(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】電動自転車
(51)【国際特許分類】
B62H 5/00 20060101AFI20220712BHJP
B62J 45/416 20200101ALI20220712BHJP
【FI】
B62H5/00
B62J45/416
(21)【出願番号】P 2019533417
(86)(22)【出願日】2019-05-10
(86)【国際出願番号】 CN2019086409
(87)【国際公開番号】W WO2020143143
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2019-06-17
(31)【優先権主張番号】201920017080.X
(32)【優先日】2019-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521032232
【氏名又は名称】ナイン インテリジェント (チャンジョウ) テック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nine Intelligent(Changzhou)Tech Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,シェンチャオ
【審査官】大屋 静男
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-196188(JP,A)
【文献】特開2018-188076(JP,A)
【文献】特開2006-316601(JP,A)
【文献】特開2008-260399(JP,A)
【文献】特開2009-174294(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0000322(US,A1)
【文献】特開2011-106166(JP,A)
【文献】特開2010-120599(JP,A)
【文献】登録実用新案第3212742(JP,U)
【文献】特開2001-287624(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106741328(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106639661(CN,A)
【文献】特開2012-040934(JP,A)
【文献】特開2010-089521(JP,A)
【文献】特開2008-260400(JP,A)
【文献】特開2001-173292(JP,A)
【文献】国際公開第2018/190186(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108346201(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107813884(CN,A)
【文献】中国実用新案第207473704(CN,U)
【文献】中国実用新案第206903423(CN,U)
【文献】中国実用新案第204775605(CN,U)
【文献】中国実用新案第204587099(CN,U)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0003162(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62H 5/00
B62J 45/40、45/416
B62M 6/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電源、ターゲット部材、及び前記ターゲット部材に集積された電気制御部材を備える電動自転車であって、
前記第1の電源は、前記電気制御部材に接続され、前記電気制御部材に電力を供給するために用いられ、
前記電気制御部材は、前記電動自転車がロックされた状態で、記憶されたターゲットアカウントと一致するターゲット情報が検出された場合、前記電動自転車をロック解除するために用いら
れ、
前記電動自転車は、
更に第2の電源、モータ及びスイッチ回路を備え、
前記電気制御部材は、前記スイッチ回路に接続され、具体的には記憶されたターゲットアカウントと一致するターゲット情報が検出された場合、前記スイッチ回路を使用して前記第2の電源が前記モータに電力を供給する給電回路を導通させることにより、前記電動自転車をロック解除するために用いられ、
前記電動自転車は、電動自転車の所定の位置に配置されたターゲットセンサー及びコントローラを含み、前記ターゲットセンサーは、第1のプリセット情報を検出し、且つ第1のプリセット情報を前記コントローラに送信するために用いられ、第1のプリセット情報は運転者が電動自転車に乗っていることを示し、前記コントローラは、第1のプリセット情報を受信し、電動自転車がロック解除され且つモータ制御遮断状態にある場合、第1のプリセット情報に応答し、電動自転車をモータ制御遮断状態からモータ制御遮断解除状態への切り替えを制御するために用いら
れ、前記モータ制御遮断状態とは、速度制御部品により生成された、モータを制御するためのモータ制御信号が遮断された状態を指し、前記モータ制御遮断解除状態とは、制御部品により生成された、モータを制御するためのモータ制御信号の遮断を解除する状態を指す、ことを特徴とする電動自転車。
【請求項2】
前記電気制御部材は第1の無線通信モジュールを備え、
前記第1の無線通信モジュールは、第2の無線通信モジュールを有するターゲット装置が前記第2の無線通信モジュールを介して送信した入力情報を受信するために用いられ、
前記入力情報に、前記第2の無線通信モジュールにバインドされた参照アカウントのアカウント情報が含まれ、前記アカウント情報が前記ターゲット情報であると判断した場合、前記スイッチ回路を使用して前記給電回路を導通する、ことを特徴とする請求項
1に記載の電動自転車。
【請求項3】
前記第1の無線通信モジュールは、
近距離無線通信モジュール、PKE(公開鍵暗号)モジュール、ワイヤレスフィデリティモジュール、ジグビープロトコルモジュール、UWB(超広帯域)モジュール、433M無線自己組織化ネットワークモジュールのうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の電動自転車。
【請求項4】
前記電気制御部材は、検出モジュール及び制御モジュールを備え、
前記検出モジュールは、所定の検出領域内の生体情報を検出するために用いられ、
前記制御モジュールは、前記検出モジュールに接続され、前記生体情報が前記ターゲット情報であると判断した場合、前記スイッチ回路を使用して前記給電回路を導通するために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電動自転車。
【請求項5】
前記検出モジュールは、
指紋を検出するための指紋検出モジュール、顔を検出するための顔検出モジュール、及び音声を検出するための音声検出モジュールのうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の電動自転車。
【請求項6】
前記スイッチ回路は、ベース、コレクタ及びエミッタを備えるトランジスタを含み、
前記ベースは、前記電気制御部材に接続され、前記電気制御部材の制御下で、前記コレクタと前記エミッタとの間の電流を調節することにより前記給電回路を導通するために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電動自転車。
【請求項7】
前記スイッチ回路はソース、ゲート、及びドレインを備える電界効果トランジスタを含み、そのうち、
前記ゲートは前記電気制御部材に接続され、前記電気制御部材の制御下で、前記ソースと前記ドレインとの間の電流を調節することにより、前記給電回路を導通するために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電動自転車。
【請求項8】
前記スイッチ回路は、トリガーピン、共通端子、及び常開端子を備える電磁継電器を含み、そのうち、
前記トリガーピンは、前記電気制御部材に接続され、前記電気制御部材の制御下で、前記共通端子と前記常開端子との間の電流を調節することにより、前記給電回路を導通するために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電動自転車。
【請求項9】
前記電気制御部材は、更に、前記電動自転車が連続してロック解除されており、モータ制御遮断状態で、車輪速度がゼロであり、スタンドが掛けられた状態の時間がターゲット時間閾値を超えたことを検出した場合、前記電動自転車をロックするために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電動自転車。
【請求項10】
前記電気制御部材は、更に、前記電動自転車がロック状態及びスタンドが掛けられた状態で、前記記憶されたターゲットアカウントと一致する前記ターゲット情報が検出された場合、前記電動自転車をロック解除するために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電動自転車。
【請求項11】
前記ターゲット部材は、
メータパネル、アクセルグリップ、サドル、シートピラー、コンビネーションスイッチ、バックミラー、フロント・リアライト、スタンドのうちのいずれか1つである、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の電動自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信分野に関し、具体的には、電動自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電動自転車の電気制御システムにおける電気ロックスイッチは、空間の確保が必要な機械的構造を有するモジュールであるため、電動自転車の電気制御システムの構造を複雑にさせる。且つ、電気ロックロックスイッチは、鍵を用いて車両のロック及びロック解除を制御する必要があるため、電気ロックロックスイッチの操作に手間がかかる。
このため、関連技術における電動自転車には、構造設計が複雑で、ロック解除操作に手間がかかるという問題が存在している。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施例は、電動自転車を提供し、関連技術における電動自転車の構造設計が複雑で、ロック解除操作に手間がかかるという問題を解決する。
本発明の実施例に基づいて、電動自転車を提供し、上記電動自転車は以下を含む:第1の電源、ターゲット部材、及びターゲット部材に集積された電気制御部材であって、そのうち、第1の電源は、電気制御部材に接続され、電気制御部材に電力を供給するために用いられる;電気制御部材は、電動自転車がロックされた状態で、記憶されたターゲットアカウントと一致するターゲット情報が検出された場合、電動自転車をロック解除するために用いられる。
【0004】
任意選択的に、上記電動自転車は更に以下を含む:第2の電源、モータ及びスイッチ回路であって、そのうち、電気制御部材は、スイッチ回路に接続され、具体的には記憶されたターゲットアカウントと一致するターゲット情報が検出された場合、スイッチ回路を使用して第2の電源がモータに電力を供給する給電回路を導通することにより、電動自転車をロック解除する。
【0005】
任意選択的に、上記電気制御部材は第1の無線通信モジュールを含み、ここで、第1の無線通信モジュールは、第2の無線通信モジュールを有するターゲット装置が第2の無線通信モジュールを介して送信した入力情報を受信するために用いられ、そのうち、入力情報に、第2の無線通信モジュールにバインドされた参照アカウントのアカウント情報が含まれ、アカウント情報がターゲット情報であると判断した場合、スイッチ回路を使用して給電回路を導通する。
【0006】
任意選択的に、第1の無線通信モジュールは以下のうち少なくとも1つを含む:
ブルートゥース(登録商標)、近距離無線通信モジュール、PKE(公開鍵暗号)モジュール、wi-fi(ワイヤレスフィデリティ)モジュール、ZigBee(ジグビープロトコル)モジュール、UWB(超広帯域)モジュール、433M無線自己組織化ネットワークモジュールである。
【0007】
任意選択的に、上記電気制御部材は、検出モジュール及び制御モジュールを含み、そのうち、検出モジュールは、所定の検出領域内の生体情報を検出するために用いられる;制御モジュールは、検出モジュールに接続され、生体情報がターゲット情報であると判断した場合、スイッチ回路を使用して給電回路を導通するために用いられる。
任意選択的に、検出モジュールは以下のうち少なくとも1つを含む:指紋を検出するための指紋検出モジュール、顔を検出するための顔検出モジュール、及び音声を検出するための音声検出モジュールである。
【0008】
任意選択的に、スイッチ回路はベース、コレクタ及びエミッタを備えるトランジスタを含み、そのうち、ベースは、電気制御部材に接続され、電気制御部材の制御下で、コレクタとエミッタとの間の電流を調節することにより給電回路を導通するために用いられる。
任意選択的に、スイッチ回路は、ソース、ゲート、及びドレインを備える電界効果トランジスタを含み、そのうち、ゲートは、電気制御部材に接続され、電気制御部材の制御下で、ソースとドレインとの間の電流を調節することにより、給電回路を導通するために用いられる。
【0009】
任意選択的に、スイッチ回路はトリガーピン、共通端子、及び常開端子を備える電磁継電器を含み、そのうち、トリガーピンは、電気制御部材に接続され、電気制御部材の制御下で、共通端子と常開端子との間の電流を調節することにより、給電回路を導通するために用いられる。
任意選択的に、電気制御部材は、更に、電動自転車が連続してロック解除されており、モータ制御遮断状態で、車輪速度がゼロであり、スタンドが掛けられた状態にある時間がターゲット時間閾値を超えたことを検出した場合、電動自転車をロックする。
【0010】
任意選択的に、電気制御部材は、更に、電動自転車が連続してロック解除されており、モータ制御遮断状態で、車輪速度がゼロであり、スタンドが掛けられた状態にある時間がターゲット時間閾値を超えたことを検出した場合、電動自転車をロック解除するために用いられる。
任意選択的に、ターゲット部材は以下のいずれか1つである:メータパネル、アクセルグリップ、サドル、シートピラー、コンビネーションスイッチ、バックミラー、フロント・リアライト、スタンドである。
【0011】
本発明により、電気制御部材を電動自転車のターゲット部材に集積し、電気自動車がロック状態でスタンドが畳まれた状態にあり、記憶されたターゲットアカウントと一致するターゲット情報が検出された時、電気制御部材を介して、電動自転車をロック解除する。電気ロックスイッチの代わりに、電気制御部材を使用して電動自転車をロック解除することで、電動自転車のロック解除ステップを簡略化し、電動自転車の構造空間を節約するとともに、コストを効果的に削減でき、関連技術における電動自転車の構造設計が複雑で、ロック解除操作に手間がかかるという問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
ここで説明する図面は本発明への理解を助けるために用いられ、本出願の一部を構成しているが、本発明の例示的な実施例及びその説明は本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を不当に限定するものではない。
【
図1】本発明の実施例に基づく電動自転車の構成ブロック図である;
【
図2】関連技術における電気ロックモジュールの概略図である;
【
図3】関連技術における電気ロックモジュールの概略図である;
【
図4】関連技術における機械式鍵及びリモコンの概略図である;
【
図5】関連技術におけるメータパネルの概略図である;
【
図6】本発明の実施例に基づく任意選択的な電動自転車の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面及び実施例を組み合わせて本発明を詳しく説明する。説明すべき点として、矛盾しない限り、本出願における実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせてもよい。
説明すべき点として、本発明の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における"第1の"、"第2の"などの用語は類似した対象を区別するためのものに過ぎず、特定の順序を説明するものではない。
【0014】
(実施例1)
本発明の実施例は電動自転車を提供しており、
図1は、本発明の実施例に基づく電動自転車の構成ブロック図であり、
図1に示すとおり、上記電動自転車は、第1の電源12、ターゲット部材14、及びターゲット部材に集積された電気制御部材16を備え、そのうち、
第1の電源12は、電気制御部材16に接続され、電気制御部材16に電力を供給するために用いられる;
電気制御部材16は、電動自転車がロックされた状態で、記憶されたターゲットアカウントと一致するターゲット情報が検出された場合、電動自転車をロックするために用いられる。
【0015】
本発明により、電気制御部材を電動自転車のターゲット部材に集積させ、且つ電気自動車がロックされている(又は、ロックされ且つスタンドが畳まれている)状態で、記憶されたターゲットアカウントと一致するターゲット情報が検出された時、電気制御部材を介して電動自転車をロック解除する。関連技術における電動自転車の構造設計が複雑で、ロック解除操作に手間がかかるという問題を解決し、且つ電動自転車のロック解除ステップを簡略化し、電動自転車の構造空間を節約し、且つコストを効果的に削減する。
【0016】
電動自転車のスタンドは、畳まれた状態と掛けられた状態という2つの状態がある。畳まれた状態とは、電動自転車のスタンドが機能していない状態(即ち、電動自転車のスタンドが電動自転車を支持していない状態)を指す。掛けられた状態とは、電動自転車のスタンドが機能している状態(即ち、電動自転車のスタンドが電動自転車を支持している状態)を指す。電動自転車のスタンドは片足スタンドであってもよく、両足スタンドであってもよい。
【0017】
任意選択的に、電動自転車がロックされている状態で、運転者は電動自転車を使用できない。電動自転車を使用しようとする場合、電動自転車をロック解除する必要がある。上記ロックとは、モータに電力を供給するための電動自転車の電源の供給回路を遮断することを指し、上記ロック解除とは、モータに電力を供給するための電動自転車の電源の供給回路を導通することを指す。
【0018】
電動自転車は一般的に盗難警報機能(又は、警報機能)を有する盗難警報機(警報器とも呼ばれる)を装備している。盗難警報機に電力を供給する場合、第1の電源を使用してもよく、第1の電源とは異なる他の電源を使用してもよい。盗難警報機の盗難警報機能は、リモコンを介してオン(有効化とも呼ばれる)又はオフにすることができる。盗難警報機にセンサーが内蔵されており、作動中の盗難警報機は、内蔵されたセンサーを介して、電動自転車に触れたことが検出されると、警報音を出し、盗難警報機能を実現する。
【0019】
電動自転車をロック解除する前に、電動自転車の盗難警報機をオフにすることができる。電動自転車の盗難警報機は、電動自転車をロック解除する前に、リモコンから送信される盗難警報機の盗難警報機能をオフにするための制御信号を受信し、該制御信号に応答して、盗難警報機能をオフにするために用いられる。
電動自転車は、電気ロックスイッチを備えることができ、電動自転車の電気ロックスイッチに機械式鍵を挿し込んで回すことにより、電気ロックスイッチを導通してロック解除される。
【0020】
本発明の実施例では、電動自転車のロック解除操作のプロセスを簡略化し、電動自転車の構造空間を節約するために、電気ロックスイッチを電気制御部材に置き換え、該電気制御部材を電動自転車のターゲット部材内に集積し、且つ第1の電源を使用して電力を供給する。電動自転車がロックされた場合、電動自転車は低電力状態になり、第1の電源は電気制御部材に電力を供給し、盗難警報機も正常に動作する。電気制御部材に、ターゲットアカウントに一致するターゲット情報が保存される。電気制御部材は、記憶されたターゲットアカウントに一致したターゲット情報が検出された場合、電動自転車をロック解除するために用いられる。
【0021】
任意選択的に、第1の電源は、出力電圧が低い1つ又は1組の電池であってもよく、例えば、単3形電池、ボタン電池、18650型充電池などである。
任意選択的に、電気制御部材は、更に盗難警報機のオンとオフを制御するために用いられる。例えば、電気制御部材は、記憶されたターゲットアカウントに一致したターゲット情報が検出された場合、盗難警報機をオフにするために用いられる。
【0022】
本発明の実施例における上記技術的解決手段により、運転者はリモコンを再操作して盗難警報器をオフにする必要がなく、操作ステップを簡略化させる。
電気制御部材が集積された上記ターゲット部材は電動自転車の任意の位置であってもよく、例えば、メータパネル、アクセルグリップ、サドル、シートピラー、コンビネーションスイッチ、バックミラー、フロント・リアライト、スタンドなどである。任意選択的に、ユーザの操作の便宜を図り、上記ターゲット部品は電動自転車のメータパネルであってもよい。
【0023】
本発明の実施例において、上記電動自転車は更に以下を含む:第2の電源、モータ及びスイッチ回路であって、そのうち、電気制御部材は、スイッチ回路に接続され、具体的には保存されたターゲットアカウントと一致するターゲット情報が検出された場合、スイッチ回路を使用して第2の電源がモータに電力を供給する給電回路を導通することにより、電動自転車をロック解除するために用いられる。
【0024】
上記電気制御部材は、異なるハードウェアモジュールを含んでもよく、異なるハードウェアモジュール、又は異なるハードウェアモジュールの組み合わせにより、ターゲット情報を検出することができる。
任意選択的な実施形態として、電気制御部材は第1の無線通信モジュールを含んでもよく、ここで、第1の無線通信モジュールは、第2の無線通信モジュールを有するターゲット装置が第2の無線通信モジュールを介して送信した入力情報を受信するために用いられ、そのうち、入力情報に、第2の無線通信モジュールにバインドされた参照アカウントのアカウント情報が含まれ、アカウント情報がターゲット情報であると判断した場合、スイッチ回路を使用して給電回路を導通する。
【0025】
第1の無線通信モジュールと第2の無線通信モジュールは以下のうちの少なくとも1つの無線通信の方法で交信する:NFC(Near Field Communication,近距離無線通信)モジュール、ブルートゥース、PKE(Public Key Encryption,公開鍵暗号)モジュール、wi-fi(Wireless Fidelity,ワイヤレスフィデリティ)モジュール、ZigBee(ジグビープロトコル)モジュール、UWBモジュール(Ultra Wideband,超広帯域)モジュール、433M無線自己組織化ネットワークモジュールなどである。
【0026】
例えば、電気制御部材は、NFCモジュールを備えてもよく、該NFCモジュールに適合するカード(実物カード又は仮想カード)は電動自転車を購入する際、ユーザに一緒に提供される。ユーザはNFC機能を備えるモバイル機器(例えば、携帯電話)に該カードの情報(例えば、該ユーザカードを識別するための独自のカード番号情報)を追加することができる。これにより、ユーザは該モバイル機器を使用して電動自転車をロック解除することができる。
【0027】
電動自転車のNFCモジュールが、モバイル機器のNFCモジュールにより送信された無線信号を受信した場合、該無線信号に含まれたカード番号情報が本NFCモジュールと一致するか否かを判断する。一致した場合、電動自転車のロック解除を制御する。
例えば、電気制御部材は、ブルートゥースであってもよい。ユーザはブルートゥースを有するモバイル機器(例えば、携帯電話)と電動自転車のブルートゥースをペアリングする。ペアリングに成功すると、ユーザはペアリングされた2つのブルートゥースを接続させる方法で、電動自転車をロック解除することができる。
【0028】
電動自転車のブルートゥースは、モバイル機器のブルートゥースにより送信された無線信号を受信した場合、該無線信号に含まれる機器情報が本ブルートゥースの機器情報と一致するか否かを判断し、一致した場合、電動自転車のロック解除を制御するために用いられる。
その他の無線通信モジュール(例えば、PKEモジュール、wi-fiモジュール、ZigBeeモジュール、UWBモジュール、433M無線自己組織化ネットワークモジュール)はNFCモジュール又はブルートゥースによるロック解除方法と類似しており、ここでの説明は省略する。
【0029】
別の任意選択的な実施形態として、電気制御部材は、検出モジュール及び制御モジュールを含んでもよく、そのうち、検出モジュールは、所定の検出領域内の生体情報を検出するために用いられる;制御モジュールは、検出モジュールに接続され、生体情報がターゲット情報であると判断した場合、スイッチ回路を使用して給電回路を導通するために用いられる。
【0030】
上記生体情報は以下のうちの少なくとも1つを含んでもよい:指紋、顔、音声などである。上記検出モジュールは以下のうち少なくとも1つを含んでもよい:指紋を検出するための指紋検出モジュール(タッチ領域を含む)、顔を検出するための顔検出モジュール(カメラを含む)、及び音声を検出するための音声検出モジュール(マイクを含む)。
例えば、検出モジュールを使用して、指紋、顔及び/又は音声を入力し、且つ電動自転車に保存することができる。上記の音声は、例えば「自転車ロック解除」のような特定の音声であってもよく、異なる音声を識別するための特徴(例えば音色)及び発話内容を検出することにより、ターゲット情報が検出されたか否かを判断する。
【0031】
本発明の実施例における上記技術的解決手段により、機械式鍵の代わりに、ターゲット部材に集積された無線通信モジュール又は検出モジュールによりターゲット特徴を取得する方法で、電動自転車をロック解除し、それにより運転者が機械式鍵を携帯する必要がなくなり、使いやすさを向上させる。また、電気ロックスイッチの取り付けが不要になるため、その空間を確保する必要がなく、電動自転車の構造がコンパクトになる。
【0032】
上記スイッチ回路は電気制御部材に接続されてもよい(直接又は間接的な接続)。電気制御部材が、保存されたターゲットに一致したターゲット情報を検出した場合、制御信号(例えばハイレベル信号)を生成することができ、該制御信号を電動自転車のスイッチ回路に用いることにより、スイッチ回路を使用して電動自転車の電源がモータに電力を供給する給電回路を導通し、電動自転車をロック解除する。
【0033】
上記スイッチ回路は以下を含んでもよい:トランジスタ(例えば、スイッチトランジスタ)、電界効果トランジスタ又は電磁継電器であって、トランジスタのベース、電界効果トランジスタのゲート又は電磁継電器のトリガーピンに制御信号を供給し、トランジスタのコレクタとエミッタとの間の電流、電界効果トランジスタのソースとドレインとの間の電流又は電磁継電器の共通端子と常開端子との間の電流を制御することにより、給電回路を導通する。
【0034】
任意選択的に、スイッチ回路はトランジスタを含み、そのうち、トランジスタのベースは、電気制御部材に接続され、電気制御部材の制御下で、トランジスタのコレクタとエミッタとの間の電流を調節することにより給電回路を導通するために用いられる。
任意選択的に、スイッチ回路は、電界効果トランジスタを含み、そのうち、電界効果トランジスタのゲートは、電気制御部材に接続され、電気制御部材の制御下で、電界効果トランジスタのソースとドレインとの間の電流を調節することにより給電回路を導通するために用いられる。
【0035】
任意選択的に、スイッチ回路は電磁継電器を含み、そのうち、電磁継電器のトリガーピンは、電気制御部材に接続され、電気制御部材の制御下で、電磁継電器の共通端子と常開端子との間の電流を調節することにより、給電回路を導通するために用いられる。
本発明の実施例における上記技術的解決手段により、スイッチ回路を使用して、電動自転車の電源がモータに電力を供給する給電回路を導通することができ、この解決手段はシンプルで、電動自転車の製造コストを削減することができる。
【0036】
本発明の実施例において、電動自転車は更に以下を含む:電動自転車の所定の位置に配置されたターゲットセンサー及びコントローラ(例えば、CPUチップ)である。該ターゲットセンサーは、第1のプリセット情報を検出し、且つ第1のプリセット情報を上記コントローラに送信するために用いられ、ここで、第1のプリセット情報は運転者が電動自転車に乗っていることを示す。上記コントローラは、第1のプリセット情報を受信し、電動自転車がロック解除され且つモータ制御遮断状態にある場合、第1のプリセット情報に応答し、電動自転車をモータ制御遮断状態からモータ制御遮断解除状態への切り替えを制御するために用いられる。
【0037】
上記ターゲットセンサーは所定のタイプのターゲット情報を検出し、且つターゲット情報をコントローラに伝送するために用いられ、コントローラはターゲット情報が第1のプリセット情報であるか否かを判断する。
任意選択的に、運転者が電動自転車に乗っていることは、運転者が電動自転車に座った後に明らかに変化するパラメータで示すことができる。例えば、圧力、画像、気圧などである。ターゲットセンサーは以下のうち少なくとも1つを含む:圧力センサー、赤外線センサー、気圧センサーである。
【0038】
任意選択的に、第1のプリセット情報は、所定位置における荷重状態が所定の状態であることを示すために用いられ、そのうち、所定の状態は以下のうち少なくとも1つである:所定位置の圧力が第1のターゲット閾値以上であり、所定位置の画像がターゲット画像を含み、所定位置の気圧が第2のターゲット閾値以上である。
任意選択的に、所定位置は以下のうちの少なくとも1つを含む:電動自転車のサドルの下方、電動自転車のステップの上面、電動自転車のハンドルの両側に位置するグリップの上面、電動自転車のサドルの前方の車体部分、電動自転車のタイヤの上面、電動自転車のタイヤの内部、電動自転車のサスペンションの内部である。
【0039】
所定の状態は以下のうち少なくとも1つを含んでもよい:電動自転車のサドルに加えられた押圧力がターゲット圧力値以上である;電動自転車のケイデンスがターゲットケイデンス以上である;画像の中央部に人の画像が含まれる;電動自転車のタイヤの空気圧がターゲット空気圧以上である。
例えば、運転者が電動自転車に座ると、そのサドルが受ける圧力は大きくなり、サドルの下方に設置された圧力センサーにより、サドルに加えられた押圧力がターゲット圧力値以上であることが検出された場合、運転者が電動自転車に乗っていると判断する。
【0040】
他にも、運転者が電動自転車に座った後、電動自転車の赤外線センサーが所定の検出領域(赤外線センサーの検出領域、サドル上方の領域を含む)の中央領域に人の画像が含まれていることを検出した場合、運転者が電動自転車に乗っていると判断する。
モータ制御遮断状態とは、速度制御部品(例えば、アクセルグリップ)により生成されたモータ制御信号が遮断された状態(速度制御部品によるモータの制御ができない状態)を指す。この場合、電動自転車のコントローラはモータ制御信号(例えば、速度制御部品により生成されたモータ制御信号)を受信するが、該モータ制御信号が遮断されているため、アクセルグリップを回す速度制御部品によりモータの回転を制御することはできない。
【0041】
モータ制御遮断解除状態とは、制御部品により生成されたモータ制御信号の遮断を解除する状態(速度制御部品によるモータの制御が可能である状態)を指す。この場合、電動自転車の制御モジュールはモータ制御信号(例えば、速度制御部品により生成されたモータ制御信号)を受信し、且つ該モータ制御信号に基づきモータの回転速度を制御することができる。
【0042】
本発明の実施例における上記技術的解決手段により、電動自転車がロック解除され、且つモータ制御遮断状態にある状況で、第1のプリセット情報が検出された場合、運転者が電動自転車に乗っていると判断されれば、電動自転車のモータ制御遮断状態により、ユーザが操作することなく電動自転車のアクセルグリップを機能させて、操作プロセスを簡略化し、使いやすさを向上させる。
【0043】
任意選択的に、電動自転車のコントローラは、モータ制御遮断解除状態で、速度制御部品を操作すること(例えば、電動自転車のアクセルグリップを回す)により生成された所定の制御信号(モータ制御信号)を受信するために用いられる。
電動自転車のコントローラは、更に所定の制御信号を受信した後、該所定の制御信号に対応するモータの回転速度を確定することができる。例えば、アクセルグリップが回された回転数(1/3回転、1/2回転)を介して、所定の制御信号を生成し、回転数が大きいほど、所定の制御信号に対応するモータの回転速度も速くなる。
【0044】
本発明の実施例の上記技術的解決手段により、アクセルグリップを介して所定の制御信号を生成することは、シンプルで、ユーザの操作習慣に適合する。
本発明の実施例において、電動自転車がロック解除され、且つモータ制御遮断解除状態の時、第2のプリセット情報を検出することができ、そのうち、第2のプリセット情報は、運転者が電動自転車から離れたことを示し、電動自転車をモータ制御遮断解除状態からモータ制御遮断状態への切り替えを制御するために用いられる。
【0045】
電動自転車の所定の位置に取り付けられたターゲットセンサーは、更に電動自転車がロック解除され、且つモータ制御遮断解除状態の時、第2のプリセット情報を検出するために用いられる。
ここで、所定位置及びターゲットセンサーは、前述のものと同様であり、ここでの説明は省略する。
【0046】
第2のプリセット情報は運転者が電動自転車から離れたことを示すために用いられる。運転者が電動自転車から離れたことは、運転者が電動自転車から離れた後に明らかに変化するパラメータを検出することにより示される。
任意選択的に、第2のプリセット情報は、所定位置の荷重状態が非設定状態であることを示すために用いられ、所定の状態は前述のものと同様であり、ここでの説明は省略する。
【0047】
非設定状態は以下のうち少なくとも1つを含んでもよい:電動自転車のサドルに加えられた押圧力がターゲット圧力値より小さい;電動自転車のケイデンスがターゲットケイデンスより低い;画像の中央部に人の画像が含まれていない;電動自転車のタイヤの空気圧がターゲット空気圧より低い。
例えば、運転者が電動自転車から離れると、電動自転車のサドルが受ける圧力は小さくなり、サドルの下方に設置された圧力センサーにより、サドルに加えられた押圧力がターゲット圧力値より小さいことを検出した場合、運転者が電動自転車から離れたと判断する。
【0048】
他にも、運転者が電動自転車から離れた後、電動自転車の赤外線センサーにより、所定の検出領域(赤外線センサーの検出領域、サドル上方の領域を含む)内に人の画像が検出されかった場合、運転者が電動自転車から離れたと判断する。
本発明の実施例における上記技術的解決手段により、運転者が電動自転車から離れると、アクセルグリップは自動的にロックされ、Pレンジボタンを押してアクセルグリップをロックする必要がないため、電動自転車の制御ステップを簡略化する。
【0049】
本発明の実施例において、上記電気制御部材は、更に、電動自転車が連続してロック解除されており、モータ制御遮断状態で、車輪速度がゼロであり、スタンドが掛けられた状態の時間がターゲット時間閾値を超えたことを検出した場合、電動自転車をロックするために用いられる。
電動自転車がロック解除、モータ制御遮断状態及び車輪速度がゼロである場合、機械式鍵で電動ロックスイッチを回すという方法で、電動自転車をロックすることができる。
【0050】
電動自転車のロック操作プロセスを簡略化するために、電動自転車が連続してロック解除されており、モータ制御遮断状態で、車輪速度がゼロである時間がターゲット時間閾値(例えば、3s、5s)を超えた場合、電動自転車をロックすることができる。
スタンドの状態に応じて、ロック解除、モータ制御遮断状態、車輪速度がゼロであることを検出するための操作をトリガすることができる。電動自転車のスタンドが掛けられていれば、電動自転車が連続してロック解除されており、モータ制御遮断状態で、車輪速度がゼロである時間がターゲット時間閾値を超えたことを検出した場合、電動自転車をロックする。電動自転車のスタンドが畳まれていれば、電動自転車がロック解除されており、モータ制御遮断状態であり、車輪速度がゼロであっても、電動自転車をロックしない。電動自転車のスタンドの畳まれた状態と掛けられた状態は、スタンドに設けられたホールセンサーにより検出することができる。
【0051】
例えば、電動自転車が特定の状況にある時(例えば、エレベータなど)、そのスタンドが畳まれていれば、電動自転車がロック解除、モータ制御遮断(運転者が電動自転車のサドルから離れている)及び車輪速度がゼロ(電動自転車の車輪が回っていない)の状態にあっても、電動自転車をロックしない。
電動自転車のスイッチ回路を使用して、電動自転車の電源がモータに電力を供給する給電回路を遮断することで、電動自転車をロックすることができる。電動自転車が連続してロック解除されており、モータ制御遮断状態で、回転速度がゼロである時間がターゲット時間閾値を超えた場合、電気制御部材は制御信号(例えば、ローレベル信号)を生成することができ、該制御信号を電動自転車のスイッチ回路に用いることで、スイッチ回路を使用して給電回路を遮断して、電動自転車をロックする。
【0052】
上記スイッチ回路は以下のうち少なくとも1つを含んでもよい:スイッチングトランジスタ、電界効果トランジスタ、電磁継電器であり、スイッチングトランジスタのベース、電界効果トランジスタのゲート又は電磁継電器のトリガーピンに制御信号を供給し、スイッチングトランジスタのコレクタとエミッタとの間の電流、電界効果トランジスタのソースとドレインとの間の電流又は電磁継電器の共通端子と常開端子との間の電流を制御することで、給電回路を遮断する。
【0053】
任意選択的に、盗難警報機も同様に電気制御部材の制御により起動することが可能であり、例えば、電動自転車が連続してロック解除されており、モータ制御遮断状態で、車輪速度がゼロである時間がターゲット時間閾値を超えたことを検出した場合、盗難警報機を起動する。リモコン操作が不要になり、操作を簡略化する。
本発明の実施例における上記技術的解決手段により、電動自転車が連続してロック解除されており、モータ制御遮断状態で、車輪速度がゼロである時間がターゲット時間閾値を超えたことを検出した場合、電動自転車をロックし、電動自転車のロックプロセスを簡略化して、使いやすさを向上させる。
【0054】
以下、具体的な例を参照しながら、上記電動自転車について説明する。本例では、電動自転車は電動スクーター、電動自転車、ポータブル電動スクーターであってもよい。
従来の電動自転車制御モードは、例えば、電気ロックスイッチ(
図2に示すような電気ロックスイッチ21)、Pレンジボタン(
図3に示すような右手コンビネーションスイッチにおいて、車両に通電され、且つリモコンでロック解除された状態で、起動スイッチ31を押すと、メータのPランプが消灯し、車両は正常に走行できる)、リモコン(
図4に示すとおり、運転者はリモコン41と電気ロックスイッチの機械式鍵42を携帯する必要がある)などの多くの機械的モジュールを操作しなければならず、電動自転車の操作が煩雑になり、利便性に欠ける。且つ、運転者(ライダー)は鍵やリモコンを携帯する必要があり、とても不便である。
【0055】
従来の電動自転車の電気制御システムは、空間を確保して電気ロックスイッチを電動自転車の所定の位置に設ける必要があるため、構造設計、システムが複雑で、操作が煩雑になり、且つ電気ロックスイッチの機能を実現する機械式鍵は、携帯に不便であり、忘れたり紛失したりすると、電動自転車が使用できなくなる。
電動自転車の構造を簡略化するために、本実施例では、電気ロックスイッチとその他の部品を集積することによりその構造を簡略化した方法を採用する。
【0056】
従来の電動自転車の電気制御システムは、電気ロックスイッチを単独の機械的構造を備えたモジュールとして、車両のロック及びロック解除を制御するために用いられており、
図5に示すように(電動自転車はメータパネル51及び機械スイッチ52を含む)、他の部品(例えばメータ)との集積が難しく、別々にしか設置できない。
本実施例では、機械スイッチ(電気ロックスイッチ)の代わりに電子スイッチを使用することで、他の部品と容易に集積することができる。
【0057】
本実施例における電動自転車は、機械式の鍵やリモコンの代わりに、電動自転車に近づくとロック解除する方法(NFCモジュールを搭載した携帯電話、リストバンド、カードなどの小型モバイル機器、指紋認識、音声認識、又は顔認識)を採用し、車両のロック、ロック解除、起動、停止を実現し、機械式Pレンジボタンの代わりに、サドル検出センサーを採用して、アクセルグリップの作動、停止及び電動自転車の自動ロックを実現する。
【0058】
以下、本実施例の電動自転車について説明する。
図6に示すとおり、NFCモジュールが機械的構造ではなく純粋なPCBチップハードウェアシステムであるため、電気ロックの代わりに、NFCモジュールを用いて車両をロック解除し、NFCモジュールをメータと組み合わせることにより、空間を節約し、操作を簡略化することができる。
電動自転車にNFCモジュールシステムを採用することにより、運転者は機械式鍵を使用せずに、NFCモジュールを搭載した携帯電話、リストバンドやカードなどの媒体を使用して、車両のロックを解除することができる。
【0059】
メータパネルの代わりに、NFCモジュールをアクセルグリップ、サドル、シートピラーの側面、又はコンビネーションスイッチ、バックミラー、フロント・リアライトなどの電気制御モジュールの内部に集積することもできる。
NFCモジュールの代わりに、更に指紋ロック解除モジュール、ブルートゥースロック解除モジュール、顔認識モジュール、音声認識モジュールなどを使用することもできる。
【0060】
以下、前記電動自転車を制御するための方法を参照しながら、上記電動自転車について説明する。任意選択的に、該電動自転車の制御方法は主に以下のステップを含む。
ステップ1、運転者が電動自転車に近づいたことを検出した場合、電動自転車をロック解除する。
運転者が電動自転車に近づくと、ロック解除する。NFCモジュールによる識別、指紋識別、音声識別及び顔識別技術により、電動自転車に近づいた時のロック解除を実現する。
【0061】
即ち、機械式鍵及びリモコンの代わりに、NFCモジュール、指紋ロック解除、ブルートゥースロック解除、顔認識、音声認識などの技術的解決手段を採用する。
NFCモジュールについて、電気ロックスイッチ及びリモコンの代わりに、NFCモジュールを搭載した小型のモバイル機器(例えば、携帯電話、リストバンド、カードなど)を使用して電動自転車のロックを解除することができる。
【0062】
対応する装置や人の体が電動自転車の特定の位置(該位置にNFCモジュール、又は指紋、音声、画像識別に用いられる電気制御システムが取り付けられる)に近づくか接触すると、電動自転車の電気制御システム(電気制御部材、及び電源が供給されるその他の部材)は、対応する信号を識別した後、自動的に通電し、電気制御システムを起動する。
運転者にとって、電動自転車に近づくだけで、自動的にロック解除され、更に、盗難警報機が自動的にオフにされるので、機械式鍵やリモコンを携帯する必要がなくなり、使いやすくなる。
【0063】
ステップ2、運転者がサドルに座ったことを検出した場合、アクセルグリップを自動的に機能させる。
機械式Pレンジボタンの代わりに、サドル検出センサーを用いて、アクセルグリップの作動と停止の自動制御を実現することができる。
サドル検出センサーは、一般的な圧力センサー、赤外線センサー、空気圧センサーなど、様々な種類がある。
【0064】
Pレンジボタンを代替する検出センサーは、サドルの下方に取り付けられなくてもよく、ペダルの上面、ハンドルの両側のグリップの上面、又はサドルの前方の車体部分、タイヤの上面、タイヤの内側、サスペンションの内部、又はこれらの位置全てに取り付けられてもよい。具体的な取り付け位置は、必要に応じて設定することができる。
運転者がサドルに座ることで、サドル検出センサーが信号を自動的に検出し、アクセルグリップを自動的に作動させることで、運転者はPレンジボタンを押さずに、アクセルグリップを回して電動自転車を通常通り運転することができる。
【0065】
ステップ3、アクセルグリップが回されたことを検出した場合、モータの回転を制御し、正常に走行させる。
アクセルグリップが作動した後、アクセルグリップが回されたことを検出した場合、それに応じてモータの回転速度を制御し、更に電動自転車の走行速度を制御し、電動自転車の正常な走行を保証する。
【0066】
運転者はアクセルグリップを回して、通常通り運転すればよい。
ステップ4、目的地に着き、サドルから離れて、駐輪する(車両は自動的にロックされる)。
目的地に着き、運転者がサドルから離れて駐輪すると、サドル検出センサーは信号を自動的に検出し、アクセルグリップの機能を自動的に無効にして、同時に所定の時間(例えば3~5秒)経過すると、電動自転車を自動的にロックする。
【0067】
運転者にとって、目的地に着いてサドルから離れると、電動自転車は自動的にロックされ、Pレンジボタンを押す必要がなく、電気ロックスイッチに対応する機械式鍵を回してから引き抜き、リモコンのボタンを押して盗難警報機を起動する。
本実施例の上記技術的解決手段は、NFCモジュールシステムを採用したことにより、機械式鍵を必要とせず、NFCモジュールを搭載した携帯電話、リストバンドやカードなどの媒体により車両のロック、自動ロック及びロック解除機能を実現できる;NFCチップはハードウェアシステムであるため、電気ロックスイッチとメータを集積することが可能であり、構造空間を効果的に節約し、コストを削減し、且つ、運転者が機械式鍵を持つ必要がなく、使いやすさを向上させる。
【0068】
以上の説明は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、当業者にとって、本発明は様々な変形、変更が可能である。本発明の原理の範囲内で行われる修正、等価置換、改善などはいずれも本発明の保護範囲内に含まれる。