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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】睡眠統計を決定する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/16 20060101AFI20220712BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20220712BHJP
   A61B 5/113 20060101ALI20220712BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
A61B5/16 130
A61B5/08 ZDM
A61B5/113
A61B5/0245 100B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019571675
(86)(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 EP2018067695
(87)【国際公開番号】W WO2019002604
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】62/526,748
(32)【優先日】2017-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】フェレイラ ドス サントス ダ フォンセカ ペドロ ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】オーベール ザビエル ルイス マリエ アントワーヌ
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-005590(JP,A)
【文献】特開2013-081691(JP,A)
【文献】特開2004-283194(JP,A)
【文献】特表2008-515494(JP,A)
【文献】特表2016-538898(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0055898(US,A1)
【文献】特表2003-502083(JP,A)
【文献】特表2016-501565(JP,A)
【文献】特開2014-073237(JP,A)
【文献】特表2012-532703(JP,A)
【文献】国際公開第2016/192941(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/03
A61B 5/08
A61B 5/113
A61B 5/1455
A61B 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胸部ベルトを使用して呼吸努力信号を測定するステップ、及び
SpO2センサを使用して心拍数情報を収集するステップ
を含む、対象者の心呼吸系情報を収集するステップと、
前記呼吸努力信号から活動記録の特徴を得るステップを含む、前記心呼吸系情報から特徴を抽出するステップと、
抽出した前記特徴の少なくともいくつかを使用することによって前記対象者の睡眠段階を決定するステップと、
前記決定した睡眠段階に基づいて、前記対象者の推定合計睡眠時間を決定するステップと、
前記推定合計睡眠時間を使用して、前記対象者の睡眠統計を決定するステップとを含む、対象者の睡眠統計を決定する方法。
【請求項2】
前記決定した睡眠段階に基づいて、前記対象者の推定合計睡眠時間を決定するステップが、
各睡眠段階の持続時間を推定するステップと、
前記睡眠段階の前記持続時間を合計するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対象者の心呼吸系情報を収集するステップが、自宅睡眠検査デバイスを介して心呼吸系情報を収集するステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記心呼吸系情報から特徴を抽出するステップが、心拍数変動の特徴、呼吸変動の特徴、又は身体運動の少なくとも1つを抽出するステップを更に含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記対象者の心呼吸系情報を収集するステップが、胸部ベルト及びSpO2センサを使用して呼吸努力信号を測定するステップを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
加速度計を介して前記対象者の身体運動に関する情報を収集するステップを更に含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
呼吸胸部ベルト及びSpO2センサの1つ又は複数から受信した情報を介して、身体運動に関する情報を決定するステップを更に含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記決定した睡眠段階の1つ又は複数の指示を前記対象者に提供するステップを更に含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1からのいずれか一項に記載の方法を実施するプログラムコードを備える、コンピュータプログラム
【請求項10】
請求項9に記載のコンピュータプログラムで符号化された、非一時的機械可読媒体。
【請求項11】
請求項1からのいずれか一項に記載の方法を実施するようにプログラミングされたプロセッサを有する、睡眠モニタリングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[01] 本発明は、患者の睡眠統計を決定する方法に関し、より詳細には、患者の合計睡眠時間を決定する改善された方法を利用する自宅睡眠検査におけるAHI推定精度を向上する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[02] 自宅睡眠検査(HST)は、生命信号(vital signal)及び他の生理学的測定値を記録する非影響技術に依存しているため、日常の習慣及び快適さを混乱させることなく対象者を自宅でモニタリングすることができる。かかる睡眠検査の重要なパラメータは、対象者が実際に眠っている合計時間であり、一般的に合計睡眠時間と呼ばれる。合計睡眠時間を要する睡眠統計の例は、睡眠障害呼吸診断の重要なパラメータである無呼吸・低呼吸指数(AHI)、又は睡眠の質の第1の客観的指標を提供する睡眠効率パラメータ、又は周期的四肢運動指数(PLMI)によって与えられる。別の例は、睡眠1時間当たりの平均大脳皮質覚醒回数として定義される、覚醒反応指数によって与えられる。これら全ての例では、例えば、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)又は有意な四肢運動若しくは覚醒に関して、特定のイベントが検出され計数されなければならず、睡眠1時間当たりのかかるイベントの平均回数は、覚醒間隔を除いた後に合計睡眠時間を用いて正規化することによって得られる。これらの標的イベントを検出する特定の方法は、「最新技術」であり、SpO2指クリップ又はインピーダンス胸部ベルト又は足首につけた加速度計など、通常のセンサから高い信頼性で得ることができるので、ここでは考察しない。
【0003】
[03] 現在、睡眠/覚醒分類は、睡眠を特徴付ける運動が存在しないことに基づいて、単純な活動記録技術によって試行される。しかしながら、不眠症の影響下にある対象者は眠っていなくてもじっとしていることがあるので、これは単なる必要条件であり、十分な条件ではない。したがって、活動記録は、睡眠の問題がある人の真の睡眠時間を過大評価することが知られており、そのことが、睡眠1時間当たりの平均イベント回数を要する睡眠統計の過小評価につながる。改善された睡眠/覚醒分類は、真の睡眠状態を非睡眠状態に対して高い信頼性で区別できるように、基礎となる睡眠段階(レム、ノンレム、覚醒など)を特定することを要する。この文脈では、合計睡眠時間は、実際は全睡眠段階分析の副産物であり、これを、睡眠の質の客観的な指標を導き出すこと、或いはただのAHI若しくはPLMIパラメータ値よりもはるかに優れた、レム若しくは熟睡が減少したこと又は更には存在しないことに関連する、改良された睡眠診断を提供することなど、他の目的で使用することができる。
【0004】
[04] 一般集団における睡眠呼吸障害(SDB)の有症率が高いことを所与として、まさしく本発明の背景の一部である多数の要素に注意することが重要である。睡眠呼吸障害は、呼吸プロセスの一時的な減少又は停止につながる、閉塞性又は中枢性無呼吸若しくは低呼吸などの、短く繰り返されるイベントによって引き起こされる。かかるイベントは、睡眠効率が大きく低減されない限り、対象者には自覚されないままである。このことは、睡眠呼吸障害が過小診断され続け、また多くの場合、正常な生活(専門的活動を含む)が大幅に阻害される程度まで対象者が実際に睡眠不足となる、後の深刻な段階でようやく特定される理由の説明となる。SDB診断の重要なパラメータは、検出された無呼吸/低呼吸イベントの回数を合計睡眠時間で割った比として定義される、無呼吸・低呼吸指数(AHI)である。無呼吸及び低呼吸イベントの自動検出は、一般的に、呼吸努力と、「Home Diagnosis of Sleep Apnea: A Systematic Review of the Literature」, Chest, vol. 124, no. 4, pp. 1543-79, 2003に記載されているような、SpO2指クリップとからの二重信号入力に基づき、該文献の内容を参照により本明細書に援用する。第1の信号は呼吸運動の振幅の変動につながり、第2の測定値は相対酸素脱飽和度を提供する。これによって、呼吸運動の一時的な低下又は停止を検出すると同時に、これらのイベントが血液酸素化に及ぼす影響を定量化することができる。
【0005】
[05] 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、高血圧、心不全、不整脈、心筋虚血及び梗塞、肺動脈高血圧及び腎臓病、代謝調節異常(インスリン耐性及び脂質疾患)、並びに脳血流及び脳血流自動調節の変化など、心血管系疾患及び脳血管疾患のリスク増加と関連付けられており、それらは、高齢者における心血管系疾患、脳卒中、痴呆、及び認知障害のリスク因子である。日中の眠気があるOSA患者はまた、自動車事故及び労働災害に遭いやすく、仕事中の生産性が低いことが見出されている。初期の研究では、有病率が女性で2%、男性で4%と推定されたが、より最近の調査では、成人の約5人に1人が少なくとも軽度のOSAであり、15人に1人が少なくとも中度のOSAであると言われている。多くの過体重及び肥満の事例に関連して、SDBの有病率は更に増加する可能性がある。
【0006】
[06] しかしながら、研究により、臨床的に有意なOSAを有する患者の85%超が診断未確定のままであることが見出されている。このレベルの過小診断の理由には複数の因子があるが、可能性がある1つの説明は、OSAの有無及び重症度を正確にスクリーニングするのが困難なことである。診断は、一般的に、終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)検査を用いて確立されるが、かかる検査は複雑で非常に高価な処置であって、患者にとって大きな負担を意味する場合が多い。かかる検査は患者を一般的な睡眠環境から引き離すだけではなく、かかる検査は睡眠を大きく阻害することも知られており、場合によっては、起こり得る障害を表さない観察が得られてしまう。
【0007】
[07] 近年、自宅睡眠検査(HST)の普及率の増加が見られている。HSTは、一般的に、PSGよりも少ないセンサセット、一般的には「SpO2」センサ、呼吸努力ベルト、及び鼻/口の上の呼吸フローセンサを備える。これによって、かかる検査がより快適になり、設定しやすくなる。更に、それらの携帯性により、家庭で使用することができ、その場合、対象者によって就寝前に設置され、朝起床した後に取り外される。デバイスが委託医師に返された後、データは、手動又は(半)自動で分析される場合が多く、中でも特に、無呼吸・低呼吸指数(AHI、睡眠1時間当たりの無呼吸/低呼吸イベントの平均回数)及び睡眠効率(SE%、ベッド内での1時間当たりの真の睡眠時間のパーセント)などのパラメータが算出され、そこから治療医師が第1の診断を行うことができる。
【0008】
[08] 睡眠段階は、従来、睡眠実験室におけるPSG中に記録されたEEG信号から手動又は(半)自動で注釈され、それは高価で労働集約的である。しかしながら、近年、心呼吸系情報はEEGに代わる有望なものであり、妨げられずに測定できるという利益があることが示されてきた。心呼吸系に基づいた睡眠段階分類は、過去数年間にわたってますます研究されてきた。多くの研究は、これらのタイプの特徴を使用して、異なる睡眠段階の分類に対する結果を報告している。かかる方法は、一般的に、心信号から得られ、胸部ベルト又は鼻息センサ(nasal flow sensor)からの呼吸情報、及び一般的には加速度計又は活動記録デバイスから測定される身体運動によって増強される、心拍数変動性の特徴を利用する。HSTは、例えば睡眠クリニックにおいて、従来のPSGで得られる全ての情報を有するわけではないが、全PSGと単純な活動記録とのギャップを低減する可能性を有するとともに、より低コストで快適さの改善を提供する。最も一般的なセンサを装備した近年のHSTデバイスを用いて、PSG由来の睡眠段階化情報の大部分が利用可能になる。より正確には、HSTベースの睡眠段階化方法は、睡眠及び覚醒回数の推定の改善につながり、AHI又はPLMI値の計算に関して、はるかに良好な代替例を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[09] 実際には、終夜にわたる平均化に応じた重要な診断パラメータ(AHI若しくはPLMIなど)は、現在、最も利用可能なHSTデバイスを用いて、合計睡眠時間の代わりに合計記録時間に基づいて正規化され、睡眠効率が低い対象者(ベッド内で過ごした総時間に対して睡眠時間が少ない)の場合、これらの値の深刻な過小評価につながり、結果として、(睡眠呼吸)疾患の重症度又は更には有無の過小診断につながる。したがって、対象者の合計睡眠時間の改善された測定を提供することができる、システム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[10] 本発明の実施形態は、真の睡眠間隔対覚醒間隔を特定する、睡眠段階分析に基づいた対象者の合計睡眠時間の改善された推定を提供する。したがって、本発明の目的は、対象者の睡眠統計を決定する方法を提供することである。方法は、対象者の心呼吸系情報を収集することと、心呼吸系情報から特徴を抽出することと、抽出した特徴の少なくともいくつかを使用することによって、対象者の睡眠段階を決定することと、決定された睡眠段階に基づいて、対象者の推定合計睡眠時間を決定することと、推定合計睡眠時間を使用して対象者の睡眠統計を決定することとを含む。
【0011】
[11] 決定された睡眠段階に基づいて、対象者の推定合計睡眠時間を決定することは、各睡眠段階の持続時間を決定することと、睡眠段階の持続時間を合計することとを含む。
【0012】
[12] 対象者の心呼吸系情報を収集することは、自宅睡眠検査デバイスを介して呼吸系情報を収集することを含む。
【0013】
[13] 心呼吸系情報から特徴を抽出することは、心拍数変動の特徴、呼吸変動の特徴、又は身体運動の少なくとも1つを抽出することを含む。
【0014】
[14] 対象者の心呼吸系情報を収集することは、SpO2センサを使用して心拍数情報を収集することを含む。
【0015】
[15] 対象者の心呼吸系情報を収集することは、胸部ベルトを使用して呼吸努力を収集することを含む。
【0016】
[16] 対象者の心呼吸系情報を収集することは、胸部ベルト及びSpO2センサを使用して呼吸努力を収集することを含む。
【0017】
[17] 方法は、加速度計を介して対象者の身体運動に関する情報を収集することを更に含む。
【0018】
[18] 方法は、呼吸胸部ベルト及びSpO2センサの1つ又は複数から受信した情報を介して、身体運動に関する情報を決定することを更に含む。
【0019】
[19] 方法は、決定した睡眠段階の1つ又は複数の指示を対象者に提供することを更に含む。
【0020】
[20] 本発明の別の目的は、本明細書に記載する方法を実施するプログラムコードを含むコンピュータプログラムで符号化された、機械可読媒体を提供することである。
【0021】
[21] 本発明の更に別の目的は、本明細書に記載の方法を実施するプログラムコードを含むコンピュータプログラムで符号化された、非一時的機械可読媒体を含むコンピュータプログラムを提供することである。
【0022】
[22] 本発明のこれら及び他の目的、特徴、及び特性、並びに関連する構造的要素及び部分の組み合わせの動作方法及び機能、並びに製造の経済は、全て本開示の一部を成す添付図面を参照して、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を考察することによって更に明白となるであろう。図面中、同様の番号は様々な図面における対応する部分を表す。しかしながら、図面は単に例証及び説明のためのものであり、本発明の限定を定義しようとするものではないことが、明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】[23] 本発明の例示的実施形態の実施例を示すブロック図である。
図2】[24] 本発明の例示的実施形態による方法の一般的ステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[25] 本明細書で使用するとき、単数形は、コンテキストにおいて別段の明確な指示がない限り、複数を含む。本明細書で使用するとき、2つ以上の部分又は構成要素が「結合される」という説明は、連結が生じている限り、直接的若しくは間接的に、即ち1つ若しくは複数の中間部分又は構成要素を通して、部分が接合されるか又は共に動作することを意味するものとする。本明細書で使用するとき、「直接結合される」とは、2つの要素が互いに直接接触していることを意味する。本明細書で使用するとき、「固定的に結合される」又は「固定される」とは、互いに対する一定の向きを維持したまま一体として動くように、2つの構成要素が結合されることを意味する。
【0025】
[26] 本明細書で用いるとき、「数」という用語は、1又は1を超える整数(即ち、複数)を意味するものとする。
【0026】
[27] 本明細書で使用する、方向に関する語句、例えば非限定的に、頂部、底部、左、右、上側、下側、前、後、及びそれらの派生語などは、図面に示される要素の向きに関し、特許請求の範囲で明示的に言及されない限り、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0027】
[28] 本明細書で使用するとき、「特徴」という用語は、考察されるセンサによって収集される生の測定値から統計的に又は信号処理技術を使用して計算される、関連性の生理学的特性を説明するのに使用される。例えば、心臓活動は、シングルリードECGを提供するセンサを用いて測定することができ、個々の心拍の位置及びタイミングを検出するための多数の信号処理及び統計分析ステップの後、指定期間にわたる個人の「平均心拍数」を説明する「特徴」を得ることができる。この特徴は、本発明において睡眠分析の目的で記載されるような分類子内で使用可能であるが、生の信号のECGは使用不能である。
【0028】
[29] 本明細書で使用するとき、「エポック」という用語は、睡眠段階指定に割り当てられる睡眠記録の標準的な30秒の持続時間を意味する。30秒というエポック長さの選択は、睡眠スコアリングに関して、American Academy for Sleep Medicine(AASM)が推奨する30秒のエポックに合わせるためであった。重なり合わない30秒のセグメントに基づいて特徴を抽出することによって、同じ時間分解能で睡眠段階を分類し、AASM推奨の決定基準に合わせることができる。しかしながら、本発明の趣旨から異なることなく、他の持続時間のエポックが用いられてもよいことが認識されるべきである。
【0029】
[30] 図1は、本発明の例示的実施形態の実施例を説明するブロック図を示している。例えば、非限定的に、Philips Alice NightOneデバイスなどの一般的なHSTデバイスは、フォトプレスチモグラフィ(PPG)を測定することができる指装着式のSpO2センサ、呼吸努力センサ(呼吸インダクタンスプレスチモグラフィ(RIP)ベルト)、及び呼吸フロー(鼻/口サーミスタ)を有する。図2は、本発明の例示的実施形態による方法100の一般的ステップを示すフローチャートを示している。この例示的実施形態では、ステップ110に示されるように、対象者(患者)の心呼吸系情報が(HSTデバイスなどを介して)収集される。次に、ステップ120に示されるように、心拍数変動、呼吸変動、及び身体運動の特性を説明する、自宅睡眠検査の対象者の複数の特徴が抽出される(その例は本明細書において後述される)。心拍数変動の特徴(即ち、HRVの特徴10)は、SpO2センサで記録された生のPPG信号から検出された心拍から測定される。呼吸変動の特徴(即ち、呼吸の特徴12)は、胸部ベルトで記録された呼吸努力信号から測定される。記録された加速度計信号がない場合、内容を参照により本明細書に援用するFonsecaのWO2016/07182 A1に記載されているような技術を使用して、代理の活動記録の特徴14を得るために、呼吸努力信号のアーチファクトから身体運動が導き出される。本発明が、加速度計又は活動記録信号を記録することができるHSTにおいて具体化される場合、現在は呼吸努力信号から測定されている代理の活動記録14を計算する代わりに、これらを使用することができる。
【0030】
[31] ステップ120の後、ステップ120で抽出された多数の特徴は、ステップ130に示されるように、対象者の睡眠段階を検出/分類するために、睡眠状態分類子16に入力される。睡眠状態分類子は、健康な対象者から、軽度、中度、及び重度の睡眠時無呼吸がある、呼吸に疾患をもつ対象者まで、異なる特性の様々な対象者から収集したデータを使用して前もって訓練される。訓練手順は、参照文献に記載されているように、抽出された「特徴」とともに任意の機械学習技術を使用して、American Academy of Sleep Medicine(AASM)の推奨にしたがって1名又は複数名の人間の専門家によって手動で注釈された、グランドトゥルースデータを活用する。次に、この例示のグランドトゥルースデータに基づいて事前計算されたモデルは、実際の使用中にデバイスを用いて収集された新しい「これまで見たことがない」データの自動分類を実施するのに使用される。本発明において後に適用されるモデルを訓練するのに使用される機械学習技術は、心呼吸系特徴によるパターンを、事前処理された訓練データで観察される人間が注釈した睡眠段階の例に関連付ける。
【0031】
[32] 訓練セットは、本発明の使用を成功させるのに重要であり、したがって訓練セットは、各群からの例示の記録を均衡が取れた数で含むべきである。完全な記録のために睡眠状態が検出され分類された後、ステップ140に示されるように、ステップ130で検出された各睡眠段階の時間を合計することによって、推定合計睡眠時間を決定することができる。合計睡眠時間は、ステップ110の収集から検出/決定された睡眠イベントとともに、次に、ステップ150に示されるものなど、睡眠統計を提供するのに睡眠統計推定器によって使用される。睡眠統計推定器18は、入力睡眠イベント(例えば、無呼吸及び低呼吸の回数)を手動又は(半)自動で注釈した形で取得し、合計時間を検出された睡眠状態と合計することによって得られる、推定睡眠時間に関する統計を算出する。この例では、これによって睡眠1時間当たりの平均イベント回数(例えば、非限定的に、睡眠1時間当たりの無呼吸又は低呼吸イベントの平均回数、無呼吸・低呼吸指数(AHI))がもたらされる。この例は、当然ながら、覚醒率(睡眠1時間当たりの覚醒の平均回数)、周期的四肢運動指数(睡眠1時間当たりの周期的四肢運動の平均回数)など、他の統計に使用することができる。
【0032】
[33] 本明細書に記載されるアルゴリズム的成分は、一般的に、ソフトウェアプログラムに統合され、コンピュータプロセッサ、或いは任意の適切な電子デバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション)若しくは専用の医療用デバイス(例えば、必要な計算を直接実施することができるプロセッサを含む)で稼動するか、又は結果を報告するインターフェースを備えた任意のデバイスにインターネットを介して接続されたクラウドサービス上で稼動する、他の適切な処理デバイスによって実行されることが、認識されるべきである。
【0033】
[34] 以下、参照文献において、心臓、呼吸、及び身体運動の信号の記録から睡眠段階を自動的に分類するのを可能にすることが示されてきた、特徴の例について記載する。本明細書に記載する睡眠状態分類子16は、訓練手順の間に決定されたように、睡眠状態を特定する際にこれらの特徴の1つ又は複数の組み合わせを使用する。
【0034】
[35] 心臓活動を考慮して、PPG信号から、より具体的には、心拍間隔(IBI)とも呼ばれる、連続する心拍で構成される時系列から検出される拍動から計算することができる、92個の心臓の特徴の例を挙げる。これらは、例えば、9つの連続する重なり合わない30秒のエポックにわたって計算される、平均心拍数、トレンド除去済み及び非トレンド除去の平均心拍間隔、心拍間隔の標準偏差(SD)、最大及び最小心拍間隔の間の差、連続する心拍間隔の差の二乗平均及びSD、及び>50ms異なっている連続する心拍間隔のパーセンテージ、トレンド除去済み及び非トレンド除去の心拍数及び心拍間隔の平均絶対差及び異なる百分位数(10%、25%、50%、75%、及び90%)、並びに心拍数の平均、中間、最小、及び最大尤度比など、時間領域の特徴を含む。心臓の特徴はまた、0.003~0.04Hzの超低周波数帯(VLF)、0.04~0.15Hzの低周波数帯(LF)、0.15~0.4Hzの高周波数帯(HF)における対数スペクトルパワー、及びLF対HFの比など、周波数領域の特徴を含み、パワースペクトル密度は、例えば9つのエポックにわたって推定した。スペクトル境界は、対応するピーク周波数に適合させて、それらの境界適合型をもたらすこともできる。それらはまた、HFポールの最大モジュール及び位相、並びにHF帯における最大出力及びそれに関連する呼吸数を表す周波数を含む。それに加えて、それらは、11のエポックにわたるトレンド除去された変動分析(DFA)と、その短期、長期、及び全時間スケールの指数、64個の心拍の重なり合わないセグメントを有する累進的DFA、11のエポックにわたる窓ありのDFA、並びに17のエポックにわたるマルチスケールサンプルエントロピー(スケール1~10をつけた1及び2サンプルの長さ)を用いて、心拍間隔の非線形性が定量化されたことを説明する、特徴を含む。
【0035】
[36] 心臓の特徴はまた、9つのエポックにわたる連続する心拍間隔の増加又は減少を符号化する、記号的バイナリシーケンスの近似的エントロピーを含む。それに加えて、それらは、サンプルが特定の決定基準に関してノードとして接続される、二次元複雑ネットワークにおけるHRV時系列を特徴付ける、可視グラフ(VG)及び差分VG(DVG)方法に基づいた特徴を含む。ネットワークベースの特徴は、7つのエポックにわたって計算することができ、ノード次数の平均、SD、及び傾き、並びに小さい次数(VGで≦3、DVGで≦2)及び大きい次数(VGで≧10、DVGで≧8)を有する、VG及びDVGベースのネットワークにおけるノード数、並びにVGベースのネットワークにおける同類度係数を含む。
【0036】
[37] 最後に、心臓の特徴は、振幅及び周波数両方の瞬間的変化を定量化して、IBI時系列における遷移点を検出し定量化する方法である、ティーガーエネルギーを含むことができる。上述の特徴は全て、心臓及び心呼吸系の睡眠段階化に関連して過去に記載されたものであり、学術文献「Sleep stage classification with ECG and respiratory effort」, IOP Physiol. Meas., vol. 36, pp. 2027-40, 2015、又は「Cardiorespiratory Sleep Stage Detection Using Conditional Random Fields」, IEEE J. Biomed. Heal. Informatics, 2016に詳細に記載されているか又は言及されており、それら両方の内容を参照により本明細書に援用する。
【0037】
[38] 呼吸活動に関して、呼吸努力から導き出すことができる、例えば(胸部)RIPベルトセンサで測定される、44の特徴の例を挙げる。この時間領域では、これらの特徴は、呼吸信号の変動、呼吸数と150、210、及び270秒にわたるそのSD、呼吸ごとの相関の平均及びSD、並びに呼吸長さのSDを含む。それらはまた、標準化された平均、標準化された中間値、並びに呼吸ピーク及びトラフ(それぞれ、吸気及び呼気の呼吸深さを示す)のサンプルエントロピー、ピーク・トラフ間の差の中間値、完全な呼吸サイクル、吸気、及び呼気の中間体積及び流量、並びに吸気・呼気の流量比を含む、呼吸振幅の特徴を含む。その他、それらは、動的時間伸縮法(DTW)を使用するエンベロープモルフォロジーを用いた、ピークとトラフとの類似性を含む。それらはまた、呼吸数及びそのパワー、VLF(0.01~0.05Hz)、LF(0.05~0.15Hz)、及びHF(0.15~0.5Hz)帯におけるスペクトルパワーの対数、並びにLF対HF比など、呼吸数の特徴を含む。それらは、例えば、7つの30秒エポックにわたるサンプルエントロピー、並びにDTW及び動的周波数伸縮法(DFW)及び均等スケーリングに基づいた自己(非)類似性を用いて得られる、呼吸規則性指標を含む。上述した心臓の特徴に関するものと同じネットワーク分析の特徴も、呼吸間隔に対して計算することができる。
【0038】
[39] 多数の研究により、心臓活動と呼吸活動との相互作用は睡眠段階にわたって変動することが示されてきた。これらの特徴は、PPG信号から導き出されたIBI時系列から、又は例えばRIP信号から測定された呼吸努力信号から、同時に算出される。例えば、これらは、例えば9つのエポックの窓にわたって定量化された、呼吸で変調した心拍間隔と関連付けられた出力、心呼吸系相互作用に関するVG及びDVGベースの特徴、並びに異なる比に対するIBIと呼吸期間との間での位相調整を含む。
【0039】
[40] 身体運動を測定する従来のやり方は、いわゆる活動記録デバイスに統合される場合が多い、加速度計を用いて記録するものである。しかしながら、例えば、非限定的にPhilips NightOneなど、一部のHSTデバイスは、身体運動を記録しない(ただし、横臥位置を検出するのに使用される、加速度計を含む場合が多い)。この場合、WO2016/07812 A1及び「Estimating actigraphy from motion artifacts in ECG and respiratory effort signals」, Physiol. Meas., vol. 37, no. 1, pp. 67-82, 2016に記載されているような、他の測定されたモダリティに存在する、身体運動に誘発されるアーチファクトの量を定量化する。かかる方策によって、活動記録デバイスが代わりに使用されることによって測定されるのと同様の意味で、身体運動全体の定量化が可能になる。
【0040】
[41] 上述した特徴の1つ又は複数を使用して睡眠段階を自動的に分類するために、従来の機械学習アルゴリズムを使用することができる。これらは、「Sleep stage classification with ECG and respiratory effort」, IOP Physiol. Meas., vol. 36, pp. 2027-40, 2015、及び「Cardiorespiratory Sleep Stage Detection Using Conditional Random Fields」, IEEE J. Biomed. Heal. Informatics, 2016に記載されているものなどの、ベイズの線形判別、又は(例えば、非限定的に)WO2016/097945(その内容を参照により本明細書に援用する)及び「Cardiorespiratory Sleep Stage Detection Using Conditional Random Fields」, IEEE J. Biomed. Heal. Informatics, 2016に記載されているものなどの、より高度な確率的分類子を含むことができる。実際には、事前訓練されたモデル及び時系列の一連の特徴に基づいて、2つの分類(睡眠と覚醒を区別する)又は複数の分類(覚醒、N1睡眠、N2睡眠、N3睡眠、及びレム、又は覚醒、軽い睡眠(N1及びN2の混合、N3睡眠)、及びレムなどの任意の簡易化、又は更には覚醒、ノンレム、及びレムなど、更なる睡眠段階を区別する)のどちらかを分類することができる任意の分類子を、本発明で使用することができる。
【0041】
[42] 次に、本発明の例示の実施形態を使用して、睡眠障害をもつ集団における睡眠段階分類の可能性、及び疾患に関連する統計の評価における改善について説明する。健康な対象者及び重症度が異なる閉塞性睡眠時無呼吸を患っている対象者414名の記録を含む訓練セットにおいて、ベイズの線形判別分類子を訓練し、次に、重症度が異なる閉塞性睡眠時無呼吸を患っている対象者96名の記録(PSG及び参照注釈を含む)を含むホールドアウトセットに対して、訓練された分類子を使用して、 それぞれ4分類及び3分類の睡眠段階分類の問題に関する以下の表1及び表2で示される睡眠段階分類性能が得られた。
【0042】
[43] 参照睡眠段階注釈に対して性能を評価するため、従来の精度単位(適正に分類されているエポックのパーセンテージ)、及び分類性能を推定する、ランダム一致の変化に対して補償したコーエンのカッパ一致係数を使用した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
[46] 睡眠統計の推定に関して、AHIを、各記録における無呼吸及び低呼吸の回数の参照注釈に基づいて計算し、そこから合計記録時間当たりの平均イベント回数を算出し、分類結果に基づいた睡眠時間の推定を使用して、合計睡眠時間当たりの平均イベント回数を算出した。次に、2つの推定値を、同じ記録に対して基準のPSGデータから得られた参照AHIと比較した。二乗平均誤差(RMS)及びバイアス(平均誤差)という2つの従来の単位を使用して、性能を参照AHIと比較した。それに加えて、睡眠呼吸障害の有無及び重症度の診断に従来の臨床的閾値を使用して、参照診断(PSGに基づいて確立される)との一致を評価した。AHI<5は障害なし、5≦AHI<15は軽度、15≦AHI<30は中度、AHI≧30は重度という閾値を使用して、コーエンのカッパ一致係数、並びに合計記録時間及び合計睡眠時間によって推定されるAHIを用いて確立した重症度分類と、PSGに基づいて注釈された参照AHIとの間の精度を算出した。全ての結果を次の表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
[48] 表3から、AHI推定におけるRMS誤差の大幅な減少、及び不のバイアスにおける重要な減少があることが認識されるべきである。合計記録時間によって推定されたAHIは、-4.41のAHIの一貫した過小評価を有していたが、合計睡眠時間に基づいたAHIの推定を使用して、バイアスは-0.03まで減少する。この改善の重要性を強調するため、睡眠時無呼吸の有無を臨床的に決定するための閾値として、AHI 5が使用される場合が多いことに注目されたい。4.4という過小評価は臨床的にはこの閾値に近く、対象者の睡眠効率が低く、合計記録時間と合計睡眠時間との差が大きい場合に、過小診断につながる。
【0048】
[49] 代替又は任意の実施形態として、呼吸の特徴は異なるセンサの信号を使用して算出できることが言及されるべきである。例示の実施形態は、RIP信号から呼吸の特徴を推定したが、呼吸フロー(一般的に、HSTデバイスのセンサセットアップの一部)などの信号、又は更には、「Respiration Signals from Photoplethysmography」, Anesth. Analg., vol. 117, no. 4, pp. 859-65, 2013、及び「Clinical validation of the ECG-derived respiration (EDR) technique」, Comput. Cardiol., vol. 13, pp. 507-510, 1986に記載されているものなど、PPG若しくはECGなどのセンサから得られる、呼吸努力の代理基準から計算することができ、それらの内容を参照により本明細書に援用する。
【0049】
[50] それに加えて、心臓の特徴は、ECG、又は一般的にはベッドマットレスの上若しくは下に設置される心弾道図記録(BCG)センサなど、異なるセンサからの信号を用いて算出することもできることが強調されるべきである。これらの場合、心臓の特徴を算出するのに使用される心拍間隔の時系列は、検出されたQRS群(ECGの場合)又は心拍(BCGの場合)に基づいて計算される。
【0050】
[51] 任意の実施形態として、本発明はまた、特定の睡眠段階中(例えば、ノンレム対レム睡眠中)の睡眠統計を計算するのに使用することができる。これらの単位は、一般的には完全なPSGでのみ利用可能であり、異なる睡眠段階に特異的な疾患の診断を支援することができる。
【0051】
[52] 別の任意の実施形態として、HSTが、横臥/睡眠位置を検出できる加速度計を含む場合、本発明はまた、身体位置依存の統計の推定を改善するのに使用することができる。ここで、利点はやはり、合計記録時間の代わりに合計睡眠時間に基づくことによって、これらの統計の精度を改善できることである。
【0052】
[53] 本発明の実施形態は、Philips NightOne HSTデバイスなどのHSTデバイスに容易に適用可能であるが、心臓及び/又は呼吸活動と身体運動を測定する能力を有し、睡眠障害の診断若しくは評価に関連する睡眠統計を推定することが意図された、他の任意の睡眠モニタリングデバイスにも容易に適用可能であることが認識されるべきである。
【0053】
[54] 本明細書に記載される動作及び方法は、本明細書に記載される方法の全て又は一部分を自動的に実施するため、処理デバイスによって容易に採用される機械可読記憶媒体で、全体的又は部分的に容易に符号化されることが認識されるべきである。
【0054】
[55] 特許請求の範囲において、括弧で括った参照符号は特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきでない。「~を備える」又は「~を含む」という語は、特許請求の範囲に列挙するもの以外の要素又はステップの存在を除外しない。いくつかの手段を列挙する装置クレームにおいて、これらの手段のいくつかは、ハードウェアの同一のアイテムによって具体化されてもよい。単数形の要素は、かかる要素が複数存在することを除外しない。いくつかの手段を列挙するいずれかの装置クレームにおいて、これらの手段のいくつかは、ハードウェアの同一のアイテムによって具体化されてもよい。特定の要素が相互に異なる従属請求項に列挙されているという事実だけで、それらの要素を組み合わせて使用できないことを示すものではない。
【0055】
[56] 最も実用的で好ましい実施形態であると現在見なされているものに基づいて、例示の目的で詳細に本発明について記載してきたが、かかる詳細は単に例示のためのものであり、本発明は開示される実施形態に限定されず、それとは逆に、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内にある修正及び等価の構成を網羅しようとするものであることが理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な限りにおいて、任意の実施形態の1つ又は複数の特徴を、他の任意の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせられることを想到することが理解されるべきである。
図1
図2