(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-12
(45)【発行日】2022-07-21
(54)【発明の名称】材料除去のための半導体デバイス処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/306 20060101AFI20220713BHJP
C23F 1/02 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
H01L21/306 F
H01L21/306 D
C23F1/02
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021053302
(22)【出願日】2021-03-26
(62)【分割の表示】P 2018500407の分割
【原出願日】2016-07-08
【審査請求日】2021-03-26
(32)【優先日】2016-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517168934
【氏名又は名称】デカ テクノロジーズ ユーエスエー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー エル. オルソン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ボイド ロジャース
(72)【発明者】
【氏名】フェルディナンド アルダス
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-089609(JP,A)
【文献】特開2011-071385(JP,A)
【文献】特開2009-178672(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0118331(US,A1)
【文献】特開2004-146414(JP,A)
【文献】特開平11-214349(JP,A)
【文献】特開2004-214490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
C23F 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスから材料を除去する方法であって、
半導体基板を提供すること
であって、前記半導体基板は、長さLと、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とを備える
、ことと、
前記半導体基板の前記第1の表面の
上に材料の層を形成することと、
コンベヤを提供することと、
前記コンベヤの上方に配置され
ている第1のエアナイフを提供することと、
前記コンベヤの上方に配置され
ている第2のエアナイフを提供することであって、前記第2のエアナイフは、前記第1のエアナイフから、前記半導体基板の前記長さLよりも小さい距離Dだけオフセットされている、ことと、
前記半導体基板を前記コンベヤ上に配置することであって
、前記材料の層
は、前記コンベヤと反対側を向くように配向され
、前記半導体基板は、前記第1のエアナイフ
よりも前
に、かつ、前記第2のエアナイフ
よりも前
に、前記コンベヤ上に配置される、ことと、
前記コンベヤに沿って、かつ、前記第1のエアナイフの下方で
、前記半導体基板を前進させることであって、これにより、前記半導体基板の一部分が、前記第1のエアナイフと前記第2のエアナイフとの間に配置される、ことと、
前記第1のエアナイフと前記第2のエアナイフとの間に配置され
ている前記半導体基板の前記一部分の上方でエッチング液を前記材料の層上に分注することによって、エッチング液のプールを形成することであって、
前記半導体基板の少なくとも一部分が前記エッチング液を分注するディスペンサの下方にある後に、または、それに並んだ後に、前記エッチング液が分注され、前記第1のエアナイフおよび前記第2のエアナイフは、前記半導体基板に接触する力を提供し、前記力は、前記エッチング液のプールが広がって前記材料の層にわたって均一に分配されることを引き起こすように、かつ、前記エッチング液のプールの循環または移動を引き起こすように、前記エッチング液のプールを撹拌するために十分である、ことと、
前記エッチング液のプールを用いて、前記第1のエアナイフと前記第2のエアナイフとの間に配置され
ている前記材料の層の一部分をエッチングすることと、
前記コンベヤに沿って、
かつ、前記第2のエアナイフを通過
するように、前記半導体基板を移動させることによって、前記エッチング液のプールと、前記エッチング液のプールによってエッチングされた前記材料の層の少なくとも一部分とを前記半導体基板の前記第1の表面から除去することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記半導体基板は、天然半導体ウェーハー、再構成半導体ウェーハー、パネル、ファンアウトウェーハーもしくはパネル、埋め込みダイパネル、チップキャリア基板、プリント回路基板(PCB)、または、プリント配線パネルを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
材料の層の少なくとも一部分を半導体基板
上から除去するための方法であって、
第1のエアナイフおよび第2のエアナイフを提供することと、
エッチング液を前記半導体基板の上方で分注することにより、前記半導体基板上方の前記材料の層上にエッチング液のプールを形成することであって、前記エッチング液のプールの設置面積は、前記半導体基板の設置面積より小さく、
前記半導体基板の少なくとも一部分が前記エッチング液を分注するディスペンサの下方にある後に、または、それに並んだ後に、前記エッチング液が分注され、前記第1のエアナイフおよび前記第2のエアナイフは、前記半導体基板に接触する力を提供し、前記力は、前記エッチング液のプールが広がって前記材料の層にわたって均一に分配されることを引き起こすように、かつ、前記エッチング液のプールの循環または移動を引き起こすように、前記エッチング液のプールを撹拌するために十分である、ことと、
前記エッチング液のプールの前記半導体基板に対する移動、または、前記半導体基板の前記エッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことと、
前記半導体基板上の前記エッチング液のプールのプール境界線を前記第1のエアナイフと前記第2のエアナイフとの間に画定することであって、これにより、前記エッチング液のプールが、前記エッチング液のプールの前記設置面積内に前記半導体基板上方の前記材料の層をエッチングする、ことと、
前記第1のエアナイフまたは前記第2のエアナイフを用いて、前記エッチング液と、前記エッチング液によってエッチングされた前記材料の層の少なくとも一部分とを除去することと
を含む、方法。
【請求項4】
前記半導体基板は、天然半導体ウェーハー、再構成半導体ウェーハー、パネル、ファンアウトウェーハーもしくはパネル、埋め込みダイパネル、チップキャリア基板、プリント回路基板(PCB)、または、プリント配線パネルを備える、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記エッチング液のプールの前記半導体基板に対する移動、または、前記半導体基板の前記エッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、前記半導体基板を前記第1のエアナイフおよび前記第2のエアナイフの固定位置に対して移動させるコンベヤ上に前記半導体基板を配置することをさらに含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項6】
前記エッチング液のプールの前記半導体基板に対する移動、または、前記半導体基板の前記エッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、前記第1のエアナイフおよび前記第2のエアナイフを前記半導体基板の固定位置に対して移動させることをさらに含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項7】
前記エッチング液のプールの前記半導体基板に対する移動、または、前記半導体基板の前記エッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、前記第1のエアナイフおよび前記第2のエアナイフを第1の方向に移動させ、前記半導体基板を前記第1の方向と実質的に反対側の第2の方向に移動させることをさらに含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項8】
前記エッチング液と、前記エッチング液によってエッチングされた前記材料の層の少なくとも一部分とは、前記第2のエアナイフによって除去される、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
材料の層の少なくとも一部分を半導体基板
上から除去するための方法であって、
第1のエアナイフを提供することと、
前記第1のエアナイフからオフセットされた第2のエアナイフを提供することであって、前記オフセットは、前記第1のエアナイフと前記第2のエアナイフとの間にエッチングエリアを画定する、ことと、
前記半導体基板、前記第1のエアナイフ、または、前記第2のエアナイフのうちの少なくとも1つを移動させることであって、これにより、前記半導体基板が、前記エッチングエリアを通過する、ことと、
前記エッチングエリア内の前記半導体基板の上方の前記材料の層上にエッチング液を分注することにより、エッチング液のプールを形成することであって、
前記半導体基板の少なくとも一部分が前記エッチング液を分注するディスペンサの下方にある後に、または、それに並んだ後に、前記エッチング液が分注され、前記第1のエアナイフおよび前記第2のエアナイフは、前記半導体基板に接触する力を提供し、前記力は、前記エッチング液のプールが広がって前記材料の層にわたって均一に分配されることを引き起こすように、かつ、前記エッチング液のプールの循環または移動を引き起こすように、前記エッチング液のプールを撹拌するために十分である、ことと、
前記エッチング液のプールを用いて、前記エッチングエリア内の前記材料の層の一部分をエッチングすることと、
前記エッチング液のプールと、前記エッチング液によってエッチングされた前記材料の層の少なくとも一部分とを前記半導体基板から除去することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記半導体基板は、天然半導体ウェーハー、再構成半導体ウェーハー、パネル、ファンアウトウェーハーもしくはパネル、埋め込みダイパネル、チップキャリア基板、プリント回路基板(PCB)、または、プリント配線パネルを備え
る、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記エッチング液のプールの前記半導体基板に対する移動、または、前記半導体基板の前記エッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、前記半導体基板を前記第1のエアナイフまたは前記第2のエアナイフの固定位置に対して移動させるコンベヤ上に前記半導体基板を配置することをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
前記エッチング液のプールの前記半導体基板に対する移動、または、前記半導体基板の前記エッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、前記第1のエアナイフまたは前記第2のエアナイフを前記半導体基板の固定位置に対して移動させることをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項13】
前記エッチング液のプールの前記半導体基板に対する移動、または、前記半導体基板の前記エッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、前記第1のエアナイフまたは前記第2のエアナイフを第1の方向に移動させ、前記半導体基板を前記第1の方向と実質的に反対側の第2の方向に移動させることをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、
前記第1のエアナイフと前記第2のエアナイフとを用いて、前記エッチング液のプールを前記半導体基板上に封じ込めることと、
前記エッチング液のプールと、前記第2のエアナイフによってエッチングされた前記材料の層の前記少なくとも一部分を除去することと
をさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2016年7月8日付けで出願された米国特許仮出願第62/189,952号の利益を主張し、その開示の全体が参照によって本明細書に援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は一般に、半導体デバイスと、基板から材料を除去するための方法に関し、例えば、導電性シード層又はフォトレジスト材料の望ましくない部分を、例えば、天然半導体ウェーハー、再構成半導体ウェーハー、パネル、ファンアウトウェーハー又はパネル、埋め込みダイパネル、チップキャリア基板、プリント回路基板(PCB)、プリント配線パネル、又はそれらの派生物のような基板又は半導体基板の除去に関する。基板から材料を除去するための方法は、TVパネル向け液晶ディスプレイ(LCD)の製造のような他のプロセス、又は他の類似の用途にも適用可能であり、ウェーハーレベルの処理に限定されない。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスは、現代の電子製品に広く見られる。半導体デバイスは、電気部品の数と密度がさまざまに異なっている。個々の半導体デバイスは、例えば、発光ダイオード(LED)、小信号トランジスタ、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、パワーモス電界効果トランジスタ(MOSFET)のような一般に1つのタイプの電気部品を含む。集積半導体デバイスは典型的には、数百から数百万個の電気部品を含む。集積半導体デバイスの例には、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電荷結合素子デバイス(CCD)、太陽電池、及びデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)が挙げられる。
【0004】
半導体デバイスは、例えば、信号処理、高速計算、電磁信号の送受信、電子デバイスの制御、日光の電気への変換、テレビ映像表示装置用視覚投影の生成のような、広範な機能を発揮する。半導体デバイスは、娯楽、通信、電力変換、ネットワーク、コンピュータ、民生用製品の分野において使用されている。半導体デバイスはまた、軍事用途、航空、自動車、産業用コントローラ、及びオフィス機器においても用いられる。
【0005】
半導体デバイスは、半導体材料の電気的特性を利用するものである。半導体材料の原子構造は、その導電率を、電界若しくはベース電流の適用、又はドーピング処理によって操作するのを可能にしている。ドーピングにより、半導体デバイスの導電性を操作し制御するために、不純物を半導体材料内に導入する。
【0006】
半導体デバイスは、能動的電気構造部及び受動的電気構造部を含む。能動的構造は、バイポーラトランジスタ及び電界効果トランジスタを含み、電流の流れを制御する。ドーピングのレベルを変化させ、電界又はベース電流の適用を変化させることによって、トランジスタは電流の流れを促進又は制約する。受動的構造は、抵抗器、キャパシタ、及びインダクタを含み、さまざまな電気的機能を発揮するために必要な電圧と電流との関係を作り出す。受動的構造及び能動的構造は電気的接続されて回路を形成し、その回路は、半導体デバイスが高速計算及びその他の有用な機能を行うことを可能にする。
【0007】
半導体デバイスは一般に、フロントエンド製造及びバックエンド製造という、それぞれがそれぞれ数百ものステップを伴う、2つの複雑な製造プロセスを用いて製造される。フロントエンド製造は、半導体ウェーハーの表面上に複数の半導体ダイを形成することを含む。それぞれの半導体ダイは、典型的には同一の物であり、能動的構成部品と受動的構成部品とを電気的に接続することによって形成された回路を含んでいる。バックエンド製造は、完成したウェーハーから個々の半導体ダイを個片化することと、構造的支持及び環境的遮断を提供するために、ダイをパッケージングすることとを伴う。「半導体ダイ」という用語は本明細書において用いられる場合、その用語の単数形及び複数形の両方を指し、したがって、単一の半導体デバイス及び多数の半導体デバイスの両方を指すことが可能である。
【0008】
半導体製造における1つの目標は、より小型の半導体デバイスを生産することである。より小型のデバイスは典型的には、消費する電力がより少なく、性能が良く、しかもより効率的に生産され得るものである。加えて、より小型の半導体デバイスは設置面積がより小さく、そのことはより小型の最終製品にとって望ましいものである。半導体ダイのサイズをより小さくすることは、フロントエンドプロセスの改善によって実現可能であり、より小型で高密度の、能動的構成部品及び受動的構成部品を有する半導体ダイを結果としてもたらし得るものである。バックエンドプロセスは、電気的相互接続及びパッケージング用材料の改善によって、より小さい設置面積の半導体デバイスパッケージを結果としてもたらし得る。
【0009】
半導体ダイのバックエンド処理には、PCBを貫通するスルーホールを用いることなく、基板及びPCBの表面に半導体ダイ又は集積回路を接続するために用いられる、多くの面実装技術(SMT)が含まれる。クアッドフラットパッケージ(QFP)はSMTを用いる。時に「ガルウィングリード」と呼ばれる、パッケージの4つの側面のそれぞれから延出するリードを含む。QFPリードは、パッケージ内の半導体ダイと、QFPが搭載されているPCB又は基板との間の電気的入力/出力(I/O)相互接続を提供する。他のSMTパッケージが、リード無しで作製され、一般に、フラットノーリードパッケージと呼ばれる。フラットノーリードパッケージの例としては、クアッドフラットノーリード(QFN)パッケージ及びデュアルフラットノーリード(DFN)パッケージがある。QFNパッケージは従来、パッケージI/O相互接続用に用いられるリードフレームに、ワイヤボンドによって接続された半導体ダイを含む。
【0010】
フロントエンド製造及びバックエンド製造は両方とも、例えばシード層のような導電体層の望ましくない部分の除去、あるいは、例えば感光性材料又はフォトレジスト材料の全部又は一部のような他の望ましくない材料の除去のような、材料が半導体デバイス又は半導体基板から取り除かれる、プロセス又はステップを含み得る。望ましくない材料の除去は従来、レーザーアブレーション又はエッチングによって実現されてきた。望ましくない材料のエッチングは従来、溶液の入ったバス内で実施されるか、あるいはボウル内でのスピニングによって実施されてきた。
【0011】
除去されるべき材料にエッチング液を塗布するには、従来、除去されるべき材料を、材料が形成されたウェーハー又はパネルごと、エッチング液の入った大きなタブ又はバットのバスに浸すことによって実行されてきた。バス内のエッチング液は従来、バスの内部に収容されて、エッチング液が漏れたり、無駄になったりするのを防ぐようになっており、一部の浸漬システムの場合には、ウェーハー又はパネルがバスに出入りするローリングシールを含むこともまた、含まれ得る。ローリングシールは、パネル、ウェーハー、又はバスに挿入される他の物体に圧力をかけるようになっている。例えば金属製ダミー形成部のような構造的支持体が従来、ウェーハー又はパネル上に追加されあるいは含まれて、ウェーハー又はウェーハー構造体がそれぞれのローリングシールを通過する間に、ローリングシールからの圧力によってウェーハー又はウェーハー構造体が破壊又は損傷されるのを防止している。
【0012】
ボウルと、ウェーハーのスピニングとを用いるエッチングプロセスはまた、一部のケースで、半導体ウェーハーの処理のために用いられてきた。半導体ウェーハーをエッチングするためのボウルを用いる方法は、10分間を超え得る処理時間や、多数のボウル及び関連する自動化への相当の資本設備投資を必要とする処理方法であることを考慮すると、相当に高価なものである。一部のケースでは、ボウルを用いる方法は、化学的液剤を使い捨てにし、浸漬法に関連する再循環バスのメンテナンスを不要にするというプロセス制御及び維持上の利点を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
半導体製造の改善を求める機運が存在する。したがって、1つの態様では、半導体デバイスから材料を除去する方法は、長さL、第1の表面、及び、第1の表面と反対側の第2の表面を備える半導体基板を提供することを含み得る。材料の層が、半導体基板の第1の表面の上方に形成され得る。コンベヤは、コンベヤの上方に配設される第1のエアナイフと、コンベヤ上に配設され、第1のエアナイフとは半導体基板の長さLよりも小さい距離Dだけオフセットされた第2のエアナイフと、を提供され得る。半導体基板は、材料の層をコンベヤとは逆向きになるように向けて、コンベヤ上に、第1のエアナイフよりも前かつ第2のエアナイフよりも前に配置され得る。半導体基板は、コンベヤに沿って、かつ第1のエアナイフの下方で前進させられ得るが、それにより半導体基板の一部分が、第1のエアナイフと第2のエアナイフとの間に配設される。第1のエアナイフと第2のエアナイフとの間に配設された半導体基板の一部分の上方で、エッチング液を材料の層上に分注することによって、エッチング液のプールが形成され得る。第1のエアナイフと第2のエアナイフとの間に配設された材料の層の一部分が、エッチング液のプールでエッチングされ得る。半導体基板をコンベヤに沿って、第2のエアナイフを通過させて移動させることによって、エッチング液のプールと、エッチング液のプールによってエッチングされた材料の層の少なくとも一部分とが、半導体基板の表面から除去され得る。
【0014】
材料を半導体デバイスから除去する方法は、天然半導体ウェーハー、再構成半導体ウェーハー、パネル、ファンアウトウェーハー若しくはパネル、埋め込みダイパネル、チップキャリア基板、プリント回路基板(PCB)、又はプリント配線パネルを備える半導体基板を更に含み得る。第1のエアナイフ及び第2のエアナイフは、1~20mmの幅と200mmより長い長さとを備える、0.1メートル/秒以上のスピードで動くエアフローから形成され得る。エッチング液のプールは、50~100ミリメートル/分の範囲内の速度で半導体基板を横切って移動し得るが、材料の層に、15~300秒で完全に除去されるための適切な時間と、エッチング液のプールへの曝露とを提供する。第1のエアナイフと第2のエアナイフとは、除去されるべき材料の層上の、エッチング液のプールを撹拌してエッチングを向上させ得る。
【0015】
別の1つの態様では、半導体基板の上方から材料の層の少なくとも一部分を除去する方法は、エッチング液を半導体基板の上方で分注して、半導体基板の上方の材料の層上にエッチング液のプールを形成することであって、エッチング液のプールの設置面積が、半導体基板の設置面積より小さい、ことと、エッチング液のプールの半導体基板に対する移動、又は半導体基板のエッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことと、を含み得る。エッチング液のプールのプール境界線が、半導体基板上に、少なくとも1つのエアナイフを用いて画定されることが可能であり、それにより、エッチング液のプールが、エッチング液のプールの設置面積内の半導体基板の上方の材料の層をエッチングする。エッチング液と、エッチング液によってエッチングされた材料の層の少なくとも一部分とは、少なくとも1つのエアナイフで除去されることが可能である。
【0016】
半導体基板の上方から材料の層の少なくとも一部分を除去する方法は、天然半導体ウェーハー、再構成半導体ウェーハー、パネル、ファンアウトウェーハー若しくはパネル、埋め込みダイパネル、チップキャリア基板、プリント回路基板(PCB)、又はプリント配線パネルを備える半導体基板を更に含み得る。エッチング液のプールの半導体基板に対する移動、又は半導体基板のエッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、半導体基板を少なくとも1つのエアナイフの固定位置に対して移動させるコンベヤ上に、半導体基板を配置することを更に含み得る。エッチング液のプールの半導体基板に対する移動、又は半導体基板のエッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、少なくとも1つのエアナイフを、半導体基板の固定位置に対して移動させることを更に含み得る。エッチング液のプールの半導体基板に対する移動、又は半導体基板のエッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、少なくとも1つのエアナイフを第1の方向に移動させ、半導体基板を、第1の方向とは実質的に反対側の第2の方向に移動させることを更に含み得る。エッチング液を半導体基板に封じ込めることは、第1のエアナイフと、第1のエアナイフからオフセットされている第2のエアナイフとによって実行され得る。第1のエアナイフ及び第2のエアナイフは、1~20mmの幅と200mmより長い長さとを備える、0.1メートル/秒以上のスピードで動くエアフローから形成され得る。エッチング液と、エッチング液によってエッチングされた材料の層の少なくとも一部分とは、第2のエアナイフで除去されることが可能である。
【0017】
別の1つの態様では、半導体基板の上方から材料の層の少なくとも一部分を除去する方法は、第1のエアナイフを提供することと、第1のエアナイフからオフセットされた第2のエアナイフを提供することであって、オフセットは、第1のエアナイフと第2のエアナイフとの間にエッチングエリアを画定する、ことと、半導体基板、第1のエアナイフ、又は第2のエアナイフのうちの少なくとも1つを移動させて、半導体基板にエッチングエリアを通過させることとを含み得る。エッチング液は、半導体基板の上方で、材料の層上に、エッチングエリア内に分注されて、エッチング液のプールを形成し得る。エッチングエリア内の材料の層の一部分は、エッチング液のプールでエッチングされ得、エッチング液のプールと、エッチング液でエッチングされた材料の層の少なくとも一部分とは、半導体基板から除去され得る。
【0018】
半導体基板の上方から材料の層の少なくとも一部分を除去する方法は、天然半導体ウェーハー、再構成半導体ウェーハー、パネル、ファンアウトウェーハー若しくはパネル、埋め込みダイパネル、チップキャリア基板、プリント回路基板(PCB)、又はプリント配線パネルを備える半導体基板を更に含み得る。エッチング液のプールの半導体基板に対する移動、又は半導体基板のエッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、半導体基板を少なくとも1つのエアナイフの固定位置に対して移動させるコンベヤ上に、半導体基板を配置することを更に含み得る。エッチング液のプールの半導体基板に対する移動、又は半導体基板のエッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、少なくとも1つのエアナイフを、半導体基板の固定位置に対して移動させることを更に含み得る。エッチング液のプールの半導体基板に対する移動、又は半導体基板のエッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、少なくとも1つのエアナイフを第1の方向に移動させ、半導体基板を、第1の方向とは実質的に反対側の第2の方向に移動させることを更に含み得る。第1のエアナイフ及び第2のエアナイフは、1~20mmの幅と200mmより長い長さとを備える、0.1メートル/秒以上のスピードで動くエアフローから形成され得る。その方法は、エッチング液のプールを、半導体基板上に、第1のエアナイフと第2のエアナイフとで封じ込めることと、エッチング液のプールと、第2のエアナイフによってエッチングされた前記材料の層の少なくとも一部分を除去することと、を更に含み得る。
【0019】
前述及び他の態様、特徴、並びに利点は、当業者には発明を実施するための形態、及び図面の簡単な説明、並びに特許請求の範囲から、明らかであろう。
例えば、本願発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
半導体デバイスから材料を除去する方法であって、
長さL、第1の表面、及び、前記第1の表面と反対側の第2の表面を備える半導体基板を提供することと、
前記半導体基板の前記第1の表面の上方に材料の層を形成することと、
コンベヤを提供することと、
前記コンベヤの上方に配設された第1のエアナイフを提供することと、
前記コンベヤの上方に配設され、前記第1のエアナイフから、前記半導体基板の前記長さLよりも小さい距離Dだけオフセットされている、第2のエアナイフを提供することと、
前記材料の層が前記コンベヤと反対側を向くように配向されることに伴い、前記半導体基板を前記コンベヤ上に配置することであって、前記半導体基板は、前記第1のエアナイフの前、かつ前記第2のエアナイフの前に配置される、ことと、
前記コンベヤに沿って、かつ前記第1のエアナイフの下方で前記半導体基板を前進させることであって、それにより、前記半導体基板の一部分が、前記第1のエアナイフと前記第2のエアナイフとの間に配設される、ことと、
前記第1のエアナイフと前記第2のエアナイフとの間に配設された前記半導体基板の前記一部分の上方でエッチング液を前記材料の層上に分注することによって、エッチング液のプールを形成することと、
前記第1のエアナイフと前記第2のエアナイフとの間に配設された前記材料の層の一部分を、前記エッチング液のプールを用いてエッチングすることと、
前記半導体基板を前記コンベヤに沿って、前記第2のエアナイフを通過させて移動させることによって、前記エッチング液のプールと、前記エッチング液のプールによってエッチングされた前記材料の層の少なくとも一部分とを、前記半導体基板の前記表面から除去することと
を含む、方法。
(項目2)
前記半導体基板は、天然半導体ウェーハー、再構成半導体ウェーハー、パネル、ファンアウトウェーハー若しくはパネル、埋め込みダイパネル、チップキャリア基板、プリント回路基板(PCB)、又はプリント配線パネルを備える、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第1及び第2のエアナイフは、1~20mmの幅と200mmより長い長さとを備えるエアフローから形成され、前記エアフローは、0.1メートル/秒以上のスピードで動く、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記エッチング液のプールは、50~100ミリメートル/分の範囲内の速度で前記半導体基板を横切って移動し、前記材料の層に、15~300秒で完全に除去されるために適切な時間と、前記エッチング液のプールへの曝露とを提供する、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記第1のエアナイフと前記第2のエアナイフとは、除去されるべき前記材料の層上の前記エッチング液のプールを撹拌してエッチングを向上させる、項目1に記載の方法。
(項目6)
材料の層の少なくとも一部分を、半導体基板の上方から除去するための方法であって、
エッチング液を前記半導体基板の上方で分注して、前記半導体基板上方の前記材料の層上にエッチング液のプールを形成することであって、前記エッチング液のプールの設置面積は、前記半導体基板の設置面積より小さい、ことと、
前記エッチング液のプールの前記半導体基板に対する移動、又は前記半導体基板の前記エッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことと、
少なくとも1つのエアナイフを用いて、前記半導体基板上の前記エッチング液のプールのプール境界線を画定することであって、それにより、前記エッチング液のプールが、前記エッチング液のプールの前記設置面積内に前記半導体基板上方の前記材料の層をエッチングする、ことと、
前記エッチング液と、前記エッチング液によってエッチングされた前記材料の層の少なくとも一部分とを、前記少なくとも1つのエアナイフを用いて除去することと
を含む、方法。
(項目7)
前記半導体基板は、天然半導体ウェーハー、再構成半導体ウェーハー、パネル、ファンアウトウェーハー若しくはパネル、埋め込みダイパネル、チップキャリア基板、プリント回路基板(PCB)、又はプリント配線パネルを備える、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記エッチング液のプールの前記半導体基板に対する移動、又は前記半導体基板の前記エッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、前記半導体基板を前記少なくとも1つのエアナイフの固定位置に対して移動させるコンベヤ上に、前記半導体基板を配置することを更に含む、項目6に記載の方法。
(項目9)
前記エッチング液のプールの前記半導体基板に対する移動、又は前記半導体基板の前記エッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、前記少なくとも1つのエアナイフを、前記半導体基板の固定位置に対して移動させることを更に含む、項目6に記載の方法。
(項目10)
前記エッチング液のプールの前記半導体基板に対する移動、又は前記半導体基板の前記エッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、前記少なくとも1つのエアナイフを第1の方向に移動させ、前記半導体基板を、前記第1の方向と実質的に反対側の第2の方向に移動させることを更に含む、項目6に記載の方法。
(項目11)
前記エッチング液を前記半導体基板に封じ込めることは、第1のエアナイフと、前記第1のエアナイフからオフセットされている第2のエアナイフとによって実行される、項目8に記載の方法。
(項目12)
前記第1及び前記第2のエアナイフは、1~20mmの幅と200mmより長い長さとを備えるエアフローから形成され、前記エアフローは、0.1メートル/秒以上のスピードで動く、項目9に記載の方法。
(項目13)
前記エッチング液と、前記エッチング液によってエッチングされた前記材料の層の少なくとも一部分とは、前記第2のエアナイフによって除去される、項目10に記載の方法。(項目14)
材料の層の少なくとも一部分を、半導体基板の上方から除去するための方法であって、
第1のエアナイフを提供することと、
前記第1のエアナイフからオフセットされた第2のエアナイフを提供することであって、前記オフセットは、前記第1のエアナイフと前記第2のエアナイフとの間にエッチングエリアを画定する、ことと、
前記半導体基板、前記第1のエアナイフ、又は前記第2のエアナイフのうちの少なくとも1つを移動させることであって、それにより、前記半導体基板が、前記エッチングエリアを通過する、ことと、
エッチング液を、前記半導体基板の上方の前記材料の層上に、前記エッチングエリア内に分注し、エッチング液のプールを形成することと、
前記エッチングエリア内の前記材料の層の一部分を、前記エッチング液のプールを用いてエッチングすることと、
前記エッチング液のプールと、前記エッチング液によってエッチングされた前記材料の層の少なくとも一部分とを、前記半導体基板から除去することと
を含む、方法。
(項目15)
前記半導体基板は、天然半導体ウェーハー、再構成半導体ウェーハー、パネル、ファンアウトウェーハー若しくはパネル、埋め込みダイパネル、チップキャリア基板、プリント回路基板(PCB)、又はプリント配線パネルを備える、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記エッチング液のプールの前記半導体基板に対する移動、又は前記半導体基板の前記エッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、前記半導体基板を前記少なくとも1つのエアナイフの固定位置に対して移動させるコンベヤ上に、前記半導体基板を配置することを更に含む、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記エッチング液のプールの前記半導体基板に対する移動、又は前記半導体基板の前記エッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、前記少なくとも1つのエアナイフを、前記半導体基板の固定位置に対して移動させることを更に含む、項目14に記載の方法。
(項目18)
前記エッチング液のプールの前記半導体基板に対する移動、又は前記半導体基板の前記エッチング液のプールに対する移動のうちの少なくとも一方を行うことは、前記少なくとも1つのエアナイフを第1の方向に移動させ、前記半導体基板を、前記第1の方向と実質的に反対側の第2の方向に移動させることを更に含む、項目14に記載の方法。
(項目19)
前記第1及び前記第2のエアナイフは、1~20mmの幅と200mmより長い長さとを備えるエアフローから形成され、前記エアフローは、0.1メートル/秒以上のスピードで動く、項目14に記載の方法。
(項目20)
前記エッチング液のプールを前記半導体基板上に、前記第1のエアナイフと前記第2のエアナイフとを用いて封じ込めることと、
前記エッチング液のプールと、前記第2のエアナイフによってエッチングされた前記材料の層の前記少なくとも一部分を除去することと
を更に含む、項目14に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】複数の半導体ダイと、複数の半導体ダイの上方に配設された導電体層とを備える天然ウェーハー又は基板を図示している。
【
図1B】複数の半導体ダイと、複数の半導体ダイの上方に配設された導電体層とを備える天然ウェーハー又は基板を図示している。
【
図1C】複数の半導体ダイと、複数の半導体ダイの上方に配設された導電体層とを備える天然ウェーハー又は基板を図示している。
【0021】
【
図2A】導電性相互接続線に連結された複数の半導体ダイと、複数の半導体ダイの上方に配設された導電体層とを備える、埋め込みダイパネル又は基板を図示している。
【
図2B】導電性相互接続線に連結された複数の半導体ダイと、複数の半導体ダイの上方に配設された導電体層とを備える、埋め込みダイパネル又は基板を図示している。
【
図2C】導電性相互接続線に連結された複数の半導体ダイと、複数の半導体ダイの上方に配設された導電体層とを備える、埋め込みダイパネル又は基板を図示している。
【
図2D】導電性相互接続線に連結された複数の半導体ダイと、複数の半導体ダイの上方に配設された導電体層とを備える、埋め込みダイパネル又は基板を図示している。
【
図2E】導電性相互接続線に連結された複数の半導体ダイと、複数の半導体ダイの上方に配設された導電体層とを備える、埋め込みダイパネル又は基板を図示している。
【0022】
【
図3A】材料を基板の表面から除去するために用いられているエッチング液のプールの、さまざまな段階を図示している。
【
図3B】材料を基板の表面から除去するために用いられているエッチング液のプールの、さまざまな段階を図示している。
【
図3C】材料を基板の表面から除去するために用いられているエッチング液のプールの、さまざまな段階を図示している。
【
図3D】材料を基板の表面から除去するために用いられているエッチング液のプールの、さまざまな段階を図示している。
【
図3E】材料を基板の表面から除去するために用いられているエッチング液のプールの、さまざまな段階を図示している。
【0023】
【
図4A】材料を基板の表面から除去するために用いられているエッチング液のプールの、さまざまな段階の写真を示している。
【
図4B】材料を基板の表面から除去するために用いられているエッチング液のプールの、さまざまな段階の写真を示している。
【
図4C】材料を基板の表面から除去するために用いられているエッチング液のプールの、さまざまな段階の写真を示している。
【
図4D】材料を基板の表面から除去するために用いられているエッチング液のプールの、さまざまな段階の写真を示している。
【
図4E】材料を基板の表面から除去するために用いられているエッチング液のプールの、さまざまな段階の写真を示している。
【
図4F】材料を基板の表面から除去するために用いられているエッチング液のプールの、さまざまな段階の写真を示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示は、図面を参照しつつ以下に説明される1つ以上の態様又は実施形態を含むが、図面中、類似した符号が同一又は類似の要素を表現している。説明は、以下の開示及び図面によって裏付けられている添付の特許請求の範囲及びこれらの均等物によって定義されるような、開示の趣旨及び範囲に含まれ得る代替物、変更物、及び等価物を網羅するように意図されているということを、当業者であれば理解するであろう。説明においては、例えば、具体的な構成、組成、及びプロセスなどの多数の具体的な詳細が、開示の完全な理解をもたらすために記載されている。その他の事例では、周知のプロセス及び製造技術は、開示を不必要に分かり難くしないように特に詳細には記載されていない。その上に、図に表されたさまざまな実施形態は、例示説明のための表現であり、必ずしも正しい縮尺で描かれていない。
【0025】
本開示、その態様、及びその実現例は、本明細書に開示される具体的な設備、材料のタイプ、若しくはその他のシステム構成要素例、又は方法に限られない。製造及びパッケージングにふさわしい当該技術分野において既知の多くの追加の構成要素、製造、及び組み立て手順は、本開示の特定の実現例と共に使用することが想到される。したがって、例えば、特定の実現例が開示されるが、このような実現例及び実施構成要素は、意図される動作にふさわしい、このようなシステム及び実施構成要素のための、当該技術分野において既知の任意の構成要素、モデル、種類、材料、バージョン、数量などを含み得る。
【0026】
用語「代表的な」「実施例」、又はこれらのさまざまな変形は、実施例、例、又は例示として機能することを意味している。本明細書において「代表的」又は「実施例」として記載される態様又は設計は、他の態様又は設計よりも好ましいか、又は有利であるものと解釈される必要は必ずしもない。更に、実施例は、明瞭性及び理解の目的のためだけに提示されるのであって、開示される主題、又は本開示の関連部分を制限又は制約することを意図するものでは決してない。範囲の異なる多数の追加的又は代替的な実施例を提示することもできるが、簡潔性のために省略されていることを理解すべきである。
【0027】
半導体デバイスは、一般には、2つの複雑な製造プロセス、すなわちフロントエンド製造及びバックエンド製造を使用して製造される。フロントエンド製造は、半導体ウェーハーの表面に接した複数のダイの形成を含む。ウェーハーに接した各ダイは、機能電気回路を形成するために電気的に接続された能動的電気部品及び受動的電気部品を収容できる。例えば、トランジスタ及びダイオードなどの能動的電気部品は、電流の流れを制御する能力がある。例えば、キャパシタ、インダクタ、抵抗器、及び変圧器などの受動的電気部品は、電気回路機能を実行するために必要である電圧と電流との間に関係を作る。
【0028】
受動的構成部品及び能動的構成部品は、ドーピング、成膜、フォトリソグラフィ、エッチング、及び平坦化を含む一連のプロセスステップによって半導体ウェーハーの表面の上に形成される。ドーピングは、例えば、イオン注入又は熱拡散などの技術によって不純物を半導体材料に導入する。ドーピングプロセスは、能動デバイス内の半導体材料の電気伝導度を変化させ、電界若しくは基本電流に応答して、半導体材料を絶縁体、導体に変換する、又は、半導体材料の導電性を動的に変更する。トランジスタは、トランジスタが電界又はベース電流の印加時に電流の流れを促進又は制限できるように必要に応じて配置されたさまざまな種類及び程度のドーピング領域を含む。
【0029】
能動的構成部品及び受動的構成部品は、電気特性の異なった材料の層によって形成される。これらの層は、堆積される材料の種類によってある程度決定されるさまざまな成膜技術によって形成され得る。例えば、薄膜堆積は、化学気相成長(CVD)、物理気相成長(PVD)、電解めっき、及び無電解めっきプロセスを含み得る。各層は、一般に、能動的構成部品の部分、受動的構成部品の部分、又は構成部品間の電気接続の部分を形成するためにパターン形成される。
【0030】
層は、パターン形成されるべき層上に例えばフォトレジストのような感光材料を堆積させることを伴う、フォトリソグラフィ技術を用いてパターン形成され得る。パターンがフォトマスクからフォトレジストに、光を用いて転写される。1つの実施形態では、フォトレジストパターンのうちの光にさらされた部分が溶剤を用いて除去されて、パターン形成されるべき下位層の部分が露出させられる。別の1つの実施形態では、フォトレジストパターンのうちの光にさらされなかった部分、すなわちネガティブフォトレジストが、溶剤を用いて除去されて、パターン形成されるべき下位層の部分が露出させられる。残ったフォトレジストが除去されると、パターン形成された層が後に残される。あるいは、一部のタイプの材料は、先立って行われた、無電解めっき及び電界めっきのような技術を用いた成膜/エッチングプロセスによって形成された領域又は空隙内に材料を直接堆積させることによってパターン形成される。
【0031】
パターニングは、半導体ウェーハー表面に接した最上層の一部分を除去する基本工程である。半導体ウェーハーの一部分は、フォトリソグラフィと、フォトマスキングと、マスキングと、酸化物又は金属の除去と、写真及びステンシリングと、マイクロリソグラフィとを使用して除去され得る。フォトリソグラフィは、レチクル又はフォトマスクにパターンを形成することと、そのパターンを半導体ウェーハーの表面層に転写することとを含む。フォトリソグラフィは、2ステップのプロセスで半導体ウェーハーの表面に接した能動的構成部品及び受動的構成部品の水平構成物を形成する。第一に、レチクル又はマスクのパターンがフォトレジスト層に転写される。フォトレジストは、光にさらされたとき、構造及び特性が変化する感光材料である。フォトレジストの構造及び特性を変化させるプロセスは、ネガ型作用フォトレジスト又はポジ型作用フォトレジストとして現れる。第二に、フォトレジスト層は、ウェーハー表面に転写される。転写は、エッチングがフォトレジストによって被覆されていない半導体ウェーハーの最上層の一部分を除去するときに起こる。フォトレジストによって被覆されていない半導体ウェーハーの最上層の一部分が、化学エッチング液によって除去される間、フォトレジストの化学的性質によって、フォトレジストは実質的に変化しないままであり、化学エッチング液による除去に抵抗する。フォトレジストを形成、露光、及び除去するプロセス、並びに半導体ウェーハーの一部分を除去するプロセスは、用いられる特定のレジストと望ましい結果とに従って修正され得る。
【0032】
ネガ型作用フォトレジストにおいて、フォトレジストは、光にさらされ、重合として知られたプロセスにおいて可溶性状態から不溶性状態に変化させられる。重合において、非重合材料は、光又はエネルギー源にさらされ、ポリマーは、エッチングに対して耐性のある架橋材料を形成する。ほとんどのネガ型レジストにおいて、ポリマーはポリイソプレムである。化学溶剤又は現像剤を用いて可溶性部分(即ち、光にさらされない部分)を除去することは、レチクルに接した不透明パターンに対応するレジスト層に穴を残す。不透明領域にパターンが存在するマスクは、クリアフィールドマスクと呼ばれる。
【0033】
ポジ型作用フォトレジストにおいては、フォトレジストが光にさらされて、光可溶化として知られているプロセスで、比較的不溶性の状態からより可溶性の高い状態に変化する。光可溶化において、比較的不溶性のレジストは、適切な光エネルギーにさらされ、より可溶性のすすんだ状態に変換される。レジストの光可溶化部分は、現像プロセスにおいて溶剤によって除去され得る。基本的なポジ型フォトレジストポリマーは、フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂とも呼ばれるフェノールホルムアルデヒドポリマーである。化学溶媒又は現像液を用いて可溶性部分(即ち、光にさらされた部分)を除去することは、レチクルに接した透明パターンに対応するレジスト層に穴を残す。透明領域にパターンが存在するマスクは、ダークフィールドマスクと呼ばれる。
【0034】
フォトレジストによって被覆されていない半導体ウェーハーの最上部の除去後、フォトレジストの残りの部分が除去され、パターン形成された層を残す。あるいは、一部のタイプの材料は、先立って行われた、無電解めっき及び電界めっきのような技術を用いた成膜/エッチングプロセスによって形成された領域又は空隙内に材料を直接堆積させることによってパターン形成される。
【0035】
既存パターンに材料の薄膜を堆積させることは、下位パターンを大きく見せ、不均一に平坦な表面を作ることができる。均一で平坦な表面は、より小型で、より高密度に充填された能動的構成部品及び受動的構成部品を生産するために有利かつ必要となり得る。平坦化は、ウェーハーの表面から材料を除去し、均一に平坦な表面を生成するために使用され得る。平坦化は、研磨パッドを使ってウェーハーの表面を研磨することを含む。研磨材及び腐食性化学薬品は、研磨中にウェーハーの表面に添加される。代替的に、腐食性化学薬品を用いない機械研磨は、平坦化のため使用される。一部の実施形態では、ベルト式研磨機、標準的なウェーハーバックグラインダ、又はその他の類似の機械を用いて、純粋に機械的な研磨が実行される。化学薬品の摩耗及び腐食作用の組み合わされた機械的作用は、不規則な表面起伏を除去し、結果的に均一な平坦表面をもたらす。
【0036】
バックエンド製造は、完成ウェーハーを個別の半導体ダイに切り分け、又は個片化し、次に、構造支持及び環境分離のため半導体ダイをパッケージ化することを指す。半導体ダイを個片化するため、ウェーハーは、ソーストリート又はスクライブと呼ばれるウェーハーの非機能領域に沿って切り分けられ得る。ウェーハーは、レーザー切断ツール又はソーブレードを使用して個片化される。個片化の後、個別の半導体ダイは、他のシステム部品との相互接続のためのピン又は接触パッドを含むパッケージ基板に搭載される。半導体ダイに形成された接触パッドは、次に、パッケージの内部の接触パッドに接続される。電気接続は、はんだバンプ、スタッドバンプ、導電性ペースト、再分配層、又はワイヤボンドを用いて作られ得る。封入材料又はその他の成形材料は、物理的支持及び電気的遮蔽を行うためにパッケージに堆積させられる。完成パッケージは、次に、電気システムに挿入され、半導体デバイスの機能性が他のシステム部品から利用できるようになる。
【0037】
電気システムは、1つ以上の電気的機能を実行するために半導体デバイスを使用するスタンドアロンシステムになり得る。代替的に、電気システムは、より大型のシステムのサブコンポーネントになり得る。例えば、電気システムは、携帯電話機、個人情報端末(PDA)、デジタルビデオカメラ(DVC)、又はその他の電子通信機器の一部分になり得る。代替的に、電気システムは、グラフィックスカード、ネットワークインターフェースカード、又はコンピュータに挿入され得るその他の信号処理カードになり得る。半導体パッケージは、マイクロプロセッサ、メモリ、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、アナログ回路、RF回路、ディスクリートデバイス、又はその他の半導体ダイ若しくは電気部品を含み得る。小型化及び軽量化は、製品が市場に受け入れられるために有利でありかつ不可欠であり得る。半導体デバイス間の距離は、より一層の高密度を達成するために縮小されなければならない。
【0038】
単一の基板の上で1つ以上の半導体パッケージを組み合わせることにより、製造業者は、事前に作られた部品を電子機器及びシステムに組み込むことができる。半導体パッケージは、高性能機能性を含むので、電子機器は、あまり高価ではない部品及び効率化された製造プロセスを使用して製造され得る。結果として得られるデバイスは、不合格である可能性が低く、低価格で製造できるので、消費者にとってコストが低下する。
【0039】
図1A~1Cは、フロントエンド製造方法及び上記に概説した手順に従って形成された複数の半導体ダイを図示している。より具体的には、
図1Aは、例えば、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、リン化インジウム、又はシリコンカーバイド、のような、ただしそれらに限られない、構造的支持のためのベース基板材料12を有する半導体ウェーハー又は半導体基板10を図示している。複数の半導体ダイ又は構成部品14は、既に述べたように、非活性の、ダイ間ウェーハー領域又はソーストリート16によって分離されてウェーハー10上に形成される。ソーストリート16は、半導体ウェーハー10を個別の半導体ダイ14を個片化するための切断領域を提供する。
【0040】
図1Bは、半導体ウェーハー10の一部分の断面図を図示している。各半導体ダイ14は、裏側又は裏表面18、及び裏側の反対側にある活性表面20とを有する。活性表面20は、ダイの電気的設計及び機能に従って、ダイの内部に形成され、電気的に相互接続された能動デバイス、受動デバイス、導電体層、誘電体層として実装されたアナログ又はデジタル回路を含む。例えば、回路は、DSP、ASIC、メモリ、又はその他の信号処理回路などのアナログ回路又はデジタル回路を実装するために、活性表面20の内部に形成された1つ以上のトランジスタ、ダイオード、及びその他の回路素子を含むことがある。半導体ダイ14は、RF信号処理のための、例えばインダクタ、キャパシタ、及び抵抗器のような、IPDをも含み得る。
【0041】
導電体層又は接触パッド22は、PVD、CVD、電解めっき、無電解めっきプロセス、又はその他の適当な金属堆積プロセスを使用して活性表面20の上に形成される。導電体層22は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、又は他の好適な導電性材料の1つ以上の層であり得る。導電体層22は、活性表面20に接した回路に電気的に連結又は接続された接触パッド又は接着パッドとして動作する。導電体層22は、
図1Bに示されるように、半導体ダイ14のエッジから第1の間隔で並んで配置された接触パッドとして形成され得る。あるいは導電体層22は、接触パッドの第1の列がダイのエッジから第1の間隔で配置され、第1の列と互い違いである接触パッドの第2の列がダイのエッジから第2の間隔で配置されるように、多数の列状にオフセットされた接触パッドとして形成され得る。
【0042】
図1Cは、活性表面20及び導電体層22の上方に共形に塗布された任意追加の絶縁又はパッシベーション層26を図示している。絶縁層26は、PVD、CVD、スクリーン印刷、スピンコーティング、スプレーコーティング、焼結法、熱酸化、又はその他の好適な処理を用いて塗布される1つ以上の層を含み得る。絶縁層26は、二酸化ケイ素(SiO
2)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、オキシ窒化ケイ素(SiON)、五酸化タンタル(Ta
2O
5)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、ポリマー、ポリイミド、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、又は類似の絶縁特性及び構造的特性を有するその他の材料の1つ以上の層を含み得るが、それらに限られない。あるいは
、半導体ダイ14は、PBO層を使用することなくパッケージされ、絶縁層26は、異なる材料から形成され得るか、又は完全に省略され得る。別の1つの実施形態では、絶縁層26は、導電体層22の上方には配設されることなく、活性表面20の上方に形成されるパッシベーション層を含む。絶縁層26が存在し、導電体層22の上方に形成される場合、後で機械的又は電気的相互接続をする目的で導電体層22の少なくとも一部分を露出させるために、絶縁層26を完全に貫通して開口部が形成される。あるいは、絶縁層26が省略される場合、後で電気的相互接続をする目的で、開口部を形成することなく導電体層22が露出される。
【0043】
図1Cはまた、導電体層22の上方に形成され、それと連結又は接続されるシード層又は導電体層28をも図示している。シード層28は、例えば、プリンティング、PVD、CVD、スパッタリング、電解めっき、無電解めっき、金属蒸着、金属スパッタリング、又は他の好適な金属堆積プロセスのような、パターン形成プロセス及び金属堆積プロセスを用いて導電体層22上に直接形成され得る。シード層28は、Al、Cu、Sn、Ni、Au、Ag、Ti/Cu、TiW/Cu、又はカップリング剤/Cuの1つ以上の層であり得る。シード層28は、スパッタリングにより、無電解めっきにより、ラミネートされた銅箔の堆積を無電解めっきと組み合わせた方法により、又はその他の好適なプロセスにより、堆積され得る。1つの実施形態では、シード層28は、平面状又は実質的に平面状のものであり得るが、絶縁層26の全体、絶縁層26内の開口部、及び接触パッド22を被覆している。シード層28はまた、半導体ダイ14及びソーストリート16を被覆し得る。
【0044】
図1Cは、例えばRDL、トレース、接触パッド、又はファンイン、ファンアウト、若しくは他の相互接続構造の他の部分のような導電性相互接続構造を形成するために、シード層28の上方に形成又は配設されている導電体層、導電性パターン、又はRDL 30を更に図示している。導電体層30は、Al、Cu、Sn、Ni、Au、Ag、又は他の好適な導電性材料の1つ以上の層であり得る。導電体層30の堆積には、例えばPVD、CVD、電解めっき、無電解めっき、他の好適な処理のような、添加処理の一部としてシード層28を含むウェーハー様の処理を用い得る。1つの実施形態では、導電体層30が、導電体層30をめっき表面として用いるめっき処理によってシード層28の上方に形成される。導電体層30は、接触パッド22と、後で形成される他のパッケージ構造物との間の、機械的及び電気的相互接続を提供し得るが、その構造物の例としては、半導体ダイ14と最終半導体パッケージの外部の点との間の電気的信号の伝達を準備する、バンプ又はパッケージ相互接続構造物が挙げられる。
【0045】
導電体層30の設置面積内にないシード層28の一部分は、電気的絶縁を提供し、導電体層30に沿って、半導体ダイ14を含む最終パッケージをショートさせるのを防ぐために除去され得る。一部の例では、絶縁性の感光性材料、又はレジスト層が、シード層28の上方に形成され、導電体層30がその内部に形成される領域又は経路を画定し得る。シード層28上に導電体層30を形成した後、絶縁層は、ストリッピング処理によって除去され得る。同様に、導電体層30の除去により露出したシード層28の一部分が、エッチング処理によって除去され得る。言い換えると、導電体層30の設置面積内に存在しないか、又は導電体層30によって被覆されていないシード層28の一部分が、エッチング処理によって除去され得る。シード層28の一部分を除去した後で、
図1Cに図示されるように、シード層28の設置面積及び導電体層30が互いに同一又は実質的に同一になり得る。例えばシード層28の除去及びシード層28の表面上方からの絶縁層の除去のような、半導体基板上の層の除去のために行われる、例えばストリッピング又はエッチングのような処理に関する追加的な詳細は、後程、
図3A~3Eに関連して論じる。
【0046】
図1Cは、ウェーハー10が、裏表面18を平坦化しかつウェーハー10の厚さを薄くするために、グラインダ34による選択的研削工程を受け得ることを更に図示している。化学的エッチングもまた、ウェーハー10の一部分を除去し平坦化するために用いられ得る。ウェーハー10はまた、後続の半導体ダイ10及び半導体ダイ14の処理の前又は後のいずれか一方で、鋸刃又はレーザー切断工具を用いるソーストリート16を介して、個別の半導体ダイ14に個片化し得る。
【0047】
図2Aは、
図1A及び1Bからの半導体ダイ14と同様であり、また電気的相互接続構造38が半導体ダイ14に任意選択で連結され得る、半導体ダイ14を示す。電気的相互接続構造38は、銅製のカラム、銅製のピラー、又は銅製のポストとして形成され得るが、接触パッド22の上方に配設され、かつそれに連結又は接続される。相互接続構造38は、例えば、プリンティング、PVD、CVD、スパッタリング、電解めっき、無電解めっき、金属蒸着、金属スパッタリング、又は他の好適な金属堆積プロセスのような、パターン形成プロセス及び金属堆積プロセスを用いて、接触パッド22上に直接形成され得る。相互接続構造38は、Al、Cu、Sn、Ni、Au、Ag、パラジウム(Pd)、又は他の好適な導電性材料の1つ以上の層であり、かつ1つ以上のUBM層を含み得る。1つの実施形態では、フォトレジスト層が半導体ダイ14及び接触パッド22の上方に堆積され得る。フォトレジスト層の一部分は、露光され、エッチング現像処理によって除去され得る。電気的相互接続構造38が次に、フォトレジストの除去された部分でかつ接触パッド22の上方に、選択的めっき処理を用いて銅製ピラーとして形成され得る。フォトレジスト層は除去されて、後で機械的及び電気的相互接続と、活性表面20及び存在する場合には絶縁層26に対するスタンドオフとを準備する相互接続構造38を残し得る。好ましくは、相互接続構造38は、10~100μm、20~50μm、又は約35μmの範囲内の高さを含む。
【0048】
電気的相互接続構造38を任意選択で有する半導体ダイ14は、パネル又は埋め込みダイパネル50内に配設され、その一部を形成し得る。接着剤41は任意選択で、半導体ダイ14の裏側18上に配設され得る。接着剤41は、熱エポキシ、エポキシ樹脂、Bステージエポキシフィルム、任意追加でアクリルポリマーを有する紫外線(UV)Bステージフィルム、又は他の好適な材料であり得る。1つの実施形態では、接着剤41は、半導体ダイ14が埋め込みダイパネル50の形成に用いられ得る一時的担体の上方に、又はその表面に載置される前に、裏側18の上方に配設され得る。
【0049】
半導体ダイ14は、パネル50内で空間又は空隙40によって分離され得るが、空間40は、後で形成される、ファンアウト相互接続構造用の領域を提供する。空隙40のサイズとしては、任意選択で、半導体デバイス又は、最終半導体デバイス若しくはFOWLPのようなパッケージ内に含まれる構成部品を載置するのに十分な領域が挙げられる。空間40は、半導体ダイ14間に維持され、半導体ダイ14間を、ペースト印刷、圧縮成形、圧送成形、液体封入材料成形、積層法、真空積層法、スピンコーティング、又は他の好適な塗布器を用いて堆積され得る封入材料42で満たすものである。封入材料42は、例えば、充填材入りエポキシ樹脂、充填材入りエポキシアクリレート、又は、適切な充填材入りのポリマーのようなポリマー複合材料であり得る。封入材料42は、半導体ダイ14及び電気的相互接続構造38の上方及び周囲に配設される、単一の材料として形成され得る。封入材料42は、電気的相互接続構造38の側壁39と接触し得るが、相互接続構造38どうしの間に配設され得る。
【0050】
パネル50には任意選択で、封入材料42を硬化させるための硬化処理を施し得る。パネル50は、設置面積又は任意の形状及びサイズの形状因子を含み得る。一部の例では、パネル50は、例えば、300ミリメートル(mm)の半導体ウェーハーのような、基板10の形状因子に類似の形状因子を含み得るが、300mmの直径を有する円形の設置面積を含む。パネル50は、基板10と同様に、例えば、任意の所望のサイズに形成され得る、円形、正方形、又は矩形のような、任意の所望のサイズ又は形状であり得る。
【0051】
図2Aはまた、パネル50が、表面を平坦化し、かつパネルの厚さを薄くするために、グラインダ34による選択的研削工程を受け得ることを図示している。化学的エッチングもまた、パネル50内の封入材料42の一部分を除去し平坦化するために用いられ得る。したがって、半導体ダイ14と、例えばファンアウト相互接続構造のような後で形成される相互接続構造との間の電気的接続を準備するためにパネル50の外表面又は周辺部で、相互接続構造38の表面が、封入材料42に対して露出し得る。
【0052】
図2Bは、シード層又は導電体層62がパネル50の上方に形成されているのを図示している。シード層62は、Al、Cu、Sn、Ni、Au、Ag、Ti/Cu、TiW/Cu、又はカップリング剤/Cuの1つ以上の層であり得る。シード層62は、スパッタリングにより、無電解めっきにより、ラミネートされた銅箔の堆積を無電解めっきと組み合わせた方法により、又はその他の好適なプロセスにより、堆積される。1つの実施形態では、シード層62は平坦であり、かつパネル50の設置面積の全体を被覆している。したがって、導電体層62は、半導体ダイ14の上面又は上方の領域と、半導体ダイの設置面積の外に配設されている例えば空隙40のような周辺領域と、その両方を被覆し得る。
【0053】
図2Bは、絶縁又はパッシベーション層64が、パネル50の上方に共形で塗布され、導電体層62と接触しているのを更に図示している。絶縁層64は、PVD、CVD、スクリーン印刷、スピンコーティング、スプレーコーティング、焼結法、又は熱酸化を用いて塗布される、1つ以上の層であり得る。絶縁層64は、SiO
2、Si
3N
4、SiON、Ta
2O
5、Al
2O
3、ポリイミド、BCB、PBO、感光性層、又は類似の絶縁特性及び構造特性を有する他の材料の1つ以上の層を含む。1つの実施形態では、絶縁層64は、乾燥フィルムレジスト層である。
【0054】
図2Cは、絶縁層64が、パターン形成され得ることと、絶縁層64の一部が、エッチング、レーザードリル加工、機械的ドリル加工、又は他の好適な処理によって除去されて、絶縁層64を完全に貫通する開口部66を形成し、導電体層62を露出させ得ることと、を図示している。絶縁層64は、パターン形成され、後で導電体層、導電性パターン層、又はRDL68を形成するのを容易にし得る。導電体層68は、半導体ダイ14用のファンアウト相互接続構造の一部として絶縁層64内の開口部66ノ内部に形成され得る、パッド及びトレースを含み得る。
【0055】
図2Dは、
図2Cから続くものであり、導電体層68がパターン形成され、かつ、封入材料42、相互接続38、及びシード層62の上方に堆積され、相互接続構造の一部としてRDLを形成する、パネル50の一部分の断面図を図示している。導電体層68は、Al、Cu、Sn、Ni、Au、Ag、又は他の好適な導電性材料の1つ以上の層であり得る。導電体層68の堆積又は形成には、例えばPVD、CVD、電解めっき、無電解めっき、他の好適な処理のような、成形パネル上の添加処理の一部としてシード層28を用いるウェーハー様の処理を用い得る。1つの実施形態では、導電体層68が、導電体層62をめっき表面として用いるめっき処理によってシード層62の上方に形成される。導電体層68は、電気的相互接続構造38と、後で形成され、半導体ダイ14と最終半導体パッケージの外部の点との間の電気的信号の伝達を準備するバンプ又はパッケージ相互接続構造物との間の、機械的及び電気的相互接続を提供し得る。
【0056】
図2Eは、絶縁層64の除去と、開口部66によって露出させられているか、又は絶縁層64の設置面積内に含まれていないシード層62の部分の除去とを経た後の状態の、パネル50を図示している。導電体層68によって被覆されていないシード層62の一部分が除去されて、後で追加的導電性構造物が、シード層62を介してパッケージ内に電気的ショートを発生させることなく、めっき処理によって形成されるのを容易にしている。1つの実施形態では、絶縁層64は、ストリッピング処理によって除去されるレジスト層であり、かつ導電体層62は、エッチング処理により除去されるシード層である。いずれにしても、
図3A~3E及び4A~4Fに対して以後詳細に説明するように、シード層62及び絶縁層64の所望の部分の除去は、エッチング液又はストリッピング液のプールを用いることで実現され得る。
【0057】
図3Aは、半導体製造のコンテクストで用いられるエッチング又は材料72の除去のために、エッチング液又はストリッピング液90のプールを用いる方法の一部として基板70が用いられ得るのを図示している。半導体製造又は半導体パッケージングに限られないが、便宜上また議論を容易にするため、以下では、エッチング液90のプールの使用を、半導体製造における従来のエッチングプロセスに対して説明し、かつ改善された半導体製造方法でのエッチング液90のプールの使用を説明する。しかしながら、エッチング液又はストリッピング液90のプールに対するアプローチ及び方法はまた、例えばTVパネル向け又は他の類似の用途のような液晶ディスプレイ(LCD)の製造におけるプロセスのような、他のプロセスに対しても適用可能であり、かつ、ウェーハーレベルの処理又は半導体デバイスに限られない。
【0058】
図3Aは、
図1C又は2Eから連続するものであるが、基板70を図示しており、基板70の例としては、半導体基板、天然半導体ウェーハー、再構成半導体ウェーハー、パネル、ファンアウトウェーハー若しくはパネル、埋め込みダイパネル、チップキャリア基板、PCB、プリント配線パネル、又はそれらの派生物が挙げられ、かつ基板70は、ウェーハー10又はパネル50に類似又は同一のものであり得る。基板70は、第1の表面又は上面72と、第1の表面とは反対側にある第2の表面又は下面74とを備える。基板70は長さLを有するが、その長さLは、基板70が円形の設置面積で形成される場合に、基板70の直径と等しくなっている。
【0059】
材料又は材料の層76は、基板70の上方で、かつ第1の表面72の上方に配設される1つ以上の層から形成され得る。材料76はまた、第1の表面72の上方に、又はそれに直接接触するように形成され得る。材料76はまた、導電体層、導電性シード層、絶縁層、又はフォトレジスト材料のうちの1つ以上の層を備え得るが、なおかつシード層28、シード層28の上方に形成される絶縁層、シード層62、又は絶縁層64のうちの1つ以上と類似又は同一のものであり得る。したがって、除去されるべき望ましくない材料76は、例えば半導体製造又はパッケージングのコンテクストにおいては、電気めっきされた再分配層(RDL)の形成に用いられた導電性シード層を含み得るが、材料76は、シード層に限定される必要はなく、あるいは半導体製品の作製又は製造方法に限定される必要はない。
【0060】
図3Aはまた、基板70を以後の処理に運ぶ又は移動させるために、基板70が載置され得るコンベヤ80を図示している。一部の例では、コンベヤ80は、基板70をコンベヤ80に沿って前進させるために回転する多くのローラー又はホイール82を備え得る。ローラー82は、コンベヤ80が基板70のような物体を運搬するのを可能にする、1つ以上の、回転シャフトのような移動する駆動要素に連結され得る。基板70は、追加的に機械的アタッチメントなしで、コンベヤ80上に単に置かれたり、あるいはその上方に配置されたりし得るが、基板70の下面74とコンベヤ80との間の接触の結果生じる摩擦力を介して、コンベヤ80に沿って前進し得る。あるいは、コンベヤ80の任意の望ましい配置とともに、例えば冶具のような追加的な機械的アタッチメントを用いることも可能であり、それにより基板70を望ましい経路に沿って望ましいスピードで前進させる。一部の例では、基板70とコンベヤ80との間の摩擦力以外の追加的なアタッチメントメカニズムが限定的又は最小で使用され得、又はそれなしで、処理時間を制限したり、かつ基板70をコンベヤ80に連結させるのに必要な時間を省略したり減らしたりするようになっている。1つの非限定的な実施例として、
図3A~3Eに図示されているコンベヤ80は、コンベヤ80の左側からコンベヤ80の右側に物体を移動させるが、他の構成、例えば右から左に移動させたり、あるいはそれ以外の方法で移動させたりすることも可能である。
【0061】
コンベヤ80は、用いられる1つ以上の基板70のサイズと実質的に等しいかそれよりも大きい幅Wcを有し得るが、例えばその幅Wcは、単一の基板70の場合には、200mm、300mm、又は600mm以上であり、多数の基板70が、横に並ぶ配列でこの後で処理される場合には、上の数字よりも幅Wcが広くなり得る。コンベヤ80は、第1のエアナイフ生成器100、第2のエアナイフ生成器102、第1のエアナイフ104、又は第2のエアナイフ106のうちの1つ以上の長さLaと、実質的に等しい、それより小さい、又はより大きい幅Wcを有し得る。コンベヤ80の長さLc、及びコンベヤ80が基板70を前進させるスピードはまた、材料76の特定のエッチング処理又は除去処理に必要な時間の量に応じて制御され、修正され得る。
【0062】
1つ以上のエアナイフ生成器、ファン、又はブロワーがまた、1つ以上のエアナイフとともに、コンベヤ80の上方に配設され得るが、そのエアナイフは、材料76の除去のための基板70上のエッチング液90のプールを、操作又は制御し得る。より具体的には、
図3Aは、コンベヤ80の上方に配設された第1のエアナイフ生成器100が提供され、更に、コンベヤ80上に配設され、第1のエアナイフ100から、基板70の長さLsよりも小さい距離Dだけオフセットされた第2のエアナイフ生成器102が提供されているのを示す。説明を容易にするため、基板70の上方を最初に通り過ぎるエアナイフ生成器、例えば、図面の左側に図示されているエアナイフ生成器を、第1のエアナイフ生成器100と呼ぶ。同様に、第2のエアナイフ生成器102は、基板70の上方を2番目に通り過ぎるエアナイフ生成器、例えば、図面の右側に図示されているエアナイフ生成器である。エアナイフ生成器はそれぞれが、1つ以上のエアナイフを生成可能であり、そのため、第1のエアナイフ生成器100は、コンベヤ80の上方に配設された第1のエアナイフ104を生成し得る。同様に、第2のエアナイフ生成器102は、コンベヤ80の上方に配設され、第1のエアナイフ102から、基板70の長さLsよりも小さい距離Dだけオフセットされた第2のエアナイフ106を生成し得る。
【0063】
第1のエアナイフ104及び第2のエアナイフ106は、例えば、第1の及び第2のエアナイフ生成器100及び102からそれぞれ出て、流れ、吹いて、特定の限界内に又は所望の領域内に封じ込められている加圧又は圧縮された空気のような、空気の領域又は帯であり得る。
図3Aの断面図は、エアナイフ104及び106のそれぞれが、エアナイフ幅Waを有し得るのを図示している。エアナイフ104及び106は、薄く長い、ナイフの刃に類似の形状のものであり得る。一部の例では、第1のエアナイフ104と第2のエアナイフ106のそれぞれの幅Waは互いに等しいか、又は実質的に等しくなり得るが、他の例では、第1のエアナイフ104と第2のエアナイフ106のそれぞれの幅Waは互いに異なっている場合もあり得る。第1のエアナイフ104と第2のエアナイフ106のそれぞれの幅Waはまた、第1のエアナイフ生成器100と第2のエアナイフ生成器102のそれぞれの幅と等しいか、実質的に等しい場合もあり得る。いずれにしても、幅Waは、1~20mm、又は1~40mmの範囲内にあり得る。一部の例では、第1のエアナイフ104の幅Waは、第1のエアナイフ生成器100の幅と同じか、実質的に同じであり得る。第1のエアナイフ104及び第2のエアナイフ106はまた、幅Waに対して直交又は実質的に直交し、
図3Aに図示されている図面のページ内に延出する、長さLaも有し得る。長さLaは、200mm超、300mm超、600mm超、若しくは基板70幅Ws超、又はコンベヤ80の幅以上の長さであり得る。したがって、エッチングエリアAは、長さが距離Dに等しい又は実質的に等しい長さで、かつ幅が長さLaに等しい又は実質的に等しい幅であるエリアによって定義され得る。エアフロー又は第1のエアナイフ104と第2のエアナイフ106内を移動する空気のスピードは、例えば基板70に向かう方向で0.1メートル/秒以上のスピードであり得る。一部の例では、エアフロー又は第1のエアナイフ104と第2のエアナイフ106内を移動する空気は、任意選択で加熱又は冷却され得る。
【0064】
図3Aはまた、基板70を、材料76の層をコンベヤ80と反対側に向け又は反対側に面させて、距離Dの設置面積の外側で、エッチングエリアAの外側で、第1のエアナイフ104の前かつ第2のエアナイフ106の前で、コンベヤ80上に載置することを図示している。基板70は、方向84にコンベヤ80に沿って前進し得るが、基板70は、第1のエアナイフ100の下側を移動し、基板70の一部分が、第1のエアナイフ104と第2のエアナイフ104との間に配設される。方向84は、コンベヤ80の長さ方向、コンベヤ80の移動方向、又は基板70を処理するための他の任意の好適な方向であり得る。基板70は、コンベヤ80を横切って、第1のエアナイフ生成器100、第2のエアナイフ生成器102、第1のエアナイフ104、及び第2のエアナイフ106の1つ以上に向かって、50~100mm/分の範囲内の速度で移動し、材料の層76が15~300秒範囲内の任意の時間の量で、完全に除去されるように、適切な時間と、エッチング液90のプールに対する曝露を提供し得る。処理時間はさまざまに変化し、コンベヤ80の長さ、コンベヤ80のスピード、材料76及びプール90の化学的組成、温度、又はそれらの任意の組み合わせに正比例し得るが、処理は典型的には、1分未満の継続時間である。パラメータを調整することによって、処理時間を、10分、5分、3分、又は2分より短くすることが可能となる。
【0065】
更に、処理は、基板70を第1のエアナイフ生成器100、第2のエアナイフ生成器102、第1のエアナイフ104、及び第2のエアナイフ106のうちの1つ以上に対して移動させることに関して説明され、考察され得るが、他のバリエーションもまた用いられ得る。例えば、静止している基板70が、移動するエアナイフと相互作用して、基板70、エッチング液又はストリッピング液90のプール、並びに第1のエアナイフ生成器100、第2のエアナイフ生成器102、及び第1のエアナイフ104のうちの1つ以上の相対的な移動を実現することが可能である。また、基板70と、第1のエアナイフ生成器100、第2のエアナイフ生成器102、第1のエアナイフ104、及び第2のエアナイフ106のうちの1つ以上との両方ともが、例えば逆方向に移動することも可能である。したがって、
図3Aはまた、基板70がエッチングエリアAを通過するように、基板70、第1のエアナイフ104、又は第2のエアナイフ106のうちの少なくとも1つが移動することも図示している。
【0066】
図3Bは、
図3Aに図示されている断面図と類似の断面図を図示しているが、
図3Bでは、基板70の前縁部78が、
図3Bの左側で、コンベアに沿って前進し、第1のエアナイフ生成器100と第1のエアナイフ104との下方を通過して、エッチングエリアAに入っている。基板70の前縁部78が第1のエアナイフ104の下方を前進してエッチングエリアAに入り、基板70の少なくとも一部分がディスペンサ92の下方、又はそれに並ぶ位置にきた後、ある量のエッチング液、ストリッピング液、又は化学薬剤94が基板70の上方又はその上に分注され、材料76に接触し得る。
図3Bに図示されているように、エッチング液94は基板70上に、前縁部78で又はその付近で分注され得る。エッチング液94は、処理用化学薬剤、液体、溶液、又は順次若しくは同時に分散される液体又は溶液の組み合わせであり得るが、所望のエッチング又は材料76の少なくとも一部分の除去が実現され得る。ディスペンサ92は、自動化処理の一部として分注させられ得るが、その処理ではエッチング溶液94が、ストリーム若しくはスプレイノズル、サプライライン、又はその両方を介して分注される。エッチング溶液94を、基板70上に直接分注することにより、エッチング溶液94のプール90を形成し、基板70をエッチング液のバスに浸漬するかわりに、相当量少ないエッチング溶液94だけが、材料76を基板70から除去するために必要とされる。プールの溶液を使い捨てにすることによって、バスの再循環、濾過、及びメンテナンスもまた省略される。エッチング溶液94の減少は、使われるエッチング液がより少ないことを意味し、使用後に捨てられる又は廃棄されるエッチング液が少ないことを意味し、材料費、維持費用、運転費用が相当に節約され得る。
【0067】
エアナイフ104、106は、エッチング溶液94を、基板70上にプール90として封じ込める。プール90は、エッチング溶液94を、第1のエアナイフ104と第2のエアナイフ106との間に配設された基板70の部分の上方で、材料の層76の上に分注することによって形成され得る。第1のエアナイフ104と第2のエアナイフ106との間、又はエッチングエリアAに配設された材料の層76の一部分は、エッチング溶液94のプール90によりエッチングされ得る。エアナイフはまた、エッチング溶液94のプール90を撹拌するのに十分な空気の流れ、又は十分な基板70に接触する力を提供し得る。プール90を撹拌することにより、プール90が掻き回されて、沸騰しているように見えるようになるが、それは、プール90を撹拌させて、材料の層76の全体及びその周囲を動かすことによって、材料76を除去する助けになり得る。
【0068】
エッチング溶液94のプール90を撹拌することは、多くの利点をもたらす。まず、撹拌により、エッチング溶液94のプール90が広げられて、基板70にわたって均一に分配される。次に、撹拌は、エッチング溶液94のプール90を循環させ、除去又はエッチングされるべき材料76にわたって移動させるが、それによって、除去されるべき材料76と接触する活性化学薬剤を、常時、局在的に補充させることになる。エッチング溶液94の撹拌、局在的補充、又はその両方によって、基板70からの除去されるべき材料76のエッチング又は除去速度が加速され得るが、それによって、エッチングを実施するのに必要な時間の量を減らし、それによって、処理効率を高め、コストを下げることが可能となる。
【0069】
図3Bから引き続いて、
図3Cは、
図3Cに示されている図と類似の追加的な断面プロファイル図を示し、
図3Dは、
図3Cに示されている図の上面又は平面図を図示している。
図3C及び3Dは、第1のエアナイフ104が、第1のプール境界線又は線96を、基板70の左側に設けている、又は設けるために用いられているのを図示し、基板70がコンベヤ80に沿って通過し、又は第1のエアナイフ104が基板70に対して移動している間も、その線96を超えては、プール90又はエッチング溶液94が移動しないようになっている。同様に、第2のエアナイフ106は、第2のプール境界線又は線98を、基板70の右側に設け得る、又は設けるために用いられ得るのを図示し、基板70がコンベヤ80に沿って通過し、又は第2のエアナイフ106が基板70に対して移動している間も、その線98を超えては、プール90又はエッチング溶液94が移動しないようになっている。したがって、基板70が、第1のエアナイフ104と第2のエアナイフ106の両方の下方にある場合に、プール90のサイズ又は領域が、左側の第1のエアナイフ104と、右側の第2のエアナイフ106とによって、かつ基板70の縁部又は円弧79に沿って、第1のエアナイフ104と第2のエアナイフ106との間に画定され得る。エッチング溶液94の表面張力は、エッチング溶液94が落下すること、又は基板70及び材料76から去ることを防ぎ得るが、プール90は、例えば第1のプール境界線96又は第2のプール境界線98のようなエアナイフにより形成される境界線によって封じ込められない。2本の境界線96及び98が、限定的ではない実施例として説明されているが、追加的な線又は境界線、例えば1本、3本、4本、又はそれより多くの線又は境界線も用いられ得る。また、境界線96及び98は、直線として図示されているが、境界線又は線は湾曲しているもの、波打っているもの、又は任意の所望の形状に成形されているものであってもよい。
【0070】
基板70上に載置されるエッチング溶液94の量又は体積は、基板70のサイズ、距離D又は第1のエアナイフ104と第2のエアナイフ106との間の間隔、エッチング溶液94の表面張力によって変化し得る。一部の例では、すべて又は実質的にすべてのエッチング溶液94が、第2のエアナイフ106のような1つ以上のエアナイフによって強制的に基板70から押し出されるまで、エッチング溶液94がプール90からこぼれることや、基板70からこぼれることなしに基板70及び材料76を覆って残る。
【0071】
プール90の距離Dを基板70の長さL未満にすることにより、プール90のサイズ又は領域が、基板70のそれらよりも小さくなり得るが、それにより、プール90が基板70の設置面積よりも小さく、その内部に封じ込められる。エッチング溶液94のプール90が基板70の全体にわたって移動する場合、プール90は、50~100mm/分の範囲内の速度で移動し、材料76に対して、15~300秒のうちに又はタイムリーに材料76が完全に除去されるように、適切な時間とエッチング溶液94のプール90への曝露とを提供し得る。プール90は、エッチング溶液94のプール90の基板70に対する移動、又は基板70のエッチング溶液94のプール90に対する移動の少なくとも1つを実行することによって移動し得る。一部の例では、エッチング溶液94のプール90の基板70に対する移動、又は基板70のエッチング溶液94のプール90に対する移動の少なくとも1つを実行することは、基板70を少なくとも1つのエアナイフの固定位置に対して移動させるコンベヤ80上に、基板70を載置することを更に含み得る。他の例では、エッチング溶液94のプール90の基板70に対する移動、又は基板70のエッチング溶液94のプール90に対する移動の少なくとも1つを実行することは、少なくとも1つのエアナイフを基板70の固定位置に対して移動させることを更に含み得る。更に別の例では、エッチング溶液94のプール90の基板70に対する移動、又は基板70のエッチング溶液94のプール90に対する移動の少なくとも1つを実行することは、少なくとも1つのエアナイフを第1の方向に移動させ、基板70を、第1の方向とは実質的に反対方向の第2の方向に移動させることを、更に含み得る。
【0072】
図3Eは、
図3C及び
図3Dから続くものであり、ひとたび基板70が第1のエアナイフ104の下方にもう存在しなくなった場合に、第2のエアナイフ106が、基板70の後縁部又は左側77からを含めて、又はプール90又は溶液94のすべて又は実質的にすべてが基板70から除去されるまで、エッチング溶液94のプール90を基板70から除去するための液体除去ナイフとして動作し得ることを図示している。プール90と、エッチング溶液94によってエッチングされた材料の層76の少なくとも一部分と、その両方が、第2のエアナイフ106によって除去され、材料76から、又はそれによって形成される残留又は所望の構造75を残し得る。材料75は、導電体層、導電性シード層、絶縁層、フォトレジスト材料、又は他の所望の材料又は構造物のうちの1つ以上の層を備え得る。
【0073】
エッチング液又は液体94が基板70上に配設されている位置と時間は、調整可能である。同様に、エッチング溶液94の撹拌又は封じ込めの場所と量もまた、調整可能である。一部のプロセスでは、エッチング溶液94は、所望の量の撹拌をされる前に、所望の時間、撹拌されずに基板70に静かに接触し続けるのを可能にされ得る。一部の例では、撹拌と封じ込めは完全に省略可能であるが、それには、エッチング溶液94が基板90上に分注され、エッチング溶液94が基板70上、材料76の、又はその両方の1つ以上の材料又は形成部を処理するために残され、次にエッチング溶液94が、基板70をバスに浸漬することなくかつボウル内でスピンさせることなく、例えばエアナイフ106で除去され得る。別の例では、基板70上でのエッチング溶液94の封じ込めとエッチング溶液94の撹拌のための1つ以上のエアナイフ104、106を含むことにより、エッチング処理がより迅速に行われ得ることとなり、コンベヤ80に求められるスペースが少なくなり、撹拌を含む多くのプロセスが一度に実施可能となる。
【0074】
図3Eはまた、エッチング液又は液体の最後の部分が基板70から除去される、基板70が第2のエアナイフ106の下方又はそれを通過して移動する最後の場面を図示している。基板70から除去されたエッチング液は、コンベア80の下方にあるタンク、鉢、又は集水器に捕集され、再利用又は廃棄され得る。
図3A~3Eが、基板70の表面に対して移動する1つのプール90を図示してきたが、一部の例では、2つ以上のプール90が基板70上で用いられ得る。多くのプール90が順次又は同時に発生し得るが、それらはコンベヤ80の長さLc方向に沿って、又は基板70の長さLs方向に沿って離間され得る。
【0075】
エッチング溶液94のプール90をエアナイフ104、106とともに使用することにより、基板70を完全に、エッチング溶液94のバスに浸漬する必要のない、インライン自動エッチングプロセスが用意され、又は基板70をローリングシールを通過させるのが可能になる。基板70の表面からオフセットしたか又はそれから延出し、基板70の表面がローリングシールによって損傷されることを防止する、金属製ダミー形成部又は構造物のような構造的支持体を含める必要性が消滅し得るだけでなく、基板70が損傷されるリスクを低下、最小化、消滅させ得る。エッチング溶液94のプール90をエアナイフ104、106とともに用いるこの方法はまた、ボウルを用いるエッチング処理に対してより速い処理時間を可能にし、更に処理の制御を維持し、化学的溶液を使い捨てにするメンテナンス上の利点を有する能力を有し、それを望むならば、エッチングの浸漬法に関連する再循環バスのメンテナンスを不要にし得る。
【0076】
インライン自動化エッチング処理に用いるために、エッチング溶液94のプール90をエアナイフ104、106とともに使用することは、さまざまな例では:1)基板70をコンベヤ80上に載置すること、2)基板70がコンベヤ80上にある間に、エッチング溶液94を基板70上に堆積すること、及び3)基板70上のエッチング溶液94をエアナイフ104、106で操作すること、を含み得るが、それによって、典型的には1分未満となり得る相当程度速い処理時間が可能となり、コストを減らし、従来のエッチングシステム及び方法において必要となる化学的溶液よりも少ない溶液しか用いないことになる。
【0077】
したがって、自動化が、処理時間や労働を減らすために進められ得るが、その結果、より速い、より低コストで、より効率的なエッチング又は材料の除去がもたらされる。エッチング溶液94のプール90を用いると、従来のバスによるエッチングプロセス又は方法よりも、より少ないエッチング液しか使わないことが可能になる。また、バスの中に大量のエッチング液が存在し、多くの処理又はエッチングプロセス中に多くの基板によって再利用される従来のエッチングバスとは対照的に、プール90を用いれば、それが望まれない限り又はそれが有利とならない限り、エッチング溶液94が再利用される必要はない。バス内の同じエッチング液で実施される多数のエッチングプロセス中に、時間とともにバス内のエッチング液の品質又は有効性が低下又は劣化し、より効果的でなくなり、新たなエッチング液の流入又はそれとの交換が必要になり得る。逆に、プール90内のエッチング溶液94は、新たな基板70が処理される度ごとに新しいエッチング溶液94のプール90は新しいものとされ得るので、多数の処理に対して再利用される必要がなく、また、エッチング溶液94のそれぞれの使用時に必要な使用量が非常に少ないため、非常に無駄も少なくなっている。新しい又は新鮮なエッチング溶液94を各基板70に対して少量用いることにより、エッチング溶液94をより精密に使用することが可能となり、処理が実行される度ごとに、より予見可能な結果が得られるようになる。他方、一部の例では、プール90からのエッチング溶液94は、所望の回数だけ回収され、再利用され、又は再循環され得る一方で、所望のレベルの有効性又は反応性が維持される。
【0078】
エッチング溶液94のプール90は、例えば、導電体層30又は68のめっきに用いられるシード層28、62のエッチング又は除去のような金属のエッチングのために使用し得るが、他の用途もまた想到し得るものであり、例としては、例えば有機表面保護剤を銅(Cu)又は他の金属表面に塗布して、後で使用されたり、保管されたりしている間に自然に酸化するのを遅らせるような添加プロセスが挙げられる。エッチング又はストリッピング液のプールを用いる方法はまた、例えばフォトレジストのストリッピング又は除去のような他の除去又は処理プロセスにも適用可能である。エッチング液又は液体をストリッピング又は除去するために用いられる圧力の強さは、エッチング液が塗布された、例えばフォトレジスト材料のような下位の材料を除去するために用いられる圧力の強さと同じである可能性もあり、異なる可能性もあり得る。非限定的な実施例として、1インチ四方に対して約350ポンド(psi)のストリッピング圧力、又は、300~370psiの範囲内の圧力が、フォトレジスト又は他の材料の除去に用いられ得る。実験の設計(DOE)の仕様によって、又は除去プロセスの最適化によって、異なる除去の技術が用いられ得るが、材料除去のため、化学的処理と物理的処理の両方に頼る技術が含まれる。また、所望の材料の除去を最適化するために、溶液の温度もまた、考慮され修正され得る。
【0079】
図4A~4Fは、
図3A~3Eに関して既に説明したプロセスと類似又は同一のプロセスを図示しているが、
図3A~3Eでは模式的な線画であったのとは異なり、ある特定の非限定的実施形態の一連の写真を示している。より具体的には、
図4Aは、コンベヤを示している。一緒に回転することで、例えば、基板、ウェーハー、ファンアウトウェーハー又はパネル、埋め込みダイパネル、又はそれらの派生物のような物体(本明細書ではまとめて「基板」と呼ぶ)を、コンベヤの一方の側から他方の側へと運ぶ複数の黒色ローラーが連結された多数の回転するドライブシャフトを備える。1つの非限定的な実施例として、
図4A~4Fに示されているコンベヤは、コンベヤの左側からコンベヤの右側に物体を移動させるが、他の構成、例えば右から左に移動させたり、あるいはそれ以外の方法で移動させたりすることも可能である。上に関連して、基板が静止しているエアナイフに対して移動することが可能であり、又は移動するエアナイフが静止している基板に対して移動することも可能であり、又はエアナイフと基板の両方が移動することも可能である。
【0080】
図4Bは、基板の前縁部が、コンベヤの左側で視野に入ってきたのを示す。基板は、例えば基板上面の上方に形成されたシード層のような、基板の金属層からの銅色を有する上面を見せて示されている。基板は、例えば円形又は矩形のような任意の好適な形状であり得るが、また、300mm、600mm、又はそれより大きいものと等しい、又は実質的に等しい直径、幅、又は長さを含む任意の好適なサイズであり得る。同様に、コンベヤは、コンベヤ上で処理されるべき最も大きい基板のサイズと実質的に等しいか又はそれより大きい幅を有し得る。コンベヤの長さ及びコンベアが前進するスピードも、特定の処理に必要な時間の量に応じて制御され、修正され得る。例えば、処理時間は、コンベヤの長さ、スピード、化学的組成、温度、又はそれらの任意の組み合わせに正比例させられ得る。初期の処理は典型的には1分未満の継続時間であるが、パラメータを調整して、従来のバス式エッチングでは1時間超かかるものを10分以内で実施するようにすることに制限はない。
【0081】
図4Cは、エッチング液、処理用化学薬剤又は液体(以後エッチング液と呼ぶ)が、基板の前縁部で、又はその付近で、基板上に分注されているのを示している。基板上に分注されるエッチング液は、任意の好適な液体若しくは溶液、又は、順次若しくは同時に分注される液体若しくは溶液を組み合わせたものであってよく、材料を所望のようにエッチングし、除去し、又は処理するようになっている。
図4Cは、手動で、すなわち人の手によって、ビーカーからエッチング液が分注されているのを示しているが、実際の生産の場合には、エッチング液は、例えば、ストリーム、スプレー、ノズル、又は供給用ラインのうちの1つ以上を介して自動的に、又は自動化されたプロセスの一部として分注され得る。基板をエッチング液のバスに浸漬するのではなく、エッチング液を直接基板上に分注することによって、必要となるエッチング液が相当少なくなり得る。プールの溶液を使い捨てにすることによって、バスの再循環、濾過、及びメンテナンスもまた省略され得る。エッチング溶液の減少は、使われる化学薬剤がより少ないことを意味し、使用後に捨てられる又は廃棄される化学薬剤が少ないことを意味し、材料費、維持費用、運転費用が相当に節約され得る。
【0082】
図4Dは、基板の上方に配設され、
図4Dの左側及び右側の細長い矩形の箱として示される、2つのエアナイフ生成器の非限定的実施例を示す。1つ以上のエアナイフが、基板の上面上のエッチング液を操作し、又は制御するために用いられ得る。エアナイフ生成器は、特定の限界線内又は所望のエリア内に吹く、又は封じ込められる、例えば加圧された又は圧縮された空気のような(また、任意選択で加熱又は冷却された)エアナイフ又は空気の帯を提供する装置であり得る。
【0083】
例えば
図4Dに示されているような一部の例では、エアナイフは薄く長く、ナイフの刃に類似した形状であり得る。エアナイフは、エッチング液を、例えば基板の移動方向に、封じ込めるのを可能にする。エアナイフはまた、エッチング液の表面張力を通じて基板の移動方向に直交する方向に概ね封じ込められたエッチング液を、撹拌するために十分な空気の流れを提供し得る。説明を容易にするため、基板の上方を最初に通り過ぎるエアナイフ、例えば、
図4Dの左側に示されているエアナイフを、第1のエアナイフと呼ぶ。同様に、第2のエアナイフは、基板上を2番目に通過するエアナイフ、例えば、
図4Dの右側に示されるエアナイフである。第1のエアナイフは、基板がコンベヤに沿って移動する間、エッチング液がそこを超えて通過しない点又は線を基板の左側に設定する。第2のエアナイフも、例えば、基板が第1の及び第2のエアナイフの両方の下方に存在する場合に、エッチング液を基板の右側で封じ込める。基板上に載置されるエッチング液の量又は体積は、基板のサイズ、エアナイフどうしの間隔、及びエッチング液の表面張力によってさまざまに変化し得る。
【0084】
図4Eは、第1の及び第2のエアナイフが、エッチング材料を基板の表面にわたって制御し移動させることに加えて、エッチング液の波の立った表面が示すようにエッチング液を撹拌することの追加的な利益を提供しているのを示す。エッチング溶液を撹拌することは、多くの利点をもたらす。まず、撹拌により、エッチング溶液が広げられて、基板にわたって均一に分配され得る。次に、撹拌は、エッチング溶液を循環させ得、エッチングされるべき表面にわたって移動させ得るが、それによって、例えば除去されるべき導電性シード層のようなエッチングされるべき材料と接触する活性化学薬剤を、常時、局在的に補充させることになる。エッチング溶液の撹拌及び局在的補充によって、除去されるべき材料のエッチング速度が加速され得るが、それによって、エッチングを実施するのに必要な時間の量を減らし、それによって、処理効率を高め、コストを下げることが可能となる。
【0085】
図4E及び4Fはまた、ひとたび基板が第1のエアナイフの下方にもう存在しなくなった場合に、第2のエアナイフが、図の左側に示される後縁部からを含め、エッチング溶液のすべて又は実質的にすべてが、基板から除去されるまで、エッチング液を基板から除去するためのエッチング液除去又はプール除去ナイフとして動作し得ることを示している。
【0086】
図4Fはまた、エッチング液又はプールの最後の部分が基板から除去される、基板が第2のエアナイフの下方又はそれを通過して移動する最後の場面を図示している。基板から除去されたエッチング液は、例えばコンベアの下方にあるタンク、鉢、又は集水器に捕集され、再利用又は廃棄され得る。
図4Eはまた、基板の上面の色が、エッチング処理の結果、例えば銅色から黒色に変化し得ることを示す。
【0087】
本開示は、多くの異なる形態での実施形態を含むが、後続のページの図面及び説明には、特定の実施形態の詳細が、本開示が、開示された方法及びシステムの原理の代表例としてみなされるべきであり、本開示の概念の広範な態様を、例示された実施形態に限定することは意図されないという理解を前提に提示されている。また、その他の構造物、その他の製造装置、及び実施例は、記載された構造物、製造装置、及び実施例と組み合わされ又は置換され得ることが当業者により理解されるはずである。上記説明が特定の実施形態に言及する場合、いくつかの変形がこれらの特定の実施形態の趣旨から逸脱することなく変更が行われることがあること、及び、これらの実施形態及び実装が他の技術に同様に適用されることがあることが直ちに明らかになることとなる。したがって、開示される主題は、本開示の趣旨及び範囲内並びに当業者の知識内にあるすべてのそのような変更、修正、及び変形を包含することを意図する。したがって、添付されている請求項に規定された広義の発明の精神及び範囲から逸脱することなく、さまざまな修正及び変更が加えられ得るということは明らかであろう。したがって、明細書及び図面は、制限を意味するものとしてというよりも例示を意味するものとしてみなすべきである。