(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-12
(45)【発行日】2022-07-21
(54)【発明の名称】油水排水処理装置及びこれを用いた油水排水処理方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/44 20060101AFI20220713BHJP
B01D 17/04 20060101ALI20220713BHJP
B01D 61/04 20060101ALI20220713BHJP
B01D 61/14 20060101ALI20220713BHJP
B01D 61/58 20060101ALI20220713BHJP
B01D 63/06 20060101ALI20220713BHJP
B01D 63/08 20060101ALI20220713BHJP
B01D 63/10 20060101ALI20220713BHJP
B01D 71/34 20060101ALI20220713BHJP
B01D 71/36 20060101ALI20220713BHJP
B01D 71/42 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
C02F1/44 F
B01D17/04 501D
B01D61/04
B01D61/14 500
B01D61/58
B01D63/06
B01D63/08
B01D63/10
B01D71/34
B01D71/36
B01D71/42
(21)【出願番号】P 2019509858
(86)(22)【出願日】2018-03-27
(86)【国際出願番号】 JP2018012325
(87)【国際公開番号】W WO2018181262
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-02
(31)【優先権主張番号】P 2017064683
(32)【優先日】2017-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】517110690
【氏名又は名称】株式会社AZTECH
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【氏名又は名称】木下 茂
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 泰光
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-057931(JP,A)
【文献】特開2004-058052(JP,A)
【文献】特開昭61-086986(JP,A)
【文献】特開2006-122795(JP,A)
【文献】特開平01-115409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/44
B01D 17/04-05、61/02-22、63/06-12、69/00-14、71/32-42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属加工に使用された、界面活性剤を含む含油廃水を油と水とに分離する油水排水処理装置であって、
前記含油廃水に含まれる含油エマルジョンに対し、限外濾過処理を施し、含油エマルジョンを油分と一次処理水とに分離する一次フィルタ部と、
前記含油エマルジョンを貯留すると共に、一次フィルタ部に含油エマルジョンを供給し、更に一次フィルタからの戻り含油エマルジョンを貯留する一次処理槽と、
前記一次フィルタ部により分離された一次処理水に対し逆浸透膜を用いた濾過処理を施し、一次処理水を、一次フィルタ部で除去されなかった界面活性剤と二次処理水とに分離する二次フィルタ部と、
前記一次フィルタ部により処理された一次処理水を貯留すると共に、二次フィルタ部に一次処理水を供給し、更に二次フィルタからの戻り一次処理水を貯留する二次処理槽と、
を備え
前記一次フィルタ部がチューブラー膜式またはスパイラル膜式の限外濾過膜のフィルタ構造を有するフィルタであり、前記一次フィルタ部の限外濾過処理膜の表面に沿って、含油エマルジョンが線速3m/s~4m/sで流れ、
前記二次フィルタ部が円板状の逆浸透膜を複数段重ねたフィルタ構造を有するフィルタであり、前記二次フィルタ部における膜の操作圧が3MPa~12MPaであり、逆浸透膜の表面に沿って、一次処理水が線速3m/s~4m/sで流れる、
ことを特徴とする油水排水処理装置。
【請求項2】
前記含油廃水から固体と含油エマルジョンとを分離する固液分離部を備え、
前記一次処理槽に、含油エマルジョンを供給することを特徴とする請求項1記載の油水排水処理装置。
【請求項3】
前記二次フィルタ部によって分離された二次処理水は、公共用水域への放流基準を満たしていることを特徴とする請求項1に記載の油水排水処理装置。
【請求項4】
前記一次フィルタ部に用いられる膜が、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF),ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE),ポリアクリロニトリル樹脂(PAN)のいずれかからなり、分画分子量が、
1×10
4
Da以上、5×10
5
Da以下であることを特徴とする請求項1記載の油水排水処理装置。
【請求項5】
前記二次フィルタ部が、
周壁部と、前記周壁部の上下端面を塞ぐ端面部とから構成されるケーシングと、前記端面部に形成された一次処理水導入口と、前記逆浸透膜で濾過されない一次処理水を二次処理槽に戻すための一次処理水導出口と、前記ケーシング内に収容された軸部と、前記軸部に対して、軸線方向にパッキンを介して積層された円板状の逆浸透膜と、前記逆浸透膜間に介在し、前記逆浸透膜の表面に沿って径方向に流れを形成する流路形成部材と、前記円板状の逆浸透膜の内部と連通し、前記パッキンと軸部との間に形成された二次処理水が流れる流路と、前記二次処理水を導出する導出口と、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の油水排水処理装置。
【請求項6】
前記請求項1乃至
請求項5のいずれかに記載された油水排水処理装置を用いた、含油廃水を油と水とに分離する油水排水処理方法であって、
前記含油廃水に含まれる含油エマルジョンに対し限外濾過処理を施し、前記含油エマルジョンを油分と一次処理水とに分離する工程と、
前記分離された一次処理水に対し逆浸透膜を用いた濾過処理を施し、一次処理水を、一次フィルタ部で除去されなかった界面活性剤と二次処理水とに分離する工程と、
を備え、
前記二次処理水を公共用水域への放流基準値以下にすることを特徴とする油水排水処理方法。
【請求項7】
前記含油廃水から固体と含油エマルジョンとを分離する工程を経た後、分離された含油エマルジョンに対し限外濾過処理を施し、前記含油エマルジョンを油分と一次処理水とに分離する工程がなされることを特徴とする
請求項6に記載の油水排水処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油水排水処理装置及びこれを用いた油水排水処理方法に関し、特に環境に対する悪影響の少ない排水処理が行える油水排水処理装置及びこれを用いた油水排水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車部品などの製造において、金属加工時に潤滑性向上のために切削油等の油が用いられている。従来から、加工金属表面に油を塗布しながら金属加工を行っているが、油が燃焼しやすいことから、火災の原因となる虞があった。
そのため、近年では水溶性の油水(金属加工用油)が用いられている。この油水は、界面活性剤などを媒体として水と油を混ぜたものである。
この水溶性の油水は、使用後の含油廃水の廃棄処理が困難であり、廃棄処理としては、水分を蒸発させる、あるいは油分を霧状にして焼却炉で燃焼させるなどの方法が採られている。
【0003】
しかしながら、蒸発方式や燃焼炉の中で燃焼させる等の処理方法は、含油廃水の含水率が高いため、燃焼等に多くのエネルギーが必要となり、処理コストが嵩むという課題があった。また、回収した油分を焼却処理する際に、大量の二酸化炭素(CO2)が発生するため、環境に悪影響を及ぼすという課題があった。
【0004】
この含油廃水を処理する方法として、特許文献1には、遠心分離装置により最も比重の小さい油分を内側層(上層)に、最も比重の大きい汚泥を外層(下層)に、エマルジョン(白濁液)を中間層に分離し、さらにエマルジョンを下流の濾過装置により膜分離する処理方法が開示されている。
【0005】
このような処理方法によれば、濾過装置によりエマルジョンに含まれる油分を分離し、含水率の低い油分として回収することができる。
そのため、回収された油分の廃棄時の燃焼等にかかるエネルギーが低減され、処理コストを抑えることができる。また、焼却処理する際に発生する二酸化炭素(CO2)の量を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に開示された処理方法にあっては、エマルジョンを膜分離処理する際、アルミナ、ジルコニア等の非対称膜がセラミック分離膜として用いられる。
しかしながら、前記セラミック分離膜は、油の微粒子(数nm~数十nm)をろ過する程度の膜であるため、低分子の不純物(例えば、界面活性剤、防錆剤、低分子のナトリウム等)を除去することができず、河川放流レベル(公共用水域への放流基準値以下)まで浄水化できないという技術的課題があった。
また、前記セラミック分離膜の膜面に油膜が付着し、早期に目詰まりを起こし、円滑な油と水の分離を行うことができないという技術的課題があった。
【0008】
本発明は、前記した点に着目してなされたものであり、円滑に処理でき、処理にかかるコストを低減することができ、更に公共用水域への放流基準値以下まで浄水が可能な、環境に対する影響の少ない排水処理が行える油水排水処理装置及びこれを用いた油水排水処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した課題を解決するためになされた本発明に係る油水排水処理装置は、含油廃水を油と水とに分離する油水排水処理装置であって、前記含油廃水に含まれる含油エマルジョンに対し、限外濾過処理を施し、含油エマルジョンを油分と一次処理水とに分離する一次フィルタ部と、前記一次フィルタ部により分離された一次処理水に対し逆浸透膜を用いた濾過処理を施し、一次処理水を、一次フィルタ部で除去されなかった低分子不純物と二次処理水とに分離する二次フィルタ部と、を備え、前記一次フィルタ部がチューブラー膜式またはスパイラル膜式の限外濾過膜のフィルタ構造を有するフィルタであり、かつ前記二次フィルタ部が円板状の逆浸透膜を複数段重ねたフィルタ構造を有するフィルタである、ことを特徴としている。
【0010】
本発明にかかる油水排水処理装置によれば、限外濾過からなる一次フィルタ部により油分を除去し、逆浸透膜構造の二次フィルタ部により界面活性剤のような低分子不純物までも除去することができる。即ち、含油廃水を公共用水域への放流基準値以下まで浄化することができる。
【0011】
特に、一次フィルタ部として、チューブラー膜式またはスパイラル膜式の限外濾過膜のフィルタ構造を有するフィルタが用いられるため、含油エマルジョンが限外濾過膜の表面に沿って大きな流速(線速)で流れる。その結果、限外濾過膜の表面に付着する油分が抑制され、膜の目詰まりが抑制される。
また、二次フィルタ部に、円板状の逆浸透膜を複数段に重ねたフィルタ構造を有するフィルタが用いられるため、膜の操作圧力を高くすることができ、界面活性剤等の低分子不純物を除去でき、濃縮率を高くすることができる。
しかも、この円板状の逆浸透膜を複数段重ねたフィルタ構造を有するフィルタは、一次フィルタ部と同様に、一次処理水が膜の表面に沿って大きな流速(線速)で流れるため、膜の表面に付着する低分子不純物が抑制され、膜の目詰まりが抑制される。
【0012】
このように、特定構造の一次フィルタ部及び二次フィルタ部が用いられ、含油エマルジョン、一次処理水が膜の表面に沿って大きな流速(線速)で流れるため、膜の目詰まりを抑制しつつ、排水処理を行うことができる。その結果、長時間にわたり円滑な排水処理を行うことができる。
しかも、一次フィルタ部において油分の濃縮化を図ることができ、二次フィルタ部において、界面活性剤等の低分子不純物の濃縮化を図ることができるため、処理にかかるコストを低減することができる。
【0013】
ここで、前記含油エマルジョンを貯留すると共に、一次フィルタ部に含油エマルジョンを供給し、更に一次フィルタからの戻り含油エマルジョンを貯留する一次処理槽と、前記一次フィルタ部により処理された一次処理水を貯留すると共に、二次フィルタ部に一次処理水を供給し、更に二次フィルタからの戻り一次処理水を貯留する二次処理槽と、を備えることが望ましい。
このように、一次処理槽に一次フィルタからの戻り含油エマルジョンを貯留し、再び一次フィルタ部に含油エマルジョンを供給するため、含油エマルジョンの濃縮化を図ることができる。
また同様に、二次処理槽に二次フィルタからの戻り一次処理水を貯留し、再び二次フィルタ部に一次処理水を供給するため、一次処理水の濃縮化をはかることができ、廃棄処分する最終処理液を減量することができる。
【0014】
また、前記含油廃水から固体と含油エマルジョンとを分離する固液分離部を備え、前記一次処理槽に、含油エマルジョンを供給することが望ましい。
この固液分離部は例えば遠心分離機であり、油水排水処理装置に設けても良い。あるいは固液分離部(遠心分離機)を油水排水処理装置とは別に、別装置として設け、固液分離部(遠心分離機)によって分離された含油エマルジョンを、前記一次処理槽に供給しても良い。
【0015】
前記二次フィルタ部によって分離された二次処理水は、公共用水域への放流基準を満たしていることが望ましい。
【0016】
また、前記一次フィルタ部に用いられる膜が、ポリフッ化ビニリデン樹脂,ポリテトラフルオロエチレン樹脂,ポリアクリロニトリル樹脂(PAN)のいずれからなり、分画分子量が、1×104Da以上、5×105Da以下であることが望ましい。
このように、膜がポリフッ化ビニリデン樹脂,ポリテトラフルオロエチレン樹脂,ポリアクリロニトリル樹脂(PAN)のいずれから構成されているため、耐久性、耐油性があり、好ましい。
分画分子量が、1×104Da(ダルトン)未満の場合には、浄化量が少なく、処理に時間がかかり、早期に目詰まりを起こし、好ましくない。
一方、分画分子量が、5×105Da(ダルトン)を超える場合には、油分が膜を透過し、十分なろ過を行うことができないため、好ましくない。
【0017】
また、前記二次フィルタ部が、周壁部と、前記周壁部の上下端面を塞ぐ端面部とから構成されるケーシングと、前記端面部に形成された一次処理水導入口と、前記逆浸透膜で濾過されない一次処理水を二次処理槽に戻すための一次処理水導出口と、前記ケーシング内に収容された軸部と、前記軸部に対して、軸線方向にパッキンを介して積層された円板状の逆浸透膜と、前記逆浸透膜間に介在し、前記逆浸透膜の表面に沿って径方向に流れを形成する流路形成部材と、前記円板状の逆浸透膜の内部と連通し、前記パッキンと軸部との間に形成された二次処理水が流れる流路と、前記二次処理水を導出する導出口と、を備えていることを特徴としている。
【0018】
この二次フィルタ部が前記構成を備えているため、膜の操作圧力を、例えば、3MPa~12MPa程度に高くすることができるため、界面活性剤等の低分子不純物を除去でき、濃縮率を高くできる。
また、一次処理水が膜の表面に沿って大きな流速(例えば、線速1m/s~3m/s)で流れるため、膜の表面に付着する低分子不純物が抑制され、膜の目詰まりが抑制される。
【0019】
また、本発明は、上記油水排水処理装置を用いた、含油廃水を油と水とに分離する油水排水処理方法であって、前記含油廃水に含まれる含油エマルジョンに対し限外濾過処理を施し、前記含油エマルジョンを油分と一次処理水とに分離する工程と、前記分離された一次処理水に対し逆浸透膜を用いた濾過処理を施し、一次処理水を、一次フィルタ部で除去されなかった低分子不純物と二次処理水とに分離する工程と、を備え、前記二次処理水を公共用水域への放流基準値以下にすることを特徴としている。
【0020】
このような方法によれば、限外濾過処理により油分を除去し、逆浸透膜構造を用いた濾過処理により低分子不純物までも除去することができる。即ち、含油廃水を公共用水域への放流基準値以下まで浄化することができる。
【0021】
ここで、前記含油廃水から固体と含油エマルジョンとを分離する工程を経た後、分離された含油エマルジョンに対し限外濾過処理を施し、前記含油エマルジョンを油分と一次処理水とに分離する工程がなされることが望ましい。
この固液分離部は例えば遠心分離機であり、固液分離部(遠心分離機)によって分離された含油エマルジョンを、一次処理槽に供給しても良い。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、円滑に処理でき、処理にかかるコストを低減することができ、更に公共用水域への放流基準値以下まで浄水が可能な、環境に対する影響の少ない排水処理が行える油水排水処理装置及びこれを用いた油水排水処理方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明に係る油水排水処理装置の全体構成を模式的に示したブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した二次フィルタ部の概略構成を示す断面図である。
【
図3】
図3は、本発明に係る油水排水処理方法の動作の流れを示すフローである。
【
図4】
図4は、本発明にかかる実験1の結果を示す表である。
【
図5】
図5は、本発明にかかる実験2の結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明にかかる油水排水処理装置及び油水排水処理方法の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。尚、本発明に係る油水排水処理装置は、金属加工等において使用後の含油廃水を、油と水(エマルジョン)に分離し、分離した処理水を河川等の公共用水域への放流基準値以下まで浄化するものである。
【0025】
図1は、本発明に係る油水排水処理装置の全体構成を模式的に示したブロック図である。
図1に示す油水排水処理装置1は、使用済みの廃切削油等の含油廃水を回収するため、例えば鋼鉄製のタンク2を備える。
このタンク2の大きさ及び形状は特に限定されるものではないが、運搬の容易さから、一般的な円筒状の20リットルペール缶などを用いることができる。
【0026】
また、油水排水処理装置1は、前記タンク2内の含油廃水を吸い上げるためのポンプ3と、ポンプ3によって吸い上げられた含油廃水を遠心分離処理によりキリコ等の固形ゴミ(金属屑)と含油エマルジョンに分離する固液分離機(固液分離部)4とを備える。
この含油廃水には、キリコ等の固形ゴミ(金属屑)が含まれていない場合には、この含油廃水の処理には固液分離機(固液分離部)4を用いる必要がないため、固液分離機(固液分離部)4は必ずしも設ける必要はない。即ち、固液分離機(固液分離部)4を別の装置として設け、必要に応じて、固液分離機を用いても良い。
【0027】
前記固液分離機(固液分離部)4は、ポンプ3によって供給される含油処理液から含油エマルジョンのみを抽出するものである。即ち、ポンプ3によって供給される含油処理液に含まれるキリコや表面に浮上する浮上油を除去し、含油エマルジョンのみを抽出するものである。この固液分離機(固液分離部)4としては、例えば遠心分離機を用いることができる。この固液分離機4によって除去されたキリコや浮上油は、回収槽5に回収される。
【0028】
また、油水排水処理装置1は、前記固液分離機(固液分離部)4によって得られた含油エマルジョンを貯留する一次処理槽6と、前記一次処理槽6内に貯留された含油エマルジョンに対し油分除去のための濾過処理を施す第一次フィルタ部7とを備える。
前記一次フィルタ部7は、チューブラー膜式あるいはスパイラル膜式の限外濾過膜(UF膜)のフィルタ構造を有している。
【0029】
このように、チューブラー膜式あるいはスパイラル膜式の限外濾過膜(UF膜)のフィルタ構造を採用しているのは、含油エマルジョンを限外濾過膜の表面に沿って大きな流速(例えば、線速3m/s~4m/s)で流すことができ、限外濾過膜の表面に付着する油分を抑制し、膜の目詰まりを抑制するためである。
【0030】
また、前記一次フィルタ部に用いられる膜の材質は、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF),ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE),ポリアクリロニトリル樹脂(PAN)のいずれかからなり、分画分子量が、1×104Da(ダルトン)以上、5×105Da(ダルトン)以下であることが望ましい。
このように、膜がポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF),ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE),ポリアクリロニトリル樹脂(PAN)のいずれかから構成されているため、耐久性、耐油性があり、好ましい。
【0031】
前記分画分子量が1×104Da(ダルトン)未満の場合には、浄化量が少なく、処理に時間がかかり、早期に目詰まりを起こし、好ましくない。
一方、分画分子量が、5×105Da(ダルトン)を超える場合には、油分が膜を透過し、十分なろ過を行うことができないため、好ましくない。
【0032】
また、一次処理槽6には、一次フィルタ部7によって除去された油分を回収するための濃縮水槽10が、バルブV1を介して設けられている。
また、一次フィルタ部7には、一次フィルタ部7を通過しなかった含油エマルジョンを一次処理槽6に戻す配管aが接続されると共に、一次フィルタ部7を通過した一次処理液を二次処理槽8に導出する配管bが接続されている。また、前記配管aにはバルブV2が設けられ、配管bにはバルブV3が設けられている。
【0033】
したがって、前記バルブV1を閉じ、バルブV2,V3を開き、一次処理槽6内の含油エマルジョンが一次フィルタ部7に供給されると、一次フィルタ部7を通過(透過)し、油分除去された一次処理水が、二次処理槽8へ導出される。
一方、一次フィルタ部7を通過(透過)しなかった含油エマルジョンは一次処理槽6へ戻され、一次処理槽6に貯留され、再び一次フィルタ部7に供給される。
その結果、一次処理槽6内の含油エマルジョンは徐々に濃縮化が図られ、最終的にバルブV2,V3を閉じ、バルブV1を開くことにより、一次フィルタ部7によって濃縮化された油分が濃縮水槽10に回収される。
【0034】
また、油水排水処理装置1は、前記したように、一次フィルタ部7において油分が除去された一次処理水を貯留する二次処理槽8と、前記二次処理槽8に貯留されたエマルジョンに対し、低分子不純物を除去のための濾過処理を行う二次フィルタ部9とを備える。
前記二次フィルタ部9は、界面活性剤,防錆剤などに含まれている低分子不純物を除去し、二次処理水を公共用水域への放流基準以下になすものである。
【0035】
前記二次フィルタ部9は、逆浸透膜(RO膜)により構成される。この二次フィルタ部9は、円板状の逆浸透膜を複数段重ねたフィルタ構造を有するフィルタである。
この二次フィルタ部9に、円板状の逆浸透膜を複数段重ねたフィルタ構造を有するフィルタを用いたのは、膜の操作圧力を例えば、3MPa~12MPa程度に高くすることができ、界面活性剤等の低分子不純物を除去でき、濃縮率を高くできる。
また、一次フィルタ部と同様に、一次処理水が膜の表面に沿って大きな流速(例えば、線速1m/s~3m/s)で流れるため、膜の表面に付着する低分子不純物が抑制され、膜の目詰まりが抑制される。
更に、ここで用いられる逆浸透膜(RO膜)は、ナトリウム分子量以上を99%除去できる逆浸透膜(RO膜)を用いるのが好ましい。
【0036】
円板状の逆浸透膜(RO膜)を複数段積み重ねた構造の二次フィルタ部9について、
図2に基づいて具体的に説明する。
図2に示しように、二次フィルタ部9は、周壁部20と、前記周壁部20の上下端面を塞ぐ端面部21,22を備えている。前記周壁部20と、前記周壁部20の上下端面を塞ぐ端面部21,22によって、ケーシングが形成される。
前記端面部22には、一次処理水を内部に導入するための一次処理水導入口23と、円板状の逆浸透膜(RO膜)26を通過(透過)しなかった一次処理水を一次処理層8に戻すための一次処理水導出口24が設けられている。
【0037】
前記円板状の逆浸透膜(RO膜)26は、軸27に対して、軸線方向にパッキン28を介して積層されている。
この円板状の逆浸透膜(RO膜)26は、上下一対の膜を有すると共に、その外周縁は閉じられ、上下一対の膜を透過(通過)した処理水が上下一対の膜間26bを流れるように構成されている。
また、円板状の逆浸透膜(RO膜)26の中心部には、前記軸27が挿通するように穴26aが形成され、平面視上、いわゆるドーナツ形状(リング形状)に形成されている。
【0038】
また、周壁部20の内部には、前記円板状の逆浸透膜(RO膜)26の間に流路を形成する流路形成部材29が収容されている。
この流路形成部材29の外周面と周壁部20の内周面との間に第1の流路L1が形成され、流路形成部材29の下端面と端面部21の上面との間に第2の流路L2が形成される。また、流路形成部材29の棚部29aとの間に第3の流路L3が形成され、流路形成部材29の上端面と端面部22の下面との間に第4の流路L4が形成される。
また、前記パッキン28と軸27との間には、円板状の逆浸透膜(RO膜)26の内部(上下一対の膜間26b)と連通する第5の流路L5が形成される。この第5の流路L5は、二次処理水を導出する二次処理水導出口25と連通している。
【0039】
このように二次フィルタ部9が構成されているため、導入口23から導入された一次処理水は、流路L1,L2、L3を流れる。
そして、一次処理水が流路L3を流れる際、一次処理水が円板状の逆浸透膜(RO膜)26の表面に沿って大きな流速(例えば、1m/s~3m/s)で流れる。
また、図示しないが、流路形成部材29の棚部29aの上下面には多数の突起が形成され、前記突起で円板状の逆浸透膜(RO膜)26を保持している。
そのため、円板状の逆浸透膜(RO膜)26の外周縁から中心部に向かって、あるいは中心部から外周縁に向かって処理水が流れる際、前記突起に処理水が衝突し、流れが不規則となる。
このように、逆浸透膜(RO膜)26の表面の処理水の流速(線速)が大きく、しかも流れが不規則となるため、膜の表面に付着する低分子不純物が抑制され、膜の目詰まりが抑制される。
【0040】
また、一次処理水が第3の流路L3を流れる際、円板状の逆浸透膜(RO膜)26を透過(通過)した処理水は、逆浸透膜(RO膜)26の膜間26bを通って、第5の流路L5に流れ、二次処理水を導出する二次処理水導出口25から導出される。
【0041】
上記した円板状の逆浸透膜(RO膜)26を複数段重ねたフィルタ構造にあっては、膜の操作圧力を高くすることができるため、界面活性剤等の低分子不純物を除去でき、濃縮率を高くすることができる。
即ち、この逆浸透膜(RO膜)26は、操作圧力により濾過するため(浸透圧濾過するため)、濃度が高くなると、操作圧力を高くしなければ濾過することができない。一般的な逆浸透膜は、操作圧力が最大2MPa(海水淡水化用は7MPa)と低いために、濃縮に限界がある。例えば、10割の排水を7割処理し、3割程度の濃縮が限界であり、回収率が70%となる。
これに対して、複数の円板状の逆浸透膜(RO膜)26を複数段に積み重ねた構造の逆浸透膜は、操作圧力が最大12MPa(通常3MPa~7MPaで使用)と高いために、しかも円板構造であるため、汚れに強く、10割の排水を9割処理し、1割に高濃縮するので回収率が90%となり、より好ましい。
【0042】
再び
図1に戻り、油水排水処理装置1の説明をする。
前記二次処理槽8には、二次フィルタ9によって除去された界面活性剤等の低分子不純物を回収するための濃縮水槽11が、バルブV4を介して設けられている。
前記二次フィルタ部9には、二次フィルタ部9を透過(通過)しなかった一次処理水を二次処理槽8に戻す配管cが接続されると共に、二次フィルタ部9を透過(通過)した一次処理液を処理水タンクに導出する配管dが接続されている。
更に、配管cには、産廃処理される最終濃縮水を回収する最終濃縮水槽12に接続された配管eが接続されている。
【0043】
また、前記配管cにはバルブV5が設けられ、配管dにはバルブV6が設けられている。
したがって、前記バルブV4を閉じ、バルブV5,V6を開き、二次処理槽8内の一次処理水が二次フィルタ部9に供給されると、二次フィルタ部9でろ過がなされ、二次フィルタ部9を透過(通過)した界面活性剤等の低分子不純物が除去された二次処理水は、処理水タンクへ導出される。
一方、ニ次フィルタ部9を透過(通過)しなかった一次処理水はニ次処理槽8へ戻され、ニ次処理槽8に貯留され、再びニ次フィルタ部9に供給される。
【0044】
その結果、ニ次処理槽8内の一次処理水の濃縮化が図られ、最終的にバルブV5,V6を閉じ、バルブV4を開くことにより、二次フィルタ部9に残存する低分子不純物を高濃度に含む濃縮水を、最終濃縮水槽11に回収する。そして、低分子不純物を高濃度に含む濃縮水を産廃処理する。
前記廃棄処分する最終濃縮水は、一次処理水に比べて、はるかに減量することができ、それを処理するためにエネルギーの低減をはかることができ、コストの低減を図ることができる。
【0045】
続いて、
図1及び
図3に基づいて、油水排水処理装置1における動作の流れを説明する。
図3は、油水排水処理装置1の動作の流れ(本発明に係る油水排水処理方法の動作の流れ)を示すフローである。
先ず、例えば金属加工において生じた使用済みの廃切削油(含油廃水)は、タンク2に貯留される(
図2のステップS1)。
タンク2に所定量の含油廃水が溜まると、タンク2内の含油廃水はポンプ3の駆動によって汲み上げられ、固液分離機4に供給される。タンク2内の含油廃水は、金属加工時に生じたキリコ(金属屑)等を含んでおり、固液分離機4においては、比重の大きいキリコ、及び白濁したエマルジョンの表面に浮く浮上油分と、含油エマルジョンとが分離される(
図2のステップS2)。
【0046】
固液分離機4により分離された前記キリコ、浮上油は、回収槽5に回収され、含油エマルジョンは、一次処理槽6に供給され、そこに貯留される(
図2のステップS3)。
次いで、
図1においてバルブV1を閉じ、バルブV2、V3を開いた状態で、一次処理槽6に溜めた含油エマルジョンを一次フィルタ部7で限外濾過処理する。
そして、一次フィルタ部7の透過した一次処理水は二次処理槽8に供給され、貯留される(
図2のステップS6)。
一方、一次フィルタ部7を透過しない一次処理水は再び一次処理槽6に戻される。
尚、二次処理槽8に供給された一次処理水の油分は除去されるが、界面活性剤等の低分子不純物を含むため、公共用水域への放流基準を満たしていない。
【0047】
この処理を連続的に繰り返す(
図2のステップS4)。尚、この連続的に限外濾過処理を行うことにより、一次処理槽6内の含油エマルジョンの濃縮化が図られる。
【0048】
続いて、バルブV1が開かれ、濃縮水槽10に一次フィルタ部7で生じた濃縮水が回収される(
図2のステップS6)。尚、この濃縮水槽10に回収された濃縮水は、含油廃水タンク2に戻される。
【0049】
次いで、バルブV4(二次処理槽8に一次処理水が導入されるときから閉じられている)、バルブV5、V6を開いた状態で、二次処理槽8に溜めた一次処理水を二次フィルタ部9の逆浸透膜で濾過処理する。
そして、二次フィルタ部9の逆浸透膜を浸透した二次処理水は処理水タンクへ供給(排出)される(
図2のステップS8)。
この二次処理水は、前記した排出基準を満たすものである。即ち、処理水タンクへ供給された二次処理水は公共用水域に放流しても良いし、あるいは再び工業用水等として用いても良い。
【0050】
ここで、公共用水域への放流する場合には、水質汚濁防止法に規定される基準を満たす必要がある。日本における排出基準には、表1に示す「有害物質にかかる排出基準」と表2に示す「生活環境項目にかかる基準」があり、いずれも満たす必要がある。
【0051】
【0052】
【0053】
一方、二次フィルタ部9の逆浸透膜を浸透しない一次処理水は、再び二次処理槽8に戻される。この処理を連続的に繰り返す(
図2のステップS7)。
この逆浸透膜の濾過処理により、二次処理槽8内の一次処理水は界面活性剤等の低分子不純物を含む濃縮水となる。そして、バルブV5、V6を閉じ、バルブV4を開くことにより、二次フィルタ部9に残存する低分子不純物が濃縮化した濃縮水は、最終濃縮水として濃縮水槽11に回収されて、産業廃棄物として処理される(
図2のステップS9)。
この最終処理水は、処理する一次処理水の10%程度であるため、かかる廃棄処理コストは従来よりも低減される。
【0054】
以上のように本発明に係る実施の形態によれば、含油廃水に対し金属屑や浮上油を除去した後、限外濾過からなる一次フィルタ処理により油分を除去し、逆浸透膜構造の二次フィルタ処理により低分子不純物までも除去することができる。即ち、含油廃水を公共用水域への排出基準レベルまで浄化することができる。
特に、二次フィルタ処理における逆浸透膜構造に、円板状の逆浸透膜(RO膜)を複数枚重ねた構造を採用することにより、高濃縮した廃棄処理される濃縮水の排出量を極力低く抑えることができ、廃棄にかかるコストを低減することができる。
【0055】
尚、前記実施の形態において、固液分離部(遠心分離機)を設けた場合について説明したが、この含油廃水に、キリコ等の固形ゴミ(金属屑)が含まれていない場合には、固液分離機(固液分離部)4を用いる必要がないため、固液分離機(固液分離部)4は必ずしも設ける必要はない。即ち、固液分離機(固液分離部)4を別の装置として設け、必要に応じて、固液分離機を用いても良い。
また、一次フィルタ部7、及び二次フィルタ部9において濾過処理した後に、フィルタ洗浄工程を実施することが望ましい。本発明において、その方法は限定されないが、手作業による水洗浄処理によりフィルタ機能を回復させてもよく、或いは、洗浄装置を設けて、自動的にフィルタの洗浄を行うようにしてもよい。
【実施例】
【0056】
以下、本発明に係る油水排水処理装置について、実施例に基づきさらに説明する。
(実験1)
実験1では、廃液に対して本発明の油水排水処理装置を用いて浄化処理を行い、各処理段階での、CODmn(mg/L)、N-Hex(mg/L)を測定した。
固液分離機として遠心分離機を用い、回転数7000rpmで、30分間遠心分離を行い、含油エマルジョン(原水)を分離した。
また、一次フィルタ部として、MEMOS Membranes Modules Systems 社製のチューブラー膜を使用した。このチューブラー膜は内径8mmのチューブであり、分画分子量10万分面の分離性能を有する。またチューブの材質(膜の材質)はPVDFであり、2インチのステンレス容器に収容したものを用いた。
また、一次フィルタ部の操作圧力は入口(含油エマルジョンの導入口)で0.4MPa、出口(一次処理水の導出口)で0.3MPa、更に膜面の線速を3~4m/sとなるように、含油エマルジョンを一次フィルタ部に供給した。
【0057】
二次フィルタ部として、Rochem Technical Services社製のPF Module 膜(型番30169)を使用した。このPF Module 膜(型番30169)は、塩除去率99%の性能を有する。
また、二次フィルタ部の操作圧力が3MPa~7MPa、膜面での線速を1~3m/sとなるように、一次処理水を二次フィルタ部に供給した。
【0058】
測定した各段階は、廃液(原水)、一次処理水(チューブラー膜処理水)、最終処理水(二次処理水:RO膜処理水)とし、廃液の種類は、使用状態の異なる2種類の廃切削油について測定した。
【0059】
この実験結果を
図4の表に示す。
図4の実験結果に示すように実施例1-4において、いずれもCODmn、及びN-Hexは低い値となり、日本の公共用水域への放流基準値以下にすることができた。
特に、一次処理水では、CODmnやN-Hexが高く、放流レベルまで浄化できなかったが、最終処理により飛躍的に浄化能力が向上していることを確認した。
【0060】
(実験2)
実験2では、廃液に対して本発明の油水排水処理装置を用いて浄化処理を行い、二次処理水が日本における「生活環境項目にかかる基準」を満たすか、実験を行った。
原水として、未使用のFrancool社製の切削油を8倍に希釈したものを用いた。
そして、実施例1に示した一次フィルタ部に原水を供給し、一次フィルタ部で濾過された処理水を二次フィルタ部に供給し、二次処理水を得た。
尚、一次フィルタ部、二次フィルタ部の仕様、実験条件は、実験1の場合と同一とした。
【0061】
そして、前記原水と、二次処理水について、生活環境項目の測定を行った。
尚、界面活性剤の含有については、ノルマルヘキサン値、導電率で確認した。ここで、ノルマルヘキサン値は、鉱油類、動植物油脂類などの油分の他にも、界面活性剤や石鹸、アルコール、アミン類、農薬や染料、フェノール類等を表わす指標として用いられており、ヘキサンに抽出される不揮発性物質の総量をノルマルヘキサン抽出物質として分析した。
【0062】
その結果を
図5に示す。この
図5の実験結果に示すように、二次処理水は、日本における「生活環境項目にかかる基準」を満たすことを確認した。尚、前記原水と、二次処理水の測定値からして、二次処理槽(同様に一次処理槽内)の処理液の高濃縮化が図られることを確認した。
【符号の説明】
【0063】
1 油水廃水処理装置
2 タンク
3 ポンプ
4 固液分離機(固液分離部)
5 回収槽
6 一次処理槽
7 一次フィルタ部
8 二次処理槽
9 二次フィルタ部
10 濃縮水槽
11 濃縮水槽
20 周壁部
21,22 端面部
23 一次処理水導入口
24 一次処理水導出口
25 二次処理水導出口
26 逆浸透膜(RO膜)
27 軸
28 パッキン
29 流路形成部材
29a 棚部
L1 第1の流路
L2 第2の流路
L3 第3の流路
L4 第4の流路
L5 第5の流路