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▶ ハイドロス ボトル,エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】重力流式フィルタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/12 20060101AFI20220712BHJP
   B01D 29/00 20060101ALI20220712BHJP
   B65D 51/24 20060101ALI20220712BHJP
   B65D 47/06 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
A47G19/12 Z
B01D23/02 Z
B65D51/24
B65D47/06
【請求項の数】 39
(21)【出願番号】P 2018535820
(86)(22)【出願日】2016-09-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-12-27
(86)【国際出願番号】 US2016053147
(87)【国際公開番号】W WO2017053588
(87)【国際公開日】2017-03-30
【審査請求日】2019-09-20
(31)【優先権主張番号】62/232,334
(32)【優先日】2015-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518100247
【氏名又は名称】ハイドロス ボトル,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペハー,デビッド,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン,トレヴァー,エル.
(72)【発明者】
【氏名】アレン,ロバート,クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】ビタントニオ,マーク,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,ジェス,ポール
(72)【発明者】
【氏名】イブラヒム,ウィンストン
(72)【発明者】
【氏名】ホランド,ジョン
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-006052(JP,A)
【文献】中国実用新案第202760835(CN,U)
【文献】実開昭49-001281(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0166364(US,A1)
【文献】米国特許第04369901(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0055862(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0216959(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0122725(US,A1)
【文献】特開2009-169119(JP,A)
【文献】特開2013-116752(JP,A)
【文献】米国特許第5960999(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 19/12
B01D 23/00-37/08
C02F 1/28
B65D 51/24
B65D 47/06-47/32
B65D 43/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を注ぐための装置であって、
液体を入れるためのチャンバを有するコンテナボディに接続されるように構成されたキャップと、前記キャップに接続されるフィルタアセンブリと、を備え、該キャップは、
前記キャップを貫通する第1の通気孔であって、空気が前記コンテナボディの前記チャンバから前記第1の通気孔を通って前記コンテナボディの外側へ通過するのを可能にする第1の通気孔と、
充填開口であって、該充填開口を通って前記液体が前記コンテナボディに供給される、充填開口と、
注ぎ開口であって、該注ぎ開口を通って前記液体が前記装置から出る、注ぎ開口と、
前記充填開口を閉鎖するように回転軸を中心に第1の方向に回転可能でありかつ前記充填開口を開放するように前記回転軸を中心に第2の方向に回転可能な充填蓋であって、前記第1の方向は前記第2の方向と反対であり、前記回転軸は、前記装置の長手方向軸線に対して非平行である、充填蓋と、
前記注ぎ開口を開放するように前記回転軸を中心に前記第1の方向に回転可能でありかつ前記注ぎ開口を閉鎖するように前記回転軸を中心に前記第2の方向に回転可能である注ぎ蓋と、
を有する、液体を提供するための装置。
【請求項2】
前記コンテナボディをさらに備え、該コンテナボディは前記キャップに取外し可能に取り付けられている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記フィルタアセンブリは、フィルタボディを有し、該フィルタアセンブリの入口と結合された上側フィルタパッドと、該フィルタアセンブリの出口と結合された下側フィルタパッドとを備える、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記フィルタアセンブリは、さらに、第1の開口と、第2の開口と、フィルタキャビティを画定するように前記第1の開口と前記第2の開口との間に延びる環状壁とを有するスリーブを含み、前記フィルタアセンブリは、前記フィルタキャビティに配置されたフィルタカートリッジを含む、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記フィルタアセンブリ内に配置されたろ過媒体をさらに備える、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
前記ろ過媒体は、顆粒状活性炭を含む、請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記フィルタアセンブリは、上側メッシュフィルタパッドと、下側メッシュフィルタパッドと、前記上側メッシュフィルタパッドと前記下側メッシュフィルタパッドとの間に延びるメッシュ壁とを含むメッシュバスケットを含む、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
前記メッシュバスケットは、ステンレス鋼を含む、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記フィルタアセンブリは、さらに、前記上側メッシュフィルタパッドの外面の外縁の周りに配置された、鉛直方向に延びるフランジを有する、請求項7または8記載の装置。
【請求項10】
前記上側メッシュフィルタパッドの孔径は、前記下側メッシュフィルタパッドの孔径よりも大きい、請求項7から9までのいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
前記キャップは、前記注ぎ蓋および前記充填蓋の下方に配置されたプラットフォームと、該プラットフォームの下側から横方向に延びる側壁とを有し、該側壁は、フィルタアセンブリを収容するためのサイズおよび形状を有する凹所を画定しており、前記側壁および前記凹所は、前記コンテナボディの前記チャンバ内に配置されるように構成され、前記側壁は、前記プラットフォームの下側から下方に延びて前記凹所に連通する前記充填開口と前記チャンバに連通する前記注ぎ開口との間に配置されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
前記第1の通気孔は、前記コンテナボディの前記チャンバと前記凹所との間に流体連通を提供するために前記側壁を貫通して設けられている、請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記凹所と外側環境との間に流体連通を提供するために前記プラットフォームを貫通した第2の通気孔をさらに備える、請求項11または12記載の装置。
【請求項14】
前記キャップは、前記液体が前記装置から出る注ぎ状態と、前記液体が前記コンテナボディへ供給される充填状態とを有しており、前記キャップが前記充填状態にあるとき、前記第2の通気孔は閉鎖され、前記キャップが前記注ぎ状態にあるとき、前記第2の通気孔は開放されている、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記側壁と結合されかつ少なくとも部分的に前記凹所に配置された前記フィルタアセンブリをさらに備え、該フィルタアセンブリは、該フィルタアセンブリの上側端部において、外方へ延びるフランジを有し、該フランジは、前記側壁の対応する溝に配置されている、請求項11から14までのいずれか1項記載の装置。
【請求項16】
前記フィルタアセンブリの上方に配置されたディフューザをさらに備え、該ディフューザは、ディフューザボディを有し、該ディフューザボディは、該ディフューザボディを貫通した1つまたは複数のディフューザ開口を有する、請求項1から15までのいずれか1項記載の装置。
【請求項17】
液体を入れるための装置であって、
液体を入れるためのチャンバを有するコンテナボディと、
該コンテナボディの上側部分に接続されるキャップと、
前記キャップに接続されるフィルタアセンブリと、を備え、該キャップは、
上側と、該上側と反対の下側とを有するプラットフォームと、
該プラットフォームの前記下側から横方向に延びる側壁であって、フィルタアセンブリを収容するためのサイズおよび形状を有する凹所を画定しており、前記側壁および前記凹所は前記コンテナボディの前記チャンバ内に配置されている、側壁と、
前記コンテナボディの前記チャンバと前記凹所との間に流体連通を提供するために前記側壁を貫通した第1の通気孔と、
前記凹所と外側環境との間に流体連通を提供するために前記プラットフォームを貫通した第2の通気孔と、
前記キャップに連結され、充填開口を開閉するように回転軸を中心に回転可能にされている充填蓋と、
前記キャップに連結され、注ぎ開口を開閉するように前記充填蓋と同様に前記回転軸を中心に回転可能にされている注ぎ蓋と、を有する、
液体を入れるための装置。
【請求項18】
前記キャップは、前記液体が前記装置から出る注ぎ状態と、前記液体が前記コンテナボディへ供給される充填状態とを有しており、前記キャップが前記充填状態にあるとき、前記第2の通気孔は閉鎖され、前記キャップが前記注ぎ状態にあるとき、前記第2の通気孔は開放されている、請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記注ぎ開口は、該注ぎ開口を通って前記液体が前記コンテナボディの前記チャンバから出るように、前記プラットフォームに設けられ、
前記注ぎ蓋は、前記注ぎ開口を開閉させるために前記プラットフォームの前記上側の上方において前記キャップに結合されている、請求項18記載の装置。
【請求項20】
前記注ぎ蓋は、前記注ぎ開口を開放するために前記回転軸を中心に第1の方向へ回転可能でありかつ前記注ぎ開口を閉鎖するために前記回転軸を中心に第2の方向へ回転可能である、請求項19記載の装置。
【請求項21】
前記注ぎ蓋に配置されたガスケットをさらに備え、該ガスケットは、前記キャップが前記充填状態にあるときに前記第2の通気孔を閉鎖するように配置されている、請求項19または20記載の装置。
【請求項22】
前記キャップは、前記プラットフォームの上方へ延びるリムを有し、
前記注ぎ蓋は、前記リムに当接して液体シールを提供するように、前記回転軸に対して非平行な方向に直進可能である、請求項19から21までのいずれか1項記載の装置。
【請求項23】
充填開口であって、該充填開口を通って前記液体が前記凹所を通って前記コンテナボディへ供給される、充填開口と、
前記充填開口を開閉させるために前記プラットフォームの前記上側の上方において前記キャップに結合された充填蓋と、
をさらに備える、請求項19から22までのいずれか1項記載の装置。
【請求項24】
前記充填蓋は、前記充填開口を閉鎖するために前記回転軸を中心に第1の方向へ回転可能でありかつ前記充填開口を開放するために前記回転軸を中心に第2の方向へ回転可能である、請求項23記載の装置。
【請求項25】
前記キャップは、前記側壁の周囲に配置された外壁を有し、該外壁は、前記コンテナボディに接続されるコネクタを有し、前記外壁は、前記第1の通気孔と前記チャンバとの間に流体連通を提供するように、間隙によって前記側壁から離隔されている、請求項17から24までのいずれか1項記載の装置。
【請求項26】
前記コネクタは、ねじ山を有する、請求項25記載の装置。
【請求項27】
液体を入れるための装置であって、
液体を入れるためのチャンバを有するコンテナボディと、
該コンテナボディの上側部分に接続されたキャップであって、前記チャンバへ供給される前記液体を通す充填開口と、前記キャップを貫通する第1の通気孔であって、空気が前記コンテナボディの前記チャンバから前記第1の通気孔を通って前記コンテナボディの外側へ通過するのを可能にする第1の通気孔と、を有するキャップと、
該キャップに結合されたフィルタアセンブリであって、前記液体をろ過するためのろ過媒体を有する、フィルタアセンブリと、
前記フィルタアセンブリと前記充填開口との間に配置されたディフューザであって、ディフューザボディと、1つまたは複数の開口とを有し、前記液体が前記フィルタアセンブリへ通過する前に、供給された前記液体を横方向に分散させるように構成されている、ディフューザと、
を備える、液体を入れるための装置。
【請求項28】
請求項1から26までのいずれか1項と組み合わされた、請求項27記載の装置。
【請求項29】
請求項3記載の装置に使用される前記フィルタアセンブリであって、
第1の開口と、第2の開口と、フィルタキャビティを画定するように前記第1の開口と前記第2の開口との間に延びる環状壁とを有するスリーブであって、成形されたプラスチックボディを含むスリーブと、
前記第1の開口に配置された上側金属フィルタパッドと、
前記第2の開口に配置された下側金属フィルタパッドと、
前記スリーブ内に配置されたろ過媒体と、
を備える、フィルタアセンブリ。
【請求項30】
前記上側金属フィルタパッドは、ステンレス鋼を含む、請求項29記載のフィルタアセンブリ。
【請求項31】
前記ろ過媒体は、顆粒状活性炭を含む、請求項29または30記載のフィルタアセンブリ。
【請求項32】
前記下側金属フィルタパッドは、ステンレス鋼を含む、請求項29から31までのいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項33】
前記第1の開口の近くで前記スリーブの外面に配置された環状のフランジをさらに備える、請求項29から32までのいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項34】
請求項4記載の装置に使用される液体コンテナ用の前記フィルタカートリッジであって、
ステンレス鋼を含む上側メッシュフィルタパッドと、ステンレス鋼を含む下側メッシュフィルタパッドと、前記上側メッシュフィルタパッドと前記下側メッシュフィルタパッドとの間に延びるプラスチック壁とを有し、前記上側メッシュフィルタパッドおよび前記下側メッシュフィルタパッドならびに前記プラスチック壁がキャビティを画定し、
前記キャビティ内に配置されたろ過媒体を備える、液体コンテナ用のフィルタカートリッジ。
【請求項35】
前記上側メッシュフィルタパッドの外面の外縁の周りに配置された、鉛直方向に延びるフランジをさらに備える、請求項34記載のフィルタカートリッジ。
【請求項36】
前記上側メッシュフィルタパッドの孔径は、前記下側メッシュフィルタパッドの孔径よりも大きい、請求項34または35記載のフィルタカートリッジ。
【請求項37】
前記上側メッシュフィルタパッドの前記孔径は、0.01インチ~0.1インチ(0.254mm~2.540mm)の範囲である、請求項36記載のフィルタカートリッジ。
【請求項38】
前記上側メッシュフィルタパッドの前記孔径は、0.04インチ~0.07インチ(1.016mm~1.778mm)の範囲である、請求項37記載のフィルタカートリッジ。
【請求項39】
前記下側メッシュフィルタパッドの前記孔径は、0.001インチ~0.03インチ(0.0254mm~0.762mm)の範囲である、請求項36から38までのいずれか1項記載のフィルタカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願とのクロスリファレンス
本願は、2015年9月24日に出願された米国特許仮出願第62/232334号明細書に対する優先権を主張する。当該明細書の内容全体は、それらの全体においてかつ全ての目的のために、引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
背景
分野
分野は、概して、液体をろ過するためのボトル、ピッチャまたはその他の容器とともに使用することができる重力流式フィルタアセンブリに関する。
【0003】
従来技術の説明
水またはその他の液体(例えば、ジュース等)を保持するための慣用的なウォータボトル、ピッチャおよび/またはその他のコンテナは、飲む前に水から汚染物を除去するためのフィルタを有していないことがある。例えば、幾つかのウォータボトルおよびピッチャは、コンテナおよび1つの蓋のみを有することがある。使用者は、水をシンクまたはその他の供給源から蓋を通じてボトル内へ注ぐことによってコンテナを充填し得る。しかしながら、水は、使用者にとって不健康であるまたは望ましくないことがある塩素またはその他の化学物質などの汚染物を含有することがある。したがって、多くの事例において、使用者が水を飲む前に水から一部または全部の汚染物を除去することができるフィルタを提供することが望ましい可能性がある。さらに、ボトルおよびピッチャに関する使用者の経験を改善するために、コンテナを比較的短時間で充填することができるように水を十分に高い流量でろ過することが望ましい可能性がある。したがって、水またはその他の液体を有効にかつ高い流量でろ過するためにウォータボトル、ピッチャおよびその他のコンテナに関連して使用することができるフィルタアセンブリの必要性は引き続き残ったままである。
【発明の概要】
【0004】
概要
1つの実施の形態において、液体を注ぐための装置が開示される。装置は、液体を入れるためのチャンバを有するコンテナボディに接続されるように構成されたキャップを有することができる。キャップは、充填開口を有することができ、この充填開口を通って液体がコンテナボディへ供給される。キャップは、注ぎ開口を有することができ、この注ぎ開口を通って液体は装置から出る。充填蓋は、充填開口を閉鎖するように回転軸を中心に第1の方向へ回転可能でありかつ充填開口を開放するように回転軸を中心に第2の方向へ回転可能であることができる。第1の方向は第2の方向と反対であることができる。回転軸は、装置の長手方向軸線に対して非平行に配置することができる。注ぎ蓋は、注ぎ開口を開放するように回転軸を中心に第1の方向へ回転可能でありかつ注ぎ開口を閉鎖するように回転軸を中心に第2の方向へ回転可能であることができる。
【0005】
別の実施の形態において、液体を入れるための装置が開示される。装置は、液体を入れるためのチャンバを含むコンテナボディを有することができる。装置は、コンテナボディの上側部分に接続されるキャップを有することができる。キャップは、上側と、上側と反対の下側とを有するプラットフォームを有することができる。側壁は、プラットフォームの下側から横方向に延びていることができ、側壁は、フィルタアセンブリを収容するためのサイズおよび形状を有する凹所を画定しており、側壁および凹所はコンテナボディのチャンバ内に配置されている。コンテナボディのチャンバと凹所との間の流体連通を提供するために、側壁を貫通して第1の通気孔を設けることができる。凹所と外側環境との間の流体連通を提供するために、プラットフォームを貫通して第2の通気孔を設けることができる。
【0006】
別の実施の形態において、液体を入れるための装置が開示される。装置は、液体を入れるためのチャンバを含むコンテナボディを有することができる。キャップをコンテナボディの上側部分に接続することができ、キャップは充填開口を有し、この充填開口を通って液体がチャンバへ供給される。フィルタアセンブリをキャップに結合することができ、フィルタアセンブリは、液体をろ過するためのろ過媒体を有する。フィルタアセンブリと充填開口との間にディフューザを配置することができる。ディフューザは、ディフューザボディと、1つまたは複数の開口とを有することができる。ディフューザは、液体がフィルタアセンブリへ通過する前に、供給された液体を横方向に拡散させるように構成することができる。
【0007】
別の実施の形態おいて、フィルタアセンブリは、第1の開口と、第2の開口と、フィルタキャビティを画定するように第1の開口と第2の開口との間に延びる環状壁とを含むスリーブを有する。メッシュフィルタカートリッジをフィルタキャビティに配置することができる。ろ過媒体をメッシュフィルタカートリッジ内に配置することができる。
【0008】
別の実施の形態において、液体コンテナ用のフィルタカートリッジが開示される。フィルタカートリッジは、上側メッシュフィルタパッドと、下側メッシュフィルタパッドと、上側メッシュフィルタパッドと下側メッシュフィルタパッドとの間に延びるメッシュ壁とを有するステンレス鋼メッシュバスケットを含むことができる。フィルタカートリッジは、ステンレス鋼メッシュバスケット内に配置されたろ過媒体を有することができる。
【0009】
別の実施の形態において、フィルタアセンブリは、上側メッシュフィルタパッドおよび下側メッシュフィルタパッドに結合されたまたは上側メッシュフィルタパッドおよび下側メッシュフィルタパッドとともに形成されたフィルタボディを有することができる。幾つかの実施の形態において、フィルタボディはポリマを含むことができる。幾つかの実施の形態において、フィルタボディはステンレス鋼を含むことができる。幾つかの実施の形態において、下側メッシュフィルタパッドのメッシュサイズは、上側メッシュフィルタパッドのメッシュサイズよりも細かい(例えば、より小さな開口)ことができる。幾つかの実施の形態において、上側メッシュフィルタパッド(またはフィルタ入口)の孔径は、0.01インチ~0.1インチ(0.254mm~2.540mm)の範囲、または特に、0.04インチ~0.07インチ(1.016mm~1.778mm)の範囲、0.015インチ~0.06インチ(0.381mm~1.524mm)の範囲または0.018インチ~0.057インチ(0.457mm~1.448mm)の範囲であることができる。下側メッシュフィルタパッド(またはフィルタ出口)の孔径は、0.001インチ~0.03インチ(0.0254mm~0.762mm)の範囲、0.015インチ~0.06インチ(0.381mm~1.524mm)の範囲または0.018インチ~0.057インチ(0.457mm~1.448mm)の範囲であることができる。幾つかの実施の形態において、孔は、上側メッシュフィルタパッドの全面積の60%~80%、例えば、全面積の64%~75%を含んでもよい。幾つかの実施の形態において、孔は、下側メッシュフィルタパッドの全面積の55%~65%を含んでもよい。あらゆる適切なタイプのろ過媒体(顆粒状活性炭など)をフィルタボディ内に配置することができる。
【0010】
従来技術を超えて達成される利点を要約するために、幾つかの課題および利点をここで説明した。もちろん、必ずしも全てのこのような課題または利点があらゆる特定の実施の形態に従って達成され得るわけではないことを理解すべきである。すなわち、例えば、本明細書に教示された原理が、本明細書に教示または示唆された1つの利点または複数の利点のグループを達成または最適化する形式で、必ずしも本明細書に教示または示唆され得る他の課題または利点を達成することなく、実現または実施されてもよいことを当業者は認識するであろう。
【0011】
これらの実施の形態の全てが開示の範囲に含まれることが意図されている。これらの実施の形態およびその他の実施の形態は、添付の図面を参照した開示された実施の形態の以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになるであろう。
【0012】
図面の簡単な説明
これらの態様およびその他の態様は、開示された実施の形態を例示することが意図されているが限定することは意図されていない、様々な実施の形態の以下の説明および添付の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】1つの実施の形態による、ボトルを有するコンテナの斜視図である。
図1B図1Aに示されたウォータボトルの斜視断面図である。
図2A】別の実施の形態による、ウォータピッチャを有するコンテナの斜視図である。
図2B図2Aに示されたピッチャの斜視断面図である。
図2C】様々な実施の形態による、カラフェを有するコンテナの概略的な斜視図である。
図3A】様々な実施の形態による、充填状態において示された、キャップの縦断面図である。
図3B図3Aに示されたキャップの概略的な斜視図である。
図3C】充填蓋が閉鎖状態にある、キャップの拡大縦断面図である。
図3D】充填蓋が充填状態にある、キャップの拡大縦断面図である。
図4A】注ぎ状態または飲み状態における、キャップの縦断面図である。
図4B】閉鎖状態における注ぎ蓋とともに示された、注ぎ蓋を有するキャップの拡大縦断面図である。
図4C】開放状態または注ぎ状態における注ぎ蓋を備える、キャップの拡大縦断面図である。
図4D】注ぎ開口の近傍の突出リム領域を備えるリムを有するキャップの概略的な側面図である。
図4E】様々な実施の形態による、フィルタアセンブリの上方に配置されたディフューザを有するキャップの概略的な縦断面図である。
図4F】ディフューザの概略的な斜視図である。
図5A】幾つかの実施の形態によるフィルタアセンブリの概略的な斜視図である。
図5B図5Aのフィルタアセンブリの概略的な側面図である。
図5C図5Aおよび図5Bに示されたフィルタアセンブリの上側分解斜視図である。
図5D図5Cのフィルタアセンブリの下側分解斜視図である。
図5E】様々な孔径とともに示された、上側メッシュフィルタパッドの上側平面図である。
図5F】様々な孔径とともに示された、下側メッシュフィルタパッドの上側平面図である。
図5G】様々な実施の形態によるフィルタアセンブリの概略的な上側斜視図である。
図5H図5Gに示されたフィルタアセンブリの概略的な下側斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
本明細書に開示された様々な実施の形態は、重力流式フィルタアセンブリ、フィルタアセンブリに結合されるキャップおよびキャップが取り付けられるコンテナに関する。キャップは、充填開口および充填蓋を有することができ、充填蓋は、装置の長手方向軸線に対して非平行な回転軸を中心とする回転によって充填開口を選択的に開閉させることができる。キャップは、注ぎ開口および注ぎ蓋も有することができ、注ぎ蓋は、回転軸を中心とする回転によって充填開口を選択的に開閉させることができる。装置は、充填および/または注ぎ中の装置へ空気流を高めるために複数の通気孔を有することができる。有利には、フィルタアセンブリは、比較的高い流量(例えば、0.5Lpm~3Lpmの範囲(例えば、1Lpm~2.5Lpmの範囲))で水に含まれる汚染物(例えば、塩素)を少なくとも50%(例えば、少なくとも75%)減じることができる。幾つかの実施の形態において、本明細書に開示されたフィルタアセンブリが水のろ過に関して説明されるが、本明細書に説明された構成部材は、他の液体(例えば、ジュースなど)とともに使用されてもよいことが認識されるべきである。さらに、本明細書に説明された構成部材(例えば、キャップおよび/またはフィルタアセンブリ)は、ボトル、カラフェ、ピッチャ、カップなどのあらゆる適切なタイプのコンテナとともに使用されてもよい。
【0015】
図1Aは、1つの実施の形態による、ボトル(例えば、ウォータボトル)を有するコンテナ1の斜視図である。図1Bは、図1Aに示されたボトルの斜視断面図である。コンテナ1は、水などの液体を入れるためのチャンバ3を有するコンテナボディ2を有することができる。キャップ5は、例えば、ねじ式接続によって、コンテナボディ2に取外し可能に取り付けることができる。加えて、図1Bに示したように、フィルタアセンブリ4をキャップ5に取外し可能に接続することができる。キャップ5および/またはフィルタアセンブリ4は、ボトル、ピッチャ、カラフェ、カップなどの、あらゆる適切なコンテナまたは容器とともに使用することができる。操作中、以下でさらに詳細に説明するように、使用者は、充填蓋を開放させ、ろ過されるべき水またはその他の液体を、充填開口を通じて、フィルタアセンブリ4の上方に配置された内部リザーバ7へ供給することができる。水は、重力によって下方へ引き込まれることができ、内部リザーバ7から下方へフィルタアセンブリ4を通ってチャンバ3内へ流れることができる。有利には、他の装置とは異なり、本明細書に開示された実施の形態は、圧力を加えることなく(例えば、容器を圧搾することなく)重力を利用することによって(例えば、液体を下方へキャップ5およびフィルタアセンブリ内へ注ぐことによって)水をろ過することができる。フィルタアセンブリ4は、水がコンテナボディ2のチャンバ3に進入する前に水から汚染物(例えば、塩素およびその他の化学物質)を除去することができる。水をチャンバ3からコンテナ1の外へ、例えば、使用者の口へ通過させることができるように、後でより詳細に説明するように、使用者は、コンテナ1を傾け、注ぎ蓋または飲み蓋を作動させることができる。
【0016】
コンテナボディ2は、あらゆる適切なサイズおよび形状であってよい。例えば、飲むための十分な液体を入れるために十分に大きい一方で、使用者がボトルを容易に運搬することができるように十分に小さいボトル(例えば、ウォータボトル)を提供することが有利である可能性がある。コンテナボディは、幾つかの実施の形態において、400mL~750mLの範囲、例えば、約500mLの容積を有することができる。他の実施の形態において、コンテナボディ2は、約650mLの容積を有することができる。本明細書に説明されているように、ピッチャなどのその他のタイプのコンテナまたは容器が、本明細書に開示された実施の形態に関連して使用されてもよい。さらに、コンテナ(例えば、ボトル、ピッチャなど)は、あらゆる適切なサイズであってもよい。
【0017】
コンテナボディ2は、あらゆる適切な材料であることができる。様々な実施の形態において、コンテナボディ2は、プラスチック、ガラスまたはあらゆるその他の適切な材料を含むことができる。図1Aに示したように、コンテナボディ2の底部を覆う保護コーティング6を塗工することができる。保護コーティング6は、シリコーンまたは熱可塑性エラストマ(TPE)などのポリマ材料を含んでもよい。幾つかの実施の形態において、保護コーティング6は、コンテナボディ2の下端部に被せることができる予め成形された(例えば、射出成形された)ブーツを含んでもよい。その他の実施の形態において、保護コーティング6をコンテナボディ2上にオーバーモールドすることができる。保護コーティング6は、幾つかの様式において実質的にコンテナボディ2全体をカバーしてもよい。その他の様式において、保護コーティング6は、コンテナボディ2の下側部分にのみ提供されてもよい。保護コーティング6は、外力、例えば、使用者がコンテナ1を硬い面に落下させた結果として生じる力または衝撃からコンテナ1を保護してもよい。保護コーティング6は、コンテナ1が壊れるまたは割れることを防止するためにボトルに加わる衝撃力を散逸させるように十分に厚くてよい。さらに、コンテナボディ2が壊れるとしても、保護コーティング6は、有利には、ガラスまたはプラスチックの一切の破片をコーティング6内に閉じ込めることができるので、使用者が怪我をするリスクを減じかつ/または効率的な清掃を可能にする。
【0018】
図2Aは、別の実施の形態による、ピッチャを有するコンテナ1の斜視図である。図2Bは、図2Aに示されたピッチャの斜視断面図である。図2Cは、様々な実施の形態による、カラフェを有するコンテナ1の概略的な斜視図である。別段の定めがない限り、図2A図2Cにおける参照符号は、概して、図1Aおよび図1Bにおける同じ参照番号と同じ構成部材を示している。しかしながら、図1Aおよび図1Bの実施の形態とは異なり、図2Aおよび図2Bのコンテナ1は、図1Aおよび図1Bのボトルよりも大きな量の液体を入れ得るピッチャを有する。図2Cにおいて、コンテナ1はカラフェを有する。図2A図2Cにおいて、例えば、コンテナ1は、チャンバ3を有するコンテナボディ2に取外し可能に取り付けられたキャップ5を有することができる。図1Aおよび図1Bの実施の形態のように、フィルタアセンブリ4をキャップ5に取外し可能に接続することができ、内部リザーバ7をフィルタアセンブリ4の上方に配置することができる。図2A図2Cのキャップ5およびフィルタアセンブリ4は、図1Aおよび図1Bに示されたキャップ5およびフィルタアセンブリ4と実質的に同じ設計であってもよく、これにより、キャップ5およびフィルタアセンブリ4をボトル、ピッチャおよび/またはカラフェにおいて使用することができる。その他の実施の形態において、ピッチャおよび/またはカラフェとともに使用するためのキャップ5およびフィルタアセンブリ4は、様々なサイズのピッチャおよび/またはカラフェを収容するように寸法が異なってもよいことを除き、ボトル用のキャップ5およびフィルタアセンブリ4と同じであってもよい。図1Aおよび図1Bのボトルのように、コンテナボディ2は、プラスチックまたはガラスを含んでもよい。幾つかの実施の形態において、コンテナ1を損傷から保護しかつ/またはコンテナボディ2の一切の破片を閉じ込めるために、コンテナボディ2に保護コーティングが提供されてもよい。
【0019】
図3Aは、フィルタアセンブリ4の上方のリザーバ7に液体(例えば、水)を供給することができる充填状態において示された、キャップ5の縦断面図である。図3Aに示したように、キャップ5は、充填開口12と、充填開口12を開閉するように構成された充填蓋9とを有することができる。加えて、以下に説明するように、キャップ5は、飲み開口または注ぎ開口10と、注ぎ開口10を開閉するように構成された注ぎ蓋8とを有することもできる。充填蓋9および注ぎ蓋8は、共通の回転軸20を中心に回転可能であることができる。回転軸20は、キャップ5の長手方向軸線Lに対して非平行(例えば、横断する方向)であることができる。例示したように、長手方向軸線Lは、キャップ5の上端からコンテナ2の下端まで延びる方向に沿ってまたは概して平行に配置することができる。充填蓋9は、充填開口12を閉鎖するように回転軸20を中心に第1の方向へ回転可能でありかつ充填開口12を開放するように回転軸20を中心に反対の第2の方向へ回転可能であることができる。同様に、注ぎ蓋8は、注ぎ開口10を開放するように回転軸20を中心に第1の方向へ回転可能でありかつ注ぎ開口10を閉鎖するように回転軸20を中心に第2の方向へ回転可能であることができる。注ぎ蓋8および充填蓋9は、同じ軸20を中心に回転することができるが、互いに独立して回転することができ、これにより、注ぎ蓋8および充填蓋9のうちの一方の回転は他方を回転させない。
【0020】
第1のガスケット11を充填蓋9に結合することができまたは充填蓋9と一緒に形成することができ、第1のガスケット11は、充填蓋9が充填開口12を閉鎖するときに充填開口12を実質的にシールするようにゴムまたはポリマ材料を含むことができる。第2のガスケット13を注ぎ蓋8に結合することができまたは注ぎ蓋8と一緒に形成することができ、第2のガスケット13は、注ぎ蓋8が注ぎ開口10を閉鎖するときに注ぎ開口10を実質的にシールするようにゴムまたはポリマ材料を含むことができる。図3Bに示したように、注ぎ蓋8は、充填蓋9の互いに反対側に配置された第1および第2のアーム23A,23Bを有することができる。後でより詳細に説明するように、注ぎ蓋8を開放し、コンテナボディ2から水を飲むまたは注ぐために、使用者は、一方または両方のアーム23A,23Bを下方へ押し付けることができる。
【0021】
図3Aおよび図3Bに示したように、キャップ5は、プラットフォーム21の上方に上方へ延びるリム14を有することができる。コンテナを充填するために、使用者は、充填蓋9を開放し、充填開口12を通じてリザーバ7内へ液体を注ぐことができる。液体(例えば、ろ過されていない水)は、フィルタアセンブリ4を通ってコンテナボディ2のチャンバ3内へ流れることができる。図3Aにおいて、側壁15は、プラットフォーム21の下側から下方へ延びていることができる。側壁15は、フィルタアセンブリ4を収容するためのサイズおよび形状を有する凹所を少なくとも部分的に画定することができる。後でより詳細に説明するように、フィルタアセンブリ4は、側壁15の下部に形成された環状の溝24にスナップ式にはめ込むことによって側壁15に接続することができる。幾つかの様式において、側壁15の一部または全部は、ポリマまたはゴム材料を含むことができ、フィルタアセンブリ4を隙間なく収容しかつ受け入れるように変形させることができる。加えて、図3Aに示したように、外壁18は、側壁15および凹所(リザーバ7も画定している)がコンテナボディ2のチャンバ3内に配置されるように、プラットフォーム21から下方へ延びていることができる。外壁18は、コンテナボディ2の上端部における対応するコネクタに接続するための1つまたは複数のコネクタ(例えば、ねじ山)を有することができる。
【0022】
加えて、側壁15を貫通して第1の通気孔16を配置することができる。プラットフォーム21の一部を貫通して第2の通気孔17を配置することができる。図3Aに示された充填状態において、充填開口12、リザーバ7およびフィルタアセンブリ4を経由してコンテナボディ2のチャンバ3へ液体を供給することができる。液体がコンテナボディ2のチャンバ3に進入するとき、チャンバ3内の空気27が第1の通気孔16を通ってコンテナ1から押し出されてもよい。したがって、第1の通気孔16は、空気27がチャンバ3から第1の通気孔16を通って、外壁18と側壁15との間に形成された間隙を通って、コンテナ1から充填開口12を通って通過することを可能にしてもよい。したがって、第1の通気孔16は、チャンバ3の効率的な充填を補助することができる。図3Aに示したように、充填状態において、第2の通気孔17は、注ぎ蓋8に配置された通気孔ガスケット19によって閉鎖または閉塞されてもよい。
【0023】
図3Cは、閉鎖状態における、例えば、キャップ5が注ぎ状態にあるときまたは充填蓋9および注ぎ蓋8の両方が閉鎖されているときの、充填蓋9の拡大縦断面図である。図3Dは、充填状態における充填蓋9の拡大縦断面図である。図3Cおよび図3Dに例示したように、コンテナ1を充填するために、使用者は、充填蓋9を回転軸20を中心に回転させることによって充填蓋9を持ち上げてもよい。加えて、回転軸20は、延在したスロット25内に配置されたピンに対応してもよい。スロット25は、ピン(および回転軸20)が回転軸20の方向を横断する方向に直進することができるように、ピンよりも大きくてもよい。
【0024】
図4Aは、注ぎ状態または飲み状態における、キャップ5の縦断面図である。図4Bは、注ぎ蓋8が閉鎖状態にあるときの(例えば、キャップ5が充填状態にあるときまたは充填蓋9および注ぎ蓋8の両方が閉鎖されているときの)注ぎ蓋8の拡大縦断面図である。図4Cは、注ぎ蓋8が開放状態または注ぎ状態にあるときの注ぎ蓋8の拡大縦断面図である。コンテナ1から飲むまたは注ぐために、使用者は、注ぎ蓋8を回転軸20を中心に回転させるように注ぎ蓋8の一方または両方のアーム23A,23Bを下方へ押し付けてもよい(図3B参照)。注ぎ蓋8は、注ぎ蓋8の遠位端部29がキャップ5のリム14に対して当接するようにスロット25に沿って直進してもよい。遠位端部29は、注ぎ開口10を通過する液体が、キャップ5の縁部に沿って外側へこぼれる代わりに、使用者の口またはその他の容器内へ直接に入るように、流体シールを提供するためにリム14に当接することができる。さらに、注ぎ状態において、ガスケットバリヤ26は、水が、フィルタアセンブリ4を迂回することによってリザーバ7から使用者へ通過することを防止するために、プラットフォーム21の角に対して当接することができる。したがって、ガスケットバリヤ26は、リザーバ7とチャンバ3との間の水または空気の混合を防止することができる。
【0025】
図4Bにおいて、キャップ5が閉鎖状態にあるとき、通気孔ガスケット19は実質的に第2の通気孔17を閉鎖することができる。しかしながら、図4Aおよび図4Cに示したように、注ぎ状態にあるとき、通気孔ガスケット19は、第2の通気孔17が開放されるように第2の通気孔17に対して回転および直進させられる。図4Aに示したように、外側環境からの空気22は、第2の通気孔17を通じてリザーバ7内へ進入することができ、第1の通気孔16を通じてコンテナボディ2のチャンバ3内へ進入することができる。空気流22は、液体が滑らかにかつ急速に注ぎ開口10から出るように、チャンバ3内の液体を排出するのを補助することができる。したがって、注ぎ状態において、第1および第2の通気孔16,17は、コンテナ1からの効率的な液体流出を可能にするために開放されていることができる。幾つかの実施の形態において、付加的な外側通気孔は使用されなくてもよい。
【0026】
図4Dは、幾つかの実施の形態による、注ぎ開口10の近傍の突出リム領域14Aを備えるリム14を有するキャップ5の概略的な側面図である。突出リム領域14Aは、有利には、キャップ5の使用性能を高めるために注ぎ開口10の位置に関して使用者に目印を提供することができる。さらに、突出リム領域14Aは、遠位端部29がリム14に当接するときにより良好なシールを提供するために注ぎ蓋8の遠位端部29の角の近くに改良された液体シールを提供することができる(図4C参照)。
【0027】
図4Eは、様々な実施の形態による、フィルタアセンブリ4の上方に配置されたディフューザ55を有するキャップ5の概略的な縦断面図である。図4Fは、ディフューザ55の概略的な斜視図である。ディフューザを備えない幾つかの様式において、液体が充填開口12を経由してリザーバ7へ供給されるとき、液体の流れは、フィルタアセンブリ4内のろ過媒体を貫通して穴を開け得る。流れは、ろ過媒体を移動させることがあり、これは、水をろ過するときのフィルタアセンブリ4の有効性を低下させることがある。したがって、ディフューザ55は、液体がフィルタアセンブリに進入する前に液体を分散させるためにフィルタアセンブリ4の上方に(例えば、リザーバ7内に)配置されてもよい。例えば、図4Eおよび図4Fに示したように、ディフューザ55は、1つまたは複数のディフューザ開口57を有するディフューザボディ56を有してもよい。例示された実施の形態において、例えば、ディフューザボディ56は、ディフューザボディ56に沿って横方向に離隔された複数の開口57を有する。しかしながら、その他の実施の形態において、液体がフィルタアセンブリ4に進入する前にディフューザ55を横切って横方向に液体を分散させるために、ディフューザボディ56を通って横方向に延びる1つの細長い孔が設けられてもよい。幾つかの実施の形態において、ディフューザ55は、成形されたプラスチックボディを含むことができる。液体がリザーバ7に進入するとき、液体は、ディフューザボディ56に衝突してもよく、ディフューザボディ56は、液体流を横方向に拡散または分散させることができる。分散させられた液体は、ディフューザ開口57を通過してフィルタアセンブリ4内へ入ることができる。有利には、ディフューザ55は、液体がフィルタアセンブリ4に進入するときに液体の下方への運動力を低下させることができ、これは、上述の穴開け効果を低減または排除することができ、フィルタアセンブリ4のろ過能力を高めることができる。
【0028】
図5Aは、幾つかの実施の形態によるフィルタアセンブリ4の概略的な斜視図である。図5Bは、図5Aのフィルタアセンブリ4の概略的な側面図である。図5Cは、図5Aおよび図5Bに示されたフィルタアセンブリ4の上側分解斜視図である。図5Dは、図5Cのフィルタアセンブリ4の下側分解斜視図である。上記で説明したように、フィルタアセンブリ4を、キャップ5に取外し可能に取り付けることができ、例えば、側壁15にスナップ式にはめ込むまたはその他の方法で接続することができる。例えば、環状のフランジ31が、フィルタアセンブリ4の周縁部の周囲に延びていることができる。使用者は、キャップ5の側壁15によって画定された凹所にフィルタアセンブリ4を挿入することができ、フランジ31を、側壁15に形成された対応する溝24にスナップ式にはめ込むことができる。幾つかの実施の形態において、使用者は、フィルタアセンブリ4を収容するために、側壁15(可撓性を有する高分子を含んでもよい)を変形させることができる。使用者は、フランジ31が溝24からはずれるように側壁15を変形させることによってフィルタアセンブリ4を同様に取り外すことができる。
【0029】
フィルタアセンブリ4は、スリーブ30と、スリーブ30内に配置されたフィルタカートリッジ32とを有することができる。図5Cおよび図5Dに示したように、スリーブ30は、第1の開口35と、第2の開口36と、フィルタキャビティ40を画定するように第1の開口35と第2の開口36との間に延びる環状壁34とを有することができる。環状壁34は、材料の連続的なシートを含むことができ、例えば、壁部34は、例示された実施の形態において多孔質でなくてもよい。フィルタカートリッジ32は、上側メッシュフィルタパッド37と、下側メッシュフィルタパッド39と、上側メッシュフィルタパッド37と下側メッシュフィルタパッド39との間に延びるメッシュ壁38とを有するメッシュバスケットを含むことができる。幾つかの実施の形態において、フィルタパッド37と壁部38との間に永久的な接続を形成するために上側メッシュフィルタパッド37をメッシュ壁38に溶接することができる。その他の実施の形態において、上側メッシュフィルタパッド37をメッシュ壁38に対して、取り外すまたは開閉させる(例えば、回転させる)ことができるように、上側メッシュフィルタパッド37がメッシュ壁38に取外し可能に接続されてもよい。例えば、幾つかの実施の形態において、上側フィルタパッド37を、壁部38に回転可能に結合することができる。幾つかの様式において、フィルタアセンブリ4を通過する液体にフレーバを提供するために、成分(フレーバ浸出物(infusants)、ビタミンなど)をフィルタカートリッジ32に挿入することができる。図5A図5Dに示したように、鉛直方向に延びるフランジ33を上側メッシュフィルタパッド37の外面の外縁の周りに配置することができる。フランジ33は、フィルタアセンブリ4をキャップ5に固定することを補助することができる。
【0030】
フィルタアセンブリ4を装着するために、使用者は、フィルタカートリッジ32をスリーブ30内に挿入することができ、組み合わされたフィルタアセンブリ4をキャップ5の側壁15に挿入することができる。上記で説明したように、フィルタアセンブリ4をキャップ5に固定するためにフランジ31を側壁15の溝24にスナップ式にはめ込むことができる。フィルタカートリッジ32を交換するために、使用者は、フィルタアセンブリ4をキャップ5から取り外すことができ、新たなフィルタカートリッジ32をスリーブ30およびキャップ5に挿入することができる。フィルタカートリッジ32に、顆粒状活性炭などのろ過媒体を少なくとも部分的にまたは完全に充填することができる。作動時、水は、充填開口12を通ってリザーバ7およびフィルタアセンブリ4へ流入することができる。水は、重力によって、上側メッシュフィルタパッド37およびろ過媒体を通って流れることができ、ろ過媒体において汚染物を除去することができる。ろ過された水は、ろ過された水を使用者に提供するために下側フィルタパッド39を通ってコンテナボディ2のチャンバ3へ進入することができる。フィルタアセンブリ4は、幾つかの実施の形態において、ステンレス鋼を含むことができる。例えば、スリーブ30およびフィルタカートリッジ32の両方が、幾つかの実施の形態において、ステンレス鋼を含むことができる。その他の実施の形態において、フィルタアセンブリ4(例えば、スリーブ30および/またはカートリッジ32)はポリマを含むことができる。
【0031】
図5Eは、様々な孔径とともに示された、上側メッシュフィルタパッド37の上側平面図である。図5Fは、様々な孔径とともに示された、下側メッシュフィルタパッド39の上側平面図である。例示したように、上側メッシュフィルタパッド37(例えば、フィルタアセンブリ4の入口)の孔42は、下側メッシュフィルタパッド39(例えば、フィルタアセンブリ4の出口)の孔44よりも大きいまたは粗いことができる。上側メッシュフィルタパッド37のより大きな孔42は、リザーバ7とフィルタキャビティ40との間の空気の通気を高めることができる。下側メッシュフィルタパッド39のより小さな孔44は、ろ過媒体を支持および収容するようなサイズを有することができる。幾つかの実施の形態において、上側メッシュフィルタパッド37(またはフィルタ入口)の孔径は、0.01インチ~0.1インチ(0.254mm~2.540mm)の範囲、または特に、0.04インチ~0.07インチ(1.016mm~1.778mm)の範囲、0.015インチ~0.06インチ(0.381mm~1.524mm)の範囲または0.018インチ~0.057インチ(0.457mm~1.448mm)の範囲であることができる。下側メッシュフィルタパッド39(またはフィルタ出口)の孔径は、0.001インチ~0.03インチ(0.0254mm~0.762mm)の範囲、0.015インチ~0.06インチ(0.381mm~1.524mm)の範囲または0.018インチ~0.057インチ(0.457mm~1.448mm)の範囲であることができる。幾つかの実施の形態において、孔42は、上側メッシュフィルタパッド37の全面積の60%~80%、例えば、全面積の64%~75%を含んでもよい。幾つかの実施の形態において、孔44は、下側メッシュフィルタパッド39の全面積の55%~65%を含んでもよい。
【0032】
図5Gは、様々な実施の形態によるフィルタアセンブリ4の概略的な上側斜視図である。図5Hは、図5Gに示されたフィルタアセンブリ4の概略的な下側斜視図である。フィルタアセンブリ4は、上述のフィルタパッドと同じであってもよい上側フィルタパッド37および下側フィルタパッド39に結合されたまたは上側フィルタパッド37および下側フィルタパッド39と共に形成された、フィルタボディ58を有することができる。図5Gおよび図5Hに示された実施の形態において、フィルタボディ58は、成形されたプラスチックボディを含むことができ、フィルタパッド37,39は、あらゆる適切な形式で、例えば、スナップ式はめ合い接続によって、フィルタボディ58に接続することができる。幾つかの様式において、フィルタパッド37,39は、ステンレス鋼インサートを含むことができる。その他の様式において、フィルタパッド37,39はプラスチックを含むことができる。その他の実施の形態において、フィルタパッド37,39を、フィルタボディ58と一体に形成することができる。
【0033】
本明細書に開示されたフィルタアセンブリ4およびキャップ5は、フィルタアセンブリ4を通る比較的速い流量、例えば、0.25リットル毎分(Lpm)~2Lpmの範囲、1Lpm~2Lpmの範囲、1.5Lpm~2Lpmの範囲または1.5Lpm~2.5Lpmの範囲、例えば、少なくとも約0.5Lpmの流量を可能にすることができる。幾つかの実施の形態において、フィルタアセンブリ4を通る液体の流量は、0.5Lpm~1.75Lpmの範囲である。有利には、上記で説明した流量は、本願の出願日の時点で示されているように、NSF42規格(クラス1)に準拠するように水を有効にろ過しながら達成され得る。例えば、本明細書に開示されたフィルタアセンブリ4は、前記流量において、ろ過されていない水から50%以上または75%以上、塩素を減じることができる。様々な実施の形態において、フィルタアセンブリ4内(例えば、フィルタボディ58内)に配置されたろ過媒体は、顆粒状活性炭(GAC)を含むことができる。GACは、あらゆる適切なサイズおよび質量を有することができる。例えば、幾つかの実施の形態において、GACろ過媒体の質量は、20グラム~40グラムの範囲、例えば、24グラム~36グラムの範囲であることができる。GACろ過媒体のサイズは、6×12~8×16の範囲であることができる。
【0034】
本発明は、好適な実施の形態および実施例に関連して開示されているが、本発明は、具体的に開示された実施の形態を超えて、その他の代替実施の形態および/または発明の使用および自明の変更および発明の均等物にまで拡張されることが当業者によって理解されるであろう。加えて、発明の幾つかの変化態様が詳細に示されかつ説明されているが、本開示に基づき、本発明の範囲のその他の変更が当業者に容易に明らかになるであろう。実施の形態の特定の特徴および態様の様々な組合せまたはサブコンビネーションが行われてもよく、これらもまた発明の範囲に該当し得るものと考えられる。開示された発明の変化態様を形成するために、開示された実施の形態の様々な特徴および態様を、互いに組み合わせるかまたは代用することができることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示された本発明の範囲は、上記で説明された特定の開示された実施の形態によって限定されるべきではなく、以下に続く請求項の適正な読解によってのみ決定されるべきであることが意図されている。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H