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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】医用インターベンショナル撮像デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20220712BHJP
【FI】
A61B6/00 370
A61B6/00 360Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2017566326
(86)(22)【出願日】2016-06-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-07-12
(86)【国際出願番号】 EP2016064548
(87)【国際公開番号】W WO2016207283
(87)【国際公開日】2016-12-29
【審査請求日】2019-06-20
(31)【優先権主張番号】15305994.4
(32)【優先日】2015-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】カティエ パスカル イヴス フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】フローレント ラウル
(72)【発明者】
【氏名】ネムポント オリビエ ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ピザイネ ギヨーム ジュリアン ジョセフ
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-054133(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0081659(US,A1)
【文献】特開2005-253801(JP,A)
【文献】特開2010-088803(JP,A)
【文献】特開2007-136160(JP,A)
【文献】特開2008-302041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14、34/00-90/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターベンショナル治療中に医用画像データを記憶するための医用インターベンショナル撮像デバイスであって、
医用インターベンショナル蛍光透視画像データを一時的に記憶する一時データバッファと、
前記インターベンショナル治療において異常状態が生じたかどうかを検出し、前記異常状態が生じた瞬間を記録する信号プロセッサと、
前記異常状態が検出されると、以前に、及び/又は、記録された前記瞬間において記憶された前記一時的に記憶された医用インターベンショナル蛍光透視画像データの少なくとも一部を受信し、治療完了後のレビュー及び解析のために記憶する永久データストレージと、
を含む、医用インターベンショナル撮像デバイス。
【請求項2】
前記信号プロセッサは、所与のインターベンショナルサブ治療の予定時間から逸脱する前記所与のインターベンショナルサブ治療にかかった時間に基づいて、前記異常状態の発生を検出する、請求項1に記載の医用インターベンショナル撮像デバイス。
【請求項3】
前記信号プロセッサは、インターベンショナルデバイスの展開のない前記インターベンショナルデバイスの回収に基づいて、前記異常状態の発生を検出する、請求項1又は2に記載の医用インターベンショナル撮像デバイス。
【請求項4】
前記信号プロセッサは、インターベンショナルデバイスの繰り返される展開に基づいて、前記異常状態の発生を検出する、請求項1乃至3の何れか一項に記載の医用インターベンショナル撮像デバイス。
【請求項5】
前記信号プロセッサは、一次インターベンショナルデバイスを使用した後、別の二次インターベンショナルデバイスの使用に基づいて、前記異常状態の発生を検出する、請求項1乃至4の何れか一項に記載の医用インターベンショナル撮像デバイス。
【請求項6】
前記信号プロセッサは、前記インターベンショナル治療中に使用されるインターベンショナルデバイス又は前記医用インターベンショナル撮像デバイスのパラメータに基づいて、前記異常状態の発生を検出する、請求項1乃至5の何れか一項に記載の医用インターベンショナル撮像デバイス。
【請求項7】
前記信号プロセッサは、インターベンショナルデータに基づいて、前記異常状態の発生を検出する、請求項1乃至6の何れか一項に記載の医用インターベンショナル撮像デバイス。
【請求項8】
前記信号プロセッサは、
診断データの形式での、及び/又は、
前記インターベンション中に使用されるインターベンショナルデバイス若しくは前記医用インターベンショナル撮像デバイスのシステムデータの形式での
前記インターベンショナルデータに基づいて、前記異常状態の発生を検出する、請求項7に記載の医用インターベンショナル撮像デバイス。
【請求項9】
前記信号プロセッサは、インターベンショナル蛍光透視画像データに基づいて、前記異常状態の発生を検出する、請求項1乃至8の何れか一項に記載の医用インターベンショナル撮像デバイス。
【請求項10】
前記永久データストレージは、ハードディスクデバイスである、請求項1乃至9の何れか一項に記載の医用インターベンショナル撮像デバイス。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の医用インターベンショナル撮像デバイスを含む医用データストレージシステム。
【請求項12】
医療インターベンション中に医用インターベンショナル撮像デバイスを用いて医用インターベンショナル画像データを提供するための医用インターベンショナル撮像デバイスの作動方法であって、前記医用インターベンショナル撮像デバイスは、一時データバッファと、信号プロセッサと、永久データストレージとを含み、前記方法は、
前記一時データバッファが、医用インターベンショナル蛍光透視画像データを一時的に記憶するステップと、
前記信号プロセッサが、前記医療インターベンションにおいて異常状態が生じたかどうかを検出し、前記異常状態が生じた瞬間を記録するステップと、
前記異常状態が検出されると、前記信号プロセッサが、以前に、及び/又は、記録された前記瞬間において記憶された前記一時的に記憶された医用インターベンショナル蛍光透視画像データの少なくとも一部を、治療完了後のレビュー及び解析のために前記永久データストレージに転送するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記インターベンションにおいて異常状態が生じたかどうかを検出する前記ステップは、
所与のインターベンショナルサブ治療の予定時間から逸脱する前記所与のインターベンショナルサブ治療にかかった時間、
インターベンショナルデバイスの展開のない前記インターベンショナルデバイスの回収、
インターベンショナルデバイスの繰り返される展開、
一次インターベンショナルデバイスを使用した後の別の二次インターベンショナルデバイスの使用、及び/又は、
インターベンショナル治療中に使用されるインターベンショナルデバイス若しくは前記医用インターベンショナル撮像デバイスのパラメータ
のうちの1つ以上を評価するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記インターベンション中に異常状態が生じたかどうかを検出する前記ステップは、インターベンショナルデータに基づいて、前記異常状態を検出するステップを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、請求項12乃至14の何れか一項に記載の方法を行うプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターベンショナル医用撮像システムの分野に関する。具体的には、本発明は、インターベンショナル治療をモニタリングする医用インターベンショナル撮像デバイス、医用データストレージシステム及び対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターベンショナルX線撮像支援又はガイドされた医療インターベンションに使用されるシステムといった医療インターベンション中の撮像機能をサポート又は提供するシステムに、様々なストレージメカニズム及び様々なデータストレージストラテジが使用されている。これらのシステムにおいて、例えばアンギオグラフィから得られる画像といった診断に使用される高露光画像といった特定のデータのみが自動的に記憶される。
【0003】
ライブデータ、例えばナビゲーション及びデバイス配置に使用される画像は、低線量画像、例えば蛍光透視法であり、これらの画像は、余分のストレージボリュームが必要となるので、通常、記憶されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インターベンショナル治療をモニタリングする医用インターベンショナル撮像デバイスを改良する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この必要は、独立請求項の主題によって応えられる。更なる例示的な実施形態は、従属請求項及び以下の説明から明らかになる。
【0006】
本発明は、インターベンショナル治療をモニタリングする医用インターベンショナル撮像デバイスに関する。医用インターベンショナル撮像デバイスは、医用インターベンショナル蛍光透視画像データを一時的に記憶する一時データバッファを含む。
【0007】
医用インターベンショナル撮像デバイスは更に、インターベンション中に異常状態が生じたかどうかを検出し、異常状態が生じた瞬間を記録する信号プロセッサを含む。
【0008】
更に、医用インターベンショナル撮像デバイスは、異常状態が検出されると、以前に、及び/又は、記録された瞬間において一時的に記憶された医用インターベンショナル蛍光透視画像データの少なくとも一部を受信し、記憶する永久データストレージを含む。
【0009】
本発明によって使用される場合、「瞬間」との用語は、時間における一瞬、例えば時点を指し、例えば特定量のms又はμsよりも短い時間(例えば100ms未満、10ms未満、1ms又は100μsの時間)といった短時間とも定義される。つまり、異常状態が検出されると、検出の瞬間の前の100msから検出の瞬間までの時間において一時的に記憶された医用インターベンショナル蛍光透視画像データの少なくとも一部が、少なくとも部分的に永久記憶される。つまり、一時データストレージから永久データストレージに転送又はコピーされる。
【0010】
本発明によって使用される場合、「一時的」又は「一時的に記憶される」との表現は、データをより永久的に記憶することとは対照的に、インターベンショナル治療中にデータを暫定的に記憶すること又は中間データ記憶を指す。これに関し、「永久」記憶は、少なくともインターベンショナル治療の完了後まで記憶することを意味するものと理解される。これにより、永久ストレージ内のインターベンショナル画像データを、後からレビュー及び解析することができる。
【0011】
つまり、本発明は、蛍光透視ランに必然的に伴う余分なストレージデマンドを回避するために、例えば蛍光透視ランといったライブ画像記憶である適応及び条件付きデータ記憶を提供する。インターベンショナル治療が失敗する又は異常状態になる場合、永久データストレージに記憶された画像データによって、貴重な治療後解析が可能となる。
【0012】
医療インターベンション中、公称状態又は計画状態からの任意の逸脱が検出されると、一時ストレージ内のストリーミングされ、バッファリングされた医用インターベンショナル蛍光透視画像データのすべて又は選択された部分が、永久ストレージに、好適には現在進行中のインターベンションに関する後続データのすべて又は選択された部分と共に転送される。
【0013】
医療インターベンション中に生じる正常状態からの逸脱、即ち、異常状態は、行われた臨床ワークフローの解析と、行われた臨床ワークフローの計画又は予定臨床ワークフローとの比較とによって検出される。つまり、最初に、意図していたワークフローに関して、行われた臨床ワークフローにおいて任意の逸脱が生じたかどうかが決定され、生じた場合は、どのような種類に逸脱が生じたのかが決定される。次に、これらの逸脱が、インターベンショナル治療(のアウトカム)に重要であるかどうか、これらの逸脱がいつ又はどうして治療中に生じたか、また、どの蛍光透視画像が関連し、後のレビューのために永久保存されるべきであるかが決定される。
【0014】
インターベンショナルコンテキストは、インターベンショナル治療に関連する幾つかの蛍光透視画像を割り当て、また、予定臨床ワークフローの逸脱を幾つかの蛍光透視画像に関連付け、これらは、より詳細にレビュー及び解析されるか、又は、より高い優先順位を有して記憶される。
【0015】
永久記憶された材料は、例えば何がうまくいかなかったのか、即ち、どのエンティティがインターベンショナル治療中に失敗したのか、いつ当該エンティティがインターベンショナル治療中に失敗したのか、なぜ当該エンティティが失敗したのか、また、場合によっては、例えば将来のインターベンショナル治療である将来において、同様の状況をどのように解決するのかを決定するために、後の段階において、更には、インターベンション中に再生及び解析されることができる。
【0016】
本発明の更なる第2の態様によれば、医用データストレージシステムが提供される。医用データストレージシステムは、本発明の第1の態様又は本発明の第1の態様の任意の実施態様形式による医用インターベンショナル撮像デバイスを含む。
【0017】
本発明の更なる第3の態様によれば、医用インターベンショナル撮像デバイスを用いて医用インターベンショナル画像データを提供する方法が提供される。当該方法は、
医用インターベンショナル蛍光透視画像データを一時的に記憶するステップと、
インターベンションにおいて異常状態が生じたかどうかを検出し、異常状態が生じた瞬間を記録するステップと、
異常状態が検出されると、以前に、及び/又は、上記瞬間に一時的に記憶された医用インターベンショナル蛍光透視画像データの少なくとも一部を、永久データストレージに転送するステップとを含む。
【0018】
つまり、異常状態が検出された場合に永久データストレージに送信される医用インターベンショナル蛍光透視画像データは、異常状態が検出される前にバッファリングされた医用インターベンショナル蛍光透視画像データを含む。この前に行われたバッファリングは、非永久バッファ内に一時的に記憶された医用インターベンショナル蛍光透視画像データを用いて行われている。
【0019】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサは、所与のインターベンショナルサブ治療の予定期間から逸脱する上記所与のインターベンショナルサブ治療にかかった時間に基づいて、異常状態の発生を検出する。これは、患者のインターベンショナル治療の影響の予想及び解析を有利に提供する。つまり、信号プロセッサは、所与のインターベンショナルサブ治療の予定期間から逸脱する上記所与のインターベンショナルサブ治療にかかった時間を検出し、この検出に基づいて、異常状態が生じたかどうかを決定する。他のより一般的な表現では、信号プロセッサは、具体的な量を検出し、次に、信号プロセッサは、決定を出力する。
【0020】
本発明によって使用される場合、「インターベンショナルサブ治療」との用語は、例えば胸骨を開くこと、恥骨上カテーテルの位置決め、又は、空洞の密封であるインターベンションの一部又は一ステップを指す。
【0021】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサは、インターベンショナルデバイスの予定されていた展開が行われることなく当該インターベンショナルデバイスを回収することに基づいて、異常状態の発生を検出する。ここでも、より一般的な表現では、信号プロセッサは、格納するはずではなかった又は格納される計画ではなかった例えばステントであるインターベンショナルデバイスの格納といったイベントを検出する。この例では、永久ストレージ内に格納の対応する画像データと、任意選択的に、試みた展開の最終段階とがあることが、患者のインターベンショナル治療の失敗の潜在的な原因の解析を向上させるのに役立つ。
【0022】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサは、インターベンショナルデバイスの繰り返される展開に基づいて、異常状態の発生を検出する。具体的な量とは、ここでは、インターベンショナルデバイスの展開の回数に相当する。インターベンショナルデバイスの展開の閾値が決められ、この閾値が超過されると、異常状態が示される。一例として、このような異常状態は、インターベンショナルデバイスが適切に展開されなかったことを示す。この例では、永久ストレージ内に、対応する画像データが利用可能であることが、インターベンショナル治療中に何がうまくいかなかったのかの正確な理解を得て、どのようにこれを回避できたのかを決定することを可能にするのに役立つ。
【0023】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサは、一次インターベンショナルデバイスを使用した後の別の二次インターベンショナルデバイスの使用に基づいて、異常状態の発生を検出する。これは、患者のインターベンショナル治療の影響の予測及び解析を有利に提供する。
【0024】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサは、インターベンショナル治療中に使用される医用インターベンショナル撮像デバイス、又は、更なるインターベンショナルデバイスのパラメータに基づいて、異常状態の発生を検出する。これは、患者のインターベンショナル治療の影響の予測及び解析を有利に提供する。更に、これは、インターベンショナル治療中に何がうまくいかなかったのかの正確な理解を提供し、また、どのようにこれを回避できたのかを決定することを可能にする。
【0025】
本発明の例示的な実施形態によれば、X線撮像デバイスのパラメータは、X線アンギオグラフィの様々なアンギオグラフィック視野角、又は、X線アンギオグラフィ若しくはX線撮像に使用される分解能若しくはX線被ばく時間であってよい。
【0026】
本発明によって使用される場合、「繰り返される展開」との表現は、特定の閾値を超える展開の回数を指す。例えば閾値は3回以上と設定され、デバイスが3回、展開されると、展開が繰り返されたとされる。
【0027】
本発明によって使用される場合、「一次インターベンショナルデバイス」との用語は、特定の作業に使用されるインターベンショナルデバイスを指す。本発明によって使用される場合、「二次インターベンショナルデバイス」との用語は、一次インターベンショナルデバイスと同じ又は同様の作業に使用される別のインターベンショナルデバイスを指す。つまり、第2のインターベンショナルデバイスを使用することから、信号プロセッサは、一次インターベンショナルデバイスの展開がうまくいかなかったことを決定することができる。
【0028】
インターベンショナルデバイスには、内視鏡、膀胱鏡、外科用器具、注射針又はカテーテルが含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサは、インターベンショナルデータに基づいて、異常状態の発生を検出する。
【0030】
本発明によって使用される場合、「インターベンショナルデータ」との用語は、患者の診断データ、又は、インターベンション中に使用されるデバイスの動作を説明する任意のデータを指す。
【0031】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサは、
インターベンショナルデータの信号フィルタリング、
インターベンショナルデータの分類、及び/又は、
インターベンショナルデータのパターン認識に基づいて、異常状態を検出する。
【0032】
これは、外科的処置及びインターベンショナル治療の品質管理を有利に提供する。
【0033】
本発明によって使用される場合、「分類」との用語は、任意の種類のデータの効果的な解析を提供するためのデータの分類として定義される。
【0034】
本発明によって使用される場合、「パターン認識」との用語は、データ内のパターン及び規則性の認識に注目する機械学習技術を指す。
【0035】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサは、インターベンショナル蛍光透視画像データに基づいて、異常状態の発生を検出する。
【0036】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサは、
インターベンショナル蛍光透視画像データの信号フィルタリング、
インターベンショナル蛍光透視画像データの分類、及び/又は、
インターベンショナル蛍光透視画像データのパターン認識に基づいて、異常状態を検出する。これは、インターベンショナル蛍光透視画像データにおいて検出可能となるため、患者のインターベンショナル治療の失敗の潜在的な原因の解析を有利に向上させる。
【0037】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサは、診断データの形式での、又は、インターベンション中に使用される更なるインターベンショナルデバイス若しくは医用インターベンショナル撮像デバイスのシステムデータの形式でのインターベンショナルデータに基づいて、異常状態の発生を検出する。これも、インターベンショナル治療パフォーマンスの解析を有利に向上させる。
【0038】
本発明の例示的な実施形態によれば、永久データストレージは、ハードディスクデバイスである。ハードディスクデバイスは、インターベンショナル蛍光透視画像データの少なくとも一部を永久記憶する。好都合なことに、これも、インターベンショナル治療パフォーマンスの解析を向上させる。
【0039】
本発明の方法を行うコンピュータプログラムが、コンピュータ可読媒体に記憶される。コンピュータ可読媒体は、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、CD、DVD、USB(汎用シリアルバス)ストレージデバイス、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(読み出し専用メモリ)及びEPROM(消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリ)である。コンピュータ可読媒体は更に、プログラムコードのダウンロードを可能にする例えばインターネットであるデータ通信ネットワークであってもよい。
【0040】
本発明は、デジタル電子回路において、又は、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア若しくはこれらの組み合わせにおいて、例えば医用デバイスの利用可能なハードウェア、又は、本明細書に説明される方法の処理専用の新しいハードウェアにおいて実現される。
【0041】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施形態から明らかとなり、また、当該実施形態を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明のより完全な理解及びその付随する利点は、縮尺通りではない次の概略図を参照してより明確に理解されるであろう。
【0043】
図1図1は、本発明の例示的な実施形態による医用インターベンショナル撮像デバイスの概略図を示す。
図2図2は、本発明の例示的な実施形態による医用データストレージシステムの概略図を示す。
図3図3は、本発明の例示的な実施形態による医用インターベンショナル撮像システムを用いて医用インターベンショナル画像データを提供する方法のフローチャート図の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図面中の説明は、純粋に概要であり、拡大縮小関係又はサイズ情報を提供することを意図していない。様々な図面において、同様又は同一の要素には同じ参照符号が与えられている。一般に、同一の部品、ユニット、エンティティ又はステップには、説明において同じ参照符号が与えられている。
【0045】
好都合なことに、異常事態が生じると、ライブデータを条件付きで記憶するメカニズムが提供される。これは、データボリュームの急増を回避し、うまくいかなかったインターベンションのみが考慮される一方で、異常インターベンションの完全なるライブデータ記憶を提供する。
【0046】
医用インターベンショナル撮像デバイス1は、現在進行中の医療インターベンションの公称状態からの任意の逸脱が診断されると、揮発性ストレージに含まれるすべてのデータを、現在のインターベンションに関連するすべての後続のデータと共に、永久ストレージに転送又はコピーする。
【0047】
ある実施例では、一時データバッファ10の形式の揮発性ストレージ内に含まれるデータの一部のみが、永久的に記憶される。記憶された材料は、何がうまくいかなかったのか、どうしてうまくいかなかったのか、また、場合によっては、将来における同様の状況をどのように解決するかを決定するために、後の段階において又は例えば更にはインターベンション中に再生及び解析される。
【0048】
医用インターベンショナル撮像デバイス1は、インターベンションプロトコルを改良することができる。具体的には、永久ストレージ内のデータに基づいて、前に行われたインターベンショナル治療において何がうまくいかなかったのかについてより深く理解できることにより、インターベンションプロトコルを改良することができる。
【0049】
医用インターベンショナル撮像デバイス1は、大量のインターベンショナルデータから最も関連性のあるデータをフィルタリングし記憶する。
【0050】
医用インターベンショナル撮像デバイス1は、所定のイベントが生じたときに、インターベンショナル画像を記憶する。所定のイベントは、インターベンショナル治療の異常状態に関連する。
【0051】
医用インターベンショナル撮像デバイス1は、単一画像又は連続画像シーケンスの形式の最大数メガバイト又はギガバイトの大きいサイズの画像を記憶することが可能にされる。また、医用インターベンショナル撮像デバイス1は、インターベンショナル治療の特定の瞬間又は行為をレビューすることによって、インターベンショニストに情報を提供する。
【0052】
図1は、本発明の例示的な実施形態による医用インターベンショナル撮像デバイス1の概略図を示す。
【0053】
インターベンショナル治療をモニタリングする医用インターベンショナル撮像デバイス1は、一時データバッファ10と、信号プロセッサ20と、永久データストレージ30とを含む。
【0054】
インターベンショナル治療をモニタリングするための医用インターベンショナル撮像デバイス1は、インターベンショナル治療をモニタリングするように構成される。インターベンショナル治療のモニタリングには、展開されたデバイスのパラメータのすべて又は少なくとも所定の部分と、利用可能であるならば、診断データのすべて又は少なくとも所定の部分とをモニタリングすることが含まれる。
【0055】
インターベンショナル治療をモニタリングする医用インターベンショナル撮像デバイス1は、X線撮像デバイス、超音波撮像デバイス、又は、インターベンショナル治療中に画像データとして画像情報を提供する撮像デバイスであってよい。
【0056】
一時データバッファ10は、医用インターベンショナル蛍光透視画像データ又は画像データを一時的に記憶する。医用インターベンショナル画像データは、蛍光透視撮像デバイスによって、インターベンショナル治療中に記録される。
【0057】
信号プロセッサ20は、インターベンションにおいて異常状態が生じたかどうかを検出し、異常状態が生じた瞬間を記録する。更に、信号プロセッサ20は、異常状態が生じた時刻を記録する。異常状態とは、インターベンショナル治療自体(例えばワークフロー又はスケジュールからの逸脱)、又は、インターベンショナル治療中に使用される任意のデバイス(例えば当該デバイスの展開の失敗又は準最適な展開)を指す。
【0058】
永久データストレージ30は、一時的に記憶された医用インターベンショナル蛍光透視画像データの少なくとも一部、つまり、そのすべて又は一部を記憶する。このために、信号プロセッサ20が異常状態を検出すると、画像データは、一時データバッファ10から、画像データを受信するように構成されている永久データストレージ30に転送される。医用インターベンショナル蛍光透視画像データは、以下において、インターベンショナル蛍光透視画像データ又は画像データとも呼ばれる。
【0059】
インターベンショナル蛍光透視画像データの永久記憶は、異常状態が検出されると、記録された瞬間において行われ、以前に及び/又は記録された瞬間に記憶された一時的に記憶された画像データが永久保存される。一時データバッファ10から永久データストレージ30への医用インターベンショナル蛍光透視画像データのデータ送信は、図1の矢印によって示されるように行われる。
【0060】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサ20は、インターベンショナルデータに基づいて、異常状態の発生を検出する。
【0061】
インターベンショナルデータは、患者の診断データ、又は、デバイス(例えば医用インターベンショナル撮像デバイス1のインターベンション中に使用されるインターベンショナルデバイス又は展開される任意の他のインターベンショナルデバイス)のステータス若しくは動作を説明する任意のデータを含む。
【0062】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサ20は、所与のインターベンショナルサブ治療の予定時間から逸脱する当該インターベンショナルサブ治療にかかった時間に基づいて、異常状態の発生を検出する。
【0063】
これは、インターベンショナル治療をモニタリングする医用インターベンショナル撮像デバイス1によってインターベンショナルコンテキストが事前に分かっている場合に提供される。特定のインターベンショナルコンテキストの様々な種類のサブ治療が医用インターベンショナル撮像デバイス1によって規定され、これらのサブ治療にかかる予想時間は、インターベンショナル治療をモニタリングする医用インターベンショナル撮像デバイス1によって予め決定されていてよい。
【0064】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサ20は、撮像システムパラメータ(例えばCアーム取得形状、位置)に基づいて、デバイスに固有の検出に基づいて、又は、蛍光透視画像におけるインターベンショナルデバイスの「状態」(例えば弁が展開している又は展開していない)に基づいて、異常状態の発生を検出する。信号プロセッサ20は更に、蛍光透視画像の分類を続けて行う。
【0065】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサ20は、インターベンショナルデバイスが展開されることなく当該インターベンショナルデバイスが回収されることに基づいて、異常状態の発生を検出する。本発明の例示的な実施形態によれば、インターベンショナルデバイスは、ステント、任意の種類の人工弁若しくはコイル、又は、別のデバイスであってよい。
【0066】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサ20は、インターベンショナルデータ又は医用インターベンショナル蛍光透視画像データのフィルタリング若しくはパターン認識アルゴリズムを介するローレベルフィルタリング及び/又はデバイス固有の検出に基づいて、異常状態を検出する。
【0067】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサ20は、インターベンショナルデバイスの繰り返される展開に基づいて、異常状態の発生を検出する。
【0068】
インターベンショナルデバイスの繰り返される展開は、その存在又は起動が第1のインターベンショナルデバイスの展開毎に必要とされる別の第2のインターベンショナルデバイスによっても検出される。
【0069】
本発明の例示的な実施形態によれば、繰り返される展開は、例えばインターベンショナルコンテキストであるインターベンショナル治療のより高いレベルのモデルも必要とする。例えばインターベンショナル治療のモデル化は、インターベンショナルデバイスの展開状態と非展開状態とを区別することを含む。これらのモデルは、ローレベル画像フィルタリング及び/又は機械学習技術から生じる。
【0070】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサ20による異常状態の検出のために、一次インターベンショナルデバイスを使用した後の別の第2のインターベンショナルデバイスの使用が考慮される。
【0071】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサ20は、インターベンショナル治療中に使用されるインターベンショナルデバイス又は医用インターベンショナル撮像デバイスのパラメータに基づいて、異常状態を検出する。
【0072】
インターベンショナルデバイスのパラメータは、バイタルサインのパラメータである。インターベンショナルデバイスは、一体化されたセンサ(例えば圧力カテーテル)を有するデバイスであってよい。この場合、パラメータは、血圧である。インターベンショナルデバイスのパラメータは、計画されていない又は異常なCアームパラメータであってもよい。
【0073】
信号プロセッサ20によって行われる異常検出の一例として、以下の手順を提示する。
【0074】
経カテーテル大動脈弁移植(略してTAVI)治療中、移植される弁の展開がモニタリングされる。弁傍逆流を回避し、患者の安全なアウトカムを確実とするために、弁の正確な位置決めが重要である。
【0075】
人工弁は、正確に位置決めされると、最大で40秒の数秒以内に特定のモードで展開される。展開後、インターベンショニストは、造影剤を用いて追加のアンギオグラフィを行い、大動脈基部に対する弁の最終位置を評価する。
【0076】
当該位置が、計画されていた位置から、例えば5ミリメートル、2ミリメートル又は0.5ミリメートルの閾値よりも多く異なる場合、インターベンショニストは、第1の人工器官内に第2の人工器官を移植するか、又は、(デバイスの選択によって、再位置決めが可能である場合)現在のデバイスの位置を補正することを決定する。したがって、位置は、最初に視覚的に評価される。明確な兆候がない場合、血圧を測定するカテーテルが2回目において使用される。
【0077】
信号プロセッサ20によって行われる異常状態検出の更なる例として、信号プロセッサ20は、異常弁展開を検出する。異常弁展開の検出は、制限時間内でペースメーカが起動されることで初めて行うことができる。これは、治療のインターベンショナルコンテキストが分かっている場合に可能である。
【0078】
異常弁展開の検出は、信号プロセッサ20によって、以下の点から検出される。
-展開に異常に長い時間が必要となる場合。これは、信号プロセッサ20によって、展開されるインターベンショナルデバイスのパラメータ(例えばペースメーカ信号)をモニタリングすることによって検出される。
-例えば蛍光透視画像内の弁を検出し(ローレベルフィルタ及びテンプレートマッチングアルゴリズム)、その幅がどのように展開するかを確認することによって、信号プロセッサ20によって、同じ弁の幾つかの展開が検出される場合。エドワード・サピエンスXT弁の場合、バルーンの複数回の膨張も信号プロセッサ20によって考慮される。これは弁の展開に必須である。
-第2の弁が、第1の弁内に展開される場合。これは、幾つかの人工器官が蛍光透視画像内で特定されると、信号プロセッサ20によって検出される。及び/又は、
-圧力カテーテルからの測定値が、弁傍逆流の存在を示す場合。これは、信号プロセッサ20によって検出される。
【0079】
「異常弁展開」イベントが信号プロセッサ20によって検出されると、医用インターベンショナル撮像デバイス1によって、次の後続動作が行われる。
【0080】
医用インターベンショナル撮像デバイス1は、信号プロセッサ20によって異常弁展開イベントが検出されると、一時データバッファ10内にある蛍光透視画像のすべて又は少なくとも一部を、永久データストレージ30内に入れる。
【0081】
本発明の例示的な実施形態によれば、インターベンショナル治療をモニタリングする医用インターベンショナル撮像デバイス1は、一時データバッファ10の形式の一時バッファ内にある蛍光透視画像の一部のみを永久記憶する。これは、すべてのデータが弁展開段階に関連するわけではないからである。
【0082】
本発明の例示的な実施形態によれば、医用インターベンショナル撮像デバイス1は、どのようなタイプの異常状態が検出されたかが分かることにより、最近のX分間について、この特定の異常状態に関連するデータを永久記憶する。例えば異常状態が検出されるまでの最後の3分間又は異常状態が検出されるまでの最後の20秒間について、この特定の異常状態に関連する医用インターベンショナル蛍光透視画像が永久記憶される。
【0083】
本発明の例示的な実施形態によれば、医用インターベンショナル撮像デバイス1は、どのようなタイプの異常状態が検出されたかが分かることにより、同じ角度/位置に位置決めされたCアームシステムを用いて取得された蛍光透視画像の形式のデータを永久記憶する(インターベンショニストが全体の配置/展開のために単一のCアーム位置を使用することは一般的である)。
【0084】
更に、治療の残りの部分について、医用インターベンショナル撮像デバイス1は、一時ストレージをバイパスし、すべてのこれからの蛍光透視画像を永久ストレージ30に直接送ってもよい。
【0085】
診断データは、心電図記録法(略してECG又はEKG)、即ち、患者の身体上に置かれた電極を使用してある期間に亘って心臓の電気活動を記録する処理からのデータを含む。ECG又はEKGデータは、異常状態を反映する。
【0086】
診断データは、インターベンショナル治療中に記録された患者のバイタルサインを含む。
【0087】
本発明によって使用される場合、「バイタルサイン」との用語は、身体の基本機能を測定するために使用される任意のパラメータを指す。これらの測定値は、人の健康状態全般の評価に役立つように使用され、可能な病気の手がかりを与え、また、回復の進捗を示す。人のバイタルサインの正常範囲は、年齢、体重、性別及び全体の健康状態によって異なる。
【0088】
バイタルサインの例としては、体温、血圧、脈拍又は心拍数及び呼吸数(呼吸速度とも呼ばれる)が含まれるが、これらに限定されない。
【0089】
本発明の例示的な実施形態によれば、一時データバッファ10は、例えばRAMドライブの形式の揮発性ストレージである。揮発性ストレージとは、記憶情報を維持するために電力を使用するコンピュータメモリである。
【0090】
本発明の例示的な実施形態によれば、永久データストレージ30のサイズは、インターベンショナル治療に必要な時間に適応される。
【0091】
本発明の例示的な実施形態によれば、永久データストレージ30は、例えば医用インターベンショナル蛍光透視画像データであるデジタル情報を記憶するために使用される電子フラッシュメモリデータストレージデバイスの形式のメモリカード又はフラッシュカードである。
【0092】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号プロセッサ20は、所与のインターベンショナルサブ治療の予定時間から逸脱する当該インターベンショナルサブ治療にかかった時間に基づいて、異常状態の発生を検出する。
【0093】
更に、信号プロセッサ20は、インターベンショナルデバイスが展開されることなく当該インターベンショナルデバイスが回収されることに基づいて、インターベンショナルデバイスの繰り返される展開に基づいて、一次インターベンショナルデバイスを使用した後の別の二次インターベンショナルデバイスの使用に基づいて、又は、医用インターベンショナル撮像デバイス1のパラメータに基づいて、異常状態の発生を検出する。
【0094】
つまり、医用インターベンショナル撮像デバイス1は、インターベンションプロトコルを改良するために、特に、前のインターベンションにおいて何がうまくいかなかったのかをより深く理解するために、情報を提供し、必要な情報を記憶する。
【0095】
本発明の例示的な実施形態によれば、医用インターベンショナル撮像デバイス1は、大量のインターベンショナル画像データ又はインターベンショナル蛍光透視画像データから、最も関連のあるデータをフィルタリングして記憶し、当該最も関連のあるデータは、関連性の所定の閾値よりも関連性のあるデータによって表されると決定される。つまり、関連性値が取得データに割り当てられる。
【0096】
本発明の例示的な実施形態によれば、インターベンショナル治療をモニタリングする医用インターベンショナル撮像デバイス1は、所定のイベントが生じたときに、インターベンショナル画像を記憶する。当該所定のイベントは、例えば患者、インターベンショナル治療又はインターベンショナル治療中若しくはインターベンショナル治療に使用される任意のインターベンショナルデバイスに関連するインターベンショナル治療の異常事態に関連する。
【0097】
図2は、本発明の例示的な実施形態による医用データストレージシステムの概略図を示す。
【0098】
本発明の例示的な実施形態によれば、医用データストレージシステム200は、医用インターベンショナル撮像デバイス1を含む。
【0099】
本発明の例示的な実施形態によれば、医用データストレージシステム200は、X線医用撮像システム、超音波医用撮像システム又は内視鏡システムに関連して使用される。
【0100】
本発明の例示的な実施形態によれば、更なる医療インターベンション治療支援システムも、余分のストレージボリュームが伴うことによりライブデータストレージが制限される医用インターベンショナル撮像デバイス1に関連して使用される。
【0101】
インターベンショナル治療をモニタリングする医用撮像デバイス1は、医用撮像ワークステーション又はX線医用撮像システムである。
【0102】
図3は、本発明の例示的な実施形態による医用インターベンショナル撮像システムを用いて医用インターベンショナル画像データを提供する方法のフローチャート図の概略図を示す。
【0103】
医用インターベンショナル撮像システムを用いて医用インターベンショナル画像データを提供する方法は、次のステップを含む。
【0104】
方法の第1のステップa)として、医用インターベンショナル蛍光透視画像データの一時記憶が行われる(S1)。
【0105】
方法の第2のステップb)として、インターベンション中に異常状態が生じたかどうかを検出し、当該状態が生じた瞬間を記録することが行われる(S2)。
【0106】
方法の第3のステップc)として、異常状態が検出されると、以前に、及び/又は、上記瞬間において一時的に記憶された医用インターベンショナル蛍光透視画像データの永久データストレージへの送信が行われる(S3)。
【0107】
なお、本発明の実施形態は、様々な主題を参照して説明されていることに留意されたい。具体的には、方法クレームを参照して説明されている実施形態もあれば、装置クレームを参照して説明されている実施形態もある。
【0108】
しかし、当業者であれば、上記説明から、特に明記されない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加え、異なる主題に関連する特徴間の任意の組み合わせも本願に開示されていると見なされることは理解できるであろう。しかし、すべての特徴は、これらの特徴を単にまとめたもの以上の相乗効果を提供するように組み合わせられる。
【0109】
本発明は、図面及び上記説明において詳細に例示及び説明されたが、当該例示及び説明は、例示であって、限定と解釈されるべきではない。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態の変形態様は、図面、開示内容及び添付の請求項の検討から、請求項に係る発明を実施する当業者によって理解され、実施される。
【0110】
請求項において、「含む」との用語は、他の要素又はステップを除外するものではなく、また、「a」又は「an」との不定冠詞も、複数形を除外するものではない。単一のプロセッサ、コントローラ又は他のユニットが、請求項に記載される幾つかのアイテムの機能を果たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されることだけで、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。請求項における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3