(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】シース除去装置及びシース除去方法
(51)【国際特許分類】
H02G 1/12 20060101AFI20220712BHJP
B26D 3/00 20060101ALI20220712BHJP
B26D 7/18 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
H02G1/12 065
B26D3/00 603Z
B26D7/18 E
(21)【出願番号】P 2020049423
(22)【出願日】2020-03-19
【審査請求日】2021-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 浩輔
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-208926(JP,A)
【文献】特開昭51-095285(JP,A)
【文献】実開平03-117323(JP,U)
【文献】特開平08-138825(JP,A)
【文献】特表2005-527175(JP,A)
【文献】特開2019-221051(JP,A)
【文献】特開2020-039217(JP,A)
【文献】特開2001-357960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/12
B26D 3/00
B26D 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材と、前記線材を覆うシースと、を有する電線を把持する電線把持部と、
前記電線の前記電線把持部に把持される箇所よりも先端側の切込位置において、前記シースに切込を入れる切込刃と、
前記シースにおける、前記シースの先端から前記切込位置までの部分であるシース先端部を把持するシース把持部と、を備え、
前記シース把持部は、前記シース先端部に対して、前記電線の延在方向を軸とした回転動作、及び、引き抜き動作を行い、前記シース先端部を前記線材から剥ぎ取
り、
前記線材が、少なくとも二本の芯線を互いに撚り合わせたツイスト線であり、
前記シース把持部は、前記シースの内周面に、編組、前記ツイスト線、及び箔のいずれが接触しているかに応じて定めた回転方向及び回転角度の少なくともいずれか一で、前記シース先端部を回転させる
シース除去装置。
【請求項2】
前記シース把持部は、前記回転動作の後に、前記引き抜き動作を行う
請求項1に記載のシース除去装置。
【請求項3】
前記シース把持部は、前記回転動作を行いながら、前記引き抜き動作を行う
請求項1に記載のシース除去装置。
【請求項4】
線材と、前記線材を覆うシースと、を有する電線を把持する電線把持部と、
前記電線の前記電線把持部に把持される箇所よりも先端側の切込位置において、前記シースに切込を入れる切込刃と、
前記シースにおける、前記シースの先端から前記切込位置までの部分であるシース先端部を把持するシース把持部と、を備え、
前記シース把持部は、前記シース先端部に対して、前記電線の延在方向を軸とした回転動作、及び、引き抜き動作を行い、前記シース先端部を前記線材から剥ぎ取り、
前記電線の先端が所定位置に到達したことを検知する先端検知部と、
前記電線把持部に把持された前記電線の先端を前記所定位置まで誘導する電線誘導部と、を備え、
前記シース把持部は、前記所定位置まで誘導された前記電線の先端を含む前記シース先端部を把持する
シース除去装置。
【請求項5】
前記シース把持部によって前記線材から剥ぎ取られた前記シース先端部を吸着して回収するシース吸着部を備える
請求項1~
4のいずれか一項に記載のシース除去装置。
【請求項6】
前記電線を挟んで互いに対向する一対のV刃を前記切込刃として保持し、前記一対のV刃を開閉し、かつ、前記延在方向を軸として回転させる切込ユニットと、
複数の爪を前記シース把持部として保持し、前記複数の爪を開閉し、かつ、前記延在方向を軸として回転させるシース剥ぎユニットと、
前記電線把持部、前記電線誘導部、前記先端検知部、及び前記シース剥ぎユニットの動作を制御する制御部と、を備え、
前記延在方向への移動可能に前記電線把持部に保持された前記電線の先端が、前記電線誘導部に誘導されて前記所定位置に到達すると、前記制御部の制御に従って、
前記先端検知部が前記電線の先端を検知し、
前記電線把持部が閉じて前記電線を把持し、
前記先端検知部が第一退避位置に移動し、
前記シース剥ぎユニットが、前記電線把持部に近接するよう移動して、前記複数の爪が閉じて前記シース先端部を把持し、
前記電線誘導部が、第二退避位置に移動し、
前記切込ユニットが、前記シース剥ぎユニットに近接するよう移動して、前記シースにおける前記シース把持部に把持されている箇所に隣接する前記切込位置に前記一対のV刃を位置させ、
前記切込ユニットが、前記一対のV刃を閉じて、前記回転を行い、
前記シース剥ぎユニットが、前記複数の爪により前記シース先端部を把持した状態で、前記回転動作を行い、かつ、前記電線把持部から離間するよう移動することで前記引き抜き動作を行う
請求項
4に記載のシース除去装置。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか一項に記載のシース除去装置において、
前記電線把持部が前記電線を把持し、
前記切込刃が前記切込位置において前記シースに前記切込を入れ、
前記シース把持部が前記シース先端部を把持して、前記回転動作及び前記引き抜き動作を行う
シース除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線のシース除去装置及びシース除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
線材(芯線)がシースで覆われた電線の端末においてシースの先端部を除去する際、刃でシースの外周に切り込みを入れ、刃でグリップしたシース端末を、電線の先端側に移動させて剥ぎ取る(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、除去すべきシース先端部が長尺である場合、刃でシースを剥ぎ取れない場合がある。また、撚線を直接シースで覆った電線の場合、切り込みを入れたシースを先端側にずらそうとすると、芯線の撚りが抵抗となって、シースを除去できない場合がある。さらに、シースを剥ぎ取る際、刃に直接負荷がかかり、刃こぼれの原因となるおそれがある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、切込刃に負担をかけることなく電線端末のシースを確実に除去できる、シース除去装置及びシース除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係るシース除去装置及びシース除去方法は、下記(1)~(7)を特徴としている。
(1) 線材と、前記線材を覆うシースと、を有する電線を把持する電線把持部と、
前記電線の前記電線把持部に把持される箇所よりも先端側の切込位置において、前記シースに切込を入れる切込刃と、
前記シースにおける、前記シースの先端から前記切込位置までの部分であるシース先端部を把持するシース把持部と、を備え、
前記シース把持部は、前記シース先端部に対して、前記電線の延在方向を軸とした回転動作、及び、引き抜き動作を行い、前記シース先端部を前記線材から剥ぎ取り、
前記線材が、少なくとも二本の芯線を互いに撚り合わせたツイスト線であり、
前記シース把持部は、前記シースの内周面に、編組、前記ツイスト線、及び箔のいずれが接触しているかに応じて定めた回転方向及び回転角度の少なくともいずれか一で、前記シース先端部を回転させる
シース除去装置。
(2) 前記シース把持部は、前記回転動作の後に、前記引き抜き動作を行う
上記(1)に記載のシース除去装置。
(3) 前記シース把持部は、前記回転動作を行いながら、前記引き抜き動作を行う
上記(1)に記載のシース除去装置。
(4) 線材と、前記線材を覆うシースと、を有する電線を把持する電線把持部と、
前記電線の前記電線把持部に把持される箇所よりも先端側の切込位置において、前記シースに切込を入れる切込刃と、
前記シースにおける、前記シースの先端から前記切込位置までの部分であるシース先端部を把持するシース把持部と、を備え、
前記シース把持部は、前記シース先端部に対して、前記電線の延在方向を軸とした回転動作、及び、引き抜き動作を行い、前記シース先端部を前記線材から剥ぎ取り、
前記電線の先端が所定位置に到達したことを検知する先端検知部と、
前記電線把持部に把持された前記電線の先端を前記所定位置まで誘導する電線誘導部と、を備え、
前記シース把持部は、前記所定位置まで誘導された前記電線の先端を含む前記シース先端部を把持する
シース除去装置。
(5) 前記シース把持部によって前記線材から剥ぎ取られた前記シース先端部を吸着して回収するシース吸着部を備える
上記(1)~(4)のいずれか一に記載のシース除去装置。
(6) 前記電線を挟んで互いに対向する一対のV刃を前記切込刃として保持し、前記一対のV刃を開閉し、かつ、前記延在方向を軸として回転させる切込ユニットと、
複数の爪を前記シース把持部として保持し、前記複数の爪を開閉し、かつ、前記延在方向を軸として回転させるシース剥ぎユニットと、
前記電線把持部、前記電線誘導部、前記先端検知部、及び前記シース剥ぎユニットの動作を制御する制御部と、を備え、
前記延在方向への移動可能に前記電線把持部に保持された前記電線の先端が、前記電線誘導部に誘導されて前記所定位置に到達すると、前記制御部の制御に従って、
前記先端検知部が前記電線の先端を検知し、
前記電線把持部が閉じて前記電線を把持し、
前記先端検知部が第一退避位置に移動し、
前記シース剥ぎユニットが、前記電線把持部に近接するよう移動して、前記複数の爪が閉じて前記シース先端部を把持し、
前記電線誘導部が、第二退避位置に移動し、
前記切込ユニットが、前記シース剥ぎユニットに近接するよう移動して、前記シースにおける前記シース把持部に把持されている箇所に隣接する前記切込位置に前記一対のV刃を位置させ、
前記切込ユニットが、前記一対のV刃を閉じて、前記回転を行い、
前記シース剥ぎユニットが、前記複数の爪により前記シース先端部を把持した状態で、前記回転動作を行い、かつ、前記電線把持部から離間するよう移動することで前記引き抜き動作を行う
上記(4)に記載のシース除去装置。
(7) 上記(1)~(6)のいずれか一に記載のシース除去装置において、
前記電線把持部が前記電線を把持し、
前記切込刃が前記切込位置において前記シースに前記切込を入れ、
前記シース把持部が前記シース先端部を把持して、前記回転動作及び前記引き抜き動作を行う
シース除去方法。
【0007】
上記(1)、(2)、(3)の構成のシース除去装置及び上記(7)の構成のシース除去方法によれば、切込刃で切込を入れた後、回転動作によって線材とシースとの密着を解除できる。このため、抵抗力(摩擦力)を低減して、シース先端部(電線端末のシース)を容易に除去できる。よって、除去すべきシース先端部が長尺の(皮剥き量が大きい、線材の露出長が長い)場合であっても、確実にシース先端部を除去できる。
シースの直下(内周側)に、編組や金属箔又はPET(Polyethylene terephthalate)箔等が存在する電線においては、シース先端部が直下の部材に密着して引き抜けない場合がある。このような場合であっても、シース先端部を回転させて引き抜くことにより、シースとその直下の部材との間の摩擦力を低下させて、確実にシース先端部を除去できる。
また、シース先端部をずらす際には切込刃を用いないため、切込刃に負担がかからない。このように、切断刃(切込刃)に負担をかけることなく、電線端末のシースを確実に除去できる。
尚、本開示において線材(線芯、線心)とは、信号線と、この信号線を覆う被覆とをそれぞれ備えた通信線を意味する。
【0008】
更に、上記(1)、(2)、(3)の構成のシース除去装置及び上記(7)の構成のシース除去方法によれば、例えば、ツイスト線の撚り方向と逆方向にシース先端部を回転させることにより、撚りが戻されるため、シース先端部を一層引き抜きやすくなる。また、シース直下の部材(ツイスト線の撚りピッチ、編組の編みピッチ等)に応じて回転条件(回転方向、回転角度)を最適化することで、引き抜き時に要する力を低減できる。
【0009】
上記(4)の構成のシース除去装置によれば、電線の先端が所定位置まで誘導され把持されるため、シース先端部が長尺の場合であっても、正しい切込位置に切り込みを入れることができる。
【0010】
上記(5)の構成のシース除去装置によれば、線材から剥ぎ取られたシース先端部を吸着して回収するので、容易に電線カスを回収できる。
【0011】
上記(6)の構成のシース除去装置によれば、制御部が各動作部の移動タイミング及び開閉動作等を制御するので、皮剥き量が大きい場合であっても、確実にシース先端部を除去できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、切込刃に負担をかけることなく電線端末のシースを確実に除去できる。
【0013】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態のシース除去装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のシース除去装置におけるシース除去方法の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、
図1のシース除去装置におけるシース除去方法の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、電線がセットされて、先端検知部が上昇した様子を示す図である。
【
図5】
図5は、電線先端がシース剥ぎチャックに把持され、電線誘導パイプが上昇した様子を示す図である。
【
図6】
図6は、切込ユニットが左側に移動した様子を示す図である。
【
図7】
図7は、切込部チャックが切込位置の直前で電線を把持し、V刃が所定切り込み深さまで移動した様子を示す図である。
【
図8】
図8は、シース剥ぎユニット及び切込ユニットの一部拡大図であり、V刃が左右に回転される様子を示す図である。
【
図9】
図9は、シース剥ぎユニット及び切込ユニットの一部拡大図であり、V刃が開いた様子を示す図である。
【
図10】
図10は、シース剥ぎユニット及び切込ユニットの一部拡大図であり、シース先端部を把持したシース剥ぎユニットが回転動作及び引き抜き動作を行う様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態のシース除去装置1を示す斜視図であり、初期状態(原点復帰した状態)を示す。本実施形態のシース除去装置1は、線材101(
図10参照)と、線材101を覆うシース102と、を備える電線Wにおいて、シース102の先端部を除去して、線材101を露出させる。本実施形態において、線材101は、信号線と、この信号線を覆う被覆とをそれぞれ備えた二本の通信線が、撚り合わされず並列配置されたものである。尚、本実施形態において、前後、左右、上下の各方向は、特に断りがない限り、
図1に示すようにシース除去装置1の前後、左右、上下の各方向を指す。また、シース除去装置1の前後方向は、電線Wの延在方向に並行である。
【0017】
図1に示すように、シース除去装置1は、電線挿入ユニット20と、切込ユニット30と、電線誘導部40と、先端検知部50と、シース剥ぎユニット60と、を主に備える。シース除去装置1は、図示しない制御部をさらに備え、各部の移動タイミング、動作等を制御する。
【0018】
電線挿入ユニット20は、シース除去装置1に前方から後方に向けて挿入される電線Wを把持する。電線挿入ユニット20は、ベース10の前方に配置される。電線挿入ユニット20は、電線挿入部チャック21(電線把持部)、一対の保持部22a,22b、一対のスライダー23a、23b、移動部24、及び支持部25を有する。
【0019】
電線挿入部チャック21は、電線Wを挟んで互いに対向する一対の把持アーム21a、21bが前後方向に複数対配置されたものである。各把持アーム21a、21bは、先端にV字形状の切欠きをそれぞれ有する。複数の把持アーム21a、21bは、一対の保持部22a、22bのそれぞれに固定される。一対の保持部22a、22bは、一対のスライダー23a、23bにそれぞれ固定される。一対のスライダー23a、23bは、エアーシリンダー等の移動部24によって、左右方向に、互いに近接及び離間可能にスライド移動される。移動部24は、ベース10に立設された支持部25に固定される。支持部25は、ベース10に立設された一対の支持板25aと、一対の支持板25a間に架け渡された水平部25bと、を有し、前後方向に視て略U字状をなす。移動部24は、水平部25bの上面に固定される。
【0020】
一対のスライダー23a、23bが、移動部24の上面に設けられた、左右方向に延びたレールに沿って、互いに近接するように移動すると、把持アーム21a、21bが閉じて、電線WがV字形状の切欠きによって、把持される。また、把持アーム21a、21bが開いた状態では、V字形状の切欠きによって、電線Wが前後方向に移動可能に保持される。
【0021】
切込ユニット30は、電線Wのシース102に切込を入れる。切込ユニット30は、電線挿入ユニット20の後方に配置される。切込ユニット30は、
図8に示すように、一対のV刃31、切込部チャック32、保持部33、35、移動部34、36、取付板37、駆動部38、及び支持部39を有する。
【0022】
一対のV刃31は、電線Wを挟んで互いに対向して配置され、電線Wの延在方向における所定位置(切込位置)においてシース102に所定深さの切込を入れる。一対のV刃31は、一対の保持部33にそれぞれ固定される。一対の保持部33は、一対のスライダー34aにそれぞれ固定される。一対のスライダー34aは、エアーシリンダー等の移動部34によって、電線W外周の接線方向に、互いに近接及び離間可能にスライド移動される。移動部34は、前側に配置された取付板37に固定される。
【0023】
切込部チャック32は、V刃31の前側で、V刃31に隣接する位置に配置され、切込位置直前で電線Wを把持する。切込部チャック32は、電線Wを挟んで互いに対向する一対の把持アーム32a、32bが前後方向に複数対配置されたものである。各把持アーム32a、32bは、先端にV字形状の切欠きをそれぞれ有する。複数の把持アーム32a、32bは、一対の保持部35のそれぞれに固定される。一対の保持部35は、一対のスライダー36aにそれぞれ固定される。一対のスライダー36aは、エアーシリンダー等の移動部36によって、電線W外周の接線方向に、互いに近接及び離間可能にスライド移動される。移動部36は、前側に配置された取付板37に固定される。
【0024】
取付板37は、駆動部38に取り付けられ、電線Wの延在方向を軸として左右に回転される。
【0025】
駆動部38は、移動部38a、スライド部38b、ラック38c、ピニオン38d、及びシャフト38eを含む。エアーシリンダー等の移動部38aは、上面に配置されたスライド部38bを、左右方向にスライド移動させる。スライド部38bは、上下方向に延びる板材であり、下端が移動部38aにスライド可能に取り付けられ、上端に、左右方向に延在するラック38cが固定される。ラック38cは、上面に複数の歯が設けられる。ピニオン38dは、円形板の外周に、ラック38cの複数の歯と互いに噛み合う複数の歯が設けられる。ピニオン38dは、円形板の中心に、円形板を前後方向に貫通する中空のシャフト38eが固定される。シャフト38eは、支持部39に、電線Wの延在方向を軸として回転可能に支持され、内部に電線Wが挿通される。
【0026】
支持部39は、上下方向に延在する垂直部39aと、垂直部39aの下端において前後方向に延在する水平部39bと、を有し、左右方向に視て略L字状を有する。垂直部39aには、貫通孔を有し、貫通孔内にシャフト38eが配置される。水平部39bの上面には、移動部38aが固定される。
【0027】
ラック38cが移動部38aによって左右方向に水平移動されると、ピニオン38dが電線Wの延在方向を軸として回転される。ピニオン38dが回転されることにより、シャフト38eを介して取付板37が回転される。これにより、取付板37に取り付けられた一対のV刃31及び切込部チャック32が、電線Wの延在方向を軸として回転される。
【0028】
ベース10には、図示しないスライダーを前後方向にスライドさせる移動部11が取り付けられ、このスライダーに水平部39bが固定される。よって、移動部11により、切込ユニット30が前後方向に移動される。
【0029】
電線誘導部40は、電線挿入部チャック21に把持された電線Wの先端を所定位置まで誘導する。電線誘導部40は、切込ユニット30の後方に配置される。電線誘導部40は、電線誘導パイプ41、保持部42、移動部43、46、固定部44、45、及びレール部47を有する。
【0030】
電線誘導パイプ41は、前後方向に延在し、内部に電線Wを挿通可能なパイプである。電線誘導パイプ41は、パイプを長手方向(前後方向)に沿って二分割した半割部41a、41b(
図5参照)を結合して形成される。半割部41a、41bは、保持部42a、42bにそれぞれ保持される。保持部42a、42bは、それぞれスライダーを介して移動部43にスライド可能に取り付けられる。移動部43によって、保持部42a、42bが、左右方向に互いに離間されると、半割部41a、41bが開く。また、移動部43によって、保持部42a、42bが、左右方向に互いに近接されると、半割部41a、41bが閉じて電線誘導パイプ41が形成され、電線Wを誘導可能となる。
【0031】
電線誘導パイプ41によって、電線Wの先端が所定位置まで誘導されて、電線挿入部チャック21に把持されるため、除去すべきシース102の長さ(シース先端部の長さ)が長い場合であっても、正しい切込位置に切り込みを入れることができる。
【0032】
固定部44は、上下方向に視て略C字形状を有する板材であり、取付部44a、44b、及び接続部44cを有する。取付部44aは、左右方向に延在し、下面に移動部43が取り付けられる。取付部44bは、前後方向に延在し、下面に固定部45の上面が固定される。接続部44cは、取付部44aと取付部44bとを接続する。
【0033】
固定部45は、上下方向に延在する板材であり、右側の面に、移動部46が取り付けられる。移動部46は、レール部47を介して支持板12に取り付けられる。支持板12は、ベース10に立設され前後方向に延在する。レール部47は、支持板12の左側の面に固定される。レール部47及び移動部46は、上下方向に延在し、移動部46は、レール部47に沿って上下方向に移動される。移動部46が上下方向に移動されると、固定部45、44、移動部43、及び保持部42a、42bを介して、移動部46に固定された電線誘導パイプ41が上下方向に移動される。
【0034】
先端検知部50は、電線Wの先端が所定位置に到達したことを検知する。先端検知部50は、電線誘導部40の後方において、先端検知部50の前端面が電線誘導パイプ41の後端面に当接する位置に設けられる。先端検知部50は、内蔵された近接センサによって、電線誘導パイプ41の内部を挿通された電線Wの先端が所定位置に到達したことを検知し、制御部に検知信号を出力する。先端検知部50は、固定部51に固定される。
【0035】
固定部51は、左右方向に延在する取付部51aと、取付部51aの右側端部から前後方向に延在する取付部51bと、を有し、上下方向に視て略L字形状を有する。取付部51aの前端面には、先端検知部50の後端面が固定される。取付部51bの下面には、移動部52が取り付けられる。移動部52は、レール部53を介して固定部45に取り付けられる。移動部52及びレール部53は、固定部45の左側の面において、上下方向に延在する。移動部52は、レール部53に沿って上下方向に移動される。移動部52が上下方向に移動されると、固定部51を介して移動部52に取り付けられた先端検知部50が上下方向に移動される。先端検知部50は、レール部53に沿って固定部44の高さまで上昇可能である。また、先端検知部50は、間接的に固定部45に取り付けられ、固定部45が移動部46に取り付けられるため、移動部46がレール部47に沿って移動されることによっても移動される。
【0036】
シース剥ぎユニット60は、シース102における、シース102の先端から切込位置までの部分であるシース先端部を把持する。また、シース剥ぎユニット60は、シース先端部に対して、電線Wの延在方向を軸とした回転動作、及び、引き抜き動作を行い、シース先端部を線材101から剥ぎ取る。シース剥ぎユニット60は、ベース10の後方側であり、先端検知部50の後方に設けられる。シース剥ぎユニット60は、シース剥ぎチャック61、駆動部62、シャフト63、支持部64、及び固定部65を有する。
【0037】
シース剥ぎチャック61は、三つの爪61aを含む。各爪61aは、電線Wの外周に等間隔で配置される。爪61aは、前後方向に配置された複数の把持アーム61b、複数の把持アーム61bを保持する保持部61c、保持部61cの後端から電線Wの径方向に延在するブロック61d、及びブロック61dを電線Wの径方向に移動させる移動部61eを含む。各把持アーム61bは、先端に略V字形状の切欠きをそれぞれ有する。三つの移動部61eが電線Wの径方向において互いに近接するように移動することで、三列の把持アーム61bが閉じてシース102を把持する。三つの移動部61eが電線Wの径方向において互いに離間するように移動することで、三列の把持アーム61bが開いてシース102の把持が解除される。
【0038】
三つの移動部61eは、前後方向に延在する円筒形状を有する駆動部の前側に設けられる。駆動部62は、前側において、径方向に延在する三つの凹部が等間隔で設けられ、この三つの凹部に三つの移動部61eが収容される。駆動部62は、内蔵するエアーシリンダーによって、各移動部61eを径方向に移動させる。駆動部62の中心には前後方向に延在するシャフト63が挿通される。駆動部62は、上下方向に延在する矩形状の支持部64の前面における上方に取り付けられる。支持部64の下面は固定部65に固定される。固定部65は、前後方向に延在する水平部65aと、水平部65aの右側から下方に延在する垂直ブロック65bと、を含む。水平部65aの下面にはスライダー13aが固定される。スライダー13aは、ベース10において、前後方向に延在するよう設けられたロボシリンダー等の移動部13によって、前後方向に移動される。垂直ブロック65bの下面は、図示しないリニアガイド等のスライド部に固定される。水平部65aの上方における、支持部64の前面における下方には、ロボシリンダー等の駆動部66が取り付けられる。
【0039】
支持部64の内部において、上方及び下方にそれぞれ配置されたタイミングプーリーと、二つのタイミングプーリー間に架け渡されたタイミングベルトと、が設けられる。下側のタイミングプーリーの回転シャフトは、駆動部66の駆動軸に接続され、駆動軸が回転駆動されるとこの回転シャフトが連動して回転される。下側のタイミングプーリーが回転されるとタイミングベルトを介して上側のタイミングプーリーが回転される。上側のタイミングプーリーの回転シャフトは、シャフト63に接続され、この回転シャフトが回転されるとシャフト63が連動して回転される。シャフト63が回転されることで、シース剥ぎチャック61が電線Wの延在方向を軸として回転される。
【0040】
以上のように構成されたシース除去装置1の動作を、
図2~
図10を参照して説明する。
図2及び
図3は、シース除去装置1におけるシース除去方法の一例を示すフローチャートである。作業開始時において、
図1に示すように、シース除去装置1の各動作部は原点位置に配置されている。シース除去装置1の各動作部は、予めプログラムされた制御部の制御に従って動作する。
【0041】
作業者は、電線Wを、図示しない電線挿入口から、開いた状態の電線挿入部チャック21に挿入し、電線誘導パイプ41に誘導された電線Wの先端を先端検知部50に突き当てる(ステップS1)。先端検知部50の近接センサが電線W先端が所定位置に到達したことを検知すると(ステップS2)、電線挿入部チャック21が閉じる(ステップS3)。先端検知部50は、
図4に示すように、固定部44の高さ(第一退避位置)まで、矢印Aの方向に移動(上昇)する(ステップS4)。
【0042】
この状態で、作業者により、図示しない開始スイッチ(START_SW)が押されると(ステップS5)、
図5に示すように、シース剥ぎユニット60が前方(矢印Bの方向)に移動する(ステップS6)。また、シース剥ぎチャック61が閉じてシース102の先端部が把持される(ステップS7)。その後、電線誘導パイプ41(半割部41a、41b)が開き(ステップS8)、開かれた電線誘導パイプ41が矢印Cの方向に移動(上昇)して第二退避位置に退避する(ステップS9)。このとき、先端検知部50も、電線誘導パイプ41の上昇に伴って上昇し、第二退避位置の高さに位置される。
【0043】
続いて、切込ユニット30が、
図6に示すように、後方(矢印Dの方向)に移動し(ステップS10)、切込部チャック32(
図8参照)が閉じる(ステップS11)。次に、シース剥ぎチャック61が開き(ステップS12)、シース剥ぎユニット60が前進し(ステップS13)、シース剥ぎチャック61の前端が切込位置の直後に位置する箇所で、シース剥ぎチャック61が閉じて、シース102を把持する(ステップS14)。シース剥ぎチャック61が、シース102における切込位置の直後を把持することで、V刃31が回転しながら切込を入れる際の電線Wの位置ずれを抑制し、真っ直ぐな状態の電線Wのシース102に切込を入れることができる。これにより、電線W端末処理の品質を向上できる。
【0044】
そして、切込部チャック32が開き(ステップS15)、
図7に示すように、切込刃(V刃31)が、矢印Eの方向に移動し、シース102における所定の切込み深さまで移動して、切込を入れる(ステップS16)。
【0045】
続いて、
図8に示すように、切込ユニット30のV刃31が所定の切込み深さに位置した状態で、電線Wの延在方向を軸として、左右(矢印F、矢印G)に約100度ずつ回転すると、シース102の全周に所定深さの切込が入る(ステップS17)。尚、V刃31を回転する角度は、左右に約100度ずつに限定されない。次に、
図9に示すように、切込刃(V刃31)が開く(矢印Hで示す方向に移動する)(ステップS18)。続いて、切込部チャック32が閉じる(ステップS19)。
【0046】
そして、閉じた状態のシース剥ぎチャック61が、
図10に示すように、シース102の先端部を、電線Wの延在方向を軸として、矢印Iの方向に回転させる(ステップS20)。この回転動作と同時に、又は、この回転動作の後に、シース剥ぎユニット60が矢印Jの方向に移動(後退)して、シース102の先端部を引き抜く(ステップS21)。
【0047】
一方、原点位置において支持部64の後端面に接続される、図示しないシース吸着部のバキュームがONされて(ステップS22)、引き抜かれたシース102の先端部が吸着されて回収された後、バキュームがOFFされる(ステップS23)。線材101から剥ぎ取られたシース102の先端部を吸着して回収するので、容易に電線カスを回収できる。
【0048】
電線挿入部チャック21が開き、電線Wの把持が解除される(ステップS24)。作業者は、シース102の先端部が所定量除去された電線Wをシース除去装置1から抜き取る(ステップS25)。その後、各動作部は、
図1に示すように原点復帰する(ステップS26)。以上のように、シース除去装置1におけるシース除去方法が行われる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態のシース除去装置1によれば、回転動作によって線材101とシース102との密着を解除できるため、抵抗力(摩擦力)を低減して、シース102の先端部を容易に除去できる。特に、シース102の先端部の長さが長い(皮剥き量が大きい、線材の露出長が長い)場合であっても、シース102の先端部を確実に除去できる。また、シース先端部をずらす際、V刃31(切込刃、切断刃)を使用しないので、V刃31に負担をかけることがない。
【0050】
さらに、制御部が各動作部の移動タイミング及び開閉動作等を制御するので、皮剥き量が大きい場合であっても、確実にシース先端部を除去できる。
【0051】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。例えば、前述した実施形態では、シース除去装置1の処理対象が、二本の線材101が撚り合わされない電線Wであったが、二本の通信線を互いに撚り合わせたツイスト線であってもよい。線材の本数は二本に限定されず、例えば四本等でもよい。また、線材とシースとの間に、編組、金属箔等が設けられたシールド電線や、編組付きの同軸電線等も処理対象とすることができる。
【0052】
また、例えば、ツイスト線の撚り方向と逆方向にシース先端部を回転させることにより、撚りが戻されるため、シース先端部を一層引き抜きやすくなる。
【0053】
また、シースの直下(内側)に、編組や金属箔又はPET箔が存在する場合、シースに切込みを入れてそのまま引き抜くことは困難だが、シース先端部を回転しながら引き抜くことにより、シースとその直下の部材との間の摩擦力を低下させて、確実にシース先端部を除去できる。特に、シースの内側にPET箔が存在する場合、PET箔に切込を入れることなく、シース先端部に対する回転動作及び引き抜き動作を行うことで、PET箔を引きちぎることができる。このとき、シース直下の部材(ツイスト線の撚りピッチ、編組の編みピッチ等)に応じて回転条件(回転方向、回転角度)を最適化することで、摩擦力を低減でき、引き抜き時に必要な力を低減できる。
【0054】
また、爪61aの数、V刃31の数は、それぞれ、三つ、二つに限定されない。さらに、切込刃としてV刃31を用いる例を示したが、刃の形状はV字に限定されず、他の形状であってもよい。
【0055】
ここで、上述した本発明の実施形態に係るシース除去装置及びシース除去方法の特徴をそれぞれ以下[1]~[8]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 線材(101)と、前記線材を覆うシース(102)と、を有する電線(W)を把持する電線把持部(電線挿入部チャック21)と、
前記電線の前記電線把持部に把持される箇所よりも先端側の切込位置において、前記シースに切込を入れる切込刃(V刃31)と、
前記シースにおける、前記シースの先端から前記切込位置までの部分であるシース先端部を把持するシース把持部(シース剥ぎチャック61)と、を備え、
前記シース把持部は、前記シース先端部に対して、前記電線の延在方向を軸とした回転動作、及び、引き抜き動作を行い、前記シース先端部を前記線材から剥ぎ取る
シース除去装置(1)。
[2] 前記シース把持部は、前記回転動作の後に、前記引き抜き動作を行う
上記[1]に記載のシース除去装置。
[3] 前記シース把持部は、前記回転動作を行いながら、前記引き抜き動作を行う
上記[1]に記載のシース除去装置。
[4] 前記線材が、少なくとも二本の芯線を互いに撚り合わせたツイスト線であり、
前記シース把持部は、前記シースの内周面に、編組、前記ツイスト線、及び箔のいずれが接触しているかに応じて定めた回転方向及び回転角度の少なくともいずれか一で、前記シース先端部を回転させる
上記[1]~[3]のいずれか一に記載のシース除去装置。
[5] 前記電線の先端が所定位置に到達したことを検知する先端検知部(50)と、
前記電線把持部に把持された前記電線の先端を前記所定位置まで誘導する電線誘導部(電線誘導パイプ41)と、を備え、
前記シース把持部は、前記所定位置まで誘導された前記電線の先端を含む前記シース先端部を把持する
上記[1]~[4]のいずれか一に記載のシース除去装置。
[6] 前記シース把持部によって前記線材から剥ぎ取られた前記シース先端部を吸着して回収するシース吸着部(ステップS24)を備える
上記[1]~[5]のいずれか一に記載のシース除去装置。
[7] 前記電線を挟んで互いに対向する一対のV刃(31)を前記切込刃として保持し、前記一対のV刃を開閉し、かつ、前記延在方向を軸として回転させる切込ユニット(30)と、
複数の爪(61a)を前記シース把持部として保持し、前記複数の爪を開閉し、かつ、前記延在方向を軸として回転させるシース剥ぎユニット(60)と、
前記電線把持部、前記電線誘導部、前記先端検知部、及び前記シース剥ぎユニットの動作を制御する制御部と、を備え、
前記延在方向への移動可能に前記電線把持部に保持された前記電線の先端が、前記電線誘導部に誘導されて前記所定位置に到達すると、前記制御部の制御に従って、
前記先端検知部が前記電線の先端を検知し、
前記電線把持部が閉じて前記電線を把持し、
前記先端検知部が第一退避位置に移動し、
前記シース剥ぎユニットが、前記電線把持部に近接するよう移動して、前記複数の爪が閉じて前記シース先端部を把持し、
前記電線誘導部が、第二退避位置に移動し、
前記切込ユニットが、前記シース剥ぎユニットに近接するよう移動して、前記シースにおける前記シース把持部に把持されている箇所に隣接する前記切込位置に前記一対のV刃を位置させ、
前記切込ユニットが、前記一対のV刃を閉じて、前記回転を行い、
前記シース剥ぎユニットが、前記複数の爪により前記シース先端部を把持した状態で、前記回転動作を行い、かつ、前記電線把持部から離間するよう移動することで前記引き抜き動作を行う
上記[5]に記載のシース除去装置。
[8] 上記[1]~[7]のいずれか一に記載のシース除去装置において、
前記電線把持部が前記電線を把持し(ステップS3)、
前記切込刃が前記切込位置において前記シースに前記切込を入れ(ステップS11)、
前記シース把持部が前記シース先端部を把持して、前記回転動作(ステップS20)及び前記引き抜き動作(ステップS21)を行う
シース除去方法。
【符号の説明】
【0056】
1 シース除去装置
10 ベース
20 電線挿入ユニット
21 電線挿入部チャック
30 切込ユニット
31 V刃
32 切込部チャック
40 電線誘導部
41 電線誘導パイプ
50 先端検知部
60 シース剥ぎユニット
61 シース剥ぎチャック
101 線材
102 シース
W 電線