IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エポック社の特許一覧

<>
  • 特許-スラッシュ成形用金型の製造方法 図1
  • 特許-スラッシュ成形用金型の製造方法 図2
  • 特許-スラッシュ成形用金型の製造方法 図3
  • 特許-スラッシュ成形用金型の製造方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-12
(45)【発行日】2022-07-21
(54)【発明の名称】スラッシュ成形用金型の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/38 20060101AFI20220713BHJP
   B29C 41/40 20060101ALI20220713BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220713BHJP
   B22C 9/06 20060101ALI20220713BHJP
   B22F 10/34 20210101ALI20220713BHJP
   B22F 10/80 20210101ALI20220713BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20220713BHJP
【FI】
B29C33/38
B29C41/40
B33Y10/00
B22C9/06 F
B22F10/34
B22F10/80
B33Y50/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021074168
(22)【出願日】2021-04-26
【審査請求日】2021-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000128234
【氏名又は名称】株式会社エポック社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西野 晃一
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-203418(JP,A)
【文献】国際公開第2003/096308(WO,A1)
【文献】特開2004-001513(JP,A)
【文献】特開平10-225939(JP,A)
【文献】特開2021-030532(JP,A)
【文献】特開2019-217770(JP,A)
【文献】米国特許第6309587(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/38
B29C 64/00 - 64/40
B22F 10/00 - 12/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3DCADにより、複数の突起、複数の窪み及び静電植毛を施す部分を含む人形の成形品をモデリングする成形品モデリング工程と、
前記3DCADにより、前記成形品モデリング工程でモデリングした成形品に対して所定の収縮率を考慮してスラッシュ成形用金型をモデリングする金型モデリング工程と、
銅を主材料とする金属材料又は純銅を用いて、前記金型モデリング工程でモデリングした前記スラッシュ成形用金型のデータに基づいて金属3Dプリンタを用いて造形することで前記静電植毛に対応する梨地状のキャビティ面を形成する造形工程と、
を有することを特徴とするスラッシュ成形用金型の製造方法。
【請求項2】
前記造形工程により造形した造形物に対してめっき処理を行うめっき処理工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載のスラッシュ成形用金型の製造方法。
【請求項3】
前記成形品は、人形の頭部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスラッシュ成形用金型の製造方法。
【請求項4】
複数の突起、複数の窪み及び静電植毛を施す部分を含む人形頭部用の既存のスラッシュ成形用金型をCTスキャンして前記既存のスラッシュ成形用金型の形状データを取得し、3DCADで新たなスラッシュ成形用金型をモデリングするCTスキャン工程と、
前記CTスキャン工程でモデリングした前記新たなスラッシュ成形用金型のデータに基づいて、銅を主材料とする金属材料又は純銅を用いて、金属3Dプリンタを用いて造形することで前記静電植毛に対応する梨地状のキャビティ面を形成する造形工程と、
を有することを特徴とするスラッシュ成形用金型の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラッシュ成形用金型の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂材料の成形方法の一つとして、従来からスラッシュ成形が行われている。特許文献1には、アンダーカット成形部に耐熱性断熱材を設けたスラッシュ成形用金型が開示されている。この従来のスラッシュ成形用金型は、電気鋳造(電鋳)により製造されている。電気鋳造の工程を含むスラッシュ成形用金型の製造方法の一つとしては、所望の成形品の母型をロウ(ワックス)により形成し、この母型を用いて電気鋳造を行い、スラッシュ成形用金型を製造する(ロストワックス電鋳方法)。
【0003】
このスラッシュ成形用金型の製造方法において、複数のスラッシュ成形用金型を製造する場合には、母型から製造したスラッシュ成形用金型(最初に製造したスラッシュ成形用金型)を用いてスラッシュ成形を行い、複数個の製品を作成する。そして、作成した複数個の製品に対して電気鋳造を行うことで、複数のスラッシュ成形用金型を製造することができる。すなわち、最初に電気鋳造して作成したスラッシュ成形用金型は原型とし、製品の生産には使用せず、製品の生産には原型から作成した製品に基づいて作成した金型が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スラッシュ成形においては、スラッシュ成形用金型のキャビティ形状よりも所定の収縮率で収縮して製品が成形される。よって、スラッシュ成形用金型を複数製造する場合には、ロウ(ワックス)により形成した母型に対して、最低でも2回分のスラッシュ成形により収縮した製品が生産されてしまう。そうすると、デザイナがイメージした最終製品のデザインに基づく母型と、実際の製品とが異なり、形状や見た目の印象がデザイナのイメージした製品と異なる場合がある。一方、2回分の収縮率を考慮した母型の作成は、デザイナにとって負担である。また、スラッシュ成形による収縮は、製品形状によっては一様ではないことから、デザイナの意図したデザインの製品を作ることができる母型の作成は非常に難しいものとなる。
【0006】
本発明は、デザイナのデザインに忠実な製品を容易に生産することができるスラッシュ成形用金型の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの態様に係るスラッシュ成形用金型の製造方法は、3DCADにより、複数の突起、複数の窪み及び静電植毛を施す部分を含む人形の成形品をモデリングする成形品モデリング工程と、3DCADにより、前記成形品モデリング工程でモデリングした成形品に対して所定の収縮率を考慮してスラッシュ成形用金型をモデリングする金型モデリング工程と、銅を主材料とする金属材料又は純銅を用いて、前記金型モデリング工程でモデリングしたスラッシュ成形用金型のデータに基づいて金属3Dプリンタを用いて造形することで前記静電植毛に対応する梨地状のキャビティ面を形成する造形工程と、を有することを特徴とするスラッシュ成形用金型の製造方法。
【0008】
本発明の一つの態様に係るスラッシュ成形用金型の製造方法は、複数の突起、複数の窪み及び静電植毛を施す部分を含む人形頭部用の既存のスラッシュ成形用金型をCTスキャンして前記既存のスラッシュ成形用金型の形状データを取得し、3DCADで新たなスラッシュ成形用金型をモデリングするCTスキャン工程と、前記CTスキャン工程でモデリングした前記新たなスラッシュ成形用金型のデータに基づいて、銅を主材料とする金属材料又は純銅を用いて、金属3Dプリンタを用いて造形することで前記静電植毛に対応する梨地状のキャビティ面を形成する造形工程と、を有することを特徴とする。

【発明の効果】
【0009】
上記の態様によれば、デザイナのデザインに忠実な製品を容易に生産することができるスラッシュ成形用金型の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る3DCADでモデリングした成形品とスラッシュ成形用金型を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る3DCADでモデリングした成形品とスラッシュ成形用金型を示す正面図である。
図3】本発明の実施形態に係る3DCADでモデリングしたスラッシュ成形用金型の図3のIII-III断面を示し、3DCADでモデリングした成形品を二点鎖線で示した断面図である。
図4】本発明の実施形態に係るスラッシュ成形用金型の製造方法の工程を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を説明する。先ず、本発明により製造したスラッシュ成形用金型によるスラッシュ成形は、公知の成形方法を用いることができる。その概略を説明する。このスラッシュ成形用金型による製品の製造は、先ず、溶融したPVC(ポリ塩化ビニル)をスラッシュ成形用金型の内部(キャビティ)に所定量流し込み、スラッシュ成形用金型の開口部よりも下側を加熱油中に入れてスラッシュ成形用金型を加熱する。ここで一度、加熱油中からスラッシュ成形用金型を取り出して、開口部を下側にしてスラッシュ成形用金型を反転させて材料であるPVCをスラッシュ成形用金型のキャビティ面に馴染ませる。PVCをキャビティ面に馴染ませた後、スラッシュ成形用金型を再び加熱油中に入れる。所定時間経過後、スラッシュ成形用金型を加熱油中から取り出して、空冷により冷却し、キャビティ内で硬化したPVCからなる製品を開口部から取り出す。
【0012】
成形され硬化したPVCからなる製品の取り出しは、PVCが柔軟な材料であるため、スラッシュ成形用金型の開口部から引き抜くことで容易に行うことができる。また、このスラッシュ成形用金型は、銅合金又は純銅により形成されるので、熱伝導率が高い。よって、PVCを入れたスラッシュ成形用金型を加熱油に入れると即座にスラッシュ成形用金型及びPVCが加熱され、加熱油から取り出すと即座にスラッシュ成形用金型は冷却されて、PVCは硬化する。
【0013】
次に、本発明の実施形態として、図1図3及び図4のフローチャートに従って、スラッシュ成形用金型の製造方法を説明する。
成形品モデリング工程(ステップS10);先ず、図1図2に示すように、製品形状とされる成形品10を3DCADによりモデリングする。ここで、本実施形態においては、ウサギを模した人形の形状の製品を生産する。成形品10のモデリング作業は、主にデザイナにより行われる。デザイナは、成形品10である製品を用いた玩具のコンセプトやマーケット調査の結果等に基づいて人形のデザインを行ってモデリングを行う。
【0014】
金型モデリング工程(ステップS20);3DCADにより、成形品モデリング工程でモデリングした成形品10に対して、所定の収縮率を考慮してスラッシュ成形用金型20をモデリングする。所定の収縮率は、単純形状の成形品10である場合には、一律に求めることができるが、人形のように、突起(成形品10では耳部11)や窪み(目部12)等を備える場合には、その形状に応じた収縮率を考慮する必要がある(図3参照)。スラッシュ成形においては、金型形状によって金型の各部位の冷却スピードが異なるからである。従って、スラッシュ成形用金型20のモデリング作業は、知識・経験を要するため、主に技術的知識を有する作業者によって行われる。また、本工程において、3DCADにより金型形状を調整することにより、スラッシュ成形用金型の厚みをコントロールして、製品の収縮や冷却速度の均一化を図る等の調整を適宜行うこともできる。
【0015】
具体的には、図3において、スラッシュ成形用金型20の断面を示し、成形品10を二点鎖線で示している。スラッシュ成形用金型20の下端は、開口部が形成されて、当該開口部から材料をキャビティ21に注入する。スラッシュ成形用金型20のキャビティ21の形状は、二点鎖線で示す成形品10よりも、例えば3%程度大きく形成されている。すなわちこの場合、PVCを用いたスラッシュ成形では、収縮率が3%とされている。しかしながら、耳部11の基部周辺では、冷却速度が速いと予想されるため、キャビティ21と成形品10の寸法差が小さく設定されている。
【0016】
造形工程(ステップS30);金型モデリング工程でモデリングしたスラッシュ成形用金型20のデータに基づいて金属3Dプリンタを用いて造形を行う。金属3Dプリンタによる造形は、銅を主材料とする金属材料や銅合金又は純銅を用いて造形される。金属3Dプリンタは、種々の方式を採用することができる。例えば、金属粉末を敷き詰めて、レーザビームや電子ビームで造形部分のみの金属を溶かして固めるパウダーベッド方式、金属粉末の噴射とレーザビームの照射を同時に行い、造形部分に溶けた金属を積層、凝固させていくメタルデポジッション方式、バインダーと金属粉末を混合した材料によりFDM(Fused Deposition Modeling)方式により積層、固化して造形するADAM方式等を採用することができる。ただし、スラッシュ成形に用いる金型としては、隙間なく緻密に積層されていると好ましいため、金属粉末をレーザビームで溶融させる工程を有する金属3Dプリンタが好適である。
【0017】
めっき処理工程(ステップS40);金属3Dプリンタにより造形した造形物の内面(キャビティ21の面)に対してめっき処理を行う。スラッシュ成形時に発生するガスによる腐食を防止するためである。このため、めっき処理は、ニッケルクロムめっきが好適である。
【0018】
これらの工程を備えたスラッシュ成形用金型の製造方法によれば、精度の低い電気鋳造による工程を排することができ、デザイナのデザインイメージに精度よく近付けた製品を生産することができるスラッシュ成形用金型を製造することができる。
【0019】
すなわち、従来は、主にロストワックス電鋳方法で形成したスラッシュ成形用金型で成形した製品を更に電気鋳造して複数のスラッシュ成形用金型を製造していた。しかし、母型の「コピーのコピー」でスラッシュ成形用金型を製造すると、収縮率の考慮等で当初の製品イメージと異なる製品となってしまったり、複数のスラッシュ成形用金型同士で微小ではあるが形状が異なってしまったりすることにより、同じ製品でも、成形した金型によって見た目に違和感があることがあったが、本実施形態によれば、金型モデリング工程でモデリングしたスラッシュ成形用金型20を金属3Dプリンタにより精度よく造形することができるので、個々のスラッシュ成形用金型により成形された製品同士で違和感を低減することができる。
【0020】
また、本実施形態の変形例として、上記の成形品モデリング工程(ステップS10)及び金型モデリング工程(ステップS20)に換えて、既存のスラッシュ成形用金型をCTスキャンして、既存のスラッシュ成形用金型の形状データを取得して、新たなスラッシュ成形用金型をモデリングするCTスキャン工程を行い、このCTスキャン工程でモデリングしたスラッシュ成形用金型のデータに基づいて金属3Dプリンタを用いて造形する造形工程(ステップS30)を行うことで、スラッシュ成形用金型を製造することもできる。
【0021】
この場合、例えば、既に販売が終了した人形玩具の復刻版の生産をすることができる。すなわち、過去に販売した製品のスラッシュ成形用金型があれば、当該スラッシュ成形用金型をCTスキャンして内部形状(キャビティ形状)の形状データを取得することで、この形状データに基づいて金属3Dプリンタを用いてスラッシュ成形用金型を造形し、製造することができる。このように、形状精度が低い電気鋳造を用いることなく、精度の高い金属3Dプリンタによりスラッシュ成形用金型を製造すれば、例えば過去に販売した人形等の製品を復刻版として販売しても、過去の製品と違和感のない製品を提供することができる。
【0022】
なお、CTスキャン工程におけるモデリングの際に、成形上の不具合の発生が予想される箇所の修正等を適宜行うことができる。又は、取得した既存のスラッシュ成形用金型のデータがそのままでも不具合が無ければ、修正を加えずにモデリングして次工程にモデリングデータを渡すこともできる。
【0023】
以上のような本発明の実施形態によれば、下記の態様のスラッシュ成形用金型の製造方法を提供することができる。
【0024】
第1の態様に係るスラッシュ成形用金型の製造方法は、3DCADにより所望の成形品をモデリングする成形品モデリング工程と、3DCADにより、前記成形品モデリング工程でモデリングした成形品に対して所定の収縮率を考慮してスラッシュ成形用金型をモデリングする金型モデリング工程と、前記金型モデリング工程でモデリングしたスラッシュ成形用金型のデータに基づいて金属3Dプリンタを用いて造形する造形工程と、を有することを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、精度の低い電気鋳造を用いたロストワックス電鋳方法等の製法を用いずに、金属3Dプリンタにより精度よくスラッシュ成形用金型を製造することができるので、デザイナのデザインに忠実な製品を容易に生産することができるスラッシュ成形用金型の製造方法を提供することができる。上記構成によれば、ロストワックス電鋳方法のワックス原型(母型)では強度上不可能な繊細な凸形状(例えば、動物のヒゲなど)を有する製品であっても、当該製品を生産するためのスラッシュ成形用金型を製造することもできる。また、ワックス原型を製造し、電気鋳造のために当該ワックス原型を運搬する等の必要もなく、ワックス原型の破損等の恐れも排することができる。
【0026】
また、上記構成によれば、モデリングした形状データを用いて造形して製造されるため、精度よく同じスラッシュ成形用金型を製造することができる。また、上記構成によれば、ワックス原型の製造やロストワックスの工程を排することができるので、工程の短縮を達成することができる。更に又、金属3Dプリンタで造形したスラッシュ成形用金型には、表面に梨地面が形成される。ロストワックス電鋳方法で製造したスラッシュ成形用金型では、製品に、例えば静電植毛を施す場合には、接着剤の塗着性向上のため、表面に梨地面を形成するシボ加工を施すが、上記構成により製造されるスラッシュ成形用金型では、金属3Dプリンタによる造形により、キャビティ面が梨地状とされるので、シボ加工の工程を排することができる。また、上記構成によるスラッシュ成形用金型の製造は、多品種少量生産に好適である。
【0027】
第2の態様に係るスラッシュ成形用金型の製造方法は、前記造形工程により造形した造形物に対してめっき処理を行うめっき処理工程を更に有することを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、特にキャビティ面の腐食を低減し、スラッシュ成形用金型の寿命を延ばすことができる。
【0029】
第3の態様に係るスラッシュ成形用金型の製造方法は、前記金属3Dプリンタは、銅を主材料とする金属材料又は純銅を用いて造形することを特徴とする。
【0030】
この構成によれば、スラッシュ成形用金型を用いた製品の成形において、スラッシュ成形用金型の加熱や冷却を即座に行うことができる。
【0031】
第4の態様に係るスラッシュ成形用金型の製造方法は、既存のスラッシュ成形用金型をCTスキャンして前記既存のスラッシュ成形用金型の形状データを取得し、3DCADで新たなスラッシュ成形用金型をモデリングするCTスキャン工程と、前記CTスキャン工程でモデリングした前記新たなスラッシュ成形用金型のデータに基づいて金属3Dプリンタを用いて造形する造形工程と、を有することを特徴とする。
【0032】
この構成によれば、例えば復刻版等の製品を、過去に製造された製品と同様に生産することができるスラッシュ成形用金型を複数製造することができる。
【0033】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は本実施形態によって限定されることは無く、種々の変更を加えて実施することができる。例えば、本実施形態においてはウサギを模した人形の製品(成形品)を示したが、これに限定されることはなく、種々の製品を成形するためのスラッシュ成形用金型の製造で本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0034】
10 成形品
11 耳部
12 目部
20 スラッシュ成形用金型
21 キャビティ
【要約】
【課題】デザイナのデザインに忠実な製品を容易に生産することができるスラッシュ成形用金型の製造方法を提供する。
【解決手段】3DCADにより所望の成形品10をモデリングする成形品モデリング工程(ステップS10)と、3DCADにより、成形品モデリング工程(ステップS10)でモデリングした成形品に対して所定の収縮率を考慮してスラッシュ成形用金型20をモデリングする金型モデリング工程(ステップS20)と、金型モデリング工程(ステップS20)でモデリングしたスラッシュ成形用金型20のデータに基づいて金属3Dプリンタを用いて造形する造形工程(ステップS30)と、を有する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4