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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】電圧生成回路
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20220712BHJP
【FI】
G05F1/56 310C
G05F1/56 310D
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021153901
(22)【出願日】2021-09-22
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】511062254
【氏名又は名称】ウィンボンド エレクトロニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】村上 洋樹
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-200767(JP,A)
【文献】国際公開第2009/060907(WO,A1)
【文献】特開2001-117654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電圧を生成する基準電圧生成部と、
半導体装置の内部回路のリーク電流に対応する監視用リーク電流を生成するリーク電流監視部と、
前記監視用リーク電流に基づき前記基準電圧を制御する制御部と、
前記制御部により制御された基準電圧を受け取り、当該制御された基準電圧に基づき前記内部回路に内部電圧を供給する内部電圧生成部と、
を含む電圧生成回路。
【請求項2】
電圧生成回路はさらに、前記制御された基準電圧が一定レベルに降下したことを検出する検出部を含み、
前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づき前記制御された基準電圧を制御する、請求項1に記載の電圧生成回路。
【請求項3】
前記一定レベルは、前記内部回路のCMOSトランジスタの最低動作電圧よりも高い電圧である、請求項2に記載の電圧生成回路。
【請求項4】
前記リーク電流監視部は、前記監視用リーク電流を生成するためのオフリークする監視用トランジスタを含み、当該監視用トランジスタのチャンネル幅は、前記内部回路のオフリークするトランジスタの総数のチャンネル幅に対して一定の比を持つように構成される、請求項1または2に記載の電圧生成回路。
【請求項5】
前記リーク電流監視部は、オフリークする監視用トランジスタを複数種類含み、各監視用トランジスタのチャンネル幅は、前記内部回路の対応するオフリークするトランジスタの総数のチャンネル幅に対して一定の比を持つように構成される、請求項1または2に記載の電圧生成回路。
【請求項6】
前記監視用トランジスタは、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとを直列に接続したCMOSトランジスタである、請求項4または5に記載の電圧生成回路。
【請求項7】
前記リーク電流監視部は、複数種のリーク回路を含み、複数種のリーク回路の中から選択されたリーク回路を動作させ、前記監視用リーク電流を生成する、請求項1または2に記載の電圧生成回路。
【請求項8】
前記リーク電流監視部は、外部から入力されるトリミング信号に基づきリーク回路を選択する、請求項7に記載の電圧生成回路。
【請求項9】
前記制御部は、定電流を生成する定電流回路を含み、当該定電流回路の出力ノードが前記リーク電流監視部に接続され、前記出力ノードから前記制御された基準電圧が出力される、請求項1または2に記載の電圧生成回路。
【請求項10】
前記監視用リーク電流が増加すると、前記制御された基準電圧が低下し、前記監視用リーク電流が低下すると、前記制御された基準電圧が増加する、請求項9に記載の電圧生成回路。
【請求項11】
前記定電流回路は、負の温度係数を持つ基準電圧に基づき前記定電流を生成する、請求項9に記載の電圧生成回路。
【請求項12】
前記定電流回路は、正の温度係数を持つ基準電圧に基づき前記定電流を生成する、請求項9に記載の電圧生成回路。
【請求項13】
前記制御部は、前記検出部によって前記制御された電圧が一定レベルに降下したことが検出された場合、前記制御された電圧を上昇させる、請求項2に記載の電圧生成回路。
【請求項14】
前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づき前記定電流に追加の電流を付加する、請求項13に記載の電圧生成回路。
【請求項15】
前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づき前記制御された基準電圧を正の方向に上昇させる、請求項13に記載の電圧生成回路。
【請求項16】
請求項1ないし15いずれか1つに記載の電圧生成回路を含む半導体装置。
【請求項17】
半導体装置は、低消費電力で動作するスタンバイモードを含み、前記電圧生成回路は、スタンバイモードのとき前記内部回路に前記内部電圧を供給する、請求項16に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧を生成する電圧生成回路に関し、特にリーク電流を抑制した電圧生成回路に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリやロジック等の半導体装置では、一般に、動作温度に対応する温度補償された電圧を生成し、温度補償された電圧を利用して回路を動作させることで回路の信頼性を維持している。例えば、メモリでは、データ読出しの際に、温度変化により読出し電流が低下してしまうと読出しマージンが低下し、正確なデータの読出しを行えなくなってしまう。このため、温度補償された電圧を用いてデータの読出しを行うことで、読出し電流の低下を防いでいる例えば、特許文献では、オンチップの温度センサやその結果から温度補償電圧を算出するためのロジックを必要としない回路規模を削減した電圧生成回路を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-82094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、抵抗変化型メモリ等の半導体デバイスは、低電圧および定電流で動作することができ、IoTなどのモバイルデバイスへの使用に適している。他方、モバイルデバイス等への適用範囲が広がると、同時に動作環境での温度範囲も拡大する。このため、半導体デバイスには、一般に温度補償された電圧を生成する電圧生成回路が搭載されている。
【0005】
図1は、従来の温度補償された電圧生成回路の一例を示す図である。同図に示すように、電圧生成回路10は、外部電源電圧の変動に依存しない基準電圧Vrefを生成するバンドギャップリファレンス回路(以下、BGR回路)20と、BGR回路20から出力された基準電圧Vrefに基づき内部供給電圧INTVDDを生成する内部電圧生成回路30とを含む。
【0006】
内部電圧生成回路30は、オペアンプOP、PMOSトランジスタQ1を含み、オペアンプOPの非反転入力端子(+)には基準電圧Vrefが入力され、反転入力端子(-)には負帰還によりノードNの電圧VNが入力される。オペアンプOPの出力がトランジスタQ1のゲートに接続され、ノードNには、周辺回路40の負荷が接続される。オペアンプOPは、ノードNの電圧VNが基準電圧Vrefに等しくなるように(VN=Vref)トランジスタQ1のゲート電圧を制御し、つまり、オペアンプOPは、ユニティゲインバッファとして機能する。その結果、トランジスタQ1を流れる電流は、供給電圧VDDの変動に依存しない定電流となり、周辺回路40には、このような定電流の内部供給電圧INTVDDが供給される(INTVDD=VN)。
【0007】
例えば、フラッシュメモリのように半導体デバイスがスタンバイモードで待機しているとき、動作温度が高温になると、周辺回路40に流れるリーク電流が増加する。周辺回路40には、CMOSトランジスタなどを用いた種々の集積回路が形成されており、これらの回路のPN接合リーク電流やトランジスタの閾値リーク電流は、温度の上昇に伴い増加する。また、リーク電流は電圧に依存するので、外因などで内部供給電圧INTVDDが増加すると、リーク電流も増加する。
【0008】
このようなリーク電流を抑制するため、半導体デバイスは、スタンバイモードよりもさらに消費電力を削減するためディープパワーダウンモード(DPDモード)を採用するものがある。DPDモードでは、内部電圧生成回路30の動作を停止させ、例えば、供給電圧VDDとトランジスタQ1との間にスイッチを設け、内部電圧生成回路30の動作停止段階でQ1が閉じることで供給電圧VDDの電力供給をカットする。
【0009】
しかしながら、DPDモードは電力消費を大幅に削減することができるが、その反面、DPDモードにより供給電圧VDDを遮断すると、周辺回路40がフローティングになり、DPDモードから復帰する場合、周辺回路40の回路素子や配線等の容量を充電しなければならず、DPDモードからの回復に時間がかかり、次の動作を迅速に行うことができないという課題がある。
【0010】
本発明は、こうした従来の課題を解決するものであり、DPDモードを用いることなくリーク電流を抑制することができる電圧生成回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る電圧生成回路は、基準電圧を生成する基準電圧生成部と、半導体装置の内部回路のリーク電流に対応する監視用リーク電流を生成するリーク電流監視部と、前記監視用リーク電流に基づき前記基準電圧を制御する制御部と、前記制御部により制御された基準電圧を受け取り、当該制御された基準電圧に基づき前記内部回路に内部電圧を供給する内部電圧生成部とを含む。
【0012】
ある態様では、電圧生成回路はさらに、前記制御された基準電圧が一定レベルに降下したことを検出する検出部を含み、前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づき前記制御された基準電圧を制御する。ある態様では、前記一定レベルは、前記内部回路のCMOSトランジスタの最低動作電圧よりも高い電圧である。ある態様では、前記リーク電流監視部は、前記監視用リーク電流を生成するためのオフリークする監視用トランジスタを含み、当該監視用トランジスタのチャンネル幅は、前記内部回路のオフリークするトランジスタの総数のチャンネル幅に対して一定の比を持つように構成される。ある態様では、前記リーク電流監視部は、オフリークする監視用トランジスタを複数種類含み、各監視用トランジスタのチャンネル幅は、前記内部回路の対応するオフリークするトランジスタの総数のチャンネル幅に対して一定の比を持つように構成される。ある態様では、前記監視用トランジスタは、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとを直列に接続したCMOSトランジスタである。ある態様では、前記リーク電流監視部は、複数種のリーク回路を含み、複数種のリーク回路の中から選択されたリーク回路を動作させ、前記監視用リーク電流を生成する。ある態様では、前記リーク電流監視部は、外部から入力されるトリミング信号に基づきリーク回路を選択する。ある態様では、前記制御部は、定電流を生成する定電流回路を含み、当該定電流回路の出力ノードが前記リーク電流監視部に接続され、前記出力ノードから前記制御された基準電圧が出力される。ある態様では、前記監視用リーク電流が増加すると、前記制御された基準電圧が低下し、前記監視用リーク電流が低下すると、前記制御された基準電圧が増加する。ある態様では、前記定電流回路は、負の温度係数を持つ基準電圧に基づき前記定電流を生成する。ある態様では、前記定電流回路は、正の温度係数を持つ基準電圧に基づき前記定電流を生成する。ある態様では、前記制御部は、前記検出部によって前記制御された電圧が一定レベルに降下したことが検出された場合、前記制御された電圧を上昇させる。ある態様では、前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づき前記定電流に追加の電流を付加する。ある態様では、前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づき前記制御された基準電圧を正の方向に上昇させる。
【0013】
本発明に係る半導体装置は、上記記載の電圧生成回路を含み、前記電圧生成回路は、スタンバイモードのとき前記内部回路に前記内部電圧を供給する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、内部回路のリーク電流を監視する監視用リーク電流に基づき基準電圧を制御し、当該制御された基準電圧に基づき内部回路に内部電圧を供給するようにしたので、温度補償された基準電圧を自律的に生成することができ、内部回路のリーク電流を最小限に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来の電圧生成回路の構成を示す図である。
図2】本発明の第1の実施例に係る電圧生成回路の構成を示す図である。
図3】本発明の第2の実施例に係る電圧生成回路の構成を示すブロック図である。
図4A】本実施例のリーク電流監視部の構成例を示す図である。
図4B】本実施例のリーク電流監視部の構成例を示す図である。
図5】本発明の第2の実施例に係る電圧生成回路を示す図である。
図6】本発明の第3の実施例に係る電圧生成回路の構成を示すブロック図である。
図7】本発明の第3の実施例に係る電圧生成回路の第1の例を示す図である。
図8】本発明の第3の実施例に係る電圧生成回路の第2の例を示す図である。
図9】本発明の第3の実施例に係る電圧生成回路の第3の例を示す図である。
図10】本発明の第4の実施例に係る電圧生成回路を示す図である。
図11】本発明の第5の実施例に係る電圧生成回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る電圧生成回路は、フラッシュメモリ、ダイナミックメモリ、スタティックメモリ、抵抗変化型メモリ、磁気メモリ等の半導体メモリや、ロジック、信号処理等の半導体デバイスに搭載される。
【実施例
【0017】
次に、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。図2は、本発明の第1の実施例に係る電圧生成回路の構成を示す図である。本実施例の電圧生成回路100は、基準電圧生成回路(BGR回路)110と、内部電圧生成回路120とを含んで構成される。電圧生成回路100は、例えば、フラッシュメモリに搭載され、フラッシュメモリがスタンバイ状態にあるとき、周辺回路40に内部供給電圧INTVDDを供給する。フラッシュメモリがスタンバイ状態のとき、周辺回路40は、低消費電力モードになるが、その間、外部からコマンド等が入力された場合にはコマンドに応答して動作する。
【0018】
BGR回路110は、半導体材料のシリコンの物性であるバンドギャップ電圧を利用して、温度や電源電圧の変動に対して依存性の少ない安定した基準電圧を生成する。BGR回路110は、電源電圧VDDとGND間に第1および第2の電流経路を含み、第1の電流経路は、直列に接続されたPMOSトランジスタQ10、抵抗R1、PNPバイポーラトランジスタBP1を含み、第2の電流経路は、直列に接続されたPMOSトランジスタQ11(トランジスタQ10と同一構成)、抵抗R2(抵抗R1と同じ抵抗値)、抵抗Rf、PNPバイポーラトランジスタBP2を含む。BGR回路110はさらに、抵抗R1とバイポーラトランジスタBP1の接続ノードN1を反転入力端子(-)に接続し、抵抗R2と抵抗Rfの接続ノードN2を非反転入力端子(+)に接続に接続し、出力端子をトランジスタQ10、Q11のゲートに共通接続するオペアンプ112を含む。
【0019】
バイポーラトランジスタBP1とBP2のエミッタ面積比は、1:n(nは、1より大きい数)であり、バイポーラトランジスタBP1の電流密度はバイポーラトランジスタBP2のn倍である。なお、ここではバイポーラトランジスタを例示するが、バイポーラトランジスタに代えて面積比が1:nのダイオードを用いても良い。
【0020】
オペアンプ112は、ノードN1の電圧とノードN2の電圧とが等しくなるように、トランジスタQ10、Q11のゲート電圧を制御し、これにより、第1および第2の電流経路には等しい電流Iが流れる。抵抗Rfの端子間電圧VRfは、次式で表される。
Rf=kT/qIn(n)
kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電子の電荷量である。
【0021】
抵抗Rfに流れる電流Iは、次式で表される。
=VRf/Rf=T/Rf×k/qln(n)
温度に依存する因数はT/Rfであり、電流Iは正の温度係数を有する。
【0022】
また、抵抗R2の選択されたタップ位置の抵抗を抵抗R2’とすると、基準電圧Vref_NTcは、次式で表される。
Vref_NTc=VN2+IR2’
N2は、ノードN2の電圧である。
【0023】
好ましい態様では、抵抗R2は、負の温度係数を有する半導体材料から構成される。つまり、温度の上昇に伴い抵抗が低くなり、反対に温度の低下に伴い抵抗が高くなる。例えば、高濃度の不純物がドープされた導電性ポリシリコン層、N+の拡散領域によって抵抗R2が構成される。本実施例では、抵抗R2のタップ位置を適宜選択することで、基準電圧Vref_NTcに所望の負の温度係数を持たせる。タップ位置または負の温度係数は、予想される最大温度のときにどのくらいの大きさの基準電圧を内部電圧生成回路120に供給するのかに基づき決定される。
【0024】
内部電圧生成回路120は、図1に示す内部電圧生成回路30と同様に構成される。BGR回路110によって生成された基準電圧Vref_NTcは、内部電圧生成回路120のオペアンプOPの非反転入力端子(+)に入力され、反転入力端子(-)には負帰還によりノードNの電圧VNが入力される。内部電圧生成回路30は、基準電圧Vref_NTcに基づき生成された内部供給電圧INTVDDをノードNから周辺回路40に供給する。
【0025】
本実施例では、フラッシュメモリは、DPDモードを採用せず、すなわちスタンバイモードからDPDモードに移行することなく、スタンバイモード時に周辺回路40に生じるリーク電流を最小限に抑制する。スタンバイモードで待機しているとき、動作温度が高温になると、BGR回路110で生成される基準電圧Vref_NTcは、負の温度係数をもつため低下する。基準電圧Vref_Ntcが低下することで、内部電圧生成回路120によって生成される内部供給電圧INTVDDも同様に低下する。周辺回路40のPN接合リークやトランジスタのオフリーク等によるリーク電流は、動作温度の上昇に伴い増加するが、これらのリーク電流は、内部供給電圧INTVDDに依存し、内部供給電圧INTVDDが低下すれば、それに応じてリーク電流も低下する。
【0026】
本実施例では、基準電圧Vref_NTcが負の温度係数を有するため、温度が上昇すれば基準電圧Vref_NTcが低下し、周辺回路40のリーク電流の増加が相殺される。また、DPDモードを採用しないため、DPDモードから復帰するための遅延時間を考慮することなく次のアクティブ動作を実施させることができる。
【0027】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第1の実施例では、動作温度が上昇したときに、基準電圧Vref_NTcが一定の電圧範囲内に収まるように、製造時または出荷時に抵抗R2のトリミングしなければならない。しかし、実際には、リーク電流の増加は線形ではなく、ある温度を境に指数関数的に増加するため、そのトリミングは非常に複雑でありかつ煩雑である。また、動作温度が想定温度を超えた場合には、基準電圧Vref_NTcが上記一定の電圧範囲から逸脱してしまい、その結果、例えば、基準電圧Vref_NTcが周辺回路40のCMOSトランジスタの最低動作電圧よりも低くなると、周辺回路40はスタンバイ状態で入力されたコマンド等に応答して動作することができなくなってしまう。そこで、第2の実施例は、基準電圧生成部110のトリミングすることなく、自律的に温度補償された基準電圧Vrefを生成することができる電圧生成回路を提供する。
【0028】
図3は、本発明の第2の実施例に係る電圧生成回路の構成を示すブロック図である。電圧生成回路200は、基準電圧Vrefを生成する基準電圧生成部210と、スタンバイ状態の周辺回路250のリーク電流ILEAK_PERIを監視し対応するリーク電流ILEAKを生成するリーク電流監視部220と、基準電圧Vrefを受け取り、リーク電流監視部220で生成されたリーク電流ILEAKに基づき制御された基準電圧Vref_Cを出力する出力電圧制御部230と、制御された基準電圧Vref_Cに基づき内部供給電圧INTVDDを生成するスタンバイ電圧生成部240とを含んで構成される。周辺回路250は、スタンバイ状態のときスタンバイ電圧生成部240によって生成された内部供給電圧INTVDDによって低消費電力で動作し、アクティブ状態のときアクティブ電圧生成部260によって生成された内部供給電圧INTVDDによって動作する。
【0029】
基準電圧生成部210は、例えば、図2に示すようなBGR回路によって構成され、基準電圧Vrefを出力電圧制御部230に提供する。リーク電流監視部220は、スタンバイ状態の周辺回路250で生じるリーク電流ILEAL_PERIと一定の比(ratio)をもつリーク電流ILEAKを生成する。周辺回路250は、CMOSトランジスタ等を用いた種々の回路を含み、これらの回路は、フラッシュメモリがスタンバイモードのとき、スタンバイ電圧生成部240からの内部供給電圧INTVDDによって動作可能な状態にある。他方、トランジスタの微細化と相まってトランジスタの閾値電圧の低下によりトランジスタのソース/ドレイン間を流れるオフリーク電流(PN接合リークやゲートリークも含む)増加するため、スタンバイ状態の周辺回路250のリーク電流を最小限に抑制する必要がある。
【0030】
ある態様では、リーク電流監視部220は、周辺回路250のリーク電流を監視するため、少なくとも1つのPMOSトランジスタとNMOSトランジスタとを直列に接続したCMOSトランジスタを含み、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタのそれぞれのチャンネル幅は、周辺回路250の全体のCMOSトランジスタのPMOSトランジスタとNMOSトランジスタの合計のチャンネル幅に対して一定の比Rを持つように構成される。言い換えれば、リーク電流監視部220のCMOSトランジスタのオフリーク電流ILEAK×Rが周辺回路250のオフリーク電流ILEAK_PERIを近似する。
【0031】
リーク電流監視部220が生成するリーク電流ILEAKの精度をさらに向上させるため、周辺回路250のCMOSトランジスタの構成を考慮するようにしてもよい。つまり、CMOSトランジスタのオフリークには、図4(A)に示すように、入力信号がHレベルのときにPMOSトランジスタがオフし、NMOSトランジスタがオンする場合のオフリーク電流IPMOSと、図4(B)に示すように、入力信号がLレベルのときにPMOSトランジスタがオンし、NMOSトランジスタがオフする場合のオフリーク電流INMOSとがある。オフリーク電流IPMOSとオフリーク電流INMOSとはそれぞれ大きさが異なるので、周辺回路250のPMOSトランジスタがオフするCMOSトランジスタの総数S_Pと、NMOSトランジスタがオフするCMOSトランジスタの総数S_Nとを算出し、図4(C)に示すような総数S_PのPMOSトランジスタのチャンネル幅の合計に対して一定の比となる、PMOSトランジスタがオフリークトランジスタとなるリーク回路Aと、図4(D)に示すような総数S_NのNMOSトランジスタのチャンネル幅の合計に対して一定の比となる、NMOSトランジスタがオフリークトランジスタとなるリーク回路Bとをリーク電流監視部220が包含する。リーク回路Aとリーク回路Bとが並列に接続され、リーク電流IPMOSとリーク電流INMOSとの合計がリーク電流ILEAKとなる。
【0032】
リーク電流監視部220は、周辺回路250のさらなるリーク特性を考慮したリーク電流ILEAKを生成するため、複数種のリーク回路を含むようにしてもよい。周辺回路250には、CMOSトランジスタを利用した種々の論理回路(インバータ、ANDゲート、NANDゲートなど)が形成され、それぞれの論理回路によってリーク電流の大きさが異なる。そこで、図4B(A)に示すように、リーク特性の異なる種々のリーク回路A、B、C~Nを用意しておき、周辺回路250の構成に合わせてトリミング信号Trimによって選択したリーク回路を動作させるようにしてもよい。
【0033】
例えば、リーク回路Aは、PMOSトランジスタのオフリーク電流を生成し、リーク回路Bは、NMOSトランジスタのオフリーク電流を生成し、リーク回路Cは、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタのオフリーク電流を生成し、リーク回路Nは、NANDゲートのPMOSトランジスタのオフリーク電流を生成する。トリミング信号Trimは、例えば、ヒューズを溶断させることにより選択されたリーク回路A~Nを動作させる。
【0034】
また、リーク回路A、B、C、・・・、Nの各々は、周辺回路250の対応する論理回路のリーク電流の比をスケーリングするため、複数組のCMOSトランジスタを含み、複数組のCMOSトランジスタの中から選択された数のCMOSトランジスタが動作される。この選択は、トリミング信号Trimによって行われる。例えば、並列に接続されたリーク回路AがP組ある場合、周辺回路250の対応するCMOSインバータのリーク電流に対して一定の比を得るために、トリミング信号TrimによってP組の中から選択された数のリーク回路Aが動作される。例えば、トリミング信号Trimによってヒューズを溶断させることで選択された数のリーク電流Aを動作させる。
【0035】
リーク回路A、B、C、・・・、Nは、並列に接続され、各リーク回路によって生成されたリーク電流I、I、I、・・・、Iの合計がリーク電流ILEAKとなる。動作温度が増加すると、リーク電流ILEAKが増加し、動作温度が低下すると、リーク電流ILEAKが低下する。
【0036】
こうして、リーク電流監視部220は、スタンバイ状態のときの周辺回路250のリーク電流ILEAK_PERIを監視したリーク電流ILEAKを生成し、生成したリーク電流ILEAKを出力電圧制御部230に提供する。
【0037】
出力電圧制御部230は、リーク電流ILEAKに基づき基準電圧Vrefを制御する。具体的には、出力電圧制御部230は、リーク電流ILEAKが増加すると、基準電圧Vref_Cを低下させ、リーク電流ILEAKが減少すると、基準電圧Vref_Cを増加させる。出力電圧制御部230によって制御された基準電圧Vref_Cはスタンバイ電圧生成部240に提供される。
【0038】
スタンバイ電圧生成部240は、例えば、図2に示す内部電圧生成回路120と同様に構成される。スタンバイ電圧生成部240は、基準電圧Vref_Cを受け取り、基準電圧Vref_Cに等しくなるような内部供給電圧INTVDDを周辺回路250に提供する。周辺回路250の動作温度が上昇すると、基準電圧Vref_Cが低下し、それに伴い内部供給電圧INTVDDが低下するため、周辺回路250のリーク電流ILEAK_PERIが抑制され、省電力化が図られる。スタンバイ状態からアクティブ状態に遷移すると、アクティブ電圧生成部260から内部供給電圧INTVDDが周辺回路250に供給される。
【0039】
図5は、第2の実施例に係る電圧生成回路200の詳細な回路構成を示す図である。基準電圧生成部210は、BGR回路を用いて基準電圧Vrefを生成し、この基準電圧Vrefを出力電圧制御部230に提供する。なお、基準電圧Vrefは、第1の実施例の基準電圧Vref_NTcと異なり、正の温度係数を有する。
【0040】
出力電圧制御部230は、スタンバイ電圧生成部240と同様に定電流回路(ユニティゲインバッファOP1、トランジスタQ2)を含んで構成され、ノードN3には、外部電源電圧VDDの変動に依存しない電圧Vrefが生成される。ノードN3とノードN4との間に抵抗R3が接続され、ノードN4に定電流Iが生成される。定電流Iは、スタンバイ電圧生成部240によって生成される定電流IC_PERIに対して一定の比を持つように構成される(ILEAK_PERI:ILEAK=IC_PERI:I)。すなわち、トランジスタQ2のチャンネル幅は、トランジスタQ1のチャンネル幅に対して一定の比に調整される。
【0041】
出力電圧制御部230のノードN4には、リーク電流監視部220が接続される。ここでは、リーク電流監視部220がリーク回路Aを備える例が示されている。ノードN4に生成された定電流Iは、リーク電流監視部220によって生成されたリーク電流ILEAKによってGNDに流され、その結果、ノードN4には、定電流Iとリーク電流ILEAKとの差(I-ILEAK)によって制御された基準電圧Vref_Cが生成される。つまり、温度上昇によりリーク電流ILEAKが増加すると、基準電圧Vref_Cが低下し、温度減少によりリーク電流ILEAKが減少すると、基準電圧Vref_Cが増加し、温度変化に応じた制御された基準電圧Vref_Cが自律的に生成される。
【0042】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。第2の実施例では、温度変化に応じて自律的に基準電圧Vref_Cを変化させたが、リーク電流は、ある温度を境に急激に大きくなるため、基準電圧Vref_Cが周辺回路250のCMOSの最低動作電圧よりも低下するおそれがある。そこで、第3の実施例では、基準電圧Vref_CがCMOSの最低動作電圧を下回らないようなフィードバック制御を行う。
【0043】
図6は、本発明の第3の実施例に係る電圧生成回路の構成を示すブロック図である。本実施例の電圧生成回路200Aは、電圧降下検出部300と、出力電圧制御部310とを含み、それ以外の基準電圧生成部210、リーク電流監視部220、スタンバイ電圧生成部240は、第2の実施例と同様である。
【0044】
電圧降下検出部300は、出力電圧制御部310が出力する温度補償された基準電圧Vref_Cを監視し、基準電圧Vref_CがCMOSの最低動作電圧Vminの近傍の閾値電圧Vthに降下したことを検出し(Vref_C-Vmin≦閾値電圧Vth)、その検出結果を出力電圧制御部310に提供する。
【0045】
出力電圧制御部310は、第2の実施例のときと同様にリーク電流監視部220のリーク電流ILEAKに応じた基準電圧Vref_Cを出力するが、基準電圧Vref_Cが閾値電圧Vthに降下したことが検出された場合には、当該基準電圧Vref_Cが閾値電圧Vthよりも大きくなるように基準電圧Vref_Cを制御する。ある態様では、出力電圧制御部310は、外部電源電圧VDDからノードN3に流れる定電流Iを増加させることでリーク電流ILEAKを相殺させ、基準電圧Vref_Cを増加させる。また、別の態様では、出力電圧制御部310は、DC電圧をオフセットさせることで基準電圧Vref_Cを増加させる。これにより、スタンバイ電圧生成部240の内部供給電圧INTVDDがCMOSの最低動作電圧より低下することを防ぎ、周辺回路250の動作が保証される。
【0046】
図7は、本発明の第3の実施例に係る電圧生成回路200Aの第1の構成例を示す図であり、図5の構成と同一のものについては同一参照番号を附している。電圧降下検出部300は、ノードN4の温度補償された基準電圧Vref_Cを監視する。電圧降下検出部300は、ノードN4にソースが接続されたPMOSトランジスタQ3と、トランジスタQ3とグランドとの間に接続された定電流を流す抵抗R4と、トランジスタQ3と抵抗R4との間のノードN5に接続されたインバータINとを含む。トランジスタQ3のゲートは、グランドに接続され、トランジスタQ3は導通状態である。
【0047】
基準電圧Vref_CがCMOSの最低動作電圧よりも十分に高いとき、トランジスタQ3は強く導通することでノードN5がHレベルになり、インバータINの出力がLレベルになる。基準電圧Vref_Cが低下し、Vref_C-Vmin≦Vthになると、トランジスタQ3のVGSが小さくなり、トランジスタQ3のドレイン電流が小さくなり、ノードN5がLレベルになり、インバータINの出力がHレベルになる。
【0048】
出力電圧制御部310は、外部供給電圧VDDとノードN3との間にトランジスタQ2と並列に接続されたNMOSトランジスタQ4を含み、トランジスタQ4のゲートは、電圧降下検出部300のインバータINの出力に接続される。基準電圧Vref_Cが低下し、インバータINの出力がHになると、トランジスタQ4が導通し、ノードN3に電流IADDが供給される。トランジスタQ4のサイズは、電流IADDが温度上昇に伴い急激に増加したリーク電流ILEAKを相殺し、かつ基準電圧Vref_Cが電圧降下検出部300によって検出されるレベルよりも高くなるように、調整される。
【0049】
基準電圧Vref_CがCMOSの最低動作電圧よりも十分に増加すると、電圧降下検出部300のインバータINの出力がLレベルになり、電流IADDの供給が停止される。なお、電流IADDの供給方法は、上記に限らず、他の方法により行っても良い。
【0050】
図8は、本発明の第3の実施例に係る電圧生成回路200Aの第2の構成例を示す図であり、図7の構成と同一のものについては同一参照番号を附している。第2の構成例では、出力電圧制御部310Aは、電圧降下検出部300のインバータINの出力に応じて基準電圧Vref_Cの電圧を正の方向に増加させる電圧オフセット部320を含む。電圧オフセット部320は、例えば、基準電圧Vref_Cを外部電源電圧VDDに接続するためのプルアップ用のトランジスタを含み、当該トランジスタは、インバータINのHレベルの出力に応答して導通し、基準電圧Vref_Cを正の方向にオフセットさせる。
【0051】
基準電圧Vref_CがCMOSの最低動作電圧よりも十分に増加すると、電圧降下検出部300のインバータINの出力がLレベルになり、電圧オフセット部320による電圧オフセットが停止される。なお、電圧オフセットの方法は、上記に限らず、他の方法により行っても良い。
【0052】
図9は、本発明の第3の実施例に係る電圧生成回路200Aの第3の構成例を示す図であり、図7および図8の構成と同一のものについては同一参照番号を附している。第3の構成例では、出力電圧制御部320Bは、図7に示す電流IADDを供給するためのトランジスタQ4と、図8に示す基準電圧Vref_Cを正の方向にオフセットさせるための電圧オフセット部320をそれぞれ含む。トランジスタQ4および電圧オフセット部320は、電圧降下検出部300によって基準電圧Vref_Cの降下が検出されたことに応答して、CMOSの最低動作電圧よりも低下しないように基準電圧Vref_Cを増加させる。第3の構成例によれば、第1および第2の構成例と比較して基準電圧Vref_Cを短時間で上昇させることができる。
【0053】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。図10は、第4の実施例に係る電圧生成回路の構成を示す図であり、図9の構成と同一のものについては同一参照番号を附している。本実施例の電圧生成回路400では、出力電圧生成部410が基準電圧生成部210のBGR回路のトランジスタQ10、Q20とカレントミラーを構成するPMOSトランジスタQ5を備える。トランジスタQ5は、外部電源電圧VDDとトランジスタQ2との間に接続され、トランジスタQ5のゲートは、トランジスタQ10、Q20のゲートに共通に接続される。
【0054】
トランジスタQ5は、トランジスタQ10/Q20に対して一定のカレントミラー比Kとなるサイズに構成され、出力電圧制御部410に流れる電流Iは、iBGRのK倍(Kは、1以上の値)となる。また、BGR回路を流れる電流(iBGR)は、正の温度係数を有するため、出力電圧制御部410に流れる電流Iも正の温度係数を有する。このため、温度が上昇すると電流Iが増加し、同時にリーク電流監視部230で生成されるリーク電流ILEAKも増加し、その結果、基準電圧Vref_Cが急激に低下することが防止される。なお、出力電圧制御部410は、電圧降下検出部300の検出結果に応答して電流IADDを付加するトランジスタQ4および電圧オフセット部320を備えているが、いずれか一方を備える構成であっても良い。
【0055】
次に、本発明の第5の実施例について説明する。図11は、第5の実施例に係る電圧生成回路の構成を示す図であり、図10の構成と同一のものについては同一参照番号を附している。本実施例の電圧生成回路500では、基準電圧生成部210Aは、第1の実施例と同様に構成される。すなわち、基準電圧市西部210Aは、負の温度係数を有する基準電圧Vref_NTcを出力電圧制御部410に提供する。
【0056】
本実施例では、温度が上昇すると、基準電圧Vref_NTcが低下し、他方、電流Iが増加し、リーク電流ILEAKも増加する。電流Iの増加がリーク電流ILEAKによって相殺されるならば、基準電圧Vref_Cは、基準電圧Vref_NTcの低下により低下し、周辺回路250のリーク電流が抑制される。なお、出力電圧制御部410は、電圧降下検出部300の検出結果に応答して電流IADDを付加するトランジスタQ4および電圧オフセット部320を備えているが、いずれか一方を備える構成であっても良い。
【0057】
本実施例の電圧生成回路の特徴をまとめると次のようになる。
1.スタンバイ電圧生成部240の内部供給電圧INTVDDは、温度補償する全範囲でCMOSの最小動作電圧を保証する。
2.温度補償する範囲の最も高い温度で、スタンバイ電圧生成部240の内部供給電圧INTVDDが最小のDCレベルに制御される。
3.より低い内部供給電圧INTVDDを用いることで、周辺回路250内の集積回路のジャンクションリーク電流、ゲートリーク電流、トランジスタのオフリーク電流を最小限に抑制することができる。
4.ディープパワーダウンモード(DPD)による電力供給のカットオフの代わりに、より低いレベルの内部供給電圧INTVDDを維持することで、ディープパワーモードのときと比べて、アクティブ動作への復帰時間を短くすることができる。
【0058】
なお、上記実施例では、本実施例の電圧生成回路をフラッシュメモリのスタンバイ状態に適用する例を示したが、これは一例であり、本発明は、スタンバイ状態とは無関係に内部回路への電圧供給に適用することができる。さらに本発明は、フラッシュメモリ以外の他の半導体デバイスの内部回路に所望の内部電圧を提供する電圧生成回路に適用することができる。
【0059】
本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
100、200、200A、400、500:電圧生成回路
210、210A:基準電圧生成部
220:リーク電流監視部
230、310、310A、310B、410:出力電圧制御部
240:スタンバイ電圧生成部
250:周辺回路
260:アクティブ電圧生成部
【要約】
【課題】 DPDモードを用いることなくリーク電流を抑制することができる電圧生成回路を提供する。
【解決手段】 本発明の電圧生成回路200Aは、基準電圧Vrefを生成する基準電圧生成部210と、周辺回路250のリーク電流に対応するリーク電流ILEAKを生成するリーク電流監視部220と、リーク電流ILEAKに基づき基準電圧を制御し、制御した基準電圧Vref_Cを出力する出力電圧制御部310と、制御された基準電圧Vref_Cに基づき周辺回路250に内部供給電圧INTVDDを供給するスタンバイ電圧生成部240と、制御された基準電圧Vref_Cが一定レベルに降下したことを検出する電圧降下検出部300とを含む。出力電圧制御部310は、電圧降下検出部300の検出結果に応じて制御された基準電圧Vref_Cを制御する。
【選択図】 図6
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11