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特許7104784窓または窓パターンおよび任意の背面照明を伴う、金属製、セラミック製またはセラミックコーティングされたトランザクションカード
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-12
(45)【発行日】2022-07-21
(54)【発明の名称】窓または窓パターンおよび任意の背面照明を伴う、金属製、セラミック製またはセラミックコーティングされたトランザクションカード
(51)【国際特許分類】
   B42D 25/351 20140101AFI20220713BHJP
   B42D 25/328 20140101ALI20220713BHJP
   B42D 25/40 20140101ALI20220713BHJP
   B42D 25/305 20140101ALI20220713BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
B42D25/351
B42D25/328
B42D25/40
B42D25/305 100
G06K19/077 252
G06K19/077 108
【請求項の数】 33
(21)【出願番号】P 2020522026
(86)(22)【出願日】2018-09-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 US2018052832
(87)【国際公開番号】W WO2019079007
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-06-19
(31)【優先権主張番号】62/686,358
(32)【優先日】2018-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/610,745
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/573,789
(32)【優先日】2017-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516351810
【氏名又は名称】コンポセキュア,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】アダム ロウ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス ダシルバ
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-315053(JP,A)
【文献】特開平05-064861(JP,A)
【文献】特開平11-011056(JP,A)
【文献】特開2007-021830(JP,A)
【文献】特開2004-094561(JP,A)
【文献】特表2011-521377(JP,A)
【文献】国際公開第2016/073473(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0229081(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0239202(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 15/02
25/00-25/485
G06K 19/00-19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランザクションカードを製造する方法において、
a. 厚み、前面、背面および視覚的外観を有する金属製、セラミック製またはセラミックコーティングされた本体を提供するステップと;
b. 周囲を有し前記背面から前記前面に隣接する場所まで延在するポケットを前記本体内に創出するステップと;
c. 前記前面から前記ポケット内へと延在する複数の開口部を創出するステップであって、前記複数の開口部が1つのパターンを形成するステップと;
d. 前記ポケット内にインサートを位置付けするステップであって、前記インサートが、前記本体の前記視覚的外観とは異なり前記複数の開口部を通して見える視覚的外観を有している、ステップと;
e. 前記本体の前記背面および前記インサートの背面に隣接して非金属のバッキング層を配置するステップと;
f. 前記本体および前記インサートに対して前記バッキング層を積層するステップと;
を含む、方法。
【請求項2】
前記ポケットを取り囲む前記本体の前記背面内に陥凹レッジを創出するステップ、および前記陥凹レッジと噛合するように構成された幾何形状を有する最外側領域を含む階段状の周囲および前記ポケットの内部に嵌合するように構成された最内側周囲を伴うインサートを形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポケット内に前記インサートを位置付けする前記ステップが、前記本体内の前記陥凹レッジに対し前記インサートの前記最外側領域をボンディングするステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の開口部に透明エポキシを充填するステップをさらに含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記本体の前記前面全体にわたり透明コーティングを積層するステップ、および前記積層ステップ中に前記複数の開口部内に流入する前記透明コーティングの一部分を前記複数の開口部に少なくとも部分的に充填するステップをさらに含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の開口部を創出する前記ステップが1つ以上のスリットを創出するステップを含み、前記ポケット内に前記インサートを位置付けする前記ステップが、少なくとも前記バッキング層そして任意にはフロント層を前記本体に対し積層するステップを含み、前記バッキング層及び前記フロント層のそれぞれは積層中に流動可能である材料を含み、こうして前記インサートが、ポケット、前記1つ以上のスリットまたはそれらの組合せの中に流入する前記バッキング層、任意のフロント層またはそれらの組合せの前記流動可能な材料によって形成されるようになっている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法によって製造された製品を含むトランザクションカード。
【請求項8】
厚み、前面、背面および視覚的外観を有する金属製、セラミック製またはセラミックコーティングされた本体と;
周囲を有し前記背面から前記前面に隣接する場所まで延在する、前記本体内のポケットと;
前記前面から前記ポケット内へと延在し、1つのパターンを形成する開口部と;
前記ポケット内に配置され、前記本体の前記視覚的外観とは異なり前記複数の開口部を通して見える視覚的外観を有するインサートと;
前記本体の前記背面および前記インサートの背面に積層された非金属のバッキング層と;
を含む、トランザクションカード。
【請求項9】
前記インサートが、前記本体の前面を向き、前記複数の開口部に隣接し、前記本体の前面との関係において陥凹した状態に配置された前方指向表面を有する非透明部材を含む、請求項7又は8に記載のトランザクションカード。
【請求項10】
前記本体を提供する前記ステップが、前記本体の前記前面を画定する第1の層または厚みおよび前記本体の前記背面を画定する第2の層または厚みを提供するステップを含み、前記ポケットを創出する前記ステップが前記第2の層または厚み内に貫通穴を創出するステップを含み、前記複数の開口部を創出する前記ステップが、前記第1の層または厚み内に複数の貫通穴を創出するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記インサートが透明または半透明部材を含む、請求項7ないし9のいずれか1項に記載のトランザクションカード。
【請求項12】
前記本体に直接隣接する前記透明または半透明部材の一部分および前記透明または半透明部材に直接隣接する前記本体の一部分の上に配置され、前記複数の開口部と前記本体の間のインタフェースを横断して延在する連続周囲プリントラインを含む、請求項11に記載のトランザクションカード。
【請求項13】
前記透明または半透明部材の少なくとも一部分が導電性である、請求項11または12に記載のトランザクションカード。
【請求項14】
前記透明または半透明部材が、その外側表面上に導電性コーティングを含むかまたは導電性ポリマで構成されている、請求項13に記載のトランザクションカード。
【請求項15】
前記透明または半透明部材内あるいは前記透明または半透明部材上の電子特徴部をさらに含む、請求項11に記載のトランザクションカード。
【請求項16】
前記電子特徴部が、非接触式支払いモジュールを含む、請求項15に記載のトランザクションカード。
【請求項17】
前記透明または半透明部材がさらに、前記透明または半透明部材内に配置された結合アンテナを含む、請求項16に記載のトランザクションカード。
【請求項18】
前記非接触式支払いモジュールおよび結合アンテナが、前記透明または半透明部材内の装飾的プリントコンテンツにより部分的に不明瞭にされているかまたはこの装飾的プリントコンテンツと一体化されている、請求項17に記載のトランザクションカード。
【請求項19】
前記本体が金属を含み、内部に配置された非接触式支払いモジュールを有し、前記透明または半透明部材を含む前記インサートが、前記透明または半透明部材が不在であるカードに比べて前記カードのRF性能を改善する前記本体上の位置に位置設定されている、請求項11に記載のトランザクションカード。
【請求項20】
前記インサートが前記非透明部材で構成されており、ここで前記非透明部材の前記前方指向表面の全体が、前記本体の前面との関係において陥凹した状態で配置され、前記本体の前面を貫通する複数の窓開口部が前記カードの前記前面内で触知可能である、請求項9に記載のトランザクションカード。
【請求項21】
前記インサートの前記前方指向表面の複数の部分が、前記複数の開口部の中に突出し、前記本体の前記前面と面一に配置されている、請求項9に記載のトランザクションカード。
【請求項22】
前記インサートが、非透明部材および複数の透明または半透明部材を含み、前記非透明部材の前記前方指向表面の全体が前記本体の前面との関係において陥凹した状態で配置され、前記複数の透明または半透明部材がエポキシを含む、請求項9又は21に記載のトランザクションカード。
【請求項23】
前記インサートが、非透明部材および複数の透明または半透明部材を含み、前記非透明部材の前記複数の開口部に隣接する前記前方指向表面全体が前記本体の前面との関係において陥凹した状態で配置され、前記複数の透明または半透明部材が、前記複数の開口部の中に突出する前記本体の前記前面全体にわたり配置された前記透明または半透明層の部分を含む、請求項9、21及び22のいずれか1項に記載のトランザクションカード。
【請求項24】
前記インサートが、プラスチック、金属、セラミック、木材、水晶、岩石、骨、真珠層および皮革またはこれらの組合せからなる群から選択された材料を含む、請求項1ないし9、及び請求項11ないし23のいずれか1項に記載のトランザクションカード。
【請求項25】
1つ以上の開口部が1つ以上の英数字を形成する請求項1ないし9、及び請求項11ないし24のいずれか1項に記載のトランザクションカード。
【請求項26】
前記複数の開口部の少なくとも1つがスリットを含み、このスリットが、スリットの第1の部分内に第1の充填材材料をそしてスリットの第2の部分内に前記インサートを有しており、前記充填材材料が前記インサートと異なっている、請求項1ないし9、及び請求項11ないし25のいずれか1項に記載のトランザクションカード。
【請求項27】
前記充填材材料が不透明である、請求項26に記載のトランザクションカード。
【請求項28】
少なくとも1つの連続スリットをさらに備え、前記少なくとも1つの連続スリットがモジュールポケットから前記カードの周縁部まで延在し、前記充填材材料および前記インサートが両方共、非導電性材料である、請求項26に記載のトランザクションカード。
【請求項29】
前記インサートが、前記カード本体の内部に位置設定された光導体の入力表面から前記複数の開口部に隣接する前記前方指向表面まで光を伝送するように構成された光導体を含み、カードがさらに前記光導体入力表面内に光を発出するように構成された光源を含んでいる、請求項9、21から23のいずれか1項に記載のトランザクションカード。
【請求項30】
コントローラに接続された支払いモジュールをさらに含み、前記光導体は、前記支払いモジュールがカード読取り機によって読取られる場合に前記光源を点灯させるように構成されている、請求項29に記載のトランザクションカード。
【請求項31】
前記カードが、前記光源に接続された埋込み型電源をさらに含む、請求項30に記載のトランザクションカード。
【請求項32】
前記支払いモジュールが、前記支払いモジュールと前記カード読取り機の間の物理的接続を介して前記カード読取り機から前記光源に電力供給するための電力を得るように構成されている、請求項30に記載のトランザクションカード。
【請求項33】
前記支払いモジュールが、前記支払いモジュールと前記カード読取り機の間の誘導結合を介して前記カード読取り機から前記光源に電力供給するための電力を得るように構成されている、請求項30に記載のトランザクションカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、全ての目的のためにその内容全体が参照により本明細書に組込まれている、2017年10月18日出願の米国仮特許出願第62/573,789号明細書、2017年12月27日出願の米国仮特許出願第62/610,745号明細書、および2018年6月18日出願の米国仮特許出願第62/686,358号明細書に関連し、その優先権の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
トランザクションカードは、提供するものを互いに差別化するために任意の数の特徴部を有し得る。消費者は、プラスチックに比べたその耐久性および全体的な高級感を理由として、金属カードに対する需要を明らかに示してきた。セラミックカードも、独特の望ましい全体的高級感と共に類似の耐久性を提供する。
【0003】
米国特許第5,412,199号明細書(特許文献1)、米国特許第5,434,405号明細書(特許文献2)、及び米国特許第5,608,203号明細書(特許文献3)は、例えばトランザクションレシート上の小さな印刷を読取ることができるようにカードをルーペとして使用できるようにする、フレネルレンズなどの拡大レンズを形成する透明な面積を伴うプラスチック基盤材料を有するクレジットカードを開示している。米国特許第6,902,116号明細書(特許文献4)は、窓がLED光を集束させるための視準特性を有する透明な窓を有するトランザクションカードを開示している。
【0004】
米国特許第7,997,503号明細書(特許文献5)は、細長いセグメントのセットと組み合わせた動的視覚コードのディスプレイ上に重ね合わされた場合に、窓を通して見るビューワに視覚コードを顕示する、上に印刷された細長いセグメントの固定セットを有する透明な窓を伴うプラスチック基盤を有するカードを開示している。したがって、このようなカードは、窓上に印刷された情報を有し、窓上の印刷された情報は、パターンが、視覚コードと組合わされている細長いセグメントと整列しなければならないという点において、事実上機能的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第5,412,199号明細書
【文献】米国特許第5,434,405号明細書
【文献】米国特許第5,608,203号明細書
【文献】米国特許第6,902,116号明細書
【文献】米国特許第7,997,503号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0086802号明細書
【文献】米国特許出願公開第15/928,813号明細書
【文献】米国仮特許出願第62/555,367号明細書
【文献】米国特許第9,390,366号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0224881号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
主として金属製、セラミック製またはセラミックコーティングされた本体である、例えば金属製のカードは、プラスチックカードでは入手不可能である或る種の見掛けと雰囲気(例えば重量感)を伴うカードを可能にし、このようなカード内に透明な窓を具備することによって、他のカードが提供するものとの望ましい差別化が得られる。金属および/またはセラミックカードは概して、生産コストがより高く、したがって一定の閾値よりも高い純資産を有し、カード発行人が選び抜いた高価値顧客グループのメンバーでありかつ/または相当額の年会費を喜んで払ってくれるカード利用者をターゲットとした高級カードとして提示され得るものである。このような高級カードの保有者は、ルーペに対するニーズを認めたくないかもしれず、ひいては拡大または視準を伴う透明窓を所望しない可能性がある。このようなカードの保有者は、透明窓の中心の大部分がカードを通した視野を不明瞭にする印刷を全く有していないこと、または美的に好ましくない傾向をもつパターンである上記特許文献4に記載のパターンなどの細長いセグメントの機能性パターンよりもむしろ装飾的で非機能性のパターンで窓が飾られることを好ましく思う可能性がある。金属および/またはセラミックフレーム中に透明窓を埋込むことは、以上に記された参考文献中に記載のカードのタイプとは異なる製造および構造上の挑戦そして異なる機会を提示するかもしれない。
【0007】
カードユーザおよびメーカは、カードの少なくとも一方の表面から視覚的および/または触覚的に知覚可能であるデザインを組込むことを望むことが多い。例えば、米国特許出願公開第2006/0086802号明細書(特許文献6)は、プラスチックカード内にジェムストーンが埋込まれているジェムストーン担持カードを開示している。カード発行人およびカード利用者は、カード内に多くの個別のジェムストーンを埋込む必要性から来る労働集約的ステップおよび支出無く、ジェムストーンのパターンに類似した見掛けを提供するデザインを創り出すことに関心をもつ可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの態様は、視覚的外観、厚み、本体前面、本体背面および前面から背面まで延在し周囲を有する窓を有する金属製、セラミック製またはセラミックコーティングされた本体を含むトランザクションカードを含む。インサート背面およびインサート前面を有するインサートが、インサート前面が窓内またはこの窓を通して見えかつインサート背面が本体背面と面一である状態で、窓内に配置されている。インサート前面は金属製、セラミック製またはセラミックコーティングされた本体とは異なる視覚的外観を有している。本体の背面およびインサートの背面に対して、バッキング層、好ましくは非金属バッキング層が積層され得る。いくつかの実施形態において、インサートは、本体前面と面一に(または容認されたISO規格の面一許容誤差内で表面のわずか上方または下方に)配置された前方指向表面を有しかつ窓の周囲と整合する周囲を有する非拡大型透明または半透明部材であって、任意には窓内または窓上に電子特徴部を格納し、任意の電子特徴部に接続された任意の導電性プリントトレース以外の機能性プリントコンテンツを窓上または窓内に全く有していない非拡大型透明または半透明部材;または本体前面との関係において陥凹した状態で配置された前方指向表面を有する非透明、非機能性部材;またはこれらの組合せ;のうちの1つを含む。本体の前面は、上に印刷された1つ以上の特徴部、例えば本体に直接隣接する透明または半透明部材の一部分および透明または半透明部材に直接隣接する本体の一部分の上に配置され、透明または半透明部材と本体の間のインタフェースを横断して延在する、連続周囲プリントラインを有することができる。いくつかの実施形態において、透明または半透明部材にはプリントコンテンツが欠如している。他の実施形態においては、透明または半透明部材と本体の間のインタフェースを横断して延在する連続周囲プリントライン以外、透明または半透明部材の面積の大部分にプリントコンテンツが欠如している。
【0009】
トランザクションカードは、透明または半透明部材内あるいは透明または半透明部材上の電子特徴部、電子特徴部に接続された導電性プリントトレースおよび、透明または半透明部材内の導電性トレースに対し電力および/または電気信号を伝送するように構成された本体内の導電性部材に対して透明または半透明部材内の導電性トレースを接続する導電性インタフェースを有することができる。一実施形態において、電子特徴部は、非接触式支払いモジュールまたはデュアルインタフェース支払いモジュールであり得、透明または半透明部材はさらに、透明または半透明部材内に配置された結合アンテナを含み得る。非接触式支払いモジュールおよび結合アンテナは、透明または半透明部材内の装飾的プリントコンテンツにより部分的に不明瞭にされているかまたはこの装飾的プリントコンテンツと一体化されていてよい。
【0010】
本体が金属を含み、内部に配置された非接触式支払いモジュールを有する実施形態において、透明または半透明部材は、この透明または半透明部材が不在であるカードに比べてカードのRF性能を改善する本体上の位置に位置設定されていてよい。
【0011】
いくつかの実施形態において、窓は、第1の面積の内部に配置された本体の前面内の複数の開口部、および第1の面積により画定された本体の背面内の単一の開口部を含む。このような実施形態において、インサートは、非透明部材で構成され得るか、あるいは透明または半透明部材の直下に配置された非透明部材を含み得る。非透明部材は、例えば、プラスチック、金属、セラミック、木材、水晶、天然または合成のジェムストーン、真珠層または皮革を含むことができ、上に印刷されたグラフィックスを有することができる。いくつかの実施形態においては、非透明部材の前方指向表面の全体が、本体の前面との関係において陥凹した状態で配置され、窓は充填されておらず、こうして複数の窓はカードの前面内で触知可能となっている。他の実施形態において、窓にはエポキシが充填されている。さらに他の実施形態においては、非透明部材の前方指向表面の複数の部分が、複数の開口部の中に突出し、本体の前面と面一に配置されている。さらに他の実施形態においては、非透明部材の前方指向表面の全体が本体の前面との関係において陥凹した状態で配置され、複数の透明または半透明部材はエポキシを含む。
【0012】
本発明の他の態様は、トランザクションカードを製造する方法にある。この方法は、厚み、前面および背面を有する金属製、セラミック製またはセラミックコーティングされた本体を提供するステップと;周囲を有し前面から背面まで延在する穴を本体内に創出するステップと;本体の背面に隣接して非金属バッキング層を位置付けするステップを含む。前面、背面および周囲を有し、周囲が本体内の穴の周囲と整合し、インサートが本体と同じ厚みを有する非拡大型の透明または半透明の窓インサートが創出され、インサートの背面がバッキング層と接触する状態で、本体内の穴の中に配置され、バッキング層は本体およびインサートに対して積層される。
【0013】
本体は金属シートを含むことができ、このような実施形態において、トランザクションカードは第1の面積を有し、金属シートは第1の面積の倍数である面積を有し、ここで該方法は、金属シートを倍数に対応する複数のカードにカットするステップをさらに含む。金属製本体は、例えば本体の前面のみをセラミックコーティングでスプレーコーティングすることによって、または金属製本体の周りにセラミックコーティングを射出成形することによって、セラミックコーティングでコーティングされ得る。他の実施形態においては、金属以外の本体材料(例えば木材、炭素繊維など)をセラミックでコーティングすることができる。該方法は、例えば紫外線硬化性インクを用いたインクジェットプリンタで、本体の前面上に印刷し、その後、インクを硬化させるのに好適な紫外線放射にこの印刷を曝露するステップをさらに含み得る。該方法は、任意には溝を充填するステップを含む、金属製本体の前面内に溝を創出するステップを含み得る。
【0014】
該方法は、窓内または窓上に電子特徴部を配置するステップ、窓上または窓内に導電性トレースを配置するステップ、窓上または窓内の導電性トレースを電子特徴部に接続するステップ、および窓内の導電性トレースに対して電力および/または電気信号を伝送するように構成された本体内の導電性部材に対して窓内の導電性トレースを接続する本体と窓の間のインタフェースに導電性インタフェースを配置するステップを含み得る。窓上または窓内に導電性トレースを配置するステップは、導電性トレースまたは窓の表面を印刷するステップを含み得る。
【0015】
本体が金属を含み、内部に配置された非接触式支払いモジュールを有する実施形態において、窓は、窓が不在であるカードに比べてカードのRF性能を改善する本体上の位置に位置設定され得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】透明な窓を有する、本発明の一態様に係る例示的トランザクションカードの前面を描く。
図1B図1Aのカードの分解組立断面図を描く。
図1C図1Aのカードの後面を描く。
図2図1Aのカードを複数カットすることのできる例示的シートを描く。
図3】上に電子機器が配置された窓を伴う例示的カードを描く。
図4】埋込み型電子機器を有する多層窓を伴う例示的カードを描く。
図5】埋込み型電子機器を有する窓を伴う例示的カードを描く。
図6】埋込み型電子機器および埋込み型アンテナを有する窓を伴う例示的カードを描く。
図7】複数の窓開口部を有する例示的カードの実施形態の前面の斜視図を描く。
図8図7の例示的カードの背面およびインサートの斜視図を描く。
図9図8の例示的カードの本体前面およびインサート前面および外周の近接斜視図を描く。
図10A】一定のパターンにカットされた複数の窓開口部を有する例示的カードの平面図を描く。
図10B】集合的に英数字を形成するパターンにカットされた複数の狭隘スリット窓開口部を有する例示的カードの平面図を描く。
図10C】各々が英数字のパターンにカットされた複数の狭隘スリット窓開口部を有する例示的カードの平面図を描く。
図11】前面上に複数の窓開口部を有する例示的カードの断面図を描く。
図12図7~9の例示的カードの断面図を描く。
図13】突出するインサート材料が複数の窓開口部に充填または部分的に充填されている、例示的カードの実施形態の窓領域の断面図を描く。
図14】インサート材料とは異なる半透明または透明な材料が複数の窓開口部に充填または部分的に充填されている、例示的カードの実施形態の窓領域の断面図を描く。
図15】前面上に配置されたコーティングまたは層から突出する半透明または透明な材料が複数の窓開口部に充填または部分的に充填されている、例示的カードの実施形態の窓領域の断面図を描く。
図16】前面の下側に配置されたコーティングまたは層から突出する半透明または透明な材料が複数の窓開口部に充填または部分的に充填されている、例示的カードの実施形態の窓領域の断面図を描く。
図17】前面および背面の上に配置されたコーティングまたは層由来の半透明または透明な材料が複数の窓開口部に充填されている、例示的カードの実施形態の窓領域の断面図を描く。
図18】光導体が複数の窓開口部を通って光を伝送している例示的カードの実施形態の窓領域の断面図を描く。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで図面を参照すると、図1A~1Cは、比較的厚い本体102、窓インサート112、およびバッキング層120から成る例示的トランザクションカード100を描いている。本体102は厚み(T)、前面104、背面106および前面から背面まで延在する穴108を有する。図1Aおよび1Cに描かれているように、穴108は円形の周囲を有するが、穴の周囲は任意の幾何学的形態(卵形、三角形、方形、矩形または3つ以上の辺を有する任意の規則的または不規則な多角形形態)を取り得るかまたは、以上の幾何学的カテゴリのいずれにも適合しない曲線および/または直線の区分の組合せを含む周囲を有し得るということを理解すべきである。同様に、透明または半透明の窓は、その全体的面積が本体102の面積よりも小さく好ましくはカードの面積の内部に完全に格納される(すなわち窓の周囲が本体の周囲の完全に半径方向内向きに位置設定されている)かぎりにおいて、その全体的面積によって特徴付けされる通りの任意のサイズであり得る、ということも理解すべきである。
【0018】
前面114、背面116、本体102と同じ厚み(T)および穴108の周囲と整合する周囲を有する非拡大型窓インサート112が、穴の中に配置されている。窓は、非拡大型であると同時に非視準型であってよい。周囲を「整合させる」というのは、窓インサートが穴の周囲と同一の周囲を有するものの、強制的に嵌合させる必要なく穴の中に挿入するのに充分なほどに直径が小さく(または同等であり)、穴の内側縁部とインサートの外側縁部の間のインタフェースに一切ギャップを残さないかまたは最小限かつ人間の目にはほぼ知覚不能であるギャップしか残さないことを意味する。同様にして、「同じ」厚みとは、容認できる許容誤差が人間の触覚にとって知覚可能である厚みの差または本体上のプリント層の厚みも考慮した厚みの差を含み得ることを認めた上で、窓インサートおよび金属製本体がこのような許容誤差内の所望の精度レベルで同じ厚みを有していることを意味する。
【0019】
いくつかの実施形態において、窓インサートには、その前面または背面のいずれかの上の(またはその中に埋込まれた状態の)機能性プリントコンテンツが欠如している。「機能性プリントコンテンツが欠如している」とは、いくつかの実施形態におけるインサートが、どのようなものであれその上にプリントコンテンツ(図示せず)を一切有していないこと、または他の実施形態においては、その上に印刷されたいずれかのコンテンツ(例えば図1に描かれた船のグラフィック118)が事実上純粋に装飾的なものであり、例えば対応するグラフィック上に窓を設置することによって実装される認証または確認スキームに関連して使用するためのものではないことを意味している。印刷の代りにまたは印刷に加えて、窓内に配置されたグラフィクスまたは他のコンテンツは同様に、彫刻、エッチングまたは他の形で窓内にカットされてもよい。窓内に彫刻、エッチングまたは他の形でカットされたコンテンツは、例えばカメオ様の外観を提供することを目的として、本質的に3Dレリーフの範疇に入る美的コンテンツを含めた非機能性のものでもあり得る。他の実施形態においては、本明細書中でさらに説明するように、窓は、その上または内部に組み付けられた電子機器(例えばLED)を含むことができ、この場合、好ましくは「不可視的」または最低限の可視性しかない(入念に検査しなければ周囲照明下で人間の裸眼では見えない)トレースが窓上または窓内に印刷または他の形で配置される可能性がある。このようなトレースは、LEDを本体内の電気トレースに接続することができ、本体内のこれらのトレースは背面内の隠蔽された電源に接続でき、あるいは電気信号の供給源および/または受容体に接続し得る。いくつかの実施形態において、LEDはバックライト付きLEDを含み得る。窓は、光導体の出力表面に対して光導体の入力表面に位置設定されたLEDなどの光源からの光を伝送する光導体を含み得る。全ての電気信号は幾分かの固有の電力を有するものと理解されるが、本明細書中で使用する「電力」なる用語は、電気的特徴部に電力供給するための電力を意味し、一方本明細書中で使用する「電気信号」なる用語は、電力を提供するための信号ではなくむしろ情報を通信するための信号を意味する。したがって、電気的特徴部までおよび電気的特徴部から任意の接続された構成要素まで進む電気インパルスは、電力、電気信号またはそれらの組合せを含み得る。
【0020】
「非拡大型」とは、窓インサートが、拡大レンズとして機能しないこと(すなわち、窓インサートを通して検分された所与の距離にある物体は、窓を通して検分されなかった場合と同じサイズに見えること)を意味している。非視準型とは、窓が、焦点に向かって窓を通過するいかなる波長の放射(可視光線に限定されず)も集束しないことを意味する。窓は、光分散型であり得る。窓インサートは非金属製であり、好ましくは研磨ポリカーボネートを含むが、ガラスまたは、当該技術分野において公知の任意の透明プラスチックまたは樹脂を含み得る。いくつかの実施形態において、窓インサートは、例えば金属、セラミック、木材、水晶、天然または合成ジェムストーン、真珠層、皮革などの1つ以上の異なる材料が内部に嵌込まれた、主として透明または半透明の領域を有することができる。本明細書中では「透明な」ものとして言及されているものの、窓は、窓を通して検分された物体が完全な詳明さでは見えない程度に充分な光の散乱および拡散をひき起こすことができる。窓単独では、窓とバッキング層(および窓の上のあらゆる層)の組合せよりもさらに透明である。窓インサートの材料は、半透明(この場合窓を通して検分される物体を明確に見ることは全くできない)と透明(この場合窓を通して検分される物体を明確に見ることができる)との間の範囲内のいずれかの点にあるように選択され得る。最低でも、窓は、典型的な人間の目に見える光のスペクトル(すなわち約390~700nmの波長:および約430~770THzの範囲内の周波数)に対して半透明である。好ましい実施形態において、窓は着色されていない。したがって、例えば、カード利用者の財布の中で積み重ねられている場合、窓は、ユーザが直下にあるカードを幾分か明確に見ることができるようにし得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、窓が導電性を有することまたは導電性特徴部を有することが所望される可能性がある。例えば、いくつかの実施形態において、インジウム-スズ-酸化物コーティングなどの導電性コーティングまたは導電性インクでコーティングされた、ガラスまたは別の非導電性材料、例えば可塑性樹脂を含み得る。他の実施形態において、窓は、全体的または部分的に、導電性プラスチック(すなわちポリカーボネート、または導電性可塑性樹脂から形成された別のプラスチック材料)を含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態においては、図3~6に描かれているように、カード300、400、500、600は、穴の周囲で本体350、450、550と窓の間のインタフェースにおいて電気的接続部340、440、540に電子機器を接続し得る、ITOまたは他の導電性プリントインクまたは接着剤を含む「不可視的な」トレース330、430、530、630を伴って窓320、420、520、620内に組込まれた、集積回路、LEDインレー、スイッチ、または当該技術分野において公知の他の任意の電子特徴部などの電子機器310、410、510、610を含み得る。いくつかの実施形態において、電気的接続部340、440、550は、このとき、RF電力を取入れるためのアンテナまたはバッテリなどの電源360、460、560に接続し得る。こうして例えば、カードの操作性のインジケータ(例えば情報がカードから能動的に読取られているときに点灯される)を提供するために光を発出することまたは動的コードを示すことなどを目的とするLEDディスプレイを、窓にボンディングするかまたは窓内に埋め込み、ITOまたは他のプリントトレースと共に窓の縁部にある接続ポイントに接続することができる。電子機器は、全体的にまたは単に導電性を必要とする部分内でのみ導電性接着剤を用いておよび/または全体的にまたは単に非導電性であるように意図された部分内でのみ非導電性接着剤を用いて、窓にボンディングされ得る。透明の、半透明の、または最低限の可視性を有する薄い導電性材料を用いた導電性プリントトレースを使用することによって、見苦しい、容易に見えるワイヤまたは銅トレース無しで窓内に電子機器を組込むことができる。
【0023】
本体内に埋込まれた電源から特徴部に対して電力が供給される、窓内に電動特徴部を伴う実施形態においては、図3~5に描かれているように、電力は誘導的にまたは物理的トレースによって特徴部に接続でき、ここで本体内の物理的トレースは、窓と本体の間の任意のギャップを橋渡しする導電性インタフェースを横断して窓内の物理的トレースに接続する。導電性インタフェース335、435、535は、例えばはんだ、ワイヤボンディング、導電性インクまたは通電接着剤(例えば通電接着剤パッチまたはACFテープ)を含み得る。導電性インタフェース335、435、535および金属製本体350、450、550内に埋込まれた任意のトレース340、440、540は、当該技術分野において公知の絶縁体および絶縁体を配置するための方法によって金属製本体から絶縁される。例えば、当該技術分野において公知であるように、トレース340、440、540は、本体内の溝の中に配置された可撓性の非導電性基板上に配置された銅トレースを含み得る。導電性インタフェースは、単に接続用トレース(例えば330および340)の接続用端点を含んでいてよく、あるいは、窓が穴の中に挿入された時点で整列を容易にするため接続用トレースよりも幾分か大きめであり得る。窓の挿入後に窓内のトレース330、430、530とカード内のトレース340、440、540の間のギャップを橋渡しするために適用されるはんだバンプの形で導電性インタフェース335、435、535を適用することが、極めて有効であり得る。電気的接続部の整列を容易にするために、穴および対応するインサートは非円形であり得、あるいは、例えば穴内のくぼみと噛合する窓内の突出部(またはその逆)を用いてくさび留めされ得、こうして、インサートは、単一のまたは限定数の容易に差別化される配向でのみ穴に噛合することになる。
【0024】
図6で描かれている実施形態において、窓620内に配置された電子特徴部610は、カード読取り機から誘導的にRFを取入れることによって完全に電力供給され得、この場合アンテナ630も同様にカード内に配置され、本体650内に埋込まれた電源に接続する必要なく電子特徴部に接続されている。したがって、例えば電子特徴部610が、カードの読取り時に活性化される照明用特徴部である場合、アンテナ630は、ライトに電力供給するのに充分な電力を取入れ、カード内に埋込まれた他のいかなる特徴部に対する接続も必要としない。他の構造においては、電子特徴部610および/またはアンテナ630を、埋込むのではなくむしろカードの表面上に配置することができる。他の実施形態においては、電子特徴部610および/またはアンテナ630を、電源などの本体内に埋込まれた特徴部に対してか、または電子特徴部がデュアルインタフェースチップである場合には、接点式読取り機により読取られるために接点(例えば図1に描かれている接点160)に対して、誘導的に(または図3~5に示されたもののうちのいずれかに類似する接続によって物理的に)接続することができる。
【0025】
窓パターン実施形態
本発明の別の態様において、トランザクションカードは、図7~17に描かれているように、カードの前面内に複数の開口部を含み得る。具体的には、図10Aに示されているように、カード本体1000内の複数の開口部1010は、球形状の幾何学的グラフィックパターンを形成する。図10Bに示されているように、カード1020内の複数の窓開口部1022、1024、1032は、カードの特定のブランドと結び付けられる図案化したQの形状で1つの英数字を集合的に形成する。図10Cに示されているように、複数の窓開口部1052の各々は、窓開口部がカードの特定のブランドと結び付けられる単語を綴るような形で組合わせて配列された英数字を含む。開口部は図7~9中に包括的に、異なる楕円の集合として描かれており、図11~15の断面図では、これらの開口部の形状は識別不能である。パターンおよびパターンを形成する開口部の形状、サイズおよび数は、いかなる形でも制限されない。開口部は認識可能なパターンまたは抽象的なパターンを形成し得る。開口部は、好ましくは、本来単に美的なものにすぎず、ユーザが選択できるかまたは複製の難かしさのために選択され得る好適なパターンまたはデザインを創出するため以外のいかなる機能にも役立たない。したがって、パターンまたはデザインは、その存在自体によって、複製が困難な真正マークを提供するという点において受動的にカードのセキュリティを増強するものの、好ましいパターンまたはデザインは本明細書においては、それらがいかなる能動的または相互作用的機能も有していないことを理由として、「非機能性」のものとして言及されている。
【0026】
図7~9に描かれているように、カード本体700は、カード本体の前面を貫通する複数の窓開口部702、704および706を有する。本明細書中および以下のクレーム中では「前」面と呼ばれているものの、この実施形態および他の実施形態に関連して本明細書中で使用される「前」なる用語は、窓開口部が配置されているカードの側を意味し、これは、カードの「前」および「背」を差別化するものとして典型的に理解され得る磁気ストライプ、接点および他のインディシアを有する機能するカードの「前」側または「背」側と従来呼ばれている側であり得る。各開口部は、カードの前側から見える異なる周囲を有するが、全ての窓は、図8に描かれているポケット804によって画定された面積の中に位置設定され、このポケットは、カードの背面内の単一の開口部を画定している。インサート800は、ポケット804内に配置されるように構成されている。図8、9および12に描かれているように、カード本体700は、単一の開口部804を取り囲む背面内に陥凹レッジ802を有し、ここでインサート800は、陥凹レッジと噛合するように構成された幾何形状を有する最外側領域902および単一の開口部の内部に嵌合するように構成された最内側領域904を含む段付き周囲を含む。
【0027】
図11に描かれている別の実施形態において、本体は、本体の前面1150を画定する第1の層1100および本体の背面1152を画定する第2の部分1102を含む少なくとも2つの層を含むことができる。複数の開口部1110a、1110b、1110cは、層1100の厚み全体を貫通し、一方単一の開口部1120は、層1102の厚み全体を貫通する。インサート1104は、層1100および1102が共に組合わされた場合にポケットを画定する開口部1120の内部に嵌合するように構成されている。層1102内の陥凹レッジおよびインサート1104上の対応する外周領域を伴って図示されてはいないものの、この特徴部は同様に、この実施形態中に存在してもよい。図11では同じ厚みを有するものとして描かれているが、2つの層1100および1102は、異なる厚みを有していてよく、いずれか一方が他方よりも大きくてよい。層は共に接着ボンディングされ得る。積層ステップ中に複数の開口部1110a-1110cを充填する、層1100および1102の間の透明または半透明のボンディング層を含めた追加の層も存在し得る。インサート1104を所定の場所に保つため、層1102の背面に対し、バッキング層1106を積層または他の形でボンディングすることができる。
【0028】
図11に示されているように、インサートは、部材1104単独で構成され得る。いくつかの実施形態において、部材1104およびバッキング層1106(および任意の中間または被覆層)は、透明または半透明であってよく、こうして開口部1110a~1110cを通って光が見えるようになっている。しかしながら、好ましい実施形態において、インサート1104は、美的インパクトのために選択される非透明部材を含む。例えば、インサート1104は、プラスチック、金属(例えば、本体内のいずれの可視的金属とも異なる視覚的特性を有するもの)、セラミック(例えば、本体を含むいずれのセラミックまたはセラミックコーティングとも異なる視覚的特性を有するもの)、木材、水晶、真珠層、岩石(人工または天然ジェムストーンを含む)、天然または合成の骨または象牙、および天然または合成の皮革を含み得る。以上のもののいずれも、上に印刷を有していてよい(例えば、異なる開口部を通して異なる色への可視性を提供するグラフィックを有するプリントプラスチックインサート)。典型的には非透明部材は不透明であるが、他の実施形態では、幾分かの半透明性を有していてよい。部材1106は、いくつかの実施形態ではカードの反対側の表面から見える印刷とは異なるものであるカードの一方の表面から見える印刷を含め、一方または両方の側に印刷を有することができる。典型的には、部材1104は受動的かつ静的であるが、動的、例えば光輝性である部材(例えば暗闇の中で発光するかまたは一定の波長の光により照射されたときに蛍光を発する部材)であってよい。部材1104は同様に、電源に接続された他の要素について本明細書中で説明されているものと同じ形で電源(図示せず)に接続されている光源、例えばLED、例えばより具体的にはバックライト付きLEDでもあり得る。さらに別の実施形態においては、部材1104は、光導体の入力表面においてLEDまたはバックライト付きLEDなどの光源(図示せず)から入力された光を受け取り、この光を出力表面に伝達する光導体であり得る。光は、窓と協働して、例えば支払いモジュールの読取りを標示するために点灯する1つのパターンを創出するが、このパターンは、いずれかの特定の目的に限定されるわけではない。
【0029】
他の実施形態において、部材1104は、参照により本明細書中に組込まれている「動的形状記憶合金触覚特徴部を伴うカード」という名称の米国仮特許出願第62/545,630号中に記載のものなどの能動的または動的部材であり得る。部材1104は、色、質感、反射率、不透明度およびそれらの組合せを含めた任意の数の観点で、本体と異なっていてよい。
【0030】
図12に描かれているように、インサートは単一の部材800で構成されていてよく、この場合、カードが組立てられた時に、部材の前方指向表面全体が、本体の前面との関係において陥凹した状態で配置されており、これはすなわち、複数の窓702~706がカードの前面内で触知可能であることを意味している。したがって例えばインサート800が真珠層を含む場合、カードの積層が、構成要素間のこの物理的関係を変更することはない。好ましくは非透明性であるものの、部材800は、いくつかの実施形態において透明であってよい。
【0031】
しかしながら他の実施形態においては、図13に描かれているように、インサート1302は、積層温度で流動可能である材料を含み、この材料は、積層ステップ中に本体1300内の複数の開口部の中に部分的または完全に流入でき、こうして非透明部材の前方指向表面の複数の部分1304、1306、1308が複数の開口部内に突出し本体の前面と面一に配置されるようになっている。
【0032】
図14に描かれているさらに他の実施形態においては、非透明部材1402の前方指向表面の全体が、本体の前面との関係において陥凹して配置された状態にとどまっていてよく、複数の透明または半透明部材1404、1406、1408が開口部内に配置され得る。透明または半透明部材は、開口部内への自動送出を介して被着される光学的に透明なエポキシを含み得る。
【0033】
図15中に描かれているさらに他の実施形態においては、透明または半透明層1510が、本体1500の前面および複数の開口部全体にわたって配置され得、こうして、層1502は全体が本体の前面との関係において陥凹した状態にとどまりながら、層からの突出部1504、1506および1508は積層ステップ中に開口部内に完全にまたは部分的に流入するようになっている。
【0034】
図16に描かれているように、多層本体構造において、中間の透明または半透明ボンディング層1610は、本体の第1の層1500と第2の層1502の間に配置され得、こうして、層1620は全体が本体の前面との関係において陥凹した状態にとどまりながら、突出部1604、1606および1608は積層ステップ中に開口部内に完全にまたは部分的に流入するようになっている。
【0035】
図17に描かれているように、それぞれ本体1700の前面および背面上に配置された透明または半透明層1702または1704は、積層ステップ中に共に開口部1710、1712内に完全にまたは部分的に流入し得る。この構造および製造方法は、図10Bおよび10Cに描かれている窓特徴部1022、1024、1032、1052など、開口部1710および1712がスリットである実施形態に極めて好適であり得る。上部および下部層を伴って示されているものの、いくつかの実施形態は一方または他方のみを有することができる。単一の離散的上部層および単一の離散的下部層を伴って示されているものの、いくつかの実施形態は、本体の上方および/または下方に多重層を有することができ、これらの実施形態のうちのいくつかにおいては、層のうち2つ以上が開口部の充填に寄与することができる。例えば、両側に接着剤を伴うキャリヤを含み得る接着剤層が、本体と上部および/または下部層の各々との間に間置され得、接着剤、キャリヤおよび上部または下部層は全て、積層ステップ中に開口部内に流入し得る。他の実施形態において、キャリヤの下面上の(または上部および/または下部層の下面上に直接配置された)接着剤が、開口部内に流入する唯一の材料であり得る。
【0036】
図17では共平面状面を伴って示されているものの、材料の流れは、カードの一方または両方の面上で流動する材料の凸状、凹状、共平面状または不規則な形状をした表面を導き得るということを理解すべきである。凸状、凹状、共平面状または不規則形状の表面の形成は、材料が窓/溝/ポケット内に流入するあらゆる実施形態において発生する可能性があり、全体形状は、特定の形状を有するように意図的に制御可能である。同様にして、インサートが予め形成され窓/溝/ポケット内に組立てられる実施形態においては、インサートは同様に、以上のいずれの形状に適合してもよい。
【0037】
図13~17の全てが、モノリシック本体を描いているものの、これらの実施形態中の本体は図11に描かれているものなどの多層本体を含み得るということを理解すべきである。
【0038】
例えば図12を参照すると、窓パターンを伴うカードを製造するための方法およびプロセスは、金属製、セラミック製またはセラミックコーティングされた本体700)を提供するステップおよび周囲を有し背面から前面に隣接する場所まで延在する本体内のポケット804を創出するステップ;次に前面からポケットまで延在し1つのパターンを形成する複数の開口部702、704、706を創出するステップを含み得る。インサート804はポケット内に位置され、その後、本体の背面およびインサートの背面に隣接する非金属バッキング層1206が本体およびインサートに対して積層される。
【0039】
図11に描かれているものなどのいくつかの実施形態において、本体を提供するステップは、本体の前面を画定する第1の層1100および本体の背面を画定する第2の層1102を提供するステップを含み得る。このような実施形態において、ポケットを創出するステップは、第2の層1102内に貫通穴1120を創出するステップを含み、複数の開口部を創出するステップは、第1の層1100内に複数の貫通穴1110a-cを創出するステップを含む。これらのプロセス中で言及されている開口部、ポケットおよび貫通穴は、当該技術分野において公知である任意の方法によってレーザカット、フライス加工、エッチングまたは機械加工され得る。セラミックコーティングされた実施形態については、金属または他の材料の本体または本体の層は、最初にセラミックでコーティングされ、その後さまざまな開口部がカットされ、層が組立てられてよく、あるいは、最初に開口部を金属または他の本体内にカットしかつ/または層を組立て、次に残りの構成要素の組立てに先立って外側表面に対してセラミックコーティングを適用することができる。
【0040】
図12中で描かれているように、プロセスは、ポケット804を取り囲む本体の背面中に陥凹レッジ802を創出するステップおよび、陥凹レッジ802と噛合するように構成された幾何形状を有する最外側領域902およびポケット804の内部に嵌合するように構成された最内側周囲904を含む段付き周囲を伴うインサート800を形成するステップを含み得る。
【0041】
ポケット内にインサートを位置付けするステップは、例えば接着剤を用いてまたは非接着性機械ボンディングを介して、例えば超音波溶接、ろう付けまたははんだ付けを使用して、本体内の陥凹レッジに対しインサートの最外側領域をボンディングするステップを含むことができる。接着剤、はんだ、またはろう付け合金などのボンディング材料と併せてレッジのデザインを用いることによって、本体の前面内の開口部に流入する接着剤または他のボンディング材料を最小限に抑えるような形でのレッジ上のボンディングが可能になる。しかしながら、他の実施形態では、硬質乾燥型透明エポキシなどのボンディング材料が開口部内に流入してこれらの開口部を充填し、図14中に描かれているような透明な窓を創出することが望ましい可能性があり、この場合、いかなるレッジも所望されない。複数の開口部に透明エポキシを充填する他の方法には、インサートがすでに所定の場所に入った後、開口部内にエポキシを自動送出することが含まれ得る。透明または半透明の材料を開口部に充填するさらに他の方法は、本体の前面全体にわたり(例えば固体層の積層を介してまたはスプレーコーティングまたは液体層の塗布により)透明または半透明のコーティングを配置するステップ、および例えば積層ステップ中に複数の開口部に流入する透明なコーティングの一部分を複数の開口部に少なくとも部分的に充填するステップを含み得る。
【0042】
以上で指摘したように、インサートが積層中に流動可能である材料を含む実施形態において、プロセスは、インサートからの突出部を積層ステップ中に複数の開口部内に完全にまたは部分的に流入させるのに充分な熱および圧力で、積層ステップを実施することを含み得る。図10B、10Cおよび17に描かれているものなどのスリットを伴う実施形態において、開口部は、エッチングされるか、フライス加工されるかまたは、レーザによって創出され得る(ただし任意の特定の形成様式に限定されるわけではない)。
【0043】
図10B中で描かれているように、製造を容易にするため、スリット1032を創出するステップは、支払いモジュールポケット1034からカードの縁部まで延在し部分1030および1032によって画定される連続したスリットを創出するステップを含み得る。スリットの部分が、例えば部分1030のように、美的な理由から透明または半透明であることを所望されない場合、このような部分を、例えば透明または半透明でない非導電性充填材などの異なるタイプの充填材で充填することができる。このような充填ステップは、透明または半透明な窓部分を充填する積層ステップに先立って行なわれるものと考えられる。部分1030内では非導電性でカードにフィットする充填材が充填され、部分1032内では非導電性の透明な充填材が充填される、部分1030および1032によって画定される連続的スリットは、参照により本明細書中に全体が組込まれている米国特許出願公開第15/928,813号明細書(特許文献7)に開示されている通りに、金属フレーム1020が増幅用アンテナまたは結合用フレームとして役立つことができるようにするために動作可能であり得る。図10Cに示されているように、他の実施形態において、カード1050内のモジュールポケット1054から発するスリット1056は、透明または半透明の窓1052によって画定されたデザインの製造に統合されていない別個の要素であり得る。
【0044】
図10Bで描かれているように延在する開口部を創出するステップおよび一部分に透明または半透明な充填材を充填し別の部分に非透明/非半透明部分を充填するステップは、スリットが全体として支払いモジュールポケットをカードの縁部に接続する実施形態に限定されるわけではない、ということを理解すべきである。例えば、製造を容易にするためには、連続したスリットを創出し、次に純粋に美的理由でスリットの複数の部分に異なる充填材を充填することが望ましい可能性があり、異なる充填材は任意のタイプのものであり得る。例えば、充填材は透明、半透明、不透明、導電性、非導電性、またはこれらの幾分かの組合せであり得、ここで同じ連続した開口部(または異なる離散的開口部)の異なる区分は異なる充填材を有し、各々の充填材は、例えば異なる色、異なる質感などの異なる美的外観を有する。所望される場合、充填材は、金などの貴金属を含み得る。他の事例において、窓またはその複数の一部分は、本明細書中で説明されているようにLEDなどを使用してまたは当該技術分野において公知である任意の方法で、照明され得る。「充填材」(およびインサート材料)は、本明細書中で開示されている実施形態のいずれかにおいて、開口部の全てまたはいくつかを完全に充填または部分的に充填し得る。
【0045】
図18で描かれている一実施形態においては、バックライト付きLEDなどの光源1815および光導体1810を含む光導体層1825が金属層1820と1830の間に挟み込まれ得る。LED1815は、光導体への入力端に隣接して位置付けされ、窓1802、1804および1806は、光導体の出力表面に隣接して位置付けされている。LED1815からの光は、光導体内に差し込み、窓1802、1804、1806を通して外へ伝送される。図18中で一実施形態において描かれているものの、金属層内のアパーチャの下側に配置された光導体を伴う実施形態を本明細書中で説明されている他の構成のうちのいずれの構成ででも提供することができる、ということを理解すべきである。窓1802、1804、1806は、充填材を全く有していないかまたは透明または半透明な充填材を有していてよく、本明細書中で説明されている方法のいずれかを介して形成されるかまたは本明細書中で説明されている構造のいずれかに適合し得る。
【0046】
いくつかの実施形態または設計において、カードの全体的な構造安定性のためには、例えばスリット1022および1024によって形成される円形形状の場合のように連続したスリットを創出するのではなくむしろ、間に1つ以上の金属ブリッジ1026、1028を伴う離散的なスリットを創出することがより望ましい可能性がある。図10Bで描かれているように、ブリッジ1026および1028が無ければ、金属製本体の残りの部分から中央円形部分が完全に分離されることになる。しかしながら、隣接するスリットの間に金属製の分離を具備することは、分離を防止すると考えられる実施形態にのみ限定されるわけではない。
【0047】
本明細書中で使用されている「スリット」なる用語は、金属縁部の間に形成されたギャップを意味し、ここで縁部から縁部までの距離は概して、積層ステップに先立ってスリット内に別個の充填材料を設置するのが望ましくないかまたは実現困難であるほどに充分小さいものであり、そのため積層中に気泡が形成するリスクは最小限である。積層条件は、スリットが、目立ったくぼみを残すことなく上にある層および下にある層によって充填されるかまたは触知的に識別可能なくぼみを提供するために部分的に充填されるように、所望される通りに制御可能である。
【0048】
他のカード特徴部
カード本体が金属またはセラミックコーティングされた金属であり、トランザクションカードカード読取り機との「非接触式」インタフェース向けに構成された支払いモジュールを含んでいる(例えば少なくとも1つの動作モードにおいて、カード内に埋込まれた支払い回路がRFID技術を用いてカード読取り機に誘導結合する)実施形態においては、モジュールに隣接して窓を位置付けすることでカードのRF性能を増強させ、これにより、カードが非接触モードで読み取られる距離を長くすることができる。具体的には、モジュールに隣接して、厳密に言うとモジュールアンテナの近くに金属が無い場合、透明な窓の無いカードに比べてカードとカード読取り機を結合するのに必要とされるカードとカード読取り機間の読取り距離を、有意に改善する(長くする)ことができる。他の点では同一である異なる窓のサイズおよび場所を有する複数のカードを創出し、異なる設計の読取り距離の差をテストすることによって、最適な距離を決定することができる。概して、出願人は、金属製カードの縁部とモジュールの間の1~5cmの範囲内の距離に応じて12~50%の範囲内の読取り距離の改善百分率を発見した。したがって、窓を収容するための金属製本体内の穴に起因してこの1~4cmの距離内に有意な金属面積が無いことによって、測定可能なレベルの改善が提供されるものと期待できる。
【0049】
いくつかの実施形態において、支払いモジュールは透明な窓の内部に位置設定され得、その場合、最小限しか見えないトレースを用いてモジュールを取り囲んで透明な窓の内部に結合アンテナを位置付けすることができる。他の実施形態においては、金属製カードの本体全体を結合アンテナとして使用することができ、または当該技術分野において公知であるように本体内に結合アンテナを埋込むことができる。アンテナトレースを含む最小限しか見えないトレースおよびモジュールは、窓上のプリントデザインの範疇に入るグラフィックコンテンツで不明瞭にされるかまたはこのグラフィックコンテンツ中に統合され得る。しかしながら、窓内部のカード読取り機モジュールの位置付けは、金属製またはセラミックコーティングされた金属製の実施形態に限定されず、オールセラミックまたはセラミックコーティングされた非金属製本体を特徴とする実施形態内にも存在し得る。
【0050】
図3で示されているように、電子機器310およびあらゆる接続用トレース330は、窓の表面上に、好ましくは電子機器をさらにバッキング層でカバーし保護することのできる窓の背部表面上に配置され得る。図4および5に示されているように、変形実施形態においては、電子機器410、510は、窓420、520内に埋込まれ得る。図5で描かれている一実施形態においては、窓520を含む透明または半透明のポリマの内部に電子機器510を射出成形することによって、埋込み型電子機器を埋込むことができる。このような実施形態においては、電子機器に接続された1つ以上の導電性部材532を、窓の厚みに沿った方向(窓の前面および背面に直交する方向)に配向された状態で窓内に配置して、窓の内部部分から、導電性部材532が窓上に導電性プリントトレース530に接続している窓の表面522(または窓の表面により近い層)へと電力および/または信号を伝送することができる。金属製カード本体内への挿入のために電子機器を埋込む例示的プロセスが、参照により本明細書に組込まれている「埋込み型電子部品を伴うトランザクションカードおよび製造方法」という名称の米国仮特許出願第62/555,367号明細書(特許文献8)中に記載されている。
【0051】
図4に描かれている別の実施形態において、電子機器は任意には透明または半透明のポリマの第1の層422上に配置され得、その上には、電子機器(そして任意には電子機器に接続するための1つ以上の導電性ライン430)を包み込むために第2の層424が配置される。多層窓は、2層のみに限定されず、所望される美的または機能的品質を提供できる任意の数の層を含み得る。多層実施形態において、導電性ライン430は、別の層(例えば424)が配置される前に第1の層422上に印刷され得る。
【0052】
比較的厚みのあるベースに比べて比較的薄いものである非金属製バッキング層120(例えば透明なPVC、ただしいずれかの特定の構造材料に限定されない)が、好ましくは、本体の背面および窓の背面に積層される。いずれかの特定の厚み範囲に限定されるものではないが、トランザクションカードは概してサイズが、およそ0.032インチの厚みに規格化されており、本体は典型的に0.008~0.028インチの範囲、好ましくは0.010~0.020インチ、より好ましくは0.012~0.018インチであり、バッキング層は任意には、全体厚みと本体の差からあらゆる接着剤層または他のコーティングの厚みを差し引いたものを埋合わせるような厚みを有する。
【0053】
1つ以上の特徴部が本体上に印刷され得、これは、印刷可能なステンレス鋼(例えば鋼表面上の印刷用インクの受容を改善する少なくとも前面104上のコーティング(図示せず)を有するステンレス鋼)などの印刷可能な金属を含んでいてよい。コーティングは、例えば、紫外線硬化性スクリーンおよびインクジェットインクまたは溶剤または酸化印刷に対する受容性のあるポリエステル系コーティングを含み得る。他の実施形態においては、染料または昇華印刷を使用することができる。セラミック製本体またはセラミックコーティングされた本体を伴う実施形態については、セラミックを同様にコーティングし、粗化(例えば、化学的に、機械的にまたはレーザを用いて)してプリント層を受入れることができる。印刷された実施形態は、いずれかの特定の印刷技術または技法に限定されない。
【0054】
図1Aに描かれているように、カードの前面は装飾的パターンを有することができる。装飾的パターンは、印刷されたパターンであり得(または以下でさらに説明するように、彫刻されたまたはエッチングされたパターンであり得)、あるいは、前面はべた一色で(例えば図1Aに示されているように黒色)印刷されてもよいし、または、べた一色、印刷されたグラフィクスまたはパターン、印刷された情報および彫刻またはエッチングされたパターン、グラフィクスまたは情報の何らかの組合せを含んでいてもよい。印刷された情報には、カード発行人(図1Aではテキスト「BANK」により代表されている、Citi,Bank of Americaなど)、カードのタイプおよび/または名前(図1Aではテキスト「CARD NAME」により代表されている、VISA(登録商標)SAPPHIRE、AMERICAN EXPRESS(登録商標)など)、カード保持者の名前、カードの一意的通し番号、有効期限などが含まれ得る。いつでも個人化できる状態にある「ブランク」カードを作成するために第1の印刷ステップにおいて一定の印刷された情報(例えばグラフィクス、カードの名前)を印刷することができ、第2の個人化印刷ステップにおいて、他の印刷された情報(カード保持者、通し番号、有効期限)を印刷することができる。第1および第2の印刷ステップは典型的には、異なる印刷機により、地理的および時間的に互いに遠隔した形で行なわれる。印刷は、窓の周囲と穴の周囲の間のインタフェースを横断した印刷を含め、窓インサート上の印刷にまで及び得る。印刷は、紫外線硬化性インクを用いて行なうことができるが、本発明は、いずれかの特定のタイプのインクに限定されない。
【0055】
本体の前面はさらに、エッチング、機械加工、レーザ加工などによって前面内に配置された装飾溝を有することができる。したがって、一実施形態において、図1Aに示されたパターンは、一定のパターン(図1Aには魚の鱗パターンとして描かれているものの、いずれかの特定のタイプのパターンに限定されず、反復的または規則的なパターン、単一のパターンまたはいずれかの特定量の網羅範囲を有するパターン、すなわち、パターンはカード面全体を横断して広がっていてよく、またはカードの1つ以上の明確に異なる面積に限定されていてもよい)の形で溝が配置されている状態で、黒色でべたのプリントベースで構成され得る。溝は、例えばカードの面とは異なるカラーインクなどで充填され得、あるいは、溝は、金属またはセラミックまたは印刷層の下側のセラミックの直下にある本体の色を露呈し得る。溝は、プリント層のみに貫入してよく、または本体に貫入してもよい。溝は窓内にカットされ、本体の縁部と窓の間のインタフェースを横断して延在し得る。同様にして、カード上のプリント層は、このインタフェースを横断して延在し得る。
【0056】
したがって、図1Aに描かれているように、窓インサート112および穴108のそれぞれの周囲の間のインタフェース132を、印刷された特徴部、例えば船のグラフィック118を取り囲む印刷された無地の黒色円130の内部で、半径方向に位置設定することができ、こうして、インタフェース全体にわたって延在する印刷は、インタフェースを視覚的に不明瞭にする一助となる。別の実施形態においては、インタフェースを、円130の半径方向わずかに外向きに位置設定して、溝によって付与されるデザインが同様にインタフェースを横断して延在し、さらにインタフェースを不明瞭にするようにすることができる。窓に印刷が実質的に欠如していることが望まれる実施形態においては、プリントコンテンツは、インタフェースと重なる(すなわち、インタフェースのいずれかの側で窓とカード本体の両方の上に配置されている)装飾的な周囲輪郭のみを含んでいてよく、こうして、インタフェースの半径方向内向きまたは印刷された周囲輪郭の半径方向内向きに位置設定された窓の大部分に印刷が欠如しているようになっている。
【0057】
いくつかの実施形態において、前面はさらに、任意のハードコート層140を含んでいてよく、一方他の実施形態は、印刷/彫刻された層全体、またはカードの前面上のコーティングされていない金属またはセラミック製表面全体にわたり被覆を全く有していなくてよい。トランザクションカードはさらに、磁気ストライブ150、署名欄152、ホログラム154、機械可読コード156(バーコードとして描かれているが、非限定的にQRコード(登録商標)を含めたあらゆるタイプの機械可読コードを含み得る)、またはこれらの組合せを、好ましくは本体102の背面106上でバッキング層120全体にわたって配置された状態で含むことができる。大部分の実施形態は同様に、接触式のおよび/または非接触式のカード読取り機で使用できるようにするため、カード読取り機によって読取られるように構成された接点160に接続された埋込み型集積回路(図示せず)、埋込み型RFIDアンテナ(図示せず)、またはそれらの組合せ(デュアルインタフェース(DI)カード用)を含む。穴108は本来純粋に美的なものであり得るが、戦略的に、カード上でデュアルインタフェースカードのRF性能を増強する場所にこの穴を位置付けしてもよい。
【0058】
本明細書中で説明されているトランザクションカードを製造するための例示的プロセスは、第1に厚み(T)を有する本体102を提供し、この本体の中に、周囲を有し本体の前面104から背面106まで延在する穴108を創出するステップを含むことができる。非金属製バッキング層120は、本体の背面に隣接して位置付けされて、好ましくは本体に面するバッキング層の側に配置された接着剤によって所定の場所に留められており、非拡大型の透明なインサート112は、バッキング層120の接着剤と接触して穴108の中に挿入され、アセンブリは次に共に積層される。インサートは、当該技術分野において公知である任意の方法によって、例えばインサート材料のシートから所望される周囲を有する複数のインサートをカットまたは押し抜きすることによって、またはインサートの周囲を有するロッドを押出し加工し厚み(T)を有するロッドからチップをカットすることによって、創出されてよい。
【0059】
穴108は、当該技術分野において公知である任意の方法によって、例えば金属製本体では、コンピュータ制御(例えばコンピュータによる数値制御-CNC)の機械などを用いたカッティング(例えば機械式またはレーザ式)、押し抜き加工またはエッチングによって創出され得る。本体が印刷可能なステンレス鋼(または、コーティングの無欠性が重要である他の任意のコーティングされた金属)を含んでいる実施形態においては、任意の酸エッチングステップ中にコーティングを維持することが所望され(例えば穴を創出するためにエッチングステップが使用される場合)、コーティングされた表面またはその一部分の上全体にわたりレジストを適用することができる。例えば、レジストは、穴108および他の任意のポケットまたは表面パターンを形成しなければならない場所以外の金属の表面全体に適用される。エッチングの後、残留するレジストは除去され、本体はさらなる加工の準備が整った状態になる。
【0060】
本体が固体セラミックを含む例示的セラミック製本体の実施形態において、穴は、好ましくは生加工状態のセラミック中に形成され、次にセラミックは焼成される。焼成前の穴の直径サイズは、セラミック材料の特性および焼成プロセス中に穴の直径の変化がある場合には予期されるこの変化を前提として、所望される焼成後の穴の直径を生成するように選択される。代替的なプロセスでは、穴の無いセラミックブランクを生成し、次に焼成の後に穴を機械的にフライス加工、レーザ加工または凍結/破砕するステップが関与する可能性があるが、このような方法は概して、効率が比較的悪く、したがって好ましくない。本体がセラミックコーティングを伴う金属製コアを含んでいる例示的実施形態においては、金属製本体は上述の通りに創出され、その後金属全体にわたって所望のセラミックコーティングが適用される。例えば、結合剤と組み合わされたセラミックのスプレーコーティングを適用することが可能であり、または金属の周りへの射出成形などを介してセラミックを配置し、その後焼成することもできる。好ましい実施形態においては、噴霧されるセラミックコーティングは、金属製コアの前面にのみ適用され得る。非金属製コアを伴うセラミックコーティングされた本体も同様に加工できる。
【0061】
積層されたアセンブリはその後、本体の前面上に所望の物を印刷するために、印刷ステップに付される。例示的プロセスにおいては、印刷ステップは、印刷対象物を紫外線硬化性インクを用いてインクジェットプリンタで印刷するステップおよび次にインクを硬化させるのに好適な紫外線放射に対して印刷を曝露するステップを含む。本体の前面には、印刷の前または後に溝がエッチングまたは彫刻され得る。例えば異なる色のインクまたは金属を溝に充填するプロセスにおいては、例えば、溝によって創出されたくぼみ内にのみ充填材(インク、金属、樹脂など)が被着するように面を横断して充填材材料を払拭する払拭ステップなどによって、溝の創出後に、溝充填ステップを行なうことができる。
【0062】
以上では好ましいステップシーケンスで説明してきたが、上述のステップは、いずれかの特定のシーケンスでの実施に限定されない。例えばいくつかのプロセスにおいては、穴をカットするステップ、バッキング層を所定の場所に留めるステップ、および窓を挿入するステップを、カードの前面上の印刷、溝の創出などに関するステップの後に行なうことができる。他のプロセスでは、印刷の前に溝を創出することができる。
【0063】
図2に描かれているように、仕上った各々のトランザクションカード100は、第1の有界面積(あらゆる丸味ある縁部の面積を差し引いた、カードの長さおよび幅に対応する面積)を画定する。金属製カードの実施形態においては、カードは、第1の面積の倍数よりも幾分か大きい(例えば図2に描かれている通りの8倍よりもわずかに大きい)第2の面積を有するシート200から製造され得る。このような製造プロセスにおいては、プロセスはさらに、倍数に対応する複数のトランザクションカードへと金属シートをカットするステップを含む。図2に示されているように、第1の面積に対する第2の面積の比率は、典型的に整数ではなく(例えば図2に描かれているように、8と9の間の何らかの値)、一方シートからカットされるカードの数に対応する倍数は、第2の面積に対応する最も近い整数に切り捨てられた数を表わし得る。穴をカットするためおよびシートから個別のカードをカットするためのカッティングステップは、レーザで実施することができる。あらゆる溝を、機械加工、エッチングまたはレーザで形成することができる。図2ではほぼ完成したカードが描かれているが、いくつかの実施形態において、金属製または他の材料製のコアを同様に、セラミックコーティングの適用に先立ち、より大きいシートからカットしてよいということを理解すべきである。
【0064】
集積回路および接続された接点および/またはアンテナは、参照により本明細書に組込まれている米国特許第9,390,366号明細書(特許文献9)中に記載のものなどの、当該技術分野において公知である任意の方法によって金属製カード内に埋込まれ得る。カードの前面に対して任意のハードコート層が適用されている実施形態において、ハードコートは、金属製カードに対するハードコート層の適用についてのその教示のため同様に参照により本明細書に組込まれている米国特許出願公開第2014/0224881号明細書(特許文献10)中に記載されているもののように、コーティングとしてまたは離散的層として、適用可能である。本明細書中では一定の層のみに関連して説明してきたが、いくつかの実施形態は、非限定的に、積層品、接着剤層、プリントコンテンツまたはコーティング(セラミックコーティングを含むがこれに限定されない)を含めた追加の層を、記述した層の間、上または下に含むことができる。
【0065】
本発明は、本明細書中で特定の実施形態に関連して例示され説明されているが、本発明は、示された詳細に限定されるように意図されたものではない。むしろ、クレームの等価物の範囲内で、本発明から逸脱することなく、詳細についてさまざまな修正を行なうことが可能である。
なお、本願は、以下の発明1から発明80を包含するものである。
(発明1)
視覚的外観、厚み、本体前面、本体背面および前記前面から前記背面まで延在し周囲を有する窓を有する金属製、セラミック製またはセラミックコーティングされた本体と;
インサート背面およびインサート前面を有するインサートであって、前記インサート前面が前記窓内またはこの窓を通して見えかつ前記インサート背面が前記本体背面と面一である状態で窓内に配置され、前記インサート前面が前記金属製、セラミック製またはセラミックコーティングされた本体とは異なる視覚的外観を有している、インサートと;
前記本体の前記背面および前記インサートの前記背面に対して積層されたバッキング層と;
を含むトランザクションカードにおいて、
前記インサートが:
(a) 前記本体前面と面一に配置された前方指向表面を有しかつ前記窓の前記周囲と整合する周囲を有する非拡大型透明または半透明部材であって、任意には前記窓内または前記窓上に電子特徴部を格納し、前記任意の電子特徴部に接続された任意の導電性プリントトレース以外の機能性プリントコンテンツを前記窓上または前記窓内に全く有していない非拡大型透明または半透明部材;
(b) 前記本体前面との関係において陥凹した状態で配置された前方指向表面を有する非透明、非機能性部材;および
(c) (a)と(b)の組合せ;
のうちの1つを含んでいる、トランザクションカード。
(発明2)
前記本体の前記前面が、上に印刷された1つ以上の特徴部を含む、発明1に記載のトランザクションカード。
(発明3)
前記インサートが、前記透明または半透明部材で構成され、前記透明または半透明部材が装飾的プリントコンテンツで装飾されている、発明1または2に記載のトランザクションカード。
(発明4)
前記本体上に印刷された前記1つ以上の特徴部および前記透明または半透明部材上の前記装飾的プリントコンテンツが、溶剤印刷、酸化印刷、染料印刷または昇華型印刷によって印刷された紫外線硬化性インクまたは特徴部を含む、発明1に記載のトランザクションカード。
(発明5)
前記本体に直接隣接する前記透明または半透明部材の一部分および前記透明または半透明部材に直接隣接する前記本体の一部分の上に配置され、前記窓と前記本体の間のインタフェースを横断して延在する連続周囲プリントラインを含む、発明1ないし4のいずれか1つに記載のトランザクションカード。
(発明6)
前記透明または半透明部材にはプリントコンテンツが欠如している、発明1または2に記載のトランザクションカード。
(発明7)
前記透明または半透明部材が1つの面積を画定し、前記透明または半透明部材により画定された前記面積には、前記本体に直接隣接する前記透明または半透明部材の一部分および前記透明または半透明部材に直接隣接する前記本体の一部分の上に配置され前記透明または半透明部材と前記本体の間のインタフェースを横断して延在する連続周囲プリントラインを除いて、プリントコンテンツが欠如しており、前記透明または半透明部材により画定された面積の大部分を、印刷によって不明瞭にされていない状態で残している、発明1または2に記載のトランザクションカード。
(発明8)
前記本体の前記前面内に装飾溝をさらに含む、発明1ないし7のいずれか1つに記載のトランザクションカード。
(発明9)
前記装飾溝内の充填材をさらに含む、発明8に記載のトランザクションカード。
(発明10)
前記装飾溝内の前記充填材が第1の色を有し、前記本体の前記前面が前記第1の色と異なる色を有する、発明9に記載のトランザクションカード。
(発明11)
前記前面がさらにハードコート層を含む、発明1ないし10のいずれか1つに記載のトランザクションカード。
(発明12)
前記前面には、積層された被覆が欠如している、発明1ないし11のいずれか1つに記載のトランザクションカード。
(発明13)
磁気ストライプ、署名欄、ホログラム、機械可読コードまたはそれらの組合せをさらに含む、発明1ないし12のいずれか1つに記載のトランザクションカード。
(発明14)
(a)カード読取り機により読取られるように構成された接点、(b)RFIDアンテナまたは(c)これらの組合せに接続された埋込み型集積回路をさらに含む、発明1ないし13のいずれか1つに記載のトランザクションカード。
(発明15)
前記透明または半透明部材またはその一部分が導電性である、発明1ないし14のいずれか1つに記載のトランザクションカード。
(発明16)
前記透明または半透明部材が、その外側表面上に導電性コーティングを含むかまたは導電性ポリマで構成されている、発明15に記載のトランザクションカード。
(発明17)
前記透明または半透明部材内あるいは前記透明または半透明部材上の前記電子特徴部および前記電子特徴部に接続された前記導電性プリントトレースを含み、前記透明または半透明部材内の前記導電性トレースに対し電力および/または電気信号を伝送するように構成された前記本体内の導電性部材に対して前記透明または半透明部材内の前記導電性トレースを接続する導電性インタフェースをさらに含む、発明1ないし16のいずれか1つに記載のトランザクションカード。
(発明18)
前記透明または半透明部材内または前記透明または半透明部材上の前記電子特徴部が、非接触式支払いモジュールを含む、発明1ないし17のいずれか1つに記載のトランザクションカード。
(発明19)
前記透明または半透明部材がさらに、前記透明または半透明部材内に配置された結合アンテナを含む、発明18に記載のトランザクションカード。
(発明20)
前記非接触式支払いモジュールおよび結合アンテナが、前記透明または半透明部材内の装飾的プリントコンテンツにより部分的に不明瞭にされているかまたはこの装飾的プリントコンテンツと一体化されている、発明19に記載のトランザクションカード。
(発明21)
前記本体が金属を含み、内部に配置された非接触式支払いモジュールを有し、前記透明または半透明部材が、この透明または半透明部材が不在であるカードに比べて前記カードのRF性能を改善する前記本体上の位置に位置設定されている、発明1ないし17に記載のトランザクションカード。
(発明22)
前記窓が、第1の面積の内部に配置された前記本体の前記前面内の複数の開口部、および前記第1の面積により画定された前記本体の前記背面内の単一の開口部を含む、発明1または74に記載のトランザクションカード。
(発明23)
前記単一の開口部を取り囲む前記背面内の陥凹レッジをさらに含み、前記インサートが、前記陥凹レッジと噛合するように構成された幾何形状を有する最外側領域を含む階段状の周囲および前記単一の開口部の内部に嵌合するように構成された最内側周囲を含む、発明22に記載のトランザクションカード。
(発明24)
前記本体が少なくとも、前記本体の前面を画定する第1の厚みを有する第1の層および前記本体の背面を画定する第2の厚みを有する第2の層を含み、前記複数の前記開口部が前記第1の層の前記第1の厚み全体を貫通し、前記単一の開口部が前記第2の層の前記第2の厚み全体を貫通している、発明22に記載のトランザクションカード。
(発明25)
前記インサートが前記非透明部材で構成されている、発明22ないし23に記載のトランザクションカード。
(発明26)
前記非透明部材の前記前方指向表面の全体が、前記本体の前面との関係において陥凹した状態で配置され、前記複数の窓が前記カードの前記前面内で触知可能である、発明25に記載のトランザクションカード。
(発明27)
前記非透明部材の前記前方指向表面の複数の部分が、前記複数の開口部の中に突出し、前記本体の前記前面と面一に配置されている、発明25に記載のトランザクションカード。
(発明28)
前記インサートが、前記非透明部材および複数の透明または半透明部材を含み、前記非透明部材の前記前方指向表面の全体が前記本体の前面との関係において陥凹した状態で配置され、前記複数の透明または半透明部材がエポキシを含む、発明22ないし24に記載のトランザクションカード。
(発明29)
前記本体の前記前面全体にわたりかつ前記複数の開口部の全体にわたり配置された透明または半透明の層をさらに含む、発明22ないし24に記載のトランザクションカード。
(発明30)
前記インサートが、前記非透明部材および複数の透明または半透明部材を含み、前記非透明部材の前記前方指向表面全体が前記本体の前面との関係において陥凹した状態で配置され、前記複数の透明または半透明部材が、前記複数の開口部の中に突出する前記本体の前記前面全体にわたり配置された前記透明または半透明層の部分を含む、発明29に記載のトランザクションカード。
(発明31)
前記本体に比べて異なる前記インサートの前記視覚的外観が、色、テクスチャ、反射率、不透明度およびこれらの組合せの差異を含む、発明1ないし30のいずれか1つに記載のトランザクションカード。
(発明32)
前記インサートが、プラスチック、金属、セラミック、木材、水晶、岩石、骨、真珠層および皮革またはこれらの組合せからなる群から選択された材料を含む、発明1ないし31のいずれか1つに記載のトランザクションカード。
(発明33)
前記バッキング層が非金属である、発明1ないし32のいずれか1つに記載のトランザクションカード。
(発明34)
前記本体がセラミックコーティングされた金属を含む、発明1ないし33のいずれか1つに記載のトランザクションカード。
(発明35)
トランザクションカードを製造する方法において、
a. 厚み、前面および背面を有する金属製、セラミック製またはセラミックコーティングされた本体を提供するステップと;
b. 周囲を有し前記前面から前記背面まで延在する穴を前記本体内に創出するステップと;
c. 前記本体の前記背面に隣接してバッキング層を位置付けするステップと;
d. 前面、背面および周囲を有する非拡大型の透明または半透明の窓インサートを創出するステップであって、前記周囲が前記本体内の前記穴の前記周囲と整合し、前記インサートが前記本体と同じ厚みを有するステップと;
e. 前記インサートの前記背面が前記バッキング層と接触する状態で、前記本体内の前記穴の中に前記窓インサートを配置するステップと;
f. 前記本体および前記インサートに対して前記バッキング層を積層するステップと;
を含む、方法。
(発明36)
前記窓内または前記窓上に電子特徴部を配置するステップ、前記窓上または前記窓内に導電性トレースを配置するステップ、前記窓上または前記窓内の前記導電性トレースを前記電子特徴部に接続するステップ、および前記窓内の前記導電性トレースに対して電力および/または電気信号を伝送するように構成された前記本体内の導電性部材に対して前記窓内の前記導電性トレースを接続する前記本体と前記窓の間のインタフェースに導電性インタフェースを配置するステップを含む、発明35に記載の方法。
(発明37)
前記窓上または前記窓内に前記導電性トレースを配置するステップが、前記導電性トレースまたは前記窓の表面を印刷するステップを含む、発明36に記載の方法。
(発明38)
前記窓内または前記窓上に前記電子特徴部を配置するステップが、前記窓内または前記窓上に非接触式支払いモジュールを配置するステップを含む、発明35ないし37のいずれか1つに記載の方法。
(発明39)
前記非接触式支払いモジュールに対して結合するために前記窓内または前記窓上に結合アンテナを配置するステップをさらに含む、発明35ないし38に記載の方法。
(発明40)
前記非接触式支払いモジュールおよび前記アンテナが、前記窓内の装飾的プリントコンテンツにより部分的に不明瞭にされているかまたはこの装飾的プリントコンテンツと一体化されている、発明38または39に記載の方法。
(発明41)
前記本体が金属を含み、内部に配置された非接触式支払いモジュールを有している、他の点では同一である窓無しのカードと比べて前記カードのRF性能を改善する前記本体上の位置に前記窓を位置設定するステップを含む、発明35ないし40のいずれか1つに記載の方法。
(発明42)
トランザクションカードを製造する方法において、
a. 厚み、前面、背面および視覚的外観を有する金属製、セラミック製またはセラミックコーティングされた本体を提供するステップと;
b. 周囲を有し前記背面から前記前面に隣接する場所まで延在するポケットを前記本体内に創出するステップと;
c. 前記前面から前記ポケット内へと延在する複数の開口部を創出するステップであって、前記複数の開口部が1つのパターンを形成するステップと;
d. 前記ポケット内にインサートを位置付けするステップであって、前記インサートが、前記本体の前記視覚的外観とは異なり前記複数の開口部を通して見える視覚的外観を有している、ステップと;
e. 前記本体の前記背面および前記インサートの背面に隣接して非金属バッキング層を配置するステップと;
f. 前記本体および前記インサートに対して前記バッキング層を積層するステップと;
を含む、方法。
(発明43)
前記本体を提供する前記ステップが、前記本体の前記前面を画定する第1の層および前記本体の前記背面を画定する第2の層を提供するステップを含み、前記ポケットを創出する前記ステップが前記第2の層内に貫通穴を創出するステップを含み、前記複数の開口部を創出する前記ステップが、前記第1の層内に複数の貫通穴を創出するステップを含む、発明42に記載の方法。
(発明44)
前記ポケットを取り囲む前記本体の前記背面内に陥凹レッジを創出するステップ、および前記陥凹レッジと噛合するように構成された幾何形状を有する最外側領域を含む階段状の周囲および前記ポケットの内部に嵌合するように構成された最内側周囲を伴うインサートを形成するステップをさらに含む、発明42に記載の方法。
(発明45)
前記ポケット内に前記インサートを位置付けする前記ステップが、前記本体内の前記陥凹レッジに対し前記インサートの前記最外側領域をボンディングするステップを含む、発明44に記載の方法。
(発明46)
前記複数の開口部に透明エポキシを充填するステップをさらに含む、発明42ないし45に記載の方法。
(発明47)
前記本体の前記前面全体にわたり透明コーティングを積層するステップ、および前記積層ステップ中に前記複数の開口部内に流入する前記透明コーティングの一部分を前記複数の開口部に少なくとも部分的に充填するステップをさらに含む、発明42ないし45に記載の方法。
(発明48)
積層ステップ中に前記複数の開口部内に流入する前記インサートの一部分を前記複数の開口部に少なくとも部分的に充填するステップをさらに含む、発明42ないし45に記載の方法。
(発明49)
前記本体が金属シートを含む、発明35ないし48のいずれか1つに記載の方法。
(発明50)
前記本体をセラミックコーティングでコーティングするステップをさらに含む、発明35ないし49のいずれか1つに記載の方法。
(発明51)
前記本体の前記前面のみを前記セラミックコーティングでスプレーコーティングするステップを含む、発明50に記載の方法。
(発明52)
前記本体の周りにセラミックコーティングを射出成形するステップを含む、発明50に記載の方法。
(発明53)
前記本体が、印刷可能な鋼金属製本体で構成されている、発明35ないし49のいずれか1つに記載の方法。
(発明54)
前記トランザクションカードが第1の面積を有し、前記金属シートが前記第1の面積の倍数である面積を有する、前記金属シートを前記倍数に対応する複数のカードにカットするステップをさらに含む、発明49に記載の方法。
(発明55)
穴、ポケットまたは複数の開口部を創出するステップのうちの1つ以上がレーザカットを含む、発明35ないし54のいずれか1つに記載の方法。
(発明56)
前記本体の前記前面上に印刷するステップをさらに含む、発明35ないし55のいずれか1つに記載の方法。
(発明57)
前記本体の前記前面上にインク受理コーティングを配置するステップをさらに含む、発明56に記載の方法。
(発明58)
前記印刷ステップが、紫外線硬化性インクを用いたインクジェットプリンタで印刷するステップおよびその後前記印刷を前記インクの硬化に好適な紫外線放射に曝露するステップを含む、発明56または57に記載の方法。
(発明59)
前記金属製本体の前記前面内に溝を創出するステップをさらに含む、発明35ないし58のいずれか1つに記載の方法。
(発明60)
前記装飾溝を充填するステップをさらに含む、発明59に記載の方法。
(発明61)
前記トランザクションカード上に磁気ストライプ、署名欄、ホログラム、機械可読コードまたはこれらの組合せを配置するステップをさらに含む、発明35ないし60のいずれか1つに記載の方法。
(発明62)
前記カード内に集積回路を埋込むステップをさらに含む、発明35ないし59のいずれか1つに記載の方法。
(発明63)
前記カードの前記前面に対してハードコート層を適用するステップをさらに含む、発明35ないし60のいずれか1つに記載の方法。
(発明64)
複数の窓を含み、前記窓の1つ以上が英数字を形成する、発明1に記載のカード。
(発明65)
前記1つ以上の窓の各々がスリットを含み、前記カードが前記本体前面または本体背面全体にわたる少なくとも1つの透明または半透明層を含み、前記インサートが、前記窓内へと延在する前記透明または半透明層の一部分を含む、発明64に記載のカード。
(発明66)
前記スリットの第1の部分内に充填材材料製の第1のインサートが充填され、前記スリットの第2の部分内に前記インサートが充填されている少なくとも1つの連続スリットをさらに含み、前記充填材材料が前記インサートと異なっている発明65に記載のカード。
(発明67)
前記充填材材料が不透明である、発明66に記載のカード。
(発明68)
前記連続スリットがモジュールポケットから前記カードの周縁部まで延在し、前記充填材材料および前記インサートが両方共、非導電性材料である、発明66に記載のカード。
(発明69)
前記穴を創出する前記ステップが1つ以上のスリットを創出するステップを含み、前記窓インサートを創出する前記ステップが、少なくとも前記バッキング層そして任意にはフロント層を前記本体に対し積層し、こうして前記インサートが、前記1つ以上のスリット内に流入する前記バッキング層および/または任意の前面層からの融解した材料によって形成されるようになっている発明35に記載の方法。
(発明70)
前記1つ以上のスリットを創出する前記ステップが、各スリットを英数字の形に形成するステップを含む、発明69に記載の方法。
(発明71)
前記1つ以上のスリットを創出する前記ステップが、組合わさって1つの英数字を形成する複数のスリットを形成するステップを含む、発明69に記載の方法。
(発明72)
前記1つ以上のスリットを創出するステップが、少なくとも1つの連続スリットを創出するステップ、および積層ステップを実施する前に前記インサートの材料とは異なる材料を連続スリットの一部分に充填するステップを含む、発明69に記載の方法。
(発明73)
前記カード内のモジュールポケットから前記カードの周縁部まで延在する前記少なくとも1つの連続スリットを創出するステップを含み、前記異なる材料および前記インサート材料が両方共非導電性材料である、発明72に記載の方法。
(発明74)
前記非拡大型透明または半透明部材が、前記カード本体の内部に位置設定された光導体の入力表面から前記前方指向表面まで光を伝送するように構成された光導体を含み、カードがさらに前記光導体入力表面内に光を発出するように構成された光源を含んでいる、発明1に記載のカード。
(発明75)
コントローラに接続された支払いモジュールをさらに含み、前記コントローラは、前記支払いモジュールがカード読取り機によって読取られる場合に前記光源を点灯させるように構成されている、発明74に記載のカード。
(発明76)
前記カードが、前記光源に接続された埋込み型電源をさらに含む、発明75に記載のカード。
(発明77)
前記支払いモジュールが、前記カード読取り機から前記光源に電力供給するための電力を得るように構成されている、発明75に記載のカード。
(発明78)
前記支払いモジュールが、前記支払いモジュールと前記カード読取り機の間の物理的接続を介して前記カード読取り機から前記光源に電力供給するための電力を得るように構成されている、発明77に記載のカード。
(発明79)
前記支払いモジュールが、前記支払いモジュールと前記カード読取り機の間の誘導結合を介して前記カード読取り機から前記光源に電力供給するための電力を得るように構成されている、発明77に記載のカード。
(発明80)
1つ以上のアパーチャを内部に有する少なくとも1つの金属層と;
前記金属層の直下に配置された光導体であって、光出力端と光入力端とを有し、前記光出力端が少なくとも前記金属層の前記1つ以上のアパーチャを通して光を伝送するように位置付けされている、光導体と;
前記光導体光入力端の中に光を伝送するために位置付けされた少なくとも1つのLEDと;
を含むトランザクションカード。
図1A
図1B
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