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特許7104388来店識別によるQoSに基づくモバイル注文の処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-12
(45)【発行日】2022-07-21
(54)【発明の名称】来店識別によるQoSに基づくモバイル注文の処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20220713BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021512849
(86)(22)【出願日】2019-08-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-23
(86)【国際出願番号】 KR2019011229
(87)【国際公開番号】W WO2020050560
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-03-26
(31)【優先権主張番号】10-2018-0107158
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518080019
【氏名又は名称】ヤップ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】YAP COMPANY
【住所又は居所原語表記】(Junghak-dong, Twintree Bldg.,)A-16F, 17F, 6, Yulgok-ro, Jongno-gu, Seoul 03143, Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(74)【代理人】
【識別番号】100214640
【弁理士】
【氏名又は名称】立山 千晶
(72)【発明者】
【氏名】キム、キョン フン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、イン チャン
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ジュ ノ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヒョン ミン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ハン ウォン
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-530818(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03352128(EP,A1)
【文献】特開2018-005564(JP,A)
【文献】特開2016-129324(JP,A)
【文献】特開2007-172383(JP,A)
【文献】特開2014-002641(JP,A)
【文献】特開2008-102942(JP,A)
【文献】特開2006-259831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客のスマート端末(100)にインストールされたモバイルエージェント部(120)、モバイル注文を管理する注文管理サーバ(200)、各店舗に設置された店舗端末(300)、及び個別店舗の有効カバーレッジを設定するための店舗識別機(310)の協力動作により顧客のモバイル注文をQoSに基づいて処理する方法であって、
店舗識別機(310)が、当該店舗に対する店舗識別コードが埋め込まれた店舗識別信号をブロードキャスト送出する第1のステップと、
モバイルエージェント部(120)が、モバイル注文メニューにおけるユーザ操作に従う注文商品情報及び前記モバイルエージェント部に予め設定された顧客識別情報を含むモバイル注文データを生成する第2のステップと、
前記モバイルエージェント部(120)が、前記モバイル注文データに対する顧客の来店イベントを待機する第3のステップと、
前記モバイルエージェント部(120)が、店舗識別信号を認識することに従い、特定の店舗に対する顧客の来店イベントを識別する第4のステップと、
前記モバイルエージェント部(120)が、前記店舗識別信号に埋め込まれている店舗識別コードに基づいて、前記顧客が来店した特定の店舗に対応する来店店舗識別情報を取得する第5のステップと、
前記モバイルエージェント部(120)が、前記モバイル注文データに前記来店店舗識別情報を関連付ける第6のステップと、
前記モバイルエージェント部(120)が、前記モバイル注文データを注文管理サーバ(200)に伝送してモバイル注文を実行する第7のステップと、
前記注文管理サーバ(200)が、前記モバイル注文データから前記モバイル注文に対する注文商品情報及び来店店舗識別情報を取得する第8のステップと、
前記注文管理サーバ(200)が、前記来店店舗識別情報に対応する店舗端末(300)に前記モバイル注文データを転送する第9のステップと、
前記店舗端末(300)が、前記モバイル注文データを受信し、それから顧客識別情報及び注文商品情報を取得することによって、前記モバイル注文を受付け処理する第10のステップと、
を含む、来店識別によるQoSに基づくモバイル注文の処理方法。
【請求項2】
前記店舗識別信号は、予め設定された信号パターンを有する非可聴高周波数サウンド信号及びブルートゥース(登録商標)信号の組み合わせから構成され、
前記第1のステップは、
前記店舗識別機(310)が、予め設定された信号パターンを有する非可聴高周波数サウンド信号をスピーカーに出力するステップと、
前記店舗識別機(310)が、当該店舗に対する店舗識別コードがエンコードされたブルートゥース(登録商標)信号を無線ブロードキャスト送出するステップと、
を含み、
前記第3のステップは、
前記モバイルエージェント部(120)が、スマート端末(100)のマイクを介して取り込まれるサウンド信号を解析するステップと、
前記モバイルエージェント部(120)が、サウンド信号の解析により、前記予め設定された信号パターンを有する非可聴高周波数サウンド信号を検出することに従い、顧客の来店イベントを識別するステップと、
前記モバイルエージェント部(120)が、ブルートゥース(登録商標)信号から顧客が来店した店舗に対する店舗識別コードを取得するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の来店識別によるQoSに基づくモバイル注文の処理方法。
【請求項3】
前記第10のステップは、
前記店舗端末(300)が、前記注文管理サーバ(200)から前記モバイル注文データを受信するステップと、
前記店舗端末(300)が、前記モバイル注文データを受信した時点(以下、「モバイル注文の受信時点」という)を識別するステップと、
前記店舗端末(300)が、前記モバイル注文データから前記モバイル注文に関わる顧客識別情報及び注文商品情報を取得するステップと、
前記店舗端末(300)が、店舗のデスクにおいて受け付けられる一連のオフライン注文の間に、前記モバイル注文の受信時点に基づいて店舗注文リストに前記モバイル注文を挿入して受付け処理するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の来店識別によるQoSに基づくモバイル注文の処理方法。
【請求項4】
前記第10のステップは、
前記店舗端末(300)が、前記注文管理サーバ(200)から前記モバイル注文データを受信するステップと、
前記店舗端末(300)が、前記モバイル注文データから前記モバイル注文に関わる顧客識別情報及び注文商品情報を取得するステップと、
前記店舗端末(300)が、店舗のデスクにおいて受け付けて待機中の一連のオフライン注文に優先するように、店舗注文リストの先頭に前記モバイル注文を最優先的に配置して受付け処理するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の来店識別によるQoSに基づくモバイル注文の処理方法。
【請求項5】
前記第2のステップにおいて、前記モバイルエージェント部(120)は、前記モバイル注文データを生成した時点(以下、「モバイル注文の生成時点」という)を識別して前記モバイル注文データに挿入し、
前記第10のステップは、
前記店舗端末(300)が、前記注文管理サーバ(200)から前記モバイル注文データを受信するステップと、
前記店舗端末(300)が、前記モバイル注文データから前記モバイル注文に関わる顧客識別情報及び注文商品情報、並びに前記モバイル注文の生成時点を取得するステップと、
前記店舗端末(300)が、店舗のデスクにおいて受け付けられる一連のオフライン注文の間に、前記モバイル注文の生成時点に基づいて店舗注文リストに前記モバイル注文を挿入して受付け処理するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の来店識別によるQoSに基づくモバイル注文の処理方法。
【請求項6】
ハードウェアと結合されて、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の来店識別によるQoSに基づくモバイル注文の処理方法を起動するために媒体に格納されたコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、移動中の顧客が自分のスマート端末上において入力したモバイル注文(商品注文及び予約注文)を店舗に転送して適切に応対できるようにトランザクション処理する技術に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、移動中の顧客が自分のスマート端末を用いて入力したモバイル注文の処理に当たって、当該店舗に顧客が来店して入ってくるイベントを正確に識別し、それに対応してモバイル注文の内容を補足し、店舗に対するモバイル注文の転送時点を決定することにより、顧客のモバイル注文の入力過程を改善し、顧客に一定レベル以上のサービス品質をも保証することのできるQoSに基づくモバイル注文の処理技術に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、食堂やカフェなどの商業空間において顧客が商品を注文する方式に対して色々な試みがあった。伝統的には、顧客が来店して着席すると、職員が応対して対人コミュニケーションで注文を受ける方式が一般的であり、このような方式は、現在でもほとんどの店舗において行われている。次いで、通信技術の発展に伴い、電話で注文する方式が提案されて、チキン、ピザ、ファストフード、中華料理店などにおいて愛用されており、インターネットが普及することに従い、電話をかける必要なしにインターネットで商品やサービスを注文また予約する方式もまた一般化されるに至った。
【0004】
また、店舗内にキオスク(kiosk)やタブレット端末を設置して、店舗に訪れた顧客が職員と対話をする必要なしにこれらの装置を操作して自ら商品を注文し、決済まで処理する方式も広く普及されるに至った。
【0005】
さらに、スマートフォンが広く普及されることに伴い、アプリケーション(apps)を用いた注文文化も急速に増える傾向にある。これは、主に配達注文をするための用途として活用されているが、中華料理、チキン、ピザ、ファストフードなどのように既存に電話注文方式を用いていた需要を吸収することから始まって、チョッパル(豚足)、刺身、定食などのように従来の伝統的な方式により行われていた需要まで方式を転換させた。
【0006】
このように、商業空間において顧客が商品を注文する方式は多種多様に変化してきたが、これらは、顧客が店舗を利用するために行う行動シーケンス(分化)、すなわち、直接来店もしくは配達注文のために顧客が行う行動はそのままにしておいた状態で、顧客と店舗との触れ合い技術のみを置き換えたものであった。たとえ注文方式が変更されたとしても、注文技術や手段のみが変化しただけであり、店舗のサービスを利用するために顧客が行う一連の行動は、以前と変わることなくそのままであった。これは、これといった違和感なく新技術を普及できるといったメリットでもあるが、たとえ新技術が普及されるとしても、それによって得られるメリットはごく制限されるといった限界もあった。
【0007】
これに対し、近年に提案された「モバイル注文(mobile ordering)」技術は、顧客が店舗を利用する行動シーケンスまで変化させようとする試みである。モバイル注文とは、概念的には、顧客が移動中にもしくは遠隔地から自分が携帯するスマート端末を用いて注文をすることを意味する。例えば、外部においてスマートフォンのアプリケーションで商品(例えば、コーヒー)を注文した後、後ほどその店舗に来店して商品を受け取ることができる。また、食堂の予約や会議室の予約などのように店舗空間を予約した後、後ほどその店舗に来店して予約された空間を利用することができる。モバイル注文は、従来とは異なる全く新しい利用パターンを提示するものであるが、これまでは既存の注文方式に比べて利用率は相対的に低いものの、スマートフォンの普及に伴い、技術の開発及び方式の最適化に対する試みが積極的に行われている。
【0008】
図1は、従来の技術によるモバイル注文の処理方式の一例を示す概念図であって、本出願の発明者が従来のモバイル注文方式を利用する過程で見出した問題も一緒に示している。
【0009】
図1を参照すると、顧客が、例えば、車両で移動する間に自分のスマート端末100において特定の商品に対するモバイル注文を入力すると、当該注文情報が注文管理サーバ200に伝送される。モバイル注文の識別及び注文情報の伝送過程は、スマート端末100にインストールされたモバイルエージェント部110により行われるが、モバイルエージェント部110は、専用プログラムやアプリケーションの形態で実現される。このとき、モバイル注文の入力過程は、モバイルエージェント部110のメニュー体系による。一般的には、モバイル注文の入力過程において、顧客は、自分が注文しようとする特定のブランドの特定の商品を選択し、自分が商品を受け取る店舗も指定する。
【0010】
注文管理サーバ200は、顧客が指定した当該店舗に設置されている店舗端末300にモバイル注文データを伝送する。一般的に、各ブランドに対して地域別に区分された複数の店舗が用意されており、各店舗にはその店舗の注文を受け付けて処理するために店舗端末300が設置されている。注文管理サーバ200は、これらのうち、顧客がモバイル注文に際して指定した店舗に設置されている店舗端末300にモバイル注文データを伝送する。
【0011】
店舗端末300がモバイル注文の転送を受けると、当該店舗においては、業務規定に定められた順序に従ってその注文された商品を製造する。店舗への来店客の多少に応じてわずかな変動はあるものの、商品が製造されて結果物、例えば、ホットコーヒー1杯が出るまでは、通常、約1~2分がかかる。一方、顧客は、モバイル注文を入力した後、車両でもしくは徒歩で店舗まで移動し、来店すると、本人が自ら店舗のデスクに申し出たり、あるいは、ビーコンなどにより店舗のデスクにおいて自動的に識別したりして名前を呼び出すことにより、その製造しておいた商品を受け取ることになる。
【0012】
このような従来のモバイル注文方式の設計目的は、顧客が来店した時点を基準として最大限に早く、好ましくは、顧客が来店したらすぐに、自分が注文していた商品を受け取れるようにすることにあった。その目的は、従来のモバイル注文方式により成功裡に達成された。
【0013】
ところが、従来の方式は、顧客がモバイル注文をした時点から来店する時点との間の時間が千差万別である点を見逃していた。ときには、道路が渋滞したり、移動中に知り合いにばったり出会ったり、駐車する場所を見つけることができなくて走り回ったりするなど、顧客の事情により、当初の意図よりも、例えば、約10~20分ほど遅く来店することもある。このような状況は、日常生活を営む中で我々が頻繁に経験するが、従来の方式ではこのような場合に問題が生じる。
【0014】
店舗では、モバイル注文が転送されると、正常な注文であるとみなし、商品の製造に着手するが、このように、顧客が自分の意図よりも約10~20分ほど遅く来店することになると、商品の品質が低下してしまう。例えば、コーヒーは冷えたり酸化したりして味と香りが変質してしまい、食べ物は冷えてしまって味と香り、並びに噛み応えが低下してしまう。これは、顧客にとっては満足のいかないサービスが提供されることになるため、当然のことながら、不満が積もる筈であり、店舗にとっても顧客満足度が下がってかなり懸念が高まる状況となる。そのため、一部の店舗では、モバイル注文の場合に、商品の製造後に所定の時間が経つと、既存に製造しておいた商品を廃棄し、新たに製造し直すことを業務規則として定めているところもある。
【0015】
しかしながら、このような問題は、モバイル注文の基本的な趣旨、すなわち、顧客と店舗の職員との触れ合いを減らし、顧客が来店してできるだけ早くその注文した商品を持ち帰れるようにするためにやむをえず負わなければならないコストとしてみなされてきた。店舗にとっては、顧客の位置をリアルタイムで追跡することができないため、いつ来店するかが分からず、それに伴い、一般的には、モバイル注文が入ってきたらすぐに、商品を製造していた。顧客が遅く来店した場合、満足のいかない商品を提供したり、店舗がコストを負担して二重に商品を製造したりする方式で対応してきた。
【0016】
このような問題は、モバイル注文技術の普及の妨げにもなった。顧客にとっては、店舗まで移動するのにかかる時間が確実ではない状況ではモバイル注文を避けることになり、店舗にとっては、商品の製造から顧客の受け取りまでにかかる時間に敏感な製品を取り扱う場合にはモバイル注文方式を採択し難かった。なお、コーヒーのように典型的にモバイル注文を採択できる分野においても、品質を重要視する店舗ではモバイル注文方式を躊躇していた。
【0017】
さらに、モバイル注文方式では、顧客がモバイルエージェント部110上において経なければならない過程、すなわち、注文シーケンスもまた不便であった。モバイル注文の属性からして、当然のことながら、顧客が店舗から遠く離れている筈であるが、これにより、モバイル注文過程においては多過ぎる情報を一々入力しなければならないという不便さを伴う。店舗を利用する行動シーケンス(分化)を変更すること自体もまた、モバイル注文方式を普及させる上で邪魔になるが、注文シーケンスまでもが複雑とあれば、さらに普及し難くなる。
【0018】
それに伴い、モバイル注文後に、たとえ顧客が来店するまでにかかる時間が変動しても、常に良好な品質の商品をさらなる努力やコストの負担なしに提供することができることを技術的に保証するのみならず、モバイル注文ユーザの不便さがないように注文シーケンスをも簡素化することにより、モバイル注文に関する前述のような従来の技術の問題を解決することのできる技術が望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、一般に、移動中の顧客が自分のスマート端末上において入力したモバイル注文(商品注文及び予約注文)を店舗に転送して適切に応対できるようにトランザクション処理する技術を提供することである。
【0020】
特に、本発明の目的は、移動中の顧客が自分のスマート端末を用いて入力したモバイル注文の処理に当たって、当該店舗に顧客が来店して入ってくるイベントを正確に識別し、それに対応してモバイル注文の内容を補足し、店舗に対するモバイル注文の転送時点を決定することにより、顧客のモバイル注文の入力過程を改善し、顧客に一定レベル以上のサービス品質をも保証することのできるQoSに基づくモバイル注文の処理技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記目的を達成するために考案された本発明は、顧客のスマート端末100にインストールされたモバイルエージェント部120、モバイル注文を管理する注文管理サーバ200、各店舗に設置された店舗端末300、及び個別店舗の有効カバーレッジを設定するための店舗識別機310の協力動作により顧客のモバイル注文をQoSに基づいて処理する技術である。
【0022】
このための本発明に係るモバイル注文の処理方法は、店舗識別機310が、当該店舗に対する店舗識別コードが埋め込まれた店舗識別信号をブロードキャスト送出する第1のステップと、モバイルエージェント部120が、モバイル注文メニューにおけるユーザ操作に従う注文商品情報及びモバイルエージェント部に予め設定された顧客識別情報を含むモバイル注文データを生成する第2のステップと、モバイルエージェント部120が、モバイル注文データに対する顧客の来店イベントを待機する第3のステップと、モバイルエージェント部120が、店舗識別信号を認識することに従い、特定の店舗に対する顧客の来店イベントを識別する第4のステップと、モバイルエージェント部120が、店舗識別信号に埋め込まれている店舗識別コードに基づいて、顧客が来店した特定の店舗に対応する来店店舗識別情報を取得する第5のステップと、モバイルエージェント部120が、モバイル注文データに来店店舗識別情報を関連付ける第6のステップと、モバイルエージェント部120が、モバイル注文データを注文管理サーバ200に伝送してモバイル注文を実行する第7のステップと、注文管理サーバ200が、モバイル注文データからモバイル注文に対する注文商品情報及び来店店舗識別情報を取得する第8のステップと、注文管理サーバ200が、来店店舗識別情報に対応する店舗端末300にモバイル注文データを転送する第9のステップと、店舗端末300が、モバイル注文データを受信し、それから顧客識別情報及び注文商品情報を取得することによって、モバイル注文を受付け処理する第10のステップと、を含んでもよい。
【0023】
本発明において、店舗識別信号は、予め設定された信号パターンを有する非可聴高周波数サウンド信号及びブルートゥース(登録商標)信号の組み合わせから構成されてもよい。そのとき、第1のステップは、店舗識別機310が、予め設定された信号パターンを有する非可聴高周波数サウンド信号をスピーカーに出力するステップと、店舗識別機310が、当該店舗に対する店舗識別コードがエンコードされたブルートゥース(登録商標)信号を無線ブロードキャスト送出するステップと、を含む。また、第3のステップは、モバイルエージェント部120が、スマート端末100のマイクを介して取り込まれるサウンド信号を解析するステップと、モバイルエージェント部120が、サウンド信号の解析により、予め設定された信号パターンを有する非可聴高周波数サウンド信号を検出することに従い、顧客の来店イベントを識別するステップと、モバイルエージェント部120が、ブルートゥース(登録商標)信号から顧客が来店した店舗に対する店舗識別コードを取得するステップと、を含む。
【0024】
本発明において、第10のステップは、店舗端末300が、注文管理サーバ200からモバイル注文データを受信するステップと、店舗端末300が、モバイル注文データを受信した時点(以下、「モバイル注文の受信時点」という。)を識別するステップと、店舗端末300が、モバイル注文データからモバイル注文に関わる顧客識別情報及び注文商品情報を取得するステップと、店舗端末300が、店舗のデスクにおいて受け付けられる一連のオフライン注文の間に、モバイル注文の受信時点に基づいて店舗注文リストにモバイル注文を挿入して受付け処理するステップと、を含んでもよい。
【0025】
また、本発明において、第10のステップは、店舗端末300が、注文管理サーバ200からモバイル注文データを受信するステップと、店舗端末300が、モバイル注文データからモバイル注文に関わる顧客識別情報及び注文商品情報を取得するステップと、店舗端末300が、店舗のデスクにおいて受け付けて待機中の一連のオフライン注文に優先するように、店舗注文リストの先頭にモバイル注文を最優先的に配置して受付け処理するステップと、を含んでもよい。
【0026】
さらに、第2のステップにおいて、モバイルエージェント部120は、モバイル注文データを生成した時点(以下、「モバイル注文の生成時点」という。)を識別してモバイル注文データに挿入するように構成されてもよい。そのとき、第10のステップは、店舗端末300が、注文管理サーバ200からモバイル注文データを受信するステップと、店舗端末300が、モバイル注文データからモバイル注文に関わる顧客識別情報及び注文商品情報、並びにモバイル注文の生成時点を取得するステップと、店舗端末300が、店舗のデスクにおいて受け付けられる一連のオフライン注文の間に、モバイル注文の生成時点に基づいて店舗注文リストにモバイル注文を挿入して受付け処理するステップと、を含む。
【0027】
一方、本発明に係るコンピュータープログラムは、ハードウェアと結合されて、以上のような来店識別によるQoSに基づくモバイル注文の処理方法を起動するために媒体に格納されたものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、移動中の顧客が入力したモバイル注文を、来店識別によってトランザクション処理することにより、顧客サービスの品質保証を技術的な構成によって達成することができるというメリットがある。
【0029】
また、本発明によれば、モバイル注文を完成するために顧客が自分のスマート端末上において行わなければならないアプリケーション操作の手続きを簡素化させてユーザの使い勝手を向上させることができるというメリットがある。
【0030】
さらに、本発明によれば、モバイル注文により提供されるサービスの品質を保証することが可能になることに伴い、モバイル注文技術の適用範囲を一般食堂、病院、金融機関などへと拡大することができるというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】従来の技術によるモバイル注文の処理方式の例を示す概念図である。
図2】本発明に係るQoSに基づくモバイル注文の処理方式を示す概念図である。
図3】本発明に係るモバイル注文過程において、顧客のスマート端末に表示されるアプリケーション画面の一例を示す図である。
図4】本発明に係るQoSに基づくモバイル注文処理の全体のプロセスを示す手順図である。
図5】本発明において、スマート端末がモバイル注文を実行するプロセスを示す手順図である。
図6】本発明において、モバイル注文を店舗において受付け処理する第1の実施形態を示す手順図である。
図7】本発明において、モバイル注文を店舗において受付け処理する第2の実施形態を示す手順図である。
図8】本発明において、モバイル注文を店舗において受付け処理する第3の実施形態を示す手順図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下では、添付図面に基づいて、本発明を詳述する。
図2は、本発明に係るQoSに基づくモバイル注文の処理方式を示す概念図であり、図3は、本発明において、顧客のスマート端末100に表示されるアプリケーション画面の一例を示す図である。本発明において、モバイル注文は、商品受け取りと店舗予約などに対して適用可能であるが、本明細書においては、説明のしやすさのために、商品受け取りの注文を基準として記述する。
【0033】
図1に基づいて前述したように、従来のモバイル注文システムは、サービス処理の適時性(on-time service)が肝心である。ファストフードを中心として、従来から顧客にできるだけ早い時間内にサービスを提供することが重要な関心事であり、モバイル注文は、その延長線上において、究極的には顧客が来店してきたらすぐに商品を提供しようとする趣旨から構成されたものである。
【0034】
これに対し、本発明は、顧客が店舗の職員との対面コミュニケーションをする必要なしに自分のスマート端末を用いて移動中に予め注文をしておけるというモバイル注文システムのメリットはそのまま保持しながらも、顧客に一定レベル以上のサービス品質(QoS)は常に保証できるように処理プロセスを構成している。それによって、既存のモバイル注文方式が採択され難かった他のサービス分野、例えば、飲食店、病院、金融機関などにおいてもモバイル注文方式を活用することができる。
【0035】
図2に基づいて、本発明に係るQoSに基づくモバイル注文の処理方式について概念的に述べる。
顧客が、例えば、車両で移動する間に自分のスマート端末100においてモバイル注文用アプリケーションを起動し、特定の商品に対するモバイル注文、例えば、特定のコーヒーブランドにおいてブラックコーヒー1杯に対する注文を入力する。モバイル注文の処理は、スマート端末100にインストールされたモバイルエージェント部120により行われるが、図3の(1)と(2)は、モバイルエージェント部120が提供するアプリケーションのメニュー画面から顧客が商品の選択及び決済を行う様子を示し、図3の(3)は、当該モバイル注文が正常に受け付けられたことを確認する様子を示す。
【0036】
本発明においては、たとえ顧客がモバイル注文事項を入力し、決済まで済ませたとしても、即座でモバイル注文を伝送せず、モバイルエージェント部120が一時的に保管する。なお、モバイル注文過程において顧客が商品を受け取る(ピックアップする)店舗(例えば、ソウルの江南駅店)を選択する過程を排除して構成してもよい。
【0037】
顧客が車両や徒歩で自分が利用する店舗に移動して当該店舗に来店すると、モバイルエージェント部120は、その来店イベントを認識する。各店舗には店舗識別機310が設置されているが、店舗識別機310は、それぞれ自分が設置されている店舗の固有の情報を含めた店舗識別信号を無線送出する。顧客がスマート端末100を携帯した状態で特定の店舗に入っていくと、スマート端末100にインストールされたモバイルエージェント部120が店舗識別信号を識別し、それに従い、モバイルエージェント部120は、顧客が特定の店舗に来店したことを認識する。
【0038】
本発明においては、店舗識別機310が配備されるが、店舗識別機310は、ユーザのスマート端末100にインストールされたモバイルエージェント部120と協力動作をすることにより、当該ユーザが特定の店舗に来店したことをモバイルエージェント部120に識別させる。なお、店舗識別機310との協力動作により、モバイルエージェント部120は、その来店した店舗がどこであるかを識別することもできる。
【0039】
店舗識別機310は、個別の店舗の有効カバーレッジを区別し、さらに、好ましくは、個別の店舗を区別・識別するための店舗識別信号を無線ブロードキャストする。モバイルエージェント部120は、店舗識別信号を認識すると、当該ユーザが、本発明の技術が適用された店舗に来店したことを識別する。そのとき、店舗識別信号が一定のしきい強度以上である場合にのみその有効性を認めるようにモバイルエージェント部120が構成されてもよい。
【0040】
本発明において、店舗識別信号は、店舗の有効カバーレッジを区別し、個別の店舗を区別・識別する用途に適合すれば、いかなる技術でも実現可能である。例えば、無線LAN、GPS、LTE(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、ジグビー、ジオフェンシング(Geo-Fencing)などのいずれか一種もしくは複数種を組み合わせて実現してもよい。
【0041】
ここで、現在提示されている技術手段の中で考慮すると、店舗識別信号は、非可聴高周波数サウンド信号(inaudible high-frequency sound signal)を活用したものであることが好ましい。スピーカーを介して略18kHz以上の帯域の非可聴の高周波数サウンドとして出力することにより、店舗内の人々を煩わせることなく、スマート端末100のマイクを介しては信号を転送することができるためである。サウンド信号は、店舗の内部と外部とを正確に区別することができるという点から、本発明の目的にも適している。あるいは、実現例に応じては、店舗識別信号をブルートゥース(登録商標)、ジグビー、無線LAN信号などの信号強度をチューニングして実現してもよく、ジオフェンシング(geo-fencing)のバウンダリーを精巧に合わせて実現してもよい。
【0042】
さらに、これらの信号方式を一つだけではなく、複数組み合わせて用いるように店舗識別信号を構成してもよい。例えば、非可聴高周波数サウンド信号とブルートゥース(登録商標)信号とを組み合わせて店舗識別信号を構成してもよい。非可聴高周波数サウンド信号は、顧客が店舗の内部に入ってきたか否かを識別する用途に活用し、ブルートゥース(登録商標)信号は、当該店舗がどこであるかを識別する用途に活用する。他の信号方式の組み合わせも排除するわけではない。
【0043】
モバイルエージェント部120は、来店イベントを認識すると、即座で当該店舗を対象とするモバイル注文を実行する。すなわち、顧客が来店した店舗を、商品を受け取る店舗として指定してモバイル注文事項を補足した後、注文管理サーバ200にモバイル注文データを伝送する。注文管理サーバ200は、当該支店の店舗端末300にモバイル注文データを転送する。当該店舗では、店舗端末300が注文管理サーバ200からモバイル注文データを受信し、業務規定に定められた順序に従ってそのモバイル注文を受付け処理する。次いで、その注文された商品を製造して顧客に提供する。
【0044】
図3の(4)は、顧客が特定の店舗に来店することに従い、モバイル注文が商品を受け取る店舗に転送されたことを示す画面であり、図3の(5)は、そのモバイル注文に従い、当該店舗において商品の製造が完了したときに、店舗端末300がモバイルエージェント部120に商品の受け取りを案内する画面であり、図3の(6)は、そのモバイル注文に従う商品の受け取りが完了したことを示す画面である。
【0045】
図2を参照すると、顧客がスマート端末100にモバイル注文事項を入力してから来店するまでにどれくらいの時間がかかるにせよ、商品の製造から商品の受け取りまでにかかる時間は一定の範囲内であり、それに伴い、顧客に提供される商品の品質が一定に管理される。このようなサービス品質の管理は、店舗管理者の能力や店舗に勤める職員の努力に依存することなく、モバイルエージェント部120、注文管理サーバ200、店舗端末300、及び店舗識別機310の協力動作により構造的に達成されるように構成されている。
【0046】
また、図3を参照すると、モバイル注文過程において顧客が商品を受け取る(ピックアップする)店舗を選択する過程が不要である。これは、顧客が体感するモバイル注文の手続きを簡素化させ、モバイル注文の普及に役立つ。このような注文手続きの簡素化もまた、モバイルエージェント部120、注文管理サーバ200、店舗端末300、及び店舗識別機310の協力動作により達成される。
【0047】
図4は、本発明に係るQoSに基づくモバイル注文処理の全体のプロセスを示す手順図である。図4のモバイル注文の処理方法は、顧客のスマート端末100にインストールされたモバイルエージェント部120、モバイル注文を管理する注文管理サーバ200、各店舗に設置された店舗端末300及び店舗識別機310の協力動作により顧客のモバイル注文をQoSに基づいて処理する技術である。
【0048】
ステップS100:まず、店舗識別機310が、当該店舗に対する店舗識別コードが埋め込まれた店舗識別信号をブロードキャスト送出する。本発明のために、各店舗には店舗識別機310が設置されているが、店舗識別機310の各々は、それ自体が設置されている店舗の固有の情報を含めた店舗識別信号を無線送出する。そのとき、前述したように、店舗識別信号は、非可聴高周波数サウンド信号とブルートゥース(登録商標)信号との組み合わせから構成されることが好ましい。
【0049】
ステップS110:移動中の顧客が自分のスマート端末100においてモバイル注文用のアプリケーションを起動し、特定の商品に対するモバイル注文を入力する過程を行うと、モバイルエージェント部120は、それに対応してモバイル注文メニューにおけるユーザ操作に従う注文商品情報及びモバイルエージェント部120に予め設定された顧客識別情報を含むモバイル注文データを生成する。注文商品情報は、モバイル注文用アプリケーションに用意されているモバイル注文メニュー上において顧客が選択した項目であって、例えば、ブラックコーヒー1杯である。なお、顧客識別情報は、現在モバイル注文を入力している顧客が誰であるかを区別するための情報であって、一般的には、モバイル注文用のアプリケーションをスマート端末100にインストールし、活性化させるときに設定される。
【0050】
ステップS120、ステップS130:モバイルエージェント部120は、その生成されたモバイル注文データを注文管理サーバ200に直ちに転送することなく、顧客が来店するまで、すなわち、来店イベントが生じるまで待機する。顧客がスマート端末100を携帯したままで特定の店舗に入っていくと、スマート端末100にインストールされたモバイルエージェント部120は、当該店舗に設置された店舗識別機310が無線送出する店舗識別信号を認識し、それに伴い、モバイルエージェント部120は、顧客がその店舗に来店したことを認識する。モバイルエージェント部120は、このように、店舗識別信号により特定の店舗に対する顧客の来店イベントを識別することになる。
【0051】
ステップS140~ステップS160:モバイルエージェント部120は、店舗識別信号に埋め込まれている店舗識別コードに基づいて、顧客が現在来店した特定の店舗に対応する来店店舗識別情報を取得する。来店店舗識別情報は、店舗識別コードをそのまま活用してもよく、別途のエンコード規則により生成されてもよい。
【0052】
それから、モバイルエージェント部120は、モバイル注文データに来店店舗識別情報を関連付ける。前述したように、本発明においては、モバイル注文過程において顧客が商品を受け取る(ピックアップする)店舗を選択する過程がなく、それに伴い、先のステップS110においてモバイルエージェント部120が生成したモバイル注文データには注文商品情報と顧客識別情報のみが含まれており、店舗情報は未指定の状態であった。そのため、モバイルエージェント部120は、店舗識別信号から取得した来店店舗識別情報をモバイル注文データに関連付ける。
【0053】
それから、モバイルエージェント部120は、モバイル注文データを注文管理サーバ200に伝送してモバイル注文を実行する。
ステップS170、ステップS180:注文管理サーバ200は、モバイルエージェント部120からモバイル注文データを受信し、モバイル注文データから当該モバイル注文に対する注文商品情報及び来店店舗識別情報を取得する。すなわち、そのモバイル注文がどのような店舗においてどのような商品を注文しようとするものであるかを識別する。注文管理サーバ200は、複数の店舗を管理し、それに伴い、複数の店舗端末と接続されているが、注文管理サーバ200は、それらのうち、来店店舗識別情報に対応する店舗端末300にモバイル注文データを転送する。
【0054】
ステップS190:先のステップS130において顧客が来店した店舗に設置されている店舗端末300は、注文管理サーバ200からその顧客がステップS110において入力していたモバイル注文データを受信し、それから顧客識別情報及び注文商品情報を取得することによって、モバイル注文を受付け処理する。
【0055】
以上の過程において、ステップS130からステップS190の過程は、コンピューター処理及びネットワーク伝送によって速やかに行われ得る過程である。従って、体感上は、顧客が来店したらすぐに、モバイル注文がモバイルエージェント部120から店舗端末300へと自動的に転送される。
【0056】
図5は、本発明において、顧客が来店したらすぐに、スマート端末100がモバイル注文を実行する過程を示す手順図である。図5においては、非可聴高周波数サウンド信号とブルートゥース(登録商標)信号とを組み合わせて店舗識別信号を構成した例を基準として本発明を記述している。
【0057】
ステップS200、ステップS210:まず、各店舗に設置されている店舗識別機310が予め設定された信号パターンを有する非可聴高周波数サウンド信号をスピーカーにサウンドとして出力し、当該店舗に対する店舗識別コードがエンコードされたブルートゥース(登録商標)信号を無線ブロードキャスト送出する。
【0058】
そのとき、店舗識別信号は、予め設定された信号パターンを備えることが好ましいが、これは、店舗識別機310が本発明のために出力した非可聴高周波数サウンド信号であることを区別付けるためのものである。店舗識別機310がない状態でも略18kHz以上の帯域の非可聴の高周波数サウンドはいくらでも存在し得るため、店舗識別機310が出力した店舗識別信号であるということを区別するための一種の識別コードまたはプレアンブル信号として予め設定された信号パターンが必要である。
【0059】
さらに、店舗識別機310は、自分が設置された店舗を区別できる固有情報、すなわち、店舗識別コードを店舗識別信号に含めることが好ましい。そのとき、例えば、FSK(Frequency-Shift-Keying)などのエンコード技術を用いて、非可聴高周波数サウンド信号によって店舗識別コードを転送することも可能である。しかしながら、このような方式により区別可能な情報の量は制限的であるため、デジタル無線通信信号を組み合わせて用いることが好ましい。
【0060】
ステップS220~ステップS240:モバイルエージェント部120は、スマート端末100のマイクを介して取り込まれるサウンド信号をリアルタイムにて解析するが、そのサウンド信号の解析により、予め設定された信号パターンを有する非可聴高周波数サウンド信号を検出すると、顧客の来店イベントを識別する。店舗識別機310が出力する非可聴高周波数サウンド信号がスマート端末100のマイクに有効な強度で受信されたならば、これは、そのスマート端末100を所持している顧客が店舗に入ってきたこと、あるいは、扉が開いているその手前までたどり着いたことを意味する。
【0061】
顧客が来店したことを確認したため、その次には、その来店した店舗がどこであるかを識別する必要がある。モバイルエージェント部120は、ブルートゥース(登録商標)信号から顧客が来店した店舗に対する店舗識別コードを取得する。
【0062】
図6から図8は、本発明において、モバイル注文を店舗において受付け処理する3種類の実施形態を示すものである。
一般的に、店舗には、モバイル注文だけではなく、直接来店してデスクにおいて注文するオフライン注文もまた継続的に入ってくるため、モバイル注文とオフライン注文とを効果的に併合する必要がある。特に、本発明において、モバイル注文の顧客は、来店するずっと前に注文をしたと思っているため、店舗においてモバイル注文データを受信した時点とは違いがある。
【0063】
このような点に鑑みて、本発明において、店舗においてモバイル注文を受信して受付け処理する3種類の実施形態を提示する。
図6は、本発明において、モバイル注文を店舗において受付け処理する第1の実施形態を示す手順図である。
【0064】
ステップS311、ステップS312:ステップS180において、注文管理サーバ200がモバイル注文データを伝送することに従い、顧客が来店した店舗に設置されている店舗端末300は、ステップS311において、モバイル注文データを受信する。そこで、店舗端末300は、注文管理サーバ200から当該モバイル注文データを受信した時点(「モバイル注文の受信時点」)を識別する。
【0065】
ステップS313、ステップS314:店舗端末300は、モバイル注文データからモバイル注文に関わる顧客識別情報及び注文商品情報を取得する。すなわち、誰がどのような商品を注文したかを識別する。
【0066】
次いで、店舗端末300は、店舗のデスクにおいて受け付けられる一連のオフライン注文の間に、モバイル注文の受信時点に基づいて店舗注文リストにモバイル注文を挿入して受付け処理する。すなわち、まるで注文管理サーバ200からモバイル注文データを転送された時点で店舗のデスクにおいてオフライン注文を受けたかのように、モバイル注文の処理順序を設定する。これは、店舗のデスクに待機列が長い場合にモバイル注文顧客が比較的に早く注文処理サービスを提供されたという経験を与えることができるので有利である。
【0067】
図7は、本発明において、モバイル注文を店舗において受付け処理する第2の実施形態を示す手順図である。
ステップS321:ステップS180において、注文管理サーバ200がモバイル注文データを伝送することに従い、顧客が来店した店舗に設置されている店舗端末300は、ステップS321において、モバイル注文データを受信する。
【0068】
ステップS322:店舗端末300が、モバイル注文データからモバイル注文に関わる顧客識別情報及び注文商品情報を取得する。すなわち、誰がどのような商品を注文したかを識別する。
【0069】
ステップS323:店舗端末300は、店舗のデスクにおいて受け付けて待機中の一連のオフライン注文に優先するように、店舗注文リストの先頭にモバイル注文を最優先的に配置して受付け処理する。たとえモバイル注文データを受信した時点において、未処理状態で待機中のオフライン注文があるとしても、店舗注文リストの先頭にモバイル注文を配置することにより、モバイル注文が最優先的に処理されるようにする。これは、モバイル注文の顧客は、来店するずっと前に注文をしたため、そのような状況を注文処理プロセスに反映するものである。
【0070】
図8は、本発明において、モバイル注文を店舗において受付け処理する第3の実施形態を示す手順図である。
ステップS331:モバイルエージェント部120は、ステップS110において、モバイル注文を顧客から入力されてモバイル注文データを生成するが、そのとき、モバイルエージェント部120は、そのモバイル注文データを生成した時点(「モバイル注文の生成時点」)を識別してモバイル注文データに挿入する。これは、顧客が自分のスマート端末100上においてモバイル注文の動作を行った時点に対応する。
【0071】
ステップS332:ステップS180において、注文管理サーバ200がモバイル注文データを伝送することに従い、顧客が来店した店舗に設置されている店舗端末300は、ステップS332において、モバイル注文データを受信する。
【0072】
ステップS333:店舗端末300が、モバイル注文データからモバイル注文に関わる顧客識別情報及び注文商品情報、並びにモバイル注文の生成時点を取得する。すなわち、誰がどのような商品を注文したかを識別し、さらにそのようなモバイル注文がいつ入力されたかを識別する。
【0073】
ステップS334:店舗端末300が、店舗のデスクにおいて受け付けられる一連のオフライン注文の間に、モバイル注文の生成時点に基づいて店舗注文リストにモバイル注文を挿入して受付け処理する。
【0074】
すなわち、顧客が自分のスマート端末100上においてモバイル注文を入力する時点で、まるで店舗のデスクにおいてオフライン注文を受けたかのようにモバイル注文の処理順序を設定する。これは、モバイル注文の顧客は来店するずっと前に注文するため、そのような状況を注文処理プロセスに反映するものである。この方式は、モバイル注文顧客とオフライン注文顧客から発生する注文データをバランスよく処理することができて、コンピューターソフトウェア工学でいう応答時間(response time)を適正化させることができるので有利である。
【0075】
一方、本発明は、コンピューターにて読み取り可能な不揮発性記録媒体にコンピューターにて読み取り可能なコードの形式で実現されることが可能である。このような不揮発性記録媒体としては、様々なタイプのストレージ装置が存在するが、例えば、ハードディスク、SSD、CD-ROM、NAS、磁気テープ、ウェブディスク、クラウドディスクなどが挙げられ、ネットワークで接続された複数のストレージ装置にコードが分散・格納されて起動される形態もまた実現可能である。なお、本発明は、ハードウェアと結合されて、特定の手続きを実行するために媒体に格納されたコンピュータープログラムの形態で実現されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8