IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京東方科技集團股▲ふん▼有限公司の特許一覧 ▶ 成都京東方光電科技有限公司の特許一覧

特許7103954表示パネルを検出するための方法、装置及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】表示パネルを検出するための方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20220712BHJP
   G09G 3/30 20060101ALI20220712BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220712BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
G09G3/20 670Q
G09G3/20 670N
G09G3/30 Z
H05B33/14 A
H05B33/12 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018562194
(86)(22)【出願日】2018-02-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-17
(86)【国際出願番号】 CN2018074985
(87)【国際公開番号】W WO2019019599
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-01-27
(31)【優先権主張番号】201710619827.4
(32)【優先日】2017-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】廖 文▲駿▼
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲ダ▼
(72)【発明者】
【氏名】莫 再隆
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲イ▼▲楊▼
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-115338(JP,A)
【文献】特開2008-021441(JP,A)
【文献】特開2009-098579(JP,A)
【文献】特開2005-141094(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0073688(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0104407(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20-3/38
H01L 51/50
H05B 33/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数組の画素を含む表示パネルを検出する方法であって、
前記複数組の画素を逐次的に第1階調で表示させ、且つ、第i組の画素が前記第1階調で表示する際に、前記複数組の画素のうち、前記第i組の画素以外の他組の画素を第2階調で表示させるように制御するステップと、
第i組の画素が前記第1階調で表示する過程において、前記表示パネルから出力される第1電流値を検出するステップと、
前記第1電流値が第1電流範囲内でない場合、前記第i組の画素の表示に異常が生じたと特定するステップと、を含み、
前記第i組の画素は、前記複数組の画素の何れか1組の画素であって、一行の画素または一列の画素であり、前記第1階調と前記第2階調は異なっており、iは正の整数であり、
前記表示パネルから出力される第1電流値が検出された後に、前記第1電流値が第2電流範囲内でない場合、前記表示パネルに表示欠陥が生じたと特定するステップであって、前記第1電流範囲が前記第2電流範囲内にある、ステップをさらに含み、
前記第1電流値が前記第2電流範囲内でない場合、前記表示パネルに表示欠陥が生じたと特定するステップは、
前記第1電流値が前記第2電流範囲内でない場合、前記表示パネルの表示画像を採集するステップと、
前記表示画像において表示暗線または表示輝線が生じた場合、前記表示パネルに前記表示欠陥が生じたと特定するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記表示パネルにおいて表示に異常が生じた画素組の総組数を集計するステップと、
前記総組数が所定組数値より大きい場合、前記表示パネルに表示異常が生じたと特定するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数組の画素での各組の画素を逐次的に第1階調で表示させるように制御する前に、
前記表示パネルでの複数組の画素を前記第2階調で表示させるように制御するステップと、
前記表示パネルから出力される第2電流値を検出するステップと、
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記表示パネルでの複数組の画素を第1階調で表示させるように制御するステップと、
前記表示パネルから出力される第3電流値を検出するステップと、
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2電流値と前記第3電流値に基づいて、前記第1電流範囲を特定するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2電流値と前記第3電流値に基づいて、前記第1電流範囲を特定するステップは、
前記第2電流値I2と前記第3電流値I3に基づいて、電流式によって所定電流基準値Iを特定して、前記所定電流基準値によって前記第1電流範囲を特定するステップを含み、
前記電流式は、I=(I3-I2)/nであり、
そのうち、前記nは、前記表示パネルでの画素組の総組数である、
請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1電流範囲は、その上限値がI×k1+I2であり、その下限値がI×k2+I2であり、そのうち、k1とk2は所定の電流係数であり、且つk1はk2より大きく、k2は0より大きい、
請求項に記載の方法。
【請求項8】
複数組の画素を含む表示パネルを検出するための装置であって、前記複数組の画素を逐次的に第1階調で表示させ、且つ、第i組の画素が前記第1階調で表示する際に、前記複数組の画素のうち、前記第i組の画素以外の他組の画素を第2階調で表示させるように制御する制御回路と、第i組の画素が前記第1階調で表示する過程において、前記表示パネルから出力される第1電流値を検出する検出回路と、
前記第1電流値が第1電流範囲内でない場合、前記第i組の画素の表示に異常が生じたと特定する第1特定回路と、を含み、
前記第i組の画素は、前記複数組の画素の何れか1組の画素であって、一行の画素または一列の画素であり、前記第1階調と前記第2階調は異なっており、iは正の整数であり、
前記第1電流値が第2電流範囲内でない場合、前記表示パネルに表示欠陥が生じたと特定する第3特定回路をさらに含み、そのうち、前記第1電流範囲が前記第2電流範囲内にあり、
前記第3特定回路は、
前記第1電流値が前記第2電流範囲内でない場合、前記表示パネルの表示画像を採集し、
及び、前記表示画像において表示暗線または表示輝線が生じた場合、前記表示パネルに前記表示欠陥が生じたと特定する、表示パネルを検出するための装置。
【請求項9】
前記表示パネルにおいて表示に異常が生じた画素組の総組数を集計する集計回路と、
前記総組数が所定組数値より大きい場合、前記表示パネルに表示異常が生じたと特定する第2特定回路と、
をさらに含む、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記制御回路は、さらに、前記表示パネルでの複数組の画素を前記第2階調で表示させるように制御し、
前記検出回路は、さらに、前記表示パネルから出力される第2電流値を検出する、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記制御回路は、さらに、前記表示パネルでの複数組の画素を第1階調で表示させるように制御し、
前記検出回路は、さらに、前記表示パネルから出力される第3電流値を検出する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第2電流値と前記第3電流値に基づいて、前記第1電流範囲を特定する第4特定回路をさらに含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第4特定回路は、前記第2電流値I2と前記第3電流値I3に基づいて、電流式によって所定電流基準値を特定して、前記所定電流基準値によって前記第1電流範囲を特定し、
そのうち、前記電流式は、I=(I3-I2)/nであり、
そのうち、前記nは、前記表示パネルでの画素組の総組数である、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1電流範囲は、その上限値がI×k1+I2であり、その下限値がI×k2+I2であり、k1とk2は所定の電流係数であり、且つk1はk2より大きく、k2は0より大きい、
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
請求項14のいずれか一項に記載の表示パネルを検出するための装置を含む表示パネルを検出するためのシステム。
【請求項16】
信号発生部と、電流検出計と、設定回路と、データ比較回路と、画像採集装置と、メモリと、再検査回路と、補償回路と、
をさらに含み、
前記信号発生部は、前記表示パネルの電源及び信号源として機能するように構成され、
前記電流検出計は、前記表示パネルの各パターンに対応する電流を記録し、前記データ比較回路に入力するように構成され、
前記設定回路は、所定電流値範囲を特定するように構成され、
前記データ比較回路は、検出電流に対してデータ処理を行い、前記所定電流値範囲に応じて前記表示パネルの輝度を判断するように構成され、
前記補償回路は、補償アルゴリズムを生成して前記表示パネルに書き込むように構成され、
前記画像採集装置は、輝度異常の疑いがある前記表示パネルを撮影し、その写真を前記メモリに送信するように構成され、
前記メモリは、前記写真を記憶するように構成され、
前記再検査回路は、前記表示パネルを介してユーザーに写真を提供し再検査するか、または写真処理システムで輝度が均一かどうかを判定し、その結果をユーザーにフィードバックするように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、表示パネルを検出するための方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
表示パネルでは、表示輝度ムラが品質に影響するため、生産過程において表示パネルに対する輝度均一性の検出が必要とされる。
【0003】
従来技術では、一般的に、画像処理の方法で表示パネルに対する輝度均一性の検出を行い、例えば、表示パネルにおける各画素を同一の所定電圧までに充電するように制御し、その後、表示パネルで表示される画像をカメラで採集し、画像における各画素の輝度値を所定輝度値と比べて、表示パネルの輝度の均一性を判断することができ、そのうち、該所定輝度値は、画素を該所定電圧までに充電した後に正常に表示する時の理想輝度値である。
【0004】
カメラで採集された画像の解像度には制限があるため、従来技術の検出方法による検出精度も制限されてしまう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
少なくともカメラで採集された画像の解像度に制限があるため、従来技術の検出方法による検出精度も制限されるという問題を解決するために、本開示の実施例は、表示パネルを検出するための方法、装置及びシステムを提供する。
【0006】
本開示の一つの方面によれば、複数組の画素を含む表示パネルを検出するための方法を提供した。前記方法は、
前記複数組の画素を逐次的に第1階調で表示させ、且つ、第i組の画素が前記第1階調で表示する際に、前記複数組の画素のうち、前記第i組の画素以外の他組の画素を第2階調で表示させるように制御するステップと、
第i組の画素が前記第1階調で表示する過程において、前記表示パネルから出力される第1電流値を検出するステップと、
前記第1電流値が第1電流範囲内でない場合、前記第i組の画素の表示に異常があると特定するステップと、
を含み、
前記第i組の画素は前記複数組の画素の何れか1組の画素であり、前記第1階調と前記第2階調は異なっており、iは正の整数である。
【0007】
例えば、前記方法は、前記表示パネルにおいて表示に異常が生じた画素組の総組数を集計するステップと、前記総組数が所定組数値より大きい場合、前記表示パネルに表示異常が生じたと特定するステップと、をさらに含む。
【0008】
例えば、前記表示パネルから出力される第1電流値が検出された後に、前記方法は、前記第1電流値が第2電流範囲内でない場合、前記表示パネルに表示欠陥が生じたと特定するステップをさらに含み、前記第1電流範囲は、前記第2電流範囲内にある。
【0009】
例えば、前記第1電流値が第2電流範囲内でない場合、前記表示パネルに表示欠陥が生じたと特定するステップは、前記第1電流値が第2電流範囲内でない場合、前記表示パネルの表示画像を採集するステップと、前記表示画像において表示暗線または表示輝線が生じた場合、前記表示パネルに前記表示欠陥が生じたと特定するステップと、を含む。
【0010】
例えば、前記複数組の画素での各組の画素を逐次的に第1階調で表示させるように制御する前に、前記方法は、前記表示パネルでの複数組の画素を前記第2階調で表示させるように制御するステップと、前記表示パネルから出力される第2電流値を検出するステップと、をさらに含む。
【0011】
例えば、前記方法は、前記表示パネルでの複数組の画素を第1階調で表示させるように制御するステップと、前記表示パネルから出力される第3電流値を検出するステップと、をさらに含む。
【0012】
例えば、前記方法は、前記第2電流値と前記第3電流値に基づいて、前記第1電流範囲を特定するステップをさらに含む。
【0013】
例えば、前記第2電流値と前記第3電流値に基づいて、前記第1電流範囲を特定するステップは、前記第2電流値I2と前記第3電流値I3に基づいて、電流式によって所定電流基準値Iを特定し、前記所定電流基準値によって前記第1電流範囲を特定するステップを含み、前記電流式は、I=(I3-I2)/nであり、そのうち、前記nは、前記表示パネルでの画素組の総組数である。
【0014】
例えば、前記第1電流値範囲は、その上限値がI×k1+I2であり、その下限値がI×k2+I2であり、k1とk2は所定の電流係数であり、且つk1はk2より大きく、k2は0より大きい。
【0015】
本開示の二つの方面によれば、複数組の画素を含む表示パネルを検出するための装置を提供した。前記装置は、
前記複数組の画素を逐次的に第1階調で表示させ、且つ、第i組の画素が前記第1階調で表示する際に、前記複数組の画素のうち、前記第i組の画素以外の他組の画素を第2階調で表示させるように制御する制御回路と、
第i組の画素が前記第1階調で表示する過程において、前記表示パネルから出力される第1電流値を検出する検出回路と、
前記第1電流値が第1電流範囲内でない場合、前記第i組の画素の表示に異常が生じたと特定する第1特定回路と、を含み、
前記第i組の画素は前記複数組の画素の何れか1組の画素であり、前記第1階調と前記第2階調は異なっており、iは正の整数である。
【0016】
例えば、前記装置は、前記表示パネルにおいて表示に異常が生じた画素組の総組数を集計する集計回路と、前記総組数が所定組数値より大きい場合、前記表示パネルに表示異常が生じたと特定する第2特定回路と、をさらに含む。
【0017】
例えば、前記装置は、前記第1電流値が第2電流範囲内でない場合、前記表示パネルに表示欠陥が生じたと特定する第3特定回路をさらに含み、前記第1電流範囲は、前記第2電流範囲内にある。
【0018】
例えば、前記第3特定回路は、前記第1電流値が第2電流範囲内でない場合、前記表示パネルの表示画像を採集し、及び、前記表示画像において表示暗線または表示輝線が生じた場合、前記表示パネルに前記表示欠陥が生じたと特定する。
【0019】
例えば、前記制御回路は、さらに、前記表示パネルでの複数組の画素を前記第2階調で表示させるように制御する。前記検出回路は、さらに、前記表示パネルから出力される第2電流値を検出する。
【0020】
例えば、前記制御回路は、さらに、前記表示パネルでの複数組の画素を第1階調で表示させるように制御する。前記検出回路は、さらに、前記表示パネルから出力される第3電流値を検出する。
【0021】
例えば、前記装置は、前記第2電流値と前記第3電流値に基づいて、前記第1電流範囲を特定する第4特定回路をさらに含む。
【0022】
例えば、前記第4特定回路は、前記第2電流値と前記第3電流値に基づいて、電流式によって所定電流基準値を特定して、前記所定電流基準値によって前記第1電流範囲を特定し、前記電流式は、I=(I3-I2)/nであり、そのうち、前記nは、前記表示パネルでの画素組の総組数である。
【0023】
例えば、前記第1電流値範囲は、その上限値がI×k1+I2であり、その下限値がI×k2+I2であり、k1とk2は所定の電流係数であり、且つk1はk2より大きく、k2は0より大きい。
【0024】
本開示の三つの方面によれば、表示パネルを検出するためのシステムを提供した。前記システムは、上記した表示パネルを検出するための装置を含む。
【0025】
例えば、前記装置は、信号発生部と、電流検出計と、設定回路と、データ比較回路と、画像採集装置と、メモリと、再検査回路と、補償回路と、をさらに含む。
【0026】
本開示の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明するが、勿論、以下の説明における図面は本開示の一部の実施例に関するものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1-1】本開示の実施例による表示パネルの検出システムの構造模式図である。
図1-2】本開示の実施例による表示パネルの検出方法のフローチャートである。
図2】本開示の実施例による別の表示パネルの検出方法のフローチャートである。
図3】本開示の実施例による第1電流範囲を特定する方法のフローチャートである。
図4-1】本開示の実施例による表示パネルの表示画像の模式図である。
図4-2】本開示の実施例による別の表示パネルの表示画像の模式図である。
図4-3】本開示の実施例によるまた別の表示パネルの表示画像の模式図である。
図4-4】本開示の実施例によるさらに別の表示パネルの表示画像の模式図である。
図4-5】本開示の別の実施例による表示パネルの表示画像の模式図である。
図4-6】本開示の別の実施例による別の表示パネルの表示画像の模式図である。
図4-7】本開示の別の実施例によるまた別の表示パネルの表示画像の模式図である。
図4-8】本開示の別の実施例によるさらに別の表示パネルの表示画像の模式図である。
図5-1】本開示の実施例による複数列の画素での各列の画素の点灯電流値の模式図である。
図5-2】本開示の実施例による一部列の画素での各列の画素の点灯電流値の模式図である。
図6-1】本開示の実施例による表示パネルの検出装置の構造模式図である。
図6-2】本開示の実施例による別の表示パネルの検出装置の構造模式図である。
図6-3】本開示の実施例によるまた別の表示パネルの検出装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本開示の実施形態の目的、技術案及び利点をさらに明確にするように、以下、本開示の実施形態の図面を参照しながら、本開示の実施形態の技術案を明瞭且つ完全に説明する。勿論、説明される実施形態は、本開示の実施形態の一部であり、全ての実施形態ではない。説明される本開示の実施形態に基づき、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる全ての他の実施形態は、いずれも本開示の保護範囲に入る。
【0029】
特別に定義しない限り、本開示に使われる技術用語または科学用語は本開示の所属分野における一般の従業者が理解できる通常の意味である。本開示に使われる「第1」、「第2」及び類似する用語は、異なる構成要素を区別するためのものに過ぎず、順番、数量または重要度を示すものではない。「含む」または「備える」等の類似する用語は、該用語の前に記載された素子または部品が該用語の後に挙げられる素子または部品及びそれらと同等のものをカバーするが、ほかの素子または物体を排除しないことを意味する。「接続」または「繋げる」等の類似する用語は、物理的または機械的な接続に制限されるものではなく、直接的に接続されるか間接的に接続されるかを問わず、電気的な接続を含むこともできる。「上」、「下」、「左」、「右」等は単に相対位置関係を意味するものであり、説明される対象の絶対位置関係が変わると、当該相対位置関係もそれにつれて変わる可能性がある。
【0030】
表示パネルの製造工程において、エキシマレーザアニール(英語:Excimer Laser Annealing、略称:ELA)や現像等の設備によるプロセス特徴、及び表示パネルの回路駆動方式によって、表示パネルには、縦方向/横方向に延びるストライプ状の表示ムラ(英語:Mura)や周期性のムラ等の表示異常(すなわち、Mura類NG)が生じる可能性がある。これらの表示異常は、一般的には、表示の駆動回路の特性差異または駆動電流の微小な差異によるものである。このような表示異常は、表示パネルでの対応する面積が小さく、異常の発生が周期性を有し、且つ異常が生じない部分との差異が小さいであるため、画像処理の方法でそれを検出する場合において、画像を採集する環境には高い要求があり、検出アルゴリズムが複雑で、且つ、機能の高い画像プロセッサ及びサーバーが必要とされる。それにより、従来の検出方法は、占有された設備の資源が多く、効率が低く、且つ検出精度が解像度に制限される等の欠点を有する。人工の方法で表示異常を検出する場合、多く人力を尽くし、且つ基準の統一が難しくなり、表示パネルに対する品質の制御に寄与しない。
【0031】
上記の課題に対して、本開示の実施例は表示パネルの検出システムを提供する。該システムは、表示パネルの生産工程において表示パネルの輝度均一性を検出する。図1-1に示されるように、該表示パネルの検出システムは、信号発生部aと、高精度電流計bと、設定回路cと、データ比較回路dと、カメラeと、メモリfと、再検査回路gと、補償回路hと、表示パネルiとを含む。信号発生部aは、表示パネルに電源及び信号生成源を供給する。高精度電流計bは、別の電流検出計に代替することも可能であり、表示パネルでの各パターンに対応する電流値を記録して該電流値をデータ比較回路に入力する。設定回路cは、実用上な要求や表示パネルの製品特徴によって所定電流値範囲を特定することができる。データ比較回路dは、検出電流に対してデータ処理を行い、所定電流値範囲に応じて表示パネルの輝度を判断する。補償回路hは、表示パネルに表示異常が生じた場合、補償アルゴリズムを生成して表示パネルに書き込む。カメラeは、別の画像採集装置に代替することも可能であり、再検査し確認するように、輝度異常の疑いがある表示パネルを撮影して、写真をメモリfに送信する。メモリfは、例えば写真メモリであり、写真を記憶する。再検査回路gは、ディスプレーによりユーザーに写真を提供し再検査する、または、写真処理システムにより輝度が均一であるかを判定し、その結果をユーザーにフィードバックする。表示パネルiは、複数組の画素を含んでもよい。例えば、該複数組の画素での各組の画素は、一行の画素または一列の画素であってもよい。例えば、該表示パネルiは、電流駆動式のものであり、電流の変化に敏感である。例えば、該表示パネルは、一定の電流で駆動する活性マトリクス有機発光ダイオード(英語:Active matrix organic light emitting diode、略称:AMOLED)等の有機発光ダイオード(英語:Organic Light-Emitting Diode、略称:OLED)であるものであってもよい。カメラeは、電荷結合素子(英語:Charge Coupled Device、略称:CCD)のものであってもよい。
【0032】
図1-2は本開示の実施例による表示パネルの検出方法のフローチャートである。この方法は、図1-1に示される表示パネルの検出システムに適用することができる。図1-2に示されるように、この方法は以下のステップを含む。
【0033】
ステップ101:複数組の画素を逐次的に第1階調で表示させ、且つ第i組の画素が第1階調で表示する際に、複数組の画素のうち、第i組の画素以外の他組の画素を第2階調で表示させるように制御する。
【0034】
そのうち、第i組の画素は複数組の画素の何れか1組の画素であり、iは、正の整数であり、且つ、iは、表示パネルでの全ての画素組の総組数の以下である。例えば、表示パネルがN組の画素を含むと、iがN以下の正の整数である。該第1階調と第2階調は、異なっており、且つ、実際な要求や表示パネルの製品特徴に応じて特定することも可能であり、例えば、第1階調は128または255であってもよく、第2階調は0であってよい。
【0035】
ステップ102:第i組の画素が第1階調で表示する過程において、表示パネルから出力される第1電流値を検出する。
【0036】
ステップ103:第1電流値が第1電流範囲内でない場合、第i組の画素の表示に異常が生じたと特定する。
【0037】
以上のように、本開示の実施例による表示パネルの検出方法は、複数組の画素を逐次的に第1階調で表示させるように制御し、第i組の画素が第1階調で表示する過程において表示パネルから出力される第1電流値を検出し、第1電流値が第1電流範囲内でない場合に第i組の画素の表示に異常が生じたと特定する。この方法は、表示パネルが電流に敏感であるという特性を利用して表示パネルにおける表示異常を検出し、この方法は、従来技術に比べて、画像の解像度に制限されないため、カメラで採集された画像の解像度に制限があることによって検出精度も制限される問題点を回避でき、表示パネルの検出方法の精度を高めることができる。
【0038】
図2は本開示の実施例による別の表示パネルの検出方法のフローチャートである。図2に示されるように、この方法は以下のステップを含む。
【0039】
ステップ201:表示パネルでの複数組の画素を第2階調で表示させるように制御する。
【0040】
表示パネルを検出する時、まず、表示パネルを信号発生部a(PG)に接続し、その信号発生部が電源及び表示時の信号源を表示パネルに供給するようになり、そして、表示パネルでの全ての画素のいずれをも第2階調で表示させるように制御して、表示パネルから出力される電流の電流値を取得する。
【0041】
例示的に、仮に第2階調が0であると、表示パネルでの複数組の画素のいずれをも第2階調0で表示させるように制御することができ、このとき、表示パネルは黒画面を表示する。
【0042】
ステップ202:表示パネルから出力される電流の第2電流値を検出する。
【0043】
信号発生部が表示パネルでの複数組の画素のいずれをも第2階調で表示させるように制御するとき、表示パネルから出力される電流の電流値が第2電流値となり、該第2電流値は、所定電流値の範囲を特定する時の参照電流値と使用されてもよい。例えば、高精度電流計bを用いて表示パネルから出力される電流の第2電流値を検出し、該電流値をメモリに記録して使用に備える。
【0044】
例示的に、仮に表示パネルの複数組の画素のいずれをも第2階調0で表示させるように制御するとき、高精度電流計によって検出された、表示パネルから出力される電流の第2電流値は、100マイクロアンペア(μA)である。
【0045】
ステップ203:表示パネルでの複数組の画素を第1階調で表示させるように制御する。
【0046】
表示パネルでの複数組の画素のいずれも第1階調で表示するとき、表示パネルから出力される電流の電流値は、所定電流値の範囲を特定するときの参照電流値と使用されてもよい。例示的に、仮に第1階調は255であると、表示パネルでの複数組の画素のいずれをも第1階調255で表示させるように制御することができ、このとき、表示パネルは白画面を表示する。
【0047】
ステップ204:表示パネルから出力される第3電流値を検出する。
【0048】
信号発生部が表示パネルでの複数組の画素のいずれをも第1階調で表示させるようにを制御するとき、表示パネルに出力される電流の電流値が第3電流値となり、該第3電流値は、所定電流値の範囲を特定するときの参照電流値と使用されてもよい。例示的に、仮に表示パネルでの複数組の画素のいずれをも第1階調255で表示させるように制御するとき、高精度電流計bによって検出された、表示パネルから出力される第3電流値は、500マイクロアンペアである。
【0049】
ステップ205:第2電流値と第3電流値に基づいて、所定電流値の範囲を特定する。
【0050】
例えば、適用場面によっては、表示パネルの輝度均一性に対する要求が異なるため、設定回路cは、実際な要求や表示パネルの製品特徴に応じて該所定電流値の範囲を特定することができる。本開示の実施例において、該所定電流値の範囲は、表示において僅かな表示ムラのような表示異常が生じたことによって特定される第1電流値範囲と、表示パネルにおける表示モジュールに大きな表示ムラのような表示欠陥が生じたことによって特定される第2電流値範囲とを含んでもよく、該表示欠陥は、表示時の表示暗線または表示輝線が生じる(すなわち、X-Lineが生じる)ように現れてもよく、このため、第1電流値範囲は第2電流値範囲内にあってもよい。
【0051】
例えば、図3に示されるように、第2電流値と第3電流値に基づいて所定電流値の範囲を特定する過程は、以下のステップを含む。
【0052】
ステップ2051:第2電流値I2と第3電流値I3に基づいて、電流式によって所定電流基準値Iを特定する。
【0053】
そのうち、電流式はI=(I3-I2)/nであり、nは表示パネルにおける全ての画素組の総組数である。
【0054】
例示的に、仮に第2電流値はI2=100μAで、第3電流値はI3=500μAで、表示パネルに合計800列の画素があり、つまり、表示パネルにおける全ての画素組の総組数はn=800である場合、所定電流基準値はI=(I3-I2)/n=(500μA-100μA)/800=0.5μAである。
【0055】
ステップ2052:所定電流基準値によって所定電流値範囲を特定する。
【0056】
例えば、第1電流値範囲は、その上限値がI×k1+I2であってもよく、その下限値がI×k2+I2であってもよく、そのうち、k1とk2は所定の電流係数であり、且つk1はk2より大きく、k2は0より大きい。例えば、k1は1.03であってもよく、k2は0.97であってもよく、つまり、第1電流値範囲にとって、その上限値がI×1.03+I2であってもよく、その下限値がI×0.97+I2であってもよい。
【0057】
第2電流値範囲は、その上限値がI×k3+I2であり、その下限値がI×k4+I2であり、そのうち、k3とk4は所定の電流係数であり、且つk3はk1より大きく、k2はk4より大きく、k4は0より大きい。例えば、k3は1.1であってもよく、k4は0.9であってもよく、つまり、第2電流値範囲にとって、その上限値がI×1.10+I2であってもよく、その下限値がI×0.9+I2であってもよい。
【0058】
例示的に、仮に第2電流値がI2=100μAであり、所定電流基準値がI=0.5μAであるとすると、設定回路cによって特定された第1電流値範囲は、その上限値がI×1.03+I2=0.515μA+100μA=100.515μAで、その下限値がI×0.97+I2=0.485μA+100μA=100.485μAであり、つまり、第1電流値範囲は[100.485μA、100.515μA]であり、第2電流値範囲は、その上限値がI×1.10+I2=0.55μA+100μA=100.55μAで、その下限値がI×0.9+I2=0.45μA+100μA=100.45μAであり、つまり、第2電流値範囲は[100.45μA、100.55μA]である。
【0059】
ステップ206:複数組の画素を逐次的に第1階調で表示させ、且つ、第i組の画素が第1階調で表示する際に、複数組の画素のうち、第i組の画素以外の他組の画素を第2階調で表示させるように制御する。
【0060】
複数組の画素を逐次的に第1階調で表示させるように制御するとは、複数組の画素での各組の画素を順番に第1階調で表示させ、且つ、ある組の画素が第1階調で表示する際に、該組の画素での全ての画素のいずれをも第1階調で表示させ、同時に、複数組の画素のうち、該組の画素以外の他組の画素のいずれをも第2階調で表示させるように制御する。
【0061】
例示的に、仮に、第1階調は255で、第2階調は0であるとすると、複数組の画素での各組の画素を順番に第1階調255で表示させ、且つ、ある組の画素が第1階調255で表示する際に、該組の画素での全ての画素のいずれをも第1階調255で表示させ、同時に、複数組の画素のうち、該組の画素以外の他組の画素のいずれをも第2階調0で表示させるように制御することができる。
【0062】
図4-1、図4-2、図4-3、及び図4-4を参照すると、図4-1は第10列の画素が第1階調255で表示する際に他列の画素が第2階調0で表示する表示画像であり、図4-2は第20列の画素が第1階調255で表示する際に他列の画素が第2階調0で表示する表示画像であり、図4-3は第30列の画素が第1階調255で表示する際に他列の画素が第2階調0で表示する表示画像であり、図4-4は第n列の画素が第1階調255で表示する際に他列の画素が第2階調0で表示する表示画像であり、そのうち、PGは表示パネルへ信号を印加する信号発生部であり、Aは表示パネルから出力される電流を検出する高精度電流計である。図4-1、図4-2、図4-3、及び図4-4から分かるように、第1階調255で表示する画素列に表示される画像は、表示パネルの表示画像において白色であり、第2階調0で表示する他画素列に表示される画像は、表示パネルの表示画像において黒色である。
【0063】
図4-5、図4-6、図4-7、及び図4-8を参照すると、図4-5は第10行の画素が第1階調255で表示する際に他行の画素が第2階調0で表示する表示画像であり、図4-6は第20行の画素が第1階調255で表示する際に他行の画素が第2階調0で表示する表示画像であり、図4-7は第30行の画素が第1階調255で表示する際に他行の画素が第2階調0で表示する表示画像であり、図4-4は第m行の画素が第1階調255で表示する際に他行の画素が第2階調0で表示する表示画像である。
【0064】
ステップ207:第i組の画素が第1階調で表示する過程において、表示パネルから出力される第1電流値を検出する。
【0065】
表示パネルは、電流駆動式のものであり、電流に敏感であるため、第i組の画素が第1階調で表示する時、高精度電流計bで表示パネルから出力される第1電流値を検出して、この第1電流値を所定電流範囲と比較することができ、これにより、第i組の画素の表示に異常が生じたか否か、または表示パネルに表示欠陥が生じたか否かを特定する。
【0066】
なお、ステップ205はステップ207の後に実行されてもよく、このとき、所定電流基準値Iを特定する別の方式としては、第1電流値I1と第3電流値I3に基づき、I=(I3-I2)/(n-1)によって実現できる。例示的に、仮に第1列の画素が第1階調で表示する時、検出された第1電流値がI1=101μAであり、第3電流値はI3=500μAであり、表示パネルでの画素組の全ての総組数がn=800であるとすると、所定電流基準値はI=(I3-I2)/(n-1)=I=(500μA-101μA)/(800-1)=0.499μAである。
【0067】
ステップ208:第1電流値が所定電流値範囲内にあるか否かを判断する。
【0068】
第i組の画素が第1階調で表示する時、他組の画素のいずれも第2階調で表示するため、該第i組の画素の輝度値のみが変わり、且つ、該組の画素の表示が正常であれば、該第1電流値は第2電流値と第3電流値を基準とする所定電流値範囲内にあるべきであり、且つ、第1電流範囲は表示に表示異常が生じたことによって特定される電流値範囲であり、第2電流値範囲は表示パネルの表示モジュールに表示欠陥が生じたことによって特定される電流値範囲である。これにより、第i組の画素の表示に異常が生じたか否かを判断しようとすると、図1-1に示されるシステムのデータ比較回路dを用いて第1電流値と第1電流範囲を比較し、表示パネルに表示欠陥が生じたか否かを判断しようとすると、図1-1に示されるシステムのデータ比較回路dを用いて第1電流値と第2電流範囲を比較する。
【0069】
第1電流値が第1電流範囲内でない場合、該第i組の画素の表示が不正常であることを意味し、つまり、該第i組の画素の表示に異常が生じたと特定することができ、つまり、ステップ209を実行する。第1電流値が第1電流範囲内にある場合、該第i組の画素の表示が正常であることを意味し、つまり、該第i組の画素の表示に異常がないため、すると、次の組の画素の検出を継続する。
【0070】
第1電流値が第2電流範囲内にある場合、表示パネルに表示欠陥がないことを意味する。第1電流値が第2電流範囲内でない場合、表示パネルに表示欠陥が生じる可能性があり、このとき、表示パネルに表示欠陥が生じたか否かをさらに特定するために、表示パネルに表示される画像を再検査する必要があり、つまり、ステップ212を実行する。
【0071】
第1電流値が第2電流範囲内にあることについては、実用上、第1電流値が第1電流範囲内でない場合、第1電流値が第2電流範囲内にある可能性があるため、第1電流値が第1電流範囲内でないと特定された後に、さらに、第1電流値が第2電流範囲内にあるか否かを判断することで、表示パネルに表示欠陥が生じたかを判断してもよい。
【0072】
ステップ209:第1電流値が第1電流範囲内でない場合、第i組の画素の表示に異常が生じたと特定する。
【0073】
第1電流値が第1電流範囲内でないとは、第1電流値が第2電流値と第3電流値を基準とする第1電流値範囲を超えたことを意味し、つまり、第i組の画素の表示に異常が生じたことを意味する。
【0074】
例示的に、仮に第1電流範囲が[100.485μA、100.515μA]であり、第i組の画素が第1階調で表示する過程において、検出された表示パネルから出力される第1電流値が101μAであると、該第1電流値が第1電流範囲[100.485μA、100.515μA]内でないので、第i組の画素の表示に異常が生じたと特定することができる。
【0075】
ステップ210:表示パネルにおける表示に異常が生じた画素組の総組数を集計する。
【0076】
第1電流範囲は、画素組に僅かな表示ムラのような表示異常が生じたことに対応する電流値範囲であるため、その個別画素組に表示異常が生じたとしても、表示パネルへの影響が小さく、つまり、該画素組に生じた表示異常による表示パネルの表示効果への影響が無視されてもよい。しかしながら、表示パネルに十分な画素組に表示異常が生じると、表示パネルの表示効果への影響が大きくなり、つまり、表示パネルに表示異常が生じる。そのため、表示パネルでの表示異常の生じた画素組の総組数を集計する必要があり、この総組数に基づいて表示パネルに表示異常が生じたか否かを特定する。
【0077】
ステップ211:総組数が所定組数値より大きい場合、表示パネルに表示異常が生じたと特定する。
【0078】
そのうち、所定組数値は、実際な要求や表示パネルの製品特徴によって特定された組数閾値であり、例えば、5であってもよい。
【0079】
総組数が所定組数値より大きい場合、表示異常の生じた複数組の画素による、表示パネルの表示効果への影響は、無視されることができなくなり、その影響が大きくなり、このとき、表示パネルに表示異常が生じたと特定することができる。総組数が所定組数値の以下である場合、表示異常の生じた複数組の画素による、表示パネルの表示効果への影響は、無視されることができ、表示パネルに表示異常がないと特定することができ、そして、次の表示パネルに対する検出を継続する。
【0080】
例示的に、仮に所定組数値が5であり、表示パネルに表示異常の生じた画素組の総組数が10であると、表示パネルに表示異常が生じたと特定することができる。
【0081】
ステップ212:第1電流値が第2電流範囲内でない場合、表示パネルの表示画像を採集する。
【0082】
第1電流値が第2電流範囲内でない場合、表示パネルに表示欠陥が生じる可能性があるが、さらに、表示パネルに表示欠陥が生じたか否かを特定するために、表示パネルの表示画像を再検査する必要がある。例えば、第i組の画素が第1階調で表示する過程において、カメラeで表示パネルの表示画像を採集して、採集された表示画像をメモリfに記録してもよく、その採集された表示画像は、図4-1、図4-2、図4-3及び図4-4を参照する。
【0083】
実用上に、第1電流値を所定電流値範囲と比較する過程は、以下の通りであってもよい。第1電流値と第2電流値の差(この差は、一組の画素の点灯電流値も呼ばれる)を、対応する所定電流値範囲と比較する。対応する所定電流値範囲は、対応する第1電流範囲と、対応する第2電流範囲とを含んでもよく、対応する第1電流範囲は[I×0.97、I×1.03]であり、対応する第2電流範囲は[I×0.9、I×1.1]である。
【0084】
一組の画素の点灯電流値が、対応する第1電流範囲内でない場合、第i組の画素の表示に異常が生じたと特定し、一組の画素の点灯電流値が、対応する第1電流範囲内にある場合、第i組の画素の表示に異常がないと特定する。
【0085】
一組の画素の点灯電流値が、対応する第2電流範囲内でない場合、表示パネルに表示欠陥が生じたと特定し、一組の画素の点灯電流値が、対応する第2電流範囲内にある場合、表示パネルに表示欠陥がないと特定する。
【0086】
例示的に、図5-1を参照すると、図5-1は、複数列の画素での各列の画素の点灯電流値の模式図であり、その横軸は画素の列数であり、縦軸は電流値であり、単位はμAである。図5-1からわかるように、第270列の画素、第478列の画素、及び第548列の画素は、その電流値の変動が大きいので、その表示に異常が生じたと特定することができる。図5-2を参照すると、図5-2は、表示パネルにおける一部の列の画素での各列の画素の点灯電流値の模式図であり、その横軸は画素の列数であり、縦軸は電流値であり、単位はμAである。図5-2における画素列の一列の画素の点灯電流値は、周期的に異常が生じるので、この表示パネルに周期性Muraがあると特定することができる。
【0087】
ステップ213:表示画像に表示暗線または表示輝線が生じたか否かを判断する。
【0088】
表示パネルの表示画像を再検査することについては、主に、再検査回路gによって表示画像に表示暗線または表示輝線が生じたか否かを検出する。その再検査の方式は、人の目で表示画像を観察して表示画像に表示暗線または表示輝線が生じたか否かを判断してもよく、または、画像処理の方法で再検査して、表示画像での画素点の画素値に顕著な異常が生じたか否かを検出してもよい。
【0089】
具体的に、人の目で表示画像を観察することによって再検査する場合、人の目が表示画像において表示暗線または表示輝線を見えると、表示画像に表示暗線または表示輝線が生じたと特定し、このとき、ステップ214を実行する。画像処理の方法で再検査する場合、電気テスト(英語:Cell Test)の画像処理システムを用いて再検査しもよく、その方法は、表示画像における画素点の輝度値を取得し、画素点の輝度値を、表示暗線に対応する輝度閾値または表示輝線に対応する輝度閾値と比較して、ある行またはある列の画素点の輝度値のいずれも表示暗線に対応する輝度閾値より小さい場合、表示画像に表示暗線が生じたと特定し、このとき、ステップ214を実行する。ある行またはある列の画素点の輝度値のいずれも表示輝線に対応する輝度閾値より大きい場合、表示画像に表示輝線が生じたと特定し、このとき、ステップ214を実行する。
【0090】
例示的に、仮に表示画像でのある列の画素点の輝度値のいずれも255であり、表示輝線に対応する輝度閾値が128であるとすると、該列の画素点の輝度値のいずれも表示輝線に対応する輝度閾値より大きいため、表示画像に表示輝線が生じたと特定することができ、ステップ214を実行する。
【0091】
ステップ214:表示画像に表示暗線または表示輝線が生じた場合、表示パネルに表示欠陥が生じたと特定する。
【0092】
第1電流値が第2電流範囲内でなく、且つ、再検査によって、表示パネルに表示される画像において表示暗線または表示輝線が生じたと特定する場合、表示パネルに表示欠陥が生じたと特定する。このとき、表示パネルにおける表示モジュールを新たに作製する、または、該表示パネルを廃棄処理する。
【0093】
上記の内容では、表示パネルの検出方法の具体的な実施過程について説明する際に、各組の画素が一列の画素であることを例にして説明するが、各組の画素が一行の画素である場合、その実施過程は、上記に記載されるものを参照すればよい。また、実用上には、表示パネルを検出するとき、各組の画素を一列の画素として表示パネルの全体の複数組の画素に対して一列ずつ検出を行ってもよく、または、各組の画素が一行の画素を単位とし、表示パネルの全体の複数組の画素に対して一行ずつ検出を行ってもよく、または、検出の精度をさらに高めるために、まず各組の画素が一列の画素を単位とし、表示パネルの全体の複数組の画素に対して一列ずつ検出を行い、その後に、各組の画素が一行の画素を単位とし、表示パネルの全体の複数組の画素に対して一行ずつ検出を行ってもよく、または、まず各組の画素が一行の画素を単位とし、表示パネルの全体の複数組の画素に対して一行ずつ検出を行い、その後に、各組の画素が一列の画素を単位とし、表示パネルの全体の複数組の画素に対して一列ずつ検出を行ってもよい。
【0094】
なお、第1電流値が第1電流範囲内でなく、且つ第1電流値が第2電流範囲内にある場合、または、第1電流値が第2電流範囲内でなく、且つ再検査によって表示パネルに表示される画像において表示暗線または表示輝線がないと特定する場合、補償回路hは、画素組に表示異常が生じる具体状況によって、対応する画素組のために補償アルゴリズムを生成し、且つ、補償アルゴリズムを表示パネルに書き込み、生じた表示異常に対して補償を行うことで、該表示異常による表示への影響を排除または減少させる。また、補償後の表示パネルに表示異常や表示欠陥が再度生じないことを確保するために、上記検出方法で補償後の表示パネルを検出してもよい。
【0095】
以上のように、本開示の実施例による表示パネルの検出方法は、複数組の画素を逐次的に第1階調で表示させるように制御し、第i組の画素が第1階調で表示する過程において表示パネルから出力される第1電流値を検出し、第1電流値が第1電流範囲内でない場合に第i組の画素の表示に異常が生じたと特定する。この方法は、表示パネルが電流に敏感であるという特性を利用して表示パネルにおける表示異常を検出し、この方法は、従来技術に比べて、画像の解像度に制限されなく、カメラで採集された画像の解像度に制限があることによって検出精度も制限されるという問題点を回避でき、表示パネルの検出方法の精度を高めることができる。また、この検出方法は、容易に実現され、占有された設備の資源が少なく、表示パネルを検出するための検出コストを低減させると共に、表示パネルの表示モジュールにおける表示欠陥を検出することができるため、表示パネルの出荷前の最終的な検出ステップに適用することができ、これにより使用範囲が拡大される。
【0096】
なお、本開示の実施例による表示パネルの検出方法は、各ステップの先後順番が適宜調整可能であり、状況に応じてステップを増減してもよい。当業者にとって本開示に開示された範囲を基づいて容易に得られる変更は、いずれも本開示の保護範囲に入り、ここで説明を省略する。
【0097】
本開示の実施例は、表示パネルの検出装置を提供する。表示パネルは、複数組の画素を含み、そのうち、各組の画素は一列の画素または一行の画素である。図6-1に示されるように、この装置600は、制御回路601と、検出回路602と、第1特定回路603とを含む。
【0098】
制御回路601は、複数組の画素での各組の画素を逐次的に第1階調で表示させ、且つ、第i組の画素が第1階調で表示する際に、複数組の画素のうち、第i組の画素以外のその他組の画素を第2階調で表示させるように制御する。そのうち、第i組の画素は複数組の画素の何れか1組の画素であり、第1階調と第2階調は異なり、iは正の整数である。例示的に、この制御回路は、図1-1に示される信号発生部aであってもよい。
【0099】
検出回路602は、第i組の画素が第1階調で表示する過程において、表示パネルから出力される第1電流値を検出する。例示的に、この検出回路は、図1-1に示される高精度電流計bであってもよい。
【0100】
第1特定回路603は、第1電流値が第1電流範囲内でない場合、第i組の画素の表示に異常が生じたと特定する。
【0101】
例えば、図6-2に示されるように、装置600は、集計回路604と、第2特定回路605とをさらに含んでもよい。
【0102】
集計回路604は、表示パネルにおいて表示に異常が生じた画素組の総組数を集計する。
【0103】
第2特定回路605は、総組数が所定組数値より大きい場合、表示パネルに表示異常が生じたと特定する。
【0104】
例えば、図6-3に示されるように、装置600は、第3特定回路606をさらに含んでもよい。
【0105】
第3特定回路606は、第1電流値が第2電流範囲内でない場合、表示パネルに表示欠陥が生じたと特定し、そのうち、第1電流範囲が第2電流範囲内にある。例示的に、図1-1に示されるデータ比較回路dは、第1特定回路、集計回路及び第2特定回路の動作を実行することができる。また、データ比較回路dは、第3特定回路606によって表示パネルに表示欠陥が生じたと特定する動作を実行することもできる。
【0106】
例えば、第3特定回路606は、具体的に、以下に用いられる。
【0107】
第1電流値が第2電流範囲内でない場合、表示パネルの表示画像を採集して、採集された画像をメモリの所定位置に記録して使用に備える。例示的に、図1-1に示されるカメラeは、表示パネルの表示画像を採集する動作を実行することができる。
【0108】
表示画像に表示暗線または表示輝線が生じたか否かを検出し、表示画像に表示暗線または表示輝線が生じた場合、表示パネルに表示欠陥が生じたと特定する。例示的に、図1-1に示される再検査回路gは、この動作を実行することができる。
【0109】
例えば、制御回路601は、さらに、表示パネルにおける複数組の画素を第2階調で表示させるように制御する。
【0110】
検出回路602は、さらに、表示パネルから出力される第2電流値を検出する。
【0111】
制御回路601は、さらに、表示パネルにおける複数組の画素を第1階調で表示させるように制御する。
【0112】
検出回路602は、さらに、表示パネルから出力される第3電流値を検出する。
【0113】
例えば、図6-2または図6-3に示されるように、装置600は、第4特定回路607をさらに含んでもよい。第4特定回路607は、第2電流値と第3電流値に基づいて第1電流範囲を特定する。例示的に、この第4特定回路は、図1-1に示される設定回路cであってもよい。
【0114】
例えば、第4特定回路607は、具体的に、以下に用いられる。
【0115】
第2電流値I2と第3電流値I3に基づいて、電流式によって所定電流基準値Iを特定する。
【0116】
電流式は、I=(I3-I2)/nであり、そのうち、nは表示パネルにおける全ての画素組の総組数である。
【0117】
所定電流基準値によって第1電流値範囲を特定する。
【0118】
例えば、第1電流値範囲は、所定電流基準値の0.97倍から1.03倍までであってもよい。
【0119】
なお、この装置は、補償回路をさらに含んでもよい。補償回路は、第1電流値が第1電流範囲内でなく、且つ第2電流範囲内にある場合、または、第1電流値が第2電流範囲内でなく、且つ再検査によって表示パネルに表示される画像において表示暗線または表示輝線がないと特定する場合、画素組に表示異常が生じる具体状況によって、対応する画素組のために補償アルゴリズムを生成し、且つ、補償アルゴリズムを表示パネルに書き込み、これにより生じた表示異常に対して補償を行って、該表示異常による表示への影響を排除または減少させる。
【0120】
以上のように、本開示の実施例による表示パネルの検出装置は、制御回路によって複数組の画素を逐次的に第1階調で表示させるように制御し、第i組の画素が第1階調で表示する過程において、検出回路によって表示パネルから出力される第1電流値を検出し、第1電流値が第1電流範囲内でない場合に、第1特定回路によって第i組の画素の表示に異常が生じたと特定する。この方法は、表示パネルが電流に敏感であるという特性を利用して表示パネルにおける表示異常を検出し、この方法は、従来技術に比べて、画像の解像度に制限されなく、カメラで採集した画像の解像度に制限があることによって検出精度も制限されるという問題点を回避でき、表示パネルの検出方法の精度を高めることができる。
【0121】
説明便宜上、上記の装置及び回路の具体的な動作過程は、前記方法実施例の対応する過程を参照すればよい。これは、当業者にとって自明である。ここで説明を省略する。
【0122】
本開示の実施例は、表示パネルの検出システムを提供する。このシステムは、図6-1~図6-3のいずれの1項に示される表示パネルの検出装置を含んでもよく、そのシステムの構造模式図は図1-1に示される表示パネルの検出システムを参照する。
【0123】
当業者にとって、本開示の実施例を、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として提供できることが理解すべきである。このため、本開示は、全体ハードウェア実施例、全体ソフトウェア実施例、またはソフトウェアとハードウェアとを組み合わせた実施例などの形態を採用してもよい。また、本開示は、1つまたは複数の、コンピュータ使用可能なプログラムコードが含まれたコンピュータ使用可能な記憶媒体(ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリ等を含むがこれらに限定されない)上に実施されたコンピュータプログラム製品の形態を採用してもよい。
【0124】
本開示は、本開示の実施例による方法、設備(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/またはブロック図を参照して記述した。コンピュータプログラム指令によって、フローチャート及び/またはブロック図における各ステップ及び/またはブロック、及びフローチャート及び/またはブロック図におけるステップ及び/またはブロックとの組み合わせを実現することを理解すべきである。これらのコンピュータプログラム指令を、汎用コンピュータや専用コンピュータや埋め込み型プロセッサー、又は他のプログラマブルデータ処理設備のプロセッサーに提供して、一つの機器を生産することで、コンピュータ、或は他のプログラマブルデータ処理設備のプロセッサーが実行する指令によって、フローチャートの一つのステッブ或は複数のステップ、及び/又は、ブロック図の一つのブロック或は複数のブロックの中での所定の機能を実現するための設備を生産する。
【0125】
これらコンピュータプログラムの指令は、コンピュータ或は他のプログラマブルデータ処理設備が、特定の形式で動作するように導くことができるコンピュータ読み取り可能記憶装置内に記憶されてもよく、このコンピュータ読み取り可能記憶装置内に記憶されている指令によって、指令設備を備える製品が発生されることになって、この指令設備は、フローチャートの一つのステップ或は複数のステップ、及び/又は、ブロック図の一つのブロック或は複数のブロックでの所定の機能を実現する。
【0126】
これらコンピュータプログラムの指令は、コンピュータ或は他のプログラマブルデータ処理設備に記憶されてもよく、コンピュータ或は他のプログラマブルデータ処理設備で一連の操作ステップを実行して、コンピュータの実現する処理を発生するようにすることで、コンピュータ或は他のプログラマブルデータ処理設備で実行された指令は、フローチャートの一つのステップ或は複数のステップ、及び/又は、ブロック図の一つのブロック或は複数のブロックでの所定の機能を実現するためのステップを提供する。
【0127】
本開示において、次の点に注意する必要がある。
(1)本開示の実施例の図面中、本開示の実施例に関する構造だけが示され、ほかの構造については通常の設計を参照すればよい。
(2)説明の便宜上、本開示の実施例を説明する図面中、層または構造の厚さ及び寸法は拡大される。例えば、層、膜、領域または基板のような素子は別の素子の「上」または「下」に位置すると表現する際、該素子は、別の素子の「上」または「下」に「直接」位置してもよく、または中間素子が介してもよい、ことを理解すべきである。
(3)矛盾がない限り、本開示の同一実施例及び異なる実施例における特徴を互いに組み合わせることができる。
【0128】
以上は、本開示の実施形態の例示に過ぎず、本開示の保護範囲を限定するものではない。本開示の保護範囲は、特許請求の範囲によって決まる。
【0129】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2017年7月26日に提出した中国特許出願第201710619827.4号の優先権を主張し、ここで、上記中国特許出願に開示されている全内容を本開示の例示の一部として引用する。
【符号の説明】
【0130】
a 信号発生部
b 高精度電流計
c 設定回路
d データ比較回路
e カメラ
f メモリ
g 再検査回路
h 補償回路
i 表示パネル
図1-1】
図1-2】
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図4-4】
図4-5】
図4-6】
図4-7】
図4-8】
図5-1】
図5-2】
図6-1】
図6-2】
図6-3】