(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】皮膚相互連結部材を含む剃毛かみそりシステム
(51)【国際特許分類】
B26B 21/52 20060101AFI20220712BHJP
B26B 21/22 20060101ALI20220712BHJP
B26B 21/44 20060101ALI20220712BHJP
B26B 21/48 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
B26B21/52 C
B26B21/22 Z
B26B21/44 B
B26B21/48
(21)【出願番号】P 2020549670
(86)(22)【出願日】2019-03-27
(86)【国際出願番号】 US2019024176
(87)【国際公開番号】W WO2019191158
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-09-15
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】316015877
【氏名又は名称】ザ ジレット カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE GILLETTE COMPANY LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アショク バクル パテル
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0001496(US,A1)
【文献】特開2001-259262(JP,A)
【文献】特表2015-515884(JP,A)
【文献】米国特許第06223442(US,B1)
【文献】特表2015-510837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 21/00 - 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
剃毛かみそりシステムであって、
ハウジングを備えるかみそりカートリッジであって、前記ハウジングは、前方側部と、前記ハウジングに装着される前方刃とを有し、前記前方刃は、前記ハウジングの前記前方側部に対して最も近位側にある、かみそりカートリッジと、
近位端部分と、遠位端部分
を備えるハンドルと、
皮膚とのインターフェース表面を有する、少なくとも1つの皮膚相互連結部材と
、
それぞれ、第1の軸A1、第2の軸A2、第3の軸A3、第4の軸A4、および、第5の軸A5を中心とした、前記ハンドルに対する前記少なくとも1つの皮膚相互連結部材の回転を可能にする、第1、第2、第3、第4および第5の旋回機構のうち、少なくとも前記第1の軸A1を中心とした回転を可能にする前記第1の旋回機構を備える旋回組立体であって、前記第1の軸A1は、前記ハンドルに対して横行する、前記旋回組立体と
を含み、
構成要素の物理的連結の順序は、前記かみそりカートリッジが、旋回しないように、前記少なくとも1つの皮膚相互連結部材に連結され、前記少なくとも1つの皮膚相互連結部材が、前記旋回組立体に連結され、前記旋回組立体が、前記ハンドルに連結される、剃毛かみそりシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの皮膚相互連結部材は、前記ハンドルに対する前記かみそりカートリッジの旋回点Pを設けるために、前記ハウジングと接合され、前記旋回点Pは、前方刃縁部から最大で約3.5mm前方まで、前記前方刃縁部から最大で約11mm後方まで、剃毛平面Sから最大で約1mm上方まで、前記剃毛平面Sから最大で約2.5mm下方までに位置し、前記少なくとも1つの皮膚相互連結部材は前記ハウジングに対して旋回しない、請求項1に記載の剃毛かみそりシステム。
【請求項3】
前記皮膚相互連結部材と前記ハンドルの近位端部分との旋回関係は、1つ以上の転動体軸受から構成され、
前記第1の軸A1
を中心とした回転を可能にする前記第1の旋回機構は、1つ以上の転動体軸受又はそれらの組み合わせを備える、請求項1に記載の剃毛かみそりシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの皮膚相互連結部材は、流体要素、熱要素、皮膚振動要素、ヘアトリマ、脱毛器、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の剃毛かみそりシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの皮膚相互連結部材は、台形プリズム形状を備える、請求項1に記載の剃毛かみそりシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの皮膚相互連結部材の頂部表面は、前記かみそりカートリッジの剃毛表面上に配設されていない、請求項1に記載の剃毛かみそりシステム。
【請求項7】
前記ハンドルは約57グラム~約150グラムの質量を備える、請求項1に記載の剃毛かみそりシステム。
【請求項8】
前記かみそりカートリッジは、前記ハンドルの前記近位端部分に前記かみそりカートリッジを交換可能に固定するために、前記少なくとも1つの皮膚相互連結部材と解放可能に係合される、請求項1に記載の剃毛かみそりシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの皮膚相互連結部材は、約20mm~約40mmの長さ、約1.5mm~約5mmの幅、約300mm
3超の体積、約40mm
2~約120mm
2の頂部表面積、又はこれらの任意の組み合わせを有する、請求項1に記載の剃毛かみそりシステム。
【請求項10】
1つ以上の
流体を分配するポートが、前記少なくとも1つの皮膚相互連結部材の頂部表面上に配設される、請求項1に記載の剃毛かみそりシステム。
【請求項11】
前記ハンドルの近位端部分に対する前記皮膚相互連結部材の旋回関係は、1つ以上の摺動接触軸受から構成される、請求項1に記載の剃毛かみそりシステム。
【請求項12】
前記ハンドルは、ハンドルネックエリアと、ハンドル本体とを備え、剃毛平面Sと前記ハンドル本体の中間平面PL2との間のPL1~PL2の内角は、約-60度~+90度である、請求項1に記載の剃毛かみそりシステム。
【請求項13】
前記ハンドルは、ハンドルネックエリアと、ハンドル本体とを備え、前記ハンドル本体の中間平面PL2と前記ハンドルネックエリアの中間平面PL3との間のPL2~PL3の内角は、約-100度~+100度である、請求項1に記載の剃毛かみそりシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの皮膚相互連結部材は、前記ハンドルに対する前記かみそりカートリッジの旋回点Pを設けるために、前記ハウジングの前記少なくとも1つの開口部内に接合され、前記旋回点Pは、前方刃縁部から最大で約3.5mm前方まで、前記前方刃縁部から最大で約11mm後方まで、剃毛平面Sから最大で約1mm上方まで、前記剃毛平面Sから最大で約2.5mm下方までに位置し、前記少なくとも1つの皮膚相互連結部材は前記ハウジングに対して旋回しない、請求項1に記載の剃毛かみそりシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は剃毛かみそりシステムに関し、より詳細には、少なくとも1つの皮膚相互連結部材を含む剃毛かみそりシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
かみそりカートリッジは、ユーザーの毛髪をカット又は剃毛するように設計されている。カートリッジは、少なくとも1つの鋭利なエッジを有する1つ以上の刃を備える。刃は、ハウジングと一般的に称されるものによって適所に保持される。ハウジングは典型的には、全体的な剃毛体験を改善するために1つ以上の機構を包含する。こうした一般的な機構には、刃の前方のハウジング上に位置するガード、及び刃の後ろに位置するキャップが挙げられる。ガードは、多くの場合、エラストマー部材を包含し、キャップは、多くの場合、ある種の潤滑ストリップを包含する。
【0003】
膨大な数のかみそりカートリッジ構造が現在市販されている。大きなガードを有するものもあり、小さなガードを有するものもあり、いくつかのガードはフィンを有するエラストマー部材を有し、他のガードは凹を有するエラストマー部材を有し、いくつかのガードは潤滑ストリップを有する。同様に、大きなキャップを有するかみそりカートリッジもあり、小さなキャップを有するかみそりカートリッジもあり、いくつかのキャップは潤滑ストリップを有する。今日のほとんどのかみそりは、キャップ、潤滑ストリップ、石鹸要素、及び/又は皮膚係合エラストマーフィン要素を介して、かみそりカートリッジに直接皮膚効果をもたらすものである。
【0004】
今日入手可能なほとんどの湿式剃毛システムは、ハンドルに取り付けるタイプのかみそりカートリッジを使用している。かみそりカートリッジ内の刃の切れ味が悪くなった後、かみそりカートリッジは廃棄されてもよく、また新しいかみそりカートリッジが同じハンドルに取り付けられてもよい。ユーザーは典型的には、非常に長い時間にわたってハンドルを握持する。かみそりカートリッジをハンドルに取り付けるために様々な技術が用いられてきた。ほとんどの技術は、かみそりカートリッジが主軸を中心として制御された様式で旋回することを可能にする方式で、かみそりカートリッジをハンドルに取り付けることを含む。かみそりカートリッジを旋回可能に取り付けることにより、かみそりカートリッジに装着されている刃は、ハンドルの向きに関係なく皮膚表面の輪郭をなぞることが可能になる。本かみそりカートリッジは、制限の間で旋回可能であり、通常は、ハンドルに対して好ましい中立の角度位置に向かって付勢される。かみそりカートリッジをハンドルに対して分離するために様々な技術が用いられてきた。ほとんどの技術は、ハンドルがカートリッジに取り付けられるときにかみそりカートリッジの隣に離間される、ハンドル上に装着されたカートリッジ排出機構を含んでいる。かみそりカートリッジ上に配設された旋回機能、及びかみそりカートリッジとハンドルとの間の旋回機能及びカートリッジ排出機構は、製造するのに費用がかかりかつ複雑である。
【0005】
更に、消費者の要求を満たすため、多数のカートリッジ設計が構成されてきた。数多く設計するにはコストがかかるが、それと等しい努力がそれぞれの設計に費やされる。即ち、各カートリッジはゼロから設計され、その結果、1つのカートリッジを製造するために用いられる成形型及び製造設備のいずれもが、異なる設計のカートリッジの製造に利用することはできない。例えば、ジレット(Gillette)(商標)マッハスリー(Mach3)(商標)かみそりカートリッジの製造に使用される成形型及び生産設備は、ジレット(Gillette)(商標)フュージョン(Fusion)(商標)かみそりカートリッジを製造するためには使用され得ない。製品デザイン、成形型及び生産設備を各製品ごとに別々に作らなければならないので、これは結果的に原価高となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、消費者の要求を満たすように異なるかみそりカートリッジを生産するための費用及び労力を、代替的でかつ全体的なかみそり設計によって低減することが要求されている。
【0007】
理想的には、迅速で、容易で、直感的で、かつ安全なハンドルへの取り付けが可能な刃を収容する標準的な刃ユニットを用いて開始することが好まれる。しかしながら、ハンドルに対して旋回可能であるが、製造及び組立がより単純でかつより低コストであるかみそりカートリッジを得ることが求められている。
【0008】
次いで、標準的な刃ユニット又は少数の標準的な刃ユニットに対してハンドルの様々な構成を使用する柔軟性を有することができる。本発明の目的は、ハンドルの旋回部として所望の皮膚効果を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はかみそりシステムを対象とする。本かみそりシステムは、前方側部とハウジングに装着される前方刃とを有するハウジングを備えるかみそりカートリッジを含み、前方刃はハウジングの前方側部に対して最も近位側にある。かみそりシステムはまたハンドルを含み、ハンドルは、近位端部分と、遠位端部分と、少なくとも1つの皮膚相互連結部材と、第1の軸A1を中心とした少なくとも1つの皮膚相互連結部材の回転を可能にする第1のA1旋回機構であって、軸A1はハンドルに対して回転する、第1のA1旋回機構と、1つ以上の軸A2、A3、A4、A5、又はそれらの組み合わせを中心とした少なくとも1つの皮膚相互連結部材の回転を可能にする少なくとも1つ以上の旋回機構であって、軸A2、軸A3、軸A4、及び軸A5の各々はハンドルに対して回転する、1つ以上の旋回機構と、を含む。
【0010】
一態様では、かみそりシステム構成要素の物理的連結の順序は、ハンドルの遠位端部分からA1旋回機構へと最も遠く離れたところから開始して、(1)かみそりカートリッジ、(2)皮膚相互連結部材、(3)軸A2、軸A3、軸A4、軸A5又はこれらの組み合わせを中心とした皮膚相互連結部材の回転を可能にする少なくとも1つ以上の旋回機構、である。
【0011】
別の実施形態では、本発明は、近位端部分と、遠位端部分と、少なくとも1つの皮膚相互連結部材と、軸A1を中心とした少なくとも1つの皮膚相互連結部材の回転を可能にするA1旋回機構と、軸A2、軸A3、軸A4、軸A5、又はそれらの組み合わせを中心とした少なくとも1つの皮膚相互連結部材の回転を可能にする少なくとも1つ以上の旋回機構と、を含んだかみそりハンドルを対象とする。かみそりハンドル構成要素の物理的連結の順序は、ハンドルの遠位端部分からA1旋回機構へと最も遠く離れたところから開始して、(1)かみそりカートリッジ、(2)皮膚相互連結部材、(3)軸A2、軸A3、軸A4、軸A5又はこれらの組み合わせを中心とした当該皮膚相互連結部材の回転を可能にする少なくとも1つ以上の旋回機構、である。
【0012】
一態様では、少なくとも1つの皮膚相互連結部材は、ハンドルに対するかみそりカートリッジの旋回点Pを設けるために、ハウジングと接合され、旋回点Pは、前方刃縁部から最大で約3.5mm前方まで、前方刃縁部の最大で約11mm後方まで、剃毛平面Sから最大で約1mm上方まで、剃毛平面Sから最大で約2.5mm下方までに位置し、少なくとも1つの皮膚相互連結部材はハウジングに対して旋回しない。
【0013】
別の態様では、ハンドルの近位端部分に対する皮膚相互連結部材の旋回関係は、1つ以上の転動体軸受又は1つ以上の摺動接触軸受を含む。軸A1を中心とした回転を可能にする機構は、1つ以上の転動体軸受を含む。
【0014】
更に別の態様では、少なくとも1つの皮膚相互連結部材は、流体要素、熱要素、皮膚振動要素、ヘアトリマ、脱毛器、又はこれらの任意の組み合わせを含む。少なくとも1つの皮膚相互連結部材は、台形プリズム形状を有する。少なくとも1つの皮膚相互連結部材の頂部表面は、かみそりカートリッジの剃毛表面上に配設されない。少なくとも1つの皮膚相互連結部材は、約20mm~約40mmの長さ、約1.5mm~約5mmの幅、約300mm3超の体積、約40mm2~約120mm2の頂部表面積、又はこれらの任意の組み合わせを有する。少なくとも1つの皮膚相互連結部材は、皮膚インターフェース表面を有する。1つ以上のポートが、少なくとも1つの皮膚相互連結部材の頂部表面上に配設される。
【0015】
一実施形態では、ハンドルは、約57グラム~約150グラムの質量を有する。
【0016】
別の実施形態において、かみそりカートリッジは、ハンドルの近位端部分にかみそりカートリッジを交換可能に固定するために、少なくとも1つの皮膚相互連結部材と解放可能に係合される。構成要素の物理的連結の順序は、かみそりカートリッジが皮膚相互連結部材に連結されること、皮膚相互連結部材が、軸A4及び/又は軸A3及び/又は軸A2を中心とした回転を可能にする機構に連結されること、軸A4機構及び/又は軸A3機構及び/又は軸A2機構が、軸A1を中心とした回転を可能にする機構に連結されること、軸A1機構がハンドルに連結されることを含む。
【0017】
ハンドルは、ハンドルネックエリアと、ハンドル本体とを含み、剃毛平面Sとハンドル本体の中間平面PL2との間のPL1~PL2の内角は、約-60度~+90度である。別の実施形態では、ハンドルは、ハンドルネックエリアと、ハンドル本体とを含み、剃毛平面Sとハンドル本体の中間平面PL2との間のPL1~PL2の内角は、約-45度~+45度である。更にまた、ハンドルは、ハンドルネックエリアと、ハンドル本体とを含み、ハンドル本体の中間平面PL2とハンドルネックエリアの中間平面PL3との間のPL2~PL3の内角は、約-100度~+100度である。更にまた、ハンドルは、ハンドルネックエリアと、ハンドル本体とを含み、ハンドル本体の中間平面PL2とハンドルネックエリアの中間平面PL3との間のPL2~PL3の内角は、約-45度~+90度である。
【0018】
他の一実施形態では、軸A1を中心とした皮膚相互連結部材の回転を可能にする機構の回転剛性は、約0Nmm/度~0.5Nmm/度である。軸A2、軸A3、軸A4、軸A5、又はこれらの組み合わせを中心とした回転を可能にする機構のうちの少なくとも1つ以上の回転剛性は、約0.8Nmm/度~約2.0Nmm/度である。
【0019】
別の実施形態では、ハンドルは、近位端部分と、遠位端部分と、少なくとも1つの皮膚相互連結部材と、を含む。皮膚相互連結部材は、ハンドルの近位端部分と旋回関係にある。少なくとも1つの皮膚相互連結部材は、ハンドルに対するかみそりカートリッジの旋回点Pを設けるために、ハウジングの少なくとも1つの開口部内で接合される。旋回点Pは、前方刃縁部から最大で約3.5mm前方まで、前方刃縁部から最大で約11mm後方まで、剃毛平面Sから最大で約1mm上方まで、剃毛平面Sから最大で約2.5mm下方までに位置する。別の態様では、少なくとも1つの皮膚相互連結部材はハウジングに対して旋回しない。
【0020】
別の態様では、第1の平面Bが少なくとも1つの皮膚相互連結部材の頂部表面上の最上点に対して平行であり、第2の平面Qが少なくとも1つの皮膚相互連結部材の後方表面の最後方点にあり、最後方点は、第1の平面Bから2mm以内にあり、第2の平面Qは、第1の平面Bに対して垂直であり、第2の平面Qと第1の平面Bは点Cで交差し、少なくとも1つの皮膚相互連結部材の回転軸の旋回点P2は、点Cから最大で約2mm前方、点Cから最大で約12.5mm後方、第1の平面Bから最大で約2mm上方、第1の平面Bから最大で約2.5mm下方にある領域内にある。
【0021】
特に定義されない限り、本明細書で使用されている全ての技術的用語及び科学的用語は、本発明が属する分野の当業者に共通に理解されるものと同じ意味を有している。本明細書に記載されているものと同様又は同等の方法及び材料を、本発明を実施又は試験するために使用することが可能であるが、好適な方法及び材料を以下に記載する。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照することによりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。不一致である場合、定義を含め本明細書が適用される。加えて、材料、方法、及び例は、単に例示的なものであり、限定を意図したものではない。
【0022】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、添付図面及び以下の明細書に記述する。特定の実施形態は、本明細書において特に明記しない限り、概して開示されているが、組み合わされて明示的に例示又は特許請求の範囲に記載されていない本発明の要素又は構成要素を組み合わせることができることを理解される。本発明のその他の特徴及び利点は、明細書及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【
図1A】本発明による、少なくとも1つの皮膚相互連結部材を含んだ剃毛かみそりシステムの斜視図である。
【
図1B】本発明のかみそりカートリッジの正面斜視図及び背面斜視図である。
【
図1C】本発明のかみそりカートリッジの正面斜視図及び背面斜視図である。
【
図2A】本発明による皮膚加熱又は冷却効果を送達するための少なくとも1つの皮膚相互連結部材を含んだ剃毛かみそりの上面斜視図及び背面斜視図を示す。
【
図2B】本発明による皮膚加熱又は冷却効果を送達するための少なくとも1つの皮膚相互連結部材を含んだ剃毛かみそりの上面斜視図及び背面斜視図を示す。
【
図2C】
図2Aに示される皮膚加熱又は冷却効果のための少なくとも1つの皮膚相互連結部材を含んだ剃毛かみそりハンドルの斜視図である。
【
図2D】
図2Bに示されるハンドルの皮膚相互連結部材の拡大斜視図である。
【
図3A】本発明による皮膚効果をもたらすように流体を送達するための少なくとも1つの皮膚相互連結部材を含んだ剃毛かみそりの上面斜視図及び背面斜視図を示す。
【
図3B】本発明による皮膚効果をもたらすように流体を送達するための少なくとも1つの皮膚相互連結部材を含んだ剃毛かみそりの上面斜視図及び背面斜視図を示す。
【
図3C】本発明による皮膚効果をもたらすように流体を送達するための少なくとも1つの皮膚相互連結部材を含んだ剃毛かみそりの斜視図を示す。
【
図3D】
図3Bに示されるハンドルの皮膚相互連結部材の拡大斜視図である。
【
図4A】本発明の台形プリズム形状要素の概略図を示す。
【
図4B】本発明の台形プリズム形状要素の概略図を示す。
【
図4C】本発明の台形プリズム形状要素の概略図を示す。
【
図4D】本発明の台形プリズム形状要素の概略図を示す。
【
図5A】本発明の皮膚相互連結部材の拡大斜視図及び分解図を示す。
【
図5B】本発明の皮膚相互連結部材の拡大斜視図及び分解図を示す。
【
図6A】本発明のかみそりの運動軸及び図形的レイアウトを示す剃毛かみそりシステムの斜視図である。
【
図6B】本発明のかみそりの運動軸及び図形的レイアウトを示す剃毛かみそりシステムの斜視図である。
【
図6C】本発明のかみそりの運動軸及び図形的レイアウトを示す剃毛かみそりシステムの斜視図である。
【
図6D】本発明のかみそりの運動軸及び図形的レイアウトを示す剃毛かみそりシステムの斜視図である。
【
図7】本発明による旋回点領域を示すかみそりシステムの断面図である。
【
図8】本発明の代替の実施形態による旋回点領域を示す皮膚相互連結部材の断面図である。
【
図9】
図8の旋回点領域を示す皮膚相互連結部材の断面図である。
【
図10A】本発明のかみそりカートリッジ及び皮膚相互連結部材の上部表面の概略図を示す。
【
図10B】本発明のかみそりカートリッジ及び皮膚相互連結部材の上部表面の概略図を示す。
【
図10C】本発明のかみそりカートリッジ及び皮膚相互連結部材の上部表面の概略図を示す。
【
図10D】本発明のかみそりカートリッジ及び皮膚相互連結部材の上部表面の概略図を示す。
【
図10E】本発明のかみそりカートリッジ及び皮膚相互連結部材の上部表面の概略図を示す。
【
図10F】本発明のかみそりカートリッジ及び皮膚相互連結部材の上部表面の概略図を示す。
【
図10G】本発明のかみそりカートリッジ及び皮膚相互連結部材の上部表面の概略図を示す。
【
図10H】本発明のかみそりカートリッジ及び皮膚相互連結部材の上部表面の概略図を示す。
【
図11A】本発明による旋回点領域を示すかみそりシステムの断面図である。
【
図11B】本発明による旋回点領域を示すかみそりシステムの断面図である。
【
図12A】本発明によるかみそり構成要素の様々な物理的連結順序を有する実施形態の斜視図である。
【
図12B】本発明によるかみそり構成要素の様々な物理的連結順序を有する実施形態の斜視図である。
【
図12C】本発明によるかみそり構成要素の様々な物理的連結順序を有する実施形態の斜視図である。
【
図12D】本発明によるかみそり構成要素の様々な物理的連結順序を有する実施形態の斜視図である。
【
図12E】本発明によるかみそり構成要素の様々な物理的連結順序を有する実施形態の斜視図である。
【
図12F】本発明によるかみそり構成要素の様々な物理的連結順序を有する実施形態の斜視図である。
【
図12G】本発明によるかみそり構成要素の様々な物理的連結順序を有する実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、新規な剃毛かみそりアレイシステムに関するものである。本剃毛かみそりアレイシステムは、1つ以上のかみそりカートリッジと連結されることが可能な1つ以上のハンドルを有する。各ハンドルは、近位端部分と、遠位端部分と、近位端部分に対して旋回関係をなす少なくとも1つの皮膚相互連結部材と、を有する。各かみそりカートリッジは、ハウジングと、ガードと、キャップと、少なくとも1つの刃と、を有する。かみそりカートリッジは、ハンドルの近位端部分にかみそりカートリッジを交換可能に固定するために、少なくとも1つの皮膚相互連結部材と解放可能に係合される。
【0025】
図1Aを参照すると、剃毛かみそりシステム10の一実施形態の斜視図が示されている。剃毛かみそりシステム10は、ハンドル12と、ハンドルに着脱可能に連結されるかみそりカートリッジ15と、を含む。ハンドル12は、細長いつかみ部分14と、近位端部分16と、遠位端部分18と、少なくとも1つの皮膚相互連結部材20と、を含む。ハンドル12は、ハンドルネックエリア23と、ハンドル本体21とを備えてもよい。ハンドルネックエリア23は、近位端部分16に組み込まれてもよい。ハンドルネックエリア23は、本体21をかみそりカートリッジ15に連結してもよい。つかみ部分14は、ハンドル本体21に組み込まれてもよい。
【0026】
ハンドル12は、少なくとも1つの皮膚相互連結部材20に対して1つ以上の旋回運動を提供する。少なくとも1つの旋回運動の旋回軸A1は通常、ハンドルに対して概ね横行する。本発明のかみそりカートリッジ15はそれ自体では、旋回機構を含まないことに留意されたい。また、本発明のかみそりカートリッジ15とハンドル12との間のインターフェースはそれ自体では、旋回機構を含まない。しかしながら、かみそりカートリッジ15が皮膚相互連結部材20を介してハンドル12に連結されると、皮膚相互連結部材20とかみそりカートリッジ15は共にロックされ、またそれらは互いに対しては旋回しないが、ハンドル12に対しては一緒に旋回する。
【0027】
ハンドル12は、任意の好適な形状をなしてよい。ハンドル12は、例えば、細長い樽の形状であってもよく、あるいは起伏のある形状であってもよい。ハンドル12は、細長いつかみ部分を含んでもよい。ハンドルは、1つ、2つ、又はそれ以上のアーム27を含んでもよい。アーム27は、ハンドルの近位端部16に位置してもよい。2つ以上のアーム27は、互いに離間して配置されてもよい。ハンドル12は、例えば、離間して配置されかつハンドル12の近位端部16に位置する2つのアーム27を有する、細長い樽の形状であってもよい。ハンドル12は、例えば、離間して配置されかつハンドル27の近位端部16に位置する2つのアーム27を有する、起伏のある形状であってもよい。ハンドル12は、任意の好適な材料から作製されてよい。ハンドル12は、例えば、金属、ポリマー、エラストマー、プラスチック、熱可塑性物質、ゴム、若しくは任意の他の好適な材料、又はこれらの任意の組み合わせから作製されてよい。ハンドル12は、任意の好適なプロセスによって作製されてよい。ハンドル12は、例えば、成形、射出成形、インサート射出成形、鋳造、ダイキャスト、押出成形、任意の他の好適な方法、又はこれらの任意の組み合わせによって作製されてよい。
【0028】
図1B~
図1Cは、本発明によるかみそりカートリッジ15の上面
図120a及び底面
図120bを示す。
図1Bの上面
図120aにおいて、かみそりカートリッジ15は、ガード34と、キャップ36と、切断縁部33を有する少なくとも1つ以上の刃17と、を有するハウジング32を有している。かみそりカートリッジは、前方側部64と後方側部66とを有する。前方刃62は、かみそりカートリッジ15の前方側部64における最も近位の刃である。前方刃62には、頂部表面67から底部表面69へとハウジング32を通じて延在する開口部100が隣接している。ガード34又は他の機構が、前方刃と開口部との間に位置してもよい。ハウジング32の頂部表面64における開口部100の外周65は、約50mm~約70mmの範囲内にあり、好ましくは約66.36mmである。
【0029】
かみそりカートリッジ15は、皮膚相互連結部材20と連結されたときにのみハンドル12の近位端部分16に対して旋回可能である。皮膚相互連結部材20と係合されたときのかみそりカートリッジ15は、ハンドル12に対して概ね横行する軸A1(
図1A、
図2A、及び
図3Aに示される)を中心として旋回してもよい。
図1Aに示されるように、ハンドル12の皮膚相互連結部材20は、かみそりカートリッジ15の頂部表面67の一部分を形成している。
【0030】
図1Cはまた、かみそりカートリッジ15の底面
図120bを示している。一実施形態では、開口部100は、ハウジング32の底部表面69へと延在する。ハウジング32の底部表面69における開口部100の外周63は、好ましくは外周65よりも長い。外周63は、約75mm~約100mmの範囲であってもよく、好ましくは約81.2mmであってもよい。ハウジングの底部表面における開口部100は望ましくは、ハウジングの頂部表面における開口部100よりも幅広であってもよい。したがって、漏斗形状(例えば、より大きい開口部からより小さい開口部へと先細になる形状)が達成され得る。
【0031】
図1Cに示されるように、
図1Bの刃17は、刃本体4と、先端部6において交差して縁部7を形成する2つのフランク5のそれぞれに対する2つの斜面3と、を含んでいる。本発明における用語「かみそり刃」は、望ましくは刃本体と少なくとも1つのフランクとを備えるステンレス鋼から構成される「基材」を意味する。望ましくは、かみそりブレードは、ブレードエッジを形成する2つのフランクと、ブレード本体とを含む。2つのフランクは、先、若しくは先端、又は多くの場合に最先端(ultimate tip)と呼ばれる位置で交差する。各フランクは、1つ、2つ、又はそれ以上の斜面を有することがある。刃本体は、一般にフランク又は斜面の下に位置するかみそり刃の残りのエリアである。
【0032】
かみそりカートリッジ15の少なくとも1つの刃17は、キャップ36とガード34との間でハウジング32に装着されてもよい。ガード及びキャップは、ガード及びキャップの接線方向にある剃毛平面Sを規定してもよい。ガードは、少なくとも1つの刃に対して概ね平行に延びる中実のバーであってもよく、又は分割されたバーであってもよい。ガードは、剃毛ストローク中に皮膚を伸ばすための皮膚係合部材(例えば、複数のフィン)を、刃の前に備えていてもよい。皮膚係合部材は、例えば、ハウジングに対してインサート射出成形又は共射出成形されてもよい。接着、接合、結合、超音波溶接、又は機械的締結などの他の既知の組立方法も用いることができる。皮膚係合部材は、ハウジングよりも軟質の(すなわち、デュロメータ硬度がより低い)材料から成形されてもよい。例えば、皮膚係合部材は、約20、30、又は40から約50、60、又は70までのショアA硬度を有してもよい。皮膚係合部材は、熱可塑性エラストマー(TPE)又はゴムで製造されてもよく、例としては、シリコーン、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンブタジエンスチレン(SBS)TPE、スチレンエチレンブタジエンスチレン(SEBS)TPE(例えば、Kraton)、ポリエステルTPE(例えば、Hytrel)、ポリアミドTPE(Pebax)、ポリウレタンTPE、ポリオレフィン系TPE、及びこれらTPEのいずれかのブレンド(例えば、ポリエステル/SEBSブレンド)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、皮膚係合部材は、Kraiburg HTC 1028/96、HTC 8802/37、HTC 8802/34、又はHTC 8802/11(KRAIBURG TPE GmbH & Co.KG(Waldkraiburg,Germany))を含んでもよい。皮膚係合部材のより軟質材料は、皮膚伸張を向上させるばかりでなく、剃毛ストローク中にユーザーの皮膚に対してより快適な触感を提供することができる。より軟質の材料はまた、剃毛ストローク中のユーザーの皮膚に当たるハウジング及び/又はフィンのより硬い材料の不快な感触をなくすのに役立ち得る。
【0033】
少なくとも1つの刃は、1つ以上のクリップによってハウジングに装着又は固定されてもよい。ワイヤラッピング、冷間成形、熱かしめ、インサート成形、超音波溶接、及び接着が挙げられるがこれらに限定されない当業者に既知のその他の組立方法を用いて、少なくとも1つの刃をハウジングに固定及び/又は装着することも可能である。クリップは、熱を伝導する、及び刃が腐食するのを防止するのを助けるための犠牲アノードとして作用する、アルミニウムなどの金属を含んでもよい。かみそりカートリッジは、かみそりカートリッジの所望の性能及びコストに応じて、任意の数の刃を有してよい。かみそりカートリッジは、例えば、1つの刃、2つの刃、3つの刃、4つの刃、5つの刃、6つの刃、7つの刃、又は更に多くの刃を有してもよい。刃の切れ味が悪くなった(又は損傷した)時点で、消費者は、皮膚相互連結部材からかみそりカートリッジを係合解除し、使用済みのかみそりカートリッジを新しいかみそりカートリッジと取り替えてもよい。
【0034】
かみそりカートリッジのキャップは、ハウジングに装着される別の成形部品又は押出成形部品であってもよい。キャップは、例えば、剃毛補助剤が充填された収容容器又は押出成形された潤滑ストリップであってもよい。キャップは、例えば、皮膚を支持しかつ剃毛面を画定するための、プラスチック又は金属製のバーであってもよい。キャップは、ハウジングと同じ材料で成形若しくは押出成形されてよく、又は剃毛ストローク中の快適さを増すために、1つ以上の水滲出性の剃毛補助剤材料を有するより潤滑性のある剃毛補助剤複合材料で成形又は押出成形されてよい。
【0035】
剃毛補助剤複合材料は、非水溶性ポリマーと、皮膚潤滑性の水溶性ポリマーと、を含んでもよい。使用可能な好適な非水溶性ポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ブタジエン-スチレンコポリマー(例えば、中耐衝撃性ポリスチレン及び高耐衝撃性ポリスチレン)、ポリアセタール、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、及び例えばポリプロピレン/ポリスチレンブレンドであるMobil 4324(Mobil Corporation)などの高耐衝撃性ポリスチレン(すなわち、ポリスチレン-ブタジエン)を有してもよいなどのブレンドを含むが、これらに限定されない。好適な皮膚潤滑性水溶性ポリマーとしては、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルイミダゾリン、及びポリヒドロキシエチルメタクリレートを挙げることができる。他の水溶性ポリマーとしては、一般にPOLYOX(Union Carbide Corporationから入手可能)又はALKOX(明成化学工業株式会社(京都)から入手可能)として知られるポリエチレンオキシドが挙げられてよい。これらのポリエチレンオキシドは、約10万~600万、例えば、約30万~500万の分子量を有してもよい。ポリエチレンオキシドは、約500万の平均分子量を有するポリエチレンオキシド(例えば、POLYOX COAGULANT)の約40~80%と、約30万の平均分子量を有するポリエチレンオキシド(例えば、POLYOX WSR-N-750)の約60~20%とのブレンドを含んでもよい。ポリエチレンオキシドブレンドはまた、PEG-100などの低分子量(すなわち、約10,000未満の分子量)のポリエチレングリコールを最大約10重量%まで含有してもよい。
【0036】
剃毛補助剤複合材料はまた、シクロデキストリン(cylcodextrin)、ポリエチレングリコールなどの低分子量の水溶性放出促進剤(例えば、1~10重量%)、架橋ポリアクリル酸などの水膨潤性放出促進剤(例えば、2~7重量%)、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、ひげ軟化剤、収れん剤、除毛剤、薬剤、コンディショニング剤、保湿剤、冷却剤などと、皮膚鎮静剤との複合体を含んでもよい。
【0037】
かみそりカートリッジは、着脱可能なタイプであってもそうでなくてもよく、任意の好適なサイズ及び形状のものであってもよく、また、頂部表面と、底部表面と、前方側部と、後方側部と、を有するハウジングを備える。カートリッジは、1つ以上の切断縁部をハウジングに装着された1つ以上の刃を備える。カートリッジは、前方側部に向かってハウジングに取り付けられた前方刃を含む。前方刃は、ハウジングの前方側部に対して最も近位の刃である。
【0038】
カートリッジはまた望ましくは、好ましくはハウジング内の少なくとも1つの開口部又はアパーチャの形態をなす、少なくとも1つのハンドル係合表面を備える。開口部は、前方刃の前方に配設されており、少なくとも1つの開口部は、ハウジングの頂部表面からハウジングの底部表面へとハウジングを通じて延在している。
【0039】
本発明の好ましい実施形態では、カートリッジ開口部は、望ましくは漏斗状の形状を有し、カートリッジを通って(例えば、カートリッジの頂部表面からカートリッジの底部表面へと)延在する。漏斗形状の先細となる性質により、開口部の大きさに差が存在する。望ましくは、漏斗形状は、カートリッジの頂部表面と比べてカートリッジの底部表面上で開口部が大きくなるように配向される。本明細書に開示されるかみそりカートリッジは、参照により本明細書に組み込まれる、代理人整理番号15140P、15141P、15142P、15143P、15144P、15145P、15146P、及び15147Pを有する、同一所有者のものでありかつ同時係属中の米国特許出願に開示されているかみそりカートリッジを含み得る。
【0040】
かみそりカートリッジは、かみそりカートリッジをハンドル上の少なくとも1つの皮膚相互連結部材と係合させることによって、ハンドルに取り付けられてもよい。かみそりカートリッジの後方側部における開口部の底側部は、ハンドルの少なくとも1つの皮膚相互連結部材上の対応する頂部塗布表面と係合する。皮膚相互連結部材が開口部を通じて押圧されると、皮膚相互連結部材はカートリッジの頂部表面上の開口部に接近する。
【0041】
皮膚相互連結部材は、かみそりカートリッジの開口部内に実質的に包み込まれている。開口部の形状は、皮膚相互連結部材の形状と実質的に同様であり、そのため、皮膚相互連結部材がぴったりとフィットし、開口部内で実質的に移動しないようになっている。このようにして、ハンドルとカートリッジとの連結は堅牢でかつ確実となり、剃毛中の安全な環境を提供する。カートリッジ内の開口部が漏斗形状をなす場合、皮膚相互連結部材もまた望ましくは、相補的又は共形の様式で実質的に漏斗形状をなす。
【0042】
本かみそりカートリッジは、制限の間で旋回してもよく、通常は、ハンドルに対して好ましい中立の角度位置に向かって付勢されてもよい。旋回制限及び付勢は、機械的制限のような当該技術分野において既知の任意の手段によって達成することができる。
【0043】
皮膚相互連結部材の頂部又は塗布表面は、かみそりカートリッジの刃又は頂部表面と同じ平面上にあってもよく、あるいはそうでなくてもよい。
【0044】
皮膚相互連結部材は、皮膚相互連結部材がカートリッジと係合された後に、かみそりシステム用の旋回機構を提供する。皮膚相互連結部材は、カートリッジハウジングに対して旋回しない。
【0045】
かみそりカートリッジは、対応/対向する少なくとも1つの皮膚相互連結部材と機械的に整列されてもよい。対向する皮膚相互連結部材の間(例えば、かみそりカートリッジと少なくとも1つの皮膚相互連結部材との間)の力の方向は、少なくとも1つの皮膚相互連結部材に対するかみそりカートリッジの取外し及び取付けに必要な力に対して概ね横行してもよい(例えば、ハンドルの細長つかみ部分に対して概ね並行であってよい)。
【0046】
図1Aに示されるように、ハンドル12は、少なくとも1つの皮膚相互連結部材20を含んでもよい。皮膚相互連結部材20は、ハンドル12の長手方向軸に対して概ね横行して配設される要素である。皮膚相互連結部材20は、皮膚に接触してあるいは接触せずに、皮膚とのハンドルの直接的なインターフェース又はハンドルの視認を可能にする頂部表面又は皮膚インターフェース表面22を有する。皮膚相互連結部材20は、旋回機構30(
図2B~
図2C及び
図3B~
図3Cに、また
図5により詳細に示される)を介してハンドルの近位端部分16に対して旋回関係にある。皮膚相互連結部材20は、ハンドルに対して旋回関係にあり、ハンドル12の長手方向軸に対して概ね横行する軸A1を中心として旋回する。
【0047】
少なくとも1つの皮膚相互連結部材20は好ましくは、皮膚インターフェース表面22を備え、その皮膚インターフェース表面は、かみそりカートリッジ15から妨害されることなく(例えば、流体又は熱を適用することによって)皮膚とインターフェースするが、皮膚に直接接触してもよく、あるいは直接接触しなくてもよい。少なくとも1つの皮膚相互連結部材20は、ユーザーの皮膚に1つ以上の効果を提供してもよい。例えば、少なくとも1つの皮膚相互連結部材20は、流体分配要素、皮膚を加熱若しくは冷却する熱要素、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。皮膚相互連結部材20はまた、皮膚振動要素若しくはスクラブ要素、ヘアトリマ、脱毛器、又はこれらの任意の組み合わせなどの他の消費者効果を含んでもよい。流体要素若しくは熱要素又はそれら両方は、少なくとも1つの皮膚相互連結部材20内に設けられてもよい。流体要素若しくは熱要素又はそれら両方は、少なくとも1つの皮膚相互連結部材の表面から解放されてもよい。
【0048】
図示された実施形態に示されるように、かみそりは、刃カートリッジユニット15内の開口部100(
図1Bに示される)を通じてハンドル12を延在させて、ハンドル効果送達構成要素を皮膚に接近させることを可能にすることにより、ユーザーの皮膚に効果を送達するように構成され得る。直接的ではあるが必ずしも接触はしない皮膚へのインターフェースをハンドル12に提供する皮膚相互連結部材20は、近位端部分18に対して旋回関係にある。
図1Aの一実施形態に示されるように、ハンドル12の皮膚相互連結部材20の頂部皮膚インターフェース表面22は、かみそりカートリッジ15の頂部表面67の一部分を形成してもよい。上述のように、頂部皮膚インターフェース表面22は、ユーザーの皮膚に直接接触してもよく、あるいは直接接触しなくてもよい。
【0049】
皮膚効果を提供するためのかみそりの2つのタイプの非限定的な実施形態が、本明細書に開示される。
図2A~
図2Dに示される第1の実施形態は、皮膚を加熱又は冷却することによってユーザーに効果を提供するタイプのかみそりに属する。
図2A及び
図2Bにおいて、投影
図121A及び121Bは、この第1の実施形態の頂面斜視図及び底面斜視図を提示している。この第1の実施形態は、ハンドル12と、ハンドル12に解放可能に取り付けることができ、1つ以上の刃17を収容し得る刃カートリッジユニット15と、皮膚加熱効果を送達し得る皮膚相互連結部材20と、を有し得る。刃カートリッジユニット15は、ハンドル12の近位端部16に装着されたカートリッジ排出機構39を使用して分離されてもよい。かみそりハンドル12は、旋回機構30を使用して回転軸A1を中心として、また旋回機構38を使用して回転軸A4を中心としてかみそりカートリッジ15を回転させるように構成されてもよい。ハンドル12の一部分は、刃カートリッジユニット15を通じて延在してもよく、また以下でより完全に論じられる熱表面112として露出されてもよい。
図1Aに示され、また、刃カートリッジユニット15が取り外されている
図2C及び
図2Dに更に詳細に示されるように、熱表面112は皮膚相互連結部材20の表面であり、剃毛中にユーザーに冷却又は加熱効果を送達するために使用され得る。皮膚相互連結部材20の加熱又は冷却は、皮膚効果アクチュエータ13を押すことによって達成され得るが、その皮膚効果アクチュエータは、押下可能なボタン、タッチセンシティブボタン、又はスライディングボタンであってよく、またハンドル12の内側にある動力回路を皮膚相互連結部材20の内側にある回路に対して閉鎖するものである。ハンドル12は、皮膚相互連結部材20に電力を供給する1つ以上の電池(図示せず)などの電源を保持してもよい。皮膚相互連結部材20の加熱又は冷却はまた、例えば、皮膚相互連結部材20を、周囲とは異なる温度の水に浸漬するかあるいはその水の中で稼働させることによって、受動的に達成され得る。特定の実施形態では、皮膚相互連結部材20は、アルミニウム又はステンレス鋼などの金属を含んでもよい。特定の実施形態では、皮膚相互連結部材20は、金属又は相変化材料などの高容量材料を含んでもよい。特定の実施形態では、皮膚相互連結部材20は、銅、アルミニウムなどの高熱伝導性材料、又はCOOLPOLY(登録商標)などの熱伝導性プラスチックを含み得る。本明細書に開示されるかみそりハンドル10は、参照により本明細書に組み込まれる、代理人整理番号14532FQを有する、同一所有者のものでありかつ同時係属中である米国特許出願に開示された皮膚相互連結部材20を含み得る。
【0050】
図3A~
図3Dは、ユーザーの皮膚に流体を送達することによって皮膚効果を提供し得る剃毛かみそり10の別の実施形態を示す。
図3A及び
図3Bにおいて、投影
図122A及び122Bは、この実施形態の頂面斜視図及び底面斜視図を提示している。この実施形態は、ハンドル12と、ハンドル12に解放可能に取り付けることができ、1つ以上の刃17を収容し得る刃カートリッジユニット15と、ユーザーの皮膚に流体を送達することによって皮膚効果を提供し得る皮膚相互連結部材20と、を有し得る。刃カートリッジユニット15は、ハンドル12の近位端部16に装着されたカートリッジ排出機構39を使用して分離されてもよい。図示の実施形態では、かみそりハンドル12は、旋回機構30を使用して回転軸A1を中心にかみそりカートリッジ15を回転させるように構成されている。
図1Aの皮膚インターフェース表面22及び
図2B及び
図2Dの熱表面112と同様に、ハンドル12の一部分が刃カートリッジユニット15を通じて延在し、表面80として露出され得る。表面80は、皮膚相互連結部材20の表面であり、剃毛中の皮膚の快適性のために流体が分配され得る開口部78を有し得る。ハンドル12内のリザーバからの流体流れは、皮膚効果アクチュエータ13を押すことによって達成され得るが、その皮膚効果アクチュエータは、皮膚相互連結部材20に向かってまたそれを通じて流体を押し込むためにポンピング機構を起動させる押下可能なボタン、タッチセンシティブボタン、又はスライディングボタンであってよい。ポンピング機構は、流体リザーバの圧縮、手動ポンプの作動、又は電動ポンプの起動を含み得る。本明細書に開示されるかみそりハンドルは、参照により本明細書に組み込まれる、代理人整理番号15136P、15137P、15138P、15162P、15163P、15164P、15165P、15166P、15167P、15168P、15169P、15170Pを有する、同一所有者のものでありかつ同時係属中の米国特許出願に開示されている皮膚相互連結部材を含み得る。
【0051】
本発明のハンドル12から消費者効果を提供することは、安全な製品の設計と良好な製品保全性(例えば、偶発的な落下の場合)とのバランスを調整すること、剃毛ストロークが皮膚を緊密に追跡するのに必要な旋回軸の周りで皮膚相互連結部材20の皮膚インターフェース表面22へとハンドル12から効果を送達すること、並びに、以下で更に詳細に論じられるカートリッジ排出機構39と旋回機構30及び38などのハンドル12の他の機能的構成要素の中でも、送達効果構成要素を適合させること、という難題を解決することを理解されたい。本発明において効果送達要素のうちのほとんどではなくとも多くをハンドル内に配設することにより、そのハンドルは、市場に一般に見られるほとんどの湿式剃毛かみそりシステムの2倍~3倍以上の重量を有し得るため、良好な製品保全性を伴って安全な製品を設計することは難題である。例えば、ほとんどの既存の剃毛かみそりハンドルは56グラム未満の重量を有し、大多数は45グラム未満の重量を有する。本発明の消費者効果を送達するハンドルは、好ましい質量を約80グラムとして、最大で約120グラムの質量を有し得る。いくつかの実施形態では、ハンドル12は、約57グラム~約150グラム、より好ましくは約80グラムの質量を有し得る。このようなハンドルは、本発明において「重い」ハンドルと見なされる。
図2A~
図2Bに示されるハンドルの実施形態は約75グラムの質量を有し、
図3A~
図3Dに示されるハンドルの実施形態は約85グラムの質量を有する。
【0052】
かみそりカートリッジ15は、ハンドルがかみそりカートリッジに近接して配されたとき、また皮膚相互連結部材20とかみそりカートリッジ開口部100とが位置合わせされたとき、ハンドル12に接続してもよい。この構成は、とりわけ、かみそりカートリッジとハンドルとの逆接続を防止する。また、この構成は、とりわけ、かみそりカートリッジとハンドルとの迅速で、容易で、直感的で、かつ安全な接続を容易にする。
【0053】
図1A及び
図1Bのかみそりカートリッジ15は望ましくは、かみそりカートリッジ15をハンドル12の近位端部分16に交換可能に固定するように、皮膚相互連結部材20と解放可能に係合されてもよい。このかみそりカートリッジは、ハウジング32と、ガード34と、キャップ36と、少なくとも1つの刃17と、を含んでもよい。少なくとも1つの皮膚相互連結部材20は、力の作用によってかみそりカートリッジ15から解放されてもよい。加えて、少なくとも1つの皮膚相互連結部材20は、他の好適な機構によって、あるいは他の好適な機構と力の作用の組み合わせによって解放されてもよい。少なくとも1つの皮膚相互連結部材は、例えば機械的解放機構を介してかみそりカートリッジから解放されてもよい。
【0054】
例えば、
図1A、
図2A、及び
図3Aに示される機械的解放機構39は、ハンドルの近位端部分16から延在してもよく、ハンドル12の一部分内に含められ得る排出ボタンを備えてもよい。ユーザーは、ボタンを押すかあるいは作動させることによって、少なくとも1つの皮膚相互連結部材20からかみそりカートリッジ15を機械的に解放してもよい。機械的カートリッジ解放機構39は次いで、例えば、少なくとも1つの皮膚相互連結部材20を押すことができる。かみそりカートリッジ15は、少なくとも1つの皮膚相互連結部材20ともはや連結しなくなる。かみそりカートリッジ15は次いで、ハンドル12から解放され得る。
【0055】
ほとんどの既存のかみそりは、ハンドル12に取り付けられたときにかみそりカートリッジ15から1ミリメートル以内に装着された機械的カートリッジ解放機構39を有しており、カートリッジ15を分離するために排出ボタンが2.5mm未満移動することを必要とする。既存のかみそりとは異なり、
図1Aに示されるかみそり10の機構39は、かみそりカートリッジ15から約3mmに装着されており、カートリッジを分離するために、排出ボタンが約5mm移動することを必要とする。
【0056】
皮膚相互連結部材20は、約20mm~約40mmの望ましい長さ、及び約2mm~約5mmの幅を有する。皮膚相互連結部材20は、望ましくは約300mm3を超える体積を有する。長さ及び幅及び最小容積は、消費者効果がユーザーの皮膚に効果的に送達されるのに十分な面積及び体積を提供するように適切に選定される。皮膚相互連結部材20の頂部表面積22は、約40mm2~約120mm2、好ましくは約80mm2~約85mm2の範囲にある。
【0057】
少なくとも1つの皮膚相互連結部材20は、任意の好適な寸法及び形状で構成されてよい。例えば、少なくとも1つの皮膚相互連結部材20は、湾曲した表面、平坦な表面、又はこれらの任意の組み合わせを備えてよい。少なくとも1つの皮膚相互連結部材20は、刃カートリッジユニット15に取り付けることと、ハンドル10に取り付けられた刃カートリッジユニット15への、またそれを通じたハンドル12からの皮膚快適効果の送達を容易にすることと、の両方に対して有益な伝導性の形状を有し得る。
【0058】
少なくとも1つの皮膚相互連結部材20の形状は、代替的に、「漏斗」又は「先細」又は「台形プリズム形状」として記述され得る。本明細書の説明から理解されるように、「台形プリズム」という記述は、旋回ヘッドの全体的な視覚的印象に関して一般的である。例えば、
図4A~
図4Dは、台形プリズム形状の要素の概略
図123A及び123Bを示し、比較的広い上面(又は開口部)25と、比較的狭い下面24と、2つの長い主面26と、概ね台形の形状をなす2つの端面28と、を有する形状を示す。
図4はまた、皮膚相互連結部材20の概ね台形プリズム又はプリズム状の形状45を示す、本発明のハンドルの皮膚相互連結部材20の一実施形態の拡大側面
図123C、及び概ね「台形プリズム」の形状を生成する皮膚相互連結部材20の一実施形態の構成要素の分離
図124Dを示す。
【0059】
「台形プリズム」という記述は、本明細書では、皮膚相互連結部材の全体的な視覚的外観に対する最良の記述として使用されるが、この記述は、本明細書に記載されるもの以外のいかなる特定の幾何学的又は寸法的要件も意味しない。すなわち、カバー部材を含む皮膚相互連結部材は、完全な縁部又は表面を有する必要はない。更に、縁部は、破断しておらずかつ真っ直ぐである必要はなく、側部は破断しておらずかつ平坦である必要はない。代替的に、台形プリズム又はプリズム状の形状は、一般に、1対の対向する面がより大きいサイズからより小さいサイズに向かって先細になる多面体を一般的に意味し得る。サイズのより大きい面は、望ましくはハンドルに向かって配設され、サイズのより小さい面は、望ましくはかみそりカートリッジに向かって配設される。このように、本発明の実施形態における皮膚相互連結部材の先細形状は望ましくは、かみそりカートリッジ内の対応する先細形状と結合されて、ハンドルをカートリッジと係合させる。対応する形状は、ユーザーにとってより直感的なものであり、より良好な取り付け及び分離を可能にし得、また、取り付け及び分離の間により低い力を必要とする一方で、剃毛及びトリミング中の良好な保持を可能にし得る。カートリッジ表面積が(例えば、皮膚相互連結部材の頂部表面上で)より小さくなっているため、皮膚相互連結部材の先細形状は、より大きな容積を提供し、したがって、ユーザーにとってより大きな効果を提供することができる。
【0060】
また、三角形プリズム、球体、楕円体、円筒形、四辺形、平行四辺形、矩形、正方形、バー、又はこれらの任意の組み合わせなど、任意の他の実現可能な形状、プリズム、及び他のものも想到される。
【0061】
ハンドルをかみそりカートリッジに接合又は嵌合するために、カートリッジは望ましくは、皮膚相互連結部材が内部に配設される皮膚相互連結部材の形状と同様の対応する形状を有する。皮膚相互連結部材は、ハンドルをカートリッジに固定するためにかみそりカートリッジにラッチ係合してもよい。一実施形態において、かみそりカートリッジは、ハンドルの近位端部分にかみそりカートリッジを交換可能に固定するために、少なくとも1つの皮膚相互連結部材と解放可能に係合される。
【0062】
図5A~
図5Bに、皮膚相互連結部材20及び本実施形態の軸A1を中心とした回転を可能にする旋回機構30の構成要素がより詳細に示されている。図示の実施形態は、
図3A~
図3Dのかみそりハンドル12である。拡大
図124A及び分解
図124Bにおいて、皮膚相互連結部材20は、基部要素58とカバー54とを含んでおり、カバー54は基部58の上に配設されている。カバー54は頂部表面52を備え、この頂部表面は、(例えば、カートリッジを介して)ユーザーの皮膚に流体又は熱効果などの効果を適用するための平面的な適用表面であってもよい。頂部表面52は、その外周に沿ってリム56を有してもよい。リム機構は、カートリッジと嵌合する係合機構として使用される。追加的にあるいは代替的に、それを通じて流体を分配するための1つ以上のポート53が、適用表面上に配設されてもよい。ハンドル12は望ましくは、近位端部16に一対の近位アーム27を有し、皮膚相互連結部材又はハンドルは、これらの近位アーム27に連結された一対のブラケットアーム59を含んでもよい。
図5Bの分解
図124Bは、皮膚相互連結部材20がハンドル12に対して軸A1を中心とした運動を提供するための旋回機構30が望ましくは、皮膚相互連結部材20内の支持表面53(例えば、くぼんだ部分、空洞)及び1つ以上のアーム59上のそれに対応する軸受表面57と、1つ以上のばねを有するばね復帰要素55と、を備えることを示している。本発明におけるこの軸及び他の軸(例えば、回転軸A4又は後に詳細に述べられる回転軸A3)を中心とした運動は、ピン軸受若しくはシャフトなどの軸に沿って直接載置され得る軸受によって可能にされてもよく、あるいは仮想的な旋回によって作り出される回転軸からオフセットされてもよい。仮想的なピボット軸受は、シェル軸受及びリンク機構を含む。
【0063】
少なくとも1つの皮膚相互連結部材20は、例えば、
図5に示されるように個々の構成要素を組み立てることで旋回機構を生み出すことによって、少なくとも1つの皮膚相互連結部材とハンドル又はハンドルの一部分との共射出成形などの技術を用いて曲げ旋回を生み出すことによって、あるいは、皮膚相互連結部材をハンドルに又はその逆に圧入又は圧力嵌めすることで軸受を生み出すことによって、ハンドル12の近位端部分16に対して旋回関係をなしてよい。
【0064】
図6A~
図6Dに、本発明のハンドル12及び刃カートリッジユニット15が非偏向の無負荷休止位置にある状態で、かみそり10の図形的レイアウトが示されている。一般に、刃カートリッジユニット15の皮膚接触表面67は通常、刃カートリッジユニット15がその休止位置にあるとき、カートリッジ平面PL1上に位置するかあるいはカートリッジ平面PL1から数ミリメートル内側に位置する。一般に、平面PL2は、ハンドル本体21のほぼ中間の平面に沿って位置するカートリッジ平面PL1に対して角度をなして配向されてもよい。平面PL1とPL2との間のこのPL1-PL2の内角は、約-60度~約+90度の範囲に及び得る。PL1-PL2の内角のより狭い優先範囲は、約-45度~約+45度である。本発明の図は、約+16度のPL1-PL2の内角を示す。一般に、平面PL3は、ハンドルネックエリア23のほぼ中間の平面に沿って位置する主ハンドル本体21の中間平面PL2に対して角度をなして配向されてもよい。平面PL2とPL3との間のこのPL2-PL3の内角は、約-100度~約+100度の範囲に及び得る。PL2-PL3の内角のより狭い優先範囲は、約-45度~約+90度である。本発明の図は、約+21度のPL2-PL3の内角を示す。一般に、平面PL4は、ハンドル12及び刃カートリッジユニット15のほぼ中間の平面においてハンドル12に沿って長手方向に位置する平面PL1、PL2、及びPL3に対して垂直に規定され得る。
【0065】
図6C~
図6Dに示されるように、本発明のハンドルの様々な構成要素に対する付加的な回転軸又は直線運動の方向は、概ねPL2、PL3、及びPL4を用いて規定され得る。ハンドル本体21に沿った軸A2は、平面PL2とPL4との交点として定義され得るものであり、ハンドルネックエリア23に沿った軸A3は、平面PL3とPL4との交点として規定され得るものである。ハンドルネックエリア23内の別の軸A4は、平面PL3に対して垂直をなし、平面PL4上に位置するものとして規定され得る。ハンドル本体23内の別の軸A5は、
図12A及び
図12Bに示されるように、平面PL2に対して垂直をなし、平面PL4上に位置するものとして定義され得る。
【0066】
図2C~
図2D、
図3C~
図3D、及び
図5A~
図5Bに示されるように、旋回軸A1を中心とするピッチ型運動を提供する旋回機構30(例えば、ばね復帰要素、ブラケットアーム)は、皮膚相互連結部材20に対して最も近位にある。本発明によれば、ハンドル12及び皮膚相互連結部材20は、
図6Cに示されるように、軸A1に加えて他の軸を中心として回転してもよい。他の実施形態が、軸A1、A2、A3、A4、A5、又はこれらの任意の組み合わせを中心として皮膚相互連結部材を回転させるように構成されてもよい。例えば、ハンドルに対する剃毛かみそり内の回転軸は、軸A1を中心とするピッチ型運動だけでなく、
図6C~
図6D及び
図12A及び
図12Bに示されるように軸A2又はA3を中心としたロール運動、及び軸A4又はA5を中心としたヨー運動も含む。
【0067】
図1A及び
図2Bに示される一実施形態では、軸A4に沿ってハンドルに対する皮膚相互連結部材の左右(ヨー)型の回転運動を提供する旋回機構38は、ばね復帰要素(例えば、ポッド内に配置されたばね(図示せず))を備える底部ポッド19を備える。同様の移動が、GILLETTE(登録商標)Flexball(商標)かみそりに見出される。別の実施形態では、軸A3に沿ったハンドルに対する皮膚相互連結部材の代替的なロール回転運動を提供する構造が、Gillette(登録商標)Venus(登録商標)Swirl(商標)かみそりに見られるようなローリング機構を含んでもよい。
【0068】
図7は、本発明による旋回点領域Rを示すかみそりシステム10の断面
図90である。皮膚相互連結部材20は、ハンドル12をカートリッジに固定するためにかみそりカートリッジ15に接合又はラッチ係合される。図示のように、前方向はカートリッジの前方(例えば、前刃に向かって)に向かっており、後方向はカートリッジの後方側部に向かっている(例えば、潤滑ストリップに向かっている)。更に、上方向は、方向性としてカートリッジの頂部表面に向かっており、下方向は、方向性としてカートリッジの底部表面に向かっている。旋回点は一般に、回転軸上の点である。この実施形態では、旋回点Pは、かみそりカートリッジ15がその休止位置にあるとき、ハンドル12の長手方向軸A2又は長手方向軸A3に対して概ね横行する旋回軸A1の位置に配設される。旋回点Pはまた、この軸A1に対して垂直な、ハンドル本体21及び休止位置にあるかみそりカートリッジ15の中間平面PL4上に配設される。良好な剃毛性能のために、旋回点Pは好ましくは、前方刃縁部82から最大で約3.5mm前方にあり、前方刃縁部から最大で約11mm後方にあり、剃毛平面Sから最大で約1mm上方にあり、剃毛平面Sから最大で約2.5mm下方にある領域R内に位置する。領域Rのうちの剃毛平面Sの上方にある部分は一般に、皮膚内に配設される部分である。領域Rのうちの剃毛平面Sの下方にある部分は一般に、皮膚から離れて配設される部分である。かみそりカートリッジ又は皮膚相互連結部材の外側の旋回点位置は、仮想旋回によって作り出されてもよい。
【0069】
図8は、皮膚相互連結部材20の頂部表面88に適用表面の平面Bを有するかみそりシステム100の断面図を示す。平面Bは、皮膚相互連結部材20の頂部表面88において剃毛平面Sと実質的に平行である。剃毛平面Sに垂直な平面Qは、点Cにおいて平面Bと交差する。
図9に示される一実施形態では、遠位点Cは望ましくは、皮膚相互連結部材の頂部表面88の後方角部にある。旋回点Pは、
図8と同じ位置にある。
【0070】
図9は、かみそりカートリッジ15を伴わずに皮膚相互連結部材20及びハンドル12を示す、
図9のシステムの代替的な断面
図110を示す。
図8のように、皮膚相互連結部材20は、最頂部の点85において頂部表面88に対して実質的に平面的である適用表面の平面Bを含む。点Cは、平面Bと平面Qとの交点に形成される。平面Qは、平面Bに対して垂直をなすものとして規定され、皮膚相互連結部材20の後方表面89に最も近い最後方点87上に位置し、点87は、平面Bから2mm内にある。好ましくは、平面Bは、ハンドルの対応するかみそりカートリッジの剃毛平面Sに実質的に平行である。点Cは、本発明において、皮膚相互連結部材又はかみそりカートリッジ上に配設されてもよく、あるいは配設されなくてもよい。
図10に示す実施形態では、点Cは皮膚相互連結部材20の表面上の物理的な点ではない。旋回点P2は
図8と同じ位置に表されているが、旋回点P2を中心とする旋回機構は、いかなるカートリッジ構成要素によって形成されるものでもなく、カートリッジ20をハンドル12に接合することによって形成されるものでもなく、むしろ旋回点P2は、ハンドル内に収容された構成要素によって完全に形成されることに留意されたい。
【0071】
良好な剃毛性能のために、旋回点P2は好ましくは、点Cから(カートリッジの前方側部に向かって)最大で約2.00mm前方にあり、点Cから最大で約12.5mm後方にあり、部材平面Bから最大で約2mm上方にあり、部材平面Bから最大で約2.5mm下方にある領域R2内に位置している。領域R2のうちの部材平面Bの上方にある部分は概ね、皮膚の中に配設される部分である。領域R2のうちの部材平面Bから下方にある部分は一般に、皮膚から離れて配設される部分である。かみそりカートリッジの外側の旋回点位置は、仮想旋回によって作り出されてもよい。
【0072】
消費者の異なる習慣、挙動、及び剃毛効果の好みを満たすために、様々なかみそりハンドルとかみそりカートリッジとを備えたかみそりシステムアレイが、好ましくは、皮膚相互連結部材を有する多種多様なハンドルを比較的により少数の対応するかみそりカートリッジに取り付ける柔軟性と共に求められている。更に、消費者の混乱を回避し、製造コストを低減させるためには、任意のカートリッジが、任意のハンドルに解放可能に取り付けられ得る一方で、ハンドルから皮膚相互連結部材を通じて効果を送達すると共に、快適性、接近性、及び効率の面から良好な剃毛性能を提供するように、剃毛かみそりシステムアレイが設計され得るならば好ましい。
【0073】
図10A~
図10Hに、かみそりカートリッジ15及び皮膚相互連結部材20の頂部表面の概略図が示されている(すなわち、皮膚相互連結部材20を含むことを除いて
図1Bの投影
図120Aと同様)。各投影図は、キャップ36、ガード34、皮膚相互連結部材20に嵌合する対応するカートリッジ形状47、及び最初の刃縁部82を含んだ刃17を示している。
図10に示される投影
図125A~125D及び投影
図126A~126Dでは、かみそりハンドル12の皮膚相互連結部材20の形状に嵌合又は接合する、かみそりカートリッジ15内の対応するカートリッジ形状47が、かみそりカートリッジのガード34内の任意の位置に配置されてよい。これらの位置は、かみそりカートリッジ15の前方ガード壁の区間が皮膚相互連結部材20の外周を完全には取り囲まない、投影
図125D及び126Dに示されるかみそりカートリッジ構成をも含む。これらのカートリッジ構成では、ガード34の残存する前方ガード壁部分48は、皮膚相互連結部材20の少なくとも一部の前方に残留して、かみそりカートリッジ15を皮膚相互連結部材20に嵌合又はラッチ係合することを可能にする。
【0074】
皮膚相互連結部を有する様々な異なるかみそりハンドルと、任意のカートリッジが任意のハンドルに適合する様々な異なるかみそりカートリッジと、からなる剃毛かみそりシステムアレイが好ましくは、可能な限り第1の刃82に近接して位置付けられる対応するカートリッジ形状47を有する。このような位置は、皮膚相互連結部材20を通じた様々なハンドル効果の良好な送達と、様々なカートリッジを使用した良好な剃毛性能とを可能にし得るものである。投影
図125A~125Dに示されるカートリッジ形状47の位置を有する実施形態は、投影
図126A~126Dに示される実施形態に好ましい場合がある。
【0075】
更に、かみそりハンドルとかみそりカートリッジは、最適に一緒に機能するように設計されているため、皮膚相互連結部材を有する様々な異なるかみそりハンドルと、任意のカートリッジが任意のハンドルに適合する様々な異なるかみそりカートリッジと、からなる剃毛かみそりシステムアレイは好ましくは、
図8及び
図9に示される点Cと、領域R内に収容された主要なカートリッジ機構との間に一定の距離を有する。任意のカートリッジにおいて機能し、皮膚相互連結部材を使用する任意のハンドルに適合する、2つの非限定的なかみそりカートリッジの実施形態が
図11A及び
図11Bに示されている。投影
図120は5枚刃のかみそりカートリッジに対応し、投影
図130は3枚刃のかみそりカートリッジを示している。両方の図において、点Cとかみそりカートリッジの主要機構との間の剃毛平面Sに平行な距離は、D1、D2、D3、D4、D5、D6、及びD7を含むように規定される。D1は、点Cと、最初の刃縁部82に最も近いガード34上のガード点99との間の剃毛平面Sに平行な距離である。D2は、点Pと最初の刃縁部82との間の剃毛平面Sに平行な距離である。D3は、点Cと2番目の刃縁部83との間の剃毛平面Sに平行な距離である。D4は、点Cとカートリッジの全ての刃縁部との間の剃毛平面Sに平行な平均距離である。平均距離の位置は、点84によって与えられる。
図11Bの投影
図130において、かみそりカートリッジ15は3枚の刃のみを収容しているため、D4はD3に等しく、点84は2番目の刃縁部83上にある。D5は、点Cと最後の刃縁部85との間の剃毛平面Sに平行な距離である。D6は、点Cと最後の刃縁部85に最も近いキャップ36上のキャップ点86との間の剃毛平面Sに平行な距離である。D7は、点Cとキャップ36上の最も高いキャップ点81との間の剃毛平面Sに平行な距離である。任意のカートリッジが任意のハンドルに適合する剃毛かみそりシステムアレイの設計に応じて、D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7又はそれらの任意の組み合わせが、カートリッジとハンドルの全ての組み合わせに対して一定に保たれ得る。D1の好ましい距離は、約0.5mm~約2mmであり、D2に関しては、約0.9mm~約2.4mmであり、D3に関しては、約1.3mm~約3.0mmである。
【0076】
少なくとも皮膚相互連結部材20は、ハンドル12の近位端部分16か遠位端部分18のいずれか、又はそれらの両方に対して旋回関係にあってもよい。少なくとも1つの皮膚相互連結部材20は、例えば、ばね、ジョイント、ヒンジ、軸受、又は少なくとも1つの皮膚相互連結部材がハンドルに対して旋回関係をなすことを可能にする任意の他の好適な接続によって、ハンドル12に対して旋回関係をなしてもよい。少なくとも1つの皮膚相互連結部材は、1つ以上のばねと、ピンピボット、シェルベアリング、リンケージ、回転ジョイント、回転ヒンジ、プリズムスライダ、プリズムジョイント、円筒ジョイント、球ジョイント、ボールソケットジョイント、平面ジョイント、スロットジョイント、減速スロットジョイント、若しくは任意の他の好適なジョイント、又は、玉軸受、円筒ピン軸受、若しくは転動体スラスト軸受などの1つ以上のばね及び1つ以上の転動体軸受などの1つ以上の滑り接触軸受と、を収容した機構を介して、ハンドル12に対して旋回関係をなしてもよい。滑り接触軸受は典型的には、0.1~0.3の摩擦レベルを有し得る。転動体軸受は典型的には、0.001~0.01の摩擦を有し得る。平滑な運動を確実にし、軸受がこう着するのを防止するために、より低摩擦性の軸受が好まれるほど、旋回機構はその回転軸からより大きく偏倚されることになる。
【0077】
典型的には、軸A1を中心とする旋回機構は、カートリッジ静止位置から約0度~約50度の範囲に及ぶ回転運動を可能にする。軸A1を中心とする旋回機構の回転剛性は、ピボットを25度偏向させ、この位置を維持するのに必要なトルクを測定することによって測定されてもよい。追加的に、50度の回転におけるトルクレベルは、一般に20Nmm未満である。A1旋回軸に関連付けられる回転剛性(回転軸の周りで測定されたトルクを回転角度で割ったもの)は、一般に、回転角度当たり0.3Nmm未満、好ましくは回転角度当たり0.05Nmm~回転角度当たり0.18Nmである。
【0078】
典型的には、軸A2又はA3(
図6Cに示す)を中心とする旋回機構は、-40度~+40度の範囲の回転運動を可能にする。軸A4(
図1A、
図2A、及び
図6Cに示される)又は軸A5(
図12Bに示される)を中心とする旋回機構は典型的には、-20度~+20度の範囲の回転運動を可能にする。軸A2、軸A3、軸A4、又は軸A5を中心とする旋回機構の回転剛性は、ピボットを-5度及び+5度、偏向させ、この位置を維持するのに必要なトルクを測定することによって測定されてもよい。回転剛性は、これらの測定トルクの差の絶対値を、角運動の10度で割ることによって計算されてもよい。軸A2、A3、A4、又はA5を中心とする旋回機構に関連付けられる回転剛性は一般に、回転角度当たり約0.8Nmm~約2.5Nmmの範囲にあり得る。
【0079】
図5Aに、皮膚相互連結部材20及び本実施形態の軸A1を中心とした回転を可能にする旋回機構30の構成要素がより詳細に示されている。ハンドル12の近位端部分16は、一対のブラケットアーム59、ばね復帰要素55、及び効果送達連結部71によって皮膚相互連結部材20に連結されている。
図5Bに示される実施形態では、ばね復帰要素は金属から作製される。かみそり10又はかみそりハンドル12が「固化」すること、すなわち、かみそり10又はかみそりハンドル12が不適切に保管されていたときに、皮膚相互連結部材をハンドルの近位端部に連結する構成要素の応力緩和が原因で、偏向した角度で永久的に変形することを防止するのに役立ち得るため、金属、ポリエーテルエーテルケトン、又はシリコーンゴムなどの応力緩和耐性材料で作製されたばね復帰要素を備える旋回機構が好ましい。
【0080】
更に、
図2Bに示されるフレキシブル回路素子及び旋回機構の
図3B及び
図5Aの流体送達要素など、効果送達連結部71は通常、応力を緩和する材料から構成されているので、応力緩和耐性材料から作製されたばね復帰要素の回転剛性は、旋回機構の回転剛性よりも50%超、高いことが好ましい。ばね復帰要素単独の回転剛性は、皮膚相互連結部材20及びハンドル12の近位端部16との接触点において効果送達連結部71を切断することによって測定され得る。この好ましい構成を別の形で述べれば、旋回機構の回転剛性は、当該効果送達連結部がハンドルの近位端及び皮膚相互連結部材において分離された状態にある当該旋回機構の回転剛性の2倍を超えるということである。また、好ましくは、当該効果送達連結部がハンドルの近位端及び皮膚相互連結部材において分離された状態にある当該旋回機構の回転剛性の5倍を超えるということである。この好ましい構成は、かみそり10又はかみそりハンドル12が「固化」し得る確率及び条件を大幅に減少させる。軸A1、軸A2、軸A3、軸A4、軸A5、又はこれらの任意の組み合わせを中心とする旋回機構の回転剛性は(効果送達連結の有無にかかわらず)、上記で概説した手順によって測定され得る。
【0081】
かみそり内に皮膚相互連結部材を有することは、かみそり構成要素の構造及び連結の順序付けを阻害しない。本発明は、剃毛かみそりの様々な構成要素の連結の順序を変更させながらも、軸A1、A2、A3、A4、及び/又はA5を中心とする運動も可能にし得ることを企図する。剃毛かみそりの構成要素は一般に、かみそりカートリッジ15、ハンドル12、皮膚相互連結部材20、並びに、軸A1、A2、A3、A4、及び/又はA5を中心とする運動を提供する機構又は構造を含む。これらの運動を提供する機構及びその構成要素は、好ましくはハンドル内に見出される。
【0082】
図12Aの投影
図127Aに示される一実施形態では、これらの剃毛かみそり構成要素の物理的連結の順序は、ハンドル12の遠位端部分18から最も遠く離れたところから開始して、(1)かみそりカートリッジ15、(2)皮膚相互連結部材20、(3)軸A1を中心とする回転を可能にする機構30(例えば、
図5Bに記載される実施形態に示されるばね及びブラケットアームなどの構成要素)、(4)軸A4を中心とする回転を可能にする機構38(例えば、ジレット(Gillette)(登録商標)Flexball(商標)及び参照により本明細書に組み込まれる、代理人整理番号15148Pを有する同一所有者の同時係属中の米国特許出願に開示されている構成要素)、並びに(5)ハンドル12、である。すなわち、かみそりカートリッジ15は皮膚相互連結部材20に連結され、皮膚相互連結部材20は軸A1機構30に連結され、軸A4機構38は軸A1機構30に連結され、これが次いでハンドル12に連結される。軸A5を中心とする運動を可能にする実施形態は有利にも、剃毛ストローク中にかみそりカートリッジが皮膚の輪郭により密接に追従することを可能にし得る。
図12Bの投影
図127Bは、特定の回転軸を中心とした回転を可能にする付加的な機構、具体的には、軸A3を中心とした回転を可能にする機構92、軸A2を中心とした回転を可能にする機構93、及び軸A5を中心とした回転を可能にする機構94を備えた、本発明の別の実施形態を示している。機構38、92、及び93はそれぞれハンドルネックエリア23内に位置し、機構93及び94はハンドル本体エリア21内に位置する。機構92、93、及び94を追加すること、又は他の機構を機構92、93、及び94と交換することにより、設計における柔軟性、剃毛ストローク中にかみそりカートリッジ15が皮膚により良好に追従することを可能にする運動の合成角、及びより小さくかつより簡潔な機構が提供され得る。
【0083】
図12B及び投影
図127Aに示される実施形態を参照すると、これらのかみそり構成要素の物理的連結の順序は、ハンドル12の遠位端部分18から最も遠く離れたところから開始して、(1)かみそりカートリッジ15、(2)皮膚相互連結部材20、(3)底部ポッド19及びばね復帰要素を含み得る、軸A4を中心とした回転を可能にする機構38、(4)軸A1を中心とした回転を可能にする機構、並びに(5)ハンドル12、である。すなわち、かみそりカートリッジは皮膚相互連結部材に連結され、皮膚相互連結部材は軸A4機構38に連結され、軸A4機構38は軸A1機構30に連結され、これが次いでハンドル12に連結される。軸A1機構30は、軸受、ばね復帰要素、及びブラケットアームを含む、
図5に記載されたものと同様の設計を有し得る。
【0084】
図12Bの投影
図127B~127Eに、かみそり構成要素の最初の3つのうち、ハンドル12の遠位端部分18から最も離れたところから開始して、(1)かみそりカートリッジ15、(2)皮膚相互連結部材20、及び(3)軸A1を中心とした回転のみ可能にしない機構、の物理的連結の順序を有する他の実施形態が示されている。
図12Bにおける非限定的な実施形態の軸A1機構30は、ハンドルネックエリア21(投影
図127A及び127B)、ハンドル本体23(投影
図127D及び127E)、又はハンドルネックエリア21とハンドル本体23との間の接合部(投影
図127C)にあり得る。皮膚相互連結部材20と軸A1機構30との分離により、これらの実施形態は、カートリッジにより近いところで回転運動(例えば、ヨー運動又はロール運動)を有することを実現し得る。この物理的連結の順序は、より単純な旋回機構、より多くのモジュール式かみそり設計を可能にし、とりわけ、より大きな容積を有する皮膚相互連結部材を可能にし得る。
【0085】
代替的にあるいは追加的に、軸A1、軸A2、軸A3、及び/又は軸A4機構は、任意の順序で組み合わされても、あるいは1つのユニットへと組み合わされてもよい。異なる運動軸を中心とした機構の異なる連結順序の組み合わせは、かみそりシステム設計に柔軟性をもたらし、良好な剃毛性能及び効果を、ハンドルから皮膚相互連結要素を介して提供し得る。1つのユニットへの組み合わせは、ユニバーサル型の旋回運動を提供すると称され得る。
【0086】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0087】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0088】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。