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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】メンテナンス装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20220712BHJP
【FI】
G07D9/00 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019206696
(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公開番号】P2021081821
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2020-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】大島 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】加賀屋 太郎
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-155561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技メダルのメンテナンス装置であって、
1又は複数のベルトを有する第1ベルト部と、
複数のベルトを有する第2ベルト部と、
液体を供給する液体供給部と、を備え、
前記液体供給部から供給される液体は、前記第1ベルト部が有するベルトに付着されるとともに、当該ベルトが遊技メダルと接触することによって遊技メダルに付着され、
前記第2ベルト部では、前記第1ベルト部から流入した遊技メダルを、複数のベルトで挟み込むことによって研磨し、
前記液体供給部は、液体を貯留する貯液容器と、前記第1ベルト部が有するベルトに液体を吐出する吐出部と、前記貯液容器内にある液体を前記吐出部へ送出するポンプと、前記貯液容器及び前記吐出部及び前記ポンプを相互に接続する配管と、を備え、
前記貯液容器は、上方に向かって開口する開口部を有する箱状の容器であり、
前記開口部は、前記第1ベルト部が有するベルトの下方に位置していることを特徴とするメンテナンス装置。
【請求項2】
前記第1ベルト部が有するベルトのうち遊技メダルと接触する部分は、保液性を有する請求項1に記載のメンテナンス装置。
【請求項3】
前記第1ベルト部は、前記液体供給部から供給される液体が付着される上ベルトと、当該上ベルトの下方に配設された下ベルトと、を有し、前記第1ベルト部では、前記上ベルトと前記下ベルトとで挟み込んだ状態にて遊技メダルを搬送し、
前記上ベルトに付着された液体のうち余剰の液体は、前記下ベルトに付着し、前記下ベルトでも保持し切れない液体は、前記下ベルトから落下し、前記開口部から前記貯液容器に流入される請求項1又は請求項2に記載のメンテナンス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技メダルのメンテナンス装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技メダルのメンテナンス装置には、遊技メダルを研磨して汚れを除去するものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-81490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のメンテナンス装置では、遊技メダルから汚れをさらに効率的に除去することが望まれていた。
本発明の目的は、遊技メダルから汚れを除去し易いメンテナンス装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するメンテナンス装置は、遊技メダルのメンテナンス装置であって、1又は複数のベルトを有する第1ベルト部と、複数のベルトを有する第2ベルト部と、液体を供給する液体供給部と、を備え、前記液体供給部から供給される液体は、前記第1ベルト部が有するベルトに付着されるとともに、当該ベルトが遊技メダルと接触することによって遊技メダルに付着され、前記第2ベルト部では、前記第1ベルト部から流入した遊技メダルを、複数のベルトで挟み込むことによって研磨し、前記液体供給部は、液体を貯留する貯液容器と、前記第1ベルト部が有するベルトに液体を吐出する吐出部と、前記貯液容器内にある液体を前記吐出部へ送出するポンプと、前記貯液容器及び前記吐出部及び前記ポンプを相互に接続する配管と、を備え、前記貯液容器は、上方に向かって開口する開口部を有する箱状の容器であり、前記開口部は、前記第1ベルト部が有するベルトの下方に位置していることを要旨とする。
【0006】
上記メンテナンス装置について、前記第1ベルト部が有するベルトのうち遊技メダルと接触する部分は、保液性を有するとよい。
上記メンテナンス装置について、前記第1ベルト部は、前記液体供給部から供給される液体が付着される上ベルトと、当該上ベルトの下方に配設された下ベルトと、を有し、前記第1ベルト部では、前記上ベルトと前記下ベルトとで挟み込んだ状態にて遊技メダルを搬送し、前記上ベルトに付着された液体のうち余剰の液体は、前記下ベルトに付着し、前記下ベルトでも保持し切れない液体は、前記下ベルトから落下し、前記開口部から前記貯液容器に流入されるとよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技メダルから汚れを除去し易い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態のメンテナンス装置の模式図。
図2】第2実施形態のメンテナンス装置の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、メンテナンス装置の第1実施形態について説明する。
メンテナンス装置10は、遊技メダルMdをメンテナンスするための装置である。メンテナンス装置10は、遊技メダルMdのメンテナンスの一例として、遊技メダルMdの洗浄、及び遊技メダルMdの研磨を可能に構成されている。
【0010】
メンテナンス装置10の概略について説明する。
図1に示すように、メンテナンス装置10は、遊技メダルMdを貯留する第1貯留部11と、遊技メダルMdを搬送しながら液体を付着させる付着部12と、遊技メダルMdを搬送しながら研磨する研磨部15と、メンテナンス済みの遊技メダルMdを貯留する第2貯留部20と、液体を供給する給液機構21と、を備える。
【0011】
以下の説明では、付着部12及び研磨部15による遊技メダルMdの搬送方向を単に「搬送方向Df」と示す。また、単に「上流側」と示す場合、搬送方向Dfにおける上流側を意味し、単に「下流側」と示す場合、搬送方向Dfにおける下流側を意味する。
【0012】
メンテナンス装置10について詳細に説明する。
第1貯留部11は、投入口(不図示)から投入された遊技メダルMdを貯留する箱状の部分である。第1貯留部11の底及び側壁は、遊技メダルMdと接する内面が平面状であってもよく、内面に凹凸があってもよく、複数の貫通孔を有して異物を外部に排出可能であってもよい。
【0013】
付着部12は、複数のプーリ13と、複数のプーリ13に架け渡された環状のベルト14と、プーリ13を回転させるモータ(不図示)と、を備える。ベルト14は、搬送方向Dfへ向かって上るように傾斜する。付着部12は、1又は複数のベルトを有する第1ベルト部の一例である。
【0014】
ベルト14のうち少なくとも外周面は、ポリ塩化ビニル及びポリウレタン等のように、吸水性を有さない材料製、又は吸水性が低い材料製である。つまり、ベルト14のうち遊技メダルMdと接触する部分は、保液性がない、又は保液性が小さい。
【0015】
ベルト14の外周面には、当該外周面の外側に向かって突出する複数の係止部14aが形成されている。複数の係止部14aは、搬送方向Df及び垂直方向と直交する幅方向Dwに沿って延びる。ベルト14の周方向に沿った複数の係止部14aの間隔は、遊技メダルMdの直径よりも大きい。
【0016】
研磨部15は、複数のプーリ16と、複数のプーリ16に架け渡された環状の下ベルト17と、プーリ16を回転させるモータ(不図示)と、を備える。研磨部15は、下ベルト17の上側に、複数のプーリ18と、複数のプーリ18に架け渡された環状の上ベルト19と、プーリ18を回転させるモータ(不図示)と、を備える。研磨部15は、複数のベルトを有する第2ベルト部の一例である。下ベルト17及び上ベルト19は、研磨布である。例えば、研磨布は、帆布であってもよく、毛足が長い布であってもよく、研磨材が基材に塗布された布であってもよい。
【0017】
下ベルト17と上ベルト19とは、上下方向に並んでいる。下ベルト17のうち、プーリ16,16の間にある部分と、上ベルト19のうちプーリ18,18の間にある部分とは、相互に平行となるように対向する。下ベルト17と上ベルト19との離間距離は、遊技メダルMdの厚さと同じ長さ、又は略同じ長さである。下ベルト17と上ベルト19との離間距離は、遊技メダルMdの厚さより僅かに短くてもよい。研磨部15は、付着部12のベルト14によって搬送された遊技メダルMdを挟み込み、下ベルト17と上ベルト19との隙間へ受け渡す中継ローラ26,26を備える。
【0018】
第2貯留部20は、研磨部15によって搬送された遊技メダルMdを貯留する箱状の部分である。第2貯留部20の底及び側壁は、遊技メダルMdと接する内面が平面状であってもよく、内面に凹凸があってもよく、複数の貫通孔を有して異物を外部に排出可能であってもよい。
【0019】
給液機構21は、液体wを貯留する貯液容器22と、液体wを吐出する吐出部23と、貯液容器22内にある液体wを吐出部23へ送出するポンプ24と、配管25と、を備える。吐出部23は、液体wの吐出口を有するとともに、当該吐出口が下ベルト17の下流側端部に向かうように配設されている。吐出部23は、下ベルト17によって搬送される遊技メダルMdに対して直接的に液体wを吐出する。吐出部23は、液体wを供給する液体供給部の一例である。配管25は、貯液容器22、吐出部23、及びポンプ24を相互に接続する。
【0020】
貯液容器22は、下ベルト17の下方に位置する。貯液容器22は、上方に向かって開口する開口部22aを有する箱状の容器である。下ベルト17から落下する液体wは、開口部22aから貯液容器22へ流入する。開口部22aは、下ベルト17から余剰の液体wを回収する回収部の一例を構成し、貯液容器22は、回収した液体wを貯留する貯留部の一例を構成する。液体wは、界面活性剤等のように、遊技メダルMdに付着した汚れの除去を促進するための添加剤を含み、pH9~pH11のアルカリ性水溶液である。
【0021】
メンテナンス装置10の作用を説明する。
遊技メダルMdは、メンテナンス装置10の投入口(不図示)から投入されると、第1貯留部11へ流入し、当該第1貯留部11にて貯留される。図中において矢印で示すように、モータ(不図示)が駆動してプーリ13が回転すると、ベルト14が駆動する。第1貯留部11内にある遊技メダルMdは、ベルト14の係止部14aに係止され、搬送方向Dfに向かって搬送される。
【0022】
給液機構21のポンプ24が駆動すると、液体wが吐出部23からベルト14の上面のうち、下流側端部へ向かって吐出される。つまり、液体wは、ベルト14によって搬送される遊技メダルMdに対して、ベルトを介さないで供給される。
【0023】
液体wは、搬送されている遊技メダルMd、又はベルト14に掛けられた後、ベルト14の上面を搬送方向Dfとは反対方向へと流下する。つまり、付着部12を構成するベルト14のうち、研磨部15側の部分に液体wが供給され、反対の第1貯留部11側へ向かって流れる。
【0024】
余剰の液体wは、ベルト14の上流側端部から落下する。ベルト14から落下する液体wは、開口部22aから受け入れられ、貯液容器22へ流入する。そして、ポンプ24の駆動により、再び吐出部23から吐出される。つまり、メンテナンス装置10において、液体wは、循環し、再利用される。
【0025】
液体wは、ベルト14の上面を流下するとき、搬送中である複数の遊技メダルMdに付着し得る。液体wは、吐出部23から継続して吐出され、遊技メダルMdに付着する液体が継続して入れ替わる。これにより、遊技メダルMdの汚れが洗い流される。遊技メダルMdに付着する液体wは、下流側にある遊技メダルMdほど新しくなる。このため、遊技メダルMdから洗い流された汚れが再び遊技メダルMdに付着することが抑制される。
【0026】
遊技メダルMdは、ベルト14の下流側端部に到達すると、中継ローラ26,26に挟み込まれる。遊技メダルMdは、中継ローラ26,26に挟み込まれるまで、ベルト14の下流側端部に滞留する。ベルト14の下流側端部は、遊技メダルMdが滞留し易い滞留部Tsとなる。そして、本実施形態では、滞留部Tsに滞留している遊技メダルMdに対して、液体wが供給されることとなる。
【0027】
中継ローラ26,26に挟み込まれた遊技メダルMdは、下ベルト17と上ベルト19との隙間に受け入れられる。図中において矢印で示すように、複数のプーリ16が回転すると、下ベルト17が駆動するとともに、複数のプーリ18が回転すると、上ベルト19が駆動する。なお、複数のプーリ16と複数のプーリ18とは、回転方向が逆である。下ベルト17及び上ベルト19が駆動すると、これらの間に遊技メダルMdが挟み込まれた状態にて搬送され、研磨される。このように、研磨部15では、付着部12から流入した遊技メダルMdを、複数のベルトで挟み込むことによって研磨する。その後、遊技メダルMdは、第2貯留部20へ流入し、貯留される。
【0028】
第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)本実施形態によれば、付着部12が有するベルト14によって搬送される遊技メダルMdに対して、ベルトを介さないで液体wが供給されることから、遊技メダルMdに付着した汚れを落とし易くできる。その上で、研磨部15では、複数のベルト17,19で挟み込むことで遊技メダルMdが研磨されるから、遊技メダルMdから汚れを除去し易くできる。
【0029】
(1-2)本実施形態によれば、ベルト14のうち遊技メダルMdと接触する部分について保液性がないことから、遊技メダルMdに対して、十分量の液体wを付着させ得る。
(1-3)本実施形態によれば、遊技メダルMdに対して洗浄液を付着させることから、汚れをさらに効率的に除去できる。
【0030】
(1-4)本実施形態によれば、余剰の液体wを回収できることから、液体wの再利用などに供することができる。
(1-5)本実施形態によれば、付着部12を構成するベルト14のうち、研磨部15側の部分に液体wが供給され、反対側に向かって流れるようになる。このため、付着部12によって搬送される遊技メダルMdと、液体wとが接触している時間を長くすることができる。よって、遊技メダルMdから汚れを除去し易くできる。
【0031】
(1-6)本実施形態によれば、滞留している遊技メダルMdに対して液体wが供給されるから、遊技メダルMdと、液体wとが接触している時間を長くすることができる。よって、遊技メダルMdから汚れを除去し易くできる。
【0032】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について説明する。
以下の説明では、既に説明した構成と同じ構成については同じ符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略化する。
【0033】
第2実施形態のメンテナンス装置30の概略について説明する。
図2に示すように、メンテナンス装置30は、第1貯留部11と、遊技メダルMdを搬送する搬送部31と、遊技メダルMdを搬送しながら液体を付着させる付着部35と、付着部35から受け入れた遊技メダルMdを搬送しながら研磨する研磨部40と、第2貯留部20と、給液機構21と、を備える。
【0034】
搬送部31は、複数のプーリ32と、複数のプーリ32に架け渡された環状のベルト33と、プーリ32を回転させるモータ(不図示)と、を備える。ベルト33は、搬送方向Dfへ向かって上るように傾斜する。ベルト33の外周面には、当該外周面の外側に向かって突出する複数の係止部33aが形成されている。複数の係止部33aは、幅方向Dwに沿って延びる。ベルト33の周方向に沿った複数の係止部33aの間隔は、遊技メダルMdの直径よりも大きい。
【0035】
付着部35は、複数のプーリ36と、複数のプーリ36に架け渡された環状の下ベルト37と、プーリ36を回転させるモータ(不図示)と、を備える。付着部35は、下ベルト37の上方に、複数のプーリ38と、複数のプーリ38に架け渡された環状の上ベルト39と、プーリ38を回転させるモータ(不図示)と、を備える。付着部35は、第1ベルト部の一例である。下ベルト37及び上ベルト39は、保液性を有する材料製(一例として研磨布)である。つまり、付着部35が有するベルト39のうち遊技メダルMdと接触する部分は、保液性を有する。
【0036】
下ベルト37と上ベルト39とは、上下方向に並んでいる。下ベルト37の上流側端部は、上ベルト39の上流側端部よりも搬送部31側(上流側)に突出している。下ベルト37の上流側端部は、ベルト33の下流側端部の下方に位置する。下ベルト37のうちプーリ36,36の間にある部分と、上ベルト39のうちプーリ38,38の間にある部分とは、相互に平行となるように対向する。例えば、下ベルト37と上ベルト39との離間距離は、遊技メダルMdの厚さと同じ長さ、又は略同じ長さである。下ベルト37と上ベルト39との離間距離は、遊技メダルMdの厚さより僅かに短くてもよい。
【0037】
研磨部40は、複数のプーリ41と、複数のプーリ41に架け渡された環状の下ベルト42と、プーリ41を回転させるモータ(不図示)と、を備える。研磨部40は、下ベルト42の上方に、複数のプーリ43と、複数のプーリ43に架け渡された環状の上ベルト44と、プーリ43を回転させるモータ(不図示)と、を備える。研磨部40は、複数のベルトを有する第2ベルト部の一例である。下ベルト42及び上ベルト44は、研磨布である。
【0038】
下ベルト42と上ベルト44とは、上下方向に並んでいる。下ベルト42の上流側端部は、上ベルト44の上流側端部よりも付着部35側(上流側)に突出している。下ベルト42のうちプーリ41,41の間にある部分と、上ベルト44のうちプーリ43,43の間にある部分とは、相互に平行となるように対向する。例えば、下ベルト42と上ベルト44との離間距離は、遊技メダルMdの厚さと同じ長さ、又は略同じ長さである。下ベルト42と上ベルト44との離間距離は、遊技メダルMdの厚さより僅かに短くてもよい。
【0039】
メンテナンス装置10は、ベルトを支持する支持部34を備える。本実施形態の支持部34は、回転可能なローラであるが、これに限らず、板状であってもよい。支持部34は、ベルト33,37,39,42,44の内側にそれぞれ配設されている。
【0040】
貯液容器22は、下ベルト37及び上ベルト39の下方に位置する。平面視において、貯液容器22の開口部22aは、下ベルト37及び上ベルト39よりも大きい。平面視において、下ベルト37及び上ベルト39は、その全体が開口部22aの内側に配置されている。
【0041】
メンテナンス装置30の作用について説明する。
遊技メダルMdは、メンテナンス装置10の投入口から投入されると、第1貯留部11へ流入し、第1貯留部11にて貯留される。図中において矢印で示すように、モータ(不図示)が駆動してプーリ32が回転すると、ベルト33が駆動する。第1貯留部11内にある遊技メダルMdは、ベルト33の係止部33aに係止され、搬送方向Dfに向かって搬送される。
【0042】
遊技メダルMdは、ベルト33の下流側端部に到達すると、付着部35における下ベルト37と上ベルト39との隙間に受け入れられる。なお、ベルト33の下流側端部から下ベルト37の上流側端部に落下した遊技メダルMdは、下ベルト37と上ベルト39とに挟み込まれるまでに所定の時間を要する。したがって、付着部35のうち、ベルト33から下ベルト37へと遊技メダルMdが受け渡される部分は、遊技メダルMdが滞留し易い滞留部Tsとなる。
【0043】
図中において矢印を用いて示すように、複数のプーリ36が回転すると、下ベルト37が駆動するとともに、複数のプーリ38が回転すると、上ベルト39が駆動する。なお、複数のプーリ36と複数のプーリ38とは、回転方向が逆である。下ベルト37及び上ベルト39が駆動すると、これらの間に遊技メダルMdが挟み込まれた状態で搬送される。
【0044】
給液機構21のポンプ24が駆動すると、液体wが吐出部23からベルト39へ向かって吐出される。液体wは、ベルト39に保持されるとともに、搬送中である遊技メダルMdに付着する。つまり、付着部35では、遊技メダルMdへの液体wの付着と、研磨とが同時に行われる。このように、吐出部23から供給される液体wは、付着部35が有する上ベルト39に付着されるとともに、当該上ベルト39が遊技メダルMdと接触することによって遊技メダルMdに付着される。
【0045】
ベルト39にて保持し切れない液体wは、下方にあるベルト37へと移行し、保持される。つまり、上ベルト39に付着された液体wのうち余剰の液体wは、下ベルト37に付着する。ベルト37でも保持し切れない液体wは、ベルト37から落下するとともに、開口部22aから受け入れられ、貯液容器22へ流入する。そして、ポンプ24の駆動により、再び吐出部23から吐出される。このように、液体wは、下ベルト37及び上ベルト39によって搬送される遊技メダルMdに対して、上ベルト39を介して供給される。
【0046】
続けて、遊技メダルMdは、下ベルト42と上ベルト44との隙間に受け入れられる。図中において矢印で示すように、複数のプーリ41が回転すると、下ベルト42が駆動するとともに、複数のプーリ43が回転すると、上ベルト44が駆動する。なお、複数のプーリ41と複数のプーリ43とは、回転方向が逆である。下ベルト42及び上ベルト44が駆動すると、これらの間に遊技メダルMdが挟み込まれた状態にて搬送されつつ、研磨される。このように、研磨部40では、付着部35から流入した遊技メダルMdを、複数のベルトで挟み込むことによって研磨する。その後、遊技メダルMdは、第2貯留部20へ流入し、貯留される。
【0047】
第2実施形態の効果について説明する。
(2-1)本実施形態によれば、付着部35が有する上ベルト39を介して液体wが遊技メダルMdに付着されることから、遊技メダルMdに付着した汚れを落とし易くできる。その上で、研磨部40では、複数のベルト42,44で挟み込むことで遊技メダルMdが研磨されるから、遊技メダルMdから汚れを除去し易くできる。
【0048】
(2-2)本実施形態によれば、上ベルト39のうち遊技メダルMdと接触する部分について保液性があることから、遊技メダルMdに対する液体wの付着量を安定させることができる。
【0049】
(2-3)本実施形態によれば、余剰の液体wが重力によって下ベルト37へ移動し、付着することから、遊技メダルMdに対して過剰に液体wが付着することを抑制できる。
(2-4)本実施形態によれば、遊技メダルMdに対して洗浄液を付着させることから、汚れをさらに効率的に除去できる。
【0050】
(2-5)本実施形態によれば、余剰の液体wを回収できることから、例えば液体wの再利用などに供することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
【0051】
本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・各実施形態において、付着部及び研磨部は、ローラによって構成してもよい。
【0052】
第1実施形態であれば、付着部12におけるベルト14に代えて遊技メダルMdを搬送可能なローラを設けて第1ローラ部を構成するとともに、研磨部15における下ベルト17及び上ベルト19に代えて2つのローラを設けて第2ローラ部を構成するとよい。本別例によれば、第1ローラ部が有するローラによって搬送される遊技メダルMdに対して、ローラを介さないで液体wが供給されることから、遊技メダルMdに付着した汚れを落とし易くできる。その上で、第2ローラ部では、複数のローラで挟み込むことで遊技メダルMdが研磨されるから、遊技メダルMdから汚れを除去し易くできる。
【0053】
第2実施形態であれば、付着部35における下ベルト37及び上ベルト39に代えて2つのローラを設けて第1ローラ部を構成するとともに、下ベルト42及び上ベルト44に代えて2つのローラを設けて第2ローラ部を構成するとよい。そして、吐出部23から供給される液体wは、第1ローラ部が有するローラに付着されるとともに、当該ローラが遊技メダルMdと接触することによって遊技メダルMdに付着され、第2ローラ部では、第1ローラ部から流入した遊技メダルMdを、複数のローラで挟み込むことによって研磨するように構成される。本別例によれば、第1ローラ部が有するローラを介して液体wが遊技メダルMdに付着されることから、遊技メダルMdに付着した汚れを落とし易くできる。その上で、第2ローラ部では、複数のローラで挟み込むことで遊技メダルMdが研磨されるから、遊技メダルMdから汚れを除去し易くできる。なお、以下に説明する各変更例についても、それぞれベルトをローラに読み替えて適用することも可能である。
【0054】
・各実施形態において、液体wの成分は変更してもよい。液体wは、酸性水溶液、又は中性水溶液であってもよく、洗浄液でなくてもよい。
・各実施形態において、液体wは、吐出部23の吐出口から継続的に吐出されたが、間欠的に吐出される構成であってもよい。また、第1実施形態において、液体wは、吐出部23から遊技メダルMdに対して液体wを噴霧や滴下する構成であってもよく、刷毛のような部材によって遊技メダルMdに対して液体wを塗布する構成であってもよい。
【0055】
・各実施形態において、第2ベルト部(研磨部15,40)を構成する下ベルト及び上ベルトの駆動速度を変更してもよい。具体的に、遊技メダルMdと接する部分における単位時間当りのベルトの進行速度は、上ベルト及び下ベルトで同一であってもよく、一方のベルトが他方のベルトに比して速くてもよい。第2実施形態における第1ベルト部(付着部35)についても同様に変更できる。
【0056】
・各実施形態において、第2ベルト部(研磨部15,40)を構成する下ベルト及び上ベルトの駆動方向を変更してもよい。具体的に、遊技メダルMdと接する部分におけるベルトの進行方向は、上ベルト及び下ベルトで同一方向であってもよく、上ベルト及び下ベルトで反対方向であってもよい。第2実施形態における第1ベルト部(付着部35)についても同様に変更できる。
【0057】
・第1実施形態において、第1ベルト部(付着部12)は、複数のベルトを備えていてもよい。本変更例においても、遊技メダルMdに対して、吐出部23から直接的に液体wを付着させるとよい。また、本変更例において、上述した変更例のように、複数のベルトの進行速度及び進行方向を変更できる。
【0058】
・第2実施形態において、第1ベルト部(付着部35)は、1つのベルトを備えていてもよい。この場合、下ベルト37に代えて支持板を設け、当該支持板と上ベルト39とで遊技メダルMdを挟み込む構成とするとよい。
【0059】
・第2実施形態において、第1ベルト部(付着部35)には、遊技メダルMdが滞留し易い滞留部Tsがあり、当該滞留部Tsに滞留している遊技メダルMdに対して液体wが供給されるようにしてもよい。この場合、吐出部23は、液体の吐出口(不図示)が滞留部Tsに向かうように配設されているとよい。
【0060】
・各実施形態において、第2ベルト部(研磨部)は、2つのベルトからなるベルト対を複数、備えた構成であってもよい。
・各実施形態において、遊技メダルMdの搬送経路は、直線状であってもよく、途中で屈曲又は湾曲した構成であってもよい。また、遊技メダルMdの搬送経路は、左右方向、垂直方向、及び幅方向の何れに延びた構成であってもよい。この場合、第1ベルト部及び第2ベルト部は、搬送経路に沿って各ベルトが延びるように構成されているとよい。
【0061】
・各実施形態において、貯液容器22は、ベルトから落下する液体wを受け入れて回収する回収部と、当該回収部によって回収した液体を貯留する貯留部と、が別に設けられていてもよい。
【0062】
・各実施形態において、第2貯留部20は、所定の温度に加熱した気体(例えば空気)を遊技メダルMdに吹き付ける手段を備えていてもよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
【0063】
(1)前記液体は、洗浄液である。
(2)前記下ベルトから余剰の液体を回収する回収機構を備える。
(3)遊技メダルのメンテナンス装置であって、1又は複数のローラを有する第1ローラ部と、複数のローラを有する第2ローラ部と、液体を供給する液体供給部と、を備え、前記液体供給部から供給される液体は、前記第1ローラ部が有するローラに付着されるとともに、当該ローラが遊技メダルと接触することによって遊技メダルに付着され、前記第2ローラ部では、前記第1ローラ部から流入した遊技メダルを、複数のローラで挟み込むことによって研磨することを特徴とするメンテナンス装置。
【符号の説明】
【0064】
Ts…滞留部、10…メンテナンス装置、12…付着部、14…ベルト、15…研磨部、17…下ベルト、19…上ベルト、23…吐出部、35…付着部、37…下ベルト、38…上ベルト、40…研磨部、42…下ベルト、44…上ベルト。
図1
図2