(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】自律移動搬送ロボット
(51)【国際特許分類】
B25J 5/00 20060101AFI20220712BHJP
【FI】
B25J5/00 A
(21)【出願番号】P 2020554531
(86)(22)【出願日】2019-04-04
(86)【国際出願番号】 CN2019081597
(87)【国際公開番号】W WO2019196755
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-09-30
(31)【優先権主張番号】201810313546.0
(32)【優先日】2018-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520381665
【氏名又は名称】AIrobot株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】段 煉
【審査官】神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-267276(JP,A)
【文献】特開2007-216381(JP,A)
【文献】特表2018-507829(JP,A)
【文献】特開平11-005401(JP,A)
【文献】特開2018-020423(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106994693(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座(11)、及び前記台座(11)に固定されかつ垂直方向に上向きに延びている縦板(12)を備える本体と、
前記台座(11)に取り付けられる主動輪及び従動輪を備える走行機構(2)と、
2つのマニピュレーターを備え、各々の前記マニピュレーターは、近端が前記縦板(12)に接続されるロボットアーム(3)、及び前記ロボットアーム(3)の遠端に枢動接続されるジグ(4)を備え、前記ロボットアーム(3)は、前記ジグ(4)が所望の位置に到達できるように設けられ、2つの前記マニピュレーターは、2つの前記ジグ(4)が相互に接近したり離れたり
することで対象物(400)をクランプ・解放するように
運動する作動機構と、
前記対象物(400)を搭載するための複数の板状の搭載部材(5)を備え、複数の前記搭載部材(5)がいずれも前記縦板(12)の同一側、前側または後側に固定され、かつ垂直方向に間隔をおいて設けられる搭載機構と、
前記走行機構の走行/停止と曲がりを制御し、及び前記マニピュレーターの前記運動を制御するための制御システムとを備え
、
前記ロボットアーム(3)は、伸縮アーム(31)と、回転アーム(32)と、前記制御システムに電気的に接続される駆動装置とを備え、前記回転アーム(32)は、順にヒンジ連結される複数のアームセクションを備え、前記回転アーム(32)の近端が前記伸縮アーム(31)の遠端にヒンジ連結され、前記回転アーム(32)の遠端が前記ジグ(4)に枢動接続され、前記駆動装置は、前記伸縮アーム(31)の横方向の移動を駆動するための第1の駆動装置(331)と、前記アームセクションのヒンジ軸の周りを回転するように駆動するための第2の駆動装置(332)とを備え、前記アームセクションのヒンジ軸は、相互に平行しかつ前記横方向に平行し、
前記ジグ(4)は対象物(400)用の支持台(411)を有し、前記支持台が前記対象物(400)に対面する方向は、前記横方向に固定される、自律移動搬送ロボット。
【請求項2】
台座(11)と、
前記台座(11)に取り付けられる2つの主動輪(21)及び少なくとも2つの従動輪とを備え、前記主動輪(21)は、中心回転軸線を有し、前記台座(11)にヒンジ連結され、前記台座(11)と前記主動輪(21)との間に弾性付勢部材が設けられ、
前記弾性付勢部材の第1端が前記台座(11)を付勢し、前記弾性付勢部材の前記第1端に対応する第2端が前記主動輪(21)を付勢することで、前記主動輪(21)が前記中心回転軸線に平行する枢動軸線の周りを回転して、前記台座(11)に対して上下移動できるようにし
、
前記主動輪(21)は、取り付けブラケット(211)と、
前記取り付けブラケット(211)に固定される駆動モータ(212)と、
前記駆動モータ(212)の出力軸に固定される主動輪ローラ(213)とを備え、前記駆動モータ(212)は、前記制御システムに電気的に接続されるとともに、
前記主動輪ローラ(213)が前記駆動モータ(212)の出力軸の軸線の周りを回転するように駆動し、前記取り付けブラケット(211)が前記台座(11)に固定されるヒンジシート(110)に枢動軸(214)を介して接続され、前記弾性付勢部材の前記第2端が前記取り付けブラケット(211)を付勢し
、前記弾性付勢部材は、バネ付きプランジャ(22)として構成され、
前記バネ付きプランジャ(22)は、前記台座(11)に固定され、かつ前記バネ付きプランジャ(22)のヘッド部が前記取り付けブラケット(211)に当接して前記第2端として機能し
、各々の前記主動輪(21)には、2つの前記バネ付きプランジャ(22)が対応して設けられ
、
前記枢動軸(214)は、ピン軸として構成され、一端が自体のヘッド部を介して前記取り付けブラケット(211)に止められ、他端がストッパを介して前記ヒンジシート(110)に止められ
、前記ストッパは、クリップ(215)として構成さ
れる、ことを特徴とする請求項1に記載の自律移動搬送ロボット。
【請求項3】
前記従動
輪は、ユニバーサルホイール(23)である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の自律移動搬送ロボット。
【請求項4】
前記第1の駆動装置(331)は、モータとして構成され、前記伸縮アーム(31)が伝動構造を介して前記モータの出力軸に接続され、前記出力軸の回転運動を前記横方向における前記伸縮アーム(31)の直線運動に変換することができ
、前記モータは、
第1の中空軸モータであり、前記伝動構造は、ボールネジ伝動構造として構成され、相互に嵌合するネジロッド(341)とナットとを備え、前記ネジロッド(341)が固定座(342)を介して固定され、前記ナットが前記
第1の中空軸モータの中空出力軸に固定され、前記
第1の中空軸モータが前記伸縮アーム(31)に固定して接続され
、前記
第1の中空軸モータが第1の固定板(351)に固定され、前記伸縮アーム(31)が第2の固定板(352)に固定され、前記第1の固定板(351)と第2の固定板(352)がいずれもスライダ(361)に固定され、
前記スライダ(361)は、前記ロボットアーム(3)の設けられる装置に設けられた前記横方向に延びている案内ロッド(362)に嵌合し
、
前記第2の駆動装置(332)は、
第2の中空軸モータであり、前記回転アーム(32)は、第1のアームセクション(321)と第2のアームセクション(322)とを備え、前記第1のアームセクション(321)の近端と前記伸縮アーム(31)が前記
第2の中空軸モータを介してヒンジ連結され、前記第1のアームセクション(321)の遠端と前記第2のアームセクション(322)の近端が前記第2の駆動装置(332)を介してヒンジ連結され
、
前記アームセクションの延び方向が前記横方向に垂直であり、かつ前記アームセクションが中空であり、前記伸縮アーム(31)は、前記横方向に延びているとともに、中空であり
、
前記駆動装置は、前記ジグ(4)が自体の枢動軸の周りを回転するように駆動するための第3の駆動装置(333)をさらに備え、前記枢動軸が前記横方向に平行するように設けられ
、前記第3の駆動装置(333)は、
第3の中空軸モータであり、
前記第3の中空軸モータは、前記回転アーム(32)の遠端に設けられ、前記
第3の中空軸モータの中空軸が前記ジグ(4)に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の自律移動搬送ロボット。
【請求項5】
前記ジグ(4)は、ジグ本体(41)と弾性挟持部材とを備え、前記ジグ本体(41)には、対象物(400)用の支持台(411)と前記支持台(411)より高いボス(412)が設けられ、前記弾性挟持部材は、前記ボス(412)に固定して接続される近端と、該近端に対向する遠端とを有し、該遠端は、対象物(400)に当接し、前記支持台(411)に嵌合して、前記対象物(400)を解放可能に挟持することに用いられ
、
前記弾性挟持部材は、第1の弾性挟持部材(421)を備え、
前記第1の弾性挟持部材(421)は、前記ボス(412)に固定される第1の近端(4211)と、
前記第1の近端(4211)に対向する第1の遠端(4212)とを有し、
前記第1の遠端は、前記支持台(411)の上方まで延びて弾性挟持部を形成し、
前記弾性挟持部と前記支持台(411)との間には、前記対象物(400)用の挟持空間が画定されており、前記弾性挟持部は、前記対象物(400)へ前記支持台(411)向きの弾性締付力を提供し
、前記第1の遠端(4212)の端部(4213)は、前記支持台(411)と離れる方向へ屈曲し、前記対象物(400)が前記挟持空間に入るように案内することに用いられ
、
前記支持台(411)には、弾性材料で製造された第1のクッション(431)が設けられ
、前記第1のクッション(431)は、前記挟持空間の中間に間隔をおいて2つ設けられ
、
前記弾性挟持部材は、第2の弾性挟持部材(422)を備え、前記ジグ本体(41)は、前記支持台(411)と前記ボス(412)との間に鈎状溝(413)が設けられ、前記第2の弾性挟持部材(422)が前記鈎状溝(413)に設けられ、前記第2の弾性挟持部材(422)は、前記ボス(412)の側壁に固定される第2の近端(4221)と、
前記第2の近端(4221)に対向する第2の遠端(4222)とを有し、
前記第2の遠端(4222)は、前記対象物(400)に当接し、前記対象物(400)へ外向きの弾性締付力を提供することに用いられ
、前記第2の遠端(4222)の端部が折り畳まれ、かつ屈曲部が外向きであり
、前記ボス(412)の側壁には、弾性材料で製造された第2のクッション(432)が接続され
、前記第2のクッション(432)は、前記ボス(412)の側壁に間隔をおいて2つ設けられ
、
前記ジグ(4)は、前記対象物(400)におけるマークと揃う位置決め具(44)を備え、
前記位置決め具(44)は、前記ボス(412)に伸縮可能に接続され、前記位置決め具(44)の端部には前記制御システムに電気的に接続される位置合わせセンサが設けられ、前記位置合わせセンサは、前記位置決め具(44)の端部が前記マーク
と位置が合った時に確認信号を発出し、
前記位置が合っていない時に警報信号を発出し、前記ボス(412)には、前記制御システムに電気的に接続される近接センサ(45)が設けられ、前記位置決め具(44)が縮んで前記近接センサ(45)に近接するとき、前記近接センサ(45)が確認信号を発出し
、
前記ジグ(4)は、前記ボス(412)の上方において前記ボス(412)に固定して接続されるシールプレート(46)をさらに備え、前記ジグ(4)には、前記対象物(400)が挟持位置にあることを指示するための第1の信号光源(47)が設けられ、
前記第1の信号光源(47)は、前記制御システムに電気的に接続されるとともに、半透明材料で製造された前記シールプレート(46)に設けられ
、
前記ジグ(4)は、自律移動搬送ロボットのロボットアームに枢動接続される接続ブロック(48)をさらに備え、前記ジグ本体(41)が前記接続ブロック(48)に固定して接続され
、
2つの前記マニピュレーターの2つの前記ジグ(4)の一方の前側には、前記制御システムに電気的に接続される写真カメラ(491)が設けられ、2つの前記マニピュレーターの2つの前記ジグ(4)の他方の前側には、前記制御システムに電気的に接続されるフラッシュランプ(492)が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の自律移動搬送ロボット。
【請求項6】
前記搭載部材(5)は、
対象物(400)を搭載するための搭載面を有する板状本体(51)と、
前記搭載面に固定され、前記対象物(400)の位置決め孔溝に嵌合して、前記板状本体(51)における前記対象物(400)の移動を制限するための位置決め構造(52)と、
前記制御システムに電気的に接続されかつ前記板状本体(51)に固定されて、前記対象物(400)の番号を読み取るためのRFIDアンテナ(53)と、
前記制御システムに電気的に接続されかつ前記板状本体(51)に固定され、搭載部材(5)に対象物(400)が置かれたか否かを検出するための対象物検出装置(54)とを備え
、
前記位置決め構造(52)は、3つの位置決め柱として設けられ、3つの前記位置決め柱は、結ぶ線が三角形状になるように配置され、前記対象物検出装置(54)は、搭載面から突出する検出部を備え、前記対象物(400)の位置決め孔溝が前記位置決め構造(52)に嵌合するとき、
前記検出部が対象物(400)の重力作用下で前記板状本体51内に縮むことができ、前記対象物検出装置(54)は、確認信号を発出して、前記対象物(400)が前記搭載面に置かれたことを指示し
、
容易に配線するように、前記RFIDアンテナ(53)と前記対象物検出装置(54)が隣接して設けられ
、
前記対象物検出装置(54)は、光電センサとして構成され
、
前記板状本体(51)は、順に重なって接続される主板(511)と、中間層板(512)と、被覆板(513)とを備え、前記中間層板(512)には開孔(5121)が設けられ、
前記開孔(5121)内には前記制御システムに電気的に接続される第2の信号光源(55)が設けられ、
前記第2の信号光源(55)は、それぞれ1つの稼働状態を指示する複数種の色の光を発出でき、光が通過するために、前記被覆板(513)と前記中間層板(512)がいずれも半透明または透明材料で製造され、前記被覆板(513)には、前記制御システムに電気的に接続される緊急停止ボタン(56)が設けられ
、前記第2の信号光源(55)は、ストリップ状として構成され、かつ前記開孔(5121)内には、それぞれ前、後、左、右へ光を発出する4本の前記第2の信号光源(55)が設けられ
、前記被覆板(513)と前記中間層板(512)は、いずれもアクリルガラス材料で製造され
、
前記搭載部材(5)には、前記板状本体(51)に固定され、前記制御システムに電気的に接続される双眼カメラ(57)が設けられ
、前記搭載部材(5)には、前記板状本体(51)に固定され、前記制御システムに電気的に接続される第3の障害物回避センサ(58)が設けられ
、前記第3の障害物回避センサ(58)は、2つ設けられ、前記双眼カメラ(57)が2つの前記
第3の障害物回避センサ(58)の間に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の自律移動搬送ロボット。
【請求項7】
前記自律移動搬送ロボットと棚との間の距離を検出するために、前記台座(11)には、前記自律移動搬送ロボットの前側及び/または後側に位置し、前記自律移動搬送ロボットの横方向に間隔をおいて設けられる2つの距離検出装置(113)が設けられ、前記距離検出装置(113)が前記制御システムに電気的に接続され、前記距離検出装置(113)の距離信号に基づき前記走行機構(2)を制御し、それにより、前記自律移動搬送ロボットを、前記対象物(400)を収納するための棚に位置合わせ
、
前記距離検出装置(113)は、赤外センサとして構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の自律移動搬送ロボット。
【請求項8】
前記台座(11)の前側と後側には、いずれも、前記制御システムに電気的に接続され、周囲障害物を検出するための第1の障害物回避センサ(114a)が設けられ、前記制御システムは、前記第1の障害物回避センサ(114a)から発出された危険信号を受信すると、運動を停止させて警報を発出させるように前記走行機構(2)を制御し
、
前記第1の障害物回避センサ(114a)の左側及び/または右側には、第2の障害物回避センサ(114b)が設けられ
、
前記第1の障害物回避センサ(114a)は、それぞれ前記自律移動搬送ロボットの前側と後側に位置する2つの赤外センサを備え
、
前記台座(11)には、前記台座(11)の外側に囲まれた2つの衝突防止ストリップ(115)が設けられ
、
前記衝突防止ストリップ(115)には、前記制御システムに電気的に接続される衝撃センサが設けられ、前記制御システムは、前記衝撃センサから発出された危険信号を受信すると、運動を停止させて警報を発出させるように前記走行機構(2)を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の自律移動搬送ロボット。
【請求項9】
前記本体は、前記縦板(12)と密閉空間をなすケーシング(13)を備え、前記ケーシングには、操作パネル(14)が設けられ、
前記操作パネル(14)は、容易にマンマシンインタラクション操作を行うように、傾斜に設けられ、前記制御システムは、
前記操作パネル(14)を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の自律移動搬送ロボット。
【請求項10】
前記台座(11)の下面には、前記制御システムに電気的に接続される底部カメラ(116)が設けられ、前記台座(11)の4つの曲がり角には、いずれも前記制御システムに電気的に接続される地面距離検出装置が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の自律移動搬送ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動化移動搬送ロボットの技術分野に関し、具体的には、自律移動搬送ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
自動誘導輸送車または無人搬送車は、輪式移動を特徴とし、その移動領域にレール、ブラケットフレームなどの固定装置を敷設する必要がなく、場所、道路やスペースに制限されず、自動性と柔軟性の特徴を持っている。従って、自動化物流システムに幅広く応用されており、効率的、経済的、柔軟な無人化生産を実現する。
【0003】
たとえば、半導体の生産システムでは、一般的に、シリコンウエハーが入れられたfoup(front opening unified pod、フロント・オープニング・ユニファイド・ポッド)を無人搬送車で輸送し、たとえば、機台から棚に搬送するか、または棚から機台に搬送するか、または1つの棚から他の棚に搬送する。
【0004】
しかし、従来の無人搬送車は、通常、1回に1つのfoupだけ搬送でき、かつ手動積卸しを必要とし、効率が十分に低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、手動で積卸しすることなく、対象物の自動化搬送を実現でき、生産リズムと稼動効率を効果的に向上させる自律移動搬送ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本開示は、自律移動搬送ロボットを提供し、前記自律移動搬送ロボットは、台座、及び前記台座に固定されかつ垂直方向に上向きに延びている縦板を備える本体と、前記台座に取り付けられる主動輪及び従動輪を備える走行機構と、2つのマニピュレーターを備え、各々の前記マニピュレーターは、近端が前記縦板に接続されるロボットアーム、及び前記ロボットアームの遠端に枢動接続されるジグを備え、前記ロボットアームは、前記ジグが所望の位置に到達するように設けられ、2つの前記マニピュレーターは、2つの前記ジグが相互に接近したり離れたりし、対象物をクランプ・解放するように連動する作動機構と、前記対象物を搭載するための複数の板状の搭載部材を備え、複数の前記搭載部材がいずれも前記縦板の同一側、前側または後側に固定され、かつ垂直方向に間隔をおいて設けられる搭載機構と、前記走行機構の走行/停止と曲がりを制御し、及び前記マニピュレーターの前記運動を制御するための制御システムとを備える。
【0007】
上記技術案を通じて、本開示により提供される自律移動搬送ロボットは、1回に複数の対象物を搬送することができる。その稼動プロセスは、具体的には以下のおりである。まず、空いている自律移動搬送ロボットは、対象物を収納する第1の位置に走行させるように走行機構を制御システムによって制御し、その後、ジグの姿態(自体の枢動軸を回る回転角度)とロボットアームの運動を制御システムによって制御し、ジグを所望の位置まで送って、ロボットアームの運動により、ジグで対象物を挟持し、その後、ロボットアームの運動を制御することで、挟持した対象物を搭載機構の1つの搭載部材に置き、それにより、1つの対象物の「積み」を完了する。その後、全ての搭載部材にいずれも対象物を置くまで、上記稼動プロセスを繰り返すことができる。その後、走行機構を制御することで、自律移動搬送ロボット全体が対象物を輸送すべき第2の位置に前進し、マニピュレーターによって順に対象物を対応する搭載部材から挟持して第2の位置の対応する置き位置まで送り、対象物の「卸し」を実現する。このプロセスにおいて、マニピュレーターが容易に作動するために、走行機構を制御することで自律移動搬送ロボットの位置を変更することができる。以上の説明を通して、本開示により提供される自律移動搬送ロボットは、手動で積卸しすることなく、対象物の自動化搬送を実現することができ、かつ1回に複数の対象物を運搬でき、生産リズムと稼動効率を効果的に向上させる。なお、複数の支持部材を垂直方向に順に配置することで、台座の上部空間を効果的に利用でき、自律移動搬送ロボットのコンパクト化を実現することに寄与し、広い応用範囲と高い敏捷性を持っている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の他の特徴や利点については、以下の具体的な実施形態部分に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面は、本開示への更なる理解を提供するために使用され、明細書の一部を構成する。以下の具体的な実施形態とともに、本開示を解釈するために使用されるが、本開示を制限するものを構成しない。図面において、
【
図1】本開示の第1の側面の実施例により提供される自律移動搬送ロボットの立体模式図である。
【
図2】本開示の第1の側面の実施例により提供される自律移動搬送ロボットの正面模式図である。
【
図3】本開示の第1の側面の実施例により提供される自律移動搬送ロボットの正面模式図であり、台座内の構造部材を示すために、スカート板を示していない。
【
図4】本開示の第1の側面の実施例により提供される自律移動搬送ロボットの側面模式図である。
【
図5】本開示の第1の側面の実施例により提供される自律移動搬送ロボットの側面模式図であり、台座内の構造部材を示すために、スカート板を示していない。
【
図6】本開示の第1の側面の実施例により提供される自律移動搬送ロボットの後面模式図である。
【
図7】本開示の第1の側面の実施例により提供される自律移動搬送ロボットの上面模式図である。
【
図8】本開示の第2の側面の実施例により提供される走行機構の立体模式図である。
【
図9】本開示の第2の側面の実施例により提供される走行機構の他の立体模式図である。
【
図10】本開示の第2の側面の実施例により提供される走行機構の立体の他の模式図であり、該図には、従動輪が示されていない。
【
図11】本開示の第2の側面の実施例により提供される走行機構における主動輪の立体模式図である。
【
図12】本開示の第3の側面の実施例により提供されるロボットアームの立体模式図である。
【
図13】本開示の第3の側面の実施例により提供されるロボットアームの他の立体模式図であり、該図において、アームセクションが中空であることを観察でき、かつ第2の駆動装置と第3の駆動装置を観察できる。
【
図14】本開示の第4の側面の実施例により提供される自律移動搬送ロボット用ジグの立体模式図である。
【
図15】本開示の第4の側面の実施例により提供される自律移動搬送ロボット用ジグの他の方向の立体模式図である。
【
図16】本開示の第4の側面の実施例により提供される自律移動搬送ロボット用ジグの他の立体模式図であり、内部構造を示すために、該図にはシールプレートが示されていない。
【
図17】本開示の第4の側面の実施例により提供される自律移動搬送ロボット用ジグの内部構造の上面模式図である。
【
図18】本開示の第5の側面の実施例により提供される自律移動搬送ロボット用支持部材の立体模式図である。
【
図19】本開示の第5の側面の他の実施例により提供される自律移動搬送ロボット用支持部材の立体模式図である。
【
図20】本開示の第5の側面の他の実施例により提供される自律移動搬送ロボット用支持部材の立体模式図であり、内部構造を示すために、被覆板が省かれている。
【
図21】本開示の第6の側面の実施例により提供される自律移動搬送ロボットの側面模式図である。
【
図22】本開示の第7の側面の実施例により提供される自律移動搬送ロボットの立体模式図である。
【
図23】本開示の第7の側面の実施例により提供される自律移動搬送ロボットのグリッパーの立体模式図である。
【
図24】本開示の第7の側面の実施例により提供される自律移動搬送ロボットのグリッパーの他の方向の立体模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を組み合わせて、本開示の具体的な実施形態について詳細に説明する。ここで説明される具体的な実施形態は、本開示を説明・解釈するためにのみ使用され、本開示を制限するために使用されないことを理解されたい。
【0011】
本開示では、理解の便宜上に、自律移動搬送ロボットが、それぞれ縦方向(X方向)、横方向(Y方向)及び垂直方向(Z方向)に対応する長さ、幅及び高さを有すると定義し、逆の説明をしない場合、使用する方位詞、例えば「上、下」、「左、右」、「前、後」は、通常、垂直方向における「上、下」、横方向における「左、右」、縦方向における「前、後」を意味し、「内、外」は、対応する部材の輪郭に対する内、外を意味し、「遠、近」は、ある部材または構造の距離上の遠、近を意味する。なお、本開示に使用される用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などは、1つの要素を別の要素を区別するためのものにすぎず、順序性や重要性がない。
【0012】
片側搭載式ダブルアーム型自律移動搬送ロボット
本開示の第1の側面によれば、片側搭載式ダブルアーム型自律移動搬送ロボットが提供され、
図1~
図7は、1つの実施形態を示す。
図1に示すように、前記片側搭載式ダブルアーム型自律移動搬送ロボット100は、台座11、及び前記台座11に固定されかつ垂直方向に上向きに延びている縦板12を備える本体と、前記台座11に取り付けられる主動輪及び従動輪を備える走行機構2と、2つのマニピュレーターを備え、各々のマニピュレーターは、近端が前記縦板12に接続されるロボットアーム3、及び前記ロボットアーム3の遠端に枢動接続されるジグ4を備え、前記ロボットアーム3は、前記ジグ4が所望の位置に到達できるように設けられ、2つの前記マニピュレーターは、相互に協働して運動するように設けられ、2つの前記ジグ4によって対象物400をクランプ/解放する作動機構と、前記対象物400を搭載するための複数の板状の搭載部材5を備え、複数の前記搭載部材5が前記縦板12の同一側に固定され(前側、または後側、
図1~
図7に示す実施形態では、搭載部材5がいずれも縦板12の前側に固定されるが、他の実施形態では、搭載部材5がいずれも縦板12の後側に固定されてもよい)、かつ垂直方向に間隔をおいて設けられる搭載機構と、前記走行機構の走行/停止と曲がりを制御し、及び前記マニピュレーターの前記運動を制御するための制御システムとを備える。
【0013】
上記技術案を通じて、本開示の第1の側面により提供される自律移動搬送ロボットは、1回に複数の対象物400を搬送することができる。その稼動プロセスは、具体的には以下のおりである。まず、空いている自律移動搬送ロボットは、対象物400を収納する第1の位置に走行させるように走行機構2を制御システムによって制御し、その後、ジグ4の姿態(自体の枢動軸を回る回転角度)とロボットアーム3の運動を制御システムによって制御し、ジグ4を所望の位置まで送って、ロボットアーム3の運動により、ジグ4で対象物400を挟持し、その後、ロボットアーム3の運動を制御することによって、挟持した対象物400を搭載機構の1つの搭載部材5に置き、それにより、1つの対象物400の「積み」を完了する。その後、全ての搭載部材5にいずれも対象物400を置くまで、上記稼動プロセスを繰り返すことができる。その後、走行機構2を制御することで、自律移動搬送ロボット全体が対象物400を輸送すべき第2の位置に前進し、マニピュレーターによって順に対象物400を対応する搭載部材5から挟持して第2の位置の対応する置き位置まで送り、対象物400の「卸し」を実現する。このプロセスにおいて、マニピュレーターが容易に作動するために、走行機構2を制御することで自律移動搬送ロボットの位置を変更することができる。以上の説明を通して、本開示により提供される自律移動搬送ロボットは、手動で積卸しすることなく、対象物400の自動化搬送を実現することができ、かつ1回に複数の対象物400を運搬でき、生産リズムと稼動効率を効果的に向上させる。なお、複数の支持部材5を垂直方向に順に配置することで台座11の上部空間を効果的に利用でき、自律移動搬送ロボットのコンパクト化を実現することに寄与し、広い応用範囲と高い敏捷性を持っている。
【0014】
本開示により提供される自律移動搬送ロボットは、無人化生産職場に応用でき、たとえば、シリコンウエハーの生産職場に応用でき、対象物400は、シリコンウエハーが入れられたfoupボックスであり、中央制御によって命令を自律移動搬送ロボットに発行し、foupボックスを棚、機台500、及び倉庫貯蔵位置の間に搬送することができる。
【0015】
台座11は、走行機構を取り付けるための底板111を備えることができ、また、縦板12の下端が底板111に固定することができる。なお、本開示により提供される自律移動搬送ロボットは、各電力消費部材に給電できるように、自体が電源を持つ必要がある。従って、自律移動搬送ロボットは、底板111に設けられる電源をさらに備え、美観性のために、台座11には、垂直方向に延びており、底板111の外周に囲まれて、電源とワイヤーなどに置き空間を提供するスカート板112がさらに設けられる。なお、本体は、縦板12と密閉空間をなすケーシング13をさらに備えることができ、ケーシング13にはマンマシンインタラクション操作コンソール、たとえば操作パネル14が設けられ(
図6に示す)、該操作パネル14は、容易にマンマシンインタラクション操作を行うように、傾斜に設けられ(
図4と
図6に示す)、制御システムに属する。
【0016】
本開示の第1の側面により提供される具体的な実施形態では、
図3に示すように、「積む」とき、前記自律移動搬送ロボットと、対象物400を置く棚との間の距離を検出するために、前記自律移動搬送ロボットの前側(及び/または後側)に位置し、前記自律移動搬送ロボットの横方向に間隔をおいて配置される2つの距離検出装置113が前記台座11に設けられてもよい。前記距離検出装置113が前記制御システムに電気的に接続され、前記距離検出装置113の距離信号に基づき前記走行機構2を制御し、それにより、前記自律移動搬送ロボットを、前記対象物400を収納するための棚に位置合わせ、ここでの「位置合わせ」は、自律移動搬送ロボットと棚を揃えるとして理解され得、対象物400全体が対応する搭載部材5に並進でき、対象物400の位置決め空き溝が以下に記載の搭載部材5における位置決め構造に嵌合できることを基準とする。前記距離検出装置113は、任意の適切な方式で構成されてもよく、たとえば、レーザーセンサとして構成されてもよい。
【0017】
自律移動搬送ロボットの安全進行を確保するために、前記台座11の前側と後側には、いずれも、前記制御システムに電気的に接続され、周囲障害物を検出するための第1の障害物回避センサ114aが設けられてもよく、前記制御システムは、前記第1の障害物回避センサ114aから発出された危険信号を受信すると、運動を停止させて警報を発出させるように前記走行機構2を制御し、該警報は、音声警報であってもよく、光警報であってもよく、たとえば、以下に記載の第1の信号光源によって赤色光を発出して警報する。
【0018】
任意的には、前記第1の障害物回避センサ114aの左側及び/または右側には、第1の障害物回避センサ114aを補助して、検出範囲を増大させ、感度を高めるための第2の障害物回避センサ114bが設けられる。なお、トップ層の支持部材5には、自律移動搬送ロボットの上部に周囲障害物を検出し、第1の障害物回避センサ114aを補助して、検出範囲を増大させ、感度を高めることに寄与する第3の障害物回避センサ58がさらに設けられる。障害物回避センサは、障害物を検出すると、危険信号を発出し、制御システムは、該信号を受信した直後に、走行機構2の走行動作を停止し、警報を発出する。
【0019】
自律移動搬送ロボットが左右並進しないため、前後方の障害物のみを検出すればよい。任意的には、
図5に示すように、前記第1の障害物回避センサ114aは、それぞれ前記自律移動搬送ロボットの前側と後側に位置し、前方(赤外線の伝搬方向に沿って、赤外線が後から前へ伝搬する)の扇形領域に対して拡散式検出を行う2つの赤外センサを備える。
【0020】
なお、前記台座11には、前記台座11の外側に囲まれた2つの衝突防止ストリップ115が設けられてもよく、任意的には、前記衝突防止ストリップ115には、前記制御システムに電気的に接続される衝撃センサが設けられ、前記制御システムは、前記衝撃センサから発出された危険信号を受信すると、運動を停止させて警報を発出させするように前記走行機構2を制御し、緊急衝撃の場合に自律移動搬送ロボットの継続走行を防止する。
【0021】
また、前記台座11の下面には、前記制御システムに電気的に接続された底部カメラ116が設けられ(
図7に示す)、底部カメラ116は、アンセンテッドナビゲーションにおいて地面特徴を取得し、以下に説明される双眼カメラ57(最上層の支持部材5の側面に設けられ、自律移動搬送ロボットの前進方向の前方または後方に対応し、周囲環境特徴を取得することに用いられる)と協働して、自律移動搬送ロボット自体を測位して、軌跡補償によって位置ずれを補正することに用いられる。前記台座11の4つの曲がり角には、いずれも、前記制御システムに電気的に接続される地面距離検出装置が設けられ、検出した距離情報を制御システムに送信し、制御システムは、該距離情報に基づき、前進前方の底面が平坦であるか否かを判断し、これに基づいて走行機構の走行を制御する。
【0022】
走行機構は、任意の適切な方式で構成されてもよく、任意的には、前記走行機構構造は、本開示の第2の側面により提供される走行機構である。
【0023】
従動輪は、任意の適切な方式で構成されてもよい。
【0024】
マニピュレーターは、任意の適切な方式で構成されてもよく、任意的には、前記マニピュレーターにおけるロボットアームは、本開示の第3の側面により提供される自律移動搬送ロボット用ロボットアームとして構成されてもよく、マニピュレーターにおけるジグは、本開示の第4の側面により提供される自律移動搬送ロボット用ジグとして構成されてもよい。
【0025】
搭載機構は、任意の適切な方式で構成されてもよく、任意的には、前記搭載機構における搭載部材は、本開示の第5の側面により提供される自律移動搬送ロボット用搭載部材として構成されてもよい。
【0026】
以下、対応する図面を組み合わせて本開示について詳細に説明する。
【0027】
走行機構
本開示の第2の側面によれば、走行機構が提供され、
図8~
図11に示すように、前記走行機構は、2つの前記主動輪21と、少なくとも2つの前記従動輪とを備え、前記主動輪21は、中心回転軸線を有し(主動輪21が該中心回転軸線の周りを第1の方向に回転するときに前進すれば、逆方向に回転すると后進し、それにより、本開示の第1の側面により提供される自律移動搬送ロボットに該走行機構が設けられるとき、該中心回転軸線が上記自律移動搬送ロボットの横方向に平行する)、前記主動輪21が前記台座11にヒンジ連結され、前記台座11と前記主動輪21との間には弾性付勢部材が設けられ、該弾性付勢部材の第1端が前記台座11を付勢し、前記弾性付勢部材の前記第1端に対向する第2端が前記主動輪21を付勢することで、前記主動輪21が前記中心回転軸線に平行する枢動軸線の周りを回転して、前記台座11に対して上下移動できるようにする。
【0028】
従来の四輪走行機構は、平坦でない地面を走行するとき、1つの主動輪が宙に浮くか、または4つの輪がいずれも着地するが、受力が均一でなく、即ち、地面への圧力が同じでない場合が生じ、この場合、各輪の地面との摩擦力が異なり、空回り現象が生じやすい結果、走行軌跡に影響を与えてしまう。
【0029】
上記技術案を通じて、本開示により提供される走行機構は、弾性付勢部材が設けられることで、主動輪21が枢動軸線の周りを回転するが、台座11に対して上下移動するように駆動でき、主動輪21の地面への圧力をリアルタイムに調整し、2つの主動輪21と地面との間の摩擦力を確保し、空回り現象の発生を回避するか、または、2つの主動輪21と地面との間の空回り程度がほぼ同じであることを確保し、実際の移動量を確保し、それにより、走行軌跡を確保する。
【0030】
本開示により提供される具体的な実施形態では、主動輪21は、任意の適切な方式で構成されてもよい。任意的には、
図11に示すように、前記主動輪21は、取り付けブラケット211と、該取り付けブラケット211に固定される駆動モータ212と、該駆動モータ212の出力軸に固定される主動輪ローラ213とを備え、前記駆動モータ212は、該主動輪ローラ213が前記駆動モータ212の出力軸の軸線の周りを回転するように駆動し、前記取り付けブラケット211が前記台座11に固定されるヒンジシート110に枢動軸214を介して接続され、枢動軸214は、任意の適切な方式で構成されてもよく、たとえば、
図11に示すように、一端が自体のヘッド部を介して取り付けブラケット211に止められ、他端がストッパを介してヒンジシート110に止められ、たとえばクリップ215を介してヒンジシート110に止められるピン軸として構成されてもよい。前記弾性付勢部材の前記第2端が前記取り付けブラケット211を付勢する。1つのオプションとしては、前記弾性付勢部材は、バネ付きプランジャ22として構成されてもよく、該バネ付きプランジャ22は、前記台座11に固定され、かつヘッド部が前記取り付けブラケット211に当接して前記第2端として機能する。また、十分な弾性付勢力を提供するために、各々の主動輪21には、2つのバネ付きプランジャ22が対応して設けられもよい。もう1つのオプションとしては、前記弾性付勢部材は、さらに、ディスクスプリングなどの類似した部材として構成されもよい。
【0031】
任意的には、前記従動輪は、走行機構360が曲がることができるように、ユニバーサルホイール23として構成されてもよい。任意的には、2つの前記主動輪21の中心回転軸線が共線であり、前記従動輪セットは、2対の前記従動輪を備え、前記中心回転軸線の方向に、1対の前記従動輪が前記主動輪21の一側に位置し、もう1対の前記従動輪が前記主動輪21の他側に位置し、この配置によって、走行機構は前または後へ走行するとき、360°曲がることができる。任意的には、前記2対の前記従動輪が前記中心回転軸線に対して対称的に配置され、走行機構の重心を2つの主動輪21の中心回転軸線の結ぶ線中心に位置させる。
【0032】
本開示の第2の側面により提供される走行機構では、上記ユニバーサルホイールは、任意の適切な方式で構成されてもよい。
【0033】
上記技術案に基づき、本開示の第2の側面は、自律移動搬送ロボットをさらに提供し、該自律移動搬送ロボットは、上記走行機構2を備えるので、同様に、上記利点を持っている。
【0034】
ロボットアーム
本開示の第3の側面によれば、ロボットアームが提供され、
図12と
図13は、1つの具体的な実施形態を示す。
図12と
図13に示すように、前記ロボットアーム3は、伸縮アーム31と、回転アーム32と、駆動装置とを備える。前記回転アーム32は、順にヒンジ連結される複数のアームセクションを備え、前記回転アーム32の近端が前記伸縮アーム31の遠端にヒンジ連結され、対象物400を挟持/解放するように、前記回転アーム32の遠端が挟持装置(たとえばジグ4またはグリッパー6)に枢動接続される。前記駆動装置は、前記伸縮アーム31の横方向移動を駆動するための第1の駆動装置331と、前記アームセクションが自体のヒンジ軸の周りを回転するように駆動するための第2の駆動装置332とを備え、前記アームセクション自体のヒンジ軸は、相互に平行しかつ前記横方向に平行する。
【0035】
上記技術案を通じて、本開示の第3の側面により提供されるロボットアームは、3つの互いに垂直な方向(即ちXYZ方向)における自由度を有し、第1の駆動装置331によって伸縮アーム31の横方向移動を駆動し、横方向(即ちX方向)における伸縮アーム31と挟持位置の位置を調整でき、第2の駆動装置332を駆動することで、回転アーム32のアームセクションがそれぞれのヒンジ軸の周りを回転するように駆動し、横方向に垂直な平面(即ちXZ平面)内の挟持位置の位置を調整でき、従って、本開示により提供されるロボットアームは、挟持装置を空間のある位置まで送ることができる。クランプすべき対象物400の位置の、三次元空間内におけるX、Y、Z座標がロボットアームの原点位置に対して固定され、従って、第1の駆動装置331と第2の駆動装置332を駆動することで、前記対象物400を挟持するために、挟持装置を挟持すべき位置に到達させることができる。その後、横方向における伸縮アーム31の移動を駆動するまたはドアームセクションが自体のヒンジ軸の周りを回転するように駆動することで、挟持装置が挟持位置に到達し、前記対象物400を挟持することができる。横方向における伸縮アーム31の移動を駆動する及び/またはドアームセクションが自体のヒンジ軸の周りを回転するように駆動することで、対象物400を目標位置に運搬することができ、その後、横方向における伸縮アーム31の移動を駆動する及び/またはアームセクションが自体のヒンジ軸の周りを回転するように駆動することで、挟持装置が対象物400を解放するか、または、対象物400を解放した後の挟持位置を対象物400から離れさせ、次の対象物400を挟持することができる。
【0036】
以下、
図12と
図13を組み合わせて本開示の第3の側面により提供されるロボットアーム3について詳細に説明する。
【0037】
本開示により提供される具体的な実施形態では、第1の駆動装置331は、任意の適切な方式で構成されてもよく、たとえば油圧シリンダまたはエアシリンダとして構成されてもよい。任意的には、前記第1の駆動装置331は、モータとして構成され、前記伸縮アーム31が伝動構造を介して前記モータの出力軸に接続され、前記モータの出力軸の回転運動を前記横方向における前記伸縮アーム31の直線運動に変換できる。
【0038】
限られた空間を最適化に利用して、コンパクト化の目的を実現するために、前記モータとしては、中空軸モータを選択する。一方、伝動構造は、任意の適切な方式で構成されてもよく、たとえば、ラックピニオン伝動構造として構成されてもよい。任意的には、前記伝動構造は、ボールネジ伝動構造として構成され、相互に嵌合するネジロッド341とナットとを備え、
図12と
図13に示すように、前記ネジロッド341が固定座342を介して固定され、たとえば、ロボットアーム3が自律移動搬送ロボットに応用される場合、ネジロッド341が固定座342を介して自律移動搬送ロボットの前記本体(具体的に縦板12)に固定され、前記ナットが前記中空軸モータの中空出力軸に固定され(当然ながら、中空出力軸に雌ねじが設けられてもよい)、前記中空軸モータが前記伸縮アーム31に固定して接続される。それにより、中空出力軸がたとえば正転するとき、伸縮アームが第1の方向へ運動するように連動し、中空出力軸がたとえば反転するとき、伸縮アームが前記第1の方向と反対の第2の方向へ運動するように連動し、それにより、横方向における挟持位置の位置を調整する。
【0039】
中空軸モータ、伸縮アーム31、回転アーム32、挟持位置、ひいては対象物400の重量がすべてネジロッド341により負荷され、さらに、ネジロッド341が曲げなどの変形を生じ、ひいては、割れて正常稼動に影響を与えることを回避するために、前記中空軸モータが第1の固定板351に固定でき、前記伸縮アーム31が第2の固定板352に固定でき、前記第1の固定板351と第2の固定板352がいずれもスライダ361に固定され、該スライダ361が、前記ロボットアーム3の設けられた装置に設けられた、前記横方向に延びている案内ロッド362に嵌合することで、伸縮アーム31、回転アーム32、挟持位置ひいては対象物400が中空軸モータの回転とともに横方向に移動することができる。この場合、中空軸モータ、伸縮アーム31、回転アーム32、挟持位置ひいては対象物400の重量がすべて第1の固定板351、第2の固定板352、スライダ361及び案内ロッド362の嵌合を介して前記装置に伝達して負荷される。
図17と
図18に示す具体的な実施形態では、案内ロッド362が自律移動搬送ロボットの縦板12に設けられる。任意的には、前記伸縮アーム31は、前記横方向に延びているとともに、容易に配線するように中空である。
【0040】
本開示により提供される具体的な実施形態では、第2の駆動装置332は、任意の適切な方式で構成されてもよく、たとえば、油圧シリンダまたはエアシリンダとして構成されてもよい。任意的には、前記第2の駆動装置332は、中空軸モータであってもよく、前記回転アーム32は、第1のアームセクション321と第2のアームセクション322とを備え、人体腕に類似した生体工学構造を取得し、
図12と
図13に示すように、前記第1のアームセクション321の近端と前記伸縮アーム31が前記中空軸モータを介してヒンジ連結され、前記第1のアームセクション321の遠端と前記第2のアームセクション322の近端が前記第2の駆動装置332を介してヒンジ連結され、任意的には、前記アームセクションは、容易に配線するように中空である。
【0041】
任意的には、前記駆動装置は、前記挟持位置が自体の枢動軸の周りを回転するように駆動するための第3の駆動装置333をさらに備え、前記挟持位置が自体の枢動軸の周りを回転できて自体の姿態を調整するように、前記枢動軸が前記横方向に平行して設けられてもよい。本開示により提供される具体的な実施形態では、該第3の駆動装置333は、任意の適切な方式で構成されてもよく、たとえば、油圧シリンダまたはエアシリンダとして構成されてもよい。任意的には、前記第3の駆動装置333は、中空軸モータとして構成されてもよく、該中空軸モータは、前記回転アーム32の遠端に設けられ(
図17と18に示す実施形態では、第3の駆動装置333である中空軸モータが第2のアームセクション322の遠端に設けられる)、前記中空軸モータの中空軸が前記挟持位置に接続され、挟持位置が中空軸モータを介して回転アーム32の遠端に枢動接続されるとして理解され得る。
【0042】
上記技術案に基づき、本開示の第3の側面は、挟持位置と上記のロボットアーム3とを備え、前記挟持位置がロボットアーム3の遠端に枢動接続される作動機構をさらに提供する。また、本開示の第3の側面は、該作動機構が設けられる自律移動搬送ロボットをさらに提供する。
【0043】
自律移動搬送ロボット用ジグ
本開示の第4の側面によれば、自律移動搬送ロボット用のジグ4が提供され、
図14~
図17は、1つの実施形態を示す。前記ジグ4は、ジグ本体41と弾性挟持部材とを備え、前記ジグ本体41には、対象物400用の支持台411と前記支持台411より高いボス412が設けられ、前記弾性挟持部材は、前記ボス412に固定して接続される近端と、該近端に対向する遠端とを有し、該遠端は、対象物400に当接し、前記支持台411に嵌合して前記対象物400を解放可能に挟持する。
【0044】
上記技術案を通じて、本開示の第4の側面により提供される自律移動搬送ロボット用ジグ4は、ジグ本体41を設けることによって対象物400へ支持台411を提供し、対象物400を挟持するとき、対象物400が支持台411を介して支持され、弾性挟持部材の遠端が対象物400に当接することで、対象物400を支持台411に保持し、それにより、対象物400を挟持し、さらに対象物400の移動を連動することができる。対象物400を解放する必要があるとき、ジグ4を直接離れさせることができ、対象物400から離れさせるように、対象物400を支持台411から分離させ、弾性挟持部材が対象物400に当接しなくなり、それにより、対象物400を解放する。
【0045】
本開示により提供される具体的な実施形態では、弾性挟持部材は、任意の適切な方式で構成されてもよい。任意的には、前記弾性挟持部材は、第1の弾性挟持部材421を備え、該第1の弾性挟持部材421は、前記ボス412に固定される第1の近端4211と、該第1の近端4211に対向する第1の遠端4212とを有し、該第1の遠端4212は、前記支持台411の上方まで延びて弾性挟持部を形成し、該弾性挟持部と前記支持台411との間には、前記対象物400用の挟持空間が画定されており、前記弾性挟持部は、前記支持台411への弾性締付力を前記対象物400に提供する。前記第1の遠端4212の端部4213は、前記支持台411と離れる方向へ屈曲でき、前記対象物400が前記挟持空間に入るように案内することに用いられる。
【0046】
対象物400が支持台411による集中応力を受けることを回避するために、任意的には、前記支持台411には、弾性材料で製造された第1のクッション431が設けられてもよい。任意的には、該第1のクッション431は、前記挟持空間の中間に間隔をおいて2つ設けられる。
【0047】
本開示により提供される具体的な実施形態では、前記弾性挟持部材は、第2の弾性挟持部材422をさらに備えることができ、
図16と
図17に示すように、前記ジグ本体41は、支持台411と前記ボス412との間に鈎状溝413が設けられ、前記第2の弾性挟持部材422が前記鈎状溝413に設けられ、前記第2の弾性挟持部材422は、前記ボス412の側壁に固定される第2の近端4221と、該第2の近端4221に対向する第2の遠端4222とを有し、該第2の遠端(4222)は、前記対象物400に当接し、前記対象物400へ外向きの弾性締付力を提供することができ、使用するとき、2つのジグ4を組み合わせて使用する必要があり、2つのジグ4は、対向する両側において対象物400を挟持し、ジグ4の第2の遠端4222により提供された外向きの弾性締付力が両者の間に位置する対象物400をちょうど締付ける。前記第2の遠端(4222)は、端部が折り畳まれ、かつ屈曲部が外向きであり、対象物400に印加する集中応力を回避する。任意的には、2つのジグ4を使用して対象物400を両者の間に締付ける場合、対象物400がボス412による集中応力を受けることを回避するために、前記ボス412の側壁には、弾性材料で製造された第2のクッション432が接続されてもよく、該第2のクッション432は、前記ボス412の側壁に間隔をおいて2つ設けられてもよい。
【0048】
本開示により提供される具体的な実施形態では、前記ジグ4は、前記対象物400におけるマーク(たとえばノッチ構造)と揃う位置決め具44を備えることができ、該位置決め具44は、前記ボス412に伸縮可能に接続され、前記位置決め具44の端部には位置合わせセンサ(たとえば光電センサ)が設けられ、前記位置合わせセンサは、前記位置決め具44の端部が前記マークに位置合わせるとき、確認信号を発出し、逆に、警報信号を発出し、前記ボス412には、近接センサ45(たとえば光電センサ)が設けられ、前記位置決め具44が縮んで前記近接センサ45に近接するとき、前記近接センサ45が確認信号を発出する。
【0049】
任意的には、前記ジグ4は、前記ボス412の上方において前記ボス412に固定して接続されるシールプレート46をさらに備え、前記ジグ4には、前記対象物400が挟持位置にあることを指示するための第1の信号光源47が設けられ、該第1の信号光源47は、半透明材料で製造された前記シールプレート46に設けられ、それにより、第1の信号光源47から発出される光を環境にシールプレート46により散乱することができ、ユーザが遠距離に観察できるようにする。
【0050】
任意的には、前記ジグ4は、自律移動搬送ロボットのロボットアーム3に枢動接続される接続ブロック48をさらに備えることができ、前記ジグ本体41が前記接続ブロック48に固定して接続される。第1の信号光源47が該接続ブロック48に固定することができ、シールプレート46には、対応する収容孔が設けられ、ジグ本体41を固定ブロック48に接続するとき、ボス412に固定されるシールプレート46が第1の信号光源47を収容孔内にちょうど位置させる。
【0051】
上記技術案に基づき、本開示の第4の側面は、自律移動搬送ロボット用作動機構をさらに提供し、該作動機構は、対となるマニピュレーターを備え、各々のマニピュレーターは、いずれもロボットアームと上記の自律移動搬送ロボット用ジグ4とを備え、該ジグ4が前記ロボットアームの遠端に接続され、各対のマニピュレーターにおける2つのジグ4が相互に協働することで対象物400を挟持/解放する。
【0052】
図1に示すように、各対のマニピュレーターでは、2つのジグ4が対向して設けられ、2つのジグ4が相互に接近するとき、対象物400を挟持し、2つのジグ4が相互に離れるとき、対象物400を解放する。
【0053】
上記技術案に基づき、本開示の第4の側面により提供される自律移動搬送ロボット作動機構におけるマニピュレーターは、任意の適切な方式で構成されてもよく、たとえば、本開示の第3の側面により提供されるロボットアーム3として構成されてもよい。
【0054】
任意的には、2つの前記マニピュレーターの2つの前記ジグ4の一方の前側には、写真カメラ491が設けられてもよく、2つの前記マニピュレーターの2つの前記ジグ4の他方の前側には、写真カメラ491に光を補おうためのフラッシュランプ492が設けられもよい。対象物400を挟持する前、写真カメラ491によって前方を写真撮りし、視覚特徴点を取得することができる。
【0055】
なお、本開示の第4の側面は、本開示の第4の側面により提供される自律移動搬送ロボット作動機構を備える自律移動搬送ロボットをさらに提供する。
【0056】
自律移動搬送ロボット用搭載部材
本開示の第5の側面によれば、自律移動搬送ロボット用搭載部材5が提供され、
図18~
図20は、1つの実施形態を示す。
図18~
図20に示すように、前記搭載部材5は、対象物400を搭載するための搭載面を有する板状本体51と、前記搭載面に固定され、前記対象物400の位置決め孔溝に嵌合して、前記板状本体51における前記対象物400の移動を制限するための位置決め構造52と、前記板状本体51に固定されて、前記対象物400の番号を読み取るためのRFIDアンテナ53と、前記板状本体51に固定されて、搭載部材5に対象物400が置かれたか否かを検出するための対象物検出装置54とを備える。
【0057】
上記技術案を通じて、本開示の第5の側面により提供される搭載部材5は、対象物400を搭載できるとともに、搭載する対象物400の番号を把握でき、それにより、ユーザが該搭載部材5に搭載された対象物400の情報を把握できるようにする。対象物400が搭載面に置かれたとき、位置決め構造52によって、対象物400が外力の作用下で搭載面を摺動し、ひいては、落ちることを防止でき、さらに、搭載面に置かれたいずれかの対象物400の位置を唯一にすることもでき、対象物400の自動化積卸しに有利である。なお、対象物検出装置454によって、搭載部材5に対象物400があるか否かを確認でき、一方では、対象物400を繰り返して置くことを回避でき、他方では、該搭載部材5が空いているか否かを把握できる。
【0058】
本開示により提供される具体的な実施形態では、位置決め構造52は、任意の適切な方式で構成されてもよい。任意的には、
図18~
図20に示すように、前記位置決め構造52は、3つの位置決め柱として設けられ、3つの前記位置決め柱は、結ぶ線が三角形になるように配置される。前記対象物検出装置54は、搭載面から突出する検出部を備え、前記対象物400の位置決め孔溝が前記位置決め構造52に嵌合するとき、該検出部が対象物400の重力作用下で前記板状本体51内に縮むことができ、前記対象物検出装置54は、確認信号を発出して、前記対象物400が前記搭載面に置かれたことを指示する。
【0059】
本開示により提供される具体的な実施形態では、RFIDアンテナ53は、任意の適切な方式で構成されてもよい。任意的には、
図18~
図20に示すように、前記RFIDアンテナ53と前記対象物検出装置54は、容易に配線するように、隣接して設けられる。
【0060】
本開示により提供される具体的な実施形態では、対象物検出装置54は、任意の適切な方式で構成されてもよい。任意的には、前記対象物検出装置54は、光電センサとして構成され、その稼動原理は、対象物400が前記搭載部材5に置かれたとき、前記対象物400が前記光電センサを被覆し、前記光電センサが決定信号を発出することである。
【0061】
本開示により提供される具体的な実施形態では、板状本体51は、任意の適切な方式で構成されてもよい。任意的には、
図19と
図20に示すように、前記板状本体51は、順に重なって接続される主板511と、中間層板512と、被覆板513とを備え、前記中間層板512には開孔5121が設けられ、前記開孔5121内に第2の信号光源55が設けられ、該第2の信号光源55は、それぞれ1つの稼働状態を指示する複数種の色の光を発出でき、たとえば、第2の信号光源55は、警報を指示する赤色光、正常を指示する緑色光、電源未満を指示する青色光などを発出することができる。ユーザが複数の角度と複数の位置から観察するように、前記被覆板513と前記中間層板512がいずれも半透明または透明材料で製造され、第2の信号光源55から発出される光を周囲環境に散乱する。なお、前記被覆板513には、緊急場合に自律移動搬送ロボットの稼動を停止させる緊急停止ボタン56が設けられる。
【0062】
ユーザが第2の信号光源55から発出される光を各角度と方位からいずれも観察できるように、前記第2の信号光源55は、ストリップ状として構成されてもよく、かつ前記開孔5121内には、それぞれ前、後、左、右へ光を発出する4本の前記第2の信号光源55が設けられ、第2の信号光源55から発出される光を各方位と隅々に照射させる。
【0063】
本開示により提供される具体的な実施形態では、前記被覆板513と前記中間層板512は、いずれもアクリルガラス材料で製造され、容易に加工でき、透光性が高く、衝撃に耐え、耐用であるなどの利点を持っている。
【0064】
本開示により提供される具体的な実施形態では、前記搭載部材5には、たとえば、立体感がある150°被写界深度を取得できる双眼カメラ57が設けられる。前記双眼カメラ57は、前記板状本体51に固定されてもよく、たとえば、板状本体5の側面に固定されてもよい。
【0065】
任意的には、前記搭載部材5には、第3の障害物回避センサ58が設けられ、該第3の障害物回避センサ58は、前側に前記板状本体51に固定されるとともに、2つ設けられ、前記双眼カメラ57が2つの前記障害物回避センサ58の間に位置する。
【0066】
上記技術案に基づき、本開示の第5の側面は、本開示の第5の側面により提供される自律移動搬送ロボット用ジグを備える自律移動搬送ロボットをさらに提供する。
【0067】
よって、本開示の第1の側面により提供される片側搭載式ダブルアーム型自律移動搬送ロボットを得ることができ、該片側搭載式ダブルアーム型自律移動搬送ロボットは、本開示の第2の側面により提供される走行機構と、本開示の第3の側面により提供されるロボットアーム3と、本開示の第4の側面により提供される自律移動搬送ロボット用ジグ4と、本開示の第5の側面により提供される自律移動搬送ロボット用搭載部材5とを備える。走行機構は、駆動モータ212が制御システムに電気的に接続され、制御システムによって駆動モータ212の回転を制御する。ロボットアーム3は、固定座342と案内ロッド362がケーシング13に設けられ、縦板12の一側に固定されてもよく、2つのロボットアーム3のネジロッド341が1つに合併されてもよく、即ち、固定座342が該ネジロッドの中間位置に固定され、左側のネジロッド部分が左側のロボットアームに用いられ、右側のネジロッド部分が右側のロボットアームに用いられる。中空軸モータとして構成される第1の駆動装置331、第2の駆動装置332及び第3の駆動装置333がいずれも制御システムに電気的に接続され、ジグ4が第3の駆動装置333である中空軸モータの中空軸に固定される。ジグ4における位置合わせセンサ、近接センサ45、第1の信号光源47、写真カメラ491及びフラッシュランプ492がいずれも制御システムに電気的に接続される。搭載部材5におけるRFIDアンテナ53、対象物検出装置54、第2の信号光源55、緊急停止ボタン56、双眼カメラ57及び第3の障害物回避センサ58がいずれも制御システムに電気的に接続される。該自律移動搬送ロボットには、自律移動搬送ロボットの縦方向に対して対称的に配置される2つのマニピュレーターが設けられる。該自律移動搬送ロボットには、3つの搭載部材5が設けられ、縦板12の搭載部材5が設けられる一側を前、他側を後として定義する。最上方の搭載部材5は、
図19と
図20に示す実施形態で構成されており、下方の2つの搭載部材5は、
図18に示す実施形態で構成されており、つまり、最上方の搭載部材5のみには、第2の信号光源55、緊急停止ボタン56、双眼カメラ57及び第3の障害物回避センサ58が設けられ、最上方の搭載部材5の板状本体51のみは、主板511、中間層板512及び被覆板513で構成される。以下、半導体工場の無人職場を稼働環境とし、対象物400であるfoupボックスを棚と機台との間に輸送することを稼動内容とし、図面と組み合わせて、この自律移動搬送ロボットの稼動プロセスについて詳細に説明する。
【0068】
まず、空いている自律移動搬送ロボットは、命令を受信した後、走行機構が棚の前方に運転するように駆動し、このとき、自律移動搬送ロボットは、棚に面して立ち、左右両側の距離検出装置113によって棚との間の距離を検出し、該2つの距離を比較して、等しいと、自律移動搬送ロボットが棚に向かうことが示され、逆に、制御システムは、1つまたは2つの主動輪21を回転制御し、棚に向うように自律移動搬送ロボットを調整する。その後、第2の駆動装置332は、運転して、ジグ4を棚におけるクランプすべきfoupボックスの前方に送り、このとき、ジグ4における写真カメラ491は、前方を写真撮りし、視覚特徴点を取得し、制御システムは、このときのジグ4の位置が向い位置にあるか否かを判断し、そうである場合、2つのマニピュレーターの第2の駆動装置332は、回転アーム32がヒンジ軸の周りを回転するように同期に駆動して、2つのジグ4をクランプすべき位置まで同期に前へ移動させ、即ち、それぞれfoupボックスの両側に位置させる。そうでない場合、第1の駆動装置331を回転制御することで2つの伸縮アーム31を同時に左または右へ移動させて、ジグ4を位置合わせ位置に到達させることができる。その後、2つのマニピュレーターの第1の駆動装置331が2つの伸縮アーム31の相対運動を駆動するように制御して、2つのジグ4を相互に接近させ、foupボックスの被挟持部分をジグ4の挟持空間に入れ、それぞれ第1の弾性挟持部材421により支持台411に保持する。ジグ4がfoupボックスと接触するとき、位置決め具44の端部がfoupボックスにおけるマークに位置合わせると、制御システムへ確認信号を発出し、制御ジグ4が引き続き相対運動し、2つのジグ4の第2の弾性挟持部材422が弾性変形し、foupボックスの両側から対応する挟持力を提供し、位置決め具44がfoupボックスによる推力を受けて縮み、前記近接センサ45に近接するとき、近接センサ45が確認信号を発出して制御システムに送信し、制御システムは、運動を停止させるようにロボットアーム3を制御し、ジグ4は、停止し、その第1の信号光源47が緑色光を発出し、該foupボックスの挟持完了を指示する。位置決め具44の端部がfoupボックスにおけるマークに位置合わせていないと、制御システムへ警報信号を発出し、制御システムは、運動を停止させるようにロボットアーム3を制御し、第1の信号光源47が赤色光及び/または音声信号を発出するように制御し、ジグ4が正確に挟持できるためにfoupボックスの位置を調整することをユーザに通知する。
【0069】
ジグ4がfoupボックスを挟持した後、制御システムは、ロボットアーム3が運動し、挟持されたfoupボックスをそのうちの1つの搭載部材5、たとえば、最下方の搭載部材5に置くように制御する。対象物検出装置54は、Foupボックスが搭載部材5に置かれたとき、foupボックスの位置決め孔溝が位置決め構造52に嵌合すると、確認信号を制御システムへ発出して、foupボックスが該搭載部材5に置かれたことを指示する。搭載部材5におけるRFIDアンテナ53によって、該foupボックスのFIDコートを読み取ることができ、それにより、該搭載部材5に置かれたfoupボックスの情報を把握する。
【0070】
ここまで、1つのfoupボックスの積みを完了する。
【0071】
このように繰り返して、前のfoupボックスの積みを完了した後、制御システムは、走行機構を制御することで、自律移動搬送ロボットが、棚に位置した次に積込もうとするfoupボックスまで走行して、該foupボックスの積みを行うことができる。
【0072】
いっぱい積んだ後、制御システムは、自律移動搬送ロボットが機台まで走行して卸すように制御する。走行中に、底部カメラ116により底板画像を撮影し、底板特徴を取得し、自律移動搬送ロボットの現在位置を決定し、位置がずれるとき、軌跡補償を行う。底板特徴を確認できないとき、双眼カメラ57により環境画像を撮影し、slamアルゴリズムを通して、自律移動搬送ロボットの現在位置を決定することができる。走行中に、本開示の第2の側面により提供される走行機構を使用するので、2つの主動輪21による地面への圧力を確保し、自律移動搬送ロボットの前進方向を確保することができる。地面距離検出装置により前方の道路状況を感知し、窪みまたは障害物を発見すれば、制御システムは、自律移動搬送ロボットが走行を停止して警報するように制御する。また、第1の障害物回避センサ114a及び/または第2の障害物回避センサ114b及び/または第3の障害物回避センサ58及び/または衝撃センサにより自律移動搬送ロボットの前進方向に障害物があることが検出されれば、制御システムは、自律移動搬送ロボットが直ちに走行を停止して警報するように制御する。また、搭載部材5におけるfoupボックスが人により卸されれば、制御システムは、対象物検出装置54から信号を送信した後、自律移動搬送ロボットが直ちに走行を停止して警報するように制御する。
【0073】
両側搭載式ダブルアーム型自律移動搬送ロボット:
本開示の第6の側面によれば、両側搭載式自律移動搬送ロボット200が提供され、該自律移動搬送ロボットと本開示の第1の側面により提供される自律移動搬送ロボットとの相違点は、以下のおりである。本開示の第6の側面により提供される両側搭載式自律移動搬送ロボットには、2つの前記縦板12が設けられ、ケーシング13は、2つの縦板12の間に位置し、2つの縦板12の互いに面する側面と密閉空間をなし、ロボットアーム3の第1の駆動装置331、ネジロッド341、固定座342などの構造が該密閉空間に設けられる。
図21に示すように、2つの縦板12の外向きの2つの側面には、いずれも前記搭載部材5が固定され、同一側に位置する前記搭載部材5が垂直方向に間隔をおいて均一に設けられる。空間配置を配慮すると、本開示の第6の側面により提供される両側搭載式自律移動搬送ロボットには、操作パネル、即ちマンマシンインターフェースが設けられなくなる。
【0074】
本開示の第6の側面により提供される自律移動搬送ロボットは、1回に複数の対象物400を搬送できる。その稼動プロセスは、具体的には以下のおりである。まず、空いている自律移動搬送ロボットは、対象物400を収納する第1の位置に走行させるように走行機構2を制御システムによって制御し、その後、ジグ4の姿態(自体の枢動軸を回る回転角度)とロボットアーム3の運動を制御システムによって制御し、ジグ4を所望の位置まで送って、ロボットアーム3の運動により、ジグ4で対象物400を挟持し、その後、ロボットアーム3の運動を制御することによって、挟持した対象物400を搭載機構の1つの搭載部材5に置き、それにより、1つの対象物400の「積み」を完了する。その後、全ての搭載部材5にいずれも対象物400を置くまで、上記稼動プロセスを繰り返すことができる。その後、走行機構2を制御することで、自律移動搬送ロボット全体が対象物400を輸送すべき第2の位置に前進し、マニピュレーターによって順に対象物400を対応する搭載部材5から挟持して第2の位置の対応する置き位置まで送り、対象物400の「卸し」を実現する。このプロセスにおいて、マニピュレーターが容易に作動するために、走行機構2を制御することで自律移動搬送ロボットの位置を変更することができる。以上の説明を通して、本開示により提供される自律移動搬送ロボットは、手動で積卸しすることなく、対象物400の自動化搬送を実現することができ、かつ1回に複数の対象物400を運搬でき、生産リズムと稼動効率を効果的に向上させる。なお、複数の支持部材5を垂直方向に順に設けることで、台座11の上部空間を効果的に利用でき、自律移動搬送ロボットのコンパクト化を実現することに寄与し、広い応用範囲と高い敏捷性を持っている。
【0075】
以上に基づき、本開示の第6の側面により提供される両側搭載式ダブルアーム型自律移動搬送ロボットを取得することができ、該両側搭載式ダブルアーム型自律移動搬送ロボットは、本開示の第2の側面により提供される走行機構と、本開示の第3の側面により提供されるロボットアーム3と、本開示の第4の側面により提供される自律移動搬送ロボット用ジグ4と、本開示の第5の側面により提供される自律移動搬送ロボット用搭載部材5とを備える。
【0076】
該両側搭載式ダブルアーム型自律移動搬送ロボットと本開示の第1の側面により提供される片側搭載式ダブルアーム型自律移動搬送ロボットとの上記相違点により、稼動プロセスは、この点のみで相違し相違し、即ち、foupボックス(対象物400)を積むとき、一側の搭載部材5にfoupボックスがいっぱい積まれると、引き続き他側の搭載部材5にもいっぱい積む必要があり、卸しも同様である。なお、このような両側搭載式ダブルアーム型自律移動搬送ロボットの場合、縦方向におけるいずれかの方向を前方として定義することができる。
【0077】
シングルアーム型自律移動搬送ロボット
本開示の第7の側面によれば、シングルアーム型自律移動搬送ロボット300が提供され、該自律移動搬送ロボットと本開示の第1の側面により提供される自律移動搬送ロボットとの相違点は、以下のことであってもよい。本開示の第7の側面により提供される自律移動搬送ロボットには、1つのマニピュレーターのみが設けられ、
図22に示すように、前記マニピュレーターは、ロボットアーム3(該ロボットアーム3が本開示の第1の側面により提供される自律移動搬送ロボットにおけるロボットアーム3と同様であってもよい)と、ロボットアーム3の遠端に枢動接続され、対象物400を把持/解放するためのグリッパー6(ジグ4ではなくなる)とを備え、前記ロボットアーム3は、前記グリッパー6が所望の位置に到達するように、運動可能に設けられる。
【0078】
上記相違点のほか、本開示の第7の側面により提供される自律移動搬送ロボットと本開示の第1の側面により提供される自律移動搬送ロボットとは、さらに、他の相違点を有してもよく、該相違点は、本開示の第6の側面により提供される自律移動搬送ロボットと本開示の第1の側面により提供される自律移動搬送ロボットとの相違点と同一であってもよく、即ち、本開示の第7の側面により提供される自律移動搬送ロボットには、2つの前記縦板12が設けられ、ケーシング13は、2つの縦板12の間に位置し、2つの縦板12の互いに面する側面と密閉空間をなし、ロボットアーム3の第1の駆動装置331、ネジロッド341、固定座342などの構造が該密閉空間に設けられる。
図21に示すように、2つの縦板12の外向きの2つの側面には、いずれも前記搭載部材5が固定され、同一側に位置する前記搭載部材5が垂直方向に間隔をおいて均一に設けられる。空間配置を配慮すると、操作パネル、即ちマンマシンインターフェースが設けられなくなる。
【0079】
上記技術案を通じて、本開示の第7の側面により提供される自律移動搬送ロボットは、1回に複数の対象物400を搬送できる。その稼動プロセスは、具体的には以下のおりである。まず、空いている自律移動搬送ロボットは、対象物400を収納する第1の位置に走行させるように走行機構2を制御システムによって制御し、その後、グリッパー6の姿態(自体の枢動軸を回る回転角度)とロボットアーム3の運動を制御システムによって制御し、グリッパー6を所望の位置まで送って、対象物400を把持し、その後、ロボットアーム3の運動を制御することによって、把持した対象物400を搭載機構の1つの搭載部材5に置き、それにより、1つの対象物400の「積み」を完了する。その後、全ての搭載部材5にいずれも対象物400を置くまで、上記稼動プロセスを繰り返すことができる。その後、走行機構2を制御することで、自律移動搬送ロボット全体が対象物400を輸送すべき第2の位置に前進し、マニピュレーターによって順に対象物400を対応する搭載部材5から挟持して第2の位置の対応する置き位置まで送り、対象物400の「卸し」を実現する。このプロセスにおいて、マニピュレーターが容易に作動するために、走行機構2を制御することで自律移動搬送ロボットの位置を変更することができる。以上の説明を通して、本開示により提供される自律移動搬送ロボットは、手動で積卸しすることなく、対象物400の自動化搬送を実現することができ、かつ1回に複数の対象物400を運搬でき、生産リズムと稼動効率を効果的に向上させる。なお、複数の支持部材5を垂直方向に順に設けることで、台座11の上部空間を効果的に利用でき、自律移動搬送ロボットのコンパクト化を実現することに寄与し、広い応用範囲と高い敏捷性を持っている。
【0080】
グリッパー6は、任意の適切な方式で構成されてもよい。任意的には、
図23と
図24に示すように、前記グリッパー6は、グリッパー本体61と、固定挟持部材62と、可動挟持部材63とを備え、前記固定挟持部材62が前記グリッパー本体61に固定され、前記可動挟持部材63は、前記グリッパー本体61に可動に接続され、前記固定挟持部材62に接近したり離れたりすることができ、前記固定挟持部材62に嵌合することで、前記対象物400を把持・解放することを実現する。
【0081】
任意的には、前記可動挟持部材63は、前記グリッパー本体61に摺動接続構造を介して接続され、固定挟持部材62に接近したり離れたりする。本開示により提供される具体的な実施形態では、前記摺動接続構造は、任意の適切な方式で構成されてもよい。任意的には、前記摺動接続構造は、相互に嵌合するスライドレール641とシュート642とを備え、前記スライドレール641とシュート642の一方が前記グリッパー本体61に設けられ、前記スライドレール641とシュート642の他方が前記可動挟持部材63に設けられる。たとえば、前記スライドレール641が前記グリッパー本体61に設けられる。シュート642がスライドレール641から離脱することを回避するために、前記シュート642は、あり溝として構成されてもよい。
【0082】
本開示により提供される具体的な実施形態では、前記可動挟持部材63と前記グリッパー本体61との間には、前記可動挟持部材63が運動して前記固定挟持部材62に接近したり離れたりするように駆動するための駆動部材65が設けられてもよい。駆動部材65は、任意の適切な方式で構成されてもよく、任意的には、前記駆動部材65は、シリンダ体が前記グリッパー本体61に固定され、ピストンロッドの端部が前記可動挟持部材63に固定されるエアシリンダとして構成される。ピストンロッドがシリンダ体から伸びだすとき、可動挟持部材63が固定挟持部材62から離れ、対象物400を解放するように駆動する。ピストンロッドがシリンダ体内に縮むとき、可動挟持部材63が固定挟持部材62に接近し、対象物400を把持するように駆動する。
【0083】
本開示により提供される具体的な実施形態では、固定挟持部材62は、任意の適切な方式で構成されてもよい。任意的には、前記固定挟持部材62は、前記グリッパー本体61に接続される固定接続部621と、固定挟持部622と、前記固定接続部621と前記固定挟持部622との間に接続される第1の中間接続部623とを備え、前記可動挟持部材63は、前記グリッパー本体61に接続される可動接続部631と、可動挟持部632と、前記可動接続部631と前記可動挟持部632との間に接続される第2の中間接続部633とを備え、前記第1の中間接続部623と前記第2の中間接続部633によって、前記固定接続部621及び前記可動接続部631と前記グリッパー本体61との間に前記対象物400用の挟持空間を有するようにし、前記固定挟持部622が前記可動挟持部632と互いに対向して延びており、対象物400を支持することに用いられる。
【0084】
なお、前記グリッパー6は、前記グリッパー本体61が固定され、前記ロボットアーム3の遠端に枢動接続される関節ブロック66をさらに備える。ロボットアーム3が本開示の第3の側面により提供されるマニピュレーターである場合、該関節ブロック66が第3の駆動装置である中空軸モータの中空出力軸に固定される。
【0085】
なお、本開示により提供される具体的な実施形態では、グリッパー6にも、本開示の第4の側面により提供されるジグ4と同様に、位置決め具、位置合わせセンサ、近接センサなどの構造が設けられてもよい。
【0086】
以上に基づき、本開示の第7の側面により提供されるシングルアーム型自律移動搬送ロボットを取得することができ、該シングルアーム型自律移動搬送ロボットは、本開示の第2の側面により提供される走行機構と、本開示の第3の側面により提供されるロボットアーム3と、本開示の第5の側面により提供される自律移動搬送ロボット用搭載部材5とを備える。
【0087】
該両側搭載式ダブルアーム型自律移動搬送ロボットと本開示の第1の側面により提供される片側搭載式ダブルアーム型自律移動搬送ロボットとの上記相違点により、稼動プロセスは、この点のみで相違し相違し、即ち、foupボックス(対象物400)を積卸しする全過程において、1つのマニピュレーターを用い、かつ上記グリッパー6を用いてfoupボックスを把持・解放する。なお、積むとき、一側の搭載部材5にfoupボックスがいっぱい積まれると、引き続き他側の搭載部材5にもいっぱい積む必要があり、卸しも同様である。なお、この両側搭載式シングルアーム型自律移動搬送ロボットの場合、縦方向におけるいずれかの方向を前方として定義することができる。
【0088】
以上は、本開示の好適な実施例に過ぎず、本開示を制限するためのものではなく、本開示の精神と原則内に、行った任意の改定、等価置換、改良などは、いずれも本開示の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0089】
100-片側搭載式ダブルアーム型自律移動搬送ロボット、200-両側搭載式ダブルアーム型自律移動搬送ロボット、300-シングルアーム型自律移動搬送ロボット、400-対象物、500 機台、
11-台座、110-ヒンジシート、111-底板、112-スカート板、113-距離検出装置、114a-第1の障害物回避センサ、114b-第2の障害物回避センサ、115-衝突防止ストリップ、116-底部カメラ、12-縦板、13-ケーシング、14-操作パネル、
2-走行機構、21-主動輪、211-取り付けブラケット、212-駆動モータ、213-主動輪ローラ、214-枢動軸、215-クリップ、22-バネ付きプランジャ、23-ユニバーサルホイール、
3-ロボットアーム、31-伸縮アーム、32-回転アーム、321-第1のアームセクション、322-第2のアームセクション、331-第1の駆動装置、332-第2の駆動装置、333-第3の駆動装置、341-ネジロッド、342-固定座、351-第1の固定板、352-第2の固定板、361-スライダ、362-案内ロッド、
4-ジグ、41-ジグ本体、411-支持台、412-ボス、413-鈎状溝、421-第1の弾性挟持部材、4211-第1の近端、4212-第2の近端、4213-端部、422-第2の弾性挟持部材、4221 第2の近端、4222 第2の遠端、431-第1のクッション、432-第2のクッション、44-位置決め具、45-近接センサ、46-シールプレート、47-第1の信号光源、48-接続ブロック、491-写真カメラ、492-フラッシュランプ、
5-搭載部材、51-板状本体、511-主板、512-中間層板、5121-開孔、513-被覆板、52-位置決め構造、53-RFIDアンテナ、54-対象物検出装置、55-第2の信号光源、56-緊急停止ボタン、57-双眼カメラ、58-第3の障害物回避センサ、
6-グリッパー、61 グリッパー本体、62 固定挟持部材、621 固定接続部、622 固定挟持部、623 第1の中間接続部、63 可動挟持部材、631 可動接続部、632 可動挟持部、633 第2の中間接続部、641 スライドレール、642 シュート、65 駆動部材、66 関節ブロック。