(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】物流施設
(51)【国際特許分類】
E04H 6/10 20060101AFI20220712BHJP
B65G 63/00 20060101ALI20220712BHJP
E04B 1/18 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
E04H6/10 A
B65G63/00 E
E04B1/18 A
(21)【出願番号】P 2020192356
(22)【出願日】2020-11-19
【審査請求日】2020-12-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年11月25日にウェブサイト(https://www.glp.com/jp/alfalink/sagamihara/)で発表した。令和1年11月25日にパレスホテル東京・2階・梅で発表した。令和2年2月10日にGLP ALFALINK相模原で発表した。
(73)【特許権者】
【識別番号】519319233
【氏名又は名称】日本GLP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】大西 弘基
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-162454(JP,A)
【文献】特開平11-303442(JP,A)
【文献】特開昭63-262341(JP,A)
【文献】実開昭51-106483(JP,U)
【文献】実開平06-085870(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/10
B65G 1/00
B65G 63/00
E04B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫施設と、
前記倉庫施設の屋上に設けられたトラックターミナル施設と
を備え
、
前記トラックターミナル施設は、
車両間で受け渡しされる荷物を扱う荷扱場と、
前記荷扱場に隣接して配置され、荷物の搬入または搬出を行う車両を停留させる停留スペースと
を有し、
前記停留スペースは、前記荷扱場の第1側壁に設けられ、第1車両からの荷物の搬入を行う第1開口部に隣接して設けられる第1停留スペースと、前記荷扱場の前記第1側壁と反対側の第2側壁に設けられ、前記第1車両から搬入された前記荷物の第2車両への搬出を行う第2開口部に隣接して設けられる第2停留スペースとを含む、物流施設。
【請求項2】
前記第1側壁は、前記荷扱場の短手方向の一方の側壁であり、前記第2側壁は、前記荷扱場の短手方向の他方の側壁である、請求項1に記載の物流施設。
【請求項3】
前記第1車両は、大型トラックであり、前記第2車両は、中型トラックまたは小型トラックである、請求項1または2に記載の物流施設。
【請求項4】
前記荷扱場は、
屋根と、
前記第1開口部の上方に設けられる第1庇部と、
前記第2開口部の上方に設けられる第2庇部と
を含む、請求項
1から3
の何れか1つに記載の物流施設。
【請求項5】
前記荷扱場は、
前記第1開口部に設けられ、前記屋根を支持する複数の第1柱部と、
前記第2開口部に設けられ、前記屋根を支持する複数の第2柱部と、
前記第1庇部の下方から延び、前記複数の第1柱部のそれぞれに連結され、前記第1庇部を支持する複数の第1支持部と、
前記第2庇部の下方から延び、前記複数の第2柱部のそれぞれに連結され、前記第2庇部を支持する複数の第2支持部と
をさらに含む、請求項4に記載の物流施設。
【請求項6】
前記第2開口部における床の高さは、前記第1開口部における床の高さより低い、請求項
1から5の何れか1つに記載の物流施設。
【請求項7】
前記トラックターミナル施設は、
前記屋上に、前記車両が待機するための駐車スペースをさらに有する、請求項
1から6の何れか1つに記載の物流施設。
【請求項8】
前記倉庫施設は、
荷物の搬入作業、荷物の搬出作業、及び荷物のピッキング作業の少なくとも1つが行われる保管スペースと、前記保管スペースに隣接して配置され、荷物の搬入または搬出を行う車両が停留する停留スペースとを含む倉庫フロアを含み、
前記物流施設は、
前記倉庫フロアと、前記屋上とを連絡する連絡通路を有する、請求項1から7の何れか1つに記載の物流施設。
【請求項9】
前記連絡通路は、
前記車両が前記屋上まで上昇するための通路となる螺旋状の上昇用通路と、
前記車両が前記屋上から下降するための通路となる螺旋状の第1下降用通路と、
前記車両が前記屋上から下降するための通路となる螺旋状の第2下降用通路と
を有する、請求項8に記載の物流施設。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流施設に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「有料道路から物流施設に入場した運搬車両と一般道路から物流施設に入場した運搬車両との間で荷の受け渡しが可能な物流施設」と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2017-24805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
車両間で荷物の受け渡しが行われるトラックターミナル施設と、荷物の保管及びピッキングの作業などが行われる倉庫施設とが限られたスペースで共存できる物流施設が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る物流施設は、倉庫施設と、倉庫施設の屋上に設けられたトラックターミナル施設とを備える。
【0005】
トラックターミナル施設は、車両間で受け渡しされる荷物を扱う荷扱場と、荷扱場に隣接して配置され、荷物の搬入または搬出を行う車両を停留させる停留スペースとを有してよい。
【0006】
停留スペースは、荷扱場の第1側壁に設けられ、車両からの荷物の搬入を行う第1開口部に隣接して設けられる第1停留スペースと、荷扱場の第1側壁と反対側の第2側壁に設けられ、車両への荷物の搬出を行う第2開口部に隣接して設けられる第2停留スペースとを含んでよい。
【0007】
荷扱場は、屋根と、第1開口部の上方に設けられる第1庇部と、第2開口部の上方に設けられる第2庇部とを含んでよい。
【0008】
荷扱場は、第1開口部に設けられ、屋根を支持する複数の第1柱部と、第2開口部に設けられ、屋根を支持する複数の第2柱部と、第1庇部の下方から延び、複数の第1柱部のそれぞれに連結され、第1庇部を支持する複数の第1支持部と、第2庇部の下方から延び、複数の第2柱部のそれぞれに連結され、第2庇部を支持する複数の第2支持部とをさらに含んでよい。
【0009】
第2開口部における床の高さは、第1開口部における床の高さより低くてよい。
【0010】
トラックターミナル施設は、屋上に、車両が待機するための駐車スペースをさらに有してよい。
【0011】
倉庫施設は、荷物の搬入作業、荷物の搬出作業、及び荷物のピッキング作業の少なくとも1つが行われる保管スペースと、保管スペースに隣接して配置され、荷物の搬入または搬出を行う車両が停留する停留スペースとを含む倉庫フロアを含んでよい。物流施設は、倉庫フロアと、屋上とを連絡する連絡通路を有してよい。
【0012】
連絡通路は、車両が屋上まで上昇するための通路となる螺旋状の上昇用通路と、車両が屋上から下降するための通路となる螺旋状の第1下降用通路と、車両が屋上から下降するための通路となる螺旋状の第2下降用通路とを有してよい。
【0013】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】物流施設の外観斜視図の一例を示す図である。
【
図2】倉庫施設の1階部分の倉庫フロアの平面図の一例を示す図である。
【
図3】倉庫施設の2階部分の倉庫フロアの平面図の一例を示す図である。
【
図4】倉庫施設の3階または4階部分の倉庫フロアの平面図の一例を示す図である。
【
図5】倉庫施設の屋上の平面図の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
図1は、本実施形態に係る物流施設100の外観斜視図の一例である。物流施設100は、倉庫施設200と、倉庫施設200の屋上に設けられたトラックターミナル施設300とを備える。
【0017】
一般に、トラックターミナル施設は、大型トラックから集荷された荷物を発送先の方面ごとに中型トラックまたは小型トラックに詰め替える作業が行われる施設である。詰め替え作業を効率的に行うためには、特定の時間帯に大量のトラックを停留させるためのスペースを確保する必要がある。詰め替え作業を効率的に行うためには、詰め替え作業が行なわれる荷扱場の床スペースの奥行は狭いほうが好ましい。そして、一般的なトラックターミナル施設は、1階建ての施設である。そのため、容積を有効に活用できず、不動産としての収益性は低い。
【0018】
一方、倉庫施設は、荷物の保管の他に、荷物の検品作業、梱包作業、及びピッキング作業などが行われる施設である。一般に、倉庫施設は、保管及び各種作業が行なわれるため、保管場の床のスペースは広い。そして、倉庫施設は、敷地に対して、車両の通路及び駐車スペースは狭い。倉庫施設は、容積を有効に活用するために複数階建てであり、不動産としての収益性は高い。
【0019】
トラックターミナル施設の収益性を確保するために、倉庫施設のいずれかのフロアに、トラックターミナル施設を設けることも考えられる。しかし、トラックターミナル施設と、倉庫施設とは、役割が異なり、床のスペース、及び車両の停留スペースを効率的に共有することは難しい。例えば、倉庫施設用の各フロアには多数の柱が存在し、特定の時間帯に大量のトラックを停留させるスペースを確保したり、荷物の詰め替え作業が行われるまでトラックを待機させるスペースを確保したりすることは、難しい。
【0020】
そこで、本実施形態に係る物流施設100では、倉庫施設200の屋上にトラックターミナル施設300を設けることで、倉庫施設200と、トラックターミナル施設300とを同一敷地内に設ける。これにより、不動産としての収益性を確保しつつ、倉庫施設200及びトラックターミナル施設300で行われる作業の効率を低下させることを防止する。
【0021】
倉庫施設200は、荷物の搬入作業、荷物の搬出作業、及び荷物のピッキング作業の少なくとも1つが行われる保管スペースを含む倉庫フロアを含む。倉庫施設200は、複数階の倉庫フロアを含んでよい。それぞれの倉庫フロアと、倉庫施設200の屋上とは、螺旋状の連絡通路110を介して連結される。車両は、連絡通路110を介して、各階の倉庫フロア及び屋上まで上昇、または各階の倉庫フロア及び屋上から下降できる。
【0022】
図2は、倉庫施設200の1階部分の倉庫フロア202の平面図の一例を示す。
図3は、倉庫施設200の2階部分の倉庫フロア202の平面図の一例を示す。
図4は、倉庫施設200の3階または4階部分の倉庫フロア202の平面図の一例を示す。なお、本実施形態では、4階の倉庫フロア202の上に、トラックターミナル施設300が設けられる屋上がある例について説明する。しかし、倉庫施設200の階数は、特定の階数には限定されず、任意の階数でよい。
【0023】
倉庫フロア202は、保管スペース210と、停留スペース220と、通路230とを有する。倉庫フロア202は、2つの保管スペース210を有する。2つの保管スペース210の間に通路230が設けられる。保管スペース210と通路230との間に停留スペース220が設けられる。停留スペース220は、保管スペース210と隣接して設けられる。
【0024】
保管スペース210は、荷物の搬入作業、荷物の搬出作業、及び荷物のピッキング作業の少なくとも1つが行われるスペースである。保管スペース210は、荷物の検品作業または荷物の梱包作業などが行われるスペースでよい。
【0025】
停留スペース220は、荷物の搬入または搬出を行う車両が停留するスペースである。通路230の一端には、車両が上層のフロアへ移動するための螺旋状の連絡通路110Aが連結されている。通路230の他端には、車両が下層のフロアへ移動するための螺旋状の連絡通路110Bが連結されている。
【0026】
1階部分の倉庫フロア202は、外壁に沿って、停留スペース223及び停留スペース224をさらに含む。3階部分または4階部分の倉庫フロア202は、通路230とL字を成す通路232をさらに含む。通路232の一端には、連絡通路110Aが連結されている。通路232の他端には、車両が下層のフロアへ移動するための螺旋状の連絡通路110Cが連結されている。通路232は、荷物の搬入または搬出を行う車両が停留する停留スペース222に隣接している。停留スペース222は、通路232と保管スペース210との間に設けられる。保管スペース210、停留スペース222、停留スペース223及び停留スペース224は、いわゆるバースである。
【0027】
3階部分または4階部分の倉庫フロア202では、連絡通路110Aから通路230及び通路232がL字状に延びる。通路230の長手方向に沿った両側部のそれぞれに隣接して停留スペース220が配置される。通路230及び通路232からなるL字の内側に一方の保管スペース210が配置される。保管スペース210は、通路230及び通路232に沿って複数の区画に仕切られてよい。
【0028】
図5は、倉庫施設200の屋上の平面図の一例を示す。
図6は、荷扱場310Aの側断面図を示す。
図7は、荷扱場310Bの側断図を示す。屋上には、トラックターミナル施設300が設けられる。屋上は、陸屋根で構成される。屋上に車両が昇らない場合、パラペットの高さは、通常、0.6m程度である。また、屋上に車両が昇る場合でもパラペットの高さは、通常、1.1m程度である。本実施形態における倉庫施設200の屋上のパラペットは、防風対策のために、1.8mである。
【0029】
屋上には、通路236を挟んで、保管スペース210と、荷扱場310A及び荷扱場310Bとが設けられる。通路236上に示される矢印は、通路236を走行する車両の走行方向を示す。荷扱場310A及び荷扱場310Bは、車両間で荷物の受け渡しが行われるスペースである。荷扱場310A及び荷扱場310Bの短手方向の両側に、停留スペース320A及び停留スペース320B、並びに停留スペース322A及び停留スペース322Bが配置される。車両間での荷物の受け渡しが効率的に行えるように、荷扱場310A及び荷扱場310Bの短手方向の幅(奥行)は、保管スペースの短手方向の幅(奥行)より狭い。停留スペース320A及び停留スペース320B、並びに停留スペース322A及び停留スペース322Bは、いわゆるバースである。ここで、荷扱場310A及び荷扱場310B、停留スペース320A及び停留スペース320B、並びに停留スペース322A及び停留スペース322Bは、それぞれ総称して、荷扱場310、停留スペース320、及び停留スペース322と称する場合がある。
【0030】
停留スペース320及び停留スペース322は、荷扱場310に隣接して配置され、荷物の搬入または搬出を行う車両を停留させるスペースである。停留スペース320は、第1開口部321に隣接して設けられる。第1開口部321は、荷扱場310の短手方向の一方の側壁に設けられ、車両からの荷物の搬入が行われる。停留スペース322は、第2開口部323に隣接して設けられる。第2開口部323は、荷扱場310の短手方向の他方の側壁に設けられ、車両からの荷物の搬入が行われる。
【0031】
荷扱場310は、屋根338、屋根338を支持する複数の第1柱部324、及び屋根338を支持する複数の第2柱部325を有する。第1開口部321は、シャッターまたはオーバースライダーなどの建具を介して区分けされている。第2開口部323は、シャッターまたはオーバースライダーなどの建具を介して区分けされている。荷扱場310は、第1柱部324、及び第2柱部325以外にも、屋根338を支持する複数の柱部を有する。
【0032】
荷扱場310A及び荷扱場310Bは、
図1、
図6、及び
図7に示すように、第1開口部321A及び第1開口部321Bの上方に設けられる第1庇部340A及び第1庇部340Bを有する。荷扱場310Aは、複数の第1支持部341Aを有する。複数の第1支持部341Aは、第1庇部340Aの下方から延び、複数の第1柱部324Aのそれぞれに連結され、第1庇部340Aを支持する。荷扱場310Aは、第2開口部323Aの上方に設けられる第2庇部342Aを有する。荷扱場310Aは、複数の第2支持部343Aを有する。複数の第2支持部343Aは、第2庇部342Aの下方から延び、複数の第2柱部325Aのそれぞれに連結され、第2庇部342Aを支持する。なお、第1庇部340Aは、複数の第1支持部341Aに支持されていなくてもよい。第2庇部342Aは、複数の第2支持部343Aに支持されていなくてもよい。
【0033】
第1庇部340A及び第2庇部342Aは、屋根338と一体的に構成されてよい。第1庇部340A及び第2庇部342Aを支持するための柱が、停留スペース320A及び停留スペース322Aの入口側にない。よって、車両は、柱に影響されずに、停留スペース320A及び停留スペース322Aの任意の場所に停留できる。
【0034】
荷扱場310Bは、複数の第1支持部341Bを有する。複数の第1支持部341Bは、第1庇部340Bの下方から延び、複数の第1柱部324Bのそれぞれに連結され、第1庇部340Bを支持する。荷扱場310Bは、第2開口部323Bの上方に設けられる第2庇部342Bを有する。荷扱場310Bは、複数の第2支持部343Bを有する。複数の第2支持部343Bは、第2庇部342Bの下方から延び、複数の第2柱部325Bのそれぞれに連結され、第2庇部342Bを支持する。なお、第1庇部340Bは、複数の第1支持部341Bに支持されていなくてもよい。第2庇部342Bは、複数の第2支持部343Bに支持されていなくてもよい。
【0035】
第1庇部340B及び第2庇部342Bは、屋根338と一体的に構成されてよい。第1庇部340B及び第2庇部342Bを支持するための柱が、停留スペース320B及び停留スペース322Bの入口側にない。よって、車両は、柱に影響されずに、停留スペース320B及び停留スペース322Bの任意の場所に停留できる。
【0036】
第1庇部340A及び340B、並びに第2庇部342A及び342Bの構造によっては、第1庇部340A及び340B、並びに第2庇部342A及び342Bを支持するための補助的な部材が必要になる。しかしながら、荷扱場310A及び荷扱場310Bは、屋上に設けられるため、第1庇部340A及び340B、並びに第2庇部342A及び342Bを荷扱場310A及び310Bの壁に吊り下げることができない。一方で、第1庇部340A及び340B、並びに第2庇部342A及び342Bを支える柱を、停留スペース320A及び320B、並びに停留スペース322A及び322Bの入口側に設けると、車両が停留スペース320A及び320B、並びに停留スペース322A及び322Bに停留できる場所が制限されてしまう。そこで、本実施形態では、第1庇部340A及び340B、並びに第2庇部342A及び343Bの下方から、複数の第1支持部341A及び341B、並びに複数の第2支持部343A及び343Bで第1庇部340A及び340B、並びに第2庇部342A及び342Bを支える。これにより、第1庇部340A及び340B、並びに第2庇部342A及び342Bを支持するための補助的な部材が必要な場合でも、第1庇部340A及び340B、並びに第2庇部342A及び342Bを支持する車両の停留に影響を及ぼすような柱を減らすことができる。
【0037】
停留スペース320A及び320Bには、荷物の搬入を行う大型トラックが停留する。一方、停留スペース322A及び302Bには、荷物の搬出を行う中型トラックまたは小型トラックが停留する。中型トラックまたは小型トラックの荷台までの高さは、大型トラックの荷台までの高さより低い。荷物の搬入または搬入を効率的に行うためには、荷扱場310A及び310Bの床の高さと、トラックの荷台の高さとは同じであることが好ましい。そこで、例えば、
図7に示すように、搬出側の第2開口部323Bの床351Bの高さは、搬入側の第1開口部321Bの床350Bの高さにより低くてもよい。なお、搬入側の第1開口部321A及び321Bの床の高さは、及び搬出側の第2開口部323A及び323Bの床の高さは、水勾配と併せて通路の高さを調整することで、任意に設定されてよい。
【0038】
トラックターミナル施設300は、荷扱場310の周囲に、車両が待機するための駐車スペース330をさらに有してよい。これにより、荷物の受け渡し作業が行われるまでの間、車両を屋上に待機させることができる。
【0039】
トラックターミナル施設300は、屋上にトラックドライバなどが利用できるカフェテリアなどの飲食施設、運営のための事務所、及び仮眠施設などを有してもよい。
【0040】
以上、本実施形態に係る物流施設100によれば、トラックターミナル施設300と、倉庫施設200とを限られたスペースで共存できる。そして、不動産としての収益性を確保しつつ、倉庫施設200及びトラックターミナル施設300で行われる作業の効率を低下させることを防止できる。
【0041】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0042】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0043】
100 物流施設
110,110A,110B,110C 連絡通路
200 倉庫施設
202 倉庫フロア
210 保管スペース
220,222,223,224 停留スペース
230,232,236 通路
300 トラックターミナル施設
310 荷扱場
320,322 停留スペース
321 第1開口部
323 第2開口部
324 第1柱部
325 第2柱部
330 駐車スペース
338 屋根
340 第1庇部
341 第1支持部
342 第2庇部
343 第2支持部