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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-12
(45)【発行日】2022-07-21
(54)【発明の名称】携帯型端末の保持構造
(51)【国際特許分類】
   B62J 43/00 20200101AFI20220713BHJP
   B62J 9/00 20200101ALI20220713BHJP
   B62J 23/00 20060101ALI20220713BHJP
   B62K 21/12 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
B62J43/00
B62J9/00
B62J23/00 B
B62K21/12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018095537
(22)【出願日】2018-05-17
(65)【公開番号】P2019199204
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2020-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000112978
【氏名又は名称】ブリヂストンサイクル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】椋開地 晋吾
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3052864(JP,U)
【文献】特開2014-120913(JP,A)
【文献】特開2005-035438(JP,A)
【文献】特開2014-091496(JP,A)
【文献】米国特許第05423509(US,A)
【文献】中国実用新案第202765151(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 43/00
B62J 9/00
B62J 23/00
B62K 21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗り型車両のハンドル部に装着されて用いられ、携帯型端末を、画面を運転者に向けた状態で着脱可能に保持する携帯型端末の保持構造であって、
表裏面が上下方向を向くとともに、携帯型端末が縦向きに差し込まれる差込孔が形成された基板部と、
前記基板部の下方に配設されるとともに、前記差込孔に差し込まれた携帯型端末を携帯型端末の下方から支持する受部と、
前記差込孔に差し込まれた携帯型端末の背面を、後方を向く後面上で支持する支持部と、
前記差込孔に差し込まれた携帯型端末を着脱可能に保持する保持部と、を備え、
前記受部は、前記差込孔に差し込まれた携帯型端末を、携帯型端末の上部を前記差込孔から上方に突出させた状態で支持し、
前記支持部は、前記基板部の上面から上方に向けて突出するとともに、前記基板部の上面において、前記差込孔にこの差込孔の前方から連なる部分に配設された上支持部を備え、
前記保持部は、前記上支持部の後面との間で、前記差込孔に差し込まれた携帯型端末の上部を前後方向に挟む挟持部と、前記差込孔に差し込まれた携帯型端末の下部を、弾性変形した状態で左右方向の両側から挟み込む横保持部と、を備え
前記挟持部は、左右方向に間隔をあけて一対配設され、前記差込孔に差し込まれた携帯型端末の上部を左右方向に挟み、
前記上支持部には、前後方向に貫く挿入孔が形成され、
前記挟持部は、前記挿入孔に挿入され、かつ前記上支持部を前後方向に貫く第1支持軸の後端部に配設され、
前記支持部において、前記挿入孔より下方に位置する部分に、前後方向に貫く第2支持軸が取り付けられるとともに、前記第2支持軸の前端部は、前記支持部より前方に突出し、
前記第2支持軸の前端部と、前記第1支持軸の前端部と、が連結片を介して連結され、
前記携帯型端末の背面を、前記上支持部の後面に摺接させながら、前記携帯型端末を一対の前記挟持部同士の間に差し込んだときに、前記携帯型端末の側面が、前記挟持部に当接することで、前記携帯型端末の幅に合わせて、前記挟持部および前記第1支持軸が、前記挿入孔に沿って左右方向の外側に向けて変位しつつ、前記連結片が、前記第2支持軸回りに回転する携帯型端末の保持構造。
【請求項2】
一対の前記挟持部のうちの少なくとも一方は、左右方向に弾性変位可能に配設され、前記差込孔に差し込まれた携帯型端末の上部に左右方向に付勢された状態で当接する請求項1に記載の携帯型端末の保持構造。
【請求項3】
前記挟持部は、中心軸線が前記上支持部の後面に直交する方向に延びる軸状に形成され、
前記挟持部の外周面は、前記中心軸線に沿って前記上支持部の後面側に近づくに従い漸次、縮径している請求項1または2に記載の携帯型端末の保持構造。
【請求項4】
前記挟持部は、中心軸線が前記上支持部の後面に直交する方向に延びる軸状に形成され、前記中心軸線回りに回転可能に配設されている請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯型端末の保持構造。
【請求項5】
前記挟持部は、前記差込孔に差し込まれる携帯型端末の筐体を形成する材質より軟らかい軟材質で形成されている請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯型端末の保持構造。
【請求項6】
前記ハンドル部のハンドルステムが内側に挿通されるとともに、前記ハンドルステムを上方から覆う有頂筒状の本体部を備え、
前記本体部は、前記基板部を頂壁に有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯型端末の保持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗り型車両のハンドル部に装着されて用いられ、携帯型端末を着脱可能に保持する携帯型端末の保持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ハンドルが取付けられるハンドルステムが内側に挿通されるとともに、ハンドルステムを上方から覆う有頂筒状の本体カバーを備え、本体カバーに携帯型端末が着脱可能に保持される鞍乗り型車両用の携帯型端末の保持構造が知られている。
この種の保持構造として、例えば下記特許文献1に示されるような、本体カバーの頂壁に、携帯型端末が平置きされた状態で収容される凹部が形成され、この凹部を開放可能に覆う透明リッドが配設された構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-61856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の保持構造では、透明リッドの例えば経年劣化、および汚れ等により、透明リッドを通して、携帯型端末の画面を視認することが困難になるおそれがある。また、携帯型端末を凹部に出し入れするのに、透明リッドを操作して凹部の開閉を繰り返すと、透明リッドと本体カバーとの接続部分が破損するおそれもある。さらに、凹部内の携帯型端末を操作するには、透明リッドを開く必要があり、操作性についても改善の余地がある。
【0005】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、長期間にわたって携帯型端末を繰り返し着脱しても、携帯型端末の画面を明瞭に視認することが可能で、故障を抑えることもでき、さらに優れた操作性を具備させることができる携帯型端末の保持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の携帯型端末の保持構造は、鞍乗り型車両のハンドル部に装着されて用いられ、携帯型端末を、画面を運転者に向けた状態で着脱可能に保持する携帯型端末の保持構造であって、表裏面が上下方向を向くとともに、携帯型端末が縦向きに差し込まれる差込孔が形成された基板部と、前記基板部の下方に配設されるとともに、前記差込孔に差し込まれた携帯型端末を携帯型端末の下方から支持する受部と、前記差込孔に差し込まれた携帯型端末の背面を、後方を向く後面上で支持する支持部と、前記差込孔に差し込まれた携帯型端末を着脱可能に保持する保持部と、を備え、前記受部は、前記差込孔に差し込まれた携帯型端末を、携帯型端末の上部を前記差込孔から上方に突出させた状態で支持し、前記支持部は、前記基板部の上面から上方に向けて突出するとともに、前記基板部の上面において、前記差込孔にこの差込孔の前方から連なる部分に配設された上支持部を備え、前記保持部は、前記上支持部の後面との間で、前記差込孔に差し込まれた携帯型端末の上部を前後方向に挟む挟持部と、前記差込孔に差し込まれた携帯型端末の下部を、弾性変形した状態で左右方向の両側から挟み込む横保持部と、を備え、前記挟持部は、左右方向に間隔をあけて一対配設され、前記差込孔に差し込まれた携帯型端末の上部を左右方向に挟み、前記上支持部には、前後方向に貫く挿入孔が形成され、前記挟持部は、前記挿入孔に挿入され、かつ前記上支持部を前後方向に貫く第1支持軸の後端部に配設され、前記支持部において、前記挿入孔より下方に位置する部分に、前後方向に貫く第2支持軸が取り付けられるとともに、前記第2支持軸の前端部は、前記支持部より前方に突出し、前記第2支持軸の前端部と、前記第1支持軸の前端部と、が連結片を介して連結され、前記携帯型端末の背面を、前記上支持部の後面に摺接させながら、前記携帯型端末を一対の前記挟持部同士の間に差し込んだときに、前記携帯型端末の側面が、前記挟持部に当接することで、前記携帯型端末の幅に合わせて、前記挟持部および前記第1支持軸が、前記挿入孔に沿って左右方向の外側に向けて変位しつつ、前記連結片が、前記第2支持軸回りに回転する
【0007】
この発明によれば、受部が、携帯型端末を、携帯型端末の上部を差込孔から上方に突出させた状態で支持するので、携帯型端末の上部の画面を、外部に露呈させた状態で運転者に向けることが可能になり、この保持構造が長期間使用され続け、仮に経年劣化したとしても、運転者が携帯型端末の画面を見やすい状態に保つことができる。
また、携帯型端末の上部の画面を、外部に露呈させた状態で運転者に向けることが可能になることから、停車時に、例えば、携帯型端末の画面を覆う扉等を開く操作を行わず即座に、画面を操作することもできる。
また、携帯型端末が、受部、支持部、および保持部で支持されるので、携帯型端末の上部を外部に露呈させたとしても、携帯型端末を安定して固定することができる。
以上の作用効果が、例えば、携帯型端末の画面を開閉する扉等を用いず、基板部、受部、支持部、および保持部を備える比較的簡易な構成によって奏されることから、複雑な機構部分を排除することが可能になり、破損しにくくすることができる。
また、支持部が上支持部を備えるので、差込孔に差し込まれた携帯型端末の上部の背面を、上支持部により支持した状態で、この背面の反対側に位置する画面を操作することが可能になり、画面の操作時に、携帯型端末が、この保持構造に対してぐらつくのを抑制することができる。
また、上支持部が、基板部の上面において、差込孔にこの差込孔の前方から連なる部分に配設されているので、携帯型端末を、その背面を上支持部の後面に摺接させながら、差込孔に差し込むことが可能になり、画面を運転者に向けた状態で携帯型端末を差込孔に容易に差し込むことができる。
また、保持部が、上支持部の後面との間で、差込孔に差し込まれた携帯型端末の上部を前後方向に挟む挟持部を備えるので、携帯型端末の上部が、前後方向に変位するのを抑制することが可能になり、車両が例えば段差を通過したとき等、差込孔に差し込まれた携帯型端末に大きな加速度が加えられても、携帯型端末の上部が、前後方向に揺動して上支持部の後面に衝突するのを抑制することができる。
【0008】
ここで、前記挟持部は、左右方向に間隔をあけて一対配設され、前記差込孔に差し込まれた携帯型端末の上部を左右方向に挟んでもよい。
【0009】
この場合、挟持部が左右方向に間隔をあけて一対配設されているので、差込孔に差し込まれた携帯型端末の画面が、挟持部により見えにくくなるのを抑えることができる。また、挟持部が、差込孔に差し込まれた携帯型端末の上部を左右方向に挟むので、携帯型端末の上部を上支持部に安定して固定することができる。
【0010】
また、一対の前記挟持部のうちの少なくとも一方は、左右方向に弾性変位可能に配設され、前記差込孔に差し込まれた携帯型端末の上部に左右方向に付勢された状態で当接してもよい。
【0011】
この場合、一対の挟持部のうちの少なくとも一方が、左右方向に弾性変位可能に配設され、差込孔に差し込まれた携帯型端末の上部に左右方向に付勢された状態で当接するので、携帯型端末の上部を上支持部に確実に安定して固定することができるとともに、携帯型端末を一対の挟持部同士の間に差し込む際に、挟持部を弾性変位させることで、携帯型端末を一対の挟持部同士の間に容易に差し込むことができる。
【0012】
また、前記挟持部は、中心軸線が前記上支持部の後面に直交する方向に延びる軸状に形成され、前記挟持部の外周面は、前記中心軸線に沿って前記上支持部の後面側に近づくに従い漸次、縮径してもよい。
【0013】
この場合、挟持部の外周面が、挟持部の中心軸線に沿って上支持部の後面側に近づくに従い漸次、縮径しているので、厚さが異なる複数種の携帯型端末を、挟持部を交換せず1種類の挟持部を用いて上支持部の後面との間で前後方向に挟むことができる。
【0014】
また、前記挟持部は、中心軸線が前記上支持部の後面に直交する方向に延びる軸状に形成され、前記中心軸線回りに回転可能に配設されてもよい。
【0015】
この場合、挟持部が、前記中心軸線回りに回転可能に配設されているので、携帯型端末を、一対の挟持部同士の間に差し込む際に、挟持部の外周面に当接させることで、挟持部を前記中心軸線回りに回転させることが可能になり、携帯型端末を、一対の挟持部同士の間に引っ掛かり少なく円滑に差し込むことができる。
【0016】
また、前記挟持部は、前記差込孔に差し込まれる携帯型端末の筐体を形成する材質より軟らかい軟材質で形成されてもよい。
【0017】
この場合、挟持部が、差込孔に差し込まれる携帯型端末の筐体を形成する材質より軟らかい軟材質で形成されているので、挟持部が携帯型端末を傷付けるのを抑制することができる。
【0018】
また、前記ハンドル部のハンドルステムが内側に挿通されるとともに、前記ハンドルステムを上方から覆う有頂筒状の本体部を備え、前記本体部は、前記基板部を頂壁に有してもよい。
【0019】
この場合、頂壁が基板部とされた有頂筒状の本体部を備えるので、携帯型端末の保持構造を、鞍乗り型車両の意匠性を阻害することなく、ハンドル部に安定して装着することができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、長期間にわたって携帯型端末を繰り返し着脱しても、携帯型端末の画面を明瞭に視認することが可能で、故障を抑えることもでき、さらに優れた操作性を具備させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る一実施形態として示した保持構造の斜視図である。
図2図1に示す保持構造の要部を示す縦断面図である。
図3図1および図2に示される受部、下支持部、横保持部、および弾性片の斜視図である。
図4図2のIV-IV線矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る携帯型端末の保持構造の一実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。
携帯型端末Wの保持構造1は、鞍乗り型車両のハンドル部Hに装着されて用いられ、携帯型端末Wを、画面を運転者に向けた状態で着脱可能に保持する。保持構造1は、ハンドル部Hに、このハンドル部Hのハンドル軸O回りの回転操作に追従するように取付けられる。
以下、鞍乗り型車両の走行方向を前側といい、その逆向きを後側という。保持構造1は、携帯型端末Wを、画面を運転者側の後方に向けた状態で着脱可能に保持する。
保持構造1は、基板部12と、受部13と、支持部14と、保持部15と、を備える。
【0023】
基板部12は、表裏面が上下方向を向く板状に形成されている。基板部12に、携帯型端末Wが差し込まれる差込孔11が形成されている。差込孔11は、基板部12の前端部に形成されている。差込孔11は、左右方向に長い長方形状に形成されている。図示の例では、携帯型端末Wは、差込孔11に縦向きに差し込まれる。
【0024】
受部13は、図2に示されるように、基板部12の下方に配設されるとともに、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wを携帯型端末Wの下方から支持する。受部13は、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wを、携帯型端末Wの上部を差込孔11から上方に突出させた状態で支持する。受部13は、表裏面が上下方向を向く左右方向に長い長方形状の板状に形成されている。受部13は、後方から前方に向かうに従い漸次、下方に向けて延びている。
【0025】
受部13には、図3に示されるように、左右方向に間隔をあけて複数の貫通孔13aが形成されている。貫通孔13aは、受部13の平面視で、前後方向に長い長方形状を呈する。受部13の上面における貫通孔13aの開口周縁部に、突条部13bが形成されている。突条部13bは、受部13の上面における貫通孔13aの開口周縁部のうち、左右方向の両端、および後端を縁取るように配設されている。複数の突条部13bに携帯型端末Wが支持される。
【0026】
支持部14は、図1および図2に示されるように、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wの背面を、後方を向く後面上で支持する。支持部14は、携帯型端末Wの上部を支持する上支持部17と、携帯型端末Wの下部を支持する下支持部16と、を備える。
【0027】
下支持部16は、基板部12の下方に配設され、携帯型端末Wのうち、基板部12より下方に位置する下部の背面を支持する。下支持部16によって支持される携帯型端末Wの下部の長さは、携帯型端末Wの全長の例えば3分の1以上2分の1未満となっている。下支持部16は、表裏面が前後方向を向く板状に形成されている。下支持部16は、図3に示されるように、前後方向から見て矩形状を呈する。この矩形状を画成する4つの辺のうち、一対の辺が上端縁および下端縁に位置して左右方向に延び、かつ残り一対の辺が左右方向の両端縁に位置して上下方向に延びている。下支持部16は、受部13の前端縁から上方に向けて突出している。下支持部16は、上方に向かうに従い漸次、前方に向けて延びている。下支持部16の後面は、受部13の上面と直角をなしている。
【0028】
下支持部16の左右方向の両端部に、後方に向けて突出する側壁16aが形成されている。側壁16aは、表裏面が左右方向を向く上下方向に長い長方形状の板状に形成されている。下支持部16の前面において、後述する挿通孔16cより下方に位置する下端部と、受部13の下面において、左右方向で互いに隣り合う貫通孔13a同士の間に位置する部分と、に跨って、表裏面が左右方向を向く板状に形成された補強リブ16dが配設されている。
【0029】
上支持部17は、図1および図2に示されるように、基板部12の上面から上方に向けて突出するとともに、基板部12の上面において、差込孔11にこの差込孔11の前方から連なる部分に配設されている。上支持部17は、携帯型端末Wのうち、基板部12より上方に位置する上部の背面を支持する。上支持部17によって支持される携帯型端末Wの上部の長さは、携帯型端末Wの全長の例えば2分の1以上3分の2未満となっている。上支持部17は、上方に向かうに従い漸次、前方に向けて延びている。上支持部17の後面の上下方向に対する傾斜角度は、下支持部16の後面の上下方向に対する傾斜角度と同等になっている。上支持部17の後面の下端と、下支持部16の後面の上端と、は段差なく連なっている。
【0030】
保持部15は、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wを着脱可能に保持する。
保持部15は、横保持部18と、面保持部19と、挟持部20と、を備える。横保持部18および面保持部19は、基板部12の下方に配設され、挟持部20は、基板部12の上方に配設されている。
【0031】
横保持部18は、図3に示されるように、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wの下部を、弾性変形した状態で左右方向の両側から挟み込む。横保持部18は、下支持部16の側壁16aから左右方向の内側に向かうに従い漸次、下方に向けて延び、表裏面が左右方向を向き、かつ上下方向に長い長方形状の板状に形成されている。横保持部18の下端部は、受部13の突条部13bより上方に位置している。横保持部18は、左右方向の外側に向けて弾性変形可能に形成されている。
【0032】
横保持部18は、左右方向の外側に位置し、左右方向の外側に向けて突となるように湾曲した外湾曲部18aと、左右方向の内側に位置し、左右方向の内側に向けて突となるように湾曲した内湾曲部18bと、を備え、外湾曲部18aの下端および内湾曲部18bの上端は互いに段差なく連なっている。内湾曲部18bの長さは、外湾曲部18aの長さより長い。外湾曲部18aにおける左右方向の外端部が、下支持部16の側壁16aに連結されている。横保持部18は、下支持部16の側壁16aとの連結部分を含む全長にわたって、左右方向の外側に弾性変形可能に形成されている。下支持部16の後面のうち、横保持部18と対向する部分に、下支持部16の平面視において、横保持部18よりわずかに大きい貫通孔16bが形成されている。横保持部18のうちの内湾曲部18bが、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wに当接する。
【0033】
一対の面保持部19は、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wの下部を前後方向の両側から挟み込む。一対の面保持部19は、弾性片21と、突き当て片22と、を備える。
【0034】
弾性片21は、下支持部16に配設されるとともに、弾性変形可能に形成されていて、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wに弾性変形した状態で当接する。弾性片21は、表裏面が前後方向を向き、かつ上下方向に長い長方形状の板状に形成されている。弾性片21の上端部は、後方に向けて突となるように湾曲している。図2に示されるように、弾性片21のうち、少なくとも上端部における湾曲した後側頂部21aは、下支持部16の後面より後方に位置している。弾性片21は、上端部から下方に向かうに従い漸次、後方に向けて延びている。
【0035】
ここで、下支持部16に、下支持部16の平面視で、弾性片21よりわずかに大きい挿通孔16cが形成され、弾性片21は、挿通孔16cを前方に通過しながら弾性変形する。弾性片21の下端部は、下支持部16の後面における挿通孔16cの開口周縁部の下端より前方に位置している。弾性片21の下端部は、横保持部18の下端部より下方に位置している。弾性片21は、下端部回りに前方に向けて弾性変位可能に配設されている。
【0036】
突き当て片22は、図2に示されるように、基板部12に配設されるとともに、弾性片21により後方に押された携帯型端末Wの下部を携帯型端末Wの後方から支持する。突き当て片22は、基板部12の下面において、差込孔11にこの差込孔11の後方から連なる部分に配設されている。突き当て片22のうち、前方を向き、携帯型端末Wの下部を支持する突き当て部22aは、上下方向および前後方向の双方向に沿う縦断面視において、上支持部17および下支持部16の各後面に沿って延びている。突き当て部22aは、前記縦断面視において、弾性片21のうち少なくとも上端部に、上支持部17および下支持部16の各後面に直交する方向で対向している。
【0037】
図示の例では、突き当て片22は、表裏面が左右方向を向き、左右方向に間隔をあけて配設された複数の板体22bを備える。板体22bは、左右方向から見て三角形状を呈し、この三角形状を構成する三辺のうち、第一辺が基板部12の下面に位置し、第二辺が第一辺の後端から下方に向けて延び、第三辺が第一辺の前端から下方に向かうに従い漸次、後方に向けて延びている。複数の板体22bにおける前記第三辺をなす部分が、突き当て片22の突き当て部22aを構成している。板体22bにおいて、第二辺と第三辺との接続部分は、下方に向けて突の曲線状に形成されている。この接続部分の上下方向の位置は、弾性片21の上端部における湾曲した後側頂部21aの上下方向の位置に対して同等か、わずかに上方に位置している。
【0038】
突き当て片22は、複数の板体22bを一体に連結する連結板22cを備える。連結板22cは、基板部12の下面から下方に突出し、複数の板体22bそれぞれにおいて、前記第二辺をなす後端縁同士を連結している。連結板22cは、表裏面が前後方向を向き、左右方向に長い長方形状の板状に形成されている。
【0039】
挟持部20は、上支持部17の後面との間で携帯型端末Wの上部を前後方向に挟む。図示の例では、挟持部20は、左右方向に間隔をあけて一対配設され、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wの上部を左右方向にも挟む。
なお、挟持部20は、1つ配設されてもよく、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wの上部を左右方向に挟み込まなくてもよい。また、挟持部20として、左右方向に延びる帯状に形成されていて、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wの上部を、左右方向の全長にわたって一体に、上支持部17の後面との間で前後方向に挟む構成を採用してもよい。
【0040】
挟持部20は、上支持部17の後面より後方に配設されている。挟持部20は、中心軸線O1が上支持部17の後面に直交する方向に延びる軸状に形成されている。図示の例では、挟持部20は筒状に形成されている。なお、挟持部20は中実に形成されてもよい。挟持部20の外周面は、中心軸線O1に沿って上支持部17の後面側に近づくに従い漸次、縮径している。挟持部20の外周面は、中心軸線O1に沿う縦断面視で内側に向けて窪む曲線状を呈する。挟持部20は、差込孔11に差し込まれる携帯型端末Wの筐体を形成する材質より軟らかい軟材質で形成されている。軟材質としては、例えばゴム材料、若しくはエラストマーなどが挙げられる。
【0041】
挟持部20は、第1支持軸25に回転可能に外嵌されている。
ここで、上支持部17には、第1支持軸25が挿入された挿入孔17aが形成されている。挿入孔17aは、上支持部17の下部に形成されている。第1支持軸25は、上支持部17を前後方向に貫いて配設され、挟持部20は、第1支持軸25の後端部に配設されている。上支持部17の後面における挿入孔17aの開口周縁部は、挟持部20の外周面に、中心軸線O1に沿う方向で対向している。これにより、挟持部20の外周面は、上支持部17の後面における挿入孔17aの開口周縁部との間で、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wの上部を前後方向に挟むことができる。
【0042】
支持部14において、挿入孔17aより下方に位置する部分に、前後方向に貫く第2支持軸26が取り付けられている。第2支持軸26の前端部は、支持部14より前方に突出している。第2支持軸26は、上支持部17の下端部に取り付けられている。なお、第2支持軸26は、下支持部16に取り付けられてもよい。上支持部17の後面の平面視において、挿入孔17aは、第2支持軸26を中心とする円弧状を呈する長孔となっている。
【0043】
図4に示されるように、第2支持軸26の前端部と、第1支持軸25の前端部と、が連結片27を介して連結されている。連結片27は、表裏面が前後方向を向き、かつ上下方向に長い長方形状の板状に形成されている。連結片27の表裏面は、支持部14の後面とほぼ平行になっている。連結片27の上端部は、第1支持軸25の前端部に連結され、連結片27の下端部は、第2支持軸26の前端部に連結されている。連結片27の上端部および下端部に、挿入孔が各別に形成されており、各挿入孔に、第1支持軸25および第2支持軸26の各前端部が遊嵌されている。連結片27は、支持部14において、携帯型端末Wの背面を支持する後面と反対側の前面側に配設されている。
【0044】
左右一対の連結片27における上端部同士は、互いを左右方向に接近する向きに付勢する付勢部28を介して連結されている。付勢部28は、支持部14の前面側に配設されており、外部から視認しにくくなっている。付勢部28は、左右方向に延びるコイルスプリングとなっている。第1支持軸25は、挿入孔17aの内周面のうち、左右方向の内端部に位置し、かつ左右方向の外側を向く面に、左右方向の内側に向けて付勢された状態で当接している。
以上より、一対の挟持部20の双方が、左右方向に弾性変位可能に配設され、携帯型端末Wの上部に左右方向に付勢された状態で当接する。
【0045】
ここで、ハンドル部Hは、図示されないフレームに、ハンドル軸O回りに回転可能に挿入されたハンドルステムH1と、ハンドルステムH1の上方に配設され、左右方向に延びるハンドルH2と、ハンドルステムH1とハンドルH2とを連結する連結部H3と、を備える。
ハンドルH2の左右方向の両端部は、運転者が握るグリップ部Gとなっている。連結部H3は、上方に向かうに従い漸次、前方に向けて延びている。
【0046】
本実施形態では、保持構造1は、ハンドル部HのハンドルステムH1が内側に挿通されるとともに、ハンドルステムH1を上方から覆う有頂筒状の本体部23を備え、本体部23の頂壁が基板部12となっている。また、図3に示されるように、受部13、下支持部16、横保持部18、および弾性片21は一体に形成されており、下支持部16が、本体部23の内側に嵌合され、かつ、本体部23の内周面に前後方向に間隔をあけて形成された複数の支持突部23aにより下支持部16の下方から支持されることによって、受部13、下支持部16、横保持部18、および弾性片21が、本体部23に固定されている。本体部23は、ハンドルステムH1の外周面に、不図示の連結部材を介して固定されている。
以上より、ハンドル部Hのハンドル軸O回りのハンドル操作に追従して、本体部23は、受部13、下支持部16、横保持部18、および弾性片21とともに、ハンドル軸O回りに回転する。
【0047】
図2に示されるように、本体部23は、連結部H3の下部も覆っている。受部13、下支持部16、横保持部18、および面保持部19は、基板部12の下面とハンドルステムH1との間に配設されている。上支持部17は、連結部H3の上部を斜め後方から覆い、かつハンドルH2における左右方向の中間部を上方から覆っている。上支持部17の上端部は、ハンドルH2における左右方向の中間部の外周面のうち上方を向く上面に取り付けられている。
【0048】
図示の例では、保持構造1は、ハンドルH2のうち、上支持部17で覆われた部分、および左右方向の両端部に位置するグリップ部Gを除く全域を覆うハンドルカバー31と、連結部H3の上部のうち、上支持部17で覆われた部分を除く全域を覆う連結部カバー32と、を備えている。ハンドルカバー31は、ハンドルH2における左右方向の中間部の外周面のうち上方を向く上面に取り付けられている。連結部カバー32は、本体部23と一体に形成されている。
以上の構成において、保持構造1は、ハンドル部Hのうち、ハンドルH2のグリップ部Gを除く全域を覆っており、例えば電気配線を覆い隠すこと等ができる。
【0049】
次に、以上のように構成された保持構造1の作用について説明する。
【0050】
携帯型端末Wの背面を、上支持部17の後面に摺接させながら、携帯型端末Wを一対の挟持部20同士の間に差し込むと、携帯型端末Wの側面が、挟持部20の外周面に当接することで、携帯型端末Wの幅に合わせて、挟持部20および第1支持軸25が、挿入孔17aに沿って左右方向の外側に向けて変位しつつ、連結片27が、第2支持軸26回りに回転する。この際、付勢部28が左右方向に引張変形させられるとともに、挟持部20が第1支持軸25に対して中心軸線O1回りに回転する。
そして、携帯型端末Wの下部が差込孔11に差し込まれると、挟持部20の外周面は、上支持部17の後面における挿入孔17aの開口周縁部との間で、携帯型端末Wの上部を前後方向に挟み、かつこの携帯型端末Wの上部の側面に左右方向に付勢された状態で当接する。
【0051】
一方、携帯型端末Wの下部が差込孔11に差し込まれる際、携帯型端末Wの下部が、横保持部18の内湾曲部18bのうち、左右方向の内側を向く表面に当接し、横保持部18を、左右方向の外端部回りに左右方向の外側に向けて弾性変形させる。これにより、左右一対の横保持部18が、弾性変形した状態で、携帯型端末Wの下部を左右方向に挟み込む。この際、携帯型端末Wは、面保持部19の弾性片21の後面のうち少なくとも後側頂部21aにも当接し、弾性片21を、挿通孔16cを前方に通過させつつ、下端部回りに前方に向けて弾性変形させる。これにより、携帯型端末Wが弾性片21により後方に付勢された状態で、突き当て片22の突き当て部22aに当接させられることによって、面保持部19が、携帯型端末Wの下部を前後方向に挟み込む。
【0052】
以上の過程において、携帯型端末Wが、横保持部18に当接する当初、左右方向の内側に向けて突の曲面状に形成された内湾曲部18bに当接し、また、面保持部19に当接する当初、弾性片21の後側頂部21aに当接するので、携帯型端末Wを引っ掛かり少なく円滑に差込孔11に差し込むことができる。すなわち、保持部15のうち、少なくとも、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wの下部が当接する部分を、携帯型端末Wに向けて突の曲面状に形成することによって、携帯型端末Wを引っ掛かり少なく円滑に差込孔11に差し込むことができる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態による携帯型端末Wの保持構造1によれば、受部13が、携帯型端末Wを、携帯型端末Wの上部を差込孔11から上方に突出させた状態で支持するので、携帯型端末Wの上部の画面を、外部に露呈させた状態で運転者に向けることが可能になり、この保持構造1が長期間使用され続け、仮に経年劣化したとしても、運転者が携帯型端末Wの画面を見やすい状態に保つことができる。
また、携帯型端末Wの上部の画面を、外部に露呈させた状態で運転者に向けることが可能になることから、停車時に、例えば、携帯型端末Wの画面を覆う扉等を開く操作を行わず即座に、画面を操作することもできる。
また、携帯型端末Wが、受部13、支持部14、および保持部15で支持されるので、携帯型端末Wの上部を外部に露呈させたとしても、携帯型端末Wを安定して固定することができる。
【0054】
以上の作用効果が、例えば、携帯型端末Wの画面を開閉する扉等を用いず、基板部12、受部13、支持部14、および保持部15を備える比較的簡易な構成によって奏されることから、複雑な機構部分を排除することが可能になり、破損しにくくすることができる。
【0055】
また、支持部14が、基板部12の上面から上方に向けて突出した上支持部17を備えるので、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wの上部の背面を、上支持部17により支持した状態で、この背面の反対側に位置する画面を操作することが可能になり、画面の操作時に、携帯型端末Wが、この保持構造1に対してぐらつくのを抑制することができる。
また、上支持部17が、基板部12の上面において、差込孔11にこの差込孔11の前方から連なる部分に配設されているので、携帯型端末Wを、その背面を上支持部17の後面に摺接させながら、差込孔11に差し込むことが可能になり、画面を運転者に向けた状態で携帯型端末Wを差込孔11に容易に差し込むことができる。
【0056】
また、保持部15が、上支持部17の後面との間で、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wの上部を前後方向に挟む挟持部20を備えるので、携帯型端末Wの上部が、前後方向に変位するのを抑制することが可能になり、車両が例えば段差を通過したとき等、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wに大きな加速度が加えられても、携帯型端末Wの上部が、前後方向に揺動して上支持部17の後面に衝突するのを抑制することができる。
【0057】
また、挟持部20が左右方向に間隔をあけて一対配設されているので、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wの画面が、挟持部20により見えにくくなるのを抑えることができる。また、挟持部20が、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wの上部を左右方向に挟むので、携帯型端末Wの上部を上支持部17に安定して固定することができる。
【0058】
また、一対の挟持部20が、左右方向に弾性変位可能に配設され、差込孔11に差し込まれた携帯型端末Wの上部に左右方向に付勢された状態で当接するので、携帯型端末Wの上部を上支持部17に確実に安定して固定することができるとともに、携帯型端末Wを一対の挟持部20同士の間に差し込む際に、挟持部20を弾性変位させることで、携帯型端末Wを一対の挟持部20同士の間に容易に差し込むことができる。
【0059】
また、挟持部20の外周面が、前記中心軸線O1に沿って上支持部17の後面側に近づくに従い漸次、縮径しているので、厚さが異なる複数種の携帯型端末Wを、挟持部20を交換せず1種類の挟持部20を用いて上支持部17の後面との間で前後方向に挟むことができる。
また、挟持部20が、前記中心軸線O1回りに回転可能に配設されているので、携帯型端末Wを、一対の挟持部20同士の間に差し込む際に、挟持部20の外周面に当接させることで、挟持部20を前記中心軸線O1回りに回転させることが可能になり、携帯型端末Wを、一対の挟持部20同士の間に引っ掛かり少なく円滑に差し込むことができる。
【0060】
また、挟持部20が、差込孔11に差し込まれる携帯型端末Wの筐体を形成する材質より軟らかい軟材質で形成されているので、挟持部20が携帯型端末Wを傷付けるのを抑制することができる。
また、頂壁が基板部12とされた有頂筒状の本体部23を備えるので、携帯型端末Wの保持構造1を、鞍乗り型車両の意匠性を阻害することなく、ハンドル部Hに安定して装着することができる。
【0061】
なお、本発明の技術範囲は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0062】
例えば、前記実施形態では、保持部15として、横保持部18、面保持部19、および挟持部20を備える構成を示したが、横保持部18、および面保持部19は備えなくてもよい。
また、保持部15は、例えば、上支持部17の後面に設けられ、携帯型端末Wを携帯型端末Wの上方から支持することで、携帯型端末Wの差込孔11からの抜けを規制する突起を備えてもよいし、また、上支持部17の後面に設けられた滑り止め用の粗面部等を備えてもよい。
【0063】
また、挟持部20外周面が、前記中心軸線O1に沿って上支持部17の後面側に近づくに従い漸次、縮径した構成を示したが、これに限らず例えば、挟持部20の外周面が、前記中心軸線O1に沿って真直ぐ延び、この外周面にフランジ部を形成し、このフランジ部と上支持部17の後面との間で携帯型端末Wを前後方向に挟んでもよい。
また、挟持部20が、前記中心軸線O1回りに回転可能に配設された構成を示したが、前記中心軸線O1回りに回転不能に配設されてもよい。
また、挟持部20は、差込孔11に差し込まれる携帯型端末Wの筐体を形成する材質の硬さ以上の硬さの材質で形成されてもよい。
【0064】
また、前記実施形態では、一対の挟持部20の双方が、左右方向に弾性変位可能に配設された構成を示したが、いずれか一方のみを弾性変位可能に配設してもよいし、いずれも弾性変位可能に配設しなくてもよい。
また、前記実施形態では、一対の横保持部18の双方が、弾性変形可能に形成された構成を示したが、いずれか一方のみを弾性変形可能に形成してもよいし、いずれも弾性変形可能に形成しなくてもよい。
また、前記実施形態では、面保持部19として、弾性片21が下支持部16に配設され、突き当て片22が基板部12に配設された構成を示したが、例えば、弾性片21が基板部12に配設され、突き当て片22が下支持部16に配設された構成を採用してもよく、また、突き当て片22を有さず、弾性片21を一対備える構成を採用してもよい。
【0065】
また、支持部14に、例えばICタグ等の近距離無線通信デバイスを配設してもよい。このデバイスに、例えば車種等の識別情報を記憶させておき、差込孔11に差し込んだ携帯型端末Wにこの情報を読み込ませ、読み込んだ識別情報を携帯型端末Wからコンテンツサーバに送信し、コンテンツサーバから識別情報に適合した情報を携帯型端末Wに受信させるようにしてもよい。この場合、例えば、差込孔11に差し込んだ後の携帯型端末Wの操作を制限したり、携帯型端末Wの表示画面を、鞍乗り型車両用のものに切替えたりすること等ができる。後者の例として、電動アシスト自転車のバッテリー残量、速度計、および地図等が挙げられる。
また、鞍乗り型車両がレンタサイクルの場合、携帯型端末Wを支持部14に支持させたときに、電子決済でレンタル料を支払うことが可能となるデバイスを支持部14に配設してもよい。
【0066】
前記実施形態では、支持部14が、上支持部17および下支持部16の双方を備える構成を示したが、下支持部16は備えなくてもよい。
また、前記実施形態では、保持構造1として、ハンドル部Hのうち、ハンドルH2のグリップ部Gを除く全域を覆うカバーを示したが、これに限らず例えば、本体部23、ハンドルカバー31、および連結部カバー32等を有さず、差込孔11が形成された基板部12、受部13、支持部14、および保持部15のみを有する構成を採用してもよい。
【0067】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 保持構造
11 差込孔
12 基板部
13 受部
14 支持部
15 保持部
17 上支持部
20 挟持部
23 本体部
H ハンドル部
H1 ハンドルステム
O1 中心軸線
W 携帯型端末
図1
図2
図3
図4