(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】体動検出装置および体動検出方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/11 20060101AFI20220712BHJP
G08B 21/04 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
A61B5/11 100
G08B21/04
(21)【出願番号】P 2019171053
(22)【出願日】2019-09-20
【審査請求日】2021-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000150707
【氏名又は名称】長野計器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 昇
(72)【発明者】
【氏名】吉池 義弘
(72)【発明者】
【氏名】有賀 大貴
(72)【発明者】
【氏名】橋本 幸一
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-061815(JP,A)
【文献】特開2008-282219(JP,A)
【文献】特開2010-148700(JP,A)
【文献】特開2009-297148(JP,A)
【文献】特開2008-009822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/11
G08B 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の体動に応じて内部圧力が変化する感圧部材と、
前記感圧部材の前記内部圧力を測定する圧力測定器と、
前記被験者を介助する利用者の
手をかざす動作を検知する利用者検知器と、
前記圧力測定器による圧力測定結果に基づいて前記被験者の前記体動の有無を判定する体動判定部と、
前記利用者検知器による検知結果に基づいて、前記利用者の前記
手をかざす動作の有無を判定する利用者判定部と、
前記圧力測定結果および前記利用者判定部による判定結果に基づいて、前記被験者の有無を判定する被験者判定部と、を備え、
前記体動判定部は、前記被験者判定部により前記被験者がいないと判定されると、前記被験者の前記体動の判定を中断
し、
前記被験者判定部は、前記利用者判定部により前記手をかざす動作が検知されたと判定されてから所定の時間以内に、前記圧力測定器により所定の負圧が測定された場合に、前記被験者がいないと判定する
ことを特徴とする体動検出装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の体動検出装置において、
前記利用者検知器は人感センサを備えて構成される
ことを特徴とする体動検出装置。
【請求項3】
請求項1
または請求項
2に記載の体動検出装置において、
前記体動判定部による判定結果に基づいて、警報信号を出力する警報信号出力部と、
前記警報信号を入力して警報を発する警報器と、を備える
ことを特徴とする体動検出装置。
【請求項4】
請求項
3に記載の体動検出装置において、
前記体動判定部、前記利用者判定部、前記被験者判定部、および前記警報信号出力部を備える制御回路と、
前記制御回路および前記警報器を収納するケースと、を備え、
前記警報器は、前記ケースの天面から光を出力させることにより、前記警報を発する
ことを特徴とする体動検出装置。
【請求項5】
被験者の体動に応じて内部圧力が変化する感圧部材と、前記感圧部材の前記内部圧力を測定する圧力測定器と、前記被験者を介助する利用者の
手をかざす動作を検知する利用者検知器と、前記圧力測定器による圧力測定結果に基づいて前記被験者の前記体動の有無を判定する体動判定部と、を備える体動検出装置の体動検出方法であって、
前記利用者検知器による検知結果に基づいて、前記
手をかざす動作の有無を判定するステップと、利用者判定ステップと、
前記圧力測定器により、前記感圧部材の前記内部圧力を測定する圧力測定ステップと、
前記利用者判定ステップおよび前記圧力測定ステップの結果に基づいて、前記被験者の有無を判定する被験者判定ステップと、
前記被験者判定ステップで前記被験者がいないと判定されると、前記体動判定部による前記被験者の前記体動の有無の判定を中断する体動判定中断ステップと、を備え
、
前記被験者判定ステップでは、前記利用者判定ステップで前記手をかざす動作が検知されたと判定されてから所定の時間以内に、前記圧力測定ステップで所定の負圧が測定された場合に、前記被験者がいないと判定する
ことを特徴とする体動検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体動検出装置および体動検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
新生児などの被験者の体動(呼吸)を検出する体動検出装置(無呼吸検出装置)が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1の体動検出装置では、体動を検出する感圧部を備える検出部をマットレスや布団等の下に敷き、被験者による体動を感圧部の圧力変化として捉えることで、被験者の体動を検出可能に構成されている。
【0004】
また、特許文献1では、被験者が検出部上に寝かされているか否かを判定する被験者判定手段を備え、当該被験者判定手段により被験者が検出部上に寝かされていないと判定すると、検出部による体動の検出を中断するよう構成されている。これにより、例えば、被験者が抱き上げられて体動が検出されなくなった場合に、誤って警報を発報してしまうことを防ぐことができるようにしている。
【0005】
ここで、被験者の有無を感圧部の圧力変化で捉えることが考えられる。例えば、被験者が抱き上げられて検出部上からいなくなった場合に、感圧部に作用していた圧力が解放され、感圧部では大きな負圧が検出されるので、この大きな負圧によって被験者の有無を判定することが考えられる。しかし、このような負圧は被験者が寝返りを打った際にも検出されるので、上記のように判定すると誤判定してしまうおそれがある。
【0006】
そのため、特許文献1では、被験者が検出部上からいなくなった場合、感圧部には大きな負圧が発生し、その後、当該負圧が徐々に元の状態に戻ることに着目し、負圧および当該負圧が徐々に戻る圧力変化を検出部にて検出した場合に、被験者判定手段は被験者が検出部上にいないと判定するように構成されている。これにより、特許文献1では、上記した誤判定を防ぐことができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1では、被験者が抱き上げられることで感圧部に大きな負圧が発生した後に、例えば、布団を敷きなおすなどの作業が行われ、当該作業の影響で負圧が徐々に戻る圧力変化が検出部で検出されないことがある。この場合、被験者が検出部上にいないと判定しないので、検出部による体動検出が中断されない。そうすると、被験者がいないのにも関わらず体動検出が中断されないので、体動が検出されなくなったと判定して、誤って警報を発報してしまうといった問題があった。
【0009】
本発明は、被験者の有無を精度良く判定できる体動検出装置および体動検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の体動検出装置は、被験者の体動に応じて内部圧力が変化する感圧部材と、前記感圧部材の前記内部圧力を測定する圧力測定器と、前記被験者を介助する利用者の手をかざす動作を検知する利用者検知器と、前記圧力測定器による圧力測定結果に基づいて前記被験者の前記体動の有無を判定する体動判定部と、前記利用者検知器による検知結果に基づいて、前記利用者の前記手をかざす動作の有無を判定する利用者判定部と、前記圧力測定結果および前記利用者判定部による判定結果に基づいて、前記被験者の有無を判定する被験者判定部と、を備え、前記体動判定部は、前記被験者判定部により前記被験者がいないと判定されると、前記被験者の前記体動の判定を中断し、前記被験者判定部は、前記利用者判定部により前記手をかざす動作が検知されたと判定されてから所定の時間以内に、前記圧力測定器により所定の負圧が測定された場合に、前記被験者がいないと判定することを特徴とする。
【0011】
本発明では、体動検出装置は、感圧部材の内部圧力を測定する圧力測定器と、利用者の所定動作の有無を判定する利用者判定部と、を備える。そして、圧力測定結果および利用者判定部による判定結果に基づいて、被験者の有無を判定する被験者判定部を備える。
これにより、例えば、利用者判定部により利用者の所定動作があったと判定され、かつ、圧力測定器により所定の負圧が測定された場合に、被験者がいないと判定するように被験者判定部を構成することで、負圧が測定された要因を区別することができる。具体的には、利用者の所定動作があったと判定されていれば、利用者が被験者を抱き上げたことによって負圧が測定されたと区別でき、利用者の所定動作がなかったと判定されていれば、寝返りなどによって負圧が測定されたと区別できる。そのため、負圧が徐々に戻る圧力変化を検出しなくても、被験者の有無を精度良く判定できる。したがって、誤って音や光等により警報が発報されてしてしまうことを防止できる。
【0012】
さらに、この構成では、被験者判定部は、利用者の手をかざす動作があったと判定され、かつ、所定の負圧が測定された場合に、被験者がいないと判定する。これにより、例えば、寝返りなどによって負圧が検出されても、その場合は利用者の手をかざす動作があったと判定されないので、被験者がいないと判定しない。そのため、寝返りなどにより誤って被験者がいないと判定することを抑制できる。
【0013】
また、通常、利用者は、手をかざす動作をしてから、所定の時間以内に被験者を抱き上げることから、所定の時間経過後に検知された所定の負圧は、寝返り等によるものである可能性が高い。
この構成では、利用者の手をかざす動作があったと判定されてから所定の時間経過後に所定の負圧が測定されても、被験者判定部は被験者がいないと判定しないので、誤って被験者がいないと判定することを、より確実に抑制できる。
【0014】
本発明の体動検出装置において、前記利用者検知器は人感センサを備えて構成されることが好ましい。
この構成では、利用者検知器は人感センサを備えるので、利用者の手などが触れなくても利用者の所定動作を検知できる。そのため、利用者の手などを衛生に保つことができる。
【0015】
本発明の体動検出装置において、体動判定部による判定結果に基づいて、警報信号を出力する警報信号出力部と、前記警報信号を入力して警報を発する警報器と、を備えることが好ましい。
この構成では、被験者の体動が検知されなくなった場合に、警報器が警報を発するように構成できるので、利用者は、体動が検知されなくなった被験者の状態をより確実に把握できる。
【0016】
本発明の体動検出装置において、前記体動判定部、前記利用者判定部、前記被験者判定部、および前記警報信号出力部を備える制御回路と、前記制御回路および前記警報器を収納するケースと、を備え、前記警報器は、前記ケースの天面から光を出力させることにより、前記警報を発することが好ましい。
この構成では、警報器はケースの天面から光を出力することにより警報を発するので、利用者は、騒音などがある場合においても、警報が発報されたことを容易に把握できる。そのため、利用者は、体動が検知されなくなった被験者の状態をより確実に把握できる。
【0017】
本発明の体動検出方法は、被験者の体動に応じて内部圧力が変化する感圧部材と、前記感圧部材の前記内部圧力を測定する圧力測定器と、前記被験者を介助する利用者の手をかざす動作を検知する利用者検知器と、前記圧力測定器による圧力測定結果に基づいて前記被験者の前記体動の有無を判定する体動判定部と、を備える体動検出装置の体動検出方法であって、前記利用者検知器による検知結果に基づいて、前記手をかざす動作の有無を判定するステップと、利用者判定ステップと、前記圧力測定器により、前記感圧部材の前記内部圧力を測定する圧力測定ステップと、前記利用者判定ステップおよび前記圧力測定ステップの結果に基づいて、前記被験者の有無を判定する被験者判定ステップと、前記被験者判定ステップで前記被験者がいないと判定されると、前記体動判定部による前記被験者の前記体動の有無の判定を中断する体動判定中断ステップと、を備え、前記被験者判定ステップでは、前記利用者判定ステップで前記手をかざす動作が検知されたと判定されてから所定の時間以内に、前記圧力測定ステップで所定の負圧が測定された場合に、前記被験者がいないと判定することを特徴とする。
本発明では、前述と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る体動検出装置の概略を示す模式図。
【
図2】前記実施形態の検出マットの概略を示す分解斜視図。
【
図3】前記実施形態のモニタ装置の概略を示す分解斜視図。
【
図4】前記実施形態のモニタ装置の回路構成の概略を示すブロック図。
【
図5】前記実施形態の体動検出中の圧力変化を示す図。
【
図6】前記実施形態の体動検出方法を説明するフローチャート。
【
図7】被験者が抱き上げられた場合の圧力変動を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の体動検出装置1の概略を示す模式図である。
図1に示すように、体動検出装置1は、検出マット100と、モニタ装置200とを備える。
検出マット100は、例えば、新生児用ベッド等に設置される。そして、通常、検出マット100の上部にはマットレス等が載せられ、当該マットレスの上部に被験者である新生児等が載せられる。なお、検出マット100の詳細については後述する。
【0020】
モニタ装置200は、樹脂等から形成された連結チューブ10によって検出マット100と接続されている。そして、モニタ装置200は、検出マット100の内部で生じた圧力変動を計測可能に構成されている。モニタ装置200の背面側には、装置取付具20が取り付けられている。なお、モニタ装置200の詳細については後述する。
【0021】
装置取付具20は、略長方形の板状に形成された取付具本体部21を有しており、取付具本体部21には、長手方向に沿って開口22が中央部に設けられている。そして、取付具本体部21は、長手方向に対して折り曲げ可能に構成されている。これにより、例えば、新生児用ベッドの外枠等に対して、モニタ装置200を取り付け可能に構成されている。
【0022】
[検出マット100]
図2は、検出マット100の概略を示す分解斜視図である。
図2に示すように、検出マット100は、カバー110、上板120、下板130、クッション材140、感圧パイプ150、接続パイプ160等を備えて構成される。
【0023】
カバー110は略矩形状に形成され、上板120、下板130、クッション材140、感圧パイプ150、および接続パイプ160等を内部に収納する。また、カバー110は、上部カバー111および下部カバー112が溶着されて一体に構成され、軟質プラスチックシート等の樹脂部材や布などで形成されている。これにより、感圧パイプ150の内部圧力の変化を測定する際に、測定感度への影響が小さくなるように構成されている。
【0024】
上板120は、例えば、樹脂板、木板、ボール紙等で略矩形の板状に形成され、弾性変形可能に構成されている。上板120の外周部には支点部121が下板130に向かって形成されており、当該支点部121を支点として、板バネとして作用するように構成されている。これにより、被験者の呼吸に応じて上板120が弾性変形することで、当該上板120と当接して配置される感圧パイプ150の内部圧力が、被験者の呼吸に応じて変化するように構成されている。
【0025】
下板130は、例えば、金属板や硬質プラスチック等の硬質部材により形成されることで、弾性変形しないように構成されている。下板130は、略矩形の板状に形成され、中心部に長手方向に沿って感圧パイプ150が配置されている。また、下板130の四隅には、クッション材140が配置されている。
【0026】
クッション材140は、前述したように、下板130の四隅に配置され、例えば、ボルトや接着剤等によって下板130に固定されている。これにより、例えば、検出マット100を持ち運んでいる際に、検出マット100の四隅と新生児用ベッドの枠等とが衝突したとしても、その衝撃がクッション材140によって緩和されるので、検出マット100が損傷してしまうことを防止できる。
【0027】
感圧パイプ150は、例えば、シリコンチューブ等の弾性変形可能なパイプ状の中空体から構成されている。感圧パイプ150の一方の端部151は、栓等で封止されている。また、他方の端部152には、接続パイプ160の一端が接続されている。そして、当該接続パイプ160の他端は、連結チューブ10(
図1参照)に接続されている。これにより、感圧パイプ150は、接続パイプ160および連結チューブ10を介して、モニタ装置200に接続されている。
【0028】
前述したように、感圧パイプ150は、上部カバー111の上部に載せられた新生児等の被験者の呼吸に応じて、内部圧力が変化する。本実施形態では、後述するように、感圧パイプ150の内部圧力の変化を、モニタ装置200の圧力センサ230で測定することで、被験者の体動を検出可能に構成されている。すなわち、感圧パイプ150は、本発明の感圧部材の一例である。
なお、感圧パイプ150は、上記構成に限られるものではなく、例えば、偏平バルーン状に形成されていてもよく、新生児等の呼吸に応じて圧力が変動するように構成されていればよい。
【0029】
[モニタ装置200]
図3は、モニタ装置200の概略を示す分解斜視図である。
図3に示すように、モニタ装置200は、ケース201および連結チューブ10と接続するノズル202を備える。また、モニタ装置200には、ケース201の正面側に通信ボタン241、停止ボタン242、電源ボタン243等により構成される操作部240や表示部250が配置されている。そして、ケース201の内部には、回路基板203、人感センサ220、圧力センサ230(
図4参照)、ブザー260(
図4参照)、LED270、通信部280、接点出力部290等が配置されている。
ここで、本実施形態では、ケース201に図示略の電池が収納されており、モニタ装置200は当該電池により駆動するよう構成されている。
【0030】
ケース201は、フロントケース201Aおよびリアケース201Bから構成されている。本実施形態では、ケース201は、ポリカーボネート等の樹脂に光拡散剤が添加された樹脂材料により形成されている。これにより、LED270が点灯した際に、フロントケース201Aの天面201Cを透過した光が拡散するように構成されている。そのため、LED270が点灯し、フロントケース201Aの天面201Cが発光した際に、当該光を見やすくすることができる。
【0031】
また、フロントケース201Aの天面201Cにおける人感センサ220に対応した位置には、切り欠き部201Dが形成されている。そして、当該切り欠き部201Dを覆うように、シート204が配置されている。本実施形態では、シート204は赤外線の透過率の高い、すなわち、温度伝達効率の高い高密度ポリエチレンによって形成されている。
さらに、フロントケース201Aの正面側には、フロントパネル201Eが取り付けられている。フロントパネル201Eには、図示略の文字や記号等が表示されている。
【0032】
回路基板203は、フロントパネル201Eと平行に配置される第1基板203Aと、フロントケース201Aの天面201Cと平行に配置される第2基板203Bを備える。
第1基板203Aには、フロントケース201Aと対向する面に、通信ボタン241に対応する第1スイッチ241A、停止ボタン242に対応する第2スイッチ242A、電源ボタン243に対応する第3スイッチ243Aが配置されている。さらに、第1基板203Aには、表示部250に対応する位置に、表示部250を保持する表示部ホルダ251Aが配置されている。
【0033】
第2基板203Bには、天面201Cと対向する面に、人感センサ220とLED270とが配置されている。人感センサ220は、前述したように、天面201Cの切り欠き部201Dに対応する位置に配置されている。
【0034】
[モニタ装置200の回路構成]
図4は、モニタ装置200の回路構成の概略を示すブロック図である。
図4に示すように、モニタ装置200は、前述したケース201に収納される制御回路210、人感センサ220、圧力センサ230、操作部240、表示部250、ブザー260、LED270、通信部280、接点出力部290等を備えて構成される。
【0035】
制御回路210は、前述した第1基板203A(
図3参照)に設けられ、制御装置211と、記憶部212とを備える。制御回路210は、人感センサ220、圧力センサ230、操作部240、表示部250、ブザー260、LED270等と電気的に接続され、これらの動作を制御する。
【0036】
[制御装置211]
制御装置211は、マイクロコンピュータやCPU(Central Processing Unit)等の演算装置により構成されており、体動判定部2111、利用者判定部2112、被験者判定部2113、警報信号出力部2114を備えて構成される。
体動判定部2111は、圧力センサ230の測定結果に基づいて、被験者の体動の有無を判定する。
【0037】
図5は、体動検出装置1による体動検出中の、感圧パイプ150内部圧力の変化の一例を示す図である。
図5に示すように、検出マット100の上部に新生児等の被験者が載せられている場合、被験者の体動に応じて感圧パイプ150の内部圧力が変化する。具体的には、被験者が吸気している際は、感圧パイプ150内部圧力が上昇し、被験者が呼気している際は、内部圧力が低下する。そのため、被験者の体動に応じた感圧パイプ150の内部圧力の変化が圧力センサ230にて測定される。
体動判定部2111は、第1閾値D1以上の圧力、および、第2閾値D2以下の圧力が一定周期で測定されるか否かを判定する。具体的には、体動判定部2111は、
図5の左側に示す体動状態では、一定周期で第1閾値D1以上の圧力、および、第2閾値D2以下の圧力が測定されるので、体動が正常に検出されていると判定する。一方、体動判定部2111は、
図5の右側に示す無体動状態では、所定時間TNの間、第1閾値D1以上の圧力、および、第2閾値D2以下の圧力が測定されないので、体動が検出されないと判定する。
【0038】
また、体動判定部2111は、被験者判定部2113により被験者がいないと判定されると、被験者の体動の判定を中断する。体動の判定の中断に関する処理の詳細については後述する。
【0039】
図4に戻って、利用者判定部2112は、例えば、被験者を介助する看護師等の利用者による所定動作が、人感センサ220により検知されたか否かを判定する。具体的には、例えば、モニタ装置200のシート204に対応した位置に利用者が手をかざすと、当該利用者の手を人感センサ220が検知する。そして、利用者判定部2112は、当該人感センサ220が検知した場合に出力される検知信号に基づいて、つまり、検知結果に基づいて利用者の所定動作の有無を判定する。なお、利用者がシート204に対応した位置に手をかざす動作は、本発明の所定動作の一例である。
【0040】
被験者判定部2113は、検出マット100の上に、被験者が載せられているか否かを判定する。
被験者判定部2113による被験者の有無の判定処理の詳細については後述する。
【0041】
警報信号出力部2114は、体動判定部2111による判定結果に基づいて、警報信号を出力する。具体的には、警報信号出力部2114は、体動判定部2111により被験者の体動が検出されないと判定されると、警報信号をブザー260およびLED270に出力する。
【0042】
[記憶部212]
記憶部212は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等により構成される。記憶部212には、制御装置211の動作を制御する各種プログラムや各種データが記憶されている。
また、本実施形態では、記憶部212は、圧力センサ230による一定期間の測定データを記憶している。
【0043】
[圧力センサ230]
圧力センサ230は、接続パイプ160および連結チューブ10を介して、検出マット100の感圧パイプ150に接続され、感圧パイプ150の内部圧力の変化を測定可能に構成されている。圧力センサ230は、例えば、ダイヤフラムや当該ダイヤフラムの歪量を検出する歪みゲージ等を備えて構成される。なお、圧力センサ230は、本発明の圧力測定器の一例である。
また、圧力センサ230には、圧力センサ230内部の圧力を徐々に開放する図示略のフィルタ部が設けられている。これにより、感圧パイプ150の内部圧力は、当該フィルタ部を介して徐々に開放される。
【0044】
[人感センサ220]
人感センサ220は、例えば、焦電センサや交流増幅回路等を備えて構成され、前述したシート204に対応した位置の温度変化を感知可能に構成されている。
ここで、被験者としての新生児が滞在する新生児室の室温は、通常、28℃前後に保たれている。また、新生児を介助する看護師等の利用者の手のひらの表面温度は、通常、34℃前後である。すなわち、新生児室の室温と、利用者の手のひらの表面温度とは、約6℃程度の差がある。
本実施形態では、人感センサ220は、4℃以上の温度変化を検知した場合に、検知信号を制御装置211の利用者判定部2112に出力するように構成されている。これにより、人感センサ220は、シート204に対応した位置に利用者の手がかざされた場合に、利用者の手による温度変化を検知して、検知信号を利用者判定部2112に出力することができる。
ここで、本実施形態では、フロントケース201Aの天面201Cにおける人感センサ220に対応した位置に切り欠き部201Dが設けられ、当該切り欠き部201Dは高密度ポリエチレン製のシート204により覆われている。これにより、利用者の手による温度変化は、温度伝達効率の高いシート204を介して、人感センサ220に伝わるので、人感センサ220による温度変化の検知感度を高くすることができる。
なお、人感センサ220は、本発明の利用者検知器の一例である。また、人感センサ220は、上記構成に限られるものではなく、例えば、超音波式のセンサであってもよく、利用者による所定動作を検知可能に構成されていればよい。また、人感センサ220は、ケース201の内部に収容されることに限られるものではなく、例えば、ケース201の外側に取り付けられていてもよい。
【0045】
[操作部240]
操作部240は、モニタ装置200を操作するためのものであり、前述した通信ボタン241、停止ボタン242、電源ボタン243(
図3参照)等を備えて構成される。
本実施形態では、通信ボタン241が押されると、操作部240は通信操作信号を制御装置211に出力する。制御装置211は、通信操作信号を入力すると、記憶部212に記憶された測定データを、通信部280を介して外部に出力する。
また、停止ボタン242が押されると、操作部240は停止信号を制御装置211に出力する。制御装置211に停止信号が入力されると、体動判定部2111は、体動の判定を中断する。
【0046】
[表示部250]
表示部250は、液晶ディスプレイ(LCD)等によって構成される。本実施形態では、体動判定部2111により被験者の体動が検出されると、表示部250にバーグラフが表示される。そして、表示部250に表示されたバーグラフは、圧力センサ230によって測定される圧力変化に応じて、上下に振れる。
なお、表示部250は、バーグラフを表示するものに限られるものではなく、例えば、圧力センサ230の測定値Pがデジタル表示されるように構成されていてもよい。
【0047】
[ブザー260]
ブザー260は、制御装置211の警報信号出力部2114から出力される警報信号を入力し、警報音を発するよう構成される。なお、ブザー260は、本発明の警報器の一例である。
【0048】
[LED270]
LED270は、制御装置211から出力される信号に基づいて、発光するように構成されている。本実施形態では、LED270は、高輝度3色発光LED(Light Emitting Diode)から構成されている。
LED270は、制御装置211の警報信号出力部2114から出力される警報信号を入力すると、赤色に点滅する。これにより、フロントケース201Aの天面201Cが赤色に点滅する。
また、本実施形態では、体動判定部2111は、被験者の体動の判定を中断すると、中断信号をLED270に出力する。そして、LED270は、当該中断信号を入力すると、緑色に点滅する。これにより、フロントケース201Aの天面201Cが緑色に点滅する。ここで、本実施形態では、前述したように、ケース201は、ポリカーボネート等の樹脂に光拡散剤が添加された樹脂材料により形成されているので、天面201Cの点滅を見やすくできる。
なお、LED270は、本発明の警報器の一例である。
【0049】
[通信部280]
通信部280は、USBポート等を備えて構成される。これにより、モニタ装置200は、USBケーブル等を介して、外部機器と通信可能に構成される。
なお、通信部280は、上記構成に限られるものではなく、例えば、無線LANやBluetooth(登録商標)等のモジュールを備えて構成されていてもよい。
【0050】
[接点出力部290]
接点出力部290は、フォトモスリレー等により構成され、警報信号出力部2114から警報信号を入力すると、接点がオンされる。接点出力部290には、例えば、発信機等が接続されており、これにより警報信号が出力されたことを外部機器に発信可能に構成することができる。
【0051】
[体動検出方法]
次に、体動検出装置1による体動検出方法について説明する。
図6は、体動検出中における中断処理を説明するフローチャートである。
図6に示すように、先ず、モニタ装置200は、電源ボタン243が押されることで、体動判定を開始する(ステップS1)。次に、利用者判定部2112は、利用者が検知されたか否かを判定する(ステップS2)。
具体的には、前述したように、利用者判定部2112は、人感センサ220により利用者の所定動作が検知されたか否かを判定する。なお、ステップS2は、本発明の利用者判定ステップを構成する。
【0052】
ステップS2でNoと判定された場合、ステップS2でYesと判定されるまで処理を繰り返す。
一方、ステップS2でYesと判定された場合、圧力センサ230により感圧パイプ150の内部圧力を測定する(ステップS3)。なお、ステップS3は、本発明の圧力測定ステップを構成する。
【0053】
次に、被験者判定部2113は、圧力センサ230の測定値Pが、予め設定された第3閾値D3未満か否かを判定する(ステップS4)。
【0054】
図7は、検出マット100の上に載せられていた被験者が、利用者によって抱き上げられた場合の、感圧パイプ150の内部圧力の変化を示す図である。
図7に示すように、被験者が抱き上げられた場合、被験者の体重によって感圧パイプ150に作用していた力が解放されるため、感圧パイプ150の内部には負圧が発生する。そこで、本実施形態では、被験者判定部2113は、圧力センサ230の測定値Pが、第3閾値D3未満であるか否かを判定する。ここで、本実施形態では、圧力センサ230の測定値Pが第3閾値D3を下回っている時間TMが、予め設定されたT1時間を超えた場合に、圧力センサ230の測定値Pが第3閾値D3未満であると判定する。なお、本実施形態では、T1として1秒間が設定されている。ただし、T1は1秒間に設定されることに限られるものではなく、測定値Pが第3閾値D3未満であることを判定できるように、適宜設定することができる。
【0055】
図6に戻って、ステップS4でNoと判定した場合、被験者判定部2113は、利用者判定部2112により利用者の所定動作があったと判定されてからの経過時間TSが、予め設定されたT2未満であるか否かを判定する(ステップS5)。ここで、本実施形態では、T2として10秒間が予め設定されている。なお、T2は10秒間に設定されることに限られるものではなく、適宜設定することができる。
【0056】
ステップS5でYesと判定した場合、被験者判定部2113は、ステップS3に戻って処理を繰り返す。
一方、ステップS5でNoと判定した場合、ステップS2に戻って処理を繰り返す。
すなわち、本実施形態では、被験者判定部2113は、利用者による所定動作があったと判定されてから、所定の負圧が10秒間以内に検出されるか否かを判定する。
【0057】
ステップS4に戻って、ステップS4でYesと判定された場合、被験者判定部2113は、検出マット100の上に被験者がいないと判定する(ステップS6)。すなわち、本実施形態では、利用者による所定動作があったと判定され、かつ、圧力センサ230により所定の圧力が検出されると、被験者判定部2113は、検出マット100の上に被験者がいないと判定する。なお、ステップS2~S6は、本発明の被験者判定ステップを構成する。
【0058】
そして、体動判定部2111は、体動の判定を中断する(ステップS7)。この際、前述したように、体動判定部2111は、中断信号をLED270に出力して、LED270を緑色に点滅させる。なお、ステップS7は、本発明の体動判定中断ステップを構成する。
【0059】
次に、体動判定部2111は、体動の判定を中断してからの経過時間TWが、予め設定されたT3未満であるか否かを判定する(ステップS8)。ここで、本実施形態では、T3として60秒間が予め設定されている。なお、T3は60秒間に設定されることに限られるものではなく、適宜設定することができる。
【0060】
ステップS8でNoと判定した場合、体動判定部2111は、ステップS8に戻って処理を繰り返す。
一方、ステップS8でYesと判定した場合、体動判定部2111は、圧力センサ230の測定値Pが、第1閾値D1より大きい、もしくは、第2閾値D2よりも小さいか否かを判定する(ステップS9)。
【0061】
ステップS9でYesと判定した場合、体動判定部2111は体動の判定を再開して(ステップS10)、ステップS2に戻る。
すなわち、本実施形態では、体動判定部2111は、体動の判定を中断してから60秒間後に、第1閾値D1より大きい圧力、もしくは、第2閾値D2よりも小さい圧力が検出されるか否かを判定している。これにより、被験者が検出マット100に載せられているのにも関わらず、体動判定部2111による体動の判定が中断された場合に、被験者の呼吸によって第1閾値D1より大きい測定値P、もしくは、第2閾値D2よりも小さい測定値Pが60秒後に検出されることで、体動判定が再開されるように構成されている。そのため、誤って体動の検出が中断された場合に、体動の検出を再開できる。
【0062】
一方、ステップS9でNoと判定した場合、体動判定部2111は、圧力センサ230の測定値Pが、第4閾値D4(
図7参照)を超えたか否かを判定する。ここで、本実施形態では、圧力センサ230の測定値Pが第4閾値D4を超えている時間TLが、予め設定されたT4時間を超えた場合に、圧力センサ230の測定値Pが第4閾値D4を超えたと判定する。なお、本実施形態では、T4として、1.5秒間が予め設定されている。ただし、T4は1.5秒間に設定されることに限られるものではなく、測定値Pが第4閾値D4を超えたと判定できるように、適宜設定することができる。
【0063】
ステップS11でNoと判定した場合、体動判定部2111は、ステップS11に戻って処理を繰り返す。
一方、ステップS11でYesと判定した場合、被験者が検出マット100に載せられることで第4閾値D4よりも大きい測定値Pが測定されたと判断して、体動の判定を再開して(ステップS10)、ステップS2に戻る。
【0064】
[本実施形態の効果]
以上のような本実施形態では、次の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、体動検出装置1は、感圧パイプ150の内部圧力を測定する圧力センサ230と、利用者の所定動作の有無を判定する利用者判定部2112と、を備える。そして、圧力測定結果および利用者判定部2112による判定結果に基づいて、被験者の有無を判定する被験者判定部2113を備える。
これにより、利用者判定部2112により利用者の所定動作があったと判定され、かつ、圧力センサ230により第3閾値D3未満の負圧が測定された場合に、被験者がいないと被験者判定部2113が判定するので、負圧の測定要因を区別することができる。具体的には、利用者の所定動作があったと判定されていれば、利用者が被験者を抱きかかえたことによって負圧が測定されたと区別でき、利用者の所定動作がなかったと判定されていれば、寝返りなどによって負圧が測定されたと区別できる。そのため、負圧が徐々に戻る圧力変化を検出しなくても、被験者の有無を精度良く判定できる。したがって、誤って警報が発報されてしてしまうことを防止できる。
【0065】
(2)本実施形態では、利用者の動作が検知されてから10秒以上経過した後に、第3閾値D3未満の負圧が検出されても、被験者判定部2113は被験者がいないと判定しないので、誤って被験者がいないと判定することを抑制できる。
【0066】
(3)本実施形態では、利用者検知器としての人感センサ220を備えるので、利用者の手などが触れなくても利用者の動作を検知することができる。そのため、利用者の手などを衛生に保つことができる。
【0067】
(4)本実施形態では、被験者の体動が検知されなくなった場合に、ブザー260およびLED270により警報を発報する。そのため、利用者は、体動が検知されなくなった被験者の状態をより確実に把握できる。
【0068】
(5)本実施形態では、警報信号出力部2114は、LED270に警報信号を出力する。そして、LED270は、警報信号を入力すると、フロントケース201Aの天面201Cから赤色の点滅光を発光することにより警報を発報する。これにより、利用者は、騒音などがある場合においても、警報が発報されたことを容易に把握できる。また、フロントケース201Aの天面201Cを点滅させるので、例えば、ケース201の正面でLEDランプを発光させる場合に比べて、利用者はより遠くから警報が発報されていることを把握できる。そのため、利用者は、体動が検知されなくなった被験者の状態をより確実に把握できる。
【0069】
[変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、警報信号出力部2114は、ブザー260およびLED270に警報信号を出力するように構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、警報信号出力部2114は、通信部280を介して接続された管理装置等の外部機器に警報信号を出力するように構成されていてもよい。この場合、モニタ装置200にブザー260およびLED270は設けられていなくてもよい。
【0070】
前記実施形態では、被験者判定部2113は、利用者の所定動作が検知されたと判定されてから10秒間以内に、第3閾値D3未満の負圧が測定された場合に、被験者がいないと判定されるように構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、被験者判定部2113は、第3閾値D3未満の負圧が測定されてから所定の時間以内に、利用者の所定動作が検知されたと判定された場合に、被験者がいないと判定されるように構成されていてもよい。
【0071】
前記実施形態では、人感センサ220は、シート204に対応した位置に利用者の手がかざされた場合に、利用者による所定の動作を検知可能に構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、人感センサ220は、シート204に利用者の手が接触した場合に、利用者による所定の動作を検知可能に構成されていてもよい。
【0072】
前記実施形態では、モニタ装置200は、ケース201の内部に設けられた切替スイッチ等により、利用者の所定動作および第3閾値D3未満の負圧のいずれか一方を検知した場合に、体動の判定を中断するように切り替え可能に構成されていてもよい。
【0073】
前記実施形態では、モニタ装置200は電池を電源として駆動するように構成されていたが、これに限定されない。例えば、モニタ装置200は、ACアダプタ等により、家庭用のコンセントから電流を供給可能に構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1…体動検出装置、10…連結チューブ、20…装置取付具、100…検出マット、110…カバー、120…上板、130…下板、140…クッション材、150…感圧パイプ(感圧部材)、160…接続パイプ、200…モニタ装置、201…ケース、210…制御回路、211…制御装置、212…記憶部、220…人感センサ(利用者検知器)、230…圧力センサ(圧力測定器)、240…操作部、250…表示部、260…ブザー(警報器)、270…LED(警報器)、280…通信部、290…接点出力部、2111…体動判定部、2112…利用者判定部、2113…被験者判定部、2114…警報信号出力部。