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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】水位表示装置
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/02 20060101AFI20220712BHJP
   G01F 23/04 20060101ALI20220712BHJP
   G01C 13/00 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
G01F23/02 Z
G01F23/04 Z
G01C13/00 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018233258
(22)【出願日】2018-12-13
(65)【公開番号】P2020094915
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】512214579
【氏名又は名称】株式会社インパクト
(74)【代理人】
【識別番号】110003122
【氏名又は名称】特許業務法人タナベ・パートナーズ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168930
【弁理士】
【氏名又は名称】大坪 勤
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 美保恵
(72)【発明者】
【氏名】堀野 進
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6429447(US,B1)
【文献】国際公開第2010/109375(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F23
G01C13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後に列設される複数の板状の導光体と、
前記複数の導光体の上部に取り付けられ、前記複数の導光体の各々に対してそれぞれ異なる光を出射する光出射装置と、を備え、
前記複数の導光体の各々には、それぞれ異なる水位を表示する水位表示手段が設けられたことを特徴とする水位表示装置。
【請求項2】
前記複数の導光体の各々の水位表示手段は、当該複数の導光体の各々において鉛直方向に異なる位置にそれぞれ形成され、当該導光体の内部を伝搬する光を当該導光体の前面側に向けて反射する反射層であることを特徴とする請求項1に記載の水位表示装置。
【請求項3】
前記光出射装置は、
発電を行う発電手段と、
前記発電手段により発電された電力を蓄電する蓄電手段と、
前記複数の導光体の各々に対してそれぞれ異なる光を発光する発光手段と、
前記蓄電手段に蓄えられた電力に基づいて動作し、前記発光手段による発光を制御する制御手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の水位表示装置。
【請求項4】
前記複数の導光体の上部の前後面には、隣り合う導光体への光の入射を防止する遮蔽板が配設されることを特徴とする請求項1に記載の水位表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水位表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダムや河川等においては水位を適切に把握することが重要である。水害等の災害に備えたり又は災害が発生した際に適切に避難措置等を取ることができるようにしたりするためである。従来、河川の水位に係る情報を収集するための各種発明がなされてきた(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1には、数多くの設置スペースを確保できる河川等の護岸擁壁面に、護岸擁壁の造成と共に計測機溝を構築できる浮子摺動溝を、水位目盛りに並列して設定し、同摺動溝に浮子を摺動自在に嵌着して河川水位の上昇、下降に対応して浮子が昇降して河川水位を表示する技術が開示されている。特許文献1に係る技術によれば、多くの設置スペースを確保できると共に、構造が単純でメンテナンスも容易なのでコスト的にも有利に河川管理を行うことができる。
【0004】
また特許文献2には、例えばレーダ観測によって得られた画像データを用いて河川の水位を計測する技術が開示されている。特許文献2に係る技術によれば、昼夜、天候および水害の有無を問わずに河川の水位を計測できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-209096号公報
【文献】特開2014-228400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、我が国における河川は一級河川、二級河川、準用河川および普通河川に大別される。上記従来技術は、一級河川のように国又は各都道府県によって管理され、護岸の整備が行き届いた河川では効果的であったが、その他の河川のように護岸の整備が不十分な箇所もある河川では、管理費等の関係から当該技術をそのまま適用できない問題があった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、簡易な機構により河川、特に二級河川、準用河川および普通河川等において河川の水位を適切に表示することができる水位表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明に係る水位表示装置は、前後に列設される複数の板状の導光体と、前記複数の導光体の上部に取り付けられ、前記複数の導光体の各々に対してそれぞれ異なる光を出射する光出射装置と、を備え、前記複数の導光体の各々には、それぞれ異なる水位を表示する水位表示手段が設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡易な機構により河川、特に二級河川、準用河川および普通河川等において河川の水位を適切に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る水位表示装置の構成例を示す斜視図である。
図2図1の水位表示装置を矢印Aの方向から見た側面図である。
図3図2の遮蔽板周辺の拡大図である。
図4】本発明の実施形態に係る光出射装置の具体的構成例を示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る光出射装置の具体的構成の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
[水位表示装置の構成例]
図1は、本発明の実施形態に係る水位表示装置の構成例を示す斜視図である。図2は、図1の水位表示装置を矢印Aの方向から見た側面図である。図3は、図2の遮蔽板周辺の拡大図である。
【0013】
図1に示す水位表示装置1は、光出射装置2、第一の導光体3、第二の導光体4、第三の導光体5、反射層6、7、8、遮蔽板9、取付部10を備える。この水位表示装置1は、河川等の橋脚、単独水位標支柱、水門近傍のコンクリート壁のコンクリート構造体や、従来からの非難判断をする箇所近傍その他水位監視所からの視認に優れる箇所等に取付部10を介して取付け設置される。
【0014】
光出射装置2は、第一の導光体3、第二の導光体4、第三の導光体5の上面に対して光を出射する装置である。この光出射装置2は、第一の導光体3、第二の導光体4、第三の導光体5の上部に取り付けられる。
【0015】
この光出射装置2の詳細については図4等を用いて後述するが、この光出射装置2は、第一の導光体3、第二の導光体4、第三の導光体5のそれぞれに対して異なる色の光を出射する。本実施形態では、第一の導光体3に対しては赤色LEDに基づく赤色の光を出射し、第二の導光体4に対しては橙色LEDに基づく橙色の光を出射し、第三の導光体5に対しては橙系の黄色LEDに基づく黄色(橙系)の光を出射する。
【0016】
第一の導光体3、第二の導光体4及び第三の導光体5は、図1に示すように、前後に列設される複数層(ここでは3層)構造の板状体を成しており、前後方向における後ろ方向すなわち第一の導光体3から第二の導光体4さらに第三の導光体5に向かうに従って、下方が長く構成されている。
【0017】
また、第一の導光体3の下方側の背面には反射層6が、第二の導光体4の下方側の背面には反射層7が、第三の導光体5の下方側の背面には反射層8がそれぞれ形成される。すなわち、第一の導光体3、第二の導光体4及び第三の導光体5の各々には、それぞれ鉛直方向に異なる位置において反射層6、7、8が形成されている。
【0018】
更に、第一の導光体3、第二の導光体4及び第三の導光体5の上部において、これらの導光体3、4、5の前後面には薄板状の遮蔽板9が配設される。遮蔽板9は、例えばアルミ等で形成される。この遮蔽板9は、それぞれの導光体3、4、5に入射した光が隣り合う導光体に入射されたり外部に漏れたりするのを防止するためのものである。遮蔽板9については図3を用いて後述する。
【0019】
第一の導光体3は、光出射装置2の下部の最前面に取り付けられ、光出射装置2により出射された上記の赤色の光を導光する平板状の導光体、すなわち導光板(LGP:Light Guiding Panel)である。導光板とは、側面(図1では上面)から入れた光を拡散させ、表面に均一の光を出射する板状部材である。この第一の導光体3は、高さ約1.0~4.0m、幅約1.0m、奥行き約0.005m程度の大きさである。
【0020】
この第一の導光体3は、図2に示すように、中心部のコア3aと、コア3aの周囲を覆うクラッド3bとの二層構造により構成される。コア3aは、例えば熱可塑性プラスチックの一種であるポリカーボネートで形成され、ポリカーボネートは河川の流木等による衝撃に耐える素材であるという点において好適である。クラッド3bは、コア3aよりも低屈折率の素材、例えばアクリル樹脂、シリコーン樹脂又はフッ素樹脂等で形成される。このような二層構造により、光出射装置2から入射した光は全反射によりコア3a内に閉じ込められた状態で、光エネルギーの損失を抑制した状態で第一の導光体3を伝搬することとなる。
【0021】
図3を用いて補足する。図3では第一の導光体3の前背面に取り付けられる遮蔽板9周辺の拡大図を示している。図3に示す臨界角θmは、光が第一の導光体3の内部で全反射するための臨界角である。この臨界角θmは、スネルの法則によりコア3aの屈折率(nA)とクラッド3b(nB)の屈折率の組合せによりsinθm=nA/nBで表される。そして、コア3aがポリカーボネート(屈折率1.59)であってクラッド3bがアクリル樹脂(屈折率1.491)又はシリコーン樹脂(屈折率1.43)の場合、臨界角θmはそれぞれ69.7°、64.1°となる。なお、クラッド3bが空気(屈折率1.0003)であると仮定した場合、臨界角θmは39.0°となる。
【0022】
このように臨界角θmはクラッド3bの屈折率により異なるが、本実施形態では、空気の屈折率に相当する39.0°以下になるように設定する。すなわち、臨界角θm=39.0°である場合のLの距離は、コア3aの厚みtの1.235倍となることにより、遮蔽板9の長さをコア3aの厚みtの1.5~2.0倍として設定する。
【0023】
これにより、以下のような効果を奏する。その効果とは、この遮蔽板9が設けられない場合、特に、導光体3、4、5に入射する光のうち同導光体3、4、5への入射角が所定角(39.0°)以上の光は隣り合う導光体に入射されたり外部に漏れたりしてしまうが、遮蔽板9はこのような光の発生を制御することができる。所定角は、入射光の周波数や後述する各導光体3、4、5のコア3a、4a、5a、クラッド3b、4b、5bの屈折率によって決定され、遮蔽板9の縦長さもこの所定角に応じて決定される。
【0024】
また第一の導光体3の下方側の背面には反射層6が形成される。反射層6は、例えばアルミ等で形成された薄膜の反射層である。この反射層6は、第一の導光体3の内部を伝搬する光を当該水位表示装置1の前面側に向けて反射させるためのものである。また反射層6は、日中も歩行者等が認識できるよう光出射装置2からの出射光(本実施形態では上記の赤色)に近似させた色とする。この反射層6は、高さ約0.05~0.2m、幅約1.0m程度の歩行者等が認識可能な大きさである。
【0025】
当該水位表示装置1が設置される河川等において水面が、反射層6の上端に相当する第一の水位L1より下方に位置している場合には、歩行者等は反射層6による反射光を認識可能となる。他方、水面が第一の水位L1より上方に位置している場合には、反射層6による反射光は視認不可能となる。すなわち、水位表示装置1の反射層6は、水面が第一の水位L1より上方か下方かの水位を表示する第一の水位表示手段であると言い換えることができる。本実施形態では、反射層6は氾濫危険水位である赤色の反射光を反射するため、当該水位は氾濫危険水位を示すこととなる。
【0026】
第二の導光体4は、光出射装置2の下部の第一の導光体3の背面に取り付けられ、光出射装置2により出射された上記の橙色の光を導光する平板状の導光体である。この第二の導光体4は、第一の導光体3よりも鉛直下方向に長く、高さは第一の導光体3よりも長い約1.1~4.3m、幅約1.0m、奥行き約0.005m程度の大きさである。
【0027】
この第二の導光体4は、図2に示すように、中心部のコア4aと、コア4aの周囲を覆うクラッド4bとの二層構造により構成される。コア4a及びクラッド4bについては、それぞれ前述のコア3a及びクラッド3bと同様であるとしてここでは説明を省略する。
【0028】
また第二の導光体4の下方側の背面には反射層7が形成される。反射層7は、例えばアルミ等で形成された薄膜の反射層である。この反射層7は構成及び作用において反射層6と基本的には同様であるが、以下、反射層7が有する相違点のみ説明する。
【0029】
まず反射層7は、日中も歩行者等が認識できるよう光出射装置2からの出射光(本実施形態では上記の橙色)に近似させた色とする。この反射層7は、当該水位表示装置1が設置される河川等において水面が、反射層6の下端と反射層7の上端との間に相当する第二の水位L2より下方に位置している場合には、歩行者等は反射層7による反射光を認識可能となる。他方、水面が第二の水位L2より上方に位置している場合には、反射層7による反射光は視認不可能となる。すなわち、水位表示装置1の反射層7は、水面が第二の水位L2より上方か下方かの水位を表示する第二の水位表示手段であると言い換えることができる。本実施形態では、反射層7は避難判断水位である橙色の反射光を反射するため、当該水位は避難判断水位を示すこととなる。
【0030】
第三の導光体5は、光出射装置2の下部の第二の導光体4の背面(最背面)に取り付けられ、光出射装置2により出射された上記の黄色の光を導光する平板状の導光体である。この第三の導光体5は、第二の導光体4よりも鉛直下方向に長く、高さは第二の導光体4よりも長い約1.2~4.4m、幅約1.0m、奥行き約0.005m程度である。
【0031】
この第三の導光体5は、図2に示すように、中心部のコア5aと、コア5aの周囲を覆うクラッド5bとの二層構造により構成される。コア5a及びクラッド5bについては、それぞれ前述のコア3a及びクラッド3bと同様であるとしてここでは説明を省略する。
【0032】
また第三の導光体5の下方側の背面には反射層8が形成される。反射層8は、例えばアルミ等で形成された薄膜の反射層である。この反射層8は構成及び作用において反射層6や反射層7と基本的には同様であるが、以下、反射層8が有する相違点のみ説明する。
【0033】
まず反射層8は、日中も歩行者等が認識できるよう光出射装置2からの出射光(本実施形態では上記の黄色)に近似させた色とする。この反射層8は、当該水位表示装置1が設置される河川等において水面が、反射層7の下端と反射層8の上端との間に相当する第三の水位L3より下方に位置している場合には、歩行者等は反射層8による反射光を認識可能となる。他方、水面が第三の水位L3より上方に位置している場合には、反射層8による反射光は視認不可能となる。すなわち、水位表示装置1の反射層8は、水面が第三の水位L3より上方か下方かの水位を表示する第三の水位表示手段であると言い換えることができる。本実施形態では、反射層8は氾濫注意水位である黄色の反射光を反射するため、当該水位は氾濫注意水位を示すこととなる。
【0034】
この第三の導光体5の背面の左右端縁には、当該水位表示装置1を河川等の橋脚、単独水位標支柱、水門近傍のコンクリート壁のコンクリート構造体等に取り付けるための取付部10が複数配設されている。各々の取付部10は、中央にボルト孔が形成された平座金(ワッシャー)である。ボルト等の固定部材が当該取付部10のボルト孔を介してコンクリート構造体に設けられた穴部(不図示)に嵌挿されることによって、当該水位表示装置1はコンクリート構造体等に取り付けられる。なお、反射層6、7、8がそれぞれ当該水位表示装置1が取り付けられる河川等の氾濫危険水位、避難判断水位、氾濫注意水位を示す高さに位置されるように取り付けられる。
【0035】
以上説明してきたように、本実施形態に係る水位表示装置1は、水面が第一の水位L1より上方か下方かの水位を表示する第一の水位表示手段である反射層6と、水面が第二の水位L2より上方か下方かの水位を表示する第二の水位表示手段である反射層7と、水面が第三の水位L3より上方か下方かの水位を表示する第三の水位表示手段である反射層8とを有する。すなわち、複数の導光体3、4、5の各々には、それぞれ異なる水位を表示する水位表示手段が設けられている。水位表示装置1は、各反射層6~8がそれぞれ異なる色、すなわち赤色、橙色及び黄色を表示することによって、歩行者等は、表示された色に応じて河川の水位を適切に認識することができる。
【0036】
なお、光出射装置2は、日没から日出まで一定の輝度で第一の導光体3、第二の導光体4、第三の導光体5のそれぞれに対して異なる色の光を出射する。これにより、避難行動等への判断がし易くなるようにする。また、当該水位表示装置1において、反射層6の上端より上側全体をステンレス等により被装させることによって、河川の流木等による衝撃から保護することが好ましい。また、反射層6の上端より下側についても、反射層6、反射層7及び反射層8の前面を除きステンレス等により被装する。
【0037】
さらに、図1に示す水位表示装置1では、第一の導光体3から第二の導光体4さらに第三の導光体5に向かうに従って、下方が長く構成されているが、この場合に限定されるものではない。第一の導光体3、第二の導光体4及び第三の導光体5のすべてが同じ長さであっても良い。
【0038】
また、図1に示す水位表示装置1では、第一の導光体3、第二の導光体4及び第三の導光体5の幅が約1.0m程度である場合を例に説明してきたが、幅は約0.1m~約1.0m程度が好適である。反射層6、7、8の縦長は約0.05m~約0.20m程度が好適である。
【0039】
[光出射装置の構成例]
図4は、本発明の実施形態に係る光出射装置の具体的構成例を示す図である。なお、以下の説明において前述と同様の構成要素については同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。また、説明の便宜上、図4では、第一の導光体3、第二の導光体4及び第三の導光体5を示している。
【0040】
図4に示す光出射装置2は、制御基板21、発電装置22、蓄電装置23、第一のLED群24、第二のLED群25、第三のLED群26、及びこれらが配設される筐体27を備える。この光出射装置2は、当該水位表示装置1が河川等に設置される際、水没しないエリアに設置される。
【0041】
制御基板21は、後述する第一のLED群24、第二のLED群25、第三のLED群26による発光を制御する制御手段である。この制御基板21は、蓄電装置23に蓄えられた電力に基づいて動作し、第一のLED群24、第二のLED群25、第三のLED群26による発光を制御する。発電装置22は、発電を行う発電手段、例えば小型の太陽光パネルである。蓄電装置23は、発電装置22により発電された電力を蓄電する蓄電手段、例えば大容量コンデンサーである。
【0042】
第一のLED群24は、第一の導光体3の上面全体に対して光を出射すべく、図4に示すように、第一の導光体3の幅方向に沿って所定の間隔(例えば、第一の導光体3の幅が約0.2mの場合において0.04m)毎に配設されて発光を行う発光手段としての複数のLED(Light Emitting Diode)、ここでは赤色LEDである。図4では4個のLEDが等間隔で下向きに配設される。
【0043】
第二のLED群25は、第二の導光体4の上面全体に対して光を出射すべく、第二の導光体4の幅方向に沿って所定の間隔毎に配設されて発光を行う発光手段としての複数のLED、ここでは橙色LEDである。図4では4個のLEDが等間隔で下向きに配設される。
【0044】
第三のLED群26は、第三の導光体5の上面全体に対して光を出射すべく、第三の導光体5の幅方向に沿って所定の間隔毎に配設されて発光を行う発光手段としての複数のLED、ここでは黄色LEDである。図4では4個のLEDが等間隔で下向きに配設される。
【0045】
以上、図4を用いて説明してきたように、本実施形態に係る光出射装置2は、制御基板21、発電装置22、蓄電装置23、第一のLED群24、第二のLED群25、第三のLED群26からなり、外部電源を必要としない簡易な機構である。加えて、第一のLED群24、第二のLED群25、第三のLED群26が、前述の第一の導光体3、第二の導光体4、第三の導光体5の各々に対してそれぞれ異なる光を発光するという簡易な構成である。これにより、河川、特に二級河川、準用河川および普通河川等において河川の水位を適切に表示することができる。
【0046】
なお、当該光出射装置2のうちの制御基板21、発電装置22、蓄電装置23については、図4に示すように第一のLED群24、第二のLED群25及び第三のLED群26と一体型であっても良いし、図5に示すように、これら第一のLED群24、第二のLED群25及び第三のLED群26と分離型であっても良い。図5は、本発明の実施形態に係る光出射装置の具体的構成の変形例を示す斜視図である。
【0047】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものであり、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0048】
例えば、上記説明においては、水位表示装置1が3層の第一の導光体3、第二の導光体4、第三の導光体5に対して異なる3種類の光を出射させる場合を例に挙げて説明してきたが、この場合に限定されるものではない。例えば、2層の導光体に対して異なる2種類の光を出射させても良いし、4層以上であってもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 水位表示装置
2 光入射装置
3 第一の導光体
4 第二の導光体
5 第三の導光体
6 反射層(第一の水位表示手段)
7 反射層(第二の水位表示手段)
8 反射層(第三の水位表示手段)
9 遮蔽板
21 制御基板
22 発電装置
23 蓄電装置
24 第一のLED群
25 第二のLED群
26 第三のLED群
図1
図2
図3
図4
図5