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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】空調照明制御装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/50 20180101AFI20220712BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220712BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20220712BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20220712BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20220712BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20220712BHJP
   H05B 47/10 20200101ALI20220712BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20220712BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220712BHJP
【FI】
F24F11/50
F21S2/00 600
F21V23/00 117
F21V33/00 330
H05B45/10
H05B45/20
H05B47/10
F24F11/80
F21Y115:10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020173174
(22)【出願日】2020-10-14
(65)【公開番号】P2022064499
(43)【公開日】2022-04-26
【審査請求日】2020-10-14
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000244958
【氏名又は名称】木村工機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】後藤 和也
【審査官】佐々木 訓
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-237891(JP,A)
【文献】特開2009-276007(JP,A)
【文献】特開2019-169429(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2060632(KR,B1)
【文献】中国特許第106642567(CN,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00 - 11/89
H05B 45/00 - 45/58
H05B 47/00 - 47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機の冷房運転時又は暖房運転時の出力を増減させて目標室内温度に調整する空調制御部と、室内照明の色温度を変化させて居室者の体感温度を調整する照明制御部と、前記居室者の温冷感情報に応じて前記空調制御部と前記照明制御部を連動させて前記室内照明の前記色温度を変化させつつ前記冷房運転時は前記目標室内温度を維持又は上げるように前記出力を制御しかつ前記暖房運転時は前記目標室内温度を維持又は下げるように前記出力を制御して前記居室者が適温に感じるようにする連動制御部と、を備え、
前記照明制御部が、前記居室者が暖かさを感じる低色温度と前記居室者が冷たさを感じる高色温度と低色温度から高色温度に至る中間の中色温度とに前記室内照明の前記色温度を変化させる色温度制御部を、備え、
前記連動制御部が、
前記冷房運転時に前記居室者の冷感情報に応じて昇温させる場合において
前記空調機の前記冷房運転時の前記出力を下げて前記目標室内温度を上げつつ前記室内照明を現状の前記低色温度から前記高色温度にする第1冷房時昇温ステップと
前記空調機の前記冷房運転時の前記出力を下げて前記目標室内温度を上げつつ前記室内照明を現状の前記中色温度から前記高色温度にする第2冷房時昇温ステップと
前記空調機の前記冷房運転時の前記出力を下げて前記目標室内温度を上げつつ前記室内照明を現状の前記高色温度に維持する第3冷房時昇温ステップと
のうちのいずれかの前記ステップを前記室内照明の現状の前記色温度に基いて実行する冷房昇温制御部と、
前記冷房運転時に前記居室者の温感情報に応じて降温させる場合において
前記空調機の前記冷房運転時の前記出力を維持しつつ前記室内照明を現状の前記低色温度から前記中色温度にする第1冷房時降温ステップと
前記空調機の前記冷房運転時の前記出力を維持しつつ前記室内照明を現状の前記中色温度から前記高色温度にする第2冷房時降温ステップと
前記空調機の前記冷房運転時の前記出力を上げて前記目標室内温度を下げつつ前記室内照明を現状の前記高色温度から前記低色温度にする第3冷房時降温ステップと
のうちのいずれかの前記ステップを前記室内照明の現状の前記色温度に基いて実行する冷房降温制御部と、
前記暖房運転時に前記居室者の温感情報に応じて降温させる場合において
前記空調機の前記暖房運転時の前記出力を下げて前記目標室内温度を下げつつ前記室内照明を現状の前記高色温度から前記低色温度にする第1暖房時降温ステップと
前記空調機の前記暖房運転時の前記出力を下げて前記目標室内温度を下げつつ前記室内照明を現状の前記中色温度から前記低色温度にする第2暖房時降温ステップと
前記空調機の前記暖房運転時の前記出力を下げて前記目標室内温度を下げつつ前記室内照明を現状の前記低色温度に維持する第3暖房時降温ステップと
のうちのいずれかの前記ステップを前記室内照明の現状の前記色温度に基いて実行する暖房降温制御部と、
前記暖房運転時に前記居室者の前記冷感情報に応じて昇温させる場合において
前記空調機の前記暖房運転時の前記出力を維持しつつ前記室内照明を現状の前記高色温度から前記中色温度にする第1暖房時昇温ステップと
前記空調機の前記暖房運転時の前記出力を維持しつつ前記室内照明を現状の前記中色温度から前記低色温度にする第2暖房時昇温ステップと
前記空調機の前記暖房運転時の前記出力を上げて前記目標室内温度を上げつつ前記室内照明を現状の前記低色温度から前記高色温度にする第3暖房時昇温ステップと
のうちのいずれかの前記ステップを前記室内照明の現状の前記色温度に基いて実行する暖房昇温制御部と、
を備えたことを特徴とする空調照明制御装置。
【請求項2】
前記連動制御部が、前記室内照明の前記色温度を維持しつつ前記居室者の温度順応の許容温度範囲内で前記冷房運転時は室内温度を上げるように前記出力を制御しかつ前記暖房運転時は前記室内温度を下げるように前記出力を制御する温度補正部を、備えた請求項1記載の空調照明制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空調照明制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のように、室内照明の色温度を切換え、空調機の冷暖房出力を体感温度差分抑えて省エネを図る空調システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-87373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような空調システムは省エネに有効であるが、近年さらなる省エネ性向上の要求が高まってきている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、空調機の冷房運転時又は暖房運転時の出力を増減させて目標室内温度に調整する空調制御部と、室内照明の色温度を変化させて居室者の体感温度を調整する照明制御部と、前記居室者の温冷感情報に応じて前記空調制御部と前記照明制御部を連動させて前記室内照明の前記色温度を変化させつつ前記冷房運転時は前記目標室内温度を維持又は上げるように前記出力を制御しかつ前記暖房運転時は前記目標室内温度を維持又は下げるように前記出力を制御して前記居室者が適温に感じるようにする連動制御部と、を備えたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、室内照明の色温度が居室者に与える暖かさや寒さを利用して、空調機の出力を抑えながら居室者に適温感を与えることができ、省エネを図れる。請求項2の発明によれば、居室者の温度順応を利用し、居室者の許容温度まで空調機の冷房運転又は暖房運転の出力(エネルギー消費)を抑えることで、さらに省エネの向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一例を示す構成図である。
図2】冷房昇温制御部の説明図である。
図3】冷房降温制御部の説明図である。
図4】暖房降温制御部の説明図である。
図5】暖房昇温制御部の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
図1は建物の室内等に設けられる本発明の空調照明制御装置の一実施例を示し、この空調照明制御装置は空調制御部1、照明制御部2及び連動制御部3を備えており、図示省略のマイクロプロセッサ、各種センサー、その他の制御機器にて構成される。
【0009】
空調制御部1は、空調機4の冷房運転時又は暖房運転時の出力(冷却又は加熱のエネルギー)を増減させて目標室内温度に調整する。空調機4は公知の空冷式エアコンや冷温水式ファンコイルユニットなどで、図示省略の熱交換器の冷媒又は冷温水で空気を冷却又は加熱して室内に供給する。この空調機4の冷房運転時の出力を上げると室内温度が下がってエネルギー消費が増え、出力を下げると室内温度が上がってエネルギー消費が減る。暖房運転時の出力を上げると室内温度が上がってエネルギー消費が増え、出力を下げると室内温度が下がってエネルギー消費が減る。
【0010】
照明制御部2は、室内照明5の色温度(ケルビン)を変化させて居室者の体感温度を調整する。照明制御部2は色温度制御部6と緩衝制御部7を備えている。室内照明5は、色温度や照度等を変更できる公知のLED照明等とする。色温度制御部6は、居室者が暖かさを感じる低色温度(3000K)と、居室者が冷たさを感じる高色温度(5500K)と、低色温度から高色温度に至る中間の中色温度(4000K)と、に室内照明の色温度を変化させる。緩衝制御部7は、室内照明5の色温度を所定時間(2~4分)を掛けて漸次変化させる。なお、低色温度から高色温度のケルビン(K)の値と色温度変化時間(2~4分)は一例であって限定されるものではない。
【0011】
連動制御部3は、居室者の現状の温冷感情報に応じて空調制御部1と照明制御部2を連動させて室内照明5の色温度を変化させつつ冷房運転時は目標室内温度を維持又は上げるように出力を制御しかつ暖房運転時は目標室内温度を維持又は下げるように出力を制御して居室者が適温に感じるように調整する。連動制御部3は、冷房昇温制御部8、冷房降温制御部9、暖房降温制御部10、暖房昇温制御部11及び温度補正部12を備えている。居室者の冷感情報(寒いと感じる)と温感情報(暑いと感じる)とは、図示省略の手動スイッチやサーモグラフィーなどによって取得する。
【0012】
図2に示すように、冷房昇温制御部8は、冷房運転時に居室者の冷感情報に応じて現状より昇温させる場合において
空調機4の冷房運転時の出力を下げて目標室内温度を上げつつ室内照明5を現状の低色温度から高色温度にする第1冷房時昇温ステップと
空調機4の冷房運転時の出力を下げて目標室内温度を上げつつ室内照明5を現状の中色温度から高色温度にする第2冷房時昇温ステップと
空調機4の冷房運転時の出力を下げて目標室内温度を上げつつ室内照明5を現状の高色温度に維持する第3冷房時昇温ステップと
のうちのいずれかのステップを室内照明5の現状の色温度に基いて実行する。
【0013】
図3に示すように、冷房降温制御部9は、冷房運転時に居室者の温感情報に応じて現状より降温させる場合において
空調機4の冷房運転時の出力を維持しつつ室内照明5を現状の低色温度から中色温度にする第1冷房時降温ステップと
空調機4の冷房運転時の出力を維持しつつ室内照明5を現状の中色温度から高色温度にする第2冷房時降温ステップと
空調機4の冷房運転時の出力を上げて目標室内温度を下げつつ室内照明5を現状の高色温度から低色温度にする第3冷房時降温ステップと
のうちのいずれかのステップを室内照明5の現状の色温度に基いて実行する。
【0014】
図4に示すように、暖房降温制御部10は、暖房運転時に居室者の温感情報に応じて現状より降温させる場合において
空調機4の暖房運転時の出力を下げて目標室内温度を下げつつ室内照明5を現状の高色温度から低色温度にする第1暖房時降温ステップと
空調機4の暖房運転時の出力を下げて目標室内温度を下げつつ室内照明5を現状の中色温度から低色温度にする第2暖房時降温ステップと
空調機4の暖房運転時の出力を下げて目標室内温度を下げつつ室内照明5を現状の低色温度に維持する第3暖房時降温ステップと
のうちのいずれかのステップを室内照明5の現状の色温度に基いて実行する。
【0015】
図5に示すように、暖房昇温制御部11は、暖房運転時に居室者の冷感情報に応じて現状より昇温させる場合において
空調機4の暖房運転時の出力を維持しつつ室内照明5を現状の高色温度から中色温度にする第1暖房時昇温ステップと
空調機4の暖房運転時の出力を維持しつつ室内照明5を現状の中色温度から低色温度にする第2暖房時昇温ステップと
空調機4の暖房運転時の出力を上げて目標室内温度を上げつつ室内照明5を現状の低色温度から高色温度にする第3暖房時昇温ステップと
のうちのいずれかのステップを室内照明5の現状の色温度に基いて実行する。
【0016】
図2から図5において、例えば室内照明5の低色温度⇔中色温度の色温度変化時間は2分、中色温度⇔高色温度の色温度変化時間は2分、低色温度⇔高色温度の色温度変化時間は4分とし、目標室内温度の上げ下げは0.5℃刻みで最大2℃までとするが、これに限定されない。温度補正部12は、暑くも寒くもない適温感情報に応じて室内照明5の色温度を維持しつつ居室者の温度順応の許容温度範囲内(例えば2~3℃)で冷房運転時は室内温度を上げるように出力を制御しかつ暖房運転時は室内温度を下げるように出力を制御する。
【符号の説明】
【0017】
1 空調制御部
2 照明制御部
3 連動制御部
4 空調機
5 室内照明
6 色温度制御部
7 緩衝制御部
8 冷房昇温制御部
9 冷房降温制御部
10 暖房降温制御部
11 暖房昇温制御部
12 温度補正部
図1
図2
図3
図4
図5