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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】逆毛ブラシ
(51)【国際特許分類】
   A46B 9/02 20060101AFI20220712BHJP
   A46B 1/00 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
A46B9/02
A46B1/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019520087
(86)(22)【出願日】2017-10-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-24
(86)【国際出願番号】 GB2017053070
(87)【国際公開番号】W WO2018069697
(87)【国際公開日】2018-04-19
【審査請求日】2020-10-06
(31)【優先権主張番号】1617364.3
(32)【優先日】2016-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】510124814
【氏名又は名称】タングル ティーザー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TANGLE TEEZER LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100091443
【弁理士】
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
(74)【代理人】
【識別番号】100130720
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼見 良貴
(74)【代理人】
【識別番号】100130432
【弁理士】
【氏名又は名称】出山 匡
(72)【発明者】
【氏名】プルフリー,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】トゥリービー,キャメロン ブルース ウィリアム
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/111138(WO,A1)
【文献】特開昭63-234909(JP,A)
【文献】実公昭37-019414(JP,Y1)
【文献】国際公開第2016/001658(WO,A1)
【文献】実公昭48-012799(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 1/00-9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長く且つ長手方向軸を有し、複数のブラシ毛からなる細長い配列を含んでおり、前記配列が前記長手方向軸と実質的に平行な長手方向軸を有し、前記複数のブラシ毛のそれぞれがベースから自由端まで延びている逆毛ブラシであって、
前記複数のブラシ毛からなる前記配列は少なくとも2つの長さの複数のブラシ毛を含んでおり、第1の長さの前記複数のブラシ毛は、第2の長さの前記複数のブラシ毛の長さの半分未満であり、
前記第2の長さの前記複数のブラシ毛の少なくとも何本か又は全部は、前記ベースからテーパのついた相対的に幅の広い第1の部分と、前記第1の部分から前記自由端まで延びる相対的に幅の狭い第2の部分とを含み、
前記第1の長さの前記ブラシ毛の少なくとも何本か又は全部は、前記ベースからテーパのついた相対的に幅の広い第1の部分と、前記第1の部分から前記自由端まで延びる相対的に幅の狭い第2の部分とを含んでいないことを特徴とする逆毛ブラシ。
【請求項2】
前記複数のブラシ毛は間隔を介してオフセットされた2以上の列に配置され、前記複数の列の複数の中心線は、一つの前記列の前記複数のブラシ毛の一部も、あるいは実質的に一部も、隣接する前記列の中の隣接する前記複数のブラシ毛の間にも延びておらず、及び/又は前記複数の列に対して直角に見て、前記複数のブラシ毛の幅、あるいは実質的に全ての前記ブラシ毛の幅は、隣接する1つの列の中の隣接する前記複数のブラシ毛の間の間隔よりも小さくて、隣接する1つの前記列の中の前記複数のブラシ毛の間の間隔が塞がれていないか、実質的に塞がれていないようになっている請求項1の逆毛ブラシ。
【請求項3】
前記第1の長さの前記複数のブラシ毛の少なくとも何本か又は全部は、前記ベースから前記自由端まで、僅かにテーパがついており、あるいは実質的に全長にわたって実質的に同じ太さである請求項1または2に記載の逆毛ブラシ。
【請求項4】
前記複数のブラシ毛は間隔を介してオフセットされた2以上の列に配置されており、前記第1の長さの複数のブラシ毛の1本の列は前記第2の長さの複数のブラシ毛の1本の列に隣接している請求項1乃至3のいずれか1項に記載の逆毛ブラシ。
【請求項5】
前記配列の中の前記複数のブラシ毛からなる前記複数の列の何本か又は全ては、第1の長さの列と第2の長さの列の間で交番している請求項4に記載の逆毛ブラシ。
【請求項6】
前記第1の長さの前記複数のブラシ毛は長さ10mm以下であり、
前記第2の長さの前記複数のブラシ毛は少なくとも長さ25mmである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の逆毛ブラシ。
【請求項7】
長手方向の間隙が隣接する前記複数のブラシ毛の間に設けられており、前記複数の第1のブラシ毛の複数の前記自由端の高さにおける隣接する前記複数のブラシ毛の間の長手方向の間隙は1mm以下であり、及び/又は前記ベースにおける隣接する前記複数のブラシ毛の間の長手方向の間隙は0.75mm以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の逆毛ブラシ。
【請求項8】
隣接する前記第2のブラシ毛の少なくとも何本か又は全ての中心点の間の長手方向の間隙は3mm以上であり、及び/又は5mmを超えず、及び/又は隣接する前記第2のブラシ毛の中心点の間の横方向の間隙は7mm以上であり、及び/又は5mmを超えない請求項1乃至7のいずれか1項に記載の逆毛ブラシ。
【請求項9】
前記第1及び第2の部分を有する前記複数のブラシ毛の幅は、前記ベースと前記自由端との間で不連続的に変化し、且つ前記複数のブラシ毛の前記第1の部分内で、前記複数のブラシ毛の幅は、同じ長さと幅の変化とを有し均一のテーパがついている前記ブラシ毛のテーパの角度よりも大きい角度でテーパを持っている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の逆毛ブラシ。
【請求項10】
前記第1及び第2の部分を有する前記複数のブラシ毛のテーパの程度は、前記複数のブラシ毛の前記第1の部分と前記第2の部分との間の境界において急に変化する請求項9に記載の逆毛ブラシ。
【請求項11】
前記第1及び第2の部分を有する前記複数のブラシ毛の前記第1の部分の少なくともいくつか又は全ては、少なくとも一部又は実質的に全長にわたって非円形の横断面を有し、
前記非円形の断面は楕円形である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の逆毛ブラシ。
【請求項12】
前記第1の長さの前記複数のブラシ毛は実質的に全長にわたって卵形の横断面を有し、前記卵形の長軸は前記ブラシの前記長手方向軸と平行である請求項11に記載の逆毛ブラシ。
【請求項13】
前記第1及び第2の部分を有する前記複数のブラシ毛の前記第2の部分の長さは、前記第1の部分の長さの少なくとも4分の3であり、又は前記第1の部分の長さは、前記第2の部分の長さの少なくとも4分の3であり、
前記第2の長さの前記複数のブラシ毛の何本か又は全ては、前記第1及び第2の部分を含み、前記第2の部分は前記第1のブラシ毛の少なくとも1.5倍の長さである請求項1乃至12のいずれか1項に記載の逆毛ブラシ。
【請求項14】
少なくとも5本のブラシ毛からなる少なくとも3本以上8本以下の列が存在し、
100本以下の前記第2のブラシ毛及び100本以下の前記第1のブラシ毛が存在し、
前記複数のブラシ毛は、前記ブラシの長手方向軸に沿った長軸を有する複数のブラシ毛の長方形の配列を形成する請求項1乃至13のいずれか1項に記載の逆毛ブラシ
【請求項15】
記複数のブラシ毛からなる前記細長い配列はその幅の少なくとも4倍の長さであり、
前記配列の幅は20mm未満であり、
前記配列の長さは少なくとも60mmである請求項1乃至14のいずれか1項に記載の逆毛ブラシ。
【請求項16】
頭髪の区分けと、前記ブラシを使用して頭皮に向かっての少なくとも頭髪の一部のブラッシングとを含み、
前記第1の長さの前記複数のブラシ毛と前記第2の長さの前記複数のブラシ毛を使用し、
続く逆毛セットされた頭髪の平坦化、及び/又は前記第2の長さのブラシ毛を使用した逆毛セットされた頭髪の部分的な解きほぐしを含む請求項1乃至15のいずれか1項に記載の逆毛ブラシを用いた逆毛セット方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は逆毛ブラシ(backcombing brush)に関する。
【背景技術】
【0002】
逆毛ブラシ及び逆毛コーム(backcombing combs)は、後期のエイミー・ワインハウスにより結われた特有のビーハイブのようなヘアスタイルを実現するために、頭髪がより厚く見えるようにし、またボリュームや形状を追加するために使用されている。
【0003】
逆毛セット(バックコーミング(backcoming)、ブラシを使用する場合はバックブラッシング(back-brushing)と呼ぶ方がより正確なこともあるが、本明細書ではバックコーミングと称する)は、頭髪を部分的に頭皮に向かって繰り返しブラッシング/コーミングすることを含み、頭髪の一部をベース近くでもつれさせたり(tangle)、及び/又はかたまりを形成させたり(knot up)して立体を築く。この逆毛セット過程の後、逆毛セットされた頭髪の外層はブラッシング/コーミングされることもあり、別のコーム/ブラシで表面を平坦化してもつれを解き、外観の見栄えを良くすることもある。
【0004】
ある種のブラシは、逆毛セットの過程において助成になることを意図して製造され、及び提案されている。これらの逆毛ブラシは一般的に、通常のブラシよりも長くて細いヘッドを有し(例えば幅2cm以下、長さ5-10cm以下)、逆毛セットされる部分に頭髪を分けるために使用できるように、しばしば長くて細い取っ手を有する。
【0005】
通常、従来の逆毛ブラシにおけるブラシ毛(bristles)は束(bunches)になっており、一般的にはブラシ毛の束は3列(rows)以下であり、各列における束は約15-20本である。ブラシ毛は例えばイノシシのブラシ毛(boar bristles)のような天然のものであることが多く、ナイロンのこともある。同じブラシにイノシシとナイロンのブラシ毛の混合も使用されている。
【0006】
このような背景の下、WO2016/001658において逆毛ブラシが提案されている(その図20に示されている)。このブラシは、束ではなく、個々に配列されたブラシ毛の列を4本有している。ブラシ毛はそれぞれ、ベースの方の相対的に幅の広い第1の部分(portion)と、先端に延びる相対的に幅の狭い第2の部分で形成されている。相対的に幅の広い部分は楕円形の断面を有し、それぞれブラシの縦方向(length)に対し長軸が横断するように配列されており、幅の広い部分はテーパを持ち急に(abruptly)円形の断面になり、そこから幅の狭い部分(円形の断面を有する)が延びている。頭髪はブラシ毛の幅の広い部分の間の相対的に狭い空間に捕らえられるようになっており、ブラシが頭髪を効率的に掴んで(grab)、けば立たせる(tease)ことができるようにして、立体を生成する。狭い部分は、次に頭髪の外層を平坦化するのに使用される。
【0007】
逆毛セット向けのブラシを除外すれば、他の特定の機能を実行するのに利用可能なさまざまな他のブラシがもちろん存在する。例えば具体的にはスタイリングの際に頭髪のもつれをほどいたりテンションを導入したりするためのブラシ(WO2016/001658の他の実施例に開示されたものなど)が利用可能である。ヘアスタイリングの当業者であれば、このようなブラシは不適切なことが多いので、これらを逆毛セット用としては避けるようにするだろう。例えば、逆毛セット向けでないブラシが普通は幅が広過ぎて効率的ではない、そのヘッドの形状故である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】WO2016/001658
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、逆毛セット用に特に改良されたヘアブラシを提供するとともに、この分野における他のブラシに関する問題を克服することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によると、逆毛ブラシが提供される。このブラシは複数のブラシ毛からなる配列(array)を含んでおり、複数のブラシ毛のそれぞれがベースから自由端まで延びている。複数のブラシ毛からなる配列は少なくとも2つの長さ(length)の複数のブラシ毛を含み、第1の長さの複数のブラシ毛は第2の長さの複数のブラシ毛よりも短いことを特徴とする。
【0011】
従って頭髪を逆毛セットするのに特に適合するブラシが提供される。より長い(第2の)複数のブラシ毛(第2の長さ)の中に、より短い(第1の)複数のブラシ毛(第1の長さ)を用意すると、ブラシのベース近くでは複数のブラシ毛の密度がより高くなり、これはより頭髪を曲げる(ruck)高い能力を生成し、髪の房が根本に向かって逆立って(teasing strands)、立体(body)が得られる。一方、より長い複数のブラシ毛(第2の長さ)はガイドとして作用し、逆毛セットされる頭髪の部分内にブラシを保持し続ける。
【0012】
各ストローク毎に、この配置が頭髪の一部分の表面を引っ張り戻す(drags back)(すなわち曲げる)頭髪は、複数のブラシ毛の束を有する従来の逆毛ブラシよりも少ないが、各部分の中により深く到達して(束の欠如のために)、より自然に見え、より少ないダメージで、その部分中の頭髪を逆毛立てる。もちろん、逆毛立たせる頭髪の量を増やすために、逆毛立て動作をより多く繰り返すことができる。
【0013】
複数のブラシ毛の少なくとも一部又は全ては、ベースからテーパがついた相対的に幅の広い第1の部分と、第1の部分から自由端に向かって延びる相対的に幅の狭い第2の部分とを含む。
【0014】
本発明の第2の態様によると、逆毛ブラシが提供される。このブラシは複数のブラシ毛の配列を含み、複数のブラシ毛のそれぞれがベースから自由端まで延びている。そして、複数のブラシ毛の配列は、ベースからテーパがついた相対的に幅の広い第1の部分と、第1の部分から自由端まで延びる相対的に幅の狭い第2の部分とを含み、複数のブラシ毛は間隔を介してオフセットされた2以上の列(spaced apart offset rows)に配置されている。そして、1つの列の中の複数のブラシ毛の一部も、あるいは実質的に一部も、隣接する列の中の隣接する複数のブラシ毛の間にも延びないように複数の列の複数の中心線は間隔を空けている。及び/又は複数の列に対し直角に見て、複数のブラシ毛の幅、あるいは実質的に全てのブラシ毛の幅は、隣接する列の中の隣接する複数のブラシ毛の間の間隔よりも小さくて、隣接する1つの列の中の複数のブラシ毛の間隔が塞がれていないか、実質的に塞がれていないようになっていることを特徴とする。
【0015】
複数のブラシ毛は、ベースに、例えば美的な理由のために、小さい面取り(small chamfer)あるいは境界領域(interface region)を含む。これは、例えばブラシ毛の全高の5分の1あるいは10分の1よりも短くてよい。技術的効果を目的とせずに、この領域だけ張り出し部分(overlap)を有し、ブラシ毛本体の残りの部分には張り出し部分を有しないブラシは、隣接する1つの列の中の隣接する複数のブラシ毛の間に延びる一つの列の中の複数のブラシ毛の一部も、あるいは実質的に一部も、隣接する1つの列の中の複数のブラシ毛の間の間隔を塞ぐことはなく、あるいは実質的に間隔を塞ぐことはないと考えられるということは認識されるだろう。
【0016】
複数のブラシ毛の全長(entire length)にわたって(あるいは実質的に複数のブラシ毛の全長にわたって)それらの間に間隙が設けられるこの配置は、このような張り出し部分を含むブラシと比較して、逆毛セットの際のダメージを減らすことができる。
【0017】
複数のブラシ毛からなる配列は、少なくとも2つの長さの複数のブラシ毛を含んでいて、第1の長さの複数のブラシ毛は第2の長さの複数のブラシ毛よりも短いようにしてもよい。
【0018】
以下の任意の特徴は、本発明の第1及び第2の態様に同様に適用する。
【0019】
第2の長さの複数のブラシ毛の少なくとも一部又は全部は、ベースからテーパのついた相対的に幅の広い第1の部分と、第1の部分から自由端まで延びる相対的に幅の狭い第2の部分とを含む。
【0020】
この配置は、長い方の複数のブラシ毛はそのベース近くではより剛性(rigid)が高くなることを意味しており、これは、短い方の複数のブラシ毛とともに、頭髪を逆毛セットする相互作用を改善する。これに対して自由端まで延びる幅の狭い部分は剛性が低く、そのため逆毛セットされた後の頭髪を平坦化することができ、且つ動きが取れなくなる(getting stuck)ことなく頭髪の一部をブラシが通り抜けるように案内することができる。
【0021】
複数のブラシ毛のうちの少なくとも何本かは、ベースからテーパのついた相対的に幅の広い第1の部分と、第1の部分から自由端まで延びる相対的に幅の狭い第2の部分とを含んでいなくてもよい。
【0022】
第1の長さの複数のブラシ毛の少なくとも何本か又は全ては、ベースからテーパをのついた相対的に幅の広い第1の部分と、第1の部分から自由端まで延びる相対的に幅の狭い第2の部分とを含んでいなくてもよい。
【0023】
第1の長さの複数のブラシ毛のうちの少なくとも何本か又は全ては、ベースから自由端まで、ほんの僅かにテーパがついており、あるいは実質的にその全長にわたって実質的に同じ太さになっていてもよい。
【0024】
当業者であれば、上記の表現「相対的に(relatively)」が他の部分に対し相対的であることを意味し、「かなり(quite)」の口語の類義語(colloquial synonym)として使用されているのではないことは認識されるだろう。
【0025】
複数のブラシ毛は複数の列に配置されていてもよい。
【0026】
一つの列の中の複数のブラシ毛の一部も隣接する一つの列の中の隣接する複数のブラシ毛の間に延びないように複数の列の複数の中心線は間隔を空けており、列に直角に見ると、一つの列の中の複数のブラシ毛の第1の部分の幅は、それらの縦方向の一部に沿って、隣接する一つの列の中の隣接する複数のブラシ毛の間の間隔よりも小さくして、これにより隣接する一つの列の中の隣接する複数のブラシ毛の間の間隔が塞がれず、むしろ複数のブラシ毛の複数の列の間に間隙が設けられるようにしている。
【0027】
上記のように、第2の長さの複数のブラシ毛は、ベースからテーパのついた相対的に幅の広い第1の部分と、第1の部分から自由端まで延びる相対的に狭い第2の部分とを有していてもよく、これに対して第1の長さの複数のブラシ毛は、ベースから自由端まで、ほんの僅かにテーパがついていてもよく、あるいは実質的にその全長にわたって同じ太さになっていてもよい。
【0028】
第1の長さの複数のブラシ毛は第2の長さのものよりも短いので、十分な剛性を得るために分離した部分を備える必要はない。その代わりに、ベースから自由端まで、実質的に同じ太さ、あるいはほんの僅かにテーパがついており、その全長にわたって、頭髪を曲げるのに望ましい実質上の剛性を有するようにしている。
【0029】
複数のブラシ毛は間隔を介してオフセットされた2以上の列に配置されていてもよい。第1の長さの複数のブラシ毛の1本の列は、第2の長さの複数のブラシ毛の1本の列に隣接するようにしてもよい。
【0030】
配列における複数のブラシ毛の列の何本か又は全ては、第1の長さの列と第2の長さの列の間で交番している。
【0031】
第1の長さの複数のブラシ毛は長さ15mm以下でよく、好ましくは長さ10mm以下であり、例えば7.4mm(すなわち約7mm)、又はより短くてもよい。第1の長さの複数のブラシ毛は少なくとも長さ3mmであり、例えば少なくとも長さ5mmでもよい。
【0032】
第2の長さの複数のブラシ毛は少なくとも長さ18mmでよく、好ましくは少なくとも長さ25mmであり、例えば26mm(すなわち約26mm)、又はより長くてもよい。第2の長さの複数のブラシ毛は長さ45mm以下でよく、例えば長さ33mm又は28mm以下でもよい。
【0033】
第1の長さの複数のブラシ毛は、第2の長さの複数のブラシ毛の6分の1を超える長さでもよい。第1の長さの複数のブラシ毛は、第2の長さの複数のブラシ毛の半分未満の長さでもよい。第1の長さの複数のブラシ毛は、第2の長さの複数のブラシ毛の5分の1から3分の1の長さでもよく、例えば4分の1の長さであり、例えば0.28倍の長さである。
【0034】
第2の長さの複数のブラシ毛は、第1の長さの複数のブラシ毛よりも少なくとも10mm長くてもよく、例えば第1の長さの複数のブラシ毛よりも少なくとも15mm、例えば17.7mm(すなわち約18mm)長くてもよく、あるいはより長くてもよい。
【0035】
ブラシは、複数のブラシ毛の形成されていない取っ手部と、ヘッド部とを含んでいてもよい。取っ手部は幅30mm未満でもよく、例えば20mm未満(すなわち約16mm)、あるいはより幅が狭くてもよい。取っ手部は、任意に鋭端(point)である自由端に向かって幅が減少していてもよい。ヘッド部は幅50mm未満でもよく、例えば幅30mm未満、例えば25mm(すなわち約23mm)未満、あるいはより狭い幅でもよい。この細いヘッド部及び細い取っ手部は,逆毛セット用として最良であり、且つ取っ手の幅の自由端に向かっての減少は、頭髪の一部を分離するために使用することを許容する。
【0036】
ヘッド部に隣接する取っ手部には、親指握り部(thumb-grip portion)が備えられていてもよい。親指握り部はヘッド部及び取っ手部よりも狭くなっていてもよい(すなわちヘッド部及び取っ手部の最も幅の広い部分よりも狭くなっていてもよい)。これはヘッド部近くでのしっかりした握りを助長し、これにより正確なブラッシングを助長する。
【0037】
ブラシは取っ手部の端からヘッド部の端まで延びる長手方向軸を有することができる。複数のブラシ毛の配列は、長手方向に並んだ1以上の列における複数のブラシ毛の先が凹形状を形成するように配置されていてもよく、あるいは真っ直ぐになっていてもよい。長手方向と直角な複数のブラシ毛の先は、凸形状を形成していてもよく、あるいは真っ直ぐになっていてもよい。
【0038】
ベースからテーパのついた相対的に幅の広い第1の部分と、相対的に幅の狭い第2の部分とを有する複数のブラシ毛の第1及び/又は第2の部分は柔軟性があり、及び弾性的に柔軟で(resiliently flexible)あってもよい。第2の部分は第1の部分よりも柔軟性が高くてもよい。
【0039】
ベースからテーパのついた相対的に幅の広い第1の部分と、相対的に幅の狭い第2の部分とを有するブラシ毛の第1の部分は、第2の部分よりも大きい横断面を有していてもよい。
【0040】
少なくとも4分の1、及び半分以内、例えば約5分の2のような、配列の中又はブラシの複数のブラシ毛の比率(proportion)で、第1及び第2の部分を備えていてもよい。これらの複数のブラシ毛の全ては、同じ形状のもの、すなわち実質的に同じ形状でもよい。
【0041】
少なくとも4分の1及び4分の3以内、例えば約5分の3のような、配列の中又はブラシの複数のブラシ毛の他の比率で、第1及び第2の部分を備えていてもよい。これらの複数のブラシ毛の全ては、同じ形状のもの、すなわち実質的に同じ形状でもよい。
【0042】
配列の中又はブラシの複数のブラシ毛の全ての、実質的に全ての、あるいは実質的な比率(例えば少なくとも半分)は、第1の長さの複数のブラシ毛か第2の長さの複数のブラシ毛のどちらかでよい。第1の長さの複数のブラシ毛の全ては同じ長さ(すなわち実質的に同じ長さ、例えば長さの差が1mm以内)とすることができ、且つ第2の長さの複数のブラシ毛の全ては同じ長さ(すなわち実質的に同じ長さ、例えば長さの差が1mm以内)とすることができる。
【0043】
別案として、第1の長さの複数のブラシ毛は全てが同じ長さではなく、且つ第2の長さの複数のブラシ毛は全てが同じ長さではなくても良い。例えば、第1の長さの複数のブラシ毛のうちの相当な(substantial)部分(例えば少なくとも半分)は同じ長さであり、且つ第2の長さの複数のブラシ毛のうちの相当な部分が同じ長さであるが、第1及び/又は第2の長さの複数のブラシ毛のいくらかは、例えば30%未満、20%未満あるいは10%未満は、異なる長さのものとしてもよい。例えば第1及び/又は第2の長さの複数のブラシ毛の何本かは、例えば30%未満、20%未満あるいは10%未満は、他のものよりも短くすることができる。
【0044】
第1及び第2の部分を有する第2の長さの複数のブラシ毛の第2の部分は、第1の長さの複数のブラシ毛の全長に拘わらず、全てを同じ長さとしてもよい。これにより、例えば、ブラシのヘッド部を凸状とし、中央近くの複数のブラシ毛を短くして、この領域におけるブラシのふくらみを構成するようにしてもよいが、複数のブラシ毛の先端の輪郭は真っ直ぐになっていてもよく、且つ第2の部分は同じ長さになっていてもよい。同様に、第1の長さの複数のブラシ毛の全て、実質的に全て、あるいは相当な部分(例えば少なくとも半分)は、一律に(すなわち実質的に一律に)、第2の長さの複数のブラシ毛の全て、実質的に全て、あるいは相当な部分よりも短くすることができる。
【0045】
同じ方向から見て、第1及び第2の部分を有する複数のブラシ毛の第1の部分の最も広い部分の幅は、第2の部分のいずれかの部分又は自由端かその近辺の第2の部分の幅の少なくとも2倍又は3倍であってもよい。同じ方向から見て、第1及び第2の部分を有する複数のブラシ毛の第1の部分の最も広い部分の幅は、第2の部分のいずれかの部分又は自由端かその近辺の第2の部分の幅の4倍未満又は3倍未満であってもよい。同じ方向から見て、第1及び第2の部分を有する複数のブラシ毛の第1の部分の最も幅の広い部分の幅は、第2の部分のいずれかの部分又は自由端かその近辺の第2の部分の幅の4倍(すなわち約3倍)であってもよい。例えば、第1の部分の最も幅の広い部分の幅は約3.4mmであり、その自由端近くの第2の部分の幅は約0.8mmであってもよい。
【0046】
第1及び第2の部分を有する第2の長さの複数のブラシ毛のそれぞれの長さは、その最大幅の10倍以下でよく、あるいはその最大幅の8倍以下でもよい。第1及び第2の部分を有する第2の長さの複数のブラシ毛のそれぞれの長さは、その最大幅の5倍以上あるいは7倍以上でもよい。
【0047】
隣接する複数のブラシ毛の間に、長手方向の間隙が設けられていてもよい。第1の複数のブラシ毛の自由端の高さでの隣接する複数のブラシ毛の間の長手方向の間隙は、1.5mm以下でよく、例えば1mm以下でもよく、例えば約0.8mmかそれ未満でもよい。隣接する複数のブラシ毛との間の長手方向の間隙は、それらのベースにおいて、1mm以下でよく、例えば0.75mm以下でもよく、例えば0.5mmかそれ未満でもよい。これは、この領域において頭髪が容易に後方に折り曲げられるように、第1の複数のブラシ毛と第1の複数のブラシ毛に隣接する複数のブラシ毛との間に極めて小さい間隙を設けていることを意味する。
【0048】
隣接する複数のブラシ毛の間に、横方向の間隙が設けられていてもよい。第1の複数のブラシ毛の自由端の高さでの隣接する複数のブラシ毛の間の横方向の間隙は、2mm以下でよく、例えば1.5mm以下でもよく、例えば約1.2mmかそれ未満でもよい。隣接する複数のブラシ毛との間の横方向の間隙は、それらのベースにおいて、1.5mm以下でよく、例えば1mm以下でもよく、例えば0.7mmかそれ未満でもよい。
【0049】
少なくともいくつかの、又は全ての隣接する第2の複数のブラシ毛の中心点の間の長手方向の間隙は、2mm以上及び/又は6mm以下でよく、例えば3mm以上及び/又は5mm以下でもよく、例えば4mm(すなわち約4mm)でもよい。隣接する第2の複数のブラシ毛の中心点の間の横方向の間隙は、3mm以上及び/又は10mm以下でよく、例えば7mm以上及び/又は5mm以下でもよく、例えば5.8mm(すなわち約6mm)でもよい。このことは、第2の複数のブラシ毛の間に非常に大きな間隙が設けられて,この領域において頭髪が折り曲げられないようにし、しかしむしろ逆毛セットの間にブラシが頭髪を通過するのを案内し、又は頭髪を後方に平坦化する、ということを意味する。
【0050】
上述のさまざまな範囲及びサイズは、第1と第2との長さの複数のブラシ毛の間の性能に、良好なバランスを備えていることが見出された。
【0051】
第1及び第2の部分を有する複数のブラシ毛の幅は、それらのベースと自由端との間で、連続的又は不連続的に変化していてもよい。その縦方向の一部に沿って、及び好ましくは複数のブラシ毛の第1の部分内で、複数のブラシ毛の幅は、同じ長さ及び幅の変化を有する均一のテーパのついたブラシ毛のテーパの角度よりも大きい角度でテーパをつけていてもよい。これにより、均一のテーパを持っているブラシ毛に比較して、配列の中における複数のブラシ毛の第2の部分の間には、第1の部分よりも著しく大きい間隔を得ることができる。これは、ブラシ毛の2つの部分が、過度に長くなることなく、それらの異なる機能を遂行することを可能にする。
【0052】
第1及び第2の部分を含むこれらの複数のブラシ毛の第1の部分の2つの対向するエッジ(edges)は、第1の部分の縦方向にわたって、少なくとも5°の対向するエッジの間の最小平均角度で、相互に向かう方向にテーパがついていてもよく、且つ第2の部分の対向する側(side)は、第2の部分の縦方向にわたって、3°の対向するエッジの間の最大平均角度で、例えば2.5°以下、例えば約2°で、相互に向かう方向にテーパがついていてもよい。第1の部分の2つの対向するエッジは、少なくとも8°又は少なくとも10°の最小平均角度で、相互に向かう方向にテーパを持っていてもよい。
【0053】
第1の部分の対向するエッジの間の角度は、第1の部分のベースから第1の部分の端までに増加していてもよい。第1の部分の対向するエッジはカーブしていてもよい。
【0054】
第1の部分の全ての対向するエッジは、第1の部分の長さにわたって、少なくとも2°の対向するエッジの間の最小平均角度で、相互に向かう方向にテーパをつけていてもよい。
【0055】
複数のブラシ毛のテーパの程度は、複数のブラシ毛の第1と第2の部分の境界において急に変化していてもよい。
【0056】
これらの特徴は、その縦方向にわたって相対的に急なテーパがついている幅のより広い第1の部分を伴い、又は極めてゆるやかなテーパがついている第2の部分に対して長さの比率が小さいブラシ毛を提供する。
【0057】
複数のブラシ毛の何本かは、あるいは第1及び第2の部分を有する複数のブラシ毛の少なくとも何本か又は全ては、もしくは第1及び第2の部分を有する複数のブラシ毛の第1の部分の少なくともいくつか又は全ては、少なくとも一部又は実質的に全長にわたり、非円形の横断面を有していてもよい。断面の形状は引き伸ばされて(elongate)いてもよく、楕円形すなわち実質的に卵形でもよい。
【0058】
複数のブラシ毛の何本かは、あるいは第1及び第2の部分を有する複数のブラシ毛の少なくとも何本か又は全ては、もしくは第1及び第2の部分を有する複数のブラシ毛の第2の部分の少なくともいくつか又は全ては、少なくとも一部又は実質的に全長にわたり、非円形の横断面を有していてもよい。
【0059】
第1及び第2の部分を有する複数のブラシ毛の何本か又は全ての第1の部分は、そのベースにおいて非円形の断面を有しており、第2の部分に至る点までに実質的に円形の断面に徐々に変化するようにしてもよい。第1及び第2の部分を伴うこれらの複数のブラシ毛の第1の部分は、第2の部分が始まる箇所で終結していてもよい。この複数のブラシ毛は第1及び第2の部分のみから成っていてもよい。この複数のブラシ毛はブラシの本体に取り付けられている境界部を含んでいてもよい。この複数のブラシ毛は第1及び第2の部分と境界部のみからなっていてもよい。境界部の長さは1mm未満でよい。境界部は、例えば約45°で急激なテーパを持っていてもよい。
【0060】
第1の部分の少なくとも一部が楕円形の断面を有している箇所では、楕円形の長軸上の第1の部分のエッジは、第1の部分の縦方向にわたる湾曲した経路で相互に接近するようにしてもよい。楕円形の断面の短軸上の第1の部分のエッジは、第1の部分の縦方向にわたる真っ直ぐな(すなわち実質的に真っ直ぐな)経路で相互に接近するようにしてもよい。
【0061】
第2の部分は、全長又は実質的にその全長にわたって円形(すなわち実質的に円形)の断面を有していてもよい。
【0062】
第2の部分の全ての対向するエッジは、第2の部分の長さにわたって、対向するエッジの間の角度が2°の最大平均角度で相互に向かう方向にテーパがついていてもよい。
【0063】
複数のブラシ毛の少なくとも何本か、あるいは第1の長さの複数のブラシ毛の少なくとも何本か又は全ては、それらの長さの少なくとも一部又は全長にわたって、円形の横断面を有していても、あるいはその縦方向の少なくとも一部又は全長にわたって、非円形、例えば引き伸ばされた、卵形の横断面を有していてもよい。
【0064】
第1の長さの複数のブラシ毛が非円形、例えば卵形の横断面を、実質的にその全長にわたって有している箇所では、楕円形の長軸は第2の長さの複数のブラシ毛の長軸に直角でもよく、及び/又はブラシの長手方向軸に平行でもよい。
【0065】
この配置は、複数のブラシ毛が頭髪を通って引かれる際に短軸が曲げられて、複数のブラシ毛が適度に幅広になり、硬くなりすぎることなく、ちょうどよい間隔を空けた複数のブラシ毛の間に適当な間隙を生じさせるようにしている。
【0066】
複数のブラシ毛の少なくとも何本か又は全ての、あるいは第1の長さの複数のブラシ毛の少なくとも何本か又は全ての、もしくは第2の長さの複数のブラシ毛の少なくとも何本か又は全ての横断面は、ベースから自由端までのブラシ毛の全長に沿って、減少してもよく、又は実質的に一定であってもよい。
【0067】
ベースから離れると横断面の面積が減少することは、ベースから離れるにつれ柔軟性がより高くなる複数のブラシ毛につながり、その結果、第1の部分は相対的に硬くなり、一方第2の部分は相対的に柔軟性が高くなる。従って第1の部分は長い複数のブラシ毛が頭髪深くに到達させるための支援(support)として作用する。硬い支援は複数のブラシ毛がより先端近くで曲がるということを意味し、この曲がりは複数のブラシ毛が頭髪中で動きが取れなくなることがないことを意味する。より長い複数のブラシ毛だけでなく、より短い複数のブラシ毛を提供することで長い複数のブラシ毛の低い位置の密度を維持し、頭髪を捕らえて引く能力を減殺して表層近くの頭髪の毛繕いを援助する。ベースの幅の広い部分も、表層の頭髪の光沢度を改善する。
【0068】
第1及び第2の部分を有する複数のブラシ毛の第2の部分の長さは、第1の部分の長さの少なくとも半分でよく、あるいは4分の3でもよい。第1の部分の長さは第2の部分の半分でよく、あるいは4分の3でよい。ブラシ毛の第2の部分の長さは、第1の部分の長さと同じ(すなわち実質的に同じ)でもよく、例えば第2の部分の長さは約12mmで、第1の部分の長さは約14mmであってもよい。
【0069】
第1及び第2の部分を含む第2の長さの複数のブラシ毛の何本か又は全ては、第1の複数のブラシの長さの少なくとも半分の長さの第2の部分を含んでいてもよい。第2の部分は少なくとも第1の複数のブラシ毛程度の長さでよく、例えば第1の複数のブラシ毛程度の少なくとも約1.5倍の長さでもよい。第2の部分は第1の複数のブラシ毛程度の長さの3倍未満でよく、例えば第1の複数のブラシ毛程度の長さの2倍未満でもよい。例えば、第2の長さの複数のブラシ毛の第2の部分は14mm(すなわち約14mm)でよく、且つ第1の長さの複数のブラシ毛は約8mm(例えば約8.3mm)でよい。
【0070】
これらの寸法/割合は、第2の複数のブラシ毛が第1の複数のブラシ毛に隣接する高さまで、第2の複数のブラシ毛がかなりの剛性を有することにつながり、これは良好な逆毛セット能力を提供し、第1の複数のブラシ毛の高さを超えてさえ相当に剛性が強いが、それでも第2の部分の領域においては柔軟性が高くなる。第1の複数のブラシ毛からの柔軟性を有する部分(平坦化に使用する)の間隔の配置は、第1の複数のブラシ毛が平坦化に関係するようになるような(そして逆毛セットにより生成されたもつれの中にからまるような)深すぎる複数のブラシ毛の頭髪内への押し込みを伴うことなく、平坦化の動作が実行されるように助長する。これは、逆毛セットの実行時には、短い複数のブラシ毛の案内における援助にもなる。
【0071】
複数のブラシ毛は全て相互に間隔を空けていてもよい(すなわち束で配置されるのと反対に、それぞれ単一に配置されている)。これはブラシへの頭髪の巻き付きの危険を軽減する。
【0072】
複数のブラシ毛からなる各列は、真っ直ぐ(すなわち実質的に真っ直ぐ)でよく、あるいは湾曲していてもよい。列は平行(すなわち概して平行)でよい。各列の、又は少なくとも複数の隣接する列の複数のブラシ毛は、全て同じ距離(すなわち実質的に同じ距離)だけ一様に間隔を空けていてもよい。
【0073】
隣接する列は相互に相対的にオフセット(offset)であり、隣接する列の複数のブラシ毛の間の中間点とともに、列の中の各ブラシ毛の中心点が一直線に(すなわち実質的に一直線に)なるようにしてもよい。
【0074】
少なくとも3本、少なくとも4本又は少なくとも5本のブラシ毛の、少なくとも3本、少なくとも4本又は少なくとも5本の列があってもよい。少なくとも5本のブラシ毛の、10本以下、8本以下、6本以下又は5本以下の列があってもよい。
【0075】
例えば少なくとも5本のブラシ毛の5本の列があってもよく、例えば少なくとも10本のブラシ毛の5本の列でもよく、例えば少なくとも10本(例えば20本)の第2のブラシ毛の2本の列と少なくとも10本(例えば19本)の第1のブラシ毛の3本の列でもよい。
【0076】
複数のブラシ毛は500本以下でよく、200本以下でもよく、150本以下でもよく、又は100本以下でもよい。
【0077】
第2の複数のブラシ毛は200本以下でよく、100本以下でよく、100本以下でもよく、50本(例えば約40本)以下でもよい。
【0078】
第1の複数のブラシ毛は200本以下でよく、100本以下でもよく、60本(例えば57本)以下でもよい。
【0079】
複数のブラシ毛は少なくとも50本でよく、少なくとも75本でもよく、少なくとも90本でもよい。例えば約100本、例えば97本でもよい。
【0080】
これは、たいていの先行技術のブラシよりも実質的に少ない複数のブラシ毛を示し、頭髪と相互作用する複数のブラシ毛が少なければ、逆毛セット(多くの人が本質的に損傷を与えるプロセスと考えている)の間に損傷を与える危険も低くなると考えられる。実際に、ブラシの逆毛セット領域の外側の頭髪と相互に作用する第2の長さの複数のブラシ毛のほんの40本の提供は現に極めて少なく、ブラシ毛18本を4列(すなわち全部で72本のブラシ毛)有し、その全てが(それらのベースで)逆毛セット領域と(先端に向かって)平坦化領域との両方において頭髪と相互に作用するWO2016/001658において提案されているブラシよりも十分に少ない。
【0081】
ブラシ毛は、ブラシの長手方向軸に沿った長軸を有する、複数のブラシ毛の長方形(すなわち実質的に長方形)の配列を形成していてもよい。
【0082】
複数のブラシ毛は成形されていてもよく、ブラスチック材料、特に弾性的に柔軟であるプラスチック材料から成形されていてもよい。
【0083】
第1の長さの複数のブラシ毛及び第2の長さの複数のブラシ毛は、長手方向軸に直角の方向から見て、同様の幅及び/又は形状を有していてもよい。第1の長さの複数のブラシ毛及び第2の長さの複数のブラシ毛は、長手方向軸に沿った方向から見て、似ていない幅及び/又は形状を有していてもよい。第2の長さの複数のブラシ毛は、第1の長さの複数のブラシ毛の少なくとも2倍の幅広さの幅を有していてもよい。
【0084】
横方向に直角な方向において同様の幅を有する複数のブラシ毛におけるこの配置は、複数のブラシ毛の間に空けた間隔とそれらの太さが、仮に全ての複数のブラシ毛が、逆毛セット向けの短い複数のブラシ毛である場合と同様に、効果的であり得ることを意味する。長手方向軸に沿って見て、上述の横方向に引き伸ばされた断面を有する第1の部分のような、より広い幅又は異なる形状を有することにより、長い(第2の)複数のブラシ毛の上部は、概念的なベース上にあるように作用することが可能となり、短い方の複数のブラシ毛として同様の形状及び幅を有している場合よりも遙かに高い場所で曲がる。
【0085】
第2の長さの複数のブラシ毛は、ベースからテーパがついた相対的に幅の広い第1の部分と、第1の部分から自由端まで延びる相対的に幅の狭い第2の部分とを含み、前記第1の部分は引き伸ばされた横断面を有しており、横断面の長手方向軸はブラシの長手方向軸に直角である。第1の部分は、少なくともブラシを動かして頭髪を通過させる方向について、柔軟性がない(少なくとも実質的ではない)「概念的なベース」を形成する。従って、第2の部分はブラシから高い場所に設けられたベースに設置された柔軟性を有するブラシ毛のように作用する。
【0086】
第2の長さの複数のブラシ毛は、ブラシの長手方向に直角な方向について、ベースから少なくとも第1の長さの複数のブラシ毛の自由端の高さまで、剛性(すなわち実質的に剛性)を有している。これは上述の「概念的なベース」を形成する。
【0087】
第1の長さの複数のブラシ毛は柔軟(すなわち実質的に柔軟)であり、少なくとも第1の長さの複数のブラシ毛の自由端の高さよりも高い縦方向のブラシ毛の部分も柔軟(すなわち実質的に柔軟)であってもよい。
【0088】
複数のブラシ毛の細長い配列(elongate array)は、その幅の少なくとも2倍の長さでよく、その幅の少なくとも3倍の長さでもよく、その幅の少なくとも4倍の長さでもよく、その幅の少なくとも5倍の長さ、少なくとも6倍の長さ又はそれ以上でもよい。
【0089】
配列の幅(一本のブラシ毛の外側から、反対側のブラシ毛の外側まで横切った幅を計測した)は、30mm未満でよく、25mm未満でもよく、20mm未満でもよく、又は18mm未満、例えば約15mm(例えば13mm)でもよい。
【0090】
配列の長さ(一端における最も遠いブラシ毛の外側から、他の端における最も遠いブラシ毛の外側までを計測した)は、少なくとも50mmでよく、少なくとも60mmでもよく、又は少なくとも70mm、例えば約75mm(例えば78mm)でもよい。
【0091】
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様又は第2の態様によるブラシ(任意にいずれかの任意の特徴を含む)を使用した、頭髪を分離すること(任意にブラシの取っ手部を使用した)と、頭皮に向かって少なくとも頭髪の一部をブラッシングすることを含む、逆毛セットの方法に及ぶ。
【0092】
第1の長さの複数のブラシ毛及び第2の長さの複数のブラシ毛は、頭皮に向かって頭髪をブラッシングするために使用することができる。
【0093】
この方法は複数の部分、例えば少なくとも2、3、5又は10の部分への区分け及びブラッシングを含むことができ、各区分けそれぞれの頭皮に向かっての少なくとも2、3、5又は10回のブラッシングを含んでいてもよい。
【0094】
この方法は続く逆毛セットされた頭髪の平坦化を含んでいてもよく、及び/又は第2の長さの複数のブラシ毛(のみ)を使用して逆毛セットされた頭髪の部分的な解きほぐし(untangling)を含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
図1図1は逆毛ヘアブラシの平面図である。
図2図2図1のヘアブラシの端面図である。
図3図3図1のヘアブラシの他端面図である。
図4図4図1のヘアブラシの側面図である。
図5図5図1のヘアブラシのブラシ毛の配列の部分の拡大平面図である。
図6図6図1のヘアブラシのブラシ毛の配列の部分の拡大側面図である。
図7図7図1のヘアブラシの下方向からの斜視図である。
図8図8図1のヘアブラシの上方向からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0096】
発明をより明確に理解するために、添付の図面を参照しつつ、一例に過ぎないその実施の形態について以下説明する。
【0097】
以下において、用語として前、後、上、下や同様の用語が、それらが図示された方向についての文章に使われているが、別段の限定と捉えるべきではない。
【0098】
図面を参照すると、図1から図4図7及び図8はヘアブラシ、特に逆毛ブラシを示す。図5及び図6はヘアブラシの一部を拡大して示す。ヘアブラシは、概して長方形の外形の本体もしくはヘッド1を含む。本体1の一端のほぼ中点から概して直角に延びる細長い取っ手2が本体1と一体に成形されている。本体1と取っ手2はほぼ同じ平面に延びている。
【0099】
ブラシの底面は、取っ手2の平面と併合する(merges into)本体1の平面で形成された概して平坦な面を有する。2本の長手方向の溝が、本体の底面に備えられており、本体1の自由端近くで横方向に延びて接続して、僅かに突出し、本体1の底面の中間に沿って長手方向に延びる中心畝(central ridge)が残っている。
【0100】
本体1の対向する上面は、概して平坦であり、長手方向に真っ直ぐな面3を有する。面3は取っ手2の親指握り部9と融合する。親指握り部9は本体の一端のほぼ中間点から延びて、本体1よりも細くなっており、且つこれに近い取っ手2の残りの部分よりも細い。横方向の面(すなわちヘッドの長い側面の間)に沿って、本体1の上面の面3は概して僅かに凸状である。
【0101】
ブラシの底面及び上面3の輪郭は本体1及び親指握り部9の領域内では同じ形状だが、本体1及び親指握り部9の領域内では底面の輪郭は上面3よりも面積が大きい。本実施形態において、面積の相異は約3mm内側に配置された上面の各エッジによりもたらされ、最も幅の広い本体の(底面の)幅は24mmであり、上面では幅18mmである。よって底面と上面3のエッジは傾斜面8により接続されており、本実施の形態では約15mmの深さを有する。傾斜面8は把持を助ける形態を提供し、これは傾斜面8の周りに延びてブラシの上面3の輪郭と同じ輪郭を有する踏み段(step)の形である。
【0102】
親指握り部9の本体1とは反対の端において、取っ手2は急激に深さを(実質的に平坦な底面に向かって)減少し、外方向に拡がって、取っ手の主要部が本体1よりも実質的に細くなっている。最も厚いところでは約8mmである。広がりの後は、徐々に先細りし(太さと幅の両方)、自由端における直径約3mmの鋭端10になる。
【0103】
溝7は本体1の上面3の中心線に沿って長手方向に延びている。
【0104】
本体1は、露出した上面3からほぼ直角に突出する成形されたブラシ毛4を含み、あるいは支持する。ブラシ毛4は相互に平行に延び、ブラシの面からはほぼ直角である。
【0105】
各ブラシ毛4は、他のブラシ毛4とは相互に間隔を空けている。全てのブラシ毛4は共に一体になって、ベース(ブラシの上面3の全部又は一部を形成していてもよい)と共に、弾性的に柔軟であるプラスチック材料から成形される。適当な材料は、共重合ポリエステル(copolyesters)や脂肪族ポリアミド(aliphatic polyamides )(ナイロン)のような熱可塑性エラストマー(thermoplastic elastomers)、特に商標Hytrelの下に、E. I. du Pont de Nemours and Companyにより販売されている共重合ポリエステルである。ショアD(Shore D)硬度が45から82のグレードのHytrelが特に適しており、とりわけショアDが63から72の範囲の、例えばHytrel6356及びHytrel7246のグレードである。
【0106】
図2図8に最もよく示されているように、2つのタイプのブラシ毛4が備えられている。第1のブラシ毛4aは第1の長さを有しており、これは第2の長さを有する第2のブラシ毛4bの長さよりもかなり短い。
【0107】
各第1のブラシ毛4aは、横方向の短軸よりもごく僅かに長い長軸を有する僅かに卵形の断面を有しており、その自由端に向かって、僅かに卵形の断面を維持しつつ、僅かにテーパがついたベースを有する。各第1のブラシ毛の長軸は、ブラシの長手方向の軸と平行である。一方、各第2のブラシ毛4bは、長軸と、かなり短い横方向の短軸とを有する明白に楕円形の断面を有するベースを備えている。同様に、第2のブラシ毛4bはテーパのついたベースから延びている。第2のブラシ毛4bの長さの第1の部分5にわたって、第2のブラシ毛4bにはその断面形状が楕円から実質的に円形に変化するようにテーパがついている。各第2のブラシ毛4bの長軸は、ブラシの長手方向軸に直角である。
【0108】
複数のブラシ毛の長軸に直角な、ブラシの長手方向軸に沿った端面図である図2及び図3に最もよく見られるように、長軸が通って延びる第2のブラシ毛4bの複数のエッジは、各ブラシ毛4bがベースから離れるにつれて、だんだんと急峻になる角度で互いに接近する。対向する複数のエッジは湾曲した経路で相互に接近する。
【0109】
図4及び6より最もよく見えるように、短軸が通って延びる第2のブラシ毛4bの複数のエッジは、実質的に一定の角度で互いに接近し、従ってこれら第2のブラシ毛4bのこの複数のエッジは実質的に真っ直ぐである。
【0110】
図4及び図6より最もよく見えるように、第1のブラシ毛4aの複数のエッジは、実質的に一定の角度で相互に接近し、実質的に真っ直ぐであり、全体を通してごく僅かな楕円形(ほとんど円形)の横断面を有する。
【0111】
その結果、ブラシの長軸に対し直角に見ると、第1のブラシ毛4aと第2のブラシ毛4bの形状及び幅は類似しており、一方ブラシの長手方向軸に沿って見ると、これらの形状及び幅は似ていない。
【0112】
第2のブラシ毛4bそれぞれの第1の部分5の端部では、その断面は実質的に円形である。この箇所で第2のブラシ毛4bの第2の部分6が始まる。第2のブラシ毛4bの第2の部分6にわたって、第2のブラシ毛4の断面は実質的に円形のままであり、第2のブラシ毛4bはドーム状の表面を有する自由端に向かってテーパを持っている。ブラシ毛の第2の部分6にわたって第2のブラシ毛4bのテーパの程度は、特に第1の部分5の第2の部分6にごく近接した箇所におけるテーパの程度と比較すると、第1の部分5にわたるものよりも小さくなっている。従って第1と第2の部分の間の接合点には、第2のブラシ毛4bの表面の形状には非連続性が存在する。
【0113】
第2のブラシ毛4bの第2の部分6のテーパの程度は、実際のところ、金型から第2のブラシ毛4bを確実に外すことができるように最大限調和している。第2のブラシ毛4bの第2の部分6の機能に関する限り、実質的に一定の直径を有するようにしたい。このことは第1のブラシ毛4aにも当て嵌まる。
【0114】
第1のブラシ毛のほとんどは、他の第1のブラシ毛のほとんどと同じ長さであり、以下に述べるような寸法を有する。第2のブラシ毛4bのほとんどは他の第2のブラシ毛と同じ長さを有し、以下に述べるような寸法を有する。ブラシ毛の間での長さの軽微な相異は、機能に強い影響を与えることはなく、美的な理由により生じ得ることは認識されるだろう。
【0115】
図示した実施の形態において、第1のブラシ毛4aそれぞれは、ベースから先端まで約8.3mm延びている。
【0116】
図示した実施の形態において、第2のブラシ毛4bの第1の部分5はベースから約14mm延びており、第2のブラシ毛4bの第2の部分6は第1の部分5の端からブラシ毛4bの端までさらに約12mm延びている。ブラシ毛4のドーム状の端部は、約0.4mmの曲率半径を有する。
【0117】
各ブラシ毛の最下部は、最小限の高さ(例えば通常1mm未満)の境界部、すなわちプラットフォーム9であり、上面3とブラシ毛4が合致し、上面から急激に内側にテーパがついている。この境界部の上の、各第1のブラシ毛4aの最も幅の広い部分は、そのベースを計測すると、その長軸沿いに約1.3mmの幅、及びその短軸沿いに約1.11mmの幅を有する。長軸における各第1のブラシ毛4aの複数の側部(sides)は約2.9°の角度で相互に接近し、一方最も近い対向する複数の側部は2.4°の角度で相互に接近する。
【0118】
ドーム状の端部を含まない、各第1のブラシ毛4aの自由端において、各第1のブラシ毛4aは、約0.82mmの短軸と約1.0mmの長軸を直径とする僅かに楕円形の断面を有する。
【0119】
各第2のブラシ毛4bの第1の部分5の最も幅の広い部分は、境界部よりも上の測定で、その楕円形の断面の長軸に沿って、約3.4mmの幅を有する。各第2のブラシ毛4bのベースの最も狭い部分は、境界部よりも上で、その楕円形の断面の単軸に沿って測定されるが、約1.65mmの深さを有する。短軸に沿った各第2のブラシ毛4bの側部は、約2°の角度で相互に接近する。長軸に沿った各第2のブラシ毛4bの側部は徐々に増加する角度で相互に接近し、円滑な湾曲を形成する。長軸に沿った各第2のブラシ毛4bの各第1の部分の2つの側部の間のテーパの平均角度は9.7°、すなわち約10°である。すなわち2つの側部がテーパでなく真っ直ぐになるには、このテーパの角度が必要とされる。
【0120】
各第2のブラシ毛4bの第1の部分5bの端部では、約1.2mmの直径である実質的に円形の断面を有する。
【0121】
各第2のブラシ毛4bの複数の側部は、その長さの第2の部分6bにわたって、約2°の角度で相互に接近し、ドーム状の端を含むことなく、各第2のブラシ毛4bの自由端において約0.8mmの直径となる。
【0122】
他の箇所で論じたように、その他の寸法が可能である。
【0123】
複数のブラシ毛4の配列は概ね長方形の形状であり、その長軸はブラシの長手方向軸と平行である。長方形の長辺とほぼ直角の方向に頭髪の中を動かすためである。
【0124】
配列中の各ブラシ4は、ブラシ4の「長列」(すなわち本体1の縦方向に沿って延びる列)と、長列と直角に延びる(本体1の幅を横切る)ブラシ4の「短列」の一部分を形成する。
【0125】
複数の長列のそれぞれは真っ直ぐであり(しかし僅かに湾曲させることもできる)、実質的に平行であり、且つ実質的に均等に間隔が空けられている。各長列においては複数のブラシ毛4は実質的に均等に間隔が空けられており、複数の第1のブラシ毛4aの楕円形の断面の長軸が全て同じ直線に実質的に沿っており、複数の第2のブラシ毛4bの第1の部分5の長軸は前記直線に対し直角である。複数のブラシ毛4は各長列において同じ量だけ間隔が空けられており、隣接する複数の長列は相互に相対的にオフセットされて、一つの列の中の複数のブラシ毛4の断面の中心が、隣接する列の中の隣接する複数のブラシ毛4の間の中間点に位置するようにしている。この実施の形態において、各長列における隣接する複数のブラシ毛の中心点の間の距離は4mmである。
【0126】
複数の短列それぞれは、実質的に真っ直ぐ且つ実質的に平行である。各短列において複数のブラシ毛4は実質的に均等に間隔を空けられており、第1のブラシ毛4aの楕円形の横断面の短軸は実質的に同じ線に沿っており、第2のブラシ毛4bの第1の部分5の長軸は実質的に同じ線に沿っている。ブラシ毛4は各短列において同じ量だけ間隔を空けられており、各短列の中心線は十分に間隔を空けられていて、どの列におけるどのブラシ毛4の一部も、その列又はそれぞれ隣接する短列における2つの隣接するブラシ毛4の間に延びないようにしている(境界領域を除く)。このことは図2図3及び図6に最もよく見ることができる。この実施の形態においては、各短列における隣接するブラシ毛の中心点の間の距離は5.8mmである。
【0127】
従ってブラシ毛の隣接する短列の中心点の間の距離は(4mm ÷ 2 =) 2mmとなり、ブラシ毛の隣接する長列の中心点の間の距離は (5.8mm ÷ 2 =) 2.9mmとなる。
【0128】
図示の実施の形態においては、配列は5本の長列を含む。短いブラシ毛4aの3本の長列は、1本が溝7に沿って配列され、2列は中間の列の外側に平行になっている。長いブラシ毛4bの2本の長列は中間の列の両側且つ外側の列の内側に配列されている。第1の(短い)ブラシ毛4aの各長列は19本のブラシ毛4aを有し、これに対して第2の(長い)ブラシ毛4bの各長列は20本のブラシ毛を有する。
【0129】
複数の短列は2本のみの長い第2のブラシ毛4bか、3本の短い第1のブラシ毛4aのいずれかよりなる。
【0130】
もちろん、複数の列の数も、各列における複数のブラシ毛の数も所望に応じ、及び必要に応じて変更することができる。配列の他の形状も可能である。
【0131】
複数の長列の中心線は2.9mmの間隔を空けられており、約0.7mmの長手方向の間隙が第2のブラシ毛4bの各第1の部分5のベースと隣接する第1のブラシ毛4aとの間に備えられている。第1のブラシ毛4aの先端において、この間隙は約1.1mmである。境界部には長手方向の間隙は存在しないが、上述のように、この部分は単なる美観目的であり、技術的効果を有しないほど短く、ブラッシングにも貢献することはない。従って、一つの列の中の複数のブラシ毛の第1の部分5の一部も、隣接する1つの列の中の隣接する複数のブラシ毛4の間に延びることはない。
【0132】
2.9mmの間隔を空けた中心線を有する5本の長列を設けること、複数のブラシ毛が約12-13mmの幅を超えて延びていることを意味し、一方2mmの間隔を空けた中心線を有する複数のブラシ毛の総計39本の短列は、39×2 = 78mmとして約80mmの長さを超えて複数のブラシ毛が延びているということを意味する。
【0133】
複数のブラシ毛4は同一の材料から単一片として成形されているが、それらの異なる断面及び形状のために、複数のブラシ毛4は同一の材料から単一片として成形され、第1の部分5は第2の部分6よりもかなり硬くなる。実際に、使用の際には、第1の部分5は全く柔軟性がないのに対し、第2の部分は柔軟性が高い。第2の部分5は、完全に逆向きになるまで(上面に向かって先端部が戻り、一方第1の部分6は上面3に完全に直角のままになるように)容易に曲がることができる。その一方で、第1の部分6を90°まで曲げるためには、応力の相対的に高いレベルが必要であり、それらの長軸の線に沿って曲げる場合には手動で90°まで第1の部分6を曲げるのは非常に困難である。
【0134】
境界部を考慮に入れなければ、複数のブラシ毛4の長列の長さに沿った、複数のブラシ毛4のベースの幅は、1つの列の中の隣接する複数のブラシ毛4の間の間隔よりも小さく、そのため複数のブラシ毛4の複数の長列の方向に直角の方向から見たときの隣接する複数の列4の中の複数のブラシ4のベースの間隙を1本のブラシ毛4が塞ぐことはない。
【0135】
複数の第1のブラシ毛4a及び複数の第2のブラシ毛4bは、複数の第1の(短い方の)ブラシ毛4aの各短列が、複数の第2の(長い方の)ブラシ毛4bの2本の短列の間に位置するように、配列されている。複数の第2の(長い方の)ブラシ毛4bの各短列は、それらの各端を除き、短い方のブラシ毛4aの2本の短列の間に配置されている。
【0136】
複数のブラシ毛4の複数の長列について、複数の長いブラシ毛4aの各長列は複数の短いブラシ毛4aの2本の長列の間に位置するという点で逆も成り立ち、一方複数の短いブラシ毛4aの中間列のみが複数の長いブラシ毛4bの2つの列の間に位置している。従って、同じ長さの複数のブラシ毛4の複数の列の複数の中央線の間の距離は、複数のブラシ毛4の隣接する複数の列の複数の中央線の間の距離のほぼ2倍になる。
【0137】
よって、各タイプのブラシ毛4の密度は、複数のブラシ毛4の総密度よりも少ない。複数のブラシ毛の約5分の2のみ(すなわち97本のうちの40本)が複数の第2の(長い)ブラシ毛4bであり、複数のブラシ毛の約5分の3(97本のうちの57本)が長さが短い方の複数の第1のブラシ毛4aである。
【0138】
上述のように、このブラシは逆毛ブラシであり、頭髪を逆毛セットするのに特に適合し、それを目的とするものである。使用の際には、ユーザは頭髪の一部を手に取る。便利には、取っ手の先端を頭皮に沿って平行に中心の分け目に差し込み、ベースの幅約1-2cm及び頭皮に沿って5-10cmの頭髪の一部を持ち上げることによる。任意に、逆毛セットの準備として、次に頭髪の一部は頭皮から離れてブラッシングされてもよい。ユーザは取っ手2によりブラシを把持し、親指握り部9をつまんで、次に一部にブラシ毛を深く差し込み、短い方の(第1の)ブラシ毛4aが一部の中に十分に延びるようにする。次に、長い方のブラシ毛4bをガイドとして働かせて、ブラシを往復させ、第1のブラシ毛4aと長い方のブラシ毛4bの第1の部分5との間の間隙に頭髪を絡め取って逆毛セットし、頭皮のところで曲がるようにする。本体1もだが、ブラシ毛4の配列が細い(ほんの幅約12mm)という事実は、先端近く又は中間から頭髪を拾い上げて、頭皮に向かって下にブラッシングしてもつれ/結び目を形成する際に、逆毛ブラシが頭髪の縦方向の大部分に沿って作用できる、ということを意味する。もちろん、逆毛セット向けではない他のブラシは幅広になりがちであり、それ故にこの仕事には不適当で、先端又は中間に向かって頭髪を拾い上げることができず、またベースに向かって真っ直ぐに引くこともできない。
【0139】
この過程は、ユーザが頭髪から隣接する区分け(sections)を分離しつつ繰り返され、任意に区分け(sectioning)の実行のために取っ手を使用し(親指握り部を把持して)、次に一部分を往復ブラッシングして、その一部が折れ曲がり、ベースにもつれ/結び目ができるように、頭髪を逆毛セットする。必要な範囲の満足のいく逆毛セットが実施されたら、ユーザは、相互に広い間隔が空けられており、そのため頭髪を捕らえることのない第2のブラシ毛4bの第2の部分6を利用して、頭髪の表面を平坦化し、セットすることができる。
【0140】
複数の第2のブラシ毛4bの長さが非常に長く、複数の第1のブラシ毛4aよりも17mmを超えて長いために、さらなる動作が実行される。必要に応じて一定の区域の体積を減少させるために、及びスタイルをさらに改善するために、複数の第2のブラシ毛4bを逆毛セットされた頭髪の中に深く差し込んで逆毛セットされた領域を部分的にもつれさせる。表面のスタイリングに際して、複数のブラシ毛の幅の間隔、及び頭髪の本体の中に延びる領域内におけるそれらの柔軟性は、頭髪を捕らえたり引っ張ったりすることなく、この動作を実行することができるということを意味する。
【0141】
ブラシの頭髪への圧力が解放されると、複数のブラシ毛の第1の部分の形状は、頭髪をブラシ毛から、複数のブラシ毛4の間の大きい間隔のある領域へと、容易に移動することを許容する。このことは、ブラシに頭髪が巻き付く危険を減少する。逆毛セット及びその後のスタイリング過程は、その先端近くの複数の第2のブラシ毛4bの間の大きな間隙により特に向上する。これは長い複数のブラシ毛と短い複数のブラシ毛の包含に起因する。
【0142】
上述の実施の形態は一例としてのみ説明されたものである。多くの変化が添付の特許請求の範囲において定義された発明の範囲から逸脱することなく可能である。
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