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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20220712BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
H04R1/02 102Z
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020115124
(22)【出願日】2020-07-02
(65)【公開番号】P2021012369
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2020-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0080584
(32)【優先日】2019-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ハ, キョンボ
(72)【発明者】
【氏名】キム, テヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム, セウン
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ハクモ
(72)【発明者】
【氏名】クー, スン ジュン
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0219372(US,A1)
【文献】特開2004-336293(JP,A)
【文献】特開2007-181156(JP,A)
【文献】特開2013-219518(JP,A)
【文献】特開2001-309491(JP,A)
【文献】特開2006-235438(JP,A)
【文献】再公表特許第2009/063905(JP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0010187(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0166429(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0098128(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
H04R 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示モジュール;
前記表示モジュールの背面に配置され、前記表示モジュールの背面を保護する背面カバー;
前記背面カバーの面から第1幅を有して第1深さを有するように陥没した陥没部;
前記背面カバーの面から前記陥没部まで、前記第1幅よりも小さい第2幅を有し、前記背面カバーの厚さと前記第1深さとの差である第2深さを有するように、貫通した貫通部;および
前記貫通部と前記陥没部との間の段差部に配置された第1圧電振動ユニットを含み、
前記第1圧電振動ユニットは、前記背面カバーの背面から前記背面カバーの前面までの空間内に配置される、表示装置。
【請求項2】
前記貫通部が形成された前記背面カバーの面と前記表示モジュールを合着する接着部材をさらに含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1圧電振動ユニットが、
前記段差部に付着した金属基板、および
前記金属基板の背面に付着した圧電素子を含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1圧電振動ユニットが、
前記段差部に付着した圧電素子、および
前記圧電素子の背面に付着した金属製基板を含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記陥没部の前記第1深さが、前記背面カバーの厚さの半分よりも小さい請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記陥没部の前記第1深さが、前記背面カバーの厚さの半分よりも大きい請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記貫通部によって露出した前記表示モジュールの背面に付着した放熱金属板をさらに含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記背面カバーの面から前記第2幅よりも大きい第3幅を有し、前記第2深さよりも小さい第3深さで陥没した上部陥没部をさらに含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記上部陥没部と前記貫通部との間の上部段差部に配置された第2圧電振動ユニットをさらに含む請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1圧電振動ユニットが、前記第2圧電振動ユニットと異なる周波数帯域の音の振動を発生する請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
映像を表示する表示パネルを含む表示モジュール;
前記表示モジュールの背面に配置され、前記表示モジュールの背面を保護する背面カバー;
前記背面カバーの背面に形成された第1陥没部;
前記第1陥没部と前記背面カバーの面を貫通する貫通孔;および
前記第1陥没部内に配置されて前記貫通孔を介して前記背面カバーに音の振動を提供する振動発生モジュールを含み、
前記振動発生モジュールは、前記背面カバーの背面から前記背面カバーの前面までの空間内に配置される、表示装置。
【請求項12】
前記第1陥没部の深さが、前記貫通孔の深さよりも大きい請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1陥没部の深さが、前記貫通孔の深さよりも小さい請求項11に記載の表示装置。
【請求項14】
前記振動発生モジュールが、
圧電素子、および
前記圧電素子の前面及び背面のうちの少なくともいずれか一つに付着した金属板をさらに含む請求項11に記載の表示装置。
【請求項15】
前記貫通孔によって露出した前記表示モジュールの背面に付着した放熱金属板をさらに含む請求項11に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第1陥没部が、
第1幅と、前記背面カバーの厚さよりも小さい第1深さを有し、
前記貫通孔は、
前記第1幅よりも小さい第2幅と、前記背面カバーの厚さから前記第1深さを引いた差に相当する第2深さを有する請求項11に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第2幅よりも大きい第3幅と、前記第2深さよりも小さい第3深さを有し、前記背面カバーの面に形成された第2陥没部をさらに含み、
前記貫通孔が、
前記第2深さから前記第3深さを差し引いた厚さだけを有する請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記振動発生モジュールが、
前記第1陥没部内に配置された第1圧電振動ユニット、および
前記第2陥没部内に配置された第2圧電振動ユニットを含む請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第1圧電振動ユニットが、前記第2圧電振動ユニットと異なる周波数帯域の音の振動を発生する請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
前記第1圧電振動ユニットと前記第2圧電振動ユニットのいずれか一つが、
10kHz~1kHzの間の周波数帯域に該当する音の振動を発生し、
他の一つは、
320Hz~1280Hzの間の周波数帯域に該当する音の振動を発生する請求項19に記載の表示装置。
【請求項21】
前記振動発生モジュールが、
圧電素子、および
前記圧電素子の背面空間を包み込むエンクロージャーを含む請求項11に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、表示装置に関するもので、より具体的には、音響を出力する表示パネルを有する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、表示装置は、テレビ、モニター、ノートパソコン、スマートフォン、タブレットコンピュータ、電子パッド、ウェアラブル機器、ウォッチフォン、携帯情報機器、ナビゲーション、または車両制御表示機器などの電子製品または家電製品に搭載して映像を表示する画面に使用される。
【0003】
一般的な表示装置は、映像を表現する表示パネル、および映像に関連した音響を出力するための音響装置を含むことができる。しかし、一般的な表示装置は、音響装置から出力する音響が、表示パネルの後方または下方に進行するので、壁または床から反射する音響間の干渉により音質が低下し、これにより、正確な音響伝達が難しいという問題点があり、視聴者の没入感が低下するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の発明者らは、一般的な表示装置の問題点を認識し、表示パネルの前方で映像を視聴する時、音響の進行方向が表示パネルの前方になることができ、音質を向上させることができるいくつかの実験を行った。複数の実験を経て、表示パネルの前方に進行することができる音響を発生することができ、音質を向上させることができる新しい構造の表示装置を発明した。
【0005】
本出願の一例による解決しようとする課題は、正確な音響伝達が可能な表示装置を提供することを技術的課題とする。本出願の一例による解決しようとする課題は、表示パネルの前方に進行することができる音響を発生させることができる表示装置を提供することである。
【0006】
本出願の一例による解決しようとする課題は、音質が改善され、視聴者の没入感を高めることができる表示装置を提供することを技術的課題とする。特に、表示パネルの背面に装着される音の振動発生装置を背面カバーの内部に実装して、音響発生装置を備えながらも、超薄型構造を維持することができる表示装置を提供することを技術的課題とする。
【0007】
上述した本発明の技術的課題以外に、本発明の他の特徴および利点は、以下の記述または、そのような記述および説明から、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願の一例による表示装置は、表示モジュール、背面カバー、陥没部、貫通部及び第1圧電振動ユニットを含む。背面カバーは、表示モジュールの背面に付着する。陥没部は、背面カバーの第1面から第1幅を有して第1深さ陥没する。貫通部は、背面カバーの第2面から第1幅よりも小さい第2幅を有して陥没部まで貫通する。第1圧電振動ユニットは、貫通部と陥没部との間の段差部に配置される。
【0009】
一例として、貫通部が形成された前記背面カバーの第2面と前記表示モジュールを合着する接着部材をさらに含む。
【0010】
一例として、第1圧電振動ユニットは、段差部に付着した金属基板、そして金属基板の背面に付着した圧電素子を含む。
【0011】
一例として、第1圧電振動ユニットは、段差部に付着した圧電素子、そして圧電素子の背面に付着した金属基板を含む。
【0012】
一例として、陥没部の第1深さは、背面カバーの厚さの半分よりも小さい値を有する。
【0013】
一例として、陥没部の第1深さは、背面カバーの厚さの半分よりも大きい値を有する。
【0014】
一例として、貫通部によって露出した表示モジュールの背面に付着した放熱金属板をさらに含む。
【0015】
一例として、背面カバーの第2面から第2幅よりも大きい第3幅を有し、第2深さよりも小さい第3深さで陥没した上部陥没部をさらに含む。
【0016】
一例として、上部陥没部と貫通部との間の上部段差部に配置された第2圧電振動ユニットをさらに含む。
【0017】
一例として、第1圧電振動ユニットは、第2圧電振動ユニットと異なる周波数帯域の音の振動を発生する。
【0018】
本出願の他の例に係る表示装置は、表示モジュール、背面カバー、第1陥没部、貫通孔、振動発生モジュールを含む。表示モジュールは、映像を表示する表示パネルを含む。背面カバーは、表示モジュールの背面に配置される。第1陥没部は、背面カバーの背面に形成される。貫通孔は、第1陥没部と背面カバーの上面を貫通する。振動発生モジュールは、第1陥没部内に配置され、貫通孔を介してバックカバーに音の振動を提供する。
【0019】
一例として、第1陥没部の深さは貫通孔の深さよりも大きい値を有する。
【0020】
一例として、第1陥没部の深さは貫通孔の深さよりも小さい値を有する。
【0021】
一例として、振動発生モジュールは、圧電素子、そして圧電素子の上部面及び下部面のうちの少なくともいずれか一つに付着した金属板をさらに含む。
【0022】
一例として、貫通部によって露出した表示モジュールの背面に付着した放熱金属板をさらに含む。
【0023】
一例として、第1陥没部は、第1幅と、背面カバーの厚さよりも小さい第1深さを有する。貫通孔は、第1幅よりも小さい第2幅と、背面カバーの厚さから第1深さを引いた差に相当する第2深さを有する。
【0024】
一例として、第2幅よりも大きい第3幅と、第2深さよりも小さい第3深さを有し、背面カバーの上面に形成された第2陥没部をさらに含む。貫通孔は、第2深さから第3深さを差し引いた厚さだけを有する。
【0025】
一例として、振動発生モジュールは、第1陥没部内に配置された第1圧電振動ユニット、および第2陥没部内に配置された第2圧電振動ユニットを含む。
【0026】
一例として、第1圧電振動ユニットは、第2圧電振動ユニットと異なる周波数帯域の音の振動を発生する。
【0027】
一例として、振動発生モジュールは、圧電素子、および圧電素子の背面空間を包み込むエンクロージャーを含む。
【発明の効果】
【0028】
本出願の一例によると、正確な音響伝達が可能な表示装置を提供することができ、音質が改善され、視聴者の没入感を高めることができる表示装置を提供することができる。本出願の一例によると、表示パネルの前方に音響を出力することができる表示装置を提供することができる。特に、表示パネルに音の振動を提供する音響発生装置を背面カバー自体に埋め込む構造を具現することで、超薄型構造を有する音響発生装置内蔵型の表示装置を提供することができる。また、様々な周波数帯域の音響発生装置を背面カバー内に積層、埋め込むことにより、様々な帯域の音響を提供する超薄型表示装置を提供することができる。
【0029】
前記した本出願の効果以外に、本出願の他の特徴および利点は、以下に記述されたり、そのような記述および説明から、本出願が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本出願による背面に音響発生ユニットが配置された表示装置を示す図である。
図2図1に示した切取線I-I’で切断した図で、本出願の第1実施例による表示装置の構造を示す断面図である。
図3】本出願の第2実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。
図4】本出願の第3実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。
図5】本出願の第4実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。
図6】本出願の第5実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。
図7】本出願の第6実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。
図8】本出願の第7実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。
図9】本出願の第8実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。
図10】本出願の第9実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。
図11】本出願の第10実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。
図12】本出願の第11実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本出願の利点と特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図と共に詳細に後述する実施例を参照すると明確になるだろう。しかし、本明細書は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、異なる多様な形態で具現されるものであり、単に本実施例は、本出願の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本明細書は、請求項の範疇によってのみ定義される。
【0032】
本出願の一例を説明するため、図に示した形状、大きさ、比率、角度、個数などは、例示的なものであって、本発明が図に示した事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照符号は同一の構成要素を指す。また、本発明を説明するにおいて、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0033】
本明細書で言及した「含む」、「有する」、「からなる」などが使用されている場合、「~だけ」が使用されていない限り、他の部分を追加することができる。構成要素を単数で表現した場合に特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0034】
構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0035】
位置関係についての説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~横に」などで2つの部分の位置関係が説明されている場合、「すぐに」または「直接」が使用されていない限り、二つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0036】
時間の関係についての説明である場合、例えば、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」などで時間的前後関係が説明されている場合、「すぐに」または「直接」が使用されていない以上、連続的でない場合も含むことができる。
【0037】
第1、第2などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本出願の技術的思想内で第2構成要素であることもあり得る。
【0038】
本出願の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけで、その用語によって、その構成要素の本質、順序、順番または個数などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」すると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接に連結したり、または接続することができるが、特別に明示的な記載事項がない間接的に連結したりまたは接続することができる各構成要素の間に他の構成要素が「介在」することもあると理解しなければならない。
【0039】
「少なくとも一つ」の用語は、一つ以上の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むものと理解されなければならない。例えば、「第1項目、第2項目、および第3項目の中の少なくとも一つ」の意味は、第1項目、第2項目、または第3項目各々だけではなく、第1項目、第2項目、および第3項目の中から二つ以上で提示され得るすべての項目の組み合わせを含むとすることができる。
【0040】
本出願のいくつかの例のそれぞれの特徴が部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各例を互いに対して独立的に実施することができ、関連の関係で一緒に実施することもできる。
【0041】
本明細書で「表示装置」は、表示パネルと表示パネルを駆動するための駆動部を含む液晶モジュール(Liquid Crystal Module; LCM)または有機発光表示モジュール(Organic Light Emitting Display Module; OLED Module)、量子ドットモジュール(Quantum Dot Module; QD Module)などを含むことができる。また、本明細書で「表示装置」は、LCM、OLED、及びQDモジュールなどを含む完成品(complete productまたはfinal product)であるラップトップコンピュータ、テレビ、コンピュータモニタ、自動車用装置(automotive apparatus)または車両(vehicle)の他の形態などを含む電装装置(equipment apparatus)、スマートフォンまたは電子パッドなどのモバイル電子機器(mobile electronic apparatus)などのセットの電子装置(set electronic apparatus)またはセット装置(set deviceまたはset apparatus)も含むことができる。
【0042】
したがって、本明細書での表示装置は、LCM、OLED、およびQDモジュールなどの表示装置自体、およびLCM、OLED、及びQDモジュールなどを含む応用製品またはエンドユーザーのための装置であるセット装置まで含むことことができる。
【0043】
また、他の例では、表示パネルと駆動部などで構成されるLCM、OLED、およびQDモジュールを「表示装置」として表現し、LCM、OLED、およびQDモジュールを含む完成品としての電子機器を「セット装置」と、選択的に表現することもできる。例えば、表示装置は、液晶または有機発光の表示パネル、および表示パネルを駆動するための制御部であるソースプリント回路基板(source PCB)を含むことができる。セット装置は、表示装置、およびソースPCBに電気的に接続してセット装置全体を駆動するセット制御部であるセットPCBまたは制御PCBを含むことができる。
【0044】
本明細書の実施例に使用される表示パネルは、液晶表示パネル、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode)表示パネル、および電界発光表示パネル(electroluminescent display panel)などのすべての形態の表示パネルを用いることができ、実施例に限定されるものではない。例えば、表示パネルは、音響発生モジュールによって振動することによって音響を発生することができるなんらかの表示パネルであり得る。また、本明細書の実施例による表示装置に適用される表示パネルは、表示パネルの形態や大きさに限定されない。
【0045】
例えば、表示パネルが液晶表示パネルである場合には、表示パネルは、複数のゲートラインと複数のデータライン、及びゲートラインとデータラインによって定義される画素領域に形成される画素(pixel)(または副画素)を含む。また、表示パネルは、各画素の光透過度を調節するためのスイッチング素子である薄膜トランジスタを含むアレイ基板、カラーフィルタ、および/またはブラックマトリックスなどを備えた上部基板、およびアレイ基板と上部基板との間に形成される液晶層を含むことができる。
【0046】
そして、表示パネルが有機発光表示パネルである場合には、表示パネルは、複数のゲートラインと複数のデータライン、及びゲートラインとデータラインによって定義される画素領域に形成される画素(pixel)(または副画素(sub-pixel))を含む。また、表示パネルは、各画素に選択的に電圧を印加するための素子である薄膜トランジスタを含むアレイ基板、アレイ基板上の有機発光素子層、および有機発光素子層を覆うようにアレイ基板上に配置される封止基板(またはカプセル化(encapsulation)基板)などを含むことができる。封止基板は、外部の衝撃から薄膜トランジスタおよび有機発光素子層などを保護し、有機発光素子層に水分や酸素が侵入することを防止することができる。そして、アレイ基板上に形成される有機発光素子層は、無機発光(inorganic light emitting)素子層、量子ドット発光(quantum dot light emitting)素子層、またはマイクロ発光ダイオード素子に変更することができる。
【0047】
本明細書で音響発生モジュールを含む表示装置は、自動車(automobile)での中央制御パネル(central control panel)などのユーザーインターフェースモジュール(user interface module)で車両(vehicle)に適用することができる。例えば、このような表示パネルは、表示パネルの振動が車両の内部に向かって伝播されるように二つの前座席の搭乗者(occupants)間に具現することができる。したがって、車両内でのオーディオ体験は、車両内部の側面(interior sides)にのみスピーカーを有することに比べて改善され得る。
【0048】
以下では、本出願による表示装置の例を添付の図を参照して詳細に説明する。各図の構成要素に参照符号を付加することにおいて、同一の構成要素については、たとえ他の図上に表示されていても、可能な限り同一の符号を有することができる。そして、添付した図に示した構成要素のスケールは、説明の便宜上、実際と異なるスケールを有するので、図に示したスケールに限定されない。
【0049】
図1は、本出願による背面に音響発生ユニットが配置された表示装置を示す図である。図1を参照すると、本出願に基づく表示装置は、映像を表示するための表示モジュール100の振動によって音響(PVS)を出力することができる。例えば、表示装置では、表示モジュール100は、音響発生ユニット500によって振動して音響(PVS)を発生することができる。表示モジュール100の振動によって発生する音響(PVS)の多くは、表示装置の画面前方(FD)に向かって直接出力することができる。したがって、本出願に基づく表示装置は、表示モジュール100を音響生成のための振動板として使用して、表示モジュール100の画面前方(FD)に音響(PVS)を出力することにより、正確な音響伝達が可能であり、音質が改善され、視聴者の没入感を高めることができる。
【0050】
本出願に基づく表示装置は、音響発生ユニット500が表示モジュール100に振動を提供して、表示モジュール100自体が振動して音響を放出する。表示モジュール100は、大面積のガラス基板のような振動可能な基板を使用し、背面に表示モジュール100を支持する背面カバー700およびガイドパネル300を備えることができる。本出願は、スピーカーを代用して、振動発生装置を表示モジュール100の背面に設置するに当たり、表示モジュール100を含む全体の表示装置の厚さを薄く維持するための構造を提供する。以下、図を参照して、この出願の様々な実施例について詳細に説明する。
【0051】
第1実施例
【0052】
図2は、図1に示した切取線I-I’で切断した図で、本出願の第1実施例による表示装置の構造を示す断面図である。必要によって、本出願による表示装置の全体的な構造を示す図1を参照して説明する。
【0053】
図2を参照すると、本出願の第1実施例による表示装置は、表示モジュール100、背面カバー700および音響発生ユニット500を含むことができる。ここで、音響発生ユニット500は、表示モジュール100の背面に結合する背面カバー700の内部に実装するのに適した、圧電振動ユニット(PZ)で具現することが好ましい。例えば、圧電振動発生子(Piezo Elements)や電子活性素子(Electrical Active Material; EAM)を配置することができる。
【0054】
表示モジュール100は、表示パネル110、機能性フィルム130および熱拡散部材150を備えることができる。表示パネル110は、様々な形態の表示パネルで具現することができる。表示パネル110は、音響発生ユニット500の振動によって振動して音響(PVS)を前方(FD)に直接出力し、これにより、表示パネル110は、音響(PVS)を直接発生させる振動板またはスピーカーの機能をする。例えば、表示モジュール100が音響(PVS)の発生機能をするとき、表示モジュール100は、音響(PVS)を直接発生させる振動板、パネルスピーカー、またはフラットスピーカーの機能をする。
【0055】
一例によると、表示パネル110は、基板(またはベース基板)上に配置された画素回路、および画素回路に連結し、アノード電極とカソード電極および有機発光層を有するピクセルアレイ層(または表示部)を含む。表示パネル110は、ピクセルアレイ層の構造によって、トップエミッション(top emission)方式、ボトムエミッション(bottom emission)方式、またはデュアルエミッション(dual emission)方式などの形態で映像を表示することができる。この場合、アノード電極は、第1電極または画素電極などで表現することもでき、用語に限定されるものではない。カソード電極は、第2電極または共通電極などで表現することができ、用語に限定されるものではない。
【0056】
機能性フィルム130は、外部光の反射を防止して表示パネル110に表示される映像に対する屋外視認性とコントラスト比を向上させるための反射防止層(または反射防止フィルム)を含むことができる。例えば、反射防止層は、外部光が表示パネル110の画素アレイ層に配置された薄膜トランジスタおよび/またはラインなどによって反射する反射光が外部に進行することを遮断する円偏光層(または円偏光フィルム)を含むことができる。図に示さなかったが、機能性フィルム130は、透明粘着部材を媒介として表示パネル110上に付着することができる。
【0057】
一例によると、機能性フィルム130は、表示パネル110の画素アレイ層から外部に向かって出光する光の経路を制御する光経路制御層(または光経路制御フィルム)をさらに含むことができる。光経路制御層は、高屈折層と低屈折層が交互に積層された構造を含むことにより、画素アレイ層から入射する光の経路を変更して、視野角による色のカラーシフト現象を最小限に抑えることができ、この場合、低屈折層は、光経路制御層の最上層に配置することができる。
【0058】
一例による表示モジュール100は、ユーザーのタッチを利用したユーザーインターフェースのためのタッチ電極部をさらに含むことができる。タッチ電極部は、表示パネル110と機能性フィルム130との間に介在したりインセルタッチ(in-cell touch)方式に基づいて表示パネル110に内蔵することができる。例えば、インセルタッチ方式によるタッチ電極部は、相互静電容量方式のタッチ電極または自己(self)静電容量方式のタッチ電極を含むことができる。
【0059】
熱拡散部材150は、表示パネル110の背面全体に合着した薄いシート形状を有することができる。熱拡散部材150は、音響発生ユニット500と重畳するように表示モジュール100の背面に配置され、音響発生ユニット500の駆動時に発生する熱を表示モジュール100の方に拡散させることで熱による音響発生ユニット500の性能低下を防止する。また、熱拡散部材150は、表示パネル110の背面全体に対応する大きさを有することにより、音響発生ユニット500の駆動時に発生する熱を広い領域に拡散させ、これにより、音響発生ユニット500と重畳する表示モジュール100の局部的な領域に熱が集中的に伝達されることを防止することができるので、表示モジュール100の局部的な輝度ムラを防止ないし最小限に抑える。
【0060】
一例によれば、熱拡散部材150は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、およびマグネシウム(Mg)のいずれか一つの材質または、これらの合金などのように熱伝導率の高い金属材質で形成することができ、これに限定されるものではない。
【0061】
背面カバー700は、表示モジュール100の背面(rear surface)に配置される。背面カバー700は、音響発生ユニット500をその内部に実装したり、固定することができる。
【0062】
一例によると、背面カバー700は、表示モジュール100の背面を覆う。背面カバー700は、支持部材、ハウジング、システムカバー、セットカバー、バックカバー、カバーボトム、背面フレーム、またはシャーシなどで表現することができ、用語に限定されるものではない。表示モジュール100の背面は、一面、第1面、背面、または下面などで表現することができ、用語に限定されるものではない。
【0063】
背面カバー700は、接着部材600を介して表示モジュール100の背面に合着することができる。接着部材600は、PSA(pressure sensitive adhesive)、OCA(optical clear adhesive)またはOCR(optical clear resin)を含むことができ、これに限定されるものではない。このように表示モジュール100の背面全体と合着していることで、背面カバー700は、外部の衝撃から表示モジュール100の背面を保護する機能と、表示モジュール100から発生する熱を放熱させるのための放熱板の機能を兼ねることができる。
【0064】
一例によると、背面カバー700は、表示モジュール100の最後面、例えば熱拡散部材150の背面全体を覆う板状の部材であり得る。例えば、背面カバー700の端部または角の部分は、面取り工程または角丸め工程によって斜面形状または曲面形状を有することができる。
【0065】
一例によると、背面カバー700は、貫通部(S1)と陥没部(S2)を含むことができる。貫通部(S1)は、背面カバー700の前面から背面カバー700を貫通する孔の形状を有することができる。陥没部(S2)は、背面カバー700の背面から背面カバー700の一定の厚さまでを削除して陥没した井戸形状を有することができる。陥没部(S2)と貫通部(S1)が連続して形成されているので、陥没部(S2)も背面カバー700を貫通する形状を有することができる。
【0066】
貫通部(S1)は、陥没部(S2)よりも小さい幅を有することができる。したがって、貫通部(S1)と陥没部(S2)の間には段差部(TH)が形成され得る。ここで、貫通部(S1)の深さと陥没部(S2)の深さは、互いに同じか、いずれか一方がより大きいことがあり得る。図2では、貫通部(S1)の深さと陥没部(S2)の深さが同じである場合を示した。
【0067】
陥没部(S2)の内部には、圧電振動ユニット(PZ)を付着することができる。特に、段差部(TH)に接着剤(AH)を用いて、固定することができる。図2に示すように、圧電振動ユニット(PZ)は、背面カバー700の内部に実装されるので、表示装置全体の厚さの増加なしに、薄膜状態を維持することができる。
【0068】
このような構造のために、音響発生ユニット500は、薄い薄膜型素子である圧電振動ユニット(PZ)で具現することが好ましい。圧電振動ユニット(PZ)と表示パネル110との間には、貫通部(S1)による空間部が位置している。圧電振動ユニット(PZ)で発生する振動が貫通部(S1)が形成された空間部の空気を振動させ、これは再び貫通部(S1)に対応する表示パネル110の背面を振動することにより、音響(PVS)が前方(FD)に伝達される。
【0069】
一例による表示装置は、表示モジュール100の背面部(または中央領域)に配置された一つの音響発生モジュールを含むことができる。例えば、一つの音響発生モジュールは、表示モジュール100の背面中心部を振動させて表示モジュール100の振動による音響(PVS)を発生させる。
【0070】
他の形態に係る表示装置は、表示モジュール100の背面中心部を基準に、表示モジュール100の第1領域(または左側領域)に配置された第1音響発生ユニットおよび表示モジュール100の第2領域(または右側領域)に配置された第2音響発生ユニットを含むことができる。例えば、第1音響発生ユニットは、表示モジュール100の第1背面領域を振動させて表示モジュール100の第1領域の振動による音響(PVS)を発生させる。第2音響発生ユニットは、表示モジュール100の第2領域を振動させて表示モジュール100の第2領域の振動による音響(PVS)を発生させる。このような他の形態に係る表示装置は、第1および第2音響発生ユニットを介して左右の音響分離による2チャネルモードのステレオ音響を出力することができる。この場合には、第1音響発生ユニットは、左側音響を出力するように構成し、第2音響発生ユニットは、右側音響を出力するように構成することができる。
【0071】
一例によると、少なくとも一つの音響発生ユニット500は、背面カバー700の内部に配置され、表示モジュール100を振動させて音響(PVS)を発生させる。したがって、音響発生ユニット500は、背面カバー700によって囲まれることで表示装置の最外郭背面に直接的に露出しないで隠蔽される。これにより、本明細書の実施例による表示装置は、少なくとも一つの音響発生ユニット500が露出せず、ユーザーの目につかないクリーンバックデザイン(clean back design)を有することができ、これによって、背面の外郭デザインが改善され得る。
【0072】
一例による少なくとも一つの音響発生ユニット500は、一つの部品としてモジュール化された単一構造体、または単一構造物であり得る。例えば、少なくとも一つの音響発生ユニット500は、表示装置の組立工程ではないモジュール化工程(または組立工程)によって、単一構造体、または単一構造物などの完成品の形態に製作した後、表示装置の組立工程時に比較的単純な部品の取り付け(またはバッチ)工程により、背面カバー700の内部の段差部(TH)に実装したり配置される。これにより、本明細書の実施例による表示装置は、モジュール間の組立工程では、少なくとも一つの音響発生ユニット500の組立性が改善され得、これによって生産効率が向上し得る。
【0073】
本明細書の第1実施例に係る表示装置は、ガイドパネル300をさらに含むことができる。ガイドパネル300は、表示モジュール100と背面カバー700のそれぞれの端を支持し、表示モジュール100と背面カバー700のそれぞれの側面を囲む構造を有することができる。
【0074】
一例によると、ガイドパネル300は、ガイド接着部材(3H)を媒介として表示モジュール100の背面の端と結合することができる。ガイドパネル300は、ミドルキャビネット、ミドルカバー、またはミドルシャーシなどで表現することができ、用語に限定されるものではない。
【0075】
一例によると、ガイドパネル300は、金属材質またはプラスチック材質からなり得る。例えば、ガイドパネル300は、表示装置の側面外観デザインを改善し表示装置の側面を保護するために金属材質からなることができる。
【0076】
一例によるガイドパネル300は、支持部310と側壁部330を含むことができる。
【0077】
支持部310は、表示モジュール100の背面カバー700の側面に形成された溝部に挿入することにより、背面カバー700と結合することができる。支持部310の前面は、ガイド接着剤(3H)を媒介として、背面カバー700溝部の一側表面と結合することができる。支持部310は、任意の厚さで設計することができるが、背面カバー700と結合が容易で、十分な剛性を有して背面カバー700から簡単に離脱しないことが好ましい。
【0078】
一例によると、支持部310は、四角形態の単一フレーム構造を有するが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、支持部310は、背面カバー700の端に挿入される複数の分割バーの形態を有することもできる。
【0079】
ガイド接着剤(3H)は、背面カバー700の溝部と支持部310の内部一側面との間に配置される。例えば、ガイド接着剤(3H)は、接着樹脂、両面テープまたは両面接着フォームパッドであり得、これに限定されるものではない。
【0080】
側壁部330は、表示装置の厚さ方向(Z)と平行するように支持部310の外側面に垂直に結合される。側壁部330は、表示モジュール100の外側面(または外側壁)と背面カバー700の外側面(または外側壁)の両方を囲むことにより、表示モジュール100と背面カバー700それぞれの外側面を保護し、表示装置の側面の外郭デザインを改善する。一例によるガイドパネル300は、支持部310と側壁部330が、単一ボディをなすように互いに結合することによって、T字形態の断面構造を有する額縁構造を有することができる。
【0081】
本明細書の一実施例に係る表示装置は、ガイドパネル300の代わりに接着部材を含むことができる。接着部材は、表示モジュール100の背面の端と背面カバー700の前面の端との間に介在することで、表示モジュール100と背面カバー700を合着することができる。
【0082】
表示装置がガイドパネル300の代わりに接着部材を含む場合には、背面カバー700は、表示モジュール100の外側面(または外側壁)と背面カバー700の外側面(または外側壁)および接着部材の外側面(または外側壁)のすべてを囲む側壁カバー部を含むことができる。
【0083】
したがって、本明細書の第1実施例に係る表示装置は、表示モジュール100の背面に合着した背面カバー700の内部に配置された音響発生ユニット500によって表示パネル110が振動し、この振動による音響(PVS)を前方(FD)に出力することができる。これにより、表示装置の映像を視聴する視聴者の視聴没入感を向上させることができる。
【0084】
また、本明細書の第1実施例に係る表示装置は、表示パネル110の振動によって音響(PVS)が発生することによって、別途のスピーカーを構成しなくてもよいので、セット装置のデザインとスピーカーの配置に対する自由度を向上させることができる。
【0085】
以下、本出願の様々な実施例では、図2に円Aで表示した、この出願の主要構成である音響発生ユニット500、特に圧電振動ユニット(PZ)が背面カバー700内に実装された構造について詳細に説明する。
【0086】
第2実施例
【0087】
図3は、本出願の第2実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。図3は、図1に丸Aで示した部分を拡大して示した。以下では、第2実施例の主要構成を中心に説明する。図3に示していない構成については、図1及び図2を参照する。
【0088】
図3を参照すると、本出願の第2実施例による表示装置は、表示モジュール100、背面カバー700および圧電振動ユニット(PZ)を含むことができる。表示モジュール100は、第1実施例のものと同一であるので詳細な説明は省略する。
【0089】
背面カバー700も第1実施例のものと同じですが、貫通部(S1)と陥没部(S2)の構造について、より詳細に説明する。背面カバー700には、貫通部(S1)と陥没部(S2)を備えることができる。陥没部(S2)は、背面カバー700の背面表面700Dから背面カバー700の内部に一定の深さ除去された井戸形状を有する。貫通部(S1)は、背面カバー700の前面表面700Uから背面カバー700の内部に陥没部(S2)まで除去され、背面カバー700を貫通する貫通孔形状を有する。つまり、貫通孔(S1)の深さと陥没部(S2)の深さの合計は、背面カバー700の厚さに相当することができる。
【0090】
貫通部(S1)と陥没部(S2)は、互いに連結され、背面カバー700を貫通する構造を有するが、陥没部(S2)は、背面カバー700を貫通するための構造体ではなく、圧電振動ユニット(PZ)を実装するための構造体であるため、「陥没部」と命名した。一方、貫通部(S1)は、陥没部(S2)に実装された圧電振動ユニット(PZ)で発生する振動を表示パネル110の背面に円滑に伝達するための空間を設けるもので、すべて削除することが最も好ましいので「貫通部」と命名した。
【0091】
したがって、貫通部(S1)と陥没部(S2)の断面構造をみると、背面カバー700の前面表面700Uと背面カバー700の背面表面700Dの間に階段状の構造体が形成されている。例えば、貫通部(S1)は、第1幅と第1深さを有することができる。第1幅は、背面カバー700の前面表面700Uに形成された開口部の幅を意味する。第1深さは貫通部(S1)の開口部が背面カバー700の内側に延長陥没した深さを意味する。例えば、貫通部(S1)の側壁701の長さを意味することができる。
【0092】
陥没部(S2)は、貫通部(S1)の側壁701の内側端から背面カバー700の水平方向にさらに拡張された中間面702と背面カバー700の背面表面700Dの間に設けられた空間を意味することができる。例えば、陥没部(S2)は、第2幅と第2深さを有することができる。第2幅は、背面カバー700の背面表面700Dに形成された開口部の幅を意味する。第2深さは、陥没部(S2)の開口部が背面カバー700の内側に延長陥没した深さを意味する。例えば、陥没部(S2)の側壁703の長さを意味することができる。
【0093】
ここで、陥没部(S2)の開口部の大きさを意味する第2幅は、貫通部(S1)の開口部の大きさを意味する第1幅よりも大きい値を有することができる。また、陥没部(S2)の深さを示す第2深さは、貫通部(S1)の深さを示す第1深さと同じであり得る。貫通部(S1)と陥没部(S2)は、その中心が重畳するように配置して対称形状を成すことができるが、必ずしもそうではなく、貫通部(S1)が陥没部(S2)に偏って配置することもできる。
【0094】
第2実施例では、圧電振動ユニット(PZ)は、圧電振動子(PE)と金属基板(SU)を含むことができる。圧電振動子(PE)は、「Piezo-electric Resonator」あるいは「Piezo-electric Actuato」と呼ばれるもので、二種類の結晶体に電界を加えると、歪みが発生し、または外力を加えると圧電気が発生する原理を利用して、電界を加えることにより、振動を発生する装置をいう。
【0095】
金属基板(SU)は、背面カバー700に形成された陥没部(S2)と貫通部(S1)との間の中間面702に配置することができる。例えば、接着剤(AH)を用いて、金属基板(SU)を中間面702に合着することができる。また、金属基板(SU)の背面には、圧電振動子(PE)が付着することができる。
【0096】
一例として、圧電振動子(PE)と金属基板(SU)を一つのボディに形成して、接着剤(AH)を利用して、金属基板(SU)の枠部を中間面702に付着することができる。
【0097】
電気力によって圧電振動子(PE)が振動を発生すると、金属基板(SU)を介して貫通部(S1)内の空気が振動して音圧を発生する。この音圧は表示パネル110の背面に伝達され、表示パネル110を間接的に振動して、音の振動が表示パネル110全体に伝達される。
【0098】
このとき、金属基板(SU)の種類と厚さによって圧電振動子(PE)が生成する振動が一定帯域の音の振動波に決定することができる。例えば、金属基板(SU)の厚さが薄いと高域帯の音の振動が発生することができ、厚さが厚ければ、低域帯の音の振動を発生することができる。
【0099】
さらに、貫通部(S1)の体積によって圧電振動子(PE)が生成する振動が一定帯域の音の振動波に決定することができる。例えば、貫通部(S1)の体積を大きくするほど、ますます低い音域帯の音の振動を発生することができる。または、貫通部(S1)の体積や形状を調整して、音質感を異なって表現することもできる。
【0100】
第3実施例
【0101】
図4は、本出願の第3実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。図4は、図1に丸Aで示した部分を拡大して示した。以下では、第3実施例の主要な構成を中心に説明する。図4に示していない構成については、図1図3を参照する。
【0102】
図4を参照すると、本出願の第3実施例による表示装置は、表示モジュール100、背面カバー700および圧電振動ユニット(PZ)を含むことができる。表示モジュール100は、第1実施例のものと同一であるので詳細な説明は省略する。
【0103】
第3実施例では、圧電振動ユニット(PZ)は、圧電振動子(PE)と金属基板(SU)を含むことができる。圧電振動子(PE)は、背面カバー700に形成された陥没部(S2)と貫通部(S1)との間の中間面702に配置することができる。例えば、接着剤(AH)を用いて、圧電振動子(PE)を中間面702に合着することができる。また、圧電振動子(PE)の背面には、金属基板(SU)を付着することができる。
【0104】
一例として、圧電振動子(PE)と、金属基板(SU)を一つのボディに形成して、接着剤(AH)を利用して、圧電振動子(PE)の枠部を中間面702に付着することができる。
【0105】
電気力によって圧電振動子(PE)が振動を発生すると、貫通部(S1)内の空気が振動して音圧を発生する。この音圧は表示パネル110の背面に伝達されて、表示パネル110を間接的に振動して、音の振動が表示パネル110全体に伝達される。
【0106】
圧電振動子(PE)の背面に付着した金属製の基板(SU)によって圧電振動子(PE)が作り出す音の振動の周波数帯域を調整することもできる。または金属基板(SU)を介して圧電振動子(PE)で発生する熱を陥没部(S2)の外部に放出することもできる。
【0107】
第4実施例
【0108】
図5は、本出願の第4実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。図5は、図1に丸Aで示した部分を拡大して示した。以下では、第4実施例の主要な構成を中心に説明する。図5に示していない構成については、図1図4を参照する。
【0109】
図5を参照すると、本出願の第4実施例による表示装置は、表示モジュール100、背面カバー700および圧電振動ユニット(PZ)を含むことができる。表示モジュール100は、前述の実施例のものと同じなので、詳細な説明は省略する。
【0110】
第4実施例では、圧電振動ユニット(PZ)は、圧電振動子(PE)、第1金属基板(SU1)及び第2金属基板(SU2)を含むことができる。第4実施例による圧電振動ユニット(PZ)は、第2及び第3実施例による圧電振動ユニット(PZ)の特徴をすべて備えていることができる。
【0111】
第1金属基板(SU1)は、背面カバー700に形成された陥没部(S2)と貫通部(S1)との間の中間面702に配置することができる。例えば、接着剤(AH)を用いて、第1の金属基板(SU1)を中間面702に合着することができる。
【0112】
第1金属基板(SU1)の背面には、圧電振動子(PE)を付着することができる。圧電振動子(PE)は、第1金属基板(SU1)背面の中央部にのみ付着することができる。図に示さなかったが、第1金属基板(SU1)の全体面と圧電振動子(PE)が同じ大きさを有することもできる。
【0113】
そして、圧電振動子(PE)の背面には、第2金属基板(SU2)を付着することができる。例えば、第2金属基板(SU2)は、圧電振動子(PE)の背面全体を覆う形状を有して一体型に形成することができる。
【0114】
一例として、第1金属基板(SU1)、圧電振動子(PE)そして第2金属基板(SU2)を一つのボディに形成して、接着剤(AH)を利用して、第1金属基板(SU1)の枠部の中間面702に付着することができる。
【0115】
電気力によって圧電振動子(PE)が振動を発生すると、貫通部(S1)内の空気が振動して音圧を発生する。この音圧は表示パネル110の背面に伝達されて、表示パネル110を間接的に振動して、音の振動が表示パネル110全体に伝達される。
【0116】
圧電振動子(PE)の前面に付着した第1金属基板(SU1)と背面に付着した第2金属基板(SU2)によって圧電振動子(PE)が作り出す音の振動の周波数帯域をより幅広くそしてより多様に調節することもできる。また、圧電振動子(PE)の両側面にそれぞれ第1及び第2金属基板(SU1、SU2)を備えており、より効率的に圧電振動子(PE)で発生する熱を貫通部(S1)および/または陥没部(S2)の空気を介して外部に放出することもできる。すなわち、第3実施と比較したとき、二つの金属基板を備えることにより、より高品質の音を得ることができ、放熱効果もより優れている。
【0117】
第5実施例
【0118】
図6は、本出願の第5実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。図6に示した第5実施例による表示装置の構造は、第1実施例による表示装置の構造と同一である。差があるとすると、貫通部(S1)が占める体積が陥没部(S2)が占める体積よりも顕著に小さい大きさを有する場合を示している。図に示さなかったが、図6とは逆に、貫通部(S1)が占める体積が陥没部(S2)が占める体積よりも顕著に大きい大きさを有することもできる。
【0119】
このように、貫通部(S1)の体積を調節することにより、圧電振動ユニット(PZ)が発生する振動による音の振動の音の波長帯域を調節することができる。例えば、圧電振動ユニット(PZ)が高域帯の音の振動を発生するように設計する場合には、貫通部(S1)の体積をなるべく小さく形成することができる。逆に、圧電振動ユニット(PZ)が低域帯の音の振動を発生するように設計する場合には、貫通部(S1)の体積をなるべく大きく形成することができる。
【0120】
図に示さなかったが、貫通部(S1)の体積を調節するにあたり、容易かつ多様な大きさの値を設計することができるように貫通部(S1)の側壁701を断面図で垂直線ではなく、斜めに形成することもできる。また、圧電振動ユニット(PZ)で発生する音の振動の共鳴現象を抑制するためには、貫通部(S1)の側壁701の断面プロファイルが直線ではなく、鋸歯状あるいは、ウェーブ形状を有するように形成することもできる。また、貫通部(S1)の(平面図上での)開口部の形状が円形や多角形の単純閉曲線ではなく、鋸歯状の不規則な閉曲線を有するように形成することもできる。
【0121】
これまでの実施例では、一つの音響発生ユニット500に圧電振動ユニット(PZ)が1つだけ配置される場合に対する多様な例を説明した。以下では、一つの音響発生ユニット500に2つの圧電振動ユニット(PZ)を備える場合の様々な実施例を説明する。
【0122】
第6実施例
【0123】
図7は、本出願の第6実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。必要に応じて、本出願による表示装置の全体的な構造を示す図1を参照して説明する。
【0124】
図7を参照すると、本出願の第6実施例による表示装置は、表示モジュール100、背面カバー700および音響発生ユニット500を含むことができる。ここで、音響発生ユニット500は、表示モジュール100の背面に結合する背面カバー700の内部に実装するのに適した圧電振動ユニット(PZ)で具現することが好ましい。例えば、圧電振動発生子(Piezo Elements)や電子活性素子(Electrical Active Material;EAM)を配置することができる。
【0125】
表示モジュール100は、表示パネル110、機能性フィルム130および熱拡散部材150を備えることができる。表示モジュール100は、先の実施例の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0126】
背面カバー700は、表示モジュール100の背面(rear surface)に配置される。背面カバー700は、音響発生ユニット500をその内部に実装したり、固定することができる。例えば、背面カバー700は、接着部材600を介して表示モジュール100の背面に合着することができる。接着部材600は、PSA(pressure sensitive adhesive)、OCA(optical clear adhesive)またはOCR(optical clear resin)を含むことができ、これに限定されるものではない。このように表示モジュール100背面全体と合着されていることで、背面カバー(300)は、外部の衝撃から表示モジュール100の背面を保護する機能と、表示モジュール100から発生する熱を放熱させるのためのヒートシンクの機能を兼ねることができる。
【0127】
一例によると、背面カバー700は、上部陥没部(Sa)、貫通部(Sb)と下部陥没部(Sc)を含むことができる。上部陥没部(Sa)は、背面カバー700の前面から背面カバー700の内側に一定の厚さまで除去された井戸形状を有することができる。下部陥没部(Sc)は、背面カバー700の背面から背面カバー700の内側に一定の厚さまで除去された井戸形状を有することができる。一方、貫通部(Sb)は、上部陥没部(Sa)と下部陥没部(Sc)との間の背面カバー700を貫通する孔の形状を有することができる。したがって、断面構造で見ると、貫通部(Sb)を形成する段突部700Cが上部陥没部(Sa)と下部陥没部(Sc)との間に突出した構造を有することができる。
【0128】
上部陥没部(Sa)、貫通部(Sb)および下部陥没部(Sc)が連続して形成されているので、上部陥没部(Sa)および下部陥没部(Sc)も背面カバー700を貫通する形状を有することができる。貫通部(Sb)は、上部および下部陥没部(Sa、Sc)よりも小さい幅を有することができる。したがって、上部陥没部(Sa)と貫通部(Sb)との間には、第1段差部(TH1)が、そして貫通部(Sb)と下部陥没部(Sc)との間には、第2段差部(TH2)が形成され得る。ここで、貫通部(Sb)の深さと上部陥没部(Sa)および/または下部陥没部(Sc)の深さは、互いに同じか、いずれか一つがより大きいことがあり得る。図7では、上部陥没部(Sa)および下部陥没部(Sc)の深さは同一であり、貫通部(Sb)の深さは、小さい場合を示した。
【0129】
上部陥没部(Sa)、貫通部(Sb)および下部陥没部(Sc)は、互いに連結して、背面カバー700を完全に貫通する構造を有するが、上部陥没部(Sa)および下部陥没部(Sc)は、背面カバー700を貫通するための構造体ではなく、それぞれ第1圧電振動ユニット(PZ1)と第2圧電振動ユニット(PZ2)を実装するための構造体であるため、「陥没部」と命名した。一方、貫通部(Sb)は、上部陥没部(Sa)および下部陥没部(Sc)に実装された第1及び第2圧電振動ユニット(PZ1、PZ2)で発生する振動を表示パネル110の背面に円滑に伝達するための空間を設けるもので、すべて除去されることが最も好ましいので、「貫通部」と命名した。
【0130】
したがって、上部陥没部(Sa)、貫通部(Sb)および下部陥没部(Sc)の全体断面構造をみると、背面カバー700の前面表面700Uと背面カバー700の背面表面700Dの間に凹凸形状の構造体が形成されている。例えば、上部陥没部(Sa)は、第1幅と第1深さを有することができる。第1幅は、背面カバー700の前面表面700Uに形成された開口部の幅を意味する。第1深さは、上部陥没部(Sa)の開口部が背面カバー700の内側に延長陥没した深さを意味する。例えば、上部陥没部(Sa)の第1深さは、上部陥没部(Sa)の側壁7001の長さを意味することができる。
【0131】
貫通部(Sb)は、第2幅と第2深さを有することができる。第2幅は、段突部700Cに形成された開口部の幅を意味する。第2の深さは、貫通部(Sb)が段突部700Cを貫通する深さを意味する。例えば、貫通部(Sb)の側壁7003の長さを意味することができる。
【0132】
下部陥没部(Sc)は、第3幅と第3深さを有することができる。第3幅は、背面カバー700の背面表面700Dに形成された開口部の幅を意味する。第3深さは、下部陥没部(Sc)の開口部が背面カバー700の内側に延長陥没した深さを意味する。例えば、下部陥没部(Sc)の第3深さは、下部陥没部(Sc)の側壁7005の長さを意味することができる。
【0133】
段突部700Cが突出した構造を有することにより、段突部700Cは、上辺7002、貫通部(Sb)の側壁7003および下辺7004を含む。例えば、上辺7002は、上部陥没部(Sa)の側壁7001の下端点と貫通部(Sb)の側壁上端点を連結する平面であり得る。下辺7004は、貫通部(Sb)の側壁下端点と下部陥没部(Sc)の側壁7005の上端点を連結する平面であり得る。
【0134】
ここで、上部陥没部(Sa)の開口部の大きさを意味する第1幅は、貫通部(Sb)の開口部の大きさを意味する第2幅よりも大きい値を有することができる。また、上部陥没部(Sa)の深さを示す第1深さは、貫通部(Sb)の深さを示す第2深さよりも大きい値を有することができる。下部陥没部(Sc)の開口部の大きさを意味する第3幅は、第1幅と同じであり得る。また、下部陥没部(Sc)の深さを示す第3深さは、第1深さと同じであり得る。
【0135】
上部陥没部(Sa)、貫通部(Sb)および下部陥没部(Sc)は、その中心が重畳するように配置されて同心円形状を成すことができるが、必ずしもそうではなく、互いが相対的にどちらか一方に偏って配置することもできる。
【0136】
第6実施例では、音響発生ユニット500は、第1圧電振動ユニット(PZ1)と第2圧電振動ユニット(PZ2)を含むことができ、第1圧電振動ユニット(PZ1)は、第1接着剤(AH1)を媒介として段突部700Cの上辺7002に付着することができる。また、第2圧電振動ユニット(PZ2)は、第2接着剤(AH2)を媒介として段突部700Cの下辺7004に付着することができる。
【0137】
例えば、第1圧電振動ユニット(PZ1)は、第1圧電振動子(PE1)と第1金属基板(SU1)を含むことができる。第1金属基板(SU1)は、背面カバー700に形成された上部陥没部(Sa)と貫通部(Sb)との間に配置された段突部700Cの上面7002に配置され得る。例えば、第1接着剤(AH1)を用いて、第1金属基板(SU1)を段突部700Cの上面7002に合着することができる。また、第1金属基板(SU1)の上面には、第1圧電振動子(PE1)を付着することができる。
【0138】
一方、第2圧電振動ユニット(PZ2)は、第2圧電振動子(PE2)と第2金属基板(SU2)を含むことができる。第2金属基板(SU2)は背面カバー700に形成された下部陥没部(Sc)と貫通部(Sb)との間に配置された段突部700Cの下面7004に配置され得る。例えば、第2接着剤(AH2)を用いて、第2金属基板(SU2)を段突部700Cの下面7004に合着することができる。また、第2金属基板(SU2)の背面には、第2圧電振動子(PE2)を付着することができる。
【0139】
一例として、第1圧電振動子(PE1)と第1金属基板(SU1)を一つのボディに形成し、第1接着剤(AH1)を利用して、第1金属基板(SU1)の枠部を段突部700Cの上面7002に付着することができる。また、第2圧電振動子(PE2)と第2金属基板(SU2)を一つのボディに形成し、第2接着剤(AH2)を利用して、第2金属基板(SU2)の枠部を段突部700Cの下面7004に付着することができる。
【0140】
電気力によって第1及び第2圧電振動子(PE1、PE2)が振動を発生すると、第1金属基板(SU1)及び第2金属基板(SU2)を介して上部陥没部(Sa)および貫通部(Sb)内の空気が振動して音圧を発生する。この音圧は、表示パネル110の背面に伝達されて、表示パネル110を間接的に振動して、音の振動が表示パネル110全体に伝達される。
【0141】
このとき、第1および第2金属基板(SU1、SU2)の種類と厚さによって、第1および第2圧電振動子(PE1、PE2)が生成する振動を一定帯域の音の振動波に決定することができる。例えば、第1および第2金属基板(SU1、SU2)の厚さが薄いと高域帯の音の振動を発生することができ、厚さが厚ければ、低域帯の音の振動を発生することができる。
【0142】
また、第1圧電振動子(PE1)と第2圧電振動子(PE2)が、同じ周波数帯域の音の振動を発生するとき、互いに同じ位相を持てば、第1及び第2金属基板(SU1、SU2)が互いに向かい合う対称な構造に配置されるようにして、音量を増幅させる共振効果も得ることができる。例えば、第1圧電振動子(PE1)と第2圧電振動子(PE2)をピエゾ素子あるいはEAM(Electrical Active Material)で構成し、駆動電圧の極性が互いに反対になるように印加すると、図7に示したように、対称配列構造により、振幅量が倍数になるように共振する効果を得ることができる。その結果、振幅量が増加して音圧が上昇した2-Way構造を達成することができる。
【0143】
本出願の第6実施例のような構造では、薄膜型表示装置で外観に現れるのスピーカーを装着しなくても振幅量と音圧が向上した豊富な音質を得ることができる。
【0144】
第7実施例
【0145】
図8は、本出願の第7実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。図8に示した本出願の第7実施例による表示装置は、図7に示した第6実施例の構造とほぼ同一である。差があるとすると、第1圧電振動子(PE1)と第2圧電振動子(PE1)の大きさが異なることにある。
【0146】
第1圧電振動子(PE1)と第2圧電振動子(PE2)の大きさを異なって示したのは、単に大きさが異なることを示すためのものではなく、各振動子が発生する振動の波長帯が互いに異なるものであることを示すためである。例えば、大きさが小さい振動子は、大きさが大きい振動子よりも高い周波数帯域の振動を生成することができる。例えば、図8に示すように、上部陥没部(Sa)には、高い周波数帯域の音の振動を発生する第1圧電振動子(PE1)が配置され、下部陥没部(Sc)には、低い周波数帯域の音の振動を発生する第2圧電振動子(PE2)を配置することができる。
【0147】
一例として、第1圧電振動子(PE1)は、ツイーター(Tweeter)を具現することができる小面積のピエゾ素子あるいはEAMを配置し、第2圧電振動子(PE2)は、ウーファー(Woofer)を具現することができる大面積のピエゾ素子あるいはEAMを配置することができる。その結果、ウーファーとツイーターを一つの空間で同時に具現する2-wayパネル構造を達成することができる。
【0148】
本出願の第7実施例による表示装置は、互いに異なる周波数帯域の音の振動を発生する2つの振動子を同一な空間内に積層構造で配置することにより、表示装置が、様々な周波数帯域の音を発生することができる。したがって、超薄型表示装置で外観に現れるスピーカーを備えなくても、高域の音波と中域の音波を区別して提供することにより、より豊かな音質を提供することができる。
【0149】
第8実施例
【0150】
図9は、本出願の第8実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。図9に示した本出願の第8実施例による表示装置は、図8に示した第7実施例の構造とほぼ同一である。差があるとすると、第1圧電振動子(PE1)と第2圧電振動子(PE2)の位置が異なって配置されるということにある。
【0151】
図9に示すように、上部陥没部(Sa)には、低い周波数帯域の音の振動を発生する第2圧電振動子(PE2)が配置され、下部陥没部(Sc)には、高い周波数帯域の音の振動を発生する第1圧電振動子(PE1)を配置することができる。例えば、第1圧電振動子(PE1)は、ツイーター(Tweeter)を具現することができる小面積のピエゾ素子あるいはEAMを配置し、第2圧電振動子(PE2)は、ウーファー(Woofer)を具現することができる大面積のピエゾ素子あるいはEAMを配置することができる。その結果、ウーファーとツイーターを一つの空間で同時に具現する2-wayパネル構造を達成することができる。
【0152】
本出願の第8実施例による表示装置は、異なる周波数帯域の音の振動を発生する2つの振動子を同一な空間内に積層構造で配置することにより、表示装置が、様々な周波数帯域の音を発生することができる。したがって、超薄型表示装置で外観に現れるスピーカーを備えなくても、高域の音波と中域の音波を区別して提供することにより、より豊かな音質を提供することができる。
【0153】
周波数帯域は、音の高低をいう。可聴周波数である16~20,000Hzは10オクターブ程度に分けることができる。これを低域、中域、および高域に分けて区分する。より細分して区分すると、標準的には、次のように区別することができる。
【0154】
【0155】
本出願の第7及び第8実施例では、それぞれの圧電振動子が、互いに異なる帯域の周波数の振動を発生するように構成して、豊富な音質を提供することができる。
【0156】
圧電素子を利用する場合、高域帯の音の波動を効率的に伝達することができてこそ好ましい。特に、5kHzの帯域の音圧を維持できるように、貫通部の空間設計が非常に重要である。
【0157】
例えば、図2図6で説明した第1~第5実施例の場合に適用すると、圧電振動ユニット(PZ)で発生した振動が表示パネル110の背面で反響するとき、圧電振動ユニット(PZ)の振動の位相に影響を与えないように貫通部(S1)の空間設計が非常に重要である。位相変化が起きないようにするには、次の式1のように、反響波の到達時間は、音域帯の周期の1/2と同じか小さくなければならない。下の式では、高域の基準となる5kHzの周波数に対する反響の影響を受けない最大空間離隔距離を計算した。
【0158】
【0159】
ここで、tは音波が反響して到達する時間、fは音波の周波数である。
【0160】
したがって、貫通部(S1)の有効距離、すなわち第1深さは、音波速度343m/secを基準に計算すると、343m/sec×0.0001sec=0.0343m=3.43mmとなる。すなわち、第1~第5実施例では、圧電振動ユニット(PZ)が5kHzの振動を発生する場合、貫通部(S1)の深さは3.43mm以下の値を有することが好ましい。
【0161】
このような方式で適用しようとする圧電振動ユニットで発生する周波数帯域を考慮して、以上の実施例で、上部陥没部(Sa)および/または貫通部(Sb、S1)の深さを設計することにより、音波が相殺されたり消滅せずに、正常な良質の音波を提供することができる。
【0162】
第9実施例
【0163】
図10は、本出願の第9実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。本出願の第9実施例では、以前の実施例にすべて適用することができる放熱金属板を追加でさらに構成した場合を説明する。
【0164】
図10は、本出願の第1実施例である図2に追加で放熱金属板(HP)をさらに備えた場合を示した断面拡大図である。図10を参照すると、本出願の第9実施例による表示装置は、表示モジュール100、背面カバー700、放熱金属板(HP)および音響発生ユニット500を含むことができる。表示モジュール100、背面カバー700および音響発生ユニット500は、前述の実施例中のいずれか一つの場合を選択することができる。
【0165】
それに加えて、放熱金属板(HP)を配置する。特に、放熱金属板(HP)は、貫通部(S1)によって露出した表示パネル110の背面に付着することができる。または放熱金属板(HP)は、上部陥没部(Sa)によって露出した表示パネル110の背面に付着することができる。放熱金属板(HP)は、表示パネル110の背面に背面カバー700を合着するために表示パネル110の背面に塗布された接着部材600に付着することができる。
【0166】
本出願の第9実施例による表示パネルは、音響発生ユニット500に対向して表示パネル110の背面に付着した放熱金属板(HP)をさらに具備することにより、圧電振動ユニット(PZ)が発生する熱が表示パネル110に直接に伝達されず、大気中に容易に放出されるように誘導することができる。
【0167】
第10実施例
【0168】
図11は、本出願の第10実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。図11は、図1に丸Aで示した部分を拡大して示した。以下では、第10実施例の主要構成を中心に説明する。図11に示していない構成については、図1図10を参照する。
【0169】
図11を参照すると、本出願の第10実施例による表示装置は、表示モジュール100、背面カバー700、圧電振動ユニット(PZ)およびエンクロージャー(EN)を含むことができる。表示モジュール100は、第1実施例のものと同一であるので詳細な説明は省略する。
【0170】
第10実施例では、圧電振動ユニット(PZ)は背面カバー700に形成された陥没部(S2)と貫通部(S1)との間の中間面702に配置することができる。例えば、接着剤(AH)を用いて、圧電振動ユニット(PZ)を中間面702に合着することができる。他の例として、図4及び図5に示すように、金属基板をさらに備えることができる。ここでは便宜上、金属基板に対する構成を排除した。
【0171】
第10実施例では、圧電振動ユニット(PZ)が配置された陥没部(S2)の空間を密閉するためのエンクロージャー(EN)をさらに具備する特徴がある。前の実施例のように、陥没部(S2)もしくは下部陥没部(Sc)が開放された状態で構成することもできるが、この場合、圧電振動ユニット(PZ)の振動による音波が背面カバー700の背面方向に流失する問題が発生し得る。
【0172】
以上で説明したように、背面に流失する音の損失を防止し、前面方向(FD)に音響を集中させることができるように、開放された陥没部(S2)の裏の空間を密閉することが好ましい。そのため、エンクロージャー(EN)は、陥没部(S2)の開口部領域に対応する蓋形状を有することができる。エンクロージャー(EN)は、弾性のある材質で作られ陥没部(S2)の内側に挿入することができる。あるいは図に示さなかったが、陥没部(S2)の側面703にネジ山を加工し、エンクロージャー(EN)の側面にもネジ山を加工して、噛合構造で密封と開封を行うこともできる。
【0173】
電気力によって圧電振動ユニット(PZ)が振動を発生すると、貫通部(S1)内の空気が振動して音圧を発生する。この音圧は表示パネル110の背面に伝達されて、表示パネル110を間接的に振動して、音の振動が表示パネル110全体に伝達される。また、エンクロージャー(EN)は、圧電振動ユニット(PZ)の後方空間である陥没部(S2)を密閉することにより、陥没部(S2)で反射した音の振動はエンクロージャー(EN)によって再反射して前方(FD)に供給される。
【0174】
第11実施例
【0175】
図12は、本出願の第11実施例による表示装置の構造を示す断面拡大図である。図12は、図1に丸Aで示した部分を拡大して示した。以下では、第11実施例の主要構成を中心に説明する。図12に示していない構成については、図1図11を参照する。
【0176】
図12を参照すると、本出願の第11実施例による表示装置は、表示モジュール100、背面カバー700、圧電振動モジュール(PM)を含むことができる。表示モジュール100は、第1実施例のものと同一であるので詳細な説明は省略する。
【0177】
第11実施例では、前の実施例とは異なり、圧電振動モジュール(PM)を備える特徴がある。圧電振動モジュール(PM)は、圧電振動ユニット(PZ)とエンクロージャー(EN)を備える。
【0178】
圧電振動ユニット(PZ)は、エンクロージャー(EN)の内部に実装される。図に示さなかったが、エンクロージャー(EN)の内部に設けられた実装面に接着剤を利用して、圧電振動ユニット(PZ)の端を付着することができる。エンクロージャー(EN)は、貫通部(S1)を、対向する上部面の一部が開放されて圧電振動ユニット(PZ)で発生した振動が貫通部(S1)にそのままに伝達されるように構成することが好ましい。他の例として、図4及び図5に示すように、圧電振動ユニット(PZ)の上部表面あるいは下部表面に付着された金属基板をさらに備えることができる。ここでは便宜上、金属基板の構成を排除した。
【0179】
圧電振動モジュール(PM)は、背面カバー700に形成された陥没部(S2)と貫通部(S1)との間の中間面702に配置することができる。例えば、接着剤(AH)を用いて、圧電振動モジュール(PM)を中間面702に合着することができる。
【0180】
第11実施例では、第10実施例で説明した圧電振動ユニット(PZ)とエンクロージャー(EN)を一つのモジュールとして設計した特徴がある。この場合、圧電振動ユニット(PZ)の音の帯域に適合する空間を有するようにエンクロージャー(EN)の大きさおよび形状をカスタム設計することができる。また、エンクロージャー(EN)を陥没部(S2)内に挿入実装することで、簡単に振動素子を表示パネルの背面に設置することができる。また、修理を行う場合にも、破損した圧電振動モジュール(PM)を除去し、正常の圧電振動モジュール(PM)を再設置することで、簡単に修理を行うことができる。
【0181】
さらに、圧電振動モジュール(PM)は、それ自体に、圧電振動ユニット(PZ)が配置される陥没部(S2)の空間を密閉するためのエンクロージャー(EN)を備えた構造的特徴を有する。したがって、先の実施例で、開放された陥没部(S2)もしくは下部陥没部(Sc)に圧電振動モジュール(EN)を単純に挿入することにより、表示装置のすべての構成を完成することができる。
【0182】
また、エンクロージャー(EN)を内蔵しているので、背面に流失する音の損失を防止し、前面方向(FD)に音響を集中させることができる。エンクロージャー(EN)は、陥没部(S2)の開口部領域に対応する薄い器形状を有することができる。エンクロージャー(EN)は、弾性を有する材質で作って陥没部(S2)の内側に挿入することができる。あるいは図に示さなかったが、陥没部(S2)の側面703にネジ山を加工し、エンクロージャー(EN)の外側面にもネジ山を加工して、噛合構造で設置と分解を行うこともできる。
【0183】
エンクロージャー(EN)は、圧電振動ユニット(PZ)の背面空間を密閉する構造を有するものであると説明した。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、必要によってエンクロージャー(EN)には、一定の大きさを有する共鳴孔をさらに備えることもできる。この場合、エンクロージャー(EN)は、圧電振動ユニット(PZ)の背面空間を密閉するより包み込む構造を有することができる。
【0184】
電気力によって圧電振動ユニット(PZ)が振動を発生すると、貫通部(S1)内の空気が振動して音圧を発生する。この音圧は表示パネル110の背面に伝達されて、表示パネル110を間接的に振動して、音の振動が表示パネル110全体に伝達される。また、エンクロージャー(EN)は、圧電振動ユニット(PZ)の後方空間を密閉することで、後方に進行する音波の振動は、エンクロージャー(EN)によって反射したり共鳴して前方(FD)に供給される。
【0185】
本出願の第11実施例による表示装置は、モジュール化された圧電振動モジュール(PM)を提供する。圧電振動モジュール(PM)は、エンクロージャー(EN)によって共鳴空間の形成を自由に設定することができ、固有の音の振動モードを設定および制御が容易である。したがって、所望する音域帯で、特に、高音域帯で高音質を実現することができる。
【0186】
上述した本出願の例で説明した特徴、構造、効果などは、本出願の少なくとも一つの例に含まれて、必ずしも一つの例のみに限定されるものではない。さらに、本出願の少なくとも一つの例で例示された特徴、構造、効果などは、本出願が属する分野の通常の知識を有する者によって異なる例に対しても組み合わせ、または変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に係る内容は、本出願の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【0187】
以上、添付した図を参照して、本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本明細書では、必ずこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で多様に変形実施することができる。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例により、本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。従って、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり限定的ではないと理解しなければならない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12