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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-12
(45)【発行日】2022-07-21
(54)【発明の名称】プラスチック製バリケード
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/00 20060101AFI20220713BHJP
   E01F 13/02 20060101ALI20220713BHJP
   B65D 41/04 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
E01F13/00 301
E01F13/02 Z
B65D41/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018205346
(22)【出願日】2018-10-31
(65)【公開番号】P2020070623
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】390014029
【氏名又は名称】株式会社八木熊
(74)【代理人】
【識別番号】230124763
【弁護士】
【氏名又は名称】戸川 委久子
(72)【発明者】
【氏名】中村 昌人
(72)【発明者】
【氏名】山口 仁志
【審査官】山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3039806(JP,U)
【文献】登録実用新案第3044263(JP,U)
【文献】実開昭54-161782(JP,U)
【文献】登録実用新案第3033556(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44-35/54
39/00-55/16
E01F 1/00
13/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空構造の本体内部に水を充填して使用可能なプラスチック製バリケードであって、
注水口(11)と排水口(12)を備えたバリケード本体(1)と;前記バリケード本体(1)の注水口(11)に装着されるキャップ部材(2)と;前記バリケード本体(1)の排水口(12)に螺着される栓部材(3)とを含んで成り、
前記キャップ部材(2)に断面形状が非円形または楕円形の嵌合凸部(22)または嵌合凹部が設けられると共に、前記栓部材(3)に嵌合凸部(22)または嵌合凹部の形状に対応する断面形状の嵌合凹部(32)または嵌合凸部が設けられて、前記キャップ部材(2)の嵌合凸部(22)または嵌合凹部を、栓部材(3)の嵌合凹部(32)または嵌合凸部に嵌め込んだ状態で栓部材(3)をキャップ部材(2)と共に回転操作可能となっていることを特徴とするプラスチック製バリケード。
【請求項2】
キャップ部材(2)の嵌合凸部(22)または嵌合凹部、並びに栓部材(3)の嵌合凹部(32)または嵌合凸部の断面形状が十字型または歯車型であることを特徴とする請求項1記載のプラスチック製バリケード。
【請求項3】
キャップ部材(2)の直径が栓部材(3)の本体部の直径よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック製バリケード。
【請求項4】
栓部材(3)が雄ネジ部(31)を有する本体部と、この本体部よりも直径が大きい頭部(33)とから構成されると共に、前記頭部(33)に嵌合凹部(32)または嵌合凸部が形成されていることを特徴とする請求項1~3の何れか一つに記載のプラスチック製バリケード。
【請求項5】
中空構造の本体内部に水を充填して使用可能なプラスチック製バリケードに用いられるキャップ部材であって、
断面形状が非円形または楕円形の嵌合凸部または嵌合凹部が設けられ、
前記プラスチック製バリケードの注水口と排水口を備えたバリケード本体における前記注水口に装着可能である一方、
前記嵌合凸部または前記嵌合凹部を、前記バリケード本体の排水口に螺着される栓部材の嵌合凹部または嵌合凸部に嵌め込むことで、栓部材を共に回転操作可能であることを特徴とする、キャップ部材。
【請求項6】
中空構造の本体内部に水を充填して使用可能なプラスチック製バリケードに用いられる栓部材であって、
断面形状が非円形または楕円形の嵌合凹部または嵌合凸部が設けられ、
前記プラスチック製バリケードの注水口と排水口を備えたバリケード本体における前記排水口に螺着可能であり、
前記嵌合凹部または前記嵌合凸部に、前記バリケード本体の注水口に装着可能なキャップ部材の嵌合凸部または嵌合凹部が嵌め込まれることで、キャップ部材により回転操作可能であることを特徴とする、栓部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック製バリケードの改良、詳しくは、排水時における排水栓の開閉を専用工具なしで行えるプラスチック製バリケードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、道路等の工事現場においては、通行人や車が侵入しないように現場付近の交通規制を行ったり危険区域を示すためにバリケードの設置が行われる。また、この種の侵入禁止用のバリケードとしては、古くからある金属パイプ製のものだけでなく、プラスチック製のものも広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、上記プラスチック製のバリケードにおいては、材料コストの低減、及び運搬の容易性を目的として内部を中空構造としたものが多いものの、軽量なバリケードは、風で倒れたり人や物にぶつかって位置ズレし易いだけでなく盗難被害も受け易いため、内部に水を充填して重くした状態で使用されるのが一般的である。
【0004】
そのため、上記プラスチック製バリケードは、バリケードの下部に設けた排水口に排水栓をボルト式に装着して、この排水栓を開閉することによりバリケード内の水を排出する構造を採用していたが、従来製品では排水栓の開閉時に専用工具を使って排水栓を回転操作する必要があったため、作業効率の面で問題があった。
【0005】
具体的には、上記プラスチック製のバリケードの撤去時に、作業者が専用工具を携帯する必要があったため、作業人数が専用工具の数に限定されてしまう問題があった。また専用工具を車内や会社等に置き忘れた際に、専用工具を取りに戻る必要があるだけでなく、紛失した場合に専用工具のみを別途購入しなければならない等の問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2000-160524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、専用工具の忘れや紛失の問題がなく、また撤去作業を大人数で手分けして効率的に行うことができるプラスチック製バリケードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
【0009】
即ち、本発明は、中空構造の本体内部に水を充填して使用可能なプラスチック製バリケードにおいて、注水口11と排水口12を備えたバリケード本体1と;前記バリケード本体1の注水口11に装着されるキャップ部材2と;前記バリケード本体1の排水口12に螺着される栓部材3とを含んで構成する一方、前記キャップ部材2に断面形状が非円形または楕円形の嵌合凸部22または嵌合凹部を設けると共に、前記栓部材3に嵌合凸部22または嵌合凹部の形状に対応する断面形状の嵌合凹部32または嵌合凸部を設けて、前記キャップ部材2の嵌合凸部22または嵌合凹部を、栓部材3の嵌合凹部32または嵌合凸部に嵌め込んだ状態で栓部材3をキャップ部材2と共に回転操作可能とした点に特徴がある。
【0010】
また上記キャップ部材2の嵌合凸部22または嵌合凹部、並びに栓部材3の嵌合凹部32または嵌合凸部の断面形状を十字型または歯車型とすることで、回転操作時においてキャップ部材2から栓部材3にトルクを効率的に伝えることができる。
【0011】
また上記キャップ部材2の直径を栓部材3の本体部の直径よりも大きくすることで、回転操作時にキャップ部材2から栓部材3により大きなトルクを伝えることができるため、栓部材3の閉栓をしっかりと行えるだけでなく、栓部材3の開栓を簡単に行うことができる。
【0012】
また上記栓部材3を、雄ネジ部31を有する本体部と、この本体部よりも直径が大きい頭部32とから構成し、前記頭部33に嵌合凹部32または嵌合凸部を形成することで、嵌合凹部32または嵌合凸部の断面積を大きくすることができるため、回転操作時に嵌合凹部32から雄ネジ部31に効率的にトルクを伝達することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、中空構造のプラスチック製バリケードにおいて、注水口のキャップ部材に嵌合部を設けると共に、排水口の栓部材に被嵌合部を設けて、キャップ部材の嵌合部を、栓部材の被嵌合部に嵌め込んだ状態で栓部材をキャップ部材と共に回転操作可能に構成したことにより、排水栓の開閉を専用工具なしで行うことができる。
【0014】
また上記のようにバリケードのキャップ部材を利用して排水栓の回転操作を可能としたことにより、撤去作業時に専用工具を携帯する必要がないため、大人数で手分けして効率的に作業を行うことが可能となる。またキャップ部材は各バリケードに装着されているため、専用工具の忘れや紛失の問題もなく、専用工具を取りに戻る手間や専用工具のみを購入するコスト等も不要となる。
【0015】
したがって、本発明により、現場においてバリケードの設置作業を効率的かつ迅速に行うことができ、しかも、コスト面でも有利なプラスチック製バリケードを提供できることから、本発明の実用的利用価値は頗る高い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第一実施形態のプラスチック製バリケードを表す全体斜視図である。
図2】本発明の第一実施形態のキャップ部材を表す全体斜視図である。
図3】本発明の第一実施形態の栓部材を表す全体斜視図である。
図4】本発明の第一実施形態のキャップ部材と栓部材の使用状態を表す状態説明図である。
図5】本発明のバリケード本体の変更例を表す全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
『第一実施形態』
本発明の第一実施形態について図1図4に基づいて以下に説明する。なお図中、符号1で指示するものは、バリケード本体であり、符号2で指示するものは、キャップ部材である。また符号3で指示するものは、栓部材である。
【0018】
「プラスチック製バリケードの構成」
[1]プラスチック製バリケードの基本構成について
まず本実施形態のプラスチック製バリケードの基本構成について説明する。図1に示すようにバリケード本体1を中空構造に形成し、バリケード本体1の内部に水を充填可能に構成している。またバリケード本体1には、内部に水を注入するための注水口11、及び内部に充填した水を外部に排出するための排水口12をそれぞれ設けている。
【0019】
また図1に示すように、上記バリケード本体1の注水口11には、注入口11を封止するキャップ部材2(図2参照)を、また排水口12には、排水口12を封止する栓部材3(図3参照)をそれぞれ脱着自在に装着している。これによりバリケード設置時に注水口11からキャップ部材2を取り外して注水を行うことができ、またバリケード撤去時に排水口12から栓部材3を取り外して排水を行うことができる。
【0020】
また上記キャップ部材2及び栓部材3については、正逆方向の回転操作によって脱着できるように注水口11及び排水口12に螺着している。具体的には、図2及び図3に示すように、キャップ部材2に雌ネジ部21を設け、また栓部材3に雄ネジ部31を設けて、キャップ部材21の雌ネジ部21をバリケード本体1の注水口11の雄ネジ部に、また栓部材3の雄ネジ部31を排水口12の雌ネジ部に螺着している。
【0021】
また図2及び図3に示すように、上記キャップ部材2の上面部には、非円形状の嵌合凸部22を設け、更に上記栓部材3の上面部には非円形状の嵌合凹部32を設けて、図4に示すようにキャップ部材2の嵌合凸部22を、栓部材3の嵌合凹部32に嵌め込んだ状態で栓部材3をキャップ部材2と共に回転操作できるようにしている。
【0022】
[2]バリケード本体について
[2-1]バリケード本体の形状
次に上記プラスチック製バリケードの構成要素について以下に説明する。上記バリケード本体1の形態に関しては、本実施形態では、図1に示すように二つの中空構造の板状容器を頂点部で連結した逆V型の形態を採用しているが、内部に水を充填可能な中空構造の形態であれば、その他の形態を採用することもできる(具体例は後述する)。
【0023】
[2-2]バリケード本体の材質
また上記バリケード本体1の材質に関しては、本実施形態では、射出成形が可能な高密度ポリエチレンを採用しているが、バリケードに求められる耐久性を有する硬質な合成樹脂材料であれば、その他の熱可塑性樹脂(例えば、ABS樹脂やポリプロピレン等)や熱硬化性樹脂を採用することもできる。
【0024】
[2-3]注水口の形状
また上記バリケード本体1の注水口11の形状に関しては、本実施形態では断面形状を円形状として、注水口11の外側に雄ネジ部を備えた筒状突起を設けることにより、キャップ部材2を螺着可能に構成しているが、キャップ部材2を脱着自在に装着できる形状であればよく、例えば、注水口11の内側に雌ネジ部を形成して、キャップ部材2を螺着可能に構成することもできる。またキャップ部材2をゴム栓式に装着する場合には、雄ネジ部や雌ネジ部を備えない形態を採用することもできる。
【0025】
[2-4]排水口の形状
また上記バリケード本体1の排水口12の形状に関しては、本実施形態では断面形状を円形状として、排水口12の内側に雌ネジ部を形成することにより栓部材3を螺着可能に構成しているが、栓部材2を脱着自在に螺着できる形状であればよく、例えば、排水口12の外側に雄ネジ部を備えた筒状突起を設けることにより、栓部材3を螺着可能に構成することもできる。また本実施形態では、排水口12の周縁部に段状に窪んだザグリ部を設けているが、ザグリ部のない形態を採用することもできる。
【0026】
[2-5]注水口及び排水口の配置
また本実施形態では、図1に示すように上記バリケード本体1の注水口11を二つの板状容器の上面部に設けているが、板状容器の側面上部に注水口11を設けることもできる。また本実施形態では、上記バリケード本体1の排水口12を二つの板状容器の側面下部にそれぞれ設けているが、板状容器の下面部に排水口12を設けることもできる。
【0027】
[3]キャップ部材について
[3-1]キャップ部材の本体形状
また上記キャップ部材2の本体形状に関しては、本実施形態では、図2に示すように内側に雌ネジ部21が形成された筒型の形態を採用しているが、バリケード本体1の注水口11に脱着自在に装着できる形状であればよく、例えば、注水口11に雌ネジ部を形成する場合には雄ネジ部を備えたボルト型の形態とすることもできる。また装着部位にエラストマー部材を設けてゴム栓型の形態とすることもできる。
【0028】
また本実施形態では、上記キャップ部材2の本体の直径を栓部材3の本体部の直径よりも大きくしているため、キャップ部材2を手で持って回転操作する際にキャップ部材2から栓部材3に大きなトルクを伝えることができる。これにより栓部材3を大きなトルクで回転させることができるため、閉栓及び開栓を容易に行うことができる。
【0029】
[3-2]キャップ部材の材質
また上記キャップ部材1の材質に関しては、本実施形態では、バリケード本体1と同様に射出成形が可能な高密度ポリエチレンを採用しているが、バリケード本体1の注水口11に螺着する場合には、硬質な合成樹脂材料であれば、その他の熱可塑性樹脂(例えば、ABS樹脂やポリプロピレン等)や熱硬化性樹脂、金属材料等を採用することもできる。またキャップ部材1をゴム栓型とする場合には、硬質な合成樹脂材料とエラストマー材料を組み合わせて使用することもできる。
【0030】
[3-3]キャップ部材の嵌合凸部
また上記キャップ部材2の嵌合凸部22に関しては、本実施形態では断面形状が十字型の形状を採用しているが、栓部材3の嵌合凹部32に係合状態で嵌合する形態であれば、断面形状が多角形や歯車型等の非円形または楕円形の形態を採用することもできる。なお回転操作時にキャップ部材2から栓部材3にトルクを効率的に伝えるために嵌合凸部22の断面形状は十字型または歯車型とするのが好ましい。
【0031】
[3-4]キャップ部材の嵌合凸部の変更例
また本実施形態では、上記キャップ部材2の嵌合凸部22の断面形状を、栓部材3の嵌合凹部32の断面形状と同じ形状としているが、回転操作時に両者が係合する形状であれば異なる形状を採用することもできる。またキャップ部材2の嵌合凸部22については、栓部材3に嵌合凸部を形成する場合には、断面形状が非円形または楕円形の嵌合凹部とすることもできる(図示せず)。
【0032】
[3-5]凸条部
また本実施形態では、上記キャップ部材2の側面部に、高さ方向に延びる凸条部23・23…を円周方向に所定間隔で形成している。これにより回転操作時において凸条部23・23…に指を掛けた状態でキャップ部材2を回転させることができるため、力を逃がさずに回転操作を行うことができる。なお指を掛ける部位として凸条部23の代わりに溝部を形成することもできる。
【0033】
[4]栓部材について
[4-1]栓部材の形状
また上記栓部材3の形状については、図3に示すように、本実施形態では雄ネジ部31を有する本体部と、この本体部よりも直径が大きい頭部33とから構成しているが、頭部33のない形状を採用することもできる。なお本実施形態では、装着した栓部材3の頭部33を手で持って回転操作が行えないように、バリケード本体1の排水口12に設けたザグリ部に栓部材3の頭部33が挿入されるように構成している。
【0034】
また上記栓部材3の本体部の形状に関しては、外周に雄ネジ部31が形成された棒型の形態を採用しているが、バリケード本体1の排水口12に螺着できる形状であればよく、例えば、排水口12に外周に雄ネジ部が形成された筒状突起を形成する場合には内周に雌ネジ部を備えたナット型の形態を採用することもできる。
【0035】
[4-2]栓部材の材質
また上記栓部材3の材質に関しては、本実施形態では、バリケード本体1と同様に射出成形が可能な高密度ポリエチレンを採用しているが、硬質な合成樹脂材料であれば、その他の熱可塑性樹脂(例えば、ABS樹脂やポリプロピレン等)や熱硬化性樹脂、金属材料等を採用することもできる。
【0036】
[4-3]栓部材の嵌合凹部
また上記栓部材3の嵌合凹部32に関しては、本実施形態では断面形状が十字型の形状を採用しているが、キャップ部材2の嵌合凸部22に係合状態で嵌合する形態であれば、断面形状が多角形や歯車型等の非円形または楕円形の形態を採用することもできる。なお回転操作時にキャップ部材2から栓部材3にトルクを効率的に伝えるために嵌合凹部32の断面形状は十字型または歯車型とするのが好ましい。
【0037】
また本実施形態では、上記栓部材3の頭部33に嵌合凹部32を形成して嵌合凹部32の断面積を大きくしているため、回転操作時に嵌合凹部32から雄ネジ部31に効率的にトルクを伝達することができ、栓部材3の開閉時においてキャップ部材2の回転操作に必要な力を小さく抑えることができる。
【0038】
[4-4]栓部材の嵌合凹部の変更例
また本実施形態では、上記栓部材3の嵌合凹部32の断面形状を、キャップ部材2の嵌合凸部22の断面形状と同じ形状としているが、回転操作時に両者が係合する形状であれば異なる形状を採用することもできる。また栓部材3の嵌合凹部32については、キャップ部材2に嵌合凹部を形成する場合には、断面形状が非円形または楕円形の嵌合凸部とすることもできる(図示せず)。
【0039】
[4-5]栓部材のパッキン部材
また本実施形態では、図3に示すように栓部材3の本体部の頭部33側にリング状のパッキン部材34を装着して構成している。これにより、パッキン部材34を頭部33と排水口12のザグリ部との間に挟み込んだ状態で栓部材3を閉栓することができるため、弾性変形させたパッキン部材34で隙間を埋めて排水口12からの水漏れを防止できる。
【0040】
「バリケード本体の変更例」
本発明は上記のように構成されるが、上記実施形態に限定されず、例えば、バリケード本体1の形態は、図5(a)に示すように別体で構成された複数の小型容器を中央の凹部に装着可能な形態としてもよく、また図5(b)に示すように一つの大型容器から構成してもよく、何れも本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0041】
1 バリケード本体
11 注水口
12 排水口
2 キャップ部材
21 雌ネジ部
22 嵌合凸部
23 凸条部
3 栓部材
31 雄ネジ部
32 頭部
33 嵌合凹部
34 パッキン部材
図1
図2
図3
図4
図5