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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-12
(45)【発行日】2022-07-21
(54)【発明の名称】自動化貯蔵および回収システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20220713BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019563360
(86)(22)【出願日】2018-05-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 EP2018062707
(87)【国際公開番号】W WO2018210923
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-05-13
(31)【優先権主張番号】20170809
(32)【優先日】2017-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】513044245
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アウストルハイム, トロンド
(72)【発明者】
【氏名】フィエルドハイム, イヴァル
(72)【発明者】
【氏名】ファゲルランド, イングヴァル
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-529181(JP,A)
【文献】特開2016-045805(JP,A)
【文献】特表2017-509564(JP,A)
【文献】特表2017-503731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/133,1/14-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動化貯蔵および回収システム(1)であって、
軌道システム(10、16)であって、前記軌道システム(10、16)は、水平面(P)に配列され、第1の方向(X)に延在する平行軌道の第1のセット(11)と、前記水平面(P)に配列され、前記第1の方向(X)に直交する第2の方向(Y)に延在する平行軌道の第2のセット(12)とを備え、前記軌道の第1および第2のセット(11、12)は、複数の隣接するグリッドセル(14)を備えるグリッドパターン(13)を前記水平面(P)に形成し、各グリッドセルは、前記軌道の第1のセット(11)の隣接する軌道の対(11a、11b)および前記軌道の第2のセット(12)の隣接する軌道の対(12a、12b)によって画定されるグリッド開口部(15)を備える、軌道システム(10、16)と、
前記軌道システム(10、16)の真下に位置する貯蔵コラム(7)内に配列される貯蔵コンテナ(8)の複数のスタック(9)であって、各貯蔵コラム(7)は、グリッド開口部(15)の下方に垂直に位置する、貯蔵コンテナ(8)の複数のスタック(9)と、
前記スタック(9)においてスタックされる貯蔵コンテナ(8)を持ち上げ、移動させるための複数のコンテナ荷役車両(3、310、320)であって、前記コンテナ荷役車両(3、310、320)は、前記貯蔵コラム(7)の上方の前記軌道システム(10)上で側方に移動し、前記グリッド開口部(15)を介して前記貯蔵コンテナ(8)にアクセスするように構成され、前記複数のコンテナ荷役車両(3、310、320)はそれぞれ、グリッドセル(14)の水平範囲以下である水平範囲を伴う、前記軌道システム(10、16)に対する接触面積(30、30’)を有し、
前記軌道システム(10、16)に沿って前記コンテナ荷役車両(3、310、320)を誘導するためのホイールアセンブリ(18)と、
貯蔵コンテナ(8)を収容するために前記コンテナ荷役車両(3、310、320)の前記接触面積(30、30’)の前記水平範囲内に配列されるコンテナ受容貯蔵空間(24)と、
スタック(9)内の貯蔵位置と前記貯蔵空間(24)内の輸送位置との間で垂直に貯蔵コンテナ(8)を輸送するように配列される持上デバイス(21)であって、前記持上デバイス(21)は、
貯蔵コンテナ(8)を解放可能に把持するように構成される把持デバイス(22)と、
前記貯蔵空間(24)に対して前記把持デバイス(22)を上昇および降下させるように構成される持上モータ(23)と
を備える、持上デバイス(21)と
を備える、複数のコンテナ荷役車両(3、310、320)と
を備え、
各コンテナ荷役車両(3、310、320)が、突出区分(27)を備え、前記突出区分(27)が、前記コンテナ荷役車両(3、103、203)の前記接触面積(30、30’)の前記水平範囲(30、30’)を越えて水平に延在し、前記コンテナ荷役車両(3、103、203)がグリッドセル(14)の上方に位置付けられると、隣り合うグリッドセルの中に延在し、前記突出区分(27、27’、27’’)が、再充電可能バッテリ(25)、交換可能バッテリ(25)を格納するためのバッテリスロット(28)、および前記軌道システム(10、16)上の前記車両または前記軌道システム(10、16)上の相対する他の車両の位置を確立するためのセンサのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、システム(1)。
【請求項2】
前記ホイールアセンブリ(18)が、前記第1の方向(X)において前記コンテナ荷役車両(3、103、203)の移動を誘導するために、前記軌道の第1のセット(11)と係合するためのホイールの第1のセット(19)と、前記第2の方向(Y)において前記コンテナ荷役車両(3、103、203)の移動を誘導するために、前記軌道の第2のセット(12)と係合するためのホイールの第2のセット(20)とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(1)。
【請求項3】
各コンテナ荷役車両(103、203)が、陥凹区分(29)を備え、前記陥凹区分(29)が、他のコンテナ荷役車両(103、203)の前記突出区分(27)を収容するように配列され、前記コンテナ荷役車両が隣接するグリッドセル上で相互に通過することを可能にすることを特徴とする、請求項1および請求項2のいずれか1項に記載のシステム(1)。
【請求項4】
前記陥凹区分(29)が、前記突出区分(27)の形状に相補的である形状を有することを特徴とする、請求項3に記載のシステム(1)。
【請求項5】
前記陥凹区分(29)が、前記突出区分(27)が延在する方向に直交する方向において前記コンテナ荷役車両(103、203)の全幅または全長を横断して延在することを特徴とする、請求項3および4のいずれか1項に記載のシステム(1)。
【請求項6】
自動化貯蔵および回収システム(1)のためのコンテナ荷役車両(3、103、203)であって、前記コンテナ荷役車両(3、103、203)は、下側部分(17a)を備え、前記下側部分(17a)は、前記自動化貯蔵および回収システム(1)の水平軌道システム(10、16)に沿って前記コンテナ荷役車両(3、103、203)を誘導するためのホイールアセンブリ(18)と、前記自動化貯蔵および回収システム(1)の貯蔵コンテナ(8)を収容するために前記下側部分(17a)内で中心に配列される貯蔵空間(24)とを備え、前記コンテナ荷役車両(3、103、203)は、
スタック(9)内の貯蔵位置と前記貯蔵空間(24)内の輸送位置との間で垂直に貯蔵コンテナ(8)を輸送するように配列される持上デバイス(21)であって、前記持上デバイス(21)は、
貯蔵コンテナ(8)を解放可能に把持するように構成される把持デバイス(22)と、
前記貯蔵空間(24)に対して前記把持デバイス(22)を上昇および降下させるように構成される持上モータ(23)と
を備える、持上デバイス(21)
をさらに備え、
前記コンテナ荷役車両(3、103、203)が、前記下側部分(17a)の上方に配列される上側部分(17b)を備え、前記上側部分(17b)が、前記下側部分(17a)を越えて水平に延在する突出区分(27、27’、27’’)を備え、前記突出区分(27、27’、27’’)が、再充電可能バッテリ(25)、交換可能バッテリ(25)を格納するためのバッテリスロット(28)、および前記軌道システム(10、16)上の前記車両または前記軌道システム(10、16)上の相対する他の車両の位置を確立するためのセンサのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、コンテナ荷役車両(3、103、203)。
【請求項7】
陥凹区分(29、29’、29’’)を備え、前記陥凹区分(29、29’、29’’)が、前記突出区分(27、27’、27’’)に対応する本体を収容するように配列され、これにより、前記突出区分および陥凹区分(27、27’、27’’、29、29’、29’’)を有するコンテナ荷役車両(103、203)が隣接するグリッドセル上で相互に通過することを可能にすることを特徴とする、請求項6に記載のコンテナ荷役車両(103、203)。
【請求項8】
前記陥凹区分(29、29’、29’’)が、前記突出区分(27、27’、27’’)の形状に相補的である形状を有することを特徴とする、請求項7に記載のコンテナ荷役車両(103、203)。
【請求項9】
前記突出区分(27、27’、27’’)および前記陥凹区分(29、29’、29’’)が、前記コンテナ荷役車両(103、203)の対向する側において配列されることを特徴とする、請求項7および8のいずれか1項に記載のコンテナ荷役車両(103、203)。
【請求項10】
前記ホイールアセンブリ(18)が、前記貯蔵空間(24)の周辺の周囲に配列されるホイール(19a-19d、20a-20d)を備えることを特徴とする、請求項6~9のいずれか1項に記載のコンテナ荷役車両(103)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動化貯蔵および回収システムに関する。
特に、本発明は、自動化貯蔵および回収システムに関し、該自動化貯蔵および回収システムは、
軌道システムであって、該軌道システムは、水平面に配列され、第1の方向に延在する平行軌道の第1のセットと、水平面に配列され、第1の方向に直交する第2の方向に延在する平行軌道の第2のセットとを備え、その軌道の第1および第2のセットは、複数の隣接するグリッドセルを備えるグリッドパターンを水平面に形成し、各グリッドセルは、軌道の第1のセットの隣接する軌道の対および軌道の第2のセットの隣接する軌道の対によって画定されるグリッド開口部を備える、軌道システムと、
軌道システムの真下に位置する貯蔵コラム内に配列される、貯蔵コンテナの複数のスタックであって、各貯蔵コラムは、グリッド開口部の下方に垂直に位置する、貯蔵コンテナの複数の複数のスタックと、
スタックにおいてスタックされる貯蔵コンテナを持ち上げ、移動させるための複数のコンテナ荷役車両であって、該コンテナ荷役車両は、貯蔵コラムの上方の軌道システム上で側方に移動し、グリッド開口部を介して貯蔵コンテナにアクセスするように構成され、複数のコンテナ荷役車両はそれぞれ、グリッドセルの水平範囲以下である水平範囲を伴う占有面積を有し、
軌道システムに沿ってコンテナ荷役車両を誘導するためのホイールアセンブリを備える、
コンテナ荷役車両と、
貯蔵コンテナを収容するためにコンテナ荷役車両の占有面積内で中心に配列される、コンテナ受容貯蔵空間
を備える。
【0002】
本発明はまた、そのような自動化貯蔵および回収システムのためのコンテナ荷役車両に関し、その車両は、下側部分を備え、該下側部分は、自動化貯蔵および回収システムの水平軌道システムに沿ってコンテナ荷役車両を誘導するためのホイールアセンブリと、自動化貯蔵および回収システムの貯蔵コンテナを収容するために下側部分内で中心に配列される、貯蔵空間とを備える。
【背景技術】
【0003】
第WO2016/120075A1号(その内容が参照することによって本明細書に組み込まれる)は、上記に識別されるタイプの自動化貯蔵および回収システムの実施例を示している。開示されるコンテナ荷役車両は、それらが占有面積、すなわち、軌道システムに対する接触面積を有するように寸法決めされ、これは、グリッドセルの水平延在部に等しい水平延在部を有する。
【0004】
当技術分野では、そのようなコンテナ荷役車両、すなわち、単一のグリッドセルの水平延在部に対応する水平延在部を伴う占有面積を有するコンテナ荷役車両は、時として、「単一セル」コンテナ荷役車両と称される。
【0005】
別の単一セルコンテナ荷役車両が、第WO2015/193278A1号(その内容が参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0006】
第WO2016/120075A1号および第WO2015/193278A1号に開示される単一セル設計は、コンテナ荷役車両が軌道システム上で進行するために要求される空間を低減させ、したがって、より多くの車両が相互に干渉することなく軌道システム上で動作することを可能にする。
【0007】
しかしながら、第WO2016/120075A1号および第WO2015/193278A1号に開示される単一セル設計は、外部機器がコンテナ荷役車両と相互作用することを困難にする。特に、車両がオンボードバッテリによって給電されるとき、箱型単一セル設計は、これが再充電または交換される必要があるとき、充電またはバッテリ交換機器が車両のバッテリにアクセスすることを困難にする。
【0008】
上記に照らして、前述の問題を解決する、または少なくとも軽減する自動化貯蔵および回収システムを提供することが、望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】国際公開第2016/120075号
【文献】国際公開第2015/193278号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面によると、本システムは、各コンテナ荷役車両が、突出区分を備え、該突出区分が、コンテナ荷役車両の占有面積を越えて水平に延在し、コンテナ荷役車両がグリッドセルの上方に位置付けられると、隣り合うグリッドセルの中に延在することを特徴とする。
【0011】
コンテナ荷役車両の車両本体は、第1の下側部分または区分と、第2の上側部分または区分とを備えてもよく、その上側部分は、下側部分の上方に位置する。下側部分は、軌道システムに沿ってコンテナ荷役車両を誘導するためのホイールアセンブリと、貯蔵コンテナを収容するためのコンテナ受容空間とを備えてもよい。
【0012】
コンテナ荷役車両の占有面積、すなわち、コンテナ荷役車両の下側部分の水平範囲は、グリッドセルの水平範囲以下である。
【0013】
本発明の別の側面によると、コンテナ荷役車両は、突出区分を備え、前記突出区分が車両の下側部分を越えて水平に延在することを特徴とする。
【0014】
突出区分が、下側部分の上方のコンテナ荷役車両の上側部分において配列される場合に有利であり得る。
【0015】
コンテナ荷役車両がオンボード再充電可能または交換可能バッテリを備えるときの場合では、再充電可能または交換可能バッテリが、突出区分内に位置付けられる場合に有利であり得る。
【0016】
突出区分内にバッテリを位置付けることは、これが充電またはバッテリ交換のために充電またはバッテリ交換ステーションのバッテリへの容易なアクセスを可能にするため、有利である。特に、バッテリ交換スキームが使用され、その場合、突出区分がバッテリコンパートメントまたはスロットを備える場合、突出区分の突出特性は、バッテリ交換動作の間にバッテリのための有利な誘導を提供する。
【0017】
突出区分はまた、より大型のバッテリが車両内に搭載されることを可能にし、したがって、車両が再充電またはバッテリ交換の合間により長く動作することを可能にしてもよい。
【0018】
例えば、国際特許出願第PCT/EP2016/077300号に開示されるように、突出区分はまた、センサを保持してもよく、これは、軌道システム上の車両の位置、例えば、グリッドセルに相対する車両の整合を確立するために、および/または、例えば、一連の車両として車両を動作させるとき、軌道システム上の他の車両に相対する車両の位置を確立するために使用されてもよい。
【0019】
車両が、例えば、グリッドセルの下方に垂直に位置する貯蔵コラム内のコンテナにアクセスするために、グリッドセルの上方に位置付けられるとき、車両の突出区分は、隣り合うグリッドセルにわたって延在するであろう。言い換えると、車両は、1つのグリッドセルの水平延在部を越えて延在しない占有面積、すなわち、レールシステムに対する接触面積を有するにもかかわらず、これは、1つを上回るグリッドセルを占有する垂直突出部を有する。
【0020】
通常、これは、第2の車両が、隣り合うグリッドセル、すなわち、その中に第1の車両の突出区分が延在するグリッドセルにわたって進行することを妨害するであろう。これは、自動化貯蔵および回収システムの全体的容量を低減させ得るため、問題であり得る。
【0021】
したがって、コンテナ荷役車両が、それぞれ、突出区分に対向して配列される陥凹区分を備え、その陥凹区分が、それらが隣り合うグリッドセルにわたって通過するとき、他の車両の突出区分を収容することが可能である場合に有利であり得る。
【0022】
陥凹区分は、別のコンテナ荷役車両が隣り合うグリッドセルにわたって動作するとき、該別のコンテナ荷役車両の突出区分のためのクリアランスを提供する、および/またはそれを一時的に収容するように適合されるクリアランスの領域であり、したがって、2つのコンテナ荷役車両が、コンテナ荷役車両の間の接触が成されることなく、隣り合うグリッドセル上で相互に動作または通過することを可能にする。
【0023】
陥凹区分は、突出区分の形状に相補的である形状を有してもよく、コンテナ荷役車両の全幅または全長を横断して延在し、したがって、車両が隣接するグリッドセルにわたって相互に通過することを可能にしてもよい。言い換えると、クリアランスの領域を形成する陥凹区分は、コンテナ荷役車両の一方の側から他方に延在してもよい。次いで、車両が軌道システム上で動作するとき、各コンテナ荷役車両の陥凹区分は、それらが隣り合うグリッドセルにわたって通過するとき、他のコンテナ荷役車両の突出区分を収容することが可能であり、したがって、コンテナ荷役車両がグリッドセルの隣り合う列に沿って進行することを可能にする。
【0024】
陥凹区分は、突出区分の形状に相補的である形状を有してもよい。しかしながら、陥凹区分は、陥凹区分が別の車両が隣り合うグリッドセルを通過するときに該別の車両の突出区分を収容することが可能である限り、突出区分と異なる形状を有してもよい。
【0025】
陥凹区分は、有利なこととして、突出区分が延在する方向に直交する方向においてコンテナ荷役車両の全幅または全長を横断して延在し、したがって、2つの車両が隣接するグリッドセル上で相互に完全に通過することを可能にしてもよい。
【0026】
突出区分は、そしてもし存在する場合には陥凹区分も、コンテナ荷役車両の上側部分において配列されてもよい。
【0027】
ホイールアセンブリは、第1の方向においてコンテナ荷役車両の移動を誘導するために、軌道の第1のセットと係合するためのホイールの第1のセットと、第2の方向においてコンテナ荷役車両の移動を誘導するために、軌道の第2のセットと係合するためのホイールの第2のセットとを備えてもよい。
【0028】
コンテナ荷役車両は、スタック内の貯蔵位置と貯蔵空間内の輸送位置との間で垂直に貯蔵コンテナを輸送するように配列される、持上デバイスを備えてもよい。持上デバイスは、貯蔵コンテナを解放可能に把持するように構成される、把持デバイスと、貯蔵空間に対して把持デバイスを上昇および降下させるように構成される、持上モータとを備えてもよい。
【0029】
突出区分は、再充電可能バッテリ、交換可能バッテリを格納するためのバッテリスロット、および軌道システム上の車両または軌道システム上の相対する他の車両の位置を確立するためのセンサのうちの少なくとも1つを備えてもよい。
【0030】
ホイールアセンブリは、貯蔵空間の周辺の周囲に配列されるホイールを備えてもよい。
【0031】
以下では、多数の具体的詳細が、請求されるシステムおよび車両の実施形態の徹底的な理解を提供するために、実施例としてのみ導入される。しかしながら、当業者は、これらの実施形態が、具体的詳細のうちの1つ以上のものを伴わずに、または他の構成要素、システム等を伴って実践され得ることを認識するであろう。他の事例では、周知の構造または動作は、開示される実施形態の側面を不明瞭にすることを回避するために、示されない、または詳細に説明されない。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
自動化貯蔵および回収システム(1)であって、
軌道システム(10、16)であって、前記軌道システム(10、16)は、水平面(P)に配列され、第1の方向(X)に延在する平行軌道の第1のセット(11)と、前記水平面(P)に配列され、前記第1の方向(X)に直交する第2の方向(Y)に延在する平行軌道の第2のセット(12)とを備え、その軌道の第1および第2のセット(11、12)は、複数の隣接するグリッドセル(14)を備えるグリッドパターン(13)を前記水平面(P)に形成し、各グリッドセルは、前記軌道の第1のセット(11)の隣接する軌道の対(11a、11b)および前記軌道の第2のセット(12)の隣接する軌道の対(12a、12b)によって画定されるグリッド開口部(15)を備える、軌道システム(10、16)と、
前記軌道システム(10、16)の真下に位置する貯蔵コラム(7)内に配列される貯蔵コンテナ(8)の複数のスタック(9)であって、各貯蔵コラム(7)は、グリッド開口部(15)の下方に垂直に位置する、貯蔵コンテナ(8)の複数のスタック(9)と、
前記スタック(9)においてスタックされる貯蔵コンテナ(8)を持ち上げ、移動させるための複数のコンテナ荷役車両(3、310、320)であって、前記コンテナ荷役車両(3、310、320)は、前記貯蔵コラム(7)の上方の前記軌道システム(10)上で側方に移動し、前記グリッド開口部(15)を介して前記貯蔵コンテナ(8)にアクセスするように構成され、前記複数のコンテナ荷役車両(3、310、320)はそれぞれ、グリッドセル(14)の水平範囲以下である前記水平範囲を伴う占有面積(30、30’)を有し、
前記軌道システム(10、16)に沿って前記コンテナ荷役車両(3、310、320)を誘導するためのホイールアセンブリ(18)と、
貯蔵コンテナ(8)を収容するために前記コンテナ荷役車両(3、310、320)の占有面積内に配列されるコンテナ受容貯蔵空間(24)と
を備える、コンテナ荷役車両(3、310、320)と
を備え、
各コンテナ荷役車両(3、310、320)が、突出区分(27)を備え、前記突出区分(27)が、前記コンテナ荷役車両(3、103、203)の占有面積(30、30’)を越えて水平に延在し、前記コンテナ荷役車両(3、103、203)がグリッドセル(14)の上方に位置付けられると、隣り合うグリッドセルの中に延在すること
を特徴とする、システム(1)。
(項目2)
前記突出区分(27)が、再充電可能バッテリ、交換可能バッテリ(25)を格納するためのバッテリスロット(28)、および前記軌道システム(10、16)上の前記車両または前記軌道システム(10、16)上の相対する他の車両の位置を確立するためのセンサのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、項目1に記載のシステム(1)。
(項目3)
前記ホイールアセンブリ(18)が、前記第1の方向(X)において前記コンテナ荷役車両(3、103、203)の移動を誘導するために、前記軌道の第1のセット(11)と係合するためのホイールの第1のセット(19)と、前記第2の方向(Y)において前記コンテナ荷役車両(3、103、203)の移動を誘導するために、前記軌道の第2のセット(12)と係合するためのホイールの第2のセット(20)とを備えることを特徴とする、前記項目のいずれか1項に記載のシステム(1)。
(項目4)
前記コンテナ荷役車両(3、103、203)が、
スタック(9)内の貯蔵位置と前記貯蔵空間(24)内の輸送位置との間で垂直に貯蔵コンテナ(8)を輸送するように配列される持上デバイス(21)であって、前記持上デバイス(21)は、
貯蔵コンテナ(8)を解放可能に把持するように構成される把持デバイス(22)と、
前記貯蔵空間(24)に対して前記把持デバイス(22)を上昇および降下させるように構成される持上モータ(23)と
を備える、持上デバイス(21)
を備えることを特徴とする、前記項目のいずれか1項に記載のシステム(1)。
(項目5)
各コンテナ荷役車両(103、203)が、他のコンテナ荷役車両(103、203)が隣り合うグリッドセルにわたって動作するとき、前記他のコンテナ荷役車両(103、203)の前記突出区分(27)を収容するように配列される陥凹区分(29)を備えることを特徴とする、前記項目のいずれか1項に記載のシステム(1)。
(項目6)
前記陥凹区分(29)が、前記突出区分(27)の形状に相補的である形状を有することを特徴とする、項目6に記載のシステム(1)。
(項目7)
前記陥凹区分(29)が、前記突出区分(27)が延在する方向に直交する方向において前記コンテナ荷役車両(103、203)の全幅または全長を横断して延在することを特徴とする、項目5および6のいずれか1項に記載のシステム(1)。
(項目8)
前記ホイールアセンブリ(18)が、前記第1の方向(X)において前記コンテナ荷役車両(3、103、203)の移動を誘導するために、前記軌道の第1のセット(11)と係合するためのホイールの第1のセット(19)と、前記第2の方向(Y)において前記コンテナ荷役車両(3、103、203)の移動を誘導するために、前記軌道の第2のセット(12)と係合するためのホイールの第2のセット(20)とを備えることを特徴とする、前記項目のいずれか1項に記載のシステム(1)。
(項目9)
自動化貯蔵および回収システム(1)のためのコンテナ荷役車両(3、103、203)であって、前コンテナ荷役車両(3、103、203)が、下側部分(17a)を備え、前記下側部分(17a)が、前記自動化貯蔵および回収システム(1)の水平軌道システム(10、16)に沿って前記コンテナ荷役車両(3、103、203)を誘導するためのホイールアセンブリ(18)と、前記自動化貯蔵および回収システム(1)の貯蔵コンテナ(8)を収容するために下側部分(17a)内で中心に配列される貯蔵空間(24)とを備え、前記コンテナ荷役車両(3、103、203)が、前記下側部分(17a)の上方に配列される上側部分(17b)を備え、その上側部分(17b)が、前記下側部分(17a)を越えて水平に延在する突出区分(27、27’、27’’)を備えることを特徴とする、コンテナ荷役車両(3、103、203)。
(項目10)
前記軌道システム(10、16)上で動作するとき、別のコンテナ荷役車両(103、203)の前記突出区分(27、27’、27’’)を収容するように配列される陥凹区分(29、29’、29’’)を備えることを特徴とする、項目9に記載のコンテナ荷役車両(103、203)。
(項目11)
前記陥凹区分(29、29’、29’’)が、前記突出区分(27、27’、27’’)の形状に相補的である形状を有することを特徴とする、項目10に記載のコンテナ荷役車両(103、203)。
(項目12)
前記突出区分(27、27’、27’’)および前記陥凹区分(29、29’、29’’)が、前記コンテナ荷役車両(103、203)の対向する側において配列されることを特徴とする、項目10および11のいずれか1項に記載のコンテナ荷役車両(103、203)。
(項目13)
前記突出区分(27、27’、27’’)が、再充電可能バッテリ(25)、交換可能バッテリ(25)を格納するためのバッテリスロット(28)、および前記軌道システム(10、16)上の前記車両または前記軌道システム(10、16)上の相対する他の車両の位置を確立するためのセンサのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、項目9-12のいずれか1項に記載のコンテナ荷役車両(103)。
(項目14)
前記ホイールアセンブリ(18)が、前記貯蔵空間(24)の周辺の周囲に配列されるホイール(19a-19d、20a-20d)を備えることを特徴とする、項目9-13のいずれか1項に記載のコンテナ荷役車両(103)。
【図面の簡単な説明】
【0032】
以下の図面は、本発明の理解を促進するために添付される。
【0033】
図1図1は、本発明による、自動化貯蔵および回収システムの側面図である。
【0034】
図2図2は、図1による自動化貯蔵および回収システムの軌道システムの上面図である。
【0035】
図3図3は、図2の軌道システムのグリッドセルを示す。
【0036】
図4図4は、図1による自動化貯蔵および回収システム上で動作するコンテナ荷役車両の斜視図である。
【0037】
図5図5は、図4によるコンテナ荷役車両の第1の側面図である。
【0038】
図6図6は、図4によるコンテナ荷役車両の第2の側面図である。
【0039】
図7図7は、図6のVII-VIIによって示される方向からのコンテナ荷役車両の断面図である。
【0040】
図8図8は、コンテナ荷役車両の第2の実施形態の斜視図である。
【0041】
図9図9-11は、自動化貯蔵および回収システムのグリッドセルにわたって動作する図8によるコンテナ荷役車両を示す。
図10図9-11は、自動化貯蔵および回収システムのグリッドセルにわたって動作する図8によるコンテナ荷役車両を示す。
図11図9-11は、自動化貯蔵および回収システムのグリッドセルにわたって動作する図8によるコンテナ荷役車両を示す。
【0042】
図12図12は、本発明による、コンテナ荷役車両の代替実施形態を図式的に示す、斜視図である。
【0043】
図13図13は、本発明による、自動化貯蔵および回収システムの代替軌道システムの上面図である。
【0044】
図14図14-19は、自動化貯蔵および回収システムの充電および/またはバッテリ交換ステーションと相互作用するコンテナ荷役車両のある実施形態を示す。
図15-1】図14-19は、自動化貯蔵および回収システムの充電および/またはバッテリ交換ステーションと相互作用するコンテナ荷役車両のある実施形態を示す。
図15-2】図14-19は、自動化貯蔵および回収システムの充電および/またはバッテリ交換ステーションと相互作用するコンテナ荷役車両のある実施形態を示す。
図16図14-19は、自動化貯蔵および回収システムの充電および/またはバッテリ交換ステーションと相互作用するコンテナ荷役車両のある実施形態を示す。
図17図14-19は、自動化貯蔵および回収システムの充電および/またはバッテリ交換ステーションと相互作用するコンテナ荷役車両のある実施形態を示す。
図18図14-19は、自動化貯蔵および回収システムの充電および/またはバッテリ交換ステーションと相互作用するコンテナ荷役車両のある実施形態を示す。
図19図14-19は、自動化貯蔵および回収システムの充電および/またはバッテリ交換ステーションと相互作用するコンテナ荷役車両のある実施形態を示す。
【0045】
図面では、同様の参照番号が、別様に明示的に記載されない、または文脈から暗示的に理解されない限り、同様の部分、要素、または特徴を示すために使用されている。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下では、本発明の実施形態が、実施例としてのみ、かつ添付される図面を参照して、より詳細に議論されるであろう。しかしながら、図面は、本発明を図面に描写される主題に限定することを意図していないことを理解されたい。
【0047】
本発明による、自動化貯蔵および回収システム1の貯蔵構造の実施形態が、ここで、図1-3を参照してより詳細に議論されるであろう。
【0048】
貯蔵構造は、その上で複数のコンテナ荷役車両3が動作される、フレームワーク2を備える(図1においては、車両3のみが示されている)。
【0049】
フレームワーク2は、複数の直立部材4と、直立部材4によって支持される複数の水平部材5とを備える。部材4、5は、典型的には、金属、例えば、押出アルミニウムプロファイルから作製されてもよい。
【0050】
フレームワーク2は、列において配列される貯蔵コラム7を備える3次元貯蔵グリッドを画定し、貯蔵コラム7内で、容器としても公知の貯蔵コンテナ8が、スタック9を形成するように積み重ねられてスタックされる。各貯蔵コンテナ8は、典型的には、複数の製品アイテム(図示せず)を保持してもよく、貯蔵コンテナ8内の製品アイテムは、システム1の用途に応じて、同じであってもよい、または異なる製品タイプであってもよい。フレームワーク2は、貯蔵コンテナ8のスタック9の水平移動を防ぎ、コンテナ8の垂直移動を誘導するが、通常、スタックされるときに貯蔵コンテナ8を別様に支持しない。
【0051】
水平部材5は、貯蔵コラム7の上方の水平面Pに配列されるレールまたは軌道システム10を備え、軌道システム10上で、複数のコンテナ荷役車両3は、貯蔵コラム7の上方で側方に移動し、貯蔵コラム7から貯蔵コンテナ8を上昇させ、その中に貯蔵コンテナ8を降下させ、また、貯蔵コラム7の上方の貯蔵コンテナ8を輸送することができる。
【0052】
軌道システム10は、第1の方向Xにおけるコンテナ荷役車両3の移動を誘導するように配列される、平行レールまたは軌道の第1のセット11と、第1の方向Xに垂直である第2の方向Yにおけるコンテナ荷役車両3の移動を誘導するように軌道の第1のセット11に垂直に配列される、平行レールまたは軌道の第2のセット12とを備える。
【0053】
軌道システム10は、水平面Pにおいてグリッド構造またはグリッドパターン13を形成する(図2参照)。グリッドパターン13は、複数の長方形の均一なグリッド場所またはグリッドセル14を備え、各グリッドセル14は、軌道の第1のセット11の軌道の対11a、11bおよび軌道の第2のセット12の軌道の対12a、12bによって区切られるグリッド開口部15を備える。図3では、グリッドセル14は、破線境界を有する枠によって示され、グリッド開口部15は、斜線面積によって示される。
【0054】
その結果、軌道11aおよび11bは、X方向に延設されるグリッドセルの平行な列を画定する軌道の対を形成し、軌道12aおよび12bは、Y方向に延設されるグリッドセルの平行な列を画定する軌道の対を形成する。
【0055】
各グリッドセル14は、典型的には、30~150cmの間隔内にある幅Wと、典型的には、50~200cmの間隔内にある長さLとを有する。各グリッド開口部15は、それぞれ、グリッドセル14の幅Wおよび長さL未満である、典型的には、2~10cmである幅Wおよび長さLを有する。
【0056】
XおよびY方向において、隣り合うグリッドセルは、いかなる空間もその間に存在しないように、相互に接触して配列される。
【0057】
本発明による、コンテナ荷役車両3の一実施形態が、ここで、加えて図4-7を参照してより詳細に議論されるであろう。
【0058】
各コンテナ荷役車両3は、車両本体17と、車両本体17の下側区分または部分17a(図7参照)において配列されるホイールアセンブリ18とを備え、コンテナ荷役車両3の側方移動、すなわち、XおよびY方向における車両3の移動を可能にする(図2参照)。
【0059】
ホイールアセンブリ18は、軌道の第1のセット11の軌道の対11a、11bと係合するように配列される、ホイールの第1のセット19と、軌道の第2のセット12の軌道の対12a、12bと係合するように配列される、ホイールの第2のセット20とを備える。ホイールのセット19、20のうちの少なくとも1つが、ホイールの第1のセット19および/またはホイールの第2のセット20が任意の時点で軌道の個別のセット11、12と係合させられ得るように、持ち上げられ、降下されることができる。
【0060】
ホイールの各セット19、20は、車両の側に沿って配列される4つのホイール19a、19b、19c、19d;20a、20b、20c、20dを備える(図5~7参照)。ホイール19aおよび19bは、第1の垂直面に配列され、ホイール19cおよび19dは、第1の垂直面に平行であり、レール11aおよび11bの間の距離に対応する第1の垂直面からの距離において配列される、第2の垂直面に配列される(図3参照)。ホイール20aおよび20bは、ホイール19a-19dが配列される垂直面に直交する第3の垂直面に配列され、ホイール20cおよび20dは、第3の垂直面に平行であり、レール12aおよび12bの間の距離に対応する第3の垂直面からの距離において配列される、第4の垂直面に配列される。
【0061】
各セット19、20におけるホイールのうちの少なくとも1つは、軌道システム10に沿って車両3を推進させるために、電動化される。有利なこととして、各セットにおける少なくとも1つの電動ホイールは、ハブモータ、すなわち、ホイールのハブに結合される、またはその中に組み込まれる電気モータを備え、ホイールを直接駆動する。そのようなモータを伴うコンテナ荷役車両の実施例が、第WO2016/120075A1号(その内容が参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0062】
各コンテナ荷役車両3は、軌道システム10を横断して貯蔵コンテナ8を輸送するとき、貯蔵コンテナ8を受容および保持するための車両本体17の下側部分内で中心に配列される貯蔵コンパートメントまたは貯蔵空間24(図7を参照)を備える。貯蔵空間24は、車両本体17内に配列され、下方、すなわち、コンテナ荷役車両3の下における開口部(図示せず)からアクセスされることができる。
【0063】
各コンテナ荷役車両3はまた、貯蔵コンテナ8の垂直輸送、例えば、貯蔵コラム7から貯蔵コンテナ8を持ち上げ、これを貯蔵空間24の中にもたらすための、また、貯蔵コンテナ8を貯蔵空間24から貯蔵コラム7の中に降下させるための持上デバイス21(図7参照)を備える。持上デバイス21は、貯蔵コンテナ8と解放可能に係合するように配列される、ラッチまたは把持デバイス22を備える。持上デバイス21はまた、車両本体17に対する把持デバイス22の位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する第3の方向Z(図1を参照)において調節され得るように、把持デバイス22を降下および上昇させるための持上モータ23を備える。
【0064】
従来、また、本願の目的のために、Z=1は、貯蔵グリッドの最上層、すなわち、軌道システム10の直下の層を識別し、Z=2は、軌道システム10の下方の第2の層を識別し、Z=3は、第3の層を識別し、以下同様である。コンテナ荷役車両3は、層Z=0において進行すると考えらえることができる。その結果、各貯蔵コラムは、そのXおよびY座標によって識別されることができ、貯蔵グリッド内の各貯蔵位置は、そのX、Y、およびZ座標によって識別されることができる。
【0065】
持上モータ23は、車両本体17の第2の上側部分または区分17bにおいて配列され(図7参照)、その上側部分17bは、下側部分17aの上方に位置する。
【0066】
貯蔵グリッド内に貯蔵される貯蔵コンテナ8がアクセスされるとき、コンテナ荷役車両3のうちの1つは、標的貯蔵コンテナ8を貯蔵グリッド内のその位置から回収し、標的貯蔵コンテナ8を、これが貯蔵グリッドの外側からアクセスされ得る、または貯蔵グリッドから移送され得るアクセスステーション(図示せず)に輸送するように命令される。本動作は、コンテナ荷役車両3を、標的貯蔵コンテナが位置付けられる貯蔵コラム7の上方のグリッドセル14に移動させるステップと、コンテナ荷役車両の持上デバイス21を使用して、貯蔵コラム7から貯蔵コンテナを回収するステップとを伴う。本ステップは、持上デバイス21を使用し、貯蔵コンテナを貯蔵コラム7からグリッドセル14のグリッド開口部15を通して車両3の貯蔵空間24の中に持ち上げるステップを伴う。
【0067】
標的貯蔵コンテナがスタック9内の深くに位置する、すなわち、1つまたは複数の他の貯蔵コンテナが標的貯蔵コンテナの上方に位置付けられる場合、動作はまた、貯蔵コラム7から標的貯蔵コンテナを持ち上げることに先立って、上方に位置付けられる貯蔵コンテナを一時的に移動させるステップを伴う。時として、当技術分野で「掘り出し」と称される本ステップは、続けて標的貯蔵コンテナをアクセスステーションに輸送するために使用される同一のコンテナ荷役車両を用いて、または1つまたは複数の他の協働するコンテナ荷役車両を用いて実施されてもよい。代替として、または加えて、自動化貯蔵および回収システムは、貯蔵コラムから貯蔵コンテナを一時的に除去するタスクに特化されたコンテナ荷役車両を有してもよい。いったん標的貯蔵コンテナが貯蔵コラムから除去されると、一時的に除去された貯蔵コンテナは、元々の貯蔵コラムの中に再位置付けされることができる。しかしながら、除去された貯蔵コンテナは、代替として、他の貯蔵コラムに再配置されてもよい。
【0068】
いったん標的貯蔵コンテナがコンテナ荷役車両3の貯蔵空間24の中にもたらされると、車両は、貯蔵コンテナをアクセスステーションに輸送し、これは、装填解除される。アクセスステーションは、典型的には、貯蔵グリッドの周辺においてグリッド場所を備えてもよく、貯蔵コンテナは、手動でアクセスされる、または好適なコンベヤシステムを使用してさらに輸送されることができる。
【0069】
貯蔵コンテナ8が貯蔵グリッド内に貯蔵されるとき、コンテナ荷役車両3のうちの1つは、アクセスステーションもまた兼ね得るピックアップステーション(図示せず)から貯蔵コンテナをピックアップし、これが貯蔵される貯蔵コラム7の上方のグリッドセルにこれを輸送するように命令される。貯蔵コラムスタック内の標的位置またはその上方に位置付けられる任意の貯蔵コンテナが除去された後、コンテナ荷役車両3は、所望の位置に貯蔵コンテナを位置付ける。除去された貯蔵コンテナは、次いで、貯蔵コラム7の中に戻るように降下されてもよい、または、貯蔵グリッド内の他の貯蔵コラムに再配置されてもよい。
【0070】
所望の貯蔵コンテナが、コンテナ荷役車両3が相互に衝突することなく、所望の時間に所望の場所に送達され得るように自動化貯蔵および回収システムを監視および制御するために、自動化貯蔵および回収システムは、制御システム(図示せず)を備え、該制御システムは、典型的には、コンピュータ化され、例えば、貯蔵グリッド内の個別の貯蔵コンテナ8の場所、各貯蔵コンテナ8の内容物、およびコンテナ荷役車両3の移動を監視および制御するためのデータベースを備える。
【0071】
コンテナ荷役車両3は、典型的には、無線通信手段を介して、例えば、IEEE.802.11(WiFi)規格の下で動作するWLANを介して、および/または4Gまたはそれを上回るもの等のモバイル電気通信技術を介して制御システムと通信する。
【0072】
各コンテナ荷役車両3は、電動ホイール、持上モータおよびオンボード制御装置、および通信システムを含む、オンボード機器に電力を提供する、バッテリ25(図4を参照)を備える。
【0073】
各コンテナ荷役車両3は、グリッドセル14の水平延在部以下である水平延在部を有する、占有面積、すなわち、軌道システム10に対する接触面積を有する。言い換えると、車両3が、例えば、貯蔵コラム7から貯蔵コンテナを持ち上げる、またはその中にコンテナを降下させるためにグリッドセル14の上方に位置付けられるとき、車両3の占有面積は、グリッドセルを越えて隣り合うグリッドセルの中に延在しないであろう。
【0074】
ホイール19a-19d、20a-20dは、貯蔵空間24の周辺の周囲に配列され、車両3の占有面積14は、ホイール19a-19d、20a-20dを収容するのに十分なだけ貯蔵空間24よりも広い。このように、車両3の占有面積14は、X-Y平面における最小可能量の空間を占める。貯蔵空間24は、車両3の各側上のホイール19a-19d、20a-20dの対の間に位置付けられるため、車両3の重心は、貯蔵容器が貯蔵空間24の中に上昇されるときであっても、占有面積14内に位置するであろう。
【0075】
さらに、車両3は、ホイール19a-19d;20a-20dが配列される垂直面に共面である略垂直側壁26a-26d(図5~7参照)を備える。その結果、コンテナ荷役車両3の下側部分17aは、略立方体形状を有する。
【0076】
しかしながら、車両3の上側部分17bは、別様に略垂直側壁26cを越えてX方向に水平に延在する、突出区分27を有する(例えば、図1および4参照)。本区分27は、車両3のバッテリ25を格納する。このようにバッテリを位置付けることは、これが充電またはバッテリ交換のために充電またはバッテリ交換ステーションのバッテリへの容易なアクセスを可能にするため、有利である。特に、バッテリ交換スキームが使用され、その場合、突出区分27がバッテリコンパートメントまたはスロット28(例えば、図12参照)を備える場合、区分27の突出特性は、バッテリ交換動作の間にバッテリ25のための有利な誘導を提供する。
【0077】
突出区分27はまた、より大型のバッテリが車両内に搭載されることを可能にし、また、例えば、国際特許出願第PCT/EP2016/077300号に開示されるように、一連の車両として車両を動作させるときに有益であり得る。
【0078】
代替として、または加えて、突出区分27は、下方を向いたセンサを保持してもよく、これは、軌道システム10上の車両の位置、例えば、グリッドセル14に相対する車両の整合を確立するために、または、例えば、一連の車両として車両を動作させるとき、軌道システム10上の他の車両に相対する車両の位置を確立するために使用されてもよい。
【0079】
車両3が、例えば、グリッドセル14の下方に垂直に位置する貯蔵コラム7内のコンテナ8にアクセスするために、グリッドセル14の上方に位置付けられるとき、突出区分27は、隣り合うグリッドセルにわたって延在するであろう。言い換えると、車両3は、1つのグリッドセル14の水平範囲を越えて延在しないレールシステム10に対する接触面積を有するにもかかわらず、これは、1つを上回るグリッドセルを占有する垂直突出部を有する。
【0080】
これは、第2の車両が、隣り合うグリッドセル、すなわち、その中に第1の車両の突出区分27が延在するグリッドセルにわたって進行することを妨害するであろう。これは、自動化貯蔵および回収システムの全体的容量を低減させ得るため、問題であり得る。
【0081】
図8~11は、コンテナ荷役車両103の代替的な実施形態を開示しており、該コンテナ荷役車両は、突出区分27に対向して上側部分17bにおいて配列される陥凹区分29を備える。言い換えると、突出区分27および陥凹区分29は、コンテナ荷役車両103の対向する側において配列される。陥凹区分29は、それらが隣り合うグリッドセルにわたって通過するとき、他の車両の突出区分27を収容することが可能である。特に、陥凹区分29は、突出区分27の形状に相補的であり、Y方向におけるコンテナ荷役車両103の全幅を横断して延在する形状を有し、したがって、車両103が、隣接するグリッドセルにわたって相互に通過することを可能にする。
【0082】
これは、第2の車両3bが、隣り合うグリッドセルにわたって位置付けられる間、第1の車両103aが、グリッドセルにわたって動作するように進入する一方、第1の車両103aの突出区分27aが、第2の車両103bの陥凹区分29b内に収容されることを示す、図9-11に図示される。
【0083】
開示される実施形態では、各コンテナ荷役車両103の突出区分27は、X方向に延在し、陥凹区分29は、Y方向において車両103の全幅を横断して延在する。しかしながら、突出区分は、代替として、Y方向に延在し得、陥凹区分は、X方向において車両の全幅を横断して延在することを理解されたい。
【0084】
各コンテナ荷役車両は、代替として、図12に示されるコンテナ荷役車両203によって図式的に図示されるように、2つの直交方向に延在する2つの突出区分27’、27’’と、2つの対向する相補的陥凹区分29’、29’’とを有してもよい。本構成はまた、2つの車両が、突出区分27’および27’’が軌道システム上の他の車両の移動を妨げることなく、隣り合うグリッドセルにわたって動作することを可能にするであろう。
【0085】
図2に示される軌道システム10では、軌道を構成する各水平部材は、2つの軌道を備える。その結果、各水平部材は、並行して2つのホイールを収容することが可能である。そのような軌道システムでは、隣り合うグリッドセルの間の境界は、図2に示されるように、水平部材の中心線に沿って延設される。
【0086】
図13は、それぞれ、単一の軌道、すなわち、1つのみのホイールを収容するように構成される軌道を形成する伸長部材によって構成される、代替レールまたは軌道システム16を示す。そのような軌道システムでは、隣り合うグリッドセルの間の境界は、単一の軌道を形成する隣り合う伸長部材の間の中間に延設される。
【0087】
図9では、グリッドセル14は、グリッド開口部15を備える。グリッドセル14の左(西)には、グリッド開口部15Wを備える隣接するグリッドセル14Wが存在する。同様に、グリッドセル14の右(東)には、グリッド開口部15Eを備える隣接するグリッドセル14Eが存在する。また、グリッドセル14の下方(南)には、グリッド開口部15Sを備える隣接するグリッドセル14Sが存在し、グリッドセル14の上方(北)には、グリッド開口部15Nを備える隣接するグリッドセル14Nが存在する。
【0088】
図13では、コンテナ荷役車両の占有面積30が、図式的に図示される。本実施形態では、占有面積30は、車両のホイールの水平延在部によって画定される。図から明白であるように、占有面積30は、グリッドセルの水平延在部未満である水平延在部を有する。
【0089】
図13では、代替実施形態による、コンテナ荷役車両の占有面積30’もまた、図式的に図示される。この場合、車両の下側部分は、ホイールを越えて延在し、占有面積30’は、グリッドセルの水平延在部に等しい水平延在部を有する。
【0090】
前述で言及されるように、突出区分27は、再充電可能または交換可能バッテリ25のためのバッテリコンパートメントまたはスロット28を備えてもよい。以下では、そのような実施形態および関連付けられるバッテリ交換スキームが、図14-19を参照してより詳細に議論されるであろう。
【0091】
以降では、充電ステーションと称される、充電および/またはバッテリ交換ステーション40の実施例が、斜視図(図14A)およびX方向に沿った側面図(図14B)およびY方向に沿った側面図(図14C)の両方において図14に示される。
【0092】
充電ステーション40は、充電ステーション基板41上に搭載され、これは、フレームワーク構造の外周またはその近傍でグリッドコラムの上方の軌道システムの隣り合うレール11a、11b、12a、12bに(直接または間接的に)固定される。充電ステーション40を含有する特定のグリッドコラムは、以降では、充電ステーションセルと称されるであろう。
【0093】
示される充電ステーション40は、下側端部42aにおいて基板41に固定される、垂直充電ステーションコラム42を備える。充電ソケット45が、コラム42の上側端部42bまたはその近傍に、すなわち、下側端部42aに対向して配列され、場合によっては充電電力を所望の電力レベルに変換する電力変圧器を介して、電力供給源44に電気的に接続される。
【0094】
充電ソケット45はさらに、各車両3上に配設されるバッテリ25の充電プラグ46を受容するように構成され(図18参照)、それによって、充電プラグ46が充電ソケット45に電気的に結合されると、電力の流動を可能にする。
【0095】
好ましい構成では、充電ソケット45は、例えば、充電ソケット45の位置が、いかなる外力も充電ソケット45に作用しないときに上側(装填解除)位置に固定され、充電ソケットが電気的に接続されたバッテリ25の重量に暴露されるときに下側(装填)位置に固定されるように、充電ステーション42に弾性的に取り付けられる。
【0096】
充電ソケット45および充電プラグ46は、当然ながら、置換されてもよい。
【0097】
一般に、充電ステーション40とバッテリ25との間の任意の種類の接続解除可能電気接続が、可能性として考えられる。
【0098】
本明細書に説明されるような自動化貯蔵および回収システムは、典型的には、軌道システムの外周に沿って配列される、複数のそのような充電ステーション40を備えてもよい。しかしながら、1つ以上の充電ステーション40は、代替として、または加えて、軌道システムのさらに中に、および/または軌道システムの完全に外側に設置されてもよい。後者の構成では、充電ステーション40は、車両3がそれらの個別の充電ステーション40に進行することを可能にするために、付加的レールによって軌道システムに接続されるべきである。
【0099】
1つの可能性として考えられるバッテリ交換プロセスが、ここで、図15-17を特に参照して説明されるであろう。
【0100】
その放電された、または部分的に放電された主要バッテリを、バッテリカバー31内のそのバッテリコンパートメントまたはスロットから、充電のための第1の充電ステーションに移送した車両3が、充電された、または部分的に充電された主要バッテリ25を含有する第2の充電ステーション40に接近する(図15Aおよび図16C参照)。
【0101】
車両が充電ステーション貯蔵セルに進入することを可能にするために、ホイールの第1のセット19a-dは、下層軌道システム(図15A-D参照)に接触するべきであり、充電ステーション30に最も近接するホイールの第2のセット20a-dは、Y方向に沿って軌道に干渉しないために、軌道システムの上方で十分に高くあるべきである。
【0102】
第2のセットのホイール20cおよび20dが充電ステーション貯蔵セルに進入すると、充電ステーション40が接近する車両3に接触する水平位置に到達することに先立って、車両3は、軌道システムに向かって降下される。降下は、上記に解説されるように、バッテリ25の重量が、充電ソケット45をその下側(装填)位置まで押し下げるため、バッテリ交換プロセスの間に主要バッテリ25との正しい整合を可能にするために実施される。車両3の降下はまた、交換手順の全体的安定性を増加させる。車両3の典型的な垂直変位は、5~15mm、例えば、10mmである。
【0103】
充電ステーション40は、したがって、軌道システムに対する充電中の主要バッテリ25の高さが、車両3が降下された位置にあるときに車両3上のバッテリコンパートメントの対応する高さにほぼ等しいように構成されるべきである。
【0104】
主要バッテリ25がない車両3の移動を可能にするために、補助バッテリが、例えば、特許出願第WO 2015/104263 A1号(その内容が参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されるものと同一または類似する方法で配設されてもよい。他の解決策、例えば、ライブレール、手動干渉等の外部電源の使用もまた、想定され得る。
【0105】
代替実施形態では、充電ステーション40または車両3または両方の組み合わせのいずれかが、複数のバッテリを含有し、それによって、バッテリ交換の間に充電ステーション40の間の垂直移動の必要性を回避する。上記に言及される貯蔵システム1のために適用可能なマルチバッテリ充電ステーションが、第WO 2017/220627 A1号(その内容が参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0106】
第2の充電ステーション40上の利用可能な充電されたバッテリ25は、図14-16に示される実施例では、充電ステーションコラム42の上側端部42bの各側から軌道システムの中に側方に延在する2つの誘導ピン43a、43bの形態にある、バッテリ支持体43上に搭載される。
【0107】
車両3が充電ステーション40に接触すると、解放機構50(図17参照)が、アクティブ化され、バッテリカバー31が回転軸の周囲で傾斜することを可能にする。
【0108】
解放機構50は、その中にバッテリ25が挿入されるバッテリコンパートメントの開口部の両側に配列される、枢動アーム51を備える。
【0109】
さらに、(バッテリ支持体43を構成する)誘導ピン43a、43bの突出端部はそれぞれ、テーパ状区分52を示す(図14Aおよび14C参照)。枢動アーム51と誘導ピン43との間の接触に応じて、各枢動アーム51の枢動アーム接触要素51aが、テーパ状区分52に向かって押動され、それによって、枢動アーム51の上向き指向枢動移動を施行する(図15A図16D、および図17参照)。本枢動移動は、セキュリティロック51b(図15および19参照)を解放し、バッテリカバー31の上記に言及される傾斜を可能にする。
【0110】
解放機構50の動作は、図15および図17のシーケンス図面のそれぞれにおいて図示される。明確性を高めるために、解放機構50の拡大面積図面が、図15A-Cおよび図15Fに追加される。拡大面積図面は、テーパ状区分52との接触に応じた枢動アーム移動のアクティブ化が、バッテリカバー27から離れるようにセキュリティロック51bを移動させることと、バッテリ25の後続進入とを明確に示す。
【0111】
取り付けられたバッテリ28を伴う誘導ピン43が、バッテリコンパートメント27aの中にある距離だけ進入すると(図15BおよびC参照)、誘導ピン43は、バッテリロック27b、27cを解放し、これは、バッテリ25がバッテリコンパートメント内のその端部位置に完全に来るまで、さらなる進入を可能にする。
【0112】
図19では、バッテリロック27b、cは、ホイールの形態におけるバッテリロックアクティベータ27bと、バッテリカバーの内壁からバッテリコンパートメントの中に延在する1つ以上の遮断歯27cとを備える。誘導ピン43a、bのテーパ状端部52が、バッテリロックアクティベータ27bに接触すると、バッテリカバー27は、上向きに傾斜し、それによって、バッテリ25および誘導ピン43a、bがバッテリコンパートメントの中へのより深い移動を継続し得るように、1つ以上の歯27cを変位させる。
【0113】
本端部位置において、車両3の後退の前に、バッテリ25は、充電ステーション40と、すなわち、ホイール19a-d、20a-dのための駆動モータとの両方に電気的に接続されることができる。
【0114】
バッテリがバッテリコンパートメントの内側のその端部位置にあり、車両3の対応する電気コネクタと電気接触すると、バッテリコンパートメントは、歯27cがバッテリコンパートメント内のバッテリ25を物理的に係止または保持するように、その初期位置に戻るように傾斜する。実施例として、歯27cは、バッテリ28の両側に配置される支持レール49内の専用陥凹49aに進入してもよい(図17参照)。
【0115】
バッテリロック27b、cは、バッテリコンパートメント内の任意の物理的障害物であってもよい。上記に言及される歯27cの代替として、バッテリロックは、バッテリ25が1つの方向において上回るが、その他において上回り得ない、1つ以上の突出楔を備えてもよい。本構成では、楔形状は、バッテリロックアクティベータ27bとして作用するであろう。
【0116】
バッテリ25がその端部位置にあり、バッテリロック27b、cによってバッテリコンパートメントの中に正常に係止されると、車両3のホイールの第2のセット20a-dは、軌道システムから持ち上げられ(典型的には、5~15mm)、それによって、車両3の高さ全体を持ち上げる。本動作は、バッテリ25を、バッテリ支持体43から、例えば、第1および第2の誘導ピン43a、b内の専用ポケットまたは軌道から解放させる(図14A参照)。
【0117】
ここでは、バッテリロック27b、cは、バッテリコンパートメントの中にバッテリ25を係止し、バッテリ25は、バッテリ支持体43から離れて持ち上げられているため、充電ステーション貯蔵セルからの車両3の後退は、車両3に電気的に接続されるバッテリ25を残す。
【0118】
バッテリの正常な交換を可能にすることに加えて、バッテリコンパートメント27aの中へのバッテリ28の遮断は、バッテリ28が動作の間にバッテリカバー27内で意図せず変位され得ない利点を有する。
【0119】
制御システムが、充電のためにそのバッテリ28を充電ステーション40の中に設置するように車両3に命令を送信するとき、バッテリ28を車両3から充電ステーション40に移送するためのステップは、バッテリ28を充電ステーション40から車両3に移送する上記に言及されるステップの反対のシーケンスおよび方向と本質的に等しい、または類似する。
【0120】
したがって、車両3は、車両が、第2の方向(Y)における軌道11とのホイールの第2のセット20の干渉を伴わずに充電ステーション貯蔵セルに進入することを可能にすることと、動作するバッテリ25を充電ステーション40の充電プラグ45と整合させることとの両方のために、最初に、上昇される。上記に言及されるように、充電プラグ45は、上側装填解除位置において図14-17の例示的構成にある。
【0121】
充電ステーション40に向かう車両3の接近の間、第1および第2の誘導ピン43a、bの楔形端部52は、最初に、解放機構51を介してバッテリコンパートメントの傾斜をアクティブ化し、次いで、バッテリロック27b、cをアクティブ化し、バッテリカバーを上向きに傾斜させ、それによって、支持レール49内の対応する陥凹49aから遮断歯27cを除去する。
【0122】
車両3を軌道システムに向かって降下させることによって、バッテリ28の支持レール49は、バッテリ支持体43と噛み合う。車両3の後続後退は、したがって、充電ステーション40上の所望の充電位置にバッテリを残すであろう。
【0123】
車両3内のより大型のバッテリを可能にするために、バッテリカバーおよび随意の解放機構50の両方が、それらが別様に略垂直側壁26cおよび26dを越えてX方向に水平に突出するように配列されてもよい。このように、システム1における各車両3の全体的容量は、軌道11、12をより広くすることを必要とせずに、有意に増加されてもよい。
【0124】
例えば、一般的保守または偶発的バッテリ詰まりに起因して、バッテリコンパートメントからバッテリを除去するために手動干渉の必要性がある場合では、突出解放機構50を伴う構成が、これがバッテリの容易な手動係止解除を可能にする点において付加的利点を有する。すなわち、突出配列は、解放機構50への十分な手動力の付与を可能にし、例えば、解放機構50がバッテリカバー27内の深くに配列された場合に困難であろう動作を可能にする。
【0125】
上記に説明される突出構成はまた、充電ステーション40における早期の係合を確実にするために有益である。
【0126】
バッテリ25の実施例が、図18に斜視図で示される。2つの支持レール49のうちの1つが、バッテリ25の側壁から突出するように示される。また、同じ支持レールが、対向する側壁から突出している。支持レール49の目的は、バッテリ支持/誘導ピン43上のバッテリ25の安定した支持を確実にすることと、交換の間にバッテリコンパートメントの内外へのバッテリ25の正確な誘導を確実にすることとの両方である。図19は、バッテリコンパートメント内に完全に挿入されている支持レール49を伴うバッテリ25を示す。図19に示される特定の構成では、バッテリ25は、バッテリの最大許容可能体積の約半分である。
【0127】
前述の説明では、本発明による、自動化貯蔵および回収システムの種々の側面が、例証的実施形態を参照して説明されている。しかしながら、本説明は、限定的意味で解釈されることを意図していない。当業者に明白である、例証的実施形態の種々の修正および変形例および本システムの他の実施形態が、以下の請求項によって定義されるような本発明の範囲内にあると見なされる。
図1
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図14A
図14B
図14C
図15-1】
図15-2】
図16A
図16B
図16C
図16D
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図19