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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-12
(45)【発行日】2022-07-21
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220713BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019177149
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021052915
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2020-11-18
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】郡山 優弥
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 裕昌
(72)【発明者】
【氏名】大岩 剛
(72)【発明者】
【氏名】関根 浩平
(72)【発明者】
【氏名】村上 学
(72)【発明者】
【氏名】林 将仁
(72)【発明者】
【氏名】汐崎 賢
(72)【発明者】
【氏名】酒井 大介
【審査官】平井 隼人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-148380(JP,A)
【文献】特開2018-038723(JP,A)
【文献】特開2005-192826(JP,A)
【文献】特開2017-209380(JP,A)
【文献】特開2007-260254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の表示オブジェクトを表示可能な表示手段を備え、
重ねて配置される第1の画像、第2の画像及び第3の画像を含む複数の画像を備えるとともに、前記第1の画像の背面側に前記第2の画像を配置し、前記第2の画像の背面側に前記第3の画像を配置し、かつ当該複数の画像のうち前記第1の画像及び前記第2の画像に対して共通の画像処理を行うことにより、当該第1の画像及び当該第2の画像は当該画像処理に基づく特定の動作を行い得るものの、前記第3の画像は当該特定の動作を行わないように構成された表示オブジェクトを前記表示手段において表示可能であり、
前記第1の画像は透過性を有し、前記第1の画像を介して前記第2の画像及び前記第3の画像を同時に視認可能であり、
前記表示オブジェクトが所定の動作を行うように表示可能であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、遊技領域に設けられた始動領域(始動入賞口)への遊技球の進入を契機として、遊技者に有利な特別遊技の実行可否を決定する大当たりの抽選や、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の態様の決定を行い、決定された態様で変動演出を実行するものが知られている。また、一般的に、変動演出においては、数字が表示された演出図柄の変動表示が行われ、演出図柄の停止表示態様により大当たりの抽選の結果が報知される。
また、近年では、画像技術の向上により、演出図柄を含め各種演出に用いられる種々の画像が、奥行きを表現した立体的な画像により構成されたものも知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-039656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、立体的な画像を用いて演出を実行することにより演出効果が向上し、遊技者の興趣を高めることができるものの、演出の多様化が進む近年においては、より斬新な画像表現による演出の登場が望まれていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、より斬新な画像表現による演出を実行することが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
【0007】
(1)本発明に係る遊技機は、所定の表示オブジェクトを表示可能な表示手段を備え、重ねて配置される第1の画像、第2の画像及び第3の画像を含む複数の画像を備えるとともに、前記第1の画像の背面側に前記第2の画像を配置し、前記第2の画像の背面側に前記第3の画像を配置し、かつ当該複数の画像のうち前記第1の画像及び前記第2の画像に対して共通の画像処理を行うことにより、当該第1の画像及び当該第2の画像は当該画像処理に基づく特定の動作を行い得るものの、前記第3の画像は当該特定の動作を行わないように構成された表示オブジェクトを前記表示手段において表示可能であり、前記第1の画像は透過性を有し、前記第1の画像を介して前記第2の画像及び前記第3の画像を同時に視認可能であり、前記表示オブジェクトが所定の動作を行うように表示可能であることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る遊技機によれば、表示手段に表示される表示オブジェクトは、第1の画像、第2の画像及び第3の画像を含む複数の画像を重ねて配置されて構成されていることから、奥行きが生じた立体オブジェクトとして表現されることとなる。さらに、表示オブジェクトを構成する複数の画像のうち、第1の画像及び第2の画像は特定の動作を行い、第3の画像は特定の動作を行わないことから、この表示オブジェクト内で、第3の画像は停止したまま、第1の画像及び第2の画像が特定の動作をするという表現が可能となる。これにより、斬新な画像表現による演出を実行することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、より斬新な画像表現による演出を実行することが可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】パチンコ機の外観斜視図である。
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
図3】パチンコ機の遊技盤の正面概略図である。
図4】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
図5】パチンコ機の大当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
図6】パチンコ機の当たり図柄乱数判定テーブルの説明図である。
図7】パチンコ機のリーチグループ決定乱数判定テーブルの説明図である。
図8】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
図9】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
図10】パチンコ機の変動パターン抽選テーブルの説明図である。
図11】パチンコ機の変動時間決定テーブルの説明図である。
図12】パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
図13】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
図14】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
図15】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
図16】パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。
図17】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
図18】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
図19】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図20】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図21】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図22】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図23】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
図24】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
図25】パチンコ機の主制御基板における変動演出パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
図26】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
図27】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
図28】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
図29】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
図30】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
図31】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
図32】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
図33】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
図34】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
図35】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
図36】パチンコ機の数字図柄を構成する画像の配置を示す図である。
図37】パチンコ機の数字図柄を構成する画像の揺動動作を示す図である。
図38】パチンコ機の数字図柄の態様の一例を示す図である。
図39】パチンコ機の視覚化演出の態様の一例を示す図である。
図40】パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
図41】パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
図42】パチンコ機の副制御基板における変動用コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本形態に係るパチンコ機Pは、図1又は図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0014】
機枠1の左下部には、図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
また、この遊技領域12内には、図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、が設けられている。
【0020】
一般入賞口14は、図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0021】
第1始動入賞口15は、図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、図3に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。この第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
【0022】
また、第2始動入賞口16には、図3に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0023】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、賞球が払い出されるとともに、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を得られるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
【0024】
ゲート20は、図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0025】
アタッカー装置17は、図3に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
そして、大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
また、図3に示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
このように、第1遊技領域12aを流下する遊技球は第1始動入賞口15への入球が可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
【0026】
アウト口19は、図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0027】
演出表示装置21は、図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0028】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(図1参照)を備えている。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21において所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、上述の所定の演出が進行したり、異なる演出に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
【0029】
また、図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0030】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0031】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、図4に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
【0032】
また、図4に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。
さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0033】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0034】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、及び、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技を制御する。
この主制御基板100は、図4に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0035】
また、図4に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波及び遊技盤11を揺らす等により生ずる振動を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
【0036】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16や大入賞口18の開閉制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
【0037】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0038】
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0039】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0040】
また、発射払出制御基板200には、図4に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0041】
さらに、発射払出制御基板200には、図4に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0042】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、扉閉鎖コマンドを主制御基板100に送信する。
【0043】
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられており、受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなり、検出信号が発射払出制御基板200に出力されるようになっている。そして、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間、検出信号が発射払出制御基板200に対して連続的に出力されることとなる。発射払出制御基板200は、検出信号が所定時間連続して入力されることにより、受皿7が満タン状態であると判断して、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、発射払出制御基板200への検出信号の連続的な入力が途絶えると、受皿7の満タン状態が解除されたものと判断し、受皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
【0044】
また、本形態では、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。換言すれば、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、発射払出制御基板200が、遊技球貸出制御基板400を介して遊技球貸出装置Rに接続されている。
また、図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0045】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0046】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、図4に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
【0047】
また、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0048】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
【0049】
画像制御基板は、特に図示していないが、CPU、ROM、RAM及びVRAM等を備えている。この画像制御基板のROMには、演出表示装置21に表示される演出図柄50、背景、各種演出で用いられる所定の画像(たとえば、変動演出におけるカットイン画像や発展演出画像等)の画像データが多数格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、CPUが、ROMから読み出した画像データをVRAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
たとえば、変動演出を実行する場合には、副制御基板300のサブCPU301は、大当たりの抽選の結果に応じて変動演出の実行態様(停止表示させる演出図柄50の種類、変動演出中に表示する各種画像の種類等)を決定し、当該決定された実行態様による変動演出を実行し、かつ演出図柄50を停止表示させるためのコマンド(以下、変動演出実行コマンドという)を画像制御基板に送信する。そして、副制御基板300から送信された変動演出実行コマンドに基づき、画像制御基板のCPUが、画像制御基板のROMに格納されている画像データを読み出しVRAMに記憶することにより、当該画像データに基づく画像が再生され変動演出が実行されることとなる。
なお、上述の画像データは、画像制御基板のROMに格納するのではなく、副制御基板300のサブROM302に格納してもよい。そして、演出表示装置21に各種画像を表示する場合には、副制御基板300から対応する画像データを画像制御基板に送信し、受信した画像データをVRAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御してもよい。
【0050】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドROM、デコーダ、出力インターフェース、CPU、RAM、タイマカウンタ等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM(以下、音声等という)のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300のサブCPU301が送信するコマンドを受信すると、デコーダが、受信したコマンドに対応するサウンドデータをサウンドROMから読み出し復号化(デコード)する。このデコーダは、音声等を出力するためのチャンネルを所定数(本形態では40個)備えており、所定数の種類の音声等をそれぞれ独立して同時に出力することができるようになっている。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、各種演出において出力される音声等の種類ごとに、当該音声等の出力に使用するチャンネルが予め対応付けられている。これにより、音声等は予め対応付けられたチャンネルにより出力されるようになっている。そして、デコーダの各チャンネルにおいて復号化されたサウンドデータがアナログデータに変換され、このアナログデータに基づいて、所定の音声が出力インタフェースを介して音声出力装置10から出力されることとなる。
【0051】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0052】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、低確率時短遊技状態という)、又は、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
【0053】
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0054】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態に設定されるようになっている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、大入賞口18への入球、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球が可能となっている。そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率時短遊技状態中、低確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率時短遊技状態中、低確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
【0055】
この大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に用いられる乱数として、大当たりの判定に用いられる大当たり決定乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる当たり図柄乱数、並びに、上述の変動演出のパターン(以下、変動演出パターンという)を決定するための変動モード番号、変動パターン番号の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり決定乱数は、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
【0056】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0057】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0058】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
【0059】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係るテーブルとして、大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113、及び、変動パターン抽選テーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0060】
大当たり決定乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、図5(a)及び(b)に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり決定乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり決定乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり決定乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
【0061】
図5(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり決定乱数が1000~1219であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~999、1220~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/297.9となる。
【0062】
また、図5(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり決定乱数が1000~2119であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~999、2120~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/58.5となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
【0063】
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(1000~1219)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(1000~2119)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
【0064】
当たり図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、図6(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の当たり図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの当たり図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された当たり図柄乱数と選択された当たり図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0065】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として4種類の特別図柄(X1、X2、X3、X4)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Y1、Y2)が設けられている。
【0066】
図6(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、当たり図柄乱数が0~79であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が80~109であった場合に特別図柄X2が決定され、当たり図柄乱数が110~129であった場合に特別図柄X3が決定され、当たり図柄乱数が130~199であった場合に特別図柄X4が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、特別図柄X1が決定される確率は40%、特別図柄X2が決定される確率は15%、特別図柄X3が決定される確率は10%、特別図柄X4が決定される確率は35%となっている。
【0067】
また、図6(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、当たり図柄乱数が0~89であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が90~129であった場合に特別図柄X2が決定され、当たり図柄乱数が130~199であった場合に特別図柄X4が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、特別図柄X1が決定される確率は45%、特別図柄X2が決定される確率は20%、特別図柄X4が決定される確率は35%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、各当たり図柄乱数判定テーブル111において異なる大当たり図柄が決定されるようになっているが、いずれの当たり図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
【0068】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y2が決定される。
すなわち、当たり図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0069】
リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113及び変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号の決定に用いられるテーブルである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選によって特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号が決定されるとともに、決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成される。そして、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、演出表示装置21の表示部21aに表示する画像等)を決定する。変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、変動演出の変動時間及び態様の決定に用いられるコマンドである。
【0070】
そして、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するために用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)ごとに複数設けられている。ここでは、図7(a)~(c)に示すように、遊技状態が非時短遊技状態であってかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112、及び、遊技状態が時短遊技状態であってかつ第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112について説明し、他のリーチグループ決定乱数判定テーブル112については説明を省略する。
【0071】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
【0072】
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態でありかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0又は1であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、当該抽選時の第1特図保留数が2以上であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される(図7(a)及び(b)参照)。
また、遊技状態が時短遊技状態でありかつ第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときは、当該抽選時の第2特図保留数が0~3であった場合に(すなわち、第2特図保留数がいかなる個数であっても)、第3判定テーブル112cが選択される(図7(c)参照)。
【0073】
そして、図7(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0~299であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が300~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
また、図7(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
さらに、図7(c)に示すように、第3判定テーブル112cによれば、リーチグループ決定乱数が0~7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000~8999であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
【0074】
また、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
【0075】
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブルと、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用判定テーブルと、を備えている。
【0076】
また、ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている。ここでは、図8(a)~(e)に示すように、「第1グループ」が決定された場合に参照される第1グループ用判定テーブル113a、「第2グループ」が決定された場合に参照される第2グループ用判定テーブル113b、「第3グループ」が決定された場合に参照される第3グループ用判定テーブル113c、「第4グループ」が決定された場合に参照される第4グループ用判定テーブル113d、「第5グループ」が決定された場合に参照される第5グループ用判定テーブル113eについて説明する。
【0077】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、及び、変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0078】
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択され、「第4グループ」が決定された場合に第4グループ用判定テーブル113dが選択され、「第5グループ」が決定された場合に第5グループ用判定テーブル113eが選択される(図8(a)~(e)参照)。
【0079】
そして、図8(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定されるとともに、第1変動テーブル114aが選択される。
また、図8(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「00H」の変動モード番号が決定されるとともに、第2変動テーブル114bが選択される。
また、図8(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、第3変動テーブル114cが選択される。
また、図8(d)に示すように、第4グループ用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに、第4変動テーブル114dが選択される。
また、図8(e)に示すように、第5グループ用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0~1799であった場合に、「02H」という変動モード番号が決定されるとともに、第5変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が1800~2038であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、第5変動テーブル114eが選択される。
【0080】
また、大当たり用判定テーブルは、大当たりの当選時(すなわち、大当たりの抽選時)の遊技状態、及び、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図9(a)及び(b)に示すように、大当たり用判定テーブルとして、非時短遊技状態において特別図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合に参照される第1大当たり用判定テーブル113f、及び、時短遊技状態において特別図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合に参照される第2大当たり用判定テーブル113gが設けられている。
【0081】
そして、大当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、決定された特別図柄の種別、及び、大当たりの当選時の遊技状態に対応する大当たり用判定テーブルが選択され、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された大当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0082】
具体的には、非時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合に、第1大当たり用判定テーブル113fが選択され、時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合に、第2大当たり用判定テーブル113gが選択される(図9(a)及び(b)参照)。
【0083】
そして、図9(a)に示すように、第1大当たり用判定テーブル113fによれば、リーチモード決定乱数が0~199であった場合に、「A1H」という変動モード番号が決定されるとともに、第30変動テーブル114fが選択される。また、リーチモード決定乱数が200~1299であった場合に、「A2H」という変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が1300~2038であった場合に、「A3H」という変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択される。
また、図9(b)に示すように、第2大当たり用判定テーブル113gによれば、リーチモード決定乱数が0~699であった場合に、「A2H」の変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択され、リーチモード決定乱数が700~2038であった場合に、「A3H」の変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択される。
【0084】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たりの当選時の遊技状態、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルが設けられているが、遊技球が入球した始動入賞口の種別を考慮して、大当たりの当選時の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
【0085】
変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、図10(a)~(h)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b、第3変動テーブル114c、第4変動テーブル114d及び第5変動テーブル114e、並びに、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114f、第31変動テーブル114g及び第32変動テーブル114hについて説明する。
【0086】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と、上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号が決定される。
たとえば、図10(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に(すなわち、変動パターン乱数がいかなる値であっても)「00H」という変動パターン番号が決定される。また、図10(d)に示すように、第4変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に「05H」という変動パターン番号が決定される。
【0087】
また、図10(g)に示すように、第31変動テーブル114gによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定される。また、図10(h)に示すように、第32変動テーブル114hによれば、変動パターン乱数が0~89であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が90~249であった場合に「A7H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動パターンテーブル114によっても、変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(図10参照)。
【0088】
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時(すなわち、後述する特別図柄の変動表示の開始時(変動演出の開始時))に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態や保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを決定するためのものであり、変動モード番号及び変動パターン番号により、変動演出の態様及び変動時間が定められるようになっている。ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられている。そして、変動演出の前半部分の態様及び変動時間は、変動モード番号により決定され、変動演出の後半部分の態様及び変動時間は、変動パターン番号により決定されるようになっている。
【0089】
次に、特図遊技における変動演出の変動時間の決定処理や特別遊技の制御について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pは、上述の各種処理や特別遊技の制御を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特別電動役物作動テーブル116、及び、遊技状態設定テーブル117等を備えている。
【0090】
変動時間決定テーブル115は、変動演出の変動時間を決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pは、この変動時間決定テーブル115として、各変動モード番号に対応する変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が定められた第1変動時間決定テーブル115a、及び、各変動パターン番号に対応する変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)が定められた第2変動時間決定テーブル115bを備えている(図11(a)及び(b)参照)。
【0091】
そして、変動モード番号が決定されると、この決定された変動モード番号及び第1変動時間決定テーブル115aに基づき、対応する前半変動時間が決定される。また、変動パターン番号が決定されると、この決定された変動パターン番号及び第2変動時間決定テーブル115bに基づき、対応する後半変動時間が決定される。このように決定された前半変動時間と後半変動時間の合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の全体の変動時間に相当する。
また、決定された変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0092】
たとえば、決定された変動モード番号が「02H」及び変動パターン番号が「06H」であった場合には、変動モード番号「02H」に対応して「15秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「06H」に対応して「60秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「75秒(=15秒+60秒)」が、変動演出の全体の変動時間、すなわち特別図柄の変動表示の時間となる。
また、決定された変動モード番号が「A3H」及び変動パターン番号が「A7H」であった場合には、変動モード番号「A3H」に対応して「30秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「A7H」に対応して「120秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「150秒(=30秒+120秒)」が、変動演出の全体の変動時間、すなわち特別図柄の変動表示の時間となる。
【0093】
なお、図11(a)に示すように、「00H」の変動モード番号には「0秒」の前半変動時間が定められており、この変動モード番号が決定された場合には、変動演出の前半部分は実行されることなく、決定された変動パターン番号に基づき変動演出の後半部分のみが実行されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレの場合にのみ変動モード番号「00H」が決定されるため(図8及び図9参照)、当該変動モード番号が決定された場合には必ず、変動演出においてハズレの表示が行われることとなる。
【0094】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、この決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成され、副制御基板300に送信される。そして、副制御基板300においては、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されるようになっている。具体的には、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。
なお、変動演出の態様については、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、変動モードコマンドや変動パターンコマンドに基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出の態様は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンド又は変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて決定してもよい。
【0095】
特別電動役物作動テーブル116は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、図12(a)~(c)に示すように、特別電動役物作動テーブル116として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル116aと、特別図柄X2又はX4が決定された場合に参照される第2作動テーブル116bと、特別図柄X3が決定された場合に参照される第3作動テーブル116cと、が設けられている。
【0096】
具体的には、特別図柄X1が決定されると、図12(a)に示すように、第1作動テーブル116aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル116aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が16回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
【0097】
特別図柄X2又はX4が決定されると、図12(b)に示すように、第2作動テーブル116bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル116bによれば、第1作動テーブル116aと同態様のラウンド遊技が4回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル116aと同様の内容に設定されている。
なお、特別遊技中に実行されるラウンド遊技の回数が上述のように設定されているため、特別遊技中に獲得可能な賞球の期待値は、特別図柄X2又はX4が決定された場合よりも、特別図柄X1が決定された場合の方が多くなっている。
【0098】
特別図柄X3が決定されると、図12(c)に示すように、第3作動テーブル116cを参照して特別遊技が実行される。この第3作動テーブル116cによれば、大入賞口18が0.5秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が2回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、インターバル時間は0.1秒に設定されている。
なお、特別図柄X3の決定に基づく特別遊技においては、各ラウンド遊技中に大入賞口18が0.5秒しか開放されないため、当該ラウンド遊技中に遊技球を入球させることはほぼ不可能となっている。
【0099】
遊技状態設定テーブル117は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了後の遊技状態が、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別により決定されるようになっている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pには、図13に示すように、遊技状態設定テーブル117として、特別図柄X1、X2又はX3が決定された場合に参照される第1状態設定テーブル117aと、特別図柄X4が決定された場合に参照される第2状態設定テーブル117bと、が設けられている。
【0100】
具体的には、図13(a)に示すように、特別図柄X1、X2又はX3が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されると同時に、時短遊技状態に設定される。そして、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)が10000回に設定されるとともに、時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)が10000回に設定される。すなわち、特別図柄X1、X2又はX3が決定された場合に実行される特別遊技の終了後は、遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され(高確率時短遊技状態へ移行し)、大当たりの抽選の結果が10000回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。
なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/58.6となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、高確率時短遊技状態が継続することとなる。
【0101】
また、図13(b)に示すように、特別図柄X4が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定されると同時に、時短遊技状態に設定される。そして、時短回数が30回に設定される。すなわち、特別図柄X4が決定された場合に実行される特別遊技の終了後は、遊技状態が低確率時短遊技状態に設定され、大当たりの抽選の結果が30回導出されるまで、低確率時短遊技状態が継続する。
そして、上述の特別遊技が終了して遊技状態が低確率時短遊技状態に設定された場合、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、30回の大当たりの抽選の結果がすべてハズレとなると、時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されるため、遊技状態は通常遊技状態に変更されることとなる。
【0102】
なお、上述のように、特別図柄X3が決定された場合には、特別遊技中において、大入賞口18が0.5秒開放されるラウンド遊技が2回実行されるが、この特別遊技は極めて短い時間で終了することとなる。また、特別図柄X3が決定された場合には、演出表示装置21において、後述する演出図柄50による大当たりの当選の報知や特別遊技の実行に伴う演出が行われない。そのため、大当たりに当選し特別図柄X3が決定された旨、及び、特別図柄X3の決定に基づく特別遊技の実行を把握困難となっており、変動演出が終了した後に、突然、高確率時短遊技状態へ移行したような印象を遊技者に与えることができるようになっている。
【0103】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル118に基づいて、行われる。
【0104】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されることを「普図保留」ともいう。
【0105】
また、当たり決定乱数判定テーブル118は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、図14(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において参照される非時短判定テーブル118aと、時短遊技状態において参照される時短判定テーブル118bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル118aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル118aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル118bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル118bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0106】
この非時短判定テーブル118aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル118aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、時短判定テーブル118bによれば、当たり決定乱数が1~65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル118bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0107】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動や可動片16bの開閉の制御に係るテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル119、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル120等を備えている。
【0108】
普通図柄変動パターン決定テーブル119は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。普通図柄の変動パターンには、それぞれ普通図柄の変動時間が対応付けられている。そして、上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル119に基づいて普通図柄の変動パターン(すなわち、普通図柄の変動時間)が決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図15に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が3秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が0.6秒に決定される。そして、普通図柄の変動時間が決定されると、この決定された普通図柄の変動時間の間、普通図柄表示装置32(図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
【0109】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル120は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル120に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、図16に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、図16に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが2.4秒(=1.2秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計2.4秒開放される。
【0110】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
【0111】
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、図17のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0112】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0113】
ステップ102において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、変動演出用乱数という)である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、及び、変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0114】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図18のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0115】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、当たり図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0116】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0117】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖指定コマンド、満タン解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0118】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0119】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0120】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
【0121】
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0122】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0123】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0124】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0125】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、大当たり決定乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0126】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0127】
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
【0128】
ステップ508において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0129】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0130】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、大当たり決定乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0131】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0132】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
【0133】
ステップ608において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0134】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0135】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0136】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ811に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0137】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれかを取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
【0138】
ステップ806において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への遊技球の入球によるものか(すなわち、第1始動入賞口15か、又は、第2始動入賞口16か)を確認した上で、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブル111を取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ805における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ807に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0139】
ステップ807において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ809に進む。
【0140】
ステップ809において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ810に進む。
【0141】
ステップ810において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ811において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21においてデモ表示を行うためのデモ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定のデモ開始時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、演出表示装置21にデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
【0142】
次に、上述したステップ808の変動演出パターン決定処理について、図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0143】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した大当たり図柄、及び、遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を取得する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)を確認するとともに、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ904に進む。
【0144】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した始動入賞口の種別、遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を取得する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0145】
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を取得する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ906で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を決定し、この決定された変動モード番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
【0146】
ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブル114を取得する。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で取得された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
【0147】
ステップ910において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号及び変動パターン番号とに基づいて、変動時間を決定する。また、メインCPU101は、この決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ911に進む。
ステップ911において、メインCPU101は、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、所定の一時記憶領域に記憶された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
【0148】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0149】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ910で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0150】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0151】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0152】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0153】
ステップ1102において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0154】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
【0155】
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(特別図柄X1、X2、X3又はX4)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
【0156】
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X1であれば、ラウンド数として「16」をセットし、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X2又はX4であれば、ラウンド数として「4」をセットし、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X3であれば、ラウンド数として「2」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
【0157】
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、当該遊技状態及び停止表示されたハズレ図柄の種別(特別図柄Y1又はY2)を副制御基板300に伝達するための遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1112に進む。
【0158】
ステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0159】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0160】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル116に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0161】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0162】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0163】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0164】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0165】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0166】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の記憶領域に記憶)を確認するとともに、上述の大当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル117に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。
具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄が特別図柄X1、X2又はX3の場合には、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「10000」をセットする。また、大当たり図柄が特別図柄X4の場合には、高確遊技フラグをオフにし、時短遊技フラグをオンとするとともに、時短回数に「30」をセットする。
そして、次のステップ1302に進む。
【0167】
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のステップ1301で設定された高確遊技フラグがオン又はオフである旨の情報、時短遊技フラグがオン又はオフである旨の情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0168】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0169】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0170】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、次のステップ1504に進む。
【0171】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル118(非時短判定テーブル118a又は時短判定テーブル118bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル118aを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル118bを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。一方、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。
【0172】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでないと判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0173】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル119を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間タイマカウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間タイマカウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0174】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0175】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、上述のステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0176】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0177】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0178】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0179】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0180】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0181】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0182】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル120を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0183】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0184】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0185】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技及び特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、及び所定の画像の表示とともに出力され得る音声の出力態様を特定画像の表示により視覚化する視覚化演出について説明する。
【0186】
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄の変動表示中に、演出図柄50の表示態様により大当たりの抽選の結果を報知する変動演出が実行される。この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
【0187】
具体的には、特別図柄の変動表示の開始後に、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始され(図35(a)及び(b)参照)、その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(図35(c)~(e)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(図35(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、特に図示していないが、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
【0188】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0189】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50の変動表示が開始されてから第2停止図柄が停止表示されるまで(後述するリーチ表示の有無が報知されるまで)が、変動演出の前半部分に相当し、第2停止図柄が停止表示されてから(リーチ表示の有無が報知されてから)第3停止図柄が停止表示されるまで(演出図柄50の変動が終了するまで)が、変動演出の後半部分に相当する。
そして、変動演出の前半部分の態様としては、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(リーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。リーチなし変動パターン及びリーチ変動パターンはそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
【0190】
たとえば、リーチ変動パターンとしては、特に図示していないが、変動の仕方や演出図柄50の表示内容に特段の変化が生じることなく単に第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるノーマルリーチパターン、すべての演出図柄50が所定の停止表示態様で仮停止した後に変動表示を再開するという態様の表示が所定回数行われ(いわゆる擬似連演出が行われ)、その後に、リーチ表示が行われる擬似連リーチパターン、変動演出が開始されてからリーチ表示が行われるまでの間の所定時点において所定のカットイン画像が表示され、その後、リーチ表示が行われるカットイン表示リーチパターン等が設けられている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、これらのリーチ変動パターンについて、大当たりに当選した場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、実行されるリーチ変動パターンに応じて、大当たりに対する遊技者の期待感を変化させることができるようになっている。
また、リーチ変動パターンにおいては、また、リーチ変動パターンにおいては、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるリーチ表示を行わず、当該リーチ表示を行う代わりにリーチが発生した旨を所定の画像を表示することにより報知するようにしてもよい。
【0191】
また、上述のいわゆる擬似連演出、カットイン画像の表示等は、リーチ変動パターンのみならず、リーチなし変動パターンにおいても実行される場合があるように設定してもよい。すなわち、擬似連演出が実行されたもののリーチ表示が行われない場合、カットイン画像が表示されたもののリーチ表示が行われない場合等を設けてもよい。
【0192】
変動演出の前半部分の態様がリーチ変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様としては、リーチ表示後に演出表示装置21の表示部21aに所定の発展演出画像を表示するリーチ発展演出が実行され、その後大当たりの抽選の結果を報知する発展ありパターン、及び、リーチ表示後にリーチ発展演出が実行されることなく、大当たりの抽選の結果を報知する発展なしパターンが設けられている。発展ありパターンは、大当たりに当選した場合に実行される可能性が高く設定されているため、遊技者の期待感を高めることとなる。
変動演出の前半部分の態様がリーチなし変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様としては、特に図示していないが、後半変動時間の経過後に大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される通常ハズレ変動パターンが設けられている。
また、発展なしパターン、発展ありパターン及び通常ハズレパターンの態様は複数種類設けられており、停止表示される演出図柄50の種類、発展演出画像の種類等が種々設定されている。
【0193】
また、上述の演出においては、画像の表示のみならず、画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声等を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
【0194】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、変動演出の態様を決定するための種々の変動演出決定テーブルが記憶されている。副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から送信された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信することにより、所定の条件に応じた変動演出決定テーブルを選択するとともに、所定の数値範囲内(たとえば、0~249)で前半変動演出乱数、後半変動演出乱数(演出乱数)を取得する。そして、選択された変動演出決定テーブル、主制御基板100のメインCPU101から受信した変動モードコマンド、変動パターンコマンド及び取得された前半変動演出乱数、後半変動演出乱数に基づいて、変動演出の態様を決定する。また、サブCPU301は、大当たりの抽選の結果に基づいて(変動モードコマンド、変動パターンコマンドを参照して)、最終的に停止表示させる演出図柄50も決定する。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。これにより、決定された態様に基づいた変動演出が演出表示装置21において実行され、また、上述のように決定された演出図柄50が停止表示することとなる。
【0195】
(演出図柄50に係る画像データの概要)
上述のように、画像制御基板のROMには、演出表示装置21に表示される演出図柄50、背景、変動演出におけるカットイン画像や発展演出画像等の画像データが多数格納されている。以下では、演出図柄50の画像データについて説明する。
【0196】
本形態にパチンコ機Pでは、特に図示していないが、演出図柄50として、「1」~「9」までの数字を示す数字図柄51が設けられている。
数字図柄51は、「1」~「9」までの数字を象ったケース状の立体画像(立体オブジェクト)となっている。また、数字図柄51の数字部分(後述する数字板53a,53bにより構成される部分)には、3種類の大きさ(小サイズ、中サイズ、大サイズ)の多数の星や土星、月、太陽等が配置された宇宙空間を表現したデザインが施されている(図38(a)~(c)参照)。すなわち、数字図柄51の数字部分からは、宇宙空間を表現したデザインを視認することができるようになっている(図38(a)~(c)参照)。
そして、変動演出が開始されると、前回停止した数字図柄51が下方へ向けてスクロールする表示が開始された後、数字図柄51が高速でスクロールする表示が行われ、その後、当該スクロールする表示のスピードが次第に遅くなり、大当たりの抽選の結果等に応じて決定されたいずれかの数字図柄51が停止する表示が行われる。また、数字図柄51の停止中は、数字図柄51の左右方向の中央を縦断する中心線C(図38(b)参照)を回転軸として左右方向に揺動する表示が行われるようになっている(図38(a)~(c)参照)。
【0197】
また、画像制御基板のROMには、上述のような数字図柄51の表示を行うための画像データとして、各数字図柄51ごとに、変動が開始してから各数字図柄51が停止するまでの一連の表示を行うための変動中画像データ、各数字図柄51の停止中の表示(上述の揺動する表示)を行うための停止中画像データ等が格納されている。
具体的には、各数字図柄51の変動中画像データは、前回停止表示された数字図柄51が下方へ向けてスクロールを開始した後、数字図柄51が高速でスクロールし、その後、スクロールのスピードが次第に遅くなり数字図柄51が停止する旨を表した動画像(アニメーションムービー)が記憶されたものである。また、各数字図柄51の停止中画像データは、数字図柄51の中心線を回転軸として左右方向に揺動する旨を表した動画像が記憶されたものである。
サブCPU301は、大当たりの抽選の結果に応じて最終的に停止表示させる数字図柄51及び変動演出の態様を決定すると、変動演出実行コマンドを画像制御基板に送信する。画像制御基板のCPUは、画像制御基板から送信された変動演出実行コマンドに基づき、対応する変動中画像データ及び停止中画像データを画像制御基板のROMから取得し、これらの画像データを再生することにより、変動が開始してから当該決定された数字図柄51が停止するまで、及び当該数字図柄51の停止中の一連の表示が行われる。
【0198】
ここで、上述の変動中画像データ及び停止中画像データを構成する各数字図柄51の画像は、仮想的に所定の距離をおいて重ねて配置された複数階層の表示レイヤ上にそれぞれ描画された複数の画像により構成されている。
具体的には、図36に示すように、各数字図柄51の画像は、最も前面側に位置する第1表示レイヤ52a上に描画された「1」~「9」までの数字を象った立体形状のケース画像53(立体画像、立体オブジェクト)、第1表示レイヤ52aの背面側に位置する第2表示レイヤ52b上に描画された小サイズの多数の星画像、第2表示レイヤ52bの背面側に位置する第3表示レイヤ52c上に描画された中サイズの多数の星画像、第3表示レイヤ52cの背面側に位置する第4表示レイヤ52d上に描画された大サイズの多数の星画像、第4表示レイヤ52dの背面側に位置する第5表示レイヤ52e上に横並びに描画された土星、月、太陽の各画像から構成されている。
【0199】
上述のケース画像53は、正面側及び背面側に配置され所定の数字が象られた一対の数字板53a,53b、及びこれらの数字板53a,53bの周囲を取り囲むように配置された側板53cにより構成されている(図38(a)~(c)参照)。また、数字板53a,53bは、透過するように設定された透過画像(透過オブジェクト)となっており、この数字板53a,53bを介して背面側に位置する表示レイヤ上の各種画像を視認できるようになっている。これに対して、側板53cは、透過しないように設定された非透過画像(非透過オブジェクト)となっており、この側板53cを介しては背面側に位置する表示レイヤ上の各種画像を視認できないようになっている。
【0200】
また、所定の表示レイヤ上に表示された画像とこれによりも前面側の表示レイヤ上に表示された画像とが重ならない場合には、ケース画像53における数字板53a,53bを介していずれの画像も視認することができる。これに対して、所定の表示レイヤ上に表示された画像とこれよりも前面側の表示レイヤ上に表示された画像とが重なる場合には、当該所定の表示レイヤ上に表示された画像のうち、これよりも前面側の表示レイヤ上に表示された画像と重なる部分については、前面側の表示レイヤ上に表示された画像の裏側に隠れることとなり、ケース画像53における数字板53a,53bを介して視認することができない。
これにより、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、数字図柄51の数字部分に、3種類の大きさの多数の星や土星、月、太陽等が配置された宇宙空間が表現されるようになっている。
また、上述の表示レイヤは互いに所定の距離をおいて重ねて配置されており、表示レイヤが背面側になればなるほど各種画像が奥側に表示され、さらに、別個の表示レイヤに大きさの異なる星を描画したことにより、奥行きが表現されるようになっている。これにより、遊技者が数字図柄51を視認した際に、当該数字図柄51の数字部分の奥側に、仮想的に奥行きのある宇宙空間が広がっているような印象を抱かせることができる。
【0201】
また、停止中画像データに記憶された動画像は、数字図柄51を構成するケース画像53を、上述の中心線を回転軸として左右方向に揺動させる(すなわち、第1表示レイヤ52aを左右方向に揺動させる)ことにより構成されている。これにより、数字図柄51が左右方向に揺動する旨が表現されるようになっている。
ここで、上述の動画像においては、ケース画像53の左右方向への揺動に同期して、ケース画像53よりも背面側の第2表示レイヤ52b~第4表示レイヤ52dに表示された星の画像も左右方向に(ケース画像53と同方向及び同角度)揺動させる(すなわち、第2表示レイヤ52b~第4表示レイヤ52dを左右方向に揺動させる)ものの、最も背面側の第5表示レイヤ52eに表示された土星、月、太陽の各画像は揺動させず(すなわち、第5表示レイヤ52eは揺動させず)固定されたままとなっている(図37(a)~(c)参照)。
これにより、ケース画像53が左右方向へ揺動すると、これに併せて同方向及び同角度だけ第2表示レイヤ52b~第4表示レイヤ52dに表示された星の画像も揺動することとなるため、ケース画像53における数字板53a,53bを介して視認可能な星の画像は常に同一のものとなる。これに対して、第5表示レイヤ52eは左右方向に揺動せず、この第5表示レイヤ52eに表示された土星、月、太陽の各画像の位置は固定されたままであるため、ケース画像53が左右方向へ揺動することにより、数字板53a,53bを介して視認可能となる第5表示レイヤ52eの範囲が変化することとなる。すなわち、ケース画像53が左右方向へ揺動することにより、第5表示レイヤ52eに表示されている土星、月、太陽の各画像が相対的に移動しているように視認されることとなる。
【0202】
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、第5表示レイヤ52eには、左から順に土星、月、太陽の各画像が横並びとなるように描画されている。数字図柄51を構成するケース画像53が真正面を向いているときには、数字板53a,53bの中央上部の奥側に月の画像が表示されるとともに、数字板53a,53bの左上部の奥側に土星の画像の右半分が表示され、数字板53a,53bの右上部の奥側に太陽の画像の左半分が表示される(図38(b)参照)。
そして、ケース画像53が右方向に揺動すると、数字板53a,53bを介して視認可能な第5表示レイヤ52eの範囲は、ケース画像53が真正面を向いているときに視認可能な第5表示レイヤ52eの範囲よりも左側となる。すなわち、ケース画像53が真正面から右方向に揺動するに連れて、数字板53a,53bを介して視認可能な第5表示レイヤ52eの範囲が左方向へ移動することにより、第5表示レイヤ52eに表示されている土星、月、太陽の各画像は相対的に右方向へ移動するように視認されることとなる。
【0203】
これにより、ケース画像53が真正面から右方向に揺動すると、数字板53a,53bの右上部の奥側に左半分だけ表示されていた太陽の画像は次第に右方向へ移動するように視認され、最終的には視認可能な範囲から外れることで視認不可となる(図38(a)参照)。また、数字板53a,53bの中央上部の奥側に表示されていた月の画像も次第に右方向へ移動するように視認され、最終的には数字板53a,53bの右上部の奥側において視認されることとなる(図38(a)参照)。さらに、数字板53a,53bの左上部の奥側に右半分だけ表示されていた土星の画像も次第に右方向へ移動するように視認され、最終的には土星の画像の全体が視認可能な範囲に含まれることとなり、数字板53a,53bの中央上部付近の奥側において視認されることとなる(図38(a)参照)。
【0204】
これに対して、ケース画像53が真正面から左方向に揺動すると、数字板53a,53bの左上部の奥側に右半分だけ表示されていた土星の画像は次第に左方向へ移動するように視認され、最終的には視認可能な範囲から外れることで視認不可となる(図38(c)参照)。また、数字板53a,53bの中央上部の奥側に表示されていた月の画像も次第に左方向へ移動するように視認され、最終的には数字板53a,53bの左上部の奥側において視認されることとなる(図38(c)参照)。さらに、数字板53a,53bの右上部の奥側に左半分だけ表示されていた太陽の画像も次第に左方向へ移動するように視認され、最終的には太陽の画像の全体が視認可能な範囲に含まれることとなり、数字板53a,53bの中央上部付近の奥側において視認されることとなる(図38(c)参照)。
【0205】
以上のように、停止中画像データにおいては、重ねて配置された数字図柄51を構成するケース画像53、星の画像、及び土星、月、太陽の画像のうち、ケース画像53及び星の画像は左右方向に揺動するものの、土星、月、太陽の画像は揺動しないように設定されている。これにより、数字図柄51が左右方向へ揺動する旨が表示されるとともに、ケース画像53が左右方向へ揺動したときには、数字板53a,53bを介して常に同一の星の画像が視認されるものの、土星、月、太陽の画像はケース画像53の揺動に伴って移動するように視認されることとなる。したがって、本形態に係るパチンコ機Pによれば、新しい視認態様の数字図柄51による変動演出を実行することができ、斬新な演出表現を実現可能となる。
【0206】
(変形例)
なお、上述では、数字図柄51の停止中は左右方向に揺動する表示が行われるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、数字図柄51の上下方向の中央を横断する中心線を回転軸として上下方向に揺動する表示が行われるようにしてもよい。そして、このようにした場合であっても、数字図柄51を構成するケース画像53、星の画像、及び土星、月、太陽の各画像の揺動の有無については、上述と同様に設定することができる。このように設定した場合も、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
【0207】
また、上述のような画像の配置や表示動作(揺動)の設定については、数字図柄51(演出図柄50)のみならず、他の画像について行ってもよい。たとえば、所定のウィンドウ画像の奥側に各種画像が視認可能であって、当該ウィンドウ画像がガタガタと揺れるような表示が行われるとともに、当該ウィンドウ画像の奥側に視認される画像も同期して揺れるような表示を行う場合には、上述と同様の画像の配置や表示動作の設定を行うことができる。このように設定した場合にも、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
【0208】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、図39(b)~(c)に示すように、所定の演出(たとえば、リーチ発展演出)の実行中には、演出表示装置21の表示部21aの右上隅において小さいサイズの数字図柄51(以下、ミニ図柄という)による変動演出が実行されるようになっているが、このミニ図柄に関しても、上述のような画像の配置や表示動作を設定してもよい。
【0209】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50として数字図柄51が設けられていたが、演出図柄50の種類としてはこれに限定されるものではない。たとえば、擬似連演出の実行や大当たりの当選の可能性が高い旨を示す特定の演出状態(いわゆるゾーン)への移行等を示唆し所定のキャラクター図形から構成される特殊図柄(特に図示しておらず)等が設けてもよく、この特殊図柄に関しても、上述のような画像の配置や表示動作を設定してもよい。
【0210】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の変動中画像データ及び停止中画像データが、複数の画像を重ねて配置した数字図柄51のデータを1フレームごとに順次表示させるように構成した1の動画データ(又は、表示順序が定められた一連の数字図柄51のデータ)として、画像制御基板のROMに記憶されており、これらのデータが種々のタイミングで当該ROMから読み出されて再生されるようになっていたが、数字図柄51の表示を行うための処理は、これに限定されるものではない。
たとえば、画像制御基板のCPUが、数字図柄51の表示を行う期間における1フレームごとに、上述の複数の画像の重ね合わせを行って当該時点で表示すべき数字図柄51のデータを作成し、1フレームごとに作成された数字図柄51のデータを順次表示するようにしてもよい。
【0211】
また、画像制御基板のCPUは、演出表示装置21の表示部21a全体に表示される画像データを、1フレームごとに作成するようにしてもよい。
たとえば、変動演出の実行の際には、画像制御基板のCPUは、サブCPU301から受信した変動演出実行コマンドに基づき、画像制御基板のRAMにおける所定の記憶領域により構成されたフレームバッファにおいて、1フレームごとに順次、表示部21a全体に表示される画像データを作成する。この画像データは、フレームバッファ上に構成される複数階層の表示レイヤ上に複数の画像を描画することで作成される。そして、画像制御基板のCPUが、1フレームごとに順次作成した画像データを表示させるための信号を演出表示装置21に送信することで、当該演出表示装置21において上述の画像データが表示され、当該演出表示装置21における表示を進行させるようにしてもよい。
【0212】
なお、1フレームごとの画像データは、たとえば、背景画像→所定のキャラクターの画像→所定のエフェクト画像→数字図柄51の画像→ミニ図柄の画像→保留画像・・・という順番で、奥側の表示レイヤから前面側の表示レイヤに重ねて配置(描画)することにより、後の順番の画像の方が表示部21aの手前側に表示されるように作成してもよい。
ここで、数字図柄51の画像は、上述のように、複数の画像を重ね合わせることにより奥行きが表現された立体画像となっている。これに対して、数字図柄51以外の各画像は、奥行きのない平面画像となる。すると、上述のような順番で各画像を重ねて配置する場合、数字図柄51は、他の画像に挟まれた中間の表示レイヤ上に配置されているため、数字図柄51の画像を間に挟む複数の画像間に所定の距離が生じているように感じさせる視覚効果が生じることとなる。これにより、表示部21aに表示される画像全体において、奥行きが表現されることとなる。
【0213】
また、上述の如く、1フレームごとの画像データにおいては、数字図柄51の画像と他の画像(背景画像、所定のキャラクターの画像、保留画像等)とが、それぞれ並行して、対応する表示レイヤ上に描画されるようになっている。そして、数字図柄51の画像が所定の動作(上方向への移動、下方向への移動、左右方向への移動、停止状態の維持等)を行うように表示する場合には、順次表示される1フレームごとの画像データにおいてそれぞれ、上述の所定の動作が表現された数字図柄51の画像を描画してもよい。また、他の表示レイヤ上において、数字図柄51の画像と並行して描画される他の画像も所定の動作を行うように表示する場合には、数字図柄51の画像と同様に、順次表示される1フレームごとの画像データにおいてそれぞれ、上述の所定の動作が表現された他の画像を描画してもよい。
ここで、数字図柄51の画像及び他の画像のいずれについても所定の動作を行うように表示する場合、他の画像の所定の動作の量が、数字図柄51の所定の動作の量よりも少なくなるように表示したときには、数字図柄51の所定の動作の表示が他の画像の所定の動作の表示よりも際立つこととなる。これにより、表示部21aに表示される画像において表現される奥行きをより際立させることができる。
【0214】
(視覚化演出の概要)
視覚化演出は、所定の画像の表示とともに出力され得る音声の出力態様を特定画像の表示により視覚化するものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出中に実行される所定のリーチ発展演出において視覚化演出を実行可能となっている。
【0215】
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、リーチ発展演出として、所定のキャラクターが多数の追手から逃走する第1の発展演出画像が表示された後、追手からの追走を交わし物陰に隠れる第2の発展演出画像が表示されるストーリー演出を実行可能となっている(図39(a)~(c)参照)。このストーリー演出では、第1の発展演出画像の表示中には、キャラクターが逃走中であるというシーンの演出効果を高めるために音声出力装置10により所定のBGMが出力されるものの、第2の発展演出画像の表示中には(第1の発展演出画像が表示されなくなると)、キャラクターが物陰に隠れているというシーンの演出効果を高めるために一切のBGMが出力されない(すなわち、無音状態となる)ように設定されている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、このストーリー演出中に上述の視覚化演出が実行される。具体的には、所定のBGMが出力される第1の発展演出画像の表示中には、この第1の発展演出画像に重ねて、所定のBGMが出力されている旨を示す特定画像としての第1の波形画像H1が演出表示装置21の表示部21aに表示され、一切のBGMが出力されず無音状態となる第2の発展演出画像の表示中には(所定のBGMが出力されなくなるとともに第1の発展演出画像が表示されなくなると)、この第2の発展演出画像に重ねて、無音状態である旨を示す特定画像としての第2の波形画像H2が演出表示装置21の表示部21aに表示される(図39(b)~(i)参照)。第1の波形画像H1は、相対的に振幅が大きい波形の画像となっており、第2の波形画像H2は、相対的に振幅が小さい波形の画像となっている(図39(b)~(i)参照)。そして、これらの波形画像は、演出の進行に併せて、演出表示装置21の表示部21aの左方から右方に向けて振幅線が流れる(移動する)ように表示される(図39(b)~(i)参照)。すなわち、本形態では、上述の波形画像により、所定期間の各時点で出力される音の可聴周波数又は音量値等が時間経過に伴って変化する旨が表現されるようになっている。
【0216】
なお、第2の波形画像H2は、第1の発展演出画像の表示が終了し第2の発展演出画像の表示に切り替わった際には、第1の発展演出画像の表示に伴って表示されていた第1の波形画像H1の末端と繋がらないように非連続的に表示してもよいし(図39参照)、第1の波形画像H1の末端と繋がるように連続的に表示する(すなわち、第1の波形画像H1から唐突に第2の波形画像H2に切り替わる)ようにしてもよい。後者のようにした場合には、無音状態に切り替わった旨を遊技者により強く意識付けることができる。
また、一切のBGMが出力されず無音状態となる第2の発展演出画像の表示中には、継続して(表示部21の左端から右端に至るまで常に)第2の波形画像H2が表示されるようにしてもよい。このようにすることで、無音状態である旨を遊技者により効果的に認識させることができる。
また、第1の波形画像H1は、所定のBGMが出力される第1の発展演出画像の表示中に常に表示してもよいし、所定のBGMが出力される第1の発展演出画像の表示中における所定期間(たとえば、当該表示の終盤(当該表示が終了する所定時間前から当該表示が終了する時点まで))においてのみ表示するようにしてもよい。
【0217】
なお、上述の波形画像としては、所定の音声データ(たとえば、所定のBGMが記録された音声データ、いかなるBGMも含まれておらず自然発生している音(環境音)、機械音、ノイズ等のみを記録した音声データ等)を、予め定められた変換ロジック(たとえば、音声データにおける所定時間(たとえば、1m秒等)ごとに発生する音声の音量の相対値をプロットする、音声データにおける所定時間ごとに発生する音声の音程の相対値をプロットする等)に基づいて変換することにより形成された画像等を用いることができる。
具体的には、音声データを、予め定められた変換ロジックに基づいて所定の波形画像に変換するアプリケーションソフトウェアに対して、所定の音声データを入力することで波形画像を形成し、この形成された波形画像を上述の視覚化演出の特定画像として用いることができる。
【0218】
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のストーリー演出においては、所定のBGMが出力されている期間(第1の発展演出画像の表示中)には相対的に振幅が大きい波形の第1の波形画像H1(特定画像)が表示され、BGMが一切出力されていない期間(第2の発展演出画像の表示中)には(所定のBGMが出力されなくなり、第1の発展演出画像が表示されなくなると)相対的に振幅が小さい波形の第2の波形画像H1(特定画像)が表示される視覚化演出が実行される。これにより、音声の出力態様の相違(すなわちBGMが出力されている状態及びBGMが一切出力されていない状態)を、表示される波形画像によって把握することができる。
また、たとえば、各種演出中に出力される音声がかき消される程の大音量でホール内に音楽を流す等、ホール環境によっては各種演出中における音声の出力の有無を把握困難な場合があるものの、上述のストーリー演出では、BGMが一切出力されていない無音状態中も上述の視覚化演出が実行されることにより上述の波形画像が表示されるため、この波形画像を視認させることで当該無音状態である旨を遊技者に把握させることができ、無音状態中における演出効果を高めることができる。
【0219】
(変形例)
なお、上述の視覚化演出は、上述のストーリー演出のみならず、演出の進行に伴って音声の出力態様が変化する演出において実行してもよい。すなわち、音声の出力態様が変化する前においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像(特定画像)を表示し、音声の出力態様が変化した後においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合にも、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
【0220】
また、上述の視覚化演出では、所定のBGMが出力されている状態及びBGMが一切出力されていない状態(無音状態)を対象として、上述の波形画像(特定画像)を表示するようになっていたが、波形画像を表示する対象はこれに限定されるものではない。
たとえば、所定のBGMが相対的に大きい音量で出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMが相対的に小さい音量で出力されている状態(所定のBGMが相対的に大きい音量で出力されていない状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、所定のBGMの出力音量の相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、たとえば、所定のBGMが所定の音量で出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMが出力されているものの音量がゼロとなっている状態(すなわち、消音状態)や所定のBGMが聞き取りづらいレベルの音量で出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合にも、所定のBGMの出力音量の相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、たとえば、所定のBGMが相対的に高い音程で出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMが相対的に低い音程で出力されている状態(所定のBGMが相対的に高い音程で出力されていない状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、所定のBGMの出力音程の相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、たとえば、所定のBGMが相対的に速いテンポで出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMが相対的に遅いテンポで出力されている状態(所定のBGMが相対的に速いテンポで出力されていない状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、所定のBGMの出力テンポの相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、たとえば、所定のBGMが所定の音色(たとえば、ピアノの音色等)で出力されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMが上述の所定の音色と異なる音色(たとえば、ギターの音色等)で出力されている状態(所定のBGMが所定の音色で出力されていない状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、所定のBGMの音色の相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
【0221】
また、上述の視覚化演出が対象とする音声はBGMとなっていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、所定のセリフ音声や所定の効果音(たとえば、大入賞口18へ遊技球が入球したときに出力される効果音等)を対象として上述の視覚化演出を実行してもよい。
たとえば、所定のキャラクターが所定のセリフを話している状態(すなわち、所定のセリフ音声が音声出力装置10により出力されている状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のキャラクターが一切のセリフを話していない状態(すなわち、一切のセリフ音声が音声出力装置10により出力されていない状態(いわゆる無言状態))においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、セリフ音声の出力の有無を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、上述のBGMと同様に、セリフ音声の種類の相違(たとえば、男性の音声、女性の音声等)、セリフ音声の出力音量の相違、セリフ音声の出力音程の相違(たとえば、高音の音声、低音の音声等)、セリフ音声の出力テンポの相違等に基づいて、それぞれ異なる波形画像を表示するようにしてもよい。
【0222】
また、たとえば、所定の効果音を出力している状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定の効果音を出力していない状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。このようにした場合には、所定の効果音の出力の有無を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
また、上述のBGMやセリフ音声と同様に、効果音の種類の相違、効果音の出力音程の相違、効果音の出力音量の相違、効果音の出力テンポの相違等に基づいて、それぞれ異なる波形画像を表示するようにしてもよい。
【0223】
また、たとえば、所定のBGMの出力及び所定のセリフ音声の出力の両方が同時に実行されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて所定の波形画像を表示し、所定のBGMの出力及び所定のセリフ音声の出力のいずれか一方のみが実行されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて上述の所定の波形画像と異なる波形画像を表示するようにしてもよい。
また、所定のBGMの出力及び所定のセリフ音声の出力の両方が同時に実行されている状態においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて、BGMの出力に対応する波形画像(たとえば、赤色の波形画像等)とセリフ音声の出力に対応する波形画像(たとえば、青色の波形画等像)とをそれぞれ別個に表示し、所定のBGMの出力及び所定のセリフ音声の出力のいずれか一方のみが実行されている状態(所定のBGMの出力及び所定のセリフ音声の出力の両方が同時に実行されていない状態)においては、演出表示装置21の表示部21aに表示される画像に重ねて実行されている出力に対応する波形画像のみを表示するようにしてもよい。
以上のようにした場合には、出力されている音声の数の相違を上述の波形画像によって遊技者に把握させることができる。
【0224】
また、上述の視覚化演出は、大当たりの当選の期待度に応じて実行可能性や実行態様が異なるように設定してもよい。
たとえば、大当たりの当選の期待度が高い変動演出が実行される場合には、当該変動演出中に実行される所定の演出(たとえば、リーチ発展演出)において視覚化演出が実行される可能性が高いものの、大当たりの当選の期待度が低い変動演出が実行される場合には、当該変動演出中に実行される所定の演出において視覚化演出が実行される可能性が低いように設定することができる。
また、大当たりの当選の期待度が低い変動演出が実行される場合には、上述のストーリー演出において実行される視覚化演出の波形画像が通常の色(たとえば、白色)で表示される可能性が高いものの、大当たりの当選の期待度が高い変動演出が実行される場合には、視覚化演出の波形画像が特殊な色(たとえば、青色、赤色等)で表示される可能性が高いように設定することができる。
このように設定した場合には、視覚化演出の実行の有無や実行態様によって大当たりの当選の期待度を示唆することができ、遊技者の興趣を高めることができる。
【0225】
また、上述の視覚化演出で表示される特定画像は、波形画像に限定されるものではなく、たとえば、音声の出力に応じて長さが変化するゲージ画像(いわゆるグラフィックイコライザーで使用され、音声の出力に伴って動的に変化するゲージ画像)や、音声の出力に応じて表示される同心円の数が変化する波紋画像、音声の出力に応じて表示内容(文字、記号等)が変化するふきだし画像等としてもよい。
【0226】
また、所定の演出の実行中に視覚化演出を実行するように設定されているときには、所定の演出において表示される所定画像のデータと、視覚化演出で表示される波形画像のデータとをそれぞれ別個のデータとして設け、所定の演出及び視覚化演出を実行する際には、各画像データをそれぞれ別個に読み出して再生するようにしてもよい。また、別個のデータとするのではなく、所定画像が表示され、かつ所定画像に重ねて波形画像が表示されるという一連の表示を行うための1個の画像データを設け、所定の演出及び視覚化演出を実行する際には、当該画像データのみを読み出して再生するようにしてもよい。
【0227】
また、視覚化演出は、音声の出力態様を視覚化するものに限定されず、たとえば、背景画像や演出状態の表示を特定画像により視覚化するものであってもよい。
たとえば、背景画像として、通常遊技状態中である旨を示す通常背景画像、高確率時短遊技状態中である旨を示す高確時短背景画像を備えている場合において、高確時短背景画像が表示されている状態においては、当該高確時短背景画像に重ねて所定の特定画像(波形画像等)を表示し、通常背景画像が表示されている状態(高確時短背景画像が表示されていない状態)においては、当該通常背景画像に重ねて上述の所定の特定画像と異なる特定画像を表示するようにしてもよい。
また、たとえば、変動演出中に演出を盛り上げるための所定のランプが種々の態様で点灯するようになっている場合において、当該所定のランプが所定の態様で点灯している状態においては、所定の特定画像(波形画像等)を表示し、当該所定のランプが上述の所定の態様と異なる態様で点灯している状態や、当該所定のランプが消灯している状態においては(所定のランプが所定の態様で点灯していない状態においては)、上述の所定の特定画像と異なる特定画像を表示するようにしてもよい。
また、演出状態として、大当たりの当選の期待度が相対的に低い第1特殊演出状態と、大当たりの当選の期待度が相対的に高い第2特殊演出状態とを備え、第1特殊演出状態中はその旨を示す第1特殊画像が表示され、第2特殊演出状態中はその旨を示す第2特殊画像が表示されるように設定されている場合において、第1特殊画像が表示されている状態においては、当該第1特殊画像に重ねて所定の特定画像(波形画像等)を表示し、第2特殊画像が表示されている状態(第1特殊画像が表示されていない状態)においては、当該第2特殊画像に重ねて上述の所定の特定画像と異なる特定画像を表示するようにしてもよい。
このようにした場合には、背景画像の表示態様の相違、ランプの点灯態様の相違、滞在している演出状態の相違等を、特定画像によっても把握することができる。
【0228】
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、図40に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数(前半変動演出乱数、後半変動演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0229】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、図41に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301は
タイマ割込処理プログラムを読み込んで、図41に示すタイマ割込処理を開始する。
【0230】
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
【0231】
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0232】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動用コマンド受信処理について、図42のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ911で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2200において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された変動演出乱数(前半変動演出乱数、後半変動演出乱数)を取得する。そして、次のステップ2201に進む。
【0233】
ステップ2201において、サブCPU301は、変動演出決定テーブル、上述のステップ2200で取得した変動演出乱数(前半変動演出乱数、後半変動演出乱数)、並びに、受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号及び変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号に基づいて、変動演出の態様を決定する。また、サブCPU301は、大当たりの抽選の結果に基づいて最終的に停止させる演出図柄50(数字図柄51)を決定する。そして、次のステップ2202に進む。
ステップ2202において、サブCPU301は、決定された変動演出の態様、及び最終的に停止させる演出図柄50(数字図柄51)に応じた変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。たとえば、画像制御基板においては、画像制御基板のCPUが、上述のように決定された変動演出の態様、及び最終的に停止させる演出図柄50(数字図柄51)に関する画像データを画像制御基板のROMから読み出し、画像制御基板のVRAMに記憶する。これにより、当該画像データに基づく画像が再生され変動演出が実行されることとなる。そして、変動用コマンド受信処理を終了する。
【0234】
なお、上述の実施の形態は、パチンコ機以外の遊技機に応用することもできる。たとえば、遊技媒体として遊技メダルを用いて遊技を行わせるスロットマシンや、遊技球を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット(登録商標)遊技機等において用いられる画像について、上述の実施の形態と同様の配置や表示動作の設定を行ってもよい。また、所定の演出を実行する際に、上述の実施の形態と同様の視覚化演出が実行されるようにしてもよい。
【0235】
また、上述の実施の形態における数字図柄51は、本発明の所定の表示オブジェクトに相当する。また、上述の実施の形態における演出表示装置21は、本発明の表示手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるケース画像53、星の画像、土星、月、太陽の画像は、本発明の複数の画像に相当する。また、上述の実施の形態におけるケース画像53、星の画像は、本発明の一の画像に相当する。また、上述の実施の形態におけるケース画像53、星の画像の左右方向への揺動は、本発明の特定の動作に相当する。また、上述の実施の形態における土星、月、太陽の画像は、本発明の他の画像に相当する。また、また、上述の実施の形態におけるケース画像53、星の画像は、本発明の第1の画像に相当する。また、上述の実施の形態における土星、月、太陽の画像は、本発明の第2の画像に相当する。
【符号の説明】
【0236】
P パチンコ機
10 音声出力装置
21 演出表示装置
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM
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