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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】装着具及びカバーユニット
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/28 20060101AFI20220712BHJP
【FI】
A61B17/28
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021190176
(22)【出願日】2021-11-24
【審査請求日】2021-11-24
(31)【優先権主張番号】P 2021031969
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515075692
【氏名又は名称】リバーフィールド株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000114710
【氏名又は名称】ヤマウチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】後谷 好紀
(72)【発明者】
【氏名】服部 英一
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-525034(JP,A)
【文献】特開平07-204211(JP,A)
【文献】特開2012-070926(JP,A)
【文献】米国特許第05261918(US,A)
【文献】独国特許出願公開第102015106252(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0314108(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0351852(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00-90/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用の処置具における処置具先端部を覆うための弾性変形可能な筒状のカバーを前記処置具先端部に外挿するために用いられ、中空筒形状の概形を有する装着具であって、
前記中空筒形状の中心軸方向の一方の端部である挿入端部から始まる外周面からなり外挿された前記カバーを保持するための保持面を有する保持部と、他方の端部を含む内周面からなる挿入ガイド面を有し外周面が前記カバーに覆われないガイド部とを備え、
前記装着具は、前記処置具先端部前記カバーの外挿された状態で、外力を受けることにより前記カバーから脱離する脱離構造を備え、
前記脱離構造において、
前記カバーの内面に対向する前記保持面における前記中空筒形状の中心軸方向に直交する断面の外接円の直径が、前記中空筒形状の中心軸方向に沿って、前記挿入端部から離れるほど大きくなるように、前記ガイド部および前記保持部が前記外力によって変形することにより、前記装着具は前記カバーから脱離することを特徴とする装着具。
【請求項2】
前記挿入ガイド面は、前記他方の端部に向けて内周面の内径が拡径してなる請求項1に記載の装着具。
【請求項3】
前記装着具は、前記脱離構造として、前記中空筒形状の中心軸を含む直線に関して、分割可能な複数の分割材で構成され、前記外力によって前記複数の分割材を離間させることにともなって前記ガイド部および前記保持部が変形する請求項1又は請求項2に記載の装着具。
【請求項4】
前記分割材は、隣り合う前記分割材と互いに係止しあう、係止凸部と係止凹部とをそれぞれ備え、
前記係止凸部と前記係止凹部とで互いに係合することによって全ての前記分割材が一体となった状態で、前記カバー内に押入される請求項3に記載の装着具。
【請求項5】
前記中空筒形状の側面の一部が、一方の端部から他方の端部にかけて切除されてなる前記脱離構造としてのスリットが設けられ、
前記スリットは前記外力によってその幅が変更可能であり、前記処置具先端部への前記カバーの外挿後に前記外力を加えて前記スリットの幅を広げることにともなって前記ガイド部および前記保持部が変形する請求項1又は請求項2に記載の装着具。
【請求項6】
前記保持面よりも前記他方の端部側に径方向に広がるフランジ部を有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の装着具。
【請求項7】
前記保持面の前記中空筒形状の中心軸に沿った方向の長さは3mm以上8mm以下である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の装着具。
【請求項8】
医療用の処置具先端部を覆うための弾性変形可能な筒状のカバーと、
前記カバーを前記処置具先端部に装着するために用いられ、中空筒形状の概形を有する装着具と、を備えるカバーユニットであって、
前記装着具は、
前記中空筒形状の中心軸方向の一方の端部である挿入端部から始まる外周面からなり、外挿された前記カバーを保持するための保持面を有する保持部と、
他方の端部を含む内周面からなる挿入ガイド面を有し、外周面が前記カバーに覆われないガイド部と、
前記処置具先端部前記カバーの外挿された状態で、外力を受けることにより前記カバーから脱離する脱離構造と、
を備え、
前記脱離構造において、
前記カバーの内面に対向する前記保持面における前記中空筒形状の中心軸方向に直交する断面の外接円の直径が、前記中空筒形状の中心軸方向に沿って、前記挿入端部から離れるほど大きくなるように、前記ガイド部および前記保持部が前記外力によって変形することにより、前記装着具は前記カバーから脱離することを特徴とするカバーユニット。
【請求項9】
前記挿入ガイド面は、前記他方の端部に向けて内周面の内径が拡径してなる請求項8に記載のカバーユニット。
【請求項10】
前記処置具先端部は筒状に延びており、
前記中空筒形状は、前記処置具先端部をその中心軸の方向から見たときの外形形状を含む外接円の直径よりも大きな内径を有する請求項9に記載のカバーユニット。
【請求項11】
前記カバーは、JIS-K6253に準拠した硬さにおいてA20より大きくA70未満である請求項8から請求項10のいずれか1項に記載のカバーユニット。
【請求項12】
前記外力は、前記複数の分割材を分離させる力、および分離した状態にある前記装着具を、装着状態にあるときの前記装着具の中心軸方向に引っ張る力を含む、請求項3に記載の装着具。
【請求項13】
前記外力は、前記装着具における前記カバーから遠位な端部に位置するフランジ部を拡径する力を含む、請求項5に記載の装着具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術など医療用の処置具における処置具先端部を覆うカバーと、上記カバーを上記処置具先端部に装着するための装着具とを備えたカバーユニット、及び、上記装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
手術の際に用いる処置具は、精密な構成を有し、種類によっては通電を行う場合や、所定の圧力で空気を供給する場合がある。このため、処置具の機能を保持し、かつ、手術部位等と直接的に接触することを避けるべく、少なくとも患者の体内に挿入される処置具先端部を覆うカバーが装着されることがある。例えば、特許文献1に記載の外科器具では、係止先端部カバーによって処置具先端部の部品が覆われている。上記係止先端部カバーは、外部カバーと係止装置を備え、外部カバーは非導電性の可撓材料で構成される。係止装置の内面に形成されたネジ山を、処置具側に設けたネジ山にかみ合わせることによって、先端部カバーは処置具に係止される。
【0003】
特許文献2には、手術を行なうにあたって、処置具に処置具保護カバーシースを装着するときには装着補助具を使用することが開示されている。図7に示されるように、装着補助具70は、補助具本体71と、この補助具本体71に設けられたU字状の突起部72と、この突起部72に設けられ、補助具本体71を貫通する切欠部73とを備えている。突起部72の最大外径は処置具保護カバーシース55の基端部の内径よりも大きく形成されている。この突起部72には、処置具保護カバーシース55の取手部48が弾性変形されて装着される。このように取手部48で処置具保護カバーシース55を装着補助具70に装着した状態では、切欠部73から処置具が挿入される。装着補助具70は、処置具保護カバーシース55の後端側に空間を確保して処置具の処置部をチューブ体56の内腔に挿入し易くすることができる。
【0004】
特許文献3には、治療用ないし観察用の医療器具の洗滌・消毒・滅菌されていない部分を隔離するための予め滅菌された医療用滅菌カバーにおいて、医療器具を覆うための筒状で薄いシートと、前記シートを収納するために中央に前記医療器具が挿通される挿通部が形成されたリング状の収納箱と、前記収納箱に収納されていない部分のシートを医療器具に固定する固定手段とを有し、前記固定手段は前記挿通部付近に設定可能にしたことを特徴とする医療用滅菌カバーが開示されている。この収納箱は2体に分離可能となってもよいことが特許文献3に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2016-531675号公報
【文献】特開2006-525034号公報
【文献】特開平7-204211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
処置具に対してカバーを装着した状態で手術を行う現場においては、各処置具の滅菌状態の確保、迅速な施術などのために、未使用滅菌状態の処置具へのカバーの取り付けや、処置後の処置具からのカバーの取り外しといった作業を、短時間で確実に行うことが求められる。しかしながら、カバーの装着は、施術者が細長い処置具を一方の手で持った状態で、他方の手でカバーを装着しなければならないため、従来のカバーでは、処置具先端部に密着させつつ処置具の長手方向にカバーを移動させる作業が困難である。特に、処置具先端部に凹凸がある場合や、処置具先端部への密着性を高めるためにカバーを弾性変形可能な柔らかい材料で構成した場合には、カバーの装着作業がさらに難しくなる。このため、カバーの装着作業においては、補助者が処置具を保持した状態で、施術者が両手でカバーの装着作業を行う必要が生じる場合もあり、装着がスムーズに行えないだけでなく、手術の進行に影響を与えてしまうおそれもある。
【0007】
特許文献2には、処置具に処置具保護カバーシース55を装着するときに装着補助具70を使用することが開示されているが、取手部48はチューブ体56よりも硬質に構成されているため、処置具の挿入方向に沿って補助具本体71からまっすぐ外径Dで突出する突起部72に、取手部48を取り付けることは容易でない。また、突起部72から処置具を挿入した後に、突起部72と取手部48とを外す際には、取手部48の内径はすでに通常の状態よりも拡径されて突起部72が挿入されている。さらに、突起部72が取手部48に挿入されたことによって、取手部48に連設されるチューブ体56の端部も拡径されているため、取手部48から突起部72を脱離させるためにさらに取手部48を拡径すれば、チューブ体56の端部において破断が生じる可能性もある。チューブ体56の破断は施術における安全衛生の確保の観点からもっとも避けるべきである。それゆえ、特許文献2に開示される構造では、突起部72を取手部48から引き抜くように移動して、突起部72と取手部48との分離が行われる。
【0008】
ところが、突起部72と取手部48とは、チューブ体56に処置具を挿入する際に処置具がチューブ体56の内面に接しながら移動しても、この摺動摩擦によって分離しない程度に強く密着している。それゆえ、突起部72を取手部48から引き抜くように移動して突起部72と取手部48とを分離させる際にも、取手部48に連設され拡径されているチューブ体56の端部に強い負荷が加わる可能性がある。
【0009】
以上説明したように、特許文献2に開示される突起部72と取手部48との分離は、チューブ体56が破断しないように、きわめて慎重に行われる必要がある。このため、本来、患者への施術のために用いるべき施術スタッフの集中力がこの分離作業へと分散されてしまう。それゆえ、特許文献2に開示される装着補助具70には、さらなる改善が求められている。
【0010】
そこで本発明は、弾性変形可能な材料で構成されたカバーを、医療用の処置具先端部に容易かつ確実に装着することを可能とする装着具、及び、このような装着具を備えたカバーユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の装着具は、医療用の処置具における処置具先端部を覆うための弾性変形可能な筒状のカバーを処置具先端部に外挿するために用いられ、中空筒形状の概形を有する装着具であって、中空筒形状の中心軸方向の一方の端部である挿入端部から始まる外周面からなり外挿されたカバーを保持するための保持面を有する保持部と、他方の端部を含む内周面からなる挿入ガイド面を有し外周面がカバーに覆われないガイド部とを備え、装着具は、処置具先端部へのカバーの外挿後に、カバーから脱離可能とする脱離構造を備え、カバーが外挿された状態において、カバーの内面に対向する保持面における中空筒形状の中心軸方向に直交する断面の外接円の直径が、中空筒形状の中心軸方向に沿って、挿入端部から離れるほど大きくなるように、ガイド部および保持部は変形可能であることを特徴としている。
【0012】
本発明の装着具において、挿入ガイド面は、他方の端部に向けて内周面の内径が拡径してなることが好ましい。
【0013】
本発明の一形態の装着具において、装着具は、脱離構造として、中空筒形状の中心軸を含む直線に関して、分割可能な複数の分割材で構成され、複数の分割材を離間させることにともなってガイド部および保持部が変形することにより、カバーから脱離可能としたことが好ましい。
【0014】
本発明の装着具において、分割材は、隣り合う分割材と互いに係止しあう、係止凸部と係止凹部とをそれぞれ備え、係止凸部と係止凹部とで互いに係合することによって全ての分割材が一体となった状態で、カバー内に押入されることが好ましい。
【0015】
本発明の他の形態の装着具において、中空筒形状の側面の一部が、一方の端部から他方の端部にかけて切除されてなる脱離構造としてのスリットが設けられ、スリットは外力によってその幅が変更可能であり、処置具先端部へのカバーの外挿後に外力を加えてスリットの幅を広げることにともなってガイド部および保持部が変形することにより、カバーから脱離可能としたことが好ましい。
【0016】
本発明の装着具において、保持面よりも他方の端部側に径方向に広がるフランジ部を有することが好ましい。
【0017】
本発明の装着具において、保持面の中空筒形状の中心軸に沿った方向の長さは3mm以上8mm以下であることが好ましい。
【0018】
本発明のカバーユニットは、医療用の処置具先端部を覆うための弾性変形可能な筒状のカバーと、カバーを処置具先端部に装着するために用いられ、中空筒形状の概形を有する装着具と、を備えるカバーユニットであって、装着具は、中空筒形状の中心軸方向の一方の端部である挿入端部から始まる外周面からなり外挿されたカバーを保持するための保持面を有する保持部と、他方の端部を含む内周面からなる挿入ガイド面を有し外周面がカバーに覆われないガイド部と、処置具先端部へのカバーの装着後に、カバーから脱離可能とする脱離構造と、を備え、カバーが外挿された状態において、カバーの内面に対向する保持面における中空筒形状の中心軸方向に直交する断面の外接円の直径が、中空筒形状の中心軸方向に沿って、挿入端部から離れるほど大きくなるように、ガイド部および保持部は変形可能であることを特徴としている。
【0019】
本発明のカバーユニットにおいて、挿入ガイド面は、他方の端部に向けて内周面の内径が拡径してなることが好ましい。
【0020】
本発明のカバーユニットにおいて、処置具先端部は筒状に延びており、中空筒形状は、処置具先端部をその中心軸の方向から見たときの外形形状を含む外接円の直径よりも大きな内径を有することが好ましい。
【0021】
本発明のカバーユニットにおいて、カバーは、JIS-K6253に準拠した硬さにおいてA20より大きくA70未満であることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、弾性変形可能な材料で構成されたカバーを、医療用の処置具先端部に容易かつ確実に装着することを可能とする装着具、及び、このような装着具を備えたカバーユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】本発明の第1実施形態のカバーユニットの構成を示す斜視図である。
図1B】カバーに対して装着具を取り付ける状態を示す斜視図である。
図2】装着具を構成する2つの分割材の構成を示す斜視図である。
図3A】処置具先端部に対して、カバーユニットを装着する前の状態を示す斜視図である。
図3B】処置具先端部の先端側の一部がカバーユニット内に挿入された状態を示す斜視図である。
図4A】処置具先端部がカバーに挿入され、装着具を分割して取り外す過程を示す斜視図である。
図4B】装着具が取り外された、処置具先端部へのカバーの装着が完了した状態を示す斜視図である。
図5A】処置具が挿入されたカバーユニットから装着具を取り外す前の状態を示す説明図である。
図5B】処置具が挿入されたカバーユニットにおいて2つの分割材が分離するように装着具を動かした状態を示す説明図である。
図6A】本発明の第2実施形態における装着具の構成を示す斜視図である。
図6B】本発明の第2実施形態における装着具の構成を示す斜視図である。
図7】従来技術に係る装着補助具を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る装着具及びカバーユニットについて図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1Aは、本発明の第1実施形態のカバーユニット10の構成を示す斜視図である。図1Bはカバー20に対して装着具30を取り付ける状態を示す斜視図である。図2は、装着具30を構成する2つの分割材31、32の構成を示す斜視図である。図3Aは、手術など医療用途に用いられる処置具40の先端部である処置具先端部41に対して、カバーユニット10を装着する前の状態を示す斜視図である。図3Bは処置具先端部41の先端側の一部がカバーユニット10内に挿入された状態を示す斜視図である。図4Aは処置具先端部41がカバー20に挿入され、装着具30を分割して取り外す過程を示す斜視図である。図4Bは装着具30が取り外された、処置具先端部41へのカバー20の装着が完了した状態を示す斜視図である。
【0025】
図1A図1Bに示すように、カバーユニット10は、筒状のカバー20と、このカバー20が外挿される装着具30とを備える。装着具30は、中心軸AX2方向に延在する中空円筒状の保持部33から中空円錐状のガイド部34が延びた構成を有する。装着具30は、中空円筒形状の中心軸AX2方向の一方の端部である挿入端部33bから始まる保持部33の外周面からなる保持面33aに、カバー20の一方の端部である装着開口22を外挿させることで、カバー20と一体化され(図1A)、この状態で、処置具40の処置具先端部41へ装着される。
【0026】
カバー20の材料としては、例えば、ポリウレタン、シリコーンゴム、エチレンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴムを用いることができる。
【0027】
カバー20のゴムの硬さは、JIS-K6253に準拠した硬さにおいてA20より大きくA70未満、より好ましくはA30以上A60以下の範囲に設定してもよい。カバー20のゴムの硬さがA30未満であると、カバー20の剛性が不足することが懸念されることもある。剛性が不足すると、筒状の形状を維持しづらくなって、重力による屈曲等を生じてしまうことから、処置具40への装着作業が行いづらくなる。一方、カバー20のゴムの硬さがA60を上回ると、カバーの形状にも依存するが、筒形状の径方向に変形しづらくなることが懸念されることもある。径方向に変形しづらくなると、処置具40への装着時に処置具先端部41の凹凸に引っかかりやすくなって装着性が低くなるとともに、装着後においては処置具先端部41各部への密着性が低下してしまうおそれがある。カバー20のゴムの硬さが低かったり高かったりする場合であっても、装着具30を用いることで、適切に処置具40の処置具先端部41を覆うことが可能である。
【0028】
カバー20の中心軸AX1の方向の両端は開口となっており、一方の端部開口21は、挿入された処置具40の処置具先端部41の先端ツール部42が延出可能となっている(図4A参照)。端部開口21は、その弾性により、延出した先端ツール部42の外表面に密着可能な開口径を有する。
【0029】
図1Bに示すように、装着具30は、概形として中空筒形状をなしており、中空円筒状の保持部33から、ガイド部34が、中空円錐状に端部に向けて拡径した構成を有する。保持部33の外周面は、保持面33aとして、カバー20の装着開口22の内面を摩擦抵抗に基づいて保持し、これによってカバー20が装着具30に保持される。保持部33の保持面33aは、カバー20の内径よりも大きな外径を有する。したがって、保持面33aにカバー20を外挿することでカバー20が拡径されるため、処置具40の処置具先端部41をカバー20内に導入しやすくなる。ガイド部34の外周面はカバー20に覆われない。
【0030】
挿入ガイド面としての、ガイド部34の内周面34a(図1B図2参照)は、少なくとも、最も内径の小さな端部の内径が、処置具40の処置具先端部41をその中心軸の方向から見たときの外形形状を含む外接円Cの直径D1(図3A参照)より大きく設定されている。よって、ガイド部34に連なる保持部33の内径も、上記外接円Cの直径D1よりも大きく設定される。これにより、ガイド部34の最も内径の大きな端部では、処置具40の処置具先端部41よりも大きく開口しているため、ガイド部34内へ処置具先端部41を導入しやすい。さらに、ガイド部34の内周面34aが保持部33に向けて内径が小さくなるように形成されているため、ガイド部34内に導入された処置具先端部41は、内周面34aに案内されることによって、装着具30が延びる方向(中心軸AX2の方向)に沿って、カバー20内へスムーズに移動しやすくなる。そして、保持部33は、処置具先端部41の最大直径よりも大きな内径を有するため、内部で処置具先端部41を移動させやすく、さらに、保持部33の保持面33aにカバー20が外挿されているため、カバー20の装着開口22の近傍では、その内径が処置具先端部41の最大直径よりも大きな内径を有することとなることから、処置具先端部41がカバー20内へ導入されやすくなっている。
【0031】
装着具30は、カバー20よりも剛性を有する材料で構成され、各種滅菌に耐えうる耐久性、例えば耐薬品性や耐熱性を有することが好ましい。このような材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、シリコーン樹脂、ポリカーボネートが挙げられる。
【0032】
ここで、ガイド部34の内周面34aに潤滑性を有する層を設けると、ガイド部34内における処置具40の移動がスムーズとなる。また、ガイド部34の内周面34aに弾性を有する層を設けると、ガイド部34内で処置具40を移動させる際に、この層が処置具40の凹凸に応じて変形することで処置具40の移動の際の損傷を防止でき、移動を円滑に行うことができる。
【0033】
装着具30は、その中心軸AX2に関して180度ずつで2つに分割可能となる、分割材31、32を備える。分割材31、32により、処置具先端部41へのカバー20の外挿後に、カバー20から装着具30を脱離可能とする脱離構造が構成される。図2に示すように、一方の第1の分割材31の端部には係止凹部31aと係止凸部31bが設けられ、他方の第2の分割材32の端部にも係止凹部32aと係止凸部32bが設けられている。2つの分割材31、32を装着具30の中心軸AX2の方向において互いに対応するように配置すると、第1の分割材31の係止凸部31bが第2の分割材32の係止凹部32aに係合するとともに、第2の分割材32の係止凸部32bが第1の分割材31の係止凹部31aに係合し、これらの係合によって2つの分割材31、32が互いに固定されて、図1Bに示すような、中空円筒状の保持部33からガイド部34が中空円錐状に拡径する形状の装着具30が形成される。
【0034】
2つの分割材31、32の係合強度は、装着具30及びカバー20を処置具40の処置具先端部41に外挿させるように、例えば、施術者が装着具30の外周面を把持しつつ、処置具先端部41が延びる方向(処置具先端部41の中心軸AX3に沿った方向)に沿って移動させる操作においては、係合が解除されない程度の強度を有する。一方、分割材31、32のそれぞれの端部を把持しつつ、装着具30の中心軸AX2に関して、分割材31、32が互いに離間する方向に、所定の大きさ以上の力を加えた場合には、分割材31、32の係合が解除され、装着具30は2つに分割される(図4A参照)。
【0035】
以上の構成のカバーユニット10を用いた、処置具40へのカバー20の装着工程について説明する。
まず、施術に先だって、別々に製造されたカバー20と装着具30とが一体化される(図1A参照)。この作業は、例えば、カバー20と装着具30の製造現場において製造作業者が一人で行ってもよい。具体的には、カバー20と装着具30とを左右それぞれの手で保持した状態から、装着具30の保持部33をカバー20の装着開口22内へ押入し、又は、装着開口22を広げた状態で保持部33を内部へ挿入する。このようにしてカバー20を保持部33の保持面33aに外挿され、保持面33aはカバー20の内面に接触して保持され、カバー20と装着具30は互いに固定される。
【0036】
次に、施術者が、カバーユニット10と処置具40とを左右それぞれの手で保持した状態から、図3Aに示すように、装着具30を処置具40の処置具先端部41に被せるように操作する。この状態から、処置具40の位置を維持しつつ、カバーユニット10を、処置具先端部41の中心軸AX3に沿って移動させていく(図3B)。そして、処置具先端部41がカバー20内に収容され、先端ツール部42が、カバー20の端部開口21から延出したところで、図4Aに示すように、装着具30の2つの分割材31、32を互いに離間させ、カバー20及び処置具40から取り外し、処置具40の処置具先端部41へのカバー20の装着を完了する(図4Bの状態)。
【0037】
以上のように構成されたことから、上記実施形態によれば、次の効果を奏する。
カバー20は、ゴムの硬さが高いと変形しにくいため、処置具40の処置具先端部41を覆うように挿入することが難しい。一方、カバー20の構成材料が軟質の場合には、変形はしやすいものの、容易に撓んでしまうため、所定の長さを有する処置具先端部41を覆うことは容易でない。そこで、予めカバー20の一方の開口である装着開口22を、装着具30の保持部33に外挿することにより、カバー20の装着開口22の内径を、処置具40の処置具先端部41の外径(外接円Cの直径D1)以上に広げ、保持することを可能としている。このため、カバー20の処置具40への外挿が容易となる。このとき、装着具30に挿入ガイド面としての内周面34aが設けられているため、処置具40を装着具30に挿入することが特に容易となっている。
【0038】
また、保持面33aにおいて、カバー20との間に生じる適切な摩擦力によって、処置具40の処置具先端部41を覆うようにカバー20を移動させる際に、カバー20と処置具40との間に発生する摩擦抵抗に打ち勝つため、装着具30を把持して処置具40の軸方向に沿って移動させることにより、処置具先端部41をカバー20で覆うことが容易に実現される。
【0039】
さらに、装着具30が脱離構造を有しているため、処置具先端部41を覆っているカバー20の位置をずらすことなく、装着具30をカバー20から脱離することができる。
【0040】
本実施形態に係るカバーユニット10において、装着具30をカバー20から脱離させる作業の詳細を、図5Aおよび図5Bを用いて説明する。図5Aは、処置具が挿入されたカバーユニットから装着具を取り外す前の状態を示す説明図である。図5Bは、処置具が挿入されたカバーユニットにおいて2つの分割材が分離するように装着具を動かした状態を示す説明図である。
【0041】
図5Aに示されるように、処置具40がカバーユニット10に挿入された状態では、分割材31、32のうち保持部33を構成する部分の外周面(保持面33a)はカバー20により覆われ、ガイド部34を構成する部分の外周はカバー20により覆われていない。
【0042】
この状態で、装着具30の分割材31と分割材32とを分離させるように外力F0を付与すると、図5Bに示されるように、分割材31、32のうちガイド部34を構成する部分が優先的に離間し、保持部33を構成する部分の離間の程度は相対的に低くなる。分割材31、32が上記のように離間することによって、カバー20が外挿された装着具30は、カバー20の内面に対向する保持面33aにおける中空筒形状の中心軸AX2方向に直交する断面の外接円の直径が、中空筒形状の中心軸AX2方向に沿って、挿入端部33bから離れるほど大きくなるように変形する。このように変形した状態にある装着具30を中心軸AX2方向に引っ張ることにより、装着具30はカバー20から外れて抜ける。
【0043】
特許文献2に開示される構造では、板状の補助具本体71からU字型の突起部72が突出しているため、突起部72が取手部48に覆われた状態において、補助具本体71は、保護カバーシース55に対して遠位な後端が優先的に開くようには変形できない。このため、前述のように、取手部48が連設されるチューブ体56を保持しつつ補助具本体71を引っ張ることにより、突起部72は取手部48から分離する。このような方法ではチューブ体56の破損の危険性が高いことは、前述のとおりである。
【0044】
装着具30の中心軸AX2の方向における、保持面33aの長さ、すなわち、カバー20への嵌め込み長さの限定されない例示として、3mm以上8mm以下が挙げられる。カバー20への嵌め込み長さが過度に短いと、保持面としての保持面33aとカバー20との間の摩擦力が低くなるため、装着具30を把持して引っ張ったときに、カバー20を処置具40と一体である状態で移動させることが難しくなる場合がある。一方、嵌め込み長さが過度に長いと、保持面33aをすべて覆うようにカバー20を外挿させることが容易でなくなる場合がある。また、処置具40へのカバー20装着後に装着具30を取り外す際に、保持面33aを覆うカバー20を引き延ばすように変形させて装着具30をカバー20から外すため、嵌め込み長さが過度に長いと、カバー20を外す際の抵抗が大きくなりすぎて、装着具30の脱離が容易でなくなる場合がある。
【0045】
装着具30の中心軸AX2の方向におけるガイド部34が長いほど、装着具30を分離させる外力F0が小さくても、装着具30をカバー20から容易に分離させることが可能となる。ガイド部34が過度に長い場合には、処置具40の近傍に配置された部材との干渉が生じる可能性が高くなる。また、分割材31および分割材32のガイド部34を構成する部分に外力F0を付与したときに、分割材31および分割材32の保持部33を構成する部分が適切に分割されるように、分割材31および分割材32の少なくとも一方は、カバー20の弾性回復力に抗する程度の高い剛性(曲げ強度)を有していることが好ましい。
【0046】
以下に第1実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態の装着具30は、2つの分割材31、32に分割できるように構成されていたが、分割数は、装着具30の中心軸AX2に関して、3つ以上であってもよい。
【0047】
上記の第1実施形態の装着具30では、ガイド部34の内径が拡径していく形状としていたが、ガイド部34の内径は、上記直径D1と同一又はそれ以上のサイズであれば、一定としてもよい。
【0048】
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る装着具130は、第1実施形態の装着具30とは異なり、図6A図6Bに示すようにスリット131を有する。図6A図6Bは第2実施形態における装着具130の構成を、異なる方向から見た斜視図である。図6A図6Bに示す装着具130は、上記実施形態の装着具30と同様に、概形として中空筒形状をなしており、中空円筒状の保持部133から、ガイド部134が中空円錐状に設けられている。ガイド部134は、装着具130の中心軸AX4から径方向外側へ略円板状に広がるように、装着具130の端部に設けられた把持部としてのフランジ部132に向けて拡径した構成を有する。保持部133の保持面133aは、保持面として、カバー20の装着開口22の内面を保持し、これによってカバー20が装着具130に保持される。
【0049】
装着具130に外力が付与されていない状態において、保持部133の保持面133aの外接円の直径(無負荷時直径)は、カバー20の内径よりも大きい。保持面133aにカバー20を外挿することでカバー20が拡径されるため、処置具40の処置具先端部41をカバー20内に導入しやすくなる。
【0050】
ここで、保持面133aにカバー20を外挿する際に、ガイド部134に外力を付与してスリット131を狭めて、保持部133の保持面133aの外接円の直径を小さくしてからカバー20を外挿することにより、外挿作業が容易になり、かつ、この作業においてカバー20が破損する可能性を十分に低減させることができる。無負荷時直径、スリット131の開き角、および保持部133の弾性率(ヤング率)を適切に設定することにより、スリット131を閉じるように外力を付与してカバー20を外挿した後、外力を解除したときの保持部133の保持面133aの外接円の直径(外挿時直径)を、カバー20の内径よりも大きくすることができる。これにより、処置具40の処置具先端部41をカバー20内に導入することがより安定的に実現される。
【0051】
スリット131は、保持部133とガイド部134の外周面を厚み方向にそれぞれ貫通しつつ、中心軸AX4に沿って延びるように設けられ、さらに、フランジ部132において対応する箇所を厚み方向に貫通するように設けられている。スリット131の幅は、ガイド部134が拡径するのに合わせて広がっており、フランジ部132においてもさらに徐々に広がっている。
【0052】
スリット131の開き角が大きいほど、スリット131を閉じたときの保持部133の保持面133aの外接円の直径(圧縮時直径)を小さくすることができるが、スリット131と対向するように位置するカバー20の内面(露出内面)は、処置具40を挿入する際に処置具40に直接的に接触する可能性がある。この露出内面は、カバー20の拡径に伴い引張力が付与されているため、さらなる弾性変形が生じにくく、相対的に破損しやすい。したがって、カバー20が破損することを防止する観点からは、露出内面の面積は小さい方が好ましく、これはすなわちスリット131の開き角が小さい方が好ましいことを示している。圧縮時直径を小さくすることと露出内面の面積を小さくすることとのバランスの観点から、スリット131の開き角は10°以上45°以下とすることが好ましい。
【0053】
図6A図6Bに示す装着具130は、上記実施形態の装着具30と同様に、保持部133の保持面133aにカバー20が外挿され、装着具130とカバー20とからなるカバーユニットが形成される。処置具40に対するカバー20の装着は、上記実施形態と同様に、ガイド部134を処置具先端部41に外挿することによって行う。処置具先端部41にカバー20が装着された後には、施術者がフランジ部132を把持して拡径しつつ、装着具130をカバー20から離れるように移動させる。移動させた装着具130は、フランジ部132を把持してさらに拡径することによって、処置具40から取り外すことができる。
【0054】
本実施形態では、装着具130の後端に位置するフランジ部132を把持して拡径するための外力F0を加えると、カバー20に覆われていないガイド部134におけるフランジ部132に近い側はフランジ部132と同様に拡径するが、ガイド部134の保持部133に近い側では拡径の程度は相対的に低くなる。これは、保持面133aがカバー20に覆われていることにより、カバー20の弾性回復力が保持面133aから保持部133に作用するためである。この中心軸A4方向での拡径の程度の相違により、ガイド部134にはねじれが生じ保持面133aはゆがむ。ガイド部134にねじれが生じた状態にある装着具130を中心軸AX4方向に引っ張ることにより、保持部133はカバー20から外れ抜ける。このガイド部134のねじれを容易に発生させる観点から、装着具130を構成する部材における、スリット131の開き角が小さくなる方向に変形させるためのばね定数は、1N/mm以上20N/mm以下とすることが好ましく、3N/mm以上15N/mm以下とすることがより好ましい。
【0055】
特許文献2に開示される構造では、U字状の突起部72が本例の保持部133およびガイド部134に相当するため、本実施形態のようなガイド部134のねじれおよび保持面133aのゆがみは生じにくい。それゆえ、前述のとおり、取手部48が連設されるチューブ体56を保持しつつ補助具本体71を引っ張ることにより、突起部72は取手部48から分離する。このような方法は、チューブ体56の破損の危険性が高いことは前述のとおりである。
【0056】
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
【0057】
例えば、図6A図6Bに示されるようなフランジ部を、第1実施形態の装着具30の端部に設けてもよい。これにより、処置具40への外挿の際に、フランジ部を把持して操作することでカバーユニット10を移動させやすくなる。この場合において、処置具40への外挿の際に装着部を把持するための把持部としては、フランジ部以外の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0058】
10 カバーユニット
20 カバー
21 端部開口
22 装着開口
30 装着具
31 第1の分割材
32 第2の分割材
31a、32a 係止凹部
31b、32b 係止凸部
33 保持部
33a 保持面
33b 挿入端部
34 ガイド部
34a 内周面(挿入ガイド面)
40 処置具
41 処置具先端部
42 先端ツール部
48 取手部
55 処置具保護カバーシース
56 チューブ体
70 装着補助具
71 補助具本体
72 突起部
73 切欠部
130 装着具
131 スリット
132 フランジ部
133 保持部
133a 保持面
133b 挿入端部
134 ガイド部
AX1 カバーの中心軸
AX2、AX4 装着具の中心軸
AX3 処置具先端部の中心軸
C 外接円
D 突起部の外径
D1 外接円の直径
F0 外力
【要約】
【課題】弾性変形可能な材料で構成されたカバーを、医療用の処置具先端部に容易かつ確実に装着することを可能とする装着具、及び、このような装着具を備えたカバーユニットを提供する。
【解決手段】処置具先端部を覆うための弾性変形可能な筒状のカバーを処置具先端部に外挿するために用いられ、中空筒形状の概形を有する装着具であって、挿入端部から始まる外周面からなり外挿されたカバーを保持するための保持面を有する保持部と、挿入ガイド面を有し外周面がカバーに覆われていないガイド部とを備え、装着具は、処置具先端部へのカバーの外挿後に、カバーから脱離可能とする脱離構造を備え、カバーが外挿された状態において、カバーの内面に対向する保持面における中空筒形状の中心軸方向に直交する断面の外接円の直径が、中空筒形状の中心軸方向に沿って、挿入端部から離れるほど大きくなるように、ガイド部および保持部は変形可能である。
【選択図】図1A
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7