(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】知恵定義光トンネルネットワークシステムとネットワークシステム制御方法
(51)【国際特許分類】
H04B 10/27 20130101AFI20220712BHJP
H04Q 3/52 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
H04B10/27
H04Q3/52 B
(21)【出願番号】P 2019108877
(22)【出願日】2019-06-11
【審査請求日】2019-06-11
(32)【優先日】2018-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】201910338492.8
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】596039187
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】楊▲ケイ▼瑞
(72)【発明者】
【氏名】田伯隆
(72)【発明者】
【氏名】阮偉章
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-005062(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0193154(US,A1)
【文献】特開2017-073693(JP,A)
【文献】特開2010-199972(JP,A)
【文献】特開2016-208509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
H04Q 3/52
H04Q 11/00-11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光トンネルを構築するために、複数の光スイッチ及び複数のトップオブラックスイッチを制御するためのネットワークシステム制御方法であって、
光トンネルスケジューリングモジュールが、ルーティング経路表により、前記複数の光スイッチ及び前記複数のトップオブラックスイッチ間に光トンネルネットワークを計画し、前記光トンネルネットワークの光トンネルネットワークデータにより、制御コマンドを伝送することであって、前記光トンネルネットワークが複数の光トンネルを含み、前記光トンネルがそれぞれルーティング経路と波長とを含み、前記光トンネルを通して、ソース端のトップオブラックスイッチから、宛先端の別のトップオブラックスイッチへデータストリームが送信され、前記ソース端の前記トップオブラックスイッチは、前記データストリームのパケットを、前記ソース端の前記トップオブラックスイッチの流れエントリと比較して、前記データストリームを前記光トンネルネットワークに導入し、前記データストリームの前記パケットの数およびサイズに従い、前記流れエントリにおけるカウンタフィールドのマッチしたバイトを更新する、ことと、
設定管理モジュールが、前記制御コマンドにより、制御信号を前記複数の光スイッチ及び前記複数のトップオブラックスイッチに出力することと、
帯域幅使用率監視モジュールが、
前記トップオブラックスイッチから前記光トンネルの複数のデータストリーム
のデータストリームの統計データを受信し、
前記データストリームの統計データにより前記光トンネルの前記データストリームのデータフローと光トンネル帯域幅使用率とを計算し、前記光トンネル帯域幅使用率がプリセット間隔を超える場合、帯域幅負荷通知を伝送することであって、前記データフローは、前記流れエントリにおける前記カウンタフィールドの前記更新されたマッチしたバイトを計算することで取得され、且つ、前記光トンネルの前記光トンネル帯域幅使用率は、前記ソース端の前記トップオブラックスイッチの前記流れエントリの前記データフローを加算することで取得され、同一の光トンネルの前記データフローが加算されて、対応する光トンネルの前記光トンネル帯域幅使用率が計算される、ことと、
前記光トンネルスケジューリングモジュールが、前記帯域幅負荷通知により、改めて前記光トンネルネットワークを計画することと、
を含む、ネットワークシステム制御方法。
【請求項2】
トポロジトランスモジュールが、トポロジーデータにより、前記ルーティング経路表を計算し、前記ルーティング経路表と前記トポロジーデータとを共有データベースに記憶することを更に備え、前記トポロジーデータが光ノード数と光ノード結合を含み、前記ルーティング経路表が前記光スイッチにおける何れか1方から任意の他方までの複数のルーティング経路を含む、請求項1に記載のネットワークシステム制御方法。
【請求項3】
前記光トンネルスケジューリングモジュールの事前割り当てサブモジュールが、前記ルーティング経路表により、前記光トンネルネットワークを計画することと、
前記事前割り当てサブモジュールが、前記光トンネルネットワークデータにより、光ノード制御コマンドとスイッチ制御コマンドとを前記設定管理モジュールに伝送することと、
前記事前割り当てサブモジュールが、前記光トンネルネットワークデータを共有データベースに記憶することであって、前記光トンネルネットワークデータが前記複数の光トンネルの複数の前記ルーティング経路と複数の前記波長とを含み、前記光トンネルネットワークデータが前記データストリームが通過する前記光トンネルを設置することに用いられる、ことと、
を更に備える、請求項1または2に記載のネットワークシステム制御方法。
【請求項4】
前記設定管理モジュールの光ノードサブモジュールが、前記光ノード制御コマンドを受信することと、
前記光ノードサブモジュールが、前記光ノード制御コマンドにより、波長選択スイッチ制御信号を前記複数の光スイッチに出力することと、
前記設定管理モジュールのスイッチサブモジュールが、前記スイッチ制御コマンドを受信することと、
前記スイッチサブモジュールが、前記スイッチ制御コマンドをスイッチ制御信号に転換し前記トップオブラックスイッチに出力することと、
を更に含む、請求項3に記載のネットワークシステム制御方法。
【請求項5】
前記帯域幅使用率監視モジュールの統計プロセッサーが、前記トップオブラックスイッチから前記データストリームの統計データを受信し、前記データストリームの統計データにより、前記データストリームのデータフローを計算することと、
前記帯域幅使用率監視モジュールの波長利用プロセッサーが、前記データストリームのデータフローにより、前記光トンネル帯域幅使用率を計算することと、
前記波長利用プロセッサーが、前記光トンネル帯域幅使用率により、前記帯域幅負荷通知を伝送することと、
を更に含む、請求項1または2に記載のネットワークシステム制御方法。
【請求項6】
前記光トンネルスケジューリングモジュールの動的割り当てサブモジュールが、前記帯域幅負荷通知を受信することと、
前記動的割り当てサブモジュールが、前記帯域幅負荷通知により、改めて前記光トンネルネットワークを計画することと、
前記動的割り当てサブモジュールが、改めて計画された前記光トンネルネットワークの対応的な前記光トンネルネットワークデータにより、光ノード制御コマンドとスイッチ制御コマンドとを調整し伝送することと、
前記動的割り当てサブモジュールが、改めて計画された前記光トンネルネットワークデータを共有データベースに記憶することと、
を更に含む、請求項5に記載のネットワークシステム制御方法。
【請求項7】
光トンネルを作るように複数の光スイッチ及び複数のトップオブラックスイッチを制御することに用いられるネットワークシステムコントローラであって、前記ネットワークシステムコントローラは、
共有データベースと、
前記共有データベースに結合されて、トポロジーデータによりルーティング経路表を計算し、前記ルーティング経路表を前記共有データベースに記憶することに用いられるトポロジトランスモジュールと、
前記共有データベースに結合されて、前記ルーティング経路表により、前記複数の光スイッチ及び前記複数のトップオブラックスイッチ間に、複数の光トンネルを含む光トンネルネットワークを構築し、前記光トンネルネットワークの光トンネルネットワークデータにより、制御コマンドを伝送することに用いられる光トンネルスケジューリングモジュールであって、前記光トンネルを通して、ソース端のトップオブラックスイッチから、宛先端の別のトップオブラックスイッチへデータストリームが送信され、前記ソース端の前記トップオブラックスイッチは、前記データストリームのパケットを、前記ソース端の前記トップオブラックスイッチの流れエントリと比較して、前記データストリームを前記光トンネルネットワークに導入し、前記データストリームの前記パケットの数およびサイズに従い、前記流れエントリにおけるカウンタフィールドのマッチしたバイトを更新する、光トンネルスケジューリングモジュールと、
前記光トンネルスケジューリングモジュールに結合されて、前記制御コマンドを制御信号に転換し前記光スイッチ及び前記トップオブラックスイッチに出力することに用いられる設定管理モジュールと、
前記共有データベースと前記光トンネルスケジューリングモジュールとに結合されて、
前記トップオブラックスイッチから前記光トンネルの複数のデータストリーム
のデータストリームの統計データを受信し、
前記データストリームの統計データによりデータストリームのデータフローと光トンネル帯域幅使用率とを計算し、前記光トンネル帯域幅使用率により、光トンネル帯域幅負荷通知を前記光トンネルスケジューリングモジュールに伝送することに用いられる、帯域幅使用率監視モジュールであって、前記光トンネルスケジューリングモジュールが前記光トンネル帯域幅使用率と前記光トンネルネットワークデータとにより、改めて前記光トンネルネットワークを計画することに用いられ、前記データフローは、前記流れエントリにおける前記カウンタフィールドの前記更新されたマッチしたバイトを計算することで取得され、且つ、前記光トンネルの前記光トンネル帯域幅使用率は、前記ソース端の前記トップオブラックスイッチの前記流れエントリの前記データフローを加算することで取得され、同一の光トンネルの前記データフローが加算されて、対応する光トンネルの前記光トンネル帯域幅使用率が計算される、帯域幅使用率監視モジュールと、
を含む、ネットワークシステムコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッジデータセンターネットワークシステム制御方法に関し、特にエッジデータセンターに適用される光トンネルネットワークシステムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データセンターネットワーク(Data Center Networks;DCNs)は、クラウド/エッジデータセンターで信頼性が高く効率的なネットワークインフラストラクチャを提供して、例えば、クラウドコンピューティング(cloud computing)、エッジコンピューティング(edge computing)、データストレージ(data storage)、データマイニング(data mining)又はソーシャルネットワーキング(social networking)等のような、様々なクラウド/エッジ又はエンタープライズアプリケーション及びサービスをサポートするために設計される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
データ交換として電気スイッチを使用する既存のDCNsアーキテクチャでは、伝送速度は依然として電気スイッチのスイッチング能力によって制限されている。また、データ伝送中の大量の光電変換及び電気光学変換は、膨大な電力消費を引き起こす。電気スイッチ自体もパケットルーティングを決定するために多くの演算を必要とし、電力を消費し伝送遅延を増加させるだけでなく、冷却コストも増加させる。更に、電気スイッチのシステムアーキテクチャが固定されている場合、より多くのキャビネット又はより高性能のサーバをサポートするようにアップグレードすることは困難であり、システム伝送速度を向上させる時に元の電気スイッチを交換する必要があるため、展開コストが増加する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様は、光トンネルスケジューリングモジュールがルーティング経路表により光トンネルネットワークを計画し前記光トンネルネットワークの光トンネルネットワークデータにより制御コマンドを伝送し、光トンネルネットワークが複数の光トンネルを含み、前記光トンネルがそれぞれルーティング経路と波長を含むことと、設定管理モジュールが制御コマンドにより制御信号を複数の光スイッチ又は複数のトップオブラックスイッチに出力することと、帯域幅使用率監視モジュールがトップオブラックスイッチから光トンネルの複数のデータストリームのデータストリームの統計データを受信し、データストリームの統計データによりデータストリームのデータフローと光トンネル帯域幅使用率を計算し、前記光トンネル帯域幅使用率がプリセット間隔を超える場合、帯域幅負荷通知を伝送することと、光トンネルスケジューリングモジュールが帯域幅負荷通知により改めて光トンネルネットワークを計画することと、を含むネットワークシステム制御方法である。
【0005】
本発明の一態様は、光トンネルを作るように複数の光スイッチ及び複数のトップオブラックスイッチを制御することに用いられるネットワークシステムコントローラであって、ネットワークシステムコントローラは、共有データベースと、共有データベースに結合されて、トポロジーデータによりルーティング経路表を計算し、ルーティング経路表を共有データベースに記憶することに用いられるトポロジトランスモジュールと、共有データベースに結合されて、ルーティング経路表により光トンネルネットワークを構築し、光トンネルネットワークの光トンネルネットワークデータにより制御コマンドを伝送することに用いられる光トンネルスケジューリングモジュールと、前記光トンネルスケジューリングモジュールに結合されて、制御コマンドにより制御信号に転換し光スイッチ及びトップオブラックスイッチに出力することに用いられる設定管理モジュールと、共有データベースと光トンネルスケジューリングモジュールに結合されて、トップオブラックスイッチからデータストリームの統計データを受信し、データストリームの統計データによりデータストリームのデータフローと光トンネル帯域幅使用率を計算し、光トンネル帯域幅使用率により光トンネル帯域幅負荷通知を光トンネルスケジューリングモジュールに伝送することに用いられ、光トンネルスケジューリングモジュールが光トンネル帯域幅使用率と光トンネルネットワークデータにより改めて光トンネルネットワークを計画することに更に用いられる帯域幅使用率監視モジュールと、を含むネットワークシステムコントローラである。
【0006】
要するに、本発明の各実施例に提出されたソフトウェア定義ネットワークコントローラ500は、リアルタイムで知恵定義光トンネルネットワークシステム100における、ネットワークトポロジー構造、波長割当状況、ネットワークルーティング割当状況、波長帯域幅使用状況、及びデータストリームのフローを含むネットワーク環境状態を継続的に監視することにより、そして設計されたスマートアルゴリズムにより最適な光トンネル配置及びデータストリームガイドを行う。ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500は、ルーティング及び波長の衝突を回避するという条件で、快速に最適な経路ルーティング及び波長選択スイッチ設定を決めて、システムの最高のスループットを達成し、更にデータストリームの伝送遅延を最小にさせる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一部の実施例による知恵定義光トンネルネットワークシステムを示す模式図である。
【
図2】本発明の一部の実施例による光分岐挿入サブシステムを示す模式図である。
【
図3A】同じポッドにおける各光分岐挿入サブシステムにおける伝送モジュールと伝送モジュールとの接続関係を示す模式図である。
【
図3B】光コンバイナによる衝突を示す模式図である。
【
図3C】デマルチプレクサによる衝突を示す模式図である。
【
図3D】本開示内容の一部の実施例によるポッド内(intra-Pod)光トンネル及び光信号の流れ方向を示す模式図である。
【
図4】本開示内容の一部の実施例による光スイッチングリンクサブシステムを示す模式図である。
【
図5】本開示内容の一部の実施例による光路切替サブモジュールの内部設計を示す模式図である。
【
図6】本開示内容の一部の実施例によるインターコネクトラインモジュール及びフェールオーバーサブモジュール(failover module)を示す模式図である。
【
図7A】本開示内容の一部の実施例による第2層ネットワークにおける光スイッチングリンクサブシステム間の相互接続ネットワークを示す模式図である。
【
図8A】本開示内容の一部の実施例による保護回路動作模式図である。
【
図8B】ポーリング機構におけるマイクロコントローラ410の判断方法を示す流れ図である。
【
図8C】本開示内容の一部の実施例によるマイクロコントローラが中断メカニズムを実行する操作模式図である。
【
図8D】本開示内容の一部の実施例によるマイクロコントローラが中断メカニズムを実行する操作模式図である。
【
図9】本開示内容の一部の実施例によるポッド間(inter-Pod)光トンネル経路を示す模式図である。
【
図10A】それぞれ光スイッチングリンクサブシステムにおける光路切替サブモジュールの設置模式図である。
【
図10B】それぞれ光スイッチングリンクサブシステムにおける光路切替サブモジュールの設置模式図である。
【
図11A】本開示内容の一部の実施例による第1層ネットワークのポッドの保護経路設計模式図である。
【
図11B】本開示内容の一部の実施例による第1層ネットワークT1のポッドの保護経路設計模式図である。
【
図12】本開示内容の一部の実施例による第1層ネットワークと第2層ネットワークとの間の保護経路設計模式図である。
【
図13】本発明の一部の実施例による知恵定義光トンネルネットワークシステムを示す模式図である。
【
図14】本発明の一部の実施例によるソフトウェア定義ネットワークコントローラの機能を示すブロック図である。
【
図15A】本発明の一部の実施例によるソフトウェア定義ネットワークコントローラの細部機能を示すブロック図である。
【
図15B】本発明の一部の実施例によるソフトウェア定義ネットワークコントローラの細部機能を示すブロック図である。
【
図16】本発明の一部の実施例による事前割り当てサブモジュールによって作られた光トンネルネットワークにおける何れか1つの光分岐挿入サブシステムと他の光分岐挿入サブシステムとの間の光トンネルを示す模式図である。
【
図17】本発明の一部の実施例による事前割り当てサブモジュールによって作られた光トンネルネットワークにおける1つの特定光分岐挿入サブシステムと他の光分岐挿入サブシステムとの間の光トンネルを示す模式図である。
【
図18】本発明の一部の実施例による事前割り当てサブモジュールが光トンネルネットワークを構築するアルゴリズムの模式図である。
【
図19】本発明の一部の実施例による事前割り当てサブモジュールの動作流れを示す模式図である。
【
図20A】本発明の一部の実施例による光トンネル分割を示す模式図である。
【
図20B】本発明の一部の実施例による光トンネル分割を示す模式図である。
【
図21】本発明の一部の実施例による高負荷トンネルを処理する流れを示す模式図である。
【
図22A】本発明の一部の実施例による光トンネルの統合を示す模式図である。
【
図22B】本発明の一部の実施例による光トンネルの統合を示す模式図である。
【
図23】本発明の一部の実施例による低負荷トンネルを処理する流れを示す模式図である。
【
図24】本発明の一部の実施例による光トンネル割り当てアルゴリズムを示す模式図である。
【
図25】本発明の一部の実施例によるソフトウェア定義ネットワークコントローラの細部機能を示すブロック図である。
【
図26】本発明の一部の実施例による光トンネルの中継を示す模式図である。
【
図27】本発明の一部の実施例によるソフトウェア定義ネットワークコントローラの細部機能を示すブロック図である。
【
図28】本発明の一部の実施例による光トンネルデータフローを計算することを示す模式図である。
【
図29】本発明の一部の実施例によるポッド内のルーティング経路関数のアルゴリズムを示す模式図である。
【
図30】本発明の一部の実施例によるポッド内の光トンネルを構築することを示す模式図である。
【
図31】本発明の一部の実施例によるポッド間のルーティング経路関数のアルゴリズムを示す模式図である。
【
図32】本発明の一部の実施例によるポッド間の光トンネルを構築することを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の態様をよりよく理解させるために、実施例を挙げて添付図面に合わせて詳しく説明するが、提供される実施例は本開示に含まれる範囲を制限するものではなく、構造操作の説明はその実行する順序を制限するものではなく、素子から改めて組み合わせられた如何なる構造も、その発生した均等な効果を持つ装置も、本開示に含まれる範囲にある。また、業界の基準及び慣用作法によると、図面は単に説明を補助するためのものであり、原サイズに基づいて描かれたものではなく、実際的に、説明しやすくするために各種の特徴のサイズは任意に増加又は減少してよい。下記説明において、容易に理解させるために、同じ素子に同一の記号を付けて説明する。
【0009】
全体の明細書と特許請求の範囲に用いられる用語(terms)は、特に明記される以外、通常、用語ごとにこの分野、この開示の内容と特殊内容に使用される一般的な意味を持つ。業者へ本開示に関する記述における規定外の案内を提供するように、本開示を記述するためのある用語について、以下又はこの明細書の別所で検討する。
【0010】
次に、本発明に使用される「含む」、「備える」、「有する」、「含有」等は、何れも開放的な用語であり、つまり、「~を含むが、それに限定されない」ことを指す。なお、本発明に使用される「及び/又は」は、関連する列挙される項目における1つ又は複数の項目における任意の1つ及びそのすべての組合せを含む。
【0011】
本文において、ある素子が「接続」又は「結合」されると呼ばれる時に、「電気的接続」、「ファイバーで接続」又は「電気的結合」を指すことができる。「接続」又は「結合」も2つ又は複数の素子の間に互いに合わせて操作又は交互することを指すことに用いられることができる。なお、本文において、「第1の」、「第2の」等の用語で異なる素子を説明するが、前記用語は同じ技術用語で説明した素子又は操作のみを区別することに用いられる。文脈が明確に示されない限り、前記用語は順序又は順位を特に指し又は暗示しなく、本発明を制限するためのものでもない。本開示において、1x1、1x2、1x3、2x1、2x2、5x1、6x4及びNxM等の記述はそれぞれ1イン1アウト、1イン2アウト、1イン3アウト、2イン1アウト、2イン2アウト、5イン1アウト、6イン4アウト及びNインMアウトの入力端子数と出力端子数を説明する。
【0012】
図1を参照されたい。
図1は本発明の一部の実施例による知恵定義光トンネルネットワークシステム100を示す模式図である。一部の実施例において、知恵定義光トンネルネットワークシステム100はエッジデータセンター(Edge Data Center)内に適用されることのできる知恵定義光トンネルネットワークシステム(Intelligence-defined Optical Tunnel Network System、OPTUNS)であり、既存のデータセンターの複雑で、多層で、電気的に交換されるネットワークシステムを取り替えることに用いられる。
【0013】
図1に示すように、一部の実施例において、知恵定義光トンネルネットワークシステム100は第1層ネットワークT1及び第2層ネットワークT2を含む。第1層ネットワークT1と第2層ネットワークT2との間はシングルモードファイバで相互接続される。一部の実施例において、第1層ネットワークT1及び第2層ネットワークT2はそれぞれ光交換ネットワークである。
【0014】
図1に示すように、一部の実施例において、第1層ネットワークT1は複数のポッドを含み、図面に示されるポッドP1~P4のように、この実施例において、ポッドP1~P4はそれぞれ光ノードポッドである。理解を容易にし、説明を単純化するために、第1層ネットワークT1における一部のポッドは
図1に示されない。
【0015】
第1層ネットワークT1におけるポッドP1~P4の何れか1つは、光ノードとして複数の光分岐挿入サブシステム(Optical Add-Drop Subsystem;OADS)200a~200eを含む。光分岐挿入サブシステム200a~200eは、それぞれ複数のトップオブラック(Top of Rack;ToR)スイッチToRa、ToRbによって対応する複数のラック900a、900bにおけるサーバーとデータ伝送を行うことに用いられる。
図1に示すように、一部の実施例において、各ポッドP1~P4はそれぞれ5つの光分岐挿入サブシステムを含む。説明を単純化するために、模式図で2組のトップオブラックスイッチToRa、ToRbとラック900a、900bだけを示す。
【0016】
実際には、残りの光分岐挿入サブシステムも対応するトップオブラックスイッチによってその対応するサーバーと接続されてデータ伝送を行う。また、各ポッドP1~P4に含まれる光分岐挿入サブシステムの数も実際の要求に応じて調整されてよく、
図1は例にすぎず、本発明を限定するために使用されるものではない。
【0017】
光分岐挿入サブシステム200aを例として、ポッドP1における光分岐挿入サブシステムの何れか1つは第1の伝送モジュール210と第2の伝送モジュール220を含む。第1の伝送モジュール210は第1の周波数帯によってデータ伝送を行うように配置される。第2の伝送モジュール220は第1の周波数帯と異なる第2の周波数帯によってデータ伝送を行うように配置される。一部の実施例において、第1の伝送モジュール210と第2の伝送モジュール220はそれぞれ光伝送モジュールであり、第1の周波数帯は特定の波長範囲内の波長周波数帯であり、第2の周波数帯は別の特定の波長範囲内の別の波長周波数帯である。
図1に示すように、同じポッドP1において、光分岐挿入サブシステムの何れか1つ(例えば、光分岐挿入サブシステム200a)における第1の伝送モジュール210と隣接する光分岐挿入サブシステム(例えば、光分岐挿入サブシステム200b)における第1の伝送モジュール210とが互いに接続して、第1の伝送リングを形成する。類似的に、光分岐挿入サブシステムの何れか1つ(例えば、光分岐挿入サブシステム200a)における第2の伝送モジュール220と隣接する光分岐挿入サブシステム(例えば、光分岐挿入サブシステム200b)における第2の伝送モジュール220とが互いに接続して、第2の伝送リングを形成する。一部の実施例において、上記第1の伝送リングにおける第1の伝送モジュール210は互いに光ファイバーによって接続されてよく、上記第2の伝送リングにおける第2の伝送モジュール220は互いに光ファイバーによって接続されてよい。
【0018】
注意すべきなのは、一部の実施例において、同じポッドP1の各光分岐挿入サブシステム200a~200eにおける第1の伝送モジュール210の配置された第1の周波数帯は互いに異なり、各光分岐挿入サブシステム200a~200eにおける第2の伝送モジュール220の配置された第2の周波数帯も互いに異なる。光分岐挿入サブシステム200a~200eの細部モジュール、周波数帯配置及び具体操作については、対応する図面に合わせて、以下の段落で説明する。
【0019】
図1に示すように、一部の実施例において、第2層ネットワークT2は、光ノードとして複数の光スイッチングリンクサブシステム(Optical Switch Interconnect Subsystem;OSIS)400a~400eを含む。構造上、光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの何れか2つの間は対応する第1のラインによって対応する水平伝送光信号を伝送して、各光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの間の通信を実現する。つまり、光スイッチングリンクサブシステム400a~400eは互いにメッシュ状ネットワーク(Mesh Network)と類似する構造により光ファイバーで互いに接続することで、何れか一対の光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの間の光ファイバーネットワークと何れか他の一対の光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの間の光ファイバーネットワークが互いに独立して動作する。一部の実施例において、光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの間の光ファイバーネットワークはリボン状光ファイバー(Ribbon Fiber)により実現されてよい。従って、光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの間の接続は外観が1つのリング形メッシュ構造R2のように見える。
【0020】
光スイッチングリンクサブシステム400a~400eはそれぞれ第1層ネットワークT1における光分岐挿入サブシステム(Optical Add-Drop Subsystem;OADS)からの光信号を受信し、ルーティングスイッチング及び光波長スイッチングの後で第1層ネットワークT1における別の光分岐挿入サブシステムに渡すことに用いられる。
【0021】
ソフトウェア定義ネットワークコントローラ(Software-Defined Networking Controller;SDNコントローラ)500は対応する制御信号を各トップオブラックスイッチToRa、ToRb、光分岐挿入サブシステム200a~200e、光スイッチングリンクサブシステム400a~400eに出力して光トンネルネットワークを確立し光トンネルをスケジュールすることに用いられる。このように、各サーバーの間は光信号により、第1層ネットワークT1と第2層ネットワークT2における光ファイバーネットワークによってシステムにおけるデータ伝送を実現することができる。
【0022】
注意すべきなのは、
図1に示される光スイッチングリンクサブシステムと光分岐挿入サブシステムの数は例示だけであり、本発明を限定するものではない。異なる実施例において、知恵定義光トンネルネットワークシステム100における光スイッチングリンクサブシステム400a~400eと光分岐挿入サブシステム200a~200eの数を実際の要求に応じて徐々に増やし、そして/又は減らし、ネットワークシステム100の通常動作を維持することができる。従って、知恵定義光トンネルネットワークシステム100は、高い展開の柔軟性を有する。
【0023】
このように、知恵定義光トンネルネットワークシステム100において、特定の光スイッチングリンクサブシステム400a~400eと光分岐挿入サブシステム200a~200e及び光信号の波長の組み合わせを選択することで、キャビネットとキャビネット間のデータ交換の光トンネル(即ち、光経路と光波長の組み合わせ)を確立して、データ伝送の超低レイテンシを実現することができる。
【0024】
また、ある実施例において、知恵定義光トンネルネットワークシステム100は密度波長多重光(Dense Wavelength Division Multiplexing;DWDM)技術を用いて、密度波長多重光トランシーバモジュール(DWDM transceiver)により複数の光波長が知恵定義光トンネルネットワークシステム100で同時にデータを送信することができるが、本開示における知恵定義光トンネルネットワークシステム100は密度波長多重光技術に限定されず、他の波長分波多工(Wavelength Division Multiplexing;WDM)又は他の等価性を有する多重光伝送技術を採用してよい。これにより、知恵定義光トンネルネットワークシステム100は低レイテンシ、高周波帯域幅、低電力消費を実現でき、既存の従来のデータセンターで使用されている電気交換ネットワークシステムと比べて、より優れた性能を有する。
【0025】
説明を単純化するために、以下の段落では、それぞれ第1層ネットワークT1における光分岐挿入サブシステム200a~200e及びそのネットワークインフラストラクチャ設計、第2層ネットワークT2における光スイッチングリンクサブシステム400a~400e及びそのネットワークインフラストラクチャ設計、第1層ネットワークT1と第2層ネットワークT2との間の互いに接続されたインフラストラクチャ設計、第1層ネットワークT1の保護経路設計、並びに第2層ネットワークT2の保護経路設計に対して順に関連する図面に合わせて説明する。
【0026】
図2を参照されたい。
図2は本発明の一部の実施例による光分岐挿入サブシステム200を示す模式図である。光分岐挿入サブシステム200は第1層ネットワークT1のキャビネットの間のデータ伝送光トンネルを構築するコアスイッチングノードである。
図2に示すように、光分岐挿入サブシステム200は、第1の伝送モジュール210及び第2の伝送モジュール220のような2つ又は複数の互いに独立した伝送モジュールを含む。第1の伝送モジュール210と第2の伝送モジュール220との間は順に異なる波長周波数帯(wavelength band)を用いる。一部の実施例において、第1の伝送モジュール210及び第2の伝送モジュール220に用いられる波長周波数帯は互いに隣接する。具体的に、波長周波数帯は特定の複数のその周波数(即ち、周波数=光速/波長)に従い小から大に配列された波長の組み合わせである。
【0027】
図2に示すように、第1の及び第2の伝送モジュール210、220は入力サブモジュールとしてそれぞれマルチプレクサ212、222を含み、また、第1の及び第2の伝送モジュール210、220は出力サブモジュールとしてそれぞれ切替サブモジュール214、224及びデマルチプレクサ216、226を含む。具体的に、第1の伝送モジュール210における切替サブモジュール214は第1のビームスプリッタSP11、第2のビームスプリッタSP12、光信号増幅器EFDA1、第1の波長選択スイッチWSS11及び第2の波長選択スイッチWSS12を含む。類似的に、第2の伝送モジュール220の切替サブモジュール224も第3のビームスプリッタSP21、第4のビームスプリッタSP22、光信号増幅器EFDA2、第3の波長選択スイッチWSS21及び第4の波長選択スイッチWSS22を含む。第2の伝送モジュール220のマルチプレクサ222(その機能と操作については、後の実施例における第1の伝送モジュール210のマルチプレクサ212を参照されたい)は前記トップオブラックスイッチToRにおける対応する1つに接続されて複数の挿入ポートによってトップオブラックスイッチToRから複数の第2のアップロード光信号(UL9~UL16)を受信し、前記第2のアップロード光信号(UL9~UL16)を第2の合成光信号Sig21に統合することに用いられる。第3のビームスプリッタSP21(その機能と操作については、後の実施例における切替サブモジュール214の第1のビームスプリッタSP11を参照されたい)は第2の伝送リングRing2に設けられ前記第2の合成光信号Sig21を受信し第5の水平伝送光信号TSh5と第3の上り伝送光信号TSu3にコピーし、第2の伝送リングRing2によって第5の水平伝送光信号TSh5を同じポッドにおける別の光分岐挿入サブシステムの第2の伝送モジュール220に伝送し、第2の垂直ポート221によって前記第3の上り伝送光信号TSu3を伝送する。光信号増幅器EFDA2(その機能と操作については、後の実施例における切替サブモジュール214の光信号増幅器EFDA1を参照されたい)は第2の伝送リングRing2に設けられ第3のビームスプリッタSP21に結合されて、第5の水平伝送光信号TSh5を増幅し増幅された第5の水平伝送光信号TSh5'を同じポッドにおける別の光分岐挿入サブシステムの第2の伝送モジュール220に出力することに用いられる。第4のビームスプリッタSP22(その機能と操作については、後の実施例における切替サブモジュール214の第2のビームスプリッタSP12を参照されたい)は第2の伝送リングRing2に設けられ、同じポッドにおける別の光分岐挿入サブシステムの前記第2の伝送モジュール220の前記第5の水平伝送光信号TSh5'を受信し第3の下り伝送光信号TSd3と第6の水平伝送光信号TSh6にコピーし、前記第2の伝送リングRing2によって前記第6の水平伝送光信号TSh6を伝送する。第3の波長選択スイッチWSS21(その機能と操作については、後の実施例における切替サブモジュール214の第1の波長選択スイッチWSS11を参照されたい)は第2の伝送リングRing2に結合され、第4のビームスプリッタSP22から前記第3の下り伝送光信号TSd3を受信し又は前記光スイッチングリンクサブシステム400eから第4の下り伝送光信号TSd4を受信し、前記第3の下り伝送光信号TSd3又は第4の下り伝送光信号TSd4を選択的に出力することに用いられる。第4の波長選択スイッチWSS22(その機能と操作については、後の実施例における切替サブモジュール214の第2の波長選択スイッチWSS12を参照されたい)は前記第2の伝送リングRing2に設けられ、第6の水平伝送光信号TSh6を受信し第7の水平伝送光信号TSh7を前記第3のビームスプリッタSP21に出力することに用いられる。第3のビームスプリッタSP21は第7の水平伝送光信号TSh7を受信し第8の水平伝送光信号TSh7dと第4の上り伝送光信号TSu4にコピーし、第2の伝送リングRing2によって第8の水平伝送光信号TSh7dを伝送し、第2の垂直ポート221によって第4の上り伝送光信号TSu4を光スイッチングリンクサブシステム400eに伝送することに更に用いられる。第1の伝送リングRing1における光分岐挿入サブシステム200aから光分岐挿入サブシステム200bまでの光経路が切断される場合、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500は対応的にトップオブラックスイッチToRと第2の伝送モジュール220における第3の波長選択スイッチWSS21及び第4の波長選択スイッチWSS22を設けて第2の伝送リングRing2上光分岐挿入サブシステム200aから光分岐挿入サブシステム200bまでの光トンネルを確立する。
【0028】
マルチプレクサ212は第1の伝送モジュール210の入力サブモジュールとされる。類似的に、マルチプレクサ222が第2の伝送モジュール220の入力サブモジュールとされる。構造上、マルチプレクサ212、222がそれぞれトップオブラックスイッチにおける光分岐挿入サブシステム200に対応する1つ(即ち、トップオブラックスイッチToR)に接続される。マルチプレクサ212、222は、トップオブラックスイッチToRにより複数の第1のアップロード光信号UL1~UL8、第2のアップロード光信号UL9~UL16を受信し、第1のアップロード光信号UL1~UL8、第2のアップロード光信号UL9~UL16を第1の合成光信号Sig11及び第2の合成光信号Sig21に統合するための複数の挿入ポート(add-port)を有する。
【0029】
具体的に、マルチプレクサ212、222の各挿入ポート(add-port)は光ファイバーでキャビネットにおけるトップオブラックスイッチToR出入ポートにおけるその波長周波数帯に対応する異なる光波密度波長多重光トランシーバモジュール(DWDM transceiver)の伝送端に接続される。一部の実施例において、マルチプレクサ212、222における各挿入ポートの受信可能な波長信号は一定であり、1つの挿入ポートは1種類の波長信号を受信する。
【0030】
図2に示すように、第1のアップロード光信号UL1~UL8はそれぞれ第1の周波数帯における複数の波長λ1~λ8を有する。類似的に、第2のアップロード光信号UL9~UL16はそれぞれ第2の周波数帯における複数の波長λ9~λ16を有する。これにより、マルチプレクサ212、222はトップオブラックスイッチToRから第1の伝送モジュール210及び第2の伝送モジュール220に配置された波長周波数帯(即ち、波長λ1~λ8と波長λ9~λ16)の光信号を受信し、異なる光波長信号を1本の光ファイバーに統合して、第1の合成光信号Sig11及び第2の合成光信号Sig21で伝送することができる。
【0031】
第1の伝送モジュール210の切替サブモジュール214は第1のビームスプリッタSP11、光信号増幅器EDFA1、第2のビームスプリッタSP12、第1の波長選択スイッチ(Wavelength Selective Switch;WSS)WSS11及び第2の波長選択スイッチWSS12を含む。類似的に、第2の伝送モジュール220の切替サブモジュール224も第3のビームスプリッタSP21、光信号増幅器EDFA2、第4のビームスプリッタSP22、第3の波長選択スイッチWSS21及び第4の波長選択スイッチWSS22を含む。
【0032】
切替サブモジュール214、224の主な機能は入力サブモジュール(即ち、マルチプレクサ212、222)から伝送された第1の合成光信号Sig11及び第2の合成光信号Sig21を第2層ネットワークにおける光スイッチングリンクサブシステム400a、400eに順次にアップロードし或いは東へ又は西へ同じポッドにおける他の光分岐挿入サブシステム200に伝送し、光スイッチングリンクサブシステム400a、400e又は同じポッドにおける他の光分岐挿入サブシステム200からの光信号を受信サブモジュール216、226に交換する。例えば、
図1においてポッドP1における光分岐挿入サブシステム200aの切替サブモジュール214、224は同じようなポッドP1における他の4つの光分岐挿入サブシステム200に伝送されてよい。また、
図1においてポッドP2における光分岐挿入サブシステムは同じようなポッドP2における他の4つの光分岐挿入サブシステムの光信号を伝送/受信することができ、同様に、
図1において何れか1つのポッドにおける光分岐挿入サブシステムは同じポッドにおける他の4つの光分岐挿入サブシステムの光信号を伝送/受信することができる。
【0033】
説明を単純化するために、以下の段落では、第1の伝送モジュール210を例として各素子の操作に対して説明する。第2の伝送モジュール220の内部素子、操作は第1の伝送モジュール210と類似するため、ここで説明しない。
【0034】
図2に示すように、構造上、第1のビームスプリッタSP11は第1の伝送リングRing1に設けられ、第1の合成光信号Sig11を受信し第1の水平伝送光信号TSh1と第1の上り伝送光信号TSu1にコピーし、第1の伝送リングRing1によって第1の水平伝送光信号TSh1を伝送し、第1の垂直ポート211によって第1の上り伝送光信号TSu1を光スイッチングリンクサブシステム400aに伝送することに用いられる。
【0035】
一部の実施例において、光信号増幅器EDFA1はエルビウムドープファイバ増幅器(Erbium doped fiber amplifier;EDFA)で実現されてよい。光信号増幅器EDFA1は第1の伝送リングRing1に設けられ第1のビームスプリッタSP11に結合され、第1の水平伝送光信号TSh1を増幅し増幅された第1の水平伝送光信号TSh1'を同じポッドにおける他の光分岐挿入サブシステム200の第1の伝送モジュール210に出力することに用いられる。これにより、
図2に示す実施例において、光信号増幅器EDFA1は西に伝送される光信号パワーを増幅し、目的地に伝送するのに十分な電力があることを確保することができるが、本開示は西に伝送される方向に限定されず、実際の用途では伝送方向がネットワーク配置によって調整されてよい。
【0036】
図2に示すように、構造上、第2のビームスプリッタSP12は第1の伝送リング上Ring1に設けられ、同じ光ノードポッドにおける他の光分岐挿入サブシステム200の第1の伝送モジュール210からの第1の水平伝送光信号TSh1'を受信し第1の下り伝送光信号TSd1と第2の水平伝送光信号TSh2にコピーし、第1の伝送リングRing1によって第2の水平伝送光信号TSh2を伝送することに用いられる。
【0037】
第1の波長選択スイッチWSS11は、第1の伝送リングRing1に結合され、第2のビームスプリッタSP12から第1の下り伝送光信号TSd1を受信し又は光スイッチングリンクサブシステム400aから第2の下り伝送光信号TSd2を受信し、合成光信号Sig12として第1の下り伝送光信号TSd1又は第2の下り伝送光信号TSd2をデマルチプレクサ216に選択的に出力することに用いられる。
【0038】
具体的に、第1の波長選択スイッチWSS11は1つの2x1(2イン1アウト)の波長選択スイッチであり、対応する光信号をデマルチプレクサ216に出力するように通過する特定光波長信号を選択することに用いられる。一部の実施例において、この2x1の波長選択スイッチは2つの1x1の波長選択スイッチに加え1つの2x1の光コンバイナ(Combiner)を含むことで実現されてよく、光コンバイナによって2つの1x1(1イン1アウト)の波長選択スイッチによってフィルタリングされた2つの光信号に対して統合を行い、統合後の合成光信号Sig12を受信サブモジュールのデマルチプレクサ216に出力する。
【0039】
第2の波長選択スイッチWSS12は第1の伝送リングRing1に設けられ、第2のビームスプリッタSP12から第2の水平伝送光信号TSh2を受信し第3の水平伝送光信号TSh3を第1のビームスプリッタSP11に出力することに用いられる。第1のビームスプリッタSP11は第3の水平伝送光信号TSh3を受信し第4の水平伝送光信号TSh3dと第2の上り伝送光信号TSu2にコピーし、第1の伝送リングRing1によって第4の水平伝送光信号TSh3dに伝送し、第1の垂直ポート211によって第2の上り伝送光信号TSu2を光スイッチングリンクサブシステム400aに伝送することに用いられる。
【0040】
つまり、第1のビームスプリッタSP11は2x2(2イン2アウト)のビームスプリッタであり、2つの入力端(Input Port)と2つの出力端(Output Port)を含み、1つの入力端が第1の合成光信号Sig11を受信することに用いられ、第1のビームスプリッタSP11が受信された第1の合成光信号Sig11を2つの出力端にコピーすることに用いられ、別の入力端が第3の水平伝送光信号TSh3を受信することに用いられ、第1のビームスプリッタSP11が第3の水平伝送光信号TSh3を2つの出力端にコピーすることに用いられる。第1のビームスプリッタSP11の出力端は第1の水平伝送光信号TSh1又は第4の水平伝送光信号TSh3dを出力することに用いられ、別の出力端は第1の上り伝送光信号TSu1又は第2の上り伝送光信号TSu2を出力することに用いられる。第2のビームスプリッタSP12は1x2(1イン2アウト)のビームスプリッタであり、同じ光ノードポッドにおける他の光分岐挿入サブシステム200の第1の伝送モジュール210からの第1の水平伝送光信号TSh1'をコピーし2つに分割する。
図2に示す実施例における1方は第2の水平伝送光信号TSh2として西に順次に同じポッドP1の他の光分岐挿入サブシステムに伝送され、他方は第1の下り伝送光信号TSd1として下に光受信サブモジュール(即ち、デマルチプレクサ216)に伝送されるが、本開示は西に伝送される方向に限定されず、実際の用途では伝送方向がネットワーク配置によって調整されてよい。
【0041】
第2の水平伝送光信号TSh2は1x1の第2の波長選択スイッチWSS12を通して、第2の波長選択スイッチWSS12により第3の水平伝送光信号TSh3として通過する第2の水平伝送光信号TSh2の特定光波長信号を選択して、前記の第1のビームスプリッタSP11によりコピーと分割を行い、
図2に示す実施例における1つの光信号は第4の水平伝送光信号TSh3dとして順次に西に同じ光ノードポッドにおける他の光分岐挿入サブシステムに伝送され、他方の光信号は第2の上り伝送光信号TSu2として対応する光スイッチングリンクサブシステム400aに出力されるが、本開示は西に伝送される方向に限定されず、実際の用途では伝送方向がネットワーク配置によって調整されてよい。
【0042】
図3Aを併せて参照されたい。
図3Aは同じポッドP1における各光分岐挿入サブシステム200a~200eにおける第1の伝送モジュール210と第2の伝送モジュール220の接続関係を示す模式図である。
【0043】
注意すべきなのは、
図3Aに示すように、一部の実施例において、各光分岐挿入サブシステム200a~200eにおける第1の伝送モジュール210と第2の伝送モジュール220はそれぞれ第1の伝送リングRing1、第2の伝送リングRing2によって水平伝送光信号TSh1~TSh3及びTSh3dを伝送する。第1の伝送リングRing1及び第2の伝送リングRing2の光伝送方向で互いに対向する。例として、各第1の伝送モジュール210は第1の伝送リングRing1で西へ(即ち、時計回りの方向)信号を伝送し、各第2の伝送モジュール220は第2の伝送リングRing2で東へ(即ち、反時計回りの方向)信号を伝送するが、本開示内容はこれらに限定されない。他の実施例において、第1の伝送リングRing1、第2の伝送リングRing2は同じ光伝送方向で水平伝送光信号TSh1~TSh3及びTSh3dを伝送してよい。
【0044】
また、
図3Aに示すように、光分岐挿入サブシステム200a~200eにおける第1の伝送モジュール210はそれぞれ複数の対応する第1の垂直ポート(図面の実線矢印に示すように)によって光スイッチングリンクサブシステム400aに結合され、光分岐挿入サブシステム200a~200eにおける第2の伝送モジュール220はそれぞれ複数の対応する第2の垂直ポート(図面の点線矢印に示すように)によって光スイッチングリンクサブシステム400aと隣接する光スイッチングリンクサブシステム400eに結合される。
【0045】
図2に戻って参照されたい。
図2に示すように、デマルチプレクサ216、226は光分岐挿入サブシステム200の出力サブモジュールとされる。構造上、デマルチプレクサ216、226はそれぞれ第1の波長選択スイッチWSS11、WSS21に結合され、トップオブラックスイッチにおける対応する1つ(例えば、トップオブラックスイッチToR)に接続され、第1の下り伝送光信号TSd1又は第2の下り伝送光信号TSd2を受信し複数のダウンロード光信号DL1~DL8、DL9~DL16に逆多重化し、ダウンロード光信号DL1~DL8、DL9~DL16をトップオブラックスイッチToRに伝送することに用いられる。
【0046】
具体的に、デマルチプレクサ216、226はそれぞれサイクリックデマルチプレクサ(cyclic DEMUX)を含み、波長選択スイッチWSS11及びWSS21からの各波長を含む合成光信号Sig12及びSig22を受信し、選択的に対応するドロップポート(drop-port)を通過しそれに入るように特定の波長周波数帯の光信号をフィルタリングすることに用いられる。例として、知恵定義光トンネルネットワークシステムが合計40の波長を使用することを仮定し、その周波数がλ1~λ40のように小さいものから大きいものへと配列される、各波長周波数帯がそれぞれ8つの波長を有し、各独立した第1の伝送モジュール210、第2の伝送モジュール220がそれぞれ8つのドロップポートを有する。8つのチャンネル(Channel)を有する1つのサイクリックデマルチプレクサは入られた最も多くの40の波長を周期的な順序で配列し、波長選択スイッチWSS11及びWSS21によりデマルチプレクサ216及び226に入る波長信号を選択し、波長選択スイッチWSS11及びWSS21により選択された8つの波長信号がそれぞれ第1の伝送モジュール210のデマルチプレクサ216(又は第2の伝送モジュール220のデマルチプレクサ226)の対応する8つのドロップポートに入り、各ドロップポートは同じ選択で1つの対応する波長信号だけが入る。例として、一例において、サイクリックデマルチプレクサの波長配置は以下の表1に示される通りである。
【表1】
(表1:サイクリックデマルチプレクサの波長配置)
【0047】
表1に示すように、本例において、各波長周波数帯における第1の波長(λ1、λ9、λ17、λ25、λ33)は第1のドロップポートに入り、第2の波長(λ2、λ10、λ18、λ26、λ34)は第2のドロップポートに入り、以下同様である。各ドロップポートは光ファイバーでトップオブラックスイッチの出入ポートにおけるそのモジュール周波数帯波長のDWDM光トランシーバモジュールに対応する受信端に接続される。例として、第1のドロップポートはトップオブラックスイッチの出入ポートにおける周波数帯における第1の波長λ1のDWDM光トランシーバモジュールの受信端に接続される。このように、デマルチプレクサ216、226の各ドロップポートは複数の波長サイクル番号の光信号を受信することができる。
【0048】
注意すべきなのは、同じ波長の光信号が同時に第1の及び第2の伝送モジュール210、220の同じ光ファイバーによって伝送すると、信号干渉が発生し、衝突(conflict)が発生する可能性がある。
図3Bと
図3Cを併せて参照されたい。
図3Bと
図3Cはそれぞれ光コンバイナによる衝突を示す模式図及びデマルチプレクサによる衝突を示す模式図である。
図3Bに示すように、第1の波長選択スイッチWSS11が第2のビームスプリッタSP12から受信された第1の下り伝送光信号TSd1、光スイッチングリンクサブシステム400aから受信された第2の下り伝送光信号TSd2には同じ波長(例えば、λ1)の光信号を含む場合、2x1の第1の波長選択スイッチWSS11における2つの1x1の波長選択スイッチの何れもλ1が通過することを選択すると、2x1の光コンバイナによって同時に2つの波長がλ1である光信号を1本の光ファイバーに統合しデマルチプレクサ216に出力して衝突が発生する。
【0049】
図3Cに示すように、第2種の衝突はデマルチプレクサ216による衝突である。サイクリックデマルチプレクサの設計により、各ドロップポートは5種の波長サイクリング順に配列される(前記表1に示すように)波長を受信することができる。第1の波長選択スイッチWSS11は第2のビームスプリッタSP12から受信された第1の下り伝送光信号TSd1、光スイッチングリンクサブシステム400aから受信された第2の下り伝送光信号TSd2を仮定し、それぞれ第1の下り伝送光信号TSd1における波長がλ1である光信号と第2の下り伝送光信号TSd2における波長がλ9である光信号を通過させるように選択して、2つの異なる波長の光が成功に1本の光ファイバーに統合して合成光信号Sig12としてデマルチプレクサ216に伝送されることができるが、デマルチプレクサ216を通過した後で、波長λ1と波長λ9の光信号が同じドロップポート(例えば、第1のドロップポート)に導入される。最後、波長λ1と波長λ9の光信号は同じDWDM光トランシーバモジュールの受信端に到達する。同じDWDM光トランシーバモジュールの受信端は一回に1つの波長信号だけを受信でき、そうでなければ干渉が発生する。この場合に衝突が発生する。従って、一部の実施例において、デマルチプレクサ216の受信設計により、2本の光トンネルが異なる波長λ1、λ9を使っても衝突が発生する。従って、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ(Software-Defined Networking Controller;SDN Controller)500によって光トンネルネットワークのスケジューリング制御を行って、衝突の条件の発生を避け、光トンネルネットワークの利用率を最適化する。
【0050】
以上、光分岐挿入サブシステム200の内部モジュール及び操作に対する説明である。次に、以下の段落では、光分岐挿入サブシステム200a~200eが互いに接続してポッドP1を形成するネットワークインフラストラクチャ設計に対して説明する。再び
図3Aを参照されたい。
図3Aに示すように、光分岐挿入サブシステム200a~200eは光ファイバーで直列に1つのポッド(Pod)P1を形成する。前記のように、1つのポッドで直列に接続可能な光分岐挿入サブシステム200a~200eの数は各独立した第1の伝送モジュール210、第2の伝送モジュール220に配置された波長数及び知恵定義光トンネルネットワークシステム100によってサポートされる総波長の種類数に依存する。各光分岐挿入サブシステム200a~200eにおける第1の伝送モジュール210、第2の伝送モジュール220は隣接する光分岐挿入サブシステム200a~200eの対応する第1の伝送モジュール210、第2の伝送モジュール220と直列に接続され、1つのリング(Ring)状ネットワークを構成する。従って、1つのポッドは複数の独立したリング状ネットワークを含む。同じ伝送リング(例えば、第1の伝送リングRing1)に属する各伝送モジュール(例えば、第1の伝送モジュール210)に用いられる周波数帯波長は互いに重複できなく、波長周波数に応じて小さいものから大きいものまで反時計回りに配列される。また、伝送リングの間は互いに独立するので、異なるリングで同じ波長を重複して使用することができる。つまり、一部の実施例において、第1の伝送リングRing1、第2の伝送リングRing2に用いられる波長種類及び数は何れも同じである。
【0051】
図3AのポッドP1インフラストラクチャを例として、2本の光ファイバーはそれぞれ各光分岐挿入サブシステム200a~200eの対応する第1の伝送モジュール210、第2の伝送モジュール220と直列に接続されて、2つの独立した第1の伝送リングRing1と第2の伝送リングRing2を形成する。第1の伝送リングRing1は西へ(即ち、時計回りの方向)光信号を伝送し、第2の伝送リングRing2は東へ(即ち、反時計回りの方向)光信号を伝送する。第1の伝送リングRing1における第1の光分岐挿入サブシステム200aの第1の伝送モジュール210で波長λ1-λ8を含む周波数帯を使用し、東の次の光分岐挿入サブシステム200eにおける第1の伝送モジュール210はλ9-λ16を使用し、東のまた次の光分岐挿入サブシステム200dにおける第1の伝送モジュール210はλ17-λ24を使用し、以下同様である。
【0052】
特に注意すべきなのは、第2の伝送リングRing2における各第2の伝送モジュール220に用いられる波長周波数帯は第1の伝送モジュール210からずれて隣接し、例えば第1の光分岐挿入サブシステム200aにおける第2の伝送モジュール220はλ9-λ16(光分岐挿入サブシステム200aの第1の伝送モジュール210と波長λ1-λ8を含む周波数帯を使用しずれて隣接している)を使用し、東の次の光分岐挿入サブシステム200eの第2の伝送モジュール220はλ17-λ24(光分岐挿入サブシステム200eの第1の伝送モジュール210と波長λ9-λ16を含む周波数帯を使用しずれて隣接している)を使用し、東のまた次の光分岐挿入サブシステム200dの第2の伝送モジュール220はλ25-λ32を使用し、以下同様である。つまり、同じポッドP1において、光分岐挿入サブシステム200aにおける第1の伝送モジュール210の配置された第1の周波数帯と光分岐挿入サブシステム200bにおける第2の伝送モジュール220の配置された第2の周波数帯は、同じ波長の組み合わせを含む。
【0053】
このような配置により、各光分岐挿入サブシステム200a~200eは16の波長周波帯域幅をサポートすることができる。1つのポッドP1が直列に接続可能な最も多くの光分岐挿入サブシステム200の数はシステムに用いられる波長種類に依存する。
図1のインフラストラクチャを例として、知恵定義光トンネルネットワークシステム100が共に40種の波長をサポートすることを仮定すると、1つの独立リングで5つの異なる波長周波数帯の独立モジュールを直列に接続することができ、1つのポッドP1で5つの光分岐挿入サブシステム200a~200eを直列に接続することができることと同等する(
図3Aに示す)。
【0054】
また、各伝送リングRing1、Ring2に用いられる伝送波長種類及び数は何れも同じであるので、第1の伝送リングRing1内で40種の波長(λ1~λ40)を使用し、第2の伝送リングRing2も同様にλ1~λ40を使用する。このリング状設計インフラストラクチャで、1つの光分岐挿入サブシステム200a~200eは同時に東へ又は西へ同じポッドP1の他の光分岐挿入サブシステムの光信号を伝送し受信することができる。
【0055】
なお、ポッドリング状ネットワークインフラストラクチャには2つの設計特点を含み、それぞれインクリメンタル式(incremental)インフラストラクチャ設計と波長再利用(wavelength reuse)特性であり、その具体内容は以下の段落でそれぞれ詳しく説明される。
【0056】
インクリメンタル式インフラストラクチャ設計のその精神は以下の2種の構築方式で明らかにされる。第1は1つのポッドで必要なキャビネット数に応じて必要な光分岐挿入サブシステム200a~200eのノードを次第に添加し直列接続することができる。第2は1つのポッドP1で独立伝送リングRing1、Ring2の数を次第に増加することができる。
【0057】
例として、光分岐挿入サブシステムがモジュール化設計を採用し、第1層ネットワークT1の各ポッドがリング状設計インフラストラクチャを採用するので、これにより1つのポッドで異なる数で直列に弾性的に接続可能な光分岐挿入サブシステム200a~200eを有する。つまり、要求が増えるにつれて、1つのポッドで必要なキャビネット数に応じて必要な光分岐挿入サブシステム200a~200eを次第に添加し直列に接続することができる。例えば、必要なキャビネット数が少ない(例えば、3つのキャビネット)場合、ポッドP1でリング状に直列に接続される3つの光分岐挿入サブシステム200a~200cだけを含んでよい。必要なキャビネット数が増加する(例えば、5つのキャビネット)場合、ポッドP1は5つの光分岐挿入サブシステム200a~200eを含みリング状直列に接続されるように拡張することができる。
【0058】
また、同じポッド内で独立伝送リングRing1、Ring2の数を増加してよい。例として、キャビネットにおけるサーバー数が増加し又は周波帯域幅がアップグレードする場合、全体のキャビネットによるネットワークトラフィックも比較的増加する。この場合、2つの方法で解決できる。第1の方法は光分岐挿入サブシステム200a~200eに用いられる波長数が変わらない場合、知恵定義光トンネルネットワークシステムがデータレートの透明性(data rate transparency)を有する特性に基づいて、より高速のDWDM光トランシーバモジュールを交換できて、サーバー数の増加又は周波帯域幅のアップグレードによるネットワークトラフィックをサポートする。例えば、各波長の伝送速度は10Gbit/sから100Gbit/sにアップグレードされて、システム伝送率の柔軟的な適用を高め、ハード機器のアップグレードコストを大幅に節約する。
【0059】
第2の方法は波長伝送速率が変わらない場合、キャビネットに用いられる波長数を高めるように次第に光分岐挿入サブシステム200における伝送モジュールの数を増加することができる。伝送モジュールが互いに独立するので、1つのポッドで次第に伝送リングの数を増加して、キャビネット内のサーバー数の増加又は周波帯域幅のアップグレードによるネットワークトラフィックをサポートする。同じポッドに形成可能な独立伝送リング数は独立伝送モジュールに用いられる波長数及びシステムに用いられる波長種類に依存する。例として、知恵定義光トンネルネットワークシステム100が40種の波長を使用する場合、1つの光分岐挿入サブシステム200は最大5つの異なる波長周波数帯の独立モジュールを含んでよく、それぞれλ1-λ8、λ9-λ16、λ17-λ24、λ25-λ32及びλ33-λ40の周波数帯を使用する。対応的に、1つのポッドは最大5つの伝送リングを形成することができる。
【0060】
つまり、一部の実施例において、光分岐挿入サブシステム200の何れか1つはN個の互いに独立した伝送モジュールを含んでよく、これにより同じポッドにおける光分岐挿入サブシステム200が対応するN個の伝送リングによって互いに接続される。1つの光分岐挿入サブシステム200におけるN個の伝送モジュールは対応する光経路によって第2層ネットワークT2における2つの隣接する光スイッチングリンクサブシステムに結合され、1つの光分岐挿入サブシステム200におけるN個の伝送モジュールの1つが対応する光経路によって第1層ネットワークT1における同じ光ノードポッドの隣接する光分岐挿入サブシステムにおける対応する伝送モジュールに結合され、Nが2以上の正整数である。
【0061】
要するに、第1層ネットワークT1におけるポッドインクリメンタル式インフラストラクチャ設計の2種の構築方式は、光ファイバーによって必要な光分岐挿入サブシステム200ノードの対応する独立伝送モジュールに直列に接続されるだけでリング状ネットワークインフラストラクチャを形成でき、従ってシステムインフラストラクチャがアップグレードする配線の複雑さを大幅に低下させることができる。
【0062】
また、前の段落で説明したように、第1層ネットワークT1で同じ波長の組み合わせを再利用でき、これは第1層ネットワークT1における波長再利用特性である。具体的に、波長再利用特性はネットワークインフラストラクチャの2か所に表示される。第1、各Podにおける複数の独立伝送リングRing1、Ring2は同じ波長の組み合わせを再利用できる。第2、異なるポッドのポッド内(intra-Pod)光信号は同じ波長の組み合わせを再利用できる。
【0063】
同じポッドにおける各伝送リングは何れも同じ波長(例えば、λ1)の光信号を再利用し伝送することができる。異なるポッドにおいても、同じ波長(例えば、λ1)の光信号を再利用し伝送して衝突が発生しない。以上のネットワークインフラストラクチャの設計によって、少ない波長種類を利用するだけで大量のキャビネット間のデータ伝送をサポートすることができて、そして知恵定義光トンネルネットワークシステム100における各光ファイバーの各波長が1つの対応する光信号だけを通過させるように伝送することに用いられ、及び全体のネットワークシステムに用いられる波長種類の上限(例えば、40種の波長)の制限を克服することができる。
【0064】
図3Dを参照されたい。
図3Dは本開示内容の一部の実施例によるポッド内(intra-Pod)光トンネル及び光信号の流れ方向を示す模式図である。以下の段落では、
図3Dに基づきポッド内光トンネルの確立に必要な光分岐挿入サブシステム200a~200e内の波長選択スイッチに対する、及び光信号の流れ方向を説明する。
【0065】
図3D及び
図2に示すように、光分岐挿入サブシステム200aに対応するユニットは第1の伝送モジュール210を使用してデータを同じポッドP1における光分岐挿入サブシステム200bに対応するユニットと光分岐挿入サブシステム200cに対応するユニットに伝送しようとする。それぞれ2つのデータを伝送するために、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500が2本のポッド内光トンネルを確立することができ、そのうちの1本が光分岐挿入サブシステム200aから光分岐挿入サブシステム200bまでの経路RT1を使用し、波長λ1を選択して使用し、別の1本が光分岐挿入サブシステム200aから光分岐挿入サブシステム200cまでの経路RT2を使用し、波長λ2を選択して使用する。光トンネルを確立するために、経路を通過するすべての波長選択スイッチを設定して通過する特定の波長を選択する。従って、経路RT1は目的地の光分岐挿入サブシステム200bにおける第1の伝送モジュール210における2x1の第1の波長選択スイッチ(
図2における第1の波長選択スイッチWSS11)を設定するだけで光トンネルを確立でき、経路RT2は光分岐挿入サブシステム200bにおける第1の伝送モジュール210が東西方向での1つの1x1の第2の波長選択スイッチ(
図2における第2の波長選択スイッチWSS12)及び目的地の光分岐挿入サブシステム200cにおける第1の伝送モジュール210における2x1の第1の波長選択スイッチ(
図2における第1の波長選択スイッチWSS11)を設定する必要がある。
【0066】
光信号伝送中に、まず、波長λ1と波長λ2の光信号は、対応するキャビネット(Rack)におけるトップオブラックスイッチ出入ポートの対応するDWDM光トランシーバモジュールによって光分岐挿入サブシステム200aにおける第1の伝送モジュール210aの対応する挿入ポートに伝送され、マルチプレクサ212により1本の光ファイバーに統合され、また2x2の第1のビームスプリッタSP11によってコピーされ分割されて西に伝送され、この場合、光信号は光信号増幅器EDFA1により光パワーが増幅されて第1の伝送リングRing1により光分岐挿入サブシステム200bにおける第1の伝送モジュール210bに伝送される。光信号が第1の伝送モジュール210bに伝送されてから、波長λ1と波長λ2の光信号は第2のビームスプリッタSP12によってコピーされ2つの光信号に分割されて、1つの光信号が下に伝送され、別の光信号が西に光分岐挿入サブシステム200cに伝送される。下に伝送された光信号は2x1の第1の波長選択スイッチWSS11によって波長λ1の光信号を通過させデマルチプレクサ216に伝送するように選択し、最後にデマルチプレクサ216の第1のドロップポートにより対応するキャビネットにおけるトップオブラックスイッチ出入ポートのDWDM光トランシーバモジュールに対応する受信端に伝送され、キャビネットからキャビネットまでの光信号伝送を完成する。
【0067】
一方、西に伝送される光信号は1x1の第2の波長選択スイッチWSS12によって波長λ2の光信号を通過させるように選択し、2x2の第1のビームスプリッタSP11はそれをコピーし分割して西に伝送し、この場合、光信号は光信号増幅器EDFA1により光パワーが増幅されて第1の伝送リングRing1により光分岐挿入サブシステム200cにおける第1の伝送モジュール210cに伝送される。光信号が第1の伝送モジュール210cに伝送されてから、波長λ2の光信号は1x2の第2のビームスプリッタSP12によってコピーされ2つ光信号に分割されて、1つの光信号が下に伝送され、別の光信号が引き続き西に伝送される。下に伝送された光信号は2x1の第1の波長選択スイッチWSS11によって波長λ2の光信号を通過させデマルチプレクサ216に伝送するように選択し、そしてデマルチプレクサ216の第2のドロップポートにより対応するキャビネットにおけるトップオブラックスイッチ出入ポートのDWDM光トランシーバモジュールに対応する受信端に伝送され、キャビネットからキャビネットまでの光信号伝送を完成する。
【0068】
また、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500は第1の伝送モジュール210cにおける1x1の第2の波長選択スイッチ(
図2における第2の波長選択スイッチWSS12を参照されたい)を設定することに用いられて、西に伝送される波長λ2の光信号をフィルタリングしブロックし、波長λ2の光信号が順次に次の光分岐挿入サブシステム200dに伝送されることを避ける。
【0069】
これにより、異なる波長が同じ伝送リングRing1で異なる光トンネルを確立することを実現できて、それぞれデータを異なる光ノードに伝送する。このように、第1層ネットワークT1において、同じポッド内の各光分岐挿入サブシステム200a~200eの異なるラックに対応するサーバーの間のデータ伝送を実現することができる。
【0070】
再び
図1を参照されたい。前の
図1に示すように、第1層ネットワークT1には複数のポッドP1~P4を含み、ポッドP1~P4が第2層ネットワークT2と互いに接続されることにより1つの規模が大きいネットワークインフラストラクチャを形成することができる。以下、それぞれ第1層ネットワークT1と第2層ネットワークT2との互いに接続されるインフラストラクチャ設計、第2層ネットワークT2の内部インフラストラクチャ、及びポッド間の光信号伝送操作を説明する。
【0071】
構造上、第2層ネットワークT2における何れか1つの光スイッチングリンクサブシステム(例えば、光スイッチングリンクサブシステム400a)は同時に第1層ネットワークT1における2つの隣接するポッド(例えば、ポッドP1、ポッドP2)に接続される。これにより、第2層ネットワークT2における光スイッチングリンクサブシステム400a~400eによって、異なるポッドが対応するサーバーの間のデータ伝送を実現することができる。
【0072】
具体的に、ポッドP1における光分岐挿入サブシステム200a~200eにおける第1の伝送モジュール210は、それぞれ複数の対応する第1の垂直ポートによって光スイッチングリンクサブシステム400aに結合され、光分岐挿入サブシステム200a~200eにおける第2の伝送モジュール220は、それぞれ複数の対応する第2の垂直ポートによって隣接する光スイッチングリンクサブシステム400aの光スイッチングリンクサブシステム400eに結合される。また、ポッドP2における第2の伝送モジュール220はそれぞれ複数の対応する第2の垂直ポートによって光スイッチングリンクサブシステム400aに結合される。
【0073】
つまり、何れか1つの第2層ネットワークT2の光スイッチングリンクサブシステム400a~400eは2つの隣接するポッドにおける光分岐挿入サブシステム200a~200eにおける対応する異なる伝送リングの第1の伝送モジュール210、第2の伝送モジュール220に結合される。何れか1つの第1層ネットワークT1の同じポッドにおける光分岐挿入サブシステム200a~200eもそれぞれ異なる第1の伝送モジュール210、第2の伝送モジュール220によって同時に第2層ネットワークT2における光スイッチングリンクサブシステム400a~400eにおける隣接する両者に結合される。
【0074】
このように、光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの間の相互接続ネットワークと協働して、第1層ネットワークT1の各ポッドの間は任意の光分岐挿入サブシステム200a~200eを構築して1つ又は複数の光スイッチングリンクサブシステム400a~400eによって、また他の光分岐挿入サブシステム200a~200eの間に伝送されるエンドツーエンド(end-to-end)光トンネルに接続される。
【0075】
説明を容易にするために、以下の段落を図面に合わせて、光スイッチングリンクサブシステム400aの内部の具体構造と光信号伝送を実現するための対応する動作を説明する。
図4を参照されたい。
図4は本開示内容の一部の実施例による光スイッチングリンクサブシステム400aを示す模式図である。注意すべきなのは、
図4は光スイッチングリンクサブシステム400aを例としてその構造と操作を説明するが、残りの光スイッチングリンクサブシステム400b~400eの構造と操作も同様であるため、説明しない。
【0076】
光スイッチングリンクサブシステム400aは主に異なるポッドの間の光トンネルを確立する中継ノードとする。
図4に示すように、光スイッチングリンクサブシステム400aの内部設計は受信サブモジュール420、出力サブモジュール440、光路切替サブモジュール460及び相互接続ラインモジュール480に分けられる。相互接続ラインモジュール480はフェールオーバーサブモジュール490を更に含む。
【0077】
光スイッチングリンクサブシステム400aは、数が等しく、第1層ネットワークT1で各ポッドにおける光分岐挿入サブシステム200の数に対応する複数の挿入ポートとドロップポートを含む。例として、各ポッドがそれぞれ5つの光分岐挿入サブシステム200a~200eを含む場合、光スイッチングリンクサブシステム400aは隣接する2つのポッドP1、P2における共に10の光分岐挿入サブシステムを接続する必要があるので、10の挿入ポートと10のドロップポートを必要とする。
【0078】
図面に示すように、受信サブモジュール420は各挿入ポートに結合され、それぞれ光スイッチングリンクサブシステム400aに対応する第1のポッドP1に対応する複数の第1の光分岐挿入サブシステム200a~200eから複数の第1の上り伝送光信号TSu1a~TSu1eを受信し、且つ第2のポッドP2に対応する複数の第2の光分岐挿入サブシステム200a~200eと複数の第3の上り伝送光信号TSu3a~TSu3eを受信する。
【0079】
光スイッチングリンクサブシステム400aは光ファイバーでそれぞれ第1層ネットワークT1における2つの隣接するポッドP1、P2内のすべての光分岐挿入サブシステム200a~200eに接続される。光分岐挿入サブシステム200a~200eからの光信号を統合しフィルタリングするために、一部の実施例において、受信サブモジュール420は2つの波長周波数帯マルチプレクサ(band MUX)BMUX1、BMUX2を含み、それぞれポッドP1、P2における光分岐挿入サブシステム200a~200eからの異なる波長周波数帯を有する第1の上り伝送光信号TSu1a~TSu1e、第3の上り伝送光信号TSu3a~TSu3eを受信し、それらを合成光信号SigU1、SigU2として1本の光ファイバー内に統合し光路切替サブモジュール460に入らせる。
【0080】
一部の実施例において、2つの波長周波数帯マルチプレクサBMUX1、BMUX2は異なるポッドP1、P2の光分岐挿入サブシステムの異なる伝送リングを接続する。例として、
図1と
図4に示すように、波長周波数帯マルチプレクサBMUX1は下へポッドP1内の各光分岐挿入サブシステム200a~200eの第1の伝送モジュール210を接続し、波長周波数帯マルチプレクサBMUX2は下へポッドP2内の各光分岐挿入サブシステム200a~200eの第2の伝送モジュール220を接続する。理解を容易にするために、第1層ネットワークT1と第2層ネットワークT2との間の接続については、後の段落で詳細に説明される。
【0081】
従って、
図1に示す実施例において、1つのポッドP1が最大5つの光分岐挿入サブシステム200a~200eを含み、各伝送リングの対応する光分岐挿入サブシステム200a~200eにおける第1の伝送モジュール210及び第2の伝送モジュール220の何れも異なる波長周波数帯を使用すると、光スイッチングリンクサブシステム400aの配置された波長周波数帯マルチプレクサBMUX1、BMUX2はそれぞれ5バンド(5-band)のマルチプレクサであり、これにより5つの異なる波長周波数帯の光信号をそれぞれ5つの挿入ポートを通過させる。例として、第1の挿入ポートから波長周波数帯マルチプレクサBMUX1に入る光信号は、波長がλ1~λ8である光信号だけが通過し、残りの波長の光信号が波長周波数帯マルチプレクサBMUX1によってフィルタリングされ、第2の挿入ポートから波長周波数帯マルチプレクサBMUX1に入る光信号は、波長がλ9-λ16である光信号だけが通過し、以下同様である。
【0082】
出力サブモジュール440は各ドロップポートに結合され、光路切替サブモジュール460からの合成光信号SigD1、SigD2を第1層ネットワークT1におけるポッドP1、P2に伝送することに用いられる。具体的に、出力サブモジュール440は、主にビームスプリッタSPLT1、SPLT2を含む。構造上、ビームスプリッタSPLT1はポッドP1における光分岐挿入サブシステム200a~200eを接続し、ビームスプリッタSPLT2はポッドP2における光分岐挿入サブシステム200a~200eを接続する。ビームスプリッタSPLT1、SPLT2はそれぞれ光路切替サブモジュール460からの合成光信号SigD1、SigD2をコピーし第2の下り伝送光信号TSd2a~TSd2e及び第4の下り伝送光信号TSd4a~TSd4eに分割し第1層ネットワークT1におけるポッドP1、P2の各光分岐挿入サブシステム200a~200eに伝送する。
【0083】
従って、
図1に示す実施例において、1つのポッドP1が最大5つの光分岐挿入サブシステム200a~200eを含むと、1x5のビームスプリッタSPLT1は合成光信号SigD1をコピーし5つの第2の下り伝送光信号TSd2a~TSd2eに分割しそれぞれポッドP1における5つの光分岐挿入サブシステム200a~200eの第1の伝送モジュール210に出力する。別の1x5のビームスプリッタSPLT2は合成光信号SigD2をコピーし5つの第4の下り伝送光信号TSd4a~TSd4eに分割しそれぞれポッドP2における5つの光分岐挿入サブシステム200a~200eの第2の伝送モジュール220に出力する。
【0084】
構造上、光路切替サブモジュール460は受信サブモジュール420、出力サブモジュール440及びインターコネクトラインモジュール480に結合され、受信サブモジュール420、出力サブモジュール440及びインターコネクトラインモジュール480の間に光信号を伝送することに用いられる。
【0085】
一部の実施例において、光路切替サブモジュール460は波長選択を行うように1つのNxMの波長選択スイッチを含み、これにより光スイッチングリンクサブシステム400aが第1層ネットワークT1からの光信号を東へ、西へ他の光スイッチングリンクサブシステム(例えば、光スイッチングリンクサブシステム400b~400e)に伝送し又は下へ第1層ネットワークT1における他のポッドに伝送してよく、東、西の他の光スイッチングリンクサブシステム400b~400eからの光信号を受信し第1層ネットワークT1におけるポッドP1、P2に伝送してよい。NとMは2以上の任意の正整数であり、1つの光分岐挿入サブシステム200に含まれる伝送モジュールの数及び第2層ネットワークT2に含まれる互いに接続される光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの数に依存する。
【0086】
図1に示す実施例を例として、1つの光分岐挿入サブシステム200が2つの独立した第1の伝送モジュール210、第2の伝送モジュール220を含むので、光スイッチングリンクサブシステム400aには2組のマルチプレクサBMUX1、BMUX2が配置される。対応して、光路切替サブモジュール460は第1のアップリンク入力端と第2のアップリンク入力端を含み、それぞれマルチプレクサBMUX1とマルチプレクサBMUX2に結合され、それぞれ合成光信号SigU1と合成光信号SigU2を受信することに用いられる。
【0087】
なお、第2層ネットワークT2には共に5つの接続される光スイッチングリンクサブシステム400a~400eがあるので、各光スイッチングリンクサブシステム(例えば、光スイッチングリンクサブシステム400a)は他の4つの光スイッチングリンクサブシステム400b~400eから接続されるラインを有する。従って、光路切替サブモジュール460は対応する複数の下り入力端を含み、インターコネクトラインモジュール480に結合され、それぞれ残りの光スイッチングリンクサブシステム400b~400eからの水平伝送光信号を受信することに用いられる。従って、本例において、光路切替サブモジュール460の入力端の数は2つのアップリンク入力端に加え4つの下り入力端であり、Nの値は6である。
【0088】
一方、光スイッチングリンクサブシステム400aは下へデータを2つのポッドP1、P2に伝送することに用いられるので、光スイッチングリンクサブシステム400aに2つのビームスプリッタSPLT1、SPLT2が配置される。対応して、光路切替サブモジュール460は第1の下り出力端と第2の下り出力端を含み、それぞれビームスプリッタSPLT1とビームスプリッタSPLT2に結合され、ビームスプリッタSPLT1が第2の下り伝送光信号TSd2a~TSd2eを出力することに用いられ、ビームスプリッタSPLT2が第4の下り伝送光信号TSd4a~TSd4eを出力することに用いられる。
【0089】
また、光スイッチングリンクサブシステム400aは東へ、西へ双方向で信号を残りの光スイッチングリンクサブシステム400b~400eに出力することに用いられる。従って、光路切替サブモジュール460は第1のアップリンク出力端と第2のアップリンク出力端を含み、それぞれインターコネクトラインモジュール480に結合され、水平伝送光信号を残りの光スイッチングリンクサブシステム400b~400eに出力することに用いられる。従って、本例において共に4つの出力端を必要とし、Mの値が4である。
【0090】
このインフラストラクチャにおいて、既存の光切替サブモジュールに比べ、6x4(6イン4アウト)の光路切替サブモジュール460はライン設計を簡素化し、少ないラインを使用するだけでなく、更に光信号強度を検出するフェールオーバーサブモジュール490と協働することに用いられてよい(
図6を参照されたい)。
【0091】
図5を参照されたい。
図5は本開示内容の一部の実施例による光路切替サブモジュール460の内部設計を示す模式図である。
図5に示すように、6x4の光路切替サブモジュール460は、複数の入力ビームスプリッタ462a~462f、波長選択スイッチアレイ464、複数の出力光コンバイナ466a~466d、及び複数の光信号増幅器468a~468dを含む。具体的に、光路切替サブモジュール460において、入力ビームスプリッタ462a~462fの数は入力端の数Nに対応し、出力光コンバイナ466a~466d、及び光信号増幅器468a~468dの数は出力端の数Mに対応する。本例において、6x4の光路切替サブモジュール460は6つの入力ビームスプリッタ462a~462f、及び4つの出力光コンバイナ466a~466d、4つの光信号増幅器468a~468dを含む。波長選択スイッチアレイ464は14の1x1の波長選択スイッチ464a~464nからなるアレイである。この実施例において、6つの入力ビームスプリッタ462a~462fは4つの下り伝送される入力ビームスプリッタ462a~462d及び2つの上り伝送される入力ビームスプリッタ462e~462fを含む。14の波長選択スイッチ464a~464nは4つの水平に伝送される波長選択スイッチ464a~464d、第1部の下り伝送される波長選択スイッチ464e~464i、第2部の下り伝送される波長選択スイッチ464j~464nを含む。4つの出力光コンバイナ466a~466dは2つの水平に伝送される出力光コンバイナ466a~466b及び2つの下り伝送される出力光コンバイナ466c~466dを含む。
【0092】
操作上、入力ビームスプリッタ462a~462fはそれぞれ下り入力端、第1のアップリンク入力端又は第2のアップリンク入力端に結合され、対応して複数の第1の光信号をコピーし波長選択スイッチアレイ464における複数の波長選択スイッチ464a~464nに出力する。波長選択スイッチ464a~464nはそれぞれ受信しソフトウェア定義ネットワークコントローラ500から出力される制御信号CSに基づき第1の光信号の対応する波長を選択して第2の光信号として対応する出力光コンバイナ466a~466dに出力する。出力光コンバイナ466a~466dはそれぞれ第2の光信号における対応する2つ又は複数を受信し合成して、複数の第3の光信号を光信号増幅器468a~468dに出力する。これにより、光信号増幅器468a~468dは第3の光信号を増幅でき、増幅された第3の光信号をそれぞれ第1の下り出力端、第2の下り出力端、第1のアップリンク出力端又は第2のアップリンク出力端によって合成光信号SigD1、SigD2、SigE0、SigW0として出力される。以下の段落では、それぞれ各デバイスユニットの操作を説明する。
【0093】
具体的に、上り伝送される入力ビームスプリッタ462eは第1のアップリンク入力端に結合され、上り伝送される入力ビームスプリッタ462fは第2のアップリンク入力端に結合され、マルチプレクサBMUX1とマルチプレクサBMUX2から合成光信号SigU1と合成光信号SigU2を受信することに用いられる。上り伝送される入力ビームスプリッタ462e、462fはそれぞれ合成光信号SigU1、SigU2をコピーし3つに分割することに用いられ、そしてまたそれぞれ波長選択スイッチアレイ464の3つの異なる1x1の波長選択スイッチ464a~464nを接続する。図面に示すように、上り伝送される入力ビームスプリッタ462eは波長選択スイッチ464a、464c、464nに接続され、対応して第1の水平伝送信号H1E、第2の水平伝送信号H1W及び第3の下り伝送信号U1D2を出力する。上り伝送される入力ビームスプリッタ462fは波長選択スイッチ464b、464d、464iに接続され、対応して第1の水平伝送信号H2E、第2の水平伝送信号H2W及び第3の下り伝送信号U2D1を出力する。
【0094】
光路切替サブモジュール460の下り入力端はそれぞれ東、西の各2つの光スイッチングリンクサブシステムからの光信号を受信することに用いられる。例として、光スイッチングリンクサブシステム400aにおける光路切替サブモジュール460に対して、下り入力端はそれぞれ東の光路切替サブモジュール460b、460cからの水平光信号SigE1、SigE2、及び西の光路切替サブモジュール460e、460dからの水平光信号SigW1、SigW2を受信することに用いられる。光信号SigE1、SigE2、SigW1、SigW2はそれぞれ下り入力端によって光ファイバーにより1x2の下り入力ビームスプリッタ462a、462b、462c、462dに接続されて、光信号をコピーし2つに分割してから、またそれぞれ1x1の波長選択スイッチ464a~464nにおける対応する1つを接続する。
【0095】
具体的に、下り伝送される入力ビームスプリッタ462a~462dの何れか1つ下り入力端における対応する1つはに結合されて、対応する光スイッチングリンクサブシステム400b~400eから受信された水平光信号SigE1、SigE2、SigW1、SigW2をコピーし、対応する第1の下り伝送信号E1D1、E2D1、W1D1、W2D1と第2の下り伝送信号E1D2、E2D2、W1D2、W2D2を波長選択スイッチアレイ464における波長選択スイッチ464a~464nの対応する1つに出力することに用いられる。
【0096】
図面に示すように、一例において、下り伝送される入力ビームスプリッタ462aは第1の下り伝送信号E1D1、第2の下り伝送信号E1D2を接続し対応する波長選択スイッチ464e、464jに出力する。下り伝送される入力ビームスプリッタ462bは第1の下り伝送信号E2D1、第2の下り伝送信号E2D2を接続し対応する波長選択スイッチ464f、464kに出力する。下り伝送される入力ビームスプリッタ462cは第1の下り伝送信号W1D1、第2の下り伝送信号W1D2を接続し対応する波長選択スイッチ464g、464lに出力する。下り伝送される入力ビームスプリッタ462dは第1の下り伝送信号W2D1、第2の下り伝送信号W2D2を接続し対応する波長選択スイッチ464h、464mに出力する。
【0097】
波長選択スイッチアレイ464の14の波長選択スイッチ464a~464nにおいて、4つの水平に伝送される波長選択スイッチ464a、464b、464c、464dは、それぞれ第2層ネットワークT2に伝送される東、西の他の光路切替サブモジュール460の水平伝送信号H1E、H2E、H1W、H2Wに対して波長を選択することに用いられ、その対応する波長を選択して対応する第3の光信号として出力する。第1部の下り伝送される波長選択スイッチ464e~464i及び第2部の下り伝送される波長選択スイッチ464j~464nは、下へ第1層ネットワークT1における2つの隣接するポッドに伝送される下り伝送信号に対して波長を選択することに用いられる。
【0098】
具体的に、第1部の下り伝送される波長選択スイッチ464e~464iはそれぞれ下り伝送信号E1D1、E2D1、W1D1、W2D1と下り伝送信号U2D1の対応する波長を選択して対応する第3の光信号として出力することに用いられる。第2部の下り伝送される波長選択スイッチ464j~464nはそれぞれ下り伝送信号E1D2、E2D2、W1D2、W2D2と下り伝送信号U1D2の対応する波長を選択して対応する第3の光信号として出力することに用いられる。このように、第1部の下り伝送される波長選択スイッチ464e~464iは下のポッドP1に伝送される光信号に対して波長を選択することができる。第2部の下り伝送される波長選択スイッチ464j~464nは下のポッドP2に伝送される光信号に対して波長を選択することができる。
【0099】
要するに、波長選択スイッチアレイ464における14の波長選択スイッチ464a~464nが波長選択の動作を完成してから、波長選択スイッチアレイ464が出力する第3の光信号は共に4つの伝送方向を有し、それぞれ東、西、ポッドP1及びポッドP2への方向である。伝送方向が同じである各波長選択スイッチ464a~464nはまた出力光コンバイナ466a~466dにおける対応する1つに接続されて、光信号を1本の光経路に統合する。
【0100】
図5の実施例に示すように、水平に伝送される出力光コンバイナ466aは水平に伝送される波長選択スイッチ464a、464bが出力する第3の光信号を合成することに用いられる。別の水平に伝送される出力光コンバイナ466bは水平に伝送される波長選択スイッチ464c、464dが出力する第3の光信号を合成することに用いられる。下り伝送される出力光コンバイナ466cは第1部の下り伝送される波長選択スイッチ464e~464iが出力する第3の光信号を合成することに用いられる。別の下り伝送される出力光コンバイナ466dは第2部の下り伝送される波長選択スイッチ464j~464nが出力する第3の光信号を合成することに用いられる。
【0101】
最後、出力光コンバイナ466a~466dはそれぞれ光信号増幅器468a~468dにおける対応する1つに接続されて光信号強度を強め、最後に出力される合成光信号SigD1、SigD2、SigE0、SigW0が目的地に伝送するのに十分なパワーを有することを確保する。
【0102】
注意すべきなのは、第1層ネットワークT1における光通信と類似しており、複数の同じ波長の光信号が同時に光路切替サブモジュール460に入る場合、同じ波長の光信号が同じ出力光コンバイナ466a~466dを通過することで衝突が発生することがある。
【0103】
例として、ポッドP1、ポッドP2からの光信号SigU1、SigU2の何れも東へ伝送される場合、両者の信号波長の何れもλ5であると、出力光コンバイナ466aによって2つのλ5光信号を1本の光ファイバーに統合して衝突が発生する。類似的に、光信号SigU1、SigU2が西に伝送されると出力光コンバイナ466bを通過して衝突が発生する可能性がある。なお、東、西の第1の光スイッチングリンクサブシステム400b、400eからの2つ光信号SigE1、SigW1の両者の信号波長の何れもλ6であると、5x1の出力光コンバイナ466cを通過しポッドP1へ、その統合される光信号の衝突が発生する。類似的に、光信号がポッドP2に伝送されると、5x1(5イン1アウト)の出力光コンバイナ466dを通過して衝突が発生する可能性がある。
【0104】
図6を参照されたい。
図6は本開示内容の一部の実施例によるインターコネクトラインモジュール480を示す模式図である。インターコネクトラインモジュール480は光スイッチングリンクサブシステム400a~400eを接続することに用いられる。光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの何れか2つの間は対応する第1のライン(即ち、正常ライン)によって対応する水平伝送光信号を伝送する。一部の実施例において、光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの何れか2つの間は第1のラインと異なる第2のライン(即ち、保護回路)により接続される。インターコネクトラインモジュール480はフェールオーバーサブモジュール(failover module)490を含む。
【0105】
具体的に、インターコネクトラインモジュール480はアップロード端In1、In2、東方向の出力端E1~E2、東方向の保護出力端E3~E6、東方向の入力端E7~E8、東方向の保護入力端E9~E12、西方向の入力端W1~W2、西方向の保護入力端W3~W6、西方向の出力端W7~W8、西方向の保護出力端W9~W12、インターコネクトビームスプリッタ481~486及びフェールオーバーサブモジュール(failover module)490を含む。
【0106】
インターコネクトラインモジュール480は光スイッチングリンクサブシステム400aが東西の他の光スイッチングリンクサブシステム400b~400eと互いに接続するための内部ラインを含む。図面に示すように、インターコネクトラインは正常ラインと保護回路を含む。正常ライン(図面で実線に示すように)はシステムが正常である状況で光信号を伝送することに用いられる。保護路線(図面で点線に示すように)は正常ラインが切断する場合で、逆方向で光信号の伝送を引き継ぐことに用いられる。インターコネクトラインの数がシステムが接続する光スイッチングリンクサブシステム400a~400e総数に依存する。例として、本実施例は5つの光スイッチングリンクサブシステム400a~400eで互いに接続される場合形成されるライン図である。実際に、第2層ネットワークT2における光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの間で互いに接続される構造は実に1つのメッシュ状(Mesh)構造である。従って、基本的に1本の東への出力ラインNLE0を有し、1本の西への出力ラインNLW0を有し、2本の東の光スイッチングリンクサブシステム(例えば、400b、400c)からの入力ラインNLE1、NLE2及び2本の西の光スイッチングリンクサブシステム(例えば、400e、400d)からの入力ラインNLW1、NLW2を有し、共に2本の正常実線で光路切替サブモジュール460に接続され、及び共に4本の正常実線でフェールオーバーサブモジュール490に接続される。
【0107】
一方、保護出力ラインPLW0、PLE0と保護入力ラインPLE1、PLE2、PLW1、PLW2(点線)が正常ラインと一つ一つ対応するので、少なくとも6本ある。残りのラインが乗り継ぎラインであり、一部のラインがインターコネクトビームスプリッタ481~486によって光信号をコピーし分割し、同時に光スイッチングリンクサブシステム及び次の光スイッチングリンクサブシステムに伝送し、別の一部が直接本光スイッチングリンクサブシステムを通過し東西へ次の光スイッチングリンクサブシステムに接続される。
【0108】
入力ラインNLE1、NLE2、NLW1、NLW2と保護入力ラインPLE1、PLE2、PLW1、PLW2はフェールオーバーサブモジュール490に接続される。
図6に示す実施例において、入力ラインNLE1、NLE2、NLW1、NLW2と保護入力ラインPLE1、PLE2、PLW1、PLW2は直接フェールオーバーサブモジュール490に接続されるが、本開示はこれに限定されず、他の実施例において、入力ラインNLE1、NLE2、NLW1、NLW2と保護入力ラインPLE1、PLE2、PLW1、PLW2は間接的にフェールオーバーサブモジュール490に接続される可能性がある。一方、出力ラインNLE0、NLW0は直接光路切替サブモジュール460に接続される。
【0109】
ポッドP1又はポッドP2から他の光スイッチングリンクサブシステム400b~400eに出力する信号について、まず、光路切替サブモジュール460から出て、東、西へ伝送しようとする2本の光ファイバーはそれぞれインターコネクトラインモジュール480の第1のアップロード端In1と第2のアップロード端In2に接続される。
【0110】
第1のアップロード端In1と第2のアップロード端In2はそれぞれ1つの1x2のインターコネクトビームスプリッタ485、486に接続される。インターコネクトビームスプリッタ485は光路切替サブモジュール460から受信された合成光信号SigW0をコピーし、それぞれ第1の西方向の出力端W7(即ち、ラインNLW0)によって水平伝送光信号SigW7として出力され第1の東方向の保護出力端E3(即ち、ラインPLE0)によって別の水平伝送光信号として出力されることに用いられる。類似的に、インターコネクトビームスプリッタ486は光路切替サブモジュール460から受信された合成光信号SigE0をコピーし、それぞれ第1の東方向の出力端E1(即ち、ラインNLE0)によって水平伝送光信号SigE1として出力され、第1の西方向の保護出力端W9(即ち、ラインPLW0)によって水平伝送光信号SigW9として出力されることに用いられる。
【0111】
つまり、インターコネクトビームスプリッタ485、486はそれぞれ光信号をコピーし2つに分割することに用いられ、一方が正常方向(即ち、正常ラインNLW0、NLE0)へ光スイッチングリンクサブシステム400e及び400d、光スイッチングリンクサブシステム400b及び400cに伝送され、他方が逆方向(即ち、保護入力ラインPLE0、PLW0)に伝送される。
【0112】
図面に示すように、インターコネクトラインモジュール480は第1の方向(例えば、東へ)で対応する水平伝送光信号SigE1を光スイッチングリンクサブシステム400b及び400cに伝送し、第1の方向と異なる第2の方向(例えば、西へ)で対応する水平伝送光信号SigW7を光スイッチングリンクサブシステム400e及び400dに伝送する。つまり、正常経路において、インターコネクトラインモジュール480は2つの異なる方向で光信号を残りの光スイッチングリンクサブシステム400b~400eに伝送する。
【0113】
類似的に、他の光スイッチングリンクサブシステム400b~400eから受信しポッドP1又はポッドP2に出力する信号も、正常ライン及び保護回路に分けられる。正常ラインについて、正常ラインNLE1、NLW1は第1の東方向の入力端PiE1、第1の西方向の入力端PiW1という2つの入力ポートから接続されて、東の第1の光スイッチングリンクサブシステム400b及び西の第1の光スイッチングリンクサブシステム400eからの信号を受信することに用いられる。
【0114】
第1の東方向の入力端E7、第1の西方向の入力端W1はそれぞれ隣接する光スイッチングリンクサブシステム400b、400eのインターコネクトラインモジュール480における第1の西方向の出力端W7と第1の東方向の出力端E1から水平伝送光信号SigW7'、SigE1'を受信する。正常ラインで、NLE1、NLW1はそれぞれ1つのインターコネクトビームスプリッタ482、481に接続されて、水平伝送光信号SigW7'、SigE1'をコピーし2つに分割し、一方が引き続き西、東へ伝送され、他方がローカルのフェールオーバーサブモジュール490へ伝送される。
【0115】
図面に示すように、東西への2本のラインは最後に次の出力ポート位置に接続される。つまり、インターコネクトビームスプリッタ481は第1の西方向の入力端W1から受信された水平伝送光信号SigE1'をコピーし、第2の東方向の出力端E2によって水平伝送光信号SigE2として出力されることに用いられる。インターコネクトビームスプリッタ482が第1の東方向の入力端E7から受信された水平伝送光信号SigW7'をコピーし、第2の西方向の出力端W8によって水平伝送光信号SigW8として出力されることに用いられる。また、ローカルフェールオーバーサブモジュール490へ伝送される2本のラインがそれぞれ出力ポートO4、O8に接続される。
【0116】
第2組の正常ラインNLE2、NLW2は、それぞれ第2の東方向の入力端E8及び第2の西方向の入力端W2から接続されるラインであり、東の第2の光スイッチングリンクサブシステム400c及び西の第2の光スイッチングリンクサブシステム400dからの水平伝送光信号SigW8'、SigE2'を受信し、それぞれ出力ポートO3、O7に接続され直接ローカルのフェールオーバーサブモジュール490に接続されることに用いられる。
【0117】
保護回路について、基本設計原理としては、正常ラインに対応するが逆方向に伝送されるラインを配置して、正常(実線)経路と同じである目的地の光スイッチングリンクサブシステムノードに接続される。
【0118】
正常ラインと異なり、5つの光スイッチングリンクサブシステム400a~400eが互いに接続される場合で、保護経路は正常経路の逆方向へまず2つの光スイッチングリンクサブシステムノードを通過してから正常経路と同じである目的地の光スイッチングリンクサブシステムノードに到達することができる。
【0119】
例えば、本光スイッチングリンクサブシステムの東のラインが切断することを仮定すると、東の2つの光スイッチングリンクサブシステムへの光信号は必ず西へ向かい保護経路を通過して伝送(西の2つの光スイッチングリンクサブシステムは影響を受けず、依然として正常径路を使用する)しなければならない。これらの光信号は必ずまず2つの光スイッチングリンクサブシステムをバイパスするだけで東の2つの光スイッチングリンクサブシステムに到達することができる。光信号は西の2つの光スイッチングリンクサブシステムを通過する時にそれらを受信させる必要がない。
【0120】
従って、光スイッチングリンクサブシステム400aは東、西への保護経路でビームスプリッタが置いていない2本の光ファイバーをそれぞれ有する。図面に示すように、第1の東方向の保護入力端E9と第1の西方向の保護入力端W3は、それぞれ隣接する光スイッチングリンクサブシステム400b、400eのインターコネクトラインモジュール480における第1の西方向の保護出力端W9と第1の東方向の保護出力端E3から水平伝送光信号を受信し、第2の西方向の保護出力端W10と第2の東方向の保護出力端E4によって水平伝送光信号を出力することに用いられる。
【0121】
類似的に、第2の東方向の保護入力端E10と第2の西方向の保護入力端W4は、それぞれ隣接する光スイッチングリンクサブシステム400b、400eのインターコネクトラインモジュール480における第2の西方向の保護出力端W10と第2の東方向の保護出力端E4から水平伝送光信号を受信し、第3の西方向の保護出力端W11と第3の東方向の保護出力端E5によって水平伝送光信号を出力することに用いられる。
【0122】
第3の東方向の保護入力端E11と第3の西方向の保護入力端W5はそれぞれ隣接する光スイッチングリンクサブシステム400b、400eのインターコネクトラインモジュール480における第3の西方向の保護出力端W11と第3の東方向の保護出力端E5から水平伝送光信号を受信することに用いられる。
【0123】
インターコネクトビームスプリッタ484、483はそれぞれ第3の東方向の保護入力端E11と第3の西方向の保護入力端W5に結合され、受信された水平伝送光信号をコピーし、次の出力ポート位置に接続され、第4の西方向の保護出力端W12と第4の東方向の保護出力端E6によって水平伝送光信号を出力し、出力端O2、O6によって水平伝送光信号をフェールオーバーサブモジュール490に出力することに用いられる。
【0124】
最後に、第4の東方向の保護入力端E12と第4の西方向の保護入力端W6はそれぞれ隣接する光スイッチングリンクサブシステム400b、400eのインターコネクトラインモジュール480における第4の西方向の保護出力端W12と第4の東方向の保護出力端E6から水平伝送光信号を受信し、出力端O1、O5によって水平伝送光信号をフェールオーバーサブモジュール490に出力することに用いられる。
【0125】
図面に示すように、フェールオーバーサブモジュール490はインターコネクトビームスプリッタ483、484、第4の東方向の保護入力端E12及び第4の西方向の保護入力端W6に結合される。また、フェールオーバーサブモジュール490も正常経路上のインターコネクトビームスプリッタ481及び482、第2の東方向の入力端E8及び第2の西方向の入力端W2に結合される。これにより、フェールオーバーサブモジュール490は、正常経路又は保護経路からの水平伝送光信号を受信するように選択することに用いられ、正常経路からインターコネクトビームスプリッタ481及び482、第2の東方向の入力端E8及び第2の西方向の入力端W2によって水平伝送光信号を光路切替サブモジュール460に出力し、又は選択的に保護経路でインターコネクトビームスプリッタ483、484、第4の東方向の保護入力端E12及び第4の西方向の保護入力端W6によって水平伝送光信号を光路切替サブモジュール460に出力する。
【0126】
図面に示すように、フェールオーバーサブモジュール490は複数の光スイッチ492、494、496、498を含み、光スイッチ492、494、496、498がそれぞれ第1のライン(即ち、正常ライン)と第2のライン(即ち、保護回路)によって残りの光スイッチングリンクサブシステム400b~400eにおける対応する1つから第1の水平伝送光信号(正常ラインによって伝送され)と第2の水平伝送光信号(保護回路によって伝送され)を受信し、ここの第1の水平伝送光信号と第2の水平伝送光信号とは、リング形メッシュ構造R2における異なる光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの間の互いに伝送される水平伝送光信号を指し、マイクロコントローラ(MCU)410から出力される選択信号SSに対応して第1の水平伝送光信号と第2の水平伝送光信号1つを光路切替サブモジュール460に出力し、リング形メッシュ構造R2における水平伝送光信号について、後の実施例で更に説明される。
【0127】
図7A、
図7Bを参照されたい。
図7Aは本開示内容の一部の実施例による第2層ネットワークT2における光スイッチングリンクサブシステム400a~400e間の相互接続ネットワークを示す模式図である。
図7Bは
図7Aの一部の拡大模式図である。
【0128】
相互接続ネットワークは主に光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの間に伝送される光トンネルを構築することに用いられ、これにより各光スイッチングリンクサブシステム400a~400eが接続される第1層ネットワークT1における各ポッドの間は相互に光信号を伝送することができる。前記のように、光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの間の相互接続ネットワークは実に1つのメッシュ状構造である。リボン状光ファイバー(Ribbon Fiber)における複数本の光ファイバーによって、各光スイッチングリンクサブシステム400a~400eから他の光スイッチングリンクサブシステムまでの接続は互いに独立しており、例として、光スイッチングリンクサブシステム400aから他の光スイッチングリンクサブシステム400b~400eまでの接続、光スイッチングリンクサブシステム400bから他の光スイッチングリンクサブシステム400a;400c;400d;400eまでの接続は互いに独立している。
【0129】
リボン状光ファイバーを採用する関係で、外観から見てすべての光スイッチングリンクサブシステム400a~400eは1本のリング状の構造で接続されるもののように、配線の複雑さを簡素化する。なお、このメッシュ状ネットワークインフラストラクチャにより、異なる光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの間のデータは衝突なしに同じ波長の組み合わせを使用して同時に伝送することができ、波長の再利用性の特徴を強調している。
【0130】
図4と
図6に合わせて、
図7A、
図7Bに示される光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの間の相互接続ネットワークをよりよく理解する。
【0131】
図7Aに示すように、通常の状況で、光スイッチングリンクサブシステム400aは、正常経路で東の2つのノードの光スイッチングリンクサブシステム400b、400cに光信号を伝送し/東の2つのノードの光スイッチングリンクサブシステム400b、400cから光信号を受信し、西の2つのノードの光スイッチングリンクサブシステム400d、400eに光信号を伝送し/西の2つのノードの光スイッチングリンクサブシステム400d、400e光信号を受信する。
図6に示される内部インターコネクトラインモジュール480の設計に合わせて、光スイッチングリンクサブシステム400a~400eが光ファイバーで互いに接続される場合、光スイッチングリンクサブシステム400aのインターコネクトラインにおける東方向の出力端E1~E6、東方向の入力端E7~E12の光経路はそれぞれ光ファイバーで接続され次の光スイッチングリンクサブシステム400bインターコネクトラインにおける西方向の入力端W1~W6、西方向の出力端W7~W12の光経路に対応し、以下同様である。
【0132】
また、光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの相互接続構造により、同じ波長の組み合わせ(λ5、λ6、λ7、λ8)で衝突なしに相互に光信号を伝送し、波長再利用の特性を有する。図面に示すように、光スイッチングリンクサブシステム400aは波長の組み合わせλ5、λ6、λ7、λ8によりそれぞれ光信号を光スイッチングリンクサブシステム400b~400eに伝送してよい。光スイッチングリンクサブシステム400bも衝突なしに波長の組み合わせλ5、λ6、λ7、λ8でそれぞれ光信号を光スイッチングリンクサブシステム400c~400e、400aに伝送してもよい。類似的に、同じ波長の組み合わせλ5、λ6、λ7、λ8は他の光スイッチングリンクサブシステムが相互に光信号を伝送するために他の光スイッチングリンクサブシステム400c~400eを再利用してよく、その内容をここで説明しない。
【0133】
図7Aに示す例において、経路RTaは第1層ネットワークT1におけるポッドP2からの光信号SigAが波長λ5で光スイッチングリンクサブシステム400aが正常経路によって東の第1のノード(光スイッチングリンクサブシステム400b)に伝送される。伝送中に、光スイッチングリンクサブシステム400aの6x4の波長選択スイッチ(即ち、光路切替サブモジュール460)はポッドP2からの光信号SigAを選択して東へ伝送し内部インターコネクトラインにおける1x2のインターコネクトビームスプリッタ486によってコピーし正常方向(即ち、東)に分割し次のノード(光スイッチングリンクサブシステム400b)に伝送する。光信号SigAが目的地の光スイッチングリンクサブシステム400bの内部インターコネクトラインに入る場合、1x2のインターコネクトビームスプリッタ481によってコピーし光スイッチングリンクサブシステム400bのフェールオーバーサブモジュール490に分割し伝送し、この場合、フェールオーバーサブモジュール490は正常経路上の光信号を通過させ光スイッチングリンクサブシステム400bの6x4の波長選択スイッチ(即ち、光路切替サブモジュール460)に伝送して波長を選択し受信する。光信号の具体的な伝送細部は
図7Bに示され、ここで説明しない。
【0134】
一方、経路RTbは、第1層ネットワークT1におけるポッドP1からの光信号SigBが波長λ7で光スイッチングリンクサブシステム400aにより正常経路によって西の第2のノード(光スイッチングリンクサブシステム400d)に伝送されることを示す。伝送中に、光スイッチングリンクサブシステム400aの6x4の波長選択スイッチ(即ち、光路切替サブモジュール460)はポッドP1からの光信号SigBを選択して西に伝送しその内部インターコネクトラインにおける1x2のインターコネクトビームスプリッタ485によってコピーし正常方向(西)へ分割し次のノード(光スイッチングリンクサブシステム400e)に伝送する。
【0135】
光信号SigBが光スイッチングリンクサブシステム400eの内部インターコネクトラインに入る場合、1x2のインターコネクトビームスプリッタ482によってコピーし西に分割して引き続き次のノード(光スイッチングリンクサブシステム400d)に伝送する。光信号SigBが目的地の光スイッチングリンクサブシステム400dの内部のインターコネクトラインに入る場合、直接光スイッチングリンクサブシステム400dのフェールオーバーサブモジュール490に伝送され、この場合、フェールオーバーサブモジュール490は正常経路上の光信号を通過させ光スイッチングリンクサブシステム400dの6x4の波長選択スイッチ(即ち、光路切替サブモジュール460)に伝送して波長を選択し受信する。
【0136】
図8Aを参照されたい。
図8Aは本開示内容の一部の実施例による保護回路動作模式図である。
図8Aに示すように、光スイッチングリンクサブシステム400aと光スイッチングリンクサブシステム400eの間のリボン状光ファイバーが切断することを仮定し、これにより光スイッチングリンクサブシステム400aが正常経路によって西へ光信号SigCを光スイッチングリンクサブシステム400eに伝送することができなく、光信号を光スイッチングリンクサブシステム400dに伝送することができない。この場合、光スイッチングリンクサブシステム400eのフェールオーバーサブモジュール490は東の第1の光スイッチングリンクサブシステム400aからの光強度が急に弱くなることを検出し、接続を自動的に保護経路RTcに切り替える。
【0137】
実際に、光スイッチングリンクサブシステム400a、400eの間のリボン状光ファイバーが切断すると、同時に他の光スイッチングリンクサブシステムの信号伝送に影響をもたらす。
【0138】
本例では、各光スイッチングリンクサブシステム400a~400eは東/西の他の2つの光スイッチングリンクサブシステムからの光信号を受信する状態は、以下の表2に示される通りである。
【表2】
表2.OSIS光信号の受信状態
【0139】
表2において、標識Oは、正常経路によって光信号を受信できることを示すが、標識Xは、正常経路によって光信号を受信できなく、必ずフェールオーバーサブモジュール490によって接続を保護経路に切り替えて光信号を受信しなければならないことを示す。従って、光スイッチングリンクサブシステム400cだけがリボン状光ファイバーの切断による影響を受けなく、他の光スイッチングリンクサブシステムの一部の受信経路がリボン状光ファイバーの切断による影響を受け、フェールオーバーサブモジュール490によって接続を保護経路に切り替える必要がある。
【0140】
実際に、通常の状況で、光信号SigCは光スイッチングリンクサブシステム400a内のインターコネクトビームスプリッタ485によってコピーし2つの光に分割し同時に正常経路(即ち、第1の水平伝送光信号は西へ)及び保護経路(即ち、第2の水平伝送光信号の東への経路RTc)に伝送する。光信号SigCが保護経路によって東へ伝送される場合、2つのノード(光スイッチングリンクサブシステム400b、400c)を通過してその内部のインターコネクトビームスプリッタを通過しなく、そしてまた光スイッチングリンクサブシステム400dに伝送する。光信号SigCが光スイッチングリンクサブシステム400dの内部インターコネクトラインに入る場合、1x2のインターコネクトビームスプリッタ483によってコピーし東へ分割し引き続き次のノード(光スイッチングリンクサブシステム400e)に伝送する。
【0141】
最後、光信号SigCが目的地の光スイッチングリンクサブシステム400eの内部インターコネクトラインに入る場合、直接光スイッチングリンクサブシステム400eのフェールオーバーサブモジュール490に伝送される。この場合、フェールオーバーサブモジュール490は既に保護経路に切り替えられるので、光信号SigCは通過して光スイッチングリンクサブシステム400eの6x4の波長選択スイッチ(即ち、光路切替サブモジュール460)に伝送されて波長を選択し受信する。
【0142】
これにより、光スイッチングリンクサブシステム400aにおけるフェールオーバーサブモジュール490における光スイッチ492、494、496、498は、残りの光スイッチングリンクサブシステム400b~400eにおける対応する1つからそれぞれ正常ラインによって第1の水平伝送光信号を受信し、保護回路によって第2の水平伝送光信号を受信し、選択信号SSに対応して第1の水平伝送光信号と第2の水平伝送光信号1つを光路切替サブモジュール460に出力することができる。このように、正常ラインが切断又は他の故障により第1の水平伝送光信号が失い又は信号強度が低下する場合、対応する光スイッチ492、494、496、498は保護経路に切り替えられ、第2の水平伝送光信号により信号伝送を行うことができる。
【0143】
再び
図6を参照されたい。
図6に示すように、フェールオーバーサブモジュール490は、光スイッチ492、494、496、498に加え、更に4つの分光検出器(tap photodetector;tap PD)491、493、495、497が配置される。前の段落で説明したように、2x1の光スイッチ492、494、496、498はそれぞれ東及び西の各2つの光スイッチングリンクサブシステムの正常経路(実線)及び保護経路(点線)からの光信号を受信することに用いられる。
【0144】
図面に示すように、同じ2x1の光スイッチ492、494、496、498の正常経路及び保護経路に入る光信号は、ソース端でインターコネクトビームスプリッタ485、486によりコピーされ分割されてそれぞれ正常方向と相逆方向から伝送され、従って、2つ光信号に記載の情報内容が同じである。各2x1の光スイッチ492、494、496、498のデフォルトの切り替え設定は正常経路の光信号を通過させることである。
【0145】
なお、一部の実施例において、分光検出器491、493、495、497の役割は、2%の入力光信号(optical input power)を対応する電流値に転換し、またアナログデジタル変換器(Analog-to-Digital Converter)の板によって対応する電圧値に転換し、これにより光スイッチ492、494、496、498がそれぞれ前記電圧値に応じて切り替えられることである。
【0146】
例として、電圧値が臨界値より低い(即ち、切断又は信号が不良であると検出する)場合、光スイッチングリンクサブシステム400a内のマイクロコントローラ(Micro-controller unit;MCU)410は信号SSを出力し対応する2x1の光スイッチ492、494、496、498を切り替えて、保護経路の光信号を通過させるように変更する。これにより、マイクロコントローラ410は、フェールオーバーサブモジュール490から出力される第2の水平伝送光信号を制御するように、第1の水平伝送光信号の信号強度が閾値よりも小さい時に選択信号SSをフェールオーバーサブモジュール490に出力することに用いられる。
【0147】
具体的に、マイクロコントローラ410がいつ光路切替を起動するかは2種類の異なる判断方式を有する。まず、第1の判断メカニズムはポーリング(Polling)メカニズムである。
図8Bを参照されたい。
図8Bはポーリング機構におけるマイクロコントローラ410の判断方法800を示す流れ図である。ポーリング機構において、マイクロコントローラ410はずっと各分光検出器491、493、495、497の電圧状態をアクティブに監視し、切断を発見すると光スイッチの切り替えを行う。一部の実施例において、マイクロコントローラ410は、判断方法800に対応する操作を実行するように、ドライバを実行することができる。
【0148】
図8Bに示すように、判断方法800は工程S810~S840を含む。まず、工程S810において、マイクロコントローラ410におけるドライバ(driver)により順に各分光検出器491、493、495、497の電圧値を読み出す。次に、工程S820において、それぞれ分光検出器491、493、495、497が読み出される電圧値の大きさを予め定められる閾値と比較する。
【0149】
電圧値が閾値よりも大きい場合、工程S830を実行し間隔時間(例えば:5秒間)を待ち、工程S810~S830を繰り返す。
【0150】
電圧値が閾値よりも小さい場合、工程S840を実行して、異常処理プログラムを実行する。工程S840は工程S841~S845を更に含む。まず、工程S841において、システムファームウェアのシステムレコードにより異常回数を判断する。つまり、ドライバは第1回に異常を検出するか又は第2回に異常を検出するかを判断することができる。
【0151】
ドライバが分光検出器491、493、495、497の1つの電圧値がプリセットの閾値よりも小さいと第1回検出する場合、対応する正常な受信経路は切断(fault condition)と見なされ、工程S842、S843を実行する。工程S842において、マイクロコントローラ410は選択信号SSを出力して対応する2x1の光スイッチ492、494、496、498を切り替え、これにより予備の保護経路の光信号を通過させる。工程S843において、マイクロコントローラ410は異常通知信号を出力して1つの分光検出器491、493、495、497の第1回の異常状況が発生することをシステムファームウェアに通知する。
【0152】
ドライバが分光検出器491、493、495、497の1つの電圧値が持続的に定められた閾値よりも小さいと第2回検出する場合、マイクロコントローラ410は対応する2x1の光スイッチ492、494、496、498を切り替えなく、工程S844、S845を実行する。工程S844において、マイクロコントローラ410は、異常通知信号を出力して1つの分光検出器491、493、495、497の第2回の異常状況が発生することをシステムファームウェアに通知する。次に、工程S845において、マイクロコントローラ410は異常の分光検出器491、493、495、497に対してポーリングしその状態を読み出す操作を停止する。
【0153】
リボン状光ファイバーが修復されると、システムファームウェアは復元の動作を行うようにドライバに通知し、すべての2x1の光スイッチ492、494、496、498を改めて元の正常経路に切り替える。注意すべきなのは、判断方法800において、マイクロコントローラ410は持続的に電圧状態を調べ切断をするかを判断するので、マイクロコントローラ410の一部の計算資源が消費される。
【0154】
一方、第2種の判断メカニズムは中断(Interrupt)メカニズムである。中断メカニズムでマイクロコントローラ410は分光検出器491、493、495、497の状態を常に監視するわけではないが、切断が発生すると、マイクロコントローラ410は分光検出器491、493、495、497の状態を確認するためにトリガが中断され、対応する2x1の光スイッチ492、494、496、498の経路を切り替える。
【0155】
図8C、
図8Dを参照されたい。
図8C、
図8Dは本開示内容の一部の実施例によるマイクロコントローラ410が中断メカニズムを実行する操作模式図である。
図8Cに示すように、分光検出器491、493、495、497はそれぞれマイクロコントローラ410に接続される中断ピンITR1~ITR4を含む。分光検出器491を例として、第1回に分光検出器491の電圧値が閾値よりも小さい場合、その対応する中断ピンITR1~ITR4がトリガされてトリガ信号TS1を出力してマイクロコントローラ410に通知される。マイクロコントローラ410はトリガ信号TS1を受信する場合、対応するドライバを実行して判断方法800と類似する操作を実行する。
【0156】
具体的に、この場合マイクロコントローラ410は、まず分光検出器491の電圧値を読み出してそれが閾値よりも小さいことを確認する。電圧値が閾値よりも小さい場合、マイクロコントローラ410はシステムファームウェアFWのシステムレコードにより異常回数を判断する。
【0157】
マイクロコントローラ410は分光検出器491の電圧値がプリセットの閾値よりも小さいと第1回確認する場合、正常な受信経路が切断(fault condition)と見なされ、工程S842、S843を実行する。工程S842において、マイクロコントローラ410は選択信号SSを出力し対応する2x1の光スイッチ492を切り替えて予備の保護経路光信号を通過させる。工程S843において、マイクロコントローラ410は異常通知信号NS1を出力して現在第1回の異常状況が発生する分光検出器491があることをシステムファームウェアFWに通知する。
【0158】
類似的に、
図8Dに示すように、第2回に分光検出器491の電圧値が閾値よりも小さい場合、中断ピンITR1は再度トリガされトリガ信号TS2を出力しマイクロコントローラ410に通知する。この場合マイクロコントローラ410は再度分光検出器491の電圧値を読み出してそれが閾値よりも小さいことを確認する。
【0159】
マイクロコントローラ410は分光検出器491の電圧値が持続的に定められた閾値よりも小さいと第2回検出する場合、マイクロコントローラ410は2x1の光スイッチ492を切り替えなく、工程S844を実行する。工程S844において、マイクロコントローラ410は、異常通知信号NS2を出力して1つの分光検出器491の第2回の異常状況が発生することをシステムファームウェアFWに通知する。
【0160】
類似的に、リボン状光ファイバーが修復されると、システムファームウェアFWは、マイクロコントローラ410に通知し、ドライバによって復元の動作を行い、すべての2x1の光スイッチ492、494、496、498を改めて元の正常経路に切り替える。
【0161】
要するに、
図8Bに示されるポーリング機構又は
図8C、
図8Dに示される中断メカニズムによって、マイクロコントローラ410はフェールオーバーサブモジュール490を制御し、選択的に正常経路又は保護経路から光信号伝送を行い、第2層ネットワークT2における各光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの間の相互接続保護経路設計を実現することができる。
【0162】
このように、第2層ネットワークT2における1本のリボン状光ファイバーが切断する場合、光信号は依然として保護経路によって目的地の光スイッチングリンクサブシステム400a~400eに伝送されて、これによって光信号伝送が影響を受けない。
【0163】
図9を参照されたい。
図9は本開示内容の一部の実施例によるポッド間(inter-Pod)光トンネル経路を示す模式図である。
図9の実施例において、ポッドP1におけるラック900cは光信号を別のポッドP2におけるラック900a、900bに伝送しようとする。ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500は2本のポッド間(inter-Pod)光トンネルを確立することに用いられる。具体的に、光トンネルは光信号の伝送経路及び選択光信号の波長を含む。ラック900cとラック900aの間の光トンネルはラック900cによってトップオブラックスイッチToRc、光分岐挿入サブシステム200c、光スイッチングリンクサブシステム400a、光分岐挿入サブシステム200a、トップオブラックスイッチToRaを通過してラック900aの経路RP1に到達し、波長λ5の伝送光信号の形成される光トンネルを選択し使用する。
【0164】
一方、ラック900cとラック900bの間の光トンネルはラック900cによってトップオブラックスイッチToRc、光分岐挿入サブシステム200c、光スイッチングリンクサブシステム400a、交換接続子システム400b、光分岐挿入サブシステム200b、トップオブラックスイッチToRbを通過してラック900bの経路RP2に到達し、波長λ6の伝送光信号の形成される光トンネルを選択し使用する。
【0165】
この2本の光トンネルを確立するために、通過する特定の波長を選択するように必ず経路に沿った光分岐挿入サブシステム200a~200c及び光スイッチングリンクサブシステム400a、400bにおける6x4の波長選択スイッチ(即ち、光路切替サブモジュール460)を設定しなければならない。
【0166】
図10Aと
図10Bを参照されたい。
図10Aと
図10Bはそれぞれ光スイッチングリンクサブシステム400a、光スイッチングリンクサブシステム400bにおける光路切替サブモジュール460の設置模式図である。
図10Aに示すように、経路RP1に対して光スイッチングリンクサブシステム400aにおける1つの1x1の波長選択スイッチ464n及び目的地の光分岐挿入サブシステム200aの第2の伝送モジュール220における2x1の波長選択スイッチWSS21の対応する1つの1x1の波長選択スイッチを設定するだけで光トンネルを確立することができる。
【0167】
一方、
図10A、
図10Bに示すように、経路RP2に対して光スイッチングリンクサブシステム400aにおける1x1の波長選択スイッチ464a、光スイッチングリンクサブシステム400bにおける1x1の波長選択スイッチ464g、及び目的地の光分岐挿入サブシステム200bの第1の伝送モジュール210における2x1の波長選択スイッチWSS11の対応する1つの1x1の波長選択スイッチを設定するだけで光トンネルを確立することができる。
【0168】
このように、伝送中に、まず、波長λ5とλ6の光信号はラック900cのトップオブラックスイッチToRc出入ポートにおける対応するDWDM光トランシーバモジュールによって光分岐挿入サブシステム200cの第1の伝送モジュール210の対応する挿入ポートに伝送されて、マルチプレクサ212により1本の光ファイバーに統合され、また2x2の第1のビームスプリッタSP11によってコピーされ北へ分割され光スイッチングリンクサブシステム400aの対応する挿入ポートに伝送され、マルチプレクサBMUX1によって合成光信号SigU1に統合され光路切替サブモジュール460に伝送される。この場合λ5とλ6は1x3入力ビームスプリッタ462eによってコピーされ3つに分割され、一方は東へ他の光スイッチングリンクサブシステムに伝送され、他方は西へ他の光スイッチングリンクサブシステムに伝送され、最後の一方は南へ目的地のポッドP2における光分岐挿入サブシステム200a、200bに伝送される。
【0169】
南へ目的地のポッドP2における光分岐挿入サブシステム200aに伝送される光信号は波長選択スイッチ464nによって波長λ5が通過するように選択して、また5x1の出力光コンバイナ466dによりコピーされ1つに統合され、次にまた光信号増幅器468dによって光パワーを増幅する。ビームスプリッタSPLT2により合成光信号SigD2をコピーし分割して目的地のポッドP2における各光分岐挿入サブシステムに伝送する。
【0170】
図9に示すように、光分岐挿入サブシステム200aの第2の伝送モジュール220に伝送される光信号は2x1の波長選択スイッチ(
図2の波長選択スイッチWSS21を参照されたい)の対応して受信された1x1の波長選択スイッチによって波長λ5が通過するように選択しデマルチプレクサ226等に伝送され、波長λ5は光分岐挿入サブシステム200aの第2の伝送モジュール220におけるデマルチプレクサ(
図2における第2の伝送モジュール220のデマルチプレクサ226を参照されたい)の第5のドロップポートからラック900aのトップオブラックスイッチToRaの出入ポートの対応するDWDM光トランシーバモジュールの受信端に伝送され、ラック900cからラック900aまでの光信号伝送を完成する。
【0171】
一方、東へ伝送される光信号は波長選択スイッチ464aによって波長λ6が通過するように選択して、また2x1の出力光コンバイナ466aによってコピーし1つに統合し、次にまた光信号増幅器468aによって光パワーを増幅し合成光信号SigE0として、光スイッチングリンクサブシステム400a、400b間のインターコネクトライン480によって東へ光スイッチングリンクサブシステム400bに伝送される。
【0172】
図10Bに示すように、光信号が光スイッチングリンクサブシステム400bにおける光路切替サブモジュール460に伝送されてから、波長λ6の光信号は1x2の入力ビームスプリッタ462cによってコピーされ2つに分割され、一方の光信号は南へ目的地のポッドP2における各光分岐挿入サブシステムに伝送され、他方の光信号は南へ別のポッドにおける各光分岐挿入サブシステムに伝送される。
【0173】
南へ目的地のポッドP2に伝送される光信号は1x1の波長選択スイッチ464gによって波長λ6の光信号が通過するように選択して、また5x1の出力光コンバイナ466cによってコピーされ1つの光信号に統合され、また光信号増幅器468cによって光パワーを増幅し合成光信号SigD1として、ビームスプリッタSPLT1により合成光信号SigD1をコピーし分割して目的地のポッドP2における各光分岐挿入サブシステムに伝送する。
【0174】
光分岐挿入サブシステム200bに伝送される第1の伝送モジュール210の光信号は、2x1の波長選択スイッチ(
図2の波長選択スイッチWSS11を参照されたい)の対応して受信された1x1の波長選択スイッチによって波長λ6の光信号が通過するように選択してデマルチプレクサ216に伝送し、波長λ6の光信号はデマルチプレクサ(
図2における第1の伝送モジュール210のデマルチプレクサ216を参照されたい)の第6つのドロップポートからラック900bのトップオブラックスイッチToRbの出入ポートの対応するDWDM光トランシーバモジュールの受信端に伝送され、ラック900cをラック900bの光信号伝送を完成する。
【0175】
また、注意すべきなのは、前記の第2層ネットワークT2における各光スイッチングリンクサブシステム400a~400eの保護経路に加え、第1層ネットワークT1における同じポッドP1内の各光分岐挿入サブシステム200a~200eの間、及び第1層ネットワークT1と第2層ネットワークT2の間は、互いに独立した伝送リングRing1、Ring2によって経路保護を実現してよい。光ファイバーが切断し又は光ファイバーコネクタが損傷した場合、保護経路によって光信号を伝送するように変更して、システムが光ファイバーの切断により全体の光トンネルネットワークの信号が中断しないように確保する。説明を単純化するために、
図11Aを参照されたい。
図11Aは本開示内容の一部の実施例による第1層ネットワークT1のポッドP1の保護経路設計模式図である。
【0176】
図11Aに示すように、第1層ネットワークT1における各ポッドP1は複数の独立した伝送リングRing1、Ring2を含むので、1つのリング(例えば、伝送リングRing1)が切断される場合、経路の保護を達成するように他の伝送リングRing2によって光信号伝送を行ってよい。また、伝送リングRing1、Ring2の光ファイバーは別々に分離されるので、2本の独立した光ファイバーが同時に切断が発生する可能性が非常に低い。
【0177】
本実施例において、ポッドP1内の各第1の伝送モジュール210の伝送リングRing1に対応する光ファイバーが切断される場合、一部の光分岐挿入サブシステムの第1の伝送モジュール210が西へ光信号を他の光分岐挿入サブシステムに伝送することができなくなり、例えば光分岐挿入サブシステム200aの第1の伝送モジュール210が西へ伝送光信号を同じポッドP1における他の光分岐挿入サブシステム200b~200eに伝送することができない。この場合、伝送リングRing1によって光信号を伝送できない光分岐挿入サブシステム200a~200eは、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500によって対応するトップオブラックスイッチToR及び経路を通過する必要がある波長選択スイッチを設定して、これによって光信号が第2の伝送モジュール220によって東へ伝送リングRing2によって光信号を他の光分岐挿入サブシステム200a~200eに伝送する。
【0178】
図11Aに示すように、光分岐挿入サブシステム200aの第1の伝送モジュール210aと光分岐挿入サブシステム200bの第1の伝送モジュール210bとの間の伝送リングRing1の一部は切断する。
図2及び
図3に示すように、光分岐挿入サブシステム200aに対応するユニットがデータを同じポッドP1における光分岐挿入サブシステム200bに対応するユニットに伝送しようとする場合、光分岐挿入サブシステム200aによって光分岐挿入サブシステム200bに伝送されたデータは、光分岐挿入サブシステム200aの第1の伝送モジュール210aで正常経路(
図3Dにおける経路RT1)を通過して西へ光分岐挿入サブシステム200bの第1の伝送モジュール210bに伝送される。
図2及び
図3Dの実施例において、上記データを伝送するために、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500が1本のポッド内光トンネルを確立することに用いられてよく、光分岐挿入サブシステム200aから光分岐挿入サブシステム200bまでの経路RT1を使用し、波長λ1を選択して使用する。如何に経路RT1を確立するかは既に
図4、
図5、
図6、
図7A及び
図7Bの実施例において完全的に説明された。しかし、
図11Aに示すような実施例において、第1の伝送モジュール210aと210bとの間の正常経路(つまり
図3Dに示すような経路RT1)で切断の状況は発生する。
【0179】
図11Aに示すような例において、第1の伝送モジュール210aは、正常経路を通過して西へデータを第1の伝送モジュール210bに伝送することができない。一代替方式において、このデータは、第2の伝送リングRing2を通過して東へ伝送されてよい。
図11Aに示すように、データは、まず光分岐挿入サブシステム200aの第2の伝送モジュール220aにアップロードされ、東へ第2の伝送モジュール220e、220d及220cを通過するように伝送され、光分岐挿入サブシステム200bの第2の伝送モジュール220bに到達する。そして、データは、第2の伝送モジュール220bによって光分岐挿入サブシステム200bに対応するユニットにダウンロードされる。この場合、上記経路(第2の伝送モジュール220aから、東へ第2の伝送モジュール220e、220d及220cを通過するように伝送され、光分岐挿入サブシステム200bの第2の伝送モジュール220bに到達する)は、正常経路(つまり
図3Dに示すような経路RT1)に対応する保護経路と見なされる。
【0180】
図11Aの実施例は、第1の伝送リングRing1で切断する状況を展示する。本開示はこれに限定されない。別の実施例において、切断が第2の伝送リングRing2で(未図示)発生する場合、第1の伝送リングRing1で代替的な経路を確立してデータを伝送することができる。
【0181】
また、実際に、伝送リングRing1、Ring2が同時に切断される場合、切断の位置が特定条件に合致すると、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500によって改めてポッドにおける各光分岐挿入サブシステムの波長選択スイッチWSS11、WSS12、WSS21、WSS22及びポッドにおける各トップオブラックスイッチToRを設定することで、すべての光分岐挿入サブシステム200a~200eを相互通信可能にする。
【0182】
図11Bを参照されたい。
図11Bは本開示内容の一部の実施例による第1層ネットワークT1のポッドP1の保護経路設計模式図である。
図11Bに示すように、伝送リングRing1、Ring2の切断が発生した位置は同じ接続点(即ち、光分岐挿入サブシステム200a、200bの間)にあり、1つのポッドP1で1つの接続点だけが同時に2つの伝送リングRing1、Ring2の切断が発生した場合、影響を受けた光分岐挿入サブシステム200a~200eはソフトウェア定義ネットワークコントローラ500により改めてトップオブラックスイッチToR及び経路を通過する必要がある波長選択スイッチを設定することで、影響を受けた光分岐挿入サブシステムが他の光分岐挿入サブシステム200a~200eと相互接続可能になる。光分岐挿入サブシステム200a、200bを例として、伝送リングRing1が切断される場合、光分岐挿入サブシステム200aに対して、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500はトップオブラックスイッチToR及び経路を通過する必要がある波長選択スイッチを設定してよく、これによって光信号は第2の伝送モジュール220aの波長を選択して東へ伝送リングRing2によって光信号を光分岐挿入サブシステム200bに伝送する。一方、光分岐挿入サブシステム200bに対して、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500はトップオブラックスイッチToR及び経路を通過する必要がある波長選択スイッチを設定してよく、これによって光信号は第1の伝送モジュール210bの波長を選択して西へ伝送リングRing1によって光信号を光分岐挿入サブシステム200aに伝送し、以下同様である。
【0183】
図11Bに示すように、光分岐挿入サブシステム200aの第1の伝送モジュール210aと光分岐挿入サブシステム200bの第1の伝送モジュール210bとの間が切断することに加え(既に
図11Aの実施例において説明された)、光分岐挿入サブシステム200aの第2の伝送モジュール220aと光分岐挿入サブシステム200bの第2の伝送モジュール220bとの間も別の切断は発生する。
【0184】
正常な場合で(切断が発生しないと)、光分岐挿入サブシステム200bに対応するユニットがデータを同じポッドP1における光分岐挿入サブシステム200aに対応するユニットに伝送しようとすると、光分岐挿入サブシステム200bによって光分岐挿入サブシステム200aに発送されるデータは光分岐挿入サブシステム200bで正常経路を通過して東へ光分岐挿入サブシステム200aに伝送され、その正常経路が第2の伝送モジュール220bから第2の伝送リングRing2に沿って直接東へ第2の伝送モジュール220aに到達する。しかし、
図11Bに示すように、第2の伝送モジュール220bから第2の伝送リングRing2に沿って東へ第2の伝送モジュール220aに到達する正常経路においても切断が発生する。
【0185】
この場合、
図11Bに示すように、切断のため第2の伝送モジュール220bから第2の伝送リングRing2に沿って直接東へデータを第2の伝送モジュール220aに伝送することができない。一代替方式において、このデータは、第1の伝送リングRing1を通過して西へ伝送されてよい。
図11Bに示すように、データは、まず光分岐挿入サブシステム200bの第1の伝送モジュール210bにアップロードされ、西へ第1の伝送モジュール210c、210d及び210eを通過するように伝送され、光分岐挿入サブシステム200aの第1の伝送モジュール210aに到達する。そして、データは、第1の伝送モジュール210aによって光分岐挿入サブシステム200aに対応するユニットにダウンロードされる。この場合、上記経路(光分岐挿入サブシステム200bの第1の伝送モジュール210bから、西へ第1の伝送モジュール210c、210d及び210eを通過するように伝送され、光分岐挿入サブシステム200aの第1の伝送モジュール210aに到達する)は、正常経路(つまり第2の伝送モジュール220bから第2の伝送リングRing2に沿って直接東へ第2の伝送モジュール220aに伝送される)に対応する保護経路と見なされる。
【0186】
図11Bの実施例は、第1の伝送リングRing1及び第2の伝送リングRing2のラインの一部で切断が発生する状況を展示する。別の実施例において、切断が第2の伝送リングRing2で発生する場合、第1の伝送リングRing1で代替的な経路を確立してデータを伝送することができる。類似的に、切断が第1の伝送リングRing1で発生する場合、第2の伝送リングRing2で代替的な経路を確立してデータを伝送することができる。
【0187】
つまり、SDNコントローラ500は伝送リングRing1での光分岐挿入サブシステム200aから光分岐挿入サブシステム200bまでの光経路が切断される場合、対応的にトップオブラックスイッチToR及び経路を通過する必要がある波長選択スイッチを設けることに用いられてよくて、第2の伝送モジュール220a~220eにより伝送リングRing2での光分岐挿入サブシステム200aから光分岐挿入サブシステム200bまでの光トンネルを確立する。一部の実施例において、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500は、伝送リングRing2での光分岐挿入サブシステム200bから光分岐挿入サブシステム200aまでの光経路が切断される場合、対応的にトップオブラックスイッチToR及び経路を通過する必要がある波長選択スイッチを設けることに用いられてよくて、第1の伝送モジュール210a~210eにより伝送リングRing1での光分岐挿入サブシステム200bから光分岐挿入サブシステム200aまでの光トンネルを確立する。
【0188】
図12を参照されたい。
図12は本開示内容の一部の実施例による第1層ネットワークT1と第2層ネットワークT2との間の保護経路設計模式図である。前の段落で説明したように、各光分岐挿入サブシステム200a~200eは光ファイバーで第2層ネットワークT2における2つの隣接する光スイッチングリンクサブシステム400a~400eに接続される。例として、光分岐挿入サブシステム200cの第1の伝送モジュール210c、第2の伝送モジュール220cはそれぞれ2つの隣接する光スイッチングリンクサブシステム400a、400eに接続される1対の光ファイバーをそれぞれ有する。従って、光分岐挿入サブシステム200cの光スイッチングリンクサブシステム400aに接続される光ファイバーが切断される場合、光分岐挿入サブシステム200cは別の光経路によって光信号を別の光スイッチングリンクサブシステム400eに伝送してから、また目的地の光スイッチングリンクサブシステム400aに伝送して、別の経路を保護する目的を達成する。
【0189】
図12を例として、
図9の実施例と同じ、本例のポッドP1におけるラック900cは光信号を別のポッドP2におけるラック900aに伝送しようとする。正常な場合で(
図9を参照すると)、ポッドP1のラック900cからデータをポッドP2のラック900aに伝送する正常経路は、光分岐挿入サブシステム200cの第1の伝送モジュールから上へ光スイッチングリンクサブシステム400aに到達し、そして下へ光分岐挿入サブシステム200aの第1の伝送モジュールに到達するものである。
図12において光分岐挿入サブシステム200cの第1の伝送モジュール210cの1つの光スイッチングリンクサブシステム400aに接続される光ファイバーが切断することを仮定する。この場合、
図9に示すような正常経路によってデータをポッドP1のラック900cからデータをポッドP2のラック900aに伝送することができなく、この時に対応して保護経路を確立する。ソフトウェア定義ネットワークコントローラによってトップオブラックスイッチToRcの設定選択を設置して第2の伝送モジュール220cの波長伝送光信号を別の光スイッチングリンクサブシステム400eに伝送するように変更してから、また目的地の光分岐挿入サブシステム200aに伝送する。図面における経路RP3に示すように、一部の場合では、光信号はまず光スイッチングリンクサブシステム400eから別の光スイッチングリンクサブシステム400aに伝送されて、また光スイッチングリンクサブシステム400aにより目的地の光分岐挿入サブシステム200aに伝送される。具体的なエンドツーエンドの伝送細部については、前の段落で詳しく説明されたので、ここで説明しない。
【0190】
つまり、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500は、光分岐挿入サブシステム200cから光スイッチングリンクサブシステム400aまでの光経路が切断される場合、対応的にトップオブラックスイッチToRcを設けて光分岐挿入サブシステム200cから光スイッチングリンクサブシステム400eまでの光トンネル(例えば、経路RP3)を確立することに更に用いられてよい。類似的に、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500は、光分岐挿入サブシステム200cから光スイッチングリンクサブシステム400eまでの光経路が切断される場合、対応的にトップオブラックスイッチToRcを設けて光分岐挿入サブシステム200cから光スイッチングリンクサブシステム400aまでの光トンネルを確立することに用いられてよい。
【0191】
このように、第1層ネットワークT1内部の光ファイバーが切断するか、第2層ネットワークT2内部の光ファイバーが切断するか、又は第1層ネットワークT1と第2層ネットワークT2との間の垂直伝送光ファイバーが切断するかに関わらず、知恵定義光トンネルネットワークシステム100の何れも予備の経路によって光トンネルを確立し、各光ノードの間の信号伝送を実現して、異なるラックにおける異なるサーバーの間のデータ伝送を達成することができる。
【0192】
本開示内容の一部の実施例において、各波長選択スイッチの何れも1つ又は複数の1x1(1イン1アウト)の波長ブロッカー(Wavelength Blocker;WB)からなるアレイ設計によって実現される。波長ブロッカーは、切り替え速度を高めるために、デジタル光プロセッサ(Digital light processor;DLP)技術を採用してよい。一部の実施例において、そのアレイを切り替える時間は約100マイクロ秒間(microsecond;μs)だけを必要とするので、より高速でリアルタイムの全光データセンタネットワーク切り替え機能を有する。
【0193】
要するに、本発明の各実施例において、波長資源を節約するように知恵定義光トンネルネットワークシステム100で同じ波長を再利用できる新たなネットワークインフラストラクチャを提出する。また、第1層ネットワークT1にリング状のインフラストラクチャ設計を採用して、内部インフラストラクチャを交換せずに任意に単一ポッド内の光ノード数を増加でき、同じポッドの内部で伝送リングの数を増加することができる。優れた拡張性を持ち、より柔軟なインクリメンタル式インフラストラクチャ構築を達成することができる。例として、
図1に示す実施例において、第1層ネットワークT1は4つのポッドP1~P4を含むが、本開示はこれに限定されず、全体のシステムがより多くのラックの間の情報交換を収容する必要があると、全体のネットワークインフラストラクチャを変えない場合で、より多くのポッド数を増加でき、例えば新たに第5のポッド、又更に第6のポッドを増加でき、以下同様である。また、
図1に示す実施例において、ポッドP1に含まれる光ノード数は5つであり、例えば5つの光分岐挿入サブシステム200a~200eであるが、本開示はこれに限定されず、全体のシステムがより多くのラックの間の情報交換を収容する必要があると、全体のネットワークインフラストラクチャを変えない場合で、部分ポッド(又は全部ポッド)に1つ又は複数の光ノードを増加してよく、例として、拡張の必要がある場合、ポッドP1は更に1つの新たな光ノードを含んでよく、共に6つの光ノードを含むが、ポッドP2~P4は5つの光ノードを含むように維持することができる。新たに拡張する必要がある場合、他のポッド(例えばポッドP2)に新たな光ノードを追加してよい。以下も同様であるので、インクリメンタル式インフラストラクチャ構築を実現する。
【0194】
一方、第2層ネットワークT2における光交換ラインを簡素化し、各光ファイバーが伝送する間に保護経路が設計され、第1層ネットワークT1内、第2層ネットワークT2内、又は第1層ネットワークT1と第2層ネットワークT2との間の光ファイバーが切断されることに関わらず、知恵定義光トンネルネットワークシステム100の何れも保護経路によって光信号の伝送を行うことができる。
【0195】
このように、低レイテンシ、高周波帯域幅、低電力消費の知恵定義光トンネルネットワークシステム100を実現し、信頼性、拡張性、波長の再利用性を高め、配線の複雑さを低下させることができる。なお、光伝送システムの持つデータレートの透明性(data rate transparency)特性に基づいて、光トンネルネットワークは光素子設計を変更せずに一定の範囲内で任意の伝送率の光信号を支持することができる。従って、システムのアップグレードを行う時に、知恵定義光トンネルネットワークシステム100は10GのDWDM光トランシーバモジュールを100G規格のDWDM光トランシーバモジュールに変更するだけで波長伝送率を10Gbit/sから100Gbit/sにアップグレードし、システム伝送率の柔軟性を大幅に向上させ、ハードウェア機器のアップグレードコストを大幅に節約することができる。
【0196】
図13を参照されたい。
図13は、本発明の一部の実施例による知恵定義光トンネルネットワークシステム100を示す模式図である。
図13に示すように、知恵定義光トンネルネットワークシステム100は、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ(Software-Defined Networking Controller;SDN controller)500を更に含む。操作上、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500は、命令を光スイッチ(例えば、光スイッチングリンクサブシステム400a、光分岐挿入サブシステム200)とトップオブラックスイッチToRに発信する。
【0197】
一部の実施例において、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500は、マイクロコントローラ(micro controller)、中央処理装置、マイクロプロセッサー(microprocessor)、デジタルシグナルプロセッサー(Digital Signal Processor;DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit;ASIC)、複雑なプログラマブルロジックデバイス(Complex Programmable Logic Device;CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-programmable gate array;FPGA)、ロジック回路又はコンピューターのような集積回路であってよく、計算又はデータ処理に用いられる。
【0198】
構造上、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500は、図面に示される光スイッチングリンクサブシステム400a、光分岐挿入サブシステム200とトップオブラックスイッチToRのような、光スイッチングリンクサブシステム、光分岐挿入サブシステムとトップオブラックスイッチに結合される。理解を容易にし説明を簡略化するために、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500と一部の素子の結合関係は
図13に示されない。具体的に、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500は、イーサネット(登録商標)ケーブル(ethernet(登録商標) cable)によりすべての光スイッチングリンクサブシステム、光分岐挿入サブシステムとトップオブラックスイッチに結合されてよい。また、以下の実施例の説明内容と図面において、便利に説明するために、光スイッチングリンクサブシステムOSISを使用すると特定ではない何れか1つの光スイッチングリンクサブシステムを表し、光分岐挿入サブシステムOADSを使用すると特定ではない何れか1つの光分岐挿入サブシステムOADSを表す。例えば、光スイッチングリンクサブシステムOSISは、
図1における5つの光スイッチングリンクサブシステム400a~400eにおける何れか1つの光分岐挿入サブシステムであってよい。光分岐挿入サブシステムOADSは、
図1における25台の光分岐挿入サブシステム200における何れか1台の光分岐挿入サブシステムであってよい。
【0199】
図14を参照されたい。
図14は、本発明の一部の実施例によるソフトウェア定義ネットワークコントローラ500の機能を示すブロック図である。
図14に示すように、ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500は、光トンネルスケジューリングモジュール(Tunnel Scheduler)520、設定管理モジュール(Configuration Manager)540、帯域幅使用率監視モジュール(Bandwidth Usage Monitor)560、トポロジトランスモジュール(Topology Transformer)580と共有データベース(Shared Memory)590を含む。光トンネルスケジューリングモジュール520は、事前割り当てサブモジュール(Pre-allocation Module)522と動的割り当てサブモジュール(Dynamic Allocation)524を含む。設定管理モジュール540は、光ノード設定サブモジュール(Optical Node CM)542とトップオブラックスイッチ設定サブモジュール(ToR Switch CM)544を含む。帯域幅使用率監視モジュール560は、統計プロセッサー(Statistics Handler)562と波長利用プロセッサー(Wavelength Usage Handler)564を含む。
【0200】
構造上、光トンネルスケジューリングモジュール520は、設定管理モジュール540、帯域幅使用率監視モジュール560と共有データベース590に結合される。帯域幅使用率監視モジュール560は、光トンネルスケジューリングモジュール520と共有データベース590に結合される。トポロジトランスモジュール580は、共有データベース590に結合される。一実施例において、設定管理モジュール540及び帯域幅使用率監視モジュール560は、実行可能なソフトウェアロジック命令を含み、上記のソフトウェアロジック命令がソフトウェア定義ネットワークコントローラ500における処理回路(例えばプロセッサー、制御ユニット又はシステムシングルチップ)にロードされ上記の処理回路によって実行される。設定管理モジュール540を実行することに用いられる処理回路は光スイッチングリンクサブシステムOSIS、光分岐挿入サブシステムOADSとトップオブラックスイッチToRに結合される。帯域幅使用率監視モジュール560を実行することに用いられる処理回路はトップオブラックスイッチToRに結合される。上記の設定管理モジュール540及び帯域幅使用率監視モジュール560は同じ又は異なる処理回路によって実行されてよい。
【0201】
操作上、トポロジトランスモジュール580は、トポロジーデータ(Topology data)によりルーティング経路表(Routing Path Table)T_Rout、ルーティング経路表T_Rout及びトポロジーデータを計算し共有データベース590に記憶することに用いられる。トポロジーデータは光ノード数と分布を含む。例えば、
図13の実施例において、知恵定義光トンネルネットワークシステム100は少なくとも30の光ノードを含み、それぞれ5つの光スイッチングリンクサブシステムOSISと25の光分岐挿入サブシステムOADSである。ルーティング経路表T_Routは光分岐挿入サブシステムOADSにおける何れか1方から任意の他方までの複数のルーティング経路を含む。その中、1つのルーティング経路は、
図9における経路RP1のような1つの光トンネルにおける光信号の1本の伝送経路である。言い換えれば、ルーティング経路表T_Routは知恵定義光トンネルネットワークシステム100における何れか1つの光分岐挿入サブシステムと他のすべての光分岐挿入サブシステムとの間に存在可能なすべてのルーティング経路を含む。ルーティング経路表T_Routは、以下の段落で説明する。
【0202】
光トンネルスケジューリングモジュール520は、ルーティング経路表T_Routにより光トンネルネットワークを計画し構築し、計画し構築された光トンネルネットワークにおける光トンネルのルーティング経路と波長情報により制御コマンドCCを設定管理モジュール540に伝送することに用いられる。設定管理モジュール540は、制御コマンドCCにより制御信号CSを光スイッチ(光スイッチングリンクサブシステムOSIS、光分岐挿入サブシステムOADS)とトップオブラックスイッチToRに出力することに用いられる。帯域幅使用率監視モジュール560は、トップオブラックスイッチToRから知恵定義光トンネルネットワークシステム100のデータストリームの統計データDATA_statを受信し、データストリームの統計データDATA_statにより光トンネル帯域幅使用率を計算することに用いられる。光トンネル帯域幅使用率がプリセット間隔を超える(即ち、光トンネル帯域幅使用率が高すぎ又は低すぎる)場合、帯域幅使用率監視モジュール560は帯域幅負荷通知Alarmを光トンネルスケジューリングモジュール520に伝送することに用いられる。光トンネルスケジューリングモジュール520は光トンネル帯域幅使用率と光トンネル帯域幅負荷通知により改めて光トンネルネットワークを計画して制御コマンドCCを調整することに更に用いられる。
【0203】
また、光トンネルスケジューリングモジュール520は、光トンネルネットワークデータを共有データベース590に記憶し及び/又は共有データベース590から光トンネルネットワークデータを読み取ることに更に用いられる。光トンネルネットワークデータは複数の光トンネルを含む。これらの光トンネルはそれぞれ1つのルーティング経路と1つの波長を含む。言い換えれば、光トンネルネットワークデータは全体の知恵定義光トンネルネットワークシステム100における光トンネルに用いられるルーティング経路及び波長、及びデータストリームが通過する光トンネルを含む。光トンネルネットワークデータはデータストリームが通過する前記光トンネルを設置することに用いられる。具体的に、光トンネルスケジューリングモジュール520は書き込み命令W_tunにより光トンネルネットワークデータを共有データベース590に記憶する。光トンネルスケジューリングモジュール520は読み取り命令R_tunにより共有データベース590から光トンネルネットワークデータを読み取る。帯域幅使用率監視モジュール560もデータストリームの統計データDATA_stat及び光トンネル帯域幅使用率を共有データベース590に記憶し及び/又は共有データベース590からデータストリームの統計データDATA_stat及び光トンネルネットワークデータを読み取ることに用いられる。具体的に、帯域幅使用率監視モジュール560は書き込み命令W_statによりデータストリームの統計データDATA_statを共有データベース590に記憶し、書き込み命令W_useにより光トンネル帯域幅使用率を共有データベース590に書き込む。帯域幅使用率監視モジュール560は読み取り命令R_statにより共有データベース590からデータストリームの統計データDATA_statを読み取り、読み取り命令R_tunにより光トンネルネットワークデータが得られる。
【0204】
光トンネルスケジューリングモジュール520に関する詳しい操作は
図15Aと
図15Bを参照されたい。
図15Aと
図15Bは、本発明の一部の実施例によるソフトウェア定義ネットワークコントローラ500の細部機能を示すブロック図である。
図15Aに示すように、知恵定義光トンネルネットワークシステム100が初期化される場合、光トンネルスケジューリングモジュール520における事前割り当てサブモジュール522はルーティング経路表T_Routにより初期プリセット光トンネルネットワークを計画することに用いられる。計画された初期プリセット光トンネルネットワークは複数の光トンネルを含む。複数組の光トンネルは複数組のルーティング経路及び波長を含む。そして、事前割り当てサブモジュール522は計画された初期プリセット光トンネルネットワークにより光ノード制御コマンドCC_optを光ノード設定サブモジュール542に伝送し、光ノード設定サブモジュール542が成功に返送して構築された返信メッセージReplyを受信する。そして、再び事前割り当てサブモジュール522は計画された光トンネルのルーティング経路及び波長によりトップオブラックスイッチ制御コマンドCC_ToRをトップオブラックスイッチ設定サブモジュール544に伝送する。また、光トンネルの構築を完成した後で、事前割り当てサブモジュール522は書き込み命令W_tunにより光トンネルネットワークデータを共有データベース590に記憶する。
【0205】
例として、
図16を参照されたい。
図16は事前割り当てサブモジュール522によって作られた光トンネルネットワークにおける何れか1つの光分岐挿入サブシステムOADS(x)と他の光分岐挿入サブシステムOADS(x+1)~OADS(x+24)との間の光トンネルを示す模式図である。この実施例において、1つのポッド(Pod)は5つの光分岐挿入サブシステム(例えば、ポッドP1がOADS(x)、OADS(x+1)、OADS(x+2)、OADS(x+3)、OADS(x+4)を含み)を含む。知恵定義光トンネルネットワークシステム100は共に5つのポッドP1~P5を有する。各台の光分岐挿入サブシステムOADSはそれぞれ8つの異なる波長と8つの対応的な経路により8本の光トンネルを構築する。
図16に示すように、光分岐挿入サブシステムOADS(x)は8つの波長b1、b2、r3、r4、b5、b6、r7、r8により8本の光トンネルを構築する。注意すべきなのは、各本の光トンネルのソース端と宛先端は何れも独立リングネットワーク(例えば、
図3Aにおける第1の伝送リングRing1又は第2の伝送リングRing2)を使用する。本実施例において、便利に説明するために、2つの伝送リングRing1、Ring2だけを例とするが、その数はこれに限定されない。伝送リングRing1における第1の周波数帯の波長は何れもbの字首で表され、例えば、b1~b8である、伝送リングRing2における第2の周波数帯の波長は何れもrの字首で表され、例えば、r1~r8である。また、本実施例の説明内容と図面において、便利に説明するために、ある素子番号又は信号番号を使用する時に前記素子番号又は信号番号のデジタルインデックスを明らかにしていない場合、前記素子番号又は信号番号とは所属する素子ポッド又は信号ポッドにおける特定ではない何れか1つの素子又は信号を表す。例えば、光分岐挿入サブシステムOADS(x)は、25台の光分岐挿入サブシステムにおける何れか1台であってよく、OADS(x+5)で光分岐挿入サブシステムOADSxの東の第1のポッドの中が光分岐挿入サブシステムOADS(x)と同じ波長を使用する光分岐挿入サブシステムを表し、OADS(x+10)で光分岐挿入サブシステムOADSxの東の第2のポッドの中が光分岐挿入サブシステムOADS(x)と同じ波長を使用する光分岐挿入サブシステムを表す。このようにして、OADS(x+20)で光分岐挿入サブシステムOADS(x)の東の第4の(即ち西の第1の)ポッドの中が光分岐挿入サブシステムOADS(x)と同じ波長を使用する光分岐挿入サブシステムを表す。
【0206】
事前割り当てサブモジュール522がポッド内の(intra-Pod)光トンネルを構築する作法については光分岐挿入サブシステム(例えば、OADS(x))に4種の異なる波長を分配して同じポッド(例えば、P1)内の他の4台の光分岐挿入サブシステム(例えば、OADS(x+1)~OADS(x+4))への光トンネルを構築することに用いられる。例えば、波長b1は、光分岐挿入サブシステムOADS(x)の西の第1の光分岐挿入サブシステムOADS(x+4)への光トンネルに用いられ、波長b2は、光分岐挿入サブシステムOADS(x)の西の第2の光分岐挿入サブシステムOADS(x+3)への光トンネルに用いられ、波長r3は、光分岐挿入サブシステムOADS(x)の東の第1の光分岐挿入サブシステムOADS(x+1)への光トンネルに用いられ、波長r4は、光分岐挿入サブシステムOADS(x)の東の第2の光分岐挿入サブシステムOADS(x+2)への光トンネルに用いられる。事前割り当てサブモジュール522に対してポッド間の(inter-Pod)光トンネルを構築する作法は、光分岐挿入サブシステム(例えばOADS(x))に他の4種の異なる波長を分配して異なるポッド(例えばP2~P5)の他の4台の光分岐挿入サブシステム(例えばOADS(x+5)、OADS(x+10)、OADS(x+15)、OADS(x+20))への光トンネルを構築する。例えば、波長r7は、光分岐挿入サブシステムOADS(x)の東の第1のポッドへの光分岐挿入サブシステムOADS(x+5)に用いられ、波長r8は、光分岐挿入サブシステムOADS(x)の東の第2のポッドへの光分岐挿入サブシステムOADS(x+10)に用いられ、波長b6は、光分岐挿入サブシステムOADS(x)の東の第3の(又は西の第2の)ポッドへの光分岐挿入サブシステムOADS(x+15)に用いられ、波長b5は、光分岐挿入サブシステムOADS(x)の東の第4のポッド(又は西の第1の)のへの光分岐挿入サブシステムOADS(x+20)に用いられる。すべての事前割り当てサブモジュール522が構築した光分岐挿入サブシステムOADS(x)からの光トンネルに用いられる波長を纏めると表3に示される。
【表3】
【0207】
図17の実施例において、xが1である場合の光分岐挿入サブシステムOADS1を例として、
図3Aにおける伝送リングRing1とRing2の割り当てられる波長に合わせて説明する。
図3Aにおける光分岐挿入サブシステム200aの第1の伝送モジュール210が波長λ1-λ8を含む周波数帯を使用したように、
図17における光分岐挿入サブシステムOADS1は伝送リングRing1における第1の周波数帯波長b1~b8がλ1~λ8である。また例えば、
図3Aにおける光分岐挿入サブシステム200aの第2の伝送モジュール220が波長λ9-λ16を含む周波数帯を使用したように、
図17における光分岐挿入サブシステムOADS1は伝送リングRing2における第2の周波数帯波長r1~r8がλ9~λ16である。言い換えれば、光分岐挿入サブシステムOADS1によって作られた8つの光トンネルで割り当てられた使用波長が
図17に示すように、ポッド内の光トンネルに対して、光分岐挿入サブシステムOADS1が割り当てられてλ1、λ2、λ11、λ12を使用して光分岐挿入サブシステムOADS5、OADS4、OADS2及びOADS3への光トンネルを構築することに用いられる。ポッド間の光トンネルに対して、光分岐挿入サブシステムOADS1は割り当てられてλ5、λ6、λ15、λ16を使用して光分岐挿入サブシステムOADS21、OADS16、OADS6及びOADS11への光トンネルを構築することに用いられる。
【0208】
上記の光トンネル配置により、各光分岐挿入サブシステムOADSが何れも同じポッドの他の任意のOADSに連通される1本の光トンネルを有し、そして他の任意のポッドの1つのOADSに連通される1本の光トンネルを有する。このため、また中継光トンネル(Tunnel Relay)の技術により、2つの直接連通される光トンネルがない光分岐挿入サブシステムOADSが2本までの構築された光トンネルを中継することにより連通して、すべてのキャビネットから他のすべてのキャビネットへの連通パイプを構築することができる。具体的な例は、後続きの設定管理モジュール540に関する詳しい操作の説明を参照してよい。事前割り当てサブモジュール522は
図18に詳しく示すように実行されて光トンネルネットワークのアルゴリズムを構築する。特に注意すべきなのは、事前割り当てサブモジュール522が光トンネルネットワークを構築する方法はこのアルゴリズムに限定されなく、これによりすべてのキャビネットにおけるサーバと他のすべてのキャビネットにおけるサーバが事前割り当てサブモジュール522の構築された基本光トンネルにより直接又は中継でデータを伝送する方法は、本開示内容の範囲内に含まれる。
【0209】
要するに、事前割り当てサブモジュール522が他の主要モジュールとメッセージを交換する関係図は15Aに示される。事前割り当てサブモジュール522は設定管理モジュール540に光トンネルネットワークを構築する制御コマンドCC_optを発信し、成功に構築された返信メッセージReplyを受信してから、流れテーブル(flow table)を変更する制御コマンドCC_ToRをトップオブラックスイッチ設定サブモジュール544に発信する。最後にすべての知恵定義光トンネルネットワークシステム100に対する設定(例えば、光トンネルネットワークデータ)を共有データベース590に記録する。事前割り当てサブモジュール522の動作の流れS19は
図19に示すように、まず共有データベース590から割り当て方法及び/又は戦略を読み取ってから、割り当て方法及び/又は戦略によりすべての光トンネルの経路及び使用の波長を計算し、最後に光スイッチ(光スイッチングリンクサブシステムOSIS、光分岐挿入サブシステムOADS)及びトップオブラックスイッチToRに対して関連設定をする。
【0210】
一部の実施例において、
図15Bに示すように、光トンネルスケジューリングモジュール520における動的割り当てサブモジュール524は帯域幅使用率監視モジュール560の帯域幅負荷通知Alarmを受信し、及び読み取り命令R_tunにより共有データベース590から光トンネルネットワークデータを読み取ることに用いられる。動的割り当てサブモジュール524は帯域幅負荷通知Alarmと光トンネルネットワークデータにより改めて光トンネルネットワークデータ展開を計画し、改めて計画された光トンネルネットワークデータの結果により光ノード制御コマンドCC_optを調整し光ノード設定サブモジュール542に伝送し、光ノード設定サブモジュール542が成功に返送して構築された返信メッセージReplyを受信することに用いられる。そして、動的割り当てサブモジュール524は改めて計画された光トンネルネットワークデータによりスイッチ制御コマンドCC_ToRを調整しスイッチサブモジュール544に伝送することに用いられる。また、動的割り当てサブモジュール524は書き込み命令W_tunにより改めて計画された光トンネルネットワークデータを共有データベース590に記憶することに用いられる。
【0211】
具体的に、帯域幅負荷通知Alarmは過負荷通知(overload alarm)と軽負荷通知(underload alarm)を含む。帯域幅負荷通知Alarmが過負荷通知である場合、動的割り当てサブモジュール524は光トンネル割り当てアルゴリズム(tunnel allocation algorithm)により計算して新たな光トンネル(tunnel creation)及び/又は分割光トンネル(tunnel splitting)を構築するように決めることに用いられる。帯域幅負荷通知Alarmが軽負荷通知である場合、動的割り当てサブモジュール524は光トンネル(tunnel merging)を統合し及び/又は光トンネル(tunnel removal)を外すことに用いられる。
【0212】
動的割り当てサブモジュール524が過負荷通知のメッセージを受信した後に、光トンネル割り当てアルゴリズムにより最適化計算を行い、新たな光トンネル(tunnel creation)を構築するように決め又は既存の使用率が低い光トンネルを使用し、過負荷光トンネルにおけるデータストリームに対して分割の動作(tunnel splitting)を行って、光トンネルのオーバーフローによるパケットロスを防止する。いつ及び如何に帯域幅負荷通知Alarmを発信するかに関する具体的な例は後続きの頻度使用率監視モジュール560の詳しい操作の説明を参照してよい。
【0213】
図20Aの例のように、波長λ1と経路RP4の光トンネルを使う帯域幅使用率が過負荷(例えば、7.5~10Gbps)の状況にあり、割り当てアルゴリズムは経路RP4と同じソース端(ラック900d)及び宛先端(ラック900e)との間で新たな光トンネル(
図20Bにおける波長λ2と経路RP5を使う光トンネル)を構築し、この新たに構築された光トンネルによりもとの波長λ1を使う光トンネルにおける高負荷のデータストリームに対して分割(データの一部は波長λ1で経路RP4(例えば、2.5~5Gbps)を通過し、一部は波長λ2で経路RP5(例えば、5~7.5Gbps)を通過する)を行い、この過程は光トンネル分割と称される。しかしながら、前記のように、新たな光トンネルを構築しなく、割り当てアルゴリズムは既存の光トンネルを探し又は中継の複数本の光トンネルにより分割を行うため、新たな光トンネルを構築する操作がない可能性がある。つまり分割のデータストリームを既存の光トンネルに統合する。しかしながら、全体として統合された後の光トンネルは過負荷を引き起こさない。
【0214】
高負荷トンネルの処理の詳しい動作の流れS21は
図21に示される。過負荷通知を受信すると、帯域幅使用率が過負荷である光トンネル及び過負荷の光トンネルにおけるデータフローが最大であるデータストリームを見つける。光トンネル割り当てアルゴリズムにより既存の使用可能な光トンネルを見つけ、データストリームを前記見つけられた光トンネルにガイドして分割する。分割に十分な既存の光トンネルが見つからないと、新たな光トンネルを構築してから分割する。
【0215】
一方、動的割り当てサブモジュール524が軽負荷通知のメッセージを受信する場合、軽負荷光トンネル内のデータストリームを他の既存の光トンネル(tunnel merging)に統合し、光トンネル除去(tunnel removal)を行う。
図22Aに示すように、同じソース端(ラック900f)及び宛先端(ラック900g)との間に、もとの波長λ1及び経路RP6と波長λ2及び経路RP7を使う2つの光トンネルの帯域幅使用率が軽負荷(例えば、0~2.5Gbps)の状況にあり、動的割り当てサブモジュール524はこの2つの光トンネル内のデータストリームを1つの光トンネル内に統合し、この過程は光トンネル統合と称される。例として、2つの光トンネルを
図22Bにおける波長λ1及び経路RP6を使う光トンネルに統合し、且つ光トンネルが統合された後に波長λ2及び経路RP7を使う光トンネルに対して光トンネル除去を行う。注意すべきなのは、統合された後の経路RP6は過負荷(例えば、2.5~5Gbpsに維持する)を引き起こしてはいけなく、そうでなければ他の光トンネルを見つけて統合しなければならない。このため光トンネルとフロー配置の決定をするように割り当てアルゴリズムは光トンネル全体の負荷バランスを考慮する必要がある。
【0216】
低負荷トンネルを処理する詳しい動作の流れS23は
図23に示される。軽負荷通知を受信すると、光トンネルとフロー配置をするように光トンネル全体の負荷バランスを考慮してから、光トンネル統合及び光トンネル除去を行う。
【0217】
図24は光トンネル割り当てアルゴリズムの例であり、単純な順次(sequential)方式により過負荷と軽負荷の状況を処理し、つまり新たな光トンネルを構築する必要がある場合、システム最適化を考慮せずに、第1の使用可能な経路と波長を選択し、データストリームの分割又は統合を配る。このため、前記割り当てアルゴリズムは最も基本的な作法だけである。異なる目標によれば、例えばシステム最大スループット、又は光トンネル負荷最適バランス、又は変更が最も少ない光トンネル等の異なる目標を実現しようとすると、割り当てアルゴリズムの設計は異なる。快速且つ最適化の計算を実現するために、ひいては機械学習を割り当てアルゴリズムに導入する必要がある。前記アルゴリズムにおける入力は所在の光トンネル又は所在の光トンネルを軽負荷で通知する。
【0218】
設定管理モジュール540に関する詳しい操作は
図25を参照されたい。
図25は、本発明の一部の実施例によるソフトウェア定義ネットワークコントローラ500の細部機能を示すブロック図である。
図25に示すように、光ノード設定サブモジュール542は光トンネルスケジューリングモジュール520の光ノード制御コマンドCC_optを受信し、光ノード制御コマンドCC_optにより波長選択スイッチ制御信号CS_WSSに転換し、波長選択スイッチ制御信号CS_WSSを光スイッチ(光スイッチングリンクサブシステムOSIS、光分岐挿入サブシステムOADS)に出力することに用いられる。そして、光ノード設定サブモジュール542は光スイッチ(光スイッチングリンクサブシステムOSIS、光分岐挿入サブシステムOADS)が成功に返送/設定に失敗した返信メッセージReplyを受信し、返信メッセージReplyを光トンネルスケジューリングモジュール520に返送することに用いられる。また、
図25に示すように、トップオブラックスイッチ設定サブモジュール544は光トンネルスケジューリングモジュール520のスイッチ制御コマンドCC_ToRを受信し、スイッチ制御信号CS_ToRをトップオブラックスイッチToRに伝送することに用いられる。
【0219】
如何にスイッチ制御コマンドCC_ToRにより中継光トンネル(tunnel relay)を実現するかに関する詳しい説明は以下の通りである。1本の光トンネルは直接2つの特定の光分岐挿入サブシステムOADSに結合されてよい。中継光トンネルの作法は、光信号をまず第1の本の光トンネルと通過させ、ある光分岐挿入サブシステムOADSに達し電気信号に転換させて相互接続トップオブラックスイッチToRに入らせてからすぐ光信号に転換させて第2の本の光トンネルに入らせ、最後に宛先の光分岐挿入サブシステムOADSに達させる。目前の光トンネルネットワークの状態は
図26に示すように、2本の既存の光トンネルがあり、2つの光トンネルがそれぞれ経路RP8とRP9を含むことを仮定する。経路RP8はトップオブラックスイッチToR_1から、光分岐挿入サブシステムOADS_1、光スイッチングリンクサブシステムOSISと光分岐挿入サブシステムOADS_2を通過し、トップオブラックスイッチToR_2に達する。経路RP9はトップオブラックスイッチToR_2から、光分岐挿入サブシステムOADS_2と光分岐挿入サブシステムOADS_3を通過し、トップオブラックスイッチToR_3に達する。この時、光トンネルスケジューリングモジュール520は中継光トンネルによりトップオブラックスイッチToR_1からトップオブラックスイッチToR_3への伝送チャネルを構築するように決めると、光トンネルスケジューリングモジュール520がトップオブラックスイッチ設定サブモジュール544によりスイッチ制御信号CS_ToRをトップオブラックスイッチToRに伝送してトップオブラックスイッチToR_1とToR_2を設定する。トップオブラックスイッチToR_1とToR_2に加え適切な流れエントリー(flow entry)を設定することにより、パケットをトップオブラックスイッチToR_1から経路RP8と経路RP9を通過してトップオブラックスイッチToR_3に達するようにすることができる。具体的に、トップオブラックスイッチToRがパケットを受信する場合、流れテーブル(flow table)におけるマッチングに合致する流れエントリーによりパケットの伝送を行う。このため、スイッチ制御信号CS_ToRを介して流れテーブルにおける流れエントリーを変更してパケットの伝送経路を制御することができる。更に説明すると、流れエントリーは主にマッチングフィールド(match field)とアクションフィールド(action)からなる。マッチングフィールドはまた他の1つ又は複数のフィールドからなり、例えばVlan ID等のようなソースIP、宛先IP、又は他のOpenFlowでサポートされるフィールドからなる。アクションフィールドは主に出力フィールドからなり、トップオブラックスイッチのどのポート(port)からパケットを発信するかを表す。このため、中継光トンネル(経路RP8と経路RP9)によりトップオブラックスイッチToR_1からトップオブラックスイッチToR_3への伝送チャネルを構築しようとすると、まず、トップオブラックスイッチToR_1を設定して、これによりトップオブラックスイッチToR_1に1つの新たな流れエントリーflow entry:{Match[src: IP in ToR_1, Dst: IP in ToR_3], Action[output: port of tunnel 1]}を加える。そして、トップオブラックスイッチToR_2を設定して、これによりトップオブラックスイッチToR_2に流れエントリーflow entry: {Match[src:IP in ToR_1, Dst:IP in ToR_3], Action[output: port of tunnel 2]}を加える。トップオブラックスイッチToR_3はもともと流れエントリーflow entry:{Match[Dst: IP in ToR_3], Action[output: port of server]}があるため、別に設定する必要がない。srcはソースIPアドレスを示し、Dstは宛先IPアドレスを示す。tunnel 1は波長λ1及び経路RP8を使う光トンネルであり、tunnel 2は波長λ2及び経路RP9を使う光トンネルである。
【0220】
このようにして、これらの流れエントリーが加えられたので、トップオブラックスイッチToR_1の受信されたパケットにおけるsrcは自分であり且つDstはトップオブラックスイッチToR_3である場合、トップオブラックスイッチToR_1はまず流れテーブル(flow table)にマッチングに合致する流れエントリーがあるかを調べる。1本の流れエントリー{Match[src: IP in ToR_1, Dst: IP in ToR_3]、 Action[output: port of tunnel 1]}がマッチングに合致することを発見する場合、流れエントリーにおけるアクションフィールドによりパケットを波長λ1及び経路RP8を使う光トンネルtunnel 1によって接続されるポートを外へ伝送して、光トンネルが既に構築されたので、パケットが光トンネル経路RP8を通してトップオブラックスイッチToR_2に達する。同様に、トップオブラックスイッチToR_2は流れテーブルを調べてマッチングに合致する流れエントリー{Match[src:IP in ToR_1, Dst:IP in ToR_3]、 Action[output: port of tunnel 2]}を発見する場合、流れエントリーにおけるアクションフィールドパケットにより波長λ2及び経路RP9を使う光トンネルtunnel 2によって接続されるポートから外へ伝送する。パケットが光トンネル経路RP9を通してトップオブラックスイッチToR_3に達した後に、トップオブラックスイッチToR_3はパケットにおけるDstが自分のIPアドレスであることを発見すると、流れエントリーにおけるアクションフィールドによりパケットを対応的なサーバによって接続されるポートに発信する。これにより、別に光トンネルを構築する必要がなく、パケットは中継光トンネルの技術により宛先端サーバに達することができる。
【0221】
帯域幅使用率監視モジュール560の詳しい操作は
図27を参照されたい。
図27は、本発明の一部の実施例によるソフトウェア定義ネットワークコントローラ500の細部機能を示すブロック図である。
図27に示すように、帯域幅使用率監視モジュール560における統計プロセッサー562はリクエストメッセージRequestによりデータストリームの統計データDATA_statを伝送し、データストリームの統計データDATA_statを受信しデータストリームの統計データDATA_statによりデータストリームのデータフローを計算するようにトップオブラックスイッチToRを要求することに用いられる。そして、統計プロセッサー562は書き込み命令W_statによりデータストリームのデータフローを共有データベース590に記憶することに用いられる。また、すべてのデータストリームのデータフローの記憶が完成した後に、統計プロセッサー562はトリガーメッセージTriggerにより帯域幅使用率監視モジュール560における波長利用プロセッサー564をトリガーすることに用いられ、これにより帯域幅使用率監視モジュール560が光トンネル帯域幅使用率を計算し始める。
【0222】
図27に示すように、波長利用プロセッサー564は読み取り命令R_statにより共有データベース590からデータストリームのデータフローを読み取り、読み取り命令R_tunにより光トンネルネットワークデータを読み取ることに用いられ、波長利用プロセッサー564はデータストリームのデータフローにより光トンネル帯域幅使用率を計算し、書き込み命令W_useにより光トンネル帯域幅使用率を共有データベース590に記憶することに用いられる。また、波長利用プロセッサー564は光トンネル帯域幅使用率が高すぎ又は低すぎる状況があるかを判断することに用いられる。光トンネル帯域幅使用率が高すぎ又は低すぎる時、波長利用プロセッサー564は光トンネル帯域幅使用率により帯域幅負荷通知Alarmを光トンネルスケジューリングモジュール520に伝送することに用いられる。
【0223】
帯域幅使用率監視モジュール560が如何に知恵定義光トンネルネットワークシステム100における各光トンネルの光トンネル帯域幅使用率を監視するかについて、
図28を参照されたい。
図28に示すように、1つのデータストリーム(dataflow)の知恵定義光トンネルネットワークシステム100におけるエンドポイントからエンドポイントへの伝送流れは3の部分を含み、それぞれ異なる点線で表示される。まず、第1の部分で、ソース端のキャビネットからのデータストリームをソース端のトップオブラックスイッチToR_4に発信し、トップオブラックスイッチToR_4がデータストリームにおけるパケットのソースIPアドレス及び宛先IPアドレスにより流れテーブルにおけるすべての流れエントリーのマッチングフィールドと照合する。適切なマッチングフィールドを使用することにより、同じデータストリームのパケットが何れも同じ流れエントリーに照合することを確定できる。照合が合致すると、データストリームは前記流れエントリーのアクションフィールドにより対応的な光トンネル(例えば、
図28において、データストリームがトップオブラックスイッチToR_4の出力ポートからソース端の光分岐挿入サブシステムOADS_4に入る)に導入される。データストリームが導入される同時に、トップオブラックスイッチToR_4もデータストリームのパケット数、大小に従い、流れエントリーにおけるカウンターフィールドにおけるマッチしたバイト(matched bytes)、つまり前記データストリームのデータフローを更新することがある。そして、第2の部分で、データストリームは光トンネルを通してソース端の光分岐挿入サブシステムOADS_4から宛先の光分岐挿入サブシステムOADS_5に伝送される。最後、第3の部分で、宛先のトップオブラックスイッチToR_5は光分岐挿入サブシステムOADS_5からのデータストリームを受信する。トップオブラックスイッチToR_5は流れエントリーを比較し、データストリームのパケットを対応的な出力ポート(即ち宛先のサーバ)に発信し、データストリーム伝送を完成する。
【0224】
上記のデータストリーム伝送流れから分かるように、すべてのデータストリームは何れもソース端のトップオブラックスイッチToR_4の流れエントリーに対する比較により光トンネルネットワークに導入される。データストリームのフロー大小は流れエントリーにおけるカウンターフィールドにおけるマッチしたバイトに記録される。カウンターフィールドのマッチしたバイトに対する演算により、流れエントリーのデータフローが得られ、このデータフローは当該流れエントリーにより光トンネルに伝送されるデータストリームのフローを反映することができる。この特性により、帯域幅使用率監視モジュール560は各ソース端トップオブラックスイッチにおけるすべての流れエントリーのデータフローを収集し計算し、且つ、同じ光トンネル内のすべての流れエントリーに属するデータフローを加算し、このようにして、何れか1つの光トンネルの帯域幅使用率を計算することができる。
【0225】
言い換えれば、帯域幅使用率監視モジュール560における統計プロセッサー562は定期的にトップオブラックスイッチToRからOpenFlowデータストリームの統計データを取得し、データストリームの統計データにより流れエントリーのデータフローを計算してから、共有データベース590のデータストリーム状態表(Flow_Status Table)に書き込む。すべての流れエントリーのデータフローの記録が完成した後に、波長利用プロセッサー564は光トンネルの帯域幅使用率を統計し始める。光トンネルデータストリーム表(Flows_in_Tunnel Table)により、波長利用プロセッサー564は各光トンネル内にどの流れエントリーがあるかが分かる。そして、またデータストリーム状態表により、光トンネル内の流れエントリーのデータフローを加算すると、前記トンネルの波長利用率を算出することができる。すべての光トンネルの帯域幅使用率を計算し記録することを完成すると、波長利用プロセッサー564は各トンネルの使用状況を1つずつ確認する。あるトンネルにフロー過負荷又は軽負荷の状況があり、且つ前記状況が既にある期間継続していることを発見すると、光トンネルスケジューリングモジュール520に警告通知を発信する。
【0226】
このようにして、光トンネルの帯域幅使用率が高すぎる場合、帯域幅使用率監視モジュール560は過負荷通知の帯域幅負荷通知Alarmを光トンネルスケジューリングモジュール520に発信して新たな光トンネル及び/又は分割光トンネルを構築する。逆に、光トンネルの帯域幅使用率が低すぎる場合、帯域幅使用率監視モジュール560は軽負荷通知の帯域幅負荷通知Alarmを光トンネルスケジューリングモジュール520に発信して光トンネルを統合し及び/又は光トンネルを除去する。
【0227】
一部の実施例において、知恵定義光トンネルネットワークシステム100は漸進的展開をサポートできるので、異なるキャビネット数によって、光ノードの数及び/又は分布状況は異なる(例えば、光スイッチングリンクサブシステム、光分岐挿入サブシステムの数が異なる)ことがある。このため、光ノードとの間のルーティング経路も異なる。トポロジトランスモジュール580は外界から入力された(例えば、使用者から入力された)トポロジーデータによりルーティング経路表T_Routを計算し、ルーティング経路表T_Rout及びトポロジーデータを共有データベース590に格納することに用いられる。具体的に、トポロジーデータは光ノード数と光ノード結合を含む。ルーティング経路表T_Routは知恵定義光トンネルネットワークシステム100における何れか1つの光分岐挿入サブシステムと他のすべての光分岐挿入サブシステムとの間に存在可能なすべてのルーティング経路を含む。
【0228】
ルーティング経路表T_Routは更にポッド内のルーティング経路表(Intra-Pod Routing Path Table)及びポッド間のルーティング経路表(Inter-Pod Routing Path Table)に分けられてよい。表4はポッド内のルーティング経路表の内容である。表4において、ルーティング経路は共に2種類があり、それぞれ第1の伝送リングRing1によって作られた第1種のルーティング経路と第2の伝送リングRing2によって作られた第2種のルーティング経路である。また、表4におけるルーティング経路関数(routing path function)の機能は入力のソース光分岐挿入サブシステムOADS及び宛先光分岐挿入サブシステムOADSの番号がマッチされてから、第1種の対応的なポッド内のルーティング経路と第2種の対応的なポッド内のルーティング経路を計算する。ルーティング経路関数において、(SP,SR)でソース光分岐挿入サブシステムOADSがどのソースポッド(source Pod、SP)におけるどのソースキャビネット(source rack、SR)に属するかを表し、(DP,DR)で宛先光分岐挿入サブシステムOADSがどの目的ポッド(destination Pod,DP)におけるどの目的キャビネット(destination rack、DR)に属するかを表す。具体的に、
図29は第1種のポッド内のルーティング経路関数に関する詳しい内容である。このアルゴリズムは使用者によって入力されたソースポッドSP、ソースキャビネットSR、目的ポッドDP、目的キャビネットDR、ルーティング経路種類及びシステムに記録されたトポロジー情報により、光分岐挿入サブシステムOADS(SP,SR)を起点とし、第1の伝送リングRing1に沿って、光分岐挿入サブシステムOADS(DP,DR)のルーティング経路に達することができる。その中、関数出力(Function output)は共に2つのフィールド:OADS_SenderとOADS_Rcveを有する。OADS_Senderはソース光分岐挿入サブシステムOADSのインデックス(index)及びどの伝送モジュール(210又は220)であるかを表す。OADS_Rcveは目的光分岐挿入サブシステムOADSのインデックス及びどの伝送モジュール(210又は220)であるかを表す。関数出力により、このルーティング経路がどの光ノードを通過するか及びどの対応的な光素子を設定する必要があるかを見つけることができる。第2の伝送リングRing2に対する作法も類似している。
【表4】
【0229】
例として、
図30に示すように、ソース光分岐挿入サブシステムOADS(SP,SR)と目的光分岐挿入サブシステムOADS(DP,DR)は同じポッド内にあるため、両者の間のルーティング経路がポッド内のルーティング経路に属する。システムはソース光分岐挿入サブシステムOADS(SP,SR)と目的光分岐挿入サブシステムOADS(DP,DR)との間に第1種のルーティング経路を構築するように構築する場合、ソース光分岐挿入サブシステムOADS(SP,SR)におけるソースポッドSP、ソースキャビネットSR、目的光分岐挿入サブシステムOADS(DP,DR)における目的ポッドDP、目的キャビネットDRを入力とし、表4における第1種のルーティング経路関数Intra_Pod_Rpath_Type_1(SP,SR,DP,DR)を呼び演算する。
図29のアルゴリズムにより、関数出力がOADS_Sender:(Ring_1,SP,SR)、OADS_Rcver:(Ring_1,DP,DR)であることが得られる。ここから分かるように、ルーティング経路関数により見つかった前記ルーティング経路は光分岐挿入サブシステムOADS(SP,SR)における伝送モジュール210aを起点とし、第1の伝送リングRing1に沿って、OADS(DP,DR)における伝送モジュール210bに達する。前記ルーティング経路沿途におけるすべての光素子を設定することにより、システムは
図30に示すようなルーティング経路を構築することができる。
【0230】
表5はポッド間ルーティング経路表(Inter-Pod Routing Path Table)、表に記録されたポッド間のルーティング経路は共に4種であり、それぞれType 11、Type 12、Type 21、及びType 22である。Type 11は第1の伝送リングRing1によりソース光分岐挿入サブシステムOADSから第2層の光スイッチングリンクサブシステムOSISへ上がり、第1の伝送リングRing1により目的光分岐挿入サブシステムOADSへ下がるルーティング経路である。Type 12は対応して第1の伝送リングRing1によりソース光分岐挿入サブシステムOADSから第2層の光スイッチングリンクサブシステムOSISへ上がり、第2の伝送リングRing2により目的光分岐挿入サブシステムOADSへ下がるルーティング経路である。Type 21、Type 22は上記の規則に従い、類推することができる。ポッド間のルーティング経路関数(inter-Pod routing path function)の使用方式とポッド内のルーティング経路関数の使用方式とが同じであり、システムはソースポッドSP、ソースキャビネットSR、目的ポッドDP、目的キャビネットDR及びルーティング経路の種類を入力するだけで、動的に前記ルーティング経路を計算することができる。
図31はType 11のルーティング経路関数アルゴリズムを例として、このアルゴリズムは使用者によって入力されたソース光分岐挿入サブシステムOADS(SP,SR)におけるソースポッドSP、ソースキャビネットSR、目的光分岐挿入サブシステムOADS(DP,DR)における目的ポッドDP、目的キャビネットDR、ルーティング経路の種類(Type 11、Type 12、Type 21、又はType 22)及びシステムにおけるトポロジーの情報により、ソース光分岐挿入サブシステムOADS(SP,SR)の伝送モジュール210からソース光スイッチングリンクサブシステムOSIS (source OSIS)へ下がり、最短経路で目的光分岐挿入サブシステムOADS(DP,DR)の伝送モジュール210によって接続される目的光スイッチングリンクサブシステムOSIS (destination OSIS)に達し、また目的光スイッチングリンクサブシステムOSISから目的光分岐挿入サブシステムOADS(DP,DR)のポッド間に下がるルーティング経路を見つける。その中、関数出力は共にOADS_Sender、OSIS_EW、OSIS_South、OADS_Rcverのような4つのフィールドを有する。OADS_Senderはソース光分岐挿入サブシステムOADSのインデックス及びどの伝送モジュール(210又は220)に属するかを表す。OSIS_EWはソース光スイッチングリンクサブシステムOSISのインデックス及び第2層のルーティング方向(東又は西へ)を表す。OSIS_Southは目的光スイッチングリンクサブシステムOSISのインデックス及びどの伝送モジュールに属するかを表す。OADS_Rcverは目的光分岐挿入サブシステムOADSのインデックス及びどの伝送モジュールに属するかを表す。関数出力によりこのルーティング経路がどの光ノードを通過するか及びどの対応的な光素子を設定する必要があるかを見つけることができる。
【表5】
【0231】
図32の例に示すように、ソース光分岐挿入サブシステムOADS(SP,SR)と目的光分岐挿入サブシステムOADS(DP,DR)が異なるポッド内にあり、このため両者の間のルーティング経路はポッド間のルーティング経路に属する。システムはソース光分岐挿入サブシステムOADS(SP,SR)と目的光分岐挿入サブシステムOADS(DP,DR)との間でType 11のルーティング経路を構築するように決める場合、ソース光分岐挿入サブシステムOADS(SP,SR)におけるソースポッドSP、ソースキャビネットSR、目的光分岐挿入サブシステムOADS(DP,DR)における目的ポッドDP、目的キャビネットDRを入力パラメータとしてType 11のルーティング経路関数Inter_Pod_Rpath_Type_11(SP,SR,DP,DR)を呼び演算する。
図31のアルゴリズムにより、関数出力のパラメータがOADS_Sender:(Ring_1,SP,SR)、OSIS_EW:(To_East,SP)、OSIS_South:(Ring_1,DP)、OADS_Rcver:(Ring_1,DP,DR)であることが得られる。このため、ルーティング経路関数により見つかった前記ルーティング経路は以下の通り、ソース光分岐挿入サブシステムOADS(SP,SR)における伝送モジュール210cを起点とし、第1の伝送リングRing1に沿って第2層のソース光スイッチングリンクサブシステムOSIS(SP)へ上がり東へ目的光スイッチングリンクサブシステムOSIS(DP)に達し、また目的光スイッチングリンクサブシステムOSIS(DP)から第1の伝送リングRing1に沿って目的光スイッチングリンクサブシステムOADS(DP,DR)における伝送モジュール210dへ下がる。すべての光素子が当該ルーティング経路に沿うように設定すると、システムは
図32に示すようなルーティング経路を構築することができる。
【0232】
このようにして、トポロジトランスモジュール580がトポロジーデータによりルーティング経路表T_Routを計算し、ルーティング経路表T_Routを共有データベース590に記憶することにより、ルーティング経路表T_Routが知恵定義光トンネルネットワークシステム100のアーキテクチャにつれて変化することを確保することができる。
【0233】
要するに、本発明の各実施例に提出されたソフトウェア定義ネットワークコントローラ500は、リアルタイムで知恵定義光トンネルネットワークシステム100における、ネットワークトポロジー構造、波長割当状況、ネットワークルーティング割当状況、波長帯域幅使用状況、及びデータストリームのフローを含むネットワーク環境状態を継続的に監視することにより、そして設計されたスマートアルゴリズムにより最適な光トンネル配置及びデータストリームガイドを行う。ソフトウェア定義ネットワークコントローラ500は、ルーティング及び波長の衝突を回避するという条件で、快速に最適な経路ルーティング及び波長選択スイッチ設定を決めて、システムの最高のスループットを達成し、更にデータストリームの伝送遅延を最小にさせる。
【0234】
本開示内容を実施形態によって上記のように開示したが、これは本開示内容を限定するものではなく、当業者であれば、本開示内容の精神と範囲から逸脱しない限り、各種の変更及び修飾することができるため、本開示内容の保護範囲は、下記特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0235】
100 知恵定義光トンネルネットワークシステム
200、200a~200e、OADS、OADS(x)、OADS(x+1)、OADS(x+2)、OADS(x+3)、OADS(x+4)、OADS(x+5)、OADS(x+10)、OADS(x+15)、OADS(x+20)、OADS1~OADS5、OADS6、OADS11、OADS16、OADS21、OADS_1、OADS_2、OADS_3、OADS_4、OADS_5、OADS(SP,SR)、OADS(DP,DR)、OADS_Sender、OADS_Rcver 光分岐挿入サブシステム
210、210a~210e 第1の伝送モジュール
220、220a~220e 第2の伝送モジュール
211 第1の垂直ポート
221 第2の垂直ポート
212、222、BMUX1、BMUX2 マルチプレクサ
214、224 切替サブモジュール
216、226 デマルチプレクサ
400a~400e 光スイッチングリンクサブシステム
410 マイクロコントローラ
420 受信サブモジュール
440 出力サブモジュール
460 光路切替サブモジュール
480 相互接続ラインモジュール
SP11、SP12、SP21、SP22、SPLT1、SPLT2 ビームスプリッタ
481~486 インターコネクトビームスプリッタ
462a~462f 入力ビームスプリッタ
464 波長選択スイッチアレイ
466a~466d 出力光コンバイナ
468a~468d、EDFA1、EDFA2 光信号増幅器
490 フェールオーバーサブモジュール
491、493、495、497 分光検出器
492、494、496、498 光スイッチ
500 ソフトウェア定義ネットワークコントローラ
520 光トンネルスケジューリングモジュール
522 事前割り当てサブモジュール
524 動的割り当てサブモジュール
540 設定管理モジュール
542 光ノード設定サブモジュール
544 トップオブラックスイッチ設定サブモジュール
560 帯域幅使用率監視モジュール
562 統計プロセッサー
564 波長利用プロセッサー
580 トポロジトランスモジュール
590 共有データベース
800 判断方法
S810~S840、S841~S845 工程
900a、900b、900c ラック
P1~P5 ポッド
T1、T2 ネットワーク
TOR、TORa、TORb、TORc、ToR_1、ToR_2、ToR_3、ToR_4、ToR_5 トップオブラックスイッチ
R2 リング形メッシュ構造
Ring1 第1の伝送リング
Ring2 第2の伝送リング
FW システムファームウェア
WSS11 第1の波長選択スイッチ
WSS12 第2の波長選択スイッチ
WSS21 第3の波長選択スイッチ
WSS22 第4の波長選択スイッチ
464a~464n 波長選択スイッチ
NLW0~NLW2、NLE0~NLE2、PLW0~PLW2、PLE0~PLE2 ライン
RT1、RT2、RTa、RTb、RTc、RP1、RP2、RP3、RP4、RP5、RP6、RP7、RP8、RP9 経路
In1、In2 アップロード端
E1~E6、W7~W12 出力端
E7~E12、W1~W6 入力端
ITR1~ITR4 中断ピン
TS1、TS2 トリガ信号
NS1、NS2 異常通知信号
SS 選択信号
CS、CS_WSS、CS_ToR 制御信号
λ1~λ40、b1、b2、r3、r4、b5、b6、r7、r8 波長
UL1~UL8 第1のアップロード光信号
UL9~UL16 第2のアップロード光信号
DL1~DL16 ダウンロード光信号
Sig11 第1の合成光信号
Sig21 第2の合成光信号
Sig12、Sig22、SigU1、SigU2 合成光信号
SigD1、SigD2、SigE0~SigE2 合成光信号
SigW0~SigW2 合成光信号
TSh1 第1の水平伝送光信号
TSh2 第2の水平伝送光信号
TSh3 第3の水平伝送光信号
TSh3d 第4の水平伝送光信号
TSh5 第5の水平伝送光信号
TSh6 第6の水平伝送光信号
TSh7 第7の水平伝送光信号
TSh7d 第8の水平伝送光信号
TSh1' 増幅された第1の水平伝送光信号
TSh5' 増幅された第5の水平伝送光信号
TSd1 第1の下り伝送光信号
TSd2 第2の下り伝送光信号
TSd2a~TSd2e 第2の下り伝送光信号
TSd3 第3の下り伝送光信号
TSd4 第4の下り伝送光信号
TSd4a~TSd4e 第4の下り伝送光信号
TSu1 第1の上り伝送光信号
TSu1a~TSu1e 第1の上り伝送光信号
TSu2 第2の上り伝送光信号
TSu3 第3の上り伝送光信号
TSu3a~TSu3e 第3の上り伝送光信号
TSu4 第4の上り伝送光信号
SigA、SigB、SigC 光信号
H1E、H2E 第1の水平伝送信号
H1W、H2W 第2の水平伝送信号
E1D1、E2D1、W1D1、W2D1 第1の下り伝送信号
E1D2、E2D2、W1D2、W2D2 第2の下り伝送信号
U1D2、U2D1 第3の下り伝送信号
T_Rout ルーティング経路表
W_tun、W_stat、W_use 書き込み命令
R_tun、R_stat 読み取り命令
DATA_stat データストリームの統計データ
CC、CC_opt、CC_ToR 制御コマンド
Request リクエストメッセージ
Reply 返信メッセージ
Alarm 帯域幅負荷通知
Trigger トリガーメッセージ
S19、S21、S23 流れ