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特許7104057パルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】パルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20220712BHJP
【FI】
H05H1/46 R
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019547117
(86)(22)【出願日】2019-06-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-01
(86)【国際出願番号】 KR2019007802
(87)【国際公開番号】W WO2020162653
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2019-08-28
(31)【優先権主張番号】10-2019-0014594
(32)【優先日】2019-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516089991
【氏名又は名称】エムケーエス コリア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】リー,チャンギイ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ハナム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョンミン
(72)【発明者】
【氏名】フ,ジン
(72)【発明者】
【氏名】ルーン,カ シング
【審査官】後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0382442(US,A1)
【文献】特表2016-540455(JP,A)
【文献】特表2015-521437(JP,A)
【文献】特開2009-124687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交番するオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFのパルスでRF電力を負荷に提供し、前記オンタイム区間T_ON内で駆動周波数を変更する制御ループを含むパルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数制御方法であって、
n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で駆動周波数f(n、m)を変更する段階と、
前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)のアドミタンスを用いてn+1番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n+1)の駆動周波数を予測する段階と、
n+1番目のパルスのオンタイムT_ON(n+1)で予測された駆動周波数f(n+1、1)によって前記パルス型可変周波数RF発生器のRF出力を提供する段階と、
を含み、
ここで、
f(n、m)は前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)内でm番目の処理回収で駆動周波数であり、
nはパルスの順番を示し、
mは1ないしqの間の正の整数であり、
mはオンタイム区間T_ON内で駆動周波数の変更のための前記制御ループの処理回収を示すインデックスを示し、
動周波数予測部は、前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で駆動周波数に従う位相移動されたアドミタンスy’の虚数部を直線フィッティングして位相移動されたアドミタンスy’の虚数部がゼロである地点に対応する周波数を前記予測された駆動周波数に設定する
ことを特徴とするパルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数制御方法。
【請求項2】
前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で駆動周波数f(n、m)を変更する段階は、
前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で前記パルス型可変周波数RF発生器の出力端でRF電流信号I及びRF電圧信号Vを測定する第1段階と、
前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で前記RF電流信号I及び前記RF電圧信号Vを用いて、前記パルス型可変周波数RF発生器の出力端でインピーダンスZi、反射係数Γi、及び伝送線による位相を反映した位相移動された反射係数Γ’、位相移動されたアドミタンスy’を算出する第2段階と、
前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で前記位相移動された反射係数の虚数部Im(Γ’)の符号に従って前記パルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数の増減方向を選択して前記駆動周波数を変更する第3段階と、
を含み、
前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)の終了時まで、前記第1段階、前記第2段階、及び前記第3段階は繰り返されることを特徴とする請求項1に記載のパルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数制御方法。
【請求項3】
前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)のアドミタンスを用いて前記n+1番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n+1)の駆動周波数を予測する段階は、
前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で位相移動されたアドミタンスy’の虚数部を駆動周波数に従って直線フィッティングする段階と、
前記位相移動されたアドミタンスy’の虚数部がゼロである地点に対応する周波数を前記n+1番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n+1)の予測された駆動周波数f(n+1、1)に設定する段階と、
を含むことを特徴とする請求項2に記載のパルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数制御方法。
【請求項4】
前記n+1番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n+1)の前記予測された駆動周波数f(n+1、m=1)は、
f(n+1、m=1)=f(n、m=q)-b’(n、m=q)[df/db’]
df/db’= [f(n、m=q)-f(n、m=r)]/[b’(n、m=q)-b’(n、m=r)]
で与えられ、
ここで、
f(n、m=r)は前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で所定のr番目の処理回収で駆動周波数であり、
b’(n、m=r)は前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)の所定のr番目の処理回収で前記位相移動されたアドミタンスy’の虚数部であるサセプタンスであり、
f(n、m=q)は前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で最後の処理回収qで駆動周波数であり、
b’(n、m=q)は前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)の最後の処理回収qのアドミタンスy’の虚数部であるサセプタンスであることを特徴とする請求項3に記載のパルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数制御方法。
【請求項5】
rは3ないしq-1の正の整数であることを特徴とする請求項4に記載のパルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数制御方法。
【請求項6】
前記位相移動された反射係数Γ’を用いてインピーダンスマッチングのための最適条件を判断する段階をさらに含み、
前記最適条件は、前記位相移動された反射係数の絶対値|Γ’|又は前記位相移動された反射係数Γ’の虚数部Im(Γ’)の大きさで判断し、
前記最適条件である場合、駆動周波数の変更のための処理回収を示すインデックスmを増加させた後、前記パルス型可変周波数RF発生器の出力端でRF電流信号I及びRF電圧信号Vを測定する第1段階を行い、
前記最適条件でない場合、前記駆動周波数を変更する第3段階を行うことを特徴とする請求項2に記載のパルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数制御方法。
【請求項7】
前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で前記位相移動された反射係数の虚数部Im(Γ’)の符号に従って前記パルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数の増減方向を選択し、前記駆動周波数を変更する第3段階は、
前記位相移動された反射係数の虚数部Im(Γ’)が正の値を有する場合、駆動周波数を増加させ、
前記位相移動された反射係数の虚数部Im(Γ’)が負の値を有する場合、駆動周波数を減少させることを特徴とする請求項2に記載のパルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数制御方法。
【請求項8】
前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)内で前記駆動周波数の変化量は、前記位相移動された反射係数の絶対値又は前記位相移動された反射係数の虚数部の絶対値に依存することを特徴とする請求項7に記載のパルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数制御方法。
【請求項9】
前記パルス型可変周波数RF発生器と前記負荷との間に配置されて少なくとも2つの可変リアクタンス素子を含むインピーダンスマッチングネットワークの可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変更して、前記パルス型可変周波数RF発生器の出力端で前記負荷方向のインピーダンスの実数部Re(Zi)を伝送線の特性インピーダンスに設定する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のパルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数制御方法。
【請求項10】
前記パルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数を変更せずに交番するオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFを含むプラズマ安定化させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のパルス型可変周波数RF発生器の駆動周波制御方法。
【請求項11】
交番するオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFにRF電力を負荷に提供するパルス型可変周波数RF発生器を含むパルス型可変周波数RF電源システムであって、
前記パルス型可変周波数RF発生器は、
n番目のオンタイム区間T_ON(n)で前記パルス型可変周波数RF発生器の出力端に配置されてRF電流信号及びRF電圧信号を感知するインピーダンス感知部と、
前記n番目のオンタイム区間T_ON(n)で前記RF電流信号及び前記RF電圧信号を用いて、前記パルス型可変周波数RF発生器の出力端でのインピーダンスZi及び反射係数Γi、前記負荷とパルス型可変周波数RF発生器との間の伝送線による位相移動された反射係数Γ’、そして前記位相移動された反射係数Γ’で変換された位相移動されたアドミタンスy’を算出するインピーダンス処理部と、
駆動周波数による前記位相移動されたアドミタンスy’を用いて、次のオンタイム区間T_ON(n+1)の駆動周波数を予測する駆動周波数予測部と、
予測された駆動周波数の提供を受けて、次のオンタイム区間T_ON(n+1)の開始駆動周波数に設定し、前記位相移動された反射係数Γ’を用いて駆動周波数を制御する駆動周波数制御部と、
パルス信号を生成してオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFを区分し、前記パルス信号を前記駆動周波数予測部及び前記駆動周波数制御部に提供するパルス発生器と、
前記駆動周波数制御部の駆動周波数の正弦波を増幅させるRF増幅器と、
を含み、
前記駆動周波数予測部は、前記n番目のオンタイム区間T_ON(n)で駆動周波数に従う位相移動されたアドミタンスy’の虚数部を直線フィッティングして位相移動されたアドミタンスy’の虚数部がゼロである地点に対応する周波数を前記予測された駆動周波数に設定することを特徴とするパルス型可変周波数RF電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルス型可変周波数RF発生器に関するものとして、より詳細には、高速で周波数チューニングインピーダンスマッチングのためのパルス型可変周波数RF発生器の周波数制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマはエッチング工程又は蒸着工程のような半導体製造工程に使用される。RF電源(RF Generator)は、高出力RF信号をチャンバの負荷に印加してプラズマを生成する。このように生成されたプラズマは、基板表面を望む形で加工し、又は基板に薄膜を蒸着する。
【0003】
この時、プラズマを生成するために高い出力のRF信号はチャンバの負荷に伝達される。このためにはRF電源(RF Generator)とチャンバの負荷との間にインピーダンスが同じであれば、信号の電力が反射せずに伝達される。インピーダンスを早くマッチングさせる技術として、RF電源(RF Generator)でRF信号の駆動周波数を調整することによってインピーダンスをマッチングさせる方法がある。周波数可変インピーダンスマッチング方法は、通常に数msec水準でインピーダンスマッチングを行う。
【0004】
半導体製造工程が進化するにつれて、チャンバの負荷に印加するRF信号は一定の周期で強度変造するパルス型RF信号(pulsed RF signal)である。パルス型RF信号は通常、数MHzないし数十MHzの駆動周波数より低い数百Hzないし数kHzのパルス周波数でオン/オフされる。パルス周波数が増加してオンタイム区間が数msec以下に短くなるにつれて、パルスインピーダンスマッチングのために早いRF信号の駆動周波数の制御が求められる。結局、パルス周波数が数kHz以上に高くなった場合、タイム区間は1msec以下に減少して、RF信号の駆動周波数を調整する時間が不足してインピーダンスマッチングが難しい。このため、プラズマは不安定である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の解決しようとする技術的課題は、パルス型RF発生器の駆動周波数の調整方法又はインピーダンスマッチング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例によるパルス型可変周波数RF発生器は、交番するオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFのパルスでRF電力を負荷に提供し、前記オンタイム区間T_ON内で駆動周波数を変更する制御ループを含む。パルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数制御方法は、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で駆動周波数f(n、m)を変更する段階と、前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)のアドミタンスを用いてn+1番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n+1)の駆動周波数を予測する段階と、n+1番目のパルスのオンタイムT_ON(n+1)で前記予測された駆動周波数f(n+1、1)によって前記パルス型可変周波数RF発生器のRF出力を提供する段階と、を含む。ここで、 f(n、m)はn番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)内でm番目の処理回収で駆動周波数であり、nはパルスの順番を示し、mは1ないしqの間の正の整数であり、mはオンタイム区間T_ON内で駆動周波数の変更のための前記制御ループの処理回収を示すインデックスを示す。
【0007】
本発明の一実施例において、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で駆動周波数f(n、m)を変更する段階は、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で前記パルス型可変周波数RF発生器の出力端でRF電流信号I及びRF電圧信号Vを測定する第1段階と、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で前記RF電流信号I及び前記RF電圧信号Vを用いて、前記パルス型可変周波数RF発生器の出力端でインピーダンスZi、反射係数Γi、及び伝送線による位相を反映した位相移動された反射係数Γ’、位相移動されたアドミタンスy’を算出する第2段階と、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で前記位相移動された反射係数の虚数部Im(Γ’)の符号に従って前記パルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数の増減方向を選択して前記駆動周波数を変更する第3段階と、を含み、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)の終了時まで、前記第1段階、前記第2段階、及び前記第3段階は繰り返される。
【0008】
本発明の一実施例において、前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)のアドミタンスを用いてn+1番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n+1)の駆動周波数を予測する段階は、n番目のオンタイム区間T_ON(n)で位相移動されたアドミタンスy’の虚数部を駆動周波数に従って直線フィッティングする段階と、前記位相移動されたアドミタンスy’の虚数部がゼロである地点に対応する周波数をn+1番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n+1)の予測された駆動周波数f(n+1、1)に設定する段階と、を含む。
【0009】
本発明の一実施例において、前記n+1番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n+1)の前記予測駆動周波数f(n+1、m=1)は 、
f(n+1、m=1)=f(n、m=q)-b’(n、m=q)[df/db’]
df/db’= [f(n、m=q)-f(n、m=r)]/[b’(n、m=q)-b’(n、m=r)]
で与えられる。ここで、f(n、m=r)はn番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で所定のr番目の処理回収で駆動周波数であり、b’(n、m=r)はn番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)の所定のr番目の処理回収で前記位相移動されたアドミタンスy’の虚数部であるサセプタンスであり、f(n、m=q)はn番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で最後の処理回収で駆動周波数であり、b’(n、m=q)はn番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)の最後の処理回収のアドミタンスy’の虚数部であるサセプタンスである。
【0010】
本発明の一実施例において、rは3ないしq-1の正の整数である。
【0011】
本発明の一実施例において、前記位相移動された反射係数Γ’を用いてインピーダンスマッチングのための最適条件を判断する段階をさらに含む。前記最適条件は、前記位相移動された反射係数の絶対値|Γ’|又は前記位相移動された反射係数Γ’の虚数部Im(Γ’)の大きさで判断する。前記最適条件である場合、駆動周波数の変更のための処理回収を示すインデックスmを増加させた後、前記パルス型可変周波数RF発生器の出力端でRF電流信号I及びRF電圧信号Vを測定する第1段階を行う。前記最適条件でない場合、前記駆動周波数を変更する第3段階を行う。
【0012】
本発明の一実施例において、n番目のオンタイム区間T_ON(n)で前記位相移動された反射係数の虚数部Im(Γ’)の符号に従って前記パルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数の増減方向を選択し、前記駆動周波数を変更する第3段階は、前記位相移動された反射係数の虚数部Im(Γ’)が正の値を有する場合、駆動周波数を増加させ、前記位相移動された反射係数の虚数部Im(Γ’)が負の値を有する場合、駆動周波数を減少させる。
【0013】
本発明の一実施例において、n番目のオンタイム区間T_ON(n)内で前記駆動周波数の変化量は、前記位相移動された反射係数の絶対値又は前記位相移動された反射係数の虚数部の絶対値に依存する。
【0014】
本発明の一実施例において、前記パルス型可変周波数RF発生器と前記負荷との間に配置されて少なくとも2つの可変リアクタンス素子を含むインピーダンスマッチングネットワークの可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変更して、前記パルス型可変周波数RF発生器の出力端で前記負荷方向の前記インピーダンスの実数部Re(Zi)を伝送線の特性インピーダンスに設定する段階をさらに含む。
【0015】
本発明の一実施例において、前記パルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数を変更せずに交番するオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFを含むプラズマ安定化させる段階をさらに含む。
【0016】
本発明の一実施例によるパルス型可変周波数RF電源システムは、交番するオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFにRF電力を負荷に提供するパルス型可変周波数RF発生器を含む。前記パルス型可変周波数RF発生器は、n番目のオンタイム区間T_ON(n)で前記パルス型可変周波数RF発生器の出力端に配置されてRF電流信号及びRF電圧信号を感知するインピーダンス感知部と、n番目のオンタイム区間T_ON (n)で前記RF電流信号及び前記RF電圧信号を用いて、前記パルス型可変周波数RF発生器の出力端でのインピーダンスZi及び反射係数Γi、前記負荷とパルス型可変周波数RF発生器との間の伝送線による位相移動された反射係数Γ’、そして前記位相移動された反射係数Γ’で変換された位相移動されたアドミタンスy’を算出するインピーダンス処理部と、駆動周波数による前記位相移動されたアドミタンスy’を用いて、次のオンタイム区間T_ON(n+1)の駆動周波数を予測する駆動周波数予測部と、前記予測された駆動周波数の提供を受けて、次のオンタイム区間T_ON(n+1)の開始駆動周波数に設定し、前記位相移動された反射係数Γ’を用いて駆動周波数を制御する駆動周波数制御部と、パルス信号を生成してオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFを区分し、前記パルス信号を前記駆動周波数予測部及び前記駆動周波数制御部に提供するパルス発生器と、前記駆動周波数制御部の駆動周波数の正弦波を増幅させるRF増幅器と、を含む。
【0017】
本発明の一実施例において、前記駆動周波数予測部は、n番目のオンタイム区間T_ON(n)で駆動周波数に従う位相移動されたアドミタンスy’の虚数部を直線フィッティングして位相移動されたアドミタンスy’の虚数部がゼロである地点に対応する周波数を予測駆動周波数に設定する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一実施例によるパルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数制御方法は、従来の周波数制御方法よりも早い時間にインピーダンスマッチングを行い、インピーダンスマッチングが行われない状況でも反射波を最小化する最適周波数で動作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】通常的な周波数チューニング(frequency tuning)又は周波数可変してインピーダンスマッチングを行う例を示す。
図2】通常的な周波数チューニング(frequency tuning)又は周波数可変してインピーダンスマッチングを行う例を示す。
図3】通常的な周波数チューニング(frequency tuning)又は周波数可変してインピーダンスマッチングを行う例を示す。
図4】本発明の一実施例によるパルス型可変周波数RF発生器及び負荷を示す回路図である。
図5図4でパルス型可変周波数RF発生器の出力端で負荷を見たインピーダンスを表示するスミスチャート(Smith Chart)である。
図6】本発明の他の実施例によるパルス型可変周波数RF発生器及び負荷を示す回路図である。
図7図6のパルス型可変周波数RF発生器の動作を示す流れ図である。
図8図6のパルス型可変周波数RF発生器のパルス型RF信号、パルス発生器パルス状態信号、及び駆動周波数を示す。
図9】スミスチャート上で駆動周波数によるアドミタンスを示す。
図10】駆動周波数によるアドミタンスの虚数部を示す 。
図11】制御ループの動作時間による駆動周波数の変化を示す。
図12】本発明の他の実施例による駆動周波数によるアドミタンスの虚数部を示す。
図13図12の制御ループの動作時間による駆動周波数の変化を示す。
図14】本発明のもう一つの実施例による負荷及びインピーダンスマッチングネットワークのインピーダンスZ’変化をスミスチャートに表示した絵である。
図15図14のスミスチャートに表示されたサセプタンスを駆動周波数に従って表示したグラフである。
図16】本発明のもう一つの実施例によるパルスシーケンスを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、通常的な周波数チューニング(frequency tuning)又は周波数可変してインピーダンスマッチングを行う例を示す。
図1に示すように、可変周波数RF電源は、交番するオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFにRF電力を負荷に伝達する。オンタイム区間T_ONが数msec以上で十分である場合、前記可変周波数RF電源の駆動周波数は、オンタイム区間T_ONごとに開始駆動周波数f_startで始まり、所定の時間内でマッチング周波数f_matchでインピーダンスマッチングを行う。一つのパルスのオンタイム区間内で周波数チューニング(Frequency Tuning)が正常に行われる。
【0021】
図2は、通常的な周波数チューニング(frequency tuning)又は周波数可変してインピーダンスマッチングを行う例を示す。
図2に示すように、可変周波数RF電源は、交番するオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFにRF電力を負荷に伝達する。オンタイム区間T_ONが50μsec以下に時間が十分でない場合、前記可変周波数RF電源の駆動周波数はオンタイム区間T_ONごとに開始駆動周波数f_startからスタートしてオンタイム区間T_ON内でマッチング周波数f_matchに到達しないため、インピーダンスマッチングを行わない。
【0022】
図3は、通常的な周波数チューニング(frequency tuning)又は周波数可変してインピーダンスマッチングを行う例を示す。
図3に示すように、可変周波数RF電源は、交番するオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFにRF電力を負荷に伝達する。オンタイム区間T_ONが50μsec以下に十分でない場合、前記可変周波数RF電源の駆動周波数は第1オンタイム区間T_ONで第1開始駆動周波数f_startからスタートしてオンタイム区間T_ON内でマッチング周波数f_matchに到達しないため、インピーダンスマッチングを行わない。しかし、第2オンタイム区間で第1オンタイム区間の最終周波数を第2開始駆動周波数に設定して、第2オンタイム区間で連続的に駆動周波数を可変しながらインピーダンスをマッチングする。結局、第1オンタイム区間で周波数を可変してマッチング周波数f_matchに到達してインピーダンスマッチングを行う。
【0023】
しかし、このような方式のインピーダンスマッチング方法は、周波数可変インピーダンスマッチングを行うために複数のパルスを求める。したがって、高速で効率的なパルス型可変周波数RF発生器のインピーダンスマッチング方法が求められる。
【0024】
本発明の一実施例による周波数チューニングインピーダンスマッチング方法は、ユーザが設定した開始駆動周波数(Start Driving Frequency)とRF出力信号を分析して駆動周波数を変更する。具体的には、n番目のパルス内で測定されたアシスタントの虚数部であるサセプタンスを用いて、次の周波数を予測する。これによって、インピーダンマッチングが高速で行われるか、又は高速で最適周波数に到達する。
【0025】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。しかし、本発明は、ここで説明する実施例に限らず、他の形態で具体化することも可能である。それどころか、ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底かつ完全になるように、当業者に本発明の思想が十分伝えるように提供されるものである。図面において、構成要素は明確性を期するために誇張されたものである。明細書全体に亘って、同一の参照番号は、同一の構成要素を指す。
【0026】
図4は、本発明の一実施例によるパルス型可変周波数RF発生器及び負荷を示す回路図である。
【0027】
図5は、図4でパルス型可変周波数RF発生器の出力端で負荷を見たインピーダンスを表示するスミスチャート(Smith Chart)である。
【0028】
図4及び図5に示すように、パルス型可変周波数RF発生器110は、伝送線120を通じてインピーダンスマッチングネットワーク130と負荷140でRF電力を負荷140に伝達する。インピーダンスマッチングネットワーク130と負荷140を見たインピーダンスはZ’である。パルス型可変周波数RF発生器110の出力端N1で伝送線120、インピーダンスマッチングネットワーク130と負荷140を見たインピーダンスはZiである。第1インピーダンスZiは第1アドミタンスYi=1/Ziに変換され、第2インピーダンスZ’は第2アドミタンスy’に変換される。また、第2アドミタンスy’は規格化されたアドミタンスy’=Z Y’=g’+ib’と表示される。ここで、Zは伝送線120の特性インピーダンスである。ここで、g’はコンダクタンスであり、b’はサセプタンスである。
【0029】
インピーダンスマッチング地点は、スミスチャートの原点で、反射係数Γ’がゼロである地点である。インピーダンスマッチングネットワーク130の入力端N1で見た第2インピーダンスZ’の実数部が50オームと固定された場合、g’=1であるコンダクタンスサークル(conductance circle)は、原点とPscを直径とする円である。パルス型可変周波数RF発生器110の駆動周波数が増加する場合、スミスチャートのP3地点はg’=1であるコンダクタンスサークル(conductance circle)に沿って時計回りに回転する。パルス型可変周波数RF発生器110の駆動周波数が減少する場合、スミスチャートのP2地点はg=1であるコンダクタンスサークル(conductance circle)に沿って時計回りに回転する。
【0030】
一方、第1インピーダンスZiは第2インピーダンスZ’に比べて伝送線130による位相差φをさらに有する。第2インピーダンスZ’に対して、g’=1であるコンダクタンスサークル(conductance circle)は、スミスチャート上に時計回りに回転する。位相差φは駆動角周波数ω及び伝送線120の長さdに比例し、電磁波の速度cに反比例する。前記伝送線の特性インピーダンスはZである。
第2反射係数Γ’の虚数部が正の値を有する場合、駆動周波数を増加させれば、最小経路に沿ってスミスチャートの原点に移動して、インピーダンスマッチングを行う。一方、第2反射係数Γ’の虚数部が負の値を有する場合、駆動周波数を減少させて最小経路に沿ってスミスチャートの原点に移動してインピーダンスマッチングを行う。
【0031】
第1インピーダンスZiに対して、g=1であるコンダクタンスサークル(conductance circle)上にあるP1地点は、駆動周波数が増加すると、時計回りに回転し、駆動周波数が減少すると、反時計回りに回転する。
【0032】
したがって、周波数チューニングインピーダンスマッチングのために駆動周波数の増加又は減少を容易に判断するために、反射係数Γiは位相差φほど回転する。具体的には、A地点は位相変換によってB地点に変換される。それに応じて、反射係数Γ’の虚数部の符号に従って駆動周波数の増加又は減少を決定する。
【0033】
第1インピーダンスZiに対応するP1の位置で駆動周波数を増加させると、インピーダンス特性によってP1を貫通する円に沿って時計回りに動く。駆動周波数を減少させると、反時計回りに動く。このような原理で駆動周波数をチューニングしてスミスチャート上の原点から最も近いところまで移動すると、インピーダンスマッチングが行われる。
P1の位置で最短距離でインピーダンスをマッチングするためにはスミスチャート上の原点とP1の特性円の中心を通る線を基準に上の方にあれば、周波数を減少させ、下の方にあれば、周波数を増加させることが有利である。
【0034】
最短軌跡を簡単に見出すためには、g=1であるコンダクタンスサークル(conductance circle)にφほど角度を提供すれば、円の中心とスミスチャートの中心を通る線がX軸(反射係数の実数部軸)と一致される。これに応じて、反射係数Γ’の虚数成分が正か負かによって最適な軌跡を決定する。P1地点の反射係数に位相はφであり、大きさは1の複素数を掛ける。したがって、反射係数Γ’の虚数成分が正であるP3位置は、駆動周波数を増加させることが有利である。また、反射係数Γ’の虚数成分が負であるP2位置は、駆動周波数を減少させることが有利である。
【0035】
図6は、本発明の他の実施例によるパルス型可変周波数RF発生器及び負荷を示す回路図である。
【0036】
図7は、図6のパルス型可変周波数RF発生器の動作を示す流れ図である。
【0037】
図8は、図6のパルス型可変周波数RF発生器のパルス型RF信号、パルス発生器パルス状態信号、及び駆動周波数を示す。
【0038】
図9は、スミスチャート上で駆動周波数によるアドミタンスを示す。
【0039】
図10は、駆動周波数によるアドミタンスの虚数部を示す。
【0040】
図11は、制御ループの動作時間による駆動周波数の変化を示す。
【0041】
図6ないし図11に示すように、パルス型可変周波数RF電源システム100は、パルス型可変周波数RF発生器110、前記パルス型可変周波数RF発生器110と負荷140との間に配置されたインピーダンスマッチングネットワーク130を含む。前記パルス型可変周波数RF発生器110は、交番するオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFにRF電力を負荷140に提供する。前記インピーダンスマッチングネットワーク130は、少なくとも2つの可変リアクタンス素子C1、C2を含む。前記インピーダンスマッチングネットワーク130の可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変更して前記負荷方向のインピーダンスを調整する。
【0042】
前記パルス型可変周波数RF発生器110は、インピーダンス感知部115、インピーダンス処理部111、駆動周波数予測部117、駆動周波数制御部113、パルス発生器116、及びRF増幅器114を含む。前記パルス型可変周波数RF発生器110は、駆動周波数を変更して高速でインピーダンスマッチング又は最適の周波数で動作する。
【0043】
インピーダンス感知部115は、n番目のオンタイム区間T_ON(n)で前記パルス型可変周波数RF発生器110の出力端N1に配置されてRF電流信号I及びRF電圧信号Vを感知する。nはパルスの順番である。
【0044】
インピーダンス処理部111は、n番目のオンタイム区間T_ON(n)で前記のRF電流信号I及び前記RF電圧信号Vを用いて、前記パルス型可変周波数RF発生器110の出力端N1でのインピーダンスZi及び反射係数Γi、前記負荷140とパルス型可変周波数RF発生器110との間の伝送線120による位相移動された反射係数Γ’、そして前記位相移動された反射係数Γ’で変換された位相移動されたアドミタンスy’を算出する。
【0045】
駆動周波数予測部117は、n番目のオンタイム区間T_ON(n)で測定された駆動周波数による前記位相移動されたアドミタンスy’を用いて、次のオンタイム区間T_ON(n+1)の駆動周波数を予測する。
【0046】
駆動周波数制御部113は、前記予測された駆動周波数を次のオンタイム区間T_ON(n+1)の開始駆動周波数に設定し、前記位相移動された反射係数Γ’を用いて駆動周波数を制御する。
【0047】
パルス発生器116は、パルス信号を生成してオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFを区分し、前記パルス信号を前記駆動周波数予測部117及び前記駆動周波数制御部113に提供する。
【0048】
RF増幅器114は、前記駆動周波数制御部の駆動周波数で正弦波を増幅させてRF信号を出力する。
【0049】
負荷140は、容量結合プラズマを形成する電極又は誘導結合プラズマを形成するアンテナである。前記負荷140は、半導体工程を処理するチャンバ内部又は外部に装着される。前記負荷140は、前記パルス信号に同期化されてパルスプラズマを形成する。駆動周波数は、数MHzないし数十MHzである。パルス周波数は、数kHzないし数十kHzである 。RFパルスのオンデューティ比(On Duty Ratio)は、数パーセントないし数十パーセントである。オンタイム区間T_ONは、50μsec以下である。好ましくは、オンタイム区間T_ONは、100 usec以下である。
【0050】
インピーダンスマッチングネットワーク130は、可変リアクティブ素子の連結方法によって様々な類型に分類される。例示的に、インピーダンスマッチングネットワーク130は、負荷に直列連結された第1可変蓄電器C1と、前記直列連結された第1可変蓄電器C1と負荷140に並列連結された第2可変蓄電器C2を含む。前記インピーダンスマッチングネットワーク130は、L型、逆L型(inverted L-type)、T型、又はπ型である。前記インピーダンスマッチングネットワーク130は、前記パルス型可変周波数RF発生器110の駆動周波数のチューニングによるインピーダンスマッチングに失敗した場合に動作してインピーダンスマッチングを行う。
【0051】
インピーダンス感知部115は、前記パルス型可変周波数RF発生器110の出力端N1で負荷方向のRF電流信号I及びRF電圧信号Vを測定する。前記RF電流信号I及びRF電圧信号Vは、前記駆動周波数の周期以上のサンプリング時間の間、前記駆動周波数より高いサンプリングレート(sampling rate)でサンプリングされてデジタル信号に変換されて前記インピーダンス処理部111に提供される。
【0052】
インピーダンス処理部111は、前記RF電流信号I及びRF電圧信号Vを用いて前記パルス型可変周波数RF発生器110の出力端N1でのインピーダンスZi及び/又は反射係数Γiを算出する。また、前記インピーダンス処理部111は、伝送線120の長さdによる位相差φを補償する。具体的に、反射係数Γiは、インピーダンスマッチングネットワーク130の入力端N2で負荷140を見た位相移動された反射係数Γ’であり、次のように変換される。
【数1】
【0053】
ここで、φは位相差であり、d は伝送線の長であり、ω は駆動角周波数であり、c は伝送線で電磁波の速度である。前記伝送線120は同軸ケーブルである。前記位相移動された反射係数Γ’は、前記インピーダンスマッチングネットワーク130の入力端N2で負荷を見た反射係数である。
【0054】
インピーダンス処理部111は、位相移動された反射係数Γ’を位相移動されたアドミタンスy’に変換する。位相移動されたアドミタンスは、以下のように与えられる。
【数2】
【0055】
ここで、g’はコンダクタンスであり、b’はサセプタンスである。
【0056】
前記駆動周波数制御部113は、前記位相移動された反射係数Γ’の提供を受ける。前記駆動周波数制御部113は、オンタイム区間T_ONを複数の単位時間Δtに分割して、単位時間Δtごとに駆動周波数を変更する。単位時間Δtは、制御ループの動作時間であり、約1 usec水準である。したがって、制御ループの総個数qはT_ON/Δtである。ここで、qは3以上の正の定数である。
【0057】
前記駆動周波数制御部113は、前記位相移動された反射係数の虚数部Im(Γ’)の符号に従って駆動周波数の増減の方向を選択する。具体的には、反射係数の虚数部Im(Γ’)が正の値を有する場合、前記駆動周波数を周波数変化量dfほど増加させる。また、前記反射係数の虚数部Im(Γ’)が負の値を有する場合、前記駆動周波数を周波数変化量dfほど減少させる。周波数変化量dfは、反射係数の絶対値|Γ’|又は反射係数の虚数部Im( Γ’)の大きさに依存する。例えば、前記周波数変化量dfは、反射係数の絶対値|Γ’|又は反射係数の虚数部Im(Γ’)の大きさに比例する。例えば、前記駆動周波数制御部113は、前記反射係数の絶対値|Γ’|がしきい値以下にインピーダンスマッチングが行われた場合には、駆動周波数を変更しない。前記駆動周波数制御部113は、インピーダンスマッチング程度によって周波数変化量dfを調整する。
【0058】
前記駆動周波数制御部113は、比例-積分-微分制御方式を使用する。前記駆動周波数制御部113は、オンタイム区間T_ONに駆動周波数を出力し、オフタイム区間T_OFFに駆動周波数を出力しない。
【0059】
前記RF増幅器114は、前記駆動周波数でRF出力を提供する。RF増幅器114は、RF電力増幅器である。前記RF増幅器114の出力は、数百ワットないし数十キロワットである。
【0060】
パルス発生器116は、前記オンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFを識別するためのパルス信号を前記駆動周波数制御部113及び駆動周波数予測部117に提供する。前記パルス発生器116の周波数は、数kHzないし数十kHzである。前記駆動周波数が13.56MHzの範囲にある場合、前記オンタイム区間T_ON及び前記オフタイム区間T_OFFはそれぞれ50μsec水準である。制御ループの動作時間又は単位時間Δtは、約1 usec水準である。
【0061】
駆動周波数予測部117は、最初のパルスの開始周波数f_startの提供を受ける。また、最適条件を判断するためのしきい値の提供を受ける。また、周波数予測を行う制御ループの特定回収m=r又はホールドオフタイムが提供される。駆動周波数予測部117は、位相移動されたアドミタンスy’又はサセプタンスb’及び駆動周波数fの提供を受ける。駆動周波数予測部117は、位相移動された反射係数Γ’の提供を受け、前記しきい値と比較し、インピーダンスマッチング条件を満たさない場合にのみ予測駆動周波数を算出する。
【0062】
前記駆動周波数予測部117は、n番目のオンタイム区間T_ON(n)で駆動周波数に従う位相移動されたアドミタンスy’の虚数部b’を直線フィッティングして位相移動されたアドミタンスy’の虚数部b’がゼロである地点に対応する周波数を予測駆動周波数に設定する。
【0063】
前記次のオンタイム区間T_ON(n+1)の前記予測された駆動周波数f(n+1、1)は、次のように与えられる 。
【数3】
で与えられる。
【0064】
ここで、f(n、m=r)は、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で所定のr番目の処理回収で駆動周波数である。b’(n、m=r)は、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)の所定のr番目の処理回収で前記位相移動されたアドミタンスy’の虚数部であるサセプタンスである。f(n、m=q)は、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で最後の処理回収で駆動周波数である。b’(n、m=q)は、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)の最後の処理回収qのアドミタンスy’の虚数部であるサセプタンスである。rは、3ないしq-1の正の定数である。制御ループの総個数qは、T_ON/Δtである。qは3以上の正の定数である。
【0065】
又は、前記次のオンタイム区間T_ON(n+1)の前記予測された駆動周波数f(n+1、1)は、次のように与える 。
【数4】
で与えられる。
【0066】
駆動周波数予測部117は、予測された駆動周波数f(n+1、m=1)を前記駆動周波数制御部113に提供して、n+1番目のオンタイム区間T_ON(n)の開始駆動周波数で動作する。それに応じて、高速周波数チューニングインピーダンスマッチングが行われる。
【0067】
以下、パルス型可変周波数RF発生器のインピーダンスマッチング方法が説明される。
【0068】
図7を再度参照すると、本発明の一実施例によるパルス型可変周波数RF発生器110は、交番するオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFのパルスでRF電力を負荷140に提供し、前記オンタイム区間T_ON内で駆動周波数を変更する制御ループを含む。
【0069】
パルス型可変周波数RF発生器110のインピーダンスマッチング方法は、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で駆動周波数f(n、m)を変更する段階(S101)と、前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)のアドミタンスを用いてn+1番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n+1)の駆動周波数を予測している段階(S301)と、n+1番目のパルスのオンタイムT_ON(n+1)で前記予測された駆動周波数f(n+1、1)によって前記パルス型可変周波数RF発生器110のRF出力を提供する段階(S141)と、を含む。ここで、f(n、m)はn番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)内でm番目の処理回収(又は制御ループ)で駆動周波数である。nはパルスの順番を示す。mは1ないしqの間の正の定数である。制御ループの総個数qはT_ON/Δtである。ここで、qは3以上の正の定数である。mはオンタイム区間T_ON内で駆動周波数の変更のための前記制御ループの処理回収を示すインデックスを示す。
【0070】
まず、最初のパルスの開始駆動周波数f_start、パルスのデューティ比、パルスの周期、一つのパルス内で制御ループの総個数q、制御ループの動作時間Δ及び制御ループの処理回収を示すインデックスmの初期値が設定される(S110)。
【0071】
n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で駆動周波数f(n、m)を変更する段階(S101)は、第1段階(S121)、第2段階(S122、S123)、そして第3段階(S126)を含む。
【0072】
S121段階において、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で前記パルス型可変周波数RF発生器110の出力端でRF電流信号I及びRF電圧信号Vを測定する。前記RF電流信号I及びRF電圧信号Vは、インピーダンス感知部115に感知される。
【0073】
S122及びS123段階において、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で前記RF電流信号I及び前記RF電圧信号Vを用いて前記パルス型可変周波数RF発生器の出力端でインピーダンスZi、反射係数Γi、及び伝送線による位相を反映した位相移動された反射係数Γ’、位相移動されたアドミタンスy’を算出する。位相移動された反射係数Γ’は、(数1)によって演算される。インピーダンス処理部111は、インピーダンスZi、反射係数Γi、及び伝送線による位相を反映した位相移動された反射係数Γ’、位相移動されたアドミタンスy’を算出する。
【0074】
S124段階において、前記位相移動された反射係数Γ’を用いてインピーダンスマッチングのための最適条件を判断する。前記駆動周波数制御部は、前記位相移動された反射係数Γ’を用いてインピーダンスマッチングのための最適条件を判断する。前記最適条件は、前記位相移動された反射係数の絶対値|Γ’|又は前記位相移動された反射係数Γ’の虚数部Im(Γ’)の大きさで判断される。前記最適条件である場合、駆動周波数の変更のための処理回収を示すインデックスmを増加させた後、前記パルス型可変周波数RF発生器の出力端でRF電流信号I及びRF電圧信号Vを測定する第1段階(S121)を行う。前記最適条件でない場合、前記駆動周波数を変更する第3段階(S126)を行う。
【0075】
具体的に、前記位相移動された反射係数の虚数部Im(Γ’)がしきい値以内である場合(又はインピーダンスマッチングが完了された場合)、駆動周波数の変更のための処理回収を示すインデックスmを増加させた(S124a)後、前記パルス型可変周波数RF発生器の出力端でRF電流信号I及びRF電圧信号Vを測定する第1段階(S121)を行う。前記位相移動された反射係数の虚数部Im(Γ’)がしきい値以外にある場合、前記駆動周波数を変更する第3段階(S126)を行う。
【0076】
第3段階(S126)において、n番目のオンタイム区間T_ON(n)で前記位相移動された反射係数の虚数部Im(Γ’)の符号に従って前記パルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数の増減方向を選択し、前記駆動周波数を変更する。具体的には、前記位相移動された反射係数の虚数部Im(Γ’)が正の値を有する場合、駆動周波数は増加し、前記位相移動された反射係数の虚数部Im(Γ’)が負の値を有する場合、駆動周波数は減少する。前記駆動周波数の変化量dfは、反射係数の絶対値|(Γ’)|又は反射係数の虚数部Im(Γ’)の大きさに依存する。
【0077】
S125段階において、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)が終了するか否かを判断する。すなわち、m>qの場合、オンタイン区間T_ON(n)が終了される。オンタイム区間T_ON(n)が終了されない場合、S126段階で、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)で前記位相移動された反射係数の虚数部Im(Γ’)の符号に従って前記パルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数の増減方向を選択して前記駆動周波数を変更する。
【0078】
n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)の終了時まで前記第1段階(S121)、前記第2段階(S122、S123)、及び前記第3段階(S126)は繰り返される。
【0079】
オンタイム区間T_ON(n)が終了された場合(m>q)、S131段階で、前記n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)のアドミタンスy’を用いてn+1番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n+1)の駆動周波数を予測する。S131段階は、n番目のオンタイム区間T_ON(n)で位相移動されたアドミタンスy’の虚数部を駆動周波数に従って直線フィッティングする段階と、前記位相移動されたアドミタンスy’の虚数部がゼロである地点に対応する周波数をn+1番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n+1)の予測された駆動周波数f(n+1、1)に設定する段階と、を含む。S131段階は、インピーダンスがマッチングされていない場合にのみ選択的に行われる。
【0080】
前記n+1番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n+1)の前記予測駆動周波数f(n+1、m=1)は、(数3)又は(数4)で与えられる。m=1である場合、パルスの開始時間によって負荷であるプラズマの安定性が減少して、不安定なインピーダンスが測定される。したがって、n+1番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n+1)で使用する予測された駆動周波数は、所定のr番目の処理回収で測定されたデータと最後のq番目の処理回収で測定されたデータを処理して使用する。つまり、rは3ないしq-1の正の定数である。
【0081】
n+1番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n+1)の駆動周波数を予測した後、オフタイム区間T_OFFのために時間遅延が行われる(S132)。
【0082】
次のパルスのために、n=n+1に設定し、制御回路の処理回収インデックスはm=1に設定する(S133)。
【0083】
n+1番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n+1)の予測駆動周波数f(n+1、1)でRF電力を出力する(S141)。
【0084】
n+2番目のパルスが始まる前まで、n+1番目のパルスで制御ループがq回繰り返される。
【0085】
図8に示すように、パルス型可変周波数RF発生器110は、交番するオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFのパルスでRF電力を負荷140に提供する。パルス発生器110は、交番するオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFのパルス信号を生成する。前記パルス信号の周期は約100 usec水準である。
【0086】
前記パルス型可変周波数RF発生器110の駆動周波数は、最初のパルスの開始駆動周波数f_startで初めてn番目のパルスのm=1の制御ループで、f(n、m=1)の駆動周波数を有する。時間に応じて、前記位相移動された反射係数の虚数部Im(Γ’)が負の値を有する場合、駆動周波数は減少する。m=rの制御ループ及びm=qの制御ループで、駆動周波数とサセプタンスb’を使用して、n+1番目のパルスのm=1の制御ループで使用する駆動周波数f(n+1、m=1)が予測される。すなわち、次のパルスの開始駆動周波数は、以前のパルスの駆動周波数とサセプタンスb’を使用して予測される。これに応じて、高速の周波数チューニングインピーダンスマッチング又は最適周波数設定が可能である。本発明によると、1-3個のパルス内でインピーダンスマッチングが完了する。
【0087】
図9に示すように、前記パルス型可変周波数RF発生器110の駆動周波数の可変範囲は、12.88MHz~14.24MHzである。マッチングされた周波数は13.56MHzであり、インピーダンスマッチングネットワーク130と負荷140を含むインピーダンスの実数部Z’は、50オームに設定された。位相移動された反射係数Γ’又は位相移動されたアドミタンスy’は、スミスチャートに表示される。最適のインピーダンスマッチング位置は、反射係数Γ’の虚数成分が“0”である周波数である。スミスチャート上で、12.88MHzから駆動周波数が増加することによってサセプタンスb’が負の値からゼロに増加する。一方、14.24MHzから駆動周波数が減少することによってサセプタンスb’が正の値からゼロに減少する。
【0088】
g’=1であるコントクトンスサークルで、駆動周波数が増加することによってサークルに沿って時計回りに回転し、サセプタンスb’の絶対値が漸進的にゼロに接近する。サセプタンスb’の絶対値がゼロに達すると、インピーダンスがマッチングされる。
【0089】
図10及び図11に示すように、実線は、負荷140及びインピーダンスマッチングネットワーク130のインピーダンスZ’の実数部が50ohmである場合、駆動周波数によるサセプタンスb’を表示する。12.88MHzから駆動周波数が増加することによってサセプタンスb’が負の値からゼロに増加する。f(n、m=r)は、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)でのm=r番目の制御ループの駆動周波数を示す。f_match は、インピーダンスがマッチングされた駆動周波数である。点線は、f(n、m=r)でのサセプタンスとf(n、m=q)でサセプタンスを連結する直線である。前記直線がゼロである地点の周波数がn+1番目のパルスのオンタイム区間で予想される予測マッチング周波数である。rとqを連結する直線のサセプタンスb’が“0”になる周波数f(n+1、m=1)が予測マッチング周波数であり、次のパルスの開始駆動周波数になる。
【0090】
n番目のパルスのオンタイム区間のデータ(又はサセプタンス)を使用して得られた予測駆動周波数をn+1番目のパルスのオンタイム区間の開始駆動周波数として使用すると、高速で周波数のチューニングインピーダンスマッチングが行われる。
【0091】
図12は、本発明の他の実施例による駆動周波数によるアドミタンスの虚数部を示す。
【0092】
図13は、図12の制御ループの動作時間による駆動周波数の変化を示す。
【0093】
図12及び図13に示すように、実線は、負荷及びインピーダンスマッチングネットワークのインピーダンスZ’の実数部が50ohmである場合、駆動周波数によるサセプタンスb’が表示される。12.88MHzから駆動周波数が増加することによってサセプタンスb’が負の値からゼロに増加する。f(n、m=r)は、n番目のパルスのオンタイム区間T_ON(n)でのm=r番目の制御ループの駆動周波数を示す。f_match は、インピーダンスがマッチングされた駆動周波数である。点線は、f(n、m=r)でのサセプタンスとf(n、m=q)でサーソプタンスを連結する直線である。rとqを連結する直線がゼロである地点の駆動周波数がn+1番目のパルスのオンタイム区間で予想される予測駆動周波数である。rとqを連結する直線のサセプタンスb’が“ゼロ”になる駆動周波数がf(n+1、1)である。f(n+1、1)は、f_match(13.56MHz)より大きい。
【0094】
n+1番目のパルスのオンタイム区間の前記予測駆動周波数で反射係数の虚数部Im(Γ')が正の値を有する。したがって、n+1番目のパルスのオンタイム区間で、駆動周波数は制御ループが動作することによって減少する。
【0095】
n番目のパルスのオンタイム区間のデータ(又はサセプタンス)を使用して得られた予測駆動周波数をn+1番目のパルスのオンタイム区間の開始駆動周波数として使用すると、高速で周波数チューニングインピーダンスマッチングが行われる。
【0096】
図14は、本発明のもう一つの実施例による負荷及びインピーダンスマッチングネットワークのインピーダンスZ’変化をスミスチャートに表示した絵である。
【0097】
図15は、図14のスミスチャートに表示されたサセプタンスを駆動周波数に従って表示したグラフである。
【0098】
図14及び図15に示すように、g’=1であるコンダクタンスサークルは、インピーダンスZ’の実数部Re(Z’)が50オームの場合である。g’=0.5であるサークルは、インピーダンスの実数部Re(Z’)が100オームの場合である。g’=2であるサークルは、インピーダンスの実数部Re(Z’)が25オームの場合である。
【0099】
インピーダンスの実数部Re(Z’)が50オームでない場合にも、パルス型可変周波数RF発生器は動作する。すなわち、インピーダンスマッチングは行われないが、反射係数の絶対値| Γ’|を最小化する駆動周波数が存在する。g’=0.5であるサークルで、Kの位置は反射係数の虚数部Im(Γ’)がゼロになる地点で、インピーダンスマッチング条件の代わりに最適周波数の位置に使用される。g’=2であるサークルで、Lの位置は反射係数の虚数部Im(Γ’)がゼロになる地点で、インピーダンスマッチング条件の代わりに最適周波数の位置に使用される。
【0100】
図7を再度参照すると、S124段階において、前記位相移動された反射係数Γ’を用いてインピーダンスマッチングのための最適条件を判断する。前記最適条件は、前記位相移動された反射係数の絶対値|Γ’|又は前記位相移動された反射係数Γ’の虚数部Im(Γ’)の大きさで判断する。例えば、前記位相移動された反射係数Γ’の虚数部Im(Γ’)の絶対値がしきい値以下である場合、最適条件を判断する。インピーダンスのマッチングは、反射係数の絶対値|Γ’|で判断されるが、インピーダンスマッチングが行われない場合には、反射係数の虚数部Im(Γ’)がゼロであるか否か(又は臨界値以下であるか否か)によって最適条件を判断する。
【0101】
したがって、反射係数の虚数部Im(Γ’)がゼロである場合、現在の状況では最適駆動周波数である。したがって、駆動周波数は最適駆動周波数で維持される。
【0102】
一方、インピーダンスの実数部が50オームより大きい値を有する場合、予測駆動周波数の誤差は増加する。しかし、この誤差は一つのパルス内で制御ループアルゴリズムによって到達する。n+1番目のパルスでもf_matchに達しない場合に、駆動周波数を予測するアルゴリズムがパルスごとに行われて、n+2番目のパルス内で最適の駆動周波数に到達する。
【0103】
前記パルス型可変周波数RF発生器は、駆動周波数を変更して最適駆動周波数で動作する。インピーダンスマッチングネットワーク130は、前記パルス型可変周波数RF発生器110と前記負荷140との間に配置され、少なくとも2つの可変リアクタンス素子を含む。前記インピーダンスマッチングネットワーク130は、完璧なインピーダンスマッチングのために可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変更する。これによって、インピーダンスマッチングネットワークの入力端N2で前記負荷方向の前記インピーダンスの実数部Re(Z’)は伝送線の特性インピーダンスZに変更される。これによって、g’=1であるコンダクタンスサークル上にインピーダンスZ’が存在して、前記パルス型可変周波数RF発生器はインピーダンスマッチングを行う。
【0104】
図16は、本発明のもう一つの実施例によるパルスシーケンスを示す図面である。
【0105】
図16に示すように、本発明の駆動周波数を予測するアルゴリズムが行われる前に、少なくとも一つの駆動周波数を予測するアルゴリズムが行われないパルスが負荷に伝達される。このようなパルスは、フラズマを初期放電してz安定化させる。プラズマ安定化区間の間、駆動周波数は既に設定された開始駆動周波数f_startで動作する。前記パルス型可変周波数RF発生器の駆動周波数を変更せずに交番するオンタイム区間T_ONとオフタイム区間T_OFFを含むプラズマ安定化させる段階を含む。
【0106】
以上では、本発明を特定の好ましい実施例に対して図示して説明したが、本発明はこのような実施例に限らず、当該発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が特許請求の範囲で請求する本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で行うことができる様々な形態の実施例を全て含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16