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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-12
(45)【発行日】2022-07-21
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220713BHJP
【FI】
A63F5/04 651
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2017246256
(22)【出願日】2017-12-22
(65)【公開番号】P2019111066
(43)【公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-11-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
【審査官】金子 和孝
(56)【参考文献】
【文献】オリンピア ――――――――――― OLYMPIA 064,パチスロ必勝ガイド2015年攻略年鑑 ,日本,株式会社ガイドワークス 吉良 誠二,2015年02月01日,第4巻,p.64-83
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行う遊技機であって、
第1条件が成立したときに特典を付与するか否かを決定可能であるとともに、第2条件が成立したときに特典を付与するか否かを決定可能である特典付与決定手段と、
前記特典が付与される可能性がある旨を報知する前兆演出の実行を制御する前兆演出実行制御手段とを備え、
前記前兆演出実行制御手段は、
遊技の進行における一の遊技において前記第1条件が成立し、該一の遊技の後の遊技において前記第2条件が成立し、該第2条件にもとづいて前記特典を付与する旨が決定されたときに、該第2条件にもとづいて前記特典を付与する旨が決定されなかったときよりも高い割合で、特定態様の前兆演出を実行可能であり、
遊技の進行における一の遊技において前記第1条件と前記第2条件が成立したときに、該第2条件にもとづいて前記特典を付与する旨が決定されたか否かに関わらず、前記特定態様の前兆演出を実行可能である、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、所定の賭数を設定し、スタート操作が行われたことに基づいて、複数種類の識別情報の可変表示が行われるスロットマシンや、遊技球等の遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、該遊技領域に設けられている入賞口等の始動領域に遊技媒体が入賞したときに複数種類の識別情報の可変表示が行われるパチンコ遊技機等がある。
【0003】
このような遊技機の一例として、有利状態の一例としてのAT(アシストタイム)の抽選(AT抽選)について、弱スイカや弱チェリーに当選したときにはAT抽選テーブル1に基づいて抽選を行い、強スイカや強チェリーに当選したときにはAT抽選テーブル2に基づいて抽選を行う一方、中段チェリーに当選したときには中段チェリー当選用の抽選テーブルがなく、AT抽選テーブル1に基づく抽選とAT抽選テーブル2に基づく抽選とを1回ずつ合計2回行うものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。なお、特許文献1には、AT抽選に対応して示唆演出Aを実行する構成も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-29582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、示唆演出AがAT抽選に対応しているため、例えば、中段チェリーが当選してAT抽選が2回抽選されたときであっても、他の小役(弱スイカ、弱チェリー、強スイカ、強チェリー)が当選してAT抽選が1回抽選されたときと同様の制御で示唆演出Aが実行されることになり、AT抽選が行われるまでに発生する事象、すなわち、どの小役が当選してAT抽選が行われたかについて遊技者が注目しなくなる虞がある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(A)遊技を行う遊技機(例えば、スロットマシン1)であって、
第1条件(例えば、メイン制御部41が1000ポイントを蓄積する条件)が成立したときに特典を付与するか否かを決定可能であるとともに、第2条件(例えば、メイン制御部41が1000ポイント蓄積した後さらに1000ポイントを蓄積する条件)が成立したときに特典を付与するか否かを決定可能である特典付与決定手段と、
前記特典が付与される可能性がある旨を報知する前兆演出(例えば、枠ランプ61の点灯演出、各示唆演出の示唆ゲーム表示、AT抽選結果示唆演出、チャンスアップ示唆演出、キャラ登場演出、特訓演出、バトル演出)の実行を制御する前兆演出実行制御手段とを備え、
前記前兆演出実行制御手段は、
遊技の進行における一の遊技において前記第1条件が成立し、該一の遊技の後の遊技において前記第2条件が成立(例えば、メイン制御部が1ゲーム目に1000ポイント蓄積し、後のゲームで再び1000ポイント蓄積した場合)し、該第2条件にもとづいて前記特典を付与する旨が決定されたときに、該第2条件にもとづいて前記特典を付与する旨が決定されなかったときよりも高い割合で、特定態様の前兆演出を実行可能であり、
遊技の進行における一の遊技において前記第1条件と前記第2条件が成立(例えば、メイン制御部が一度に5000ポイント蓄積した場合)したときに、該第2条件にもとづいて前記特典を付与する旨が決定されたか否かに関わらず、前記特定態様の前兆演出を実行可能である。
(1)遊技を行う遊技機(例えば、スロットマシン1)であって、
所定条件(例えば、メイン制御部41が1000ポイントを蓄積する条件)が成立したときに、特典(例えば、ATの制御)を付与するか否かを決定する特典付与決定手段(例えば、メイン制御部41が1000ポイントを蓄積する度にAT抽選を行う処理)と、
前記特典が付与される可能性がある旨を報知する前兆演出(例えば、枠ランプ61の点灯演出、各示唆演出の示唆ゲーム表示、AT抽選結果示唆演出、チャンスアップ示唆演出、キャラ登場演出、特訓演出、バトル演出)の実行を制御する前兆演出実行制御手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップSc1~13、Sd1~Sd8、Sc51、Sc52、Se1~Se6、Sc101~Sc106、Sc151~Sc153の処理)とを備え、
前記所定条件は、所定タイミングに複数回成立するときと、所定期間に亘って複数回成立するときとがあり(例えば、メイン制御部41が一度に5000ポイント蓄積するときと、3ゲーム以内に1000ポイントずつ蓄積するときとがあり)、
前記前兆演出実行制御手段は、前記所定条件が前記所定タイミングに複数回成立したときには、前記所定条件が前記所定期間に亘って複数回成立したときとは異なる制御態様で前記前兆演出の実行を制御する(例えば、サブ制御部91がステップSc1~13、Sc51、Sc52、Se1~Se6、Sc101~Sc106、Sc151~Sc153の処理を実行する)。
【0008】
このような構成によれば、所定条件が所定タイミングに複数回成立したときに所定条件が所定期間に亘って複数回成立したときと同一の制御態様で前兆演出の実行を制御する遊技機よりも所定条件が所定タイミングに複数回成立したか所定期間に亘って複数回成立したかに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
【0009】
(2)上記(1)の遊技機において、
前記所定タイミングに前記所定条件が成立する回数と、前記所定期間に亘って前記所定条件が成立する回数とが同一であってもよい(例えば、メイン制御部41が一度に5000ポイント蓄積するときと、3ゲーム以内に1000ポイントずつ蓄積して5000ポイント蓄積するときとがあってもよい)。
【0010】
このような構成によれば、所定条件が所定タイミングに複数回成立したか、所定条件が所定期間に亘って複数回成立したかによって特典を付与するか否かを決定する回数が変化しないので、遊技者が安心して前兆演出の実行についての制御態様や所定条件が所定タイミングに複数回成立したか所定期間に亘って複数回成立したかに注目できるようになり、所定タイミングに所定条件が成立する回数と所定期間に亘って所定条件が成立する回数とが異なり特典を付与するか否かを決定する回数が変化する遊技機よりも遊技の興趣が更に向上する。
【0011】
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記所定条件が前記所定タイミングに複数回成立するときには、前記所定条件が前記所定期間に亘って複数回成立するときと同一の事象が発生してもよい(例えば、メイン制御部41がステップSa1~Sa12の処理を実行してもよい、サブ制御部91がステップSb1~Sb4の処理を実行してもよい)。
【0012】
このような構成によれば、所定条件が所定タイミングに複数回成立するときに所定条件が所定期間に亘って複数回成立するときと同一の事象が発生しない遊技機よりも所定条件が成立して特典を付与するか否かの決定が行われたことを遊技者が認識し易くなる。
【0013】
(4)上記(1)~(3)の何れかの遊技機において、
前記前兆演出実行制御手段は、前記所定条件が前記所定タイミングに複数回成立したときには前記前兆演出を実行する一方、前記所定条件が前記所定期間に亘って複数回成立したときには前記前兆演出を実行しない可能性があってもよい(例えば、サブ制御部91がステップSc1~Sc4、Sc9の処理を実行してもよい)。
【0014】
このような構成によれば、所定条件が所定期間に亘って複数回成立したときには前兆演出が実行されない可能性がある一方で所定条件が所定タイミングに複数回成立したときには必ず前兆演出が実行されるので、所定条件が所定期間に亘って複数回成立したときにも必ず前兆演出が実行される遊技機よりも所定条件が所定タイミングに複数回成立したか否かに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が更に向上する。
【0015】
(5)上記(1)~(4)の何れかの遊技機において、
前記前兆演出実行制御手段は、前記所定条件が前記所定タイミングに複数回成立したときには第1期間よりも長い第2期間に亘って前記前兆演出を実行する一方、前記所定条件が前記所定期間に亘って複数回成立したときには前記第1期間と前記第2期間とのうちから選択された期間に亘って前記前兆演出を実行してもよい(例えば、サブ制御部91がステップSc101~Sc106、Sc151~Sc153の処理を実行してもよい)。
【0016】
このような構成によれば、所定条件が所定期間に亘って複数回成立したときには第1期間に亘って前兆演出が実行される可能性がある一方で所定条件が所定タイミングに複数回成立したときには必ず第2期間に亘って前兆演出が実行されるので、所定条件が所定期間に亘って複数回成立したときにも必ず第2期間に亘って前兆演出が実行される遊技機よりも所定条件が所定タイミングに複数回成立したか否かに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が更に向上する。
【0017】
(6)上記(1)~(5)の何れかの遊技機において、
前記所定条件は、入賞が発生することによって成立する可能性があり(例えば、メイン制御部41がレア役の内部当選によってポイントを蓄積し)、
前記所定期間に亘って入賞が複数回発生することによって前記所定条件が複数回成立する可能性がある一方、2種類以上の入賞の発生が許容されている場合において前記所定タイミングに入賞が発生することによって前記所定条件が複数回成立する可能性があってもよい(例えば、メイン制御部41がレア役(単独役)の内部当選では1000ポイント蓄積する一方、レア役(複合役)の内部当選では1000ポイントと5000ポイントとのうちから蓄積するポイント数を選択するようにしてもよい)。
【0018】
このような構成によれば、2種類以上の入賞の発生が許容されている場合において所定タイミングに入賞が発生することによって所定条件が複数回成立して所定期間に亘って入賞が複数回発生することによって所定条件が複数回成立したときと異なる制御態様で前兆演出の実行が制御される可能性があるので、2種類以上の入賞の発生が許容されている場合において所定タイミングに入賞が発生することによって所定条件が複数回成立しない遊技機よりも所定タイミングに所定条件が複数回成立したか否かを遊技者が認識し易くなる。
【0019】
(7)上記(1)~(6)の何れかの遊技機において、
所定事象の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果に基づいて、ポイントを付与するポイント付与手段(例えば、メイン制御部41が実行するステップSa1~Sa12の処理)とを更に備え、
前記ポイント付与手段は、前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果であれば特定ポイント(例えば、5000ポイント)を付与する可能性があり(例えば、メイン制御部41がステップSa2~Sa4の処理を実行して一度に5000ポイント蓄積する可能性があり)、
前記所定タイミングに前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であったときに前記特定ポイントが付与されることによって前記所定条件が複数回成立する可能性がある一方、前記所定期間に亘って複数回決定された前記事前決定手段の決定結果に基づいて付与されたポイントの合計が前記特定ポイントとなることによって前記所定条件が複数回成立する可能性があってもよい(例えば、メイン制御部41がステップSa2~Sa9の処理を実行することで5000ポイント蓄積する経緯が2種類あってもよい)。
【0020】
このような構成によれば、特定ポイントが付与される経緯が異なることに遊技者が興味を抱くようになり、遊技の興趣が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態1に係るスロットマシンの正面図である。
図2】スロットマシンの内部構造を示す図である。
図3】リールの図柄配列を示す図である。
図4】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
図5】液晶表示器及び枠ランプの説明図である。
図6】実施形態1に係るサブ制御部が実行するポイント蓄積処理の制御内容を示すフローチャートである。
図7】(A)ポイント数選択テーブルの一例を示す図、(B)ポイント付与抽選テーブルの一例を示す図、(C)AT抽選テーブルの一例を示す図、(D)実施形態1に係るポイント数選択テーブルの変更例を示す図である。
図8】実施形態1に係るサブ制御部が実行するポイント表示演出実行処理の制御内容を示すフローチャートである。
図9】ポイント表示演出の一例を示す図である。
図10】実施形態1に係るサブ制御部が実行する前兆演出実行開始時制御処理の制御内容を示すフローチャートである。
図11】実施形態1に係るサブ制御部が実行する前兆演出実行中制御処理の制御内容を示すフローチャートである。
図12】(A)AT当選示唆演出の一例を示す図、(B)AT非当選示唆演出の一例を示す図、(C)AT当選報知演出の一例を示す図、(D)AT非当選報知演出の一例を示す図、(E)チャンスアップ示唆演出の一例を示す図、(F)CZ移行示唆演出の一例を示す図である。
図13】前兆演出の実行例1を示す図である。
図14】前兆演出の実行例2を示す図である。
図15】実施形態2に係るサブ制御部が実行する前兆演出実行開始時制御処理の制御内容を示すフローチャートである。
図16】実施形態2に係るサブ制御部が実行する示唆ゲーム表示制御処理の制御内容を示すフローチャートである。
図17】(A)通常キャラ登場演出の一例を示す図、(B)特別キャラ登場演出の一例を示す図である。
図18】(A)キャラ選択テーブルの一例を示す図、(B)通常点灯色選択テーブルの一例を示す図、(C)特別点灯色選択テーブルの一例を示す図である。
図19】実施形態3に係るサブ制御部が実行する前兆演出実行開始時制御処理の制御内容を示すフローチャートである。
図20】実施形態3に係るサブ制御部が実行する前兆演出実行開始時制御処理の変更例の制御内容を示すフローチャートである。
図21】(A)特訓演出の一例を示す図、(B)バトル演出の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[実施形態1]
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を以下に説明する。
本発明が適用されたスロットマシンの実施形態1について、図面を用いて説明すると、本実施形態のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1a(図2参照)と、筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1図3に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄(所定の順序でそれぞれ21個ずつ描かれている互いに識別可能な複数種類の図柄のうちの3つの図柄)が前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3からそれぞれ見えるように配置されている。
【0023】
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0024】
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数や、エラー発生時の内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1、2、3とそれぞれ設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作(スタート操作)が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回ゲーム開始から一定期間経過せずリール回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中(再遊技中)である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0025】
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、MAXBETスイッチ6の操作によってクレジットを使用して賭数を設定する。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態(ゲームが開始可能な状態)となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0026】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施形態では、リール2L、2C、2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せが揃ったときに入賞するとともに、所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1~LM4の何れかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せが揃うことにより、無効ラインLM1~LM4の何れかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。
【0027】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7の操作(スタート操作、レバーオン)が行われると、各リール2L、2C、2Rが回転を開始し、図柄が連続的に変動し、各リール2L、2C、2Rが定速回転になり、リールセンサ33L、33C、33Rが対応するリール2L、2C、2Rの基準位置を検出するとストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される。この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rが停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
【0028】
スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載され、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、枠ランプ61等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0029】
[ナビ報知およびナビ演出について]
また、本実施形態におけるスロットマシンでは、内部抽選結果に基づくAT抽選処理に当選したときに、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を報知するナビ報知を実行可能な報知期間となる有利状態の一例としてのAT(アシストタイム)に制御可能となっている。メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して押し順コマンドを送信することで、ナビ演出を実行させる。遊技状態に応じたナビ対象役とは、例えば、押し順リプレイや押し順ベルが共通のナビ対象役である。また、本実施形態においてメイン制御部41は、ATに制御していない通常状態であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。
【0030】
本実施形態のナビ報知は、遊技補助表示器12の点灯態様を変化させることにより遊技者にとって有利な停止順を識別可能に報知する。なお、ナビ報知の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて識別可能な態様であればよい。また、ナビ報知以外の報知にも用いられる遊技補助表示器12によるものに限らず、専用の表示器を用いて実行するものでも良い。本実施形態のナビ演出は、ナビ報知により報知された遊技者にとって有利な停止順を、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、演出効果LED52からのナビ照明光の出力と、スピーカ53、54からのナビ音声(ナビ演出音)の出力とによって報知する。
【0031】
以上のように、ナビ報知及びナビ演出では、遊技者にとって有利となる停止順が識別可能に報知される。本実施形態においてメイン制御部41は、抽選条件が成立した場合にATに制御するか否かを決定する抽選を行う。また、メイン制御部41は、AT終了時に、複数のゲーム数から規定ゲーム数を選択するとともに、ATの終了時から継続してATに制御されないゲーム数を計数する。そして、メイン制御部41は、AT抽選処理に当選すること、または、ATに継続して制御されないゲーム数が規定ゲーム数(所謂天井ゲーム数)に到達することでATに制御する。
【0032】
[ゲーム制御処理について]
また、メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われ、賭数設定後、スタート操作が行われると乱数抽選により入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選処理が行われる。内部抽選後、リール回転処理が行われ、前回ゲームのリール回転開始から規定期間(4.1秒)経過していることを条件に、リール回転開始してから定速回転になった後にストップスイッチ8L~8Rの操作(停止操作)を有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる。リール回転処理終了後、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞等が発生したか否かを判定する入賞判定処理が行われる。入賞判定処理終了後、払出処理が行われ、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算が行われるとともに、入賞ライン上の図柄組合せに応じて遊技状態が移行される。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
【0033】
[遊技中の演出等について]
また、メイン制御部41は、内部抽選処理実行中において、AT抽選処理を行い、ATに当選した場合、ATゲーム数を決定した後、ATに制御する。メイン制御部41は、AT制御中において付与されたATゲーム数の間、ナビ報知及びナビ演出のための制御を行う。本実施形態のメイン制御部41は、AT制御中においてナビ対象役に内部当選しているときにナビ報知を行うとともに、遊技状態コマンドや内部抽選コマンド等をサブ制御部91に送信してサブ制御部91にナビ演出を実行させる。なお、本実施形態では、AT制御中にスタートスイッチ7の操作が行われた直後に内部抽選が行われ、ナビ対象役に内部当選していれば、リール回転処理の前にナビ報知やナビ演出が行われる。すなわち、AT制御中にナビ対象役に内部当選していれば、スタートスイッチ7の操作の直後にナビ報知やナビ演出が行われるようになっている。なお、本願では「内部当選」を単に「当選」と記載することがある。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信した各種コマンドに基づいて、上述のナビ演出や、遊技状態に応じた各演出(例えば、予告演出や内部当選の示唆演出やAT当選等の前兆演出、ボーナスやATの確定演出、ボーナス中演出、デモ演出、後述するポイント表示演出)を実行することが可能となっている。
【0034】
[枠ランプについて]
サブ制御部91は、液晶表示器51に画像を表示したり、スピーカ53、54から音声を出力したり、演出効果LED52で照明光を出力したりして各演出を実行する。また、サブ制御部91は、液晶表示器51や枠ランプ61を用いてATに当選したことを示唆する前兆演出を実行する。図5に示すように、枠ランプ61は、液晶表示器51の左方、上方、右方にそれぞれ設けられている。本実施形態では、枠ランプ61は、右側の「1」~「6」と表示された6個のLED、上側の「7」~「17」と表示された11個のLED、左側の「18」~「23」と表示された6個のLEDの合計23個のLEDによって構成されている。なお、本実施形態では、枠ランプ61を構成する各LEDは、それぞれ赤色(R:Red)、緑色(G:Green)、青色(B:Blue)に発光可能となっている。
【0035】
[AT当選の前兆演出について]
サブ制御部91は、メイン制御部41によってAT抽選が行われた後に、前兆演出を実行することが可能となっている。本実施形態では、メイン制御部41は、チェリーやスイカ等のレア役やリプレイに内部当選したことに基づいてポイントを蓄積し、特定ポイントの一例として1000ポイントを蓄積する度にAT抽選を行う。また、サブ制御部91は、メイン制御部41に特定ポイントが蓄積される度に後述するポイント表示演出を実行するとともに、前兆演出を実行するか否かを決定することが可能となっている。
【0036】
メイン制御部41は、図6に示すポイント蓄積処理を実行する。先ず、メイン制御部41は、レア役やリプレイに内部当選可能な遊技状態(例えば、通常遊技状態)において内部抽選処理が行われたか否かを判定することにより、ポイントを蓄積してAT抽選を行うことが可能な状態であるか否かを判別する(ステップSa1)。メイン制御部41は、ポイントを蓄積可能な状態でない場合(ステップSa1;N)、ポイントを蓄積可能な状態となるまでステップSa1の処理を繰り返し、ポイントを蓄積可能な状態である場合(ステップSa1;Y)、レア役に内部当選(当選)したか否かを判定する(ステップSa2)。メイン制御部41は、レア役に内部当選した場合(ステップSa2;Y)、ポイント数選択テーブルを用いて蓄積するポイント数を選択し(ステップSa3)、図示しないRAMに選択したポイント数を蓄積(記憶)する(ステップSa4)。ここで、ポイント数選択テーブルとは、蓄積するポイント数を選択するためのテーブルである。本実施形態のポイント数選択テーブルでは、図7(A)に示すように、内部当選役がレア役のときに、1000ポイントの選択率が90%、5000ポイントの選択率が10%となるように設定されている。よって、本実施形態では、レア役に内部当選したときには一度に5000ポイント蓄積される可能性があり、一度に5回のAT抽選が行われる可能性がある。
【0037】
図6に戻り、メイン制御部41は、レア役に内部当選していない場合(ステップSa2;N)リプレイに内部当選したか否かを判定する(ステップSa5)。メイン制御部41は、リプレイに内部当選した場合(ステップSa5;Y)、ポイントが既に蓄積されているか否かを判定する(ステップSa6)。メイン制御部41は、ポイントが既に蓄積されていない場合(ステップSa6;N)、ポイント付与抽選テーブルを用いてポイントを付与するか否かを抽選し(ステップSa7)、ポイントを付与するか否かの抽選に当選したか否かを判定する(ステップSa8)。ここで、ポイント付与抽選テーブルとは、ポイントを付与するか否かを抽選するためのテーブルである。本実施形態のポイント付与抽選テーブルでは、図7(B)に示すように、内部当選役がリプレイのときに抽選に5%の割合で当選して95%の割合で非当選となるように当選率が予め設定されている。
図6に戻り、メイン制御部41は、ポイントが既に蓄積されている場合(ステップSa6;Y)、または、ポイントを蓄積するか否かの抽選に当選した場合(ステップSa8;Y)、1000ポイントを蓄積する(ステップSa9)。
【0038】
ポイント蓄積後、または、ポイントが蓄積されなかった場合、すなわち、ポイントを蓄積するか否かの抽選に当選しなかった場合(ステップSa8;N)、メイン制御部41は、前回のポイント蓄積から3ゲームが経過したか否かを判定し(ステップSa10)、前回のポイント蓄積から3ゲームが経過していない場合(ステップSa10;N)、5000ポイント以上蓄積したか否かを判定する(ステップSa11)。メイン制御部41は、5000ポイント以上蓄積していない場合(ステップSa11;N)、処理を終了する。一方、メイン制御部41は、前回のポイント蓄積から3ゲームが経過した場合(ステップSa10;Y)、または、5000ポイント以上蓄積した場合(ステップSa11;Y)、ポイント蓄積を0ポイントにリセットし(ステップSa12)、処理を終了する。
【0039】
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、ポイント蓄積後にAT抽選テーブルを用いてAT抽選を行っており、1000ポイント蓄積ならば1回分のAT抽選を行い、一度に5000ポイント蓄積ならば一度に5回のAT抽選を行っている。ここで、AT抽選テーブルとは、ATに制御するか否かを抽選するためのテーブルである。本実施形態のAT抽選テーブルでは、図7(C)に示すように、蓄積されたポイント数が1000ポイントのときに抽選に10%の割合で当選して90%の割合で非当選となり、2000ポイントのときに抽選に20%の割合で当選して80%の割合で非当選となり、3000ポイントのときに抽選に30%の割合で当選して70%の割合で非当選となり、4000ポイントのときに抽選に40%の割合で当選し60%の割合で非当選となり、5000ポイントのときに抽選に50%の割合で当選して50%の割合で非当選となるように当選率が予め設定されている。
【0040】
また、サブ制御部91は、図8に示すポイント表示演出実行処理を実行する。先ず、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信したコマンドに基づいて、メイン制御部41がレア役やリプレイに内部当選してポイントを蓄積したか否かを判定する(ステップSb1)。なお、このように制御するために、本実施形態のメイン制御部41は、ポイントを蓄積したことや蓄積したポイント数を特定可能な情報を含むコマンド(例えば、内部当選コマンドや遊技状態コマンド等)をサブ制御部91に送信する必要がある。サブ制御部91は、メイン制御部41がポイントを蓄積していない場合(ステップSb1;N)、ポイントを蓄積するまでステップSb1の処理を繰り返し、メイン制御部41がポイントを蓄積した場合(ステップSb1;Y)、レア役に内部当選して一度に5000ポイントを蓄積したか否かを判定する(ステップSb2)。サブ制御部91は、一度に5000ポイントを蓄積していない場合(ステップSb2;N)、1000ポイント増加する単発演出を実行し(ステップSb3)、処理を終了する一方、一度に5000ポイントを蓄積した場合(ステップSb2;Y)、5000ポイントまで1000ポイントずつ増加する連続演出を実行し(ステップSb4)、処理を終了する。
【0041】
ここで、ポイント表示演出とは、蓄積されたポイント数を表示する演出である。本実施形態のポイント表示演出は、図9に示すように、蓄積されたポイント数を液晶表示器51の表示領域左側上部に表示する演出であり、1000ポイント蓄積される度に、1000ポイント(図9(A)参照)、2000ポイント(図9(B)参照)、3000ポイント(図9(C)参照)、4000ポイント(図9(D)参照)、5000ポイント(図9(E)参照)の各画像を表示し、5000ポイント以上蓄積されてポイント数が0ポイントにリセットされると表示を終了する演出である。よって、本実施形態では、例えば、ポイント表示演出として0ポイントから1000ポイント増加する単発演出を実行するときには、図9(A)に示す画像を表示する。また、本実施形態では、例えば、ポイント表示演出として0ポイントから5000ポイントまで1000ポイントずつ増加する連続演出を実行するときには、図9(A)~図9(E)に示す画像を順番に表示する。
【0042】
また、サブ制御部91は、図10に示す前兆演出実行開始制御処理を実行する。先ず、サブ制御部91は、メイン制御部41がレア役やリプレイに内部当選してポイントを蓄積したか否かを判定する(ステップSc1)。サブ制御部91は、メイン制御部41がポイントを蓄積していない場合(ステップSc1;N)、ポイントを蓄積するまでステップSc1の処理を繰り返し、メイン制御部41がポイントを蓄積した場合(ステップSc1;Y)、レア役に内部当選して一度に5000ポイントを蓄積したか否かを判定することにより、一度に5回のAT抽選が行われたか否かを判定する(ステップSc2)。サブ制御部91は、一度に5000ポイントを蓄積して5回のAT抽選が行われた場合(ステップSc2;Y)、枠ランプ61の青色点灯を開始するとともに、赤色でAT示唆演出を実行する示唆ゲームの表示を行い、チャンスアップ示唆演出を実行する示唆ゲーム表示(チャンスアップ示唆表示)も行い(ステップSc3)、処理を終了する。
【0043】
ここで、本実施形態では、前兆演出の一例として、枠ランプ61の23個のLEDを点灯・消灯する点灯演出を実行する。具体的には、サブ制御部91は、枠ランプ61を青色で点灯して前兆期間である23ゲームに亘って1ゲーム毎に1個ずつLEDを消灯する。また、枠ランプ61の青色点灯中にAT抽選結果示唆演出やチャンスアップ示唆演出を実行するゲームである示唆ゲームに対応するLEDを青色とは異なる色(緑色、赤色)で点灯することが可能となっている。本実施形態では、示唆ゲーム表示の点灯色は、遊技者にとって緑色よりも赤色のほうがATに当選している期待度が高くなるようにしているが、点灯色と期待度との関連についてはこれに限定されず、赤色よりも緑色のほうがATに当選している期待度が高くなるようにしたり、赤色よりも期待度が高い点灯色を新たに設けたりしてもよく、点灯色と期待度とに関連がなくてもよい。
【0044】
また、本実施形態では、AT抽選結果示唆演出を実行する示唆ゲームとして20ゲーム、チャンスアップ示唆演出を実行する示唆ゲームとして12ゲームが予め設定されており、サブ制御部91は、20個目のLEDを緑色や赤色で点灯することによってAT抽選結果示唆演出を実行する示唆ゲームを表示し、12個目のLEDを赤色で点灯することによってチャンスアップ示唆演出を実行する示唆ゲームを表示する。なお、本実施形態では、各示唆演出を実行する示唆ゲーム(20ゲーム、12ゲーム)が予め設定されているが、これに限定されず、各演出を実行する示唆ゲームが変化してもよい。例えば、1ゲームから22ゲームのうちから抽選によって1ゲームずつ示唆ゲームを決定して各示唆演出を1回ずつ実行してもよく、示唆ゲームを複数ゲームそれぞれ決定して各示唆演出をそれぞれ複数回実行するようにしてもよい。
【0045】
なお、AT抽選結果示唆演出とは、前兆期間中にAT抽選結果を示唆する演出である。本実施形態では、サブ制御部91は、AT抽選結果示唆演出として、AT当選時には図12(A)に示すAT当選報知演出を実行する一方、AT非当選時には図12(B)に示すAT非当選示唆演出を実行する。なお、本実施形態では、AT当選示唆演出は、「今回は期待できるかも!」との文字画像を含む画像を液晶表示器51に表示する演出であり、AT非当選示唆演出516は、「今回は期待薄かも…」との文字画像を含む画像を液晶表示器51に表示する演出である。また、チャンスアップ示唆演出とは、AT抽選に当選している可能性が高くなったことを示唆する演出である。実施形態のチャンスアップ示唆演出は、図12(E)に示すように、「チャンスアップ!!」との文字画像を含む画像を液晶表示器51に表示する演出である。なお、本実施形態では、12ゲーム目や20ゲーム目に各示唆演出を実行する示唆ゲーム表示を行っているが、他の示唆演出を実行する示唆ゲーム表示を行ってもよい。例えば、前兆演出実行中にCZに制御可能な構成であれば、CZに移行する旨を示唆する演出であるCZ移行示唆演出を実行する旨の示唆ゲーム表示をしてもよい。なお、CZ移行示唆演出は、例えば、図12(F)に示すように、「チャンスゾーン突入!?」との文字画像を含む画像を液晶表示器51に表示する演出である。
【0046】
図10に戻り、一方、サブ制御部91は、一度に5000ポイントを蓄積して5回のAT抽選が行われなかった場合(ステップSc2;N)、すなわち、1000ポイント蓄積してAT抽選が1回行われた場合、ATに当選したか当選していなくても合計3000ポイント蓄積して3回目のAT抽選が行われたかを判定する(ステップSc4)。サブ制御部91は、ATに当選したか当選していなくても合計3000ポイント蓄積して3回目のAT抽選が行われた場合(ステップSc4;Y)、枠ランプ61の青色点灯を開始し(ステップSc5)、ATに当選したか否かを判定する(ステップSc6)。サブ制御部91は、ATに当選していない場合(ステップSc6;N)、20個目のLEDを緑色に点灯変更することでAT抽選結果示唆演出の示唆ゲームを表示し(ステップSc7)、処理を終了する。一方、サブ制御部91は、ATに当選した場合(ステップSc6;Y)、20個目のLEDを赤色に点灯変更することでAT抽選結果示唆演出の示唆ゲームを表示し(ステップSc8)、処理を終了する。
【0047】
一方、サブ制御部91は、ATに当選しておらず、合計3000ポイント蓄積して3回目のAT抽選が行われていない場合(ステップSc4;N)、合計4000ポイント以上蓄積して4回目以降のAT抽選が行われたかを判定する(ステップSc9)。サブ制御部91は、合計4000ポイント以上蓄積しておらず、4回目以降のAT抽選が行われていない場合(ステップSc9;N)、処理を終了し、合計4000ポイント以上蓄積して4回目以降のAT抽選が行われた場合(ステップSc9;Y)、AT抽選結果示唆演出の示唆ゲームの点灯色が赤色であるか否かを判定する(ステップSc10)。サブ制御部91は、示唆ゲームの点灯色が赤色でなく緑色である場合(ステップSc10;N)、ATに当選したか否かを判定する(ステップSc11)。サブ制御部91は、ATに当選した場合(ステップSc11;Y)、示唆ゲーム表示を赤色に変更し(ステップSc12)、処理を終了する一方、ATに当選していない場合(ステップSc11;N)、示唆ゲーム表示を変更せずに処理を終了する。一方、サブ制御部91は、示唆ゲームの点灯色が赤色である場合(ステップSc10;Y)、12個目のLEDを赤色に点灯変更することでチャンスアップ示唆演出の示唆ゲームを表示し(ステップSc13)、処理を終了する。
【0048】
また、サブ制御部91は、前兆演出の実行開始後、図11に示す前兆演出実行中制御処理を実行する。先ず、サブ制御部91は、1ゲームを消化したか否かを判定する(ステップSd1)。サブ制御部91は、1ゲームを消化していない場合(ステップSd1;N)、1ゲームを消化するまでステップSd1の処理を繰り返し、1ゲームを消化した場合(ステップSd1;Y)、AT抽選結果示唆演出の示唆ゲームである20ゲーム目であったか否かを判定する(ステップSd2)。サブ制御部91は、AT抽選結果示唆演出の示唆ゲームであった場合(ステップSd2;Y)、AT抽選結果示唆演出を実行する(ステップSd3)。AT抽選結果示唆演出実行後、または、AT抽選結果示唆演出の示唆ゲームでなかった場合(ステップSd2;N)、チャンスアップ示唆演出の示唆ゲームである12ゲーム目であったか否かを判定する(ステップSd4)。
【0049】
サブ制御部91は、チャンスアップ示唆演出の示唆ゲームであった場合(ステップSd4;Y)、チャンスアップ示唆演出を実行する(ステップSd5)。チャンスアップ示唆演出実行後、または、チャンスアップ示唆演出の示唆ゲームでなかった場合(ステップSd4;N)、消化したゲームに対応する枠ランプ61のLEDを消灯し(ステップSd6)、枠ランプ61の全23個のLEDが消灯したか否かを判定する(ステップSd7)。すなわち、前兆期間の一例としての23ゲームを消化したか否かを判定する。サブ制御部91は、枠ランプ61の全23個のLEDが消灯していない場合(ステップSd7;N)、ステップSd1の処理に戻り、枠ランプ61の全23個のLEDが消灯した場合(ステップSd7;Y)、AT抽選結果報知演出を実行し(ステップSd8)、処理を終了する。
【0050】
ここで、AT抽選結果報知演出とは、AT抽選結果を報知する演出である。本実施形態では、サブ制御部91は、AT抽選結果報知演出として、AT当選時には図12(C)に示すAT当選報知演出を実行する一方、AT非当選時には図12(D)に示すAT非当選報知演出を実行する。なお、本実施形態では、AT当選報知演出は、例えば、「おめでとう!!!AT+50G」との文字画像を含む画像を液晶表示器51に表示する演出であり、AT非当選報知演出は、「残念…」との文字画像を含む画像を液晶表示器51に表示する演出である。
【0051】
これらの結果、メイン制御部41は、レア役に内部当選するとポイントを蓄積してAT抽選を行い、最初の1ゲーム目が1000ポイント蓄積であれば3ゲーム以内にレア役やリプレイに内部当選することによってポイントを更に蓄積してAT抽選を繰り返し行うようになっている。このとき、サブ制御部91は、メイン制御部41においてポイントが蓄積されてAT抽選が行われる度にポイント表示演出を実行するとともに、抽選結果や抽選回数に応じて前兆演出を実行する可能性がある。
【0052】
例えば、図13に示すポイント表示演出および前兆演出の実行例1のように、1ゲーム目にレア役当選して1000ポイントが蓄積し、3ゲーム目、5ゲーム目、6ゲーム目、7ゲーム目にそれぞれリプレイに内部当選して5000ポイントまで1000ポイントずつ蓄積した場合について考える。なお、AT抽選については、4回目のAT抽選のみ当選して他のAT抽選には非当選であったとする。この場合、図13(A)に示すように、1ゲーム目(1回目のAT抽選実行時)には1000ポイント蓄積を表示するポイント表示演出(単発演出)が実行され、図13(B)に示すように、3ゲーム目(2回目のAT抽選実行時)には2000ポイント蓄積を表示するポイント表示演出が実行される一方、前兆演出としての枠ランプ61の点灯演出が実行されない。しかしながら、図13(C)に示すように、5ゲーム目(3回目のAT抽選実行時)には3000ポイント蓄積を表示するポイント表示演出が実行されるとともに、枠ランプ61の点灯演出(青色点灯)が開始され、20個目のLEDが緑色で点灯されるAT抽選結果示唆演出の示唆ゲーム表示がなされる。このとき、遊技者は、点灯演出が実行されたことにより、3回目のAT抽選が行われてATに当選する可能性が高くなったことを認識できる。
【0053】
また、図13(D)に示すように、6ゲーム目(4回目のAT抽選実行時)には4000ポイント蓄積を表示するポイント表示演出が実行されるとともに、20個目のLEDの点灯色が緑色から赤色に変更され、1個目のLEDが消灯される。このとき、遊技者は、AT抽選結果示唆演出の示唆ゲーム表示が変更されたことにより、AT抽選に当選している可能性が更に高くなっており、20ゲーム目にAT抽選結果示唆演出としてAT当選示唆演出が実行される可能性が高いことを認識できる。
そして、図13(E)に示すように、7ゲーム目(5回目のAT抽選実行時)には5000ポイント蓄積を表示するポイント表示演出が実行されるとともに、12個目のLEDの点灯色が青色から赤色に変更されるチャンスアップ示唆演出の示唆ゲーム表示がなされ、2個目のLEDが消灯される。このとき、遊技者は、AT抽選結果示唆演出の示唆ゲーム表示が変更されたことにより、AT抽選に当選している可能性が更に高くなっており、12ゲーム目にチャンスアップ示唆演出が実行されることを認識できる。
【0054】
また、メイン制御部41は、レア役に内部当選したときに一度に5000ポイント蓄積すると一度に5回のAT抽選を繰り返し行うようになっている。このとき、サブ制御部91は、ポイント表示演出および前兆演出を実行する。
【0055】
例えば、図14に示すポイント表示演出および前兆演出の実行例2のように、レア役当選して5000ポイント蓄積した場合について考える。なお、AT抽選については、実行例1と同様に、4回目のAT抽選のみ当選して他のAT抽選には非当選であったとする。この場合、図14(A)に示すように、第1タイミング(1回目のAT抽選実行時)には1000ポイント蓄積を表示するポイント表示演出(連続演出)が実行され、枠ランプ61の点灯演出(青色点灯)が開始され、12個目および20個目のLEDが赤色で点灯される各示唆演出の示唆ゲーム表示がなされる。そして、ポイント表示演出は、連続演出であるため、第2タイミング(2回目のAT抽選実行時)に2000ポイント蓄積が表示され(図14(B)参照)、第3タイミング(3回目のAT抽選実行時)に3000ポイント蓄積が表示され(図14(C)参照)、第4タイミング(4回目のAT抽選実行時)に4000ポイント蓄積が表示され(図14(D)参照)、第5タイミング(5回目のAT抽選実行時)に5000ポイント蓄積が表示される(図14(E)参照)。このとき、遊技者は、5000ポイントが蓄積されたことによって点灯演出と同時に各示唆演出の示唆ゲーム表示がなされたことを認識でき、AT抽選が5回行われて当選している可能性が極めて高いことを認識できる。
【0056】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン1によれば、メイン制御部41は、所定条件の成立の一例としてレア役やリプレイに内部当選してポイントが蓄積されたときにAT抽選を行っており、サブ制御部91は、AT抽選が行われるとATに制御される可能性がある旨を報知する前兆演出を実行する可能性がある。メイン制御部41は、レア役の内部当選時には、一度に5000ポイント蓄積して一度に5回のAT抽選を行うときと、1000ポイントずつ蓄積して1回ずつAT抽選を行うときがある。これに応じて、サブ制御部91は、一度に5000ポイント蓄積したときには前兆演出として枠ランプ61の点灯演出(青色点灯)と同時に各示唆演出の示唆ゲーム表示を行う一方、1000ポイントずつ蓄積したときには、枠ランプ61の点灯演出が開始されるタイミングと示唆ゲーム表示が開始されるタイミングとが異なるだけでなく、AT抽選に当選しなければ枠ランプ61の点灯演出や各示唆演出の示唆ゲーム表示が行われないことがある。すなわち、サブ制御部91は、一度に5000ポイント蓄積したときには、1000ポイントずつ蓄積したときと異なる制御態様で前兆演出の実行を制御する。
【0057】
このようにすることで、一度に5000ポイント蓄積したときに1000ポイントずつ蓄積したときと同一の制御態様で前兆演出の実行を制御するスロットマシンよりも一度に5000ポイント蓄積したか1000ポイントずつ蓄積したかに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
【0058】
特に、本実施形態のスロットマシン1によれば、メイン制御部41は、レア役やリプレイに内部当選すれば1000ポイント蓄積してAT抽選を行う可能性があり、特にレア役の内部当選時には、一度に5000ポイント蓄積するときと、3ゲーム以内に1000ポイントずつ蓄積して5000ポイント蓄積するときがある。
このようにすることで、一度に5回のAT抽選が行われる5000ポイントが蓄積される経緯が異なることに遊技者が興味を抱くようになり、レア役の内部当選時に一度に5000ポイント蓄積するときと3ゲーム以内に1000ポイントずつ蓄積して5000ポイント蓄積するとの何れか一方しかないスロットマシンよりも遊技の興趣が更に向上する。
【0059】
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、1000ポイント蓄積する度にAT抽選を行うようにしたが、AT抽選を行う特定ポイントについては1000ポイントに限定されず、999ポイント以下や1001ポイント以上であってもよい。例えば、レア役やリプレイの内部当選で1ポイントから5ポイントのうちから選択されたポイントが蓄積されるようにして、10ポイント蓄積する度にAT抽選を行うようにしてもよい。また、例えば、レア役やリプレイの内部当選で100ポイントから2000ポイントのうちから選択されたポイントが蓄積されるようにして、2000ポイント蓄積する度にAT抽選を行うようにしてもよい。
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、ポイント蓄積に基づいてAT抽選を行っているが、AT抽選を行う所定条件の成立についてはポイント蓄積に限定されず、例えば、レア役の内部当選や入賞、プレミア演出の実行、所定ゲーム数の消化、有利状態(例えば、ボーナス、CZ(チャンスゾーン))の終了等に基づいて、AT抽選を行う回数を1回から5回までのうちから抽選するようにしてもよい、
【0060】
また、本実施形態のスロットマシン1によれば、メイン制御部41は、一度に5000ポイント蓄積したときには、3ゲーム以内に1000ポイントずつ蓄積して合計5000ポイント蓄積したときと同様に5回のAT抽選を行っている。
このようにすることで、一度に5000ポイント蓄積したか、3ゲーム以内に1000ポイントずつ蓄積して合計5000ポイント蓄積したかによってAT抽選を行う回数が変化しないので、遊技者が安心して前兆演出の実行についての制御態様やポイント表示演出の実行についての制御態様(一度に5000ポイント蓄積する表示がなされたか、3ゲーム以内に1000ポイントずつ蓄積して合計5000ポイント蓄積する表示がなされたか)に注目できるようになる。この結果、一度に5000ポイント蓄積したときに3ゲーム以内に1000ポイントずつ蓄積して合計5000ポイント蓄積したときとAT抽選の回数が異なるスロットマシンよりも遊技の興趣が更に向上する。
【0061】
なお、本実施形態のように、一度に5000ポイント蓄積したか、3ゲーム以内に1000ポイントずつ蓄積して合計5000ポイント蓄積したかによってAT抽選を行う回数が変化しないようにすることが好ましいが、一度に5000ポイント蓄積したか、3ゲーム以内に1000ポイントずつ蓄積して合計5000ポイント蓄積したかによってAT抽選を行う回数が変化してもよい。例えば、一度に5000ポイント蓄積したときには、3ゲーム以内に1000ポイントずつ蓄積して合計5000ポイント蓄積したときよりもAT抽選を行う回数が1回多くてもよく、逆に3ゲーム以内に1000ポイントずつ蓄積して合計5000ポイント蓄積したときには、一度に5000ポイント蓄積したときよりもAT抽選を行う回数が1回多くてもよい。
【0062】
また、本実施形態のスロットマシン1によれば、メイン制御部41は、レア役に内部当選してから蓄積するポイント数の選択を行っており、一度に5000ポイント蓄積するときには1000ポイントずつ蓄積するときと同一の事象(レア役の内部当選)が発生することになる。また、サブ制御部91は、ポイント表示演出としてポイント蓄積の経緯に応じた演出(一度に5000ポイント蓄積ならば連続演出、1000ポイントずつ蓄積ならば単発演出)を実行しており、一度に5000ポイント蓄積したときには1000ポイントずつ蓄積したときと同一の事象(ポイント表示演出で1000ポイントから5000ポイントまで1000ポイントずつ増加)が発生することになる。
このようにすることで、一度に5000ポイント蓄積したときに1000ポイントずつ蓄積したときと同一の事象が発生しないスロットマシンよりもポイントを蓄積してAT抽選が行われたことを遊技者が認識し易くなる。
【0063】
なお、本実施形態のように、一度に5000ポイント蓄積したときに1000ポイントずつ蓄積したときと同一の事象が発生ようにすることが好ましいが、同一の事象が発生しなくてもよい。例えば、メイン制御部41は、レア役に内部当選したときには一度に5000ポイント蓄積する一方、3ゲーム以内にリプレイに内部当選したときには1000ポイントずつ蓄積してもよい。また、例えば、サブ制御部91は、一度に5000ポイント蓄積したときにはポイント表示演出として1000ポイントずつ増加する連続演出に替えて最初から5000ポイント増加する単発演出を実行してもよい。
【0064】
また、本実施形態のスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、一度に5000ポイント蓄積したときにはAT抽選に当選しているか否かに関わらず必ず前兆演出(枠ランプ61の点灯演出、各示唆演出の示唆ゲーム表示、各示唆演出)を実行する。一方、サブ制御部91は、1000ポイントずつ蓄積したときには、2回目まではAT抽選に当選しなければ前兆演出を実行しない。
このようにすることで、1000ポイントずつ蓄積したときには前兆演出が実行されない可能性がある一方で一度に5000ポイント蓄積したときには必ず前兆演出が実行されるので、1000ポイントずつ蓄積したときにも必ず前兆演出が実行されるスロットマシンよりも一度に5000ポイント蓄積したか否かに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が更に向上する。
なお、本実施形態のように、サブ制御部91は、一度に5000ポイント蓄積したときにはAT抽選に当選しているか否かに関わらず必ず前兆演出を実行するようにすることが好ましいが、例えば、一度に5000ポイント蓄積したときであってもAT抽選に当選しなければ前兆演出を実行しない可能性があってもよい。
【0065】
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、レア役に内部当選したときに蓄積するポイント数を選択したが、蓄積ポイントするポイント数を選択する条件はこれに限定されず、例えば、レア役を含む複合役(例えば、1枚役との同時当選役である「チェリー+1枚役」や「スイカ+1枚役」、BB(ビッグボーナス)との同時当選役である「BB+チェリー+1枚役」や「BB+スイカ+1枚役」、RB(レギュラーボーナス)との同時当選役である「RB+チェリー+1枚役」や「RB+スイカ+1枚役」)に内部当選したときには蓄積ポイントするポイント数を選択するようにして、レア役が単独役(例えば、「チェリー」や「スイカ」)で内部当選したときには蓄積ポイントするポイント数を選択せずに1000ポイント蓄積するようにしてもよい。
【0066】
具体的には、図7(D)に示す本実施形態に係るポイント数選択テーブルの変更例を用いてポイント数を選択してもよい。なお、本変更例では、内部当選役がレア役(単独役)のときに、1000ポイントの選択率が100%、5000ポイントの選択率が0%となるように設定されている一方、内部当選役がレア役(複合役)のときに、1000ポイントの選択率が80%、5000ポイントの選択率が20%となるように設定されている。
このようにすることで、レア役を含む複合役に内部当選した場合において一度に5000ポイント蓄積して1000ポイントずつ蓄積したときと異なる制御態様で前兆演出の実行が制御される可能性があるので、レア役を含む複合役に内部当選した場合において一度に5000ポイント蓄積しないスロットマシンよりも一度に5000ポイント蓄積したか否かを遊技者が認識し易くなる。
【0067】
[実施形態2]
上記実施形態1では、サブ制御部91は、前兆演出として、枠ランプ61の点灯演出、各示唆演出の示唆ゲーム表示、各示唆演出を例示したが、他の演出も前兆演出として実行してもよい。以下、前兆演出としてキャラ登場演出を実行する実施形態2について説明する。
なお、本実施形態では、実施形態1と同様の構成及び処理となる部分についてはその詳細な説明を省略し、主として上記実施形態1とは異なる部分について説明する。
【0068】
本実施形態では、サブ制御部91は、図15に示す前兆演出実行開始制御処理を実行する。先ず、サブ制御部91は、ステップSc1、Sc2の処理を実行し、一度に5000ポイントを蓄積して5回のAT抽選が行われた場合(ステップSc2;Y)、枠ランプ61の青色点灯を開始するとともに、特別キャラ登場演出を実行した後に、赤色で示唆ゲームの表示を行い、チャンスアップ示唆表示も行い(ステップSc51)、処理を終了する。
ここで、キャラ登場演出とは、示唆ゲーム表示が開始される前に実行される特定演出の一例であり、キャラ(キャラクタ)を登場させる演出である。本実施形態では、サブ制御部91は、キャラ登場演出として、図17(A)に示す通常キャラ登場演出(第1特定演出)、または、図17(B)に示す特別キャラ登場演出(第2特定演出)を実行する。なお、本実施形態では、通常キャラ登場演出は、通常キャラの図形画像と「チャンス!」との文字画像とを含む画像を液晶表示器51に表示する演出であり、特別キャラ登場演出は、特別キャラの図形画像と「大チャンス!!!」との文字画像とを含む画像を液晶表示器51に表示する演出である。
【0069】
図15に戻り、一方、サブ制御部91は、一度に5000ポイントを蓄積して5回のAT抽選が行われなかった場合(ステップSc2;N)、すなわち、1000ポイント蓄積してAT抽選が1回行われた場合、ステップSc4の処理を実行し、ATに当選したか当選していなくても合計3000ポイント蓄積して3回目のAT抽選が行われた場合(ステップSc4;Y)、ステップSc5の処理を実行した後、後述する図16に示す示唆ゲーム表示制御処理を実行し(ステップSc52)、処理を終了する。一方、サブ制御部91は、ATに当選しておらず、合計3000ポイント蓄積して3回目のAT抽選が行われていない場合(ステップSc4;N)、ステップSc9~Sc13の処理を実行し、処理を終了する。
【0070】
また、サブ制御部91は、前兆演出実行開始制御処理のサブルーチンとして図16に示す示唆ゲーム表示制御処理を実行する。先ず、サブ制御部91は、ROMに格納された後述する図18(A)に示すキャラ選択テーブルを参照してキャラを選択し(ステップSe1)、選択したキャラでキャラ登場演出を実行し(ステップSe2)、実行したキャラ登場演出が特別キャラ登場演出であったか否かを判定する(ステップSe3)。
ここで、キャラ選択テーブルとは、キャラ登場演出において登場させるキャラを選択するために用いられるテーブル、具体的には、通常キャラ登場演出を実行するか、特別キャラ登場演出を実行するかを選択するために用いられるテーブルである。本実施形態のキャラ選択テーブルは、AT抽選結果が当選(AT当選)であったときの通常キャラの選択率が20%、特別キャラの選択率が80%に設定されており、AT抽選結果が非当選(AT非当選)であったときの通常キャラの選択率が80%、特別キャラの選択率が20%に設定されている。よって、本実施形態では、AT当選時には特別キャラが登場する特別キャラ登場演出が実行され易くなっている一方、AT非当選時には通常キャラが登場する通常キャラ登場演出が実行され易くなっている。この結果、遊技者にとってのATに当選している期待度は、特別キャラ登場演出が実行されたときのほうが通常キャラ登場演出511が実行されたときよりも高くなっている。
【0071】
図16に戻り、サブ制御部91は、特別キャラ登場演出でない場合(ステップSe3;N)、すなわち、通常キャラ登場演出である場合、ROMに格納された後述する図18(B)に示す通常点灯色選択テーブルを参照して示唆ゲーム表示の点灯色を選択する(ステップSe4)。一方、サブ制御部91は、特別キャラ登場演出である場合(ステップSe3;Y)、ROMに格納された後述する図18(C)に示す特別点灯色選択テーブルを参照して示唆ゲーム表示の点灯色を選択する(ステップSe5)。点灯色の選択後、サブ制御部91は、選択した点灯色で示唆ゲーム表示を行い(ステップSe6)、図15のステップSc52に戻る。
【0072】
ここで、通常点灯色選択テーブルとは、通常キャラ登場演出の実行後において示唆ゲーム表示の点灯色を選択するために用いられるテーブルである。本実施形態の通常点灯色選択テーブルは、AT当選であったときの緑色の選択率が50%、赤色の選択率が50%に設定されており、AT非当選であったときの緑色の選択率が95%、赤色の選択率が5%に設定されている。また、特別点灯色選択テーブルとは、特別キャラ登場演出の実行後において示唆ゲーム表示の点灯色を選択するために用いられるテーブルである。本実施形態の特別点灯色選択テーブルは、AT当選であったときの緑色の選択率が各5%、赤色の選択率が95%に設定されており、AT非当選であったときの緑色の選択率が50%、赤色の選択率が50%に設定されている。よって、本実施形態では、AT当選時には、示唆ゲーム表示が赤色で点灯(第2示唆演出)する割合が緑色で点灯(第1示唆演出)する割合よりも高くなっている。一方、AT非当選時には、枠ランプ61が緑色で点灯する割合が赤色で点灯する割合よりも高くなっている。この結果、遊技者にとって示唆ゲーム表示によるATに当選している期待度は、枠ランプ61が赤色で点灯したときには緑色で点灯したときよりも高くなっている。
【0073】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、キャラ登場演出を実行してからAT抽選結果示唆演出の示唆ゲーム表示を開始する。また、キャラ登場演出は、通常キャラ登場演出と特別キャラ登場演出との2種類があり、示唆ゲーム表示の点灯色は、緑色、赤色の2種類がある。そして、サブ制御部91は、キャラ登場演出として通常キャラ登場演出を実行したか特別キャラ登場演出を実行したかによって異なる点灯色選択テーブルを参照して示唆ゲーム表示の点灯色を選択し、選択した点灯色で示唆ゲーム表示を行っている。具体的には、サブ制御部91は、通常キャラ登場演出を実行した場合には図18(B)に示す通常点灯色選択テーブルを参照して示唆ゲーム表示の点灯色を選択する一方、特別キャラ登場演出を実行した場合には図18(C)に示す特別点灯色選択テーブルを参照して示唆ゲーム表示の点灯色を選択する。
【0074】
ここで、サブ制御部91は、AT当選時には特別キャラ登場演出を実行する可能性が高くなっている。この場合、サブ制御部91は、特別点灯色選択テーブルを参照して示唆ゲーム表示の点灯色を選択するため、示唆ゲーム表示で赤色が点灯し易く、示唆ゲームにおいてAT当選示唆演出を実行してから枠ランプ61の全てのLEDの消灯後にAT当選報知演出513を実行する可能性が高くなっている。一方、サブ制御部91は、AT非当選時には通常キャラ登場演出を実行する可能性が高くなっている。この場合、サブ制御部91は、通常点灯色選択テーブルを参照して示唆ゲーム表示の点灯色を選択するため、示唆ゲーム表示で緑色が点灯し易く、示唆ゲームにおいてAT非当選示唆演出を実行してから枠ランプ61の全てのLEDの消灯後にAT非当選報知演出を実行する可能性が高くなっている。これらの結果、本実施形態では、遊技者は、特別キャラ登場演出が実行されるとAT当選の期待度が高く、示唆ゲーム表示で赤色が点灯して最終的にAT当選が報知され易い一方、通常キャラ登場演出が実行されるとAT当選の期待度が低く、示唆ゲーム表示で緑色が点灯して最終的にAT非当選が報知され易いことを認識可能となっている。
【0075】
このようにすることで、キャラ登場演出の種類に関わらず示唆ゲーム表示の点灯色が同一の割合で選択されるスロットマシンよりもキャラ登場演出として通常キャラ登場演出が実行されたか特別キャラ登場演出が実行されたかに遊技者が注目するようになる。この結果、示唆ゲーム表示だけでなく示唆ゲーム表示前のキャラ登場演出にも遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
なお、本実施形態では、サブ制御部91は、キャラ登場演出の実行後に示唆ゲーム表示の点灯色を選択したが、実行されたキャラ登場演出の種類に基づいて演出態様が変化するのは示唆ゲーム表示の点灯色に限定されず、例えば、実行されたキャラ登場演出の種類に基づいて点灯演出の点灯色を選択してもよい。
【0076】
なお、本実施形態では、1000ポイントずつ蓄積して4000ポイント以上蓄積したときには、ATに当選すればAT抽選結果示唆演出を実行する示唆ゲーム表示の点灯色を変更したり、チャンスアップ示唆演出を実行するチャンスアップ示唆ゲーム表示を行ったりしているが、1000ポイントずつ蓄積して4000ポイント以上蓄積したときであっても、示唆ゲーム表示の点灯色を変更したり、チャンスアップ示唆演出を実行するチャンスアップ示唆ゲーム表示を行ったりしなくてもよい。例えば、1000ポイントずつ蓄積する度に、示唆ゲーム表示を行うか否かの抽選を行ったり、示唆ゲーム表示の点灯色を変更するか否かの抽選を行ったり、チャンスアップ示唆ゲーム表示を行うか否かの抽選を行ったりしてもよい。この場合、ATに当選しているときにはこれらの抽選の当選率を高くしたり、蓄積しているポイント数が大きくなるに連れてこれらの抽選の当選率を高くしたりしてもよい。
【0077】
[実施形態3]
上記実施形態1、2では、サブ制御部91は、前兆演出として、枠ランプ61を用いた点灯演出や示唆ゲーム表示を例示したが、前兆演出については枠ランプ61を用いなくてもよい。以下、枠ランプ61を用いずに液晶表示器51のみを用いた前兆演出を実行する実施形態3について説明する。
なお、本実施形態では、実施形態1、2と同様の構成及び処理となる部分についてはその詳細な説明を省略し、主として上記実施形態1、2とは異なる部分について説明する。
【0078】
本実施形態では、サブ制御部91は、図11に示す前兆演出実行中制御処理を実行しない一方、図10図15に示す前兆演出実行開始制御処理に替えて図19に示す前兆演出実行開始制御処理を実行する。先ず、サブ制御部91は、0ポイントから最初のポイント蓄積があったかを判定することにより、メイン制御部41がレア役やリプレイに内部当選してポイント蓄積を開始したか否かを判定する(ステップSc101)。サブ制御部91は、メイン制御部41がポイント蓄積を開始していない場合(ステップSc101;N)、ポイント蓄積を開始するまでステップSc101の処理を繰り返し、メイン制御部41がポイント蓄積を開始した場合(ステップSc101;Y)、レア役に内部当選して一度に5000ポイントを蓄積したか否かを判定することにより、一度に5回のAT抽選が行われたか否かを判定する(ステップSc102)。
【0079】
サブ制御部91は、一度に5000ポイントを蓄積して5回のAT抽選が行われなかった場合(ステップSc102;N)、すなわち、1000ポイント蓄積してAT抽選が1回行われた場合、所定割合(例えば、10%)で特訓演出を実行するか否かを抽選し(ステップSc103)、抽選に当選したか否かを判定する(ステップSc104)。サブ制御部91は、抽選に当選しなかった場合(ステップSc104;N)、バトル演出の実行を開始し(ステップSc105)、処理を終了する。一方、サブ制御部91は、抽選に当選した場合(ステップSc104;Y)、または、一度に5000ポイントを蓄積して5回のAT抽選が行われた場合(ステップSc102;Y)、特訓演出の実行を開始し(ステップSc106)、処理を終了する。
【0080】
ここで、特訓演出とは、味方キャラが特訓する画像(動画像)を液晶表示器51に表示する前兆演出の一例である。本実施形態の特訓演出は、3ゲーム間に亘って味方キャラが3体の特訓用キャラを攻撃する連続演出である。具体的には、図21(A)に示すように、1ゲーム目のゲーム開始時に味方キャラ及び3体の特訓用キャラの画像と「特訓開始!!」との文字画像とを含む特訓開始画像を表示した後、1ゲーム目のゲーム終了まで味方キャラが1体目の特訓用キャラを攻撃する画像を含む第1特訓中画像を表示し、2ゲーム目のゲーム終了まで味方キャラが2体目の特訓用キャラを攻撃する画像を含む第2特訓中画像を表示し、3ゲーム目のゲーム終了まで味方キャラが3体目の特訓用キャラを攻撃する画像を表示してゲーム終了時に「特訓完了!!」との文字画像とを含む特訓終了画像を表示してから「チャンスアップ!!」との文字画像を含むチャンスアップ画像を表示する演出である。
【0081】
また、バトル演出とは、味方キャラが敵キャラと対戦(バトル)する画像(動画像)を液晶表示器51に表示する前兆演出の一例である。本実施形態のバトル演出は、1ゲーム間に亘って味方キャラが敵キャラを攻撃する連続演出である。例えば、図21(B)に示すように、ゲーム開始時に味方キャラ及び敵キャラの画像と「バトル開始!」との文字画像とを含むバトル開始画像を表示した後、ゲーム終了まで味方キャラが敵キャラを攻撃する画像を表示してゲーム終了時に「勝利!!」との文字画像とを含むバトル勝利画像を表示してからチャンスアップ画像を表示する演出である。
この結果、本実施形態では、サブ制御部91は、一度に5000ポイントを蓄積したとき、または、1000ポイント蓄積して特訓演出の抽選に当選したときには、3ゲーム間に亘る特訓演出を実行する一方、1000ポイントを蓄積して特訓演出の抽選に当選しなかったときには、1ゲーム間に亘るバトル演出を実行する。
【0082】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、一度に5000ポイントを蓄積したときには必ず3ゲーム間に亘る特訓演出を実行する一方、1000ポイントずつ蓄積するときには、特訓演出を実行せずに1ゲーム間に亘るバトル演出を実行する可能性がある。
このようにすることで、1000ポイントずつ蓄積したときにも必ず3ゲーム間に亘る特訓演出等の前兆演出が実行されるスロットマシンよりも一度に5000ポイント蓄積したか否かに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が更に向上する。
【0083】
なお、本実施形態では、実行期間が長い特訓演出のほうが実行期間が短いバトル演出よりも有利となる期待度が高い演出としたが、逆に実行期間が短いバトル演出のほうが実行期間が長い特訓演出よりも有利となる期待度が高い演出としてもよく、例えば、一度に5000ポイントを蓄積したときには必ず実行期間が短いバトル演出を実行する一方、1000ポイントずつ蓄積するときには実行期間が長い特訓演出を実行し易くてもよい。
なお、本実施形態では、サブ制御部91は、一度に5000ポイントを蓄積したときには必ず3ゲーム間に亘る特訓演出を実行する一方、1000ポイントずつ蓄積するときには特訓演出を実行しなければバトル演出を実行したが、1000ポイントずつ蓄積するときにも必ず特訓演出を実行してもよい。この場合、一度に5000ポイント蓄積したか否かに遊技者が注目するようにするために、特訓演出の実行回数が変化してもよい。例えば、サブ制御部91は、一度に5000ポイントを蓄積したときには必ず特訓演出を2回実行する一方、1000ポイントずつ蓄積するときには特訓演出を1回しか実行しない可能性があってもよい。
【0084】
具体的には、図20に示す本実施形態に係る前兆演出実行開始制御処理の変更例を実行してもよい。先ず、サブ制御部91は、ステップSc101、Sc102の処理を実行し、一度に5000ポイントを蓄積して5回のAT抽選が行われなかった場合(ステップSc102;N)、すなわち、1000ポイント蓄積してAT抽選が1回行われた場合、AT抽選に当選したか否かを判定する(ステップSc151)。サブ制御部91は、AT抽選に当選しなかった場合(ステップSc151;N)、特訓演出の実行を開始し(ステップSc152)、処理を終了する。一方、サブ制御部91は、AT抽選に当選した場合(ステップSc151;Y)、または、一度に5000ポイントを蓄積して5回のAT抽選が行われた場合(ステップSc102;Y)、特訓演出の2回連続実行を開始し(ステップSc153)、処理を終了する。
【0085】
このようにすることで、1000ポイントずつ蓄積したときにも必ず特訓演出等の前兆演出が2回連続実行されるスロットマシンよりも一度に5000ポイント蓄積したか否かに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が更に向上する。
なお、本変更例では、1000ポイントずつ蓄積するときにはAT抽選に当選していれば必ず特訓演出を2回連続実行しているが、AT抽選に当選していれば必ず特訓演出を2回連続実行しなくてもよい。例えば、1000ポイントずつ蓄積するときには特訓演出の実行回数を選択するようにしてAT抽選に当選していても特訓演出を1回しか実行しないことがあってもよい。
なお、本実施形態では、実行回数が多いほうが有利となる期待度が高い演出としたが、逆に実行期間が少ないほうが有利となる期待度が高い演出としてもよく、例えば、一度に5000ポイントを蓄積したときには必ず特訓演出を1回のみ実行する一方、1000ポイントずつ蓄積するときには特訓演出を2回以上実行し易くてもよい。
【0086】
なお、上記実施形態1~3では、特典の一例としてAT当選を例示したが、これに限定されず、例えば、ボーナス(例えば、BB、RB)の当選や、ボーナスやATの当選率が高いCZや、ATゲーム数の上乗せ特化ゾーンへの移行や、プレミア演出の実行等であってもよい。また、パチンコ遊技機であれば、例えば、確変大当りも含む大当り当選や、プレミア演出の実行等であってもよい。
【0087】
なお、上記実施形態1~3では、枠ランプ61の点灯色を赤色、緑色、青色の3色としたが、これに限定されず、2色であっても4色以上であってもよい。なお、2色とする場合は、例えば、赤色、緑色、青色のうちの2色とすればよい。また、4色以上とする場合は、例えば、橙色、黄色、紫色、レインボー色(例えば、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、紫色等が周期的に変化)を追加してもよい。この場合、例えば、枠ランプ61の各LEDの各色(RGB)の輝度を調整、例えば、256段階で輝度を調整して加色混合(合成)することで複数種類の色を表示する必要がある。
【0088】
なお、上記実施形態1、2では、前兆期間を23ゲームとしたが、これに限定されず、22ゲーム以下であっても24ゲーム以上であってもよい。この場合、前兆期間のゲーム数に応じて枠ランプ61のLEDの数を増減したり、1ゲーム毎に消灯するLEDの数を調整したりする必要がある。例えば、1ゲーム毎に2個のLEDを消灯し、最終ゲームのみ最後の1個のLEDを消灯するようにすれば前兆期間を12ゲームとすることができる。また、例えば、各LEDの輝度を低くしてから消灯するようにして、2ゲーム毎に1個のLEDを消灯するようにすれば前兆期間を46ゲームとすることができる。
【0089】
なお、上記実施形態2では、前兆演出において、液晶表示器51を用いてキャラ登場演出を実行し、枠ランプ61を用いて点灯演出を実行したり、各示唆演出の示唆ゲーム表示を行ったりしたが、前兆演出に用いられる演出装置については液晶表示器51や枠ランプ61に限定されず、例えば、演出効果LED52、スピーカ53、54を用いてもよく、新たに設けた役物を用いてもよい。この場合、例えば、役物を動作させる特定演出(役物演出)を実行するとともに、スピーカ53、54から前兆期間のゲーム数の音声出力を行う示唆演出(音声演出)を実行してもよい。また、これらの演出装置(51~54、61)を複数用いて特定演出や示唆演出を実行してもよい。
【0090】
なお、上記実施形態1~3では、メイン制御部41側で制御するナビ報知と、サブ制御部91側で制御するナビ演出の双方にて遊技者にとって有利な操作手順を識別可能となる構成であるが、サブ制御部91側で制御するナビ演出だけで遊技者にとって有利な操作手順を識別可能となる構成としても良い。また、例えば、サブ制御部91側で制御するナビ演出をメイン制御部41側で制御することで、メイン制御部41側で制御するナビ演出だけで遊技者にとって有利な操作手順を識別可能となる構成とすることも可能である。
なお、上記実施形態では、遊技者にとって有利な特典としてのAT等に関する制御をメイン制御部41が行う構成であるが、遊技者にとって有利な特典に関する制御の一部または全部をサブ制御部91が行う構成としても良い。
【0091】
なお、上記実施形態1~3では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、且つ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
【0092】
また、上記実施形態1~3では遊技機としてスロットマシンを例に説明したが、上記実施形態で開示した構成、特に、示唆演出実行処理の構成を、他の遊技機、例えば、遊技領域に遊技球を発射させることで遊技が行われ、発射された遊技球が遊技領域内に設けられた入賞口に入って入賞が発生することで、賞球として遊技球が払い出されるパチンコ遊技機等に適用しても良い。パチンコ遊技機に適用した場合、例えば、入賞発生等によって蓄積されるポイントを選択し、1000ポイント蓄積する度にプレミア演出の実行抽選を行い、当該抽選に当選した可能性がある旨を報知する前兆演出を実行する構成において、一度に5000ポイントを蓄積して5回の抽選が行われたときには必ず期待度が高い前兆演出を実行する一方、1000ポイントずつ蓄積するときには期待度が低い前兆演出を実行する可能性があってもよい。
【0093】
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えば、スロットマシン1、1001や、パチンコ遊技機といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0094】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【符号の説明】
【0095】
1 スロットマシン、41 メイン制御部、51 液晶表示器、61 枠ランプ、91 サブ制御部
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