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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】電子エアロゾル供給システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/30 20200101AFI20220712BHJP
   A24F 40/50 20200101ALI20220712BHJP
   A24F 40/485 20200101ALI20220712BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20220712BHJP
【FI】
A24F40/30
A24F40/50
A24F40/485
A24F47/00
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020529273
(86)(22)【出願日】2018-12-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-04
(86)【国際出願番号】 GB2018053692
(87)【国際公開番号】W WO2019122876
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-07-09
(31)【優先権主張番号】1721470.1
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ブルートン, コナー
(72)【発明者】
【氏名】アッツォパルディ, アンナ
(72)【発明者】
【氏名】モロニー, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】コルス, アントン
(72)【発明者】
【氏名】ディケンズ, コリン
(72)【発明者】
【氏名】スペンサー, アルフレッド ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】ハービー, リサ
(72)【発明者】
【氏名】ブリック, ケビン デイヴィッド
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/050244(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/153591(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/30
A24F 40/50
A24F 40/485
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがエアロゾル生成構成要素を含む複数の個別のエアロゾル生成領域から使用者によって吸引されるエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスであって、
使用時に、使用者が生成されたエアロゾルを吸引する吸い口と、
第1のエアロゾル生成領域を通るように配置され、前記吸い口に流体的に接続された第1の流路と、
第2のエアロゾル生成領域を通るように配置され、前記吸い口に流体的に接続された第2の流路と
を備え、
前記第1の流路と前記第2の流路が、前記デバイス内の前記それぞれのエアロゾル生成領域のエアロゾル生成構成要素の存在、及び/又は、前記デバイス内の前記それぞれのエアロゾル生成構成要素のパラメータに基づいて、前記それぞれの流路を通る空気の流れを変えるように構成された流れ制限部材をそれぞれ備える、デバイス。
【請求項2】
前記デバイス内に前記第1のエアロゾル生成構成要素又は前記第2のエアロゾル生成構成要素がないとき、前記第1の流路又は前記第2の流路の前記流れ制限部材が、前記第1の流路又は前記第2の流路に沿う空気の流れを制限するように構成された、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記デバイス内に前記第1のエアロゾル生成構成要素又は前記第2のエアロゾル生成構成要素がないとき、前記第1の流路又は前記第2の流路の前記流れ制限部材が、前記第1の流路又は前記第2の流路に沿う空気の流れを妨げるように構成された、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記エアロゾル生成構成要素の前記パラメータが、前記エアロゾル生成構成要素のエアロゾル前駆材料のタイプ、及び前記エアロゾル生成構成要素のエアロゾル前駆材料の量のうちの少なくとも1つである、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記生成されたエアロゾルが、第1のエアロゾル生成構成要素から生成されたエアロゾルと第2のエアロゾル生成構成要素から生成されたエアロゾルとの混合物を含み、前記それぞれの流路を通る空気の流れを変えることによって、前記生成されたエアロゾル混合物に寄与する前記第1のエアロゾルと前記第2のエアロゾルの比率を変えるように構成された、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記流れ制限部材が、前記第1のエアロゾル生成構成要素及び前記第2のエアロゾル生成構成要素のパラメータの組合せに基づいて、前記第1の流路及び前記第2の流路を通る空気の流れを変えるように構成された、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記流れ制限部材が機械的に作動する流れ制限部材であり、前記流れ制限部材に加えられた力に応じて空気の流れを許容するように構成された、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記流れ制限部材が閉位置に付勢されて前記空気の流れを妨げ又は制限し、前記流れ制限部材は、前記デバイスの前記それぞれのエアロゾル生成領域内にエアロゾル生成構成要素がないときに、前記閉位置にあるように構成された、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記流れ制限部材が、前記流れ制限部材に加えられた前記力に応じて、全開位置、閉位置、又は前記全開位置と前記閉位置との間の位置の間に作動させられるように構成された、請求項7又は8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記流れ制限部材が電動流れ制限部材であり、前記デバイスは、前記エアロゾル生成構成要素が前記デバイスに取り付けられたときに、前記デバイス内のエアロゾル生成構成要素の存在、及び/又は、前記エアロゾル生成構成要素のパラメータを示す、前記エアロゾル生成構成要素から得られた電気信号を受け取り、前記電気信号に応じて前記流れ制限部材を作動させるように構成された制御回路をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記流れ制限部材が、前記電気信号に応じて、全開位置、閉位置、又は前記全開位置と前記閉位置との間の位置の間に作動させられるように構成された、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記制御回路が、前記デバイスの電気特性の変化に基づいて、前記デバイス内におけるエアロゾル生成構成要素の存在を識別するように構成された、請求項10又は11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第1の流路及び前記第2の流路のうちの少なくとも1つが複数の流れ制限部材を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1の流路及び前記第2の流路のうちの前記少なくとも1つが複数の空気入口を含み、各空気入口が流れ制限部材を含み、各流れ制限部材が前記複数の空気入口のうちの1つ又は複数を選択的に塞ぐように構成された、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記エアロゾル生成構成要素が、エアロゾル前駆材料を含むカートリッジ、エアロゾル前駆材料と前記エアロゾル前駆材料をエアロゾル化するための微粒化ユニットとを含むカトマイザー、及びエアロゾル前駆材料のうちの少なくとも1つである、請求項1~14のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
各エアロゾル生成構成要素が、エアロゾル前駆材料を含むカートリッジを備え、前記カートリッジは、前記エアロゾル供給デバイス内に配置された流れ制限部材と係合して作動させるための係合機構を備え、前記流れ制限部材が前記それぞれのエアロゾル生成構成要素を通る空気の流れを変えるように構成され、
前記係合機構が、前記カートリッジの表面から延在し、前記エアロゾル供給デバイスの前記流れ制限部材と係合するように構成された突起であり、
前記突起は、前記エアロゾル生成構成要素から離れる方向にテーパが付いたテーパ部分を含んでいる、請求項1~15のいずれか一項に記載のデバイス
【請求項17】
請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル前駆材料を含むカートリッジを備える少なくとも1つのエアロゾル生成構成要素と
を備えるエアロゾル供給システム。
【請求項18】
前記カートリッジが、前記カートリッジ内の前記エアロゾル前駆材料を微粒化するように構成された微粒化ユニットを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
それぞれがエアロゾル前駆材料を含む複数のエアロゾル生成構成要素から使用者によって吸引されるエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給手段であって、
使用時に、使用者が生成されたエアロゾルを吸引する吸い口と、
第1のエアロゾル生成領域を通るように配置され、前記吸い口に流体的に接続された第1の流路と、
第2のエアロゾル生成領域を通るように配置され、前記吸い口に流体的に接続された第2の流路と
を備え、
前記第1の流路と前記第2の流路が、前記手段内の前記それぞれのエアロゾル生成領域のエアロゾル生成構成要素の存在、及び/又は、前記手段内の前記それぞれのエアロゾル生成構成要素のパラメータに基づいて、前記それぞれの流路を通る空気の流れを変えるように構成された流れ制限手段をそれぞれ備える、エアロゾル供給手段。
【請求項20】
吸引されるエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスであって、
気化されるエアロゾル生成構成要素を含む第1のエアロゾル生成領域を通るように配置された第1の空気通路と、
気化されるエアロゾル生成構成要素を含む第2のエアロゾル生成領域を通るように配置された第2の空気通路であり、前記第1のカートリッジ及び前記第2のカートリッジの下流において前記第1の空気通路から隔離されている第2の空気通路と
を備え、
前記第1の空気通路及び前記第2の空気通路それぞれが弁を含み、前記弁が、前記デバイス内のエアロゾル生成構成要素の存在、及び/又は、前記デバイス内の前記エアロゾル生成構成要素のパラメータに基づいて、前記それぞれの空気通路を通る空気の流れを変えるように構成された、エアロゾル供給デバイス。
【請求項21】
それぞれがエアロゾル生成構成要素を含む複数の個別のエアロゾル生成領域から吸い口を通じて使用者によって吸引されるエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給システム内の空気流を制御する方法であって、
第1のエアロゾル生成領域を通るように配置され、前記吸い口に流体的に接続された第1の流路に沿う空気の流れを変えるように構成された第1の流れ制限部材を調節するステップと、
第2のエアロゾル生成領域を通るように配置され、前記吸い口に流体的に接続された第2の流路に沿う空気の流れを変えるように構成された第2の流れ制限部材を調節するステップと
を含み、
前記第1の流れ制限部材及び前記第2の流れ制限部材が、前記システム内の前記それぞれのエアロゾル生成領域のエアロゾル生成構成要素の存在、及び/又は、前記システム内の前記それぞれのエアロゾル生成構成要素のパラメータに基づいて、前記それぞれの流路を通る空気の流れを変える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ニコチン送達システム(例えば、電子タバコなど)などの電子エアロゾル供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ(eシガレット)などの電子エアロゾル供給システムは、一般的に、エアロゾル(又は蒸気)前駆材料/形成材料(配合剤を含有する原料液体、典型的には、ニコチン及び多くの場合には香味料などの添加剤を有するベース液体を含む原料液体のリザーバなど)、及び/又はタバコベース製品などの固体材料を含み、それから、エアロゾルは、例えば、熱による気化によって生成される。したがって、エアロゾル供給システムは、典型的には、微粒化器(又は気化器)、例えば加熱要素を含むエアロゾル生成チャンバを備え、微粒化器(又は気化器)は、エアロゾル生成チャンバ内でエアロゾルを生成するために前駆材料の一部を気化するように配置されている。使用者がデバイスで吸引し、電力が加熱要素に供給されると、空気が、入口孔を通ってデバイス内に引き込まれ、そしてエアロゾル生成チャンバ内に引き込まれ、そこで空気は気化された前駆材料と混合されてエアロゾルを形成する。エアロゾル生成チャンバを吸い口開口と接続する流路があり、したがって、エアロゾル生成チャンバを通して引き入れられた流入空気は、流路に沿って吸い口開口へと進み、その空気と共に蒸気の一部を移送し、使用者による吸引のために吸い口開口を通って流出する。
【0003】
エアロゾル供給システムは、再使用可能部分と交換可能なカートリッジ部分の両方を含むモジュール式集合体を備えていることがある。典型的には、カートリッジ部分は消耗可能なエアロゾル前駆材料及び/又は気化器を備え、一方、再使用可能なデバイス部分は、再充電可能なバッテリー、デバイス制御回路、作動センサ、及びユーザインターフェース機能部などの寿命が長い物品を備える。再使用可能な部分はコントロールユニット又はバッテリー部分と呼ばれることもあり、気化器と前駆材料の両方を含む交換可能なカートリッジ部分はカトマイザーとも呼ばれることもある。
【0004】
いくつかのエアロゾル供給システムは、混合されて使用者によって吸引される蒸気/エアロゾルを生成するために使用することができる複数のエアロゾル源を含むことができる。しかしながら、いくつかの場合には、使用者は、使用者に送達されるエアロゾルの組成、及び/又はエアロゾルを送達する方法に関してより柔軟なシステムを望むことがある。
【0005】
これらの課題のいくつかに対処することを助けようとする様々な取り組み方を説明する。
【発明の概要】
【0006】
特定の実施形態の第1の態様によれば、それぞれがエアロゾル生成構成要素を含む複数の個別のエアロゾル生成領域から使用者によって吸引されるエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供される。本エアロゾル供給デバイスは、使用時に、使用者が生成されたエアロゾルを吸引する吸い口と、第1のエアロゾル生成領域を通るように配置され、吸い口に流体的に接続された第1の流路と、第2のエアロゾル生成領域を通るように配置され、吸い口に流体的に接続された第2の流路とを備え、第1の流路と第2の流路は、デバイス内のそれぞれのエアロゾル生成領域のエアロゾル生成構成要素の存在、及び/又は、デバイス内のそれぞれのエアロゾル生成構成要素と関連するパラメータに基づいて、それぞれの流路を通る空気の流れを変えるように構成された流れ制限部材をそれぞれ備える。
【0007】
特定の実施形態の第2の態様によれば、第1の態様によるエアロゾル供給デバイスと、エアロゾル前駆材料を含むカートリッジを備える少なくとも1つのエアロゾル生成構成要素とを備えるエアロゾル供給システムが供給される。
【0008】
特定の実施形態の第3の態様によれば、それぞれがエアロゾル前駆材料を含む複数のエアロゾル生成構成要素から使用者によって吸引されるエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給手段が提供される。本エアロゾル供給デバイスは、使用時に、使用者が生成されたエアロゾルを吸引する吸い口と、第1のエアロゾル生成領域を通るように配置され、吸い口に流体的に接続された第1の流路と、第2のエアロゾル生成領域を通るように配置され、吸い口に流体的に接続された第2の流路とを備え、第1の流路と第2の流路は、デバイス内のそれぞれのエアロゾル生成領域のエアロゾル生成構成要素の存在、及び/又は、デバイス内のそれぞれのエアロゾル生成構成要素と関連するパラメータに基づいて、それぞれの流路を通る空気の流れを変えるように構成された流れ制限手段をそれぞれ備える。
【0009】
特定の実施形態の第4の態様によれば、吸引されるエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが供給される。本エアロゾル供給デバイスは、気化されるエアロゾル生成構成要素を含む第1のエアロゾル生成領域を通るように配置された第1の空気通路と、気化されるエアロゾル生成構成要素を含む第2のエアロゾル生成領域を通るように配置された第2の空気通路であり、第1のカートリッジ及び第2のカートリッジの下流において第1の空気通路から隔離されている第2の空気通路とを備え、第1の空気通路及び第2の空気通路それぞれは弁を含み、この弁は、デバイス内のエアロゾル生成構成要素の存在、及び/又は、デバイス内のエアロゾル生成構成要素と関連するパラメータに基づいて、それぞれの空気通路を通る空気の流れを変えるように構成される。
【0010】
特定の実施形態の第5の態様によれば、それぞれがエアロゾル生成構成要素を含む複数の個別のエアロゾル生成領域から吸い口を通じて使用者によって吸引されるエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給システム内の空気流を制御する方法が提供される。本方法は、第1のエアロゾル生成領域を通るように配置され、吸い口に流体的に接続された第1の流路に沿う空気の流れを変えるように構成された第1の流れ制限部材を調節するステップと、第2のエアロゾル生成領域を通るように配置され、吸い口に流体的に接続された第2の流路に沿う空気の流れを変えるように構成された第2の流れ制限部材を調節するステップとを含み、第1の流れ制限部材及び第2の流れ制限部材は、システム内のそれぞれのエアロゾル生成領域のエアロゾル生成構成要素の存在、及び/又は、システム内のそれぞれのエアロゾル生成構成要素と関連するパラメータに基づいて、それぞれの流路を通る空気の流れを変える。
【0011】
本発明の第1及び他の態様に関して上で説明した本発明の特徴及び態様は、本発明の他の態様による本発明の実施形態に等しく適用可能であり、上記の特定の組合せに限らずそれらと適宜組み合わされてもよいことは理解されよう。
【0012】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】コントロール部と、吸い口部と、2つの取外し可能なカトマイザーとを含み、カトマイザーの1つ又は複数から使用者にエアロゾルを送達するように構成されたエアロゾル送達システムの概略断面図である。
図2】エアロゾル送達システムの個々の要素を示す分解形態の図1のエアロゾル送達システムの概略断面図である。
図3a図1及び図2のエアロゾル送達システムのコントロール部の受入部に一部挿入された状態の図1及び図2のカトマイザーの概略図である。
図3b図1及び図2のエアロゾル送達システムのコントロール部の受入部に完全に挿入された状態の図3aのカトマイザーの概略図である。
図4a】それぞれの受入部が個々の空気入口に接続された個々の空気流路を備えた、代替のコントロール部の概略断面図である。
図4b】それぞれの受入部が複数の空気入口に接続された個々の空気流路を備え、各空気入口が流れ制限部材を有する、さらに別の代替のコントロール部の概略断面図である。
図5a】2つのカトマイザー(及び2つの加熱要素)が図1及び図2のコントロール部に電気的に接続された状態の例示的な回路配置図である。
図5b】カトマイザーが1つ(及び加熱要素が1つ)だけ、図1及び図2のコントロール部に電気的に接続された状態の図5aの例示的な回路配置図である。
図6a】第1のカトマイザー、カトマイザーA、及び第2のカトマイザー、カトマイザーBの加熱要素に供給される電圧パルスに対して50%のデューティサイクルを示す、電圧対時間のグラフである。
図6b】カトマイザーBの加熱要素に供給される電圧パルスに対して50%のデューティサイクル、カトマイザーAの加熱要素に供給される電圧パルスに対して約30%のデューティサイクルを示す、電圧対時間のグラフである。
図7a】使用者がシステムで吸引すると、各カトマイザーから生成されるエアロゾルが使用者の口の異なる側に別々に向けられる、図1及び図2のコントロール部2とともに使用するための例示的な吸い口部の概略図である。
図7b】各カトマイザーから生成されるエアロゾルが、使用者が吸い口開口の一方又は両方を通じて吸引することができるように互いから間隔を空けて配置された吸い口部の表面の吸い口開口の方へ別々に向けられる、図1及び図2のコントロール部2とともに使用するための別の例示的な吸い口部の概略図である。
図7c】各カトマイザーから生成されるエアロゾルが、異なる吸い口開口の方へ別々に向けられるが、吸い口開口は同心に配置されている、図1及び図2のコントロール部2とともに使用するためのさらに別の例示的な吸い口部の概略図である。
図7d】1つのカトマイザーから生成されるエアロゾルが、他のカトマイザーから生成されるエアロゾルが向けられる吸い口開口を取り囲む複数の吸い口開口の方に向けられる、図1及び図2のコントロール部2とともに使用するためのさらなる例示的な吸い口部の概略図である。
図8a】吸い口チャネルが、チャネルを通過するエアロゾルの特性を変えるように構成された端部を含む、図1及び図2のコントロール部2とともに使用するための例示的な吸い口部の概略図である。
図8b】吸い口チャネルが、吸い口部の表面から突出した端部を含み、チャネルを通過するエアロゾルの特性を変えるように構成された端部を含む、図1及び図2のコントロール部2とともに使用するためのさらなる例示的な吸い口部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本書では、特定の例及び実施形態の態様及び特徴を論じ説明する。特定の例及び実施形態のいくつかの態様及び特徴は、従来から具現化されている場合もあり、簡潔化のために、それらを詳細に論じることも説明することもしない。したがって、詳細には説明せずに本書で論じる装置及び方法の態様及び特徴は、そのような態様及び特徴を具現化するための任意の従来の技法によって具現化できることは理解されよう。
【0015】
本開示は、eシガレットなどのエアロゾル供給システムと称されることもある蒸気供給システムに関する。以下の説明を通じて、「eシガレット」又は「電子タバコ」という用語を使用することがあるが、この用語は蒸気供給システム及び電子蒸気供給システムと互換的に使用することができることは理解されよう。さらに、当該技術分野では一般的であるように、「蒸気」及び「エアロゾル」という用語、並びに「気化」、「揮発」、及び「エアロゾル化」等の関連の用語もまた、互換的に使用することができる。これに関して、凝縮エアロゾルによるエアロゾルの生成手段以外の手段、例えば、振動、フォトニック、放射、静電気などの手段による微粒化などが考えられる。
【0016】
図1及び図2は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なエアロゾル供給システム1の非常に概略的な断面図である。図1は、組み立てられた状態のエアロゾル供給システム1を示し、一方、図2は、取り外された状態/部分的に分解された状態のエアロゾル供給システム1を示す。下で論じるように、例示的なエアロゾル供給システム1の部品は、エアロゾル供給システム1の他の部品から取出し可能/取外し可能なように提供される。
【0017】
図1及び図2を参照すると、例示的なエアロゾル供給システム1は、制御/デバイス部(又はバッテリー/再使用可能部)2と、取外し可能な吸い口部(又は蓋部)3と、この例では、本書ではカトマイザー4と総称されるカトマイザー4a及び4bなどの2つのエアロゾル生成構成要素とを備える。使用時、エアロゾル供給システム1は、使用者が吸い口部3を通じて吸引すると、(エアロゾル前駆材料を気化することによって)カトマイザー4からエアロゾルを生成し、吸い口部3を通じて使用者にエアロゾルを送達/供給するように構成される。エアロゾル供給システム1は、コントロール部2及び吸い口部3に加えてカトマイザー4を含むことを理解すべきである。厳密に言えば、エアロゾル供給デバイスという用語は、カトマイザー4のない制御/デバイス部2及び吸い口部3だけを指す。しかしながら、開示する本システムの全体的な説明を助けるために、用語「システム」及び「デバイス」は、本書では、カトマイザーを含むデバイス及びカトマイザーを除いたデバイスのどちらも指すように交換可能に用いられる。
【0018】
例示的なエアロゾル供給システムの1つの態様は、エアロゾル供給システムの状態/構成に関わらず使用者にエアロゾルを一貫して送達することができる機能である。これまで述べたこと、及び以下で明らかとなるように、それは、使用者が、複数のエアロゾル生成構成要素、例えば、2つのカトマイザー4を有するデバイスを使用しようと、単一のエアロゾル生成構成要素だけを、例えば、単一のカトマイザー4を有するデバイスを使用しようと、本エアロゾル供給システムは、使用者に対して一貫した(又は、ほぼ一貫した)経験を与えるように制御されることを意味する。これは、生成されるエアロゾルの量(すなわち、吸引されるエアロゾルの量/体積)という観点であり、又は、空気に対する蒸気の概ね一貫した比(すなわち、生成されたエアロゾル内に含まれる蒸気の割合)を与えることによるものである場合がある。すなわち、生成されるエアロゾルの量又は空気に対する蒸気の比は、エアロゾル供給デバイスが、エアロゾル生成領域に存在するエアロゾル生成構成要素を1つ有していても、複数有していても、同じ(又はほぼ同じ、例えば10%以内)ということである。いくつかの実施態様では、生成されるエアロゾルの量は、使用者の吸引(又はパフ)の強さに応じて変わり得ることを理解すべきである。例えば、パフが強ければ、弱いパフに比べてより多くのエアロゾルを生成することができる。しかしながら、本開示の1つの態様は、生成されるエアロゾルの量及び/又は生成されるエアロゾルの質に関する期待性能がほとんど又は全く変わらないことを保証することである。これに関して、本開示の1つの態様は、本エアロゾル供給システムが、本エアロゾル供給システムのエアロゾル生成構成要素の状態に反応することができることを保証することである。
【0019】
例示的なエアロゾル供給システムのさらなる態様は、使用者によって受け入れられる/吸引されるエアロゾルを異なる比率で供給する機能である。これに関して、使用者は、デバイスに配置されたエアロゾル生成構成要素、例えば、カトマイザーから生成される蒸気を異なる割合で含むエアロゾルを吸引することができる。これは、例えば、エアロゾル生成構成要素を形成するエアロゾル前駆材料、又は、エアロゾル生成構成要素がカトマイザーのときは、エアロゾル生成構成要素内のエアロゾル前駆材料のタイプに基づくことができる。相対的な比率は、デバイス内の各エアロゾル生成領域を通る空気流量を変えることによって変えることができる。
【0020】
例示的なエアロゾル供給システムのさらなる態様は、複数のエアロゾル生成構成要素、例えばカトマイザーのそれぞれの中に貯蔵されたエアロゾル前駆材料を将来、同時に完全に使い切る(使い尽くす)ように、エアロゾル前駆材料を使い切る(使い尽くす)仕方を制御することができることである。これは、使用者がエアロゾル生成構成要素、例えばカートリッジの1つを他のカートリッジの前に使い切ることがないことを保証することができ、このことは、例えば、1つのエアロゾル生成領域内で完全に(又はほとんど)使い切ったエアロゾル前駆材料から生じる乾いたウィッキング材料を燃焼/加熱し、別の領域では使い切っていないことによって生じる望ましくない味を使用者は経験しないこと、また、使用者は、両方のエアロゾル生成構成要素、例えばカトマイザーを同時に交換することができ、したがって、エアロゾル前駆材料を補充するときに使用者がデバイス1に関わることを最小限にすることができることを意味する。これは、それぞれのエアロゾル生成領域(これらが、エアロゾル生成構成要素の一部を形成しても、しなくても)のために選ばれた微粒化ユニットのそれぞれに対する電力の分配を変えることによって実現することができる。例えば、エアロゾル生成構成要素が、微粒化ユニットを有するカトマイザーを備えるとき、これは、最も少ない量のエアロゾル前駆体を有するカトマイザーに供給する電力を増大させる、及び/又は、最も多くの量のエアロゾル前駆対を有するカトマイザーに供給する電力を減少させることを含むことがある。
【0021】
例示的なエアロゾル供給システムのさらなる態様は、異なるエアロゾル通路を互いから隔離したまま、異なるエアロゾルを使用者の口の中で混合させることができることである。例えば、これは、異なる香味のエアロゾルに関する場合のことであり、それぞれのカトマイザー4には、異なる香味(例えば、イチゴ香味及びキイチゴ香味)を生じるそれ自体の原料液体が入っており、したがって、異なる香味のエアロゾルはエアロゾル供給システム1自体の中で互いから分離/隔離されて保持されている。これは、使用者に異なる感覚的な経験を提供することができ、香味の「ぼやけ」を少なくすることにつながる(言い換えれば、使用者は、各エアロゾル/蒸気が口腔に直接提供されたとき、デバイス内で混合されたエアロゾルに比べてより容易に個々の香味を認識することができる)。さらに、これらの異なるエアロゾルは、デバイスを出るときでさえ実質的に混合されず、口の異なる領域(例えば、口の左側と右側、又は口蓋と舌など)に効果的に堆積し、これは、混合を行うのが使用者自身であることを意味する。本デバイスは、口/口腔の特定の領域に異なる香味を多かれ少なかれ知覚できるように、異なるエアロゾルを口/口腔の異なる部分に向けるようにさらに構成される。
【0022】
単なる参照として、以下の議論は、システムの頂部、底部、左側、及び右側を参照する。これは、概して、関連する図の対応する方向を参照する、すなわち、図の平面における自然な方向を参照する。しかしながら、これらの方向は、通常の使用時のシステム1の特定の向きを与えることを意味するものではない。例えば、組み立てられたシステムの頂部は、使用時に使用者の口と接触するシステムの部分を参照するが、底部は、システムの反対側の端部を参照する。方向の選択は、本書で説明する様々な特徴の相対的な位置を例示することだけを意味している。
【0023】
図1及び図2を参照すると、コントロール部2は、エアロゾル供給デバイス1のための動作電力を供給するための電源21と、エアロゾル送達デバイス1の動作を制御及び監視するための制御回路22とを収容するように構成されたハウジング20を含む。この例では、電源21はバッテリーを備え、そのバッテリーは、再充電可能で、例えば、電子タバコや、比較的短い時間に比較的高い電流を供給することが必要な他の用途に通常使われる種類の従来のタイプのものでもよい。
【0024】
外側ハウジング20は、例えば、プラスチック又は金属材料から形成されてもよく、この例では、概ね矩形の断面で、(図1の平面内にある)その幅は、(図1の平面に対して垂直方向の)その厚さの約1.5~2倍である。例えば、本電子タバコは、約5cmの幅と約3cmの厚さを有することができる。コントロール部2は、この例では、箱/立方体の形態を採っているが、コントロール部2は、必要に応じて他の形状を有することができることを理解すべきである。
【0025】
コントロール部2は、ハウジング20の外面に設けられた空気入口23と、エアロゾル生成構成要素、例えばカトマイザー4の1つを受け入れるための空間/容積をそれぞれが画定する2つの個別のエアロゾル生成領域、例えば、受入部24a及び24bと、ハウジング20内を延在し、空気入口23を受入部24a及び24bに流体的に接続する空気チャネル26と、それぞれが、それぞれの受入部24a、24bに入る空気流量を変えることができる位置(詳細には、この例では、受入部24a、24bによって画定された空間への入口、又はその近く)の空気チャネル26内に設けられた2つの流れ制限部材25とをさらに備える。以下において理解されるように、これらの機能部は、空気を、エアロゾル供給デバイス1の外部から空気入口23を経て、カトマイザー4を含むエアロゾル生成領域/受入部24a及び24bを通して、使用者の口の中に入れる、エアロゾル供給デバイス1を貫通する空気通路又はエアロゾル通路の一部を形成する。次に、カトマイザーを見ると、カトマイザー4はそれぞれ、気化用の原料液体を貯蔵する液体リザーバ41a、41b、及びカトマイザーチャネル44a、44bを画定するハウジング40a、40bと、この例では、ウィッキング要素42a、42b、及びウィッキング要素42a、42bに巻き付けられた加熱要素43a、43bから形成される微粒化ユニット(又は気化器)とを備える。ウィッキング要素42a、42bは、(毛管作用を使って)原料液体を、それぞれの液体リザーバ41a、41bからそれぞれの加熱要素43a、43bに送る/移送するように構成される。
【0026】
図示の例では、微粒化ユニットは、カトマイザー4のハウジング40a、40bによって画定されたそれぞれのカトマイザーチャネル44a、44bに設けられる。カトマイザーチャネル44a及び44bは、カトマイザー4がそれぞれの受入部に取り付けられると、カトマイザーチャネル44a及び44bが、空気チャネル26及び空気入口23と流体的に連通し、したがって、空気入口23を通って引き込まれた空気が、空気チャネル26に沿って、カトマイザー4のカトマイザーチャネル44a及び44bに沿って通るように配置される。
【0027】
本書では、用語「エアロゾル生成構成要素」は、エアロゾルの生成に関与する構成要素を指す。図1及び図2では、これは、原料液体(又はエアロゾル形成材料)及び微粒化ユニットの両方を備えるカトマイザー4を含む。この構成では、システムにカトマイザー4を取り付けなくては(及び/又は、原料液体を含むカトマイザーなしでは)エアロゾルを生成することができないので、カトマイザー4は、エアロゾル生成構成要素と考えられる。さらに、用語「エアロゾル生成領域」は、エアロゾルを生成する、又はエアロゾルを生成することができるシステム内の領域/区域を指す。例えば、図1及び図2では、エアロゾル生成領域は、カトマイザー4を受け入れるように構成された受入部24a及び24bを含む。言い換えれば、カトマイザーは、エアロゾルの生成に関与する構成要素として考えられるが、受入部はエアロゾル生成構成要素を収容し、したがってエアロゾルを生成する領域を画定する。
【0028】
吸い口部3は、一端(頂端部)に2つの開口31a、31bを備えるハウジング30を含む、すなわち、吸い口開口は、吸い口部3の同じ端部に配置され、概して、使用者が開口の両方にわたって口を被せることができるように配置される。吸い口部3はまた、反対側の端部(底端部)に受入部32a、32bを含み、それぞれの吸い口チャネル33a、33bは受入部32a、32bと開口31a、31bとの間を延在する。
【0029】
吸い口部3は、吸い口部3の頂端部に向かってテーパが付いた、概ねテーパ状又はピラミッド形の外形を有する。吸い口3の底端部は、吸い口部3とコントロールユニット2が合する又は接触するところにあり、コントロール部2と吸い口部3が結合して一緒になるとき、外形が面一となるように、コントロール部2と同等な寸法にほぼ一致する幅方向(すなわち、図1及び図2の平面の水平方向)及び厚さ方向(すなわち、図1及び図2の平面に直行する方向)の寸法を有するような大きさである。開口31が配置された吸い口部3の端部(頂端部)は、底端部より幅方向が約三分の一だけ小さい(例えば、約2cmの幅)。すなわち、吸い口部3は、幅方向が頂端部に向かってテーパが付いている。この端部は、使用者の口に受け入れられるエアロゾル供給デバイス1の部分を形成する(言い換えれば、通常、使用者の唇はこの端部の周りにあって、使用者はこの端部を通じて吸引する)。
【0030】
吸い口部3は、コントロール部2とは別個の取外し可能な構成要素として形成され、吸い口3をコントロール部2に結合することができる任意の適切な結合/取付機構、例えば、スナップ嵌め、ねじなど備える。吸い口3がコントロール部2に結合されて(例えば、図1に概略的に示されているように)組み立てられたエアロゾル供給デバイス1を形成すると、組み立てられたエアロゾル供給デバイス1の長さは約10cmである。しかしながら、本開示を実施するエアロゾル供給デバイス1の全体的な形状及び寸法は、本書で説明する原理にとっては重要ではないことは理解されよう。
【0031】
受入部32a、32bはそれぞれ、(詳細には、受入部24a、24bに接続し受け入れられるカトマイザーの端部の反対側のカトマイザーの端部において)カトマイザー4のカトマイザーチャネル44a、44bに流体的に接続するように配置される。受入部32a、32bは吸い口チャネル33a及び33bに流体的に接続され、吸い口チャネル33a及び33bは開口31a及び31bに流体的に接続される。したがって、デバイス1が(例えば、図1に示すように)完全に組み立てられると、吸い口部3の開口31a及び31bは、コントロール部2の空気入口23に流体的に接続されることを理解すべきである。
【0032】
したがって、例示的なエアロゾル供給デバイス1は、全体として、空気/エアロゾルがデバイスを通過することができる2つの経路を提供する。例えば、第1の経路は、空気入口23から始まり、空気チャネル26に沿って進み、流れ制限部材25aを通過し、次いで、受入部24aに入って、第1のカトマイザー4aのカトマイザーチャネル44aを通過し、受入部32aに入り、吸い口部3の吸い口チャネル33aに沿って開口31aに至る。同様に、第2の経路は、空気入口23から始まり、空気チャネル26に沿って進み、流れ制限部材25bを通過し、次いで、受入部24bに入って、第2のカトマイザー4bのカトマイザーチャネル44bを通過し、受入部32bに入り、吸い口部3の吸い口チャネル33bに沿って開口31bに至る。この例では、第1の経路と第2の経路のそれぞれは、流れ制限部材25の上流で共通構成要素(すなわち、空気入口23に結合された空気チャネル26)を共有するが、この共通構成要素から分岐する。以下では、経路の断面は円形として説明されるが、断面は非円形(例えば、任意の正多角形)でもよく、また、断面は2つの経路の長さに沿って一定の大きさ又は形状である必要はないことを理解すべきである。
【0033】
例示的なエアロゾル供給デバイス1が、全く同じの、実質的にデバイスを通る個別の平行した空気/エアロゾル流路を提供するいくつかの構成要素/部品を含むことを、前記により理解すべきである。全く同じの構成要素は、数字の後に文字を付けて、例えば24aのように参照される。文字「a」によって示される構成要素は、第1のカトマイザー4aと関連する第1の空気/エアロゾル通路に接続する、又はそれを画定する構成要素であり、一方、文字「b」によって示される構成要素は、第2のカトマイザー4bと関連する第1の空気/エアロゾル通路に接続する、又はそれを画定する構成要素である。同じ数字の構成要素は、特に記載ない限り、互いに同じ機能及び構造を有する。全体として、構成要素は、以下では、対応する数字によってまとめて参照され、特に記載ない限り、説明は、その数字によって参照される構成要素「a」及び「b」の両方に適用される。
【0034】
使用時、使用者は、例示的なデバイス1の吸い口部3で(詳細には、開口31を通じて)吸引して、再使用可能部2のハウジング20の外側からデバイスを通るそれぞれの経路に空気を通し、空気/エアロゾルは、その経路に沿って進んで、最終的には使用者の口に入る。加熱要素43は、ウィッキング要素42に含まれる原料液体を気化するために作動させられ、その結果、加熱要素43を通り過ぎる/加熱要素43の周りを通る空気は、気化された原料液体を集めて、又は気化された原料液体と混合してエアロゾルを形成する。原料液体は、表面張力/毛管作用によって液体リザーバ41からウィッキング要素42の中に/ウィッキング要素42に沿って通ることができる。
【0035】
電力は、バッテリー21から加熱要素43に供給され、制御回路22によって制御/調整される。制御回路22は、使用者による吸引のためにカトマイザー4から蒸気を生成させるように、バッテリー21からそれぞれのカトマイザー4の加熱要素43への電力の供給を制御するように構成される。電力は、それぞれのカトマイザー4とコントロール部2との間の境界に確立された電気接点(図示せず)を介して、例えば、カトマイザー4がコントロール部2の受入部24に受け入れられた/接続されたときに係合する、ばね/ポゴピンコネクタ又は任意の他の電気接点の構成を通してそれぞれの加熱要素43に供給される。もちろん、それぞれの加熱要素43には、誘導加熱などの他の手段によってエネルギーを供給することができ、その場合には、コントロール部2/受入部24とカトマイザー4との間を接続する電気接点は必要でない。
【0036】
制御回路22は、本書で説明するような本開示の実施形態による機能を提供するためと、従来のeシガレットを制御するために確立された技術に合わせてエアロゾル供給デバイス1の従来の動作機能を提供するために適切に構成/プログラムされる。したがって、制御回路22は、いくつかの異なる機能ブロックを論理的に備えると考えることができる。これらの機能ブロックとしては、例えば、バッテリー21から第1のカトマイザー4aの加熱要素43aへの電力の供給を制御するための機能ブロック、バッテリー21から第2のカトマイザー4bの加熱要素43bへの電力の供給を制御するための機能ブロック、(例えば、電力供給の起動のための)使用者の入力に応じてデバイス1の動作態様、例えば、構成設定を制御するための機能ブロック、並びに、電子タバコの通常の動作、及び本書で説明する原理による機能と関連する他の機能ブロックがある。これらの論理ブロックの機能は、様々な異なる方法で、例えば、適切にプログラムされた単一の汎用コンピュータ、又は適切に構成された特定用途向け集積回路(複数可)を使用して提供することができることは理解されよう。理解されるように、エアロゾル供給デバイス1は一般に、その動作機能と関連する様々な他の要素、例えば、バッテリー21を充電するためのUSBポートなどのポートを備え、これらは従来のものでもよく、話を簡潔にするために図示しない、又は詳細には論じない。
【0037】
電力は、ハウジング20の表面に設けられたボタン(又は、同等な使用者作動機構)の作動に基づいて加熱要素43に供給することができ、これによって、使用者がボタンを押すと電力が供給される。或いは、電力は、例えば、制御回路22に接続され、制御され、圧力又は空気流量の変化が検出されたときに制御回路22に信号を送る、ダイヤフラムマイクロホンなどの空気流量センサ又は圧力センサを用いて、使用者の吸引の検出に基づいて供給することができる。電力の送出を開始するための機構の原理は、本開示の原理にとっては重要ではないことを理解すべきである。
【0038】
前述のように、本開示の態様は、デバイス1の状態/状況に関わらず、エアロゾルを使用者に一貫して送達するように構成されたエアロゾル送達デバイス1である。図1及び図2に示す例示的なエアロゾル送達デバイス1では、カトマイザー4はコントロール部2及び吸い口部3とは別個に提供され、したがって、受入部24に挿入することも、受入部24から取り外すこともできる。カトマイザー4は、様々な理由で交換される/取り外されることがある。例えば、カトマイザー4は、異なる香味の原料液体を備えることができ、望むならば、使用者は、異なる香味(例えば、イチゴ香味及びメンソール/ミント香味)の2つのカトマイザー4をそれぞれの受入部24に挿入して、異なる香味のエアロゾルを生成することができる。或いは、カトマイザー4の中身がなくなったとき(すなわち、液体リザーバ41内の原料液体を使い尽くしたとき)、カトマイザー4を取り外す/交換することができる。
【0039】
カトマイザー4をより詳細に見ると、カトマイザー4はそれぞれ、この例ではプラスチック材料から形成されたハウジング40を備える。ハウジング40は、概して、外径及び内径を有する中空の管状の円筒の形態で、内径の壁はカトマイザーチャネル44の範囲を画定する。ハウジング40は、上記の微粒化器ユニットなどのカトマイザー4の他の構成要素を支持し、また、コントロール部2の受入部24と機械的に接続する(下でより詳細に説明する)。この例では、カートリッジは、約1~1.5cmの長さ、6~8mmの外径、及び約2~4mmの内径を有する。しかしながら、特定の幾何形状、より一般的には、関係する全体形状は、異なる実施態様において異なることがあることは理解されよう。
【0040】
言及したように、カトマイザー4は、ハウジング40の外壁と内壁との間の空洞の形態を採る原料液体リザーバ41を備える。原料液体リザーバ41には原料液体が入る。電子タバコ用の原料液体は典型的には、液体の大部分を構成するベース液剤を含み、ベース液体に所望の香味/匂い/ニコチンの送達特性を与えるための添加剤を加える。例えば、典型的なベース液体は、プロピレングリコール(PG:propylene glycol)及び植物性グリセロール(VG:vegetable glycerol)の混合物を含むことができる。この例の液体リザーバ41は、カトマイザー4の内容積の大部分を含む。リザーバ41は、例えば、成形プラスチック材料を含む従来の技法に従って形成することができる。
【0041】
各カトマイザー4の微粒化ユニットは加熱要素43を備え、この例では、加熱要素43は、それぞれのウィッキング要素42に巻き付けられた電気抵抗線を備える。この例では、加熱要素43はニッケルクロム合金(Cr20Ni80)線を備え、ウィッキング要素42はガラス繊維束を備えるが、特定の微粒化器構成は本書で説明する原理にとっては重要ではないことは理解されよう。
【0042】
コントロール部2に形成された受入部24はほぼ円柱状で、概ね、カトマイザー4の外形に一致する形状(内面)を有する。言及したように、受入部24は、カトマイザー4の少なくとも一部を受け入れるように構成される。受入部の深さ(受入部24の長手方向軸線に沿う寸法)は、カトマイザー4の長さ(例えば、0.8~1.3cm)よりわずかに浅く、その結果、カトマイザー4が受入部24に受け入れられたとき、カトマイザー4の露出した端部は、ハウジング20の表面からわずかに突出する。カトマイザー4の外径は、受入部24の直径よりもわずかに小さく(例えば、約1mm以下)、比較的に容易にカトマイザー4を受入部に滑らせて入れることができるが、受入部24内にかなりぴったりと嵌まって、カトマイザー4の長手方向軸線に直交する方向の動きを減らす又は防ぐことができる。この例では、カトマイザー4は、コントロール部2の本体に概ね並列構成で取り付けられる。
【0043】
カトマイザー4を挿入、交換、又は取外しするために、使用者は典型的には、デバイス1を(例えば、一般的に図2に示す状態に)分解する。使用者は、吸い口部3をコントロール部2から離れる方向に引っ張って吸い口部3をコントロール部2から取り外し、(該当する場合は)コントロール部2から離れる方向にカトマイザー4を引っ張って受入部に配置されていた前のカトマイザー4のいずれかを取り外し、受入部24に新しいカトマイザー4を挿入する。次いで、カトマイザー4(複数可)が受入部24に挿入された状態で、使用者は、吸い口部3を再使用可能部2に結合することによってデバイス1を再組立てする。組み立てられたデバイス1は、概略的に図1に示されているが、例えば、吸い口部2とコントロール部2のハウジング20との間の隙間などの特定の特徴は、説明を明瞭にするために、原寸に比例して示されておらず誇張されていることに留意すべきである。
【0044】
説明したように、コントロール部2は、個別のカトマイザー4のためのそれぞれの流路に配置された流れ制限部材25を備える。この例では、各流路は、受入部24の上流側に配置された単一の流れ制限部材25を備える。この例の流れ制限部材25は、ゴム状材料から形成された複数のフラップを備える機械的な一方向弁25であるが、任意の適切な弁が本開示の範囲内で考えられることは理解されよう。この例のフラップは、閉位置に方に付勢され、この位置では、空気が空気流通路26から受入部24に入ることを防ぐ、又は少なくとも妨げる。ゴム状フラップは、片側を流路の外壁に固定する(又は、適切な弁ハウジングに固定し、その後、流路の外壁に固定する)ことができ、他端は動くことができる。ゴム状フラップは、特定の方向(この例では、受入部から弁に向かって下向き方向)にフラップに加えられた力に応じて開くように構成される。
【0045】
図3a及び図3bは、本例による弁動作の例を示す。カトマイザー4のそれぞれは、それぞれの弁25と機械的に係合するように配置された機械的係合部材を備える。図3a及び図3bに示す例では、機械的係合部材は、カトマイザー4の円形の底部を越えて延在する突起45(図1及び図2には、説明を明確にするため示されていない)である。この例の突起45は、カトマイザー4から離れる方向にテーパが付いた環状リング又は中空の円錐台の形状を採る。すなわち、テーパ部分は、ハウジング40の底部を越えて下方に延在する。図3a及び図3bに示す突起は、適切な接合技法、例えば、接着剤を用いてカトマイザー4の内壁に取り付けられ、また、カトマイザーチャネル44内に途中まで延在してカトマイザーチャネル44を狭くする。しかしながら、機械的係合部材の他の形状及び構成が本開示の範囲内で考えられることを理解すべきである。概して、突起45の形状は、弁25、受入部24、及びカトマイザー4の構造/大きさに依存する。突起45はまた、ハウジングに取り付けられる別個の構成要素ではなく、カトマイザー4のハウジング40と一体に形成されてもよい。
【0046】
図3aを参照すると、例えば、カトマイザー4に矢印Xによって示された方向に沿って力を加えることによって、又は、重力下でカトマイザー4を受入部24内に落とすことができることによって、使用者は受入部24内にカトマイザー4を押すことができる。図3aでは、カトマイザー4は受入部24に部分的にしか挿入されておらず、突起45は弁25と接触していない。したがって、この構成では、弁25は閉じるように付勢され、空気は弁25を通って全く(又は、ほとんど)流れることはできない。
【0047】
さらに力を加えることによって(又は、単に、カトマイザーが受入部に完全に受け入れられることによって)、突起45は弁25に接触して弁25を開ける。より詳細には、突起45のテーパ部分は、ゴム状フラップの自由端を、空気流路26の外壁の固定位置に対して下方に曲げる/傾かせる。このように曲がることによって、ゴム状フラップの自由端は互いから離れて弁25を通る隙間を形成し、空気流路26からの空気は、この隙間を通りカトマイザー4のカトマイザーチャネル44に流入する。使用者が、その後、カトマイザー4を受入部から取り外すと、突起45が弁25のフラップから離れて、ゴム状フラップは付勢された閉位置に戻る。
【0048】
この例示的なエアロゾル供給デバイス1では、カトマイザー4は受入部に自由に挿入される。両方の弁25が適切に/完全に開いて、(加熱要素43に電気的に接続されている)カトマイザー4と(電源21に電気的に接続されている)受入部24との電気接点(図示せず)間が十分に電気的に接触することを確実にするために、吸い口部3がコントロール部2に結合されたとき、カトマイザー4の露出した端部は、吸い口部3の受入部32に接触することができる。受入部32は、カトマイザー4の一部を受け入れるような大きさの、吸い口部3内の円柱状の凹部であるという点で受入部24と同様に形成される。吸い口部3とコントロール部2が結合されたとき、受入部24の底面と受入部32の頂面との間の距離は、カトマイザー4の長さに等しいか、カトマイザー4の長さよりもわずかに短く(例えば0.5mm)なるように設定される。このように、カトマイザー4(複数可)を受入部24(複数可)に挿入した後、使用者が吸い口部3を付けるとき、使用者が吸い口部3に力を加えると、受入部32はカトマイザー4の露出した端部に接触し、カトマイザー4を受入部24に適切に着座させるように押し付ける。吸い口部3がコントロール部2に結合されると、カトマイザー4は長手方向に動くことを制限され、それは、良好な電気的な接触及び良好な弁との接触を確実にすることができることを意味する。言い換えれば、蓋がコントロール部2に結合されると、カトマイザー4は、デバイス1の受入部24及び32内の定位置に固定される。この構成はまた、例えば、圧入機構によって、カトマイザー4が受入部24に機械的に接続されるときに適用することができる。
【0049】
さらに、カトマイザーチャネル44、吸い口チャネル33、及び空気流通路26の間をシールすることができ、これは、空気/エアロゾルがデバイス1の他の部分に漏れることを減らすことができることを意味する。このシールの改善を助けるために、カトマイザーチャネル44、吸い口チャネル33、及び空気チャネル26への入口を取り囲むようにシール(ゴム状Oリング又は同等物など)を配置することができる。
【0050】
上記から理解すべきように、カトマイザー4がそれぞれの受入部24に挿入されると、対応する流れ制限部材25が開いて、それぞれの第1又は第2の流路を共通の空気チャネル26に接続する。逆に、カトマイザー4がそれぞれの受入部24に配置されていないと、流れ制限部材25は閉じ、第1又は第2のエアロゾル通路を共通の空気チャネル26から隔離し、これは、この通路に沿って空気が流れないことを実質的に意味する。したがって、エアロゾル供給デバイス1の状態/構成に関わらず(例えば、この例では、カトマイザー4が両方あっても、1つだけであっても)、使用者は、より一貫した経験/エアロゾル送達を与えられる。
【0051】
エアロゾルは、空気又は別の気体中の固体又は液体の粒子の懸濁物として定義され、その結果、空気に対する原料液体の粒子の特定の濃度を定めることができる。気化が生じる速度は、ヒーターの温度(又は、ヒーターに供給される電力)、カトマイザー4を通る空気流量、ウィッキング要素42に沿ってヒーターに送られる液体のウィッキング速度などの多くの因子に依存する。単なる例示として、所与の吸引強度に対して、(両方のカトマイザー4a及び4bが受入部24a及び24bに挿入されているとき、)図1のデバイスは、気化された液体粒子から構成されたエアロゾルの約10%を有するエアロゾルを使用者が吸引することを可能にすると想定する。例示のため、気化された液体粒子の約半分(すなわち5%)は、カトマイザー4a及び4bのそれぞれによって生成されると仮定する。
【0052】
次に、デバイス1に一方のカトマイザー4aだけが存在する2つの状況を考える。1つの状況では、カトマイザー4aが存在し、弁25b(すなわち、カトマイザー4bと関連する弁)が開いている。この状況では、空気は、カトマイザー4a及び受入部24b(カトマイザー4bを含んでいない)の両方を通って流れることができる。簡単にするために、これは、空気の50%がカトマイザー4aを通って流れ、50%が受入部24bを通って流れることを意味すると仮定する。カトマイザー4aは、両方のカトマイザー4a及び4bが存在する状況に比べて、様々な状態(例えば、空気流量、ウィッキング速度など)の変化を受けない。したがって、使用者によって吸引されるエアロゾルは、単に5%の気化された液体粒子よりなる。言い換えれば、吸引される空気中の液体原料粒子の濃度は、両方のカトマイザー4a及び4bが存在する状況に比べて低い。これは、使用者が吸引するエアロゾルの感覚に影響を与える(例えば、味/香味は、それほど強くない又は顕著でない場合がある)。
【0053】
他の状況は、カトマイザー4aは存在するが、弁25b(すなわち、カトマイザー4bと関連する弁)が閉じている状況である。これは本開示の教示に従う。この状況では、空気はアトマイザー4aを通って流れるが、受入部24bを通って流れることができない。簡単にするために、これは、空気の100%がカトマイザー4aを通って流れることを意味すると仮定する。この状況では、カトマイザー4aは、気化と関連した様々な状態の変化を受ける。この場合、カトマイザー4aを通る空気流量は増大し、これは、より多くの液体をウィッキング要素42aに沿って引き入れる可能性があり、したがって、原料液体をより多く気化する。空気流量が増大すると加熱要素43aへの冷却効果も増大するが、いくつかの実施態様では、(例えば、加熱要素43に供給される電力を増大させることによって)加熱要素43を特定の温度に維持するように加熱要素43を制御することができることに留意すべきである。したがって、この状況では、空気に対する原料液体の濃度は、弁25bが開いている状況に比べて高い。言い換えれば、弁25bが閉じている状況での、気化された液体粒子に対する空気の濃度は、2つのカトマイザー4a及び4bが存在する状況(例えば、これは、6~10%の気化された液体粒子からなるエアロゾルを使用者が吸引することになる)での、気化された液体粒子に対する空気の濃度に近い(いくつかの実施態様では等しい)。
【0054】
したがって、デバイス内に1つのカトマイザーが存在するか、両方のカトマイザー4が存在するかに関わらず、使用者が受け入れるエアロゾルの間には不一致は小さい。いくつかの場合、香料又は香料の混合物は変化するが(例えば、異なる香味の原料液体を含むカトマイザーを使うとき)、使用者は、いずれの場合も気化された液体粒子の概ね一貫した体積/量を与えられる。これは一般的に、使用者のデバイスの経験を改善し、使用者がより柔軟にデバイスを使用することができ(すなわち、1つ又は2つのカトマイザーを使用)、一貫した経験を受けることができることを意味する。
【0055】
上記の実施態様では、流れ制限部材25は、カトマイザー4が受入部24に存在するときに完全に開いているか、カトマイザー4が受入部25に存在しないときに完全に閉じているか、どちらかに制御される。しかしながら、他の実施態様では、流れ制限部材25を、開位置と閉位置との間で位置を変えるように作動させることができる。すなわち、流れ制限部材25は、半開、4分の1開などにすることができる。流れ制限部材が開いている範囲によって、デバイス1の吸引抵抗(デバイスの吸い口3で吸うときに使用者が感じる抵抗)が変わる。例えば、半開の流れ制限部材25は、全開の流れ制限部材25よりも吸引抵抗は大きい。
【0056】
他の実施態様では、流れ制限部材25は、例えば、信号に応じて駆動されて弁を開く、電気モータなどを有する電動弁であってもよい。すなわち、いくかの実施態様の制御回路22は、特定の入力に応じて電動流れ制限部材25を作動させるように構成される。この実施態様の特定の入力は使用者によって入力される入力ではなく、その代わりに、エアロゾル供給デバイス1のそのときの状態/構成に依存する入力である。例えば、それぞれのカトマイザー4が受入部24に挿入されると、(加熱要素43に接続している)カトマイザー4の電気接点(図示せず)と(制御回路22に接続している)受入部の電気接点との間が電気的に接続する。このような実施態様の制御回路22は、カトマイザー4が受入部に受け入れられときに、(例えば、抵抗の変化を検出することによって)電気的特性の変化を検出するように構成される。電気特性のこの変化は、カトマイザー4が受入部24に存在していることを示し、電気特性の変化を検出すると、制御回路22は、信号を電動流れ制限部材25に送って、(例えば、バッテリー21から流れ制限部材25のモータに電力を供給することによって)流れ制限部材25を開けるように構成される。すなわち、制御回路22は、カトマイザー4の存在を検出するように構成することができ、カトマイザー4が受入部24内に存在する場合には流れ制限部材25を開けるように、カトマイザー4が受入部内に存在しない場合には流れ制限部材25を閉じるように構成される。上記の機械的な実施態様と同様に、電動流れ制限部材は、開状態、閉状態、又は部分開状態になるように構成することができることも理解すべきである。
【0057】
他の実施態様では、エアロゾル供給デバイス1の状態に関わらずエアロゾルの送達が一貫していることは主眼でないことがある。或いは、流れ制限部材25を使用して、2つのカトマイザー4のそれぞれによって生成されるエアロゾロの相対的な比率を制御することができる。
【0058】
例えば、機械的に作動する流れ制限部材25が設けられた実施態様では、カトマイザー4は、開閉の度合いを変えるように流れ制限部材25を開閉する、異なる形状の突起45を備える。この場合、異なる原料液体を、異なる形状の突起45を有するカトマイザーに供給することができる。例えば、図示はしていないが、カトマイザー4aの突起45のテーパ部分は図3a及び3bに示したものより短くてもよく(したがって、これはまた、テーパ角度が大きい)、一方、カトマイザー4bの突起45のテーパ部分は図示のものより長くてもよい(したがって、これはテーパ角度が小さい)。カトマイザー4aの突起45がより短いと、流れ制限部材25への入り込みがより浅くなり、それは、流れ制限部材25をわずかしか開けない(例えば、25%開ける)ことを意味する。カトマイザー4bの突起がより長いと、流れ制限部材25への入り込みはより深くなり、それは、流れ制限部材25をより大きく開ける(例えば、75%開ける)。この状況では、使用者がデバイスで吸引すると、空気のほぼ25%がカトマイザー4aを通り、空気の75%がカトマイザー4bを通る。これは、使用者によって吸引されるエアロゾルが、カトマイザー4aによって生成される液体蒸気の量に比べてカトマイザー4bによって生成される液体蒸気の量をより多く含むことを意味する。カトマイザー4aがサクランボ香味の原料液体を含み、カトマイザー4bがイチゴ香味の原料液体を含むと仮定すると、この特定の例では、使用者は、サクランボ香味よりもイチゴ香味を多く含むエアロゾルを受け入れる。
【0059】
各カトマイザー4から生成されるエアロゾルの比率の制御のこの形態は、電動流れ制限部材25にも適用することできることもまた理解すべきである。例えば、各カトマイザー4は、カトマイザー4に入っている原料液体についての情報(例えば、香料又はニコチンの強度)を含むコンピュータ読取可能なチップを備えることができる。制御回路22は、リザーバ41に入っている原料液体の特性を同定するために、カトマイザー4のチップを読み取るための機構を備える(又は機構に接続される)ことができる。その結果、制御回路22は、原料液体のタイプに基づいて特定の度合い開くように流れ制限部材25を作動させ、したがって、空気/エアロゾルの異なる比率を構成して使用者に提供される。例えば、上記の例に即して、流れ制限部材25aは75%開になるように設定することができ、一方、流れ制限部材25bは25%開になるように設定することができる。ここで、電気ベースのシステムは、制御回路22が、ルックアップテーブルなどに基づいて、デバイス内の原料液体に対するエアロゾルの比率を設定することができる、すなわち、デバイスが、サクランボ香味より多いイチゴ香味、又はリンゴ香味に対してより多いサクランボ香味を含むエアロゾルを提供するように設定することができるという点で、機械システムを越えて改善された柔軟性を提供することもまた留意すべきである。
【0060】
上記に加えて、カトマイザー4に入っている原料液体の量に基づいて流れ制限部材25を作動させることができる。例えば、カトマイザー4aの液体リザーバ41aにカトマイザー4bよりも多くの量の原料液体が入っている場合、流れ制限部材25aは流れ制限部材25bよりも多くの量開くことができる。このように、使用者がエアロゾルを吸引すると、エアロゾルは、カトマイザー4bからよりもカトマイザー4aからの気化された原料液体を大きな比率で含む。これは、1つのカトマイザー(例えば、カトマイザー4b)が、他のカトマイザー(例えば、カトマイザー4a)の前に「ドライアウト」する(すなわち、その原料液体を使い切る)可能性を減じることを助けるのに有用となることがある。この構成にすることによって、例えば、カトマイザー4の一方がドライアウトして、乾いたウィッキング要素42を加熱し始めたときに使用者が経験する不愉快な味を確実にしないようにすることができる。
【0061】
電動流れ制限部材25が設けられたシステムでは、エアロゾル供給デバイス1は、カトマイザー4のそれぞれに入っているエアロゾルの量を検知/決定するための何らかの機構を備える。例えば、カトマイザーハウジング40の壁又は受入部24の壁は、互いに向き合うように配置された個別の導電プレートを備え、その結果、デバイス1が組み立てられた状態のとき、カトマイザー4内の原料液体の量がプレート間に位置する。これらのプレートは(例えば、連続的又は断続的にバッテリー21から供給された電力によって)帯電するように配置され、制御回路22はプレートの静電容量測定値を決定するように構成される。プレート間に位置する液体の量が変わると、静電容量値が変化し、制御回路22は、この変化を同定して残っている液体の量を決定するように構成される。上記は、カトマイザー4のリザーバ41内の原料液体の量を検出することができる方法の一例にすぎないが、本開示の原理はこの技法には限定されない。制御回路22が、残っている液体の量を同定すると、制御回路22は、上記のように流れ制限部材25を作動させる。これは、2つのカトマイザー4(又は、より一般的には、エアロゾル生成領域)に残っているエアロゾル前駆材料の量に基づいて、流れ制限部材25を開位置と閉位置との間の異なる位置に作動させて、2つのカトマイザー4から生成されるエアロゾルの比を変えることを含むことができる。これに加えて、又はこれに代えて、流れ制限部材25は、カトマイザー内(又は、より一般的には、エアロゾル生成領域内)にエアロゾル前駆体の量が検出されたときには開いたままで、その量が特定の限度より(例えば、0.1mlより下に)下がったとき、又はエアロゾル前駆材料が残っていないことを検出されたときには閉じるように構成することができる。
【0062】
機械的に作動する流れ制限部材25が設けられたシステムでは、エアロゾル供給デバイス1は、カトマイザー4の重量に比例して作動する流れ制限部材25を含むことができる。言い換えれば、図3a及び図3bを参照すると、より重いカトマイザー(すなわち、より多くの原料液体が入ったカトマイザー)は、より軽いカトマイザー(すなわち、より少ない原料液体が入ったカトマイザー)よりも流れ制限部材25に加わる下向きの力が大きい。これは、弁25が、カトマイザー4の重量に基づいてより大きく又はより小さく開く又は閉じることを意味し、したがって、使用者が吸引すると、カトマイザーのそれぞれから異なる比率のエアロゾルを供給することを意味する。
【0063】
したがって、流れ制限部材25が、システム内のカトマイザーの存在、及び/又は、システム内のカトマイザーと関連するパラメータ(例えば、カトマイザー内の原料液体のタイプ、又は原料液体の量)に基づいて、それぞれのカトマイザーを通る空気流量を変えるように構成されることを上で説明した。
【0064】
カトマイザー4の特性に基づいて流れ制限部材25を制御する上の技法を分離して説明したが、他の実施態様では、これらの技法を組み合わせて同様に適用することができることを理解すべきであることを理解すべきである。例えば、カトマイザー4aを通る空気流量の割合は、液体のタイプに基づいて、カトマイザー4bを通る空気流量の割合よりも高くなるように設定することができるが、その割合はまた、カトマイザー4内の液体の量に基づいて重み付けすることができる。例えば、その分割が、液体のタイプに基づくと75%対25%の場合に、液体のレベルにさらに基づくと60%対40%に制御されてもよい。
【0065】
流れ制限部材25が受入部25への入口に配置された実施態様を上で説明したが、流れ制限部材25は、デバイス1内の個別の流路に沿う他の位置に配置することができることを理解すべきであることも理解すべきである。言い換えれば、流れ制限部材25は、デバイスを通る空気又はエアロゾルの個別の流路に沿う任意の位置に配置することができる。例えば、流れ制限部材は、吸い口部3内の受入部32又は吸い口チャネル33に配置されてもよく、すなわち、カトマイザー4の微粒化ユニットの下流に配置されてもよい。しかしながら、流れ制限部材は、デバイスを通る個別の流路に共通する位置には設けられない。例えば、流れ制限部材25は、図1及び図2に示すデバイスの空気入口23には設けられない。説明した実施態様では、流れ制限部材25は、それぞれ1つのカトマイザーを通る空気の流れが変えられる位置に設けられる。複数の流れ制限部材25が各流路に対して設けられてもよく、例えば、流れ制限部材25は、空気がカトマイザーチャネル44に入る前(例えば、図1及び図2に示すように受入部24への入口)、及び、エアロゾルがカトマイザーチャネル44を出た後(例えば、吸い口チャネル33の受入部32からの出口)にも配置してもよいこともまた理解すべきである。これは、流れ制限部材の1つが故障した場合に冗長性の利点を提供することができ、並びに/或いは、デバイス1に頑丈でない又は安価な流れ制限部材を使用することを可能にする。
【0066】
図4a及び図4bは、流れ制限部材とコントロール部の代替の構成の概略断面図である。図4aはコントロール部2’を示し、コントロール部2’は、2つの空気入口23a’及び23b’、並びに2つの空気チャネル26a’及び26b’を備えていることを除けばコントロール部2と同じである。図4aから分かるように、これらの空気チャネル26’は互いから分離している、すなわち、コントロール部2’内で流体的に接続されていない。各空気チャネル26’は、受入部24及び空気入口23’に接続している。本質的に、図4aは、デバイスを通る共有(又は共通)の流路の構成要素がないことを除けば、図1及び図2に関して上で説明した実施態様と同一である実施態様を示す。すなわち、チャネル26a’は空気入口23a’を受入部24aのみに接続し、チャネル26b’は空気入口23b’を受入部24bのみに接続する。
【0067】
図4bは、空気チャネル26’’によって単一の受入部24に接続された複数(具体的には3つ)の空気入口23’’があることを除けばコントロールユニット2と同じ例示的なコントロールユニット2’’を示す。図4bは、コントロールユニット2’’の半分(詳細には、図1及び図2に関する左半分)だけを示しているが、コントロールユニット2’’の右半分にも対応する構成体があることを理解すべきである。図4bの実施態様では、3つの流れ制限部材25’’が、コントロール部2’’の3つの空気入口23’’のそれぞれの間に設けられている。この実施態様では、3つの空気入口23’’のそれぞれは、開状態又は閉状態になるように制御することができる。この場合、吸引抵抗は、流れ制限部材25’’がいくつ開いているかに応じて変えることができる。例えば、3つの流れ制限部材25’’がすべて開いているときは、3つの流れ制限部材25’’のうちの1つだけが開いている場合に比べて吸引抵抗は比較的低い。したがって、吸引抵抗を変えることによって、デバイス1は、上記と同様な態様で、各カトマイザー4を通る、吸引される全空気の相対割合を変えることができる。例えば、空気がカトマイザー4aを通ることを可能にする流れ制限部材25’’がすべて全開になるように設定されているが、空気がカトマイザー4bを通ることを可能にする流れ制限部材25’’が3つのうちの1つだけが開いているように設定されている場合、使用者がデバイスを吸引すると、カトマイザー4bを通る流路はより大きな吸引抵抗を有するので、カトマイザー4bに比べて、吸引される空気のより大きな比率がカトマイザー4aを通る。
【0068】
図4bに示すこの構成では、流れ制限部材25’’は、当面の用途に応じて、電気的に作動されてもよいし、機械的に作動されてもよい。すなわち、流れ制限部材25’’は、機械的又は電気的な入力に応じて自動的に開閉してもよい。さらに、いくつかの実施態様では、使用者は、使用者の好みに応じてどの流れ制限部材25’’を開閉するかを手動制御する選択肢を与えられてもよい。
【0069】
上記によって理解すべきであるように、使用時、エアロゾル供給システムを通る空気流はいくつかのパラメータに基づいて制御することができる。しかしながら、より一般的には、デバイスを使用するとき、第1の流れ制限部材は、第1のエアロゾル生成領域を通るように配置され、吸い口に流体的に接続された第1の流路に沿う空気の流れを変えるために調節され、第2の流れ制限部材は、第2のエアロゾル生成領域を通るように配置され、吸い口に流体的に接続された第2の流路に沿う空気の流れを変えるために調節される。上記のように、流れ制限部材は、システムのそれぞれのエアロゾル生成領域でのエアロゾル生成構成要素の存在、及び/又は、システムのそれぞれのエアロゾル生成構成要素と関連するパラメータに基づいて、それぞれの通路に沿う空気の流れを変える。
【0070】
デバイス1を通る空気流を制御することに加えて、又はその代わりに、本開示の態様は、エアロゾル生成に影響を与えるためにカトマイザー4aとカトマイザー4bとの間の電力の分配に関する。
【0071】
言及したように、制御回路22は、異なるカトマイザー4の加熱要素43への電力の供給を制御するように構成されており、したがって、制御回路22の1つの機能は電力分配である。本書では用語「電力分配回路」は、制御回路22の電力分配機能を指す。
【0072】
1つの実施態様では、電力は、エアロゾル生成構成要素、例えばカトマイザー4がそれぞれのエアロゾル生成領域、例えば受入部24に存在するかしないかに基づいて分配される。上記とほとんど同じように、制御回路22は、カトマイザー4が受入部24のそれぞれに取り付けられているかどうかを電気的に検出するように構成することができ、例えば、制御回路22は、カトマイザー4が受入部24に挿入され、(例えば、カトマイザーと受入部の電気接点の結合によって)加熱線43と制御回路22との間で電気的な接続が確立されたときの電気抵抗の変化を検出するように構成することができる。したがって、制御回路22は、デバイス1内の回路の電気的特性(例えば抵抗)の変化を検出することによるこの場合において、デバイス内にいくつのカトマイザー4が取り付けられたかをどの時点においても同定するように構成される。上記のように、エアロゾル生成構成要素が、エアロゾル前駆材料、例えば、液体のとき、エアロゾル生成構成要素がエアロゾル生成領域内に存在するかどうかを検出するのに静電容量が適切な方法であるが、他の検出機構、例えば、光学的な方法が適していることもある。
【0073】
図5aは、バッテリー21と、デバイス1に取り付けられた2つのカトマイザー4a及び4bの加熱線43a及び43bとの間の電気接続を示す例示的な概略回路図である。図5aは、バッテリー21に並列に接続された加熱線43aと加熱線43bを示す。さらに、並列回路の各アームは、本書では制御回路ブロック22a及び/又は22bと称する制御回路22の機能ブロックを概略的に表したものを備える。簡素化のために、制御回路22の機能ブロックは、見やすくするために個別に示されているが、制御回路22は、説明する機能を実行するように構成された単一のチップ/電子構成要素であってもよく、又は、機能ブロックは(上で概略説明したような)専用シップ/回路基盤によって実行されてもよいことを理解すべきである。制御回路ブロック22aは、加熱線43aに供給される電力を制御するための電力制御機構であり、制御回路ブロック22bは、加熱線43bに供給される電力を制御するための電力制御機構である。電力制御機構は、それぞれの加熱線43に電力を供給するために、例えば、パルス幅変調(PWM:pulse width modulation)制御技法を実行してもよい。
【0074】
図5aでは、2つの加熱線43が図5aに存在することによって確認されるように、2つのカトマイザー4がデバイスに取り付けられている。制御回路22は、デバイス内に両方のカトマイザー4が存在するのを確認し、続いて、両方のカトマイザー4に電力を供給するように構成される。バッテリーの電圧が約5ボルトと仮定すると、各加熱線43aには、約2.5ボルトの(平均)電圧を供給することができる。簡略化のために、ここでは、各加熱線43は同一であり、その結果、電力が各加熱線に供給され、原料液体の気化が生じると、各カトマイザー4は同じ量/体積の蒸気を生成すると仮定する。
【0075】
図5bは、図5aと同じ回路を概略的に示しているが、第2のカトマイザー4bが回路/デバイスから取り外されており、これは、加熱線43bがもはや回路に接続されていないことを意味する。この場合、回路22aが同じように動作すると仮定すると、加熱線に供給される電力は一定であるので、加熱線43aは、カトマイザー4bが存在する場合とほぼ同じ量の蒸気を生成するが、デバイス1によって生成される蒸気の全量は、カトマイザー4bからの寄与がもはや存在しないので、全体として少なくなる。
【0076】
これを埋め合わせるために、回路22aは、例えば、供給される電圧を2.5ボルトから3.5ボルトに上げることによって、加熱線43aに供給される電圧/電力を増大するように構成される。例えば、加熱線43aと加熱線43bの電気抵抗が同じであると考えると、1つのカトマイザーが回路から取り外されると、残っているカトマイザーに供給される電力Pは、以前の電圧の√2倍供給することによって2倍にすることができる。非常に単純に言うと、加熱線に供給される電力を2倍にすると、生成される蒸気の量をほぼ2倍にすることができる。
【0077】
すなわち、1つのカトマイザーがデバイス内にないとき、デバイス内に存在するカトマイザーからより多くの蒸気を生成させるために、残っているカトマイザーに供給される電力を増大する。したがって、加熱線43aは、カトマイザー4bがあれば供給したであろう蒸気量を埋め合わせるために、より多くの蒸気量を生成することができる。この場合、1回の吸引で生成される蒸気の全量は、使用者がデバイス1にカトマイザー4を1つ取り付けるか、2つ取り付けるかに関わらず、(同じでない場合には)ほぼ同じになるように制御することができる。このように、使用者は、デバイスにカトマイザーが1つ取り付けられても、2つ取り付けられても、一貫した量の蒸気を与えられ、したがって、デバイス1を使用すると、全体として、より一貫した経験が得られる。
【0078】
実際には、(ウィッキング材料42内の液体への熱伝達効率、液体のウィッキング速度などの)他の影響が存在する可能性があり、これは、電力を2倍にしても、エアロゾルの量がちょうど2倍にはならないことがあることを意味する。しかしながら、本開示のデバイスは、デバイス内に1つだけカトマイザーが存在するとき、加熱要素43に供給される電力が、単一のカトマイザー4から2倍の量の蒸気を生成されるように選ばれるように校正することができる。
【0079】
いくつかの実施態様では、吸引される蒸気の量は、使用者に一貫した経験を与えるために必ずしも2倍にしなくてもよいことも理解すべきである。例えば、デバイスに1つのカトマイザーが取り付けられるときには、使用者が必要としているのは、2つのカトマイザーを使って生成される蒸気の全量の約80%又は90%又は95%だけであると決定されることがある。すなわち、デバイスに1つだけカトマイザーが存在している状況において生成されるエアロゾルの量の差は20%又は10%又は5%以下である。これは、(すなわち、吸引抵抗の増大によって)単一のカトマイザー4/流路を通って吸引することができる空気の量になることがある。
【0080】
他の実施態様では、制御回路22は、カトマイザーの特定の特性、例えば、カトマイザーの液体リザーバ41内に貯蔵された液体に従ってカトマイザー4の間で電力を分配することができることを理解すべきである。例えば、カトマイザー4aにはイチゴ香味の原料液体を入れることがあり、一方、カトマイザー4bにはサクランボ香味の原料液体を入れることがある。両方のカトマイザー4がデバイス1に取り付けられているとき、制御回路22aは、供給電力の30%をカトマイザー4aに向け、供給電力の70%をカトマイザー4bに向けるように電力を分配することができる。このような状況では、吸引されるエアロゾルは、イチゴ香味のエアロゾルに比べてより多くの比率のサクランボ香味のエアロゾルを含む。しかしながら、カトマイザー4bが取り外された場合、カトマイザー4aに分配される電力は、2倍より多く増大させて同じ量の気化される液体を供給する。
【0081】
回路ブロック22a及び22bは上のように構成されて、PWM技法を使って加熱線43に電力を供給する。PWMは、電圧を所定の回数オンオフしてパルス化することを含む技法である。オンオフの1サイクルは、電圧のパルスの持続時間と、これに続く次の電圧パルス間の時間を含む。パルス間の時間に対するパルスの持続時間の比はデューティサイクルとして知られている。加熱線43に供給される電圧(したがって電力)を増大(減少)させるために、回路ブロック22a及び22bはデューティサイクルを変えるように構成される。例えば、第1の加熱要素43aに供給される平均電圧を増大させるために、デューティサイクルを50%から増大させることができる(これは、1サイクルにおいて、サイクルの半分では、電圧は加熱線に供給され、他の半分では、電圧は加熱線に供給されない)。平均電圧は、デューティサイクルの期間にわたって供給される電圧の尺度である。言い換えれば、各電圧パルスは、バッテリー電圧、例えば5V、に等しい振幅を有することができるが、加熱線43に供給される平均電圧は、バッテリー供給電圧にデューティサイクルを掛けたものに等しい。
【0082】
図6a及び図6bは、例示的なPWM電力分配を示すグラフである。x軸に沿って時間が示され、y軸に沿って電圧(すなわち、様々な電圧パルスの電圧値)が示されている。図6a及び図6bでは、符号「A」のパルスは、加熱線43aに供給される電圧を示し、一方、符号「B」のパルスは、加熱線43bに供給される電圧を示す。図6aは第1の例示的な電力分配を示し、ここでは、加熱線43のそれぞれに等しい平均電圧が供給されている。言及したように、1サイクルは、あるパルスの開始から次のパルスの開始までの全時間であり、この例では、両方の加熱線43a及び43bに対して、全時間の半分は電圧パルスを加熱線に供給するのに費やされ、したがって、各加熱線に対するデューティサイクルは50%である。図6bでは、パルスAに対するデューティサイクルは約30%に減じられ、これは、加熱線43aに対して加熱線43bに供給される平均電圧がより大きく、その結果、より多くの原料液体の量がカトマイザー4bから気化されることを意味する。
【0083】
図6a及び図6bから、電圧パルスは加熱線43aと加熱線43bに交互に印加される、すなわち、加熱線43aに供給される電圧パルスは同位相ではないことも理解すべきである。これによって、制御回路22において実行される制御機構をより簡単にすることができる。例えば、「加熱線43aに接続された」状態、「加熱線43bに接続された」状態、及び「接続されていない」状態の間を切り替えるように構成された単一のスイッチが、これらの3つの可能な接続状態を実現するように制御回路22内に与えられる。図6aでは、2つの接続状態が交互になるようにスイッチを制御することができ、一方、図6bでは、接続されない状態も通過するように(すなわち、図6bでは、パルスAとパルスBの間に隙間ができるように)スイッチを制御することができる。このようにして、制御回路及び回路を制御する方法を簡単にすることができる。しかしながら、他の実施態様では、異なる制御機構を使用することができ、例えば、各加熱線43を別個のスイッチによって制御することができることを理解すべきである。
【0084】
図6a及び図6bには、各加熱線には電圧パルスが交互に供給されて示されているが、1サイクルの時間は数十msのことがあり、これは、実際には、各カトマイザー4a及び4bはほぼ同時に蒸気を生成し、したがって、生成された両方の蒸気は実質的に同時に使用者に送達されることを意味することもまた理解すべきである。
【0085】
上記のように、加熱要素43に供給される全電力は、使用者の吸引の強さに依存するようにすることができることもまた理解すべきである。すなわち、使用者がより強く吸引した場合、より高い電圧が加熱要素43に供給されて、より多くの量の蒸気/エアロゾルを生成することができる。これらの実施態様では、デューティサイクルは吸引強度の関数となることを理解すべきである。すなわち、例として図6aのパターンを採ると、デューティサイクルは両方の加熱線43に対して、例えば、25%~50%の間で変えることができ、50%は、可能な最強吸引(又は、少なくとも、最大閾値を越える吸引)に対して選択され、25%は、可能な最弱吸引(又は、少なくとも、吸引を検出するための閾値に等しい吸引強度)に対して選択される。これは、両方の加熱線43に対するデューティサイクルが同じとき、又は、(例えば、図6bのように)デューティサイクルが異なるときのどちらにも適用可能とすることができる。ここで、デューティサイクルが異なる場合には、加熱線43aと加熱線43bとの間のデューティサイクルが特定の比となるようにデューティサイクルを変えることができる。
【0086】
加熱要素43に供給される全電力が使用者の入力に依存するようにすることができることもまた理解すべきである。例えば、デバイス1は、再使用可能部2に配置されたボタン又はスイッチ(図示せず)で、使用者が生成されるエアロゾルの量を選択することを可能にする量選択機構を含んでもよい。例えば、量選択機構は、低、中、又は高の設定の間を作動させることができる3位置スイッチであってもよい。ここで、低設定は、高設定よりも少ないエアロゾルを使用者に供給し、中設定は、低設定によって供給される量と高設定によって供給される量との間の量のエアロゾルを供給する。これは、押されたときに電力を加熱要素43に供給する使用者作動ボタンによって電力が加熱要素43に供給されるときにそのようにしてもよい。この場合、使用者が電力供給ボタンを作動させると、量選択機構が、加熱要素43に供給される全電力を制御する。上記と同様に、デューティサイクルは、量選択機構の設定に依存して変えられる。
【0087】
本開示の別の態様では、電力をカトマイザー4の間に分配してドライアウトの機会を減らすことができる。上記のように、デバイス1を使用するとき、使用者の一貫した経験を保つためのドライアウトを避けるべきである。これを制御することができる1つの方法は、カトマイザー4のそれぞれを通るエアロゾル流量を制御することによるものであるが、その代わりに(又は、それに加えて)、カトマイザー4のそれぞれに供給される電力を制御することができる。
【0088】
例えば、1つの実施態様では、制御回路22は、流れ制限部材25に関して上で説明したように(例えば、原料液体を使い切ったときの静電容量の変化を検出する容量性プレートによって)、液体リザーバ41のそれぞれに貯蔵された原料液体の量を決定するように構成される。
【0089】
次いで、制御回路22は、検出された原料液体のレベルに基づいて、それぞれのカトマイザー4に供給される電力を決定するように構成される(すなわち、制御回路22は、検知された液体のレベルを示す1つ又は複数の信号を受け取る)。本質的に、制御回路22は、デバイス1によって原料液体が使用される(より正確には、気化される)速度を調節することによって、将来同時に液体リザーバ41を完全に使い尽くすように、電力を供給するように構成される。例えば、カトマイザー4aには原料液体が1ml入っており、一方、カトマイザー4bには液体が0.5ml入っているとする。この場合、将来同時に、カトマイザーを完全に使い尽くすために、カトマイザー4bの原料液体を、カトマイザー4aの原料液体の半分の速度で気化す(消費する/使い尽くす)べきである。用語「将来同時に」は、ここでは、正確な時点又は特定の誤差内の時点のいずれかの時点を意味することを理解すべきである。例えば、これは、ある時間内、例えば、1秒以内又は1分以内など時間内、或いは特定のパフ数以内、例えば、1パフ内又は2パフ以内などの範囲に基づいていてもよい。同様に、「完全に使い尽くす」は、エアロゾル前駆体が全く残っていない、又はエアロゾル前駆体のわずかな量、例えば、カトマイザー4内に貯蔵することができるエアロゾル形成材料の最大量の5%、2%、又は1%より少ない量が残っている状態を意味することを理解すべきである。
【0090】
この速度は、加熱要素43に供給される電力に(少なくとも部分的に)依存する。したがって、制御要素22は、カトマイザーが原料液体を気化する速度が、残っている液体が将来同時に消費されることを意味するように、それぞれのカトマイザー4に供給する電力を計算するように構成される。これは、一方のカトマイザーがエアロゾルを生成し続けている間、乾いたウィッキング要素42を加熱/燃焼する他方のカトマイザーから生じる不快な味を使用者が経験する可能性を減じることを意味する。
【0091】
概して言えば、制御回路22は、最大量の原料液体を含むカトマイザー4の加熱要素43により大きな割合の電力を供給する、すなわち、より大きな電力/平均電圧がカトマイザー4aに供給される。例えば、カトマイザー4bに約3ワット供給する場合には、カトマイザー4aには6ワット供給される。
【0092】
1つの実施態様では、制御回路22は、デバイス1の使用時、カトマイザー内の液体の量を頻繁に決定するように構成される。例えば、制御回路22は、(例えば、静電容量センサから)カトマイザー内の原料液体のレベルの連続した測定値を受け取ることができる、又は、制御回路はセンサから信号を定期的に受け取ることができる。受け取った信号に基づいて、制御回路は、それに従ってカトマイザーに供給される電力を増減することができる。制御回路は、更新前に供給された電力に対して、最小量の原料液体を含むカトマイザーの微粒化ユニットに供給される電力を減少させ、及び/又は、最大量の原料液体を含むカトマイザーの微粒化ユニットに供給される電力を増大させるように構成される。コントロールユニットは、特定の全電力(生成されるエアロゾルの量に影響を与えることがある)に基づいて電力を比例配分することができる。例えば、上記の例を用いると、両方のカトマイザーには全部で9ワット供給されて特定の量の蒸気を生成し、使用時、制御回路22は、カトマイザー4bはそれほど急速には液体を使わない(したがって、カトマイザー4aはより急速にドライアウトする)ように決定することができる。制御回路22は、例えば、カトマイザー4bに供給される電力を3Wから4Wに変え、それに続いて、カトマイザー4aに供給される電力を6Wから5Wに減少させるように構成される。全電力を連続的に維持する必要はないが、制御回路は、その代わりに、カトマイザーの一方又は他方への電力を増減することができることを理解すべきである。
【0093】
上では、電力分配を用いて、一方のカトマイザーが他方より前にドライアウトする機会を減らすことを説明したが、当業者であれば、これはまた、(上記のように)カトマイザーを通る空気流量をさらに制御することによって達成することができることを理解するであろうことを理解すべきである。これに関して、制御回路22は、異なる微粒化ユニットに分配される電力の比率を設定する前に、流れ制限部材25が開く度合い(したがって、カトマイザーのそれぞれを通る空気流量)を考慮するように構成される。これはしばしば、一方のカトマイザーが他方の前にドライアウトすることを防ぐとき、柔軟性のレベルを上げることができ、また、しばしば、(例えば、エアロゾルの相対的な濃度を変えることによって)使用者のエアロゾルの味覚/経験への影響を減じることができる。
【0094】
本開示の別の態様は、2つの個別のエアロゾル通路を提供することであり、これらのエアロゾル通路は、エアロゾル生成領域内のカトマイザー4などのエアロゾル生成構成要素から生成されたエアロゾルを移送する通路として画定される。
【0095】
前述のように、図1及び図2の例示的なエアロゾル供給デバイス1は、全体として、2つの経路を提供し、空気/エアロゾルはこれらの経路によってデバイスを通過することができる。例えば、第1の経路は、空気入口23から始まり、空気チャネル26に沿って進み、流れ制限部材25aを通過し、次いで、受入部24aに入って、第1のカトマイザー4aのカトマイザーチャネル44aを通過し、受入部32aに入り、吸い口部3の吸い口チャネル33aに沿って開口31aに至る。第2の経路は、空気入口23から始まり、空気チャネル26に沿って進み、流れ制限部材25bを通過し、次いで、受入部24bに入って、第2のカトマイザー4bのカトマイザーチャネル44bを通過し、受入部32bに入り、吸い口部3の吸い口チャネル33bに沿って開口31bに至る。
【0096】
デバイスを通る第1の経路と第2の経路のそれぞれは、流れ制限部材25の上流に共通構成要素(すなわち、空気入口23に結合された空気チャネル26)を共有するが、この共通構成要素から分岐する。エアロゾル通路は、本開示では、エアロゾル/蒸気の生成に関与する構成要素から始まる通路として規定される。この例示的なデバイス1では、これらは、カトマイザー4の加熱線43a及び43bである。これらは、原料液体をまず気化させることから蒸気を生成する、第1及び第2の経路に沿う構成要素であり、したがって、第1及び第2の経路に沿ったこの地点の下流を流れるいかなる空気も、空気と生成された蒸気との組合せ/混合物、すなわちエアロゾルであることを理解すべきである。したがって、第1のエアロゾル通路及び第2のエアロゾル通路は、デバイス1内に画定することができる。すなわち、第1のエアロゾル通路は、加熱要素43aから始まり、第1のカトマイザー4aのカトマイザーチャネル44aを通過し、受入部32aに入り、吸い口部3の吸い口チャネル33aに沿って開口31aに至る。第2のエアロゾル通路は、加熱要素43bから始まり、第2のカトマイザー4bのカトマイザーチャネル44bを通過し、受入部32bに入り、吸い口部3の吸い口チャネル33bに沿って開口31bに至る。
【0097】
図1及び図2から理解すべきように、第1及び第2のエアロゾル通路は、微粒化ユニットの下流において互いから物理的に隔離されている。より詳細には、加熱要素43aを通ることから生成されたエアロゾルと加熱要素43bを通ることから生成されたエアロゾルは、通常の使用ではデバイス内で混合することができない。その代わり、個々のエアロゾルは、それぞれの吸い口開口31a及び31bを通ってデバイス1を出て、初めのうちは、デバイス1を出てすぐは互いに分離している。エアロゾルがデバイス1を通過したときに互いから物理的に隔離されているという事実は、別々のエアロゾルを受け入れるとき、デバイス内で混合されたエアロゾルを吸引することに比べて使用者に異なる経験をもたらすことができる。用語「通常の使用では」は、「使用者が通常どおりにデバイスで吸引するとき」を意味することを理解すべきであり、したがって、特に、本書では、使用者がこのように吸引するときにエアロゾルが採る、デバイスを通る通常の経路を参照する。これは、(例えば)吸引するのではなくデバイスに息を吐くなどの不正なふるまいと区別すべきである。通常の使用において、本開示は、異なるエアロゾルを、エアロゾルが生成された地点の下流で隔離する構成について記述する。
【0098】
デバイスを出るエアロゾルは、主に2つの方法によってエアロゾルの組合せを使用者に提供するように混合することができる。第1の方法は、異なるエアロゾルが互いに別々にデバイス1を出ることを含み、使用者がさらに吸引し、エアロゾルを使用者の口腔内に吸い込むと、2つのエアロゾルが、口腔の表面(例えば、舌又は頬の内面)に当たる前に使用者の口腔で混合することができ、次いで、エアロゾルの混合物が使用者によって受け入れられる。混合は、使用者の呼吸器に沿って口腔の後の地点、例えば、咽喉、食道、肺などで生じてもよいこともまた指摘されるべきである。第2の方法は、各エアロゾルが主に使用者の口の異なる領域(例えば、頬の左内面と右内面)に当たるようにエアロゾルを実質的に分離したままにすることを含む。ここでは、この混合は、使用者の脳が口の異なる部分にエアロゾルを受け入れることから生じる異なる信号を組み合わせることによって行われる。概して、これらの技法の両方は、本書では、デバイス内混合に対して、「口内混合」と称される。実際、吸引される異なるエアロゾルは2つの方法の両方によって混合する可能性があるが、吸い口部3の構造に応じて、混合は、主に上記の方法のうちの一方によって起きることができることを理解すべきである。
【0099】
図1及び図2に示す吸い口部3には、チャネル33の軸線がデバイス1の頂点から離れた点に収束するように吸い口チャネル33が設けられている。言い換えれば、デバイスの底端部から頂端部に延在し、概ね、吸い口部の中央を通る軸線を吸い口部が定めると仮定すると、エアロゾルは、この軸線の方に向かうように構成される。概して、この吸い口部3は、主に、上記の第1の方法に従って、すなわち、使用者の口の表面に当たる前にエアロゾルを混合することによって、エアロゾルを混合すると考えられる。
【0100】
図7aは、コントロール部2に適合する/結合するように構成された別の例示的な吸い口部103を概略的に示す。図7aは、左側には、吸い口部103の断面を示し、図7aの右側には、吸い口部103の長手方向軸線に沿う方向に見たときの吸い口部103が示されている。吸い口部103は、吸い口チャネル133a及び133bの端部が、吸い口チャネル133の全体の長手方向軸線から離れるように向きを変えるように設けられていることを除けば、吸い口部3と実質的には同じである。したがって、吸い口開口131a及び131bは、吸い口部3の開口31a及び31bに比べて、吸い口部103の左側と右側により近い位置に設けられている。(吸い口部3とは対照的に)吸い口チャネル133の端部の長手方向軸線は、デバイス1内の点に収束する。すなわち、チャネル133は、個別のエアロゾルを吸い口部103の長手方向軸線から離れるように向きを変えるように構成される。概して、この吸い口部103は、主に、上記の第2の方法に従って、すなわち、各個別のエアロゾルが使用者の口の表面に当たった後にエアロゾルを混合することによって、エアロゾルを混合すると考えられる。言い換えれば、吸い口部103は、異なるエアロゾルを使用者の口の異なる部分に向けると考えることができる。
【0101】
図7bは、コントロール部2に適合する/結合するように構成された別の例示的な吸い口部203を概略的に示す。図7bは、左側には、吸い口部203の断面を示し、図7bの右側には、吸い口部203の長手方向軸線に沿う方向に見たときの吸い口部203が示されている。吸い口部203は、吸い口チャネル233a及び233bが、デバイス1の長手方向軸線に対してより浅い角度で設けられていることを除けば、吸い口部3と実質的には同じである。すなわち、吸い口チャネル233の長手方向軸線は、吸い口部3に比べて、デバイス1からより遠くの点に収束する。したがって、吸い口開口231aと吸い口開口231bは、図7bの分離距離yとして示された、より長い距離だけ離れている。例えば、吸い口部203の幅は約4cmであるが、吸い口203の頂端部の幅が吸い口部3の頂端部の幅よりも広いことにも留意されたい。この構成は、エアロゾルの混合の度合いが、吸い口部3よりも少ないことを意味する。さらに、吸い口開口231間に適切な分離距離y、例えば、2cm~4cm、例えば、3.5cmを設けることによって、使用者は、対応する吸い口開口231(複数可)に口を持っていくことによって、吸い口開口231a、吸い口開口231b、又は吸い口開口231a及び231bの組合せから選択的に吸引することができる。すなわち、使用者は、エアロゾルのどちらを受け入れるか(したがって、カトマイザー4の加熱線43a、43bのどちらに電力を供給するか)を選ぶことができる。より一般的には、吸い口開口231は、使用者が吸い口開口231から選択的に吸引することができる吸い口部3の位置に設けられる。
【0102】
図7cは、コントロール部2に適合する/結合するように構成された別の例示的な吸い口部303を概略的に示す。図7cは、左側には、吸い口部303の断面を示し、図7cの右側には、吸い口部303の長手方向軸線に沿う方向に見たときの吸い口部303が示されている。吸い口部303は、吸い口チャネル333a及び333bが、異なる大きさで、この場合は、同心でもある吸い口開口331a及び331bを備えるように構成されていることを除けば、吸い口部3と実質的には同じである。より詳細には、吸い口開口331aは吸い口開口331bの外径を取り囲んでいることが分かる。これに関して、吸い口チャネル333bが、吸い口チャネル333aの中空部分内に延在する壁に囲まれた部分を含む(例えば、吸い口チャネル333bは、チャネル333aを333bから仕切る鉛直方向に延在する管状の壁を含む)ことを理解すべきである。この構成によって、エアロゾルが吸い口部303を出るときに、第2のエアロゾルは第1のエアロゾルによって取り囲まれる。混合の大部分は、上の第1の方法によって行うことができるが、この構成はまた、第2のエアロゾル(すなわち、カトマイザー4bから生成されたエアロゾル)が使用者の口に当たる少し前に第1のエアロゾル(すなわち、カトマイザー4aから生成されたエアロゾル)が当たる状況をもたらすことができる。これは、使用者に異なる経験、例えば、第1のエアロゾルから第2のエアロゾルへ徐々に受け入れる/移り変わる経験をもたらすことができる。
【0103】
図7dは、コントロール部2に適合する/結合するように構成された別の例示的な吸い口部403を概略的に示す。図7dは、図の左側には、吸い口部403の断面を示し、図7dの右側には、吸い口部403の長手方向軸線に沿う方向に見たときの吸い口部403が示されている。吸い口部403は、吸い口チャネル433bが、2つの吸い口開口431bに結合する2つのチャネルに分かれていることを除けば、吸い口部3と実質的には同じである。詳細には、吸い口開口は、カトマイザー4bに流体的に接続された開口431bが、カトマイザー4aに流体的に接続された吸い口開口431aの両側に設けられるように配置される。吸い口チャネル433bの一方の枝部は、吸い口チャネル433aの上(又はその下)を通るような形状であることに留意すべきである。これは、カトマイザー4bから生成されたエアロゾルを使用者の口の外側部分に向け、一方、カトマイザー4aから生成されたエアロゾルを口腔の中央に向けることによって、使用者に異なる経験を与えることができる。
【0104】
一般に、図7a~図7d、並びに図1及び図2の吸い口部3を見ると、エアロゾル供給デバイス1の吸い口部は、デバイス1の使用者の口の中で異なるエアロゾルを混合して異なる経験を使用者に与えるために、様々な方法で配置することができることが分かる。図示の例のそれぞれでは、通常の使用時には、エアロゾルがデバイス内で混合しないようになっている。上記の図は特定の設計の吸い口部を示しているが、吸い口チャネルは、エアロゾルを口腔内で混合するか、エアロゾルを口腔の特定の領域に向けるかのどちらかの意図された機能を実現するために必要な又は望ましい任意の構成を採ることができることを理解すべきである。
【0105】
図8a及び図8bは、吸い口部503及び603の代替の構成を概略的に示す。これらの図では、吸い口部は、異なる特性、具体的には異なる密度を有するエアロゾル流を与えるために、修正された様々な吸い口チャネルの端部を備える。
【0106】
図8aは、コントロール部2に適合する/結合するように構成された例示的な吸い口部503を概略的に示す。図8aは、左側には、吸い口部503の断面を示し、図8aの右側には、吸い口部503の長手方向軸線に沿う方向に見たときの吸い口部503が示されている。吸い口部503は、吸い口部3と実質的に同じである。しかしながら、吸い口チャネル533a及び533bは、吸い口チャネル533が吸い口部503の頂端部に向かって広くなる又は狭くなる端部543を備える。
【0107】
より詳細には、吸い口チャネル533aは、吸い口チャネル533aの直径が、下流方向に徐々に増大する端部534aを含む。この結果、吸い口開口531aの直径は比較的大きくなる。カトマイザー4aから生成されたエアロゾルは、使用者のパフ行為によって吸い口チャネル533aに沿って吸引されると、エアロゾルが端部534aを通るときエアロゾルの密度は徐々に下がる。これにより、吸い口開口531aから排出されるエアロゾルは、例えば、吸い口開口31aから排出されるエアロゾルに比べて比較的拡散する。概して言えば、エアロゾルがデバイス1を出る地点に向かって直径(又は幅/厚さ)が増大する端部を含む吸い口チャネルではエアロゾル流はより拡散する。
【0108】
逆に、吸い口チャネル533bは、吸い口チャネル533bの直径が下流方向に徐々に減少する端部534bを含む。この結果、吸い口開口531bの直径は比較的小さい。カトマイザー4bから生成されたエアロゾルが、使用者のパフ行為によって吸い口チャネル533bに沿って吸引されると、エアロゾルが端部534bを通るときエアロゾルの密度は徐々に上がる。これにより、吸い口開口531bから排出されるエアロゾルは、例えば、吸い口開口31bから排出されるエアロゾルに比べてより高密度なジェットになる。概して言えば、エアロゾルがデバイス1を出る地点に向かって直径(又は幅/厚さ)が減少する端部を含む吸い口チャネルではエアロゾル流はより高密度なジェット状になる(又は、拡散がより少ない)。
【0109】
図8aは、吸い口部の頂端部の下方(すなわち、最上面の下方)に配置された、それぞれの吸い口チャネル533の端部534を示すが、吸い口チャネル、したがって端部は、吸い口部の頂端部を越えて延在することができることを理解すべきである。例えば、図8bは、図7cに示した吸い口部303の修正版を概略的に示す。図8aは、左側には、吸い口部603の断面を示し、右側には、吸い口部603の長手方向軸線に沿う方向に見たときの吸い口部603が示されている。この構成では、吸い口チャネル333bは、吸い口チャネル333bの端部から延在/突出する端部634bをさらに備える。端部634bは、吸い口チャネル333bの端部に取り付けられた別個の構成要素であってもよく、又は、端部634bは、吸い口チャネル333bと一体的に形成されてもよい(本質的に、吸い口チャネル333bへの延長部を提供する)。端部634bは、下流方向に直径が小さくなる壁を備え、したがって、端部から排出されるエアロゾルは、よりジェット状になる(すなわち、原料液体の粒子密度がより高い)。
【0110】
上の例は、吸い口チャネルから排出されるエアロゾルに異なる特性を与えるために、吸い口チャネルの端部をどのように形成することができるかを示している。しかしながら、端部だけでなく、吸い口チャネル全体をエアロゾルに異なる特性を与えるように形成することができることを理解すべきである。例えば、図8aのチャネル533bは、ジェット状のエアロゾル流を与えるために、この代わりに、受入部32bへの接続部から開口531bまで直径を徐々に小さくするように構成することができる。他の実施形態では、吸い口チャネルは、チャネルを出るエアロゾルの特性を調節するために、追加の構成要素(例えば、バッフルプレート)を備えてもよいことも理解すべきである。
【0111】
上の例は、概して、使用者の口の中で混合する様々なエアロゾル流、いくつかの場合には、口の異なる領域に向けられた様々なエアロゾル流を与えることに焦点を合わせたが、いくつかの実施態様では、様々なエアロゾル流は、使用者の呼吸器系の全く異なる領域に向けることができることも理解すべきである。例えば、カトマイザー4aによって生成されるエアロゾルは、使用者の口腔内に堆積するように向けることができ(拡散する雲状のエアロゾルを口腔内に供給するようにチャネル533aなどの形状の吸い口チャネルを用いて達成することができる)が、カトマイザー4bから生成されるエアロゾルは、使用者の呼吸器系の肺に堆積するように向けることができる(比較的少ない拡散で呼吸器系内に概ねより深く流れるジェット状のエアロゾルの流れを供給するようにチャネル533bなどの形状の吸い口チャネルを用いて達成することができる)。このような構成は、例えば、加香されたエアロゾルを使用者の口に、ニコチンを含むエアロゾルを使用者の肺に送達するために使用することができる。これに代えて、及び/又はこれに加えて、本システムは、粒子の大きさの分布が異なる多数のエアロゾルを生成するように構成することができる。
【0112】
エアロゾル生成構成要素という用語は、全体を通じてカトマイザー4によって例示されている。ここで、カトマイザーは、原料液体(より一般的には、エアロゾル前駆材料)及び微粒化ユニットの両方を含む。より一般的には、エアロゾル生成構成要素という用語は、デバイス1内にあるとき、エアロゾルの生成を可能にする構成要素を指す。
【0113】
例えば、コントロール部2は複数のカトマイザー4を受け入れることを上で説明した。ここで、カトマイザー4は液体リザーバ41及び微粒化ユニットを含み、微粒化ユニットは、ウィッキング要素42及び加熱要素43を含むとして上で説明した。これに関して、本書では、カトマイザーは微粒化ユニットを含むカートリッジであると考えられる。いくつかの実施態様では、その代わりに、微粒化ユニットは、エアロゾル供給デバイス1のコントロール部2に設けられることを理解すべきである。この場合、カトマイザーをデバイス1の受入部24に挿入する代わりに、(微粒化ユニットを含まない)カートリッジをデバイスの受入部に挿入することができる。カートリッジは、取り付けられる微粒化ユニットのタイプに応じて適切な方法で微粒化ユニットと係合するように構成することができる。例えば、微粒化ユニットがウィッキング要素及び加熱要素を備える場合、ウィッキング要素は、カートリッジに入っている原料液体と流体的に連通するように構成することができる。したがって、コントロール部2がカートリッジを受け入れるように構成された実施態様では、カートリッジはエアロゾル生成構成要素であると考えられる。
【0114】
カトマイザー/カートリッジが、蒸気/エアロゾル前駆体として働く原料液体が入った液体リザーバを含むことも上で説明した。しかしながら、他の実施態様では、カトマイザー/カートリッジには、タバコ葉、挽きタバコ、再生タバコ、ゲルなどの他の形態の蒸気/エアロゾル前駆体が入っていてもよい。上記のエアロゾル供給システムにおいて、カートリッジ/カトマイザーとエアロゾル前駆材料を任意に組み合わせることができることも理解すべきである。例えば、カトマイザー4aは、液体リザーバ41及び原料液体を含んでもよく、カトマイザー4bは、再生タバコ、及び再生タバコと接触する管状の加熱要素を含んでもよい。本開示の態様に従って任意の適切なタイプの加熱要素(又は、より一般的に、微粒化ユニット)、例えば、ウィックとコイル、オーブンタイプのヒーター、LEDタイプのヒーター、バイブレータなどを選択することができることを理解すべきである。
【0115】
エアロゾル供給デバイス1はエアロゾル生成構成要素、例えば、2つのカトマイザー4を受け入れることができることも説明した。しかしながら、本開示の原理は、2つより多くのエアロゾル生成構成要素、例えば、3つ、4つなどのカトマイザーを受け入れるように構成されたシステムに適用することができることを理解すべきである。
【0116】
本開示の特定の態様による他の実施態様では、エアロゾル生成領域、すなわち、受入部24は、その代わりに、ある量のエアロゾル前駆材料、例えば、ある量の原料液体を直接受け入れるように構成される。すなわち、エアロゾル生成領域は、エアロゾル前駆材料を受け入れる、及び/又は保持するように構成される。したがって、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル前駆材料であると考えられる。これらの実施態様では、微粒化ユニットは、受入部24内のエアロゾル前駆材料と連通することができるようにコントロール部2に設けられる。例えば、エアロゾル生成領域、例えば受入部24は、液体リザーバ41として働くように構成されてもよく、原料液体(エアロゾル生成構成要素)を受け入れるように構成されてもよい。ウィッキング材料及び加熱要素を含む微粒化ユニットは、受入部24に、又は受入部24に隣り合っても設けられ、したがって、上記と同様な態様で液体を加熱要素に移送し、気化することができる。しかしながら、これらの実施態様では、使用者は、対応するエアロゾル前駆材料で受入部を再充填(又は補充)することができる。受入部は、原料液体に浸され、微粒化ユニットと接触して/微粒化ユニットに近接して配置された綿又は類似の材料を受け入れることができることも理解すべきである。
【0117】
吸い口部3はコントロール部2とは別個の構成要素であることも上で説明した。いくつかの場合、異なる形状の吸い口チャネル33を有する複数の吸い口部3を使用者に供給することができる。例えば、使用者に吸い口部3、103、203などを供給することができる。使用者は、エアロゾルの混合(より一般的には、使用者の経験)を変えるために、コントロール部2に結合される吸い口部3、103、203を交換することができる。しかしながら、いくつかの実施態様では、吸い口部3は、任意の適切な態様、例えば、蝶番によって又はテザーによってコントロール部2に結合することができることを理解すべきである。
【0118】
このように、それぞれがエアロゾル生成構成要素を含む複数の個別のエアロゾル生成領域から使用者によって吸引されるエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスを説明した。本エアロゾル供給デバイスは、使用時に、使用者が生成されたエアロゾルを吸引する吸い口と、第1のエアロゾル生成領域を通るように配置され、吸い口に流体的に接続された第1の流路と、第2のエアロゾル生成領域を通るように配置され、吸い口に流体的に接続された第2の流路とを備え、第1の流路と第2の流路は、デバイス内のそれぞれのエアロゾル生成領域のエアロゾル生成構成要素の存在、及び/又は、デバイス内のそれぞれのエアロゾル生成構成要素と関連するパラメータに基づいて、それぞれの流路を通る空気の流れを変えるように構成された流れ制限部材をそれぞれ備える。
【0119】
このように、使用者の吸引のためのエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスを説明した。本エアロゾル供給デバイスは、それぞれがエアロゾル前駆材料を受け入れるための第1のエアロゾル生成領域及び第2のエアロゾル生成領域と、使用時に、使用者が生成されたエアロゾルを吸引する吸い口であって、第1の吸い口開口及び第2の吸い口開口を備える吸い口と、第1のエアロゾル生成領域内のエアロゾル前駆材料から生成される第1のエアロゾルを移送するための、第1のエアロゾル生成領域から第1の吸い口開口へ延在する第1の通路と、第2のエアロゾル生成領域内のエアロゾル前駆材料から生成される第2のエアロゾルを移送するための、第2のエアロゾル生成領域チャンバから第2の吸い口開口へ延在する第2の通路とを備え、第1のエアロゾルと第2のエアロゾルがそれぞれの通路に沿って移送されるときに、第1のエアロゾルと第2のエアロゾルとの混合を防ぐように、第1の通路と第2の通路は互いから物理的に隔離されている。
【0120】
このように、それぞれがエアロゾル前駆材料を受け入れるように構成された複数のエアロゾル生成領域からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが説明された。本エアロゾル供給デバイスは、第1のエアロゾル生成領域に存在する第1のエアロゾル前駆材料からエアロゾルを生成するように構成された第1の微粒化要素、及び第2のエアロゾル生成領域に存在する第2のエアロゾル前駆材料からエアロゾルを生成するように構成された第2の微粒化要素に電力を供給するための電源と、第1のエアロゾル生成領域及び第2のエアロゾル生成領域にそのときに存在しているエアロゾル前駆材料の少なくとも1つのパラメータにそれぞれ基づいて、第1の微粒化要素と第2の微粒化要素との間で電力を分配するように構成された電源分配回路とを備える。
【0121】
上記の実施形態は、いくつかの点で、いくつかの特定の例示的なエアロゾル供給システムに焦点を合わせたが、同じ原理は、他の技術を用いたエアロゾル供給システムに適用することができることは理解されよう。すなわち、本エアロゾル供給システムの様々な側面が機能する特定の態様は、本書で説明した例の基礎となる原理に直接関連するものではない。
【0122】
様々な課題に対処し、技術を進歩させるため、本開示は、特許請求される発明(複数可)を実施することができる様々な実施形態を例示することによって示している。本開示の利点及び特徴は、実施形態のうちの代表的な例にすぎず、すべての利点や特徴を網羅したものでもなければ、他の利点や特徴を排除するものでもない。これらは、特許請求される発明(複数可)を理解及び教示することを助けるためだけに提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の側面は、特許請求の範囲によって規定された通りに本開示を限定するもの、或いは特許請求の範囲の均等物を制限するものと考えるべきではなく、本開示の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用し、変形を施すことができることを理解されたい。様々な実施形態が、本書で詳細に説明されたもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段などの様々な組合せを適切に備えてもよく、それらのみから構成されてもよく、或いは実質的にそれらから構成されてもよく、したがって、特許請求の範囲に明記されている以外の組合せで従属項の特徴を独立項の特徴と組み合わせてもよいことは理解されよう。本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性のある他の発明を含むことができる。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図7c
図7d
図8a
図8b