(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】介入器具荷重に基づく最適撮像視点
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20220712BHJP
【FI】
A61B34/20
(21)【出願番号】P 2020572434
(86)(22)【出願日】2019-06-19
(86)【国際出願番号】 EP2019066176
(87)【国際公開番号】W WO2020002078
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-02-24
(32)【優先日】2018-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】バリキ マーチン アルカディウシュ
【審査官】佐々木 訓
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/141784(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2010/169815(US,A1)
【文献】国際公開第2017/042823(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/132839(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/100066(US,A1)
【文献】特開2016-179168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/20
A61B 34/10
A61B 17/00
A61B 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
介入器具と、
前記介入器具の計画軌道を確立する器具ガイドと、
前記介入器具が前記器具ガイド内に配置されたときに前記介入器具及び前記器具ガイドのうちの少なくとも一方に及ぼされる力
及びトルクのうちの少なくとも一方を感知する少なくとも1つの力/トルクセンサと、
前記介入器具の最適撮像POVの決定を制御するように動作可能な最適撮像POVコントローラと、
を含み、
前記最適撮像POVコントローラは、前記少なくとも1つの力/トルクセンサによって感知された前記介入器具及び前記器具ガイドのうちの少なくとも一方に及ぼされる前記力
及び前記トルクのうちの少なくとも一方の測定から、前記介入器具の撮像軸を導出する、最適撮像POV介入システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの力/トルクセンサは、前記介入器具及び前記器具ガイドのうちの少なくとも一方に埋め込まれている、請求項1に記載の最適撮像POV介入システム。
【請求項3】
前記介入器具の前記計画軌道を確立するように前記器具ガイドを配置するガイド位置決めシステムをさらに含み、
前記ガイド位置決めシステムは、前記少なくとも1つの力/トルクセンサを含む、請求項1に記載の最適撮像POV介入システム。
【請求項4】
前記最適撮像POVコントローラは、前記少なくとも1つの力/トルクセンサを
具現化する力/トルク制御モジュールを含み、前記力/トルク制御モジュールは、(i)前記介入器具及び/若しくは前記器具ガイドの撓み、(ii)前記器具ガイドに関連するガイド位置決めシステム内のモータ電流、又は(iii)前記介入器具及び/若しくは前記器具ガイドの圧力感知から、前記介入器具及び/又は前記器具ガイドに及ぼされる力/トルクを推測する、請求項1に記載の最適撮像POV介入システム。
【請求項5】
前記最適撮像POVコントローラは、前記介入器具及び前記器具ガイドのうちの少なくとも一方に及ぼされる前記力
及び前記トルクのうちの少なくとも一方の最大として、力測定及びトルク測定のうちの少なくとも一方を実行する、請求項1に記載の最適撮像POV介入システム。
【請求項6】
前記最適撮像POVコントローラは、イベント後に
感知された前記介入器具及び前記器具ガイドのうちの少なくとも一方に及ぼされる前記力
及び前記トルクのうち
の少なくとも一方として、力測定及びトルク測定のうちの少なくとも一方を実行する、請求項1に記載の最適撮像POV介入システム。
【請求項7】
前記最適撮像POVコントローラは、ある期間にわたる前記介入器具及び前記器具ガイドのうちの少なくとも一方に及ぼされる前記力
及び前記トルクのうちの少なくとも一方の平均として、力測定及びトルク測定のうちの少なくとも一方を実行する、請求項1に記載の最適撮像POV介入システム。
【請求項8】
前記最適撮像POVコントローラは、前記介入器具が前記器具ガイド内に静止しているときに、前記介入器具及び前記器具ガイドのうちの少なくとも一方に及ぼされる前記力
及び前記トルクのうちの少なくとも一方の平均として、力測定及びトルク測定のうちの少なくとも一方を実行する、請求項1に記載の最適撮像POV介入システム。
【請求項9】
前記最適撮像POVコントローラは、前記計画軌道の標的位置に対する前記介入器具の近接度に基づいて、前記介入器具及び前記器具ガイドのうちの少なくとも一方に及ぼされる前記力
及び前記トルクのうちの少なくとも一方の重み付け力測定及び重み付けトルク測定のうちの少なくとも一方を実行する、請求項1に記載の最適撮像POV介入システム。
【請求項10】
前記最適撮像POVコントローラは、前記器具ガイドの運動学的モデルに基づいて、前記介入器具及び前記器具ガイドのうちの少なくとも一方に及ぼされる前記力
及び前記トルクのうちの少なくとも一方の重み付け力測定及び重み付けトルク測定のうちの少なくとも一方を実行する、請求項1に記載の最適撮像POV介入システム。
【請求項11】
前記最適撮像POVコントローラは、前記少なくとも1つの力/トルクセンサによって感知された前記介入器具及び前記器具ガイドのうちの少なくとも一方に及ぼされる力/トルクベクトルの位置と、前記計画軌道と前記力/トルクベクトルとの外積によって形成される撮像座標系における撮像ベクトルとの関数として、前記撮像軸を計算する、請求項1に記載の最適撮像POV介入システム。
【請求項12】
前記最適撮像POVコントローラは、前記少なくとも1つの力/トルクセンサによって感知された前記介入器具及び前記器具ガイドのうちの少なくとも一方に及ぼされる力ベクトルと、前記少なくとも1つの力/トルクセンサによって感知された前記介入器具及び前記器具ガイドのうちの少なくとも一方に及ぼされるトルクベクトルとの平均として、前記撮像軸を計算する、請求項1に記載の最適撮像POV介入システム。
【請求項13】
前記最適撮像POVコントローラは、前記撮像軸の介入撮像システムへの通信を制御することと、前記撮像軸に従う介入撮像システムの再配置を制御することとのうちの少なくとも1つを行う、請求項1に記載の最適撮像POV介入システム。
【請求項14】
前記最適撮像POVコントローラは、前記介入器具の位置
並びに前記計画軌道に対する前記介入器具の
前記位置に関連する力
及びトルクのうちの少なくとも一方の測定値を示すモデルの視覚化を制御することと、前記介入器具の複数の撮像POV
並びに前記計画軌道に対する前記介入器具の
前記位置に関連する力
及びトルクのうちの少なくとも一方の測定値を示すモデルの視覚化を制御することと、のうちの少なくとも1つを行う、請求項1に記載の最適撮像POV介入システム。
【請求項15】
前記最適撮像POVコントローラは、前記少なくとも1つの力/トルクセンサによって力イベントが感知された点を通過し、POV平面に平行な平面に前記介入器具の動きを整列させるために、画像誘導システムの動きを制御することと、前記少なくとも1つの力/トルクセンサによって感知された力ベクトルに沿って、画像誘導システムの動きを制御することと、のうちの少なくとも1つを行う、請求項1に記載の最適撮像POV介入システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に介入処置中の撮像視点に関する。本開示は、具体的には介入器具に加えられる力及びトルクに基づく新規かつ発明的な最適な撮像視点に関する。
【背景技術】
【0002】
画像誘導手術では、外科医が、ガイド位置決めシステムを用いて、術前外科治療計画を、3次元(「3D」)仮想モデルから患者の解剖学的構造上に直接転写する。ガイド位置決めシステムは、患者、器具を追跡し、手術計画を患者座標系に持ってくるために位置合わせを行う。多くの手術では、受動的又はロボット式の器具ガイドを使用して、ガイド位置決めシステムのフィードバックを使用する標的との位置決め及び位置合わせの際の安定性及び精度を提供する。特に、ナビゲーション支援が、最小侵襲手術(MIS)において必要とされ、この場合、介入部位へのアクセスは、特別な器具(しばしば、チューブ、ロッド、又は針)のみを受け入れるために最小限に抑えられる。MISは、例えば、治癒にかかる時間を短縮し、感染による合併症を低減し、失血を低減し、美容結果を向上させ、コストを削減する。ガイド位置決めシステムは、外科医がこのMISアプローチに起因する視覚的閉塞及び幾何学的アクセス制限を克服することを可能にし、解剖学的構造に対する器具の配置の精度を高める。
【0003】
例えば、MIS脊椎固定術は、外科的ナビゲーションによって可能にされる手術である。スクリューを配置するための従来のアプローチは、脊椎の表面にアクセスするために筋肉及び他の組織の広範な操作及び除去を必要とし、これに対して、MISは、椎弓根スクリュー固定のための経皮的アプローチを可能にする。具体的には、外科医は、患者のコンピュータ断層撮影(「CT」)撮像された3Dモデルに椎弓根スクリューを配置することを計画し、椎弓根自体を見ることなく、皮膚を通して椎骨の椎弓根に器具を配置する。器具誘導システム(例えば、光学トラッカに基づく又はロボットポジショナ)は、患者及び器具を追跡して、皮膚の数センチメートル下の標的椎弓根の位置について外科医に視覚的誘導を提供する。手術の初期に、予備的3Dモデル及び手術計画を追跡された器具及び基準マーカーを用いて患者に位置合わせするために、幾つかの2D又は3DのX線画像が撮影されることが多い。器具の位置決めは、フリーハンド方式で、又は手動若しくはロボットで位置決めされた器具ガイドで行うことができる。位置決めアーム及びロボットで配置されたガイドは、皮膚、脂肪、筋肉、及び最終的には骨の層を通して患者に挿入される器具(例えば、椎弓根錐、kワイヤ)のための安定した軌道を提供する。ロボットガイドは、ガイドを自動的に計画位置に配置し、それにより、現在の器具位置に対する標的軌道の位置を解釈するための手と目との協調への依存を減らす。いくつかのプロトコルは、スクリューが椎弓根に挿入される前に、患者内に配置された器具(すなわち、針状kワイヤ)の確認用X線検査を含む。外科医は、X線画像において位置ずれが見られる場合、kワイヤを再挿入することを試みる。スクリューの固定後、切開部が閉じられる前に、追加の確認画像が撮影される。
【0004】
類似のプロセスが、例えば、針様デバイスが患者の体内の標的塊に到達するために経皮的に患者に挿入される生検又は焼灼など、多くの画像誘導治療において見出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ナビゲーション及びロボット誘導を用いても、正確な位置決めは、特に、小さな切開部を通して使用される長くて細い器具(針、ドリルなど)の場合、誤差を生じやすい。これは、器具と接触する組織、皮膚、筋肉、及び骨が器具に及ぼす力、ならびに外科医によって加えられる力による器具又は組織の変位によるものである。剛性のロボットガイドシステム(例えば、Mazor X)を用いても、これらの力は標的組織、ロボットマニピュレータ、及び器具自体を偏向させ、意図された標的経路からの逸脱をもたらし、手術ミスにつながる。この逸脱は、必ずしも容易に検出又は直ちに補正されるとは限らない。
【0006】
多くの場合、軌道は、介入ステップが完了する直前に(例えば、椎弓根スクリューが移植される前の確認のためのkワイヤ配置)、追加の撮像(X線)で確認され、多くの場合、このステップは、すべての計画された介入が適切に実行されたことを確認するために、処置の終わりに実行され、この場合、補正を是正するのは容易ではない。したがって、外科医は、器具の配置の間又は直後に、器具の荷重による潜在的な位置誤差が可能であることを知ることから恩恵を受けるであろう。さらに、この荷重方向は、潜在的な位置誤差又は角度誤差の方向を示すことができる。したがって、ナビゲーション/追跡システムによって検出されない位置誤差を評価するために、外科医が患者を撮像するのを支援する方法が必要とされる。
【0007】
ナビゲーション/追跡システムによって検出されない位置誤差を改善するために、本開示の発明は、介入中に、介入器具(例えば、針、ドリル、スクリューなど)及び/又は器具ガイド(例えば、ハンドヘルド、受動位置決めアーム、又は完全に作動されたロボットポジショナ)に及ぼされる力/トルクを検出するための最適な撮像視点(Point-of-View:POV)介入システム及び方法を提供する。検出された力/トルクに起因する介入器具の位置決め誤差の可能性は、外科医に報告され、これにより、外科医が可能性のある位置決め誤差の最適な視野のために医用撮像システムのPOVを調整するか、又は、これにより、本開示のコントローラが可能性のある位置決め誤差の最適な視野のために医用撮像のためのPOVを自律的に調整する。本開示のシステム及び方法は、検出された力/トルクの方向及び/又は大きさ、ならびに解剖学的構造及び/又は治療計画に対する介入器具の位置及び向きから導出される確認撮像のための視点(例えば、Cアームの場合には撮像位置及び軸角度)を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の発明の一実施形態は、介入器具、器具ガイド、1つ以上の力/トルクセンサ、及び最適撮像POVコントローラを使用する最適撮像POV介入システムである。動作中、器具ガイドは、介入器具の計画軌道を確立し、力/トルクセンサは、介入器具及び/又は器具ガイドに及ぼされる力並びに/又はトルクを感知する。最適撮像POVコントローラは、力/トルクセンサによって感知された介入器具及び/若しくは器具ガイドに及ぼされる力並びに/又はトルクの測定値から、介入器具の撮像軸を導出することによって、介入器具の最適撮像POVの決定を制御する。
【0009】
本開示の発明の第2の実施形態は、(1)器具ガイドによって、介入器具の計画軌道を確立することと、(2)1つ以上の力/トルクセンサによって、介入器具が器具ガイド内に配置されたときに介入器具及び/若しくは器具ガイドに及ぼされる力並びに/又はトルクを感知することと、(3)最適撮像POVコントローラによって、力/トルクセンサによって感知された介入器具及び/若しくは器具ガイドに及ぼされる力並びに/又はトルクの測定値から、介入器具の撮像軸を導出することによって、介入器具の最適撮像POVの決定を制御することとを含む、最適撮像POV介入システムである。
【0010】
一般的に、最適なPOVは、作業(例えば、体への器具の装着)の過程にわたる最大の力及び/又はトルク(経験的に決定された相対的重みを伴う)に基づいている。
【0011】
あるいは、ある期間にわたる平均力/トルクを比較する時間的フィルタを使用してもよい。このモードでは、最適撮像POVコントローラは、(1)高い力/トルクを伴う短いイベント(ハンマーからの衝撃など)、(2)s秒間にわたって測定された一定の力/トルクに関連するビュー、又は(3)s秒間にわたる平均力/トルクに対応する複数のビューを提案する。
【0012】
さらに、最適撮像POVコントローラは、力-トルクを体内のツールの位置にリンクさせ、処置中に器具にかかる予想される力及びトルクを含む外科手術計画を考慮する。この計画からの逸脱を使用して、上述のようにPOVを生成する。
【0013】
他の最適なPOVは、(皮膚から1cm下の)深さ又は(骨上の)組織への近接度など、体内の特定の関心領域における最大力及びトルクに関連付けられる。
【0014】
器具が(例えば、スペクトル感知を使用して)組織を特徴付けることができる場合、(力/トルク測定からの)潜在的なPOV選択の優先順位付けは、体内の組織タイプ、又は、体内若しくは標的若しくは器具に対する位置によって決められる。
【0015】
最適撮像POVコントローラはまた、タスク中に外科医が選択した時間に、又はタスク中に外科医が選択した器具の事前記録された位置において、力/トルクから導出されたPOVを選択するためのインターフェースを提供してもよい。
【0016】
本開示の発明を説明し、特許請求するために:
(1)「介入処置」、「介入器具」、「器具ガイド」、「介入撮像システム」、「位置追跡システム」、「ガイド位置決めシステム」、「力センサ」、「トルクセンサ」、「力測定値」、及び「トルク測定値」を含むがこれらに限定されない本開示の技術分野の用語は、本開示の技術分野において知られているように広く解釈されるべきであり、本開示に例示的に記載されている。
(2)より具体的には、「介入処置」という用語は、患者の解剖学的構造の撮像、診断、及び/又は治療のための、本開示の技術分野において知られている、又は以下において想到されるすべての介入処置を広く包含する。
(3)より具体的には、「力/トルクセンサ」という用語は、介入器具及び器具ガイドに対して直接的又は間接的に及ぼされている力並びに/又はトルクを感知するための、本開示の技術分野において知られている、又は以下において想到されるすべての力センサ、トルクセンサ、又はそれらの組合せを広く包含する。
(4)「コントローラ」という用語は、本開示で後述される本開示の様々な発明原理の応用を制御するための特定用途向けメインボード又は特定用途向け集積回路の、本開示の技術分野において理解され、本開示において例示的に説明されるすべての構造構成を広く包含する。コントローラの構造構成は、プロセッサ、コンピュータ使用可能/コンピュータ可読記憶媒体、オペレーティングシステム、アプリケーションモジュール、周辺デバイスコントローラ、スロット及びポートを含むが、これらに限定されない。コントローラは、ワークステーション内に収容されていても、ワークステーションにリンクされていてもよい。「ワークステーション」の例としては、スタンドアロンコンピューティングシステム、サーバシステムのクライアントコンピュータ、デスクトップ、ラップトップ又はタブレットの形態の1つ以上のコンピューティングデバイス、ディスプレイ/モニタ、及び1つ以上の入力デバイス(例えば、キーボード、ジョイスティック及びマウス)のアセンブリが挙げられるが、これらに限定されない。
(5)本明細書において説明され、特許請求されるコントローラの記述ラベルは、「コントローラ」という用語に何らかの追加の限定を指定又は暗示することなく、本明細書において説明され、特許請求されるコントローラ間の区別を容易にする。
(6)「アプリケーションモジュール」という用語は、特定のアプリケーションを実行するための電子回路(例えば、電子コンポーネント及び/又はハードウェア)及び/又は実行可能プログラム(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体及び/又はファームウェアに記憶された実行可能ソフトウェア)からなるコントローラ内に組み込まれるか、又はコントローラによってアクセス可能なアプリケーションを広く包含する。
(7)本明細書において説明され、特許請求されるアプリケーションモジュールの記述ラベルは、「コントローラ」という用語に何らかの追加の限定を指定又は暗示することなく、本明細書において記載され、特許請求されるアプリケーションモジュール間の区別を容易にする。
(8)「信号」、「データ」、及び「コマンド」という用語は、本開示で後述される本開示の様々な発明原理を応用することを支援して情報及び/又は命令を送信するための、本開示の技術分野において理解され、本開示において例示的に説明される検出可能な物理量又はインパルス(例えば、電圧、電流、又は磁場強度)のすべての形態を広く包含する。本開示の様々な構成要素は、任意のタイプの有線又は無線データリンクを介した信号/データ/コマンド送信/受信、及びコンピュータ使用可能/コンピュータ可読記憶媒体にアップロードされた信号/データ/コマンドの読み取りを含むが、これらに限定されない、本開示の技術分野において知られている任意の通信方法を含む。
(9)本明細書において説明され、特許請求される信号/データ/コマンドの記述ラベルは、「信号」、「データ」、及び「コマンド」という用語に何らかの追加の限定を指定又は暗示することなく、本明細書において説明され、特許請求される信号/データ/コマンド間の区別を容易にする。
【0017】
本開示の発明の前述の実施形態及び他の実施形態、ならびに本開示の発明の様々な構造及び利点は、添付の図面と併せて読まれる本開示の発明の様々な実施形態の以下の詳細な説明から、さらに明らかになるであろう。詳細な説明及び図面は、本開示の発明を単に例示するものであり、限定するものではなく、本開示の発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本開示の発明原理による最適撮像POV介入システムの例示的な実施形態を示す。
【
図2A-2F】
図2A-
図2Fは、本開示の発明原理による例示的な最適撮像POV提案を示す。
【
図3】
図3は、本開示の発明原理による、
図1の最適撮像POV介入システムの例示的な実施形態を示す。
【
図4】
図4は、本開示の発明原理による最適撮像POVコントローラの例示的な実施形態を示す。
【
図5】
図5は、本開示の発明原理による最適撮像POV介入方法の例示的な実施形態を表すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の様々な発明の理解を容易にするために、
図1及び
図2の以下の説明は、本開示の最適撮像POV介入システム及び方法に関連する基本的な発明原理を教示する。この説明から、当業者は、本開示の最適撮像POV介入システム及び方法の追加の実施形態を作成し、使用するために、本開示の発明原理をどのように適用するかを理解するであろう。
【0020】
図1を参照すると、本開示の最適撮像POV介入システムは、介入器具30と、器具ガイド40と、介入撮像システム60と、位置追跡システム70とを使用する。
【0021】
介入器具30の例としては、血管介入ツール(例えば、ガイドワイヤ、カテーテル、ステントシース、バルーン、アテローム切除カテーテル、IVUS撮像プローブ、展開システムなど)、管腔内介入ツール(例えば、内視鏡、気管支鏡など)、及び整形外科介入ツール(例えば、kワイヤ及びスクリュードライバ)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
実際には、器具ガイド40は、例えば、ハンドヘルドガイドデバイス及びテンプレートなどの独立型ガイドである。また、実際には、器具ガイド40は、例えば、受動ロボットプラットフォームのエンドエフェクタ又は能動ナビゲーションロボットのエンドエフェクタなど、ガイド位置決めシステムのエンドエフェクタである。能動ナビゲーションロボットの例としては、de Vinci(登録商標)ロボットシステム、Medrobotics Flex(登録商標)ロボットシステム、Magellan(登録商標)ロボットシステム、及びCorePath(登録商標)ロボットシステムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
介入撮像システム60の例としては、スタンドアロンX線撮像システム、移動式X線撮像システム、超音波ボリュメトリック撮像システム(例えば、TEE、TTE、IVUS、ICE)、コンピュータ断層撮影(「CT」)撮像システム(例えば、コーンビームCT)、陽電子放出断層撮影(「PET」)撮像システム、及び磁気共鳴撮像(「MRI」)システムが含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
位置追跡システム70の例としては、電磁(「EM」)測定システム(例えば、Auora(登録商標)電磁測定システム)、光ファイバベースの測定システム(例えば、Fiber-Optic RealShape(商標)(「FORS」)測定システム)、超音波測定システム(例えば、InSitu又は画像ベースのUS測定システム)、光学測定システム(例えば、Polaris光学測定システム)、無線周波数識別測定システム、磁気測定システム、及び能動介入ロボットのエンコーダシステムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
一般に、本開示の技術分野において知られているように、介入処置中、器具ガイド40、介入撮像システム60、及び位置追跡システム70は、解剖学的物体10の標的位置への介入器具30の1つ以上の軌道を描写する介入治療計画に従って、解剖学的物体10に対する介入器具30の画像誘導ナビゲーションをサポートする。
【0026】
位置追跡システム70は、介入処置中に非常に有益であることが分かっているが、本開示の発明は、解剖学的物体10に対する介入器具30の介入撮像システム60の現在の撮像POVからは検出できない、介入器具30及び/又は器具ガイド40に及ぼされる力/トルクに起因して生じる潜在的な位置誤差に対処する。このために、本開示の最適撮像POV介入システムは、最適POV撮像コントローラ20及び1つ以上の力/トルクセンサ50を使用して、本開示の最適撮像POV介入方法を実施する。
【0027】
実際には、力/トルクセンサ50は、介入器具30又は器具ガイド40に埋め込まれるか、器具ガイド40を使用するガイド位置決めシステム内に組み込まれるか、及び/又は、最適POV撮像コントローラ20(図示せず)の力/トルク制御モジュール21内で具現化されて、介入器具30及び/又は器具ガイド40に直接的及び/又は間接的に加えられる1つ以上の力並びにトルクを測定する。
【0028】
実際には、力/トルクセンサ50は、1つ以上の自由度を有する。
【0029】
一実施形態では、力/トルクセンサ50は、器具ガイド40と関連するガイド位置決めシステムとの間に位置決めされた6自由度(DOF)(3軸力/3軸トルク)センサである。測定された力/トルクは、介入器具30の重量に対して重力補償され、介入器具30の推定先端位置で分解され、介入撮像システム60の撮像座標系に変換される。
【0030】
別の実施形態では、本開示の技術分野において知られているように、力/トルク制御モジュール21は、介入器具30及び/又は器具ガイド40の撓み、器具ガイド40に関連するガイド位置決めシステム内のモータ電流、又は介入器具30及び/又は器具ガイド40の圧力感知から、介入器具30及び/又は器具ガイド40に及ぼされる力/トルクを推測する。
【0031】
最適撮像POV介入方法は、力/トルク制御モジュール21による介入治療計画11の入力と、力/トルク制御モジュール21による力/トルクデータ51、介入撮像データ61及び介入位置データ71のモニタリング及び記憶とを含む。
【0032】
力/トルク制御モジュール21は、標的位置及び向きが許容可能な閾値(例えば、1度、1mm)内にあるとき、すなわち、介入器具30が標的軌道と整列し、器具ガイド40を伝って動くとき、又は介入器具30が患者の皮膚を貫通するとき(位置データ又は力センサイベントから導出される)に、力/トルク解析を開始する。その後、力/トルク制御モジュール21は、力/トルク解析が経験的に事前定義された閾値を超えるときはいつでも、ビープ音又はグラフィカル警告で外科医に知らせる。
【0033】
実際には、経験的に事前定義された閾値は、介入器具30の現在のナビゲーション軌道が標的位置の許容可能な公差内にある、位置追跡システム70によって検出されない位置誤差間、及び、介入器具30の現在のナビゲーション軌道が標的位置の許容可能な公差内にない、位置追跡システム70によって検出されない位置誤差間の境界から確立される。
【0034】
警告に応答して、最適POV制御モジュール22は、分解された力/トルクの位置によって定義される介入撮像システム60の撮像座標系における新しい撮像軸と、標的軌道と力/トルクベクトルとの外積によって形成される介入撮像システム60の画像座標系におけるベクトルとを計算する。その後、最適POV制御モジュール22は、新しい撮像軸(位置及び角度)を外科医に伝達し、介入器具30のより最適なビューを取得するために、新しいPOVに介入撮像システム60を再配置することを提案する。あるいは、最適POV制御モジュール22は、新しいPOVにおける介入撮像システム60の再配置を自律的に制御してもよい。
【0035】
例えば、
図2Aは、解剖学的物体10内に黒丸で象徴される標的位置を有する、解剖学的物体10のXY平面撮像POV内の計画軌道11aを示す。介入器具30aが、ナビゲーション軌道に沿って標的位置に向けてナビゲートされると、力/トルク制御モジュール21は、経験的に事前定義された閾値を考慮して、力/トルク解析を行う。
【0036】
力/トルク解析結果が閾値よりも小さい場合、XY平面で見られるナビゲーション軌道11bに沿った介入器具30aのナビゲーションは、力/トルク制御モジュール21によって中断されずに標的位置に進む。
図2Bは、経験的に事前定義された閾値よりも小さい介入器具30aに及ぼされる力F
Z1を示し、これにより、XY平面で見られるナビゲーション軌道11bに沿った介入器具30aのナビゲーションは、力/トルク制御モジュール21によって中断されずに、
図2Cに示すように、標的位置に進む。この場合では、力F
Z1は、計画軌道11aとナビゲーション軌道11bとの間に大きな差異を生じさせていない。
【0037】
力/トルク解析結果が閾値を超えると、XY平面で見られるナビゲーション軌道11bに沿った介入器具30aのナビゲーションは、力/トルク制御モジュール21によって中断されて、より最適な撮像POVが決定される。
図2Dは、経験的に事前定義された閾値を超える介入器具30aに及ぼされる力F
Z2を示し、これにより、XY平面で見られるナビゲーション軌道11bに沿った介入器具30aのナビゲーションは、力/トルク制御モジュール21によって中断されて、より最適な撮像POVが決定される。この例では、最適POV制御モジュール22は、力F
Z2のZ方向に基づいて、
図2Eに示すように、より最適な撮像POVはZY平面であることを決定し、これにより、外科医又は最適POV制御モジュールは、それに応じて介入撮像システム60を再配置する。この結果、計画軌道11aとナビゲーション軌道11bとの差によって、外科医又は自律的な撮像誘導ガイド位置決めシステムが、計画軌道11bに一致するように介入器具30のナビゲーションを調整し、これにより、
図2Fに示すように標的位置に到達する。この場合では、最適撮像POVの決定によって、位置追跡システム70によって検出されず、XY平面撮像POVにおいて視覚的に確認できなかった計画軌道11aとナビゲーション軌道11bとの間の、力F
Z2によって引き起こされる著しい差が対処される。
【0038】
本開示の様々な発明のさらなる理解を容易にするために、
図3~
図5の以下の説明は、本開示の最適撮像POV介入システム及び方法の例示的な実施形態について教示する。この説明から、当業者は、本開示の最適撮像POV介入システム及び方法の追加の実施形態を作成し、使用するために、本開示の発明原理をどのように適用するかを理解するであろう。
【0039】
図3を参照すると、最適撮像POVシステムは、X線撮像システム63(例えば、図示のような可動Cアーム)、ロボットプラットフォーム41(受動又は能動)、追跡発生器72(例えば、EM発生器、光学発生器)、介入ワークステーション80、及び制御ネットワーク90を使用して、任意のタイプの介入処置中に、手術台OT上に横たわっている患者Pの解剖学的領域内に、ロボットプラットフォーム41によって保持された介入器具31を配備する。制御ネットワーク90は、モニタコントローラ91、介入コントローラ92、及び最適POV撮像コントローラ20(
図1)を含む。
【0040】
本開示の技術において知られているように、X線撮像システム63は、一般にX線発生器64、画像増強器65、及びX線撮像システム63を回転させるためのカラー68を含む。当技術分野において知られている動作では、X線コントローラ67が、X線撮像システム63による、患者Pの解剖学的領域(例えば、低侵襲大動脈弁置換術中の患者Pの心臓、又は低侵襲スクリュー配置中の椎骨)のX線撮像に関する情報を提供するX線撮像データ61の生成を制御する。
【0041】
実際には、X線制御コントローラ67は、X線撮像ワークステーション(図示せず)内に設置されていても、介入ワークステーション80内に設置されていてもよい。
【0042】
さらに
図3を参照すると、ロボットプラットフォーム41は、エンドエフェクタ42の手動による又は制御された横方向の平行移動及び角度移動を提供する。ロボットプラットフォーム41は、1つ以上のエンコーダ(図示せず)及び1つ以上の力/トルクセンサ(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0043】
エンコーダは、基準に対するロボットプラットフォーム41の各アーム/リンクの位置及び/又は向きを知らせるロボット姿勢データ43を生成し、これにより、患者Pの解剖学的領域内でロボットプラットフォーム41によって保持される介入器具31の姿勢の介入コントローラ92による決定を容易にするための、本開示の技術分野において知られている任意のタイプのエンコーダである。
【0044】
力/トルクセンサは、介入器具31又はロボットプラットフォーム41自体を介してロボットプラットフォーム41によって患者Pの解剖学的領域内の組織に加えられる任意の力の程度を知らせる力トルクセンサデータ35を生成するための、本開示の技術分野において知られている任意のタイプのセンサである。あるいは、力/トルクセンサは、本開示の技術分野において知られているように、介入器具31内に埋め込まれていても、又は力/トルク制御モジュール21の力/トルクアルゴリズムとして実装されてもよい。
【0045】
さらに
図3を参照すると、介入ワークステーション80は、モニタ81、キーボード82、及びコンピュータ83を使用するスタンドアロンコンピューティングシステムの既知の構成に組み立てられている。
【0046】
制御ネットワーク90は、コンピュータ83にインストールされている。コンピュータ83にインストールされて、POV撮像コントローラ20の実施形態120は、
図4に示すように、1つ以上のシステムバス126を介して相互接続されているプロセッサ121、メモリ122、ユーザインターフェース123、ネットワークインターフェース124、及び記憶装置125を含む。
【0047】
図4を参照すると、各プロセッサ121は、メモリ又は記憶装置に記憶された命令を実行する、あるいはデータを処理する、本開示の技術分野において知られている、又は以下において想到される任意のハードウェアデバイスである。非限定的な例では、各プロセッサ121は、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の同様のデバイスを含む。
【0048】
メモリ122は、L1、L2、若しくはL3キャッシュ又はシステムメモリを含むが、これらに限定されない、本開示の技術分野において知られている、又は以下において想到される様々なメモリを含み得る。非限定的な例では、メモリ122は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、又は他の同様のメモリデバイスを含み得る。
【0049】
ユーザインターフェース123は、管理者などのユーザとの通信を可能にする、本開示の技術分野において知られている、又は以下において想到される1つ以上のデバイスを含み得る。非限定的な例では、ユーザインターフェース123は、ネットワークインターフェースを介して遠隔端末に提示されるコマンドラインインターフェース又はグラフィカルユーザインターフェースを含み得る。
【0050】
ネットワークインターフェース124は、他のハードウェアデバイスとの通信を可能にする、本開示の技術分野において知られているように、又は以下において想到される1つ以上のデバイスを含み得る。非限定的な例では、ネットワークインターフェース124は、イーサネット(登録商標)プロトコルに従って通信するネットワークインターフェースカード(NIC)を含み得る。さらに、ネットワークインターフェースは、TCP/IPプロトコルに従って通信するためのTCP/IPスタックを実装し得る。ネットワークインターフェースのための様々な代替若しくは追加のハードウェア又は構成が明らかであろう。
【0051】
記憶装置125は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、又は同様の記憶媒体が含まれるが、これらに限定されない、本開示の技術分野において知られている、又は以下において想到される1つ以上の機械可読記憶媒体を含み得る。様々な非限定的な実施形態では、記憶装置125は、プロセッサによる実行のための命令、又はプロセッサが作用するデータを記憶する。例えば、記憶装置125は、ハードウェアの様々な基本動作を制御するための基本オペレーティングシステムを記憶する。本開示の発明の目的のために、記憶装置125は、本開示でさらに説明されるように、力/トルク制御モジュール128及び最適POV制御モジュール129の様々な機能を実施するための実行可能なソフトウェア/ファームウェアの形態の制御モジュール127を記憶する。
【0052】
図3に戻って参照すると、モニタコントローラ91及び介入コントローラ92は、最適POV撮像コントローラ20内で分離されていても、部分的又は全体的に統合されていてもよい。あるいは、モニタコントローラ91及び介入コントローラ92は、2つのワークステーション80間で任意のやり方で分散されていてもよい。
【0053】
動作中、モニタコントローラ91は、本開示の技術分野において知られているように、X線画像データ61を処理してX線画像66を生成し、モニタ81上でのX線画像66の表示を制御する。モニタコントローラ91はさらに、本開示の技術分野において知られているように、介入器具31の計画軌道とナビゲーション軌道とのオーバレイのモニタ81上での表示を制御する。
【0054】
介入コントローラ92は、ロボット位置データ35及び介入位置データ71を処理して、ロボットプラットフォーム41の姿勢を制御し、患者Pの解剖学的領域内での介入器具31のナビゲーションを容易にする。
【0055】
力/トルク制御モジュール21及び最適POV制御モジュール22は、本開示の最適撮像POV介入方法を表すフローチャート200を実行する。
【0056】
図5を参照すると、フローチャート200の段階S202は、力/トルク制御モジュール21が、力/トルクデータ51(
図3)によって示される力/トルクベクトル、ロボット位置データ35(
図3)によって示される介入器具位置及び標的軌道位置、ならびに介入追跡データ71(
図3)及び計画治療によって示される標的位置をモニタリング及び記憶することを包含する。
【0057】
また、段階S202の間に、力/トルク制御モジュール21は、器具位置の履歴をモニタリング及び記憶し始め、これにより、器具位置の履歴及び3Dモデル内のそれらの位置に関連する力/トルクを表示するための3Dユーザインターフェースが、可能性のある位置誤差の警告と併せて、フローチャート200の段階S208の間に生成される。生成された場合、外科医は、外科手術タスクの所与の時点での介入器具31の位置及び力のベクトル(強度を示す長さ)を示す、VCRムービー再生(リプレイ)のように履歴を繰り返し表示させる。外科医は、力/トルクの荷重が処置に影響を及ぼしたと考えられる場面を選択し、この測定データを使用して、撮像軸を提案する。
【0058】
さらに、3Dモデルは、対応する器具位置及び力/トルク測定解析結果に基づいて生成された視点を有する仮想X線画像の生成を容易にする。仮想画像は、実際の確認画像と並べて又は重ねられて比較される。場合によっては、投影画像の代わりに、ツールの位置及び力の方向、ならびに厚さによって定義される仮想スライスが提示されてもよい。仮想3Dモデルリプレイに加えて、対応する手術室ビデオ及びオーディオが(タイムスタンプを介して)同期され、力/トルク測定値及び器具位置データと共に提示される。
【0059】
さらに
図5を参照すると、フローチャート200の段階S204は、力/トルク制御モジュール21が、力/トルク解析を行うことを包含する。
【0060】
実際には、力/トルク制御モジュール21は、最大力/トルクを測定すること、イベント直後の力/トルクを測定すること、器具30が動いていない期間の力/トルクを平均化すること、及び所与の期間の力/トルクを平均化することを含むが、これらに限定されない様々なモードで力/トルクを測定する。
【0061】
さらに、力/トルク制御モジュール21は、介入器具30の解剖学的近接度に基づいて、力/トルクの重み付け測定を行ってもよい。より具体的には、体内への特定の器具挿入中に、いくつかの荷重イベントが生じる。例えば、針を体内に挿入するとき、横方向の力は、皮膚を通過するときは最初は低く、針が筋肉層に入ると、より多くの押すべき質量があるので増大する。この場合、解剖学的情報を使用して、解剖学的構造に対する器具の位置に基づいて、力/トルクの重要性に重み付けすることができる。所定の測定セットについて(又はリアルタイムで)、力は、解剖学的構造に対する関連する器具距離によって重み付けされ、これらの重み付けされた力/トルク測定値及び対応する位置の最大値が、撮像軸の計算に使用される。異なる力/トルクの閾値及び重みを、異なる器具、手順の異なるステップ及び異なる接近角度に対して使用してもよい。
【0062】
さらに、力/トルク制御モジュール21は、器具ガイドの運動学的モデルに基づいて、力/トルクの重み付け測定を行ってもよい。より具体的には、機械デバイスの剛性は、その所与の構成及び荷重方向によって変化する。ロボットプラットフォーム41のアームが延長された場合、ロボットプラットフォーム41の遠位端への所与の力は、アームが収縮された場合よりも、ロボットプラットフォーム41のベースジョイントに大きなトルクを生じさせる。したがって、デバイスの機械的(又はモータの場合には電気的)コンプライアンスからの変位は、延長構成ではより高くなる。同様に、デバイスのコンプライアンスは非対称であってもよい。コンプライアンスのモデルを用いて、デカルト空間における力/トルク測定値を正規化する。例えば、ロボットプラットフォーム41がX方向よりもZ方向において硬い場合、Z及びX方向に組織によって介入器具31に加えられる力の大きさが同じであれば、X方向の力の大きさが小さいほど、X方向の変形が大きくなる。
【0063】
フローチャート200の段階S206は、閾値に対する力/トルク測定値の比較を介した位置誤差の検出を含む。検出されない場合、手順の完了時にフローチャート200が終了するか、又は位置誤差が検出されるまで、段階S204が継続的に繰り返される。
【0064】
フローチャート200の段階S208は、最適POV制御モジュール22が、撮像軸及び撮像装置位置を決定して最適POVを取得することを包含する。
【0065】
一実施形態では、最適POV制御モジュール22は、力/トルク測定の位置によって規定されるX線撮像座標系における新しい撮像軸と、標的軌道と力ベクトルとの外積によって形成される画像座標系におけるベクトルとを計算する。
【0066】
トルクのみが考慮される第2の実施形態では、トルクの軸及び器具位置が、提案される撮像軸として使用される。
【0067】
第3の実施形態では、力及びトルクが測定される場合、2つ以上の異なる撮像軸が計算されてもよい。これを解決する1つの方法はこれらのベクトルの平均をとり、その撮像軸を外科医に提示することである。また、重み付けを使用してもよい。
【0068】
第4の実施形態では、力とトルクとの間の大きさの最大値が、経験的に確立されたトルク変換係数:max_of(k*mag(T),mag(F))に基づいて、撮像軸として選択される 。
【0069】
また、実際には、器具位置を使用する代わりに、最適POV制御モジュール22は、推定された標的位置を使用して撮像軸を計算し、これにより、力/トルク位置は標的位置に変換される。
【0070】
決定された撮像軸は、外科医に伝達されても、X線Cアームが、力イベントが検出された後に、位置が自動的に回転又は平行移動されてもよい。X線は、標的位置に到達したときに自動的に撮像のためにトリガさされる。
【0071】
撮像角度又は位置が、不透明の物体によって遮られる領域を有する場合、代替のビューが提案される。このビューは、元々提案されていたビューイング軸の法線に出来るだけ近い。これは、運動計画に関連する当技術分野において知られている技法を使用して解決できる。このような調整は、外科医に伝達される。
【0072】
さらに、実際には、動き制約が、力イベントがあった点を通過しPOV平面に平行である平面に器具の可能な動きを整列させるロボットに適用されてもよい。運動は、力ベクトルに沿って制約されてもよい。
【0073】
調整されると、フローチャート200は段階S204に戻る。
【0074】
実際には、最大力/トルク負荷を探すための可能な探索空間を最小限に抑えるために、力/トルク及び位置測定値は、例えば、器具の作動/作動停止(例えば、骨に穴をあけること/それを止めること、センサによって検出される振動(打撃骨、ハンマー)による力イベントの検出、及び/又は器具動作の音響感知などの器具の作動と(時間的に同期して)タグ付けされる。外科医は、器具位置及び力/トルクの対応する仮想3Dビューと共に、上述のフィードバック方法のうちの1つ、又は力及び様々なイベントを示すタイムラインが提示される。
【0075】
図1~
図5を参照すると、本開示の当業者は、介入器具及び/又は器具ガイドに及ぼされる力/トルクによる介入器具の潜在的な位置誤差を考慮して、撮像POVを調整する能力を含むが、これに限定されない、本開示の発明の多くの利点を理解するであろう。
【0076】
さらに、当業者は、本明細書に提供される教示を考慮して理解するように、本明細書の開示/明細書に記載され、及び/又は図面に示される構造、要素、構成要素などは、ハードウェア及びソフトウェアの様々な組合せで実装され、単一の要素又は複数の要素に組み合わされ得る機能を提供し得る。例えば、図に示され/図示され/描写されている様々な構造、要素、構成要素などの機能は、専用のハードウェアと、追加された機能性のための適切なソフトウェアと関連してソフトウェアを実行することができるハードウェアとを使用して提供することができる。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサ、単一の共用プロセッサ、又は、そのうちのいくつかは共用及び/又は多重化され得る複数の個々のプロセッサによって提供され得る。さらに、用語「プロセッサ」又は「コントローラ」の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアを排他的に指すと解釈されるべきではなく、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)ハードウェア、メモリ(例えば、ソフトウェアを記憶する読み出し専用メモリ(「ROM])、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、不揮発性ストレージなど)、ならびにプロセスを実行及び/又は制御可能である(及び/又は構成可能である)実質的にすべての手段及び/又は機械(ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、それらの組合せなどを含む)を暗黙的に含むことができるが、これらに限定されない。
【0077】
さらに、本発明原理、態様、及び実施形態、ならびにその特定の実施例を列挙する本明細書におけるすべての記述は、その構造的及び機能的均等物の両方を包含することを意図している。さらに、そのような均等物は、現在知られている均等物と将来開発される均等物(例えば、構造にかかわらず、同じ又は実質的に同様の機能を行うことができる開発される任意の要素)の両方を含むことを意図している。したがって、例えば、本明細書で提供される教示を考慮して当業者に理解されるように、本明細書で提示される任意のブロック図は、本発明原理を具現化する例示的なシステム構成要素及び/又は回路の概念図を表す。同様に、当業者は、本明細書に提供される教示を考慮して、任意のフローチャート、フロー図などが、コンピュータ可読記憶媒体で実質的に表すことができ、したがって、コンピュータ、プロセッサ、又は処理能力を有する他のデバイスによって、そのようなコンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているかどうかにかかわらず、実行される様々なプロセスを表すことを理解すべきである。
【0078】
操縦可能なイントロデューサの新規かつ発明的な画像ガイダンス、ならびに操縦可能なイントロデューサのそのような画像ガイダンスを組み込むシステム及び方法の好ましい例示的な実施形態を説明したが(これらの実施形態は例示的であり、限定的ではないことが意図される)、図面を含む本明細書で提供される教示に照らして、修正及び変形が当業者によって行われ得ることに留意されたい。したがって、本開示の好ましい例示的な実施形態に、本明細書で開示される実施形態の範囲内にある変更を行うことができることを理解されたい。
【0079】
さらに、デバイス/システムを組み込む及び/又は実装する、あるいは本開示によるデバイスにおいて/デバイスと共に使用/実装され得るような、対応する及び/又は関連するシステムも企図され、本開示の範囲内であると考えられる。さらに、本開示によるデバイス及び/又はシステムを製造及び/又は使用するための、対応する及び/又は関連する方法も企図され、本開示の範囲内であると考えられる。