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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】歩行型農作業機
(51)【国際特許分類】
   A01B 33/02 20060101AFI20220712BHJP
   A01B 33/16 20060101ALI20220712BHJP
   E01H 5/04 20060101ALI20220712BHJP
   E01H 5/06 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
A01B33/02 Z
A01B33/16
E01H5/04 B
E01H5/06 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018111275
(22)【出願日】2018-06-11
(65)【公開番号】P2019213466
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】390029621
【氏名又は名称】ニューデルタ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 雄大
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-057015(JP,U)
【文献】登録実用新案第3018725(JP,U)
【文献】特開2010-101148(JP,A)
【文献】米国特許第09238894(US,B1)
【文献】特開2013-241728(JP,A)
【文献】特開2017-112871(JP,A)
【文献】特許第4528294(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 33/02
A01B 33/16
E01H 5/04
E01H 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミッションケースと後方へ延びるハンドルとが設けられた機体と、
前記ミッションケースから左右に突出した車軸部と、
左右の前記車軸部にそれぞれ回動可能に連結される第1連結部及び第2連結部と、前記第1連結部及び前記第2連結部から前記機体の前方まで延びるアーム部と、を有するスイング部材と、
前記アーム部の前端部に設けられたブレードと
前記スイング部材から後方へ延びる操作部材とを備え、
前記操作部材は、前記ハンドルの下方に位置する当接部を有し、
前記当接部は、下方へ変位する前記ハンドルによって押下され、
前記操作部材の変位に応じて前記スイング部材及び前記ブレードが揺動することを特徴とする歩行型農作業機。
【請求項2】
前記第1連結部及び前記第2連結部は、前記車軸部に対して着脱可能に設けられることを特徴とする請求項1に記載の歩行型農作業機。
【請求項3】
前記ブレードは、前記アーム部に対して左右方向に変位可能に設けられることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の歩行型農作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オペレータが歩きながら操向操作する管理機、トラクタ、田植機等の歩行型農作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から歩行型農作業機である管理機が知られている(特許文献1参照)。管理機は、後部にロータリ耕耘装置を装着することで圃場の耕耘作業を行えるようになっている。管理機は作物を作る季節に使用されるが、作物を作らない季節、特に積雪時には使用される機会が少ない。
【0003】
一方、積雪時にのみ使用される作業機として除雪機がある。除雪機には、従来から簡易なものとして走行型ドーザ除雪機がある(特許文献2参照)。この走行型ドーザ除雪機は、機体の左右にクローラ走行部を備え、機体の前部にブレードを備え、機体の後部にハンドルを備え、ハンドルを昇降させてブレードを昇降させるようになっている。そして、走行型ドーザ除雪機は、前進走行しながらブレードで雪を押すことにより、除雪作業を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-123399号公報
【文献】特許第4528294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の管理機と走行型ドーザ除雪機とは、同程度の大きさであり、後部にハンドルを備える点等で類似している。そこで、管理機にブレードを取り付けできれば、管理機を使用しない積雪時に管理機で除雪作業することができる。
【0006】
ここで、管理機にブレードを取り付けるには、管理機をブレードが取り付けできるように設計しておかなければならない。例えば、特許文献2のようにブレードをスイング部材を介して機体のフレームに取り付ける構成とすることが考えられる。
【0007】
しかしながら、従来の管理機のフレームはブレードを支持することを想定していないため、ブレードを支持するには強度が足りない。一方、ブレードを支持可能とするためにフレームを補強すると、重量及びコストが増加するという新たな問題が生じる。
【0008】
本発明は、大きな設計変更の必要なしにブレードを取り付けることができる歩行型農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の歩行型農作業機は、ミッションケースと後方へ延びるハンドルとが設けられた機体と、前記ミッションケースから左右に突出した車軸部と、左右の前記車軸部にそれぞれ回動可能に連結される第1連結部及び第2連結部と、前記第1連結部及び前記第2連結部から前記機体の前方まで延びるアーム部と、を有するスイング部材と、前記アーム部の前端部に設けられたブレードと、前記スイング部材から後方へ延びる操作部材とを備え、前記操作部材は、前記ハンドルの下方に位置する当接部を有し、前記当接部は、下方へ変位する前記ハンドルによって押下され、前記操作部材の変位に応じて前記スイング部材及び前記ブレードが揺動することを特徴とする。
【0012】
また上記の歩行型農作業機において、前記第1連結部及び前記第2連結部は、前記車軸部に対して着脱可能に設けられる構成としてもよい。
【0013】
また上記の歩行型農作業機において、前記ブレードは、前記アーム部に対して左右方向に変位可能に設けられる構成としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、歩行型農作業機において車軸部でスイング部材を支持する構成とすることにより、大きな設計変更の必要なしにブレードを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態の管理機の前側斜視図である。
図2】一実施形態の管理機の後側斜視図である。
図3】一実施形態の管理機の左側面図である。
図4】一実施形態の管理機の右側面図である。
図5】一実施形態の管理機の正面図である。
図6】一実施形態の管理機の背面図である。
図7】一実施形態の管理機の平面図である。
図8】ブレード装置の分解斜視図である。
図9】ブレード装置の部分拡大断面図である。
図10】第2状態にある管理機の左側面図である。
図11】第3状態にある管理機の左側面図である。
図12】ブレード周辺の拡大平面図である。
図13】他の形態の操作部材を備えた管理機の左側面図である。
図14】他の形態の操作部材を備えた管理機の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施形態では、オペレータが歩きながら操向操作する管理機、トラクタ、田植機等の歩行型農作業機について、管理機を例に説明する。以下の説明では、図1に示すように管理機1の一使用状態におけるオペレータから見た方向を基準とし、前後、左右、上下の各方向を定める。
【0017】
<管理機の全体構成>
図1は管理機1の前側斜視図、図2は管理機1の後側斜視図、図3は管理機1の左側面図、図4は管理機1の右側面図、図5は管理機1の正面図、図6は管理機1の背面図、図7は管理機1の平面図である。管理機1は、機体11の前後中央に配置されるミッションケース10と、機体11の前部上に配置されるエンジン20と、ミッションケース10の下部に支持されるクローラ走行部3(3L・3R)と、機体11の後部に配置され耕耘作業を可能とするロータリ耕耘装置4と、機体11の後部のロータリ耕耘装置4上方に配置される操縦部5と、機体11の前方に配置されるブレード7を有するブレード装置6とを備える。
【0018】
エンジン20は、駆動源となるものである。エンジン20は、ミッションケース10の前部に固定されたエンジンフレーム21上に固定される。エンジン20からの動力は、ベルト伝動機構2を介してミッションケース10に伝達される。ベルト伝動機構2はエンジン20の出力軸上に固設した出力プーリ26と、ミッションケース10の上側部より突出した入力軸部13上に固設した入力プーリ27と、入力プーリ27と出力プーリ26とに巻回したベルト28と、ベルト28を緊張または弛緩するテンションプーリ29とを有する。
【0019】
テンションプーリ29は主クラッチレバー54と連動連結されている。そして、主クラッチレバー54の「入」操作により、テンションプーリ29はベルト28を緊張させてエンジン20からミッションケース10に動力を伝達できるようにし、主クラッチレバー54の「切」操作により、テンションプーリ29はベルト28を弛緩させて動力伝達を絶つようにしている。
【0020】
ミッションケース10は、管理機1の左右略中央に配置される。ミッションケース10内には、変速装置(図示せず)やクラッチ(図示せず)が収納される。ミッションケース10はエンジン20からの動力を変速してクローラ走行部3やロータリ耕耘装置4に伝達する。
【0021】
ミッションケース10は左右に突出した車軸部12(図8参照)を支持している。車軸部12にはクローラ走行部3L・3Rが固定される。クローラ走行部3L・3Rは、第1回転軸線R1を中心に車軸部12に回転可能に支持される駆動スプロケット31と、アイドラ32と、駆動スプロケット31及びアイドラ32に巻回される無端状の履帯33とを備える。
【0022】
駆動スプロケット31の外側面には、フランジ部材34がボルトで固定される。そして、車軸部12にスプロケット31及びフランジ部材34が挿通され、フランジ部材34に形成された孔部と車軸部12に形成された孔部とにピン35(図8及び図9参照)が挿通され、そのピン35がスナップピン36(図8及び図9参照)で固定される。これにより、クローラ走行部3L・3Rが車軸部12に固定される。
【0023】
ミッションケース10の後部にはロータリ耕耘装置4が設けられている。ロータリ耕耘装置4は、ミッションケース10の後下部に横架される耕耘軸41と、耕耘軸41上に間隔をあけて固定される耕耘爪42とを有する。またロータリ耕耘装置4は、耕耘爪42の回転軌跡の上方を覆う耕耘カバー43と、耕耘カバー43の後部に設けられた抵抗棒44及び尾輪45とを有する。
【0024】
操縦部5は、管理機1を走行及び作業させるための種々の操作を行うためのものである。操縦部5は、ミッションケース10の上部から上後方に突出したハンドル51及び変速レバー52を有する。ハンドル51を持ち上げることにより、機体11は車軸部を中心に前方へ回動し、耕耘装置4が上方へ変位する(図11参照)。
【0025】
ハンドル51後部には、ハンドル上下レバー53をはじめ、主クラッチレバー54、作業レバー(図示せず)、アクセルレバー(図示せず)等が配置される。ハンドル上下レバー53は、ハンドル51を第2回転軸線R2を中心に上下に変位させる場合に操作されるレバーである。ハンドル51はハンドル上下レバー53が握られた状態において上下に変位可能となる。ハンドル51は、図3に示す上位置と、図10に示す下位置との間で変位可能であり、上位置と下位置との間で複数段階(例えば4段階)に固定することができる。なお、管理機1は、ハンドル51を180°回転させることにより、前後逆方向にして使用することもできる。
【0026】
<ブレード装置>
図8はブレード装置6の分解斜視図であり、図9はブレード装置6の部分拡大断面図である。図8及び図9には、ブレード装置6に加えて車軸部12及びフランジ部材34を図示している。ブレード装置6は、排土や排雪のためのブレード7と、ブレード7を揺動可能に支持するスイング部材8と、スイング部材8及びブレード7を揺動させる操作部材9とを備える。
【0027】
(ブレード)
ブレード7は、本体部71と、左板部72Lと、右板部72Rと、左そり部73Lと、右そり部73Rと、取付部74とを備える。本体部71は、湾曲した板状の部材である。左板部72Lは本体部71の左端部にボルトで固定され、右板部72Rは本体部71の右端部にボルトで固定される。左そり部73Lは左板部72Lの下端部にボルトで固定され、右そり部73Rは右板部72Rの下端部にボルトで固定される。図3に示すように、ブレード7は、左そり部73L及び右そり部73Rが接地した状態で使用される。
【0028】
図8に示すように、取付部74は、本体部71の背面に接合される。取付部74は、コ字型の部材であり、本体部71の背面に接合される前面部74Aと、前面部74Aの上端部から後方へ突出する上面部74Bと、前面部74Aの下端部から後方へ突出するとともに上面部74Bと上下方向に重なる下面部74Cとを有する。上面部74B及び下面部74Cには、上下方向に貫通する4つの孔部74D~74Gが形成されている。孔部74D~74Gは、スイング部材8の前端部に形成された孔部85E、85Fと重なった状態で組み付けられ、2つのピン61、62によって固定される。このように、ブレード7はピン61、62によってスイング部材8に着脱可能に取り付けられる。
【0029】
(スイング部材)
スイング部材8は、左側の車軸部12に回動可能かつ着脱可能に連結される第1連結部81Lと、右側の車軸部12に回動可能に連結される第2連結部81Rと、第1連結部81L及び第2連結部81Rから機体11の前方まで延びるアーム部83とを備える。
【0030】
第1連結部81Lは、楕円形の板部811と、板部811から右方に突出した筒部812とを有する。筒部812の孔は板部811を左右方向に貫通している。筒部812の両端部には軸受813が嵌合される。第1連結部81Lは、軸受813を介してフランジ部材34に挿通され、ピン63によって固定される。ピン63は筒部812に挿入され、フランジ部材34に形成された孔部とピン63に形成された孔部とにピン64が挿通され、そのピン64がスナップピン65で固定される。
【0031】
第2連結部81Rは、第1連結部81Lと同部材であり、第1連結部81Lと左右対称に配置される。第2連結部81Rも第1連結部81Lと同様に、軸受813を介してフランジ部材34に挿通され、ピン63によって固定される。このように、車軸部12でスイング部材8を支持する構成とすることにより、ブレード7を支持可能とするために補強等の大きな設計変更の必要なしに管理機1にブレード7を取り付けることができる。
【0032】
アーム部83は、左アーム84Lと、右アーム84Rと、第3連結部85とを有する。左アーム84Lは、く字型のパイプであり、後端部が第1連結部81Lの板部811に接合され、前端部近傍にボルトを挿通するための2つの孔部841、842が形成されている。右アーム84Rは、左アーム84Lと同部材であり、左アーム84Lと左右対称に配置され、その後端部は第2連結部81Rの板部811に接合される。
【0033】
第3連結部85は、く字型の上板部851と、上板部851と同部材の下板部852とが上下に間隔を有して連結された部材である。上板部851は取付部74の上面部74Bの下側に重なり、下板部852は取付部74の下面部74Cの上側に重なる。第3連結部85には、アーム部83の4つの孔部841、842と重なる位置に、4つの孔部85A~85Dが形成されている。孔部85A~85Dは、アーム部83の4つの孔部841、842と重なった状態で組み付けられ、4組のボルト及びナットによって固定される。また、第3連結部85には、取付部74の孔部74Dと重なる位置に孔部85Eが形成され、孔部74E~74Gの何れか1つと重なる位置に孔部85Fが形成されている。
【0034】
(操作部材)
操作部材9は、板部91と、板部91の左面に接合されるアーム92とを有する。板部91は、3組のボルト及びナットによって第1連結部81Lの左面に固定される。アーム92は、板部91から後上方へ延びるL字型のパイプである。アーム92は、上側の先端部近傍にハンドル51の下方に位置する当接部92Aを有する。一方、ハンドル51の当接部92Aに当接する位置には、トリム511が取り付けられている。そして、ハンドル51が下方へ変位する際に、当接部92Aはハンドル51に取り付けられたトリム511によって押下される。これにより、操作部材9及びスイング部材8が第1回転軸線R1を中心に揺動し、ブレード7が上方へ変位する。
【0035】
(組み付け手順)
ブレード装置6の組み付け手順としては、まず、操作部材9の板部91を3組のボルト及びナットによって第1連結部81Lに固定する。次に、一体となった操作部材9、第1連結部81L及び左アーム84Lと、第2連結部81R及び右アーム84Rとをピン63によって左右のフランジ部材34にそれぞれ取り付ける。次に、第3連結部85を左アーム84L及び右アーム84Rに取り付ける。次に、ブレード7をピン61、62によって第3連結部85に取り付けることで、ブレード装置6の組み付けが完了する。ブレード装置6の取り外しは、組み付け手順と逆の手順で行うことができる。また、ピン61、62を抜くことでブレード7を取り外し、左右のピン63を抜くことでアーム部83及び操作部材9を連結した状態のまま取り外すことができる。管理機1の輸送時には、ブレード7を取り外し、アーム部83及び操作部材9を連結した状態のまま取り外すことによって小型化した状態で輸送することができる。
【0036】
(第1状態)
ブレード装置6を取り付けた管理機1は、例えば、第1状態と第2状態と第3状態とをとり得る。第1状態は図3に示す状態である。第1状態においては、ハンドル51が上位置にあり、尾輪45が接地している。このとき、操作部材9はハンドル51に当接しておらず、ブレード7は接地している。第1状態において操作部材9とハンドル51との隙間は僅かであるため、操作部材9は前方へはほとんど変位できないが、後方へは変位可能である。したがって、ブレード7は地面の形状に追従して上方へ変位可能である。第1状態の管理機1は、ハンドル51が高い位置にあり、ブレード7で雪や土を押す作業がしやすい。
【0037】
(第2状態)
図10は第2状態にある管理機1の左側面図である。第1状態にある管理機1においてハンドル上下レバー53を握ってハンドル51を下位置まで下げることによって第2状態となる。第2状態においては、ハンドル51が下位置にあり、尾輪45が接地している。このとき、操作部材9はハンドル51に当接して押し下げられ、スイング部材8及びブレード7が第1回転軸線R1を中心に上方へ揺動し、ブレード7が地面から持ち上げられた位置で保持される。第2状態は、ブレード7で雪や土を持ち上げたり、ブレード7が障害物に当たらないようにするために利用される。
【0038】
(第3状態)
図11は第3状態にある管理機1の左側面図である。第2状態にある管理機1においてハンドル上下レバー53を握らずにハンドル51を上げることによって第3状態となる。第3状態においては、ハンドル51が下位置にあり、機体11が第1回転軸線R1を中心に前方へ回動してロータリ耕耘装置4が持ち上げられた位置で保持されている。このとき、操作部材9がハンドル51に当接したまま、スイング部材8及びブレード7が第1回転軸線R1を中心に下方へ揺動し、ブレード7が接地する。第3状態は、第2状態からハンドル51を持ち上げるだけで簡単に変位させることができるため、使い勝手がよい。
【0039】
(ブレードの取付例)
図12はブレード7周辺の拡大平面図である。取付部74の孔部74Fと第3連結部85の孔部85Fとが重なるようにブレード7を正面から右方へ回転させた位置で、取付部74の孔部74F及び第3連結部85の孔部85Fにピン62が挿入されている。これにより、ブレード7は右へ回転した位置で固定される。また、ブレード7を正面から左方へ回転させた位置で、取付部74の孔部74G及び第3連結部85の孔部85Fにピン62を挿入すると、ブレード7は左へ回転した位置で固定される。このように、ブレード7はアーム部83に対して左右方向に変位可能に設けられる。よって、オペレータはブレード7を所望の位置に固定して使用することができる。
【0040】
(操作部材の変形例)
図13は他の形態の操作部材95を備えた管理機1の左側面図である。この操作部材95は、アーム96の形状が上記の操作部材9と異なる。アーム96は、板部91から後上方へ延びる、く字型のパイプである。アーム96はハンドル51に沿ってオペレータの近くまで延びているため、オペレータが押し下げやすい。図14に示すように、オペレータによってアーム96が押し下げられると、操作部材9及びスイング部材8が第1回転軸線R1を中心に揺動し、ブレード7が上方へ変位する。
【符号の説明】
【0041】
1 管理機(歩行型農作業機)
7 ブレード
8 スイング部材
9 操作部材
10 ミッションケース
11 機体
12 車軸部
51 ハンドル
81L 第1連結部
81R 第2連結部
83 アーム部
92A 当接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14