、中空又は孔が空いている、請求項
8~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記発泡体の中に分散された要素を備え、前記要素のそれぞれが変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材を含み、前記加熱材が前記喫煙材と熱接触している、請求項1~
15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記要素が、前記発泡体の中に均等に、又は実質的に均等に分散されている、請求項
16に記載のシステム。
【請求項18】
前記要素のそれぞれが前記加熱材の閉回路を含む、請求項
16又は
17に記載のシステム。
【請求項19】
変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材がない、請求項1~
18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記喫煙材がタバコ及び/又は1つ以上の保湿剤を含む、請求項1~
19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
喫煙材を含む発泡体と、
前記喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように前記喫煙材を加熱するための装置であり、前記喫煙材の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域を備え
、変動磁場の侵入によって前記喫煙材を加熱するように構成された装置と
を備えたシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置とともに使用するため物品、並びにそのような装置及びそのような物品を備えたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコなどの喫煙品は、使用の間、タバコを燃焼させてタバコ煙を発生させる。燃焼させずに化合物を放出する製品を創出することによってこれらの喫煙品に代わるものを提供する試みがなされている。そのような製品の例としては、いわゆる「非燃焼加熱式(heat not burn)」製品、又はタバコ加熱装置若しくはタバコ加熱製品がある。これらは、材料を燃焼するのではなく加熱することで化合物を放出する。その材料は、例えば、タバコでもよいし、他の非タバコ製品でもよい。非タバコ製品は、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様は、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置とともに使用するための物品を提供する。この物品は、喫煙材を含む発泡体を含む。
【0004】
例示的な実施形態では、発泡体は固体媒体に分散された気体を含む。
【0005】
例示的な実施形態では、固体媒体は喫煙材を含む。
【0006】
例示的な実施形態では、固体媒体は担体を含む。
【0007】
例示的な実施形態では、担体は、でんぷんリグニンなどのセルロース又はでんぷんを含む。
【0008】
例示的な実施形態では、発泡体は開放セル発泡体である。
【0009】
例示的な実施形態では、発泡体は、物品の一端から物品の反対側の端部まで延在する。
【0010】
例示的な実施形態では、発泡体の第1の部分は第1の密度を有し、発泡体の第2の部分は第2の密度を有し、第2の密度は第1の密度より高い。
【0011】
例示的な実施形態では、物品は細長く、発泡体の第1の部分及び第2の部分は、物品の長さに沿った異なる位置に配置される。
【0012】
例示的な実施形態では、物品は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材をさらに含み、加熱材は喫煙材と熱接触している。
【0013】
例示的な実施形態では、発泡体は加熱材に固定されている、又は接着されている。
【0014】
例示的な実施形態では、加熱材は、本体が物品の一端から物品の反対側の端部まで延在する形態である。
【0015】
例示的な実施形態では、加熱材は、導電性材料、磁性材料、及び磁性導電性材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含む。
【0016】
例示的な実施形態では、加熱材は金属又は金属合金を含む。
【0017】
例示的な実施形態では、加熱材は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ以上の材料を含む。
【0018】
例示的な実施形態では、物品は、発泡体の中に分散された要素を備え、要素のそれぞれは変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材を含み、加熱材は喫煙材と熱接触している。
【0019】
例示的な実施形態では、要素は、発泡体の中に均等に、又は実質的に均等に分散されている。
【0020】
例示的な実施形態では、要素のそれぞれは加熱材の閉回路を含む。
【0021】
例示的な実施形態では、物品には、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材がない。
【0022】
例示的な実施形態では、喫煙材はタバコ及び/又は1つ以上の保湿剤を含む。
【0023】
例示的な実施形態では、物品は発泡体の周りにカバーを備えている。
【0024】
例示的な実施形態では、カバーはラッパー又は紙のシートを備える。
【0025】
本発明の第2の態様は、喫煙材を含む発泡体を含む物品と、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置であり、物品の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域を備えた装置とを備えたシステムを提供する。
【0026】
例示的な実施形態では、この装置は、喫煙材を燃焼させることなく喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するためのものである。
【0027】
例示的な実施形態では、第2の態様のシステムの物品は第1の態様の物品である。第2の態様のシステムの物品は、第1の態様の物品の例示的な各実施形態に存在するような上記の特徴のうちの任意の1つ以上の特徴を有することができる。
【0028】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置とともに使用するための物品の例の概略透視図である。
【
図2】喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置とともに使用するための別の物品の例の概略透視図である。
【
図4】喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置とともに使用するための別の物品の例の概略透視図である。
【
図6】喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置とともに使用するための別の物品の例の概略断面図である。
【
図7】喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置とともに使用するための別の物品の例の概略断面図である。
【
図8】喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置とともに使用するための別の物品の例の概略断面図である。
【
図9】喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置の例の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本書では、用語「喫煙材」は、加熱されると揮発成分を、典型的には蒸気又はエアロゾルの形態で供する材料を含む。「喫煙材」は非タバコ含有材料であってもよいし、タバコ含有材料であってもよい。「喫煙材」は、例えば、タバコ自体、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ以上を含んでいてもよい。喫煙材は、挽きタバコ、刻みラグタバコ、押出タバコ、再生タバコ、再生喫煙材、液体、ゲル、ゲル化シート、粉末、又は塊などの形態とすることが可能である。「喫煙材」は、他に非タバコ製品を含んでいてもよい。この非タバコ製品は、製品によってニコチンを含んでもよいし、含まないでもよい。「喫煙材」は、1つ以上の保湿剤、例えばグリセロール又はプロピレングリコールを含んでいてもよい。
【0031】
本書では、用語「発泡体」は、液体媒体又は固体媒体に分散された気体を含む物質を含む。いくつかの実施形態では、発泡体は固体媒体に分散された気体を含み、固体媒体は喫煙材を含む。いくつかの実施形態では、固体媒体は喫煙材からなる、又は実質的に全部が喫煙材からなる。発泡体は、開放セル発泡体でもよく、独立気泡発泡体でもよく、又は開放セルと独立気泡の両方を含む発泡体でもよい。いくつかの実施形態では、開放セル発泡体は、使用時に発泡体を通る流体の流れが喫煙材の揮発成分を受け取ることを可能にする。いくつかの実施形態では、独立気泡発泡体は、使用時に発泡体を通る流体の流れが喫煙材の揮発成分を受け取ることを可能にするように多孔質とすることができる。いくつかの実施形態では、発泡体は、加熱すると開放セル発泡体になる独立気泡発泡体とすることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、固体媒体は担体を含み、担体は、例えば、でんぷんリグニンなどのセルロース又はでんぷんとすることができる。喫煙材は、担体と混合されてもよい。いくつかの実施形態では、固体材料は、伝熱を促進するように熱伝導性があってもよい。いくつかの実施形態では、下記のように、固体材料は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材を含んでもよい。
【0033】
本書では、用語「加熱材」又は「ヒーター材」は、変動磁場の侵入によって加熱可能な材料を指す。
【0034】
誘導加熱は、導電性物体に変動磁場を侵入させることによってその物体を加熱するプロセスである。このプロセスは、ファラデーの電磁誘導の法則及びオームの法則によって説明される。誘導ヒーターは、電磁石と、この電磁石に交流電流などの変動電流を流すための装置を備えることができる。加熱しようとする物体と電磁石が、電磁石によって生じた変動磁場がこの物体に侵入するような適切な相対位置に配置されると、この物体内に1つ以上の渦電流が発生する。この物体は電流の流れに対する抵抗を有する。したがって、この物体内にこのような渦電流が発生すると、渦電流が物体の電気抵抗に抗して流れ、それによってこの物体が加熱される。このプロセスは、ジュール加熱、オーム加熱、又は抵抗加熱と呼ばれる。誘導加熱することができる物体は、サセプタとして知られている。
【0035】
サセプタが閉回路の形態のときは、使用時におけるサセプタと電磁石との磁気結合が強くなり、その結果、ジュール加熱が増大し、又は改善されることが分かっている。
【0036】
磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料からなる物体に変動磁場が侵入することによって物体を加熱するプロセスである。磁性材料は、原子スケールの磁石すなわち磁気双極子を多く含んでいると考えることができる。磁場がこのような材料に侵入すると、磁気双極子は磁場に沿って整列する。したがって、交流磁場(例えば、電磁石によって生じたもの)などの変動磁場が磁性材料に侵入すると、磁気双極子の向きは、印加された変動磁場に応じて変化する。このような磁気双極子の再配向によって、磁性材料内に熱が発生する。
【0037】
物体が導電性及び磁性の両方を有するときは、その物体に変動磁場を侵入させると、物体にジュール加熱及び磁気ヒステリシス加熱の両方を生じさせることができる。さらに、磁性材料を使用すると、磁場を強めることができ、それによりジュール加熱を強めることができる。
【0038】
上記のプロセスの各々において、熱は、外部熱源によって熱伝導により発生するのではなく、物体自体の内部で発生するので、物体内の急速な温度上昇と、より均一な熱分布を達成することができる。これは、特に、物体の材料及び幾何形状を適切に選び、その物体に対して変動磁場の大きさ及び向きを適切に選ぶことによって達成することができる。さらに、誘導加熱及び磁気ヒステリシス加熱では、変動磁場の源と物体との間に物理的な接続部を設ける必要がないので、設計自由度及び加熱プロファイルの制御性を高めるとともに、コストを抑えることができる。
【0039】
図1を参照すると、本発明の実施形態による物品の例の概略透視図が示されている。物品1は、喫煙材を含む発泡体20を備える。物品1は、
図9に示し下記で説明する装置100など、喫煙材を燃焼させることなく喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置とともに使用するためのものである。
【0040】
この実施形態では、発泡体20は円筒状のロッドの形態である。ロッドは実質的に円形の断面を有する。発泡体は、物品1の一端から物品の反対側の端部まで延在する。したがって、使用時、空気は、物品1の一端で発泡体20内に引き込むことができ、その空気は、発泡体20を通過して、喫煙材から放出された揮発成分を受け取ることができ、次いで、典型的には蒸気又はエアロゾルの形態の揮発成分は、物品1の反対側の端部で発泡体20から引き出すことができる。物品1が細長いこの実施形態では、発泡体20がその間を延在する物品1のこれらの端部は、物品1の長手方向の両端である。しかしながら、他の実施形態では、これらの端部は、物品の任意の2つの反対側にある端部又は側など、物品の任意の2つの端部又は側であってもよい。
【0041】
この実施形態では、発泡体20は固体媒体に分散された気体を含む。すなわち、発泡体20のセルの壁は、例えば、液体ではなく、固体から作られる。固体媒体は、担体及び喫煙材を含む。担体はセルロース又はでんぷんを含むが、他の実施形態では、他の材料を使用してもよい。この実施形態では、気体は空気であるが、他の実施形態では、酸素など、1つ以上の他の気体を使用してもよい。
【0042】
この実施形態の物品1では、発泡体20は開放セル発泡体である。開放セル発泡体を使用すると、使用者は空気を発泡体20内に引き込んで発泡体20の中を流しやすくなる。さらに、使用時に喫煙材が加熱ざれたとき、典型的には蒸気又はエアロゾルの形態の、喫煙材から放出された揮発成分は、使用者によって引き込まれると、発泡体20の開放セルの特性により、発泡体20を通って流れ出やすくなる。
【0043】
この実施形態では、発泡体20は約300Kg/m3の密度を有するが、他の実施形態では、密度は500Kg/m3より低く、例えば200Kg/m3から400Kg/m3の間の密度であってもよい。発泡体20の密度は、使用時、発泡体20の熱伝導率、及び/又は発泡体20の保水量、及び/又は発泡体20を通る流体の流れやすさを所望のレベルにする助けとなるように選ぶことができる。
【0044】
この実施形態の物品1は、発泡体20の周りにカバー10を有する。カバー10は、物品1の輸送中及び使用中に発泡体20が損傷しないように保護する助けとなる。使用中、カバー10はまた、空気の流れが発泡体20に入ってそれを通るように導く助けとなり得、蒸気又はエアロゾルの流れが発泡体20を通ってそれを出るように導く助けとなり得る。
【0045】
この実施形態において、カバー10はラッパー12を備え、ラッパー12は、その自由端が互いに重なるように発泡体20の周りに巻かれる。したがって、ラッパー12は、物品1の周方向の外面のすべて又は大部分を形成する。ラッパー12は、紙、再生タバコなどの再生喫煙材などから形成することができる。この実施形態のカバー10はまた、ラッパー12の重ねられた自由端を互いにくっつける接着剤14を備える。接着剤は、例えば、アラビアゴム、天然樹脂又は合成樹脂、でんぷん、及びニスのうちの1つ以上を含むことができる。接着剤14は、ラッパー12の重ねられた自由端が離れるのを防ぐ助けとなる。
図1では、ラッパー12に対する接着剤14の大きさは、分かりやすくするために強調されていることに留意されたい。
【0046】
カバー10は、物品1の外面を画定し、使用時、装置と接触することができる。この実施形態において、物品1は、実質的に円形の断面を有する細長い円筒状である。しかしながら、他の実施形態では、物品は、円形以外の断面を有してもよく、及び/又は細長くなくてもよく、及び/又は円筒状でなくてもよい。この実施形態では、物品1は、紙巻タバコに近い大きさを有する。カバー10は、使用時に装置から発泡体20に熱エネルギーを伝えるために熱伝導性材料から作ることができる。
【0047】
図2及び3を参照すると、本発明の実施形態による別の物品の例の概略透視図及び概略断面図が示されている。
図1の物品1には、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材がない。
図2及び3の物品2は、
図2及び3の物品2がそのような加熱材を含むことを除けば、
図1の物品1と同一である。したがって、説明を簡潔にするために、2つの実施形態に共通の特徴は再び詳細には説明しない。物品2は、
図9に示し下記で説明する装置100など、喫煙材を燃焼させることなく喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置とともに使用するためのものである。
図1の物品1に対して本書で説明した可能な変形のいずれも、
図2及び3の物品2に対してなされて個別の各実施形態を形成することができる。
【0048】
この実施形態では、カバー10及び発泡体20に加えて、物品2は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材を含む。加熱材は喫煙材と熱接触している。したがって、加熱材は、使用時、喫煙材を加熱するために加熱可能である。より詳細には、物品2は、発泡体20の中に分散された要素30を備え、要素30のそれぞれは加熱材を含む。要素30は、発泡体20の中に均等に、又は実質的に均等に分散される。このように実質的に均等に分配することは、使用時に喫煙材を実質的に均等に加熱する助けとなる。他の実施形態では、要素30は、その代わりに、物品の第1の領域が、第2の領域よりも加熱材の密度又は割合が高くなるように、発泡体20の中に不均等に分散することができる。このように要素30を不均等に分配することは、第1の領域の喫煙材を第2の領域よりも速く加熱することができ、その結果、第1の領域は第2の領域の前に揮発成分を放出するので、使用時に喫煙材を漸進的に加熱する助けとなることができる。第1の領域はまた、使用時、第2の領域よりも高い最高温度に達することができる。
【0049】
この実施形態では、要素30のそれぞれは加熱材の閉回路を含む。より詳細には、要素30のそれぞれはループ状である。さらにより詳細には、この実施形態では、要素30のそれぞれはリング状である。ループ状の要素は、閉回路を生成するように出発点と到着点が同じ点の経路を画定する任意の形状のものとすることができるが、リング状の要素は必ず円形又は実質的に円形である。リング状の要素は、重量に対する表面積の比が比較的大きく、そのことは、要素30が重力による沈殿によって密集しようとすることを避ける助けとなり得る。リング状の要素は、直径に対する断面積の比を小さくすることができる。したがって、変動磁場を受けたときのリング内の循環電流は、サセプタが厚すぎる場合のようにその「表皮」だけに限定されるのではなく、リングのほとんど又はすべてに侵入することができる。したがって、材料をより効率的に使用することとなって、コストが削減される。この実施形態では、要素30のそれぞれは全体又は実質的に全体が加熱材からなる。しかしながら、他の実施形態では、要素30のうちの1つ以上は、加熱材がなく加熱材の閉回路を担持するループ状又はリング状の本体を備えてもよい。例えば、要素のうちの1つ以上は、被覆された加熱材の閉回路を有する加熱材がないリング状の本体を備えてもよい。
【0050】
この実施形態の変形では、要素30のうちのいくつか又はそれぞれは、不規則な形状、球状、粒子、又は分離した撚線であってもよい。分離した加熱材の撚線の場合には、撚線は互いに重なって、及び/又は接触して加熱材の1つ以上の閉回路を画定してもよい。撚線はすべて同じ加熱材から作ることができる。撚線は直線状、又は、例えば、螺旋状などの曲線状であってもよい。いくつかの実施形態では、上記のように、要素30のそれぞれは、加熱材がなく加熱材を担持する本体を備えてもよい。本体に担持された加熱材は閉回路の形態とすることができる。
【0051】
図示の実施形態の変形では、加熱材は閉回路を形成しなくてもよい。すなわち、要素30には加熱材の閉回路がなくてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、要素30は、第1の材料の要素と、第1の材料とは異なる第2の材料の要素とを含むことができる。第1の材料と第2の材料は、所与の変動磁場によって異なる速度で加熱可能とすることができる。
【0053】
図4及び5を参照すると、本発明の実施形態による別の物品の例の概略透視図及び概略断面図が示されている。
図4及び5の物品3は、物品3が変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材を含むことを除けば、
図1を参照して上記で説明した物品1と同一である。したがって、説明を簡潔にするために、2つの実施形態に共通の特徴は再び詳細には説明しない。物品3は、
図9に示し下記で説明する装置100など、喫煙材を燃焼させることなく喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置とともに使用するためのものである。
図1の物品1に対して本書で説明した可能な変形のいずれも、
図4及び5の物品3に対してなされて個別の各実施形態を形成することができる。
【0054】
この実施形態では、カバー10及び発泡体20に加えて、物品3は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材を含む。より詳細には、物品2は、発泡体20の中に加熱材の本体40を備える。加熱材は喫煙材と熱接触している。したがって、加熱材は、使用時、喫煙材を加熱するために加熱可能である。この実施形態では、発泡体20は、本体40の加熱材に固定されている。これは、発泡体20を本体40に接着することによって達成される。しかしながら、他の実施形態では、この固定は接着以外によるものでもよい。いくつかの実施形態では、発泡体20は、このように加熱材に固定されなくてもよい。
【0055】
この実施形態では、加熱材の本体40は細長く、発泡体20の一端から発泡体20の反対側の端部まで延在する。これは、使用時に発泡体20の喫煙材をより均一に加熱する助けとなり得る。しかしながら、他の実施形態では、加熱材の本体40は、発泡体20の両端のいずれにも延在しなくてもよく、又は、発泡体20の端部の一方までのみ延在し、発泡体20の端部の他方からは離間してもよい。
【0056】
この実施形態では、加熱材の本体40は、物品3の一端から物品3の反対側の端部まで延在する。これは、物品3の製造の助けになり得る。しかしながら、他の実施形態では、加熱材の本体40は、物品3の両端のいずれにも延在しなくてもよく、又は、物品3の端部の一方までのみ延在し、物品3の端部の他方からは離間してもよい。
【0057】
この実施形態では、加熱材の本体40は、物品3の長手方向軸と実質的に揃えられた長手方向軸に沿って延在する。これは、物品3の製造の助けになり得る。この実施形態では、揃えられた軸は一致する。この実施形態の変形では、揃えられた軸は互いに平行であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、軸は互いに傾けてもよい。
【0058】
この実施形態では、加熱材の本体40は発泡体20によって取り囲まれる。すなわち、発泡体20は加熱材の本体40の周りに延在する。加熱材の本体40が発泡体20の両端のいずれにも延在しない実施形態では、発泡体20は、加熱材の本体40の周りに延在し、加熱材の本体40の端部を覆うこともでき、その結果、加熱材の本体40は発泡体20によって取り囲まれる。
【0059】
この実施形態では、本体40は空気又は揮発材に対して透過性がなく、実質的に切れ目がない。したがって、本体40は比較的容易に製造することができる。しかしながら、この実施形態の変形では、本体40は、空気に対して透過性があってもよく、及び/又は、喫煙材が加熱されたときに生成される揮発材に対して透過性があってもよい。本体40にこのような透過性があると、空気が物品3を通過して、喫煙材が加熱されたときに生成される揮発材を受け取る助けとなり得る。
【0060】
この実施形態では、加熱材の本体40は、その長さに垂直な矩形、又は実質的に矩形の断面を有する。加熱材の本体40は、2つの副面によって接合された反対側を向いた2つの主面を有する。したがって、本体40の奥行き又は厚さは、本体40の他の寸法に比べると比較的短い。しかしながら、他の実施形態では、本体40は、円形、楕円形、環状、多角形、方形、三角形、X字形、T字形、星形、又は放射状フィン形など、矩形以外の形状の断面を有することができる。
【0061】
この実施形態では、加熱材の本体40の断面は、本体40の長さに沿って一定である。さらに、この実施形態では、加熱材の本体40は、平面状、又は実質的に平面状である。この実施形態の加熱材の本体40は、平坦な帯板又はリボンと考えることができる。しかしながら、他の実施形態ではその限りではない。
【0062】
いくつかの実施形態では、加熱材の本体40は平面状でなくともよい。例えば、本体40は、波状の経路又は波打った経路を辿ってもよく、ねじれていてもよく、ひだ状、螺旋状、渦巻状であってもよく、上に突起を有する、及び/又は中にぎざぎざを有する板又は片又はリボンを備えてもよく、網目を備えてもよく、展伸金属を備えてもよく、又は不均一で平面状でない形状を有してもよい。このような平面状でない形状は、空気が物品を通過して、喫煙材が加熱されたときに生成される揮発材を受け取る助けとなり得る。平面状でない形状によって、空気は曲がりくねった経路を辿り、空気に乱流が生じ、加熱材から喫煙材への熱伝達がより良くなり得る。平面でない形状によって、また、本体40の単位長さ当たりの加熱材の本体40の表面積を大きくすることもできる。これは、本体40のジュール加熱を増大させる、又は改善することができ、したがって、喫煙材の加熱を増大させる、又は改善することができる。いくつかの実施形態では、加熱材の本体40は、中空又は孔が空いていてもよい。
【0063】
図6、7、及び8を参照すると、本発明の各実施形態による他の物品の例の概略断面図が示されている。
図6の物品4は、物品1の発泡体20の形態を除けば、
図1を参照して上記で説明した物品1と同一である。
図7の物品5は、物品5の発泡体20の形態を除けば、
図2及び3を参照して上記で説明した物品2と同一である。
図8の物品6は、物品6の発泡体20の形態を除けば、
図4及び5を参照して上記で説明した物品3と同一である。説明を簡潔にするために、2つの実施形態に共通の特徴は再び詳細には説明しない。物品4、5、6のそれぞれは、
図9に示し下記で説明する装置100など、喫煙材を燃焼させることなく喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置とともに使用するためのものである。
【0064】
図1の物品1に対して本書で説明した可能な変形のいずれも、
図6の物品4に対してなされて個別の各実施形態を形成することができる。同様に、
図2及び3の物品2に対して本書で説明した可能な変形のいずれも、
図7の物品5に対してなされて個別の各実施形態を形成することができ、
図4及び5の物品3に対して本書で説明した可能な変形のいずれも、
図8の物品6に対してなされて個別の各実施形態を形成することができる。
【0065】
図6、7、及び8の物品4、5、6の各々において、発泡体20の第1の部分20aは第1の密度を有し、発泡体20の第2の部分20bは第2の密度を有する。これらの実施形態では、第2の密度は第1の密度より高いが、これらの実施形態に対する各変形では、第1の密度は第2の密度より高くしてもよい。図を考慮すると認識されるように、発泡体20の第1の部分20aと第2の部分20bは、細長い物品4、5、6の長さに沿った異なる位置に配置される。したがって、使用時、蒸気又はエアロゾルは、発泡体20の第1の部分20a及び第2の部分20bの一方から発泡体20の第1の部分20a及び第2の部分20bの他方を通って流れる。発泡体20の第1の部分20a及び第2の部分20bは、カバー10によって一緒になるように保持することができる。
【0066】
発泡体20の第1の部分20aと第2の部分20bをそれぞれ異なる密度にすると、使用時のそれらの相対的な強度、相対的な質量、相対的な熱伝導率、空気流に対する相対的な抵抗、それらが含む喫煙材の相対的な量、及び、使用時、喫煙材の揮発成分を放出する相対的な速度など、発泡体20の第1の部分20aと第2の部分20bの様々な相対的な特性を決定する、又はそれらに影響を及ぼす助けとなることができる。密度はまた、物品の質量中心を決定する、又は影響を及ぼす助けとなることができる。
【0067】
密度は異なるが、他は同一である発泡体は、使用時、異なる速度で熱くなることができる。したがって、発泡体20の第1の部分20aと第2の部分20bを異なる密度にすると、加熱材の加熱によって、物品4を漸進的に加熱することができる。
【0068】
図7の実施形態では、喫煙材を含む要素30は、発泡体20全体に均等に、又は実質的に均等に分散される。これに代えて、他の実施形態では、発泡体20の第1の部分20a内の要素30の分配密度は、発泡体20の第2の部分20b内のそれとは異なるようにしてもよい。例えば、発泡体20の第1の部分20a内の要素30の分配密度は、発泡体20の第2の部分20b内よりも低くしてもよく、又は、発泡体20の第2の部分20b内の要素30の分配密度は、発泡体20の第1の部分20a内よりも低くしてもよい。
【0069】
図8の実施形態の変形では、その代わりに、発泡体20の密度を、加熱材の本体40からの距離とともに変えることができる、又は、加熱材の本体40からの距離、及び加熱材の本体40に沿う距離の両方とともに変えることができる。これは、使用時、物品が加熱されるときにエアロゾルの放出量を調節する助けとなることができる。例えば、発泡体20の第1の部分と第2の部分は、相対的に発泡体の密度の高い部分を発泡体の密度の低い部分よりも加熱材の本体40の近くにするように配置することができる。これに代えて、発泡体の密度の低い部分を相対的に発泡体の密度の高い部分よりも加熱材の本体40の近くにしてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、発泡体の第1の部分及び第2の部分のうちの一方は管状で加熱材の本体40を取り囲み、発泡体の第1及び第2の部分のうちの他方は管状で発泡体の第1の部分及び第2の部分のうちの他方を取り囲むことができる。
【0070】
加熱材を含む上記の実施形態の各々において、加熱材は鋼である。しかしながら、他の実施形態では、加熱材は、導電性材料、磁性材料、及び磁性導電性材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、加熱材は金属又は金属合金を含むことができる。いくつかの実施形態では、加熱材は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ以上の材料を含むことができる。他の(1つ以上の)加熱材は、他の実施形態で使用することができる。加熱材として磁性導電性材料を用いると、使用時、磁性導電性材料と装置の電磁石との磁気結合を強くすることができることが分かっている。これは、磁気ヒステリシス加熱を潜在的に可能にすることに加えて、加熱材のジュール加熱を増大させる、又は改善することができ、したがって、喫煙材の加熱を増大させる、又は改善することができる。
【0071】
図2~8に示す物品2、3、5、6の各々において、加熱材は喫煙材と面接触している。したがって、加熱材が変動磁場の侵入によって加熱されると、熱を加熱材から直接喫煙材に伝達することができる。他の実施形態では、加熱材は喫煙材と面接触しないようにしてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、物品2、3、5、6は、加熱材がなく加熱材を喫煙材から離間する熱伝導遮蔽物を備えることができる。いくつかの実施形態では、熱伝導遮蔽物は、加熱材のコーティングとすることができる。このような遮蔽物を設けると、熱を分散して加熱材の過熱点を緩和する助けとなるのに有利となり得る。
【0072】
加熱材は、誘導電流及び/又は磁気双極子の誘導再配向のほとんどが生じる外側の領域である表皮深さを有することができる。加熱材の厚さを相対的に薄くすることによって、加熱材の他の寸法に比べて相対的に長い奥行き又は厚さを有する加熱材と比べると、所与の変動磁場によって加熱材のより大きな割合を加熱可能にすることができる。したがって、材料をより効率的に使用することになり、それはコストを削減する。
【0073】
発泡体を使用すると、使用時、発泡体を通る流体の流れによって喫煙材の揮発成分を受け取ることができる表面積を大きくする助けとなることができる。例えば、発泡体を使用すると、例えば、刻みラグ喫煙材ロッドに比べて物品の熱伝導率を高めることができる。これは、喫煙材を、又は物品全体として、より速く、及び/又はより均等に加熱する助けとなることができる。発泡体の使用及び発泡体の特性はまた、物品の強度、物品の熱伝導率、及び物品を通る空気流に対する抵抗を決定する助けとなることができる。
【0074】
発泡体は、喫煙材、結合剤(アルギン酸ナトリウムなど)、増泡剤(ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)など)、及びエアロゾルの形成剤(グリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、又はジエチレングリコールなど)を含んでもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、発泡体は、材料(アルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸など)を水和させてペースト状にすることによって製造することができる。このペーストにエアロゾルの形成剤及び喫煙材(挽き喫煙材の形態など)を加えることができる。増泡剤(ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)など)を加えることができ、これは、気体(空気など)を閉じ込めて発泡体を作る助けとなることができる。クエン酸塩(クエン酸ナトリウム又はクエン酸カルシウムなど)を加えて発泡体の構造を保持する助けにすることができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、発泡体はシートとして作られてから、本発明を具現化する物品に使用するために丸くされ、又は巻かれてもよい。これに代えて、発泡体はシートとして作られてから、本発明を具現化する物品に使用するための発泡体の一部分をシートから打ち出される、又は切断されてもよい。これに代えて、発泡体はシートとして作られてから、本発明を具現化する物品に使用するために細断されてもよい。形成された発泡体の細片は結合されてロッドを形成してもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、発泡体は、バンド流延プロセスを用いて製造された(喫煙材を含む)シート材から作られてもよい。このプロセス自体は、シート材にいくらかの多孔性を与える。シート材の充填値を上げるために、フォーミングを導入して低密度の構造空孔を増やすことができる。したがって、シート材の空隙率、密度、及び空隙サイズを調節することができる。例えば、4~7.5%(重量%など)の量で活性炭をシート材に組み込んでもよい。炭素の微細構造のかなりの部分は保たれ、シート作成プロセスによって被覆されることがないことが分かった。
【0078】
いくつかの実施形態では、発泡体は、再生タバコなどの再生喫煙材を含むことができる。再生喫煙材の製造中に、例えば、ベースとなるウェッブ/繊維及び液体抽出物の個別のプロセス中に、増泡することができる(1つ以上の)成分を導入する融通性がある。
【0079】
上記の2つのプロセスは、柔軟であるが、使用時に良好な圧力降下にするのに、したがってエアロゾルが良好に材料を通って流れることができるのに十分低密度で高硬度なシート材を形成するために使用可能である。
【0080】
いくつかの実施形態では、喫煙材は、抽出物として発泡基材に塗布されてもよい。発泡基材は、発泡再生喫煙材又は発泡不活性材であってもよい。不活性材には喫煙材がなくてもよい。
【0081】
上記の物品1、2、3、4、5、6の各々、及びそれらの上記の変形は、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置とともに使用することができる。この装置は、喫煙材を燃焼させることなく喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するためのものとすることができる。(1つ以上の)物品1、2、3、4、5、6のいずれか1つ及びこのような装置は、システムとして一緒に提供することができる。システムは、物品1、2、3、4、5、6が装置とは別個のものであるキットの形態を採ってもよい。これに代えて、システムは、物品1、2、3、4、5、6が装置と組み合わされている組立体の形態を採ってもよい。次に、
図9を参照してシステムの例を説明する。
【0082】
図9を参照すると、本発明の実施形態によるシステムの例の概略断面図が示されている。この実施形態のシステム1000は、喫煙材を含む発泡体を備えた物品4と、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように物品4の喫煙材を加熱するための装置100とを備える。この実施形態では、システム1000の物品4は
図6の物品4である。しかしながら、他の実施形態では、システム1000の物品は、
図1~5、7及び8の物品1、2、3、5、6のうちの1つなど、
図6の物品4以外の物品であってもよい。概して、装置100は、物品4の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域111を備える。この実施形態では、装置100は、加熱領域111を加熱するためのヒーター115を備え、ヒーター115は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材を含み、装置100はまた、ヒーター115の加熱材に侵入する変動磁場を発生させるための磁場発生器112を備える。
【0083】
この実施形態の装置100は、本体110と吸い口120とを備える。吸い口120は、プラスチック材、厚紙、酢酸セルロース、紙、金属、ガラス、セラミック、又はゴムなどの任意の適切な材料で作ることができる。吸い口120は、それを貫通する通路122を画定する。吸い口120は、加熱領域111内への開口を覆うように本体110に対して配置可能である。吸い口120を本体110に対してこのように配置すると、吸い口120の通路122は、加熱領域111と流体連通する。使用時、通路122は、揮発材が加熱領域111に挿入された物品から装置100の外部に流れることを可能にする通路として働く。この実施形態では、装置100の吸い口120は、本体110に吸い口120を接続するように、本体110と取外し可能に係合可能である。他の実施形態では、吸い口120は、蝶番又は可撓性部材などによって、本体110と永続的に接続することができる。物品自体が吸い口を備える実施形態などのいくつかの実施形態では、装置100の吸い口120を省略することができる。
【0084】
装置100は、加熱領域111を装置100の外部と流体接続する空気入口を画定することができる。このような空気入口は、装置100の本体110及び/又は装置100の吸い口120によって画定することができる。使用者は、吸い口120の通路122を通して(1つ以上の)揮発成分を引き込むことによって喫煙材の(1つ以上の)揮発成分を吸入することができる。(1つ以上の)揮発成分が物品から出ると、空気は、装置100の空気入口を経て加熱領域111内に引き込むことができる。
【0085】
この実施形態では、本体110は加熱領域111を備える。この実施形態では、加熱領域111は、物品4の少なくとも一部分を受け入れるための凹部111を備える。他の実施形態では、加熱領域111は、凹部以外、例えば、棚、面、又は突起であってもよく、また、物品1、2、3、4、5、6と協働するため又はそれを受け入れるために物品1、2、3、4、5、6との機械的な嵌合を必要としてもよい。この実施形態では、加熱領域111は細長く、物品4を受け入れるような大きさと形状である。この実施形態では、加熱領域111は物品4全体を収容する。他の実施形態では、加熱領域111は物品1、2、3、4、5、6の一部分だけ受け入れるような大きさであってもよい。
【0086】
この実施形態では、磁場発生器112は、電源113と、コイル114と、コイル114に交流電流などの変動電流を流すためのデバイス116と、制御器117と、制御器117を使用者が操作するためのユーザインターフェース118とを備える。
【0087】
この実施形態では、電源113は充電式電池である。他の実施形態では、電源113は、例えば、非充電式電池、キャパシタ、電池-キャパシタハイブリッド、又は商用電源への接続部など、充電式電池以外とすることができる。
【0088】
コイル114は任意の適切な形態を採ることができる。この実施形態では、コイル114は、銅などの導電性材料の螺旋コイルである。いくつかの実施形態では、磁場発生器112は、コイル114が巻かれた透磁性コアを備えることができる。このような透磁性コアは、使用時、コイル114によって生成される磁束を集中させ、磁場をより強力にする。透磁性コアは、例えば鉄で作ることができる。いくつかの実施形態では、透磁性コアは、コイル114の長さに沿って部分的にだけ延在して、特定の領域のみに磁束を集中させることができる。いくつかの実施形態では、コイルは平面コイルでもよい。すなわち、コイルは2次元の渦巻体であってもよい。
【0089】
この実施形態では、コイル114は、ヒーター115及び加熱領域111に対して固定された位置にある。この実施形態では、コイル114はヒーター115及び加熱領域111を取り囲む。この実施形態では、コイル114は、加熱領域111の長手方向軸A-Aと実質的に揃えられた長手方向軸に沿って延在する。この実施形態では、揃えられた軸は一致する。この実施形態の変形では、揃えられた軸は互いに平行であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、軸は互いに傾けてもよい。さらに、この実施形態では、コイル114は、ヒーター115の長手方向軸と実質的に一致する長手方向軸に沿って延在する。これは、使用時にヒーター115をより均一に加熱する助けとなり得、また、装置100の製造性にも助けになり得る。他の実施形態では、コイル114及びヒーター115の長手方向軸は、互いに平行にすることによって互いに揃えることができる、又は、互いに傾けることができる。
【0090】
この実施形態では、コイル114に変動電流を流すためのデバイス116は、電源113とコイル114との間に電気的に接続される。この実施形態では、制御器117もまた、電源113に電気的に接続され、デバイス116に通信可能に接続されてデバイス116を制御する。より詳細には、この実施形態では、制御器117はデバイス116を制御して、電源113からコイル114への電力の供給を制御するためのものである。この実施形態では、制御器117は、プリント回路基板(PCB:printed circuit board)上の集積回路(IC:integrated circuit)などのICを備える。他の実施形態では、制御器117は異なる形態を採ることができる。いくつかの実施形態では、本装置は、デバイス116及び制御器117を備える単一の電気又は電子構成部品を有することができる。この実施形態では、制御器117は、ユーザインターフェース118を使用者が操作することによって動作する。この実施形態では、ユーザインターフェース118は、本体110の外側に配置される。ユーザインターフェース118は、押しボタン、トグルスイッチ、ダイヤル、タッチスクリーンなどを備えることができる。他の実施形態では、ユーザインターフェース118は遠隔にあって、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))などによって装置の残りの部分に無線で接続することができる。
【0091】
この実施形態では、使用者がユーザインターフェース118を操作すると、制御器117は、デバイス116に、コイル114に交流電流を流してコイル114に交流磁場を発生させる。装置100のコイル114とヒーター115は、コイル114によって生成された交流磁場がヒーター115の加熱材に侵入するような適切な相対位置に配置されている。ヒーター115の加熱材が導電性材料のとき、これは、加熱材に1つ以上の渦電流を生じさせる。渦電流が加熱材の電気抵抗に抗して加熱材内を流れると、加熱材はジュール加熱によって加熱される。この実施形態では、加熱材が磁性材料で作られているので、加熱材内の磁気双極子の向きは印加された磁場の変化に応じて変化し、それによって、加熱材内に熱が生成される。
【0092】
ヒーター115は、その長さに沿った各位置で実質的に同じ量の熱を出力する。したがって、物品4の発泡体20は、その長さに沿って実質的に均一に加熱される。発泡体20の第1の部分20aと第2の部分の密度は互いに異なるので、使用時、発泡体20の第1の部分20a及び第2の部分20bのうちの一方は、他方より前に加熱することができる。例えば、発泡体20の密度の高い部分は、発泡体の密度の低い部分よりも速く熱くなることができる。
【0093】
この実施形態では、磁場発生器112のコイル114のインピーダンスは、ヒーター115のインピーダンスと等しい、又は実質的に等しい。もしも、その代わりに、ヒーター115のインピーダンスがコイル114のインピーダンスよりも低い場合、使用時のヒーター115の両端間に発生する電圧は、インピーダンスを一致させたときにヒーター115の両端間に生成することができる電圧よりも低くなる可能性がある。或いは、その代わりに、ヒーター115のインピーダンスがコイル114のインピーダンスよりも高い場合、使用時のヒーター115に発生する電流は、インピーダンスを一致させたときにヒーター115に生成することができる電流よりも低くなる可能性がある。
図2及び3の物品2、3のうちの1つを備えるシステム1000の実施形態では、同様に、コイル114のインピーダンスは、加熱材を含む物品2、3、5、6の部分のインピーダンスと等しい、又は実質的に等しくすることができる。インピーダンスを一致させると、使用中の加熱時に、ヒーター115又は物品2、3、5、6の加熱材に発生する加熱電力を最大にするために電圧と電流とのバランスをとる助けとなり得る。いくつかの実施形態では、デバイス116のインピーダンスは、コイル114とヒーター115の組み合わせたインピーダンスと等しい、又は実質的に等しくすることができる。
【0094】
この実施形態の装置100は、加熱領域111の温度を検知するための温度センサ119を備える。温度センサ119は、制御器117に通信可能に接続され、その結果、制御器117は加熱領域111の温度を監視することができる。制御器117は、加熱領域111の温度を所定の温度範囲内に確実に維持するために、温度センサ119から受信された1つ以上の信号に基づいて、必要に応じてコイル114に流す変動電流又は交流電流の特性をデバイス116に調節させることができる。この特性は、例えば、振幅又は周波数又は負荷サイクルとすることができる。使用時、加熱領域111内に配置された物品1、2、3、4、5、6内の喫煙材は、所定の温度範囲で、喫煙材を燃焼させることなく喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるのに十分な加熱がなされる。したがって、制御器117、及び装置100は全体として、喫煙材を燃焼させることなく喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するように構成される。いくつかの実施形態では、温度範囲は、約50℃~約300℃、例えば、約50℃と約250℃との間、約50℃と約150℃との間、約50℃と約120℃との間、約50℃と約100℃との間、約50℃と約80℃との間、又は約60℃と約70℃との間である。いくつかの実施形態では、温度範囲は約170℃と約220℃との間である。他の実施形態では、温度範囲は、この範囲以外であってもよい。いくつかの実施形態では、温度範囲の上限は300℃よりも高くすることができる。いくつかの実施形態では、温度センサ119を省略することができる。いくつかの実施形態では、加熱材は、加熱材を加熱しようとする最高温度に基づいて選択されたキュリー点温度を有することができ、その結果、加熱材を誘導加熱することによってその温度より高くさらに加熱することを妨げる又は防ぐ。
【0095】
図9に示すシステム1000の変形の実施形態では、装置100と物品2、3、5、6が、物品2、3、5、6が加熱領域111の適切な相対位置になるように配置されると、コイル114が、物品2、3、5、6の加熱材に侵入する交流又は別の変動磁場を発生するように構成することができる。物品2、3、5、6の加熱材が導電性材料のとき、これは、加熱材に1つ以上の渦電流を生じさせる。渦電流が加熱材の電気抵抗に抗して加熱材内を流れると、加熱材はジュール加熱によって加熱される。上記のように、加熱材が磁性材料で作られているとき、加熱材内の磁気双極子の向きは印加された磁場の変化に応じて変化し、それによって、加熱材内に熱が生成される。いくつかの実施形態では、物品の部分が加熱領域111内にあるとき、装置100のヒーター115の加熱材で発生した熱が物品2、3、5、6に伝達されて、物品内の喫煙材を加熱する、又はさらに加熱することができる。他の実施形態では、装置100からヒーター115を省略してもよい。
【0096】
上記の実施形態の各々において、装置100は、誘導加熱を用いて加熱材を加熱するように、したがって喫煙材を加熱するように構成される。しかしながら、他の実施形態では、装置は、抵抗加熱など、異なった加熱形態を用いるように構成することができる。いくつかのこのような実施形態では、装置100から磁場発生器112を省略してもよい。
【0097】
上記の実施形態の各々において、喫煙材はタバコを含んでいる。しかしながら、これらの実施形態の各々に対する各変形例では、喫煙材は、タバコのみからなるものであってもよいし、ほぼ全体がタバコのみからなるものであってもよいし、タバコとタバコ以外の喫煙材とを含むものであってもよいし、タバコ以外の喫煙材を含むものであってもよいし、タバコを含まないものであってもよい。いくつかの実施形態では、喫煙材は、蒸気又はエアロゾルの形成剤や、保湿剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、又はジエチレングリコール)を含んでいてもよい。
【0098】
本発明を具現化する物品は、例えば、カートリッジとすることができる。
【0099】
上記の実施形態の各々において、物品1、2、3、4、5、6は消耗品である。物品1、2、3、4、5、6内の喫煙材の(1つ以上の)揮発可能な成分のすべて又は実質的にすべてが消費されると、使用者は、装置から物品1、2、3、4、5、6を取り外して、物品1、2、3、4、5、6を処分することができる。使用者は、引き続き、物品1、2、3、4、5、6の別のもので装置を再使用することができる。しかしながら、他の各実施形態では、物品1、2、3、4、5、6は消耗品でないものとすることができ、喫煙材の(1つ以上の)揮発可能な成分が消費されると、装置と物品1、2、3、4、5、6とを一緒に処分することができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、上記の装置は、装置とともに使用可能な物品1、2、3、4、5、6とは別個に販売され、供給され、又はその他の方法により提供される。しかしながら、いくつかの実施形態では、装置及び1つ以上の物品1、2、3、4、5、6を、キットや組立体などのシステムとして、場合によっては清掃器具などの追加の構成要素とともに一緒に提供してもよい。
【0101】
様々な課題に対処し、技術を進歩させるため、本開示はその全体にわたって様々な実施形態を例証及び例示によって示している。これらの実施形態において、特許請求された発明を実施することが可能である。これらの実施形態は、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置とともに使用するための優れた物品と、そのような装置を備えた優れたシステムと、そのような物品とを提供する。本開示の利点及び特徴は、実施形態のうち代表的な例のものにすぎず、すべての利点や特徴を網羅したものでもなければ、他の利点や特徴を排除するものでもない。これらは、特許請求の範囲などに開示される特徴の理解と教示を助けるためだけに提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の側面は、特許請求の範囲によって規定されたとおりに本開示を限定するもの、或いは特許請求の範囲の均等物を制限するものと考えるべきではなく、本開示の範囲及び/又は趣旨から逸脱することなく他の実施形態を利用し、変形を施すことができることを理解されたい。様々な実施形態が、開示された要素、構成、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組合せを適切に備え、それらのみから構成され、或いは実質的にそれらから構成されてもよい。本開示は、特許請求の範囲に現在は記載されていないが将来記載される可能性のある他の発明を含む可能性がある。
【0102】
以下の番号付けされた実施形態が開示される。
(実施形態1)
喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように前記喫煙材を加熱するための装置とともに使用するための物品であって、喫煙材を含む発泡体を含む物品。
(実施形態2)
前記発泡体が固体媒体に分散された気体を含む、実施形態1に記載の物品。
(実施形態3)
前記固体媒体が喫煙材を含む、実施形態2に記載の物品。
(実施形態4)
前記発泡体が開放セル発泡体である、実施形態1に記載の物品。
(実施形態5)
前記発泡体が前記物品の一端から前記物品の反対側の端部まで延在する、実施形態1に記載の物品。
(実施形態6)
前記発泡体の第1の部分が第1の密度を有し、前記発泡体の第2の部分が第2の密度を有し、前記第2の密度が前記第1の密度より高い、実施形態1に記載の物品。
(実施形態7)
細長い物品であって、前記発泡体の前記第1の部分及び前記第2の部分が、前記物品の長さに沿った異なる位置に配置された、実施形態6に記載の物品。
(実施形態8)
変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材をさらに含み、前記加熱材が前記喫煙材と熱接触している、実施形態1に記載の物品。
(実施形態9)
前記発泡体が前記加熱材に固定されている、又は接着されている、実施形態8に記載の物品。
(実施形態10)
加熱材は、本体が前記物品の一端から前記物品の反対側の端部まで延在する形態である、実施形態8に記載の物品。
(実施形態11)
前記加熱材が、導電性材料、磁性材料、及び磁性導電性材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含む、実施形態8に記載の物品。
(実施形態12)
前記加熱材が金属又は金属合金を含む、実施形態8に記載の物品。
(実施形態13)
前記加熱材が、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ以上の材料を含む、実施形態8に記載の物品。
(実施形態14)
前記発泡体の中に分散された要素を備え、前記要素のそれぞれが変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材を含み、前記加熱材が前記喫煙材と熱接触している、実施形態1に記載の物品。
(実施形態15)
前記要素が、前記発泡体の中に均等に、又は実質的に均等に分散されている、実施形態14に記載の物品。
(実施形態16)
前記要素のそれぞれが前記加熱材の閉回路を含む、実施形態14に記載の物品。
(実施形態17)
変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材がない、実施形態1に記載の物品。
(実施形態18)
前記喫煙材がタバコ及び/又は1つ以上の保湿剤を含む、実施形態1に記載の物品。
(実施形態19)
喫煙材を含む発泡体を含む物品と、
前記喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように前記喫煙材を加熱するための装置であり、前記物品の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域を備えた装置と
を備えたシステム。
(実施形態20)
前記装置が、前記喫煙材を燃焼させることなく前記喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように前記喫煙材を加熱するためのものである、実施形態19に記載のシステム。