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特許7104378ウイルス検出システム、ウイルス検出方法、及びウイルス検出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-12
(45)【発行日】2022-07-21
(54)【発明の名称】ウイルス検出システム、ウイルス検出方法、及びウイルス検出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/414 20060101AFI20220713BHJP
   G01N 33/569 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
G01N27/414 301X
G01N27/414 301V
G01N27/414 301K
G01N27/414 301R
G01N33/569 L
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020559749
(86)(22)【出願日】2019-10-03
(86)【国際出願番号】 JP2019039120
(87)【国際公開番号】W WO2020116012
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-01-26
(31)【優先権主張番号】P 2018227533
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】牛場 翔太
(72)【発明者】
【氏名】木村 雅彦
【審査官】小澤 理
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/134942(WO,A1)
【文献】特表2013-544357(JP,A)
【文献】特開2005-275708(JP,A)
【文献】特表2013-507759(JP,A)
【文献】特表2002-511965(JP,A)
【文献】特表2017-514141(JP,A)
【文献】国際公開第2017/183534(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/414
G01N 33/569
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被検者のそれぞれから採取された検体に含まれるウイルスの量に応じて定量的に変化する電気信号を出力する複数のグラフェンセンサを備える測定装置と、
通信回線を通じて前記測定装置に接続するコンピュータシステムと、を備え、
前記コンピュータシステムは、
前記ウイルスの量に応じて定量的に変化する前記電気信号を各被検者の識別情報と関連付けて前記測定装置から前記通信回線を通じて受信する受信手段と、
前記複数のグラフェンセンサのそれぞれから出力される電気信号の変化に基づいて、前記複数の被検者のそれぞれから採取された前記検体に含まれる前記ウイルスの量を解析する解析手段と、
前記複数の被検者のそれぞれから採取された前記検体に含まれる前記ウイルスの量の解析結果を前記被検者毎に予め登録されている通信端末に前記通信回線を通じて送信する送信手段と、
を備えるウイルス検出システム。
【請求項2】
請求項1に記載のウイルス検出システムであって、
前記複数の被検者は、ある特定の集団に属しており、
前記受信手段は、前記ウイルスの量に応じて定量的に変化する前記電気信号を各被検者が属する集団の識別情報と関連付けて前記測定装置から前記通信回線を通じて受信し、
前記解析手段は、前記ウイルスの感染の程度を集団単位で定量的に解析し、
前記送信手段は、前記ウイルスの感染の程度の前記集団単位の解析結果を前記集団毎に予め登録されている通信端末に前記通信回線を通じて送信する、ウイルス検出システム。
【請求項3】
複数の被検者のそれぞれから採取された検体に含まれるウイルスの量に応じて定量的に変化する電気信号を出力する複数のグラフェンセンサと、
前記複数のグラフェンセンサのそれぞれから出力される電気信号の変化に基づいて、前記複数の被検者のそれぞれから採取された前記検体に含まれる前記ウイルスの量を解析する解析手段と、
前記複数の被検者のそれぞれから採取された前記検体に含まれる前記ウイルスの量の解析結果を前記被検者毎に予め登録されている通信端末に通信回線を通じて送信する送信手段と、
を備えるウイルス検出システム。
【請求項4】
請求項3に記載のウイルス検出システムであって、
前記複数の被検者は、ある特定の集団に属しており、
前記解析手段は、前記ウイルスの感染の程度を集団単位で定量的に解析し、
前記送信手段は、前記ウイルスの感染の程度の前記集団単位の解析結果を前記集団毎に予め登録されている通信端末に前記通信回線を通じて送信する、ウイルス検出システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のうち何れか1項に記載のウイルス検出システムであって、
前記検体は、各被検者の唾液、呼気、鼻払い液、又は鼻かみ液を含む、ウイルス検出システム。
【請求項6】
コンピュータシステムが、
複数の被検者のそれぞれから採取された検体に含まれるウイルスの量に応じて定量的に変化する電気信号を出力する複数のグラフェンセンサを備える測定装置から、前記ウイルスの量に応じて定量的に変化する前記電気信号を各被検者の識別情報と関連付けて通信回線を通じて受信するステップと、
前記複数のグラフェンセンサのそれぞれから出力される電気信号の変化に基づいて、前記複数の被検者のそれぞれから採取された前記検体に含まれる前記ウイルスの量を解析するステップと、
前記複数の被検者のそれぞれから採取された前記検体に含まれる前記ウイルスの量の解析結果を前記被検者毎に予め登録されている通信端末に前記通信回線を通じて送信するステップと、
を実行するウイルス検出方法。
【請求項7】
複数の被検者のそれぞれから採取された検体に含まれるウイルスの量に応じて定量的に変化する電気信号を出力する複数のグラフェンセンサを備えるコンピュータシステムが、
前記複数のグラフェンセンサのそれぞれから出力される電気信号の変化に基づいて、前記複数の被検者のそれぞれから採取された前記検体に含まれる前記ウイルスの量を解析するステップと、
前記複数の被検者のそれぞれから採取された前記検体に含まれる前記ウイルスの量の解析結果を前記被検者毎に予め登録されている通信端末に通信回線を通じて送信するステップと、
を実行するウイルス検出方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のウイルス検出方法をコンピュータシステムに実行させるウイルス検出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス検出システム、ウイルス検出方法、及びウイルス検出プログラムに関わる。
【背景技術】
【0002】
インフルエンザをはじめとする感染性が強いウイルスや細菌は、感染者の体内に入ると、発熱などの症状を発症する前に他人に伝染し、感染が広範に拡大することが知られている。症状が発症する前に感染の有無を検出できれば、感染の疑いのある者を発症前の段階で隔離することができ、感染の拡大を大幅に抑制することが可能となる。この種のウイルスを検出する技術として、例えば、特許文献1乃至3及び非特許文献4,5に記載の技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2004-503248号公報
【文献】米国特許公開第2015/0309018号公報
【文献】特開2013-50426号公報
【文献】モバイル遺伝子検査機の開発に成功「現場に持ち込み、細菌やウイルスを約10分で検出」インターネット<URL:http://www.nsg.co.jp/~/media/NSG%20JP/ir/Press%20Releases/2017/08Feb2017RapidMobileDNATestingEquipment_J01.pdf>
【文献】スマホでインフルエンザを1分診断<URL:http://healthcare-biz.jp/2017/03/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B6%E3%82%921%E5%88%86%E8%A8%BA%E6%96%AD/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のイムノクロマトグラフィーは、発症前にウイルスや細菌を検出するほどの感度はない。最近、特許文献3や非特許文献5に記載の簡易型の検出器が提案されており、測定の簡便性は著しく向上しているものの、測定感度は十分でなく、発症前のウイルスの検出は困難である。一方、非特許文献4に示すような手法を用いれば、発症前の段階でウイルスの検出が可能であるが、ウイルスの培養や光学的な検出手法を用いるために装置が大型になり、多数の被検者に対して迅速かつ簡便にウイルスを検出することは困難である。特許文献2に示すグラフェンセンサを用いれば、迅速、簡便、且つ、高感度に、ウイルスを発症前に検出することはできるものの、複数の被検者のそれぞれのウイルス感染の有無及びその程度の検査結果を各被検者に通知することはできない。
【0005】
そこで、本発明は、このような問題に鑑み、複数の被検者のそれぞれから採取された検体に含まれるウイルスの量を発症前に解析し、その解析結果を各被検者に通知することのできるウイルス検出システムを提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本発明に関わるウイルス検出システムは、複数の被検者のそれぞれから採取された検体に含まれるウイルスの量に応じて定量的に変化する電気信号を出力する複数のグラフェンセンサを備える測定装置と、通信回線を通じて測定装置に接続するコンピュータシステムとを備える。コンピュータシステムは、ウイルスの量に応じて定量的に変化する電気信号を各被検者の識別情報と関連付けて測定装置から通信回線を通じて受信する受信手段と、複数のグラフェンセンサのそれぞれから出力される電気信号の変化に基づいて、複数の被検者のそれぞれから採取された検体に含まれるウイルスの量を解析する解析手段と、複数の被検者のそれぞれから採取された検体に含まれるウイルスの量の解析結果を被検者毎に予め登録されている通信端末に通信回線を通じて送信する送信手段とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明に関わるウイルス検出システムによれば、複数の被検者のそれぞれから採取された検体に含まれるウイルスの量を発症前に解析し、その解析結果を各被検者に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態1に関わるウイルス検出システムのハードウェア構成を示す説明図である。
図2】本発明の実施形態1に関わる測定装置の構成を示す説明図である。
図3】本発明の実施形態1に関わる測定装置の構成を示す説明図である。
図4】本発明の実施形態1に関わるグラフェンセンサの構成を示す説明図である。
図5】本発明の実施形態1に関わるグラフェンセンサから出力される電気信号の変化を示す説明図である。
図6】本発明の実施形態1に関わるウイルス検出方法の処理の流れの一例を示す説明図である。
図7】本発明の実施形態1に関わるウイルスの感染の程度の集団単位の解析結果の一例を示すグラフである。
図8】本発明の実施形態2に関わるウイルス検出システムのハードウェア構成を示す説明図である。
図9】本発明の実施形態2に関わるウイルス検出方法の処理の流れの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。ここで、同一符号は同一の構成要素を示すものとし、重複する説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の実施形態1に関わるウイルス検出システム10のハードウェア構成を示す説明図である。ウイルス検出システム10は、ある特定の集団に属する複数の被検者のそれぞれから採取された検体(例えば、唾液、呼気、鼻払い液、又は鼻かみ液などの生体サンプル)に含まれるウイルスを定量的に検出する測定装置20と、測定装置20の検出結果に基づいて、ウイルスの感染の程度を被検者単位及び集団単位で定量的に解析し、その解析結果を予め登録されている通信端末40,50に送信するコンピュータシステム30とを備えている。コンピュータシステム30は、例えば、ホスト計算機でもよく、或いは汎用のパーソナルコンピュータでもよい。測定装置20及びコンピュータシステム30は、有線又は無線の通信回線60を通じて接続されている。通信回線60は、例えば、インターネット回線、移動通信回線、又は近距離無線回線などを含む。
【0010】
通信端末40は、各被検者のウイルスの解析結果の通知先として被検者毎に予め登録されている通信端末(例えば、被検者自身又はその保護者が使用する通信端末)である。通信端末50は、各集団のウイルスの解析結果の通知先として集団毎に予め登録されている通信端末(例えば、集団を管理する者が使用する通信端末)である。通信端末40,50は、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ或いはタブレット端末と呼ばれる移動通信端末でもよく、或いは、通信機能を有するパーソナルコンピュータでもよい。通信端末40には、コンピュータシステム30と協働して各種処理(例えば、被検者の識別情報を読み取る処理、ウイルスの解析結果の通知を受け取る処理など)を実行するためのアプリケーションプログラム41が実装されている。
【0011】
コンピュータシステム30は、通信回線60を通じて測定装置20に接続する通信装置31と、演算装置32と、記憶装置33とを備えている。記憶装置33は、ディスク媒体(例えば、磁気記録媒体又は光磁気記録媒体)又は半導体メモリ(例えば、揮発性メモリ又は不揮発性メモリ)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。このような記録媒体は、例えば、非一過性の記録媒体と呼ぶこともできる。記憶装置30には、本発明の実施形態1に関わるウイルス検出方法をコンピュータシステム30に実行させるためのウイルス検出プログラム34が格納されている。演算装置32は、プロセッサと、メインメモリとを備えており、記憶装置32からメインメモリに読み込まれたウイルス検出プログラム34は、プロセッサによって解釈及び実行される。本発明の実施形態1に関わるウイルス検出方法の詳細については後述する。
【0012】
なお、ウイルスとは、空気感染又は飛沫感染を通じて他人へ拡散する能力の高いウイルスを意味し、例えば、インフルエンザウイルス、風疹ウイルス、エンテロウイルス、ロタウイルスなどを含む。
【0013】
次に、図2乃至図5を参照しながら、測定装置20の構成について説明する。
図2に示すように、測定装置20は、検体収容アレイ21と、グラフェンセンサアレイ24と、処理回路26とを備えている。検体収容アレイ21は、アレイ状に配列する複数の検体収容部22を備えている。各検体収容部22には、ウイルス以外の夾雑物を捕捉するためのフィルタ23が設けられている。グラフェンセンサアレイ24は、アレイ状に配列する複数のグラフェンセンサ25を備える。検体収容部22とグラフェンセンサ25とは一対一に対応しており、各グラフェンセンサ25は、対応する検体収容部22に収容されている検体に含まれるウイルスを定量的に検出する。処理回路26は、各被検者及び各集団を認証する処理や、各被検者及び各集団のウイルスの検出結果をコンピュータシステム30に送信する処理などを行う。
【0014】
図3に示すように、被検者から採取された検体を含む減菌綿棒70を検体収容部22に挿入すると、減菌綿棒70に含まれている検体のうちウイルス以外の夾雑物はフィルタ23によって捕捉される。一方、フィルタ23を通じて夾雑物が除去された、ウイルスを含む検体は、グラフェンセンサ25に滴下する。グラフェンセンサ25は、検体に含まれているウイルスを定量的に検出する。なお、減菌綿棒70の素材として、コットンを用いることができる。減菌綿棒70として、例えば、Salimetrics社製のSalimetrics Infant’s Swabを用いることができる。この種の綿棒を用いる場合、被検者の誤飲を防ぐため、採取者が綿棒の片側を持ちながら、他端を被検者の口に含ませて唾液を採取してもよい。唾液の採取量は、例えば、1ml以下で良い。
【0015】
図4に示すように、グラフェンセンサ25は、ドレイン電極251、ソース電極252、捕捉物質層253、グラフェン254、二酸化シリコン膜255、及びシリコン基板256を備える。ドレイン電極251とソース電極252との間に形成されるグラフェン254には、ウイルス80を補足する捕捉物質層253が積層されており、ウイルス80が捕捉物質層253に捕捉されると、ウイルス80の表面電荷に応じてグラフェンセンサ25の電気的特性(例えば、電流電圧特性)が変化する。グラフェンセンサ25の電気的特性の変化により、グラフェンセンサ25から出力される電気信号(例えば、電流信号)も変化する。ウイルス80の量と電気信号の変化量とは相関していることが知られている。グラフェンセンサ25は、ウイルス80の量に応じて定量的に変化する電気信号をウイルス80の検出結果として出力する。グラフェンセンサアレイ24は、発症前にウイルス80を検出する能力を有しており、且つ、複数の検体を一度に処理できるため、複数の被検者のウイルス80の感染の有無及びその程度の解析に好適である。
【0016】
なお、ウイルス80がインフルエンザウイルスである場合、捕捉物質層253として、抗ヘマグルチニン抗体やシアロ糖鎖を用いることができる。ウイルス80が風疹ウイルスである場合、捕捉物質層253として、Rubella Virus IgGやRubella Virus IgMを用いることができる。ウイルス80がエンテロウイルスである場合、捕捉物質層253として、抗Enterovirus抗体を用いることができる。ウイルス80がロタウイルスである場合、捕捉物質層253として、抗RotaVirus抗体を用いることができる。このようにウイルスの種別に応じて特異的に吸着する物質を捕捉物質層253として用いればよい。
【0017】
図5に示すように、グラフェンセンサ25から出力される電気信号は、検体に含まれるウイルス80の有無に応じて変化する。時刻t0は、検体をグラフェンセンサ25に滴下した時刻を示している。符号91は、検体にウイルス80が含まれている場合における、グラフェンセンサ25から出力される電気信号の変化を示す。一方、符号92は、検体にウイルス80が含まれていない場合における、グラフェンセンサ25から出力される電気信号を示す。このように、検体にウイルス80が含まれていない場合には、電気信号に変化は見られないが、検体にウイルス80が含まれている場合には、電気信号は変化し、その電気信号の変化の程度は、ウイルス80の量が多い程、大きくなる。なお、使用済みのグラフェンセンサアレイ24は、紫外線照射などの減菌処理をしてから、廃棄してもよい。
【0018】
次に、図6を参照しながら、本発明の実施形態1に関わるウイルス検出方法の処理の流れの一例について説明する。複数の被検者が属する特定の集団として、例えば、特定の組織(例えば、学校、保育所、又は幼稚園など)によりクラス分けされた集団や、特定の施設(例えば、病院、空港など)に集まる集団などを挙げることができる。被検者は、必ずしも感染している者には限定されない。ある集団に属する複数の被検者のうち、一部の被検者は感染し、残りの被検者は感染していなくてもよい。ここでは、幼稚園によりクラス分けされた同一クラスに属する複数の園児を特定の集団と見做し、且つ、各園児を被検者と見做して、ウイルス80の感染の程度を被検者単位及び集団単位で定量的に解析する例を説明する。
【0019】
ステップ601において、測定装置20の使用講習を受けた保育士が測定装置20を準備する。
【0020】
ステップ602において、被検者の保護者は、通信端末40に実装されているアプリケーションプログラム41を起動させる。通信端末40は、被検者のウイルスの解析結果の通知先として予め登録されているものとする。アプリケーションプログラム41が起動すると、通信端末40は、例えば、近距離無線通信を通じて測定装置20に接続する。
【0021】
ステップ603において、被検者の保護者は、被検者に固有の識別情報及び被検者が属する集団(クラス)の識別情報を通信端末40のカメラで読み取り、これらの識別情報を測定装置20に送信する。被検者に固有の識別情報又は被検者が属する集団の識別情報は、例えば、被検者の名札に印されている二次元マーカが担う情報でもよい。被検者に固有の識別情報は、例えば、被検者の顔写真でもよい。
【0022】
ステップ604において、測定装置20は、ステップ603で通信端末40から送信される被検者の識別情報及び被検者が属する集団の識別情報に基づいて被検者を認証する。
【0023】
ステップ605において、測定装置20は、ステップ604で認証された被検者から採取された検体を収容する検体収容部22を指定する。このようにして、異なる検体収容部22には、異なる被検者から採取された検体が収容されるように、被検者毎に検体収容部22が個別的に指定される。
【0024】
ステップ606において、保育士は、減菌綿棒70を被検者の口に含ませ、被検者の唾液を検体として採取する。減菌綿棒70は、ステップ605で指定された検体収容部22に挿入される。なお、検体は、唾液に限らず、例えば、呼気、鼻払い液、又は鼻かみ液などでもよい。
【0025】
ステップ607において、測定装置20は、ステップ606で検体収容部22に挿入された減菌綿棒70に含まれるウイルスを測定する。即ち、ステップ605で指定された検体収容部22に対応するグラフェンセンサ25は、ステップ606で検体収容部22に挿入された減菌綿棒70に含まれるウイルス80の量に応じて定量的に変化する電気信号を出力する。ウイルス80の測定に要する時間は、一人につき、例えば、10分程度であり、各グラフェンセンサ25は、他のグラフェンセンサ25が測定中であるか否かに関わらず独立して測定可能であるから、一人あたりの測定に要する待ち時間は、例えば、10分程度である。
【0026】
ステップ608において、測定装置20は、ウイルス80の量に応じて定量的に変化する電気信号を各被検者の識別情報及び各被検者が属する集団の識別情報と関連付けて通信回線60を通じてコンピュータシステム30に送信する。
【0027】
ステップ609において、コンピュータシステム30は、ウイルス80の量に応じて定量的に変化する電気信号を各被検者の識別情報及び各被検者が属する集団の識別情報と関連付けて通信回線60を通じて測定装置20から受信する。
【0028】
ステップ610において、コンピュータシステム30は、複数のグラフェンセンサ25のそれぞれから出力される電気信号の変化に基づいて、複数の被検者のそれぞれから採取された検体に含まれるウイルス80の量を解析する。グラフェンセンサ25から出力される電気信号の変化の程度とウイルス80の量との関係は既知であるから、コンピュータシステム30は、この既知の関係に基づいて、ウイルスの感染の程度を被検者単位で定量的に解析する。更に、コンピュータシステム30は、ウイルスの感染の程度を被検者単位のみならず集団単位でも定量的に解析する。
【0029】
ステップ611において、コンピュータシステム30は、複数の被検者のそれぞれから採取された検体に含まれるウイルス80の量の解析結果を被検者毎に予め登録されている通信端末40に通信回線60を通じて送信する。ウイルス80の量の解析結果は、ウイルス80の量に加えて、症状が発症する確率を含んでもよい。
【0030】
ステップ612において、各通信端末40は、ウイルス80の量の解析結果を受信する。被検者の保護者は、ウイルス80の量の解析結果を通信端末40から確認し、必要に応じて、被検者を通院させたり、帰宅させたり、或いはマスクを着用させたりするなどの措置を講じる。保護者は、ウイルス80の量から、被検者が安静に過ごすべき日数を見積もることができる。被検者の保護者がウイルス80の量の解析結果を通信端末40から確認したときに、通信端末40からコンピュータシステム30に既読通知を送信してもよい。コンピュータシステム30は、既読通知が一定期間以内に送信されてこない通信端末40にウイルス80の量の解析結果を再送信してもよい。
【0031】
ステップ613において、コンピュータシステム30は、ウイルス80の感染の程度の集団単位の解析結果を集団毎に予め登録されている通信端末50に通信回線60を通じて送信する。通信端末50は、例えば、幼稚園の各クラスを担当する担任が使用する通信端末である。コンピュータシステム30は、同一のクラスに属する各被検者のウイルス80の感染の程度の解析結果をそのクラスを担当する担任が使用する通信端末50に送信してもよい。
【0032】
ステップ614において、各通信端末50は、ウイルス80の感染の程度の集団単位の解析結果を受信する。各通信端末50は、ウイルス80の感染の程度の集団単位の解析結果に加えて、被検者単位の解析結果を受信してもよい。各クラスの担任は、ウイルス80の感染の程度の被検者単位の解析結果及び集団単位の解析結果を通信端末50から確認し、必要に応じて、被検者を通院させたり、帰宅させたり、マスクを着用させたり、或いは隔離したりするなどの措置を講じる。クラスの担任は、ウイルス80の感染の程度が軽い被検者の検温を頻繁に行うなどの措置を講じてもよい。クラスの担任は、ウイルス80の感染の程度が比較的重い被検者の周囲に居る園児に手洗いを促したり、マスクの着用を促したりしてもよい。クラスの担任がウイルス80の感染の程度の解析結果を通信端末50から確認したときに、通信端末50からコンピュータシステム30に既読通知を送信してもよい。コンピュータシステム30は、既読通知が一定期間以内に送信されてこない通信端末50にウイルス80の感染の程度の解析結果を再送信してもよい。
【0033】
図7はウイルス80の感染の程度の集団単位の解析結果の一例を示すグラフである。符号101,102,103は、それぞれ異なる集団(例えば、幼稚園のクラス)に属する複数の被検者のそれぞれのウイルスの量の解析結果を示す。幼稚園の責任者は、例えば、各クラスの感染状況に鑑み、学級閉鎖を決定してもよい。コンピュータシステム30は、ウイルス80の感染の程度の集団単位の解析結果を病院(医師)又は自治体に送信してもよい。病院は、例えば、ウイルス80の感染状況を幼稚園毎に集計してもよく、その集計結果に基づいて、ワクチンや治療薬を準備したり、感染者の治療を行ったりしてもよい。自治体は、ウイルス80の感染状況に基づいて感染の多い地域に注意を喚起するための通知を行ってもよい。
【0034】
グラフェンセンサ25は、ウイルス80の種別に応じて特異的に吸着する物質を捕捉物質層253として用いることにより、ウイルス80を感度よく、発症前に検出することができる。ウイルス80の早期発見は、適切なノイラミニダーゼ阻害薬の投与や不要な抗菌薬投与の抑制に繋がる。ウイルス80の感染量が少ない段階での適切な投薬は、体内のウイルスの増加を抑制する効果があることが報告されている。発症(発熱)前に投薬をした場合、発熱を抑えたことも報告されている。
【0035】
なお、上述の説明では、幼稚園によりクラス分けされた同一クラスに属する複数の園児を特定の集団と見做し、且つ、各園児を被検者と見做す例を示したが、空港に集まる複数の乗客を特定の集団と見做し、且つ、各乗客を被検者と見做して、ウイルス80の感染の程度を被検者単位及び集団単位で定量的に解析してもよい。この場合、空港の職員が上述の例における「保育士」と同様の行動をすればよく、また、被検者である乗客自身が上述の例における「被検者の保護者」と同様の行動をすればよい。空港の職員は、乗客の感染状況に鑑み、感染リスクに応じた措置を講じることができる。例えば、ウイルス量の多い乗客に対しては、職員は、飛行機への搭乗を拒否してもよい。発症確率の高い乗客に対しては、職員は、マスクの着用を義務付けてもよい。世界保健機構及び米国疾病管理予防センターなどの公衆衛生当局によると、感染者から2列以内に居る乗客の感染リスクが高いということが報告されている。また、V. Hertzbergらの論文によると、感染者の1m以内及び通路側の乗客の感染リスクが高いことが報告されている。職員は、これらの報告に基づいて、乗客の感染リスクを下げる対策を講じてもよい。感染リスクを下げる方策として、例えば、感染者の座席を変更したり、幼児、高齢者、及び妊婦を感染者から離れるように座席替えしたり、或いは感染者の周囲の乗客にマスクの着用を推奨したりしてもよい。
【0036】
上述の例の他、例えば、老人ホームの入居者、外来者、或いは職員を特定の集団と見做し、且つ、その集団に属する各人を被検者と見做して、ウイルス80の感染の程度を被検者単位及び集団単位で定量的に解析してもよい。また、病院の入院患者、外来客、或いは職員を特定の集団と見做し、且つ、その集団に属する各人を被検者と見做して、ウイルス80の感染の程度を被検者単位及び集団単位で定量的に解析してもよい。また、企業の社員を特定の集団と見做し、且つその集団に属する各人を被検者と見做して、ウイルス80の感染の程度を被検者単位及び集団単位で定量的に解析してもよい。
【0037】
本発明の実施形態1に関わるウイルス検出システム10によれば、複数の被検者のそれぞれから採取された検体に含まれるウイルス80の量を発症前に解析し、その解析結果を各被検者に通知することができる。これにより、感染の疑いのある者を発症前の段階で隔離することができ、感染の拡大を大幅に抑制することが可能となる。また、ウイルス80の感染の程度を被検者単位のみならず、集団単位でも定量的に解析することができるため、集団単位での治療や感染防止の措置を講じることができる。また、検体として、被検者の唾液、呼気、鼻払い液、又は鼻かみ液を用いることにより、ウイルス80を簡易に測定することができる。
【0038】
コンピュータシステム30は、上述のウイルス検出方法(図6のステップ609~611,613)を実行する手段(ステップ609を実行する受信手段、ステップ610を実行する解析手段、ステップ611,613を実行する送信手段)として機能する。斯かる手段は、必ずしも、コンピュータシステム30のハードウェア資源とウイルス検出プログラム34との協働によって実現される必要はなく、例えば、コンピュータシステム30の専用のハードウェア資源(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など)を用いて実現されてもよい。ウイルス検出プログラム34は、上述の各手段の機能を実現するソフトウェアモジュールを備えてもよい。
【0039】
上述の説明では、ウイルス80を検出する手段として、グラフェンセンサの一種であるグラフェン電界効果トランジスタを例示したが、これに限らず、任意のグラフェンセンサを用いればよい。グラフェンセンサは、ウイルス80の表面電荷に応じて電気的特性(例えば、電流電圧特性)が変化するデバイス構造を有しており、グラフェンセンサから出力される電気信号(例えば、電流信号又は電圧信号)の変化とウイルス80との間に相関性がある。グラフェンセンサは、ウイルス80の量に応じて定量的に変化する電気信号をウイルス80の検出結果として出力する。例えば、二酸化シリコン膜255、及びシリコン基板256は、樹脂基板やセラミック基板で代替しても良い。グラフェン254にゲート電圧を印加しても良い。
【0040】
[第2の実施形態]
図8は本発明の実施形態2に関わるウイルス検出システム100のハードウェア構成を示す説明図である。実施形態1では、通信回線60を通じて測定装置20に接続されるコンピュータシステム30によってウイルス80の解析を行う、所謂、クラウド型のシステムであるのに対し、実施形態2では、測定装置20を備えるコンピュータシステム(測定・解析システム)によってウイルス80の解析を行う、所謂、オンプレミス型のシステムである点で相違する。以下、実施形態1,2の相違点を中心に説明し、両者の共通点についての説明を省略する。
【0041】
ウイルス検出システム100は、そのハードウェア資源として、測定装置20、通信装置31、演算装置32、及び記憶装置33を備えるコンピュータシステムである。これらのハードウェア資源は、実施形態1で説明した測定装置20、通信装置31、演算装置32、及び記憶装置33と実質的に同じものである。また、ウイルス80を検出する手段は、グラフェン電界効果トランジスタに限られるものではなく、任意のグラフェンセンサを用いればよい。
【0042】
次に、図9を参照しながら、本発明の実施形態2に関わるウイルス検出方法の処理の流れの一例について説明する。ここでは、実施形態1と同様に、幼稚園によりクラス分けされた同一クラスに属する複数の園児を特定の集団と見做し、且つ、各園児を被検者と見做して、ウイルス80の感染の程度を被検者単位及び集団単位で定量的に解析する例を説明する。
【0043】
ステップ901において、測定装置20の使用講習を受けた保育士が測定装置20を準備する。
【0044】
ステップ902において、被検者の保護者は、通信端末40に実装されているアプリケーションプログラム41を起動させる。アプリケーションプログラム41が起動すると、通信端末40は、例えば、近距離無線通信を通じて測定装置20に接続する。
【0045】
ステップ903において、被検者の保護者は、被検者に固有の識別情報及び被検者が属する集団(クラス)の識別情報を通信端末40のカメラで読み取り、これらの識別情報を測定装置20に送信する。
【0046】
ステップ904において、測定装置20は、ステップ903で通信端末40から送信される被検者の識別情報及び被検者が属する集団の識別情報に基づいて被検者を認証する。
【0047】
ステップ905において、測定装置20は、ステップ904で認証された被検者から採取された検体を収容する検体収容部22を指定する。このようにして、異なる検体収容部22には、異なる被検者から採取された検体が収容されるように、被検者毎に検体収容部22が個別的に指定される。
【0048】
ステップ906において、保育士は、減菌綿棒70を被検者の口に含ませ、被検者の唾液を検体として採取する。減菌綿棒70は、ステップ905で指定された検体収容部22に挿入される。
【0049】
ステップ907において、測定装置20は、ステップ906で検体収容部22に挿入された減菌綿棒70に含まれるウイルスを測定する。即ち、ステップ905で指定された検体収容部22に対応するグラフェンセンサ25は、ステップ906で検体収容部22に挿入された減菌綿棒70に含まれるウイルス80の量に応じて定量的に変化する電気信号を出力する。
【0050】
ステップ908において、演算装置32は、複数のグラフェンセンサ25のそれぞれから出力される電気信号の変化に基づいて、複数の被検者のそれぞれから採取された検体に含まれるウイルス80の量を解析する。グラフェンセンサ25から出力される電気信号の変化の程度とウイルス80の量との関係は既知であるから、演算装置32は、この既知の関係に基づいて、ウイルスの感染の程度を被検者単位で定量的に解析する。更に、演算装置32は、ウイルスの感染の程度を被検者単位のみならず集団単位でも定量的に解析する。
【0051】
ステップ909において、通信装置31は、演算装置32からの指示に応答して、複数の被検者のそれぞれから採取された検体に含まれるウイルス80の量の解析結果を被検者毎に予め登録されている通信端末40に通信回線60を通じて送信する。ウイルス80の量の解析結果は、ウイルス80の量に加えて、症状が発症する確率を含んでもよい。
【0052】
ステップ910において、各通信端末40は、ウイルス80の量の解析結果を受信する。被検者の保護者がウイルス80の量の解析結果を通信端末40から確認したときに、通信端末40からウイルス検出システム100に既読通知を送信してもよい。ウイルス検出システム100は、既読通知が一定期間以内に送信されてこない通信端末40にウイルス80の量の解析結果を再送信してもよい。
【0053】
ステップ911において、通信装置31は、演算装置32からの指示に応答して、ウイルス80の感染の程度の集団単位の解析結果を集団毎に予め登録されている通信端末50に通信回線60を通じて送信する。通信装置31は、同一のクラスに属する各被検者のウイルス80の感染の程度の解析結果をそのクラスを担当する担任が使用する通信端末50に送信してもよい。
【0054】
ステップ912において、各通信端末50は、ウイルス80の感染の程度の集団単位の解析結果を受信する。各通信端末50は、ウイルス80の感染の程度の集団単位の解析結果に加えて、被検者単位の解析結果を受信してもよい。クラスの担任がウイルス80の感染の程度の解析結果を通信端末50から確認したときに、通信端末50からウイルス検出システム100に既読通知を送信してもよい。ウイルス検出システム100は、既読通知が一定期間以内に送信されてこない通信端末50にウイルス80の感染の程度の解析結果を再送信してもよい。
【0055】
ウイルス検出システム100は、上述のウイルス検出方法(図9のステップ904,905,907,908,909,911)を実行する手段(ステップ904を実行する認証手段、ステップ905を実行する指定手段、ステップ907を実行する測定手段、ステップ908を実行する解析手段、ステップ909,911を実行する送信手段)として機能する。斯かる手段は、必ずしも、ウイルス検出システム100のハードウェア資源とウイルス検出プログラム34との協働によって実現される必要はなく、例えば、ウイルス検出システム100の専用のハードウェア資源(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など)を用いて実現されてもよい。ウイルス検出プログラム34は、上述の各手段の機能を実現するソフトウェアモジュールを備えてもよい。
【0056】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0057】
10…ウイルス検出システム 20…測定装置 21…検体収容アレイ 22…検体収容部 23…フィルタ 24…グラフェンセンサアレイ 25…グラフェンセンサ 26…処理回路 30…コンピュータシステム 31…通信装置 32…演算装置 33…記憶装置 34…ウイルス検出プログラム 40…通信端末 41…アプリケーションプログラム 50…通信端末 60…通信回線 70…減菌綿棒 80…ウイルス 251…ドレイン電極 252…ソース電極 253…捕捉物質層 254…グラフェン 255…二酸化シリコン膜 256…シリコン基板 100…ウイルス検出システム
図1
図2
図3
図4
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図6
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図9