(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-12
(45)【発行日】2022-07-21
(54)【発明の名称】改良されたエネルギー効率と容量制御の乾燥システム
(51)【国際特許分類】
F26B 21/04 20060101AFI20220713BHJP
【FI】
F26B21/04 D
(21)【出願番号】P 2019526230
(86)(22)【出願日】2016-11-18
(86)【国際出願番号】 DK2016050378
(87)【国際公開番号】W WO2018091049
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2019-09-27
【審判番号】
【審判請求日】2021-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】516114569
【氏名又は名称】ゲーエーアー プロセス エンジニアリング アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】ベルント フェリーゲル
(72)【発明者】
【氏名】ロレンソ ベレモ
【合議体】
【審判長】松下 聡
【審判官】平城 俊雅
【審判官】槙原 進
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-137201(JP,A)
【文献】特開2003-130493(JP,A)
【文献】特開2013-234771(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103277985(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 21/00
F25B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥プラント(2)と熱ポンプアセンブリ(3)を含む乾燥システム(1)であって、乾燥プラントはプロセス気体で作動し、熱ポンプアセンブリ(3)は少なくとも1つの熱ポンプ(30)を含み、熱ポンプ(30)は、第一流体で作動し、かつ第二流体が循環する物理的に相互接続されたループをもつ流体ネットワーク中の複数の熱交換器(41-45, 51-59)により少なくとも2つの熱源及び少なくとも1つの熱シンクに接続されており、
前記システムは、流体ネットワークのそれぞれの部分におけるフロー、フロー方向、圧力及び温度によって制御されて、流体ネットワークのそれぞれの部分における、異なる熱源のそれぞれから第二流体へ、第二流体から熱ポンプの冷蒸発サイドへ、熱ポンプのすべての熱サイドから第二流体へ、
及び第二流体から異なる
熱シンクのそれぞれへの熱移動が、管理されるように構成されており、
少なくとも2つの熱源は、
-乾燥プラントに入るプロセス気体の熱交換器(41)の少なくとも1つにおける露点除湿;及び
-乾燥プラントを去る排出気体から熱交換器(42)の少なくとも1つにおける潜熱及び/又は顕熱の回収;
を含み、
少なくとも1つの熱シンクは、乾燥プラント内で用いられるプロセス気体の熱交換器(51)の少なくとも1つにおける予熱を含む、
乾燥システム(1)。
【請求項2】
熱シンクが、プロセス気体エントリ領域における凍結を防ぐために、前記露点除湿の前に前記熱交換器(56)の少なくとも1つにおける前記プロセス気体の予熱の形で提供される、請求項1に記載の乾燥システム。
【請求項3】
熱シンクが、
乾燥剤ユニット(7)の乾燥剤の再生のために、前記熱交換器(57, 58)の少なくとも1つにおけるプロセス気体の加熱の形で提供され
、前記乾燥剤は、前記露点除湿後に前記プロセス気体から水を吸収する、請求項1に記載の乾燥システム。
【請求項4】
空気の冷却(cooling)が、乾燥剤吸着/吸収体(desiccant sorbent)の再生後に外部熱交換器(63)において提供され、前記乾燥剤は凝縮後の前記プロセス気体から溶媒蒸気を吸着/吸収する、請求項1~3のいずれか一項に記載の乾燥システム。
【請求項5】
熱源が、前記熱交換器(45)の少なくとも1つにおけるプロセス気体副流の冷却(cooling)の形で、任意に最終及び/又は中間乾燥生成物の冷却及び/又は空気圧輸送のために、提供される、請求項1~4のいずれか一項に記載の乾燥システム。
【請求項6】
乾燥システムの乾燥プラントが、少なくとも1つの予備処理ユニットと少なくとも1つの排気熱回収ユニットとに接続された噴霧乾燥装置(2)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の乾燥システム。
【請求項7】
噴霧乾燥装置(2)が、乾燥室(21)を含み、乾燥室(21)は、前記熱交換器(51, 52)の少なくとも1つに接続された乾燥用気体の第一プロセス気体入口(22)と、前記熱交換器(54)の少なくとも1つに接続された乾燥された材料を輸送する乾燥室(21)の出口(22)にある第二プロセス気体入口とを有する、請求項6に記載の乾燥システム。
【請求項8】
噴霧乾燥装置(2)が、少なくとも1つの後処置ユニット(24)をさらに含み、少なくとも1つの後処置ユニット(24)は、少なくとも、前記熱交換器 (53)の少なくとも1つに接続された第三気体入口を有し、好ましくは、前記熱交換器(45, 55)の少なくとも1つに接続された第四気体入口も有する、請求項7に記載の乾燥システム。
【請求項9】
熱ポンプアセンブリ(3)は、少なくとも1つの高温熱ポンプ(30)を含み、1又は複数の熱ポンプは、それぞれの冷サイドにおける20°C未満の温度の冷却エネルギー(chilling energy)と、それぞれの熱サイドにおいて約35-90°Cの間の少なくとも1つの中間レベルと100°Cを超える高温レベルとを含む異なる熱シンクのための異なる温度レベルの加熱エネルギーとを、同時に提供可能である、請求項1~8のいずれか一項に記載の乾燥システム。
【請求項10】
熱ポンプアセンブリ(3)が、少なくとも1つの熱ポンプ(30)の少なくとも1つの制御装置(31)と、少なくとも1つの熱ポンプ(30)を前記熱交換器(41-45, 51-59)に接続するパイプ系(32)とを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の乾燥システム。
【請求項11】
第一流体で作動する熱ポンプアセンブリを乾燥プラントに統合して、請求項1に記載の乾燥システムを得る方法であって、前記方法が、
-第二流体が循環する流体ネットワークにおける複数の熱交換器を用いて、a)少なくとも2つの熱源、ここにその熱源は、乾燥プラントに入るプロセス気体の露点除湿と、乾燥プラントを去る排出気体の潜熱及び/又は顕熱の回収とをそれぞれ含む、及び、b)少なくとも1つの熱シンク、ここにその熱シンクは乾燥プラント内で用いるプロセス気体の予熱を含む、を熱ポンプアセンブリに接続すること;
-前記流体ネットワークのそれぞれの部分におけるフロー及び温度によって前記流体ネットワークを制御して、乾燥プラントの容量と生成物の重量単位当たりの比エネルギー需要とを最適化するために、熱源から流体へ、流体から熱シンクへの熱移動を管理すること、
を含む、方法。
【請求項12】
乾燥システムがオープンサイクルシステムであり、乾燥プラントの容量と生成物の単位重量当たりの比エネルギー需要を最適化するときに、乾燥システムの位置で周囲空気の絶対湿度及び温度のアカウントを取る、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
熱ポンプアセンブリが制御装置とパイプ系を含む換装装備(retrofit appliance)として提供され、前記方法が、パイプ系を熱交換器に接続して、流体ネットワークを形成することをさらに含む、請求項11または12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一側面において、乾燥プラントと熱ポンプアセンブリを含む乾燥システムに係り、熱ポンプアセンブリは少なくとも1つの熱ポンプを含み、その熱ポンプは、第一流体で操作され、かつ第二流体が循環する流体ネットワーク中の複数の熱交換器によって少なくとも2つの熱源と少なくとも1つの熱シンクと接続されている。本発明はさらに、前記熱ポンプアセンブリを前記流体ネットワークによって乾燥システムに統合して、前記流体ネットワークを操作して乾燥プラントの容量を増加させ、同時に、乾燥生成物の重量単位当たりの比エネルギー需要を減少させるように、前記流体ネットワークを操作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥は、乾燥されるべき固体,半固体又は液体生成物(乾燥されるべき生成物を以下フィードという。)から蒸発によって例えば水及び/又は有機液体などの溶媒を除去することからなる物質移動プロセスであり、溶媒以外のフィードに分散されたすべての成分はフィードの全固体(TS)であり、溶媒はフィードTSにおいて遊離していても及び/又は結合されていてもよい。プロセスによって生成される蒸気の少なくとも一部を除去する熱源及び助剤が屡々伴う。フィードに含まれる溶媒を蒸発させるために、蒸発潜熱を提供しなければならない。したがって、乾燥の単位操作中に典型的に入る2つの重要なプロセス制御因子がある:(a)蒸発に必要な潜熱を提供する熱の移動(輸送)、(b)乾燥されるべき生成物中とその後にそこから離れる溶媒及び/又は溶媒蒸気の移動による、少なくとも一部の溶媒のTSからの分離の遂行。最も一般的な場合には、空気などの気体流(この気体流を以下空気又はプロセス気体と称する。)が対流によって熱を供給し、例えば湿分としての水の場合、蒸気を運び去る。この手法は、限定されないが、噴霧乾燥(spray drying)、フラッシュ乾燥、旋回流動乾燥、回転乾燥、ベルト乾燥、対流乾燥を含む多くの異なる乾燥プロセスに適用される。
【0003】
噴霧乾燥プロセスは、a)液体又はペーストの稠度を有し、b)輸送される又は好ましくはポンピングされることが可能であり、c)気体流に分散されることが可能であり、d)溶媒と、溶媒に分散された液体又はペースト又は半固体又は固体物質とからなる、フィードを、溶媒の一部を蒸発させるためにフィードに熱エネルギーを提供し、する予め加熱されているプロセス気体エントリと接触させるプロセスであり、その後に溶媒の蒸発した部分を吸収/吸着して、プロセス気体排出物(process gas exhaust)で噴霧乾燥プロセスを実施するプロセスとして定義される。分散されている物質と溶媒の残留物が最終粉体を形成し、それが噴霧乾燥プロセスから収集され、一部の中間及び/又は最終粉体は噴霧乾燥プロセスに再循環されるかもしれない。
【0004】
噴霧乾燥プラントは、プロセスに必要な全空気流を空気操作する装置(即ち、空気加熱装置、供給ファン、除湿装置、冷却装置、及び排気空気清浄などのためのシステム;これらの装備は本明細書において空気操作ユニットと称される)、生成物操作装置(即ち、供給ポンプ、噴霧装置など)、空気分散装置、乾燥室、熱回収装置及び粉体回収装置を含むことができる。すべてのシステムは、予備及び事後の処理装置、例えば、蒸発装置、均一化装置、流動床乾燥装置/冷却装置、アグロメレータ(agglomerator)、脱塵装置及びコンベアなどを設けることができ、それによってプラントは個別の生成物仕様、操作安全性及び環境保護要件を満たす。また、プラントはオープン、クローズ、セミクローズ及び無菌循環の形で利用可能である。
【0005】
乳製品、食品、化学品、農薬、エネルギー、バイオ技術品、薬品、ヘルスケア品及び多くの用途において多くの種類の生成物を噴霧乾燥することができる。
【0006】
非常に多くの噴霧乾燥される生成物の広範囲に変わる乾燥特性及び品質要件が、噴霧技術(即ち、ノズル、回転部品等)、最適の空気流パターン、乾燥室設計及び噴霧乾燥プラント構成(プロセスパラメータを含む)の選択を決定する。
【0007】
例えば食品粉体の製造のための噴霧乾燥プラントは、通常例えば250°Cを超える高い温度レベルで高い熱エネルギー消費率の極めて大きいエネルギー集約装備であり、そのためこれは殆どが高CO2放出の主エネルギー燃焼プロセスによって提供される。燃焼プロセスは、プロセス気体-殆どは周囲空気-に、乾燥プロセスに入るために必要な高さの温度、殆どの場合約150°Cと約230°Cの間、場合によってはそれより高い温度で、加熱エネルギーを提供する。プロセス気体は、乾燥プロセス中に溶媒-殆どの場合水-を蒸発するためにエネルギーを提供し、多くの場合65-80°Cの低い温度レベルの暖排出気体としてプロセスから去る。この低い温度レベルの排出気体では、 必要な加熱エネルギーの60-70%以上(プラント構成に依存する)はより高い温度レベルが必要であるので、乾燥プロセス中への熱輸送によっては限られた熱回収しか許容しない。一般的に、約60%を超える加熱エネルギーがその後に排出気体と共に、特に潜熱の形で失われる。したがって、乾燥生成物の出力に関する比エネルギー需要は通常1.1 kWh毎kg乾燥生成物を超える。
【0008】
しかしながら、プロセス気体は溶媒を蒸発するエネルギーを提供するだけでなく、同時に、乾燥プロセスにおける生成物品質の要件を満たしながら、蒸発した溶媒を除去しなければならない。したがって、プロセス気体の乾燥容量(drying capacity)は乾燥プロセスに入るプロセス気体中の溶媒の分圧に反比例し、入るプロセス気体中の溶媒の分圧の変化は乾燥プロセスの効率に強く影響する。以下において、プロセス気体中の溶媒の分圧は、湿分、及び除湿と称される目的レベルまでのその湿分の減少として指定される。噴霧乾燥プロセスは殆どの場合オープンサイクル構成が採用されるので、地域の天候の日ごと及び季節ごとの変化が乾燥プロセスの比エネルギー消費及び容量に強く影響する。
【0009】
比エネルギー消費を減少させ及び/又噴霧乾燥プラントの製造容量を増加させる複数の技術的解決法が既に検討されている。
【0010】
WO 2011/107284 A1は、吸着除湿装置を再生する目的で排出気体から直接熱交換によって熱を移動させる噴霧乾燥装置を開示している。
【0011】
噴霧乾燥装備におけるプロセス気体の予備加熱という単一の役割のために、排出気体から熱輸送する熱ポンプの使用は周知の知見である (Jensen, J.K et al. (2015). Exergoeconomic optimization of an ammonia-water hybrid absorption-compression heat pump for heat supply in a spray drying facility. International Journal of Energy and Environmental Engineering, 6, 195-211).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来技術の解決方法は、生産を最大限にしながら、同時に、乾燥プラントの全使用期間にわたり、そして気候変動のような変化する操作条件の際に、比エネルギー消費(specific energy consumption)を最小限化するということに関しては、不十分である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記に鑑みて、本発明の目的は、変化する操作条件にもかかわらず、比エネルギー消費を減少させると同時に、乾燥プロセスの容量を増加させる解決手段を提供することである。
【0014】
この目的を達成するために、乾燥プラントと熱ポンプアセンブリとを含む乾燥システムであって、熱ポンプアセンブリが少なくとも1つの熱ポンプを含み、熱ポンプは、第一流体で操作され、第二流体が循環する流体ネットワークにおける複数の熱交換器によって少なくとも2つの熱源と少なくとも1つの熱シンクに接続されている、乾燥システムを提供する。
【0015】
用語“流体ネットワーク”は、パイプライン、制御装置及び熱交換器による、熱ポンプアセンブリ、熱源及び熱シンクの間の接続によって作り出される統合構造を指称すると解されるべきである。
【0016】
このような統合流体ネットワークは、乾燥システムに入るプロセス気体の湿分変化によって典型的に起き、またオープンサイクル構成において年間の気候変動によって特に起きる、製造容量の変動を顕著に減少させ、また可能性としては無くすこともできる。
【0017】
好ましい態様によれば、上記の少なくとも2つの熱源は、乾燥プラントに入るプロセス気体の少なくとも1つの熱交換器における露点除湿(dew point dehumidification)と、乾燥プラントを去る排出気体からの潜熱及び/又は顕熱の少なくとも1つの熱交換器における回収を含む。
【0018】
もう1つの好ましい態様では、上記の少なくとも1つの熱シンクは、乾燥プラント内で用いるプロセス気体の少なくとも1つの熱交換器における予熱を含む。
【0019】
熱ポンプアセンブリは、a)プラントに入るプロセス気体が目的のレベルまで除湿されることを保証し、b)熱ポンプアセンブリの1又は複数の熱ポンプに接続された熱シンクが必要な温度レベルまで加熱されるように、乾燥システムに統合される。これら2つの選択(sizing)要件の間の最も厳しい条件がいつでも満たされるべきである。したがって、プラントを去る排出気体からの熱回収は、除湿の負荷が熱ポンプを介して熱シンクに十分な熱を提供するのに十分でないときに、用いられる。したがって、ここで提供される熱ポンプ統合の特徴は、年間をとおして2以上の熱源をバランスさせて、その結果として、a)プラントに入るプロセス気体とプラントを去る排出気体の両方が目的のレベルまで除湿される、b)プラントに入るプロセス気体を目的のレベルまで除湿しながら、プラントを去る排出気体から顕熱だけを回収する、c)プラントに入るプロセス気体の除湿だけを目的のレベルまで実施する、d)プラントを去る排気空気から顕熱及び/又は潜熱だけを回収する、というシナリオである。最後の2つのシナリオは全加熱負荷を提供する2つの熱のうち1つだけを用いることに留意されたい。
【0020】
さらなる態様では、プロセス気体を予熱するために排出気体から熱を輸送する第二流体,好ましくは水を用いる追加の熱回収システムを含む。この解決手段は、熱ポンプシステムが求める熱量が可能な最大熱回収量より著しく少なくて、流体ネットワークを操作することが困難になり得るときに、排出気体から熱、殆どの場合顕熱の回収を促進する。同時に、この追加熱回収システムにより提供される予熱は、流体ネットワークにより提供される追加の予熱より先に、プロセス気体温度を上昇させることを可能にし、その結果、熱ポンプに必要な加熱負荷を減少させる。
【0021】
さらなる態様では、熱シンクは、プロセス気体が入る領域における凍結を防止するために、露点除湿の前に少なくとも1つの熱交換器におけるプロセス気体の予熱の形で提供される。
【0022】
さらなる態様では、熱シンクは、乾燥剤が露点除湿後にプロセス気体から水を吸収する乾燥剤ユニットの乾燥剤の再生のために、少なくとも1つの熱交換器でプロセス気体又はその他の気体を加熱する形で提供される。このように、本発明の露点除湿に続けて吸着除湿装置を提供してよく、ここにおいて乾燥剤は、噴霧乾燥プロセス(spray drying process)の乾燥容量をさらに増加させるために、例えば20°Cと6°Cの間の一定の低い気体温度と例えば15 g/kgと6 g/kgの間の湿度でプロセス気体から水を吸着して、プロセス気体エントリ又はプロセス気体の一部を0 °C未満の露点に対応するが霜が形成されない湿度レベルまで除湿する。露点除湿後の出口条件は地域の天候条件の日ごと又は季節ごとの変動とは独立して目的とする湿分レベルに維持することが可能であるので、吸着除湿をほぼ一定の条件になるように選択(size)することができ、これは慣用の装備と比べてかなり小さい吸着乾燥剤装備及び/又はより低い再生空気温度及び/又は再生空気流速を用いることを可能にする。乾燥剤の再生のために用いるプロセス気体流を加熱する熱エネルギーは本発明の熱ポンプによって提供され、厳密には噴霧乾燥プロセスの外部の熱シンクと見做すことができるが、熱ポンプはこの再生熱がそのプロセスに必要な熱ポンプの加熱容量に追加して提供されてよいように選択(size)される。その結果、排出気体からの増加した熱回収率が得られ、噴霧乾燥プロセスの増加した乾燥容量を提供する。
【0023】
さらなる態様では、熱源は、前記熱交換器の少なくとも1つにおける乾燥剤吸着(吸収)体(desiccant sorbent;前記乾燥剤はプロセス気体から溶媒蒸気を吸着(吸収)する)の再生後におけるプロセス気体の冷却(cooling)の形で提供される。
【0024】
さらなる態様によれば、熱源は、前記熱交換器の少なくとも1つにおけるプロセス気体副流(side stream)の冷却(cooling)、任意に最終及び/又は中間乾燥生成物の冷却(cooling)及び/又は空気圧輸送の形で提供される。
【0025】
さらなる態様では、流体ネットワークの冷却容量(chilling capacity)を用いて吸着除湿後のプロセス気体の一部を冷却することが可能であり、そこでは、プロセス気体は吸着プロセス自体のゆえに加熱され、噴霧乾燥プロセスにおける様々の冷却(cooling)需要、例えば低相対湿度をもつ冷プロセス気体による粉体の冷却に適応する。
【0026】
好ましい態様では、乾燥システムの乾燥プラントは、少なくとも1つの予備処理ユニット及び少なくとも1つの排気熱回収ユニットに接続された噴霧乾燥装置を含む。
【0027】
このように、熱ポンプを有する柔軟に制御される流体ネットワークシステムが噴霧乾燥プロセスに統合される。プロセス気体の予熱のために利用できる熱エネルギーの温度レベルを上昇させる目的のために、流体ネットワークは、上記の露点除湿に必要な量の冷却エネルギー(cooling energy)-この冷却エネルギーは熱ポンプによって回収される-を提供して容量制御するためのプロセス気体エントリの除湿システム、及び、蒸発した溶媒の潜熱の大部分を回収することも可能であるプロセス気体排気の熱回収システムと、可変的に組み合わせられる。その結果、同時に、高い熱回収率及び顕著に増加した乾燥容量と、比例して増加した乾燥生成物の出力と、慣用の噴霧乾燥プロセスと比べて、乾燥生成物の単位当たりのより低い比エネルギー需要並びにより少ないCO2フットプリントが得られる。本発明では、慣用の熱消費の一部がより少ない環境負荷で作られてよい電力によって置換されることに留意されるべきである。本発明によれば、乾燥生成物の出力に関する乾燥プロセスの比エネルギー需要は、従来技術の構成要素の40%を超えて減少し、あるいは慣用の乾燥プロセスと比べてさらに多く減少する新興の解決手段であることが可能である。
【0028】
さらなる態様では、噴霧乾燥装置は乾燥室を含み、乾燥室は、前記熱交換器の少なくとも1つに接続された乾燥気体の第一プロセス気体入口と、前記熱交換器の少なくとも1つに接続された乾燥材料輸送用の乾燥室出口における第二プロセス気体入口を有する。
【0029】
さらなる態様では、噴霧乾燥装置は少なくとも1つの後処理ユニットをさらに含み、後処理ユニットは、前記熱交換器の少なくとも1つに接続された少なくとも第三気体入口を、好ましくは前記熱交換器の少なくとも1つに接続された少なくとも第四気体入口も、有する。
【0030】
したがって、複数の接続された流体ループを介して流れる熱輸送流体を用いる流体ネットワークを、流体ループの温度レベルを利用可能な熱源と熱シンクに柔軟に適合させて熱エネルギーをできるだけ多く再循環する目的で、熱輸送プロセスが起きる噴霧乾燥プロセスの複数の領域に統合してもよい。
【0031】
さらなる態様では、必要な温度レベルに対応する冷却及び/又は加熱需要をカバーするために、プロセス装備の上流及び下流を含む全プラントにおけるエネルギー消費をさらに減少させるために、流体ネットワークを用いて、熱ポンプを噴霧乾燥器以外の他のプロセスプラント(例えば、蒸発ライン、凝縮冷却(concentrate cooling)、フィード予熱、低温殺菌ラインなど)に接続する。
【0032】
さらなる態様では、熱源は、気体又は液体である補助流体流(auxiliary fluid stream)を冷却(cooling)する形で提供される。
【0033】
さらなる態様では、熱シンクは気体又は液体である補助流体流の加熱の形で提供される。
【0034】
さらなる態様では、熱ポンプアセンブリは、少なくとも1つの高温熱ポンプを含み、1又は複数の熱ポンプは、特定の熱ポンプにより設定される限界に従って、それぞれの冷サイドで20°C未満の温度の冷却エネルギー(chilling energy)、並びに、それぞれの熱サイドで約35-90°Cの間の少なくとも1つの中間レベルと100°Cを超える高温レベルを含む異なる熱シンクのための異なる温度レベルの加熱エネルギーを、同時に提供することが可能である。
【0035】
さらなる態様では、乾燥システムはクローズサイクルシステムであり、プロセス気体が乾燥プラントのエントリに再循環されるように適合され、少なくとも2つの熱源が1つの熱交換器におけるプロセス気体ともう1つの熱交換器における補助流の除湿を含む。
【0036】
このようなクローズサイクルシステムの1つの態様において、熱シンクは前記熱交換器の少なくとも1つにおいて乾燥プラント内で用いられるプロセス気体の予熱を含む。
【0037】
さらなる態様では、乾燥システムはクローズサイクルシステムであり、プロセス気体は乾燥プラントのエントリに再循環されるように適合され、かつ乾燥剤ユニットが提供され、前記2つの熱源は1つの熱交換器におけるプロセス気体の除湿ともう1つの熱交換器における前記乾燥剤ユニットからの再生空気流とを含む。熱シンクはさらにもう1つの熱交換器における乾燥剤ユニットへ向かう再生空気流の加熱を含んでよい。
【0038】
さらなる態様では、熱ポンプアセンブリは、少なくとも1つの熱ポンプのための少なくとも1つの制御装置と、少なくとも1つの熱ポンプと熱交換器をつなぐパイプ系を含む。有利には、パイプ系は第二流体の操作のための少なくとも1つの制御装置が提供される。
【0039】
前述の目的を満たすために、第一流体で操作する熱ポンプアセンブリを、乾燥プラントを含む乾燥システムに統合する方法が提供され、この方法は、第二流体が循環する流体ネットワークにおける複数の熱交換器を用いて、a)少なくとも2つの熱源、これらの熱源は乾燥プラントに入るプロセス気体の露点除湿と乾燥プラントを去る排出気体から潜熱及び/又は顕熱の熱回収とをそれぞれ含む、及びb)少なくとも1つの熱シンク、この熱シンクは乾燥プラント内で使用するプロセス気体の予熱を含む、を熱ポンプアセンブリに接続すること;及び、乾燥プラントの容量と生成物の重量単位当たりの比エネルギー需要を最適化する目的で、熱源から流体へ、流体から熱シンクへの熱移動(熱輸送)を管理するために、前記流体ネットワークのそれぞれの部分のフロー(流れ)及び温度により流体ネットワークを制御すること、を含む。
【0040】
こうして、このシステムは、流体ネットワークのそれぞれの部分におけるフロー(流れ)、フロー方向、圧力及び温度によって制御されて、流体ネットワークのそれぞれの部分における、異なる熱源のそれぞれから流体へ、流体から熱ポンプの冷蒸発サイドへ、熱ポンプのすべての熱サイドから流体へ、流体から異なる熱シンクへのそれぞれへの熱移動が、管理される。
【0041】
好ましい態様では、乾燥システムはオープンサイクルシステムであり、 乾燥プラントの容量及び生成物の単位重量当たりの比エネルギー需要を最適化するとき、乾燥システムの位置における周囲空気の絶対湿度及び温度をアカウントする。
【0042】
選択的な態様では、乾燥システムはクローズサイクルシステムであり、補助流(an auxiliary stream)が供給される。
【0043】
さらなる態様では、乾燥剤ユニットが提供され、乾燥剤ユニットを介して再生空気流が供給される。
【0044】
さらなる態様では、熱ポンプアセンブリは、制御装置及びパイプ系を含む換装装備(retrofit appliance)として提供され、本方法は、パイプ系を熱交換器に接続して流体ネットワークを形成するステップを含む。
【0045】
ループ系を形成する複数の統合ループをもつ流体ネットワークは、複数の制御装置、例えば、フロー制御装置、温度制御装置、圧力制御装置、パイプライン、容器、ポンプ、熱交換器及び/又はバルブによって、単一及び/又は複合のループをフロー、フロー方向、圧力及び温度によって制御するような仕方で、柔軟に制御される。したがって、操作条件は、異なる操作条件の結果である乾燥プロセスの変化する熱的要件に柔軟に適合することが可能である。ここで、その操作条件は、a)乾燥される生成物の種類、b)乾燥される生成物の単位時間当たりの量としての容量、c)生成物の乾燥以外の乾燥プラント条件、d)プロセス気体入口の温度及び湿度の日ごと及び季節ごとの変動に、依存し又は独立して影響される。結果として、露点除湿後の乾燥プラントに入るプロセス気体の温度及び湿度条件は、調整可能で制御されるレベルで多かれ少なかれ一定であると考えられるべきである。流体ネットワークを制御するこの方法は、したがって、乾燥空気湿度を常に制御された値に維持するためにプロセス気体エントリの露点除湿に必要な変化し得る冷却容量(chilling capacity)をいつでも提供する。同時に、熱ポンプの冷サイドは、噴霧乾燥プロセスにおける異なる冷却(cooling)目的、例えば最終及び/又は中間粉体の冷却及び/又は空気圧輸送のために必要な場合に、十分に冷たい乾燥プロセス気体を提供する。一緒に、その結果、噴霧乾燥プロセスのかなりの乾燥容量増加も得られる。
【0046】
プロセス気体エントリの露点除湿のための冷却エネルギー(chilling energy)は、前記第二流体である冷却された流体を用いる統合ループ系の一部として提供され、その流体の冷却(cooling)は熱ポンプの冷蒸発サイドによって提供され、これによって低温レベルから熱エネルギーを再循環させて、より高温レベルで使用することを可能にする。熱ポンプは、プロセス気体エントリの望ましい露点除湿に必要であるよりも、加熱目的のためにより大きい冷却容量(chilling capacity)を必要とするかもしれない。プロセス気体エントリの露点除湿のレベルの変動は、統合ループ系の冷熱輸送流体のフロー及び/又は温度を変更して適合することが可能である。追加の熱は、そうでなければ失われる廃棄エネルギーと考えられていたような低い温度レベルで熱エネルギーを回収するために、プロセス気体排気から少なくとも部分的に得ることが可能である。1つの統合された流体ネットワークにおけるプロセス気体エントリの露点除湿とプロセス気体排気の冷却(cooling)と一緒の熱負荷の複合利用は、慣用の噴霧乾燥プロセスと比べて熱回収レベルをかなり増加しながら、増加した製造容量も提供する。
【0047】
流体ネットワークは、乾燥プロセス要件に従って熱ポンプが許容する最大温度にプロセス空気を予熱するために、また可能性としては追加及び/又は補助流を予熱するために、必要な熱量を提供するのに十分な熱を熱源から抽出するように制御される。プロセス気体エントリの露点除湿と、プロセス気体排気、及びプロセス気体副流が流体ネットワークにより冷却される全ての熱輸送プロセスからの熱回収と、の両方が、噴霧乾燥プロセスの熱源として考えられる。噴霧乾燥プロセスの熱シンクも、同様に、すべて熱輸送操作であり、プロセス気体エントリ、又は噴霧乾燥プロセスの操作に必要であるその他のプロセス気体副流が、流体ネットワークシステムによって加熱され、例えば、プロセス気体エントリ領域における凍結を防止するために、周囲空気が日々又は季節の条件のゆえに例えば4°C未満であるとき、プロセス気体エントリの少なくとも約6°C超への初期予熱によって加熱される。
【0048】
通常、噴霧乾燥プロセスのエネルギーバランスは、熱回収の限定要因が熱ポンプにより提供され得る最高温度なので、噴霧乾燥プロセスの熱シンクに輸送可能な熱エネルギーと比べてより多くの熱エネルギーが、噴霧乾燥プロセスの低温熱源から入手可能であることを示す。
【0049】
熱ポンプは、熱ポンプの熱サイドが提供する入手可能な温度レベルに応じて噴霧乾燥プロセスの熱シンクに輸送することが可能であるような予熱容量以上をいつでも提供するように選択(size)される。熱ポンプが噴霧乾燥プロセス外の他の加熱目的のための熱エネルギーを追加して提供すべきであれば、熱ポンプをそのように選択することが可能である。続いて、熱ポンプは、噴霧乾燥プロセスの乾燥容量を増加するためにプロセス気体エントリの露点除湿に必要である少なくともそのような冷却容量(chilling capacity)をいつでも提供できるように選択される。熱ポンプの選択の結果必要な加熱容量を提供する追加の熱負荷のためのすべての要求は、それゆえに、噴霧乾燥プロセスの熱源からの熱エネルギーの回収によって、又は噴霧乾燥プロセス外の他の冷却(cooling)目的のためにカバーされる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本発明を、現在の好ましい態様の非限定的な例を用いて、概略図を参照して、以下により詳細に説明する。
【
図1】
図1は、従来技術の乾燥システムの概略図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の第一態様における乾燥システムの主な構成要素の概略図を示す。
【
図3】
図3は,本発明の第二態様におけるオープンサイクル乾燥システムの主な構成要素の概略図を示す。
【
図4】
図4は、本発明の第三態様におけるクローズサイクル乾燥システムの主な構成要素の概略図を示す。
【
図5】
図5は、本発明の第四態様における乾燥剤ユニットを含むオープンサイクル乾燥システム主な構成要素の概略図を示す。
【
図6】
図6は、本発明の第五態様における乾燥剤ユニットを含むクローズサイクル乾燥システム主な構成要素の概略図を示す。
【
図7】
図7は、噴霧乾燥プラントを含む第六態様の乾燥システムの概略図を示す。
【
図8】
図8は、噴霧乾燥プラントと乾燥剤ユニット含む第七態様の乾燥システムの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、噴霧乾燥装置2を含む乾燥プラントの主な構成要素の概略図を示す。
【0052】
それ自体公知のように、噴霧乾燥装置2は、乾燥室21及びプロセス空気/気体(典型的には空気/気体分散剤を含む)のための第一入口22を含む。用語“気体”は、用語“空気”とともに“空気/気体”として用いられ、噴霧乾燥装置などにおけるプロセス気体として適当なすべての気体を含むと解釈されるべきである。
【0053】
乾燥室21はまた噴霧手段(図示せず)、例えばノズル及び/又は噴霧ホイールを含む。用語“乾燥プラント”は粉体又は粒子材料を処理するようなプラントを含むことを意図している。その材料は、粉体又は粒子材料のフィードとして、あるいは乾燥されるべき液体フィードのいずれかとして提供されてよい。乾燥プラントは、また粒子材料の冷却を含むことを意図している。記載されている噴霧乾燥装置に加えて又はその代わりに、そのようなプラントは1つ以上の流動床、フラッシュ乾燥器などを含むことができる。
【0054】
乾燥室21の下端部に乾燥又は半乾燥中間材料のための出口23が提供される。図示の噴霧乾燥装置2では、振動型又は静的流動床24の形の後処理ユニットが提供される。振動型又は静的流動床24は、一端部で、乾燥室21の乾燥又は半乾燥中間材料を次の材料の処理のための出口23から受領し、それは振動型又は静的流動床24の他端部の出口で集められるものである。
【0055】
さらに、噴霧乾燥装置2は、複数のフィルタユニット、サイクロン及び/又はバッグフィルタ又はそのあらゆる組合せを含む、一連の粉体回収ユニットを含む。
図1の従来技術のシステムでは、1つのサイクロン25が示されており、そこに使われたプロセス気体がプロセス気体に連行される粒子とともに導かれる。サイクロン25に導かれたプロセス気体は、図示のように乾燥室21又は振動型又は静的流動床24に起源をもつことができる。サイクロン25はバッグフィルタ26に接続され、これらはいずれも使用されたプロセス気体(図示せず)から粒子を回収又は集める目的であり、そこから排気気体(exhaust gas)は、周囲に排出されるか、あるいは例えば噴霧乾燥装置から去る排気気体をプロセス気体として再使用するクローズサイクルシステムの場合に、再循環されるために排出される。
【0056】
複数の輸送ラインが、それ自体公知であり詳細に記載しない仕方で、操作ユニットを互いに接続する。
【0057】
噴霧乾燥装置2の上流に、入ってくるプロセス気体を操作する複数の操作ユニットが提供される。そのような操作ユニットの構成は乾燥プラントに用いるプロセス気体に依存する。オープンサイクルプラントでは、プロセス気体は典型的には乾燥プラントの周囲から取られる周囲空気であるが、クローズサイクルプラント又は半クローズサイクルプラントでは、プロセス気体あるいはその一部は、下流端部で乾燥プラントから去る排出気体(後処理が続いてもよい)である。
【0058】
図1に示す従来技術の乾燥プラントでは、噴霧乾燥装置2の上流の操作ユニットは、フィルタ81を有する空気室80を含み、そこにプロセス気体が周囲からの周囲空気の形で提供される。
【0059】
プロセス気体を予熱するために、例えば、乾燥プラントを凍結から守るために、熱交換器 61aが外部熱供給手段(図示せず)に連結される。
【0060】
空気室80の下流で、もう1つの熱交換器61bが、第一プロセス気体入口22を介して噴霧乾燥装置2の乾燥室21に供給すべき乾燥空気を提供する外部熱供給手段(図示せず)に連結される。例えば食品粉体の製造のための、このような噴霧乾燥プラントは、通常、非常に大きいエネルギー集中設備であり、例えば250°Cを超える高い温度における熱エネルギー消費率(specific thermal energy consumption)が高い。熱交換器61bのための外部熱供給手段は、典型的には高いCO2放出を伴う主にエネルギー燃焼プロセスで提供される。燃焼プロセスは、乾燥プロセスのエントリに必要な温度、殆どの場合約150°Cと230°Cの間、場合によってはそれより高い温度で、加熱エネルギーをプロセス気体-殆ど周囲空気-に提供する。プロセス気体は、乾燥プロセスの際に溶媒-殆どの場合水-を蒸発させるエネルギーを提供し、殆どの場合65-80°Cの間の低い温度レベルで暖排出気体としてプロセスを去る。
【0061】
追加の熱交換器61c, 61d及び61eが、乾燥室21からの出口23及び流動化手段24のそれぞれ入口端及び出口端に提供される。これらの全ての熱交換器61c-61eは、また外部熱供給手段にも接続される。熱交換器61eには、外部冷却供給手段(図示せず)に接続された熱交換器61fが先行し、それが、このステージの空気の温度が高すぎるときあるいは空気を除湿する必要があるときに、空気室80を出る空気の冷却を供する。
【0062】
同様にさらに上流及び下流の装備が存在してよいが、以下に説明する本発明に関係がない。
図1を参照して上記に詳細に述べた噴霧乾燥装置2の全ての構成要素は、
図2~8に描かれていなくても、以下において参照される。
【0063】
図2に、本発明の第一態様において一般的に1で表示される乾燥システムの主な構成要素を示す。
【0064】
乾燥システム1は一般的に2で表示される乾燥プラントを含み、これは上記の従来技術の乾燥プラントのように噴霧乾燥装置を含んでよい。
【0065】
乾燥プラント2は、第一流体としてのサイクル気体によって操作される少なくとも1つの熱ポンプ30を含む熱ポンプアセンブリ3に接続される。
【0066】
第一態様の乾燥システム1において、熱ポンプアセンブリ3の熱ポンプ30は、制御装置31に接続され、かつ流体ネットワークの一部としてのパイプ系32を介して、前記流体ネットワークにおける複数の熱交換器により2つの熱源と1つの熱シンクに接続される。
【0067】
図示の態様において、制御装置31は、例えば、換装装備(retrofit appliance)として乾燥プラントに接続されるべきアドオンアセンブリの一部を形成するために、熱ポンプアセンブリ3に統合されて示されている。しかしながら、制御装置は分離して提供されてもよい。対応して、上記流体ネットワーク、又は関連パイプ系32のようなその一部は、同様に熱ポンプアセンブリ3の一部として提供されてよい。
【0068】
第二流体は流体ネットワークを循環して、熱源と熱シンクの間の熱輸送を提供する。熱輸送流体は、特定の要件に基づいて選択してよく、1つの例は約3.0~4.19 kJ/kgKの間の高い比熱容量を有し、かつ0 °Cと熱ポンプが許容する最高温度の間で操作可能である水系溶液である。
【0069】
熱ポンプアセンブリ3は、少なくとも1つの高温熱ポンプを含み、1又は複数の熱ポンプは、それぞれの冷サイドにおける20°Cより低い温度の冷却エネルギー(chilling energy)と、それぞれの熱サイドにおける約35-90°Cの間の少なくとも1つの中間レベルと100°Cを超える高温レベルを含む異なる熱シンクのための異なる温度レベルの加熱エネルギーと、を同時に提供することが可能である。
【0070】
第一態様における2つの熱源は、第一熱源熱交換器 41における乾燥プラントに入るプロセス気体の露点除湿と;第二熱源熱交換器42における乾燥プラントを去る排出気体からの潜熱及び/又は顕熱の回収を含む。
【0071】
第一態様の熱シンクは、第一熱シンク熱交換器51における乾燥プラント内で用いるプロセス気体の予熱を含む。
【0072】
次に、本発明の乾燥システムのさらなる態様を参照するが、
図1の乾燥プラント及び
図2に示す第一態様におけると同じ又は同様の機能を有する要素は、全体において、変更点があっても同じ参照数字を用いる。態様間の違いだけを詳細に記載する。
【0073】
図3のフローダイアグラムに示す第二態様において、乾燥システム1はオープンサイクル乾燥システムであり、入ってくるプロセス気体の除湿を第一熱源熱交換器41において描いたように第一熱源として利用し、乾燥プラント2を去る排出気体を第二熱源熱交換器42により第二熱源として回収する。熱ポンプアセンブリ3で発生する熱エネルギーを、ここでは第一熱シンク熱交換器51におけるプロセス気体の予熱に利用する。乾燥プラント2において第一プロセス気体として導入されるべき乾燥気体の必要な温度を実現するために、外部熱供給手段62が熱交換器61を介してプロセス気体を加熱する。
【0074】
次に
図4に示す第三態様に移ると、 乾燥システム1はクローズサイクルシステムであり、プロセス気体は乾燥プラントのエントリに再循環されるように適合される。この態様では、2つの熱源は、第一熱源熱交換器41におけるプロセス気体の除湿と、第三熱源熱交換器43における補助流とを含む。第二態様におけるように、熱シンクは第一熱シンク熱交換器51における乾燥プラント内で用いるプロセス気体の予熱を含み、それに続いて外部熱供給手段62が熱交換器61を介してプロセス気体の最終温度上昇を提供する。
【0075】
図5は本発明による乾燥システム1の第四態様を示す。この乾燥システムにおいて乾燥剤ユニット7が提供され、例えば、周知であるような乾燥剤ホイールを含む。乾燥剤は露点除湿後にプロセス気体から水を吸着する。熱源は、第一及び第二態様におけるように、熱交換器41,42による露点除湿及び排気回収を含む。1つの熱シンクは、上記のように、熱交換器51における予熱で提供される。さらに、熱シンクはプレ乾燥剤熱交換器58における空気の加熱の形で提供される。
【0076】
図6において、第五態様の乾燥システム1は第四態様の構成要素を、しかしクローズサイクルシステムのように、含む。2つの熱源は、1つの熱交換器41におけるプロセス気体の除湿と、もう1つの熱交換器、第四熱源熱交換器44における乾燥剤ユニット7からの再生空気流を含む。熱シンクはプレ乾燥剤熱交換器59における乾燥剤ユニット7へ向かう再生空気流の加熱を含む。
【0077】
図7及び
図8に、
図1の従来技術の噴霧乾燥装置2に代表されるような乾燥プラントにおける熱ポンプアセンブリ 3の統合を示す。
【0078】
図7の第六態様において、複数の熱シンクが利用される。即ち、熱交換器51,52による乾燥室21へ向かう乾燥気体の第一プロセス気体入口22の予熱のために;熱交換器54による、乾燥又は半乾燥材料の輸送のための乾燥室21の出口23における、第二プロセス気体入口の副流(side stream)のヒータとして;及び、熱交換器53,55による、第三及び第四気体入口において流動化手段24のそれぞれの端部へ向かう副流(side stream)の加熱のために。
【0079】
図8に示す第七態様において、さらなる熱源が、第五熱源熱交換器45におけるプロセス気体の副流(side stream)の冷却によって提供される。
【0080】
当業者は、本発明が上記の好ましい態様に限定されないことを理解するであろう。逆に、添付の特許請求の範囲に記載の範囲において多くの修正や変更が可能である。
以下に本発明の態様の例を示す。
(態様1)
乾燥プラント(2)と熱ポンプアセンブリ(3)を含む乾燥システム(1)であって、熱ポンプアセンブリ(3)は少なくとも1つの熱ポンプ(30)を含み、熱ポンプ(30)は、第一流体で操作され、かつ第二流体が循環する流体ネットワーク中の複数の熱交換器(41-45, 51-59)により少なくとも2つの熱源及び少なくとも1つの熱シンクに接続されている、乾燥システム(1)。
(態様2)
前記少なくとも2つの熱源は、
-乾燥プラントに入るプロセス気体の前記熱交換器(41)の少なくとも1つにおける露点除湿;及び
-乾燥プラントを去る排出気体から前記熱交換器(42)の少なくとも1つにおける潜熱及び/又は顕熱の回収;
を含む、態様1に記載の乾燥システム。
(態様3)
前記少なくとも1つの熱シンクは、乾燥プラント内で用いられるプロセス気体の前記熱交換器(51)の少なくとも1つにおける予熱を含む、態様1又は2に記載の乾燥システム。
(態様4)
熱シンクが、プロセス気体エントリ領域における凍結を防ぐために、前記露点除湿の前に前記熱交換器(56)の少なくとも1つにおける前記プロセス気体の予熱の形で提供される、態様2に記載の乾燥システム。
(態様5)
熱シンクが、乾燥剤ユニット(7)の乾燥剤の再生のために、前記熱交換器(57, 58)の少なくとも1つにおけるプロセス気体の加熱の形で提供され、前記乾燥剤は前記露点除湿後に前記プロセス気体から水を吸着/吸収する、態様2に記載の乾燥システム。
(態様6)
空気の冷却(cooling)が、乾燥剤吸着/吸収体(desiccant sorbent)の再生後に外部熱交換器(63)において提供され、前記乾燥剤は凝縮後の前記プロセス気体から溶媒蒸気を吸着/吸収する、態様1~5のいずれか一項に記載の乾燥システム。
(態様7)
熱源が、前記熱交換器(45)の少なくとも1つにおけるプロセス気体副流の冷却(cooling)の形で、任意に最終及び/又は中間乾燥生成物の冷却及び/又は空気圧輸送のために、提供される、態様1~6のいずれか一項に記載の乾燥システム。
(態様8)
乾燥システムの乾燥プラントが、少なくとも1つの予備処理ユニットと少なくとも1つの排気熱回収ユニットとに接続された噴霧乾燥装置(2)を含む、態様1~7のいずれか一項に記載の乾燥システム。
(態様9)
噴霧乾燥装置(2)が、乾燥室(21)を含み、乾燥室(21)は、前記熱交換器(51, 52)の少なくとも1つに接続された乾燥用気体の第一プロセス気体入口(22)と、前記熱交換器(54)の少なくとも1つに接続された乾燥された材料を輸送する乾燥室(21)の出口(22)にある第二プロセス気体入口とを有する、態様8に記載の乾燥システム。
(態様10)
噴霧乾燥装置(2)が、少なくとも1つの後処置ユニット(24)をさらに含み、少なくとも1つの後処置ユニット(24)は、少なくとも、前記熱交換器 (53)の少なくとも1つに接続された第三気体入口を有し、好ましくは、前記熱交換器(45, 55)の少なくとも1つに接続された第四気体入口も有する、態様9に記載の乾燥システム。
(態様11)
熱ポンプアセンブリ(3)は、少なくとも1つの高温熱ポンプ(30)を含み、1又は複数の熱ポンプは、それぞれの冷サイドにおける20°C未満の温度の冷却エネルギー(chilling energy)と、それぞれの熱サイドにおいて約35-90°Cの間の少なくとも1つの中間レベルと100°Cを超える高温レベルとを含む異なる熱シンクのための異なる温度レベルの加熱エネルギーとを、同時に提供可能である、態様1~10のいずれか一項に記載の乾燥システム。
(態様12)
乾燥システムがクローズサイクルシステムであり、プロセス気体が乾燥プラントのエントリに再循環されるように適合され、前記少なくとも2つの熱源が、1つの熱交換器(41)におけるプロセス気体の除湿ともう1つの熱交換器(43)における補助流体を含む、態様1に記載の乾燥システム。
(態様13)
熱シンクが、前記熱交換器(51)の少なくとも1つにおける乾燥プラント内で用いられるプロセス気体の予熱を含む、態様12に記載の乾燥システム。
(態様14)
乾燥システムがクローズサイクルシステムであり、プロセス気体が乾燥プラントのエントリに再循環されるように適合され、乾燥剤ユニット(7)が提供されており、前記少なくとも2つの熱源が、1つの熱交換器(41)におけるプロセス気体の除湿ともう1つの熱交換器(44)における乾燥剤ユニット(7)からの再生空気流とを含む、態様1に記載の乾燥システム。
(態様15)
熱シンクが、もう1つの熱交換器(59)における乾燥剤ユニット(7)への再生空気流の加熱を含む、態様14に記載の乾燥システム。
(態様16)
熱ポンプアセンブリ(3)が、少なくとも1つの熱ポンプ(30)の少なくとも1つの制御装置(31)と、少なくとも1つの熱ポンプ(30)を前記熱交換器(41-45, 51-59)に接続するパイプ系(32)とを含む、態様1~15のいずれか一項に記載の乾燥システム。
(態様17)
第一流体で操作する熱ポンプアセンブリを、乾燥プラントを含む乾燥システムに統合する方法であって、前記方法が、
-第二流体が循環する流体ネットワークにおける複数の熱交換器を用いて、a)少なくとも2つの熱源、ここにその熱源は、乾燥プラントに入るプロセス気体の露点除湿と、乾燥プラントを去る排出気体の潜熱及び/又は顕熱の回収とをそれぞれ含む、及び、b)少なくとも1つの熱シンク、ここにその熱シンクは乾燥プラント内で用いるプロセス気体の予熱を含む、を熱ポンプアセンブリに接続すること;
-前記流体ネットワークのそれぞれの部分におけるフロー及び温度によって前記流体ネットワークを制御して、乾燥プラントの容量と生成物の重量単位当たりの比エネルギー需要とを最適化するために、熱源から流体へ、流体から熱シンクへの熱移動を管理すること、
を含む、方法。
(態様18)
乾燥システムがオープンサイクルシステムであり、乾燥プラントの容量と生成物の単位重量当たりの比エネルギー需要を最適化するときに、乾燥システムの位置で周囲空気の絶対湿度及び温度のアカウントを取る、態様17に記載の方法。
(態様19)
乾燥システムがクローズサイクルシステムであり、補助流体が供給される、態様17に記載の方法。
(態様20)
乾燥剤ユニットが提供され、乾燥剤ユニットを介して再生空気流が供給される、態様19に記載の方法。
(態様21)
熱ポンプアセンブリが制御装置とパイプ系を含む換装装備(retrofit appliance)として提供され、前記方法が、パイプ系を熱交換器に接続して、流体ネットワークを形成することをさらに含む、態様17~20のいずれか一項に記載の方法。
【0081】
(参照数字)
1 乾燥システム
2 乾燥プラント/噴霧乾燥 装置
21 乾燥室
22 第一プロセス気体 入口
23 乾燥室の出口
24 流動化手段
25 サイクロン
26 バッグフィルタ
3 熱ポンプアセンブリ
30 熱ポンプ
31 熱ポンプアセンブリの制御装置
32 熱ポンプアセンブリのためのパイプ系
41 第一熱源熱交換器
42 第二熱源熱交換器
43 第三熱源熱交換器
44 第四熱源熱交換器
45 第五熱源熱交換器
51 第一熱シンク熱交換器
52 第二熱シンク熱交換器
53 第三熱シンク熱交換器
54 第四熱シンク熱交換器
55 第五熱シンク熱交換器
56 第六熱シンク熱交換器
57 第七熱シンク熱交換器
58 プレ乾燥剤熱交換器
59 プレ乾燥剤熱交換器
61a-f 従来技術における外部加熱/冷却用熱交換器
61 外部熱供給手段のための熱交換器
62 外部熱供給手段
63 外部熱交換器
7 乾燥剤ユニット
80 空気室
81 フィルタ