(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】アイドル状態とアクティブ状態との間で交替することが可能な無線デバイスをハンドリングするための方法および無線アクセスネットワークノード
(51)【国際特許分類】
H04W 12/125 20210101AFI20220712BHJP
H04W 52/02 20090101ALI20220712BHJP
【FI】
H04W12/125
H04W52/02 110
(21)【出願番号】P 2020541491
(86)(22)【出願日】2018-02-05
(86)【国際出願番号】 SE2018050097
(87)【国際公開番号】W WO2019151916
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-09-23
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】ゴンサレス エスクデーロ, アルベルト
【審査官】伊藤 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-107803(JP,A)
【文献】特開2013-115809(JP,A)
【文献】特開2006-295920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信デバイス(140)をハンドリングするための、無線通信ネットワーク(100)の無線アクセスネットワークノード(130)によって実施される方法であって、前記無線通信デバイス(140)は、前記無線通信デバイス(140)が前記無線通信ネットワーク(100)からの無線信号をリッスンしないアイドル状態と、前記無線通信デバイス(140)が前記無線通信ネットワーク(100)からの無線信号をリッスンするアクティブ状態との間で交替することが可能であり、前記方法は、
前記無線通信デバイス(140)と前記無線通信ネットワーク(100)の外部のパケットアドレスを有する外部ノード(170)との間の通信に関係するパケットを受信すること(202)と、
前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみかどうかを決定すること(204)と、
前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみであると決定されたとき、前記決定の後に、前記無線通信デバイスの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、前記無線通信デバイスに送出されるべき前記パケットに関係するページング通知を送出することを抑制すること(206)と、
前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみではないと決定されたとき、前記決定の後に、前記無線通信デバイスの前記時間的に最初に発生するアクティブ状態において前記パケットに関係する前記ページング通知を前記無線通信デバイスに送出すること(208)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記無線アクセスネットワークノード(130)に接続された、受信されたパケットの記憶のための1次バッファおよび2次バッファがあり、前記2次バッファが、前記1次バッファよりも低い優先度を有し、前記1次バッファが、前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイスに向けられるのみではないと決定されたパケットを記憶するように構成され、前記2次バッファが、前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみであると決定されたパケットを記憶するように構成され、前記方法は、前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみであると決定されたとき、前記2次バッファに前記パケットを記憶すること(207)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記2次バッファに記憶された(207)前記パケットが第1の数を超えたとき、前記2次バッファに記憶された前記パケットのうちの少なくともいくつかを廃棄することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記2次バッファに記憶された前記パケットが第2の数を超えたとき、前記方法は、前記第1の時間期間が過ぎたという条件で、前記無線通信デバイスが次に前記アクティブ状態にあるとき、前記2次バッファに記憶された前記パケットのうちの少なくともいくつかを前記無線通信デバイス(140)に送出することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記パケットが、所定の記憶時間期間、前記2次バッファに記憶され(207)、前記方法は、前記所定の記憶時間期間が経過した後に、前記2次バッファに記憶された前記パケットを前記無線通信デバイス(140)に送出することをさらに含む、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイスに向けられるのみかどうかを前記決定すること(204)は、決定時間期間中に実施され、前記決定時間期間が、前記外部ノードからまたは前記無線通信デバイスから初期パケットを受信したときに開始する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイスに向けられるのみかどうかを前記決定すること(204)は、決定時間期間中に実施され、前記決定時間期間が、前記無線通信デバイスと前記外部ノードとの間のハンドシェイクシーケンスの完了の後に開始する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記無線通信ネットワーク(100)の外部のパケットアドレスを有する複数の外部ノード(170)からパケットを受信すること(302)であって、前記パケットが前記無線通信デバイスに宛てられた、パケットを受信すること(302)と、
パケットがそこから受信される前記複数の外部ノードの数を決定すること(304)と、
前記複数の外部ノードの前記数がしきい値を超えると決定されたとき、第3の時間期間中に、前記複数の外部ノードからの前記パケットに関係するページング通知を送出することを抑制することを決定すること(306)と
をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記無線通信デバイス(140)と前記無線通信ネットワーク(100)の外部のパケットアドレスを有する第2の外部ノード(170)との間の通信に関係する第2のパケットを受信することと、
前記第2のパケットが前記第2の外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみかどうかを決定することと、
前記第2のパケットが前記第2の外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみであると決定されたとき、前記第2のパケットの前記決定の後に、前記無線通信デバイスの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、前記第2のパケットに関係するページング通知を前記無線通信デバイスに送出することを抑制することと、
前記第2のパケットが前記第2の外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみではないと決定されたとき、前記第2のパケットの前記決定の後に、前記無線通信デバイスの前記時間的に最初に発生するアクティブ状態において前記第2のパケットに関係する前記ページング通知を前記無線通信デバイスに送出すること(208)と
をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記無線通信デバイス(140)が、間欠受信モード(DRXモード)対応無線通信デバイスであり、前記アイドル状態がDRXスリープ状態であり、前記アクティブ状態がDRXアクティブ状態である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
無線通信デバイス(140)をハンドリングするために設定された、無線通信ネットワーク(100)において動作可能な無線アクセスネットワークノード(130)であって、前記無線通信デバイス(140)は、前記無線通信デバイス(140)が前記無線通信ネットワーク(100)からいかなる信号をも受信することが可能でないアイドル状態と、前記無線通信デバイス(140)が前記無線通信ネットワーク(100)から信号を受信することが可能であるアクティブ状態との間で交替することが可能であり、前記無線アクセスネットワークノード(130)が、処理回路要素(603)とメモリ(604)とを備え、前記メモリが、前記処理回路要素によって実行可能な命令を含んでおり、それにより、前記無線アクセスネットワークノード(130)は、
前記無線通信デバイス(140)と前記無線通信ネットワーク(100)の外部のパケットアドレスを有する外部ノード(170)との間の通信に関係するパケットを受信することと、
前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみかどうかを決定することと、
前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみであると決定されたとき、前記決定の後に、前記無線通信デバイスの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、前記無線通信デバイスに送出されるべき前記パケットに関係するページング通知を送出することを抑制することと、
前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみではないと決定されたとき、前記決定の後に、前記無線通信デバイスの前記時間的に最初に発生するアクティブ状態において前記パケットに関係する前記ページング通知を前記無線通信デバイスに送出することと
を行うために動作する、無線アクセスネットワークノード(130)。
【請求項12】
受信されたパケットの記憶のための1次バッファおよび2次バッファに接続され、前記2次バッファが、前記1次バッファよりも低い優先度を有し、前記1次バッファが、前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみではないと決定されたパケットを記憶するように構成され、前記2次バッファが、前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみであると決定されたパケットを記憶するように構成され、前記無線アクセスネットワークノード(130)は、前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみであると決定されたとき、前記2次バッファに前記パケットを記憶するためにさらに動作する、請求項11に記載の無線アクセスネットワークノード(130)。
【請求項13】
前記2次バッファに記憶された前記パケットが第1の数を超えたとき、前記2次バッファに記憶された前記パケットのうちの少なくともいくつかを廃棄するためにさらに動作する、請求項12に記載の無線アクセスネットワークノード(130)。
【請求項14】
前記2次バッファに記憶された前記パケットが第2の数を超えたとき、前記無線アクセスネットワークノードは、前記第1の時間期間が過ぎたという条件で、前記無線通信デバイスが次に前記アクティブ状態にあるとき、前記2次バッファに記憶された前記パケットのうちの少なくともいくつかを前記無線通信デバイス(140)に送出するためにさらに動作する、請求項12に記載の無線アクセスネットワークノード(130)。
【請求項15】
所定の記憶時間期間、前記2次バッファに前記パケットを記憶するために動作し、前記所定の記憶時間期間が経過した後に、前記2次バッファに記憶された前記パケットを前記無線通信デバイス(140)に送出するためにさらに動作する、請求項12から14のいずれか一項に記載の無線アクセスネットワークノード(130)。
【請求項16】
決定時間期間中に、前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイスに向けられるのみかどうかを決定するために動作し、前記決定時間期間が、前記外部ノードからまたは前記無線通信デバイスから初期パケットを受信したときに開始する、請求項11から15のいずれか一項に記載の無線アクセスネットワークノード(130)。
【請求項17】
決定時間期間中に、前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイスに向けられるのみかどうかを決定するために動作し、前記決定時間期間が、前記無線通信デバイスと前記外部ノードとの間のハンドシェイクシーケンスの完了の後に開始する、請求項11から15のいずれか一項に記載の無線アクセスネットワークノード(130)。
【請求項18】
前記無線通信ネットワーク(100)の外部のパケットアドレスを有する複数の外部ノード(170)からパケットを受信することであって、前記パケットが前記無線通信デバイスに宛てられた、パケットを受信することと、
パケットがそこから受信される前記複数の外部ノードの数を決定することと、
前記複数の外部ノードの前記数がしきい値を超えると決定されたとき、第3の時間期間中に、前記複数の外部ノードからの前記パケットに関係するページング通知を送出することを抑制することを決定することと
を行うためにさらに動作する、請求項11から17のいずれか一項に記載の無線アクセスネットワークノード(130)。
【請求項19】
前記無線通信デバイス(140)と前記無線通信ネットワーク(100)の外部のパケットアドレスを有する第2の外部ノード(170)との間の通信に関係する第2のパケットを受信することと、
前記第2のパケットが前記第2の外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみかどうかを決定することと、
前記第2のパケットが前記第2の外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみであると決定されたとき、前記第2のパケットの前記決定の後に、前記無線通信デバイスの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、前記第2のパケットに関係するページング通知を前記無線通信デバイスに送出することを抑制することと、
前記第2のパケットが前記第2の外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみではないと決定されたとき、前記第2のパケットの前記決定の後に、前記無線通信デバイスの前記時間的に最初に発生するアクティブ状態において前記第2のパケットに関係する前記ページング通知を前記無線通信デバイスに送出することと
を行うためにさらに動作する、請求項11から17のいずれか一項に記載の無線アクセスネットワークノード(130)。
【請求項20】
前記無線通信デバイス(140)が、間欠受信モード(DRXモード)対応無線通信デバイスであり、前記アイドル状態がDRXスリープ状態であり、前記アクティブ状態がDRXアクティブ状態である、請求項11から19のいずれか一項に記載の無線アクセスネットワークノード(130)。
【請求項21】
命令を備えるコンピュータプログラム(605)であって、前記命令は、無線通信デバイス(140)が無線通信ネットワーク(100)から信号を受信することが可能でないアイドル状態と、前記無線通信デバイス(140)が前記無線通信ネットワーク(100)から信号を受信することが可能であるアクティブ状態との間で交替することが可能な前記無線通信デバイス(140)をハンドリングするために設定された、前記無線通信ネットワーク(100)の無線アクセスネットワークノード(130)の少なくとも1つの処理回路要素によって実行されたとき、前記無線アクセスネットワークノード(130)に、
前記無線通信デバイス(140)と前記無線通信ネットワーク(100)の外部のパケットアドレスを有する外部ノード(170)との間の通信に関係するパケットを受信するステップと、
前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみかどうかを決定するステップと、
前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみであると決定されたとき、前記決定の後に、前記無線通信デバイスの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、前記無線通信デバイスに送出されるべき前記パケットに関係するページング通知を送出することを抑制するステップと、
前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみではないと決定されたとき、前記決定の後に、前記無線通信デバイスの前記時間的に最初に発生するアクティブ状態において前記パケットに関係する前記ページング通知を前記無線通信デバイスに送出するステップと
を実行させる、コンピュータプログラム(605)。
【請求項22】
請求項21に記載のコンピュータプログラム(605)を含んでいる
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項23】
無線通信デバイス(140)をハンドリングするために設定された、無線通信ネットワーク(100)において動作可能な無線アクセスネットワークノード(130)であって、前記無線通信デバイス(140)は、前記無線通信デバイス(140)が前記無線通信ネットワーク(100)から信号を受信することが可能でないアイドル状態と、前記無線通信デバイス(140)が前記無線通信ネットワーク(100)から信号を受信することが可能であるアクティブ状態との間で交替することが可能であり、前記無線アクセスネットワークノード(130)は、
前記無線通信デバイス(140)と前記無線通信ネットワーク(100)の外部のパケットアドレスを有する外部ノード(170)との間の通信に関係するパケットを受信するための受信モジュール(704)と、
前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみかどうかを決定するための決定モジュール(706)と、
前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみであると決定されたとき、前記決定の後に、前記無線通信デバイスの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、前記無線通信デバイスに送出されるべき前記パケットに関係するページング通知を送出することを抑制するための送出抑制モジュール(708)と、
前記パケットが前記外部ノード(170)から前記無線通信デバイス(140)に向けられるのみではないと決定されたとき、前記決定の後に、前記無線通信デバイスの前記時間的に最初に発生するアクティブ状態において前記パケットに関係する前記ページング通知を前記無線通信デバイスに送出するための送出モジュール(710)と
を備える、無線アクセスネットワークノード(130)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、無線通信デバイスをハンドリングするための、方法、および無線通信ネットワークの無線アクセスネットワークノードであって、無線通信デバイスが、無線通信デバイスが無線通信ネットワークからの無線信号をリッスンしないアイドル状態と、無線通信デバイスが無線通信ネットワークからの無線信号をリッスンするアクティブ状態との間で交替することが可能である、方法、および無線通信ネットワークの無線アクセスネットワークノードに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の無線通信ネットワークでは、ネットワークの外部からの攻撃の危険、ネットワークを介した通信を妨げるかまたは減速させることを異なるやり方で試みる攻撃の危険がある。そのような攻撃を防ぐために、無線通信ネットワークは、異なるタイプの攻撃を検出し、停止することができる、ファイアウォールがインストールされている。
【0003】
さらに、無線通信ネットワークにおける通信のために使用される無線通信デバイスでは、バッテリー電力を節約することに関心がある。バッテリー電力を節約するために、無線通信デバイスが、無線通信デバイスが無線通信ネットワークからの無線信号をリッスンしないアイドル状態と、無線通信デバイスが無線通信ネットワークからの無線信号をリッスンするアクティブ状態との間で交替することが可能であるソリューションがある。アイドル状態では、無線通信デバイスは、受信機など、その電力消費機器の一部をオフにし、それにより、バッテリー電力を節約する。無線通信ネットワークと無線通信デバイスとは、デバイスがアクティブ状態にあるべきである時間期間と、デバイスがアイドル状態にあるべきである時間期間とを含む、時間サイクルを互いにネゴシエートし、それにより、ネットワークとデバイスの両方が、デバイスがいつネットワークにデータを送出し(send)、ネットワークからデータを受信することができるかを知る。ネットワークがデバイスにデータを送出したいとき、ネットワークは、ネットワークがデータを送出することを望むことをデバイスに知らせるページング通知をデバイスに送出する。ページング通知は、アクティブ状態時間期間において送出される。ページング通知を受信したとき、デバイスは、ネットワークに接続し、データを受信する。データが受信されたとき、デバイスは、受信すべきデータがあるかどうかまたはデバイスがそれ自体でデータを送出する必要があるかどうかを検査するために、デバイスが次にアクティブ状態に入るときまで、再びアイドル状態に入る。そのようなソリューション、および同様のソリューションは、間欠通信方法と呼ばれることがある。
【0004】
しかしながら、そのような間欠通信方法を使用する無線通信デバイスでは、低帯域攻撃の危険がある。間欠通信方法を使用する無線通信デバイスと交信することができるアドレスの知識を有するサードパーティが、パケットのほぼ絶え間ないフローを無線通信デバイスに送出し得る。無線通信デバイスをサーブする無線アクセスネットワークノードがパケットのそのようなフローを受信したとき、無線アクセスネットワークノードは、無線通信デバイスがアクティブ状態にあるとき、ページング通知をそのデバイスに送出することになる。これによって、無線通信デバイスは、ほぼ絶え間なくアクティブ状態に保たれ得る。これは、予想されるよりもはるかに速く無線通信デバイスのバッテリーを消耗させることになる。たとえば、モノのインターネット(IoT)デバイスおよびマシンツーマシン(M2M)デバイスのような、拡張されたアクティブ状態-アイドル状態時間サイクルをもつデバイスの場合、数ヶ月の予想されるバッテリー寿命が、これによって、数日さらには数時間に短縮され得る。
【0005】
そのようなサードパーティ攻撃は、低いパケットレートにおける任意のタイプの通信がそのような攻撃をトリガすることがあるので、高性能低帯域サービス拒否攻撃と見なされ得る。旧来のファイアウォールは、それらが、無線通信デバイスの状態の知識を有せず、それにより、トラフィック混合が正当として偽装され得るので、そのような攻撃を検出するのに深刻な問題点を有する。
【0006】
さらに、パケットのそのようなフローを無線通信デバイスに送出することによって、他の通信のために使用され得たワイヤレス通信リソースが使用される。また、無線アクセスネットワークノードにおけるリソースが消費される。
【0007】
したがって、そのような攻撃を防ぐためのソリューションが必要である。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、上記で概説された問題および問題点のうちの少なくともいくつかに対処することである。本発明の実施形態の目的は、間欠通信方法を使用する無線通信デバイスに対する低帯域攻撃を防ぐことである。さらに、実施形態の別の目的は、間欠通信方法を使用する無線通信デバイスのバッテリー電力の消耗を防ぐことである。添付の独立請求項において規定されている方法、無線アクセスネットワークノードおよびコンピュータプログラムを使用することによって、これらの目的および場合によっては他の目的のうちの少なくともいくつかを達成することが可能である。
【0009】
一態様によれば、無線通信デバイスをハンドリングするための、無線通信ネットワークの無線アクセスネットワークノードによって実施される方法であって、無線通信デバイスが、無線通信デバイスが無線通信ネットワークからの無線信号をリッスンしないアイドル状態と、無線通信デバイスが無線通信ネットワークからの無線信号をリッスンするアクティブ状態との間で交替することが可能である、方法が提供される。本方法は、無線通信デバイスと無線通信ネットワークの外部のパケットアドレスを有する外部ノードとの間の通信に関係するパケットを受信することと、パケットが外部ノードから無線通信デバイスにのみ向けられるかどうかを決定することとを含む。さらに、パケットが外部ノードから無線通信デバイスにのみ向けられると決定されたとき、本方法は、決定の後に、無線通信デバイスの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態(first in time occurring active state)を含む第1の時間期間の間、無線通信デバイスに送出されるべきパケットに関係するページング通知を送出することを抑制する(refrain from)ことを含み、パケットが外部ノードから無線通信デバイスにのみ向けられるのではないと決定されたとき、本方法は、決定の後に、無線通信デバイスの時間的に最初に発生するアクティブ状態においてパケットに関係するページング通知を無線通信デバイスに送出することを含む。
【0010】
別の態様によれば、無線通信ネットワークにおいて動作可能であり、無線通信デバイスをハンドリングするために設定された、無線アクセスネットワークノードであって、無線通信デバイスは、無線通信デバイスが無線通信ネットワークから信号を受信することが可能でないアイドル状態と、無線通信デバイスが無線通信ネットワークから信号を受信することが可能であるアクティブ状態との間で交替することが可能である、無線アクセスネットワークノードが提供される。無線アクセスネットワークノードは、処理回路要素とメモリとを備える。メモリは、前記処理回路要素によって実行可能な命令を含んでおり、それにより、無線アクセスネットワークノードは、無線通信デバイスと無線通信ネットワークの外部のパケットアドレスを有する外部ノードとの間の通信に関係するパケットを受信することと、パケットが外部ノードから無線通信デバイスにのみ向けられるかどうかを決定することとを行うために動作する。さらに、パケットが外部ノードから無線通信デバイスにのみ向けられると決定されたとき、無線アクセスネットワークノードは、決定の後に、無線通信デバイスの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、無線通信デバイスに送出されるべきパケットに関係するページング通知を送出することを抑制するために動作する。また、パケットが外部ノードから無線通信デバイスにのみ向けられるのではないと決定されたとき、無線アクセスネットワークノードは、決定の後に、無線通信デバイスの時間的に最初に発生するアクティブ状態においてパケットに関係するページング通知を無線通信デバイスに送出するために動作する。
【0011】
他の態様によれば、コンピュータプログラムおよびキャリアも提供され、その詳細は、特許請求の範囲および発明を実施するための形態において説明される。
【0012】
このソリューションのさらなる可能な特徴および利益は、以下の発明を実施するための形態から明らかになろう。
【0013】
次に、例示的な実施形態によって、および添付の図面を参照しながら、ソリューションがより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】無線通信システムにおける無線通信エンティティを示すブロック図である。
【
図2】IPネットワークに接続された無線通信ネットワークを示す概略ブロック図である。
【
図3】可能な実施形態による、無線アクセスネットワークノードによって実施される方法を示すフローチャートである。
【
図4】可能な実施形態による、無線アクセスネットワークノードによって実施される方法を示す別のフローチャートである。
【
図5】本発明の可能な実施形態が使用されるときの、通信シナリオの一例を示すシグナリング図である。
【
図6】本発明の可能な実施形態が使用されるときの、通信シナリオの別の例を示す別のシグナリング図である。
【
図7】さらなる可能な実施形態による、より詳細に無線アクセスネットワークノードを示すブロック図である。
【
図8】さらなる可能な実施形態による、より詳細に無線アクセスネットワークノードを示すブロック図である。
【
図9】中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された通信ネットワークを概略的に示す図である。
【
図10】部分的無線接続上でホストコンピュータが基地局を介してユーザ機器と通信することの一般化されたブロック図である。
【
図11】ホストコンピュータと基地局とユーザ機器とを含む通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。
【
図12】ホストコンピュータと基地局とユーザ機器とを含む通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。
【
図13】ホストコンピュータと基地局とユーザ機器とを含む通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。
【
図14】ホストコンピュータと基地局とユーザ機器とを含む通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、無線通信デバイス140と無線通信している、または無線通信デバイス140との無線通信のために適応された、無線アクセスネットワークノード130を備える無線通信ネットワーク100を示す。
【0016】
無線通信ネットワーク100は、間欠通信方法を使用する可能性を有する無線通信デバイスと通信するときに間欠通信方法を使用することができる任意の種類の無線通信ネットワークであり得る。そのような無線通信ネットワークの例は、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)、GSM進化型高速データレート(EDGE)、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)、符号分割多元接続2000(CDMA2000)、広帯域CDMA(WCDMA)、Long Term Evolution(LTE)、LTEアドバンスト、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、低電力WAN(LPWAN)およびLoRaWANなどのワイドエリアネットワーク(WAN)、ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(WiMAX)、WiMAXアドバンスト、ならびに新無線(NR)などの技術に基づく第5世代無線通信ネットワークである。
【0017】
無線アクセスネットワークノード130は、単独でまたは別のネットワークノードと組み合わせて無線通信デバイス140に無線アクセスを提供する任意の種類のネットワークノードであり得る。無線アクセスネットワークノード130の例は、基地局(BS)、無線BS、基地トランシーバ局、BSコントローラ、ネットワークコントローラ、ノードB(NB)、エボルブドノードB(eNB)、NR BS、マルチセル/マルチキャスト協調エンティティ、リレーノード、アクセスポイント(AP)、無線AP、リモートラジオユニット(RRU)、リモート無線ヘッド(RRH)およびマルチスタンダードBS(MSR BS)である。
【0018】
無線通信デバイス140は、無線通信デバイス140が間欠通信方法を使用して通信することができる限り、無線信号を使用して無線アクセスネットワークノード130と無線通信することが可能な任意のタイプのデバイスであり得る。たとえば、無線通信デバイス140は、ユーザ機器(UE)、マシン型UEまたはマシンツーマシン(M2M)通信が可能なUE、センサー、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、ラップトップ組込み装備(LEE:laptop embedded equipped)、ラップトップ搭載機器(LME:laptop mounted equipment)、USBドングル、顧客構内機器(CPE)などであり得る。
【0019】
図2は、無線通信ネットワーク100が、直接または別のRANノードを介してのいずれかで無線アクセスネットワーク(RAN)ノード130に接続されたコアネットワーク150をさらに備えることを示す。さらに、無線通信ネットワークは、ここでは、インターネットプロトコル(IP)ネットワークによって例示された、外部ネットワーク160に接続される。さらに、外部ノード170が外部ネットワーク160に接続され、外部ノード170は、外部ネットワークにおけるアドレスを有する。
【0020】
上述のように、間欠通信対応である無線通信デバイス140が外部ノード170からの低帯域サービス拒否攻撃にさらされるという危険がある。そのような攻撃では、外部ノード170は、より長い時間期間にわたって無線通信デバイス宛てのパケットを送出する。外部ノード170は、無線通信デバイスが、パケットを受信することが可能であるためにほぼ絶え間なくアクティブ状態に保たれなければならない程度に頻繁に、パケットがより長い時間期間にわたって送出される限り、多くのパケットを送出する必要がない。パケットを送出することは、これによって、かなり急速に無線通信デバイスのバッテリーの電力を消耗させ得る。
【0021】
そのような攻撃を防ぐために、発明者のアイデアは、無線通信デバイスが受信することに関心を有するパケットから、そのような攻撃から発生し得るパケットを選別し、選別されたパケットが無線通信デバイスに配信されることを防ぐか、または、少なくとも、あらゆるアクティブ状態において無線通信デバイスへの選別されたパケットの配信をトリガしないことである。
【0022】
このアイデアは、
図1のネットワークとともに、
図3において規定されている方法によって達成される。方法は、無線通信デバイス140をハンドリングするための、無線通信ネットワーク100の無線アクセスネットワークノード130によって実施され、無線通信デバイス140は、無線通信デバイス140が無線通信ネットワーク100からの無線信号をリッスンしないアイドル状態と、無線通信デバイス140が無線通信ネットワーク100からの無線信号をリッスンするアクティブ状態との間で交替することが可能である。方法は、無線通信デバイス140と無線通信ネットワーク100の外部のパケットアドレスを有する外部ノード170との間の通信に関係するパケットを受信すること202と、パケットが外部ノード170から無線通信デバイス140にのみ向けられるかどうかを決定すること204とを含む。パケットが外部ノード170から無線通信デバイス140にのみ向けられると決定されたとき、方法は、決定の後に、無線通信デバイスの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、無線通信デバイスに送出されるべきパケットに関係するページング通知を送出することを抑制すること206を含む。さらに、パケットが外部ノード170から無線通信デバイス140にのみ向けられるのではないと決定されたとき、決定の後に、無線通信デバイスの時間的に最初に発生するアクティブ状態においてパケットに関係するページング通知を無線通信デバイスに送出すること208。
【0023】
上記の段落において述べられたパケットは、無線通信デバイス140とある外部ノード170との間の通信にのみ関係するパケットである。したがって、当該のパケットは、無線通信デバイスと、ある外部ノードとは異なる別の外部ノードとの間の通信に関係する、または別の無線通信デバイスとある外部ノードとの間の通信に関係するパケットを含まない。パケットは、無線デバイス140から外部ノード170に向けられるのみのパケットがあるときと、外部ノードから無線デバイスに向けられ、かつ、無線デバイスから外部ノードに向けられるパケットがあるときに、外部ノード170から無線通信デバイス140にのみ向けられるのではないと決定され得る。決定の後に時間的に最初に発生するアクティブ状態は、パケットが外部ノードのみから向けられるかどうかが決定された後に、無線通信デバイスをページングすることが可能である第1の時間期間またはオケージョンを表す。つまり、無線通信デバイスが任意のタイプのアクティブ状態にある、すなわち、(スリープモードまたはスリープ状態とも呼ばれる)アイドル状態にない、決定の後の第1の時間期間である。決定することが実施されるときに無線通信デバイスがアクティブ状態にある場合、時間的に最初に発生するアクティブ状態は、決定が実施されるアクティブ状態であり得る。決定することが実施されるときに無線通信デバイスがアイドル状態にあるとき、時間的に最初に発生するアクティブ状態は、無線通信デバイスがアクティブ状態にあるときに決定が実施された後の第1の時間期間であり得る。通信されるパケットは、IPパケットであり得る。決定の後に、無線通信デバイスの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、送出されるべきパケットに関係するページング通知を無線通信デバイスに送出することを抑制すること206は、第1の時間期間の間、ページング通知を遅延させること、すなわち、第1の時間期間が経過した後に、無線アクセスネットワークノードに記憶されたパケットがそのデバイスに配信されるように、第1の時間期間が経過した後にページング通知を送出することを表し得る。代替的に、ページング通知を送出することを抑制すること206は、パケットのためのページング通知を送出しないことを表し、代わりに、パケットを廃棄し得る。
【0024】
そのような方法によって、無線通信デバイスが、無線通信デバイスのためにとって関心のないことがあるデータを受信するためにアイドル状態から起動することを防ぐことが可能である。たとえば、外部アドレスからの低帯域攻撃、すなわち、たとえば、無線通信デバイスを起動しているように保つために外部アドレスが周期的にデータを送出することを防ぐことが可能である。したがって、この方法では、無線通信デバイスバッテリー電力が節約され、これは、代わりに、無線通信デバイスにとって関心のある他のデータをダウンロードするために使用され得る。
【0025】
一実施形態によれば、受信されたパケットの記憶のための1次バッファおよび2次バッファが、無線アクセスネットワークノード130に接続される。2次バッファは、1次バッファよりも低い優先度を有する。1次バッファは、外部ノード170から無線通信デバイスにのみ向けられるのではないと決定されたパケットを記憶するように構成され、2次バッファは、外部ノード170から無線通信デバイス140にのみ向けられると決定されたパケットを記憶するように構成される。方法は、パケットが外部ノード170から無線通信デバイス140にのみ向けられると決定されたとき、2次バッファにパケットを記憶すること207をさらに含む。
【0026】
外部ノード170から無線通信デバイス140にのみ向けられると決定されたパケット(第1のパケットと呼ばれる)を、外部ノード170から無線通信デバイス140にのみ向けられるのではないと決定されたパケット(第2のパケットと呼ばれる)とは別のバッファに記憶することによって、第2のパケットは、第1のパケットよりも先に容易に優先され得る。言い換えれば、無線通信デバイスが重要とおそらく見なす、通信に関係するパケットは、無線通信デバイスがそれ自体で外部ノードに向けられたパケットを送出したので、外部ノードから無線通信デバイスにのみ向けられる、外部ノードと無線通信デバイスとの間の通信に関係するパケットよりも先に優先される。
【0027】
一実施形態によれば、方法は、2次バッファに記憶された207、パケットが第1の数を超えたとき、2次バッファに記憶されたパケットのうちの少なくともいくつかを廃棄することをさらに含む。これによって、2次バッファに記憶されたパケットの数は、限られた記憶レベルに保たれ得、後の受信されたパケットなど、他のパケットのための記憶スペースを節約する。第1の数は、2次バッファがパケットでいっぱいまたはほとんどいっぱいであるときを示す第1のバッファしきい値としてセットされ得る。第1の数は、あらかじめセットされるかまたはあらかじめ設定され得る。2次バッファに記憶されたパケットの数が第1の数を超えたかどうかを決定するために、記憶されたパケットの数を計数し、記憶されたパケットの数が第1の数を超えたときを示す、2次バッファに接続されたカウンタがあり得る。
【0028】
別の代替実施形態によれば、2次バッファに記憶されたパケットが第2の数を超えたとき、方法は、第1の時間期間が過ぎたという条件で、無線通信デバイスが次にアクティブ状態にあるとき、2次バッファに記憶されたパケットのうちの少なくともいくつかを無線通信デバイス140に送出することをさらに含む。これによって、2次バッファに記憶されたパケットの数は、限られた記憶レベルに保たれ得、後の受信されたパケットなど、他のパケットのための記憶スペースを節約する。第2の数は、2次バッファが第1のパケットでいっぱいまたはほとんどいっぱいであるときを示す第2のバッファしきい値としてセットされ得る。第2の数は、あらかじめセットされるかまたはあらかじめ設定され得る。第2の数は、第1の数の使用とは無関係に使用され得る。第1の数と第2の数とは、同じ数にセットされ得る。代替的に、第2の数は、第1の数よりも高くまたは低くセットされ得る。2次バッファに記憶されたパケットの数が第2の数を超えたかどうかを決定するために、記憶されたパケットの数を計数し、記憶されたパケットの数が第2の数を超えたときを示す、2次バッファに接続されたカウンタがあり得る。
【0029】
別の実施形態によれば、パケットは、所定の記憶時間期間、2次バッファに記憶される207。さらに、方法は、所定の記憶時間期間が経過した後に、2次バッファに記憶されたパケットを無線通信デバイス140に送出することを含む。記憶時間期間は、たとえば、初期に受信されたIPパケットの記憶から、またはパケットが外部ノードから無線通信デバイスにのみ向けられるという決定から、または2次バッファが空にされた最後の時間から計数され得る。これによって、古くないパケットが2次バッファに残されることが自動制御される。
【0030】
別の実施形態によれば、パケットが外部ノード170から無線通信デバイスにのみ向けられるかどうかを決定すること204は、決定時間期間中(決定のための時間期間中)に実施され、決定時間期間は、外部ノードからまたは無線通信デバイスから初期パケットを受信したときに開始する。そのような規定された決定時間期間は、パケットが外部ノードから無線通信デバイスにのみ向けられるかどうかをより良く決定するためにセットされ得る。決定時間期間の程度は、あらかじめ規定され、すなわち、あらかじめ設定され得る。「初期パケット」は、時間期間中に、外部ノードからまたは無線通信デバイスから時間的に最初に受信されたパケットを表す。決定時間期間中に受信されたパケットが外部ノードから無線通信デバイスにのみ向けられるとき、外部ノードは、低優先度ノードとして分類され得る。
【0031】
代替実施形態によれば、パケットが外部ノード170から無線通信デバイスにのみ向けられるかどうかを決定すること204は、決定時間期間中に実施され、決定時間期間が、無線通信デバイスと外部ノードとの間のハンドシェイクシーケンスの完了の後に開始する。これによって、パケットを外部ノードから無線通信デバイスにのみ向けられるのではないとして不用意におよび誤って分類することがある、ハンドシェイクメッセージのいずれかを計数に含めることが回避される。ハンドシェイクシーケンスは、伝送制御プロトコル(TCP)ハンドシェイクシーケンスであり得る。
【0032】
別の実施形態によれば、方法は、無線通信ネットワーク100の外部のパケットアドレスを有する複数の外部ノード170からパケットを受信すること302であって、パケットが無線通信デバイスに宛てられた、パケットを受信すること302と、パケットがそこから受信される複数の外部ノードの数を決定すること304とを含む。さらに、複数の外部ノードの数がしきい値を超えると決定されたとき、方法は、第3の時間期間中に、複数の外部ノードからのパケットに関係するページング通知を送出することを抑制することを決定すること306をさらに含む。これによって、低帯域攻撃が実質的に同時に高い数の異なる外部ノードから来ること、いわゆるボットネットを回避することが可能である。第3の時間期間は、第1の時間期間と同じであるか、または第1の時間期間とは異なり得る。第3の時間期間は、ページング通知を送出することを抑制するという決定306の時点から開始し得る。外部ノードの数を決定すること304は、あらかじめセットされた長さを有する時間ウィンドウにわたって受信されるパケットのために実施され得る。そのような実施形態によって、無線通信デバイスに宛てられたパケットを無線アクセスネットワークノード130に送出する外部アドレスの数が高くなりすぎるとすぐに、ページング通知を送出することを抑制することが達成される。言い換えれば、ページング通知を無線通信デバイスに送出することを抑制することを決定する前に、パケットの方向を決定するために待つことは必要でない。この実施形態は、場合によっては分割特許出願の対象となり得る。
【0033】
別の実施形態によれば、方法は、無線通信デバイス140と無線通信ネットワーク100の外部のパケットアドレスを有する第2の外部ノード170との間の通信に関係する第2のパケットを受信することと、第2のパケットが第2の外部ノード170から無線通信デバイス140にのみ向けられるかどうかを決定することとをさらに含む。方法は、第2のパケットが第2の外部ノード170から無線通信デバイス140にのみ向けられると決定されたとき、第2のパケットの決定の後に、無線通信デバイスの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、第2のパケットに関係するページング通知を無線通信デバイスに送出することを抑制することと、第2のパケットが第2の外部ノード170から無線通信デバイス140にのみ向けられるのではないと決定されたとき、第2のパケットの決定の後に、無線通信デバイスの時間的に最初に発生するアクティブ状態において第2のパケットに関係するページング通知を無線通信デバイスに送出することとをさらに含む。これによって、パケットを送出する2つまたはそれ以上の外部ノードがあるとき、2つの外部ノードからのパケットが別々に扱われることが規定される。異なる外部ノードのために、別個の分類タイマーがあり、場合によっては別個のバッファタイマーもあり得る。
【0034】
別の実施形態によれば、無線通信デバイス140は、間欠受信モード(DRXモード)対応無線通信デバイスであり、アイドル状態はDRXスリープ状態であり、アクティブ状態はDRXアクティブ状態である。この実施形態では、無線通信ネットワークは、LTEベース無線通信ネットワークであり得る。
【0035】
間欠受信(DRX)は、バッテリー電力を節約するための間欠通信方法の一例である。DRXは、Long Term Evolution(LTE)ベース無線通信ネットワークにおいて使用される。DRXを規定する規格化文書は、3GPP TS136 321 V14.3.0、§5.7「間欠受信(DRX)」において見つけられる。以下では、DRXが説明され、その後に、DRXのための上記で規定された発明的方法を実装するための実施形態が続く。
【0036】
DRXは、無線通信デバイス(以下では「UE」と呼ばれ、これは、LTEにおいて使用される用語である)が、バッテリー電力を節約するために、同意された時間量の間、無線アクセスネットワークノード(以下では「eノードB」と呼ばれ、これは、LTEにおいて使用される用語である)からの物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)をリッスンすることを停止することを可能にする。LTEに関してDRXの2つのモード、すなわち、RCC_CONNECTED DRX(C-DRX)およびRRC_IDLE DRXが存在する。両方のモードにおいて、DRX対応UEは、ページングがネットワークによってスケジュールされないDRXスリープ状態と、ページングが発生することができるアクティブDRX「オン」状態との間で交替する。DRXサイクルは、1つのアクティブ「オン」時間期間とDRXスリープ期間とをカバーする。
「オン」ウィンドウ中にページングが発生しない場合、UEは、次のページングオケージョンまで再びDRXスリープ状態に入る。DRXスリープ状態は、上記の実施形態において述べられた、より一般的なアイドル状態に相当する。アクティブDRX「オン」状態は、上記の実施形態において述べられた、より一般的なアクティブ状態に相当する。
【0037】
UEがRRC_IDLEモードにおけるアクティブ状態にある間、ページングが発生した場合、UEは、RRC_CONNECTEDモードのアクティブ状態に入ることを試みることになり、ここで、専用データチャネルがネットワークによってセットアップされ、パケットが配信されることになる。UEがRRC_CONNECTEDモードのアクティブ状態にある間、ページングが発生した場合、UEは、下位レイヤによって受信および肯定応答すべきパケットがそれ以上なくなり、DRX非アクティビティタイマーに達するまで、着信パケットをリッスンすることになり、その後に、UEは、次のページングオケージョンまでC-DRXスリープ状態に入る。どちらにしても、UEは、パケットの検索の後に、ネットワークからのRRCConnectionReleaseメッセージの受信まで、RRC_CONNECTEDモードにとどまることになり、その後に、UEは、それぞれのDRXセッティングを伴ってRRC_IDLEモードに入ることになる。
【0038】
DRX対応であるUEは、外部ノードがUEにパケットのフローを送出することによってアクティブ状態に保たれ得る。フローは、低集約的であり得、UEがRRC_CONNECTEDモードにあるときにUEを無期限にRRC_CONNECTEDに保つためには、RRC非アクティビティタイマーの満了の前に1つのパケットを送出し、UEがRRC_IDLEモードにあるときにUEを連続的にPDCCHチャネルをリッスンするように保つためには、DRX非アクティビティタイマーの満了の前に1つのパケットを送出すれば十分であり、それにより、UEバッテリー電力が通常使用におけるものよりもはるかに速く消耗する。さらに、RRC_CONNECTEDモードのアクティブ状態にあるとき、UEとUEをサーブするeノードBとの間のエアインターフェースリソースおよびeノードBにおける通信リソースも消費される。
【0039】
この問題に対するソリューションは、外部IPアドレスを有する外部ノードからターゲットDRX対応UEへの通信が一方向であるのか二方向であるのかをマッピングすることである。UEが外部ノードにパケットを送出する場合、外部ノードとDRX対応UEとの間の通信リンクは二方向と見なされることになり、DRXはパケット配信よりも優先されないことになる。一方、パケットが外部ノードからUEに向けてのみ送出された場合、通信は一方向と見なされる。一実施形態によれば、それらのパケットはUEがスリープすることを可能にするためにバッファされることになり、バッファ中のパケットの数がセットされたしきい値を越えた場合、たとえば、バッファがいっぱいになった場合、パケットは廃棄され得る。別の実施形態によれば、バッファ中のパケットの数がセットされたしきい値を越えるかつ/またはタイマーに達すると、パケットは、後続のDRXサイクルの最後にUEに送信され、すなわち、後続のDRXサイクルのアクティブ状態において始動され得る。
【0040】
そのようなソリューションは、高性能低帯域サービス拒否(DoS)攻撃を防ぐバリアとして働くことになる。バッファを実装することによって、およびパケットの数がしきい値を越えるまでバッファ中にパケットを保つことによって、可能性がある攻撃者が、UEの機能を妨害するために攻撃の強度を増加させることを強制されることになり、強度が増加されると、旧来のファイアウォールによって攻撃を検出することがはるかに容易になることになる。
【0041】
また、UEのユーザが、透過的に、ユーザが受信されたパケットを含むトラフィックに関心があるか否かを制御することを可能にし得る。ユーザがトラフィックに関心がある場合、UEは、受信されたパケットに応答することができ、次いで、トラフィックは、ネットワークノードによって二方向であると決定され、外部アドレスから受信されたパケットは、できるだけ早く無線アクセスネットワークノードに送出されることになる。また、ユーザは、いくつかのIPアドレスからのトラフィックにのみ応答するように、UE、たとえば、IoTデバイスをあらかじめ設定することができる。たとえば、UEは、たとえば、「ICMPエコー応答」で、あるIPアドレスからのピングに応答するように設定され得、したがって、ネットワークノードはそのトラフィックを優先する。代替的に、ユーザは、いくつかのIPアドレスから来るトラフィックに応答しないようにUEを設定することができる。その場合、ネットワークノードは、トラフィックを一方向として分類し、UEにトラフィックを送出することを優先しないことになる。
【0042】
一実施形態によれば、eノードBは、パケットのうちの少なくとも1つがUEから外部ネットワークノードに送出されるとき、パケットの記憶のために各DRX対応UEのための1次バッファを装備する。さらに、eノードBは、パケットが外部ノードからUEにのみ向けられて送出されるとき、パケットの記憶のために各DRX対応UEのための2次バッファを装備する。1次バッファ中のパケットは、2次バッファ中のパケットよりも先にUEに送出するために優先される。eノードBは、各UEについて、通信がいつ外部アドレスからUEにのみのものであるかを示すためのフラグを含む、UEが通信している外部アドレスをもつテーブルを有し得る。
【0043】
別の実施形態によれば、パケットがマッピングされていない外部アドレスから来るとき、分類タイマーが開始され得る。分類タイマーが満了する時間までにパケットがUEから外部アドレスに送出されない場合、パケットが属する通信は一方向と見なされることになる。一方、分類タイマーが満了する時間までにパケットがUEから外部アドレスに送出された場合、通信は二方向と見なされる。
【0044】
分類タイマーが満了したとき、および分類時間中にUEからの応答がなかったとき、所与の外部アドレスについての一方向としての分類がトリガされ得る。UEが外部ノードとの通信を始動するUEであるとき、eノードBは、時間期間の間、外部アドレスを二方向として自動的にマッピングすることになる。外部アドレスが二方向として分類されたとき、外部アドレスから来る、およびUEに向けられるパケットがレガシーDRXとして扱われることになる。すなわち、パケット配信がDRXよりも優先されることになる。外部アドレスが一方向として分類されたとき、パケットは、バッファに記憶されたパケットの数がしきい値を越えるかつ/またはタイムアウトに達するまで、バッファに記憶されることになる。パケットの数がしきい値を越える場合、パケットは廃棄され得る。別の実施形態によれば、バッファがいっぱいになるかつ/またはタイムアウトに達すると、パケットは、次のアクティブ状態においてUEに配信され得る。
【0045】
一実施形態では、一方向に分類されたパケットが記憶されるバッファは、外部ノードからのUEをターゲットにするすべての一方向通信の間で共有され得る。他の実施形態では、バッファは、複数のバッファとして実装され得、各バッファは、外部IPアドレスのある範囲に関連する。
【0046】
事実上、上記で示された実施形態は、外部一方向アドレスとUEとの間の通信チャネルを、高いパケット遅延変動(ジッタ)および低い信頼性をもつチャネルとして見えるようにすることになる。
【0047】
別の実施形態によれば、マッピングされていない外部アドレス、すなわち、まだ分類されていない外部アドレスの数がある限界を超える場合、すべてのマッピングされていない外部アドレスが一方向として見なされ、したがって、そのような攻撃がボットネットのようなIPの大きいプールから始動されるときの影響を最小限に抑えることを目的として優先度を下げられ得る。
【0048】
上述のように、上記のソリューションは、LTE以外の無線通信ネットワークに適用され得る。WCDMAおよびWiMaxのような、動的スケジューラをもつネットワークでは、上記のソリューションは、スケジューラ自由度が、無線通信デバイスがスリープ/DRXモードに入ることを可能にすることを可能にすることになる。
【0049】
ダウンリンク/ページング間隔が固定である、動的スケジューラなしのネットワークでは、このソリューションは、(LoRaWANクラスBデバイスのような)単純なスケジューラ、または(WLANのためのスケジュールされた自動省電力配信(S-APSD:Scheduled Automatic Power Save Delivery)機能性のような)既存のソリューションに勝る改善を実装する可能性を提供し、したがって、一方向と見なされたトラフィックが、電力節約のほうを優先して、他のページングオケージョンに対して遅延され得る。
【0050】
図5のシグナリング図は、2つの外部IPアドレス(IP1およびIP2)から送出され、UE(UE1)にアドレス指定された、IPパケットのハンドリングのための実施形態の一例を示す。この例では、それぞれのIPアドレスとUE1との間の通信が、両方とも、示されるように、外部アドレスからUE1に向けられるのみと決定される。最初に、第1のIPアドレスIP1からの第1のIPパケットIP1
1が、UE1をサーブする無線基地局RBSに送出される(1.1)。パケットの送信順序がサフィックスでマークされ、それにより、x番目のアドレスから送出されるy番目のパケットがIPx
yとマークされる。パケットは、インターネットおよび拡張パケットコア(EPC)などの移動体通信システムのコアネットワークを介してRBSに送出され、EPCは、IPゲートウェイを有する。EPC/インターネットは、図を読み取ることを容易にするために、シグナリング図に示されていない。IP1
1の受信において、RBSは、IP1とUE1との間の通信がIP1からUE1に向けられるのみかどうかを分類するために、IP1のための分類タイマーを開始する(1.2)。次いで、IP1
1がUE1に送出される(1.3)。その後、第1のパケットIP2
1がIP2からRBSに送出され(1.4)、このパケットを受信したことに応答して、RBSは、IP2のためにも同様の分類タイマーを開始し(1.5)、IP2
1がUE1に送出される(1.6)。IP1のための分類タイマーが満了したとき(1.7)、RBSは、分類タイマー期間中にIP1とUE1との間の通信に関してRBSが受信したパケットが、IP1からUE1に向けられるのみかどうかを決定する。これが当てはまる(IP1
1が受信され、IP1
1がIP1から受信されるのみ)ので、IP1は、一方向としてフラグを付けられ(1.8)、IP1からUE1への今度のパケットは、RBSのバッファに記憶されることになり、そのバッファは、前に説明されたような2次バッファであり得る。少し後で、IP2のための分類タイマーが満了し(1.9)、RBSは、この分類タイマー期間中にIP2とUE1との間の通信に関してRBSが受信したパケットが、IP2からUE1にのみ向けられると決定し、IP2も一方向としてフラグを付けられる(1.10)。次いで、後続のパケットIP2
2がIP2から受信されたとき(1.11)、IP2
2はバッファに記憶され、バッファタイマーが動作を開始する(1.12)。IP1およびIP2から受信された後続のパケット、すなわち、1.13~1.15におけるIP1
2、IP2
3、IP1
3もバッファに記憶される。バッファタイマーがタイムアウトしたとき(1.16)、バッファ中のパケットIP1
2-3およびIP2
2-3が、UE1に送出される(1.17)。次いで、バッファが、記憶されたパケットを出して空にされる(1.18)。この例では、IP1およびIP2からのパケットのために使用される共通バッファがあるが、異なる外部アドレスのために、別個のバッファタイマーをもつ別個のバッファもあり得る。また、バッファがいっぱいになるか、または少なくともあるしきい値を上回る状況が発生し得る。この場合、一実施形態によれば、バッファがいっぱいであると決定されたとき、到着するパケットが廃棄され得る。
【0051】
図6のシグナリング図は、IP1およびIP2から送出され、UE1にアドレス指定された、IPパケットのハンドリングの別の例を示す。この例では、以下で示されるように、IP1とUE1との間の通信が、IP1からUE1に向けられるのみと決定され、IP2とUE1との間の通信が、IP2からUE1に向けられるのみではないと決定される。最初に、第1のパケットIP1
1が第1のIPアドレスIP1からUE1をサーブするRBSに送出される(2.1)。IP1
1の受信において、RBSは、IP1とUE1との間の通信がIP1からUE1に向けられるのみかどうかを分類するために、IP1のための分類タイマーを開始する(2.2)。次いで、IP1
1がUE1に送出される(2.3)。その後、第1のパケットIP2
1がIP2からRBSに送出され(2.4)、このパケットを受信したことに応答して、RBSは、IP2のためにも同様の分類タイマーを開始し(2.5)、IP2
1がUE1に送出される(2.6)。次いで、RBSは、IP2にアドレス指定されたUE1からの応答を受信する(2.7)。この受信された応答に応答して、RBSは、IP1とUE1との間の通信に関してRBSが受信したパケットがIP1からUE1に向けられるのみではないと決定し、IP1が二方向としてフラグを付けられ(2.8)、IP2のための分類タイマーが停止される。UEからの応答がIP2に配信される(2.9)。次いで、UE1へのIP2から受信された後続のパケットIP2
2(2.10)が、記憶されないが、代わりにUE1に配信される(2.10b)。少し後で、IP1のための分類タイマーが満了し(2.11)、RBSは、IP1のためのこの分類タイマー期間中にIP1とUE1との間の通信に関してRBSが受信したパケットが、IP1からUE1に向けられるのみと決定し、IP1が一方向としてもフラグを付けられる。次いで、RBSによって受信された後続のパケットIP2
3、IP2
4(2.12、2.15)が、後続のアクティブ状態においてUE1に配信される(2.12b、2.15b)ようにトリガされる。一方、IP1から受信された後続のパケットIP1
2(2.13)がバッファに記憶され、バッファタイマーが動作を開始する(2.14)。IP1から受信された後続のパケット、すなわち、IP1
3(2.16)も、バッファに記憶される。バッファタイマーがタイムアウトしたとき(2.17)、バッファ中のパケットIP1
2-3がUE1に送出される(2.18)。次いで、バッファが、記憶されたパケットを出して空にされる(2.19)。
【0052】
図7は、
図2とともに、無線通信デバイス140をハンドリングするために設定された、無線通信ネットワーク100において動作可能な無線アクセスネットワークノード130であって、無線通信デバイス140は、無線通信デバイス140が無線通信ネットワーク100から信号を受信することが可能でないアイドル状態と、無線通信デバイス140が無線通信ネットワーク100から信号を受信することが可能であるアクティブ状態との間で交替することが可能である、無線アクセスネットワークノード130を説明する。無線アクセスネットワークノード130は、処理回路要素603とメモリ604とを備える。メモリは、前記処理回路要素によって実行可能な命令を含んでおり、それにより、無線アクセスネットワークノード130は、無線通信デバイス140と無線通信ネットワーク100の外部のパケットアドレスを有する外部ノード170との間の通信に関係するパケットを受信することと、パケットが外部ノード170から無線通信デバイス140に向けられるのみかどうかを決定することとを行うために動作する。さらに、パケットが外部ノード170から無線通信デバイス140に向けられるのみと決定されたとき、無線アクセスネットワークノード130は、決定の後に、無線通信デバイスの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、無線通信デバイスに送出されるべきパケットに関係するページング通知を送出することを抑制するために動作する。また、パケットが外部ノード170から無線通信デバイス140に向けられるのみのではないと決定されたとき、無線アクセスネットワークノード130は、決定の後に、無線通信デバイスの時間的に最初に発生するアクティブ状態においてパケットに関係するページング通知を無線通信デバイスに送出するために動作する。
【0053】
一実施形態によれば、無線アクセスネットワークノード130は、受信されたパケットの記憶のための1次バッファおよび2次バッファに接続される。2次バッファは、1次バッファよりも低い優先度を有する。1次バッファは、外部ノード170から無線通信デバイス140に向けられるのみではないと決定されたパケットを記憶するように構成される。2次バッファは、外部ノード170から無線通信デバイス140に向けられるのみと決定されたパケットを記憶するように構成される。無線アクセスネットワークノード130は、パケットが外部ノード170から無線通信デバイス140に向けられるのみと決定されたとき、2次バッファにパケットを記憶するためにさらに動作する。
【0054】
一実施形態によれば、無線アクセスネットワークノード130は、2次バッファに記憶されたパケットが第1の数を超えたとき、2次バッファに記憶されたパケットのうちの少なくともいくつかを廃棄するためにさらに動作する。
【0055】
この実施形態の変形態によれば、2次バッファに記憶されたパケットが第2の数を超えたとき、無線アクセスネットワークノードは、第1の時間期間が過ぎたという条件で、無線通信デバイスが次にアクティブ状態にあるとき、2次バッファに記憶されたパケットのうちの少なくともいくつかを無線通信デバイス140に送出するために動作する。
【0056】
別の変形態によれば、無線アクセスネットワークノード130は、所定の記憶時間期間、2次バッファにパケットを記憶するために動作し、所定の記憶時間期間が経過した後に、2次バッファに記憶されたパケットを無線通信デバイス140に送出するためにさらに動作する。
【0057】
別の実施形態によれば、無線アクセスネットワークノード130は、決定時間期間中に、パケットが外部ノード170から無線通信デバイスに向けられるのみかどうかを決定するために動作し、決定時間期間が、外部ノードからまたは無線通信デバイスから初期パケットを受信したときに開始する。
【0058】
別の実施形態によれば、無線アクセスネットワークノード130は、決定時間期間中に、パケットが外部ノード170から無線通信デバイスに向けられるのみかどうかを決定するために動作し、決定時間期間が、無線通信デバイスと外部ノードとの間のハンドシェイクシーケンスの完了の後に開始する。
【0059】
別の実施形態によれば、無線アクセスネットワークノード130は、無線通信ネットワーク100の外部のパケットアドレスを有する複数の外部ノード170からパケットを受信することであって、パケットが無線通信デバイスに宛てられた、パケットを受信することと、パケットがそこから受信される複数の外部ノードの数を決定することとを行うためにさらに動作する。また、複数の外部ノードの数がしきい値を超えると決定されたとき、無線アクセスネットワークノード130は、第3の時間期間中に、複数の外部ノードからのパケットに関係するページング通知を送出することを抑制することを決定するために動作する。
【0060】
別の実施形態によれば、無線アクセスネットワークノード130は、無線通信デバイス140と無線通信ネットワーク100の外部のパケットアドレスを有する第2の外部ノード170との間の通信に関係する第2のパケットを受信することと、第2のパケットが第2の外部ノード170から無線通信デバイス140に向けられるのみかどうかを決定することとを行うためにさらに動作する。さらに、第2のパケットが第2の外部ノード170から無線通信デバイス140に向けられるのみと決定されたとき、無線アクセスネットワークノード130は、第2のパケットの決定の後に、無線通信デバイスの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、無線通信デバイスに第2のパケットに関係するページング通知を送出することを抑制するために動作する。さらに、第2のパケットが第2の外部ノード170から無線通信デバイス140に向けられるのみではないと決定されたとき、無線アクセスネットワークノード130は、第2のパケットの決定の後に、無線通信デバイスの時間的に最初に発生するアクティブ状態において第2のパケットに関係するページング通知を無線通信デバイスに送出するために動作する。
【0061】
別の実施形態によれば、無線通信デバイス140は、間欠受信モード(DRXモード)対応無線通信デバイスであり、アイドル状態はDRXスリープ状態であり、アクティブ状態はDRXアクティブ状態である。
【0062】
他の実施形態によれば、無線アクセスネットワークノード130は、通信ユニット602をさらに備え得、通信ユニット602は、コアネットワーク150とのまたはネットワーク100における他の無線アクセスネットワークノードとの通信のための従来の手段を備えると見なされ得る。通信ユニット602は、無線送信および受信のためのトランシーバなど、UE140との無線通信のための従来の手段をも備え得る。前記処理回路要素603によって実行可能な命令は、たとえば、前記メモリ604に記憶されたコンピュータプログラム605として構成され得る。処理回路要素603およびメモリ604は、サブ構成601において構成され得る。サブ構成601は、上述の方法を実施するように設定された、マイクロプロセッサおよび十分なソフトウェアおよびストレージ、したがって、プログラマブル論理デバイス(PLD)、または他の(1つまたは複数の)電子的構成要素/(1つまたは複数の)処理回路であり得る。処理回路要素603は、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または、命令を実行するように適応されたこれらの組合せを備え得る。
【0063】
コンピュータプログラム605は、その命令が処理回路要素において動作させられたとき、それらの命令が、無線アクセスネットワークノード130に、無線アクセスネットワークノード130の説明された実施形態およびその方法のうちのいずれかにおいて説明されたステップを実施させるように構成され得る。コンピュータプログラム605は、処理回路要素603に接続可能なコンピュータプログラム製品によって搬送され得る。コンピュータプログラム製品は、メモリ604であるか、または少なくともメモリにおいて構成され得る。メモリ604は、たとえば、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(読取り専用メモリ)またはEEPROM(電気的消去可能プログラマブルROM)として実現され得る。さらに、コンピュータプログラム605は、CD、DVDまたはフラッシュメモリなど、別個のコンピュータ可読媒体によって搬送され得、そこからプログラムがメモリ604にダウンロードされ得る。代替的に、コンピュータプログラムは、無線アクセスネットワークノード130が通信ユニット602を介してアクセスできる無線通信ネットワーク100に接続されたサーバまたは任意の他のエンティティに記憶され得る。コンピュータプログラム605は、次いで、サーバからメモリ604にダウンロードされ得る。
【0064】
図8は、
図2とともに、無線通信ネットワーク100において動作可能な無線アクセスネットワークノード130の別の実施形態を示す。無線アクセスネットワークノード130は、無線通信デバイス140をハンドリングするために設定され、無線通信デバイス140は、無線通信デバイス140が無線通信ネットワーク100から信号を受信することが可能でないアイドル状態と、無線通信デバイス140が無線通信ネットワーク100から信号を受信することが可能であるアクティブ状態との間で交替することが可能である。無線アクセスネットワークノード130は、無線通信デバイス140と無線通信ネットワーク100の外部のパケットアドレスを有する外部ノード170との間の通信に関係するパケットを受信するための受信モジュール704と、パケットが外部ノード170から無線通信デバイス140に向けられるのみかどうかを決定するための決定モジュール706とを備える。無線アクセスネットワークノード130は、パケットが外部ノード170から無線通信デバイス140に向けられるのみと決定されたとき、決定の後に、無線通信デバイスの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、無線通信デバイスに送出されるべきパケットに関係するページング通知を送出することを抑制するための送出抑制モジュール708をさらに備える。無線アクセスネットワークノードは、パケットが外部ノード170から無線通信デバイス140に向けられるのみではないと決定されたとき、決定の後に、無線通信デバイスの時間的に最初に発生するアクティブ状態においてパケットに関係するページング通知を無線通信デバイスに送出するための送出モジュール710をさらに備える。無線アクセスネットワークノード130は、
図7で説明された通信ユニットと同様の通信ユニット602をさらに備え得る。一実施形態では、
図8のモジュールは、
図7に示されている処理回路要素603など、処理回路要素上で動作するコンピュータプログラムとして実装される。
【0065】
図9を参照すると、一実施形態によれば、通信システムが、無線アクセスネットワークなどのアクセスネットワーク3211とコアネットワーク3214とを備える、3GPPタイプセルラーネットワークなどの通信ネットワーク3210を含む。アクセスネットワーク3211は、NB、eNB、gNBまたは他のタイプの無線アクセスポイントなど、複数の基地局3212a、3212b、3212cを備え、各々、対応するカバレッジエリア3213a、3213b、3213cを規定する。各基地局3212a、3212b、3212cは、有線接続または無線接続3215を介してコアネットワーク3214に接続可能である。カバレッジエリア3213c中に位置する第1のユーザ機器(UE)3291は、対応する基地局3212cに無線で接続するか、または対応する基地局3212cによってページングされるように設定される。カバレッジエリア3213a中の第2のUE3292は、対応する基地局3212aに無線で接続可能である。この例では複数のUE3291、3292が示されているが、開示される実施形態は、唯一のUEがカバレッジエリア中にある状況、または、唯一のUEが、対応する基地局3212に接続している状況に、等しく適用可能である。
【0066】
通信ネットワーク3210は、それ自体、ホストコンピュータ3230に接続され、ホストコンピュータ3230は、スタンドアロンサーバ、クラウド実装されたサーバ、分散サーバのハードウェアおよび/またはソフトウェアで、あるいはサーバファーム中の処理リソースとして具現され得る。ホストコンピュータ3230は、サービスプロバイダの所有または制御下にあり得るか、あるいはサービスプロバイダによってまたはサービスプロバイダの代わりに動作され得る。通信ネットワーク3210とホストコンピュータ3230との間の接続3221、3222が、コアネットワーク3214からホストコンピュータ3230まで直接延び得るか、または随意の中間ネットワーク3220を介して進み得る。中間ネットワーク3220は、公衆ネットワーク、プライベートネットワークまたはホストされたネットワークのうちの1つ、あるいはそれらのうちの2つ以上の組合せであり得、中間ネットワーク3220は、もしあれば、バックボーンネットワークまたはインターネットであり得、特に、中間ネットワーク3220は、2つまたはそれ以上のサブネットワーク(図示せず)を備え得る。
【0067】
図9の通信システムは全体として、接続されたUE3291、3292のうちの1つとホストコンピュータ3230との間の接続性を可能にする。接続性は、オーバーザトップ(OTT)接続3250として説明され得る。ホストコンピュータ3230および接続されたUE3291、3292は、媒介としてアクセスネットワーク3211、コアネットワーク3214、何らかの中間ネットワーク3220、および可能なさらなるインフラストラクチャ(図示せず)を使用して、OTT接続3250を介してデータおよび/またはシグナリングを通信するように設定される。OTT接続3250は、OTT接続3250が通過する関与する通信デバイスが、アップリンク通信およびダウンリンク通信のルーティングに気づいていないという意味で、透過的であり得る。たとえば、基地局3212は、接続されたUE3291にフォワーディング(たとえば、ハンドオーバ)されるべき、ホストコンピュータ3230から発生したデータを伴う着信ダウンリンク通信の過去のルーティングに関して、通知されないことがあり、または通知される必要がない。同様に、基地局3212は、UE3291から発生してホストコンピュータ3230に向かう発信アップリンク通信の将来ルーティングに気づいている必要がない。
【0068】
次に、一実施形態による、前の段落において説明されたUE、基地局およびホストコンピュータの例示的な実装形態が、
図10を参照しながら説明される。通信システム3300では、ホストコンピュータ3310は、通信システム3300の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線接続または無線接続をセットアップおよび維持するように設定された通信インターフェース3316を含む、ハードウェア3315を備える。ホストコンピュータ3310は、記憶能力および/または処理能力を有し得る、処理回路要素3318をさらに備える。特に、処理回路要素3318は、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または、命令を実行するように適応されたこれらの組合せ(図示せず)を備え得る。ホストコンピュータ3310は、ホストコンピュータ3310に記憶されるかまたはホストコンピュータ3310によってアクセス可能であり、処理回路要素3318によって実行可能である、ソフトウェア3311をさらに備える。ソフトウェア3311は、ホストアプリケーション3312を含む。ホストアプリケーション3312は、UE3330およびホストコンピュータ3310において終端するOTT接続3350を介して接続するUE3330など、リモートユーザにサービスを提供するように動作可能であり得る。リモートユーザにサービスを提供する際に、ホストアプリケーション3312は、OTT接続3350を使用して送信されるユーザデータを提供し得る。
【0069】
通信システム3300は、通信システム中に提供される基地局3320をさらに含み、基地局3320は、基地局3320がホストコンピュータ3310およびUE3330と通信することを可能にするハードウェア3325を備える。ハードウェア3325は、通信システム3300の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線接続または無線接続をセットアップおよび維持するための通信インターフェース3326、ならびに基地局3320によってサーブされるカバレッジエリア(
図10に図示せず)中に位置するUE3330との少なくとも無線接続3370をセットアップおよび維持するための無線インターフェース3327を含み得る。通信インターフェース3326は、ホストコンピュータ3310への接続3360を容易にするように設定され得る。接続3360は直接であり得るか、あるいは接続3360は、通信システムのコアネットワーク(
図10に図示せず)を、かつ/または通信システムの外側の1つまたは複数の中間ネットワークを通過し得る。図示の実施形態では、基地局3320のハードウェア3325は、処理回路要素3328をさらに含み、処理回路要素3328は、命令を実行するように適応された、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示せず)を備え得る。基地局3320は、内部的に記憶されるかまたは外部接続を介してアクセス可能なソフトウェア3321をさらに有する。
【0070】
通信システム3300は、すでに言及されたUE3330をさらに含む。そのハードウェア3335は、UE3330が現在位置するカバレッジエリアをサービスする基地局との無線接続3370をセットアップおよび維持するように設定された、無線インターフェース3337を含み得る。UE3330のハードウェア3335は、処理回路要素3338をさらに含み、処理回路要素3338は、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または、命令を実行するように適応されたこれらの組合せ(図示せず)を備え得る。UE3330は、UE3330に記憶されるかまたはUE3330によってアクセス可能であり、処理回路要素3338によって実行可能である、ソフトウェア3331をさらに備える。ソフトウェア3331はクライアントアプリケーション3332を含む。クライアントアプリケーション3332は、ホストコンピュータ3310のサポートを伴って、UE3330を介して人間のまたは人間でないユーザにサービスを提供するように動作可能であり得る。ホストコンピュータ3310では、実行しているホストアプリケーション3312は、UE3330およびホストコンピュータ3310において終端するOTT接続3350を介して、実行しているクライアントアプリケーション3332と通信し得る。ユーザにサービスを提供する際に、クライアントアプリケーション3332は、ホストアプリケーション3312から要求データを受信し、要求データに応答してユーザデータを提供し得る。OTT接続3350は、要求データとユーザデータの両方を転送し得る。クライアントアプリケーション3332は、クライアントアプリケーション3332が提供するユーザデータを生成するためにユーザと対話し得る。
【0071】
図10に示されているホストコンピュータ3310、基地局3320およびUE3330は、それぞれ、
図9のホストコンピュータ3230、基地局3212a、3212b、3212cのうちの1つ、およびUE3291、3292のうちの1つと同等であり得ることに留意されたい。つまり、これらのエンティティの内部の働きは、
図10に示されているようなものであり得、別個に、周囲のネットワークトポロジーは、
図9のものであり得る。
【0072】
図10では、OTT接続3350は、中間デバイスとこれらのデバイスを介したメッセージの正確なルーティングとへの明示的言及なしに、基地局3320を介したホストコンピュータ3310とユーザ機器3330との間の通信を示すために、抽象的に描かれている。ネットワークインフラストラクチャが、ルーティングを決定し得、ネットワークインフラストラクチャは、UE3330からまたはホストコンピュータ3310を動作させるサービスプロバイダから、またはその両方からルーティングを隠すように設定され得る。OTT接続3350がアクティブである間、ネットワークインフラストラクチャは、さらに、ネットワークインフラストラクチャが、(たとえば、ネットワークの負荷分散考慮事項または再設定に基づいて)ルーティングを動的に変更する決定を行い得る。
【0073】
UE3330と基地局3320との間の無線接続3370は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従う。様々な実施形態のうちの1つまたは複数は、無線接続3370が最後のセグメントを形成するOTT接続3350を使用して、UE3330に提供されるOTTサービスの性能を改善する。より正確には、これらの実施形態の教示は、UEがより長い時間期間の間アイドルモードに保たれ得るので、UEの電力消費を改善し得、さらに、UEにとって受信するのに関心のないデータが無線基地局において廃棄され得るので、UEのユーザにとって関心のあるデータが拡張されたデータレートで送出され得、すなわち、UE関連データのダウンストリーム通信のための拡張されたレートが達成される。それにより、延長されたバッテリー寿命およびより良い応答性などの利益が達成され得る。
【0074】
1つまたは複数の実施形態が改善する、データレート、レイテンシおよび他のファクタを監視する目的での、測定プロシージャが提供され得る。測定結果の変動に応答して、ホストコンピュータ3310とUE3330との間のOTT接続3350を再設定するための随意のネットワーク機能性がさらにあり得る。測定プロシージャおよび/またはOTT接続3350を再設定するためのネットワーク機能性は、ホストコンピュータ3310のソフトウェア3311においてまたはUE3330のソフトウェア3331において、またはその両方において実装され得る。実施形態では、OTT接続3350が通過する通信デバイスにおいて、またはその通信デバイスに関連して、センサー(図示せず)が展開され得、センサーは、上記で例示された監視された量の値を供給すること、またはソフトウェア3311、3331が監視された量を算出または推定し得る他の物理量の値を供給することによって、測定プロシージャに参加し得る。OTT接続3350の再設定は、メッセージフォーマット、再送信セッティング、好ましいルーティングなどを含み得、再設定は、基地局3320に影響を及ぼす必要がなく、再設定は、基地局3320に知られていないかまたは知覚不可能であり得る。そのようなプロシージャおよび機能性は、当技術分野において知られ、実施され得る。いくつかの実施形態では、測定は、スループット、伝搬時間、レイテンシなどのホストコンピュータ3310の測定を容易にするプロプライエタリUEシグナリングを伴い得る。測定は、ソフトウェア3311、3331が、ソフトウェア3311、3331が伝搬時間、エラーなどを監視する間にOTT接続3350を使用して、メッセージ、特に空のまたは「ダミー」メッセージが送信されることを引き起こすことにおいて、実装され得る。
【0075】
図11は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図9および
図10を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、
図11への図面参照のみがこのセクションに含まれる。方法の第1のステップ3410において、ホストコンピュータはユーザデータを提供する。第1のステップ3410の随意のサブステップ3411において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する。第2のステップ3420において、ホストコンピュータは、UEにユーザデータを搬送する送信を始動する。随意の第3のステップ3430において、基地局は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、ホストコンピュータが始動した送信において搬送されたユーザデータをUEに送信する。随意の第4のステップ3440において、UEは、ホストコンピュータによって実行されたホストアプリケーションに関連するクライアントアプリケーションを実行する。
【0076】
図12は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図9および
図10を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、
図12への図面参照のみがこのセクションに含まれる。方法の第1のステップ3510において、ホストコンピュータはユーザデータを提供する。随意のサブステップ(図示せず)において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する。第2のステップ3520において、ホストコンピュータは、UEにユーザデータを搬送する送信を始動する。送信は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、基地局を介して進み得る。随意の第3のステップ3530において、UEは、送信において搬送されたユーザデータを受信する。
【0077】
図13は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図9および
図10を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、
図13への図面参照のみがこのセクションに含まれる。方法の随意の第1のステップ3610において、UEは、ホストコンピュータによって提供された入力データを受信する。追加または代替として、随意の第2のステップ3620において、UEはユーザデータを提供する。第2のステップ3620の随意のサブステップ3621において、UEは、クライアントアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する。第1のステップ3610のさらなる随意のサブステップ3611において、UEは、ホストコンピュータによって提供された受信された入力データに反応してユーザデータを提供する、クライアントアプリケーションを実行する。ユーザデータを提供する際に、実行されたクライアントアプリケーションは、ユーザから受信されたユーザ入力をさらに考慮し得る。ユーザデータが提供された特定の様式にかかわらず、UEは、随意の第3のサブステップ3630において、ホストコンピュータへのユーザデータの送信を始動する。方法の第4のステップ3640において、ホストコンピュータは、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、UEから送信されたユーザデータを受信する。
【0078】
図14は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図9および
図10を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、
図14への図面参照のみがこのセクションに含まれる。方法の随意の第1のステップ3710において、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、基地局は、UEからユーザデータを受信する。随意の第2のステップ3720において、基地局は、ホストコンピュータへの、受信されたユーザデータの送信を始動する。第3のステップ3730において、ホストコンピュータは、基地局によって始動された送信において搬送されたユーザデータを受信する。
【0079】
番号付けされた実施形態:
5. ホストコンピュータを含む通信システムであって、
ユーザデータを提供するように設定された処理回路要素と、
ユーザ機器(UE)への送信のためにユーザデータをセルラーネットワークにフォワーディングするように設定された通信インターフェースと
を備え、
セルラーネットワークが、無線インターフェースと処理回路要素とを有する基地局を備え、基地局の処理回路要素は、
UEと無線通信ネットワークの外部のパケットアドレスを有する外部ノードとの間の通信に関係するパケットを受信することと、
パケットが外部ノードからUEに向けられるのみかどうかを決定することと、
パケットが外部ノードからUEに向けられるのみと決定されたとき、決定の後に、UEの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、UEに送出されるべきパケットに関係するページング通知を送出することを抑制することと、
パケットが外部ノードからUEに向けられるのみではないと決定されたとき、決定の後に、UEの時間的に最初に発生するアクティブ状態においてパケットに関係するページング通知をUEに送出することと
を行うために設定された、
通信システム。
6. 基地局をさらに含む、実施形態5に記載の通信システム。
7. UEをさらに含み、UEが基地局と通信するように設定された、実施形態6に記載の通信システム。
8. ホストコンピュータの処理回路要素が、ホストアプリケーションを実行し、それによりユーザデータを提供するように設定され、
UEが、ホストアプリケーションに関連するクライアントアプリケーションを実行するように設定された処理回路要素を備える、
実施形態7に記載の通信システム。
15. ホストコンピュータと、基地局と、ユーザ機器(UE)とを含む通信システムにおいて実装される方法であって、方法が、
ホストコンピュータにおいて、ユーザデータを提供することと、
ホストコンピュータにおいて、基地局を備えるセルラーネットワークを介してUEにユーザデータを搬送する送信を始動することと
を含み、基地局は、
UEと無線通信ネットワークの外部のパケットアドレスを有する外部ノードとの間の通信に関係するパケットを受信することと、
パケットが外部ノードからUEに向けられるのみかどうかを決定することと、
パケットが外部ノードからUEに向けられるのみと決定されたとき、決定の後に、UEの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、UEに送出されるべきパケットに関係するページング通知を送出することを抑制することと、
パケットが外部ノードからUEに向けられるのみではないと決定されたとき、決定の後に、UEの時間的に最初に発生するアクティブ状態においてパケットに関係するページング通知をUEに送出することと
を行っている、
方法。
16. 基地局において、ユーザデータを送信すること
をさらに含む、実施形態15に記載の方法。
17. ユーザデータが、ホストアプリケーションを実行することによって、ホストコンピュータにおいて提供され、方法が、
UEにおいて、ホストアプリケーションに関連するクライアントアプリケーションを実行すること
をさらに含む、実施形態16に記載の方法。
65. ホストコンピュータを含む通信システムであって、ホストコンピュータは、ユーザ機器(UE)から基地局への送信から発生したユーザデータを受信するように設定された通信インターフェースを備え、基地局が無線インターフェースと処理回路要素とを備え、基地局の処理回路要素は、
UEと無線通信ネットワークの外部のパケットアドレスを有する外部ノードとの間の通信に関係するパケットを受信することと、
パケットが外部ノードからUEに向けられるのみかどうかを決定することと、
パケットが外部ノードからUEに向けられるのみと決定されたとき、決定の後に、UEの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、UEに送出されるべきパケットに関係するページング通知を送出することを抑制することと、
パケットが外部ノードからUEに向けられるのみではないと決定されたとき、決定の後に、UEの時間的に最初に発生するアクティブ状態においてパケットに関係するページング通知をUEに送出することと
を行うために設定された、通信システム。
66. 基地局をさらに含む、実施形態65に記載の通信システム。
67. UEをさらに含み、UEが基地局と通信するように設定された、実施形態66に記載の通信システム。
68. ホストコンピュータの処理回路要素が、ホストアプリケーションを実行するように設定され、
UEが、ホストアプリケーションに関連するクライアントアプリケーションを実行し、それによりホストコンピュータによって受信されるべきユーザデータを提供するように設定された、
実施形態67に記載の通信システム。
75. ホストコンピュータと、基地局と、ユーザ機器(UE)とを含む通信システムにおいて実装される方法であって、方法は、
ホストコンピュータにおいて、基地局から、基地局がUEから受信した送信から発生したユーザデータを受信することであって、基地局は、
UEと無線通信ネットワークの外部のパケットアドレスを有する外部ノードとの間の通信に関係するパケットを受信することと、
パケットが外部ノードからUEに向けられるのみかどうかを決定することと、
パケットが外部ノードからUEに向けられるのみと決定されたとき、決定の後に、UEの少なくとも時間的に最初に発生するアクティブ状態を含む第1の時間期間の間、UEに送出されるべきパケットに関係するページング通知を送出することを抑制することと、
パケットが外部ノードからUEに向けられるのみではないと決定されたとき、決定の後に、UEの時間的に最初に発生するアクティブ状態においてパケットに関係するページング通知をUEに送出することと
を行っている、
方法。
76. 基地局において、UEからユーザデータを受信すること
をさらに含む、実施形態75に記載の方法。
77. 基地局において、ホストコンピュータへの、受信されたユーザデータの送信を始動すること
をさらに含む、実施形態76に記載の方法。
【0080】
上記の説明は複数の特異性を含んでいるが、これらの特異性は、本明細書で説明される概念の範囲を限定するものとして解釈されるべきでなく、説明される概念のいくつかの例となる実施形態の例示を単に提供するにすぎないものとして解釈されるべきである。ここで説明される概念の範囲は、当業者に明らかになり得る他の実施形態を完全に包含すること、したがって、ここで説明される概念の範囲は限定されるものでないことが諒解されよう。単数形でのエレメントへの言及は、明示的にそのように述べられない限り、「唯一」を意味するものでなく、むしろ「1つまたは複数」を意味するものとする。当業者に知られている、上記で説明された実施形態のエレメントに対するすべての構造的および機能的等価物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、本明細書によって包含されるものとする。その上、装置または方法が、本明細書によって包含されるために、ここで説明される概念によって解決されるべきあらゆる問題に対処する必要はない。例示的な図では、破線は、概して、破線内の特徴が随意であることを表す。