(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】非接触通信モジュール及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H04B 5/02 20060101AFI20220712BHJP
H01Q 1/38 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
H04B5/02
H01Q1/38
(21)【出願番号】P 2018078623
(22)【出願日】2018-04-16
【審査請求日】2020-11-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】長田 孝之
(72)【発明者】
【氏名】川上 悠太
(72)【発明者】
【氏名】近藤 快人
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-122225(JP,A)
【文献】特開2014-096612(JP,A)
【文献】特開2015-061230(JP,A)
【文献】特開2015-170936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 5/00-5/06
H01Q 1/00-1/10
H01Q 1/27-1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及びその反対側の第2面を有する第1基板と、
第1面、その反対側の第2面及びガイド部を有する第2基板と、
前記第1基板の前記第1面上に設けられており且つ相手方通信装置と非接触で通信可能な第1アンテナと、
少なくとも前記第1基板と前記第2基板とを電気的に接続する接続部と、
筐体とを備えており、
前記第1基板の前記第2面と前記第2基板の前記第1面が第1方向において対向しており、前記第1方向は、前記第1基板及び前記第2基板の厚み方向であり、
前記第2基板の前記第1方向の投影面積が前記第1基板の前記第1方向の投影面積よりも小さく、
前記第2基板は、前記第2基板の前記投影面積が前記第1基板の前記投影面積内に収まるように配置されており、
前記筐体は、固定部、収容部及びガイド部を有しており、
前記固定部は、前記第2基板の外側に配置されており且つ前記第1基板に固定されており、
前記収容部は、少なくとも前記第2基板を収容しており、
前記筐体の前記ガイド部は、前記収容部内において前記固定部よりも前記第1方向の一方側に配置されており且つ前記第1方向に延びており、
前記第2基板の前記ガイド部は、前記第2基板の外周部に設けられており、
前記筐体の前記ガイド部及び前記第2基板の前記ガイド部の何れか一方が、ガイド凸部であり、他方が前記ガイド凸部が前記第1方向に沿って移動自在に挿入されるガイド凹部である非接触通信モジュール。
【請求項2】
第1面及びその反対側の第2面を有する第1基板と、
第1面及びその反対側の第2面を有する第2基板と、
前記第1基板の前記第1面上に設けられており且つ相手方通信装置と非接触で通信可能な第1アンテナと、
少なくとも前記第1基板と前記第2基板とを電気的に接続する接続部と、
筐体とを備えており、
前記第1基板の前記第2面と前記第2基板の前記第1面が第1方向において対向しており、前記第1方向は、前記第1基板及び前記第2基板の厚み方向であり、
前記第2基板の前記第1方向の投影面積が前記第1基板の前記第1方向の投影面積よりも小さく、
前記第2基板は、前記第2基板の前記投影面積が前記第1基板の前記投影面積内に収まるように、前記第1基板に対して前記第1方向の一方側に配置されており、
前記筐体は、固定部及び収容部を有しており、
前記収容部は、少なくとも前記第2基板を収容しており、
前記固定部は、前記第2基板の外側に配置されており、前記固定部に当接面が設けられており、
前記第1基板は、前記固定部に固定されると共に、前記第1方向の他方側から前記当接面に当接している非接触通信モジュール。
【請求項3】
請求項1又は2記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記接続部は、前記第1基板と前記第2基板との間で且つ前記第2基板の前記投影面積の範囲内に配置されている非接触通信モジュール。
【請求項4】
請求項3記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記接続部は、前記第1基板と前記第2基板を電気的且つ機械的に接続している非接触通信モジュール。
【請求項5】
請求項4記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記接続部は、基板対基板用コネクタであって、前記第1基板の前記第2面上に実装された第1コネクタと、前記第2基板の前記第1面上に実装された第2コネクタとを有しており、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの何れか一方が雄コネクタであり、他方が雌コネクタであって、前記雄コネクタが前記第1方向において前記雌コネクタの接続穴に嵌合し、且つ当該雌コネクタに電気的に接続されている非接触通信モジュール。
【請求項6】
第1面及びその反対側の第2面を有する第1基板と、
第1面及びその反対側の第2面を有する第2基板と、
前記第1基板の前記第1面上に設けられており且つ相手方通信装置と非接触で通信可能な第1アンテナと、
少なくとも前記第1基板と前記第2基板とを電気的に接続する接続部と、
前記第1基板の前記第2面上に実装されており且つ前記第1基板を介して前記第1アンテナに電気的に接続された第1回路部とを備えており、
前記第1基板の前記第2面と前記第2基板の前記第1面が
第1方向において間隔をあけて対向しており、前記第1基板の前記第2面と前記第2基板の前記第1面との間に前記第1回路部が配置されており、前記第1方向は、前記第1基板及び前記第2基板の厚み方向であり、
前記第2基板の前記第1方向の投影面積が前記第1基板の前記第1方向の投影面積よりも小さく、
前記第2基板は、前記第2基板の前記投影面積が前記第1基板の前記投影面積内に収まるように配置されている非接触通信モジュール。
【請求項7】
第1面及びその反対側の第2面を有する第1基板と、
第1面及びその反対側の第2面を有する第2基板と、
前記第1基板の前記第1面上に設けられており且つ相手方通信装置と非接触で通信可能な第1アンテナと、
少なくとも前記第1基板と前記第2基板とを電気的に接続する接続部と、
前記第1基板の前記第1面上に設けられており且つ相手方通信装置に対して非接触で送電又は受電可能な第2アンテナと、
前記第1基板の前記第2面上に実装されており且つ前記第1基板を介して前記第1アンテナに電気的に接続された第1回路部と、
前記第2基板の前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方の面上に実装されており且つ前記第2基板、前記接続部及び前記第1基板を介して前記第2アンテナに電気的に接続された第2回路部とを備えており、
前記第1基板の前記第2面と前記第2基板の前記第1面が第1方向において対向しており、前記第1方向は、前記第1基板及び前記第2基板の厚み方向であり、
前記第2基板の前記第1方向の投影面積が前記第1基板の前記第1方向の投影面積よりも小さく、
前記第2基板は、前記第2基板の前記投影面積が前記第1基板の前記投影面積内に収まるように配置されている非接触通信モジュール。
【請求項8】
請求項1~6の何れかに記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記第1基板の前記第1面上に設けられており且つ相手方通信装置に対して非接触で送電又は受電可能な略環状の第2アンテナを更に備えており、
前記第1アンテナは前記第2アンテナの内側に配置されている非接触通信モジュール。
【請求項9】
請求項7記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記第2アンテナは、略環状であり、
前記第1アンテナは前記第2アンテナの内側に配置されている非接触通信モジュール。
【請求項10】
請求項7、8又は9記載の非接触通信モジュールにおいて、
前記第1基板の前記第1面と前記第1アンテナの間に位置せず、且つ前記第1基板の前記第1面と前記第2アンテナの間に配置された磁性シートを更に備えている非接触通信モジュール。
【請求項11】
請求項1~10の何れかに記載の非接触通信モジュールである第1非接触通信モジュールと、
請求項1~10の何れかに記載の非接触通信モジュールである第2非接触通信モジュールとを備えており、
前記第2非接触通信モジュールの前記第2基板及び前記第1基板と、前記第1非接触通信モジュールの前記第1基板及び前記第2基板が、この順で前記第1方向に並び、且つ前記第1非接触通信モジュールの前記第1アンテナと前記第2非接触通信モジュールの前記第1アンテナとが前記第1方向において並ぶように、前記第1非接触通信モジュール及び前記第2非接触通信モジュールが配置されている電子機器。
【請求項12】
請求項11記載の電子機器において、
前記第1非接触通信モジュールは、前記第2非接触通信モジュールが前記第1非接触通信モジュールの前記第1基板の前記第1面に対して略平行に回転可能となるように、前記第2非接触通信モジュールを支持している電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触通信モジュール及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、従来の非接触通信モジュールが記載されている。この非接触通信モジュールは、第1基板と、第2基板と、第3基板と、第4基板と、第1通信アンテナと、第2通信アンテナと、第1非接触電力伝送コイルと、第2非接触電力伝送コイルと、スペーサと、回転軸とを備えている。第1基板の外周部と第3基板の外周部がスペーサによって結合され、間隔をあけて対向配置されている。第2基板は、第1基板と第3基板との間に配置されている。第4基板は、第3基板に対向配置されている。この第2基板と第4基板とが、第3基板を貫通する回転軸によって結合され、当該回転軸の回転によって第1基板及び第3基板に対して回転可能となっている。第1通信アンテナは、第1基板の第2基板に対向する面(内面)上に形成されている。第2通信アンテナは、第2基板の第1基板に対向する面上に形成されている。第1非接触電力伝送コイルは、第3基板の第4基板に対向する面(外面)上に設けられている。第2非接触電力伝送コイルは、第4基板の第3基板に対向する面上に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-096612号公報(段落0092~0095及び
図12参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したとおり、第2基板が第1基板と第3基板との間に配置されており、且つ第1基板の外周部と第3基板の外周部が第2基板の周りでスペーサによって結合されているため、第1基板及び第3基板の厚み方向の投影面積を第2基板の前記厚み方向の投影面積よりも大きくする必要がある。これが、非接触通信モジュールの小型化の妨げとなっている。
【0005】
本発明は、非接触通信モジュール及び電子機器の小型化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様の非接触通信モジュールは、第1基板と、第2基板と、第1アンテナと、接続部と、筐体とを備えている。第1基板及び第2基板は、第1面及びその反対側の第2面を各々有している。第1基板の第2面と第2基板の第1面が第1方向において対向している。第1方向は第1基板及び第2基板の厚み方向である。第2基板の第1方向の投影面積が第1基板の第1方向の投影面積よりも小さい。第2基板は、第2基板の投影面積が第1基板の投影面積内に収まるように配置されている。第1アンテナは第1基板の第1面上に設けられており且つ相手方通信装置と非接触で通信可能な構成となっている。接続部は、第1基板と第2基板とを電気的に接続している。
筐体は固定部、収容部及びガイド部を有する。この固定部は、第2基板の外側に配置されており且つ第1基板に固定されている。収容部は、少なくとも第2基板を収容している。
筐体のガイド部は、収容部内において固定部よりも第1方向の一方側に配置されており且つ第1方向に延びている。
第2基板は、その外周部に設けられたガイド部を有する。筐体のガイド部及び第2基板のガイド部何れか一方が、ガイド凸部であり、他方が、ガイド凸部が前記第1方向に沿って移動自在に挿入されるガイド凹部である。
【0007】
このような態様の非接触通信モジュールは、小型化を図ることができる。なぜなら、第2基板の投影面積が第1基板の投影面積よりも小さく、第2基板が、その投影面積が第1基板の投影面積内に収まるように配置されているので、第1基板の投影面積を少なくとも第1アンテナを設けることができる最低限の大きさとすることによって、第1基板及び第2基板の双方の投影面積を低減できる。その結果として、非接触通信モジュールの小型化を図ることができる。
また、固定部が第2基板に干渉することなく、固定部を第1基板に固定させることができる。ガイド凸部をガイド凹部に挿入し、第2基板を第1方向に移動させることにより、第2基板を筐体の収容部内に容易に配置することができる。
【0010】
本発明の別の態様の非接触通信モジュールは、第1基板と、第2基板と、第1アンテナと、接続部と、筐体とを備えている。第1基板及び第2基板は、第1面及びその反対側の第2面を各々有している。第1基板の第2面と第2基板の第1面が第1方向において対向している。第1方向は第1基板及び第2基板の厚み方向である。第2基板の第1方向の投影面積が第1基板の第1方向の投影面積よりも小さい。第2基板は、第2基板の投影面積が第1基板の投影面積内に収まるように、第1基板に対して第1方向の一方側に配置されている。第1アンテナは第1基板の第1面上に設けられており且つ相手方通信装置と非接触で通信可能な構成となっている。接続部は、第1基板と第2基板とを電気的に接続している。筐体は固定部及び収容部を有する。この固定部は、第2基板の外側に配置されており且つ第1基板に固定されている。収容部は、少なくとも第2基板を収容している。筐体は、固定部に設けられた当接面を更に有する。第1基板は、固定部に固定されると共に、第1方向の他方側から当接面に当接する。
このような態様の非接触通信モジュールは、小型化を図ることができる。なぜなら、第2基板の投影面積が第1基板の投影面積よりも小さく、第2基板が、その投影面積が第1基板の投影面積内に収まるように配置されているので、第1基板の投影面積を少なくとも第1アンテナを設けることができる最低限の大きさとすることによって、第1基板及び第2基板の双方の投影面積を低減できる。その結果として、非接触通信モジュールの小型化を図ることができる。また、第1基板の筐体内における位置決めが容易になる。
【0011】
接続部は、第1基板と第2基板との間で且つ第2基板の投影面積の範囲内に配置された構成とすることが可能である。このような態様の非接触通信モジュールは、接続部が第2基板の投影面積の範囲内されているため、小型化を更に図ることができる。
【0012】
接続部は、第1基板と第2基板とを電気的且つ機械的に接続した構成とすることが可能である。この場合、上記の通り、第1基板を固定部に固定させるだけで、第1基板に機械的に接続された第2基板が筐体の収容部に収容され、位置決めされる。
【0013】
接続部は基板対基板用コネクタとすることが可能である。この場合、接続部は、第1コネクタ及び第2コネクタを有する構成とすることが可能である。第1コネクタは、第1基板の第2面上に実装され、第2コネクタは、第2基板の第1面上に実装された構成とすることが可能である。第1コネクタ及び第2コネクタの何れか一方が雄コネクタであり、他方が雌コネクタであって、雄コネクタが第1方向において雌コネクタの接続穴に嵌合し、当該雌コネクタに電気的に接続される構成とすることが可能である。このような態様の非接触通信モジュールによる場合、雄コネクタが第1方向において雌コネクタの接続穴に嵌合させるだけで、容易に第1基板と第2基板の電気的且つ機械的に接続することができる。
【0014】
本発明の別の態様の非接触通信モジュールは、第1基板と、第2基板と、第1アンテナと、接続部と、第1回路部とを備えている。第1基板及び第2基板は、第1面及びその反対側の第2面を各々有している。第1基板の第2面と第2基板の第1面が第1方向において間隔をあけて対向している。第1基板の第2面と第2基板の第1面との間に第1回路部が配置されている。第1方向は第1基板及び第2基板の厚み方向である。第2基板の第1方向の投影面積が第1基板の第1方向の投影面積よりも小さい。第2基板は、第2基板の投影面積が第1基板の投影面積内に収まるように配置されている。第1アンテナは第1基板の第1面上に設けられており且つ相手方通信装置と非接触で通信可能な構成となっている。接続部は、少なくとも第1基板と第2基板とを電気的に接続している。第1回路部は、第1基板の第2面上に実装されており且つ第1基板を介して第1アンテナに電気的に接続されている。
このような態様の非接触通信モジュールは、小型化を図ることができる。なぜなら、第2基板の投影面積が第1基板の投影面積よりも小さく、第2基板が、その投影面積が第1基板の投影面積内に収まるように配置されているので、第1基板の投影面積を少なくとも第1アンテナを設けることができる最低限の大きさとすることによって、第1基板及び第2基板の双方の投影面積を低減できる。その結果として、非接触通信モジュールの小型化を図ることができる。
第1回路部と第1アンテナとの距離が近くなり、その間の電気長が短くなるので、第1回路部と第1アンテナとの間で生じる信号ロスが低減される。
【0015】
本発明の更に別の態様の非接触通信モジュールは、第1基板と、第2基板と、第1アンテナと、接続部と、第2アンテナと、第1回路部と、第2回路部とを備えている。第1基板及び第2基板は、第1面及びその反対側の第2面を各々有している。第1基板の第2面と第2基板の第1面が第1方向において対向している。第1方向は第1基板及び第2基板の厚み方向である。第2基板の第1方向の投影面積が第1基板の第1方向の投影面積よりも小さい。第2基板は、第2基板の投影面積が第1基板の投影面積内に収まるように配置されている。第1アンテナは第1基板の第1面上に設けられており且つ相手方通信装置と非接触で通信可能な構成となっている。接続部は、少なくとも第1基板と第2基板とを電気的に接続している。第1回路部は、第1基板の第2面上に実装されており且つ第1基板を介して第1アンテナに電気的に接続されている。第2アンテナは、第1基板の第1面上に設けられており且つ相手方通信装置に対して非接触で送電又は受電可能である。第2回路部は、第2基板の第1面及び第2面の少なくとも一方の面上に実装されており且つ第2基板、接続部及び第1基板を介して第2アンテナに電気的に接続されている。
このような態様の非接触通信モジュールは、小型化を図ることができる。なぜなら、第2基板の投影面積が第1基板の投影面積よりも小さく、第2基板が、その投影面積が第1基板の投影面積内に収まるように配置されているので、第1基板の投影面積を少なくとも第1アンテナを設けることができる最低限の大きさとすることによって、第1基板及び第2基板の双方の投影面積を低減できる。その結果として、非接触通信モジュールの小型化を図ることができる。
第1基板の投影面積を少なくとも第1アンテナ及び第2アンテナを設けることができる最低限の大きさとすることによって、第1基板及び第2基板の双方の投影面積を低減できる。
また、第1基板を交換することによって、第1アンテナに電気的に接続される回路を交換することができ、第2基板を交換することによって、第2アンテナに電気的に接続される回路を交換することができる。
【0016】
第2アンテナは、略環状とすることが可能である。この略環状は、円環状、多角環状、一部が破断した円環状及び一部が破断した多角環状を含む。この場合、第1アンテナは、第2アンテナの内側に配置された構成とすることが可能である。このような態様の非接触通信モジュールによる場合、第2アンテナの外形を大きくしても、これに応じて第1アンテナの形状を変更する必要がない。
【0017】
上記した何れかの態様の非接触通信モジュールは、磁性シートを更に備えた構成とすることが可能である。磁性シートは、第1基板の第1面と第1アンテナの間に位置せず、且つ第1基板の第1面と第2アンテナの間に配置された構成とすることが可能である。このような態様の非接触通信モジュールによる場合、磁性シートの存在によって、第2アンテナの給電又は受電効率が向上する。一方、磁性シートは第1基板の第1面と第1アンテナの間に位置していないので、第1アンテナの非接触通信に影響を与えにくい。
【0018】
本発明の電子機器は、上記した何れかの態様の第1非接触通信モジュール及び第2非接触通信モジュールを備えている。第1非接触通信モジュールの第1アンテナと第2非接触通信モジュールの第1アンテナとが第1方向において並ぶように、第1非接触通信モジュール及び第2非接触通信モジュールが配置されている。
【0019】
第1非接触通信モジュールは、第2非接触通信モジュールが第1非接触通信モジュールの第1基板の第1面に対して略平行に回転可能となるように、第2非接触通信モジュールを支持する構成とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】本発明の実施例1に係る電子機器の第1非接触通信モジュール及び第2非接触通信モジュールの斜視図である。
【
図1B】前記電子機器の前記第1非接触通信モジュール及び前記第2非接触通信モジュールの分離斜視図である。
【
図2A】前記電子機器の
図1A中の2A-2A断面図及びα部分の概略的拡大図である。
【
図3A】前記第1非接触通信モジュールの正面、平面及び左側面から表した分解斜視図である。
【
図3B】前記第1非接触通信モジュールの背面、底面及び右側面から表した分解斜視図である。
【
図4A】前記第2非接触通信モジュールの正面、平面及び左側面から表した分解斜視図である。
【
図4B】前記第2非接触通信モジュールの背面、底面及び右側面から表した分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の複数の実施例について説明する。
【実施例1】
【0022】
以下、本発明の実施例1を含む複数の実施例に係る電子機器Dの第1非接触通信モジュールM1(以下、単にモジュールM1とも称する。)及び第2非接触通信モジュールM2(以下、単にモジュールM2とも称する。)について、
図1A~
図4Bを参照しつつ説明する。
図1A~
図2Bには、実施例1のモジュールM1及びモジュールM2が示されており、
図2C、
図2D、
図3A及び
図3Bには、実施例1のモジュールM1が示されており、
図2E、
図2F、
図3C及び
図3Dには、実施例1のモジュールM2が示されている。
図2A、
図2B及び
図3A~
図4Bには、特許請求の範囲の第1方向に相当するZ-Z’方向が示されている。
【0023】
電子機器Dは、モジュールM1と及びモジュールM2を備えている。モジュールM1とは、モジュールM2を所定角度の範囲又は360°回転可能に支持している。なお、
図2A及び
図2Bには、モジュールM2の仮想の回転軸Pが示されている。
【0024】
モジュールM1は、第1基板100a及び第2基板200aを備えている。第1基板100a及び第2基板200aの外形は任意に設定可能であり、例えば、Z-Z’方向から見て円形状又は多角形状とすることが可能である。第2基板200aのZ-Z’方向の投影面積(外形寸法)は、第1基板100aのZ-Z’方向の投影面積(外形寸法)よりも小さい。第1基板100aは第1面101a及びその反対側の第2面102aを有し、第2基板200aは第1面201a及びその反対側の第2面202aを有している。第1基板100a及び第2基板200aは、Z-Z’方向において間隔をあけて並べて配置されている。より具体的には、第1基板100aは、その第1面101aをZ方向側に向けて配置されており、第2基板200aは、当該第2基板200aの投影面積が第1基板100aの投影面積内に収まるように第1基板100aの第2面102a側(Z’方向側)に配置されている。この場合、第2基板200aの第1面201aと第1基板100aの第2面102aとが対向している。なお、Z-Z’方向は、第1基板100a及び第2基板200aの厚み方向に相当する。
【0025】
モジュールM1は、接続部300aを更に備えている。接続部300aは、上記の通りに配置された第1基板100aと第2基板200aとを電気的且つ機械的に接続している。接続部300aは、第1基板100aと第2基板200aとの間で且つ第2基板200aの前記投影面積内に配置されていると良い。例えば、接続部300aは、
図2A~
図3Bに示すように、基板対基板用コネクタとすることが可能である。この場合、接続部300aは、第1コネクタ310aと第2コネクタ320aとを有している。第1コネクタ310aが第1基板100aの第2面102a及び第2基板200aの第1面201aの何れか一方の面上に実装され、第2コネクタ320aが他方の面上に実装されている。第1コネクタ310a及び第2コネクタ320aの何れか一方が雄コネクタであり、他方が雌コネクタである。雄コネクタが雌コネクタの接続穴に嵌合(FIT IN)することによって両コネクタが電気的且つ機械的に接続されている。このように第1基板100a及び第2基板200aが接続部300aに電気的且つ機械的に接続されることにより、第1基板100a及び第2基板200aがZ-Z’方向において間隔をあけて並べた状態で維持されている。
【0026】
別の態様では、接続部300aは、複数の端子であって、この端子の第1端部が第1基板100aの図示しない複数のスルーホール電極内に各々挿入され且つ半田接続されると共に、端子の第2端部が第2基板200aの図示しない複数のスルーホール電極に各々挿入され且つ半田接続される構成とすることも可能である。この態様による場合も、第1基板100a及び第2基板200aが接続部300aによって電気的且つ機械的に接続され、第1基板100a及び第2基板200aが、Z-Z’方向において間隔をあけて並べた状態で維持される。
【0027】
更に別の態様では、接続部300aは、第1基板100aと第2基板200aとを電気的に接続し、機械的に接続しない構成とすることが可能である。この場合、接続部300aは、例えば、第1基板100aの第2面102a上の複数の表面電極と第2基板200aの第1面201a上の複数の表面電極とに電気的に接続される複数の端子又はケーブルとしても良いし、第1基板100aの第2面102a上のコネクタと第2基板200aの第1面201a上のコネクタとに接続されるフレキシブル基板としても良い。
【0028】
なお、接続部300aは、第1基板100aと第2基板200aとの間の外側に配置されていても良い。この場合、接続部300aは、例えば、ケーブルやフレキシブル基板であって、第1基板100aと第2基板200aと電気的に接続していると良い。
【0029】
モジュールM1は、筐体400aを更に備えている。筐体400aは、少なくとも一つの固定部410a、収容部420a及び少なくとも一つのガイド部430aを有している。収容部420aは、Z-Z’方向に延びる筒又は有底筒であって、少なくともZ方向側に開口している。この収容部420a内に少なくとも第2基板200aがZ方向側から収容されている。この場合、収容部420aのZ-Z’方向に直交する方向の断面の内形寸法は、第2基板200aの外形寸法よりも大きくすると良い。なお、収容部420a内に第2基板200aだけでなく、第1基板100aが収容された構成とすることも可能である。この場合、収容部420aの前記断面の内形寸法は、第1基板100aの外形寸法よりも大きくすると良い。
【0030】
少なくとも一つのガイド部430aは、少なくとも一つの固定部410aよりもZ’方向(第1方向の一方)側に位置するように、収容部420aの内壁面に設けられており且つZ-Z’方向に延びている。従って、少なくとも一つのガイド部430aは、収容部420a内において少なくとも一つの固定部410aよりもZ’方向(第1方向の一方)側に位置している。第2基板200aの外周部には、ガイド部430aの位置に応じて少なくとも一つのガイド部210aが間隔をあけて設けられている。筐体400aの少なくとも一つのガイド部430a及び第2基板200aの少なくとも一つのガイド部210aの何れか一方がガイド凸部であり、他方がガイド凹部である。ガイド凸部がガイド凹部内に各々Z-Z’方向に移動自在に挿入され、第2基板200aが筐体400aのガイド部430aに沿ってZ-Z’方向にガイドされ、収容部420a内に収容されている。
【0031】
筐体400aの少なくとも一つのガイド部430a及び第2基板200aの少なくとも一つのガイド部210aは、複数とすることが可能である(
図2A~
図3B参照)。複数のガイド部430aは、収容部420aの内壁面の周方向に間隔をあけて配置されている。複数のガイド部210aは、複数のガイド部430aの位置に応じて第2基板200aの外周部に設けられている。なお、筐体400aの少なくとも一つのガイド部430a及び第2基板200aの少なくとも一つのガイド部210aは、省略可能である。
【0032】
少なくとも一つの固定部410aは、上記何れかの態様の第2基板200aの外側で且つ収容部420a内の第2基板200aよりもZ方向(第1方向の他方)側に配置されている。少なくとも一つの固定部410aは、上記何れかの態様の第1基板100aの外周部に固定されている。従って、第1基板100aの外周部も上記何れかの態様の第2基板200aの外側に位置する。少なくとも一つの固定部410a及び第1基板100aの外周部の固定は、例えば、下記1)~4)の何れかの通りとすることが可能である。
【0033】
1)固定部410aが一つである場合、固定部410aは、筐体400aの収容部420aのZ方向側の縁部や収容部420aの内壁面に設けられた環状のフランジ等とすることが可能である(図示なし)。この場合、第1基板100aの第2面102aの外周部が、Z方向側から前記縁部又はフランジ上に接着剤や両面テープで固定されると共に、Z方向(第1方向の他方)側から前記縁部又はフランジのZ方向側の面(当接面)上に当接している。
【0034】
2)固定部410aは複数とすることができる。この複数の固定部410aは、筐体400aの収容部420aの前記縁部や収容部420aの前記フランジのZ方向側の面に設けられていても良いし、収容部420aの内壁面に間隔をあけて設けられた複数の凸部のZ方向側の面に各々設けられていても良い(図示なし)。何れの場合も、第1基板100aの外周部には、複数の固定部410aに対応する位置に複数の固定部110aが設けられている。筐体400aの複数の固定部410a及び第1基板100aの複数の固定部110aの何れか一方が突起であり、他方が嵌合凹部である。突起の外形寸法が嵌合凹部の内形寸法とほぼ同じである。突起が嵌合凹部に嵌合(FIT IN)すると共に、第1基板100aの複数の固定部110aの周りの部分がZ方向側から縁部、フランジ又は複数の凸部のZ方向側の面(当接面)上に当接している。このように第1基板100aの複数の固定部110aが筐体400aの複数の固定部410aに対してZ方向側から固定されている。なお、筐体400aの複数の固定部410aが突起である場合、Z方向に凸の突起とすれば良く、第1基板100aの複数の固定部110aが突起である場合、Z’方向に凸の突起とすれば良い。
【0035】
なお、少なくとも一つの固定部410aが上記縁部である場合又は上記縁部に設けられている場合、上記何れかの態様の第1基板100aが収容部420aよりもZ方向側に位置する一方で、収容部420a内に、上記何れかの態様の第2基板200a、又は上記何れかの態様の第2基板200a及び接続部300aがZ方向側から収容されている。少なくとも一つの固定部410aが上記フランジである場合、又は上記フランジ若しくは上記凸部に設けられている場合、収容部420a内に上記何れかの態様の第1基板100a、第2基板200a及び接続部300aがZ方向側から収容されている。
【0036】
3)筐体400aが少なくとも一つのガイド部430aを有する場合、少なくとも一つの固定部410aは、ガイド部430aのZ方向の先端面(当接面)431aに設けられた上記2)のZ方向に凸の突起又は上記嵌合凹部とすることが可能である。この場合、第1基板100aの少なくとも一つの固定部110aは、上記2)の嵌合凹部又は上記Z’方向に凸の突起であって、少なくとも一つの固定部410aに対して上記の通りにZ方向側から固定されると共に、第1基板100aの第2面102aの外周部が少なくとも一つのガイド部430aの先端面431aにZ方向側から当接している。これにより、上記何れかの態様の第1基板100aが収容部420aよりもZ方向側に位置固定される一方で、上記何れかの態様の第2基板200a、又は上記何れかの態様の第2基板200a及び接続部300aがZ方向側から収容部420a内に収容されている。
【0037】
4)筐体400aが複数のガイド部430aを有する場合、筐体400aの固定部410aは複数であって、ガイド部430aのZ方向の先端面431aに各々設けられている以外、上記3)の通りとすることが可能である。第1基板100aの固定部110aも、複数であり、固定部410aの位置に応じて設けられている以外、上記3)の通りとすることが可能である。
【0038】
接続部300aが第1基板100aと第2基板200aとを機械的に接続していない場合、上記何れかの態様の筐体400aは、第2基板200aを固定する別の固定部(図示なし)を更に備えていても良い。この別の固定部は、収容部420aの内壁面上に設けられており且つ上記何れかの態様の少なくとも一つの固定部410aよりもZ’方向に位置している以外、上記何れかの態様の少なくとも一つの固定部410aと同様の構成とすることが可能である。又は、第1基板100aと第2基板200aとを機械的に接続する別の接続部が設けられていても良い。なお、接続部300aが第1基板100aと第2基板200aとを機械的に接続している場合、別の固定部及び/又は別の接続部は省略可能である。
【0039】
モジュールM1は、少なくとも一つの第1アンテナ500aを更に備えている。少なくとも一つの第1アンテナ500aは、モジュールM2の少なくとも一つの第1アンテナ500bとの間で、非接触通信(非接触送信及び非接触受信の少なくとも一方)を行うことが可能な構成である。例えば、少なくとも一つの第1アンテナ500aは、少なくとも一つの第1アンテナ500bとの間で、電磁界結合方式、磁界結合方式、UWB(Ultra Wide Band)、無線LAN又はBluetooth(登録商標)等の通信方式で、非接触送信及び非接触受信の少なくとも一方を行うことが可能な構成とすることが可能であるが、これに限定されるものではない。
【0040】
このような少なくとも一つの第1アンテナ500aは、第1基板100aの第1面101a上に設けられた導体(
図3A参照)、金属板又はコイルである。導体及び金属板の形状は任意であるが、例えば、直線状、L字状、円弧状、U字状、渦巻き状、円形状、多角形状又は略環状とすることが可能である。コイルは、略環状に巻かれていると良い。なお、本発明における略環状とは、円環状、多角環状、一部が破断した円環状及び一部が破断した多角環状を含むものとする。
【0041】
導体は、a)周知の印刷法やフォトリソグラフィーなどによって第1基板100aの第1面101a上に形成されていても良いし、b)スパッタ、無電解めっき又は蒸着により第1基板100aの第1面101a上に導体膜を形成した後、レーザー又は薬剤のエッチングにより、金属膜不必要な部分を除去して導体が形成されていても良いし、c)第1基板100a内に分散された金属錯体をレーザーによって活性化して第1基板100aの第1面101a上にめっき触媒を形成し、めっき触媒上に無電解めっきなどでめっき膜(導体)を形成しても良い。
【0042】
なお、上記何れの態様の少なくとも一つの第1アンテナ500aは、複数とすることが可能である。複数の第1アンテナ500aが円弧状、U字状又は略環状の導体又は金属板、若しくはコイルである場合、外側の第1アンテナ500aと、内側の第1アンテナ500aとを含む。外側の第1アンテナ500aの内形寸法は、内側の第1アンテナの外形寸法よりも大きく、内側の第1アンテナ500aが外側の第1アンテナ500aの内側に間隔をあけて配置されていると良い(
図3A参照)。別の態様では、複数の第1アンテナ500aは、第1基板100aの第1面101a上に並列(横並び)に配置されていても良い。この場合、第1アンテナ500aの形状は任意である。何れの態様であっても、第1基板100aの第1面101a上の複数の第1アンテナ500aの間には、グランド導体Gが設けられていても良いが、グランド導体Gは省略可能である。
【0043】
上記の通り、第1基板100aの第1面101a上に少なくとも一つの第1アンテナ500aが設けられている場合、第1基板100aのZ-Z’方向の投影面積(外形寸法)は、少なくとも一つの第1アンテナ500aを設けることができる最低限の大きさとすることが可能である。例えば、第1基板100aのZ-Z’方向の投影面積の外形線を、Z-Z’方向において一つの第1アンテナ500aの外形線又は複数の第1アンテナ500aのうちの最も外側の第1アンテナ500aの外形線と一致させることが可能であるが、これに限定されるものではない。
【0044】
モジュールM1は、少なくとも一つの第1回路部600aを更に備えている。少なくとも一つの第1回路部600aは、第1基板100aの第2面102a、第2基板200aの第1面201a又は第2基板200aの第2面202a上に実装されている。少なくとも一つの第1回路部600aは、第1基板100a、又は第1基板100a及び第2基板200aを通じて少なくとも一つの第1アンテナ500aに電気的に接続されている。少なくとも一つの第1回路部600aは複数とすることが可能である。この複数の第1回路部600aは、第1基板100aの第2面102a、第2基板200aの第1面201a及び/又は第2基板200aの第2面202a上に実装されていると良い。
【0045】
このような少なくとも一つの第1回路部600aは、送信回路部及び受信回路部の少なくとも一方である。少なくとも一つの第1回路部600aが送信回路部である場合、第1アンテナ500aに信号を送信させるためのICなどの論理回路又はプロセッサなどによって処理されるソフトウェアで構成されていると良い。少なくとも一つの第1回路部600aが受信回路部である場合、第1アンテナ500aを通じて受信された信号に対して復元又は復調等の処理を行うためのICなどの論理回路又はプロセッサなどによって処理されるソフトウェアで構成されていると良い。
【0046】
モジュールM1は、少なくとも一つの第2アンテナ700aを更に備えていても良い。少なくとも一つの第2アンテナ700aは、モジュールM2の少なくとも一つの第2アンテナ700bとの間で、非接触送電及び非接触受電の少なくとも一方を行うことが可能な構成である。
【0047】
このような少なくとも一つの第2アンテナ700aは、上記第1アンテナ500aと同様に、第1基板100aの第1面101a上に設けられた導体、金属板又はコイル(
図3A参照)である。
【0048】
少なくとも一つの第2アンテナ700aは、少なくとも一つの第1アンテナ500aの外側に配置されていても良い。換言すると、少なくとも一つの第1アンテナ500aは、少なくとも一つの第2アンテナ700aの内側に配置されていても良い。この場合、少なくとも一つの第2アンテナ700aは、円弧状、U字状又は略環状の導体又は金属板、若しくはコイルで構成され、当該第2アンテナ700aの内形寸法は、少なくとも一つの第1アンテナ500aの外形寸法よりも大きくすると良い。
又は、少なくとも一つの第2アンテナ700aは、少なくとも一つの第1アンテナ500aの内側に配置されていても良い。この場合、少なくとも一つの第1アンテナ500aは円弧状、U字状又は略環状の導体又は金属板、若しくはコイルで構成され、当該第1アンテナ500aの内形寸法は、少なくとも一つの第2アンテナ700aの外形寸法よりも大きくすると良い。
又は、少なくとも一つの第2アンテナ700aは、少なくとも一つの第1アンテナ500aと横並びに配置されていても良い。この場合、両アンテナの形状は任意である。
図3Aでは、第2アンテナ700aが円環状に巻かれたコイルであり、その内側に円環状の第1アンテナ500a(上記外側の第1アンテナ500aに相当)が間隔をあけて配置され、当該第1アンテナ500aの内側に円環状の別の第1アンテナ500a(上記内側の第1アンテナ500aに相当)が間隔をあけて配置されている。
なお、コイルである少なくとも一つの第2アンテナ700aが、少なくとも一つの第1アンテナ500aの内側に配置されている場合、コイルの線径及びコイルの巻き数の少なくとも一方を増大させると、少なくとも一つの第1アンテナ500aの内形寸法及び外形寸法を大きくする必要がある。しかし、コイルである少なくとも一つの第2アンテナ700aが、少なくとも一つの第1アンテナ500aの外側に配置されている場合、コイルの線径及びコイルの巻き数の少なくとも一方を増大させたとしても、当該第2アンテナ700aの内側の少なくとも一つの第1アンテナ500aの形状を変化させる必要がない。
【0049】
なお、上記何れの態様の少なくとも一つの第2アンテナ700aは、複数とすることが可能である。複数の第2アンテナ700aが円弧状、U字状又は略環状の導体又は金属板、若しくはコイルである場合、外側の第2アンテナ700aと、内側の第2アンテナ700aとを含む。外側の第2アンテナ700aの内形寸法は、内側の第1アンテナの外形寸法よりも大きく、内側の第2アンテナ700aが外側の第2アンテナ700aの内側に間隔をあけて配置されていると良い。別の態様では、上記何れの態様の複数の第2アンテナ700aは、第1基板100aの第1面101a上に並列(横並び)に配置されていても良い。この場合の第2アンテナ700aの形状は任意である。
【0050】
上記の通り、第1基板100aの第1面101a上に少なくとも一つの第1アンテナ500a及び少なくとも一つの第2アンテナ700aが設けられている場合、第1基板100aのZ-Z’方向の投影面積(外形寸法)は、少なくとも一つの第1アンテナ500a及び少なくとも一つの第2アンテナ700aを設けることができる最低限の大きさとすることが可能である。例えば、第1基板100aのZ-Z’方向の投影面積の外形線を、Z-Z’方向において、少なくとも一つの第1アンテナ500a及び少なくとも一つの第2アンテナ700aのうちの最も外側に位置するアンテナ(
図3Aでは、第2アンテナ700a)の外形線と略一致させると良いが、これに限定されるものではない。
【0051】
モジュールM1は、少なくとも一つの第2回路部800aを更に備えていても良い。少なくとも一つの第2回路部800aは、第2基板200aの第1面201a又は第2基板200aの第2面202a上に実装されている。少なくとも一つの第2回路部800aは、第1基板100a及び第2基板200aを通じて少なくとも一つの第2アンテナ700aに電気的に接続されている。少なくとも一つの第2回路部800aは複数とすることが可能である。この複数の第2回路部800aは、第2基板200aの第1面201a及び/又は第2基板200aの第2面202a上に実装されていると良い。
【0052】
このような少なくとも一つの第2回路部800aは、送電回路部及び受電回路部の少なくとも一方である。少なくとも一つの第2回路部800aは送電回路部である場合、図示しない電源から供給される電力を、電磁誘導方式、電磁界共鳴方式、電界結合方式又は電波方式で送電するのに適した電力(例えば、高周波電力)に変換して少なくとも一つの第2アンテナ700aに送電させるためのIC等の論理回路又はプロセッサなどによって処理されるソフトウェアで構成されていると良い。少なくとも一つの第2回路部800aは受電回路部である場合、少なくとも一つの第2アンテナ700aで受けたエネルギー(電磁波等)を電力に変換するIC等の論理回路又はプロセッサなどによって処理されるソフトウェアで構成されていると良い。なお、電源は、第2基板200aに電気的に接続されていると良い。
【0053】
なお、少なくとも一つの第2アンテナ700a及び少なくとも一つの第2回路部800aは省略可能である。
【0054】
モジュールM1は、少なくとも一つの磁性シート900aを更に備えていても良い。少なくとも一つの磁性シート900aは、第1基板100aの第1面101aと少なくとも一つの第2アンテナ700aとの間に配置され、且つ第1基板100aの第1面101aと少なくとも一つの第1アンテナ500aとの間に位置していない。例えば、少なくとも一つの磁性シート900aは、第1基板100aの第1面101aと少なくとも一つの第2アンテナ700aとの間にのみ配置されていても良い。
図2Aのα部分の拡大図では、磁性シート900aは、第2アンテナ700aと同様にリング状である。このような少なくとも一つの磁性シート900の存在によって、少なくとも一つの第2アンテナ700aの給電又は受電効率が向上する一方、少なくとも一つの磁性シート900は第1基板100aの第1面101aと少なくとも一つの第1アンテナ500aとの間に位置していないため、少なくとも一つの第1アンテナ500aの非接触通信に影響を与えにくい。なお、少なくとも一つの磁性シート900aは省略可能である。
【0055】
モジュールM2は、以下の相違点1)及び相違点2)を除いて、上記何れかの態様のモジュールM1と同じ構成である。
【0056】
相違点1)モジュールM2の第1基板100bは、その第1面101bをZ’方向側に向けて配置されており、モジュールM2の第2基板200bは、当該第2基板200bのZ-Z’方向の投影面積が第1基板100bのZ-Z’方向の投影面積内に収まるように第1基板100bの第2面102b側(Z方向側)に配置されている。よって、第2基板200bの第1面201bと第1基板100bの第2面102bとが対向しており、第2基板200bの第2面202bは、Z方向側を向いている。これ以外については、第1基板100b、第2基板200bの構成は、上記何れかの態様の第1基板100a、第2基板200aの構成と同じである。なお、モジュールM2の接続部300bはモジュールM1の何れかの態様の接続部300aと同じ構成とすることが可能である。よって、接続部300bも基板対基板用コネクタであって、第1コネクタ310b及び第2コネクタ320bを有する構成とすることが可能である。
【0057】
相違点2)モジュールM2の筐体400bは、モジュールM1の筐体400aと構成が相違している。
【0058】
筐体400bは、円筒(
図2A、
図2B、
図2E、
図2F、
図3C及び
図3D参照)又は有底の円筒であって、筐体400aに回転自在に支持されている。この場合、筐体400aは、支持凹部440aを更に有している。支持凹部440aは、筐体400aの収容部420aよりもZ方向側に設けられている。収容部420aは、支持凹部440aの底面(Z方向側の面)に設けられており、支持凹部440aに連通している。
支持凹部440aは、
図1A及び
図1Bに示されるように、Z-Z’方向に直交する方向に延びており、その両端の壁面の一部(以下、凹み441aと称する)が筐体400bの外径に応じて凹んだ構成とすることも可能である。この支持凹部440aの一対の凹み441aに沿って、筐体400bが所定角度の範囲又は360°回転可能に支持凹部440aに支持されている。
別の態様では、支持凹部440aは、筐体400bの外径に応じた円柱状の凹部である。この支持凹部440aの円筒状の壁面に沿って、筐体400bが所定角度の範囲又は360°回転可能に支持凹部440aに支持されている。
何れの場合も、筐体400bが筐体400aに対して仮想の回転軸Pを軸として所定角度の範囲又は360°回転可能となっている。なお、仮想の回転軸Pではなく、現実の回転軸によって、筐体400bが筐体400aに対して所定角度の範囲又は360°回転可能な構成としても良い。
【0059】
筐体400bは、以下の相違点2-1)~相違点2-3)を除き、筐体400aと同様の構成とすることが可能である。
相違点2-1)筐体400bの収容部420bは、筐体400b内の空間であって、少なくともZ’方向側に開放されている。この収容部420b内に少なくとも第2基板200bがZ’方向側から収容されている。この場合、収容部420bのZ-Z’方向に直交する方向の断面の寸法は、少なくとも第2基板200bの外形寸法よりも大きくすると良い。なお、収容部420b内に、第2基板200bだけでなく、第1基板100bがZ’方向側から収容される構成とすることも可能である。この場合、収容部420bの前記断面の寸法は、第1基板100bの外形寸法よりも大きくすると良い。なお、接続部300bは、接続部300aと同様に、第2基板200bと共に収容部420b内に収容可能である。
【0060】
相違点2-2)筐体400bの少なくとも一つのガイド部430bは、少なくとも一つの固定部410bよりもZ方向(第1方向の一方)側に位置するように、筐体400bのZ’方向側の開口の縁部に設けられ且つZ-Z’方向に延びている。これ以外は、少なくとも一つのガイド部430bは、筐体400aの上記何れかの態様の少なくとも一つのガイド部430aと同様の構成である。第2基板200bの少なくとも一つのガイド部210bは、第2基板200aの上記何れかの態様の少なくとも一つのガイド部210aと同様の構成である。
【0061】
相違点2-3)筐体400bの少なくとも一つの固定部410bは、上記何れかの態様の第2基板200bの外側で且つ収容部420b内の第2基板200bよりもZ’方向(第1方向の他方)側に配置されている。より具体的には、以下の相違点2-3-1)~以下の相違点2-3-4)を除き、モジュールM1の少なくとも一つの固定部410aの上記1)~4)の何れかと同じ構成とすることが可能である。
【0062】
相違点2-3-1)固定部410bは、一つであって、筐体400bの収容部420bのZ’方向側の縁部や収容部420bの内壁面に設けられた略環状のフランジ等である以外、上記1)の構成と同様の構成である(図示なし)。この場合、第1基板100bの第2面102bの外周部が、Z’方向側から前記縁部又はフランジ上に接着剤や両面テープで固定されると共に、Z’方向側から前記縁部又はフランジのZ’方向側の面(当接面)上に当接している。
【0063】
相違点2-3-2)固定部410bが上記2)の構成と同様の構成である場合、固定部410bは複数であって、Z’方向に凸の突起又は嵌合凹部である。この固定部410bは、収容部420bのZ’方向側の縁部及び収容部420a内の前記フランジのZ’方向側の面に設けられていても良いし、収容部420b内の複数の凸部のZ方向側の面に各々設けられていても良い。この場合、第1基板100bの複数の固定部110bは、嵌合凹部又はZ方向に凸の突起である。突起の外形寸法が嵌合凹部の内形寸法とほぼ同じである。突起が嵌合凹部に嵌合(FIT IN)すると共に、第1基板100bの複数の固定部110bの周りの部分がZ’方向側から縁部、フランジ又は複数の凸部のZ’方向側の面(当接面)上に当接している。
【0064】
なお、少なくとも一つの固定部410bが上記縁部である場合又は上記縁部に設けられている場合、上記何れかの態様の第1基板100bが収容部420bよりもZ’方向側に位置する一方で、収容部420b内に、上記何れかの態様の第2基板200b、又は上記何れかの態様の第2基板200b及び接続部300bがZ’方向側から収容されている。少なくとも一つの固定部410bが上記フランジである場合、又は上記フランジ若しくは上記凸部に設けられている場合、収容部420b内に上記何れかの態様の第1基板100b、第2基板200b及び接続部300bがZ’方向側から収容されている。
【0065】
相違点2-3-3)少なくとも一つの固定部410bが上記3)の構成と同様の構成である場合、少なくとも一つの固定部410bは、筐体400bの少なくとも一つのガイド部430bのZ’方向の先端面(当接面)431bに設けられた上記相違点2-3-2)のZ’方向に凸の突起又は上記嵌合凹部とすることが可能である。この場合、第1基板100bの少なくとも一つの固定部110bは、上記嵌合凹部又は上記相違点2-3-2)のZ方向に凸の突起であって、突起が嵌合凹部に嵌合(FIT IN)すると共に、第1基板100bの第2面102bの外周部が少なくとも一つのガイド部430bの先端面431bにZ’方向側から当接している。これにより、上記何れかの態様の第1基板100bが収容部420bよりもZ’方向側に位置固定される一方で、上記何れかの態様の第2基板200b、又は上記何れかの態様の第2基板200b及び接続部300bがZ’方向側から収容部420b内に収容されている。
【0066】
相違点2-3-4)少なくとも一つの固定部410bが上記4)の構成と同様の構成である場合、固定部410bは複数であって、複数のガイド部430bのZ’方向の先端面431bに各々設けられている。
【0067】
上記何れの態様の少なくとも一つの固定部410bに、第1基板100bが固定されている場合であっても、モジュールM2の第1基板100bの第1面101bとモジュールM1の第1基板100aの第1面101aとZ-Z’方向において互いに対向している。なお、筐体400a及び筐体400bの少なくとも一方が、自身の第1基板を覆うカバーを更に備えた構成とすることが可能である。この場合、第1基板100bの第1面101bと第1基板100aの第1面101aとはZ-Z’方向において互いに対向しないが、Z-Z’方向において間隔をあけて配置されている。何れの場合も、第2基板200b、第1基板100b、第1基板100a及び第2基板200aが、この順でZ-Z’方向において配置されている。従って、モジュールM2は、モジュールM1の第1基板100aの第1面101aに対して略平行に回転可能となっている。なお、上記したように現実の回転軸が設けられる場合、現実の回転軸が第2基板200b及び第1基板100bに固定される一方で、第1基板100a及び第2基板200aを当該回転軸が貫通し、モジュールM1の筐体400aに回転自在に保持されていても良いし、現実の回転軸が筐体400bに固定される一方で、筐体400aに回転自在に保持されていても良い。
【0068】
モジュールM2は、少なくとも一つの第1アンテナ500b及び少なくとも一つの第1回路部600bを備えている。少なくとも一つの第1アンテナ500b、少なくとも一つの第1回路部600bは、モジュールM1の少なくとも一つの第1アンテナ500a、少なくとも一つの第1回路部600bと同様の構成である。
【0069】
モジュールM2の少なくとも一つの第1アンテナ500bとモジュールM1の少なくとも一つの第1アンテナ500aとがモジュールM2のモジュールM1に対する回転角度にかかわらず、常にZ-Z’方向において並び、上記カプラを構成するように配置される構成とすることが可能である。この場合、少なくとも一つの第1アンテナ500b及び第1アンテナ500aを円環状又は一部が破断した円環状とし、少なくとも一つの第1アンテナ500bは、その回転軸がモジュールM2の回転軸Pと一致するように配置され、且つ少なくとも一つの第1アンテナ500aが少なくとも一つの第1アンテナ500bに対して常にZ-Z’方向において並び、上記カプラを構成する配置されていると良い。又は、少なくとも一つの第1アンテナ500b及び第1アンテナ500aを円形状又は多角形状等とし、少なくとも一つの第1アンテナ500bが、その回転軸がモジュールM2の回転軸Pと一致するように配置されると共に、その回転の中心部に配置され、且つ少なくとも一つの第1アンテナ500aが少なくとも一つの第1アンテナ500bに対して常にZ-Z’方向において並び、上記カプラを構成するように配置されていると良い。
又は、モジュールM2の少なくとも一つの第1アンテナ500bとモジュールM1の少なくとも一つの第1アンテナ500aとがモジュールM2のモジュールM1に対する所定の回転角度で、Z-Z’方向において並び、上記カプラを構成するように配置される構成とすることが可能である。この場合、少なくとも一つの第1アンテナ500b及び第1アンテナ500aの形状は任意であり、少なくとも一つの第1アンテナ500bは、その回転軸がモジュールM2の回転軸Pと一致するように配置され、且つ少なくとも一つの第1アンテナ500aが少なくとも一つの第1アンテナ500bに対して前記所定の回転角度でZ-Z’方向において並び、上記カプラを構成するように配置されていると良い。
なお、モジュールM2の第1基板100bの第1面101bとモジュールM1の第1基板100aの第1面101aとZ-Z’方向において互いに対向している場合、モジュールM2の少なくとも一つの第1アンテナ500bとモジュールM1の少なくとも一つの第1アンテナ500aとは、上記の何れかの通りにZ-Z’方向において並んだときに、互いに対向する(
図2Aのα部分の拡大図参照)。
【0070】
モジュールM2は、少なくとも一つの第2アンテナ700b及び少なくとも一つの第2回路部800bを備えていても良い。少なくとも一つの第2アンテナ700b、少なくとも一つの第2回路部800bは、モジュールM1の少なくとも一つの第2アンテナ700a、少なくとも一つの第2回路部800aと同様の構成である。
【0071】
モジュールM2の少なくとも一つの第2アンテナ700bとモジュールM1の少なくとも一つの第2アンテナ700aとは、モジュールM2の少なくとも一つの第1アンテナ500b及びモジュールM1の少なくとも一つの第1アンテナ500aと同様に、常に又は上記所定角度でZ-Z’方向において並び、上記カプラを構成するように配置されている。なお、少なくとも一つの第2アンテナ700b及び少なくとも一つの第2回路部800bは省略可能である。
【0072】
モジュールM2は、少なくとも一つの磁性シート900bを更に備えていても良い。少なくとも一つの磁性シート900bは、モジュールM1は、少なくとも一つの磁性シート900aと同様の構成である。なお、少なくとも一つの磁性シート900bも省略可能である。
【0073】
なお、モジュールM2は、カメラ、人感センサ等のセンサ及び/又はLED等の照明装置を更に備えていても良い。カメラ、センサ及び/又は照明装置は、第2基板に電気的に接続されていると良い。
【0074】
以上のようなモジュールM1は、以下の技術的特徴及び効果を奏する。
技術的特徴及び効果1)
モジュールM1の第1基板100a及び第2基板200aのZ-Z’方向の投影面積を低減することができ、その結果としてモジュールM1の小型化を図ることができる。その理由は以下の通りである。
第1基板100aの第1面101a上に少なくとも一つの第1アンテナ500a及び少なくとも一つの第2アンテナ700aが設けられている場合、上記の通り、第1基板100aの投影面積を少なくとも一つの第1アンテナ500a及び少なくとも一つの第2アンテナ700aを設けることができる最低限の大きさとすることができる。一方、第2基板200aの投影面積は、第1基板100aの投影面積よりも小さく、第1基板100aの投影面積の範囲内に配置されている。このため、第1基板100a及び第2基板200aの投影面積は、第1基板100aの投影面積内に収まる。しかも、少なくとも一つの第1回路部600aは第1基板100aの第2面102a上に実装され、少なくとも一つの第2回路部800aは、第2基板200aの第1面201a及び第2面202aの少なくとも一方の面上に実装され、両回路部が分散配置されているため、両回路部の実装領域を確保するために、第1基板100aの投影面積を大きくする必要もない。以上のことから、両基板のZ-Z’方向の投影面積が低減されるので、これに伴いモジュールM1のZ-Z’方向の投影面積の低減を図ることができる。なお、接続部300aが第1基板100aと第2基板200aとの間で第2基板200aの投影面積の範囲内に配置されている場合、接続部300aの第2基板200aの投影面積の範囲外に配置されている場合に比べて、これに伴いモジュールM1のZ-Z’方向の投影面積の低減を図ることができる。
第1基板100aの第1面101a上に第2アンテナ700aが設けられていない場合、上記の通り、第1基板100aの投影面積を少なくとも一つの第1アンテナ500aを設けることができる最低限の大きさとすることができる。この場合も、第1基板100a及び第2基板200aの投影面積は、第1基板100aの投影面積内に収まる。少なくとも一つの第1回路部600aは第1基板100aの第2面102a、第2基板200aの第1面201a及び/又は第2基板200aの第2面202a上に実装することができるため、少なくとも一つの第1回路部600aの実装領域を確保するために、第1基板100aの投影面積を大きくする必要もない。この場合も、両基板のZ-Z’方向の投影面積が低減されるので、これに伴いモジュールM1のZ-Z’方向の投影面積の低減を図ることができる。
【0075】
技術的特徴及び効果2)
接続部300aが第1基板100a及び第2基板200a間を電気的且つ機械的に接続している場合、第1基板100a及び第2基板200aの筐体400aに対する取り付けを以下の通り容易に行うことができる。
第2基板200aは上記の通り第1基板100aに電気的且つ機械的に接続されているため、第2基板200aをZ方向側から筐体400aの収容部420aに挿入しつつ、第1基板100aの外周部の固定部110aを第2基板200aの投影面積の範囲外に位置する少なくとも一つの固定部410aにZ方向側から固定させることによって、第1基板100a及び第2基板200aの双方が一度に筐体400aに固定される。
しかも、筐体400aが少なくとも一つのガイド部430aを有する場合、第2基板200aの少なくとも一つのガイド部210aが筐体400aの少なくとも一つのガイド部430aにガイドされることによって、第2基板200aに機械的に接続された第1基板100aの少なくとも一つの固定部110aが筐体400aの少なくとも一つの固定部410aに位置合わせされる。よって、少なくとも一つの固定部110aを少なくとも一つの固定部410aに固定し易くなる。
更に、少なくとも一つの固定部410aが筐体400aの縁部、フランジ、凸部又は少なくとも一つのガイド部430aの当接面上に設けられている場合、第1基板100aの外周部の固定部110aが少なくとも一つの固定部410aに固定されると共に、第1基板100aの外周部が当接面に当接する。これにより、第1基板100a及び第2基板200aの双方が一度に筐体400a内で位置決めされる。なお、接続部300aが第1基板100a及び第2基板200a間を電気的に接続し、別の接続部が第1基板100a及び第2基板200a間を電気的に接続している場合も、同様の技術的特徴及び効果を奏する。
【0076】
技術的特徴及び効果3)
少なくとも一つの第1回路部600aが第1基板100aの第2面102a上に実装されている場合、少なくとも一つの第1回路部600aと少なくとも一つの第1アンテナ500aとの距離が近くなり、その間の電気長が短くなるので、少なくとも一つの第1回路部600aと少なくとも一つの第1アンテナ500aとの間で生じる信号ロスが低減されると共に、信号の反射によるロスやノイズによるジッタが大きくなることを抑制することができる。
【0077】
技術的特徴及び効果4)
少なくとも一つの第1回路部600aが第1基板100aの第2面102a上に実装され、且つ少なくとも一つの第2回路部800aが第2基板200aの第1面201a及び/又は第2基板200aの第2面202a上に実装されている場合、第1基板100aを交換することによって、第1アンテナ500a用の第1回路部600aを交換することができ、第2基板200aを交換することによって、第2アンテナ700a用の第2回路部800aを交換することができる。接続部300aが基板対基板コネクタで構成されている場合、第1基板100aと第2基板200aとの接続及びその解除も容易に行うことができるので、より両基板の交換が容易になる。しかも、第2アンテナ700a用の第2回路部800aが、モジュールM1とモジュールM2との境界近くに位置する第1基板100aではなく、前記境界から遠くに位置する第2基板200aに実装されているため、第2回路部800aから発生する熱をZ’方向に放熱し易くなり、その放熱効果が向上する。
【0078】
技術的特徴及び効果5)
モジュールM1の第1基板100aとモジュールM2の第1基板100bとがZ-Z’方向において対向する場合、モジュールM2の筐体400bをモジュールM1の筐体400aの支持凹部440aから取り外すことによって、モジュールM1の第1基板100aが筐体400aから露出するため、第1基板100aと筐体400aの少なくとも一つの固定部410aとの固定を解除し、第1基板100a及び第2基板200aを筐体400aに対してZ方向に相対的に移動させることによって、第1基板100a及び第2基板200aを筐体400aから容易に取り外すことができる。
【0079】
モジュールM2は、モジュールM1と同等の構成を有しているため、モジュールM1の上記技術的特徴及び効果1~4を奏する。なお、モジュールM2の少なくとも一つの第1アンテナ500bが設けられた第1基板100bが、筐体400bの少なくとも一つの固定部110bに直接固定されているため、モジュールM2の回転動作中に、少なくとも一つの第1アンテナ500bは、モジュールM1の少なくとも一つの第1アンテナ500aに対して位置ずれが生じ難い。少なくとも一つの第2アンテナ700bが第1基板100bに設けられている場合、同様の理由で、少なくとも一つの第2アンテナ700bは、モジュールM1の少なくとも一つの第2アンテナ700aと位置ずれが生じ難い。
【0080】
なお、上記した電子機器及びモジュールは、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0081】
本発明では、第2基板のZ-Z’方向の投影面積が第1基板のZ-Z’方向の投影面積よりも小さく、第2基板は、その投影面積が第1基板の前記投影面積内に収まるように第1基板の第2面側に配置されているとしたが、第1基板の前記投影面積が第2基板の前記投影面積よりも小さく、第1基板は、その投影面積が第2基板の前記投影面積内に収まるように第2基板の第1面側に配置された構成とすることが可能である。この場合、第1基板ではなく、第2基板が上記何れかの態様の少なくとも一つの固定部に固定される構成とすると良い。また、少なくとも一つの固定部が上記何れかの態様の少なくとも一つのガイド部、縁部、フランジ又は凸部に設けられている場合、第2基板が当該ガイド部、縁部、フランジ又は凸部に当接する構成としても良い。
【0082】
本発明の電子機器は、上記何れかの態様のモジュールM2が、上記何れかの態様のモジュールM1に回転不能に支持されていても良い。本発明の電子機器は、上記した何れかの態様のモジュールM1及びM2の少なくとも一方のモジュールのみを備えた構成とすることが可能である。この場合、相手方通信装置は、一方のモジュールの第1アンテナと非接触通信可能な構成であれば良い。相手通信装置は、一方のモジュールの第2アンテナから非接触で給電又は一方のモジュールの第2アンテナに対して送電可能な構成を更に備えていても良い。なお、上記何れかの態様のモジュールM1は、上記何れかの態様のモジュールM2を回転不能に支持する場合、又はモジュールM2ではなく、相手通信装置と通信可能である場合、支持凹部440aを省略すると良い。
【0083】
なお、上記実施例の各態様及び設計変形例における電子機器及びモジュールの各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。上記した実施例の各態様及び設計変更例は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能である。なお、本発明の第1方向は、本発明の第1基板及び第2基板の厚み方向である限り任意に設定可能である。
【符号の説明】
【0084】
D:電子機器
M1、M2:第1、第2非接触通信モジュール(モジュール)
100a、100b:第1基板
101a、101b:第1面
102a、102b:第2面
110a、110b:固定部
200a、200b:第2基板
201a、201b:第1面
202a、202b:第2面
210a、210b:ガイド部
300a、300b:接続部
310a、310b:第1コネクタ
320a、320b:第2コネクタ
400a、400b:筐体
410a、410b:固定部
420a、420b:収容部
430a、430b:ガイド部
431a、431b:先端面(当接面)
440a:支持凹部
441a:凹み
500a、500b:第1アンテナ
600a、600b:第1回路部
700a、700b:第2アンテナ
800a、800b:第2回路部
900a、900b:磁性シート
P:回転軸