(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】通信システム及び通信方法
(51)【国際特許分類】
H04L 45/42 20220101AFI20220712BHJP
【FI】
H04L45/42
(21)【出願番号】P 2018130599
(22)【出願日】2018-07-10
【審査請求日】2021-06-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【氏名又は名称】青木 充
(74)【代理人】
【識別番号】100168310
【氏名又は名称】▲高▼橋 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】黒田 哲史
(72)【発明者】
【氏名】田村 利之
(72)【発明者】
【氏名】岡部 洵也
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-306598(JP,A)
【文献】特開2008-160665(JP,A)
【文献】国際公開第2017/077613(WO,A1)
【文献】特開2016-082373(JP,A)
【文献】米国特許第09158526(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-13/18,41/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末を含むモバイル通信システムで用いられる制御装置であって、
モバイル網を用いるモバイルアクセス回線と前記モバイル網を用いない非モバイルアクセス回線とを用いて、前記端末と外部装置間でデータ伝送を行う場合に、前記端末と前記制御装置間の
データの送受信に
よる品質測定に基づき、前記モバイルアクセス回線と前記非モバイルアクセス回線のセッションの通信時間をそれぞれ測定する測定手段と、
前記測定手段に基づき、
通信に利用されるアプリケーション種別ごとにモバイルアクセス回線と前記非モバイルアクセス回線のどちらか
を選択する制御手段と、
を有する、制御装置。
【請求項2】
前記セッションの通信時間は平均化される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
端末を含むモバイル通信システムで用いられる制御装置の制御方法であって、
モバイル網を用いるモバイルアクセス回線と前記モバイル網を用いない非モバイルアクセス回線とを用いて、前記端末と外部装置間でデータ伝送を行う場合に、前記端末と前記制御装置間の
データの送受信に
よる品質測定に基づき、前記モバイルアクセス回線と前記非モバイルアクセス回線のセッションの通信時間をそれぞれ測定し、
前記測定に基づき、
通信に利用されるアプリケーション種別ごとにモバイルアクセス回線と前記非モバイルアクセス回線のどちらか
を選択する、制御方法。
【請求項4】
前記セッションの通信時間は平均化される、請求項3に記載の制御方法。
【請求項5】
制御装置を含むモバイル通信システムで用いられる端末であって、モバイル網を用いるモバイルアクセス回線と前記モバイル網を用いない非モバイルアクセス回線とを用いて、外部装置間とデータ伝送を行う場合に、
前記端末と前記制御装置間の
データの送受信に
よる品質測定に基づき、前記モバイルアクセス回線と前記非モバイルアクセス回線のセッションの通信時間をそれぞれ測定する測定手段と、
前記制御装置
が、前記
測定手段に基づき、通信に利用されるアプリケーション種別ごとにモバイルアクセス回線
と前記非モバイルアクセス回線
のどちらかを選択し、前記選択された
アクセス回線を用いて前記外部装置と前記データ伝送を行う
制御手段と、を有する端末。
【請求項6】
前記セッションの通信時間は平均化される、請求項5に記載の端末。
【請求項7】
制御装置を含むモバイル通信システムで用いられる端末の通信方法であって、
モバイル網を用いるモバイルアクセス回線と前記モバイル網を用いない非モバイルアクセス回線とを用いて、外部装置とデータ伝送を行う場合に、前記端末と前記制御装置間の
データの送受信に
よる品質測定に基づき、前記モバイルアクセス回線と前記非モバイルアクセス回線のセッションの通信時間をそれぞれ測定し、
前記制御装置
が、前記測定に
基づき、通信に利用されるアプリケーション種別ごとに前記モバイルアクセス回線
と前記非モバイルアクセス回線
のどちらかを選択し、前記選択された
アクセス回線を用いて前記外部装置と前記データ伝送を行う、通信方法。
【請求項8】
前記セッションの通信時間は平均化される、請求項7に記載の通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
SD-WAN(Software Defined Wide Area Network)が適用されたネットワークにおいて、拠点からのインターネットアクセス経路が2回線以上存在することがある。例えば、MPLS(Multi-Protocol Label Switching)による専用回線や、LTE(Long Term Evolution)等によるモバイル回線によりSD-WANが適用されたネットワークにおいて、拠点からインターネットアクセスが行われる。
【0003】
このようなネットワークにおいて、IP(Internet protocol)-5tuple(タプル)と称される情報(送信元アドレス等)やアプリケーション種別(DPI;Deep Packet Inspection)等により使用回線(専用回線、モバイル回線)の選択が行われている。
【0004】
非特許文献1は、SDN(Software Defined Network)を構築するにあたり用いられるオープンフロースイッチの仕様書である。特許文献1には、過去1回分のネットワーク情報(RTT;Round Trip Time、空き帯域等)を参照し、複数回線のうち使用する回線を決定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【文献】OpenFlow Switch Specification Version 1.5.1 (Protocol version 0x06)、ONF、[online]、[平成30(2018)年6月26日検索]、インターネット〈URL: https://3vf60mmveq1g8vzn48q2o71a-wpengine.netdna-ssl.com/wp-content/uploads/2014/10/openflow-switch-v1.5.1.pdf〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明者らによってなされたものである。
【0008】
上述のように、SD-WANが適用されたネットワークにおいて、拠点からのインターネットアクセス経路が2回線以上(MPLS回線、モバイル回線など)存在する場合に、通信先やアプリケーション種別等に応じて使用回線の選択が行われることがある。しかし、キャリアデータセンタ側のインターネットアクセス回線や各企業支店のMPLS回線の空き帯域を考慮して各拠点(例えば、企業の支店)では使用回線の選択ができなかった。
【0009】
ここで、MPLS回線には「帯域保証型、通信量の制限がない」という契約が多く、モバイル回線には「ベストエフォート型、通信量に総量制限がある」という契約が多い。各企業等がこのような契約を結んでいる場合、MPLS回線が混雑状態となった場合にモバイル回線を代替え回線として使用することになる。しかし、回線切り替えの判定基準(クライテリア)が曖昧なため、高品質かつ総量制限もない高価なMPLS回線の契約帯域を上限まで有効活用できていないのが現状である。
【0010】
特許文献1に開示された技術では、過去1回分のネットワーク情報を利用して使用する回線を選択している。しかしながら、実際のネットワークにおける状態は時間と共に変化するため、過去1回のネットワーク情報に基づく回線の選択では最適な回線が選択されないこともある。例えば、回線の空き帯域を参照し、複数回線の中から使用する回線を選択したとしてもネットワークには通信の揺らぎやバースト(瞬間的な通信量の増加)が存在する。そのため、これらネットワークに生じうる現象(揺らぎ、バースト)を考慮せず、回線を選択すると最適な回線の選択が行えないことがある。
【0011】
本発明は、複数回線から最適な回線を選択することに寄与する、通信システム及び通信方法を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明乃至開示の第1の視点によれば、端末を含む拠点に設置されたゲートウェイであって、少なくとも第1及び第2の回線に接続された第1のゲートウェイと、前記第1のゲートウェイと前記第1の回線を介して接続されている第2のゲートウェイと、前記第2のゲートウェイと同じセンタに設置され、インターネットと接続するための第3の回線と接続されている第3のゲートウェイと、前記第1、第2及び第3のゲートウェイを制御するコントローラと、を含み、前記コントローラは、前記第1、第2及び第3の回線のうち少なくとも1つの回線の状態を示す指標を算出し、前記算出された指標に対して統計処理を施した結果に基づいて前記第1のゲートウェイにおける回線切替を制御する、通信システムが提供される。
【0013】
本発明乃至開示の第2の視点によれば、端末を含む拠点に設置されたゲートウェイであって、少なくとも第1及び第2の回線に接続された第1のゲートウェイと、前記第1のゲートウェイと前記第1の回線を介して接続されている第2のゲートウェイと、前記第2のゲートウェイと同じセンタに設置され、インターネットと接続するための第3の回線と接続されている第3のゲートウェイと、前記第1、第2及び第3のゲートウェイを制御するコントローラと、を含む通信システムにおいて、前記第1、第2及び第3の回線のうち少なくとも1つの回線の状態を示す指標を算出するステップと、前記算出された指標に対して統計処理を施した結果に基づいて前記第1のゲートウェイにおける回線切替を制御するステップと、を含む通信方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明乃至開示の各視点によれば、複数回線から最適な回線を選択することに寄与する、通信システム及び通信方法が、提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】一実施形態の概要を説明するための図である。
【
図2】第1の実施形態に係る通信システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図3】第1の実施形態に係るコントローラの処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施形態に係るゲートウェイの処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図6】第1に実施形態に係る通信システムの動作を説明するための図である。
【
図7】第2に実施形態に係る通信システムの動作を説明するための図である。
【
図8】第2の実施形態に係る通信システムの変形例を説明するための図である。
【
図9】第3の実施形態に係る通信システムの動作を説明するための図である。
【
図10】コントローラのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
初めに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。さらに、本願開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インターフェイスも同様である。
【0017】
一実施形態に係る通信システムは、第1のゲートウェイ101と、第2のゲートウェイ102と、第3のゲートウェイ103と、コントローラ104と、を含む(
図1参照)。第1のゲートウェイ101は、端末を含む拠点に設置されたゲートウェイであって、少なくとも第1及び第2の回線に接続されている。第2のゲートウェイ102は、第1のゲートウェイ101と第1の回線を介して接続されている。第3のゲートウェイ103は、第2のゲートウェイ102と同じセンタに設置され、インターネットと接続するための第3の回線と接続されている。コントローラ104は、第1のゲートウェイ101、第2のゲートウェイ102及び第3のゲートウェイ103を制御する。コントローラ104は、第1、第2及び第3の回線のうち少なくとも1つの回線の状態を示す指標を算出し、算出された指標に対して統計処理を施した結果に基づいて第1のゲートウェイ101における回線切替を制御する。
【0018】
上記通信システムは、拠点からインターネットにアクセスするための回線の状態を示す指標(例えば、回線混雑率)を算出し、当該算出された指標に対して統計処理(例えば、中央値の算出)を実行する。当該統計処理により得られる結果は、ネットワークの回線状態が正確に反映された値となるので、コントローラ104が当該統計処理の結果に基づき回線の切り替えを制御することで、不適切な回線が選択されることが回避される。
【0019】
以下に具体的な実施の形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。なお、各実施形態において同一構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0020】
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0021】
図2は、第1の実施形態に係る通信システムの概略構成の一例を示す図である。
図2を参照すると、通信システムには、キャリアデータセンタと、拠点A及びBが含まれる。
【0022】
キャリアデータセンタには、コントローラ10と、ゲートウェイ20-1及び20-2と、が含まれる。キャリアデータセンタは、MPLS回線を提供する業者が運営、管理する拠点(サイト)である。
【0023】
拠点A及びBは、キャリアデータセンタが提供するMPLS回線を利用する企業等の支店等が該当する。各拠点には複数の端末が含まれる。各拠点の端末は、インターネット上のサーバ等にアクセスする。
【0024】
なお、本願開示において、MPLS回線は伝送メディア(光ファイバーや電波などの物理回線の種別)の違いやSLA(Service Level Agreement)契約などにより高品位の通信が提供される回線である事を前提とする。
【0025】
ゲートウェイ20-1は、ゲートウェイ20-3とMPLS回線(第1の回線)を介して接続されているゲートウェイである。ゲートウェイ20-1は、MPLS回線を終端する。ゲートウェイ20-2は、ゲートウェイ20-1と同じセンタ(キャリアデータセンタ)に設置され、インターネットと接続するための回線(第3の回線)と接続されている。ゲートウェイ20-2は、キャリアデータセンタとインターネットを接続する通信装置である。ゲートウェイ20-1及びゲートウェイ20-2は、有線又は無線により接続され相互にデータ(パケット)の交換が可能に構成されている。
【0026】
拠点Aには、ゲートウェイ20-3が設置されている。同様に、拠点Bには、ゲートウェイ20-4が設置されている。ゲートウェイ20-3、ゲートウェイ20-4は、端末を含む拠点に設置されたゲートウェイであって、少なくともMPLS回線(第1の回線)及びモバイル回線(第2の回線)に接続されたゲートウェイである。
【0027】
なお、以降の説明において、ゲートウェイ20-1~20-4を区別する特段の理由がない場合には単に「ゲートウェイ20」と表記する。ゲートウェイ20は、コントローラ10から制御されるSD-WANゲートウェイ(SD-WANルータ)である。
【0028】
コントローラ10は、ゲートウェイ20を制御するSD-WANコントローラである。コントローラ10は、MPLS回線、モバイル回線、インターネットとの接続回線のうち少なくとも1つの回線の状態を示す指標を算出し、当該算出された指標に対して統計処理を施した結果に基づいて各拠点のゲートウェイ20における回線切替を制御する。
【0029】
図2に示すように、キャリアデータセンタはゲートウェイ20-2を介してインターネットと接続されている。各拠点とキャリアデータセンタはMPLS回線による仮想的な専用回線で接続されている。また、各拠点は、LTE(Long Term Evolution)等のモバイル回線(モバイルネットワーク回線)を介してインターネットと接続可能に構成されている。
【0030】
このように、第1の実施形態に係る通信システムでは、拠点A、Bからのインターネットアクセス経路として、キャリアデータセンタを経由するMPLS回線(MPLS網)とモバイル回線(モバイル網)の2回線が存在する。
【0031】
なお、
図2の構成は例示であって、通信システムの構成を限定する趣旨ではないことは勿論である。例えば、
図2では、キャリアデータセンタからのインターネットアクセス回線は1回線となっているが当該回線は複数でもよい。また、
図2には、2つの拠点A、Bを図示しているが、拠点の数を制限する趣旨ではないことは勿論である。
【0032】
コントローラ10とゲートウェイ20は、専用の制御線(図示せず)により接続されており、制御情報等の授受が可能に構成されている。コントローラ10は、例えば、オープンフローコントローラであり、ゲートウェイ20は、例えば、オープンフロースイッチである。これらの基本動作は、非特許文献1に記載されているので説明を省略する。
【0033】
図3は、コントローラ10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。
図3を参照すると、コントローラ10は、通信制御部201と、情報入力部202と、ゲートウェイ制御部203と、回線状態測定部204と、回線管理部205と、記憶部206と、を含んで構成される。
【0034】
通信制御部201は、ゲートウェイ20との間の通信を制御する手段である。通信制御部201は、他の処理モジュール(例えば、ゲートウェイ制御部203等)から取得したパケットをゲートウェイ20に向けて送信する。また、通信制御部201は、ゲートウェイ20から取得したパケットを他の処理モジュールに振り分ける。
【0035】
情報入力部202は、外部(システム管理者等)からコントローラ10の動作に必要な情報等を入力する手段である。例えば、情報入力部202は、キャリアデータセンタのインターネット接続回線(ゲートウェイ20-2とインターネットを接続する回線)の契約プランに関する情報を入力する。契約プランに関する情報には、当該回線の帯域上限に関する情報が含まれる。
【0036】
また、情報入力部202は、各拠点のアクセス回線(MPLS回線、モバイル回線)に関する契約プラン情報も入力する。例えば、各拠点のMPLS回線契約における帯域の上限がコントローラ10に入力される。
【0037】
ゲートウェイ制御部203は、ゲートウェイ20に設定する制御情報(フローテーブルに設定するエントリ)を生成する。ゲートウェイ制御部203は、当該制御情報をゲートウェイ20に設定することで、各ゲートウェイ20の動作を制御する。
【0038】
上述のように、各拠点に含まれる端末がインターネットにアクセスするための回線は2種類存在する。MPLS回線とモバイル回線である。
【0039】
例えば、拠点Aの端末がMPLS回線を利用してインターネットにアクセスする場合には、コントローラ10は、ゲートウェイ20-1~20-3のそれぞれに処理規則を設定し、拠点Aから送信されるパケットのインターネットへの転送を実現する。とりわけ、コントローラ10は、ゲートウェイ20-3に対し、MPLS回線を利用するフローを特定するための識別情報(送信元アドレス、宛先アドレス等)、出力ポート等に関する情報を含む処理規則を設定する。当該処理規則にはMPLS回線を利用するためのラベル付与に関する処理も含まれる。
【0040】
拠点Aの端末がモバイル回線を利用してインターネットにアクセスする場合には、コントローラ10は、ゲートウェイ20-3に対してモバイル回線を利用するフローを特定するための識別情報、出力ポートに関する情報を含む処理規則を設定する。
【0041】
ゲートウェイ制御部203は、各ゲートウェイ20に対し、統計情報を定期的にコントローラ10に送信させる処理規則を設定する。例えば、ゲートウェイ制御部203は、フローごと(フローエントリごと)に送受信されたパケット数、送受信されたバイト数に関する統計情報がコントローラ10に送信されるように処理規則をゲートウェイ20に設定する。当該処理規則により得られる統計情報(トラヒック情報)を用いて、コントローラ10は、各拠点からMPLS回線やモバイル回線を経由してインターネットにアクセスするフローのネットワーク使用帯域を計算できる。
【0042】
ゲートウェイ制御部203は、各拠点からインターネットにアクセスする際に使用する回線としてMPLS回線を優先的に選択する。より具体的には、ゲートウェイ制御部203は、ゲートウェイ20から処理規則の設定を要求された場合に、ゲートウェイ20が受信したパケット(未知のパケット)の転送先(フローの収容先)としてMPLS回線を選択する。
【0043】
ゲートウェイ制御部203がゲートウェイ20に設定した処理規則や取得した統計情報等は、記憶部206に格納される。
【0044】
回線状態測定部204は、キャリアデータセンタとインターネットを接続する回線の状態を測定する手段である。具体的には、回線状態測定部204は、キャリアデータセンタのインターネット接続回線における混雑率を測定する。混雑率の具体的な測定方法は以下のとおりである。
【0045】
はじめに、回線状態測定部204は、情報入力部202が取得したキャリアデータセンタのインターネット接続回線の契約プラン情報から帯域上限を読み取る。
【0046】
次に、回線状態測定部204は、キャリアデータセンタのインターネット側出口のゲートウェイであるゲートウェイ20-2から取得したトラヒック情報(統計情報)から現在の使用帯域(送信レート)を算出する。
【0047】
例えば、回線状態測定部204は、ゲートウェイ20-2から送信されてくる転送バイト数を統計情報の送信間隔で除算することで使用帯域を算出する。次に、回線状態測定部204は、算出した使用帯域と読み取った帯域上限から回線混雑率を算出する。具体的には、回線状態測定部204は、算出した使用帯域を帯域上限で除算することで回線混雑率を算出する。
【0048】
回線状態測定部204は、上記の回線混雑率の算出を所定間隔(例えば、1秒ごと)ごとに所定回数(例えば、10回)繰り返し、算出した複数の回線混雑率に対して統計処理を行う。例えば、回線状態測定部204は、複数の回線混雑率の平均値、中央値、最頻値等を算出し、回線混雑率の代表値を算出する。回線状態測定部204は、算出した回線混雑率の代表値を回線管理部205に引き渡す。
【0049】
回線管理部205は、各拠点の端末がインターネットにアクセスする際に使用する回線を管理する手段である。回線管理部205は、回線状態測定部204から取得した回線混雑率の代表値に閾値処理を実行し、回線混雑率の代表値が所定値(閾値)を上回っているか否かを判定する。
【0050】
回線混雑率の代表値が所定値を上回っている場合には、回線管理部205は、キャリアデータセンタとインターネット間の回線が逼迫(輻輳)していると判断する。回線管理部205は、キャリアデータセンタとインターネット間の回線が逼迫している場合に、MPLS回線を経由してインターネットに転送されるデータ(パケット)の一部をモバイル回線にオフロードする。具体的には、回線管理部205は、上記オフロードを実現する処理規則を生成し、ゲートウェイ制御部203を介してゲートウェイ20に当該生成した処理規則を設定する。
【0051】
上述のように、各拠点のゲートウェイ20には、MPLS回線が使用される処理規則が設定されている。つまり、システム運用時には、コントローラ10から各拠点のゲートウェイ20に対してMPLS回線に全通信を振り分けるように指示がされている。
【0052】
また、ゲートウェイ制御部203は、各拠点のゲートウェイ20に対し、MPLS回線でパケット破棄(パケットロス)を検出すると、コントローラ10に対して当該事実(パケット破棄)を通知させる処理規則を設定しておく。
【0053】
回線管理部205は、各拠点のゲートウェイ20にてパケットロスが発生した場合に、MPLS回線の使用帯域が契約帯域上限を超えたと判断する。回線管理部205は、MPLS回線の使用帯域が契約帯域上限を超えたと判断した場合に、各拠点からのMPLS回線を介してインターネットに転送されるパケットの一部を段階的にモバイル回線にオフロードする。
【0054】
例えば、回線管理部205は、各拠点のMPLS回線を利用する複数のフローからランダムにフローを選択する。回線管理部205は、当該選択したフローに対応する処理規則(フローエントリ)を記憶部206から読み出す。回線管理部205は、当該選択したフローに属するパケットはモバイル回線を介して転送されるような処理規則に上記読み出した処理規則を変更する。具体的には、回線管理部205は、通信先((IP-5tuple)やアプリケーション種別(DPI)単位)によりオフロードするフローを指定し、出力先を変更した新たな処理規則を生成する。生成された処理規則はゲートウェイ制御部203を介して各ゲートウェイ20に設定される(フローエントリが書き換えられる)。
【0055】
上記処理(一部フローのパケットをオフロード)によってもMPLS回線におけるパケットロスが解消しない場合には、回線管理部205は、パケットロスが解消するまでオフロードする対象となるフローを増やす。即ち、コントローラ10は、キャリアデータセンタとインターネット間の回線混雑率の代表値が所定値(閾値)を下回るまで各拠点のMPLS回線の一部データの転送先をモバイル回線に切り替えるよう各拠点のゲートウェイ20に対して指示を行う。
【0056】
図4は、ゲートウェイ20の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。
図4を参照すると、ゲートウェイ20は、パケット処理部301と、記憶部302と、を含んで構成される。
【0057】
パケット処理部301は、コントローラ10から設定された処理(パケット処理)を実行する手段である。パケット処理部301は、ゲートウェイ20が持つ転送テーブルの更新およびパケット転送の機能を備える。例えば、コントローラ10から処理規則(フローエントリ)を受信した場合、命令通りに転送するように自身の転送テーブルを変更する。
【0058】
また、パケット処理部301は、受信パケットを受信した際に、当該受信パケットに適合するフローエントリが存在しない場合には、当該受信パケット(未知のパケット)を処理するための処理規則の設定をコントローラ10に要求する。
【0059】
パケット処理部301は、当該要求に応じて送信された処理規則を転送テーブルに追加する。あるいは、パケット処理部301は、MPLS回線からモバイル回線にパケットをオフロードするための処理規則を受信した場合には、既存の処理規則と新たな処理規則を入れ替える(フローテーブルを更新する)。
【0060】
記憶部302は、上記転送テーブル(フローテーブル)を保持する。
【0061】
続いて、図面を参照しつつ、第1の実施形態に係る通信システムの動作を説明する。
図5は、第1の実施形態に係る通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図6は、第1に実施形態に係る通信システムの動作を説明するための図である。
【0062】
はじめに、各拠点の端末は、インターネット上のサーバ等に向けてパケットを送信する(ステップS01)。
【0063】
ゲートウェイ20は、当該パケットを受信し、自装置の転送テーブル(フローテーブル)を検索し、当該パケットを処理するための処理規則が存在するか否かを判定する。処理規則が存在しなければ、ゲートウェイ20は、当該パケットを付して、コントローラ10に対して処理規則の設定要求を行う(ステップS02)。
【0064】
コントローラ10は、当該処理規則の設定要求に応じて処理規則を生成する(ステップS03)。その際、コントローラ10は、各拠点の端末からのパケットはMPLS回線に転送されるように処理規則を設定する。
【0065】
コントローラ10は、生成した処理規則をゲートウェイ20に設定する(ステップS04)。
【0066】
ゲートウェイ20は、当該設定された処理規則に従い端末からのパケットを処理(転送)する(ステップS05)。コントローラ10は、MPLS回線が優先的に使用されるように処理規則を生成するため、端末が送信するパケットはMPLS回線に転送される。
【0067】
コントローラ10は、定期的又は所定のタイミングにて、キャリアデータセンタとインターネットを接続する回線の回線混雑率(回線混雑率の代表値)を算出する(ステップS11、
図6のステップA01)。
【0068】
コントローラ10は、回線混雑率の代表値に基づき上記回線が逼迫していると判断した場合には、MPLS回線を介してインターネットに接続されるフローの一部をモバイル回線にオフロードする。
【0069】
具体的には、コントローラ10は、モバイル回線にオフロードするフローを選択する(ステップS12)。その後、コントローラ10は、選択したフローのオフロードを実現するための新たな処理規則を生成する(ステップS13;処理規則の変更)。
【0070】
コントローラ10は、生成した処理規則をゲートウェイ20に設定(ステップS14)し、各ゲートウェイ20に対して一部フローのオフロードを指示する(
図6のステップA02)。
【0071】
ゲートウェイ20は、受信した処理規則(オフロード用の処理規則)により既存の処理規則を変更する(ステップS15)。
【0072】
当該処理規則の変更後に各拠点の端末がインターネット上のサーバ等に向けてパケットを送信すると(ステップS16)、ゲートウェイ20は、当該パケットをモバイル網に転送する(ステップS17、
図6のステップA03)。
【0073】
このように、コントローラ10は、過去の所定期間において複数の指標(複数個の回線混雑率)を算出し、当該算出された複数の指標の代表値に基づき、各拠点のゲートウェイ20を制御する。また、コントローラ10は、キャリアデータセンタとインターネットを結ぶ回線が逼迫していると判断した場合に、端末から送信されるパケットがモバイル回線から転送されるように、各拠点のゲートウェイ20における回線切替を制御する。
【0074】
各拠点のゲートウェイ20は、コントローラ10からの指示通りにモバイル回線へのトラヒックオフロードを実施する。例えば、ゲートウェイ20-3において、10本のフローそれぞれに対応するフローエントリが設定されていれば、コントローラ10は、当該10本のフローのうち一部(例えば、3本)を選択する。コントローラ10は、当該選択したフローに対応する処理規則を記憶部206から読み出し、当該処理規則の出力先ポートをMPLS回線からモバイル回線に変更する。コントローラ10は、新たな処理規則(オフロード用の処理規則)をゲートウェイ20-3に設定する。
【0075】
以上のように、第1の実施形態では、インターネット接続回線が逼迫し、且つ、MPLS回線にパケットロスが発生した場合にMPLS回線からモバイル回線にパケットオフロードを実行する。その結果、ユーザがMPLS回線にて利用できる帯域を有効に活用することができる。その際、第1の実施形態では、ネットワークの回線状態を示す指標(回線混雑率)を複数回測定し、複数の測定値に対して統計処理を施すことでネットワークの回線状態が適切(正確)に反映された値(回線混雑率の代表値)を算出する。
【0076】
第1の実施形態では、当該ネットワークの状態が正確に反映された値に基づき、回線の選択を行うので不適切な回線が選択されることがない。例えば、上記の例において、回線混雑率に統計処理を施さず、1回の測定による回線混雑率を用いると、キャリアデータセンタからインターネットに送信されるデータが瞬間的に増加した場合に、当該回線が逼迫していると判断されうる。この場合、MPLS回線を使用する一部のフローがモバイル回線にオフロードされ、結果的に不適切な回線(モバイル回線)が選択されることになる。しかし、実際には、上記回線に逼迫が発生していないのであれば、上記オフロードは不要であり、引き続き利用者にとってメリット(高品質、定額料金)の大きいMPLS回線を使用するのが正しい回線選択となる。
【0077】
第1の実施形態では、ネットワークの状態を示す指標を複数回算出し、その代表値を計算することで当該ネットワークに生じる「ゆらぎ」や「バースト」の影響を排除する。その結果、複数回線から最適な回線を選択することができる。より具体的には、
図2に示すようなSD-WANが適用されたネットワークにおいて、拠点からのインターネットアクセス経路が複数(MPLS回線、モバイル回線など)ある場合を想定する。この場合、第1の実施形態では、キャリアデータセンタからのインターネットアクセス回線の混雑率を考慮して代替え経路に迂回することにより高品質なMPLS回線の契約帯域を上限まで有効活用できる。
【0078】
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0079】
第1の実施形態では、キャリアデータセンタとインターネット間の回線状態に基づき、各拠点におけるパケットオフロードを実行している。第2の実施形態では、各拠点とキャリアデータセンタ間の回線状態に基づき、各拠点におけるパケットオフロードの実行について説明する。
【0080】
なお、第2の実施形態に係る通信システムの構成や、各装置(コントローラ10、ゲートウェイ20)の処理構成等は、第1の実施形態と同一とすることができるのでその説明を省略する。
【0081】
第2の実施形態に係る回線状態測定部204は、各拠点とキャリアデータセンタを接続するMPLS回線の状態を測定する。回線状態測定部204は、拠点ごとのMPLS回線の契約プラン情報からMPLS回線における真の帯域上限を読み取る。
【0082】
次に、回線状態測定部204は、読み取った帯域上限に基づきMPLS網の状態を測定するための帯域上限を設定する。例えば、回線状態測定部204は、MPLS網の真の帯域上限に対し8割程度をMPLS回線の帯域上限に設定する。あるいは、回線状態測定部204は、上記上限を帯域使用実績等から決定してもよい。回線状態測定部204は、MPLS回線の帯域上限をMPLS回線の揺らぎ及び/又はバーストを考慮して、ある程度のマージンを持たせて決定する。
【0083】
次に、回線状態測定部204は、MPLS回線の使用帯域を算出する。具体的には、回線状態測定部204は、各拠点からインターネットにアクセスするフローごと(フローエントリごと)の統計情報(トラヒック情報)に基づき、各フローの使用帯域を計算する。各フローの使用帯域の合計が、拠点とキャリアデータセンタを接続するMPLS回線における使用帯域となる。
【0084】
次に、回線状態測定部204は、各拠点のMPLS回線の帯域上限からMPLS回線の使用帯域を減算することで、空き帯域を算出する。回線状態測定部204は、MPLS回線の契約プラン情報から得られる帯域上限とMPLS回線の使用帯域(ゲートウェイ20から得られるトラヒック情報から算出される使用帯域)に基づき、MPLS回線の空き帯域を算出する。
【0085】
回線状態測定部204は、上記の空き帯域の算出を所定間隔ごとに所定回数繰り返し、算出した複数の空き帯域に対して統計処理を行う。例えば、回線状態測定部204は、複数の空き帯域の平均値、中央値、最頻値等を算出し、空き帯域の代表値を算出する。回線状態測定部204は、算出した空き帯域の代表値を回線管理部205に引き渡す。
【0086】
回線管理部205は、取得した空き帯域の代表値がマイナスの値であれば、MPLS回線における使用帯域がマージンを持たせた帯域上限よりも大きいことを意味するので、MPLS回線が逼迫していると判断する。対して、回線管理部205は、取得した空き帯域の代表値がプラス又はゼロの値であれば、MPLS回線における使用帯域がマージンを持たせた帯域上限以下であることを意味するので、MPLS回線が逼迫しているとは判断しない。
【0087】
回線管理部205は、MPLS回線が逼迫していると判断した場合には、当該逼迫が解消するように各拠点の回線を制御する。回線管理部205は、各拠点のMPLS回線からモバイル回線へのパケットオフロードを実行する処理規則を生成する。生成された処理規則は、ゲートウェイ制御部203を介してゲートウェイ20に設定される。
【0088】
具体的には、回線管理部205は、各拠点のゲートウェイ20から得られる統計情報(トラヒック情報)に基づき、MPLS回線の帯域上限を超過している使用帯域よりも多くの帯域を消費しているフローを選択する。あるいは、回線管理部205は、複数のフローにおける使用帯域の合計が上記MPLS回線の帯域上限を超過している使用帯域よりも大きい複数のフローを選択する。
【0089】
回線管理部205は、当該選択したフローに属するパケットがMPLS回線からモバイル回線にオフロードされるような処理規則を生成する(処理規則を変更する)。
【0090】
回線管理部205は、ゲートウェイ20のトラヒック情報から各フローの使用帯域を算出し、当該使用帯域の総和がMPLS回線の帯域上限に収まるようにフローを特定し、当該特定したフロー以外のフローがオフロードされるように処理規則を生成してもよい。回線管理部205は、ゲートウェイ20のトラヒック情報から空き帯域に収まる分のデータ(通信先(IP-5tuple)やアプリケーション種別(DPI)単位)を選定し、MPLS回線側に振り分けるようゲートウェイ20に指示する。この場合、MPLS回線側に収まらない分のデータはモバイル回線側にオフロードされる(コントローラ10からゲートウェイ20に対してオフロードが指示される)。
【0091】
なお、回線管理部205によるオフロード実行可否は、過去のトラヒック情報やOS(Operating System)ベンダーのOS更新情報を参照して判断されてもよい。例えば、回線管理部205は、年間を通して見た場合の1日のトラヒック分布、特定の1日を通して見た場合の分単位のトラヒック分布などの過去データ、更に多種多様の外部データ(Big data)を参照する事で近未来のトラヒックを予想しモバイル回線への振り分けを判断してもよい。例えば、回線管理部205は、過去のトラヒック情報を参照し、OSの更新によるサイズの大きいデータが送受信されるタイミングを予測し、当該OS更新のデータはMPLS回線を利用して送受信されるようにしてもよい。また、近未来のトラヒックの予想は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を用いて実施されてもよい。
【0092】
続いて、図面を参照しつつ、第2の実施形態に係る通信システムの動作を説明する。
図7は、第2に実施形態に係る通信システムの動作を説明するための図である。
【0093】
図7に示すように、コントローラ10は、MPLS回線の空き帯域(未使用帯域)を算出する(ステップB01)。コントローラ10は、推定した空き帯域に基づき、MPLS回線が逼迫していると判断した場合には、MPLS回線を使用するフローの一部をモバイル回線にオフロードする(ステップB02)。
【0094】
このように、コントローラ10は、MPLS回線が逼迫していると判断した場合に、各拠点の端末から送信されるパケットがモバイル回線から転送されるように、各拠点のゲートウェイ20における回線切替を制御する。
【0095】
<第2の実施形態の変形例>
上記の説明では、コントローラ10は、ゲートウェイ20から取得するトラヒック情報から空き帯域を静的(Proactive/Static)に算出しているが、他の方法により空き帯域を算出してもよい。具体的には、コントローラ10は、MPLS回線における空き帯域を動的(Proactive/Dynamic)に測定しパケットオフロードの参考にしてもよい。
【0096】
はじめに、ゲートウェイ制御部203は、キャリアデータセンタのゲートウェイ20と各拠点のゲートウェイ20の間で最低優先度(IP Precedence値が「0」等)を設定したテスト用のデータを送受信する処理規則を生成し、各ゲートウェイに設定する。また、ゲートウェイ制御部203は、各ゲートウェイ20に対し、テスト用データを受信した場合には、その旨をコントローラ10に通知させる処理規則を設定する。
【0097】
さらに、ゲートウェイ制御部203は、ゲートウェイ20から上記通知(テスト用データの受信通知)を取得すると、よりサイズの大きいテスト用のデータをゲートウェイ20間で送受信させる処理規則をゲートウェイ20に設定する。ゲートウェイ制御部203は、所定期間経過してもゲートウェイ20から上記通知(テスト用データの受信通知)を受信できない場合に、その旨を回線状態測定部204に通知する。同時に、ゲートウェイ制御部203は、テスト用データの受信通知が受信できなかった場合、最後に受信したテスト用データのデータサイズも回線状態測定部204に通知する。
【0098】
ここで、MPLS回線の契約帯域上限を超えた分のデータはMPLS回線内で破棄される。回線状態測定部204は、当該事実を利用し、テスト用データの送受信から得られる情報に基づき、MPLS回線の空き帯域を測定する。上述のように、テスト用データは最低優先度で転送されているため、上限を超えてMPLS回線内のゲートウェイで破棄されるデータはテストデータとなる(
図8参照)。換言すれば、破棄されないテスト用データが使用する通信帯域は、通常のデータ(業務使用のデータ)が使用していない通信帯域に相当する。つまり、破棄されていないテスト用データの通信帯域はMPLS回線の空き帯域に相当する。
【0099】
回線状態測定部204は、取得したテスト用データの送受信時刻とパケットサイズから当該テスト用データの使用帯域を計算し、空き帯域とする。回線状態測定部204は、上記空き帯域の算出を繰り返し、得られた複数の空き帯域に対して統計処理を施すことで、代表値を算出する。
【0100】
回線管理部205は、先に説明した場合と同様に、空き帯域の代表値に収まる分のデータをMPLS回線に、収まらないデータをモバイル回線にそれぞれ収容するように処理規則を設定(変更)する。
【0101】
以上のように、第2の実施形態に係るコントローラ10は、各拠点のMPLS回線契約における帯域の上限に基づきMPLS回線からモバイル回線に切り替えるデータ量を決定する。より具体的には、第2の実施形態に係るコントローラ10は、各拠点によるMPLS回線の使用帯域が帯域上限に到達してパケット伝送速度が低下した場合に、一部フローをモバイル回線にオフロードする。その結果、第1の実施形態と同様に、ユーザがMPLS回線にて利用できる帯域を有効に活用することができる。
【0102】
[第3の実施形態]
続いて、第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0103】
第3の実施形態では、モバイル回線の状態を測定し、モバイル回線の総量制限を回避するように各拠点の回線を制御する場合について説明する。なお、第3の実施形態に係る通信システムの構成や、各装置(コントローラ10、ゲートウェイ20)の処理構成等は、第1の実施形態と同一とすることができるのでその説明を省略する。
【0104】
通常、モバイル回線において通信量の総量制限が適用されると、通信速度が低速(例えば、128kbps)に抑制される。このような状況下では、各拠点における業務に支障がありモバイル回線の通常使用が困難になる。第3の実施形態では、このような状況を回避するため、モバイル回線側で通信量の総量制限にかからないように以下の制御を行う。
【0105】
第3の実施形態に係る回線状態測定部204は、各拠点のゲートウェイ20から取得する統計情報(トラヒック情報)に基づき、モバイル回線ごとのデータ使用量の傾向を分析する。
【0106】
第3の実施形態に係る回線管理部205は、モバイル回線の総量制限が適用され通信速度が抑制されると予測されるか否かの判断を行う。具体的には、回線管理部205は、モバイル回線の使用データ量とモバイル回線の契約上の許容データ量を参照し、許容データ量に対する使用データ量の割合(使用率)を計算する。回線管理部205は、当該使用率に対して閾値処理を実行し、使用率が一定値を超えた場合に、総量制限が適用され得ると判断する。例えば、モバイル回線の契約において月単位にて許容データが設定されている場合を考える。この場合、月初からの経過日数と総量制限が適用されると想定される使用率を対応付けて管理する。例えば、月の半分を経過する前に使用率が50%を超えていれば、回線管理部205は、当月において総量制限が適用されると判断する。対して、月の半分を経過してもなお使用率が50%以下であれば、回線管理部205は、総量制限は適用されないと判断する。
【0107】
回線管理部205は、モバイル回線の総量制限が適用されると判断された場合、以下の対応を行う。
【0108】
例えば、回線管理部205は、総量制限の上限を拡張するための追加データ量をモバイル通信を提供するキャリアから購入する。具体的には、回線管理部205は、総量制限の上限を拡張するための追加データ量の購入(枠の購入)を促すアラートを管理者等に通知する。例えば、回線管理部205は、コントローラ10の保守管理画面上に上記内容のポップアップ通知やメール送信等を用いて上記アラートを実行する。
【0109】
このように、コントローラ10は、モバイル回線を介して端末からインターネットに送信されたデータの総量を算出し、算出されたデータの総量に基づいてモバイル回線の総量制限が適用され通信速度が抑制されるか否かを判断する。総量制限が適用されると判断さえた場合、コントローラ10は、モバイル回線における契約上の許容データの上限を引き上げるための処理を行う。
【0110】
あるいは、回線管理部205は、モバイル回線側で通信している非優先アプリケーション(業務アプリケーション以外)のパケットをドロップするようにしてもよい。具体的には、回線管理部205は、上記非優先アプリケーションに係るパケットを破棄するような処理規則を各拠点のゲートウェイ20に設定する。つまり、回線管理部205は、モバイル回線の使用を許可しないアプリケーション(非優先アプリケーション;業務に使用しないアプリケーション)にて使用されるパケットが各拠点のゲートウェイ20にて破棄されるような処理規則を生成する。
【0111】
あるいは、回線管理部205は、上記モバイル回線ごとのデータ使用量の傾向分析結果に基づき、モバイル回線のデータ使用量がリセット(初期化)される月末まで総量制限が適用されないように所定の割合でパケットを破棄してもよい。
【0112】
例えば、毎月7GBを超えたら通信速度が128kbpsに抑制される契約において、4月10日までのデータ使用量が3GBであるとする。当該分析によれば、一日の平均通信データ量は、0.3GBと把握される。従って、総量制限が適用されるのは(7GBに通信データ量が到達するのは)、4月24日であると予想される。現時点が4月10日であれば、月末までの残り日数は20日であり、この期間にて使用可能な通信データ量は4GBである。従って、月末までに総量制限が適用されないようにするには、1日あたりの平均データ量を0.2GB(=4GB/20日)に抑える必要がある。
【0113】
そこで、回線管理部205は、現時点での一日あたりの平均通信データ量を0.2GBに抑えるように、モバイル回線を利用するパケットを破棄する処理規則を生成する。この場合、一日あたり0.3GBのデータ使用量を一日あたり0.2GBに抑える必要があるため、回線管理部205は、33(=0.2/0.3)%の割合でパケットを破棄する処理規則をゲートウェイ20に設定する。
【0114】
上記所定割合でのパケット破棄の動作をまとめると
図9のとおりとなる。はじめに、コントローラ10、モバイル回線ごとのデータ使用量に関する分析を行う(ステップC01)。コントローラ10は、分析の結果に基づき、現状のペースにてモバイル回線の利用を進めると総量制限が適用されるか否かを判断する。
【0115】
総量制限が適用されると判断された場合には、コントローラ10は、モバイル回線を介してインターネットに転送されるパケットを所定の割合で破棄する(ステップC02)。
【0116】
以上のように、第3の実施形態では、モバイル回線の状態を測定し、当該測定結果に基づきモバイル回線におけるパケット処理を制御する。その結果、モバイル回線における総量制限が適用されず、各拠点における業務を円滑に進めることができる。
【0117】
[ハードウェア構成]
ネットワークシステムを構成する各装置のハードウェア構成を説明する。
【0118】
図10は、コントローラ10のハードウェア構成の一例を示す図である。コントローラ10は、
図10に例示する構成を備える。例えば、コントローラ10は、内部バスにより相互に接続される、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、入出力インターフェイス13及び通信手段であるNIC(Network Interface Card)14等を備える。なお、
図10に示す構成は、コントローラ10のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。コントローラ10には、図示しないハードウェアも含まれていてもよい。
【0119】
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等である。
【0120】
入出力インターフェイス13は、図示しない入出力装置のインターフェイスとなる手段である。入出力装置には、例えば、表示装置、操作デバイス等が含まれる。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。操作デバイスは、例えば、キーボードやマウス等である。
【0121】
上述のコントローラ10の各処理モジュールは、例えば、メモリ12に格納されたプログラムをCPU11が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能を何らかのハードウェア、及び/又は、ソフトウェアで実行する手段があればよい。
【0122】
なお、ゲートウェイ20もコントローラ10と同一のハードウェア構成とするこができるので説明を省略する。
【0123】
[変形例]
上記第1乃至第3の実施形態にて説明した通信システムは例示であって、システムの構成等を限定する趣旨ではない。例えば、上記実施形態では、モバイル回線にオフロードするフローの内容(パケットの中身)を考慮していない。つまり、通信データ(通信先(IP-5tuple)やアプリケーション種別(DPI)単位)を回線ごとに振り分ける際に、上記実施形態では、通信データの内容を意識せず回線を切り替える。
【0124】
このような対応に加え、コントローラ10は、パケットのペイロードに記載された情報に基づき、各拠点のゲートウェイ20における回線切替を制御してもよい。つまり、コントローラ10は、通信データの内容を考慮してオフロードするフローを選択してもよい。具体的には、ロードバランシングする通信データ(フロー)の選定に関し、以下の対応があり得る。
【0125】
第1に、コントローラ10は、MPLS回線を経由してインターネットに接続するフローの「セッション」、「プロトコル」を意識して回線を切り替えてもよい。例えば、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)、QUIC(Quick UDP Internet Connections)、SIP(Session Initiation Protocol)等に関しては、上位レイヤでセッション維持が可能である。
【0126】
そこで、コントローラ10は、このようなプロトコルに係るパケット(通信データ)を収容しているフローに関しては、優先的にモバイル回線にオフロードする。対して、FTP(File Transfer Protocol)、TELNET(テルネット)、SSH(Secure Shell)等に関しては、回線切り替えによりセッションが切断される。そのため、コントローラ10は、このようなプロトコルに係るパケットを収容するフローに関しては可能な限り回線切替(モバイル回線へのオフロード)を控える。
【0127】
また、音声通信、TV電話など、最低の伝送速度(Guaranteed Bit Rate)が保障される事で提供可能なサービスに関しては、MPLS回線が優先して利用されるようにする。
【0128】
このように、コントローラ10は、各拠点の端末からインターネットに送信されるパケットを利用するアプリケーションの種別に基づき、各拠点のゲートウェイ20における回線切替を制御してもよい。
【0129】
第2に、コントローラ10は、セッション、プロトコル及びセッションの通信時間を意識して回線を切り替えてもよい。例えば、一度の通信時間が短いセッションは、セッション接続中タイミングと回線切り替えタイミングが衝突する可能性が低い。そのため、コントローラ10は、セッション継続時間が短いセッション、プロトコルに係るパケットを収容するフローを優先的にモバイル回線にオフロードする。
【0130】
上記実施形態では、コントローラ10から各拠点のゲートウェイ20に対して、フローを指定してオフロードを実現しているが、各拠点のゲートウェイ20がオフロードするフローを決定してもよい。この場合、コントローラ10は、MPLS回線の上限をゲートウェイ20に通知する。ゲートウェイ20は、当該上限を超えると判断した場合に、一部フローをモバイル回線にオフロードしてもよい。
【0131】
また、モバイル回線への切り替え指示には、切り替え対象となるトラヒック情報が含まれていてもよい。例えば、サービスサーバ(例えば、
図2等に示すクラウドサービスサーバ)をトラヒック情報として含む事により、各支店のゲートウェイ20は特定のトラヒックに限ってモバイル回線に切り替える事が可能となる。
【0132】
上記実施形態では、MPLS回線からモバイル回線にフローをオフロードする際の方式について説明したが、上記説明した方式を単独で用いても良いし、複数のオフロード方式を組み合わせてもよい。また、各拠点のゲートウェイ20から、MPLS回線、モバイル回線経由それぞれの通信先サーバまでのPing測定を実施し、その測定結果に応じて回線の切り替えが行われてもよい。例えば、Ping測定の結果、MPLS回線よりもモバイル回線の方が高品質であれば、モバイル回線にオフロードを実施するという判断が行われても良い。
【0133】
さらに、以下の様な情報を用いて回線の切り替え判断をゲートウェイ20に指示してもよい。
・インターネット接続回線が不通と判断された場合。
・サービスサーバ(例えば、クラウドサービスサーバ)から到来するパケットに輻輳を示す情報が設定されている場合。
なお、輻輳を示す情報として、RFC3168で規定されるECN(Explicit Congestion Notification)を用いることができる。
【0134】
上記の説明により、本発明の産業上の利用可能性は明らかであるが、本発明は、専用線サービス(MPLS、IP-VPN;IP Virtual Private Networkなど)に好適に適用可能である。
【0135】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
上述の第1の視点に係る通信システムのとおりである。
[付記2]
前記コントローラは、
過去の所定期間において複数の前記指標を算出し、前記算出された複数の指標の代表値に基づき、前記第1のゲートウェイにおける回線切替を制御する、好ましくは付記1に記載の通信システム。
[付記3]
前記コントローラは、
前記第1の回線が逼迫していると判断した場合に、前記端末から送信されるパケットが前記第2の回線から転送されるように、前記第1のゲートウェイにおける回線切替を制御する、好ましくは付記1又は2に記載の通信システム。
[付記4]
前記コントローラは、
前記第3の回線が逼迫していると判断した場合に、前記端末から送信されるパケットが前記第2の回線から転送されるように、前記第1のゲートウェイにおける回線切替を制御する、好ましくは付記1又は2に記載の通信システム。
[付記5]
前記コントローラは、
前記端末からインターネットに送信されるパケットのペイロードに記載された情報に基づき、前記第1のゲートウェイにおける回線切替を制御する、好ましくは付記1乃至4のいずれか一項に記載に通信システム。
[付記6]
前記コントローラは、
前記端末からインターネットに送信されるパケットを利用するアプリケーションの種別に基づき、前記第1のゲートウェイにおける回線切替を制御する、好ましくは付記5に記載の通信システム。
[付記7]
前記第2の回線はモバイル回線であり、
前記コントローラは、
前記第2の回線を介して前記端末からインターネットに送信されたデータの総量を算出し、前記算出されたデータの総量に基づいて前記第2の回線の総量制限が適用され通信速度が抑制されると予測される場合、前記第2の回線における契約上の許容データの上限を引き上げるための処理を行う、好ましくは付記1乃至6のいずれか一に記載の通信システム。
[付記8]
前記コントローラは、
前記第2の回線の総量制限が適用されると予測される場合には、前記第1のゲートウェイから前記第2の回線を介して転送されるパケットが所定の割合で破棄されるように前記第1のゲートウェイを制御する、好ましくは付記7に記載の通信システム。
[付記9]
前記コントローラは、
第2の回線の使用を許可しないアプリケーションにて使用されるパケットが前記第1のゲートウェイにて破棄されるように前記第1のゲートウェイを制御する、好ましくは付記8に記載の通信システム。
[付記10]
前記算出された複数の指標の代表値は、平均値、中央値及び最頻値のいずれかである、好ましくは付記2乃至9のいずれか一に記載の通信システム。
[付記11]
前記第1の回線は、MPLS(Multi-Protocol Label Switching)回線である、好ましくは付記1乃至10のいずれか一に記載の通信システム。
[付記12]
上述の第2の視点に係る通信方法のとおりである。
[付記13]
端末を含む拠点に設置されたゲートウェイであって、少なくとも第1及び第2の回線に接続された第1のゲートウェイと、
前記第1のゲートウェイと前記第1の回線を介して接続されている第2のゲートウェイと、
前記第2のゲートウェイと同じセンタに設置され、インターネットと接続するための第3の回線と接続されている第3のゲートウェイと、のそれぞれを制御するコントローラに搭載されたコンピュータに、
前記第1、第2及び第3の回線のうち少なくとも1つの回線の状態を示す指標を算出する処理と、
前記算出された指標に対して統計処理を施した結果に基づいて前記第1のゲートウェイにおける回線切替を制御する処理と、
を実行させるプログラム。
なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
なお、付記12の形態及び付記13の形態は、付記1の形態と同様に、付記2の形態~付記11の形態に展開することが可能である。
【0136】
なお、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0137】
10、104 コントローラ
11 CPU(Central Processing Unit)
12 メモリ
13 入出力インターフェイス
14 NIC(Network Interface Card)
20、20-1~20-4 ゲートウェイ
101 第1のゲートウェイ
102 第2のゲートウェイ
103 第3のゲートウェイ
201 通信制御部
202 情報入力部
203 ゲートウェイ制御部
204 回線状態測定部
205 回線管理部
206、302 記憶部
301 パケット処理部