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特許7103744視野評価用情報処理システム、視野評価用情報処理方法、視野評価用情報コンピュータプログラムおよび情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】視野評価用情報処理システム、視野評価用情報処理方法、視野評価用情報コンピュータプログラムおよび情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/024 20060101AFI20220712BHJP
【FI】
A61B3/024
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022061814
(22)【出願日】2022-04-01
【審査請求日】2022-04-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507326456
【氏名又は名称】株式会社仙台放送
(73)【特許権者】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100185971
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 玲子
(72)【発明者】
【氏名】中澤 徹
(72)【発明者】
【氏名】倉内 宏
(72)【発明者】
【氏名】太田 茂
(72)【発明者】
【氏名】梅森 辰一郎
(72)【発明者】
【氏名】中井田 僚子
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/221997(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3109472(JP,U)
【文献】特表2018-520820(JP,A)
【文献】特表2015-502238(JP,A)
【文献】特表2014-533587(JP,A)
【文献】特開2022-025237(JP,A)
【文献】特表2019-513516(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0087618(US,A1)
【文献】HOSOKAWA, K., et al.,Gamified vision test system for daily self-check,2019 IEEE Games, Entertainment, Media Conference (GEM),2019年07月18日,pp.1-8,<Date of Conference: 18-21 June 2019>,<Date Added to IEEE Xplore: 26 August 2019>,<DOI: 10.1109/GEM.2019.8811563>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数のコンピュータプロセッサを備える視野評価用情報処理システムであって、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、
表示画面の中央部に設定された第一領域内に表示される第一オブジェクト、
前記第一オブジェクトとは異なる第二オブジェクトであって、少なくとも前記第一領域内を移動する第二オブジェクト、および、
前記第一オブジェクトおよび前記第二オブジェクトとは異なる第三オブジェクトであって、少なくとも前記第一領域外の第二領域に所定時間だけ表示される第三オブジェクト
を含む視野評価用の画面を所定の表示部に表示させる表示処理部と、
ユーザによる操作入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力受付部が前記ユーザによる第一の操作入力を受け付けたことに応じて、前記第一オブジェクトと前記第二オブジェクトとの位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する第一判定部と、
前記第三オブジェクトが前記第二領域に表示されている間に、前記入力受付部が前記ユーザによる第二の操作入力が受け付けられているか否かを判定する第二判定部と、
前記第一判定部および前記第二判定部による判定の結果に基づいて、前記ユーザの視野に関する評価情報を生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記評価情報を記憶する記憶部と
を備える視野評価用情報処理システム。
【請求項2】
前記生成部により生成された評価情報が、前記ユーザの視野の異常の兆候を示すものである場合、
前記表示処理部は、前記視野評価用の画面に代えて、少なくとも前記第二領域内を移動する第四オブジェクトを含む視野トレーニング用の画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の視野評価用情報処理システム。
【請求項3】
前記第二オブジェクトは、前記ユーザに前記第一領域を注視させるためのものであり、
前記第四オブジェクトは、前記ユーザに前記第二領域を注視させるためのものであることを特徴とする請求項2に記載の視野評価用情報処理システム。
【請求項4】
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、
前記ユーザと前記表示部との間の距離に関する距離情報を取得する距離情報取得部と、
前記距離情報取得部により取得された前記距離情報に基づいて、前記距離が適正範囲か否かを判定する距離判定部と
を備え、
前記距離判定部により前記距離が適正範囲でないと判定された場合、
前記表示処理部は、前記視野評価用の画面に代えて、または、前記視野評価用の画面に重畳して、前記距離を適正範囲とするよう注意する注意画面を表示することを特徴とする請求項1、2または3に記載の視野評価用情報処理システム。
【請求項5】
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、
前記表示部のサイズに関するサイズ情報を取得するサイズ情報取得部を備え、
前記距離判定部は、前記距離情報取得部により取得された前記距離情報および前記サイズ情報取得部により取得されたサイズ情報に基づいて、前記距離が適正範囲か否かを判定することを特徴とする請求項4に記載の視野評価用情報処理システム。
【請求項6】
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、
前記ユーザの顔部を撮像可能な撮像部を備え、
前記距離情報取得部は、前記撮像部により撮像された前記ユーザの顔部の画像から、前記距離を取得することを特徴とする請求項4に記載の視野評価用情報処理システム。
【請求項7】
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、
前記ユーザの眼部を撮像可能な撮像部を備え、
前記撮像部により撮像された前記ユーザの眼部の画像から、前記ユーザの視線に関する視線情報を取得する視線情報取得部を備えることを特徴とする請求項1に記載の視野評価用情報処理システム。
【請求項8】
前記入力受付部は、前記視野評価用の画面に表示された第一操作入力オブジェクトへのタッチ操作を前記第一の操作入力として受け付け、かつ、前記視野評価用の画面の前記第一操作入力オブジェクトとは異なる位置に表示された第二操作入力オブジェクトへのタッチ操作を前記第二の操作入力として受け付けることを特徴とする請求項1に記載の視野評価用情報処理システム。
【請求項9】
前記表示処理部は、前記ユーザの視線に追従するよう前記第一オブジェクトを移動して表示させ、
前記入力受付部は、前記第一オブジェクトへの前記ユーザによる注視動作を前記第一の操作入力として受け付けることを特徴とする請求項7に記載の視野評価用情報処理システム。
【請求項10】
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、
前記ユーザの動作による音声を取得可能な音声取得部と、
前記音声取得部が取得した音声が、前記第一の操作入力または前記第二の操作入力のいずれに対応するものかを解析する音声解析部と
を備え、
前記入力受付部は、前記音声解析部による解析の結果に基づいて、前記ユーザの動作による音声の取得を前記第一の操作入力または前記第二の操作入力として受け付けることを特徴とする請求項1に記載の視野評価用情報処理システム。
【請求項11】
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、
前記記憶部に記憶された前記評価情報の内容および/または数に応じて、前記ユーザに対して報酬を付与する報酬付与部を備え、
前記報酬は、実際の医師による眼科評価の無料または割引クーポンであることを特徴とする請求項1に記載の視野評価用情報処理システム。
【請求項12】
又は複数のコンピュータプロセッサに、
表示画面の中央部に設定された第一領域内に表示される第一オブジェクト、前記第一オブジェクトとは異なる第二オブジェクトであって、少なくとも前記第一領域内を移動する第二オブジェクト、および、前記第一オブジェクトおよび前記第二オブジェクトとは異なる第三オブジェクトであって、少なくとも前記第一領域外の第二領域に所定時間だけ表示される第三オブジェクトを含む視野評価用の画面を所定の表示部に表示させる表示処理ステップと、
ユーザによる操作入力を受け付ける入力受付ステップと、
前記入力受付ステップにおいて前記ユーザによる第一の操作入力を受け付けたことに応じて、前記第一オブジェクトと前記第二オブジェクトとの位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する第一判定ステップと、
前記第三オブジェクトが前記第二領域に表示されている間に、前記入力受付ステップにおいて前記ユーザによる第二の操作入力が受け付けられているか否かを判定する第二判定ステップと、
前記第一判定ステップおよび前記第二判定ステップにおける判定の結果に基づいて、前記ユーザの視野に関する評価情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップにおいて生成された前記評価情報を記憶する記憶ステップと
を実行させる視野評価用情報処理方法。
【請求項13】
又は複数のコンピュータプロセッサに、
表示画面の中央部に設定された第一領域内に表示される第一オブジェクト、前記第一オブジェクトとは異なる第二オブジェクトであって、少なくとも前記第一領域内を移動する第二オブジェクト、および、前記第一オブジェクトおよび前記第二オブジェクトとは異なる第三オブジェクトであって、少なくとも前記第一領域外の第二領域に所定時間だけ表示される第三オブジェクトを含む視野評価用の画面を所定の表示部に表示させる表示処理機能と、
ユーザによる操作入力を受け付ける入力受付機能と、
前記入力受付機能により前記ユーザによる第一の操作入力を受け付けたことに応じて、前記第一オブジェクトと前記第二オブジェクトとの位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する第一判定機能と、
前記第三オブジェクトが前記第二領域に表示されている間に、前記入力受付機能により前記ユーザによる第二の操作入力が受け付けられているか否かを判定する第二判定機能と、
前記第一判定機能および前記第二判定機能による判定の結果に基づいて、前記ユーザの視野に関する評価情報を生成する生成機能と、
前記生成機能により生成された前記評価情報を記憶する記憶機能と
を実行させる視野評価用コンピュータプログラム。
【請求項14】
表示画面の中央部に設定された第一領域内に表示される第一オブジェクト、前記第一オブジェクトとは異なる第二オブジェクトであって、少なくとも前記第一領域内を移動する第二オブジェクト、および、前記第一オブジェクトおよび前記第二オブジェクトとは異なる第三オブジェクトであって、少なくとも前記第一領域外の第二領域に所定時間だけ表示される第三オブジェクトを含む視野評価用の画面を所定の表示部に表示させる表示処理部と、
ユーザによる操作入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力受付部により前記ユーザによる第一の操作入力を受け付けたことに応じて、前記第一オブジェクトと前記第二オブジェクトとの位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する第一判定部と、
前記第三オブジェクトが前記第二領域に表示されている間に、前記入力受付部により前記ユーザによる第二の操作入力が受け付けられているか否かを判定する第二判定部と、
前記第一判定部および前記第二判定部における判定の結果に基づいて、前記ユーザの視野に関する評価情報を生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記評価情報を記憶する記憶部と
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視野評価用情報処理システム、視野評価用情報処理方法、視野評価用情報コンピュータプログラムおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
緑内障は早期発見が重要な病気である。しかしながら、緑内障の初期には殆どの患者に自覚症状がなく、視野異常を感じて病院を受診する頃には、病状が進行してしまっている場合が多いという問題がある。
【0003】
近年では、ビデオゲームを利用して、被験者の眼の視覚認識閾値の視野マップを作成する技術が開発されている(特許文献1)。
【0004】
このような技術によれば、ユーザは、ゲームを楽しみながら眼の検査を行うことができるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2015-502238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、医師等の専門家の監督のない、ユーザ自身による眼の検査、特に、視野範囲の評価については未だ課題が多い。
【0007】
そこで、本発明の目的は、緑内障の早期発見に寄与すべく、従来よりも利用し易くかつ正確な視野に関する評価情報を容易に得ることが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の視野評価用情報処理システムは、一又は複数のコンピュータプロセッサを備える視野評価用情報処理システムであって、一又は複数のコンピュータプロセッサは、表示画面の中央部に設定された第一領域内に表示される第一オブジェクト、第一オブジェクトとは異なる第二オブジェクトであって、少なくとも第一領域内を移動する第二オブジェクト、および、第一オブジェクトおよび第二オブジェクトとは異なる第三オブジェクトであって、少なくとも第一領域外の第二領域に所定時間だけ表示される第三オブジェクトを含む視野評価用の画面を所定の表示部に表示させる表示処理部と、ユーザによる操作入力を受け付ける入力受付部と、入力受付部がユーザによる第一の操作入力を受け付けたことに応じて、第一オブジェクトと第二オブジェクトとの位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する第一判定部と、第三オブジェクトが第二領域に表示されている間に、入力受付部がユーザによる第二の操作入力が受け付けられているか否かを判定する第二判定部と、第一判定部および第二判定部による判定の結果に基づいて、ユーザの視野に関する評価情報を生成する生成部と、生成部により生成された評価情報を記憶する記憶部とを備えることを特徴とする。
【0009】
生成部により生成された評価情報が、ユーザの視野の異常の兆候を示すものである場合、表示処理部は、視野評価用の画面に代えて、少なくとも第二領域内を移動する第四オブジェクトを含む視野トレーニング用の画面を表示部に表示させることができる。
【0010】
第二オブジェクトは、ユーザに第一領域を注視させるためのものとし、第四オブジェクトは、ユーザに第二領域を注視させるためのものとすることができる。
【0011】
一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、ユーザと表示部との間の距離に関する距離情報を取得する距離情報取得部と、距離情報取得部により取得された距離情報に基づいて、距離が適正範囲か否かを判定する距離判定部とを備え、距離判定部により距離が適正範囲でないと判定された場合、表示処理部は、視野評価用の画面に代えて、または、視野評価用の画面に重畳して、距離を適正範囲とするよう注意する注意画面を表示することができる。
【0012】
一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、表示部のサイズに関するサイズ情報を取得するサイズ情報取得部を備え、距離判定部は、距離情報取得部により取得された距離情報およびサイズ情報取得部により取得されたサイズ情報に基づいて、距離が適正範囲か否かを判定することができる。
【0013】
一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、ユーザの顔部を撮像可能な撮像部を備え、距離情報取得部は、撮像部により撮像されたユーザの顔部の画像から、距離を取得することができる。
【0014】
一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、ユーザの眼部を撮像可能な撮像部を備え、撮像部により撮像されたユーザの眼部の画像から、ユーザの視線に関する視線情報を取得する視線情報取得部を備えることができる。
【0015】
入力受付部は、視野評価用の画面に表示された第一操作入力オブジェクトへのタッチ操作を第一の操作入力として受け付け、かつ、視野評価用の画面の第一操作入力オブジェクトとは異なる位置に表示された第二操作入力オブジェクトへのタッチ操作を第二の操作入力として受け付けることができる。
【0016】
表示処理部は、ユーザの視線に追従するよう第一オブジェクトを移動して表示させ、入力受付部は、第一オブジェクトへのユーザによる注視動作を第一の操作入力として受け付けることができる。
【0017】
一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、ユーザの動作による音声を取得可能な音声取得部と、音声取得部が取得した音声が、第一の操作入力または第二の操作入力のいずれに対応するものかを解析する音声解析部とを備え、入力受付部は、音声解析部による解析の結果に基づいて、ユーザの動作による音声の取得を第一の操作入力または第二の操作入力として受け付けることができる。
【0018】
一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、記憶部に記憶された評価情報の内容および/または数に応じて、ユーザに対して報酬を付与する報酬付与部を備え、報酬は、実際の医師による眼科評価の無料または割引クーポンとすることができる。
【0019】
本開示における視野評価用情報処理方法は、一又は複数のコンピュータプロセッサに、表示画面の中央部に設定された第一領域内に表示される第一オブジェクト、第一オブジェクトとは異なる第二オブジェクトであって、少なくとも第一領域内を移動する第二オブジェクト、および、第一オブジェクトおよび第二オブジェクトとは異なる第三オブジェクトであって、少なくとも第一領域外の第二領域に所定時間だけ表示される第三オブジェクトを含む視野評価用の画面を所定の表示部に表示させる表示処理ステップと、ユーザによる操作入力を受け付ける入力受付ステップと、入力受付ステップにおいてユーザによる第一の操作入力を受け付けたことに応じて、第一オブジェクトと第二オブジェクトとの位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する第一判定ステップと、第三オブジェクトが第二領域に表示されている間に、入力受付ステップにおいてユーザによる第二の操作入力が受け付けられているか否かを判定する第二判定ステップと、第一判定ステップおよび第二判定ステップにおける判定の結果に基づいて、ユーザの視野に関する評価情報を生成する生成ステップと、生成ステップにおいて生成された評価情報を記憶する記憶ステップとを実行させることを特徴とする。
【0020】
本開示における視野評価用コンピュータプログラムは、一又は複数のコンピュータプロセッサに、表示画面の中央部に設定された第一領域内に表示される第一オブジェクト、第一オブジェクトとは異なる第二オブジェクトであって、少なくとも第一領域内を移動する第二オブジェクト、および、第一オブジェクトおよび第二オブジェクトとは異なる第三オブジェクトであって、少なくとも第一領域外の第二領域に所定時間だけ表示される第三オブジェクトを含む視野評価用の画面を所定の表示部に表示させる表示処理機能と、ユーザによる操作入力を受け付ける入力受付機能と、入力受付機能によりユーザによる第一の操作入力を受け付けたことに応じて、第一オブジェクトと第二オブジェクトとの位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する第一判定機能と、第三オブジェクトが第二領域に表示されている間に、入力受付機能によりユーザによる第二の操作入力が受け付けられているか否かを判定する第二判定機能と、第一判定機能および第二判定機能による判定の結果に基づいて、ユーザの視野に関する評価情報を生成する生成機能と、生成機能により生成された評価情報を記憶する記憶機能とを実行させることを特徴とする。
【0021】
本開示における情報処理装置は、表示画面の中央部に設定された第一領域内に表示される第一オブジェクト、第一オブジェクトとは異なる第二オブジェクトであって、少なくとも第一領域内を移動する第二オブジェクト、および、第一オブジェクトおよび第二オブジェクトとは異なる第三オブジェクトであって、少なくとも第一領域外の第二領域に所定時間だけ表示される第三オブジェクトを含む視野評価用の画面を所定の表示部に表示させる表示処理部と、ユーザによる操作入力を受け付ける入力受付部と、入力受付部によりユーザによる第一の操作入力を受け付けたことに応じて、第一オブジェクトと第二オブジェクトとの位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する第一判定部と、第三オブジェクトが第二領域に表示されている間に、入力受付部によりユーザによる第二の操作入力が受け付けられているか否かを判定する第二判定部と、第一判定部および第二判定部における判定の結果に基づいて、ユーザの視野に関する評価情報を生成する生成部と、生成部により生成された評価情報を記憶する記憶部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、上述した従来技術の課題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することができる。具体的には、従来よりも利用し易くかつ正確な視野に関する評価情報を容易に得ることが可能な視野評価用情報処理システム、視野評価用情報処理方法、視野評価用情報コンピュータプログラムおよび情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示における視野評価用情報処理システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
図2】本開示における情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す構成図である。
図3】本開示における視野評価用情報処理システムの機能構成の一例を示す機能構成図である。
図4】情報処理装置に表示される画面のイメージを示した概念図である。
図5】情報処理装置に表示される画面のイメージを示した概念図である。
図6】本開示における視野評価用情報処理システムの機能構成の他の例を示す機能構成図である。
図7】情報処理装置に表示される画面のイメージを示した概念図である。
図8】本開示における視野評価用情報処理方法のフローの一例を示すフロー図である。
図9】本開示における視野評価用コンピュータプログラムを実現するための回路構成の一例を示す回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示における視野評価用情報処理システムの実施形態について、図面を参照しながら説明を行う。
【0025】
<システム構成>
図1に一例として示されるように、本開示に係る視野評価用情報処理システム1000は、情報処理装置100および当該情報処理装置とネットワークを介して接続されるサーバ装置200を備えるものとすることができる。
【0026】
あるいは、本開示に係る視野評価用情報処理システム1000は、情報処理装置100のみを備えるものとすることができる。
【0027】
情報処理装置100は、テレビジョン装置、スマートフォン(多機能電話端末)、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、コンソールゲーム機、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、眼鏡型のウェアラブル端末(ARグラス等)等のウェアラブルコンピュータ、および、これらの装置以外の動画を再生可能な情報処理装置とすることができる。また、これら端末は、単独で動作するスタンドアロン型の装置であってもよく、互いに各種のデータを送受信可能に接続された複数の装置から構成されるものであってもよい。
【0028】
<ハードウェア構成>
ここで、図2を用いて、情報処理装置100のハードウェア構成について説明する。情報処理装置100は、プロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、入出力インターフェース(入出力I/F)104と、通信インターフェース(通信I/F)105とを含む。各構成要素は、バスBを介して相互に接続される。
【0029】
情報処理装置100は、プロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、入出力I/F104と、通信I/F105との協働により、本実施形態に記載される機能、方法を実現することができる。
【0030】
プロセッサ101は、ストレージ103に記憶されるプログラムに含まれるコード又は命令によって実現する機能、及び/又は、方法を実行する。プロセッサ101は、例えば、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSI等と呼称されることもある。
【0031】
メモリ102は、ストレージ103からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ101に対して作業領域を提供する。メモリ102には、プロセッサ101がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ102は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含む。
【0032】
ストレージ103は、プログラムを記憶する。ストレージ103は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を含む。
【0033】
通信I/F105は、ネットワークアダプタ等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、ネットワークを介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F105は、ネットワークを介して、他の情報処理装置との通信を実行する。通信I/F105は、各種データをプロセッサ101からの指示に従って、他の情報処理装置に送信する。また、通信I/F105は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ101に伝達する。
【0034】
入出力I/F104は、情報処理装置100に対する各種操作を入力する入力装置、及び、情報処理装置100で処理された処理結果を出力する出力装置を含む。入出力I/F104は、入力装置と出力装置が一体化していてもよいし、入力装置と出力装置とに分離していてもよい。
【0035】
入力装置は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報をプロセッサ101に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、又は、その組み合わせにより実現される。入力装置は、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含む。
【0036】
また、本開示におけるサーバ装置200についても、特筆すべき場合を除き、図2と同様のハードウェア構成で構成されることができる。
【0037】
<実施形態>
続いて、本開示の実施形態にかかる視野評価用情報処理システム1000が備える一又は複数のコンピュータプロセッサにおいて実行可能な各種機能について図面を参照しながら説明する。
【0038】
本開示における視野評価用情報処理システム1000が備える一又は複数のコンピュータプロセッサは、図3に示されるように、表示処理部110、入力受付部120、第一判定部130、第二判定部140、生成部150および記憶部160を備える。
【0039】
図4は、情報処理装置100が備える、または、情報処理装置100に有線または無線で接続されたディスプレイである表示部に表示される視野評価用の画面400のイメージを示したものである。
【0040】
表示処理部110は、図4に一例として示されるように、第一オブジェクト401、第二オブジェクト402および第三オブジェクト403を含む視野評価用の画面400を所定の表示部に表示させるものである。
【0041】
第一オブジェクト401は、表示画面400の中央部に設定された第一領域410内に表示されるものである。
【0042】
一例として、第一オブジェクト401はミサイル等のオブジェクト404から弾等のオブジェクトを発射する際の照準オブジェクトを示すものとすることができる。なお、この第一オブジェクト401は表示画面400の中央部に固定して表示されるものとする。
【0043】
この第一オブジェクト401は、ユーザの視線を固定するために表示されるものである。そのため、第一オブジェクト401は表示画面400の中央に固定して表示される。
【0044】
第二オブジェクト402は、第一オブジェクト401とは異なるものであって、少なくとも第一領域410内を移動するものである。
【0045】
一例として、第二オブジェクト402は、隕石等のオブジェクトとすることができる。そして、この第二オブジェクト402は、少なくとも第一領域410内を移動すればよく、第一領域410外から第一領域410内を通過するように移動するものであってもよい。移動の経路については特に限定されない。
【0046】
第一領域410は、表示画面400の中央部に設定されるものであり、その形状は特に限定されない。一例として、図4では矩形の領域が第一領域410として設定されている。
【0047】
第三オブジェクト403は、第一オブジェクト401および第二オブジェクト402とは異なるものであって、少なくとも第一領域410外の第二領域420内に所定時間だけ表示されるものである。
【0048】
一例として、第三オブジェクト403は、捕捉対象のオブジェクトとすることができる。そして、この第三オブジェクト403は、第二領域420内に所定時間だけ表示される。
【0049】
第二領域420は、表示画面400の外周部に設定されるものであり、その形状は特に限定されない。一例として、図4では第一領域410を囲むような矩形の領域が第二領域420として設定されている。
【0050】
なお、上述した第一領域410および第二領域420はこれらの境界が視認可能であってもよいし、視認不可能なものであってもよい。
【0051】
第三オブジェクト403が表示される時間は特に限定されないが、一例として数秒とすることができる。
【0052】
また、第三オブジェクト403は第二領域420内であればどこに表示されてもよいが、表示後は移動せずに固定して表示されるものとする。
【0053】
入力受付部120は、ユーザによる操作入力を受け付けるものである。
【0054】
情報処理装置100がスマートフォンやタブレット端末等のタッチパネルを有する端末であり、ユーザと所定の距離を置いて使用されている場合には、ユーザによる操作入力はタッチパネルに対するタッチ操作とすることができる。
【0055】
また、情報処理装置100のタッチパネルの有無にかかわらず、ユーザによる操作入力は、情報処理装置100に有線または無線により接続されたコントローラまたはリモコン等に対するボタンの押下操作とすることができる。
【0056】
また、情報処理装置100のタッチパネルの有無にかかわらず、ユーザによる操作入力は、その他の音声や視線等によるものであってもよい。詳細については後述する。
【0057】
また、情報処理装置100がタッチパネルを有する端末であっても、ユーザと所定の距離を置いて使用されていない場合(一例として、スマートフォンをHMDのディスプレイとして使用している場合)にも、上記ボタンの押下操作等による操作入力を適用することができる。
【0058】
なお、以下の例では、ユーザによる操作入力はタッチパネルに対するタッチ操作であるものとして説明を行う。
【0059】
第一判定部130は、入力受付部120がユーザによる第一の操作入力を受け付けたことに応じて、第一オブジェクト401と第二オブジェクト402との位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定するものである。
【0060】
一例として、入力受付部120は、視野評価用の画面400に表示された第一操作入力オブジェクト405へのタッチ操作を第一の操作入力として受け付ける。
【0061】
図4では、第一操作入力オブジェクト405として「SHOOT」という文字が付されたオブジェクトが示されている。
【0062】
所定の条件とは、一例として、第一オブジェクト401の中心位置の座標と第二オブジェクト402の中心位置の座標との距離が所定値以下であることとすることができる。また、所定の条件にはオブジェクトの外縁位置の座標を用いるものとしてもよい。
【0063】
言い換えれば、第一判定部130は、隕石に弾が当たったか否かを判定するものである。
【0064】
第二判定部140は、第三オブジェクト403が第二領域420に表示されている間に、入力受付部120においてユーザによる第二の操作入力が受け付けられているか否かを判定するものである。
【0065】
一例として、入力受付部120は、視野評価用の画面400の第一操作入力オブジェクト405とは異なる位置に表示された第二操作入力オブジェクト406へのタッチ操作を第二の操作入力として受け付ける。
【0066】
図4では、第二操作入力オブジェクト406として「CAPTURE」という文字が付されたオブジェクトが示されている。
【0067】
具体的には、第二判定部140は、捕捉対象を捕捉できたか否かを判定するものである。
【0068】
生成部150は、第一判定部130および第二判定部140による判定の結果に基づいて、ユーザの視野に関する評価情報を生成するものである。
【0069】
本開示における視野評価用の画面を表示するゲームにおいて、ユーザには、表示画面の中央部に設定された第一領域410において隕石を撃つという作業を集中して行わせている。これは、ユーザの視野の中心を固定させるためであり、第一判定部130の結果は、ユーザが視野の中心を適切に固定していたかを判定するのに用いられることができる。
【0070】
そして、本開示における視野評価用の画面を表示するゲームでは、ユーザには、表示画面の外周部、すなわち視野の端の方に捕捉対象を出現させて捕捉させる作業も行わせている。これは、ユーザの視野の範囲を確認するためであり、捕捉の成功は、捕捉対象がユーザの視野に入り認識されていたことを意味する。
【0071】
ただし、捕捉は成功しているのに隕石の撃墜が失敗しているような場合には、ユーザの視野の中心が表示画面に中心部に固定されていない可能性がある。
【0072】
それ故に、ユーザの視野に関する評価情報は、第一判定部130および第二判定部140の両方の判定の結果に基づいて生成される。
【0073】
具体的には、初めに、第一判定部130による判定の結果に基づいて、第一の成功率を算出する。一例として、第一の成功率は、第一オブジェクト401と第二オブジェクト402との位置関係が所定の条件を満たした回数を分母とし、当該第一オブジェクト401と第二オブジェクト402との位置関係が所定の条件を満たしている状態で第一の操作入力を受け付けた回数を分子とすることができる。
【0074】
なお、上記第一の値は特に限定されるものではないが、一例として8割とすることができる。
【0075】
そして、第一の成功率が第一の値以上である場合には、第二判定部140による判定の結果に基づいて、第二の成功率を算出する。一例として、第二の成功率は、第三オブジェクト403が第二領域420に表示された回数を分母として、当該第三オブジェクト403が第二領域420に表示されている状態で第二の操作入力を受け付けた回数を分子とすることができる。
【0076】
一方で、第一の成功率が第一の値未満である場合には、ユーザに対して再度ゲームを行うことを促すような画面を表示させることができる。
【0077】
そして、ユーザの視野に関する評価情報は、一例として、第一の成功率に対する第二の成功率の割合とすることができる。この割合が低い場合、ユーザは視野の端が見えていない可能性が高く、ユーザの視野には異常の兆候があるという評価を行うことができる。
【0078】
一方で、上記割合が高い場合、ユーザは視野の端が見えている可能性が高く、ユーザの視野には異常の兆候がないという評価を行うことができる。
【0079】
なお、ユーザの視野に関する評価情報には、上記割合だけではなく、第一の成功率が第一の値以上である場合の第二の成功率そのものとしてもよい。また、成功率ではなく失敗率を算出して用いるものとしてもよい。
【0080】
記憶部160は、生成部150により生成された評価情報を記憶するものである。
【0081】
なお、上記評価情報は、ユーザのユーザ情報に対応づけて記憶されることができる。ユーザ情報には、ユーザの氏名・生年月日・年齢・性別・生活習慣・視力などの情報が含まれることができる。
【0082】
なお、本実施形態において、表示処理部110、入力受付部120、第一判定部130、第二判定部140については情報処理装置100が備える一又は複数のコンピュータプロセッサが、生成部150および記憶部160についてはサーバ装置200が備える一又は複数のコンピュータプロセッサが備えるものとするが、これに限られるものではなく、すべてを情報処理装置100が備えるものとしてもよい。このとき、情報処理システムはサーバ装置200を含まなくてもよい。
【0083】
以上の構成によれば、従来よりも利用し易くかつ正確な視野に関する評価情報を得ることができる。
【0084】
生成部150により生成された評価情報が、ユーザの視野の異常の兆候を示すものである場合、表示処理部110は、視野評価用の画面400に代えて、視野トレーニング用の画面500を表示部に表示させることができる。
【0085】
評価情報がユーザの視野の異常の兆候を示す場合とは、上述したように、第二の成功率が第二の値未満である場合、または、上記割合が第三の値未満である場合などとすることができる。これら第二の値および第三の値については、医師等の専門家により適切に定められることができる。
【0086】
図5は、表示部に表示される視野トレーニング用の画面500のイメージを示したものである。
【0087】
表示処理部110は、図5に一例として示されるように、第四オブジェクト407を含む視野トレーニング用の画面500を表示部に表示させるものである。
【0088】
第四オブジェクト407は、少なくとも第二領域420内に表示されるものである。
【0089】
なお、第四オブジェクト407は、上記第三オブジェクト403であってもよい。第四オブジェクト407は、第二領域420内に所定時間だけ表示され、表示後は移動せずに固定して表示されるものであってもよいし、表示中も移動するものであってもよい。
【0090】
この時、第一判定部130による判定は行われないが、第二判定部140による判定が行われる。
【0091】
上記視野評価用の画面400と視野トレーニング用の画面500との差異は、少なくとも、第一領域410への第一オブジェクト401および第二オブジェクト402の表示の有無とすることができる。
【0092】
すなわち、第一オブジェクト401および第二オブジェクト402は、ユーザに第一領域410を注視させるためのものであり、第四オブジェクト407は、ユーザに第二領域420を注視させるためのものである。
【0093】
以上の構成によれば、ユーザに視野の異常の兆候があると評価された場合に、視野異常を改善または悪化させないためのトレーニングをさせることができる。
【0094】
また、図6に一例として示されるように、一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、距離情報取得部170および距離判定部180を備えることができる。
【0095】
距離情報取得部170は、ユーザと表示部との間の距離に関する距離情報を取得するものである。
【0096】
距離情報は、一例として、情報処理装置100が備える撮像機能を用いて撮像されたユーザの顔や目のサイズから、ユーザと表示部との間の距離を推定することにより得るものとしてもよいが、これに限られず、種々の公知の距離推定技術を適用することができる。
【0097】
距離判定部180は、距離情報取得部170により取得された距離情報に基づいて、距離が適正範囲か否かを判定するものである。
【0098】
そして、距離判定部180により距離が適正範囲でないと判定された場合、表示処理部110は、注意画面を表示する。
【0099】
注意画面は、視野評価用の画面400に代えて、または、視野評価用の画面400に重畳して、距離を適正範囲とするよう注意するものである。
【0100】
図7は、視野評価用の画面400に重畳して表示された注意画面408の一例を示したものである。
【0101】
また、図6に一例として示されるように、一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、サイズ情報取得部190を備えることができる。
【0102】
サイズ情報取得部190は、表示部のサイズに関するサイズ情報を取得するものである。
【0103】
このとき、距離判定部180は、距離情報取得部170により取得された距離情報およびサイズ情報取得部190により取得されたサイズ情報に基づいて、距離が適正範囲か否かを判定する。
【0104】
具体的には、表示部のサイズが小さいほどユーザは表示部に近づく必要があり、表示部のサイズが大きいほどユーザは表示部から離れる必要がある。
【0105】
また、図6に一例として示されるように、一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、撮像部210を備えることができる。
【0106】
撮像部210は、ユーザの顔部を撮像可能なものである。
【0107】
そして、上述したように、距離情報取得部170は、撮像部210により撮像されたユーザの顔部の画像から、距離を取得する。
【0108】
また、上記撮像部210は、ユーザの眼部の画像を撮像するものとしてもよい。
【0109】
このとき、図6に一例として示されるように、一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、視線情報取得部220を備えることができる。
【0110】
視線情報取得部220は、撮像部210により撮像されたユーザの眼部の画像から、ユーザの視線に関する視線情報を取得するものである。
【0111】
上記視線情報は、後述するようにユーザの操作入力に用いることができる。
【0112】
なお、上述したように、上記入力受付部120は、視野評価用の画面400に表示された第一操作入力オブジェクト405へのタッチ操作を第一の操作入力として受け付け、かつ、視野評価用の画面400の第一操作入力オブジェクトとは異なる位置に表示された第二操作入力オブジェクト406へのタッチ操作を第二の操作入力として受け付けるものとすることができる。
【0113】
また、表示処理部110は、ユーザの視線に追従するよう第一オブジェクト401を移動して表示させ、入力受付部120は、第一オブジェクト401へのユーザによる注視動作を第一の操作入力として受け付けるものとしてもよい。
【0114】
ただし、第一オブジェクト401がユーザの視線に追従して移動する範囲は画面400の中央部に限られるものとする。
【0115】
また、図6に一例として示されるように、一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、音声取得部230および音声解析部240を備えることができる。
【0116】
音声取得部230は、ユーザの動作による音声を取得可能なものである。
【0117】
音声解析部240は、音声取得部230が取得した音声が、第一の操作入力または第二の操作入力のいずれに対応するものかを解析するものである。
【0118】
なお、音声取得技術および音声解析技術については特に限定されず、種々の公知の技術を適用することができる。
【0119】
そして、入力受付部120は、音声解析部240による解析の結果に基づいて、ユーザの動作による音声の取得を第一の操作入力または第二の操作入力として受け付けるものとする。
【0120】
一例として、音声解析部240は、ユーザによる「SHOOT」という発声を第一の操作入力として、ユーザによる「CAPTURE」という発声を第一の操作入力として受け付けるものとすることができる。
【0121】
他の例として、音声解析部240は、ユーザが1回手を叩いた音を第一の操作入力として、ユーザが2回手を叩いた音を第一の操作入力として受け付けるものとすることができる。
【0122】
なお、操作入力に対応する音声は上記の例に限られず、別の音声としてもよいし、ユーザが自分で設定できるものとしてもよい。
【0123】
また、図6に一例として示されるように、一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、報酬付与部250を備えることができる。
【0124】
報酬付与部250は、記憶部160に記憶された評価情報の内容および/または数に応じて、ユーザに対して報酬を付与するものである。
【0125】
報酬は、実際の医師等の専門家による検査の無料または割引クーポンなどとすることができる。なお、かかる報酬は電子データとして電子的に付与されるものとすることができる。
【0126】
以上の構成によれば、ユーザが手を使った操作ができない状態であっても、音声入力により操作を行うことができるようになる。
【0127】
<他の実施形態>
図4等に示されたように、視野評価用の画面400には、残り弾数の表示409が含まれるものとしてもよい。かかる残り弾数が0になると、ゲームは終了し、上述した成功率等の集計が行われるものとする。
【0128】
また、本開示の発明により実現される視野評価用のゲームは、一例として、中心に不定期で現れる隕石をSHOOTボタンで破壊しながら、周辺に散らばる鉱石などを集めるゲームである。ユーザは、制限時間が終了するか、規定間違い数(残弾切れ)を迎えるまでプレイすることができる。中心の隕石は視点を中心に維持するために、周辺の鉱石などを集める作業は視野角を判定するために行わる。ユーザのプレイログを集積し、データ分析を行い、ユーザごとの特性やリスクなどを算出し、難易度の自動調整(最適化)や、アドバイスなどを行うこともできる。ユーザが定期的にプレイする意欲を高めるために、得点に応じたクーポン発行などの外部連携サービスを付加することもできる。
【0129】
中心のカーソル(第一オブジェクト)と隕石(第二オブジェクト)があった際にSHOOTボタンをタップすることに成功すると、得点を得ることができる。一方で、タップに失敗すると、弾数が減じられる。
【0130】
また、一定時間だけキャプチャアイコン(第三オブジェクト)が登場し、ユーザがキャプチャすることができたらスコアを増加させる。失敗しても減点にはならないが、操作ログとしては記録されるものとする。
【0131】
続いて、本開示の実施形態における視野評価用情報処理方法について説明を行う。かかる視野評価用情報処理方法は、上述した視野評価用情報処理システム1000において実行される視野評価用情報処理方法である。
【0132】
本開示における視野評価用情報処理方法は、図8に一例として示されるように、一又は複数のコンピュータプロセッサに、表示処理ステップS110、入力受付ステップS120、第一判定ステップS130、第二判定ステップS140、生成ステップS150および記憶ステップS160を実行させることを特徴とする。
【0133】
表示処理ステップS110では、表示画面の中央部に設定された第一領域内に表示される第一オブジェクト、第一オブジェクトとは異なる第二オブジェクトであって、少なくとも第一領域内を移動する第二オブジェクト、および、第一オブジェクトおよび第二オブジェクトとは異なる第三オブジェクトであって、少なくとも第一領域外の第二領域に所定時間だけ表示される第三オブジェクトを含む視野評価用の画面を所定の表示部に表示させる。かかる表示処理ステップS110は、上述した表示処理部110により実行されることができる。
【0134】
入力受付ステップS120では、ユーザによる操作入力を受け付ける。かかる入力受付ステップS120は、上述した入力受付部120により実行されることができる。
【0135】
第一判定ステップS130では、入力受付ステップS120においてユーザによる第一の操作入力を受け付けたことに応じて、第一オブジェクトと第二オブジェクトとの位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する。かかる第一判定ステップS130は、上述した第一判定部130により実行されることができる。
【0136】
第二判定ステップS140では、第三オブジェクトが第二領域に表示されている間に、入力受付ステップにおいてユーザによる第二の操作入力が受け付けられているか否かを判定する。かかる第二判定ステップS140は、上述した第二判定部140により実行されることができる。
【0137】
生成ステップS150では、第一判定ステップS130および第二判定ステップS140における判定の結果に基づいて、ユーザの視野に関する評価情報を生成する。かかる生成ステップS150は、上述した生成部150により実行されることができる。
【0138】
記憶ステップS160では、生成ステップS150において生成された評価情報を記憶する。かかる記憶ステップS160は、上述した記憶部160により実行されることができる。
【0139】
以上の構成によれば、従来よりも利用し易くかつ正確な視野に関する評価情報を得ることができる。
【0140】
続いて、本開示の実施形態におけるコンピュータプログラムについて説明を行う。かかるコンピュータプログラムは、上述した視野評価用情報処理システム1000において実行されるコンピュータプログラムである。
【0141】
本開示におけるコンピュータプログラムは、一又は複数のコンピュータプロセッサに、表示処理機能、入力受付機能、第一判定機能、第二判定機能、生成機能および記憶機能を実現させることを特徴とする。
【0142】
表示処理機能は、表示画面の中央部に設定された第一領域内に表示される第一オブジェクト、第一オブジェクトとは異なる第二オブジェクトであって、少なくとも第一領域内を移動する第二オブジェクト、および、第一オブジェクトおよび第二オブジェクトとは異なる第三オブジェクトであって、少なくとも第一領域外の第二領域に所定時間だけ表示される第三オブジェクトを含む視野評価用の画面を所定の表示部に表示させる。
【0143】
入力受付機能は、ユーザによる操作入力を受け付ける。
【0144】
第一判定機能は、入力受付機能によりユーザによる第一の操作入力を受け付けたことに応じて、第一オブジェクトと第二オブジェクトとの位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0145】
第二判定機能は、第三オブジェクトが第二領域に表示されている間に、入力受付機能によりユーザによる第二の操作入力が受け付けられているか否かを判定する。
【0146】
生成機能は、第一判定機能および第二判定機能による判定の結果に基づいて、ユーザの視野に関する評価情報を生成する。
【0147】
記憶機能は、生成機能により生成された評価情報を記憶する。
【0148】
上記機能は、図9に示す表示処理回路1110、入力受付回路1120、第一判定回路1130、第二判定回路1140、生成回路1150および記憶回路1160により実現されることができる。入力受付回路1120、第一判定回路1130、第二判定回路1140、生成回路1150および記憶回路1160は、それぞれ上述した表示処理部110、入力受付部120、第一判定部130、第二判定部140、生成部150および記憶部160により実現されるものとする。各部の詳細については上述したとおりである。
【0149】
以上の構成によれば、従来よりも利用し易くかつ正確な視野に関する評価情報を得ることができる。
【0150】
最後に、本開示の実施形態における情報処理装置について説明を行う。かかる情報処理装置は、上述した視野評価用情報処理システム1000における情報処理装置100である。
【0151】
本開示における情報処理装置は、図3に一例として示されるように、表示処理部110、入力受付部120、第一判定部130、第二判定部140、生成部150および記憶部160を備えることを特徴とする。
【0152】
表示処理部110は、表示画面の中央部に設定された第一領域内に表示される第一オブジェクト、第一オブジェクトとは異なる第二オブジェクトであって、少なくとも第一領域内を移動する第二オブジェクト、および、第一オブジェクトおよび第二オブジェクトとは異なる第三オブジェクトであって、少なくとも第一領域外の第二領域に所定時間だけ表示される第三オブジェクトを含む視野評価用の画面を所定の表示部に表示させる。かかる表示処理部110の詳細については上述したとおりである。
【0153】
入力受付部120は、ユーザによる操作入力を受け付ける。かかる入力受付部120の詳細については上述したとおりである。
【0154】
第一判定部130は、入力受付部120によりユーザによる第一の操作入力を受け付けたことに応じて、第一オブジェクトと第二オブジェクトとの位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する。かかる第一判定部130の詳細については上述したとおりである。
【0155】
第二判定部140は、第三オブジェクトが第二領域に表示されている間に、入力受付部120によりユーザによる第二の操作入力が受け付けられているか否かを判定する。かかる第二判定部140の詳細については上述したとおりである。
【0156】
生成部150は、第一判定部130および第二判定部140における判定の結果に基づいて、ユーザの視野に関する評価情報を生成する。かかる生成部150の詳細については上述したとおりである。
【0157】
記憶部160は、生成部150により生成された評価情報を記憶する。かかる記憶部160の詳細については上述したとおりである。
【0158】
以上の構成によれば、従来よりも利用し易くかつ正確な視野に関する評価情報を得ることができる。
【0159】
また、上述した実施形態に係るサーバ装置又は端末装置として機能させるために、コンピュータ又は携帯電話などの情報処理装置を好適に用いることができる。このような情報処理装置は、実施形態に係るサーバ装置又は端末装置の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、情報処理装置の記憶部に格納し、情報処理装置のCPUによって当該プログラムを読み出して実行させることによって実現可能である。
【0160】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0161】
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウェア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウェア手段を構築し、このソフトウェア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。
【符号の説明】
【0162】
100 情報処理装置
110 表示処理部
120 入力受付部
130 第一判定部
140 第二判定部
150 生成部
160 記憶部
200 サーバ装置
1000 視野評価用情報処理システム

【要約】
【課題】 緑内障の早期発見に寄与すべく、従来よりも利用し易くかつ正確な視野に関する評価情報を容易に得ることが可能な技術を提供する。
【解決手段】 本発明の視野評価用情報処理システムは、視野評価用の画面を所定の表示部に表示させる表示処理部と、ユーザによる操作入力を受け付ける入力受付部と、入力受付部がユーザによる第一の操作入力を受け付けたことに応じて、第一オブジェクトと第二オブジェクトとの位置関係が所定の条件を満たすか否かを判定する第一判定部と、第三オブジェクトが第二領域に表示されている間に、入力受付部がユーザによる第二の操作入力が受け付けられているか否かを判定する第二判定部と、第一判定部および第二判定部による判定の結果に基づいて、ユーザの視野に関する評価情報を生成する生成部と、生成部により生成された評価情報を記憶する記憶部とを備える。
【選択図】 図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9