(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】太陽電池及びこれを含む太陽電池パネル
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0224 20060101AFI20220712BHJP
H01L 31/05 20140101ALI20220712BHJP
【FI】
H01L31/04 262
H01L31/04 570
(21)【出願番号】P 2020000955
(22)【出願日】2020-01-07
【審査請求日】2021-01-29
(31)【優先権主張番号】10-2019-0002348
(32)【優先日】2019-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】チャン チェ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】パク ヒョン チョン
【審査官】原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104124287(CN,A)
【文献】特開2017-055113(JP,A)
【文献】国際公開第2013/183148(WO,A1)
【文献】特開2012-119393(JP,A)
【文献】特開2014-120775(JP,A)
【文献】特開2008-235795(JP,A)
【文献】特開2012-227281(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/078
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜部を備える半導体基板と、前記半導体基板の一面に、または前記半導体基板の一面上に形成された第1導電型領域及び第2導電型領域と、前記半導体基板の前記一面上で前記第1導電型領域に接続される第1電極と、前記半導体基板の前記一面上で前記第2導電型領域に接続される第2電極と、を含む太陽電池と、
前記太陽電池の前記一面側で、前記太陽電池の前記第1電極に接続される複数の第1配線、及び前記太陽電池の前記第2電極に接続される複数の第2配線を含む配線材と、を含み、
前記第1電極及び第2電極の内、少なくとも一つは、
第1方向に延長される複数の内側フィンガー部及び前記第1方向と交差する第2方向の端に隣接する部分で前記第1方向に延長される複数の外側フィンガー部を含むフィンガー部と、
前記傾斜部に隣接する一側から前記複数の外側フィンガー部の少なくとも一部を接続する接続部と、を含
み、
前記傾斜部は、前記第2方向の端から前記第1方向の一側と他側にそれぞれ位置する第1傾斜部及び第2傾斜部を含み、
前記第1電極は、
前記第1方向に延長される複数の第1内側フィンガー部及び前記端に隣接する部分で前記第1方向に延長される複数の第1外側フィンガー部を含む複数の第1フィンガー部と、
前記第1傾斜部に隣接する前記一側で前記複数の第1外側フィンガー部の少なくとも一部を接続する第1接続部と、を含み、
前記第2電極は、
前記第1方向に延長される複数の第2内側フィンガー部及び前記端に隣接する部分で前記第1方向に延長される複数の第2外側フィンガー部を含む複数の第2フィンガー部と、
前記第2傾斜部に隣接する前記他側で前記複数の第2外側フィンガー部の少なくとも一部を接続する第2接続部と、を含み、
前記第2方向で、前記第1フィンガー部と前記第2フィンガー部は、交互に位置し、
前記第1配線及び第2配線は、前記第2方向に延長され、前記第1方向で互いに交互に位置し、
前記第1電極と前記第1配線の間、及び前記第2電極と前記第2配線の間に位置する接続部材をさらに含み、
前記第2電極と前記第1配線の間、及び前記第1電極と前記第2配線の間に位置する絶縁部材をさらに含み、
前記絶縁部材は、前記第1接続部または第2接続部に隣接した延長絶縁部材、及び前記延長絶縁部材と異なる形状または大きさを有するメイン絶縁部材を含む、太陽電池パネル。
【請求項2】
前記第1配線及び第2配線は、前記第2方向に延長され、前記第1方向で互いに交互に位置し、
前記傾斜部にそれぞれ、前記第1配線は、少なくとも一つ位置し、前記第2配線は、少なくとも一つ位置する、請求項
1に記載の太陽電池パネル。
【請求項3】
前記第1傾斜部と前記第2傾斜部の間に位置する第1端の第1メイン部分の一側から、前記第1配線は、前記第2配線より前記第1傾斜部から離れて位置し、
前記第1端の前記第1メイン部分の他側から、前記第2配線は、前記第1配線より前記第2傾斜部から離れて位置する、請求項
1に記載の太陽電池パネル。
【請求項4】
前記第1配線は、前記第2方向の一側から外部に延長され、
前記第2方向の他側に位置する前記第1配線の端部は、前記太陽電池の内部で、前記傾斜部及び前記接続部から離隔して位置し、
前記第2配線は、前記第2方向の前記他側から外部に延長され、
前記第2方向の前記一側に位置する前記第2配線の端部は、前記太陽電池の内部で、前記傾斜部及び前記接続部から離隔して位置する、請求項
3に記載の太陽電池パネル。
【請求項5】
前記延長絶縁部材は、前記第1方向の幅がメイン絶縁部材の幅の半分以下の部分を含み、
前記延長絶縁部材は、前記第2方向で、前記複数の第1外側フィンガー部または第2外側フィンガー部、及びこれらの間に位置する前記第2外側フィンガー部または第1外側フィンガー部を覆うように延長された、請求項
1に記載の太陽電池パネル。
【請求項6】
前記延長絶縁部材は、前記第1配線または第2配線が通り過ぎる部分において、前記第1接続部または第2接続部を覆うように形成される、請求項
5に記載の太陽電池パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池及びこれを含む太陽電池パネルに関し、さらに詳細には、構造を改善した太陽電池及びこれを含む太陽電池パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、様々な層及び電極を設計に基づいて形成することにより製造することができる。ところが、このような様々な層及び電極の設計に基づいて、太陽電池の効率が決定されることができる。太陽電池の商用化のためには、低効率を克服しなければならないところ、様々な層及び電極が太陽電池の効率及びこれを含む太陽電池パネルの出力を最大化することができるように設計されることが要求される。
【0003】
従来の太陽電池において半導体基板の前面と後面に前面電極と後面電極がそれぞれ位置し、隣接する太陽電池は、リボンなどのインターコネクタを用いて電気的に接続された。このとき、各太陽電池の一面にリボンが少ない数(例えば、3個)で位置し、キャリアの移動距離が長く、前面電極による光損失が発生し、太陽電池の効率を向上するには限界があった。
【0004】
これに対し、半導体基板の後面に互いに異なる極性の電極が一緒に位置する後面電極構造を有する太陽電池が提案された。このような後面電極構造を有する太陽電池は、電極と交差する方向に位置する配線によって電気的に接続された。しかし、このような構造によっても、キャリアの移動距離が長い部分が存在した。例えば、半導体基板の各コーナー付近に傾斜部を備える場合には、各コーナー付近で電極が他の部分より短い長さを有するので、配線と直接接続されない電極に沿って移動するキャリアの移動経路が長い問題があった。
【0005】
従来の特許文献に記載されたように、互いに異なる極性の電極が互いに異なる面に位置する構造においては、一対の斜辺部を含む台形型電極部を備えることが開示された。しかし、このような一対の斜辺部を含む台形型電極部の構造は、後面電極構造を有する太陽電池において、後面に、互いに異なる極性の電極が一緒に位置する構造では、キャリアの移動経路を減らすには適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、電極の構造を改善して優れた効率を有する太陽電池及びこれを含み優れた出力を有する太陽電池パネルを提供する。
【0008】
さらに具体的に、キャリアの移動距離が長くなることができる部分でキャリアの移動距離を減らし、優れた効率を有する太陽電池及びこれを含み優れた出力を有する太陽電池パネルを提供する。
【0009】
特に、半導体基板が角付近で傾斜部を備えている場合に傾斜部に隣接する部分でキャリアの移動距離を減らすことができる電極構造を有し、優れた効率を有する太陽電池及びこれを含み優れた出力を有する太陽電池パネルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施の形態に係る太陽電池は、半導体基板の傾斜部に隣接する一側で複数の外側フィンガー部の少なくとも一部を接続する接続部を含む電極を含む。このような接続部によって、キャリアの移動距離を短縮することができる。一例として、本実施の形態に係る太陽電池は、傾斜部を有する半導体基板と、半導体基板の一面に、またはその上に形成された第1及び第2導電型領域、及び、これらにそれぞれ接続される第1及び第2電極を有する後面電極構造を有することができる。このような後面電極構造で接続部によるキャリアの移動距離を減らす効果を増加させることができる。前述した第1及び第2電極の内、少なくとも1つが接続部を備えることができ、フィンガー部をさらに備えることができる。ここで、フィンガー部は第1方向に延長される複数の内側フィンガー部、及び第1方向と交差する第2方向の端に隣接した部分で第1方向に延長される複数の外側フィンガー部を含むことができる。
【0011】
前記接続部が前記複数の外側フィンガー部と交差する方向に延長されることができる。
【0012】
前記接続部が前記傾斜部と平行に延長され、前記複数の外側フィンガー部の少なくとも一部の端部を接続することができる。
【0013】
前記接続部の幅が、前記外側フィンガー部の幅及び前記内側フィンガー部の幅と同じか、それより小さいことができる。
【0014】
前記傾斜部は、前記第2方向の端から前記第1方向の一側と他側にそれぞれ位置する第1及び第2傾斜部を含むことができる。前記第1電極は、前記第1方向に延長される複数の第1内側フィンガー部及び前記端に隣接する部分で前記第1方向に延長される複数の第1外側フィンガー部を含む複数の第1フィンガー部、及び、前記第1傾斜部に隣接する前記一側で前記複数の第1外側フィンガー部の少なくとも一部を接続する第1接続部を含むことができる。そして、前記第2電極は、前記第1方向に延長される複数の第2内側フィンガー部及び前記端に隣接する部分で前記第1方向に延長される複数の第2外側フィンガー部を含む複数の第2フィンガー部、及び、前記第2傾斜部に隣接する前記他側で前記複数の第2外側フィンガー部の少なくとも一部を接続する第2接続部を含むことができる。
【0015】
前記第2方向で前記第1フィンガー部と前記第2フィンガー部が交互に位置することができる。前記第1傾斜部で前記第1接続部が前記第2外側フィンガー部と離隔して位置することができ、前記第2傾斜部で前記第2接続部が、前記第1外側フィンガー部と離隔して位置することができる。
【0016】
前記第1傾斜部で前記第1接続部と前記第2外側フィンガー部の端部との間の距離が前記第1接続部の幅と同じか、それより大きい、または前記第2傾斜部で前記第2接続部と前記第1外側フィンガー部の端部との間の距離が前記第2接続部の幅と同じか、それより大きいことができる。
【0017】
前記第1接続部と前記第2外側フィンガー部端部との間の距離が、前記第1接続部と前記第1傾斜部との間の距離と同じかそれより大きい、または前記第2接続部と、前記第1外側フィンガー部端部との間の距離が前記第2接続部と前記第2傾斜部との間の距離と同じかそれより大きいことができる。
【0018】
前記半導体基板が前記第2導電型領域と同じであり、前記第1導電型領域と反対の導電型を有し、前記第2接続部の幅が前記第1接続部の幅と同じか、それより小さいことができる。
【0019】
前記第2フィンガー部の幅が前記第1フィンガー部の幅と同じか、それより小さいことができる。
【0020】
前記傾斜部は、前記第2方向の第1端で前記第1方向の一側と他側にそれぞれ位置する第1及び第2傾斜部と、前記第2方向で前記第1端と反対の第2端で前記第1方向の一側と他側にそれぞれ位置する第3及び第4傾斜部を含むことができる。前記第1電極は、前記第1方向に延長される複数の第1内側フィンガー部及び前記第1及び第2端のそれぞれに隣接する部分で前記第1方向に延長される複数の第1外側フィンガー部を含む複数の第1フィンガー部、及び、前記第1及び第3傾斜部のそれぞれに隣接した前記一側で前記複数の第1外側フィンガー部の少なくとも一部を接続する第1接続部を含むことができる。前記第2電極は、前記第1方向に延長される複数の第2内側フィンガー部及び前記第1及び第2端のそれぞれに隣接する部分で前記第1方向に延長される複数の第2外側フィンガー部を含む複数の第2フィンガー部、及び、前記第2及び第4傾斜部のそれぞれに隣接した前記他側で前記複数の第2外側フィンガー部の少なくとも一部を接続する第2接続部を含むことができる。
【0021】
本実施の形態に係る太陽電池パネルは、前述した太陽電池と、配線材を含むことができる。ここで、配線材は、太陽電池の一面側で、太陽電池の第1電極に接続される複数の第1配線、及び、前記太陽電池の前記第2電極に接続される複数の第2配線を含む配線材を含むことができる。
【0022】
この時、前記第1及び第2配線が前記第2方向に延長され、前記第1方向で互いに交互に位置し、前記傾斜部にそれぞれ前記第1配線が少なくとも一つ位置し、前記第2配線が、少なくとも一つ位置することができる。ここで、前記第1傾斜部と前記第2傾斜部の間に位置する前記第1端の第1メイン部分の一側から前記第1配線が前記第2配線より前記第1傾斜部から離れて位置し、前記第1端の前記第1メイン部分の他側で前記第2配線が前記第1配線より前記第2傾斜部から離れて位置することができる。このような構造で傾斜部に位置した、前記第1及び第2配線に移動するキャリアの移動距離を効果的に減らすことができる。
【0023】
前記第1配線が前記第2方向の一側から外部に延長され、前記第2方向の他側に位置する前記第1配線の端部が前記太陽電池の内部において、前記傾斜部及び前記接続部から離隔されて位置することができる。前記第2配線が前記第2方向の前記他側から外部に延長され、前記第2方向の前記一側に位置する前記第2配線の端部が前記太陽電池の内部で、前記傾斜部及び前記接続部から離隔されて位置することができる。
【0024】
前記第2方向で前記第1フィンガー部と前記第2フィンガー部が交互に位置し、前記第1及び第2配線が前記第2方向に延長され、前記第1方向で互いに交互に位置することができる。前記第1電極と前記第1配線の間には、前記第2電極と前記第2配線の間に位置する接続部材をさらに含み、前記第2電極と、前記第1配線の間、及び前記第1電極と前記第2配線の間に位置する絶縁部材をさらに含むことができる。
【0025】
ここで、前記絶縁部材は、前記第1または第2接続部に隣接した延長絶縁部材、及び前記延長絶縁部材と異なる形状または大きさを有するメイン絶縁部材を含むことができる。例えば、前記延長絶縁部材は、前記第1方向の幅がメイン絶縁部材の幅の半分以下である部分を含むことができる。そして前記延長絶縁部材は、前記第2方向において、前記複数の第1または第2外側フィンガー部、及びこれらの間に位置する前記第2または第1外側フィンガー部を覆うように延長することができる。一例として、前記延長絶縁部材が前記第1または第2配線が通り過ぎる部分において、前記第1または第2接続部を覆うように形成されることができる。このような延長絶縁部材によって前記第1または第2接続部が備えられた構造で構造的安定性、電気的安定性などを向上することができる。
【発明の効果】
【0026】
本実施の形態に係ると、傾斜部に形成された接続部によって傾斜部に隣接する部分でキャリアの移動経路を減らすことができる。これにより直列抵抗を低減し、充密度を向上することができ、太陽電池の効率を向上することができる。ここで、接続部は、電極を形成する工程で形成することができ、別の工程を追加しない単純な工程で太陽電池の効率を向上することができる。
【0027】
また、傾斜部に配線が位置する太陽電池パネルにおいて出力損失(CTM loss)を効果的に低減して太陽電池パネルの出力を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルの概略を示す分解斜視図である。
【
図2】
図1に示した太陽電池パネルに含まれた2つの太陽電池と、これを接続する配線部を概念的に示す部分断面図である。
【
図3】
図1に示した太陽電池パネルに含まれた太陽電池の一例を示す断面図である。
【
図4】
図1に示した太陽電池パネルに含まれ、互いに隣接した二つの太陽電池、配線材、接続配線、絶縁部材及び接続部材の概略を示した後面平面図である。
【
図5】
図4のA乃至D部分の半導体基板、電極及び配線材を拡大して示す平面図である。
【
図6】
図4のA乃至D部分の半導体基板、電極、絶縁部材及び接続部材を拡大して示す平面図である。
【
図7】本発明の他の実施の形態に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池と配線材を示す平面図である。
【
図8】本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池と配線材を示す平面図である。
【
図9】本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池と配線材を示す平面図である。
【
図10】本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池と配線材を示す平面図である。
【
図11】製造例1と比較例1に基づいて製造された複数の太陽電池の平均効率を測定してその結果を示したグラフである。
【
図12】製造例1と比較例1に基づいて製造された太陽電池パネルの出力損失を測定してその結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではなく、様々な形態に変形することができることはもちろんである。
【0030】
図では、本発明を明確かつ簡略に説明するために説明と関係ない部分の図示を省略し、明細書全体を通じて同一または極めて類似の部分に対しては、同一の図面参照符号を使用する。そして、図面では、説明をさらに明確にするために厚さ、広さなどを拡大または縮小して示したところ、本発明の厚さ、広さなどは図面に示されたところに限定されない。
【0031】
そして、明細書全体においてある部分が他の部分を"含む"とするとき、特に反対の記載がない限り、他の部分を排除するものではなく、他の部分をさらに含むことができる。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の"上に"あるとする時、これは他の部分の"真上に"ある場合だけでなく、その中間に他の部分が位置する場合も含む。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の"真上に"あるとするときは、中間に他の部分が位置しないことを意味する。
【0032】
以下、添付した図面を参考にして本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルと、これに含まれる太陽電池を詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施の形態に係る太陽電池パネルの概略を示す分解斜視図であり、
図2は、
図1に示した太陽電池パネルに含まれた2つの太陽電池と、これを接続する配線部を概念的に示した部分断面図である。
【0034】
図1及び
図2を参照すると、本実施の形態に係る太陽電池パネル100は、太陽電池10と、太陽電池10に電気的に接続される配線部140を含む。そして、太陽電池パネル100は、太陽電池10及び配線部140を囲んで密封するシール材130と、シール材130の上で太陽電池10の一面(一例として、前面)に位置する第1カバー部材110と、シール材130の上で太陽電池10の他面(一例として、後面)に位置する第2カバー部材120を含む。これをさらに詳細に説明する。
【0035】
まず、太陽電池10は、半導体基板(
図3の参照符号12、以下同じ)と、半導体基板12の一面(一例として、後面)に位置する第1及び第2電極(
図3の参照符号42、44、以下同じ)を含むことができる。これについては後で
図3を参照して、詳細に説明する。
【0036】
本実施の形態において、太陽電池パネル100は、複数の太陽電池10を備え、複数の太陽電池10は、配線部140によって電気的に直列、並列または直並列に接続することができる。
【0037】
具体的に、配線部140は、少なくとも一部が太陽電池10の第1及び第2電極(42、44)と重畳されて、第1及び第2電極(42、44)に接続される配線材142と、太陽電池10の間で配線材142と交差する方向に位置して配線材142に接続される接続配線144を含むことができる。配線材142との接続配線144によって、複数の太陽電池10が一方向(図のx軸方向)に接続されて1つの列(つまり、太陽電池ストリング)を形成することができる。配線材142及び接続配線144に対しては、後に、
図4を参照して、さらに詳細に説明する。そして、配線部140は、太陽電池ストリングの両端に位置し、これをまた他の太陽電池ストリングまたはジャンクションボックス(図示せず)に接続するバスバー配線146をさらに含むことができる。
【0038】
配線材142、接続配線144、バスバー配線146は、それぞれ導電性物質(一例として、金属物質)を含むことができる。一例として、配線材142、接続配線144、またはバスバー配線146が、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)の内、いずれか1つを含む導電性コアと、導電性コアの表面上に位置し、スズ(Sn)またはスズを含む合金を含む導電性コーティング層を含むことができる。一例として、コアは、銅で形成されることができ、導電性コーティング層は、スズを含む合金であるSnBiAgで形成されることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、配線材142、接続配線144、またはバスバー配線146の物質、形状、リンク構造などは多様に変形することができる。また、接続配線144を別途備えずに配線材142でのみ隣接した太陽電池10を接続することもできる。
【0039】
シール材130は、配線材142によって接続された太陽電池10の前面に位置する第1シール材131と、太陽電池10の後面に位置する第2シール材132を含むことができる。第1シール材131と第2シール材132は、水分と酸素の流入を防止し、太陽電池パネル100の各要素を化学的に結合する。第1及び第2シール材(131、132)は、透光性と接着性を有する絶縁物質で構成されることができる。一例として、第1シール材131と第2シール材132でエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール、ケイ素樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂などが用いられる。第1及び第2シール材(131、132)を用いたラミネート工程などによって第2カバー部材120、第2シール材132、太陽電池10、配線部140、第1シール材131、第1カバー部材110が一体化され、太陽電池パネル100を構成することができる。
【0040】
第1カバー部材110は、第1シール材131上に位置して太陽電池パネル100の前面を構成し、第2カバー部材120は、第2シール材132上に位置して、太陽電池パネル100の後面を構成する。第1カバー部材110及び第2カバー部材120は、それぞれ、外部の衝撃、湿気、紫外線などから太陽電池10を保護することができる絶縁物質で構成されることができる。そして、第1カバー部材110は、光が透過することができる透光性物質で構成され、第2カバー部材120は、透光性物質、非透光性物質、または反射物質などで構成されるシートで構成されることができる。一例として、第1カバー部材110が、ガラス基板などで構成することができ、第2カバー部材120がフィルムまたはシートなどで構成されることができる。第2カバー部材120は、TPT(Tedlar/PET/Tedlar)タイプを有する、またはベースフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))の少なくとも一面に形成されたポリフッ化ビニリデン(poly vinylidene fluoride、PVDF)樹脂層を含むことができる。
【0041】
しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1及び第2シール材(131、132)、第1カバー部材110、または第2カバー部材120が、前述した説明以外の様々な物質を含むことができ、様々な形態を有することができる。例えば、第1カバー部材110または第2カバー部材120が、様々な形態(例えば、基板、フィルム、シートなど)または物質を有することができる。
【0042】
図3を参照して、本発明の実施の形態に係る太陽電池パネル100に含まれる太陽電池10の一例をさらに詳細に説明する。
図3は、
図1に示した太陽電池パネル100に含まれた太陽電池10の一例を示す断面図である。
【0043】
図3を参照すると、本実施の形態に係る太陽電池10は、傾斜部(
図4の参照符号14、以下同じ)を備える半導体基板12と、半導体基板12の一面(一例として、後面)または一面上に形成された第1及び第2導電型領域(32、34)と、半導体基板12の一面上で第1及び第2導電型領域(32、34)にそれぞれ接続される第1及び第2電極(42、44)を含む。このように、太陽電池10が、半導体基板12の後面に互いに反対になる極性のキャリアと関連した、第1及び第2導電型領域(32、34)、及び、第1及び第2電極(42、44)が互いに離隔するように一緒に位置する後面電極構造を有することができる。
【0044】
一例として、半導体基板12は、第1または第2導電型ドーパントを含む結晶質半導体(例えば、単結晶または多結晶半導体、一例として、単結晶または多結晶シリコン、特に単結晶シリコン)で構成されたベース領域12aを含むことができる。このように結晶性が高くて、欠陥の少ないベース領域12aまたは半導体基板12に基づいた太陽電池10は、電気的特性が優れる。
【0045】
半導体基板12の前面には、前面電界領域12bが位置することができる。一例として、前面電界領域12bは、ベース領域12aと同じ導電型を有し、ベース領域12aより高いドーピング濃度を有するドーピング領域に、半導体基板12の一部を構成することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、前面電界領域12bが半導体基板12と別に位置する半導体層であるか、ドーパントを有さず、固定電荷等を有する酸化膜などで構成されるなど、様々な変形が可能である。
【0046】
そして、半導体基板12の前面は、反射を防止するための反射防止構造(一例として、半導体基板12の111面で構成されたピラミッド形状のテクスチャリング構造)を備え、反射を最小化することができる。そして、半導体基板12の後面は、鏡面研磨された面で構成されて、前面より小さい表面粗さを有してパッシベーション特性を向上することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0047】
半導体基板12の後面の上で半導体基板12と導電型領域(32、34)との間に中間膜20が位置することができる。中間膜20は、半導体基板12の後面の上に全体的に位置(一例として、接触)することができる。
【0048】
中間膜20は、半導体基板12の表面をパッシベーションするパッシベーション膜の役割をすることができる。または、中間膜20が導電型領域(32、34)のドーパントが半導体基板12に過度に拡散することを防止するドーパントの制御の役割または拡散バリアとしての役割を実行することができる。このような中間膜20は、前述した役割を実行することができる様々な物質を含むことができるが、一例として、酸化膜、シリコンを含む誘電膜または絶縁膜、窒化酸化膜、炭化酸化膜、真性非晶質シリコン膜などで行うことができる。一例として、導電型領域(32、34)が多結晶半導体で構成されると、中間膜20は、容易に製造することができ、キャリア伝達が円滑に行われることができるシリコン酸化膜で有り得る。他の例として、導電型領域(32、34)が非晶質半導体で構成されると、中間膜20が真性非晶質シリコン膜で構成されることができる。
【0049】
中間膜20の厚さが前面パッシベーション膜24、反射防止膜26及び後面パッシベーション膜40より小さいことがある。一例として、中間膜20の厚さが10nm以下(例えば、5nm以下、さらに具体的には、2nm以下、一例として、0.5nm乃至2nm)で有り得る。これは中間膜20の効果を十分に実現するためのものであるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0050】
中間膜20の上には導電型領域(32、34)を含む半導体層30が位置(一例として、接触)することができる。さらに具体的に、第1導電型領域32と第2導電型領域34が中間膜20の上で連続的に形成された半導体層30内に一緒に位置して同一平面上に位置することができる。そして、第1導電型領域32と第2導電型領域34との間に、これらと同一平面上にバリア領域36が位置することができる。
【0051】
第1及び第2導電型領域(32、34)とバリア領域36、または半導体層30は、半導体基板12と、他の結晶構造を有することができる。一例として、第1及び第2導電型領域(32、34)とバリア領域36、または半導体層30は、非晶質半導体、微結晶半導体、または多結晶半導体(一例として、非晶質シリコン、微結晶シリコン、または多結晶シリコン)などを含み、第1導電型領域32は、第1導電型ドーパントを含み、第2導電型領域34は、第2導電型ドーパントを含むことができる。バリア領域36は、第1及び第2導電型ドーパントがドーピングされない真性またはアンドフト半導体で構成されることができる。このとき、第1及び第2導電型領域(32、34)とバリア領域36、または半導体層30が、多結晶半導体を有すると、高いキャリア移動度を有することができる。このとき、第1及び第2導電型領域(32、34)とバリア領域36、または半導体層30が非晶質半導体を有すると、単純な工程によって形成されることができる。
【0052】
このとき、ベース領域12aが第2導電型を有すると、ベース領域12aと、他の導電型を有する第1導電型領域32は、エミッタ領域で機能し、ベース領域12aと同じ導電型を有する第2導電型領域34は、後面電界(back surface field)領域で機能する。バリア領域36は、第1導電型領域32と第2導電型領域34を物理的に離隔させ、これらが接触する場合に発生することができるシャント(shunt)を防止することができる。
【0053】
このとき、第1導電型領域32の面積(一例として、幅)が第2導電型領域34の面積(一例として、幅)より大きくなることがある。これによれば、エミッタ領域で機能する第1導電型領域32が後部電界領域で機能する第2導電型領域34より広い面積を有して光電変換に有利で有り得る。
【0054】
このように、第1及び第2導電型領域(32、34)が中間膜20を間に置いて、半導体基板12と、他の別個の層で構成される。これにより、半導体基板12にドーパントをドーピングして形成されたドーピング領域を導電型領域で使用する場合より、再結合による損失を最小化することができる。そしてバリア領域36を真性またはアンドフト半導体で構成してバリア領域36の形成工程を単純化することができる。
【0055】
しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって中間膜20を備えないことがある。または、第1及び第2導電型領域(32、34)の内、少なくとも1つが、半導体基板12の一部にドーパントがドーピングされて形成されて半導体基板12の一部を構成するドーピング領域で構成することもできる。そしてバリア領域36を備えないか、バリア領域36が、半導体物質以外の他の物質を含むことができる。その他の様々な変形が可能である。
【0056】
ここで、第1または第2導電型ドーパントがp型である場合には、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などの3族元素を使用することができる。第1または第2導電型ドーパントがn型である場合には、リン(P)、ヒ素(As)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)などの5族元素を使用することができる。一例として、第1及び第2導電型ドーパントの内、いずれか1つがボロン(B)であり、他の一つは、リン(P)で有り得る。
【0057】
半導体基板12の前面上には前面パッシベーション膜24と反射防止膜26が位置(一例として、接触)することができ、導電型領域(32、34)、または半導体層30上にコンタクトホール40aを備える後面パッシベーション膜40が位置(一例として、接触)することができる。前面パッシベーション膜24と反射防止膜26は、半導体基板12の前面上に全体的に形成され、後面パッシベーション膜40は、半導体層30の上でコンタクトホール40aを除外した部分に全体的に形成されることができる。一例として、前面パッシベーション膜24、反射防止膜26、または後面パッシベーション膜40は、優れた絶縁特性、パッシベーション特性などを有することができるようにドーパントなどを備えないことがある。
【0058】
一例として、前面パッシベーション膜24、反射防止膜26または後面パッシベーション膜40は、シリコン窒化膜、水素を含むシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、アルミニウム酸化膜、シリコン炭化膜、MgF2、ZnS、TiO2及びCeO2からなる群から選択されたいずれか1つの単一膜または2つ以上の膜が組み合わせた多層膜構造を有することができる。
【0059】
そして、第1電極42がコンタクトホール40aを介して第1導電型領域32に電気的に接続(一例として、接触)し、第2電極44がコンタクトホール40aを介して第2導電型領域34に電気的に接続(一例として、接触)することができる。第1電極42及び第2電極44は、伝導性物質(一例として、金属)で構成されることができる。
【0060】
一例として、本実施の形態において、第1及び第2電極(42、44)は、銅とスズを含み、前述したように、第1方向に延長されて形成される第1及び第2フィンガー部(42a、44a)を含むことができる。このような第1及び第2フィンガー部(42a、44a)は、半導体基板12の一面上に100個以上位置することができる。これにより、キャリアの移動距離を減らすことができ、キャリアを安定的に収集して伝達することができる。ここで、第1及び第2フィンガー部(42a、44a)の厚さが10μm以上であることがある。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0061】
このような太陽電池10は、配線材142を含む配線部140によって、他の太陽電池10と電気的に接続される。配線材142または配線部140は、伝導性物質(一例として、金属)を備え、外部との接続または太陽電池10との接続のための部分である。以下においては、
図4を参照して、太陽電池10と配線部140の構造をさらに詳細に説明する。
【0062】
図4は、
図1に示した太陽電池パネル100に含まれ、互いに隣接した二つの太陽電池10、配線材142、接続配線144、絶縁部材(IP)及び接続部材(CP)の概略を示した後面平面図である。
図4においては、太陽電池10の電極(42、44)と配線部140の接続構造を説明するために、電極(42、44)と配線部140の接続構造を主として電極(42、44)の構造の概略のみ示した。
図4に示された電極(42、44)及び配線材20の数、形状等に、本実施の形態が限定されず、本実施の形態に係る電極(42、44)、絶縁部材(IP)、接続部材(CP)、配線材142の具体的な構造、配置等は、
図5及び
図6を参照して、後でさらに詳細に説明する。明確な区別のために以下においては、互いに隣接した二つの太陽電池10を第1太陽電池10a及び第2太陽電池10bと称する。
【0063】
このような太陽電池10には、配線材142を含む配線部140が電気的に接続されて、他の太陽電池10または外部回路との電気的接続を可能にする。このとき、本実施の形態においては、電極(42、44)と配線部140が重畳された複数の重畳部の内、互いに接続しなければならない部分には、電極(42、44)と配線部140との間に接続部材(CP)が位置し、互いに接続してはならない部分には、電極(42、44)と配線部140との間に絶縁部材(IP)が位置する。
【0064】
第1太陽電池10aの第1電極42と、これに隣接する第2太陽電池10bの第2電極44は、複数の配線材142及び接続配線144によって接続されることができる。
【0065】
本実施の形態において、電極(42、44)は、第1方向(図面のy軸方向)に延長され、これに交差する第2方向(図面のx軸方向)で互いに交互に位置する複数の第1及び第2電極(42、44)を含む。そして配線材142は、第2方向に延長され、第1電極42に電気的に接続される第1配線142a、及び第2方向に延長され、第2電極44に電気的に接続される第2配線142bを含むことができる。第1配線142aが複数備えられ、第2配線142bが複数備えられ、第1方向で第1配線142aと第2配線142bが互いに交互に位置することができる。複数の第1及び第2配線(142a、142b)が均一な間隔を有しながら、第1及び第2電極(42、44)に接続されて、キャリアを効果的に伝達することができる。
【0066】
このとき、第1配線142aは、各太陽電池10に備えられた第1電極42に接続部材(CP)を介して電気的に接続され、第2配線142bは、それぞれの太陽電池10に備えられた第2電極44に接続部材(CP)を介して電気的に接続される。そして絶縁部材(IP)により第1配線142aと第2電極44、及び、第2配線142bと第1電極42が互いに絶縁されることができる。
【0067】
接続部材(CP)は、様々な導電性を有する接着物質を含むことができる。例えば、接続部材(CP)は、第1及び第2電極(42、44)、及び/または配線材142に含まれる物質を含む物質、またはこれらの混合物で形成することができる。一例として、接続部材(CP)は、配線材142を第1または第2電極(42、44)の上に置き熱を加える工程等により第1及び第2電極(42、44)及び/または配線材142の物質を含むことができる。または、接続部材(CP)がスズ又はこれを含む合金を含むはんだペースト層、スズ、またはこれを含む合金がエポキシ樹脂内に含まれるエポキシはんだペースト層などを含むことができる。このように接続部材(CP)は、はんだまたはエポキシのような電極(42、44)と配線材142の物理的な固定または接着のための接着物質を備えている。これにより、接続部材(CP)が電極(42、44)と配線材142を電気的及び物理的に固定することができる。一例として、接続部材(CP)が電極(42、44)と配線材142に接触形成されて電極(42、44)と配線材142を物理的及び電気的に接続することができる。
【0068】
絶縁部材(IP)は、少なくとも電気的に互いに接続されてはならない第1配線142aと第2電極44の間に位置してこれらを電気的に絶縁することができる。同様に、絶縁部材(IP)が、少なくとも電気的に互いに接続されてはならない第2配線142bと第1電極42の間に位置してこれらを電気的に絶縁することができる。絶縁部材(IP)は、様々な絶縁物質を含むことができる。例えば、絶縁部材(IP)は、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエチレンなどを含むことができる。
【0069】
以下においては
図4~
図6を参照して、本実施の形態に係る電極(42、44)の構造、絶縁部材(IP)及び接続部材(CP)の構造、配線材142の配置などを詳細に説明する。
【0070】
図5は
図4のA乃至D部分の半導体基板12、電極(42、44)及び配線材142を拡大して示した平面図であり、
図6は、
図4のA乃至D部分の半導体基板12、電極(42、44)、絶縁部材(IP)及び接続部材(CP)を拡大して示す平面図である。簡略な図示のために、
図5には、絶縁部材(IP)及び接続部材(CP)を示さながった。
【0071】
図4~
図6を参照すると、本実施の形態において、半導体基板12は、角付近に傾斜部14を備える。さらに具体的に、第2方向の第1端(E1)(
図5の上側端)で、傾斜部14は、第1方向の一側(
図5の右側)に位置する第1傾斜部14aと、第1方向の他側(
図5の左側)に位置する第2傾斜部14bを含むことができる。そして第2方向で第1端(E1)と反対の第2端(E2)(
図5の下側の端)で、傾斜部14は、第1方向の一側に位置する第3傾斜部14cと、第1方向の他側に位置する第4傾斜部14dを含むことができる。そして、第1端(E1)で第1方向の第1傾斜部14aと第2傾斜部14bとの間に第1メイン部分16aが位置する。第2端(E2)で第2方向の第3傾斜部14cと第4傾斜部14dとの間に第2メイン部分16bが位置する。
【0072】
前述したように、第1及び第2配線(142a、142b)が第2方向に延長され、第1方向で互いに交互に位置するが、本実施の形態においては、各傾斜部14(すなわち、第1傾斜部14a、第2傾斜部14b、第3傾斜部14c、第4傾斜部14dのそれぞれ)に第1配線142aが少なくとも一つ位置し、第2配線142bが、少なくとも一つ位置することができる。このように、第1及び第2配線(142a、142b)が多数備えられる場合には、各傾斜部14にも第1及び第2配線(142a、142b)が位置することになる。このとき、傾斜部14によって、電極(42、44)が、他の部分より短い長さに形成された部分が存在することになるが、これによって、キャリアの移動距離が増加することができる。本実施の形態においては、傾斜部14からの電極(42、44)の構造を改善して、これを防止することができる。
【0073】
具体的に、本実施の形態において、第1電極42は、複数の第1フィンガー部42aと、第1接続部42cを含むことができる。さらに具体的に、複数の第1フィンガー部42aは、第1方向に延長される複数の第1内側フィンガー部421aと、第2方向の端(E1、E2)に隣接部分から第1方向に平行に延長される複数の第1外側フィンガー部422aを含むことができる。そして、第1接続部42cが傾斜部14に隣接する部分で、複数の第1外側フィンガー部422aの少なくとも一部を接続することができる。
【0074】
一例として、第1電極42は、第1端(E1)に隣接部分から第1傾斜部14aと第2傾斜部14bとの間に位置する複数の第1外側フィンガー部422aと、第2端(E2)に隣接部分から第3傾斜部14cと第4傾斜部14dとの間に位置する複数の第1外側フィンガー部422aと、第1及び第2端(E1、E2)にそれぞれ隣接した第1外側フィンガー部422aとの間に位置する複数の第1内側フィンガー部421aを含むことができる。そして、第1接続部42cが第1傾斜部14aに隣接する一側から複数の第1外側フィンガー部422aの少なくとも一部を接続し、また、他の第1接続部42cが第3傾斜部14cに隣接する一側から複数の第1外側フィンガー部422aの少なくとも一部を接続することができる。
【0075】
第1接続部42cは、複数の第1外側フィンガー部422aと交差する方向に延長されることができる。具体的に、第1接続部42cが傾斜部14と平行に延長されてこれに隣接して位置する複数の第1外側フィンガー部422aの少なくとも一部の端部を接続することができる。一例として、本実施の形態においては、第1接続部42cが第1傾斜部14aと平行に延長されてこれに隣接して位置する複数の第1外側フィンガー部422aの少なくとも一部の端部を接続し、また他の第1接続部42cが第3傾斜部14cと平行に延長されてこれに隣接して位置する複数の第1外側フィンガー部422aの少なくとも一部の端部を接続することができる。
【0076】
これと同様に、第2電極44は、複数の第2フィンガー部44aと、第2接続部44cを含むことができる。ここで、第2方向で第1フィンガー部42aと第2フィンガー部44aは、一つずつ交互に位置することができる。複数の第2フィンガー部44aは、第1方向に延長される複数の第2内側フィンガー部441aと、第2方向の端(E1、E2)に隣接部分から第1方向に平行に延長された複数の第2外側フィンガー部442aを含むことができる。そして第2接続部44cが傾斜部14に隣接する部分で、複数の第2外側フィンガー部442aの少なくとも一部を接続することができる。
【0077】
一例として、第2電極44は、第1端(E1)に隣接部分から第1傾斜部14aと第2傾斜部14bとの間で第1外側フィンガー部422aと交互に位置する複数の第2外側フィンガー部442aと、第2端(E2)に隣接部分から第3傾斜部14cと第4傾斜部14dとの間で第1外側フィンガー部422aと交互に位置する複数の第2外側フィンガー部442aと、第1及び第2端(E1、E2)にそれぞれ隣接した第2外側フィンガー部442aとの間に位置する複数の第2内側フィンガー部441aを含むことができる。そして第2接続部44cが第2傾斜部14bに隣接する他側で複数の第2外側フィンガー部442aの少なくとも一部を接続し、また他の第2接続部44cが第4傾斜部14dに隣接する他側で複数の第1外側フィンガー部422aの少なくとも一部を接続することができる。
【0078】
第2接続部44cは、複数の第2外側フィンガー部442aと交差する方向に延長されることができる。さらに具体的に、第2接続部44cが傾斜部14と平行に延長されてこれに隣接して位置する複数の第2外側フィンガー部442aの内、少なくとも一部の端部を接続することができる。一例として、本実施の形態においては、第2接続部44cが第2傾斜部14bと平行に延長されてこれに隣接して位置する複数の第2外側フィンガー部442aの少なくとも一部の端部を接続し、また他の第2接続部44cが第4傾斜部14dと平行に延長されてこれに隣接して位置する複数の第2外側フィンガー部442aの少なくとも一部の端部を接続することができる。
【0079】
本実施の形態においては、接続部(42c、44c)によって傾斜部14付近でのキャリアの移動経路を減らし直列抵抗を減らすことができる。これにより、太陽電池10の充密度(FF)と効率を向上することができる。
【0080】
さらに具体的に、第1及び第3傾斜部(14a、14c)に隣接した第1及び第2メイン部分(16a、16b)の一側(図の右側)から見ると、第1及び第3傾斜部(14a、14c)から第2配線142bより第1配線142aが離れて位置する。すなわち、第1方向から見ると、第1及び第2メイン部分(16a、16b)の一側から第1及び第3傾斜部(14a、14c)に第2配線142bが最も隣接して位置し、次に第1配線142aが位置する。
【0081】
このとき、本実施の形態とは違って、第1接続部42cを備えない場合、第1及び第2端(E1、E2)に隣接部分から第1及び第3傾斜部(14a、14c)付近で生成された第1キャリアは、第1及び第3傾斜部(14a、14c)に位置する第1配線142aに移動することができない。これにより、
図5の第1経路(P1)で表示したように、第1及び第2メイン部分(16a、16b)の一側に位置する第1配線142aまで移動しなければならないので、第1キャリアの移動経路が長い。反面、第1及び第3傾斜部(14a、14c)に第1接続部42cを備えると、
図5の第2経路(P2)に示したように、第1及び第2端(E1、E2)に隣接部分から第1及び第3傾斜部(14a、14c)付近で生成された第1キャリアは、第1接続部42cを経由して第1及び第3傾斜部(14a、14c)に位置する第1配線142aに移動することができる。これにより、第1経路(P1)による場合より、第1キャリアの移動経路を減らすことができる。
【0082】
そして、第2及び第4傾斜部(14b、14d)に隣接した第1及び第2メイン部分(16a、16b)の他側(図の左側)から見ると、第2及び第4傾斜部(14b、14d)から第1配線142aより第2配線142bが離れて位置する。すなわち、第1方向から見ると、第1及び第2メイン部分(16a、16b)の他側で第2及び第4傾斜部(14b、14d)に第1配線142aが最も隣接して位置し、その次に第2配線142bが位置する。
【0083】
このとき、本実施の形態とは異なり、第2接続部44cを備えない場合、第1及び第2端(E1、E2)に隣接部分から第2及び第4傾斜部(14b、14d)付近で生成された第2キャリアは、第2及び第4傾斜部(14b、14d)に位置する第2配線142bに移動することができない。これにより、
図5の第3経路(P3)に示すように、第1及び第2メイン部分(16a、16b)の他側に位置する第2配線142bまで移動しなければならないので、第2キャリアの移動経路が長い。反面、第2及び第4傾斜部(14b、14d)に第2接続部44cを備えると、
図5の第4経路(P4)で示すように、第1及び第2端(E1、E2)に隣接部分から第2及び第4傾斜部(14b、14d)付近で生成された第2キャリアは、第2接続部44cを経由して第2及び第4傾斜部(14b、14d)に位置する第2配線142bに移動することができる。これにより、第3経路(P3)による場合より、第2キャリアの移動経路を減らすことができる。
【0084】
このように、第1及び第2メイン部分(16a、16b)の両側で互いに異なる極性に係る第1及び第2配線(14a、14b)が位置する場合に、両側にそれぞれ第1及び第2接続部(42c、44c)を形成して、第1及び第2キャリアの移動経路をそれぞれ効果的に減らすことができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1及び第2メイン部分(16a、16b)の両側に同じ第1または第2配線(14a、14b)が位置することができる。この場合にも、両側にそれぞれ第1及び第2接続部(42c、44c)を形成すると、傾斜部14の一部の領域で、第1または第2キャリアの移動距離を減らすことができる部分が存在する。そのほかにも、第1及び第2配線(14a、14b)の配置等により、第1及び第2接続部(42c、44c)の構造、配置などは多様に変形することができる。また、各傾斜部14に隣接する部分での第1及び第2キャリアの移動経路を考慮して、各傾斜部14に第1及び第2接続部(42c、44c)が互いに離隔されながら一緒に位置することもできる。これについては後で
図10を参照して、さらに詳細に説明する。
【0085】
ここで、第1接続部42cは、傾斜部14から第2外側フィンガー部442aと離隔して位置し、第2接続部44cは、傾斜部14から第1外側フィンガー部422aと離隔して位置することができる。一例として、第1接続部42cは、第1及び第3傾斜部(14a、14c)のそれぞれで第2外側フィンガー部442aの端部(EP2)と離隔して位置し、第2接続部44cは、第2及び第4傾斜部(14b、14d)のそれぞれにおいて、第1外側フィンガー部422aの端部(EP1)と離隔して位置することができる。すなわち、第1接続部42cが位置する第1及び第3傾斜部(14a、14c)から第2外側フィンガー部442aの端部(EP2)が第1接続部42cの内側でこれと離隔して位置し、第2接続部44cが位置する第2及び第4傾斜部(14b、14d)の第1外側フィンガー部422aの端部(EP1)が第2接続部44cの内側で、これと離隔するように位置することができる。これにより、所望しないシャントなどの問題を防止することができる。
【0086】
例えば、第1傾斜部14a及び/または第3傾斜部14cから第1接続部42cと第2外側フィンガー部442aの端部(EP2)との間の第1距離(D1)が第1接続部42cの第1幅(W1)と同じか、それより大きいことがある。そして第2傾斜部14b及び/または第4傾斜部14dから第2接続部44cと第1外側フィンガー部422aの端部(EP1)との間の第2距離(D2)が、第2接続部44cの第2幅(W2)と同じか、それより大きいことがある。ここで、第1距離(D1)と、第2距離(D2)は、最短距離を意味することができる。そして、第1幅(W1)と、第2幅(W2)は、第1または第2接続部(42c、44c)の延長方向と直交する方向の第1または第2接続部(42c、44c)の線幅(一例として、最大線幅)で有り得る。これにより、所望しないシャントなどの問題を効果的に防止することができる。特に、第1距離(D1)が第1幅(W1)より大きく、第2距離(D2)が第2幅(W2)より大きければ、所望しないシャントなどの問題をさらに効果的に防止することができる。
【0087】
そして、第1距離(D1)が第1接続部42cと第1傾斜部14aとの間の第1外郭距離(D10)と同じかそれより大きいことができ、第2距離(D2)が第2接続部(44c)と第2傾斜部14bとの間の第2外郭距離(D20)と同じかそれより大きいことができる。ここで、第1外郭距離D10、第2外郭距離D20は、最短距離を意味することができる。これにより、所望しないシャントなどの問題を効果的に防止することができる。特に、第1距離(D1)が第1外郭距離(D10)より大きく、第2距離(D2)が第2外郭距離(D20)より大きければ、所望しないシャントなどの問題をさらに効果的に防止することができる。
【0088】
本実施の形態において、第1接続部42cの第1幅(W1)が第2方向の第1外側フィンガー部422aの幅と第1内側フィンガー部421aの幅とそれぞれ同じかまたはそれより小さいことができる。一例として、第1接続部42cの第1幅(W1)が第2方向の第1外側フィンガー部422aの幅と第1内側フィンガー部421aよりそれぞれ小さいことができる。そして第2接続部44cの第2幅(W2)が第2方向の第2外側フィンガー部442aの幅と第2内側フィンガー部441aの幅とそれぞれ同じかそれより小さいことができる。一例として、第2接続部44cの第2幅(W2)が第2方向の第2外側フィンガー部442aの幅と第2内側フィンガー部441aの幅よりそれぞれ小さいことができる。第1幅(W1)と第2幅(W2)が相対的に大きい公差等により、所望しないように第1接続部42c及び/または第2接続部44cが傾斜部14に隣接して、所望しない不良、特性の変化などの問題が発生することもあるからである。
【0089】
前述したように、第2導電型領域34の幅が第1導電型領域32の幅より小さいことがあるので、これに接続される第2電極44の幅が第1電極42の幅と同じか、それより小さいことができる。さらに具体的には、第2接続部44cの幅が第1接続部42cの幅と同じか、それより小さいことができ、第2フィンガー部44aの幅が第1フィンガー部42aの幅と同じかまたはそれより小さいことができる。一例として、第2接続部44cの幅が第1接続部42cの幅よりも小さいことができ、第2フィンガー部44aの幅が第1フィンガー部42aの幅より小さいことができる。これによれば、第1及び第2導電型領域(32、34)の幅を考慮して、第1及び第2電極(42、44)を形成することができ、製造工程時に発生することができる公差等による不良などの問題を防止することができる。
【0090】
前述したように、第2方向で第1フィンガー部42aと第2フィンガー部44aが交互に位置し、第1及び第2配線(142a、142b)が第2方向に延長され、第1方向で互いに交互に位置する。このとき、第1配線142aが第2方向の一側(図の上側)から外部に延長され、第2方向の他側(図の下側)に第1配線142aの端部(EP3)が位置することができる。このとき、第1配線142aの端部(EP3)は、各太陽電池10の内部で傾斜部14及び接続部(42c、44c)から離隔して位置することができる。そして第2配線142bが第2方向の他側(図の下側)から外部に延長され、第2方向の一側に第2配線142bの端部(EP4)が位置することができる。このとき、第2配線142bの端部(EP4)は、各太陽電池10の内部で傾斜部14及び接続部(42c、44c)から離隔して位置することができる。それでは、第1及び第2配線(142a、142b)の端部(EP3、EP4)が位置する部分で相対的に薄い幅を有する接続部(42c、44c)の形状が変化する、傾斜部14で所望しないシャントなどが発生することを効果的に防止することができる。
【0091】
一例として、第1傾斜部14aにおいては、第1配線142aが外部に延長され第2配線142bの端部(EP4)が第1傾斜部14a及び第1接続部42cと離隔されて、太陽電池10の内部に位置することができる。そして第2傾斜部14bにおいては、第1配線142aが外部に延長され、第2配線142bの端部(EP4)が第2傾斜部14b及び第2接続部44cと離隔されて、太陽電池10の内部に位置することができる。第3傾斜部14cでは、第2配線142bが外部に延長され、第1配線142aの端部(EP3)が第3傾斜部14cと、第1接続部42cと離隔されて、太陽電池10の内部に位置することができる。そして第4傾斜部14dでは、第2配線142bが外部に延長され、第1配線142aの端部(EP)が第4傾斜部14d及び第2接続部44cと離隔されて、太陽電池10の内部に位置することができる。
【0092】
前述したように、第1電極42と第1配線142aとの間、及び第2電極44と第2配線142bとの間に接続部材(CP)が備えられ、第2電極44と第1配線142aとの間、及び第1電極42と第2配線142bとの間に絶縁部材(IP)が備えられる。
【0093】
ところで、傾斜部14または接続部(42c、44c)と隣接する部分においては、第1または第2配線(142a、142b)が通り過ぎる部分で、第1または第2配線(142a、142b)が所望しない接続部(42c、44c)または外側フィンガー部(422a、442a)に接続されるなどの問題が発生することができる。これを防止するために傾斜部14または接続部(42c、44c)に隣接する部分で絶縁部材(IP)の形状、及び絶縁部材(IP)と接続部材(CP)の配置を他の部分と異なるようにすることができる。
【0094】
傾斜部14または接続部(42c、44c)と隣接しない部分に位置するメイン絶縁部材(MIP)と接続部材(CP)は、第1方向で第1または第2配線(142a、142b)に対応する部分に位置し、第2方向で交互に一つずつ位置する。メイン絶縁部材(MIP)は、延長絶縁部材(EIP)と、他のサイズまたは形状を有することができる。第1配線142aが位置する部分で、第1電極42(さらに具体的に、第1フィンガー部42a)の上に位置する接続部材(CP)及び第2電極44の上に位置するメイン絶縁部材(MIP)が第2方向で交互に位置することができる。そして第2配線142bが位置する部分で第2電極44(さらに具体的に、第2フィンガー部44a)の上に位置する接続部材(CP)と、第1電極42の上に位置するメイン絶縁部材(MIP)が第2方向で交互に配置することができる。第1方向から見ると、第1電極42の上で第1配線142aに対応する接続部材(CP)と第2配線142bに対応するメイン絶縁部材(MIP)が交互に位置し、第2電極44の上で第2配線142bに対応する接続部材(CP)と、第1配線142aに対応するメイン絶縁部材(MIP)が交互に位置することができる。ここで、優れた絶縁特性のために、第1方向でメイン絶縁部材(MIP)の幅が接続部材(CP)の幅と第1または第2配線(142a、142b)の幅より大きいことができる。これは、第1または第2配線(142a、142b)を取り付けるために圧力を加えた時、第1または第2配線(142a、142b)が第1方向で両側に押されることができることを考慮したものである。
【0095】
そして傾斜部14または接続部(42c、44c)に隣接しながら、第1または第2配線(142a、142b)が通ったり、第1または第2配線(142a、142b)の端部(EP3、EP4)が位置する部分にはこれと電気的に接続されてはならない、複数の外側フィンガー部(422a、442a)と、これらの間に位置し、これと反対の極性を有する外側フィンガー部(422a、442a)を一緒に覆うように第2方向に延長されて形成される延長絶縁部材(EIP)が位置することができる。
【0096】
一例として、第1傾斜部14aと、これに形成された第1接続部42cに隣接しながら第1配線142aが通り過ぎる部分に、第1配線142aと接続されてはならない、複数の第2外側フィンガー部442aと、これらの間に位置する少なくとも一つの第1外側フィンガー部422aを覆う第1延長絶縁部材(EIP1)が位置することができる。第1傾斜部14aと、これに形成された第1接続部42cに隣接しながら、第2配線142bの端部(EP4)が位置する部分に、第2配線142bと接続されてはならない、複数の第1外側フィンガー部422aと、これらの間に位置する少なくとも一つの第2外側フィンガー部442aを覆う第2延長絶縁部材(EIP2)が位置することができる。
【0097】
第2傾斜部14bと、これに形成された第2接続部44cに隣接しながら第1配線142aが通り過ぎる部分に、第1配線142aと接続されてはならない、複数の第2外側フィンガー部442aと、これらの間に位置する少なくとも一つの第1外側フィンガー部422aを覆う第1延長絶縁部材(EIP1)が位置することができる。第2傾斜部14bと、これに形成された第2接続部44cに隣接しながら第2配線142bの端部(EP4)が位置する部分に、第2配線142bと接続されてはならない、複数の第1外側フィンガー部422aと、これらの間に位置する少なくとも一つの第2外側フィンガー部442aを覆う第2延長絶縁部材(EIP2)が位置することができる。
【0098】
このとき、第1及び第2傾斜部(14a、14b)から外側に延長される第1配線142aに関連する第1延長絶縁部材(EIP1)は、第1または第2接続部(42c、44c)を覆うように位置することができる。これにより、第1配線142aが位置する部分で、第1または第2接続部(42c、44c)の形状変化によるシャントなどの問題を効果的に防止することができる。そして、第1及び第2傾斜部(14a、14b)に端部(EP4)が位置する第2配線142bに関連する第2延長絶縁部材(EIP2)は、第1または第2接続部(42c、44c)と離隔して位置することができる。これにより、第2延長絶縁部材(EIP2)の材料費などを減らすことができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1及び第2延長絶縁部材(EIP1、EIP2)が第1または第2接続部(42c、44c)を覆うように位置することもあり、第1または第2接続部(42c、44c)を覆わないように位置することができる。
【0099】
そして第3傾斜部14cと、これに形成された第1接続部42cに隣接しながら第1配線142aの端部(EP3)が位置する部分に、第1配線142aと接続されてはならない複数の第2外側フィンガー部442aと、これらの間に位置する少なくとも一つの第1外側フィンガー部422aを覆う第1延長絶縁部材(EIP1)が位置することができる。第3傾斜部14cと、これに形成された第1接続部42cに隣接しながら第2配線142bが通り過ぎる部分に第2配線142bと接続されてはならない、複数の第1外側フィンガー部422aと、これらの間に位置する少なくとも一つの第2外側フィンガー部442aを覆う第2延長絶縁部材(EIP2)が位置することができる。
【0100】
第4傾斜部14dと、これに形成された第2接続部44cに隣接しながら第1配線142aの端部(EP3)が位置する部分に、第1配線142aと接続されてはならない、複数の第2外側フィンガー部442aと、これらの間に位置する少なくとも一つの第1外側フィンガー部422aを覆う第1延長絶縁部材(EIP1)が位置することができる。第4傾斜部14dと、これに形成された第2接続部44cに隣接しながら、第2配線142bが通り過ぎる部分に、第2配線142bと接続されてはならない、複数の第1外側フィンガー部422aと、これらの間に位置する少なくとも一つの第2外側フィンガー部442aを覆う第2延長絶縁部材(EIP2)が位置することができる。
【0101】
この時、第3及び第4傾斜部(14c、14d)から外側に延長される第2配線142bに関連する第2延長絶縁部材(EIP2)は、第1または第2接続部(42c、44c)を覆うように位置することができる。これにより、第2配線142bが位置する部分で、第1または第2接続部(42c、44c)の形状変化によるシャントなどの問題を効果的に防止することができる。そして第3及び第4傾斜部(14c、14d)の端部に位置する第1配線142aに関連する第1延長絶縁部材(EIP1)は、第1または第2接続部(42c、44c)と離隔されて位置することができる。これにより、第1延長絶縁部材(EIP1)の材料費などを減らすことができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1及び第2延長絶縁部材(EIP1、EIP2)は、第1または第2接続部(42c、44c)を覆うように位置することも、第1または第2接続部(42c、44c)を覆わないように位置することができる。
【0102】
前述したように、延長絶縁部材(EIP)は、連結部(42c、44c)に隣接して位置するので、第1方向で延長絶縁部材(EIP)の幅がメイン絶縁部材(MIP)の幅の半分以下の部分を含むことができる。接続部材(CP)またはメイン絶縁部材(MIP)は、第1方向に延長されるおおよその長方形形状を有することができる。延長絶縁部材(EIP)は、メイン絶縁部材(MIP)の幅の半分以下の幅を有する第1辺を少なくとも一つ含み、第1辺と反対になり、第1辺と平行な第2辺、第1方向から傾斜部と反対になる第1及び第2辺の一端を第1及び第2辺に垂直に接続する第3辺、第1方向で傾斜部に隣接した第1及び第2辺の他端を傾斜部と平行に接続する第4辺を含む直角台形形状を有することができる。例えば、延長絶縁部材(EIP)は、第1方向で接続部材(CP)より小さい幅を有する部分(すなわち、少なくとも第1辺に隣接する部分)を含むことができ、第2方向で接続部材(CP)より大きい長さを有することができる。
【0103】
前述した説明においては、第1及び第3傾斜部(14a、14c)にそれぞれ第1接続部42cが位置し、第2及び第4傾斜部(14b、14d)にそれぞれ第2接続部44cが位置することを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0104】
一例として、第1及び第3傾斜部(14a、14c)のいずれか1つに第1接続部42cが位置し、他の一つに第2接続部44cが位置することができる。または、第2及び第4傾斜部(14b、14d)の1つに第1接続部42cが位置し、他の一つに第2接続部44cが位置することができる。この場合にも、各傾斜部14に位置する第1及び第2接続部(42c、44c)によって、傾斜部14の一部の領域で、第1または第2キャリアの移動距離を減らすことができる部分が存在する。
【0105】
別の例として、第1及び第3傾斜部(14a、14c)の内、いずれか1つに第1接続部42cが位置し、又は第2及び第4傾斜部(14b、14d)の内、いずれか1つに第2接続部44cが位置することができる。一例として、第1及び第3傾斜部(14a、14c)の内、第1配線142aが外部に延長される一側に位置する第1傾斜部14aに第1接続部42cが位置することができる。そして第2及び第4傾斜部(14b、14d)の内、第2配線142bが外部に延長される他側に位置した第4傾斜部14dに第2接続部44cが位置することができる。これにより、第1または第2配線(142a、142b)が第1または第2接続部(42c、44c)を通り過ぎるように位置して、キャリアの移動距離を効果的に減らすことができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。第1及び第3傾斜部(14a、14c)の内、第3傾斜部14cに第1接続部42cが位置し、及び/または第2及び第4傾斜部(14b、14d)の内、第2傾斜部14dに第2接続部44cが位置することもできる。その他の様々な変形が可能である。
【0106】
また、本実施の形態においては、第1電極42及び第2電極44のそれぞれが、第1及び第2接続部(42c、44c)を備えたことを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1及び第2電極(42、44)の内、少なくとも1つが接続部(42c、44c)を備えることもできる。
【0107】
このように、各傾斜部14で接続部(42c、44c)の形成可否、第1及び第2接続部(42c、44c)の配置は、多様に変形することができる。
【0108】
本実施の形態に係ると、傾斜部14に形成された連結部(42c、44c)によって傾斜部14に隣接する部分でキャリアの移動経路を減らすことができる。これにより直列抵抗を低減し、充密度を向上させることができ、太陽電池10の効率を向上することができる。接続部(42c、44c)は、電極(42、44)を形成する工程で形成されるため、別途の工程を追加しない単純な工程で太陽電池10の効率を向上することができる。また、前述した太陽電池10を含み、傾斜部14に配線142が位置する太陽電池パネル100の出力損失を効果的に低減して、太陽電池パネル100の出力を向上することができる。ここで、太陽電池パネル100の出力損失は、セルをモジュール化しながら、発生することができるセル-ツー-モジュールの損失(cell to module loss、CTM loss)を意味することができる。
【0109】
以下においては、本発明の他の実施の形態に係る太陽電池及びこれを含む太陽電池パネルを詳細に説明する。前述した説明と同一又は極めて類似の部分については詳細な説明を省略し、互いに異なる部分についてのみ詳細に説明する。そして、前述した実施の形態またはこれを変形した例と下の実施の形態またはこれを変形した例を、互いに結合したものもまた、本発明の範囲に属する。
【0110】
図7は、本発明の他の実施の形態に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池と配線材を示す平面図である。
図7は
図4のA乃至Dの部分に対応する部分の半導体基板、電極及び配線材を拡大して示す平面図であり、簡略な図示のために、
図7には、絶縁部材及び接続部材を図示しながった。
【0111】
前述した
図5を参照した実施の形態においては、第1及び第2接続部(42c、44c)が複数の外側フィンガー部(422a、442a)の端部を全体的に接続して、製造工程を単純化し、安定的にキャリアの移動経路を提供することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0112】
図7に示すように、第1及び第2接続部(42c、44c)が複数の外側フィンガー部(422a、442a)の端部を全体的に接続せずに、複数の外側フィンガー部(422a、442a)の一部だけを部分的に接続することができる。
図7においては、一例として、第1及び第2接続部(42c、44c)が複数の外側フィンガー部(422a、442a)の内、隣接した二つの外側フィンガー部(422a、442a)をそれぞれ接続するように複数形成され、このような複数の第1及び第2接続部(42c、44c)が各傾斜部14から離隔するように位置したことを例示した。これにより、各傾斜部14から複数の外側フィンガー部(422a、442a)の端部が第1及び第2接続部(42c、44c)によって接続された部分と接続されてない部分が交互に位置することができる。これによれば、第1及び第2接続部(42c、44c)の形成面積を減らして材料コストを節減しながらも、キャリアの移動距離を減らす効果を実現することができる。
【0113】
図7においては、第1及び第2接続部(42c、44c)が互いに同一または類似の形状または配置を有したものを例示したが、第1及び第2接続部(42c、44c)の内、少なくとも1つが、前述した形状または配置を有することができる。また、第1及び第2接続部(42c、44c)が隣接した二つの外側フィンガー部(422a、442a)を接続し、これらを互いに離隔して位置することを例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。第1または第2接続部(42c、44c)によって接続される外側フィンガー部(422a、442a)の数、第1または第2接続部(42c、44c)によって接続されない外側フィンガー部(422a、442a)の数と、各傾斜部14から第1または第2接続部(42c、44c)の数、配置などは多様に変形することができる。
【0114】
図8は、本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池と配線材を示す平面図である。
図8は、
図4のA乃至Dの部分に対応する部分の半導体基板、電極及び配線材を拡大して示す平面図であり、簡略な図示のために
図8には、絶縁部材との接続部材を図示しながった。
【0115】
図8に示すように、第1及び第2接続部(42c、44c)が複数の外側フィンガー部(422a、442a)の端部と共に、複数の内側フィンガー部(421a、441a)の端部を全体的に接続することができる。
図8においては、一例として、第1接続部42cが第1方向の一側(図の右側)から複数の第1外側フィンガー部422a、複数の第1内側フィンガー部421a、及び複数の第1外側フィンガー部(442a)を全体的に接続するように形成され、第2接続部44cが第1方向の他側(図の左側)から複数の第2外側フィンガー部442a、複数の第2内側フィンガー部441a、及び複数の第2外側フィンガー部442aを全体的に接続するように形成されたことを例示した。これによれば、第1及び第2接続部(42c、44c)を安定的に形成しながら、キャリアの移動距離を効果的に減らすことができる。
【0116】
図8においては、第1及び第2接続部(42c、44c)が互いに同一または類似の形状または配置を有したことを例示したが、第1及び第2接続部(42c、44c)の内、少なくとも1つが、前述した形状または配置を有することができる。また、第1または第2接続部(42c、44c)が複数の外側フィンガー部(422a、442a)及び複数の内側フィンガー部(421a、441a)の内、少なくとも一部のみを接続する構造を有することができる。第1または第2接続部(42c、44c)によって接続される外側フィンガー部(422a、442a)または内側フィンガー部(421a、441a)の数、配置、形状などは多様に変形することができる。
【0117】
図9及び
図10は、それぞれ、本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池及び配線材を示す平面図である。
図9及び
図10は、それぞれ
図4のA乃至Dの部分に対応する部分の半導体基板、電極及び配線材を拡大して示す平面図であり、簡略な図示のために、
図9及び
図10には、絶縁部材及び連結部材を示さなかった。
【0118】
図9に示すように、第1及び第2接続部(42c、44c)の内、少なくとも1つが、各傾斜部14から、一部の外側フィンガー部(422a、442a)を接続することができる。例えば、第1方向に見るとき、外部に延長される第1または第2配線(142a、142b)の内、最も外側に位置する配線(142a、142b)の内側にのみ第1または第2接続部(42c、44c)が形成されることができる。すなわち、第1配線142aが外部に延長される第1端(E1)に隣接する部分では、第1傾斜部14aから第1方向の第1配線142aの内側に第1接続部42cが位置し、及び/または第2傾斜部14bから第1方向の第1配線142aの内側に第2接続部44cが位置することができる。そして第2配線142bが外部に延長される第2端(E2)に隣接する部分においては、第3傾斜部14cから第1方向の第2配線142bの内側に第1接続部42cが位置し、及び/または第4傾斜部14dから第1方向の第2配線142bの内側に第2接続部44cが位置することができる。該当部分で、第1または第2配線(142a、142b)に向かう第1または第2キャリアの移動経路を効果的に減らすことができるので、キャリアの移動経路を減らすのに大きく貢献できる部分にのみ第1または第2接続部(42c、44c)が位置して効率を向上することができる。
【0119】
または、
図10に示すように、一つの傾斜部14に第1及び第2接続部(42c、44c)が一緒に位置することもできる。例えば、各傾斜部14に隣接する部分で、第1方向に見るとき、外部に延長される第1または第2配線(142a、142b)の内、最も外側に位置する配線(142a、142b)の内側に第1または第2接続部(42c、44c)が形成され、外側に第2または第1接続部(44c、42c)が形成されることができる。すなわち、第1配線142aが外部に延長される第1端(E1)の第1傾斜部14aから第1方向の第1配線142aの内側に第1接続部42cが位置し、第1方向の第1配線142aの外側に第2接続部44cが位置することができる。そして、第1配線142aが外部に延長される第1端(E1)の第2傾斜部14bで第1方向からの第1配線142aの内側に第2接続部44cが位置し、第1方向からの第1配線142aの外側に第1接続部42cが位置することができる。同様に、第2配線142bが外部に延長される第2端(E2)の第3傾斜部14cで第1方向の第2配線142bの内側に第1接続部42cが位置し、第1方向の第2配線142bの外側に第2接続部44cが位置することができる。第2配線142bが外部に延長される第2端(E2)の第4傾斜部14dで第1方向の第2配線142bの内側に第2接続部44cが位置し、第1方向の第2配線142bの外側に第1接続部42cが位置することができる。これによれば、各傾斜部14で第1及び第2キャリアの移動経路をそれぞれ効果的に減らすことができ、これによる効果を最大化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、各傾斜部14で第1及び第2接続部(42c、44c)の配置、形状、個数などは多様に変形することができる。
【0120】
以下、本発明の製造例を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。しかし、後述する本発明の製造例は、例示のために提示したものに過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。
【0121】
製造例1
【0122】
n型単結晶半導体基板の一面にシリコン酸化膜で構成される中間膜を形成した。トンネリング層の上に、低圧化学気相蒸着によって多結晶シリコンを含む半導体層を形成した。そして、半導体層の一部の領域にp型ドーパントをドーピングし、他の領域にn型ドーパントをドーピングして、それぞれ第1導電型領域と第2導電型領域を備える半導体層を形成した。そして、前面パッシベーション膜、反射防止膜、後面パッシベーション膜を形成してコンタクトホールを形成した。コンタクトホールを介して第1導電型領域と第2導電型領域にそれぞれ電気的に接続される第1電極及び第2電極を形成した。第1及び第2電極は、
図4に示すように、第1及び第2端の両側に第1及び第2接続部を備えた。
【0123】
そして、接続部材及び絶縁部材を用いて、第1及び第2電極の延長方向と交差する方向に第1及び第2配線を接続し、これをシール材とカバー部材と一緒にラミネートして太陽電池パネルを形成した。
【0124】
比較例1
【0125】
第1及び第2電極を形成する工程において、第1及び第2接続部を形成しないものを除外する製造例1と同様の方法で、複数の太陽電池及びこれを含む太陽電池パネルを形成した。
【0126】
製造例1と比較例1により製造された複数の太陽電池の平均効率と製造例1及び比較例1に基づいて製造された太陽電池パネルの出力損失をそれぞれ測定し、その結果を
図11及び
図12に示した。
【0127】
図11を参照すると、比較例1に係る太陽電池より製造例1に係る太陽電池で高効率を有することが分かる。さらに具体的に、製造例1に係る太陽電池は、比較例1に係る太陽電池に比べて0.07%ほど高い効率を有することができる。
図12を参照すると、比較例1に係る太陽電池を用いて、太陽電池パネルを製造した場合より、製造例1に係る太陽電池を用いて、太陽電池パネルを製造した場合に、出力損失が低いことがわかる。さらに具体的に、製造例1に係る太陽電池パネルは、比較例1に係る太陽電池パネルに比べて、出力損失が22%ほど低い値を有する。これは接続部によって、キャリアの移動距離を減らし、他の特性の低下なしで抵抗を減らしたためと予測される。
【0128】
前述したところに係る特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施の形態に含まれ、必ずしも一つの実施の形態のみに限定されるものではない。さらに、各実施の形態において例示された特徴、構造、効果などは、実施の形態が属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施の形態に対しても組み合わせて、または変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に係る内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。