(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-12
(45)【発行日】2022-07-21
(54)【発明の名称】高圧洗浄機
(51)【国際特許分類】
B08B 3/02 20060101AFI20220713BHJP
【FI】
B08B3/02 E
(21)【出願番号】P 2018159386
(22)【出願日】2018-08-28
【審査請求日】2021-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 英明
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-169486(JP,A)
【文献】特開2016-79837(JP,A)
【文献】米国特許第6604920(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/00-13/00
F04B 9/00
F04B19/00
F04B23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動シャフトの回転に応じて、
往復運動する摺動部材を有するポンプ機構であって、前記摺動部材の往復運動に応じて、入水口に供給される水を加圧して出水口から送り出す
前記ポンプ機構と、
出力シャフトを駆動する電動モータと、
前記出力シャフトから前記駆動シャフトへ動力を伝達する動力伝達機構と、
前記ポンプ機構、前記電動モータおよび前記動力伝達機構を収容するハウジングを備えており、
前記出力シャフトが、前記駆動シャフトに対して、略平行に配置されており、
前記出力シャフトが、前記駆動シャフトよりも、上方に配置されて
おり、
前記摺動部材が往復運動する方向が、前記出力シャフトの回転軸と略平行である、高圧洗浄機。
【請求項2】
前記ハウジングに着脱可能に取り付けられ、前記電動モータに給電するバッテリをさらに備えており、
前記バッテリを取り付けたときの、前記バッテリの下端の位置が、前記駆動シャフトよりも、上方に配置されている、請求項1の高圧洗浄機。
【請求項3】
前記ハウジングに収容されており、前記電動モータの動作を制御するECUをさらに備えており、
前記ECUが、前記ポンプ機構の上方に配置されている、請求項1または2の高圧洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、高圧洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、駆動シャフトの回転に応じて、入水口に供給される水を加圧して出水口から送り出すポンプ機構と、出力シャフトを駆動する電動モータと、前記出力シャフトから前記駆動シャフトへ動力を伝達する動力伝達機構と、前記ポンプ機構、前記電動モータおよび前記動力伝達機構を収容するハウジングを備える高圧洗浄機が開示されている。前記出力シャフトは、前記駆動シャフトに対して、略平行に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ポンプ機構の部品が劣化すると、ポンプ機構から水が漏出することがある。この際に、電動モータに水がかかってしまうと、電動モータが故障してしまうおそれがある。本明細書では、ポンプ機構から水が漏出した場合であっても、電動モータが故障することを防止することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する高圧洗浄機は、駆動シャフトの回転に応じて、入水口に供給される水を加圧して出水口から送り出すポンプ機構と、出力シャフトを駆動する電動モータと、前記出力シャフトから前記駆動シャフトへ動力を伝達する動力伝達機構と、前記ポンプ機構、前記電動モータおよび前記動力伝達機構を収容するハウジングを備えていてもよい。前記出力シャフトが、前記駆動シャフトに対して、略平行に配置されていてもよい。前記出力シャフトが、前記駆動シャフトよりも、上方に配置されていてもよい。
【0006】
上記の構成では、電動モータの出力シャフトがポンプ機構の駆動シャフトよりも上方に配置されているので、電動モータはポンプ機構に比べてやや上方に配置される。このため、ポンプ機構から水が漏出した場合であっても、電動モータに水がかかることを防止することができ、電動モータが故障することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施例の高圧洗浄機2の使用時の状態を模式的に示す図である。
【
図2】実施例の高圧洗浄機2を前方右方上方から見た斜視図である。
【
図3】実施例の高圧洗浄機2を上方から見た平面図である。
【
図4】実施例の高圧洗浄機2を左方から見た側面図である。
【
図5】実施例の高圧洗浄機2の、バッテリボックスカバー24とアクセサリボックス26を取り外した状態を前方右方上方から見た斜視図である。
【
図6】実施例の高圧洗浄機2の、バッテリボックスカバー24を取り外した状態を上方から見た平面図である。
【
図7】実施例の高圧洗浄機2の、バッテリボックスカバー24と左側ハウジング20を取り外した状態を左方から見た側面図である。
【
図8】実施例の高圧洗浄機2のスポンジ46の斜視図である。
【
図9】実施例の高圧洗浄機2のモータポンプユニット62を前方左方上方から見た斜視図である。
【
図10】実施例の高圧洗浄機2のモータポンプユニット62を後方右方上方から見た斜視図である。
【
図11】実施例の高圧洗浄機2のモータポンプユニット62を右方から見た断面図である。
【
図12】実施例の高圧洗浄機2のポンプ機構60を上方から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1つまたはそれ以上の実施形態において、高圧洗浄機は、入水口に供給される水を加圧して出水口から送り出すポンプ機構と、前記ポンプ機構を駆動する電動モータと、前記ポンプ機構および前記電動モータを収容するハウジングと、前記ハウジングに着脱可能に取り付けられ、前記電動モータに給電する複数のバッテリを備えていてもよい。
【0009】
上記の構成によれば、例えば複数の低電圧のバッテリを電気的に直列に接続することで、電動モータに高電圧で給電することができる。高出力の高圧洗浄機に、低電圧のバッテリを使用可能とすることができる。
【0010】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記高圧洗浄機は、前記ハウジングの上部に設けられており、前記高圧洗浄機を上方から平面視したときに前後方向に長手方向を有するトップハンドルをさらに備えていてもよい。前記複数のバッテリを取り付けたときの、前記高圧洗浄機の重心の左右方向の位置が、前記トップハンドルの中心線から左右方向に前記トップハンドルの幅の1.5倍の範囲内に位置してもよい。
【0011】
上記の構成によれば、トップハンドルを把持して高圧洗浄機を持ち上げた時に、左右方向のバランスを取りやすくなる。
【0012】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記高圧洗浄機は、前記ハウジングの上部に設けられており、前記高圧洗浄機を上方から平面視したときに前後方向に長手方向を有するトップハンドルをさらに備えていてもよい。前記複数のバッテリを取り付けたときの、前記高圧洗浄機の重心の前後方向の位置が、前記トップハンドルの下面の前端から後端の範囲内に位置してもよい。
【0013】
上記の構成によれば、トップハンドルを把持して高圧洗浄機を持ち上げた時に、前後方向のバランスを取りやすくなる。
【0014】
1つまたはそれ以上の実施形態において、高圧洗浄機は、駆動シャフトの回転に応じて、入水口に供給される水を加圧して出水口から送り出すポンプ機構と、出力シャフトを駆動する電動モータと、前記出力シャフトから前記駆動シャフトへ動力を伝達する動力伝達機構と、前記ポンプ機構、前記電動モータおよび前記動力伝達機構を収容するハウジングを備えていてもよい。前記出力シャフトが、前記駆動シャフトに対して、略平行に配置されていてもよい。前記出力シャフトが、前記駆動シャフトよりも、上方に配置されていてもよい。
【0015】
上記の構成では、電動モータの出力シャフトがポンプ機構の駆動シャフトよりも上方に配置されているので、電動モータはポンプ機構に比べてやや上方に配置される。このため、ポンプ機構から水が漏出した場合であっても、電動モータに水がかかることを防止することができ、電動モータが故障することを防止することができる。
【0016】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記高圧洗浄機は、前記ハウジングに着脱可能に取り付けられ、前記電動モータに給電するバッテリをさらに備えていてもよい。前記バッテリを取り付けたときの、前記バッテリの下端の位置が、前記駆動シャフトよりも、上方に配置されていてもよい。
【0017】
バッテリに水がかかってしまうと、バッテリが故障してしまうおそれがある。上記の構成では、バッテリの下端がポンプ機構の駆動シャフトよりも上方に配置されているので、バッテリはポンプ機構に比べてやや上方に配置される。このため、ポンプ機構から水が漏出した場合であっても、バッテリに水がかかることを防止することができ、バッテリが故障することを防止することができる。
【0018】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記高圧洗浄機は、前記ハウジングに収容されており、前記電動モータの動作を制御するECUをさらに備えていてもよい。前記ECUが、前記ポンプ機構の上方に配置されていてもよい。
【0019】
ECUに水がかかってしまうと、ECUが故障してしまうおそれがある。上記の構成では、ECUがポンプ機構の上方に配置されている。このため、ポンプ機構から水が漏出した場合であっても、ECUに水がかかることを防止することができ、ECUが故障することを防止することができる。
【0020】
1つまたはそれ以上の実施形態において、高圧洗浄機は、入水口に供給される水を加圧して出水口から送り出すポンプ機構と、前記ポンプ機構を駆動する電動モータと、前記ポンプ機構および前記電動モータを収容するハウジングを備えていてもよい。前記ハウジングの、前記電動モータに最も近接する外面が、その外面を載置面とした時に自立不能な形状を有していてもよい。なお、ここでいう自立不能な形状とは、例えば、あらゆる平面に対して、高圧洗浄機の重心を投影した点を取り囲む3点で接することがない載置面の形状をいう。
【0021】
電動モータに最も近接する外面を載置面として高圧洗浄機を自立可能とすると、その状態で高圧洗浄機が使用されて、ハウジングの内部に水が溜まった時に、電動モータに水がかかって故障するおそれがある。上記の構成によれば、電動モータに最も近接する外面を載置面とした時に高圧洗浄機が自立できないので、その状態で高圧洗浄機が使用されることを防止することができる。このため、ハウジングの内部に水が溜まった場合に、電動モータに水がかかってしまうことを防止することができ、電動モータが故障することを防止することができる。
【0022】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ハウジングの、前記電動モータに最も近接する外面が、互いに直交する二方向に丸みを帯びた形状を有していてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、電動モータに最も近接する外面を載置面とした時に、確実に自立不能とすることができる。
【0024】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ハウジングの、前記電動モータに最も近接する外面が、外向きに突出する形状を有していてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、電動モータに最も近接する外面を載置面とした時に、確実に自立不能とすることができる。
【0026】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記高圧洗浄機は、前記電動モータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリが収容される空間を遮蔽する開閉可能なカバー部材をさらに備えていてもよい。前記高圧洗浄機では、前記高圧洗浄機を載置した時に、前記カバー部材が閉じた状態となってもよい。
【0027】
上記の構成によれば、高圧洗浄機を載置した状態で使用した時に、カバー部材が閉じた状態となるので、バッテリが収容される空間に水が流入することを防止することができる。
【0028】
(実施例)
実施例の高圧洗浄機2について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、高圧洗浄機2には、水道などの給水源10から耐圧ホース12を介して水などの洗浄水が供給される。高圧洗浄機2は、洗浄水を加圧して、高圧ホース14を介してトリガガン16に高圧の洗浄水を供給する。トリガガン16には、ノズル18が取り付けられている。トリガガン16は、ユーザの操作に応じて、ノズル18へ洗浄水を供給する状態と、ノズル18への洗浄水の供給を遮断する状態の間で切り換わる。ノズル18は、トリガガン16から供給される洗浄水を先端から噴射する。
【0029】
図2-
図4に示すように、高圧洗浄機2は、左側ハウジング20と、右側ハウジング22と、バッテリボックスカバー24と、アクセサリボックス26を備えている。なお、以下では左側ハウジング20と、右側ハウジング22と、バッテリボックスカバー24と、アクセサリボックス26を総称して、単にハウジング27ともいう。
図5に示すように、左側ハウジング20と右側ハウジング22によって、本体ハウジング28と、バッテリボックス30と、トップハンドル32が形成されている。左側ハウジング20は、本体ハウジング28と、バッテリボックス30と、トップハンドル32の左半面の外形形状を規定しており、右側ハウジング22は、本体ハウジング28と、バッテリボックス30と、トップハンドル32の右半面の外形形状を規定している。
【0030】
本体ハウジング28は、上下方向が左右方向よりも大きく、前後方向が上下方向よりも大きい略直方体形状を有している。本体ハウジング28の右面の前方下方には、右方向に突出する入水継手34が設けられている。入水継手34は、本体ハウジング28の内部から外部に突出しており、耐圧ホース12(
図1参照)を着脱可能である。入水継手34は、洗浄水が流入する入水口34aを備えている。本体ハウジング28の前面の下方には、前方向に突出する出水継手36が設けられている。出水継手36は、本体ハウジング28の内部から外部に突出しており、高圧ホース14(
図1参照)を着脱可能である。出水継手36は、洗浄水が流出する出水口36aを備えている。
【0031】
本体ハウジング28の前方上方に、バッテリボックス30が設けられている。バッテリボックス30は、前方上方に向けて開口した箱型形状を有している。バッテリボックス30は、左側の外面は本体ハウジング28の左側の外面と略面一となっており、右側の外面は本体ハウジング28の右側の外面よりも右側に突出している。
図6、
図7に示すように、バッテリボックス30の内部には、バッテリ38aを着脱可能なバッテリ取付部40aと、バッテリ38bを着脱可能なバッテリ取付部40bが設けられている。
図6に示すように、バッテリ38a、38bをバッテリ取付部40a、40bに取り付けた状態では、バッテリ38a、38bは左右方向に並んで配置されている。バッテリ38a、38bは、いずれも、リチウムイオンバッテリ等の二次電池である。バッテリ38a、38bの定格電圧は、例えば18Vである。バッテリ38a、38bは、バッテリ取付部40a、40bに対して所定のスライド方向にスライドさせることで、バッテリ取付部40a、40bに着脱可能である。
図7に示すように、バッテリ38a、38bのスライド方向は、本体ハウジング28の上下方向に対して、上方がやや前方に傾くように傾斜している。本体ハウジング28を左方(または右方)から平面視した時に、バッテリ取付部40aに取り付けた状態のバッテリ38aの位置および姿勢は、バッテリ取付部40bに取り付けた状態のバッテリ38bの位置および姿勢と、略一致している。バッテリ38a、38bをバッテリ取付部40a、40bに取り付けた状態では、バッテリ38a、38bは電気的に直列に接続されて、バッテリ38a、38bの定格電圧(例えば18V)の合計電圧(例えば36V)の電力が高圧洗浄機2に供給される。
【0032】
図2-
図4に示すように、バッテリボックス30の上部には、バッテリボックスカバー24が設けられている。バッテリボックスカバー24は、回動軸30a(
図5、
図6参照)周りに回動可能に、バッテリボックス30に連結されている。回動軸30aは、バッテリボックス30の後方上方に配置されており、左右方向に長手方向を有する。バッテリボックスカバー24は、図示しない捩じりバネによって、閉じる方向に付勢されている。バッテリボックスカバー24の先端には、ラッチ42が設けられている。
図5、
図6に示すように、バッテリボックス30の前方上方には、ラッチ受け30bが形成されている。バッテリボックスカバー24を閉じた状態で、ラッチ42を操作してラッチ受け30bに係合させることで、バッテリボックスカバー24は閉じた状態で維持される。この状態から、ラッチ42を操作してラッチ受け30bとの係合を解除して、捩じりバネの付勢力に抗してバッテリボックスカバー24の先端を押し上げると、バッテリボックスカバー24は開いた状態となる。
図6に示すように、バッテリボックス30の開口の周縁には、樹脂製のシール部材44が設けられている。このため、バッテリボックスカバー24を閉じて、ラッチ42をラッチ受け30bに係合させた状態では、バッテリボックス30とバッテリボックスカバー24の間の隙間がシール部材44によってシールされるため、バッテリボックス30の内部に水が流入することを防止することができる。
【0033】
図7に示すように、バッテリボックス30の後方には、バッテリボックス30の内部から本体ハウジング28の内部へ配線を通すための貫通孔30cが設けられている。バッテリ取付部40a、40bから伸びる配線は、貫通孔30cを介して、本体ハウジング28の内部に引き込まれる。貫通孔30cの本体ハウジング28側には、スポンジ46が設けられている。
図8に示すように、スポンジ46には、配線を挟持可能な切り込み46aが形成されている。貫通孔30cにスポンジ46が設けられていることで、貫通孔30cを介して本体ハウジング28の内部からバッテリボックス30の内部に水が流入したり、貫通孔30cを介してバッテリボックス30の内部から本体ハウジング28の内部に水が流入することを防止することができる。
【0034】
図7に示すように、バッテリボックス30の最下部には、水抜き孔30dが設けられている。これによって、仮にバッテリボックス30の内部に水が流入した場合でも、バッテリボックス30の内部の水を、水抜き孔30dを介して本体ハウジング28の内部へ排出することができる。
【0035】
図2-
図4に示すように、本体ハウジング28の後方上方には、上方に向けて突出する支持台28aが形成されている。トップハンドル32は、支持台28aの前方上方と、バッテリボックス30の後方上方を連結するように設けられている。トップハンドル32は略円筒形状を有している。ユーザはトップハンドル32を把持することで、高圧洗浄機2を持ち上げて運搬することができる。支持台28aの上面には、出水継手36からの洗浄水の吐出流量を調整するための調整ダイヤル48が設けられている。トップハンドル32の前端近傍の上面には、ユーザに高圧洗浄機2の状態を表示するとともに、ユーザからの操作入力を受け入れるための操作表示板50が設けられている。
【0036】
アクセサリボックス26は、本体ハウジング28の右面に取り付けられている。アクセサリボックス26の右側の外面は、バッテリボックス30の右側の外面と略面一となっている。アクセサリボックス26は、上方が開口した箱型形状を形成している。高圧洗浄機2を使用していない時には、トリガガン16、ノズル18、耐圧ホース12、高圧ホース14等の付属品を、アクセサリボックス26に入れておくことができる。この状態で、ユーザがトップハンドル32を把持して高圧洗浄機2を持ち上げることで、高圧洗浄機2を付属品とともに運搬することができる。
【0037】
アクセサリボックス26は、入水継手34の近傍において、略円錐台状に窪んだ形状を有している。入水継手34の先端は、アクセサリボックス26の外面よりも右側に突出していない。従って、耐圧ホース12を接続していない高圧洗浄機2が高所から落下して、高圧洗浄機2の右面が地面に衝突した場合でも、入水継手34の先端が地面に衝突して損傷することを防止することができる。
【0038】
本体ハウジング28は、出水継手36の近傍において、略台形柱状に窪んだ形状を有している。出水継手36の先端は、バッテリボックス30の外面と本体ハウジング28の外面に接する平面よりも前側に突出していない。従って、高圧ホース14を接続していない高圧洗浄機2が高所から落下して、高圧洗浄機2の前面が地面に衝突した場合でも、出水継手36の先端が地面に衝突して損傷することを防止することができる。
【0039】
図7に示すように、本体ハウジング28の内部には、ECU(Electronic Control Unit)52、ダイヤル検出スイッチ54、電動モータ56、動力伝達機構58、ポンプ機構60等が収容されている。ECU52は、本体ハウジング28の内部の上方中央に配置されている。ECU52は、ポンプ機構60の上方であって、トップハンドル32の下方に配置されている。バッテリ38a、38bをバッテリ取付部40a、40bに取り付けた状態では、ECU52は、下端がバッテリ38a、38bの下端よりも上方に位置し、上端がバッテリ38a、38bの上端よりも下方に位置するように、配置されている。ECU52は、高圧洗浄機2に搭載されている各種の電気部品の動作を制御する。ダイヤル検出スイッチ54は、本体ハウジング28の支持台28aの内部に配置されている。ダイヤル検出スイッチ54は、調整ダイヤル48の回転角度を検出する。操作表示板50とダイヤル検出スイッチ54は、それぞれ、図示しない配線を介して、ECU52に接続されている。また、ECU52は、貫通孔30cを貫通する配線(図示せず)を介して、バッテリ取付部40a、40bと接続されている。さらに、ECU52は、図示しない配線を介して、電動モータ56に接続されている。ECU52は、操作表示板50やダイヤル検出スイッチ54から入力される信号に基づいて、バッテリ38a、38bから電動モータ56に供給される電力を制御することで、電動モータ56の動作を制御する。
【0040】
図9、
図10に示すように、電動モータ56、動力伝達機構58およびポンプ機構60は、モータポンプユニット62としてユニット化されている。
【0041】
電動モータ56は、例えばアウタロータ型のブラシレスDCモータである。
図11に示すように、電動モータ56は、コイル61が巻回されたステータ64と、マグネット66を備えるロータ68と、ロータ68に固定された出力シャフト70と、出力シャフト70に固定されたファン72と、ステータ64、ロータ68およびファン72を収容するモータハウジング74を備えている。出力シャフト70の後端は、ベアリング75を介して、モータハウジング74に回転可能に支持されている。出力シャフト70の前端は、モータハウジング74から前方に突出している。出力シャフト70の前端には、ギヤ部70aが形成されている。
【0042】
図10に示すように、モータハウジング74は、後面に形成された給気口74aと、ファン72の近傍の周面に形成された排気口74bと、後端近傍の右側面に形成された貫通孔74cを備えている。コイル61は、貫通孔74cを貫通する配線(図示せず)を介して、ECU52に接続されている。ECU52は、スイッチング素子(図示せず)を備えており、スイッチング素子の導通および非導通を切り替えてコイル61に印加される電圧を制御することで、電動モータ56の動作を制御する。電動モータ56が出力シャフト70を回転させると、ファン72の回転によって、給気口74aを介してモータハウジング74の内部に空気が流入する。給気口74aから流入した空気は、ステータ64とロータ68の間の空間を通過した後、ファン72の外周側に位置する排気口74bを介してモータハウジング74の外部に流出する。
【0043】
図11に示すように、動力伝達機構58は、駆動シャフト78に固定されたスパーギヤ76と、スパーギヤ76および出力シャフト70のギヤ部70aを収容するギヤハウジング80を備えている。ギヤハウジング80は、モータハウジング74の前部に固定されている。出力シャフト70の前端は、ベアリング81を介してギヤハウジング80に回転可能に支持されている。スパーギヤ76は、出力シャフト70のギヤ部70aと噛み合うように配置されている。駆動シャフト78の後端は、ベアリング83を介してギヤハウジング80に回転可能に支持されている。駆動シャフト78は、出力シャフト70に対して略平行に配置されている。駆動シャフト78は、出力シャフト70に対して、下方に所定量オフセットした位置に配置されている。出力シャフト70の回転は、動力伝達機構58において所定の減速比で減速されて、駆動シャフト78に伝達する。
【0044】
図12に示すように、ポンプ機構60は、駆動シャフト78と、ワッブルプレート82と、複数のピストン84と、複数のピストン84それぞれに対応する複数の吸入バルブ86および複数の吐出バルブ88と、スプリングリテーナ90と、プレッシャピン92と、検出スイッチ94と、リリーフバルブ96と、ポンプハウジング98と、ピストンシリンダ100と、ピストンハウジング102と、ポンプヘッド104と、バルブホルダ106と、アジャストホルダ108を備えている。
【0045】
ワッブルプレート82は、ポンプハウジング98に収容されている。ワッブルプレート82は、駆動シャフト78の前端に固定されている。駆動シャフト78は、ベアリング110を介してポンプハウジング98に回転可能に支持されている。ワッブルプレート82の前面は、駆動シャフト78の回転軸に対して傾斜している。複数のピストン84は、それぞれ、後端がワッブルプレート82の前面に当接している。複数のピストン84は、それぞれ、前後方向に摺動可能に、ピストンシリンダ100に支持されている。ピストンシリンダ100は、ポンプハウジング98の前部に固定されている。複数のピストン84は、それぞれ、対応するバネ112によって、後方に向けて付勢されている。複数のピストン84は、ワッブルプレート82の回転に伴って、前後方向に摺動する。
【0046】
ピストンハウジング102は、ピストンシリンダ100の前部に固定されている。ピストンハウジング102には、吸入室102aと、吐出室102bと、複数のピストン84それぞれに対応する複数のピストン室102cが形成されている。複数のピストン室102cのそれぞれには、対応する複数の吸入バルブ86と、複数の吐出バルブ88がそれぞれ設けられている。複数のピストン室102cのそれぞれは、対応する吸入バルブ86を介して吸入室102aに連通しているとともに、対応する吐出バルブ88を介して吐出室102bに連通している。複数のピストン室102cのそれぞれの後部は、対応するピストン84の前面によって閉塞されている。複数の吸入バルブ86のそれぞれは逆止弁であって、ピストン84が後退する時に、吸入室102aからピストン室102cに洗浄水を吸入するとともに、ピストン84が前進する時に、ピストン室102cから吸入室102aに洗浄水が流出することを禁止する。複数の吐出バルブ88のそれぞれは逆止弁であって、ピストン84が前進する時に、ピストン室102cから吐出室102bに洗浄水を吐出するとともに、ピストン84が後退する時に、吐出室102bからピストン室102cに洗浄水が流入することを禁止する。
【0047】
ポンプヘッド104は、ピストンハウジング102の前部に固定されている。ポンプヘッド104には、入水継手34が接続される入水室104aと、出水継手36が接続される出水室104bと、圧力検出室104cが形成されている。入水室104aは、ピストンハウジング102の吸入室102aと連通している。出水室104bは、ピストンハウジング102の吐出室102bと連通している。出水室104bには、バルブホルダ106と、アジャストホルダ108が設けられている。バルブホルダ106は、複数の吐出バルブ88を保持している。バルブホルダ106とアジャストホルダ108の間には、スプリングリテーナ90が設けられている。スプリングリテーナ90は、出水室104bの圧力が吐出室102bの圧力よりも低い場合に、吐出室102bから出水室104bに洗浄水が流れることを許容し、出水室104bの圧力が吐出室102bの圧力よりも高い場合に、吐出室102bから出水室104bに洗浄水が流れることを禁止する。
【0048】
入水室104aと出水室104bは、リリーフ経路104dを介して連通している。入水室104aには、リリーフバルブ96が設けられている。リリーフバルブ96は、入水室104aの圧力が出水室104bの圧力よりも高い場合に、リリーフ経路104dを遮断し、入水室104aの圧力が出水室104bの圧力よりも低い場合に、リリーフ経路104dを開放する。リリーフ経路104dが開放されると、出水室104bの圧力は入水室104aの圧力まで減圧される。
【0049】
圧力検出室104cには、プレッシャピン92が設けられている。圧力検出室104cは、プレッシャピン92によって、前方側の空間と、後方側の空間に区画されている。プレッシャピン92は、前後方向に摺動可能にポンプヘッド104に支持されている。また、プレッシャピン92は、バネ114によって前方に向けて付勢されている。プレッシャピン92の後方には、検出スイッチ94が配置されている。検出スイッチ94は、図示しない配線を介してECU52に接続されている。圧力検出室104cのプレッシャピン92より前方側の空間は、第1圧力検出経路104eを介して、出水室104bのアジャストホルダ108より下流側の空間と連通している。圧力検出室104cのプレッシャピン92より後方側の空間は、第2圧力検出経路104fを介して、出水室104bのアジャストホルダ108より上流側の空間と連通している。
【0050】
高圧洗浄機2において、ポンプ機構60が洗浄水を吐出している時に、トリガガン16が、ノズル18へ洗浄水を供給する状態から、ノズル18への洗浄水の供給を遮断する状態に切り替わると、出水室104bの圧力が急激に上昇する。この場合、スプリングリテーナ90が吐出室102bから出水室104bに洗浄水が流れることを禁止するとともに、プレッシャピン92が後方に移動し、検出スイッチ94に当接する。ECU52は、検出スイッチ94の検出信号から、トリガガン16が、ノズル18へ洗浄水を供給する状態から、ノズル18への洗浄水の供給を遮断する状態に切り替わったことを認識して、電動モータ56を停止する。また、出水室104bの圧力が上昇したことで、リリーフバルブ96が開いてリリーフ経路104dが開放されて、出水室104bの圧力は入水室104aの圧力まで減圧される。
【0051】
図9、
図10に示すように、モータハウジング74は、左側の側面から左方向に突出する略円筒形状の左側支持部74dと、右側の側面から右方向に突出する略円筒形状の右側支持部74eを備えている。左側支持部74dは、左側支持部74dの外周側を囲む略円筒形状の防振ゴム116を介して、左側ハウジング20に支持されている。右側支持部74eは、右側支持部74eの外周側を囲む略円筒形状の防振ゴム118を介して、右側ハウジング22に支持されている。ポンプヘッド104は、左側の側面から左方向に突出する略円筒形状の左側支持部104gを備えている。また、ポンプヘッド104の入水室104aの近傍には、略円筒形状の右側支持部104hが形成されている。左側支持部104gは、左側支持部104gの外周側を囲む略円筒形状の防振ゴム120を介して、左側ハウジング20に支持されている。右側支持部104hは、右側支持部104hの外周側を囲む略円筒形状の防振ゴム122を介して、右側ハウジング22に支持されている。出水継手36は、出水継手36の外周側を囲む略円筒形状の防振ゴム124を介して、左側ハウジング20および右側ハウジング22に支持されている。
【0052】
図7に示すように、本体ハウジング28の内部は、左側ハウジング20および右側ハウジング22に形成された隔壁28bによって、ポンプ室28cと、ポンプ室28cの前方上方に配置された給気室28dと、ポンプ室28cの上方に配置されたECU室28eと、ポンプ室28cおよびECU室28eの後方に配置されたモータ室28fと、支持台28aの内部のスイッチ室28gに区画されている。給気室28dは、右側ハウジング22の右面の前方下方に形成された給気孔28h(
図5参照)を介して本体ハウジング28の外部に連通している。また、給気室28dは、バッテリボックス30の下面に沿って後方上方に向けて伸びており、ECU室28eの前方下部と連通している。ECU室28eの後方下部は、モータ室28fの前方上部と連通している。ポンプ室28cとモータ室28fの間の隔壁28bには、電動モータ56が貫通する貫通孔28iが形成されている。モータポンプユニット62を本体ハウジング28に取り付けた時の、電動モータ56と隔壁28bの間の貫通孔28iの隙間は、モータハウジング74の外周面に設けられた略円環状のスポンジ126によって閉塞される。モータポンプユニット62を本体ハウジング28に取り付けた状態では、電動モータ56のステータ64、ロータ68はモータ室28fに配置されており、電動モータ56のファン72、動力伝達機構58、ポンプ機構60はポンプ室28cに配置されている。この場合、モータハウジング74の給気口74aは、モータ室28fに配置され、モータハウジング74の排気口74bは、ポンプ室28cに配置される。ポンプ室28cの下面の中央には、ポンプ室28cから本体ハウジング28の外部へ水や空気を排出するための排出孔28jが形成されている。
【0053】
高圧洗浄機2において、電動モータ56が駆動すると、ファン72の回転によって、本体ハウジング28の外部から給気孔28hを介して給気室28dに空気が流入する。給気室28dに流入した空気は、ECU室28eを通過して、モータ室28fに流入する。モータ室28fに流入した空気は、給気口74aを介してモータハウジング74の内部に流入し、モータハウジング74の内部を後方から前方に向けて流れ、排気口74bを介してポンプ室28cに流入する。ポンプ室28cに流入した空気は、排出孔28jを介して本体ハウジング28の外部に排出される。この空気の流れによって、本体ハウジング28の内部の、ECU52、電動モータ56、ポンプ機構60等が冷却される。
【0054】
バッテリボックス30の水抜き孔30dは、給気室28dに連通している。このため、バッテリボックス30から水抜き孔30dを介して本体ハウジング28の内部に流入した水は、ECU室28e、モータ室28f、スイッチ室28g等に流入することがない。
【0055】
図3に示すように、本実施例の高圧洗浄機2では、高圧洗浄機2を上方から平面視した時に、バッテリ38a、38bを取り付けた状態での重心G1の位置が、左右方向に関して、トップハンドル32の中心線から左右方向にトップハンドル32の幅Wの1.5倍の範囲内に位置している。このため、バッテリ38a、38bを取り付けた状態の高圧洗浄機2を、トップハンドル32を把持して持ち上げる際に、左右方向のバランスを取りやすい。また、本実施例の高圧洗浄機2では、高圧洗浄機2を上方から平面視した時に、バッテリ38a、38bを取り外した状態での重心G2の位置が、左右方向に関して、トップハンドル32の中心線から左右方向にトップハンドル32の幅Wの1.5倍の範囲内に位置している。このため、バッテリ38a、38bを取り外した状態の高圧洗浄機2を、トップハンドル32を把持して持ち上げる際に、左右方向のバランスを取りやすい。
【0056】
図4に示すように、本実施例の高圧洗浄機2では、高圧洗浄機2を左方から平面視した時に、バッテリ38a、38bを取り付けた状態での重心G1の位置が、前後方向に関して、トップハンドル32の下面の前端から後端の範囲内に位置している。このため、バッテリ38a、38bを取り付けた状態の高圧洗浄機2を、トップハンドル32を把持して持ち上げる際に、前後方向のバランスを取りやすい。また、本実施例の高圧洗浄機2では、高圧洗浄機2を左方から平面視した時に、バッテリ38a、38bを取り外した状態での重心G2の位置が、前後方向に関して、トップハンドル32の下面の前端から後端の範囲内に位置している。このため、バッテリ38a、38bを取り外した状態の高圧洗浄機2を、トップハンドル32を把持して持ち上げる際に、前後方向のバランスを取りやすい。
【0057】
図2に示すように、本実施例の高圧洗浄機2では、ハウジング27の右面に入水口34aが配置されており、ハウジング27の前面に出水口36aが配置されている。
図3、
図4に示すように、入水口34aや出水口36aが配置されていないハウジング27の外面、すなわち底面、左面、後面、上面のうち、電動モータ56に最も近接する外面である後面は、上下方向および左右方向に丸みを帯びた形状となっている。このため、ハウジング27の後面を載置面とした時に、高圧洗浄機2は自立することができず倒れてしまう。これによって、ハウジング27の後面を載置面として高圧洗浄機2を載置した状態で高圧洗浄機2が使用されることを防止することができる。仮に、ハウジング27の内部に水が溜まった場合であっても、電動モータ56に水がかかることを防止することができる。なお、ハウジング27の後面の形状は、載置面とした時に自立不能な形状であれば、どのような形状であってもよい。
【0058】
以上のように、1つまたはそれ以上の実施形態において、高圧洗浄機2は、入水口34aに供給される水を加圧して出水口36aから送り出すポンプ機構60と、ポンプ機構60を駆動する電動モータ56と、ポンプ機構60および電動モータ56を収容するハウジング27と、ハウジング27に着脱可能に取り付けられ、電動モータ56に給電する複数のバッテリ38a、38bを備えている。
【0059】
上記の構成によれば、例えば複数の低電圧(例えば18V)のバッテリ38a、38bを電気的に直列に接続することで、電動モータ56に高電圧(例えば36V)で給電することができる。高出力の高圧洗浄機2に、低電圧のバッテリ38a、38bを使用可能とすることができる。
【0060】
1つまたはそれ以上の実施形態において、高圧洗浄機2は、ハウジング27の上部に設けられており、高圧洗浄機2を上方から平面視したときに前後方向に長手方向を有するトップハンドル32をさらに備えている。複数のバッテリ38a、38bを取り付けたときの、高圧洗浄機2の重心G1の左右方向の位置は、トップハンドル32の中心線から左右方向にトップハンドル32の幅の1.5倍の範囲内に位置している。
【0061】
上記の構成によれば、トップハンドル32を把持して高圧洗浄機2を持ち上げた時に、左右方向のバランスを取りやすくなる。
【0062】
1つまたはそれ以上の実施形態において、高圧洗浄機2は、ハウジング27の上部に設けられており、高圧洗浄機2を上方から平面視したときに前後方向に長手方向を有するトップハンドル32をさらに備えている。複数のバッテリ38a、38bを取り付けたときの、高圧洗浄機2の重心G1の前後方向の位置は、トップハンドル32の下面の前端から後端の範囲内に位置している。
【0063】
上記の構成によれば、トップハンドル32を把持して高圧洗浄機2を持ち上げた時に、前後方向のバランスを取りやすくなる。
【0064】
1つまたはそれ以上の実施形態において、高圧洗浄機2は、駆動シャフト78の回転に応じて、入水口34aに供給される水を加圧して出水口36aから送り出すポンプ機構60と、出力シャフト70を駆動する電動モータ56と、出力シャフト70から駆動シャフト78へ動力を伝達する動力伝達機構58と、ポンプ機構60、電動モータ56および動力伝達機構58を収容するハウジング27を備えている。出力シャフト70は、駆動シャフト78に対して、略平行に配置されている。出力シャフト70は、駆動シャフト78よりも、上方に配置されている。
【0065】
上記の構成では、電動モータ56の出力シャフト70がポンプ機構60の駆動シャフト78よりも上方に配置されているので、電動モータ56はポンプ機構60に比べてやや上方に配置される。このため、ポンプ機構60から水が漏出した場合であっても、電動モータ56に水がかかることを防止することができ、電動モータ56が故障することを防止することができる。
【0066】
1つまたはそれ以上の実施形態において、高圧洗浄機2は、ハウジング27に着脱可能に取り付けられ、電動モータ56に給電するバッテリ38a、38bをさらに備えている。バッテリ38a、38bを取り付けたときの、バッテリ38a、38bの下端の位置は、駆動シャフト78よりも、上方に配置されている。
【0067】
バッテリ38a、38bに水がかかってしまうと、バッテリ38a、38bが故障してしまうおそれがある。上記の構成では、バッテリ38a、38bの下端がポンプ機構60の駆動シャフト78よりも上方に配置されているので、バッテリ38a、38bはポンプ機構60に比べてやや上方に配置される。このため、ポンプ機構60から水が漏出した場合であっても、バッテリ38a、38bに水がかかることを防止することができ、バッテリ38a、38bが故障することを防止することができる。
【0068】
1つまたはそれ以上の実施形態において、高圧洗浄機2は、ハウジング27に収容されており、電動モータ56の動作を制御するECU52をさらに備えていてもよい。ECU52は、ポンプ機構60の上方に配置されている。
【0069】
ECU52に水がかかってしまうと、ECU52が故障してしまうおそれがある。上記の構成では、ECU52がポンプ機構60の上方に配置されている。このため、ポンプ機構60から水が漏出した場合であっても、ECU52に水がかかることを防止することができ、ECU52が故障することを防止することができる。
【0070】
1つまたはそれ以上の実施形態において、高圧洗浄機2は、入水口34aに供給される水を加圧して出水口36aから送り出すポンプ機構60と、ポンプ機構60を駆動する電動モータ56と、ポンプ機構60および電動モータ56を収容するハウジング27を備えている。ハウジング27の、電動モータ56に最も近接する外面は、その外面を載置面とした時に自立不能な形状を有している。
【0071】
電動モータ56に最も近接する外面を載置面として高圧洗浄機2を自立可能とすると、その状態で高圧洗浄機2が使用されて、ハウジング27の内部に水が溜まった時に、電動モータ56に水がかかって故障するおそれがある。上記の構成によれば、電動モータ56に最も近接する外面を載置面とした時に高圧洗浄機2が自立できないので、その状態で高圧洗浄機2が使用されることを防止することができる。このため、ハウジング27の内部に水が溜まった場合に、電動モータ56に水がかかってしまうことを防止することができ、電動モータ56が故障することを防止することができる。
【0072】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ハウジング27の、電動モータ56に最も近接する外面は、互いに直交する二方向に丸みを帯びた形状を有している。
【0073】
上記の構成によれば、電動モータ56に最も近接する外面を載置面とした時に、確実に自立不能とすることができる。
【0074】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ハウジング27の、電動モータ56に最も近接する外面は、外向きに突出する形状を有している。
【0075】
上記の構成によれば、電動モータ56に最も近接する外面を載置面とした時に、確実に自立不能とすることができる。
【0076】
1つまたはそれ以上の実施形態において、高圧洗浄機2は、電動モータ56に電力を供給するバッテリ38a、38bと、バッテリ38a、38bが収容される空間を遮蔽する開閉可能なバッテリボックスカバー24(カバー部材の例)をさらに備えている。高圧洗浄機2では、高圧洗浄機2を載置した時に、バッテリボックスカバー24が閉じた状態となる。
【0077】
上記の構成によれば、高圧洗浄機2を載置した状態で使用した時に、バッテリボックスカバー24が閉じた状態となるので、バッテリ38a、38bが収容される空間に水が流入することを防止することができる。
【0078】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0079】
2 :高圧洗浄機
10 :給水源
12 :耐圧ホース
14 :高圧ホース
16 :トリガガン
18 :ノズル
20 :左側ハウジング
22 :右側ハウジング
24 :バッテリボックスカバー
26 :アクセサリボックス
27 :ハウジング
28 :本体ハウジング
28a :支持台
28b :隔壁
28c :ポンプ室
28d :給気室
28e :ECU室
28f :モータ室
28g :スイッチ室
28h :給気孔
28i :貫通孔
28j :排出孔
30 :バッテリボックス
30a :回動軸
30b :ラッチ受け
30c :貫通孔
30d :水抜き孔
32 :トップハンドル
34 :入水継手
34a :入水口
36 :出水継手
36a :出水口
38a :バッテリ
38b :バッテリ
40a :バッテリ取付部
40b :バッテリ取付部
42 :ラッチ
44 :シール部材
46 :スポンジ
46a :切り込み
48 :調整ダイヤル
50 :操作表示板
52 :ECU
54 :ダイヤル検出スイッチ
56 :電動モータ
58 :動力伝達機構
60 :ポンプ機構
61 :コイル
62 :モータポンプユニット
64 :ステータ
66 :マグネット
68 :ロータ
70 :出力シャフト
70a :ギヤ部
72 :ファン
74 :モータハウジング
74a :給気口
74b :排気口
74c :貫通孔
74d :左側支持部
74e :右側支持部
75 :ベアリング
76 :スパーギヤ
78 :駆動シャフト
80 :ギヤハウジング
81 :ベアリング
82 :ワッブルプレート
83 :ベアリング
84 :ピストン
86 :吸入バルブ
88 :吐出バルブ
90 :スプリングリテーナ
92 :プレッシャピン
94 :検出スイッチ
96 :リリーフバルブ
98 :ポンプハウジング
100 :ピストンシリンダ
102 :ピストンハウジング
102a :吸入室
102b :吐出室
102c :ピストン室
104 :ポンプヘッド
104a :入水室
104b :出水室
104c :圧力検出室
104d :リリーフ経路
104e :第1圧力検出経路
104f :第2圧力検出経路
104g :左側支持部
104h :右側支持部
106 :バルブホルダ
108 :アジャストホルダ
110 :ベアリング
112 :バネ
114 :バネ
116 :防振ゴム
118 :防振ゴム
120 :防振ゴム
122 :防振ゴム
124 :防振ゴム
126 :スポンジ