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特許7104012インテリジェント型の交流/直流最大出力でバッテリを充電管理する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】インテリジェント型の交流/直流最大出力でバッテリを充電管理する方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20220712BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20220712BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220712BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
H02J7/10 B
H02J7/10 L
H02J7/04 L
H02J7/10 H
H01M10/48 P
H01M10/48 301
H01M10/44 101
H01M10/44 Q
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019177174
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021010290
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2019-10-02
(31)【優先権主張番号】108123137
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】512158114
【氏名又は名称】飛宏科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PHIHONG TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100185694
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】陳衍敬
(72)【発明者】
【氏名】陳木勲
(72)【発明者】
【氏名】林群展
(72)【発明者】
【氏名】林士涵
(72)【発明者】
【氏名】李明峻
(72)【発明者】
【氏名】陳源昌
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-206259(JP,A)
【文献】特表2018-523958(JP,A)
【文献】特開2011-004509(JP,A)
【文献】特開2014-087200(JP,A)
【文献】特開平09-121462(JP,A)
【文献】特開平10-014125(JP,A)
【文献】特開2016-123251(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0309293(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/10
H02J 7/04
H01M 10/48
H01M 10/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インテリジェント型の交流/直流最大出力でバッテリを充電管理する方法であって、充電器を提供し、前記充電器は、
出力変換ユニットと、
前記出力変換ユニットに電気的に結合される充電制御装置、を含み、
前記充電制御装置は、
マイクロコントローラ、
前記マイクロコントローラに電気的に接続される電圧検出ユニット、
前記マイクロコントローラに電気的に接続される電流検出ユニット、
前記マイクロコントローラに電気的に接続される温度検出ユニット、及び
前記マイクロコントローラに電気的に接続される通信ポート、を含み、
前記充電制御装置に電気的に接続されるバッテリ群を提供し、前記充電制御装置は前記出力変換ユニットによって前記バッテリ群を充電管理し、前記バッテリ群は、前記通信ポートを通じて前記マイクロコントローラにバッテリのパラメータを提供し、
前記マイクロコントローラは、前記電圧検出ユニットによって検出された前記バッテリ群の電圧、前記電流検出ユニットによって検出された前記バッテリの出力電流、及び、前記温度検出ユニットによって検出された前記充電器の温度を受信して充電出力を演算することで、即座に最大出力を追跡可能であり、 前記充電器は、更に、前記バッテリ群との通信により決定可能な充電プログラムを含み、前記充電プログラムは、事前充電モード、最大出力充電モード、定電圧充電モード及び充電完了モードを順に含み、
前記充電プログラムは、最大出力充電モードの段階において、前記充電器の温度に基づいて、前記バッテリ群の負荷を1回低下させる、又は、連続的且つ段階的に複数回低下させるために実行でき、前記充電器の充電電流は、前記バッテリ群に対して行われた負荷低下後に前記最大出力充電モードにおける充電電流曲線の電流の大きさに回復可能である、方法。
【請求項2】
即座に最大出力を追跡する際には、前記バッテリ群の電圧を検出したあと、前記マイクロコントローラの論理ユニットにフィードバックして演算し、且つ、前記バッテリ群の瞬時出力電流を検出するとともに、前記充電器の温度変化を検出し、上記のパラメータをマイクロコントローラの論理ユニットにより演算することで最大出力を追跡し、且つ、前記出力変換ユニットに対し制御信号を出力することで、直流の出力を調整する請求項1に記載のインテリジェント型の交流/直流最大出力でバッテリを充電管理する方法。
【請求項3】
前記バッテリのパラメータは、バッテリ電圧、バッテリ電流及び温度を含む請求項1に記載のインテリジェント型の交流/直流最大出力でバッテリを充電管理する方法。
【請求項4】
インテリジェント型の交流/直流最大出力でバッテリを充電管理する方法であって、
充電器を提供し、前記充電器は、
出力変換ユニットと、
前記出力変換ユニットに電気的に結合される充電制御装置、を含み、
前記充電制御装置は、
マイクロコントローラ、
前記マイクロコントローラに電気的に接続される電圧検出ユニット、
前記マイクロコントローラに電気的に接続される電流検出ユニット、
前記マイクロコントローラに電気的に接続される温度検出ユニット、及び
前記マイクロコントローラに電気的に接続される通信ポート、を含み、
前記充電制御装置に電気的に接続されるバッテリ群を提供し、前記充電制御装置は前記出力変換ユニットによって前記バッテリ群を充電管理し、前記バッテリ群は、前記通信ポートを通じて前記マイクロコントローラにバッテリのパラメータを提供し、
前記マイクロコントローラは、前記電圧検出ユニットによって検出された前記バッテリ群の電圧、前記電流検出ユニットによって検出された前記バッテリの出力電流、及び、前記温度検出ユニットによって検出された前記充電器の温度を受信して充電出力を演算することで、即座に最大出力を追跡可能であり、
即座に最大出力を追跡することは、前記充電器の温度に基づいて、前記バッテリ群の負荷を1回低下させる、又は、連続的且つ段階的に複数回低下させるために実行でき、前記充電器の充電電流は、前記バッテリ群に対して行われた負荷低下後に前記最大出力充電モードにおける充電電流曲線の電流の大きさに回復可能である、方法。
【請求項5】
前記バッテリのパラメータは、バッテリ電圧、バッテリ電流及び温度を含む請求項4に記載のインテリジェント型の交流/直流最大出力でバッテリを充電管理する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリの充電管理方法に関し、特に、インテリジェント型の交流/直流(AC/DC)最大出力でバッテリを充電管理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器には、例えば、ポータブル式の電話、ノートパソコン、タブレットPC等の電子装置、或いは、電動バイク、電動自転車といったその他の電動機械・装置がある。一般的に、これらの電子装置や電動機械・装置には、内部で再充電可能なバッテリが配置されている。これらのポータブル式電子装置の体積、或いは電動機械・装置に収容可能なバッテリの体積及びこれら装置に配置される電池セルの容量には限界がある。そのため、これらのポータブル式電子装置又は電動機械・装置を繰り返し使用できるよう、充電装置を用いてこれら装置の電池セルを充電する必要がある。
【0003】
一般的に、適切なバッテリ充電器及び充電方式を選択する際には、各種タイプについて、充電特性の利点や欠点に基づき評価する必要がある。
【0004】
従来のバッテリ充電器では、直流電流を固定的に出力し、バッテリ電圧が低電圧から高電圧に上昇するプロセスを経る。よって、充電器を十分なワット数となるよう設計しておかなければ、短時間の最大出力に対応することができない。図1は、充電器の充電過程全体における出力電流(I_output)及び出力電圧(V_output)の曲線を示す。点線曲線101は充電器の出力電流(I_output)、実線曲線103は充電器の出力電圧(V_output)を表している。全体を通じて、充電プログラムには、事前充電モード(Pre-charge mode)、定電流モード(constant current mode)、定電圧モード(constant voltage mode)及び充電完了モードが含まれる。そのため、開始時の充電出力が低く、電源供給装置の最大能力で全出力することが不可能なことから、充電効率が低下し、充電時間が長くなる。上述した従来の充電方式では、バッテリ充電器が定電流-定電圧という2段階の充電方法を採用している。第1段階では、小さな定電流で事前に短い時間だけ充電したあと、最大電流でバッテリを充電し、所望の電圧に到達させる。次に、第2段階では定電圧で充電する。即ち、バッテリ電圧が調整電圧まで上昇すると充電電流が減少し、過充電を回避すべくバッテリ電圧が調整される。このモードでは、バッテリの充電が完了し、且つバッテリのインピーダンスが低下すると、電流が徐々に減少する。そして、電流が予め定めた程度まで低下すると充電が停止される。
【0005】
そのため、従来の充電方式では最大電流を固定してバッテリを充電するしかなく、出力パワーがバッテリ電圧の高さに応じて変化するため、最大出力を維持することができない。
【0006】
上記に鑑みて、本発明は、バッテリ電圧、充電電流及び充電温度を検出してバッテリを充電するための充電プログラムを決定することで、バッテリを高速充電し、使用者の待ち時間を短縮して、使用者の業務効率を向上させるとの目的を達成するバッテリの充電管理方法を提供する。具体的な方式としては、マイクロコントローラの演算により充電出力を調整及び追跡し、充電器及びバッテリの状態に基づいて充電条件を変更する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、マイクロコントローラの演算により充電出力を調整し、充電器及びバッテリの状態に基づいて充電条件を変更するインテリジェント型のAC/DC最大出力でバッテリを充電管理する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を実現すべく、本発明は、インテリジェント型の交流/直流最大出力でバッテリを充電管理する方法を提供する。当該方法は、充電器を提供し、前記充電器は、出力変換ユニットと、前記出力変換ユニットに電気的に結合される充電制御装置を含み、前記充電制御装置は、マイクロコントローラ、前記マイクロコントローラに電気的に接続される電圧検出ユニット、前記マイクロコントローラに電気的に接続される電流検出ユニット、前記マイクロコントローラに電気的に接続される温度検出ユニット、及び前記マイクロコントローラに電気的に接続される通信ポート、を含み、 前記充電制御装置に電気的に接続されるバッテリ群を提供し、前記充電制御装置は前記出力変換ユニットによって前記バッテリ群を充電管理し、前記バッテリ群は、前記通信ポートを通じてバッテリのパラメータを提供し、前記マイクロコントローラは、前記電圧検出ユニットによって検出された前記バッテリ群の電圧、前記電流検出ユニットによって検出された前記バッテリの出力電流、及び、前記温度検出ユニットによって検出された前記充電器の温度を受信して充電出力を演算することで、即座に最大出力を追跡可能である。
【0009】
上記の即座に最大出力を追跡する際には、前記バッテリ群の電圧を検出したあと、前記マイクロコントローラの論理ユニットにフィードバックして演算し、且つ、前記バッテリ群の瞬時出力電流を検出するとともに、前記充電器の温度変化を検出し、上記のパラメータをマイクロコントローラの論理ユニットにより演算することで最大出力を追跡し、且つ、前記出力変換ユニットに対し制御信号を出力することで、直流の出力を調整する。
【0010】
上記の充電制御装置は、更に、前記出力変換ユニットの出力端と前記バッテリ群を電気的に接続し、前記バッテリ群と前記充電制御装置との充電及び切断モードを切り替えるための出力スイッチを含む。
【0011】
前記出力変換ユニットに出力する制御信号は、前記出力変換ユニットと前記充電制御装置とを結合するフォトカプラにより伝送される。
【0012】
前記充電プログラムはバッテリ群との通信により決定可能であり、前記充電プログラムは、事前充電モード、最大出力充電モード、定電圧充電モード及び充電完了モードを順に含む。
【0013】
前記充電プログラムは、最大出力充電モードの段階において、前記充電器の温度に基づいて負荷を1回低下させるか、連続的且つ段階的に複数回低下させても負荷低下後に最大出力の電流の大きさに回復可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、従来技術におけるバッテリの充電曲線を示す。
図2図2は、本発明に基づく充電器配置の機能ブロック図である。
図3A図3(A)は、本発明の好ましい実施例に基づく最大出力追跡モードによる充電曲線を示す。
図3B図3(B)は、本発明の好ましい実施例に基づく最大出力追跡モードにより電流調整を行う場合の充電曲線を示す。
図4図4は、本発明の好ましい実施例に基づく充電回路の配置及び回路系のブロック図を示す。
図5図5は、本発明の好ましい実施例に基づくソフトウエアの制御方法を示す図。
図6図6は、本発明の好ましい実施例に基づく充電系のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、本発明では、発明の具体的実施例及び観点について詳細に記載する。これらの記載は本発明の構造又はステップ、フローを解釈するためのものであり、説明のためであって、本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。そのため、明細書の具体的実施例及び好ましい実施例以外にも、本発明はその他の異なる実施例において幅広く実行可能である。以下では、特定の具体的実施例を挙げて本発明の実施形態につき説明する。なお、当該技術を熟知する者であれば、本明細書に開示の内容から本発明の効果及び利点を容易に理解可能である。また、本発明はその他の具体的実施例によっても運用及び実施可能である。本明細書で詳述する各詳細事項はニーズの違いに応じて応用すればよく、且つ、本発明の精神を逸脱しなければ各種の補足又は変更が可能である。
【0016】
上述したように、本発明は、充電式バッテリについて充電方法を提供する。当該方法は、充電式バッテリの電圧及び充電器自体の温度を測定することで最大出力を決定可能な充電管理方法である。これにより、充電器の効果を完全活用し、充電効率を向上させることで、バッテリを高速充電し、使用者の待ち時間を短縮するとの効果を達成することが期待される。具体的な方式としては、マイクロプロセッサの演算により充電出力を調整及び追跡し、充電器及びバッテリの状態に基づいて充電条件を変更する。
【0017】
充電効率を向上し、充電時間を短縮するために、本発明で採用する充電器配置は図2に示すように、直流/交流(AC/DC)コンバータ201、マイクロプロセッサ203、電圧検出ユニット205、電流検出ユニット207及び温度検出ユニット209を含む。電圧検出ユニット205及び電流検出ユニット207がバッテリ211と通信し、マイクロプロセッサ203が、バッテリ211との通信によりフィードバックされた電圧・電流パラメータ、及び温度検出ユニット209により検出された充電器の温度に基づいて、演算により充電出力を調整及び追跡することで、充電プログラムを決定する。直流/交流(AC/DC)コンバータ201、マイクロプロセッサ203、電圧検出ユニット205、電流検出ユニット207及び温度検出ユニット209は充電器として統合され、バッテリ211を充電する。充電器の充電プログラムは、事前充電モード、最大出力モード、定電圧モード及び充電完了モードを順に含む。詳細な回路の動作及び操作については、後述の図4及び図6で詳細に説明する。
【0018】
本発明で採用する充電方法は、好ましい実施例において、図3(A)に示すように、バッテリ電圧(実線曲線)301が低いときに、図中の最大出力モード時の充電電流曲線のように充電電流(点線曲線)303を上昇させることで、出力の最大値を維持可能とする。そして、予め定められた電圧値に達すると(従来の充電方式と類似)、定電圧モード及び充電完了モードで充填プログラム全体を完了させる。
【0019】
他の好ましい実施例では、図3(B)に示すように、前記最大出力追跡モードにおいて、バッテリの充填状態に関するパラメータ(温度、電圧、電流等)に基づいて負荷を1回低下させる(或いは、連続的且つ段階的に複数回低下させても、負荷低下後に最大出力の電流の大きさに回復可能な)充電曲線320を用いる。そして、予め定められた電圧値に達すると(従来の充電方式と類似)、定電圧モード及び充電完了モードで充填プログラム全体を完了させる。
【0020】
充電器の回路配置は、図4に示すように、バッテリ群411を充電するための出力変換ユニット401及び最大出力制御装置403を含む。出力変換ユニット401の機能としては、台湾電力社の電力系統からの交流電流(AC)を安全な直流電流(DC)に変換し、バッテリを充電するための電源を提供するとともに、例えば最大出力制御装置403といった周辺回路に対し電源を提供する。最大出力の制御にあたっては、最大出力制御装置403の内部におけるバッテリ電圧センサ405がバッテリ群411の電圧Vbを検出する。また、電流センサ407によってバッテリ411aの出力電流Ioを検出するとともに、温度センサ409によって充電器の温度を検出する。そして、マイクロプロセッサ403aにより演算を行い、デジタル信号V_PWM及びC_PWMを出力し、これらをそれぞれローパスフィルタ(LPF)413,413aに通過させてアナログ信号V_REF及びC_REFに変換することで、対応する電圧回路フィードバック補償オペアンプ415及び電流回路フィードバック補償オペアンプ415aの入力基準信号とする。この基準入力を実際の出力と減算することで誤差信号が得られる。実際のバッテリ電圧(バッテリ電流)の出力は、DC出力電圧センサ417(電流センサ407)により検出される。次に、負のフィードバック制御によりCPレベルを調整し、出力変換ユニット401がCPレベルの大きさに基づいて、充電出力の規格を満たすようDC outputの値を調整する。ここで、前記デジタル信号V_PWMの大きさにより出力電圧の大きさが決定されるが、バッテリ電圧Vbが過放電状況(電圧がやや低い)の場合、充電器は事前充電モードにおける開始時の充電電圧を高く設定しすぎないほうがよい。これにより、出力切替スイッチ450両側の電圧差によって突入電流(inrush current)が発生し、部品が破損するとの事態が回避される。また、充電器の温度を検出するのは、高温と判断したときに室温下における充電電圧よりもやや低い出力電圧を設定するためである。この信号(V_PWM)は、マイクロプロセッサによる演算で生成する。前記デジタル信号C_PWMの大きさは、バッテリ電圧Vb及び充電器の現時点における温度により決定される。この信号(C_PWM)は、マイクロプロセッサによる演算で生成する。出力切替スイッチ450は出力スイッチに等しく、特定の条件下でバッテリと充電器との接続を切断することで、逆方向電流による損傷を回避可能とする。バッテリが通信ポート460に連結及び接続されると、通信によりバッテリと充電器との主従関係を構築可能となる。バッテリが主、充電器が従となる場合には、例えばバッテリ電圧、バッテリ電流及び温度といったパラメータをバッテリから送出することで、充電器のパラメータを調整可能である。反対に、充電器が主、バッテリが従の場合には、バッテリ電圧Vb及び充電器の温度から充電プログラムを判断する。図面の点線矢印は系統における出力の流れを示しており、実線矢印は系統における信号の流れを示している。
【0021】
図5は、最大出力追跡ソフトの制御操作方法を示している。上記の最大出力の追跡では、バッテリ電圧(Vb)を検出(501)したあと、マイクロプロセッサの論理ユニットにフィードバックして演算する(503)。また、バッテリの瞬時出力電流(Io)を検出するとともに、充電器の温度変化を検出し(505)、上記のパラメータをマイクロプロセッサの論理ユニットにより演算することで(503)最大出力を追跡する。且つ、前記交流/直流コンバータに対し出力制御信号(C_PWM、V_PWM)を出力することで(507)、直流の出力を調整する。
【0022】
図6は、本発明における最も好ましい実施例の系統ブロック図を示している。前記系統は、バッテリ群611を充電するための出力変換ユニット601及び最大出力制御装置603を含む。出力変換ユニット601は、EMI濾波整流器605、力率改善回路(PFC)607、直流/直流コンバータ609、電源供給制御装置613、変圧器615及び整流器617を含む。AC入力電圧はEMI濾波整流器605を経由して濾波及び整流され、直流(DC)電圧となる。直流電圧は力率改善回路(PFC)607を経由して位相が調整されたあと、直流/直流コンバータ609を経由して変圧器615における一次側の入力端に出力される。また、電源供給制御装置613によって、エネルギーを蓄積するよう制御する。変圧器615の二次側に接続される整流器617によって、直流出力(DC output)は最大出力制御装置603を経由してバッテリ群611を充電するよう制御される。最大出力の制御にあたっては、最大出力制御装置603の内部におけるバッテリ電圧センサ619がバッテリ群611の電圧Vbを検出する。また、電流センサ621によってバッテリ611aの出力電流Ioを検出するとともに、温度センサ623によって充電器の温度を検出する。そして、マイクロコントローラ(MCU)603aにより演算を行い、デジタル信号V_PWM及びC_PWMを出力し、これらをそれぞれローパスフィルタ(LPF)625,625aに通過させてアナログ信号V_REF及びC_REFに変換することで、対応する電圧回路フィードバック補償オペアンプ627及び電流回路フィードバック補償オペアンプ627aの入力基準信号とする。この基準入力を実際の出力と減算することで誤差信号が得られる。実際の電圧(電流)の出力は、直流出力電圧センサ639(電流センサ621)により検出される。次に、負のフィードバック制御によりCPレベルを調整したあと、フォトカプラ629によってこのフィードバック信号CPを出力変換ユニット601内部の電源供給制御装置613におけるフィードバック制御ポートにフィードバックする。これにより、出力変換ユニット601はCPレベルに基づいて、充電出力の規格を満たすようDC output値を調整可能となる。ここで、前記デジタル信号V_PWMの大きさにより出力電圧の大きさが決定されるが、バッテリ電圧Vbが過放電状況(電圧がやや低い)の場合、充電器は事前充電モードにおける開始時の充電電圧を高く設定しすぎないほうがよい。これにより、出力切替スイッチ650両側の電圧差によって突入電流(inrush current)が発生し、部品が破損するとの事態が回避される。また、充電器の温度を検出するのは、高温と判断したときに室温下における充電電圧よりもやや低い出力電圧を設定するためである。この信号(V_PWM)は、マイクロコントローラによる演算で生成する。前記デジタル信号C_PWMの大きさは、バッテリ電圧Vb及び充電器の現時点における温度により決定される。この信号(C_PWM)は、マイクロコントローラによる演算で生成する。出力切替スイッチ650は出力スイッチに等しく、特定の条件下でバッテリと充電器との接続を切断することで、逆方向電流による損傷を回避可能とする。バッテリが通信ポート660に連結及び接続されると、通信によりバッテリと充電器との主従関係を構築可能となる。バッテリが主、充電器が従となる場合には、例えばバッテリ電圧、バッテリ電流及び温度といったパラメータをバッテリから送出することで、充電器のパラメータを調整可能である。反対に、充電器が主、バッテリが従の場合には、バッテリ電圧Vb及び充電器の温度から充電プログラムを判断する。図面の点線矢印は系統における出力の流れを示しており、実線矢印は系統における信号の流れを示している。
【0023】
上述したように、本発明は、バッテリ電圧、充電電流及び充電温度を検出し、マイクロコントローラの演算により充電出力を調整及び追跡するとともに、充電器とバッテリの状態に基づいて充電条件を変更する。そして、バッテリを充電するための充電プログラムを決定することで、バッテリを高速充電し、使用者の待ち時間を短縮して、使用者の業務効率を向上させるとの目的を達成する。
【0024】
本文の範囲を逸脱しないことを前提に、前記インテリジェント型のAC/DC最大出力でバッテリを充電管理する方法は変形が可能である。よって、上記の記載に含まれ、且つ図面に示した内容は説明のためのものであって、限定を意図するものではないと解釈すべきである。また、以下の特許請求の範囲は、本文で記した全ての一般的特徴と特定の特徴、及び、本発明におけるインテリジェント型のAC/DC最大出力でバッテリを充電管理する方法の範囲の全ての記載を含み、表現上はこれらの間に位置するといえる。
【符号の説明】
【0025】
101 点線曲線
103 実線曲線
201 直流/交流(AC/DC)コンバータ
203 マイクロプロセッサ
205 電圧検出ユニット
207 電流検出ユニット
209 温度検出ユニット
211 バッテリ
301 バッテリ電圧(実線曲線)
303 充電電流(点線曲線)
320 負荷低下電流曲線
401 出力変換ユニット
403 最大出力制御装置
411 バッテリ群
407 電流センサ
409 温度センサ
403a マイクロプロセッサ
413,413a ローパスフィルタ(LPF)
415 電圧回路フィードバック補償オペアンプ
415a 電流回路フィードバック補償オペアンプ
417 DC出力電圧センサ
450 出力切替スイッチ
460 通信ポート
501 バッテリ電圧(Vb)の検出
503 マイクロプロセッサの論理ユニットにフィードバックして演算
505 バッテリの瞬時出力電流(Io)を検出するとともに、充電器の温度変化を検出
505 前記パラメータをマイクロプロセッサの論理ユニットにより演算
507 出力制御信号(C_PWM、V_PWM)を出力
601 出力変換ユニット
603 最大出力制御装置
611 バッテリ群
605 EMI濾波整流器
607 力率改善回路(PFC)
609 直流/直流コンバータ
613 電源供給制御装置
615 変圧器
617 整流器
619 電圧センサ
621 電流センサ
611a バッテリ
623 温度センサ
603a マイクロコントローラ(MCU)
625,625a ローパスフィルタ(LPF)
627 電圧回路フィードバック補償オペアンプ
627a 電流回路フィードバック補償オペアンプ
629 フォトカプラ
639 直流出力電圧センサ
650 出力切替スイッチ
660 通信ポート
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6